JP2004343309A - 無線ネットワーク装置および無線ネットワーク装置のリソース割り当て方法 - Google Patents

無線ネットワーク装置および無線ネットワーク装置のリソース割り当て方法 Download PDF

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秀教 石井
Toshiaki Nagasawa
利明 長沢
Kenji Takagi
健次 高木
Takeshi Nakano
剛 中野
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Abstract

【課題】複数の種別の呼からなり、時間と共に変化するトラヒックのもとで、複数のベースバンド信号処理を行うカードを持つ基地局において、リソースを効率的に配置し、呼損を発生させないようにする。
【解決手段】ベースバンド処理等を行う信号処理カード、信号処理カードの状態を監視する無線リソース監視手段、信号処理カードのリソース割当や移動
を行う無線リソース制御手段、時間帯毎に発生したトラヒックを記録するトラ
ヒック記録手段を設け、できるだけ収容したい呼から空きリソース数の閾値を
決め、基地局内部の空きリソース数が閾値より少なくなったときに再配置処理
を起動し、さらに時間帯毎に最も発生した呼の所要リソース数を元に閾値を変
化させることで、時間帯ごとに最も発生頻度の高い呼を収容する際の呼損を防
止することができる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、無線通信を行う端末を収容する無線ネットワーク装置において、装置内の資源を各端末に適切に割り当てるリソース管理方式に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年携帯電話の普及は目覚ましく、2001年に日本で最初にW−CDMA(Wideband Code Division Multiple Access,広帯域符号分割多重アクセス)規格の携帯電話サービスが始まっている。通信技術に関しても、ディジタル携帯電話では音声と低速のパケット通信のみだったが、W−CDMAの導入により、2002年現在で384kbpsのサービスが開始されるなど、広帯域伝送が可能になってきている。
【0003】
W−CDMAのネットワークは交換機、RNC(Radio NetworkController, 無線ネットワーク制御装置)、基地局(BTS, Base Transceiver Station)などからなる。このうち、基地局が携帯電話端末と無線通信を行い、信号をネットワーク用に変換する。
【0004】
W−CDMAでは広帯域伝送を生かした様々なアプリケーションが提供されるため、基地局のカバーエリア内で発生するトラヒックの種類も、テレビ会議、高速パケット伝送などによる高速伝送の呼が増えている。これに伴い、リソース管理方式の改善により基地局の収容能力を有効に用いることが求められている。なお、本発明におけるリソースは基本的に基地局内部のベースバンド処理に要する処理能力を表し、各チャネルの電波の強度等を表す無線リソースとは別の概念である。
【0005】
まず、図10にリソース再配置方式に関する従来技術の構成例を示す。
図10において、1001は端末である。以降の記述では、端末としてW−CDMA方式またはMC−CDMA(Multi−Carrier CDMA)の第三世代携帯電話を想定するが、GSM(Global System for Mobile communications),PHS(Personal Handy−phone System),PDC(Personal Digital Cellular)等の携帯電話またはコードレス電話においても適用可能である。
【0006】
1002は端末を収容し、端末との無線信号の送受信を行い有線用の信号に変換する基地局である。1003は交換機能を持つネットワークである。ネットワーク1003は専用線、ATM(Asynchronous TransferMode)を介して基地局と接続している。
1004〜1009は基地局の内部構造を示す。
1004は端末1001との無線信号の送受信を行う無線通信手段である。無線通信手段1004はアンテナ、端末の送信電力制御、周波数の変調処理等を行う。無線通信手段1004はアンテナ、増幅器、送信用の電源、制御プログラムを備える。
【0007】
1005はネットワーク1003の要求に応じて、端末に対する通信路の接続・切断制御を行う接続制御手段である。接続制御手段は基地局の制御カード内のプログラムとして実装される。
【0008】
1006は端末からの無線信号の符号変調処理、有線信号への変換等の信号処理を行う信号処理手段である。基地局で同時に多数の端末を収容するため、信号処理手段は同形式のカードを多数準備しており、これらを第1信号処理カード1006a〜第n信号処理カード1006cと呼ぶ。
【0009】
1007は信号処理手段1006において、発生した呼を信号処理カードに割り当てたり、解放を行う無線リソース制御手段である。
【0010】
1008はネットワーク1003との信号の送受信を行う有線通信手段である。
【0011】
1009は、呼種別毎の優先度を、呼種別毎の着信確率や通信品質から決定する呼種別優先度決定手段である。
【0012】
基地局は端末1001の通信呼を収容する。その際に呼の信号処理を行う信号処理カード1006a〜1006cの処理能力をリソース、呼が発生した際に、呼を信号処理カードに割り当てる処理をリソース割り当て処理という。
【0013】
信号処理カードの性能はハードウェアに依存し、様々な値を取るが、ここでは各信号処理カードに768kbps分の信号処理能力があり、1リソースを24kbpsの信号処理能力と定義する。よって、信号処理カードは32個のリソースを持つことになる。また、基地局が以下の種類の呼をサポートすると仮定する。
【0014】
(a)音声呼 リソース1個
(b)非制限ディジタル呼(64kbps) リソース3個
(c)パケットA呼(128kbps) リソース6個
(d)パケットB呼(384kbps) リソース16個
(e)共通チャネル リソース8個
(e)の共通チャネルは端末すべてを制御するためのチャネルで、BCH(Broadcast Channel),FACH(Forward Access Channel),PCH(Paging Channel),RACH(Random Access Channel)などからなる。共通チャネルの所要リソース数は、基地局のカバーエリアの大きさや収容チャネル数によって増減するが、ここでは8個と仮定する。
【0015】
W−CDMAでは、音声呼、パケット呼、非制限ディジタル呼などの多数の種類の呼のサービスが可能である。伝送速度や信号処理カードが呼を処理するために必要なリソース数は呼の種類により異なる。
【0016】
リソース割り当て処理においては、このような所要リソース数の異なる多くの種類の呼が発生・消滅を繰り返す環境下において、基地局の限られたリソースを有効に活用しできるだけ呼損を発生させないことと、負荷を複数の信号処理カードに分散させ、各々の信号処理カードにかかる負荷を低減することとの2つが求められる。
【0017】
リソース割り当て処理は、以下の2つの前提条件下で基地局に流入するトラヒック量が大きい場合に小さい空きリソースが複数の信号処理カードに分散し(フラグメントと呼ぶ)、効率が悪くなる欠点がある。
【0018】
(A1)W−CDMAのように呼の種類が多く、呼の種類により所要リソース数が異なる通信方式を用いる。
【0019】
(A2)1つの呼は1個の信号処理カードに割り当てなければならないとする制約がある。
【0020】
特に(A2)のように、1つの呼は1個の信号処理カードに割り当てなければならないという制約があると、基地局内の全カードの空きリソース数の合計は新規に発生した呼の所要リソース数より多いにもかかわらず、各カードの空きリソース数が所要リソース数より小さいために、呼の割当ができない場合がある。
【0021】
例えば基地局内の2枚の信号処理カードに4つの空きリソースがあり、他の信号処理カードに空きが全くない場合、各カードの空きリソース数はパケットA呼の所要リソース数6より小さい。よって、基地局全体では4×2=8個の空きリソースがあるにもかかわらず、この場合はパケットA呼を割り当てることはできない。
