JP2004344517A - 超音波診断装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】超音波内視鏡または超音波プローブを使用して体腔内の画像を診断する際、画像の一部を高密度走査することで高画質化を図ると共にそのための術者の操作を簡略化することができる超音波診断装置を提供すること。さらに、画像の一部を高密度走査する際、フレームレートが落ちることを防ぐことが可能な超音波診断装置を提供すること。
【解決手段】走査コントロール部13は、ユーザーI/F14で設定した特定の領域に対して走査密度を高くし、設定した領域以外に対して走査密度を低くする(間引く)ためのコントロール信号を生成する。さらに、走査コントロール部13は、画像処理部8による画像の回転量と前記走査コントロール部13の領域設定手段によって設定された高密度走査領域とを対応させることにより高密度走査領域を超音波像の表示画面の一定の位置に表示させる。
【選択図】 図1
【解決手段】走査コントロール部13は、ユーザーI/F14で設定した特定の領域に対して走査密度を高くし、設定した領域以外に対して走査密度を低くする(間引く)ためのコントロール信号を生成する。さらに、走査コントロール部13は、画像処理部8による画像の回転量と前記走査コントロール部13の領域設定手段によって設定された高密度走査領域とを対応させることにより高密度走査領域を超音波像の表示画面の一定の位置に表示させる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被検体内に超音波を送受信することで、挿入方向に対して特定の面内でスキャンする超音波診断装置に関し、特に画像の一部を高密度走査し、高解像度で表示する超音波診断装置に関する。
【0002】
【従来技術】
従来より、体腔内用超音波診断装置は超音波内視鏡や超音波プローブと接続して体腔内の超音波断面像を作り出し、病変の深達度診断、臓器の実質診断等に用いられている。上記超音波断層像は複数の超音波走査線から構成されており、その超音波断層像の解像度(画質)を改善する技術としては、特開2000−232978号公報のように関心領域(ROI)に対して高密度走査(これは超音波1画面中の送受信回数(音線)を増やすことによって分解能を改善する方法である)する領域を設定し、その領域内の超音波走査線密度を上げることが挙げられる。
【0003】
一方、超音波内視鏡や超音波プローブは電子式走査であれ、機械式走査であれ、ラジアル走査を行う場合には超音波観測視野は360°におよび、体腔内で使用する場合には患部等の位置や***、超音波内視鏡や超音波プローブ挿入部のねじれにより、超音波断層像上の患部等関心領域(ROI)が360°何処にでも現れ得る上、簡単に患部等ROIの位置が移動してしまう。そのため、術者が患部等ROIを診断したい位置に移動できるように画像を回転する手段が設けられている。そして、体腔内超音波診断においてはプレパラート上の組織切片と超音波画像を対比させるのが通例であり、術者は超音波断層像上の患部等ROIをラジアル画像上では中心から下(6時)方向に置くことが多い。
【0004】
それ故、体腔内用超音波診断装置において、高密度走査領域を設定する範囲が超音波断層像上360°におよぶためその都度一々高密度走査領域を移動しなければならない上、患部等ROIが移動する都度、ROIを移動する必要がある。更にその後、画像を回転して患部等ROIを画像下側(6時方向)に移動する動作が必要となり、もし、画像回転している最中に患部等ROIの位置がずれたら高密度走査領域の設定と画像回転を交互に操作する必要があり操作が煩雑となる。
【0005】
上記を判りやすく図5を参照して説明すると、(a)ではROIが画面左下側(8時方向)に現れた場合を示している。この場合、高密度走査領域(高画質領域、図示網掛け部分)を表示してたまたまROIに領域が重ならない限りは(b)のごとく、高密度走査領域を移動し、ROIに高密度走査領域を重ねる操作が必要となる。その後、通常ならば(c)のようにROIを画面下側(6時方向)にROIを移動する。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−232978号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来技術では、図5(c)の状態で患者が動いたり、スコープが捻られたりした場合、(d)のようにROIが高密度走査領域から出た場合には、再度(e)のごとく高密度走査領域を移動して、(f)のごとく画像を回転する作業が必要であり操作が煩雑となる。仮に、(d)のごとくROIが移動した際、ROIの方を先に画面6時方向に移動させたとしても、それと連動して高密度走査領域も同時に回転してしまうため、ROIの移動の後結局高密度走査領域の移動が発生してしまう。
【0008】
そこで、本発明は、上記の問題に鑑みてなされたもので、超音波内視鏡または超音波プローブを使用して体腔内の画像を診断する際、画像の一部を高密度走査することで高画質化を図ると共にそのための術者の操作を簡略化することができる超音波診断装置を提供することを目的とする。さらに、本発明は、画像の一部を高密度走査する際、フレームレートが落ちることを防ぐことができる超音波診断装置の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、被検体に超音波振動子より超音波を送受信して超音波像を得る超音波診断装置において、前記超音波振動子により被検体に対して超音波を走査する走査手段と、前記走査手段による走査範囲に対して特定の領域を設定する特定領域設定手段と、前記特定領域設定手段により設定された領域での前記走査の走査線密度を変更する走査線密度変更手段と、前記走査手段により超音波を走査して得られた超音波像を回転させる回転手段と、前記回転手段による回転量と前記特定領域設定手段による特定領域とを対応させることにより前記特定領域を前記超音波像の表示画面の一定の位置に表示させる表示位置制御手段と、を備えたことを特徴とするものである。
