JP2004342758A - 放熱シート - Google Patents
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Abstract
【課 題】熱伝導性、柔軟性、機械強度とともに難燃性をあわせ持ち、熱伝導率の制御が可能な、プラズマディスプレイ、パーソナルコンピュータ等の電気機器やトランジスター、コンデンサー、IC及びCPU等の電子部品の放熱に有効な放熱シートの提供。
【解決手段】ひまし油変性ポリオールとイソシアネートからなるポリウレタンのようなマトリックスエラストマーと熱伝導性フィラーとからなり、このフィラーが平均粒子径3〜60μmの水酸化アルミニウムで25〜50vol%分散含有させることによって定常平行板法による熱伝導率が0.5〜1.0W/m・Kの範囲で、UL94による難燃性レベルがV−2より良好である放熱シートが得られる。
【選択図】 なし
【解決手段】ひまし油変性ポリオールとイソシアネートからなるポリウレタンのようなマトリックスエラストマーと熱伝導性フィラーとからなり、このフィラーが平均粒子径3〜60μmの水酸化アルミニウムで25〜50vol%分散含有させることによって定常平行板法による熱伝導率が0.5〜1.0W/m・Kの範囲で、UL94による難燃性レベルがV−2より良好である放熱シートが得られる。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱伝導性と難燃性に優れ、電気機器や電子部品等で使用される発熱体を放熱するのに有効な放熱シートに関する。
本発明の放熱シートは、特にプラズマディスプレイ、トランジスター、コンデンサー、パーソナルコンピュータ等の電気機器や電子部品に用いられる発熱体の放熱に有効である。
【0002】
【従来技術】
プラズマディスプレイ、トランジスター、コンデンサー、パーソナルコンピュータ等の電気機器や電子部品に用いられるIC及びCPU等の発熱体の放熱に使用される放熱シートには、高い熱伝導性と共に、柔軟性やパネル保持性が求められている。
従来、熱伝導性の優れた放熱シートとしては、マトリックス樹脂に熱伝導性の球状マグネシアを適宜、粒状アルミナと組み合わせた組成物からなる放熱シート(特開平8−88488号公報)、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、酸化アルミニウムなどの熱伝導性に優れたフィラーを含み、押圧により塑性変形する粘性層を有する放熱シート(特開平11−74667号公報)、2種以上の粒径の板状の熱伝導性粒子、酸化アルミニウムや酸化チタンのような酸化物粒子、窒化ホウ素のような窒化物粒子、炭化珪素のような炭化物粒子、銅、アルミニウムのような金属粒子を適宜の割合で組み合わせ、厚み方向に直立状態で配向せしめた熱伝導性シート(特開2002−164481号公報)が知られている。
【0003】
しかし、上述の技術では、高い熱伝導性を有するシートを得るためには、マトリックス樹脂中にBN(チッ化ホウ素)、AIN(チッ化アルミ)、アルミナ、炭素繊維、気相成長炭素繊維又はアルミ粉末等の熱伝導性フィラーを多量に充填することが考えられる。しかしながら、例えばアルミナを40vol%添加した場合の定常平行板法による熱伝導率は0.80W/m・Kに、チッ化アルミを30vol%添加した場合には、同じく熱伝導率は0.89W/m・Kになるが、これ以上は含有量を増加させても、熱伝導率の改善は見られなかった。逆に、多量のフィラーの含有によりマトリックスエラストマーの本来の柔軟性が損なわれる問題も生じ、特に放熱シートに求められる熱伝導率が0.5〜1.0W/m・Kの範囲では、上記熱伝導性フィラーの含有量に相応の熱伝導率の向上が顕著でなく、フィラーの充填量による熱伝導率の制御が難しかった。
さらに、最近では、プラズマディスプレイ等の電気機器の火災等を防止するために使用部品にもUL規格の難燃性を付与することが求められている。しかし、難燃性を付与するため一般的には難燃剤を添加する方法が用いられるが、難燃剤が高価なものが多くコストアップになったり、又特に液状の難燃剤の使用では、得られた放熱シート表面への難燃剤のブリードによる電気障害等の問題もあった。
【0004】
【特許文献】
1.特開平8−88488号公報