【0022】
よって、効率向上のためには制約条件(A2)に対する対策が必要である。対策としては以下の2つが考えられる。
【0023】
(C1)信号処理カード自体に複数の信号処理カード間の同期・連携機能を追加し、制約(A2)をなくす。
【0024】
(C2)一部の呼の割り当て先の信号処理カードを変更して、複数の小規模空きソースを1カ所にまとめる。(以下、リソースの再配置と呼ぶ)
まず(C1)について述べる。1つの呼の信号処理を複数の信号処理カード(LSI、カード)で同時に行う設計をすると、複数の信号処理カード間の同期・連携機能等の実装を行う必要があるためコスト高になる。特に信号処理カードに当たるベースバンド処理デバイスまたはカードは基地局内に多数存在し、コスト上昇が基地局全体のコストへ与える影響が大きいので、(A2)の制約を信号処理カードの機能向上で回避する以外の方法を考える方が望ましい。
【0025】
(C2)の方法は特表2002−505065号公報の12ページ以降(特許文献1)に開示されている。特許文献1は、主にFDMA(FrequencyDMA)/TDMA(Time DMA)方式に対する割当方式を示しており、サービスが複数の周波数やタイムスロットにまたがった場合のアルゴリズムを示している。
【0026】
特許文献1では、複数の周波数・タイムスロットにまたがる呼の複数の種別間の包含関係を考慮した総着信確率を用いて呼種別毎の優先度を決定し、割当対象のカードに十分な空きリソースがない場合は、新規呼よりも優先度の低い呼を切断して空きリソースを作成する。特許文献1を本発明のように周波数の区別を行わない環境に適用すると、所要リソース数が大きい呼種は、より所要リソース数が小さい呼種を含むと考え、呼種別毎に、その呼種別が包含する呼種別の確率を合計して総着信確率を計算し、総着信確率が大きいほど呼の種別の優先度を高くする。よって、所要リソース数が少ない呼種は、包含する呼種別の数が少なく、総着信確率が低くなるため、優先度も低くなり、所要リソース数の多い呼種は優先度が高くなる。
【0027】
以下に、特許文献1の総着信確率を用いて計算した優先度を元に割当を行うアルゴリズムを、本発明の条件に適用したものを示す。
【0028】
(P1)呼が発生する。
【0029】
(P2)呼の種別(発信・着信、着信確率等)により呼種別優先度決定手段1009が呼種別の優先度を決める。
【0030】
(P3)発生した呼をいずれかの信号処理カード1006に割り当てる。
【0031】
(P4)割り当て終了後、これまで発生した呼のうち最大のリソース数の空きのエリアを検索し、空きがない場合は、優先度の低い呼を切断して空きを作る。
【0032】
これにより、優先度の高い呼、また後に発生した呼を収容できるようになる。
【0033】
【特許文献1】
特表2002−505065号公報(第12頁)
【0034】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特許文献1は、断片化が発生し再配置処理において再配置先が見つからなかった場合に優先度の低い呼を切断するため、端末と基地局間の電波状態が良好な場合にも基地局側においてリソースの断片化が発生すると低い優先度の呼の切断が発生するため利便性に欠ける問題があった。特に、W−CDMAにおいては多様な通信形態が考えられるため、長期間リソースを占有する呼もより多く発生し、呼の種別もGSMやPDCに比べて多いため、断片化も発生しやすい。
【0035】
また、再配置処理では呼を切断せずに信号処理カード間を移動させるために、移動前と移動後のリソースを同時に確保する。そのため、信号処理の同期を取る間、呼は通常の場合に比べ倍のリソースを消費することになる。また、再配置処理では、移動元の呼・移動先の信号処理カードを探索する処理により動作負荷が通常の処理に比べ増える。
【0036】
特許文献1では、呼の優先度付けを各々の種別の着信確率の合計に基づいて行っているが、これにより、比較的所要リソース数が大きい呼の優先度の方が高くなる結果、再配置処理の閾値もそのリソース数を元に決められる。しかし、所要リソース数の少ない音声呼が全トラヒックに占める比率が高い状況下では、再配置処理を行わない場合も空きリソースの断片化による呼損が発生しにくくなる。このような場合においても、特許文献1のアルゴリズムでは閾値が音声呼よりも大きい値に設定されるため不要な再配置処理を行う可能性がある。
【0037】
本発明は、以上の問題を鑑みなされたもので、既存の呼を切断せずにリソースの再配置処理を実行することで、リソース割り当ての効率化を図るものである。
【0038】
【課題を解決する手段】
上記課題を解決する為に、本願発明は、無線通信に関するリソース数の異なる複数種の呼を複数の信号処理カードに割り当てる基地局のリソース割り当て方法であって、時間帯ごとに発生する呼の種類と数を記録し、前記時間帯毎に最も発生する比率が高い種類の呼のリソース数を元にその時間帯の空きリソース数閾値を決定し、前記閾値に基づき、前記複数の処理カードに収容されている呼の再配置処理を行うことを特徴とする、リソース割り当て方法である。これにより、リソースの位置や時間に適応して、リソースの再配置ができる。
【0039】
さらに、前記閾値に基づき呼の再配置が必要だと判断されたときに、既に収容されている呼を他の信号処理カードに移動させて前記閾値以上の空きリソース数を確保する移動元カードを選択し、前記移動元カードに既に収容されている呼のうち、他の信号処理カードに収容先があるかどうかを判定し、他の処理カードに収容先があるとき、移動させる呼である第1の移動呼を収容先となる移動先カードに再配置する第1の再配置処理を前記移動元カードに前記閾値以上の空きリソース数を確保するまで繰り返し、他の処理カードに収容先がないとき、前記移動元カードに収容されている移動呼を収容させるために、前記移動元カード以外に収容されている移動呼を第2の移動呼として再配置する第二の再配置処理を、前記移動元カードに収容されている移動呼を移動可能にするまで繰り返すことにより、既存の呼を切断せずに新規呼を収容し、呼損を減らしかつ基地局の収容能力を最大限に活用できる効果が得られる。
【0040】
さらに、本願発明は、前記閾値に基づき呼の再配置が必要だと判断されたときに、既に収容されている呼を移動させて前記閾値以上の空きリソース数を確保する移動元カードを選択し、前記移動元カードに既に収容されている呼のうち、他の処理カードに収容先があるかどうかを判定し、他の処理カードに収容先があるとき、移動させる呼である移動呼と収容先となる移動先カードとを移動呼リストに登録し、前記移動呼リスト内の所要リソース数と、前記移動元カード内で前記閾値のリソース数に不足している不足リソース数との大きさを比較し、前記所要リソース数が前記不足リソース数以上のときには、前記移動呼を全て移動させて処理を終了し、前記所要リソース数が前記不足リソース数以下のときには、再び移動呼及び移動先カードを決定する処理を実行し、他の処理カードに収容先がないとき、前記不足リソース数以上となる、移動候補呼の組合せを前記移動元カード以外のカードから選択し、前記移動候補呼のうち一つの移動呼を選択し、再配置処理を行った場合に再配置処理により空きができる処理カードを前記移動呼リストに追加し、全移動候補呼について再配置処理が終了したときに、前記移動呼リスト内の移動呼を全て移動させて処理を終了することにより、既存の呼を切断せずに新規呼を収容し、呼損を減らしかつ基地局の収容能力を最大限に活用できる効果が得られる。
【0041】
さらに、複数の基地局のカバーエリアを監視し、前記カバーエリアが重なる2以上の基地局間で移動呼と移動先カードを決定し再配置処理を行うことにより、カバーエリアが重なっている複数の基地局間でリソース再配置を行うことにより、基地局の負荷分散及び端末からの呼損を防ぎ、リソースの使用率を向上させることができる。
【0042】
また、本願発明は、複数種の呼を複数の信号処理カードに収容する基地局であって、時間帯ごとに発生する呼の種類と数を記録するトラヒック記録手段と、
前記トラヒック記録手段に記録された、前記時間帯毎に最も発生する比率が高い種類の呼のリソース数を元にその時間帯の閾値を決定する無線リソース監視手段と、前記閾値を元に既に前記信号処理カードの呼の再配置処理制御を行う無線リソース制御手段とを具備することを特徴とする基地局である。これにより、リソースの位置や時間に適応して、リソースの再配置ができる基地局を提供する。