【0010】
上記構成によれば、高密度走査領域が画像回転(イメージローテーションと呼ばれる)と無関係に常に一定の位置例えば6時方向(下)の領域に表示されることで、患部等ROIが移動した際にユーザインターフェースからの指示で画像を回転して観測視野の6時方向(下)の領域に患部等ROIをもっていく超音波内視鏡の通常の使用方法を行うのみで患部等ROIの高画質化が図れるため、煩雑な操作が不要である。
【0011】
上記を図5を参照して説明すると、(a)のごとく超音波断層像上左下側(8時方向)にROIが現れたとする。そこでユーザインターフェースのROI領域設定キーを押したとして、高密度走査領域が表示画面の一定位置例えば画面下側(6時方向)に出るようにしておく。ここで(c)のごとく画像を回転させれば、高密度走査領域は動かずROIが画像回転に伴い画面下側(6時方向)に重なってくる結果になる。例えその後、患者が動いたり、スコープが捻られたりして、(d)のごとくROIが移動したとしても同様に画像を回転させてROIを画面下側(6時方向)に移動すれば(f)のごとく高密度走査領域とROIが重なり、ROIの高画質化が図れる。つまり、(b)や(e)のごときROI部に高密度走査領域を重ねる作業が省略できることになる。
【0012】
さらに、本発明は、前記走査手段の走査する走査線の数は、この走査手段により得られる超音波像の1画面に対して一定であり、前記走査線密度変更手段による走査線密度は、前記特定領域設定手段により設定された特定の領域で高く、非設定領域では低く設定することを特徴とする。
【0013】
これにより、高密度走査領域内での画像の画質は向上し、しかもフレームレートは高密度走査領域を設定する前と同等とすることができる。更に、走査線総数を一定とすることで、画像を生成するための走査線データを格納するメモリを増やす必要もない。
【0014】
【発明の実施の形態】
発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
〔第1の実施の形態〕
図1は本発明の第1の実施の形態の超音波診断装置の全体のブロック図を示している。以降の実施の形態では、体腔内用超音波診断装置について説明する。
【0015】
図1において、体腔内用超音波診断装置1には複数のコネクタを介して超音波内視鏡および超音波プローブ4が接続されている。
【0016】
体腔内用超音波診断装置1内部のパルス発生部2において、任意の電気的なパルスを発生し、パルサ3に送出する。
【0017】
パルサ3は前記パルス発生部2の出力パルスを基に超音波振動子を駆動する電気信号を生成し、体腔内用超音波診断装置1に接続する超音波内視鏡および超音波プローブ4に超音波駆動信号を送出する。
【0018】
前記超音波内視鏡およびプローブ4内部の超音波振動子5では前記パルサ3からの電気信号を音響信号に変換し被検体内に超音波を送出し、被検体内ではね返ったエコーを電気信号に変換し、受信信号として前記超音波診断装置1内のアンプ(AMP)6を経て、受信号処理部7に送出する。
【0019】
前記受信号処理部7では対数増幅、検波、A/D変換が行われ、画像処理部8に各走査線毎のデータが送られる。前記画像処理部8では内部のメモリ9にデータを蓄えると共にデータを読み出し座標変換を行ない完成した画像をモニタ9に表示する。
【0020】
前記超音波内視鏡および超音波プローブ4内のDCモータ11は前記超音波振動子5に回転伝達手段(例えば、フレキシブルシャフト)で接続しており、回転速度制御部15からの制御信号に応じた回転速度で超音波振動子5を回転させる。DCモータ11と回転速度制御部15は、超音波振動子5により被検体に対して超音波を走査する走査手段を構成している。
【0021】
エンコーダ12は前記DCモータ11と機械的に(例えば、ベルト等で)接続されDCモータ11の回転に同期して前記超音波振動子5の一回転につき1パルス(Z相信号)と一回転につき一定回数パルス(A相信号)を発生し、走査コントロール部13に送出する。
【0022】
ユーザインターフェース(以下ユーザI/Fと略記)14は、前記走査コントロール部13および前記画像処理部8に接続され、それぞれに高密度走査領域設定情報および画像回転情報を送出する。前記画像処理部8では前記高密度走査領域設定情報および画像回転情報を座標変換に反映する処理を施す。ユーザI/F14と走査コントロール部13は、走査手段による走査範囲に対して特定の領域を設定する特定領域設定手段を構成している。ユーザI/F14と画像処理部8は、走査手段により超音波を走査して得られた超音波像を回転させる回転手段を構成している。
【0023】
ここで、高密度走査領域をどのようにして設定するかについて説明する。高密度走査領域はユーザI/F(例えばキーボード)から入力する。設定方法は、例えばキーボード上の高密度走査ボタンを押すと以前設定した領域(扇形)が画面6時方向に現れる。領域の大きさを変更したい場合は、キーボード上のマウスか矢印等のボタン操作で真下方向の軸を中心に左右に伸縮するようにする。すなわち、下向きの扇を広げたり畳んだりするようなイメージで、領域の大きさを変更できる。
【0024】
前記走査コントロール部13は前記パルス発生部2、前記受信号処理部7、および回転速度制御部15に接続され、前記A相信号、Z相信号を元に超音波の発生および受信のタイミング信号をパルス発生部2および受信号処理部7に送出する。また、前記走査コントロール部13は高密度走査領域設定情報および画像回転情報とA相信号およびZ相信号を照らし合わせ、高密度走査領域を走査中か否かの判断を行い前記DCモータ11の回転速度を切替えるタイミング信号を前記回転速度制御部15に送出する。走査コントロール部13は、特定領域設定手段により設定された領域での走査の走査線密度を変更する走査線密度変更手段を構成していると共に、回転手段による回転量と特定領域設定手段による特定領域とを対応させることにより特定領域を超音波像の表示画面の一定の位置に表示させる表示位置制御手段を構成している。
