JP2004344583A - 診断支援システムおよび端末装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】舌の情報に基づく的確な診断支援を簡易に行える診断支援技術を提供する。
【解決手段】照明21により照明された患者の舌TNをカメラ22で撮影し、9種類の分光画像を取得する。端末本体20は、9種類の分光画像に基づき、例えば重回帰法を利用して舌TNに関する分光反射率データなどの計測値を算出する。ホストコンピュータ3は、上記の計測値と診断支援情報との相関関係が記述されたデータベースを有しており、端末本体20から送信された患者の計測値に対する診断支援情報を提供する。これにより、舌の情報に基づく的確な診断支援を簡易に行えることとなる。
【選択図】 図1
【解決手段】照明21により照明された患者の舌TNをカメラ22で撮影し、9種類の分光画像を取得する。端末本体20は、9種類の分光画像に基づき、例えば重回帰法を利用して舌TNに関する分光反射率データなどの計測値を算出する。ホストコンピュータ3は、上記の計測値と診断支援情報との相関関係が記述されたデータベースを有しており、端末本体20から送信された患者の計測値に対する診断支援情報を提供する。これにより、舌の情報に基づく的確な診断支援を簡易に行えることとなる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、舌の情報に基づき診断支援を行う診断支援技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来においては、舌の状態を観察することにより健康状態や病状を診断する診断手法(舌診)がある。
【0003】
この舌診については、例えば特許文献1に開示されており、患者の舌像と過去の標準的な舌像(標準舌像)とにおいて舌色などを比較することによって、経験などに頼らずに診断できる支援技術が記載されている。
【0004】
【特許文献1】
特許第2763989
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1の技術では、医師の経験やノウハウに基づき判定し、その判定基準も定量的でないため、個人差が生じるとともに客観的で正確な判断が困難である。さらに、光源に応じて条件等色(メタメリズム)が生じるため、同一色と見える2つの症例の舌色が真に同一色となっていない場合があり、誤診が発生するおそれがある。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、舌の情報に基づく的確な診断支援を簡易に行える診断支援技術を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、請求項1の発明は、診断支援システムであって、(a)舌を照明する照明手段と、(b)前記照明手段により照明された舌を撮影し、前記舌に関する分光データを生成する分光データ生成手段と、(c)前記分光データに基づき、診断支援情報を生成する支援情報生成手段とを備え、前記診断支援情報に基づき、診断が行われる。
【0008】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明に係る診断支援システムにおいて、(d)舌本体の厚みおよび/または舌本体上の苔の厚みに関する厚み情報を取得する手段をさらに備え、前記支援情報生成手段は、(c−1)前記厚み情報に基づき、前記診断支援情報を生成する手段を有する。
【0009】
また、請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明に係る診断支援システムにおいて、前記分光データは、前記照明手段の照明条件に依存しない分光反射率データである。
【0010】
また、請求項4の発明は、診断支援装置と通信可能に接続する端末装置であって、(a)舌を照明する照明手段と、(b)前記照明手段により照明された舌を撮影し、前記舌に関する分光データを生成する分光データ生成手段と、(c)前記分光データに基づく送信データを、前記診断支援装置に送信する送信手段とを備え、前記診断支援装置は、前記送信データに基づき、診断支援情報を生成する支援情報生成手段を有するとともに、前記診断支援情報に基づき、診断が行われる。
【0011】
また、請求項5の発明は、請求項4の発明に係る端末装置において、(d)舌本体の厚みおよび/または舌本体上の苔の厚みに関する厚み情報を取得する手段をさらに備え、前記送信手段は、(c−1)前記厚み情報を、前記診断支援装置に送信する手段を有するとともに、前記支援情報生成手段は、前記厚み情報に基づき、前記診断支援情報を生成する手段を有する。
【0012】
【発明の実施の形態】
<診断支援システムの要部構成>
診断支援システムの構成を説明する前に、まず舌色(舌情報)による診断について、メディカルユーコン社刊「今日の漢方診療指針−診断と治療」から引用して、以下で説明する。
【0013】
東洋医学における診断とは「証」を定めることである。証は、寒・熱と気・血・水の状態で表される。寒・熱は体の表裏との組み合わせにより、表寒、表熱、裏寒、裏熱に分けられる。気・血・水はそれぞれが不足しているか余っているかの状態により、気虚・気滞、血虚・お血、陰虚・水湿に分けられる。
【0014】
診断法には望、聞、問、切の四診があり、西洋医学における視診、聴診、問診、触診に相当する。望診は患者の全体的な印象を診察するものと、顔色や舌を診察するもの(舌診)とに分けられる。
【0015】
顔色を診察する方法は、日焼けや人種などによる影響を受け易く、化粧されると診断できない。また、興奮して顔が紅潮したり、恐怖で顔が青ざめたりというように、心理的な影響でも変化が出やすい。
【0016】
これに対して、舌は全身状態の変化が表れやすく全身の鏡と言われている。舌組織には血管が豊富で、表面が粘膜に覆われているため、その色は血液や体液の色を反映している。粘膜のため日焼けや人種などによる影響がない。また写真などに記録、伝送しても、個人が同定できずプライバシーの点からも安心感がある。
【0017】
舌診では、舌を本体と苔に分けて、その色と形から体質や体調を診断する。前述の証の中で、主に寒・熱と血・水の状態が分かる。両者の関係を次の表1に示す。
【0018】
【表1】
【0019】
このように、舌や苔の色と形の特徴により体の状態である証を定めることができる。証が定まると漢方薬の処方や鍼灸の配穴などの治療方法を決定することができる。
【0020】
証は体の状態を処方に応じて分類したものであるが、西洋医学の診断との関連も明らかにされている。その関連を次の表2に示す。
【0021】
【表2】
【0022】
このような関係を用いることにより、西洋医学的な治療法の選択や、食事内容や生活方法の提案を行うことができる。
【0023】
以上のような舌診を支援する診断支援システムの具体的な構成を、以下で説明する。
【0024】
図1は、本発明の実施形態に係る診断支援システム1の要部構成を示す図である。
【0025】
診断支援システム1は、端末装置2と、ネットワークNEを介して端末装置2に通信可能に接続するホストコンピュータ3とを備えている。このホストコンピュータ3は、端末装置2に対して遠隔地にあり、診断支援システム1を統合管理する装置として機能する。