【0043】
さらに、無線リソース制御手段は、再配置によって移動される移動呼と前記移動される呼を収容する移動先カードとを管理する管理テーブルを備え、前記管理テーブルには、前記閾値のリソース数を確保するための再配置処理に対応する前記移動呼と前記移動先カードの組合せリストが記録されていることにより、既存の呼を切断せずに新規呼を収容し、呼損を減らしかつ基地局の収容能力を最大限に活用できる基地局を提供できる。
【0044】
さらに、本願発明は、トラヒック記録に応じた閾値に基づき再配置を行う複数の基地局のリソースを管理する基地局リソース管理手段と、前記複数の基地局と通信する通信手段と、前記閾値に基づく再配置処理を、カバーエリアの重なる基地局間で行わせる基地局リソース制御手段と、を具備することを特徴とする無線網制御装置である。これにより、リソースの再配置を行いカバーエリアの重なる基地局同士のリソースを有効に活用させることができる無線網制御装置を提供することができる。
【0045】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図1から図9を用いて説明する。
【0046】
(実施の形態1)
本実施の形態は、リソースの保留時間や所要リソース数が大きく異なるW−CDMA方式において効率的なリソースの再配置方式である。基地局において、所要リソース数が異なる複数種の呼を複数の信号処理カードを用いて収容するときには、呼が既に割り当てられた信号処理カードに、所要リソース数が大きい呼を信号処理カードに収容できない場合がある。これに対して、本発明では、収容したい呼のリソース数に応じた閾値を決め、信号処理カードのいずれにも閾値分の空きリソースが無くなったときに、できるだけ所要リソース数の大きい呼を収容できるように呼を再配置することで、呼損を少なくして信号処理カードの能力を有効に利用する。
【0047】
本実施の形態においては、基地局内部にトラヒックの記録を行う手段を設け、音声呼やパケット呼の比率の時間的な変化に対応して再配置処理の起動条件を変えることで、時間帯毎に多く発生する呼をより確実に収容するための再配置処理を行うことを可能にする。例えば、所要リソース数1の呼が多いときは、断片化による呼損の割合が小さくなるため、そのような時間帯では、再配置処理を起動するための空きリソース数の閾値を小さく設定することで、再配置処理の起動回数を減少させて、再配置処理における呼の移動処理によるリソース数の追加消費を抑えるとともに、基地局の動作負荷を低減する。
【0048】
以下、本発明の第1の実施の形態について説明する。図1は、本発明のブロック構成図を示す。図1において101〜108はそれぞれ従来例の1001〜1008に対応する。
【0049】
図1において、101は端末である。以降の記述では、端末としてW−CDMA(Wideband Code Division Multiple Access,広帯域符号分割多重アクセス)方式またはMC−CDMA(Multi−Carrier CDMA)の第三世代携帯電話を想定するが、GSM(Global System for Mobile communications)、PHS(Personal Handy−phone System)、PDC(Personal Digital Cellular)等の携帯電話またはコードレス電話においても適用可能である。
【0050】
102は端末を収容し、端末との無線信号の送受信を行い有線用の信号に変換する基地局である。
【0051】
103は交換機能を持つネットワークである。ネットワーク103は専用線、ATM(Asynchronous Transfer Mode)を介して基地局と接続している。
【0052】
104〜110は基地局の内部構造を示す。
【0053】
104は端末101との無線信号の送受信を行う無線通信手段である。無線通信手段104はアンテナ、端末の送信電力制御、周波数の変調処理等を行う。無線通信手段104はアンテナ、増幅器、送信用の電源、制御プログラムを備える。
【0054】
105はネットワーク103の要求に応じて、端末に対する通信路の接続・切断制御を行う接続制御手段である。接続制御手段は基地局の制御カード内のプログラムとして実装される。
【0055】
106は端末からの無線信号のベースバンド変復調処理、有線信号への変換等の信号処理を行う信号処理手段である。基地局においては同時に多数の端末を収容するため、信号処理手段は同形式のカード、LSIおよびその組合せからなるハードウェアを多数準備した構成になる。本実施の形態では基地局が4個の同種のハードウェアを備えると仮定し、おのおの第1信号処理カード106a〜第4信号処理カード106dと呼ぶ。
【0056】
107は信号処理手段106において、発生した呼を信号処理カードに割り当てたり、解放を行う無線リソース制御手段である。
【0057】
108はネットワーク103との信号の送受信を行う有線通信手段である。
【0058】
109は信号処理手段の状態の監視を行い、呼の再配置の要不要を判断し、呼の再配置が必要な場合は無線リソース制御手段に呼の再配置の指示を行う無線リソース監視手段である。
【0059】
110は無線リソース監視手段109のデータをもとに基地局102が収容した呼の発生時刻、種別、保留時間を記録するトラヒック記録手段である。
【0060】
本実施の形態においては、トラヒック記録手段110の内容に応じて呼の再配置の内容を変更させる方法を示す。
【0061】
次に図2を説明する。図2は信号処理手段106の呼の収容状態を示す。ここでは、信号処理手段106内部の信号処理カード数を4とし、従来技術と同様に各信号処理カードに768kbpsの信号の処理能力があり、1リソースを24kbpsの信号処理能力と定義し、基地局が以下の呼の種類をサポートすると仮定する。
【0062】
(a)音声呼(24kbps) リソース1個
(b)非制限ディジタル呼(64kbps) リソース3個
(c)パケットA呼(128kbps) リソース6個
(d)パケットB呼(384kbps) リソース16個
(e)共通チャネル(192kbps) リソース8個
なお、サポートする呼の種類は、通信サービスを提供する通信事業者によって異なる。また、リソースの単位も基地局のハードウェアにより速度が増減したり、速度の単位もsps(Symbols Per Second)等となることがある。本発明において、信号処理手段内の信号処理カードの数や、信号処理カードの処理能力、リソースの単位がカード毎に異なっている場合でも同様の効果が得られる。
【0063】
また、本実施の形態においては、信号処理カード内で1つの呼に対するリソースが連続していなくてよいものとする。たとえば、図2の状態から音声呼202が解放されたとき、1個分の空きリソースが別々に2個あるとみなしてもよいし、2個分の空きリソースが1つあると見なしてよい。
【0064】
図2の第1信号処理カード106aの状態を説明する。第1信号処理カード106aは、共通チャネルと音声呼2個、非制限ディジタル呼3個、パケットA呼2個を収容している。各領域の名称の後にあるかっこ内の数値は領域の大きさをリソース数に換算して表したものである。信号処理カードの実装リソース数は32、共通チャネルは8、音声呼は1、非制限ディジタル呼は3、パケットA呼は6であるから、空きリソースは(32−8−1×2−3×3−6×2=)1である。第2信号処理カード106b〜第4信号処理カード106dに関しても同様に収容している呼を示している。
【0065】
本実施の形態においては、同一処理カード内において呼が配置される位置はどこでもよい。よって、無線リソース制御手段内の管理テーブルでは空きリソース数のみを把握すればよい。
【0066】
なお、カードによって処理能力が異なる場合は空きリソース数だけでなく、各カードに実装されているリソース数も管理する必要があるが、この場合でも本発明の効果は同様に得られる。
【0067】
図3は無線リソース制御手段107が保持する信号処理手段106の管理テーブルの内容を示す。管理テーブルは全部の信号処理カードの各時点の空きリソース数を保持している。以降、第1信号処理カード106aから第4信号処理カード106dまでの空きをそれぞれvacancy[1]〜vacancy[4]とする。第1信号処理カード106aを例にとると、空きリソース数(vacancy[1])は1となっている。