【0025】
前記回転速度制御部15は前記DCモータ11に接続されていて、DCモータ11の回転を制御しており、前記走査コントロール部13のモータ回転速度切替えタイミング信号に応じてDCモータ11の回転速度を制御する制御信号をDCモータ11に送出する。
【0026】
前記DCモータ11は前述したように前記超音波振動子5に回転伝達手段(例えば、フレキシブルシャフト)で接続しており、前記制御信号に応じた回転速度で超音波振動子5を回転させる。
【0027】
次に上記第1の実施の形態において、実際の走査を図2を参照して説明する。
図2(a)は超音波の機械式ラジアル走査を行なった場合の走査の概念図である。通常、エンコーダ12からのZ相信号(1パルス/回転)を基準にA相信号(256パルス/回転)に同期して走査していく。このとき振動子の回転速度は一定のため、走査密度は一定である。
【0028】
ここで、図2(b)のごとく、特定領域として高密度走査領域(図示網掛け部分)を設定したとする。高密度走査する領域がZ相信号を基準にカウントしたとき図のごとく51番目から60番目まで走査線10本分の領域であったとしたら、仮に走査密度を倍にするのであれば図2(c)のごとく、51番目から走査線20本分の走査中は振動子の回転速度を半分に落して走査する。その替わりに高密度走査領域以外(この場合では、上半分)で振動子5の回転速度を速くして走査密度を低くする。これにより、一回転中の走査本線は一定に保たれることで、フレームレートの低減を抑制し、走査線データを格納するメモリ9を増設する必要がなくなる。
【0029】
画像を回転した場合は、回転した角度から、高密度走査領域内の走査線番号を走査コントロール部13で割り出し、その走査範囲で振動子回転速度を遅くし、その他の領域では回転速度を速くすることで、走査密度をコントロールする(図2(d)参照)。
【0030】
例えば、1回転中の走査線数が256本であり、高密度走査領域を表示画面の真下を中心に45°の範囲(全周の8分の1)と設定した場合、高密度走査しない場合に高密度走査領域内にくる走査線数は32本(256 × (45/360))となる。そこで倍の高密度走査を行うとするとその高密度領域にくる走査線は64本となる。更に、画像回転手段により例えば100°左方向(反時計回り)に回転した場合を考えると、走査線71本(256×(100/360))分に当たり、その分を走査線全体に加算すれば良い。(ただし、256の次の数値は1とする。)即ち、回転前の走査線番号に71を加算した走査範囲で高密度走査(走査線密度の変更走査)を行えばよい。
【0031】
この場合、超音波振動子5の回転速度は、DCモータ11の回転速度を制御することで行う。DCモータ11の回転速度はDCモータ11ヘの供給電圧によって制御するため、走査コントロール部13からの回転速度に関する命令(速度を速くする、あるいは速度を遅くする等)を回転速度制御部15で受けたら、ここでDCモータ11ヘの供給電圧を制御し、速度を速くする場合にはDCモータ11ヘの供給電圧を通常より高くし、速度を遅くする場合にはDCモータ11ヘの供給電圧を通常より低くするように制御する。
【0032】
なお、第1の実施形態では、DCモータを用い超音波振動子を機械式ラジアル走査させ、その回転速度を変える構成としたが、これは、複数の超音波振動子をアレイ状にして挿入軸の周りに環状に設けた電子ラジアル走査式の超音波内視鏡および超音波プローブとしてその超音波振動子の切り替え速度を変更することでラジアル走査のスキャン速度を変える構成としても良く、機械式ラジアル走査には限定されない。更に、ラジアル走査は360°全周の走査ではなく180°や270°の走査でも良い。更に、ラジアル走査ではなく、コンベックス、リニア、セクタなど他の走査方式であっても良い。
【0033】
第1の実施の形態によれば、超音波断層像の一部(患部等ROI)の高画質化が可能となり、しかもその高画質化の操作の簡略化が可能となる。また、高画質化に伴うフレームレート劣化の抑制が可能であり、高画質化に伴うメモリ増加の抑制も可能である。
【0034】
〔第2の実施の形態〕
図3は本発明の第2の実施の形態の超音波診断装置の全体のブロック図を示している。図3の構成において、図1と同様の機能を有する部分に関しては省略し、異なる部分のみ説明する。
【0035】
図3では、体腔内用超音波診断装置1に超音波内視鏡および超音波プローブ4が複数接続可能な場合を示している。なお、図3では、図1における回転速度制御部15は無く、コネクタ選択部16が設けられている。図3のユーザI/F14Aは、複数の超音波内視鏡および超音波プローブ4を選択可能にするコネクタ切替えキーを備えており、図3の走査コントロール部13Aは、A相信号,Z相信号のほかに遅延A相信号を元に超音波の発生および受信のタイミング信号を発生する点で、図1におけるユーザI/F14、走査コントロール部13とは相違している。
【0036】
超音波内視鏡および超音波プローブの選択は、体腔内用超音波診断装置1前面の図示しない超音波内視鏡および超音波プローブ4への電源供給スイッチのオン時に行う。
【0037】
体腔内用超音波診断装置1に設けられた複数のコネクタには予め順位を付けておく。電源スイッチをオンした時複数本の超音波内視鏡および超音波プローブ4が接続されていた場合には、どのコネクタに超音波内視鏡および超音波プローブ4が接続されているかを走査コントロール部13にて検知し、前述したコネクタの順位において一番順位の高いコネクタを選択するようにする。体腔内用超音波診断装置1の他のコネクタに接続された超音波内視鏡および超音波プローブ4を選択したい場合にはユーザI/F14Aの図示しないコネクタ切替えキーにより自由に変更可能とする。
【0038】
上記によって駆動するコネクタが選択されたと同時に、コネクタ選択部16により、超音波内視鏡および超音波プローブ4に接続する必要最低限の信号(送受信信号、A相信号、Z相信号等)を、駆動するコネクタ側に切り替える。