2.特開平11−74667号公報
3.特開2002−164481号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、放熱シートにおける上記問題に鑑みて、特別に難燃剤を加えることなく、放熱シートに要求される高熱伝導性、柔軟性、密着性(パネル保持性)を備えたうえに、ノンブリードで難燃性を有する放熱シートを提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、放熱シートにおける上記課題の解決のために検討の結果、高熱伝導性のフィラーとして用いる、水酸化アルミニウムが火炎に接すると消炎作用を有すること、即ち難燃性を示すことを見出し、本発明に想達した。
即ち、本発明は、高熱伝導性フィラーとして粒状の水酸化アルミニウムを、ベースのマトリックスエラストマーに分散含有させることによって0.5〜1.0W/m・Kの熱伝導性を満足し、かつUL94燃焼試験のV−2レベルの難燃性を有する放熱シートが得られる。
又、本発明は、粒状フィラーの平均粒子径が3〜60μmであり、シート中の含有量が25〜50vol%であることを特徴とする。これにより、高熱伝導性とフィラーの含有量によらない熱伝導性の制御が可能となる。
【0007】
さらに、本発明は、マトリックスエラストマーが、ひまし油変性ポリオールとイソシアネートからなるポリウレタンであることを特徴とする。ひまし油変性ポリオールは、エステル結合を有し、適度に分枝しているので得られるポリウレタン製放熱シートは、低硬度で柔軟性に富み、しかも機械強度の熱による変化が小さいものとなる。
【0008】
【発明の実施の形態】
上記のように本発明は、高熱伝導性のフィラーとして水酸化アルミニウムを用いることにより、高熱伝導性と同時に難燃性も付与、特に、水酸化アルミニウムの粒子径及びシート中での含有量を特定することにより、含有量以外での熱伝導性制御が可能になり、好ましく、さらに、ひまし油変性ポリオールとイソシアネートからなるポリウレタンエラストマーをベースにしているので、柔軟性と機械強度を兼ね備えた放熱シートとなる。
【0009】
マトリックスエラストマーとしては、ポリウレタン、シリコーンゴム、エチレンプロピレンゴム、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド等を用いることができる。軟質化が容易で機械強度が優れる点でポリウレタンが好ましく、耐熱性の点でひまし油変性したポリオールを用いたものが好ましい。
【0010】
本発明において熱伝導性フィラーは、水酸化アルミニウムに限定される.水酸化アルミニウムは、汎用性材料で価格的にも妥当であり、難燃性も示すので必須である。水酸化アルミニウムが難燃性を示す理由は必ずしも明らかではないが、火炎に接し加熱されると水酸基に基づく水が発生し、消炎するものと考えられる。
【0011】
熱伝導率の測定に、定常平行板法を用いるのは、当分野で一般に用いられていることによる。
また、放熱シートの難燃性評価にUL規格の燃焼試験を用いるのは、電気機器を米国で販売する場合、火炎に対する保険等の要請により必須とされていることによる。
【0012】
水酸化アルミニウムの平均粒子径は、3〜60μmで、シート中の含有量が25〜50vol%が好ましい。平均粒子径が3μmより小さくなると、嵩密度が大きくなり、又、60μmより大きくなると沈降を生じやすくなり、マトリックスエラストマーに安定分散しにくくなり、熱伝導性が落ちる。含有量が25vol%より少なくなると、UL規格のV−2レベル以上の難燃性が得られず、50vol%より多くなると、マトリックスエラストマーの機械強度が落ち、パネル等を安定して保持できなくなる。
【0013】
本発明の放熱シートを製造するには、マトリックスエラストマーが液状材料を混合し反応硬化させて得られる場合は、液状材料に粒状の水酸化アルミニウムを添加し撹拌混合して分散させ、混合液をシート形成型に注入し、加熱硬化させ、硬化後脱型すればよい。
【0014】
【実施例1】
ひまし油変性ポリオール(豊国製油製:2T−5008S)100部と、熱伝導性フィラーとして平均粒子径3.5μmの水酸化アルミニウム(昭和電工製:H320ST)196.68部を混合した。