【0068】
なお、信号処理カードによって実装リソース数が異なる場合は使用リソース数だけでなく、各カードに実装されているリソース数も管理すれば、本発明の効果が得られる。
【0069】
まず、基地局102が、起動直後のリソースが全く割り当てられていない状態から図2の状態に至るまでの呼処理を説明する。基地局102が起動するとき、端末101の呼び出し等に用いる共通チャネルを確保する。共通チャネルに対して番号の少ない順に信号処理カードに呼の割当を行うものとすると、無線リソース割当手段104は共通チャネルを処理するリソースを第1信号処理カード106aに割り当てる。これが図2の共通チャネル201の部分である。
【0070】
なお、割当先の信号処理カードを決める方法としては、カードの番号の少ない順の他に、番号の多い順から割り当てる方法、全信号処理カードのうち、最も空きリソース数が少ないものから割当を行う方法、または最も空きリソース数が多いものから割り当てる方法が考えられるが、いずれの場合でも本発明の効果を得ることが可能である。
【0071】
基地局102が共通チャネルの確保を終了すると、端末101がネットワーク103に対して位置登録とATTACH(端末をネットワークから着信可能な状態にする処理)を行う。なお、実際には端末のATTACH時にもリソースが使用されるが、その場合でも本発明の効果を得ることは可能である。ただし、記述簡略化のため本実施の形態においてはATTACH時に使用されるリソースを考慮しない。
【0072】
位置登録後、端末101が音声呼を発信すると、基地局102は端末101とネットワーク103間の呼に用いる通信路を確立し、音声呼を信号処理カード106に割り当てる。これが図2の音声呼202である。
【0073】
詳細に端末101が発信する際のリソース割当の手順を説明する。リソース割当の手順は他の種類の呼の場合でも同様である。
【0074】
まず、端末101が発信要求を共通チャネルを介して基地局102経由でネットワーク103に出力する。基地局102の内部では、まず無線通信手段104がこの要求を受信すると、復調処理等を施して信号処理手段106内部で共通チャネルに割り当てられている第1信号処理カード106aに出力する。第1信号処理カード106aはベースバンド処理、有線信号への変換処理を行い発信要求を有線通信手段108に出力する。有線信号手段が発信要求の信号をATMなどへプロトコル変換を行い、ネットワーク103に対して出力する。本実施の形態では、基地局102は、ネットワーク103によってのみ制御され、端末からの信号によっては制御されない。
【0075】
なお、本発明のアルゴリズムはリソース割当処理のトリガに関係しないので、端末の信号によってリソース割当処理が制御される場合も同様に本発明の効果を得ることが可能である。
【0076】
ネットワーク103は発信要求に対して、基地局102に対して端末101用の音声呼用のリソース確保要求を出力する。基地局102はリソース確保要求に従い、適切な信号処理カードに呼を割り当てる。
【0077】
ネットワーク103からのリソース確保要求に従い基地局102がリソースを割り当てる手順を詳細に説明する。まず、ネットワーク103からのリソース確保要求が有線通信手段108へ入力される。このリソース確保要求は基地局102に対する制御要求なので、接続制御手段105が検出する。接続制御手段105は無線リソース制御手段107に対して、信号処理手段106内において音声呼用のリソースを確保させる要求を出力する。無線リソース制御手段107は信号処理手段106の管理テーブルを参照し、第1信号処理カード106aに空きがあるため、ここに音声呼を割り当てる。この割り当てられた呼が図2の音声呼202である。また、無線リソース制御手段107は内部の管理テーブルの空きリソース数を割り当てたリソース数に応じて減らす。
【0078】
リソースの割当を実施した後、接続制御手段105は、無線通信手段104、信号処理手段106(第1信号処理カード106a)と有線通信手段108によって、端末101からの音声呼の信号をネットワーク103に適切に出力できるように通信路を設定し、リソース確保要求への応答を有線信号処理手段108を介してネットワーク103に対して出力する。これにより端末101からネットワーク103までの通信路が確立される。これ以降より上位のレイヤの呼制御により端末101の発信先との通信が開始されるが、この部分は本発明と直接関係しないため省略する。
【0079】
図2には、音声呼の他、非制限ディジタル呼、パケットA、パケットBなどのパケット呼があるが、これらに対しても所要リソース数が異なる以外は同様にリソースの割当処理を行う。
【0080】
また、呼が終了する場合は、上位レイヤの呼切断処理の後、ネットワーク103から解放の対象となる呼の指定を含むリソース解放要求が基地局102に対して出力される。この要求を接続制御手段105が検出すると、無線リソース制御手段107に対してリソースを解放させる要求を出力する。無線リソース制御手段107は解放する対象となる信号処理カードを特定し、信号処理手段106に該当の呼を解放させる。また、無線リソース制御手段107内部の管理テーブルで、該当の信号処理カードの空きリソース数を増やす。
【0081】
本実施の形態では割り当て順番を番号の小さい信号処理カード順としたが、図2においては第1信号処理カードに空きがある。この理由は、呼の持続時間が呼によって大きく異なるため、番号の大きい信号処理カードに割り当てた後に、番号の小さい信号処理カードに割り当てられていた呼が終了し、その部分のリソースが空きになったためである。
【0082】
以上が図2に至るまでの呼処理の概要である。
【0083】
以降、本発明による再配置処理の説明を行う。
【0084】
本発明では、信号処理カードのいずれかに所要リソース数の大きい呼を収容するため、収容したい呼の所要リソースから空きリソース数の閾値(以下、resource_thresholdとも記述する)を決め、その閾値分のリソースの空きを確保する。
【0085】
本実施の形態においては、トラヒックを記録し、その結果によって閾値を決定する。
【0086】
まず、図6に示すトラヒック記録手段のデータを説明する。本実施の形態では、時間帯ごとに各呼種別の発生頻度により、基地局が収容を優先する呼を変更する方法を示す。
【0087】
図6において、601は時間帯を示す。例えば、0:00、6:00が指定されている場合は、0:00〜6:00を指す。なお、本実施の形態においては、1日を6時間毎に分割した例を示したが、1週間、1ヶ月、1年を分割したり、分割する単位を6時間ではなく1時間、1分、1秒等に変更した場合でも本実施の形態と同様の効果が得られる。
【0088】
602〜605はそれぞれ、各時間帯における音声呼、非制限ディジタル呼、パケットA呼、パケットB呼の発生比率である。なお、これらに加え、セル間ハンドオーバ、セクタ間ハンドオーバなど、サービスに関する他の属性を追加して分類を行った場合でも本実施の形態と同様の効果が得られる。
【0089】
まず、トラヒック記録手段110がトラヒック情報を集める方法を示す。無線リソース監視手段109は呼の発生・解放を毎回監視している。本実施の形態においては、呼の発生、解放ごとにトラヒック記録手段110に記録する。なお、呼の発生・解放ではなく、トラヒックの監視及び記録を定期的に実施しても、本発明の効果を得ることができる。
【0090】
次に、無線リソース監視手段109がトラヒック記録手段110の情報を利用して、リソース再配置を行う方法を示す。トラヒック記録手段110には、すでに実際の測定データが記録されていると仮定する。これにより、無線リソース監視手段110は、各時間帯において優先する呼を決定する。例えば、総務省発行の2002年度版情報通信白書によると夕方は携帯電話あてにメール利用が多いが、深夜になると音声呼が増加するので、本実施の形態においては各時間帯で発生比率の高い呼に合わせて再配置処理の閾値を変化させ、できるだけ発生頻度の高い呼を収容しやすくすると仮定する。
【0091】