【0039】
DCモータ11は速度一定で回転し、エンコーダ12は超音波振動子5の一回転につき1パルス(Z相信号)と一回転につき一定回数パルス(A相信号)を発生し、走査コントロール部13Aおよび信号遅延部17に送出する。
【0040】
前記信号遅延部17ではA相信号を一定値(例えば、位相180°)遅らせた信号を走査コントロール部13Aに送出する。
【0041】
前記走査コントロール部13Aでは、前記A相信号、遅延A相信号、Z相信号を元に超音波の発生および受信のタイミング信号をパルス発生部2および受信号処理部7に送出する。
【0042】
次に上記第2の実施の形態において、実際の走査を図4を参照して説明する。
図4(a)は超音波の機械式ラジアル走査を行なった場合の走査の概念図である。
【0043】
通常、エンコーダ12からのZ相信号(1パルス/回転)を基準にA相信号(256パルス/回転)に同期して走査していく。このとき振動子5の回転速度は一定のため、走査密度は一定である。
【0044】
ここで、図4(b)のごとく、特定領域として高密度走査領域(図示網掛け部分)を設定したとする。高密度走査する領域がZ相信号を基準にカウントしたとき図のごとく51番目から60番目まで走査線10本分の領域であったとして、走査密度を倍にするのであれば前述した遅延A相信号(ここではA相の180°遅延信号)のパルスでも超音波を送受信するようにすれば、図4(c)のごとく超音波振動子5の回転速度が一定であっても走査密度を上げることが可能となる。
【0045】
その替わりに高密度走査領域以外(この場合では、上半分)において、超音波送受信を通常より少なくして、走査密度を低くし、一回転中の走査本数を一定に保つようにすることで、フレームレートの低減を抑制し、走査線データを格納するメモリ9を増設する必要がなくなる。
【0046】
画像を回転した場合は、回転した角度から、高密度走査領域内の走査線番号を走査コントロール部13Aで割り出し、その走査範囲で超音波送受信間隔を狭め、その他の領域では超音波送受信間隔を広げるようにすることで、走査密度をコントロールする(図4(d)参照)。
【0047】
尚、以上述べた実施の形態では、高密度走査する際に、走査密度を倍にする例について説明しているが、本発明は高密度走査する領域での走査密度はそれ以外の領域での走査密度の倍に限定されないことは勿論である。また、本発明は、機械スキャンに限らず、電子スキャンにも応用することが可能である。ただし、電子スキャンの場合、ビームフオーマによるビームの角度変更となる。
【0048】
第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態での効果に加えて、超音波内視鏡および超音波プローブへの制御線を増やす必要が無く、複数本の超音波内視鏡および超音波プローブを切り替えて使用することが可能となる。
【0049】
[付記]
[付記項1]
超音波振動子を用いて被検体内に超音波を送受信することで、特定の面内で走査する体腔内用超音波診断装置において、
前記超音波振動子にて走査して画像を得る手段と、
前記走査手段による走査範囲のうちの特定の領域を設定する領域設定手段と、
前記領域設定手段により設定された領域と非設定領域とで前記走査手段により得られる画像の走査密度を変更する手段走査した画像を回転させる回転手段とを備えた体腔内用超音波診断装置であり、
前記回転手段により画像を回転させても前記領域設定手段により設定された領域を常に同じ位置に表示することを特徴とする。
【0050】
[付記項2]
付記項1において、特定の面内とは挿入軸方向に対してラジアルで走査すること。
【0051】
[付記項3]
付記項1において、走査密度は設定された領域が高く、非設定領域が低くし、また、前記走査手段により得られる1画面の走査線総数が常に一定となること。
【0052】
[付記項4]
付記項1において、走査範囲のうちの特定の領域とはラジアル走査による観測視野の6時方向(下)の領域であること。
【0053】
[付記項5]
付記項1において、設定される領域の面積は自由に変更可能であること。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、以下のような効果が得られる。超音波断層像の一部(患部等ROI)の高画質化が可能となり、しかもその高画質化の操作の簡略化が可能となる。また、高画質化に伴うフレームレート劣化の抑制が可能であり、高画質化に伴うメモリ増加の抑制も可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の超音波診断装置の全体のブロック図。
【図2】本発明の第1の実施の形態で、超音波の機械式ラジアル走査を行なった場合の走査の説明図。
【図3】本発明の第2の実施の形態の超音波診断装置の全体のブロック図。
【図4】本発明の第2の実施の形態で、超音波の機械式ラジアル走査を行なった場合の走査の説明図。
【図5】従来技術における、超音波の機械式ラジアル走査を行なった場合の走査の説明図。
【符号の説明】
1…体腔内用超音波診断装置
2…パルス発生部
3…パルサ
4…超音波内視鏡および超音波プローブ
5…超音波振動子
6…アンプ
7…受信号処理部
8…画像処理部
9…メモリ
10…モニタ
11…DCモータ
12…エンコーダ
13,13A…走査コントロール部
14,14A…ユーザI/F
16…コネクタ選択部
17…信号遅延部
【発明の属する技術分野】
本発明は、被検体内に超音波を送受信することで、挿入方向に対して特定の面内でスキャンする超音波診断装置に関し、特に画像の一部を高密度走査し、高解像度で表示する超音波診断装置に関する。
【0002】
【従来技術】