【0026】
端末装置2は、端末本体20と、照明21と、端末本体20にケーブルCBを介してデータ伝送可能に接続するカメラ22とを備えている。
【0027】
端末本体20は、例えばパーソナルコンピュータとして構成されており、カメラ22から送信される画像データを処理して、ホストコンピュータ3に伝達できる。
【0028】
照明21は、一定の色温度を有する照明光によって、患者の舌TNを照射するものである。
【0029】
カメラ22は、例えばマルチバンドの分光カメラとして構成されており、ワンショットで二次元のスペクトル情報を備えた分光画像を撮影できる。そして、後述するように、カメラ2により複数の波長帯で撮影した分光画像によって、連続した波長帯の画像データが推定される。
【0030】
また、カメラ22は、撮像部25を有しているが、この撮像部25について以下で説明する。
【0031】
図2は、撮像部25の要部構成を示す図である。
【0032】
撮像部25は、撮像センサ26と、レンズアレイ27と、フィルタアレイ28とを備えている。
【0033】
撮像センサ26は、シリコン基板上に形成された、例えばCCDやCMOSのエリアセンサを有しており、可視域から近赤外域までの感度を備えている。
【0034】
レンズアレイ27は、例えばガラスや樹脂で形成され、9個(縦3×横3)の領域に分けられている。この各領域には単レンズが並列に配置されている。なお、レンズアレイ27では、各レンズごとに焦点距離やFナンバーなどの仕様を一致させる設計を行っているが、選択透過波長に起因した結像位置など光学特性の差異を補正するように設計して配置するようにしても良い。
【0035】
フィルタアレイ28は、レンズアレイ27に対応した9個(縦3×横3)の領域に分けられており、各領域は相互に異なる透過波長の特性を有している。具体的には、図3に示すように各領域に対応する9つの各選択波長特性F1〜F9の中心値が、可視域(400〜700nm)をその半値でほぼ9等分するように設定されている。このフィルタアレイ28は、例えばガラス基板上に干渉膜を選択的に蒸着する手法、または色吸収ガラスを張り合わせる手法によって形成される。
【0036】
上記のレンズアレイ27およびフィルタアレイ28は、図示しない鏡胴で撮像センサ26に対して保持されている。この鏡胴は、各レンズを透過した撮影光が互いに干渉しないための隔壁の役目も担っている。
【0037】
以上のような撮像部25の構成により、被写体、つまり舌TNからの反射光はレンズアレイ27により撮像センサ26上に9個投影されるが、これらはフィルタアレイ28により波長が選択された9種類の画像Gdとなる(図4参照)。そして、撮像センサ26で取得される画像データを読み出してアドレスを選択し再配列することにより、各波長の画像を切出すことができる。これにより、端末本体20では舌画像の各画素ごとに分光分布データが得られることとなる。
【0038】
<診断支援システム1の動作について>
図5は、診断支援システム1の基本的な動作を示すフローチャートである。
【0039】
まず、カメラ22によって取得された舌の分光画像に基づき、端末本体20において舌の分光データを生成する(ステップS1)。
【0040】
ステップS2では、端末本体20において舌画像の解析を行う。そして、舌画像の解析結果(計測値)は、送信データとしてホストコンピュータ3に送信される。
【0041】
ステップS3では、健康状態や病状などの診断において基礎となる診断支援情報を、ホストコンピュータ3で生成する。
【0042】
以上のような動作が診断支援システム1にて行われるが、以下ではステップS1〜S3の動作を分説する。
【0043】
<1.舌の分光データの生成>
端末本体20は、カメラ22で取得された9波長の分光画像Gd(図4)に基づき、連続した分光反射率データ(分光データ)を推定により求める。この推定では、被写体とカメラ出力との関係を回帰分析によって求める重回帰法を利用するが、この方法を以下で説明する。
【0044】
まず、診察の際、つまり実際の撮影の際に用いる照明21およびカメラ22により、分光反射率データが既に測定されている対象物(例えばカラーチャート)を数多く撮影する。
【0045】
そして、端末本体20に、図6(a)に示すような既知のカラーチャートの分光反射率データと、カラーチャートを撮影してカメラ2から出力された出力データ(図6(b))とを記憶する。
【0046】
ここでは、次の式(1)を示す行列式を利用して、既知の分光反射率データと、撮影されたカメラ出力とから変換行列を算出する。なお、式(1)の左辺に対応する既知の分光反射率データは、可視域(400〜700nm)において10nm刻みで30個のデータOb1〜Ob30が測定されているものとする。
【0047】
【数1】
【0048】
上式(1)の右辺においては、V11〜V930の要素を有する変換行列と、9つの分光画像データに対応するC1〜C9の要素を有するカメラ出力とが乗算される。
【0049】
以上の式(1)によって求められた変換行列を利用することで、分光画像の撮影において、照明21の照明条件(分光分布)に依存しない舌の分光反射率を推定できることとなる。
【0050】
すなわち、実際に照明21で照明された舌を撮影する際には、撮影で取得される分光画像のデータ、つまりカメラ22の出力に、既知の分光反射率データに基づき算出された式(1)の変換行列を乗算することにより、診断対象である舌の分光反射率データが推定されることとなる。なお、ここでは、カメラ出力を2次の項まで求めると推定の精度が向上する。また、撮影対象が舌に限定されている場合には、既知のカラーチャートの代わりに実際の舌を測定・撮影することにより、推定精度を向上できる。他方、照明21やカメラ22の分光感度が変更される場合には、既知のカラーチャートなどを再度撮影し、これに基づき変換行列を算出し直す必要がある。
【0051】
以上の重回帰法による推定により、例えば図7に示すような舌の分光データを生成できることとなる。この図7は、例えば4人の患者における舌の分光分布例を示すグラフを表しており、横軸は波長(nm)を示し、縦軸は反射率(%)を示している。このように端末2では、カメラ22で取得された9つの分光画像データから、連続的な分光分布で絶対的な評価値(計測値)として活用できる分光反射率データが取得できることとなる。
【0052】
<2.舌画像の解析>
端末本体20では、まずカメラ22で得られた分光データから舌の部分を抽出する処理を行う。舌の撮影においては、舌TNを中心として顔の下半分がカメラ22で撮影される構図をとるが、この場合、画像には舌の他に顔の表面や唇、歯などが写ることとなる。ここでは、撮影画像から舌の部分を抽出する処理が必要となるが、この処理を以下で説明する。
【0053】
端末本体20では、撮影画像の輝度エッジに基づき、舌部が抽出される。
【0054】
すなわち、各画素の分光反射率データに人間の視感度を掛け合わせ、三刺激値であるXYZ値を求める。そして、各画素の輝度値に相当するYの数値について4近傍(上下左右)との差分をとり、その差分値が予め設定された所定値αを超える輝度段差を持つ画素を抽出する。この所定値αについては、舌の周囲に口腔、歯、舌の影など輝度の段差が存在するため、これらを検出できるような閾値として設定される。これにより、撮影画像から舌の領域を抽出でき、また舌の中央に形成される溝や舌の周囲にある歯状痕も抽出できることとなる。