図6においては、12時から18時の時間帯ではパケットB呼の比率が高い。この場合、次に発生するパケット呼を収容するためには、信号処理カードのいずれかに16個の空きリソースを準備する必要がある。そこで、本実施の形態においては、パケットB呼が収容できなくなる状態を防ぐため、無線リソース監視手段109は、どのカードにも16個以上の空きが無くなったときに、リソース再配置処理を開始する。
【0092】
そして、18時から24時の時間帯では、音声呼の比率が高いので音声呼を優先するが、音声呼は所要リソース1個なので、この場合はリソースの再配置処理は起動されない。図6には存在しないが、パケットA呼を優先して収容する場合は、空きリソース数6以上の信号処理カードがなくなったとき、また、非制限ディジタル呼を優先する場合はいずれの信号処理カードにも3個の空きリソースがなくなったときにそれぞれリソース再配置の処理を起動する。
【0093】
以上でトラヒック記録手段による閾値の決定の説明を終わる。
【0094】
本実施の形態では、図6におけるトラヒック状況で多くのパケットB呼が発生した時間帯を想定し、パケットB呼を収容するために、閾値を16とする。具体的には、リソース16個分の空きがあるカードが無い時に、信号処理手段106のうち最も使用リソースの少ない信号処理カードに割り当てられている呼を、他の信号処理カードに移動させて、パケットB呼の割り当てに要する空きリソースを作り出す処理を行う。
【0095】
以降、本実施の形態におけるリソースの再配置処理の詳細な説明を行う。図2で、まず非制限ディジタル呼203が割り当てられていない状態を仮定する。
【0096】
非制限ディジタル呼203が発生する前には、第4信号処理カード106dに16個の空き(実装リソース数32から、パケットB呼16を引いた残り)があるため、基地局102は通常通りリソースの割当処理が実施され、空きリソース16で唯一非制限ディジタル呼を収容できる第4信号処理カード106dに非制限ディジタル呼203が割り当てられる。
【0097】
割り当てが行われた直後、信号処理手段106の管理テーブルの301にある第4信号処理カード106dの空きリソース数vacancy[4]の部分が16個から13個に書き換えられる。そのため、信号処理手段106を監視している無線リソース監視手段109が、閾値(16個)分の空きリソースを保持している信号処理カードがないことを検出する。
【0098】
なお、本実施の形態においては、監視のタイミングを呼の割り当て終了後としているが、これは定期的または呼が発生するごとに各信号処理カードの空きリソース数の監視処理を行っても本実施の形態と同様の効果が得られる。
【0099】
無線リソース監視手段109は、閾値以上の空きリソースを持つ信号処理カードがないことを検出すると、最も空きのある信号処理カードの呼を他の空きリソースがある信号処理カードに移動させることで、いずれかの信号処理カードに閾値の16個分の空きリソースを確保する処理を開始する。図2の状態におけるこの処理の概要を図4、フロー図を図5に示す。
【0100】
図2では、第4信号処理カード106dの非制限ディジタル呼203を他の信号処理カードに移動させれば、空きリソース数は13+3=16となり、閾値と等しくなる。そこで、この呼を他の信号処理カードに移動させることとし、以下移動元呼と記述する。
【0101】
第4信号処理カード106dは非制限ディジタル呼以外にもパケットB呼を収容しているが、図2において、第4信号処理カード106d以外の信号処理カードの空きリソース数の合計が3で、パケットB呼の所要リソース数より小さいので、このパケットB呼は他の信号処理カードへ移動ができない。
【0102】
よって、移動元カードを第4信号処理カード106d、非制限ディジタル呼203を移動元カードの移動呼401と選択し、後は、できるだけ小さい番号の信号処理カードの空きリソースをなくすために、図4においては以下のように処理を行う。なお、信号処理カードの検索順に任意のものを使用しても、本実施の形態と同様の効果は得られる。
【0103】
まず、移動元カードである第4信号処理カード106dから移動呼401を移動させようとする。しかし、第1信号処理カード106a〜第3信号処理カード106cの空きは全て1であり、どの信号処理カードにも非制限ディジタル呼を収容できる空きリソースはない。そこで、第3信号処理カード106cから第1信号処理カード106aと第2信号処理カード106bに音声呼をそれぞれ1個ずつ移動させる。すると、第3信号処理カード106cに大きさ3の空きリソースができるので、第4信号処理カード106dから第3信号処理カード106cに移動元カードの移動呼401である非制限ディジタル呼203を移動する。これにより、第4信号処理カード106dに閾値分の空きリソース16個が確保され、この後仮にパケットB呼が発生した場合も収容可能となる。
【0104】
リソース移動の際には、まず無線リソース制御手段107が移動先のリソースを予約し、他の呼が発生しても移動先のリソースには割り当てられないようにする。次に接続制御手段105が移動元・移動先のリソースにおいて信号処理の同期がとれたときに呼に割り当てられたリソースを移動元から移動先へ切り替えさせる要求を信号処理手段106に出力する。信号処理手段106はリソースの切り替えを行うと、移動元のリソースを解放する。解放したことは直ちに無線リソース制御手段107の管理テーブルに反映される。
【0105】
以上が本実施の形態における再配置処理の概要である。
【0106】
なお、移動元呼が複数存在する場合は、移動元呼の移動処理を繰り返すことで、本実施の形態と同じ効果が得られる。
【0107】
以下、フロー図5を使用してリソースの再配置方式を説明する。
【0108】
本実施の形態では、閾値より空きリソース数が少なくなった場合に本実施の形態の再配置処理を起動する。
【0109】
再配置処理の実行に当たっては、再配置処理の対象となる信号処理カードの集合(cards)と再配置によって実現させる空きリソース数(resource_threshold)の2つをrellocate(cards,resource_threshold)として指定する必要がある。再配置処理が起動された直後の再配置処理の対象は基地局内に実装されている全てのカードなので第1信号処理カード106a〜第4信号処理カード106dとする。一方、再配置により実現させる空きリソース数の閾値は16とする。よって、最初の起動の呼び出し形式はrellocate(1〜4,16)となる。
【0110】
処理501において、呼の移動元カードを決定する。図2の場合は対象の信号処理カードのうち、最大の空きリソース数を持つ第4信号処理カード106dを移動元カードとする。移動元カードの選択方法には、最大の空きリソース数を持つ信号処理カード以外にも、最も番号の大きい、または小さい信号処理カードを用いる方法なども考えられる。次に、移動元カード内において、不足空きリソース数{(閾値)−(移動元カードの空きリソース数)}shortageを計算する。閾値resource_thresholdは16、空きリソース数は13であるから、この場合の(shortage=16−13=)3となる。
【0111】
処理502において、移動元カード以外の再配置処理の対象カードの総空きリソース数とshortageを比較し、再配置処理によって閾値分の空きリソースが作れるかを確認する。shortageの方が大きい場合は、再配置対象カードの総空きリソース数が閾値よりも小さく、リソースを再配置しても閾値分の空きリソースを作れないので、処理を終了させる。図2の場合は、第4信号処理カード106dが移動元カードであるから、移動元以外の総空きリソース数は第1〜第3信号処理カードの空きリソース数の合計の3になる。よって、shortageの値と等しいため、処理503に進む。
【0112】
処理503において、移動元カードから、他の信号処理カードへ移動できる呼(呼の所要リソース数が、移動元以外のいずれかの第i信号処理カードで、空きリソースvacancy[i]以下になる呼)を検索し、結果を判定する。図2の場合は第4信号処理カード106dに収容されている呼は非制限ディジタルとパケットB呼で、他の信号処理カードには最大でも1個の空きしかないので、移動可能な呼の検索は失敗する。よって、次に処理508以降を実施する。
【0113】
図5(a)右側の処理508以降の一連の処理では、直ちに移動元カードからの呼の移動が不可能なため、移動元カード以外で再帰的に再配置処理を実施して、移動したい呼を収容可能な空きリソースを作成する。