従来より、体腔内用超音波診断装置は超音波内視鏡や超音波プローブと接続して体腔内の超音波断面像を作り出し、病変の深達度診断、臓器の実質診断等に用いられている。上記超音波断層像は複数の超音波走査線から構成されており、その超音波断層像の解像度(画質)を改善する技術としては、特開2000−232978号公報のように関心領域(ROI)に対して高密度走査(これは超音波1画面中の送受信回数(音線)を増やすことによって分解能を改善する方法である)する領域を設定し、その領域内の超音波走査線密度を上げることが挙げられる。
【0003】
一方、超音波内視鏡や超音波プローブは電子式走査であれ、機械式走査であれ、ラジアル走査を行う場合には超音波観測視野は360°におよび、体腔内で使用する場合には患部等の位置や***、超音波内視鏡や超音波プローブ挿入部のねじれにより、超音波断層像上の患部等関心領域(ROI)が360°何処にでも現れ得る上、簡単に患部等ROIの位置が移動してしまう。そのため、術者が患部等ROIを診断したい位置に移動できるように画像を回転する手段が設けられている。そして、体腔内超音波診断においてはプレパラート上の組織切片と超音波画像を対比させるのが通例であり、術者は超音波断層像上の患部等ROIをラジアル画像上では中心から下(6時)方向に置くことが多い。
【0004】
それ故、体腔内用超音波診断装置において、高密度走査領域を設定する範囲が超音波断層像上360°におよぶためその都度一々高密度走査領域を移動しなければならない上、患部等ROIが移動する都度、ROIを移動する必要がある。更にその後、画像を回転して患部等ROIを画像下側(6時方向)に移動する動作が必要となり、もし、画像回転している最中に患部等ROIの位置がずれたら高密度走査領域の設定と画像回転を交互に操作する必要があり操作が煩雑となる。
【0005】
上記を判りやすく図5を参照して説明すると、(a)ではROIが画面左下側(8時方向)に現れた場合を示している。この場合、高密度走査領域(高画質領域、図示網掛け部分)を表示してたまたまROIに領域が重ならない限りは(b)のごとく、高密度走査領域を移動し、ROIに高密度走査領域を重ねる操作が必要となる。その後、通常ならば(c)のようにROIを画面下側(6時方向)にROIを移動する。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−232978号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来技術では、図5(c)の状態で患者が動いたり、スコープが捻られたりした場合、(d)のようにROIが高密度走査領域から出た場合には、再度(e)のごとく高密度走査領域を移動して、(f)のごとく画像を回転する作業が必要であり操作が煩雑となる。仮に、(d)のごとくROIが移動した際、ROIの方を先に画面6時方向に移動させたとしても、それと連動して高密度走査領域も同時に回転してしまうため、ROIの移動の後結局高密度走査領域の移動が発生してしまう。
【0008】
そこで、本発明は、上記の問題に鑑みてなされたもので、超音波内視鏡または超音波プローブを使用して体腔内の画像を診断する際、画像の一部を高密度走査することで高画質化を図ると共にそのための術者の操作を簡略化することができる超音波診断装置を提供することを目的とする。さらに、本発明は、画像の一部を高密度走査する際、フレームレートが落ちることを防ぐことができる超音波診断装置の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、被検体に超音波振動子より超音波を送受信して超音波像を得る超音波診断装置において、前記超音波振動子により被検体に対して超音波を走査する走査手段と、前記走査手段による走査範囲に対して特定の領域を設定する特定領域設定手段と、前記特定領域設定手段により設定された領域での前記走査の走査線密度を変更する走査線密度変更手段と、前記走査手段により超音波を走査して得られた超音波像を回転させる回転手段と、前記回転手段による回転量と前記特定領域設定手段による特定領域とを対応させることにより前記特定領域を前記超音波像の表示画面の一定の位置に表示させる表示位置制御手段と、を備えたことを特徴とするものである。
【0010】
上記構成によれば、高密度走査領域が画像回転(イメージローテーションと呼ばれる)と無関係に常に一定の位置例えば6時方向(下)の領域に表示されることで、患部等ROIが移動した際にユーザインターフェースからの指示で画像を回転して観測視野の6時方向(下)の領域に患部等ROIをもっていく超音波内視鏡の通常の使用方法を行うのみで患部等ROIの高画質化が図れるため、煩雑な操作が不要である。
【0011】
上記を図5を参照して説明すると、(a)のごとく超音波断層像上左下側(8時方向)にROIが現れたとする。そこでユーザインターフェースのROI領域設定キーを押したとして、高密度走査領域が表示画面の一定位置例えば画面下側(6時方向)に出るようにしておく。ここで(c)のごとく画像を回転させれば、高密度走査領域は動かずROIが画像回転に伴い画面下側(6時方向)に重なってくる結果になる。例えその後、患者が動いたり、スコープが捻られたりして、(d)のごとくROIが移動したとしても同様に画像を回転させてROIを画面下側(6時方向)に移動すれば(f)のごとく高密度走査領域とROIが重なり、ROIの高画質化が図れる。つまり、(b)や(e)のごときROI部に高密度走査領域を重ねる作業が省略できることになる。
【0012】
さらに、本発明は、前記走査手段の走査する走査線の数は、この走査手段により得られる超音波像の1画面に対して一定であり、前記走査線密度変更手段による走査線密度は、前記特定領域設定手段により設定された特定の領域で高く、非設定領域では低く設定することを特徴とする。
【0013】
これにより、高密度走査領域内での画像の画質は向上し、しかもフレームレートは高密度走査領域を設定する前と同等とすることができる。更に、走査線総数を一定とすることで、画像を生成するための走査線データを格納するメモリを増やす必要もない。
【0014】
【発明の実施の形態】