【0055】
抽出された舌部分を観察する場合、舌が湿潤で、唾液などによって表面が濡れていると、光源からの光が反射して画像が白く飛ぶこととなる。これは、照明21からの光が舌の表面で正反射するために生じるものであり、その分光分布は光源と一致する。一方、舌や苔の色自身が白くなっている場合もある。この場合には、被写体である舌自体が白色である、つまり完全な正反射が行われないため、光源からの光が反射する場合と異なり、この白領域の分光分布は、一般に照明21とは一致しないこととなる。
【0056】
そこで、舌画像において白色と観察される領域に関しては、光源の反射光によるものか否かを判断するために、まず撮影画像から輝度が所定値以上となる領域を抽出する。そして、この領域部分の分光反射率が、端末本体20の記憶部に記憶される照明21の分光分布と一致する場合には、舌が濡れているものと判断する。これにより、舌色・苔色が白色であるか否かを正しく判断できることとなる。
【0057】
また、端末本体20においては、色の類似度を用いて苔の部分を抽出する処理も行われる。すなわち、検出された舌領域の中心部分より複数の画素の色を検出する。そして、これらの画素の色を度数分布に表し、最も頻度の高い色をこの領域の背景色とみなす。この場合の色は、分光反射率でも上記のXYZ値でも良い。次に、先に検出された舌領域の境界部分より、すぐ内側に位置する複数画素の色に基づき度数分布を作成し背景色を検出する。
【0058】
以上のような検出方法によって、舌領域の中心部分における背景色は苔の色を表し、舌領域の境界部分付近の色は舌自体の色を表すこととなる。ここで、両者の色の間に所定値以上の差異が存在する場合には、中心から周辺に向けて順次に放射状に画素を選択して中心色との変化量を演算し、この変化量が予め定められた所定値となるまで画素域を拡大する。このように得られた画素域は、苔の領域とみなされ、その外側が舌本体の領域と判断される。この判断で用いられる閾値としては、両者の差異の中間程度に設定されるのが好ましい。
【0059】
また、舌領域における色の変化量を中心からの境界領域としてではなく、画素単位で検出することによって細かな部分の色の差を判断すると、舌や苔の領域にある斑点などの検出が可能となる。すなわち、上述した輝度段差と同様に、舌や苔の領域の背景色に対して所定の差異が存在する画素を抽出することにより、斑点などが検出できることとなる。
【0060】
以上では、前面から舌を撮影する場合を説明したが、側面から舌を撮影してその輪郭を検出することで、舌(舌本体)の厚みや、舌本体上の苔の厚みつまり糸状乳頭の高さを測定できる。このうち、苔の高さについては、撮影において照明21の照明光が舌の表面に対して斜めに照射されているため、影の多少によりその高さを検出できる。具体的には、上記の輝度段差を利用した画素の検出方法により、閾値を苔色より低い輝度に設定することで、影の画素数を検出して厚みが測定される。なお、舌や苔の厚みに関する厚み情報については、定規などを用いた測定や光切断法など光学的な形状測定法によって計測したものを入力して、端末装置2が取得するようにしても良い。
【0061】
<3.診断支援情報の生成>
以上の舌画像の解析によって検出された計測値、具体的には舌および苔の色や形、歯状痕や溝の有無、舌の湿り度合い、舌と苔との厚みを、表1に示す東洋医学の診断法に適用することにより、カメラ22で取得した舌の分光画像に基づき「証」、すなわち診断支援情報を得ることが可能である。
【0062】
端末本体20で得られた計測値はホストコンピュータ3に送信されるが、ホストコンピュータ3では、判定データベースに基づいて患者の証や健康状態が判定されることとなる。この判定については、実際の診療を通して判定する場合の具体例を挙げ、以下で説明する。
【0063】
東洋医学は経験に基づいた医学であるため過去のデータを標本として現在の患者を診断するが、これに対して天気予報や景気予測などに用いられる手法を適用する。すなわち、数値化可能な計測値と、その数値との因果関係が明らかにされていない判定結果との関係を、過去のデータに基づいて統計的に整理された判定データベースを作成する。
【0064】
具体的には、分光画像を撮影する端末装置2を東洋医学で診療する医院に設置し、舌の分光画像を撮影して計測値を記録する。この場合、患者が来院しているため、その医師は舌診だけでなく、問診、触診など他の東洋医学的診断方法、さらに必要であれば血液検査や放射線診断など西洋医学的な診断手法を駆使して、患者の病状を診断する。そして、診断が確定すると、医師は舌画像より検出した計測値と診断結果とをネットワークNEを介して遠隔地のホストコンピュータ3に送信する。次に、ホストコンピュータ3では、図8に示すように、受信した計測値および診断結果をデータベースDBに追加して記憶する。そして、データベースDBで一定の情報量が蓄積されると、計測値および診断結果との相関関係を利用して、新たな計測値に対して例えば証などの診断支援情報を回帰によって生成できることとなる。
【0065】
以上のデータベースDBにより、カメラ2で取得される分光画像に基づく診断支援を適切に行えることとなる。すなわち、証などの診断支援情報に基づき、症状の重い人や緊急性を有する人に対しては、検査機器が整備された病院を紹介して通院を推奨するとともに、症状の軽い人や慢性的で症状の安定した人に対しては、適した漢方薬であって最寄の薬局や通信販売で購入できるものを通知する。また、病気ではないがストレスや疲労などで体調を崩している人に対しては、生活方法や食事内容の改善、最寄の販売店や通信販売で購入できる健康食品などを提案する。
【0066】
以上の診断支援システム1の動作により、カメラで撮影され、生成された舌の分光データに基づきデータベースを参照して診断支援情報を提供するため、舌の情報に基づく的確な診断支援を簡易に行えることとなる。
【0067】
その結果、病気の早期発見や治療が可能となるため、医療費の削減や治療効果の改善が期待できる。また、必要な人々にタイミングよく健康に関連する物品やサービスを提供することができ、診断支援システムを運用する事業者の効率を向上できる。
【0068】
なお、上述したデータベースDBについては、東洋医学の証だけに限らず、西洋医学的な珍断結果を含めたデータベースとして作成しても良い。さらに、東洋医学的な証の判定と西洋医学的な診断を併せたデータベースを作成しても良い。これにより、より正確な診断支援を行えることとなる。
【0069】
また、各流派や医師毎にデータを分類したデータベースDBを構築すれば、それぞれの診断方法で判定できることとなる。一方、これらの全データを利用すれば、統合された一つの診断方法を確立することも可能である。
【0070】
また、データベースDBにおいては、図8に示すように新たな計測値NMに対しても、分光画像より計測される値であれば、過去に遡ってデータベースDBを利用できる。また、一定の情報量が蓄積された後でも、新たな患者の所見SKを追加することにより、データベースDB、つまり診断支援の確度を向上できることとなる。
【0071】