【0114】
処理508において、移動元カードで不足分の空きリソースを作るために必要な呼の組合せを移動元カードから抽出し、移動候補呼群とする。図2の場合は、第4信号処理カード106dで不足している空きリソースは、3となる。移動元カードのうち、リソースのサイズが最も小さいのは、所要リソース数3の非制限ディジタル呼であり、これを他の信号処理カードに移動させれば、空きリソースの不足も解消できる。よって、ここではこの非制限ディジタル呼を移動させることとする。
【0115】
処理509において、移動候補呼群から、所要リソース数に基づいて移動先のカードを検索する移動先検索対象呼を1つ選択する。移動先検索対象呼の決定には、所要リソース数が大きい順、所要リソース数が小さい順、先に収容した順、新しく収容した順などが考えられるが、どの方法を選択した場合でも本発明の効果は得られる。図2の場合は移動候補呼の組合せに1個だけ存在する呼である非制限ディジタル呼203が移動先検索対象呼となる。
【0116】
処理510において呼の再配置処理を行う。この場合、先に選択した移動先検索対象呼である非制限ディジタル呼203を移動元カードから他のカードへ収容させるために必要となる数の空きリソースを作成する再配置処理を行うこととなる。ここで移動先対象となる信号処理カードは、移動元カードである第4信号処理カード106dを除いた、第1信号処理カード106a〜第3信号処理カード106cであり、再配置処理により空けなければならないリソース数は検索対象呼の非制限ディジタル呼の所要リソース数3である。よって、呼び出し形式はrellocate(1〜3,3)となる。
【0117】
再配置処理の詳細は処理501〜506の処理の再帰処理となる。つまり、移動元カード以外にリソース数3の非制限ディジタル呼203の収容先が現時点で無い(処理503にて判定)ために、処理508に進みまず非制限ディジタル呼203を他のカードに収容させるための再配置処理を行う。処理503から処理504へ進む場合の処理501から処理506までの処理は後述することとする。結果、図4の通り、第3信号処理カード106cの2つの音声呼が他の信号処理カードに移動する。よって、第3信号処理カード106cにリソース3個分の空きができる。
【0118】
処理511にて第3信号処理カードにおいて非制限ディジタル呼を収容するための再配置処理が成功し、空きリソースが作成できたかどうか判定を行う。図2の場合は第3信号処理カードから音声呼を1個ずつ第1信号処理カードと第2信号処理カードへ移動することで、再配置処理は成功するので、処理512に進む。
【0119】
処理512において、検索対象呼と空きカードを移動先リストに追加する。移動先リストは、再配置処理で移動させる呼と各々に対する移動先カードの番号の組合せの一覧である。図7(a)のように、第4処理カード106dの非制限ディジタル呼と、再配置処理でリソースを空けた第3信号処理カード106cの組を移動呼リストに追加する。
【0120】
処理513で、移動候補呼全てに関する終了判定を行う。図2の場合は、移動先検索対象呼は移動先カードにおいて空きリソースを作った非制限ディジタル呼203の1つだけなので、ループは直ちに終了し、処理507に進む。
【0121】
処理507において移動呼リストに登録されている移動先決定済み呼全ての移動処理を実施する。図2の場合は、第4信号処理カード106dに16個の空きを作ることができたので、パケットB呼を収容することが可能になる。
【0122】
以上で再配置処理の全体処理の詳細の説明を終わる。
【0123】
次に処理503から処理504へ進む場合の、処理501から処理506までの処理の詳細を以下に示す。
【0124】
本処理では、第4信号処理カード106dの非制限ディジタル呼203を移動させるため、rellocate(1〜3,3)で再配置処理を再帰を使って呼び出し、第1〜第3のいずれかの信号処理カードに閾値(resource_threshold)3個分の空きリソースを作る。
【0125】
処理501で、図2の場合は対象の信号処理カードで最大の空きリソース数1個を持つ信号カードは複数(3)ある。その中で、できるだけ小さい番号の空きリソースをなくすため、空きリソースを持つ中で最も大きい番号を持つ第3信号処理カード106cを移動元カードとして決定する。不足リソース数shortageは、{(resource_threshold)−(vacancy[3])=3−1=}2である。
【0126】
以下、第3信号処理カード106cに3個分の空きリソースを作るため、2個分の呼を他のカードに移動することを試みる。
【0127】
処理502では、図2の場合移動元以外の総空きリソース数は、{(vacancy[1])+(vacancy[2])=1+1=}2であり、shortageの値と等しい。よって処理503に進む。
【0128】
処理503で検索結果を判定する。図2の場合は第3信号処理カード106cは音声呼を収容しているので、そのうち一つを移動呼として見つけだすことができる。よって、次に処理504以降を実施する。
【0129】
処理504において、再配置対象カードcards(第1〜第3)から移動元カードである第3信号処理カードを除いて、移動先を選択する。図2の場合は、第1、第2信号処理カードはいずれも空きリソース数1であり、音声呼の収容が可能であるが、この場合、できるだけ小さい番号の信号処理カードに呼を収容させる方針を取っているため、この場合は第1信号処理カード106aを選択する。なお、移動先カードの順番は、大きい番号の順でも本実施の形態と同様の効果が得られる。
【0130】
処理505においては、図7(b)で示すように、図2で第3信号処理カード106cの音声呼と、検索した第1信号処理カード106aの組を移動呼リストに追加する。移動呼リストには移動先が決定した呼と移動先の組が登録される。
【0131】
処理506で移動候補呼全てに関する処理が終了したかを判定する。図2の場合は移動先決定済みの呼のリストには音声呼1個で、不足リソース数shortageは2個には足りない。よって、再び処理503に戻る。
【0132】
2回目の処理502〜処理505に関しては、1回目とほぼ同様に進み、第3信号処理カード106cの音声呼1個を第2信号処理カード106bに移動する。
【0133】
2回目の処理506では、移動呼リストに含まれる呼が音声呼2つで2個、不足リソース数shortageが2個と同数になるため、処理507に進み、移動先決定済み呼全てのリソース移動処理を実施し、終了する。
【0134】
以上で再帰的に呼び出されたリソース再配置処理の説明を終わる。
【0135】
なお、図2の場合はより番号の大きい信号処理カードから空きリソースを作るアルゴリズムとしているが、他の信号処理カードの呼を移動させて空きリソースを確保する場合でも、同様の効果を得られる。例えば、本実施の形態において、6個の空きを作るために、第2信号処理カード106bまたは第3信号処理カード106cの音声呼5個を、他のリソースに移動させればよい。
【0136】
さらに、ある信号処理カードから同時に多くの呼を移動させる場合、当該信号処理カードが過負荷になる可能性もあるので、1回ごとに移動させる呼の合計リソース数の上限を設けても、本発明の効果を得られる。
【0137】
なお、本実施の形態においては各信号処理カード内において、呼の配置位置は任意の場所が可能であり、無線リソース制御手段内の管理テーブルでは空きリソース数のみを把握すればよいこととしていたが、信号処理カード内で呼の配置を任意の場所にできず図2で第1信号処理カードの音声呼2つが解放されたときに、同じカードの中で空きリソースが2個と1個に分かれる場合でも、vacancyの構造をカード毎ではなく、連続した空きリソースの位置と大きさを格納させることにより、本実施の形態のアルゴリズムを適用可能である。このとき、再配置処理の終了条件である閾値をカード内の最大の連続空きリソース数と比較し、また、移動先の検出においても各カードの全ての連続した空きリソースの大きさと比較することで呼の移動の可否を判定すれば、本実施の形態に説明した内容と同様にリソースの再配置処理を行うことが可能である。
【0138】