発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
〔第1の実施の形態〕
図1は本発明の第1の実施の形態の超音波診断装置の全体のブロック図を示している。以降の実施の形態では、体腔内用超音波診断装置について説明する。
【0015】
図1において、体腔内用超音波診断装置1には複数のコネクタを介して超音波内視鏡および超音波プローブ4が接続されている。
【0016】
体腔内用超音波診断装置1内部のパルス発生部2において、任意の電気的なパルスを発生し、パルサ3に送出する。
【0017】
パルサ3は前記パルス発生部2の出力パルスを基に超音波振動子を駆動する電気信号を生成し、体腔内用超音波診断装置1に接続する超音波内視鏡および超音波プローブ4に超音波駆動信号を送出する。
【0018】
前記超音波内視鏡およびプローブ4内部の超音波振動子5では前記パルサ3からの電気信号を音響信号に変換し被検体内に超音波を送出し、被検体内ではね返ったエコーを電気信号に変換し、受信信号として前記超音波診断装置1内のアンプ(AMP)6を経て、受信号処理部7に送出する。
【0019】
前記受信号処理部7では対数増幅、検波、A/D変換が行われ、画像処理部8に各走査線毎のデータが送られる。前記画像処理部8では内部のメモリ9にデータを蓄えると共にデータを読み出し座標変換を行ない完成した画像をモニタ9に表示する。
【0020】
前記超音波内視鏡および超音波プローブ4内のDCモータ11は前記超音波振動子5に回転伝達手段(例えば、フレキシブルシャフト)で接続しており、回転速度制御部15からの制御信号に応じた回転速度で超音波振動子5を回転させる。DCモータ11と回転速度制御部15は、超音波振動子5により被検体に対して超音波を走査する走査手段を構成している。
【0021】
エンコーダ12は前記DCモータ11と機械的に(例えば、ベルト等で)接続されDCモータ11の回転に同期して前記超音波振動子5の一回転につき1パルス(Z相信号)と一回転につき一定回数パルス(A相信号)を発生し、走査コントロール部13に送出する。
【0022】
ユーザインターフェース(以下ユーザI/Fと略記)14は、前記走査コントロール部13および前記画像処理部8に接続され、それぞれに高密度走査領域設定情報および画像回転情報を送出する。前記画像処理部8では前記高密度走査領域設定情報および画像回転情報を座標変換に反映する処理を施す。ユーザI/F14と走査コントロール部13は、走査手段による走査範囲に対して特定の領域を設定する特定領域設定手段を構成している。ユーザI/F14と画像処理部8は、走査手段により超音波を走査して得られた超音波像を回転させる回転手段を構成している。
【0023】
ここで、高密度走査領域をどのようにして設定するかについて説明する。高密度走査領域はユーザI/F(例えばキーボード)から入力する。設定方法は、例えばキーボード上の高密度走査ボタンを押すと以前設定した領域(扇形)が画面6時方向に現れる。領域の大きさを変更したい場合は、キーボード上のマウスか矢印等のボタン操作で真下方向の軸を中心に左右に伸縮するようにする。すなわち、下向きの扇を広げたり畳んだりするようなイメージで、領域の大きさを変更できる。
【0024】
前記走査コントロール部13は前記パルス発生部2、前記受信号処理部7、および回転速度制御部15に接続され、前記A相信号、Z相信号を元に超音波の発生および受信のタイミング信号をパルス発生部2および受信号処理部7に送出する。また、前記走査コントロール部13は高密度走査領域設定情報および画像回転情報とA相信号およびZ相信号を照らし合わせ、高密度走査領域を走査中か否かの判断を行い前記DCモータ11の回転速度を切替えるタイミング信号を前記回転速度制御部15に送出する。走査コントロール部13は、特定領域設定手段により設定された領域での走査の走査線密度を変更する走査線密度変更手段を構成していると共に、回転手段による回転量と特定領域設定手段による特定領域とを対応させることにより特定領域を超音波像の表示画面の一定の位置に表示させる表示位置制御手段を構成している。
【0025】
前記回転速度制御部15は前記DCモータ11に接続されていて、DCモータ11の回転を制御しており、前記走査コントロール部13のモータ回転速度切替えタイミング信号に応じてDCモータ11の回転速度を制御する制御信号をDCモータ11に送出する。
【0026】
前記DCモータ11は前述したように前記超音波振動子5に回転伝達手段(例えば、フレキシブルシャフト)で接続しており、前記制御信号に応じた回転速度で超音波振動子5を回転させる。
【0027】
次に上記第1の実施の形態において、実際の走査を図2を参照して説明する。
図2(a)は超音波の機械式ラジアル走査を行なった場合の走査の概念図である。通常、エンコーダ12からのZ相信号(1パルス/回転)を基準にA相信号(256パルス/回転)に同期して走査していく。このとき振動子の回転速度は一定のため、走査密度は一定である。
【0028】
ここで、図2(b)のごとく、特定領域として高密度走査領域(図示網掛け部分)を設定したとする。高密度走査する領域がZ相信号を基準にカウントしたとき図のごとく51番目から60番目まで走査線10本分の領域であったとしたら、仮に走査密度を倍にするのであれば図2(c)のごとく、51番目から走査線20本分の走査中は振動子の回転速度を半分に落して走査する。その替わりに高密度走査領域以外(この場合では、上半分)で振動子5の回転速度を速くして走査密度を低くする。これにより、一回転中の走査本線は一定に保たれることで、フレームレートの低減を抑制し、走査線データを格納するメモリ9を増設する必要がなくなる。
【0029】
画像を回転した場合は、回転した角度から、高密度走査領域内の走査線番号を走査コントロール部13で割り出し、その走査範囲で振動子回転速度を遅くし、その他の領域では回転速度を速くすることで、走査密度をコントロールする(図2(d)参照)。
【0030】