また、舌の状態にも個人差が存在するため、時々の画像により証を判定するだけでなく、同一人物の時間的な画像の変化を把握することにより診断支援の確度が向上できる。この場合、健康な状態から病気の状態まで、各個人の様々な健康状態における舌画像をデータベースに登録し、その計測値の変化の大小と診断結果との関係をデータベースに蓄積する。
【0072】
<診断支援システムの他の形態>
診断支援システム1については、固定式の照明21およびカメラ22で分光画像を取得するのは必須でなく、可搬性を有する携帯型の照明およびカメラで取得するようにしても良い。
【0073】
すなわち、通常のカメラとストロボのような携帯型の装置では、持ち運びが可能であるため、医師だけでなく患者や介護者など個人でも撮影できる利点がある。また、レンズアレイ27を用いると、撮像センサ26までの結像距離が短く、携帯電話やノートパソコンなどの携帯機器に組み込むことも可能である。これにより、わざわざ通院しなくても、家庭や勤務先など出先で必要に応じて手軽に舌の分光画像を得ることができる。なお、ホストコンピュータ3との通信も有線だけでなく無線で行っても良い。
【0074】
このような携帯機器でカメラなどを構成することにより、いつでも、どこでも手軽に健康状態を把握することができ、病気やストレスなどの早期発見や治療に役立てることができる。そして、通院する機会を逃しがちなビジネスマン、医療機関が少ない地方の住人、外出が難しい術後の患者や高齢者などの診断および健康管理に有効である。
【0075】
このような携帯機器をビジネス展開する場合には、ビジネスの事業者は、カメラまたは光学デバイスを組み込んだ機器をユーザに販売するとともに、ユーザと舌画像による健康診断の契約を結ぶ。この契約は、期間で一定の料金を課す定額制でも、利用に応じて料金を支払う従量制でも良い。まず、契約者は、あらかじめ健康状態で舌画像を複数撮影し、事業者に送信する。そして、体の不調を感じた場合には、再び自分の舌を撮影し、画像データを事業者に送信する。次に、事業者は、この画像に基づき分光データを生成するとともに、色や形の計測値より契約者の健康状態を判定して、その健康状態を契約者にネットワークを介して通知する。さらに、通院の要否や、適した薬や健康食品、生活や食事内容の改善方法を連絡する。
【0076】
一方、ビジネスの事業者は、これらの医療、物販やサービスの提供者とも情報提供の契約を結ぶ。そして、通院や投薬が必要な場合には、契約者の居住地や勤務地より近い医院や薬局を紹介し、契約者の了解を得て診断結果を送信する。また、生活や食事内容に関わる物販やサービスの提供が必要な場合には、これらを提供する他の事業者を紹介し、同様に診断結果を送信する。契約者が診断支援システム1の診断結果により治療、物品の購入やサービスを受けた場合には、事業者はそれらの代金の一定額を受け取ることにする。この場合、事業者、契約者、医療・物販・サービス提供者の間には秘密保持の契約を締結するのが好ましい。また、契約者本人以外の舌診を行う場合にも同様である。
【0077】
<変形例>
◎上記の実施形態におけるフィルタアレイの透過波長については、可視域に限らず、近紫外域や近赤外域を含んでも良い。
【0078】
◎上記の実施形態における分光画像については、カラーホイール、チューナブルフィルタ、ライン回折光スキャンなどの他の方法によって取得するようにしても良い。
【0079】
◎上記の実施形態における分光データの推定においては、重回帰法を利用するのは必須でなく、波長を線形に補完するスプライン法、被写体の分光分布の主成分を用いる方法など(千葉大、1998光学27巻7号を参照)を利用しても良い。
【0080】
◎上記の実施形態における端末装置においては、図1および図2に示す照明系、結像レンズ系および二次元センサの組合せを有するのは必須でなく、照明系、走査光学系およびラインセンサの組合せや、色彩計として市販されている照明系、集光レンズおよび単一の光センサの組合せを有しても良い。なお、照明系、集光レンズおよび単一の光センサの組合せでは、舌の分光分布をスポットでしか取得できないため、手動で装置を動かして舌の部分、苔の部分などを選択して測定することとなる。
【0081】
◎上記の実施形態においては、9種類の透過波長の分光画像を取得するのは必須でなく、2〜8種類および10種類以上の分光画像を取得しても良い。例えば、一般のデジタルカメラなどで使用されているRGBの3波長の分光画像や、その倍の6波長の分光画像を取得しても良い。なお、重回帰法などにより分光分布データを推定する場合には、撮影時のバンド数が多いほど推定誤差が小さくなる。
【0082】
◎上記実施形態の端末装置においては、舌画像の解析によって検出された計測値を送信データとしてホストコンピュータに送信するのは必須でなく、舌の分光データを送信データとして送信するようにしても良い。この場合には、ホストコンピュータ側で舌画像の解析が行われることとなる。
【0083】
◎本発明のおける「分光データ」とは、分光反射率データに限らず、上述した9波長の分光画像などのデータをも含む概念である。すなわち、舌色や苔色の判断においては、複数の分光画像からでも、診断支援情報である、例えば証の判定がある程度可能であるからである。
【0084】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1ないし請求項5の発明によれば、照明された舌に関する分光データを生成し、この分光データに基づき診断支援情報を生成するため、舌の情報に基づく的確な診断支援を簡易に行える。
【0085】
特に、請求項2および請求項5の発明においては、舌本体の厚みおよび/または舌本体上の苔の厚みに関する厚み情報に基づき診断支援情報を生成するため、一層的確な診断支援を行える。
【0086】
また、請求項3の発明においては、分光データが照明手段の照明条件に依存しない分光反射率データであるため、診断支援の精度を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る診断支援システム1の要部構成を示す図である。
【図2】撮像部25の要部構成を示す図である。
【図3】フィルタアレイ28における9つの透過波長F1〜F9の特性を説明するための図である。
【図4】カメラ22で取得される9つの画像Gdを説明するための図である。
【図5】診断支援システム1の基本的な動作を示すフローチャートである。
【図6】重回帰法を説明するための図である。
【図7】舌の分光データを説明するための図である。
【図8】データベースDBを説明するための図である。
【符号の説明】
1 診断支援システム
2 端末装置
3 ホストコンピュータ
20 端末本体
21 照明
22 カメラ
25 撮像部
26 撮像センサ
27 レンズアレイ
28 フィルタアレイ
DB データベース
Gd 画像
TN 舌
【発明の属する技術分野】
本発明は、舌の情報に基づき診断支援を行う診断支援技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来においては、舌の状態を観察することにより健康状態や病状を診断する診断手法(舌診)がある。
【0003】