なお、例えばパケットA呼は前から8番目以降のリソース以外には割り当てられない、というようなリソースの割り当て位置に関する制約がある場合でも、閾値ではなく、閾値の決定要因である収容したい呼の割り当て可否を監視し、収容不可能な場合には、本実施の形態と同様に無線リソース監視手段109が無線リソース制御手段107を用いて、制約条件を満たしながら目的の呼を収容できるようにリソースの再配置処理を行うことで本発明と同様の効果を得ることができる。つまり、各カードの前から8番目以降のリソース状態から、パケットA呼が割り当てられる状態に最も近いカードを選択し、そのカードの呼を他の信号処理カードに移動させればよい。
【0139】
なお、本実施の形態では、再帰によりリソース再配置を2段階に分けて実施したが、リソース再配置を無瞬断で行う場合は移動前・移動先のリソースの両方で信号の同期をとる必要があるため、移動処理の開始から終了まで100ms以上の時間がかかる。このときに新規呼が発生すると呼損になる可能性があるため、例えば信号処理手段全体でパケットA呼を2個以上収容可能なときに、無線リソース制御手段を起動して再配置を行うようにすると、パケットA呼が1個も収容できない場合に初めてリソース再配置の処理を起動する場合に比べて、再配置処理実施中の呼損の発生確率を下げることが可能である。
【0140】
なお、本フローは記述簡略化のため再帰を使用しているが、実際にはループによる繰り返し処理を用いて実装しても効果が変わらない。
【0141】
また、この処理例においては、効率化のためできるだけ移動先の信号処理カードに空きリソースを無くすために、移動元の呼の所要リソース数と移動先の空きリソース数ができるだけ近い値になるように移動先の呼を選択する。複数の移動先の候補である信号処理カードにおいて空きリソース数が同じ場合は、その中で最も小さい番号の信号処理カードに呼を収容させるように動作させることとする。なお、番号の優先順位で大きい番号の信号処理カードに呼を優先して収容する場合でも同様の効果が得られる。
【0142】
以上、本実施の形態においては、トラヒック記録手段を設け、リソース監視手段がトラヒック記録手段に格納されたデータを元に、リソース再配置処理を起動する条件である閾値を動的に書き換え、閾値になるまで繰り返し再配置を行う無線リソース制御手段と、最大の空きリソースのサイズを監視し、閾値以下になった場合に、無線リソース制御手段を起動する無線リソース監視手段とを設けることにより、既存の呼を切断せずに新規呼を収容し、呼損を減らしかつ基地局の収容能力を増大させる効果が得られる。
【0143】
(実施の形態2)
以下、本発明の第2の実施の形態について説明する。
【0144】
本実施の形態においては、端末が複数の基地局の配下にいる場合において、端末のリソースの再配置(ハンドオーバ)を実行することにより、各基地局で発生する呼損を防ぐことを目的とする。
【0145】
本実施の形態のシステム構成のブロック図を図8に示す。
【0146】
図8において、801,802はそれぞれ、第1端末と第2端末を示す。
【0147】
803,804,805はそれぞれ第1基地局、第2基地局、第3基地局を示す。
【0148】
本実施の形態においては、基地局は全て小規模であり、ビルの中や近接した場所に多数配置されていて、基地局同士のカバーエリアの重なりが大きい形態を想定している。そこで、第1端末801は第1基地局803にのみ収容されており、他の基地局との通信はできないが、第2端末802は第1基地局803と第2基地局804に収容されており、ダイバーシティハンドオーバを行っている状態と仮定する。なお、第2端末802に関しては、ダイバーシティハンドオーバをしている必要はなく、第1基地局803と第2基地局804の両方と通信できる状態にあればよい。
【0149】
806は第1基地局803から第3基地局805に接続され、全基地局に対して呼の接続、解放に関する要求を出力する無線網制御装置である。
【0150】
図8において、基地局の内部構造を説明する。本実施の形態における基地局の内部構造は説明を最小限とするために簡略化している。
【0151】
第1無線通信手段807、第2無線通信手段810、第3無線通信手段813は増幅、変調等端末との無線信号の送受信処理を行う。
【0152】
第1信号処理手段808、第2信号処理手段811、第3信号処理手段814は無線信号の符号変調処理、有線信号への変換等の信号処理を行う。これらはおのおの16×8=128個のリソースを持つものとする。本実施の形態においては、簡略化のため各信号処理手段の内部が実施の形態1のように信号処理カードに分かれていないものとする。また、本実施の形態においては、これらの空きリソース数をそれぞれvacancy[1]〜[3]と記述する。
なお、このリソース数が異なったり、基地局ごとに収容リソース数が異なっていても本発明の効果を得ることは可能である。
【0153】
第1有線通信手段809、第2有線通信手段812、第3有線通信手段815は無線網制御装置803との通信を行う。
【0154】
次に無線網制御装置806の内部構造を説明する。
【0155】
816は基地局との通信を行う基地局通信手段である。
【0156】
817は無線網制御装置806に接続された全ての基地局の残りリソース数を管理する基地局リソース監視手段である。
【0157】
818は無線網制御装置806に接続された全ての基地局のリソース割り当て、解放を行う基地局リソース制御手段である。
【0158】
図9は、各基地局の信号処理手段の状態を示した図である。
【0159】
各基地局に、音声呼、非制限ディジタル呼、パケットA呼、パケットB呼が収容されている。第1信号処理手段806には、音声呼が56個、非制限ディジタル呼が4個、パケットA呼が5個、パケットB呼が1個収容されている。残りリソース数は128−1×56−3×4−6×5−16×1=14個となる。他の第2信号処理手段809,第3信号処理手段812 も同様である。
【0160】
以下、本実施の形態の動作を説明する。
【0161】
本システムにおいて、所要リソース数が最大の呼種別はパケットB呼である。そのため、無線網制御装置803はパケットB呼が発生したときに必ず収容できるよう、全基地局に対するトラヒックが過大な場合を除き、16個の空きリソースを確保させる。つまり空きリソース数16個を閾値(resource_threshold)とする。
【0162】
図9の状態では、第1基地局806の空きリソース数が14個となっているため、基地局リソース監視手段817がこれを検出し、基地局リソース制御手段818に対して、第1基地局806の空きリソース数を増やすよう要求する。
【0163】
まず、第2端末802のように第1基地局806と他の基地局との間でダイバーシティハンドオーバ中の呼があれば、その呼の第1基地局806側の接続を切断する。ダイバーシティハンドオーバ中の呼が切断されても、別の基地局と端末は接続しているので、呼を切断せずに第1基地局806の空きリソースを16個以上にできる。
【0164】
一方、ダイバーシティハンドオーバ中の呼がない場合は第1基地局806から他の基地局に呼を移動(ハンドオーバ)させて、第1基地局806の空きリソースを確保する。
【0165】
移動させる呼は、第2端末802のように第1基地局803と他の基地局の両方の共通チャネルにアクセス可能なものとする。本実施の形態のように、各基地局のカバーエリアが重なっている場合は、第1基地局803内の呼は第2基地局804や第3基地局805にもハンドオーバできるため、移動先の基地局はそれらの中から最も空きリソース数の大きいものとする。この場合は第2基地局807が空きリソース数35と最大なので、移動先を第2基地局807とする。
【0166】
なお、移動先の基地局で、呼を移動させた後も空きリソース数が16以上であれば、空きリソース数が最大でなくても本発明と同様の効果を得られる。
【0167】
次に移動する呼を選択する。移動先の基地局の空きリソースを16個確保する必要があるので、移動する呼のリソース数は移動先の基地局の空きリソース数から16を引いた値より小さくなければならない。この場合は移動先の第2基地局807の空きリソース数は34であるから、移動する呼のリソース数の上限は18であるため、どのような呼でも移動可能である。よって、所要リソース数が最大のパケットB呼901を第2基地局807へ移動させることとする。
【0168】