例えば、1回転中の走査線数が256本であり、高密度走査領域を表示画面の真下を中心に45°の範囲(全周の8分の1)と設定した場合、高密度走査しない場合に高密度走査領域内にくる走査線数は32本(256 × (45/360))となる。そこで倍の高密度走査を行うとするとその高密度領域にくる走査線は64本となる。更に、画像回転手段により例えば100°左方向(反時計回り)に回転した場合を考えると、走査線71本(256×(100/360))分に当たり、その分を走査線全体に加算すれば良い。(ただし、256の次の数値は1とする。)即ち、回転前の走査線番号に71を加算した走査範囲で高密度走査(走査線密度の変更走査)を行えばよい。
【0031】
この場合、超音波振動子5の回転速度は、DCモータ11の回転速度を制御することで行う。DCモータ11の回転速度はDCモータ11ヘの供給電圧によって制御するため、走査コントロール部13からの回転速度に関する命令(速度を速くする、あるいは速度を遅くする等)を回転速度制御部15で受けたら、ここでDCモータ11ヘの供給電圧を制御し、速度を速くする場合にはDCモータ11ヘの供給電圧を通常より高くし、速度を遅くする場合にはDCモータ11ヘの供給電圧を通常より低くするように制御する。
【0032】
なお、第1の実施形態では、DCモータを用い超音波振動子を機械式ラジアル走査させ、その回転速度を変える構成としたが、これは、複数の超音波振動子をアレイ状にして挿入軸の周りに環状に設けた電子ラジアル走査式の超音波内視鏡および超音波プローブとしてその超音波振動子の切り替え速度を変更することでラジアル走査のスキャン速度を変える構成としても良く、機械式ラジアル走査には限定されない。更に、ラジアル走査は360°全周の走査ではなく180°や270°の走査でも良い。更に、ラジアル走査ではなく、コンベックス、リニア、セクタなど他の走査方式であっても良い。
【0033】
第1の実施の形態によれば、超音波断層像の一部(患部等ROI)の高画質化が可能となり、しかもその高画質化の操作の簡略化が可能となる。また、高画質化に伴うフレームレート劣化の抑制が可能であり、高画質化に伴うメモリ増加の抑制も可能である。
【0034】
〔第2の実施の形態〕
図3は本発明の第2の実施の形態の超音波診断装置の全体のブロック図を示している。図3の構成において、図1と同様の機能を有する部分に関しては省略し、異なる部分のみ説明する。
【0035】
図3では、体腔内用超音波診断装置1に超音波内視鏡および超音波プローブ4が複数接続可能な場合を示している。なお、図3では、図1における回転速度制御部15は無く、コネクタ選択部16が設けられている。図3のユーザI/F14Aは、複数の超音波内視鏡および超音波プローブ4を選択可能にするコネクタ切替えキーを備えており、図3の走査コントロール部13Aは、A相信号,Z相信号のほかに遅延A相信号を元に超音波の発生および受信のタイミング信号を発生する点で、図1におけるユーザI/F14、走査コントロール部13とは相違している。
【0036】
超音波内視鏡および超音波プローブの選択は、体腔内用超音波診断装置1前面の図示しない超音波内視鏡および超音波プローブ4への電源供給スイッチのオン時に行う。
【0037】
体腔内用超音波診断装置1に設けられた複数のコネクタには予め順位を付けておく。電源スイッチをオンした時複数本の超音波内視鏡および超音波プローブ4が接続されていた場合には、どのコネクタに超音波内視鏡および超音波プローブ4が接続されているかを走査コントロール部13にて検知し、前述したコネクタの順位において一番順位の高いコネクタを選択するようにする。体腔内用超音波診断装置1の他のコネクタに接続された超音波内視鏡および超音波プローブ4を選択したい場合にはユーザI/F14Aの図示しないコネクタ切替えキーにより自由に変更可能とする。
【0038】
上記によって駆動するコネクタが選択されたと同時に、コネクタ選択部16により、超音波内視鏡および超音波プローブ4に接続する必要最低限の信号(送受信信号、A相信号、Z相信号等)を、駆動するコネクタ側に切り替える。
【0039】
DCモータ11は速度一定で回転し、エンコーダ12は超音波振動子5の一回転につき1パルス(Z相信号)と一回転につき一定回数パルス(A相信号)を発生し、走査コントロール部13Aおよび信号遅延部17に送出する。
【0040】
前記信号遅延部17ではA相信号を一定値(例えば、位相180°)遅らせた信号を走査コントロール部13Aに送出する。
【0041】
前記走査コントロール部13Aでは、前記A相信号、遅延A相信号、Z相信号を元に超音波の発生および受信のタイミング信号をパルス発生部2および受信号処理部7に送出する。
【0042】
次に上記第2の実施の形態において、実際の走査を図4を参照して説明する。
図4(a)は超音波の機械式ラジアル走査を行なった場合の走査の概念図である。
【0043】
通常、エンコーダ12からのZ相信号(1パルス/回転)を基準にA相信号(256パルス/回転)に同期して走査していく。このとき振動子5の回転速度は一定のため、走査密度は一定である。
【0044】
ここで、図4(b)のごとく、特定領域として高密度走査領域(図示網掛け部分)を設定したとする。高密度走査する領域がZ相信号を基準にカウントしたとき図のごとく51番目から60番目まで走査線10本分の領域であったとして、走査密度を倍にするのであれば前述した遅延A相信号(ここではA相の180°遅延信号)のパルスでも超音波を送受信するようにすれば、図4(c)のごとく超音波振動子5の回転速度が一定であっても走査密度を上げることが可能となる。
【0045】
その替わりに高密度走査領域以外(この場合では、上半分)において、超音波送受信を通常より少なくして、走査密度を低くし、一回転中の走査本数を一定に保つようにすることで、フレームレートの低減を抑制し、走査線データを格納するメモリ9を増設する必要がなくなる。
【0046】