この舌診については、例えば特許文献1に開示されており、患者の舌像と過去の標準的な舌像(標準舌像)とにおいて舌色などを比較することによって、経験などに頼らずに診断できる支援技術が記載されている。
【0004】
【特許文献1】
特許第2763989
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1の技術では、医師の経験やノウハウに基づき判定し、その判定基準も定量的でないため、個人差が生じるとともに客観的で正確な判断が困難である。さらに、光源に応じて条件等色(メタメリズム)が生じるため、同一色と見える2つの症例の舌色が真に同一色となっていない場合があり、誤診が発生するおそれがある。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、舌の情報に基づく的確な診断支援を簡易に行える診断支援技術を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、請求項1の発明は、診断支援システムであって、(a)舌を照明する照明手段と、(b)前記照明手段により照明された舌を撮影し、前記舌に関する分光データを生成する分光データ生成手段と、(c)前記分光データに基づき、診断支援情報を生成する支援情報生成手段とを備え、前記診断支援情報に基づき、診断が行われる。
【0008】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明に係る診断支援システムにおいて、(d)舌本体の厚みおよび/または舌本体上の苔の厚みに関する厚み情報を取得する手段をさらに備え、前記支援情報生成手段は、(c−1)前記厚み情報に基づき、前記診断支援情報を生成する手段を有する。
【0009】
また、請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明に係る診断支援システムにおいて、前記分光データは、前記照明手段の照明条件に依存しない分光反射率データである。
【0010】
また、請求項4の発明は、診断支援装置と通信可能に接続する端末装置であって、(a)舌を照明する照明手段と、(b)前記照明手段により照明された舌を撮影し、前記舌に関する分光データを生成する分光データ生成手段と、(c)前記分光データに基づく送信データを、前記診断支援装置に送信する送信手段とを備え、前記診断支援装置は、前記送信データに基づき、診断支援情報を生成する支援情報生成手段を有するとともに、前記診断支援情報に基づき、診断が行われる。
【0011】
また、請求項5の発明は、請求項4の発明に係る端末装置において、(d)舌本体の厚みおよび/または舌本体上の苔の厚みに関する厚み情報を取得する手段をさらに備え、前記送信手段は、(c−1)前記厚み情報を、前記診断支援装置に送信する手段を有するとともに、前記支援情報生成手段は、前記厚み情報に基づき、前記診断支援情報を生成する手段を有する。
【0012】
【発明の実施の形態】
<診断支援システムの要部構成>
診断支援システムの構成を説明する前に、まず舌色(舌情報)による診断について、メディカルユーコン社刊「今日の漢方診療指針−診断と治療」から引用して、以下で説明する。
【0013】
東洋医学における診断とは「証」を定めることである。証は、寒・熱と気・血・水の状態で表される。寒・熱は体の表裏との組み合わせにより、表寒、表熱、裏寒、裏熱に分けられる。気・血・水はそれぞれが不足しているか余っているかの状態により、気虚・気滞、血虚・お血、陰虚・水湿に分けられる。
【0014】
診断法には望、聞、問、切の四診があり、西洋医学における視診、聴診、問診、触診に相当する。望診は患者の全体的な印象を診察するものと、顔色や舌を診察するもの(舌診)とに分けられる。
【0015】
顔色を診察する方法は、日焼けや人種などによる影響を受け易く、化粧されると診断できない。また、興奮して顔が紅潮したり、恐怖で顔が青ざめたりというように、心理的な影響でも変化が出やすい。
【0016】
これに対して、舌は全身状態の変化が表れやすく全身の鏡と言われている。舌組織には血管が豊富で、表面が粘膜に覆われているため、その色は血液や体液の色を反映している。粘膜のため日焼けや人種などによる影響がない。また写真などに記録、伝送しても、個人が同定できずプライバシーの点からも安心感がある。
【0017】
舌診では、舌を本体と苔に分けて、その色と形から体質や体調を診断する。前述の証の中で、主に寒・熱と血・水の状態が分かる。両者の関係を次の表1に示す。
【0018】
【表1】
【0019】
このように、舌や苔の色と形の特徴により体の状態である証を定めることができる。証が定まると漢方薬の処方や鍼灸の配穴などの治療方法を決定することができる。
【0020】
証は体の状態を処方に応じて分類したものであるが、西洋医学の診断との関連も明らかにされている。その関連を次の表2に示す。
【0021】
【表2】
【0022】
このような関係を用いることにより、西洋医学的な治療法の選択や、食事内容や生活方法の提案を行うことができる。
【0023】
以上のような舌診を支援する診断支援システムの具体的な構成を、以下で説明する。
【0024】
図1は、本発明の実施形態に係る診断支援システム1の要部構成を示す図である。
【0025】
診断支援システム1は、端末装置2と、ネットワークNEを介して端末装置2に通信可能に接続するホストコンピュータ3とを備えている。このホストコンピュータ3は、端末装置2に対して遠隔地にあり、診断支援システム1を統合管理する装置として機能する。
【0026】
端末装置2は、端末本体20と、照明21と、端末本体20にケーブルCBを介してデータ伝送可能に接続するカメラ22とを備えている。
【0027】
端末本体20は、例えばパーソナルコンピュータとして構成されており、カメラ22から送信される画像データを処理して、ホストコンピュータ3に伝達できる。
【0028】
照明21は、一定の色温度を有する照明光によって、患者の舌TNを照射するものである。
【0029】
カメラ22は、例えばマルチバンドの分光カメラとして構成されており、ワンショットで二次元のスペクトル情報を備えた分光画像を撮影できる。そして、後述するように、カメラ2により複数の波長帯で撮影した分光画像によって、連続した波長帯の画像データが推定される。
【0030】
また、カメラ22は、撮像部25を有しているが、この撮像部25について以下で説明する。
【0031】
図2は、撮像部25の要部構成を示す図である。
【0032】
撮像部25は、撮像センサ26と、レンズアレイ27と、フィルタアレイ28とを備えている。
【0033】
撮像センサ26は、シリコン基板上に形成された、例えばCCDやCMOSのエリアセンサを有しており、可視域から近赤外域までの感度を備えている。
【0034】
レンズアレイ27は、例えばガラスや樹脂で形成され、9個(縦3×横3)の領域に分けられている。この各領域には単レンズが並列に配置されている。なお、レンズアレイ27では、各レンズごとに焦点距離やFナンバーなどの仕様を一致させる設計を行っているが、選択透過波長に起因した結像位置など光学特性の差異を補正するように設計して配置するようにしても良い。
【0035】