無線網制御装置806の基地局リソース制御手段は、さらに基地局通信手段816を介して、第1基地局806の配下の第2端末802によるパケットB呼を第2基地局807へハンドオーバさせる要求を出力する。その要求は第1基地局806内の第1有線通信手段809、第1信号処理手段808、第1無線通信手段807を通って、第2端末802に出力する。これに従い第2端末802は第2基地局807へハンドオーバ処理を行うため、第1基地局806の空きリソースを確保できる。
【0169】
以上、本実施の形態2においては、無線網制御装置に基地局リソース監視手段と基地局リソース制御手段の2つを設け、カバーエリアが重なっている複数の基地局間でリソース再配置を行うことにより、基地局の負荷分散及び端末からの呼損を防ぎ、リソースの使用率を向上させる効果が得られる。
【0170】
【発明の効果】
以上のように本願発明によれば、トラヒック記録手段を設け、リソース監視手段がトラヒック記録手段に格納されたデータを元に、リソース再配置処理を起動する条件である閾値を動的に書き換え、閾値になるまで繰り返し再配置を行う無線リソース制御手段と、最大の空きリソースのサイズを監視し、閾値以下になった場合に、無線リソース制御手段を起動する無線リソース監視手段とを設けることにより、既存の呼を切断せずに新規呼を収容し、呼損を減らしかつ基地局の収容能力を増大させる効果が得られる。
【0171】
さらに本願発明によれば、無線網制御装置に基地局リソース監視手段と基地局リソース制御手段の2つを設け、カバーエリアが重なっている複数の基地局間でリソース再配置を行うことにより、基地局の負荷分散及び端末からの呼損を防ぎ、リソースの使用率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における基地局の構成図
【図2】本発明の第1の実施の形態における信号処理手段の状態図
【図3】本発明の第1の実施の形態における無線リソース制御手段内の管理テーブル図
【図4】本発明の第1の実施の形態における信号処理手段の処理概要図
【図5】本発明の第1の実施の形態における再配置処理のフロー図
【図6】本発明の第1の実施の形態におけるトラヒック記録手段の構成図
【図7】本発明の第1の実施の形態の1回目の移動先探索処理における移動先リストのフィールド図
【図8】本発明の第2の実施の形態におけるシステムの構成図
【図9】本発明の第2の実施の形態における基地局内のリソース状態図
【図10】従来技術における基地局の構成図
【符号の説明】
101 端末
102 基地局
103 ネットワーク
104 無線信号通信手段
105 接続制御手段
106 信号処理手段
106a 第1信号処理カード
106b 第2信号処理カード
106c 第3信号処理カード
106d 第4信号処理カード
107 無線リソース制御手段
108 有線信号通信手段
109 無線リソース監視手段
110 トラヒック記録手段
801 第1端末
802 第2端末
804 第1基地局
805 第2基地局
806 第3基地局
806 無線網制御装置
807 第1無線通信手段
808 第1信号処理手段
809 第1有線通信手段
810 第2無線通信手段
811 第2信号処理手段
812 第2有線通信手段
813 第3無線通信手段
814 第3信号処理手段
815 第3有線通信手段
816 基地局通信手段
817 基地局リソース監視手段
818 基地局リソース制御手段
1001 端末
1002 基地局
1003 ネットワーク
1004 無線信号通信手段
1005 接続制御手段
1006 信号処理手段
1006a 第1信号処理カード
1006b 第2信号処理カード
1006c 第n信号処理カード
1007 無線リソース制御手段
1008 有線信号通信手段
1009 呼種別優先度決定手段

Claims (7)

  1. 無線通信に関する、リソース数の異なる複数種の呼を複数の信号処理カードに割り当てる基地局のリソース割り当て方法であって、
    時間帯ごとに発生する呼の種類と数を記録し、
    前記時間帯毎に最も発生する比率が高い種類の呼のリソース数を元にその時間帯の空きリソース数の閾値を決定し、
    前記閾値に基づき、前記複数の処理カードに収容されている呼の再配置処理を行うことを特徴とする、
    リソース割り当て方法。
  2. 請求項1に記載のリソース割り当て方法であって、
    前記閾値に基づき呼の再配置が必要だと判断されたときに、
    既に収容されている呼を他の信号処理カードに移動させて前記閾値以上の空きリソース数を確保する移動元カードを選択し、
    前記移動元カードに既に収容されている呼のうち、収容先となる他の信号処理カードがあるかどうかを判定し、
    収容先となる他の信号処理カードがあるとき、前記移動元カードより移動させる呼である移動呼を収容先となる移動先カードに再配置する第1の再配置処理を前記移動元カードに前記閾値以上の空きリソース数を確保するまで繰り返し、
    収容先となる他の信号処理カードがないとき、前記移動元カードに収容されている移動呼を収容させるために、前記移動元カード以外に収容されている呼を移動呼として再配置する第二の再配置処理を、前記移動元カードに収容されている移動呼を移動可能にするまで繰り返す、
    ことを特徴とするリソース割り当て方法。
  3. 請求項1に記載のリソース割り当て方法であって、
    前記閾値に基づき呼の再配置が必要だと判断されたときに、
    既に収容されている呼を移動させて前記閾値以上の空きリソース数を確保する移動元カードを選択し、
    前記移動元カードに既に収容されている呼のうち、他の処理カードに収容先があるかどうかを判定し、
    他の処理カードに収容先があるとき、
    移動させる呼である移動呼と収容先となる移動先カードとを移動呼リストに登録し、
    前記移動呼リスト内の所要リソース数と、前記移動元カード内で前記閾値のリソース数に不足している不足リソース数との大きさを比較し、
    前記所要リソース数が前記不足リソース数以上のときには、前記移動呼を全て移動させて処理を終了し、
    前記所要リソース数が前記不足リソース数以下のときには、再び移動呼及び移動先カードを決定する処理を実行し、
    他の処理カードに収容先がないとき、
    前記不足リソース数以上となる、移動候補呼の組合せを前記移動元カード以外のカードから選択し、
    前記移動候補呼のうち一つの移動呼を選択し、再配置処理を行った場合に再配置処理により空きができる処理カードを前記移動呼リストに追加し、
    全移動候補呼について再配置処理が終了したときに、前記移動呼リスト内の移動呼を全て移動させて処理を終了する、
    ことを特徴とする、リソース割り当て方法。
  4. 複数の基地局のカバーエリアを監視し、前記カバーエリアが重なる2以上の基地局間で移動呼と移動先カードを決定し再配置処理を行う、ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のリソース割り当て方法。
  5. 複数種の呼を複数の信号処理カードに収容する基地局であって、
    時間帯ごとに発生する呼の種類と数を記録するトラヒック記録手段と、
    前記トラヒック記録手段に記録された、前記時間帯毎に最も発生する比率が高い種類の呼のリソース数を元にその時間帯の閾値を決定する無線リソース監視手段と、
    前記閾値を元に既に前記信号処理カードの呼の再配置処理制御を行う無線リソース制御手段と、
    を具備することを特徴とする、基地局。
  6. 無線リソース制御手段は、再配置によって移動される移動呼と前記移動される呼を収容する移動先カードとを管理する管理テーブルを備え、
    前記管理テーブルには、前記閾値のリソース数を確保するための再配置処理に対応する前記移動呼と前記移動先カードの組合せリストが記録されている、
    ことを特徴とする請求項5に記載の基地局。
  7. トラヒック記録に応じた閾値に基づき再配置を行う複数の基地局のリソースを管理する基地局リソース管理手段と、
    前記複数の基地局と通信する通信手段と、
    前記閾値に基づく再配置処理を、カバーエリアの重なる基地局間で行わせる基地局リソース制御手段と、を具備することを特徴とする無線網制御装置。
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