画像を回転した場合は、回転した角度から、高密度走査領域内の走査線番号を走査コントロール部13Aで割り出し、その走査範囲で超音波送受信間隔を狭め、その他の領域では超音波送受信間隔を広げるようにすることで、走査密度をコントロールする(図4(d)参照)。
【0047】
尚、以上述べた実施の形態では、高密度走査する際に、走査密度を倍にする例について説明しているが、本発明は高密度走査する領域での走査密度はそれ以外の領域での走査密度の倍に限定されないことは勿論である。また、本発明は、機械スキャンに限らず、電子スキャンにも応用することが可能である。ただし、電子スキャンの場合、ビームフオーマによるビームの角度変更となる。
【0048】
第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態での効果に加えて、超音波内視鏡および超音波プローブへの制御線を増やす必要が無く、複数本の超音波内視鏡および超音波プローブを切り替えて使用することが可能となる。
【0049】
[付記]
[付記項1]
超音波振動子を用いて被検体内に超音波を送受信することで、特定の面内で走査する体腔内用超音波診断装置において、
前記超音波振動子にて走査して画像を得る手段と、
前記走査手段による走査範囲のうちの特定の領域を設定する領域設定手段と、
前記領域設定手段により設定された領域と非設定領域とで前記走査手段により得られる画像の走査密度を変更する手段走査した画像を回転させる回転手段とを備えた体腔内用超音波診断装置であり、
前記回転手段により画像を回転させても前記領域設定手段により設定された領域を常に同じ位置に表示することを特徴とする。
【0050】
[付記項2]
付記項1において、特定の面内とは挿入軸方向に対してラジアルで走査すること。
【0051】
[付記項3]
付記項1において、走査密度は設定された領域が高く、非設定領域が低くし、また、前記走査手段により得られる1画面の走査線総数が常に一定となること。
【0052】
[付記項4]
付記項1において、走査範囲のうちの特定の領域とはラジアル走査による観測視野の6時方向(下)の領域であること。
【0053】
[付記項5]
付記項1において、設定される領域の面積は自由に変更可能であること。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、以下のような効果が得られる。超音波断層像の一部(患部等ROI)の高画質化が可能となり、しかもその高画質化の操作の簡略化が可能となる。また、高画質化に伴うフレームレート劣化の抑制が可能であり、高画質化に伴うメモリ増加の抑制も可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の超音波診断装置の全体のブロック図。
【図2】本発明の第1の実施の形態で、超音波の機械式ラジアル走査を行なった場合の走査の説明図。
【図3】本発明の第2の実施の形態の超音波診断装置の全体のブロック図。
【図4】本発明の第2の実施の形態で、超音波の機械式ラジアル走査を行なった場合の走査の説明図。
【図5】従来技術における、超音波の機械式ラジアル走査を行なった場合の走査の説明図。
【符号の説明】
1…体腔内用超音波診断装置
2…パルス発生部
3…パルサ
4…超音波内視鏡および超音波プローブ
5…超音波振動子
6…アンプ
7…受信号処理部
8…画像処理部
9…メモリ
10…モニタ
11…DCモータ
12…エンコーダ
13,13A…走査コントロール部
14,14A…ユーザI/F
16…コネクタ選択部
17…信号遅延部
Claims (3)
- 被検体に超音波振動子より超音波を送受信して超音波像を得る超音波診断装置において、
前記超音波振動子により被検体に対して超音波を走査する走査手段と、
前記走査手段による走査範囲に対して特定の領域を設定する特定領域設定手段と、
前記特定領域設定手段により設定された領域での前記走査の走査線密度を変更する走査線密度変更手段と、
前記走査手段により超音波を走査して得られた超音波像を回転させる回転手段と、
前記回転手段による回転量と前記特定領域設定手段による特定領域とを対応させることにより前記特定領域を前記超音波像の表示画面の一定の位置に表示させる表示位置制御手段と、
を備えたことを特徴とする超音波診断装置。 - 前記走査手段の走査する走査線の数は、この走査手段により得られる超音波像の1画面に対して一定であり、
前記走査線密度変更手段による走査線密度は、前記特定領域設定手段により設定された特定の領域で高く、非設定領域では低く設定する
ことを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。 - 前記走査手段による走査はラジアル走査であることを特徴とする請求項1または2記載の超音波診断装置。
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Cited By (1)
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-
2003
- 2003-05-23 JP JP2003146826A patent/JP2004344517A/ja active Pending
Cited By (2)
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JP2006231035A (ja) * | 2005-01-26 | 2006-09-07 | Toshiba Corp | 超音波診断装置及び超音波診断装置の制御プログラム |
US7985182B2 (en) | 2005-01-26 | 2011-07-26 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Ultrasonic diagnostic apparatus and ultrasonic image acquiring method |
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