フィルタアレイ28は、レンズアレイ27に対応した9個(縦3×横3)の領域に分けられており、各領域は相互に異なる透過波長の特性を有している。具体的には、図3に示すように各領域に対応する9つの各選択波長特性F1〜F9の中心値が、可視域(400〜700nm)をその半値でほぼ9等分するように設定されている。このフィルタアレイ28は、例えばガラス基板上に干渉膜を選択的に蒸着する手法、または色吸収ガラスを張り合わせる手法によって形成される。
【0036】
上記のレンズアレイ27およびフィルタアレイ28は、図示しない鏡胴で撮像センサ26に対して保持されている。この鏡胴は、各レンズを透過した撮影光が互いに干渉しないための隔壁の役目も担っている。
【0037】
以上のような撮像部25の構成により、被写体、つまり舌TNからの反射光はレンズアレイ27により撮像センサ26上に9個投影されるが、これらはフィルタアレイ28により波長が選択された9種類の画像Gdとなる(図4参照)。そして、撮像センサ26で取得される画像データを読み出してアドレスを選択し再配列することにより、各波長の画像を切出すことができる。これにより、端末本体20では舌画像の各画素ごとに分光分布データが得られることとなる。
【0038】
<診断支援システム1の動作について>
図5は、診断支援システム1の基本的な動作を示すフローチャートである。
【0039】
まず、カメラ22によって取得された舌の分光画像に基づき、端末本体20において舌の分光データを生成する(ステップS1)。
【0040】
ステップS2では、端末本体20において舌画像の解析を行う。そして、舌画像の解析結果(計測値)は、送信データとしてホストコンピュータ3に送信される。
【0041】
ステップS3では、健康状態や病状などの診断において基礎となる診断支援情報を、ホストコンピュータ3で生成する。
【0042】
以上のような動作が診断支援システム1にて行われるが、以下ではステップS1〜S3の動作を分説する。
【0043】
<1.舌の分光データの生成>
端末本体20は、カメラ22で取得された9波長の分光画像Gd(図4)に基づき、連続した分光反射率データ(分光データ)を推定により求める。この推定では、被写体とカメラ出力との関係を回帰分析によって求める重回帰法を利用するが、この方法を以下で説明する。
【0044】
まず、診察の際、つまり実際の撮影の際に用いる照明21およびカメラ22により、分光反射率データが既に測定されている対象物(例えばカラーチャート)を数多く撮影する。
【0045】
そして、端末本体20に、図6(a)に示すような既知のカラーチャートの分光反射率データと、カラーチャートを撮影してカメラ2から出力された出力データ(図6(b))とを記憶する。
【0046】
ここでは、次の式(1)を示す行列式を利用して、既知の分光反射率データと、撮影されたカメラ出力とから変換行列を算出する。なお、式(1)の左辺に対応する既知の分光反射率データは、可視域(400〜700nm)において10nm刻みで30個のデータOb1〜Ob30が測定されているものとする。
【0047】
【数1】
【0048】
上式(1)の右辺においては、V11〜V930の要素を有する変換行列と、9つの分光画像データに対応するC1〜C9の要素を有するカメラ出力とが乗算される。
【0049】
以上の式(1)によって求められた変換行列を利用することで、分光画像の撮影において、照明21の照明条件(分光分布)に依存しない舌の分光反射率を推定できることとなる。
【0050】
すなわち、実際に照明21で照明された舌を撮影する際には、撮影で取得される分光画像のデータ、つまりカメラ22の出力に、既知の分光反射率データに基づき算出された式(1)の変換行列を乗算することにより、診断対象である舌の分光反射率データが推定されることとなる。なお、ここでは、カメラ出力を2次の項まで求めると推定の精度が向上する。また、撮影対象が舌に限定されている場合には、既知のカラーチャートの代わりに実際の舌を測定・撮影することにより、推定精度を向上できる。他方、照明21やカメラ22の分光感度が変更される場合には、既知のカラーチャートなどを再度撮影し、これに基づき変換行列を算出し直す必要がある。
【0051】
以上の重回帰法による推定により、例えば図7に示すような舌の分光データを生成できることとなる。この図7は、例えば4人の患者における舌の分光分布例を示すグラフを表しており、横軸は波長(nm)を示し、縦軸は反射率(%)を示している。このように端末2では、カメラ22で取得された9つの分光画像データから、連続的な分光分布で絶対的な評価値(計測値)として活用できる分光反射率データが取得できることとなる。
【0052】
<2.舌画像の解析>
端末本体20では、まずカメラ22で得られた分光データから舌の部分を抽出する処理を行う。舌の撮影においては、舌TNを中心として顔の下半分がカメラ22で撮影される構図をとるが、この場合、画像には舌の他に顔の表面や唇、歯などが写ることとなる。ここでは、撮影画像から舌の部分を抽出する処理が必要となるが、この処理を以下で説明する。
【0053】
端末本体20では、撮影画像の輝度エッジに基づき、舌部が抽出される。
【0054】
すなわち、各画素の分光反射率データに人間の視感度を掛け合わせ、三刺激値であるXYZ値を求める。そして、各画素の輝度値に相当するYの数値について4近傍(上下左右)との差分をとり、その差分値が予め設定された所定値αを超える輝度段差を持つ画素を抽出する。この所定値αについては、舌の周囲に口腔、歯、舌の影など輝度の段差が存在するため、これらを検出できるような閾値として設定される。これにより、撮影画像から舌の領域を抽出でき、また舌の中央に形成される溝や舌の周囲にある歯状痕も抽出できることとなる。
【0055】
抽出された舌部分を観察する場合、舌が湿潤で、唾液などによって表面が濡れていると、光源からの光が反射して画像が白く飛ぶこととなる。これは、照明21からの光が舌の表面で正反射するために生じるものであり、その分光分布は光源と一致する。一方、舌や苔の色自身が白くなっている場合もある。この場合には、被写体である舌自体が白色である、つまり完全な正反射が行われないため、光源からの光が反射する場合と異なり、この白領域の分光分布は、一般に照明21とは一致しないこととなる。
【0056】
そこで、舌画像において白色と観察される領域に関しては、光源の反射光によるものか否かを判断するために、まず撮影画像から輝度が所定値以上となる領域を抽出する。そして、この領域部分の分光反射率が、端末本体20の記憶部に記憶される照明21の分光分布と一致する場合には、舌が濡れているものと判断する。これにより、舌色・苔色が白色であるか否かを正しく判断できることとなる。
【0057】
また、端末本体20においては、色の類似度を用いて苔の部分を抽出する処理も行われる。すなわち、検出された舌領域の中心部分より複数の画素の色を検出する。そして、これらの画素の色を度数分布に表し、最も頻度の高い色をこの領域の背景色とみなす。この場合の色は、分光反射率でも上記のXYZ値でも良い。次に、先に検出された舌領域の境界部分より、すぐ内側に位置する複数画素の色に基づき度数分布を作成し背景色を検出する。
【0058】
以上のような検出方法によって、舌領域の中心部分における背景色は苔の色を表し、舌領域の境界部分付近の色は舌自体の色を表すこととなる。ここで、両者の色の間に所定値以上の差異が存在する場合には、中心から周辺に向けて順次に放射状に画素を選択して中心色との変化量を演算し、この変化量が予め定められた所定値となるまで画素域を拡大する。このように得られた画素域は、苔の領域とみなされ、その外側が舌本体の領域と判断される。この判断で用いられる閾値としては、両者の差異の中間程度に設定されるのが好ましい。
【0059】
また、舌領域における色の変化量を中心からの境界領域としてではなく、画素単位で検出することによって細かな部分の色の差を判断すると、舌や苔の領域にある斑点などの検出が可能となる。すなわち、上述した輝度段差と同様に、舌や苔の領域の背景色に対して所定の差異が存在する画素を抽出することにより、斑点などが検出できることとなる。
【0060】
以上では、前面から舌を撮影する場合を説明したが、側面から舌を撮影してその輪郭を検出することで、舌(舌本体)の厚みや、舌本体上の苔の厚みつまり糸状乳頭の高さを測定できる。このうち、苔の高さについては、撮影において照明21の照明光が舌の表面に対して斜めに照射されているため、影の多少によりその高さを検出できる。具体的には、上記の輝度段差を利用した画素の検出方法により、閾値を苔色より低い輝度に設定することで、影の画素数を検出して厚みが測定される。なお、舌や苔の厚みに関する厚み情報については、定規などを用いた測定や光切断法など光学的な形状測定法によって計測したものを入力して、端末装置2が取得するようにしても良い。
【0061】
<3.診断支援情報の生成>
以上の舌画像の解析によって検出された計測値、具体的には舌および苔の色や形、歯状痕や溝の有無、舌の湿り度合い、舌と苔との厚みを、表1に示す東洋医学の診断法に適用することにより、カメラ22で取得した舌の分光画像に基づき「証」、すなわち診断支援情報を得ることが可能である。
【0062】
端末本体20で得られた計測値はホストコンピュータ3に送信されるが、ホストコンピュータ3では、判定データベースに基づいて患者の証や健康状態が判定されることとなる。この判定については、実際の診療を通して判定する場合の具体例を挙げ、以下で説明する。
【0063】
東洋医学は経験に基づいた医学であるため過去のデータを標本として現在の患者を診断するが、これに対して天気予報や景気予測などに用いられる手法を適用する。すなわち、数値化可能な計測値と、その数値との因果関係が明らかにされていない判定結果との関係を、過去のデータに基づいて統計的に整理された判定データベースを作成する。
【0064】
具体的には、分光画像を撮影する端末装置2を東洋医学で診療する医院に設置し、舌の分光画像を撮影して計測値を記録する。この場合、患者が来院しているため、その医師は舌診だけでなく、問診、触診など他の東洋医学的診断方法、さらに必要であれば血液検査や放射線診断など西洋医学的な診断手法を駆使して、患者の病状を診断する。そして、診断が確定すると、医師は舌画像より検出した計測値と診断結果とをネットワークNEを介して遠隔地のホストコンピュータ3に送信する。次に、ホストコンピュータ3では、図8に示すように、受信した計測値および診断結果をデータベースDBに追加して記憶する。そして、データベースDBで一定の情報量が蓄積されると、計測値および診断結果との相関関係を利用して、新たな計測値に対して例えば証などの診断支援情報を回帰によって生成できることとなる。
【0065】
以上のデータベースDBにより、カメラ2で取得される分光画像に基づく診断支援を適切に行えることとなる。すなわち、証などの診断支援情報に基づき、症状の重い人や緊急性を有する人に対しては、検査機器が整備された病院を紹介して通院を推奨するとともに、症状の軽い人や慢性的で症状の安定した人に対しては、適した漢方薬であって最寄の薬局や通信販売で購入できるものを通知する。また、病気ではないがストレスや疲労などで体調を崩している人に対しては、生活方法や食事内容の改善、最寄の販売店や通信販売で購入できる健康食品などを提案する。
【0066】
以上の診断支援システム1の動作により、カメラで撮影され、生成された舌の分光データに基づきデータベースを参照して診断支援情報を提供するため、舌の情報に基づく的確な診断支援を簡易に行えることとなる。
【0067】
その結果、病気の早期発見や治療が可能となるため、医療費の削減や治療効果の改善が期待できる。また、必要な人々にタイミングよく健康に関連する物品やサービスを提供することができ、診断支援システムを運用する事業者の効率を向上できる。
【0068】
なお、上述したデータベースDBについては、東洋医学の証だけに限らず、西洋医学的な珍断結果を含めたデータベースとして作成しても良い。さらに、東洋医学的な証の判定と西洋医学的な診断を併せたデータベースを作成しても良い。これにより、より正確な診断支援を行えることとなる。
【0069】
また、各流派や医師毎にデータを分類したデータベースDBを構築すれば、それぞれの診断方法で判定できることとなる。一方、これらの全データを利用すれば、統合された一つの診断方法を確立することも可能である。
【0070】
また、データベースDBにおいては、図8に示すように新たな計測値NMに対しても、分光画像より計測される値であれば、過去に遡ってデータベースDBを利用できる。また、一定の情報量が蓄積された後でも、新たな患者の所見SKを追加することにより、データベースDB、つまり診断支援の確度を向上できることとなる。
【0071】
また、舌の状態にも個人差が存在するため、時々の画像により証を判定するだけでなく、同一人物の時間的な画像の変化を把握することにより診断支援の確度が向上できる。この場合、健康な状態から病気の状態まで、各個人の様々な健康状態における舌画像をデータベースに登録し、その計測値の変化の大小と診断結果との関係をデータベースに蓄積する。
【0072】
<診断支援システムの他の形態>
診断支援システム1については、固定式の照明21およびカメラ22で分光画像を取得するのは必須でなく、可搬性を有する携帯型の照明およびカメラで取得するようにしても良い。
【0073】
すなわち、通常のカメラとストロボのような携帯型の装置では、持ち運びが可能であるため、医師だけでなく患者や介護者など個人でも撮影できる利点がある。また、レンズアレイ27を用いると、撮像センサ26までの結像距離が短く、携帯電話やノートパソコンなどの携帯機器に組み込むことも可能である。これにより、わざわざ通院しなくても、家庭や勤務先など出先で必要に応じて手軽に舌の分光画像を得ることができる。なお、ホストコンピュータ3との通信も有線だけでなく無線で行っても良い。
【0074】
このような携帯機器でカメラなどを構成することにより、いつでも、どこでも手軽に健康状態を把握することができ、病気やストレスなどの早期発見や治療に役立てることができる。そして、通院する機会を逃しがちなビジネスマン、医療機関が少ない地方の住人、外出が難しい術後の患者や高齢者などの診断および健康管理に有効である。
【0075】
このような携帯機器をビジネス展開する場合には、ビジネスの事業者は、カメラまたは光学デバイスを組み込んだ機器をユーザに販売するとともに、ユーザと舌画像による健康診断の契約を結ぶ。この契約は、期間で一定の料金を課す定額制でも、利用に応じて料金を支払う従量制でも良い。まず、契約者は、あらかじめ健康状態で舌画像を複数撮影し、事業者に送信する。そして、体の不調を感じた場合には、再び自分の舌を撮影し、画像データを事業者に送信する。次に、事業者は、この画像に基づき分光データを生成するとともに、色や形の計測値より契約者の健康状態を判定して、その健康状態を契約者にネットワークを介して通知する。さらに、通院の要否や、適した薬や健康食品、生活や食事内容の改善方法を連絡する。
【0076】
一方、ビジネスの事業者は、これらの医療、物販やサービスの提供者とも情報提供の契約を結ぶ。そして、通院や投薬が必要な場合には、契約者の居住地や勤務地より近い医院や薬局を紹介し、契約者の了解を得て診断結果を送信する。また、生活や食事内容に関わる物販やサービスの提供が必要な場合には、これらを提供する他の事業者を紹介し、同様に診断結果を送信する。契約者が診断支援システム1の診断結果により治療、物品の購入やサービスを受けた場合には、事業者はそれらの代金の一定額を受け取ることにする。この場合、事業者、契約者、医療・物販・サービス提供者の間には秘密保持の契約を締結するのが好ましい。また、契約者本人以外の舌診を行う場合にも同様である。
【0077】
<変形例>
◎上記の実施形態におけるフィルタアレイの透過波長については、可視域に限らず、近紫外域や近赤外域を含んでも良い。
【0078】
◎上記の実施形態における分光画像については、カラーホイール、チューナブルフィルタ、ライン回折光スキャンなどの他の方法によって取得するようにしても良い。
【0079】
◎上記の実施形態における分光データの推定においては、重回帰法を利用するのは必須でなく、波長を線形に補完するスプライン法、被写体の分光分布の主成分を用いる方法など(千葉大、1998光学27巻7号を参照)を利用しても良い。
【0080】
◎上記の実施形態における端末装置においては、図1および図2に示す照明系、結像レンズ系および二次元センサの組合せを有するのは必須でなく、照明系、走査光学系およびラインセンサの組合せや、色彩計として市販されている照明系、集光レンズおよび単一の光センサの組合せを有しても良い。なお、照明系、集光レンズおよび単一の光センサの組合せでは、舌の分光分布をスポットでしか取得できないため、手動で装置を動かして舌の部分、苔の部分などを選択して測定することとなる。
【0081】
◎上記の実施形態においては、9種類の透過波長の分光画像を取得するのは必須でなく、2〜8種類および10種類以上の分光画像を取得しても良い。例えば、一般のデジタルカメラなどで使用されているRGBの3波長の分光画像や、その倍の6波長の分光画像を取得しても良い。なお、重回帰法などにより分光分布データを推定する場合には、撮影時のバンド数が多いほど推定誤差が小さくなる。
【0082】
◎上記実施形態の端末装置においては、舌画像の解析によって検出された計測値を送信データとしてホストコンピュータに送信するのは必須でなく、舌の分光データを送信データとして送信するようにしても良い。この場合には、ホストコンピュータ側で舌画像の解析が行われることとなる。
【0083】
◎本発明のおける「分光データ」とは、分光反射率データに限らず、上述した9波長の分光画像などのデータをも含む概念である。すなわち、舌色や苔色の判断においては、複数の分光画像からでも、診断支援情報である、例えば証の判定がある程度可能であるからである。
【0084】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1ないし請求項5の発明によれば、照明された舌に関する分光データを生成し、この分光データに基づき診断支援情報を生成するため、舌の情報に基づく的確な診断支援を簡易に行える。
【0085】
特に、請求項2および請求項5の発明においては、舌本体の厚みおよび/または舌本体上の苔の厚みに関する厚み情報に基づき診断支援情報を生成するため、一層的確な診断支援を行える。
【0086】
また、請求項3の発明においては、分光データが照明手段の照明条件に依存しない分光反射率データであるため、診断支援の精度を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る診断支援システム1の要部構成を示す図である。
【図2】撮像部25の要部構成を示す図である。
【図3】フィルタアレイ28における9つの透過波長F1〜F9の特性を説明するための図である。
【図4】カメラ22で取得される9つの画像Gdを説明するための図である。
【図5】診断支援システム1の基本的な動作を示すフローチャートである。
【図6】重回帰法を説明するための図である。
【図7】舌の分光データを説明するための図である。
【図8】データベースDBを説明するための図である。
【符号の説明】
1 診断支援システム
2 端末装置
3 ホストコンピュータ
20 端末本体
21 照明
22 カメラ
25 撮像部
26 撮像センサ
27 レンズアレイ
28 フィルタアレイ
DB データベース
Gd 画像
TN 舌
Claims (5)
- 診断支援システムであって、
(a)舌を照明する照明手段と、
(b)前記照明手段により照明された舌を撮影し、前記舌に関する分光データを生成する分光データ生成手段と、
(c)前記分光データに基づき、診断支援情報を生成する支援情報生成手段と、を備え、
前記診断支援情報に基づき、診断が行われることを特徴とする診断支援システム。 - 請求項1に記載の診断支援システムにおいて、
(d)舌本体の厚みおよび/または舌本体上の苔の厚みに関する厚み情報を取得する手段、
をさらに備え、
前記支援情報生成手段は、
(c−1)前記厚み情報に基づき、前記診断支援情報を生成する手段、
を有することを特徴とする診断支援システム。 - 請求項1または請求項2に記載の診断支援システムにおいて、
前記分光データは、前記照明手段の照明条件に依存しない分光反射率データであることを特徴とする診断支援システム。 - 診断支援装置と通信可能に接続する端末装置であって、
(a)舌を照明する照明手段と、
(b)前記照明手段により照明された舌を撮影し、前記舌に関する分光データを生成する分光データ生成手段と、
(c)前記分光データに基づく送信データを、前記診断支援装置に送信する送信手段と、
を備え、
前記診断支援装置は、
前記送信データに基づき、診断支援情報を生成する支援情報生成手段、
を有するとともに、
前記診断支援情報に基づき、診断が行われることを特徴とする端末装置。 - 請求項4に記載の端末装置において、
(d)舌本体の厚みおよび/または舌本体上の苔の厚みに関する厚み情報を取得する手段、
をさらに備え、
前記送信手段は、
(c−1)前記厚み情報を、前記診断支援装置に送信する手段、
を有するとともに、
前記支援情報生成手段は、
前記厚み情報に基づき、前記診断支援情報を生成する手段、
を有することを特徴とする端末装置。
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2003
- 2003-05-26 JP JP2003147980A patent/JP2004344583A/ja active Pending
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