得られたポリオールとフィラー混合液を100℃で、1時間保管後、触媒(サンアブロ製:U−cat2030)0.3部、イソシアネート(日本ポリウレタン製:ミリオネートMT)3.28部を添加した(NCO index=0.85)。
この混合液を2枚の剥離紙(シート成形用型として使用)で挟み、カレンダー成形を行い、厚さ1.0〜1.2mmの放熱シートを得た(水酸化アルミニウムの含有量は44vol%)。
【0015】
【実施例2】
実施例1に準じて、フィラーとして平均粒子径20μmの水酸化アルミニウム(昭和電工製:H31) 96.68部を用いて厚さ1.0〜1.2mmの放熱シートを得た(水酸化アルミニウムの含有量は44vol%)。
【0016】
【実施例3】
実施例1に準じて、フィラーとして平均粒子径55μmの水酸化アルミニウム(昭和電工製:H10)196.68部を使用して、厚さ1.0〜1.2mmの放熱シートを得た(水酸化アルミニウムの含有量は44vol%)。
【0017】
【比較例1】
実施例1に準じて、フィラーとして平均粒子径3.5μmの水酸化アルミニウム(昭和電工製:H320ST)60.5部を使用して厚さ1.0〜1.2mmの放熱シートを得た(水酸化アルミニウムの含有量は19vol%)。
【0018】
【比較例2】
実施例1に準じて、フィラーとして平均粒子径10μmのアルミナ(昭和電工製:AS50) 265.33部を使用して厚さ1.0〜1.2mmの放熱シートを得た(水酸化アルミニウムの含有量は39vol%)。
【0019】
上記実施例1〜3並びに比較例1及び2で使用した熱伝導性フィラーの平均粒子径及びシート中での含有量、得られた放熱シートの熱伝導率及び難燃性の評価結果は以下の表1の通りである。
【0020】
【評価方法】
(1)熱伝導率は、熱伝導度測定機(カトーテック社製サーモラボ2)による定常熱伝導測定法で測定した。
(測定条件)ウォーターボックス中に室温下の水を流し、ボックス上に5× 5cmのサンプルを乗せ、さらに試料上の、BTボックスの熱板を試料にあてて載せる。定常に達した後、BTボックスの熱流損失(W)をパネルメーターで読みとる。
定常状態における熱流損失(W)は、以下の式で表わすことができるので、熱伝導率が求められる。
W=Kx(A・△T/D)
W:定常状態における熱流損失
D:試料厚み
△T:試料温度差
A:BT熱板面積
K:熱伝導率
(2)難燃性は、UL規格に準じた。
【0021】
【表1】
【0022】
上記表1によれば、熱伝導性フィラーとして水酸化アルミニウムを使用すると、0.5〜1.0W/m・Kの熱伝導率とUL94でV−2レベル以上の難燃性が得られ、含有量を44vol%にしても、平均粒子径を変えることにより、熱伝導率を制御できることがわかる。
【0023】
【発明の効果】
本発明によれば、熱伝導性フィラーとして水酸化アルミニウムを使用し、ポリウレタンのようなマトリックスエラストマーに分散させることにより、高熱伝導性と難燃性をあわせ持ち、充填量でなく、平均粒子径により熱伝導率の制御が可能な放熱シートが得られる。プラズマディスプレイ、トランジスター、コンデンサー、パーソナルコンピュータ等の電気機器や電子部品に用いられるIC及びCPU等に必要なUL燃焼試験でV−2レベルを達成することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱伝導性と難燃性に優れ、電気機器や電子部品等で使用される発熱体を放熱するのに有効な放熱シートに関する。
本発明の放熱シートは、特にプラズマディスプレイ、トランジスター、コンデンサー、パーソナルコンピュータ等の電気機器や電子部品に用いられる発熱体の放熱に有効である。
【0002】
【従来技術】
プラズマディスプレイ、トランジスター、コンデンサー、パーソナルコンピュータ等の電気機器や電子部品に用いられるIC及びCPU等の発熱体の放熱に使用される放熱シートには、高い熱伝導性と共に、柔軟性やパネル保持性が求められている。
従来、熱伝導性の優れた放熱シートとしては、マトリックス樹脂に熱伝導性の球状マグネシアを適宜、粒状アルミナと組み合わせた組成物からなる放熱シート(特開平8−88488号公報)、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、酸化アルミニウムなどの熱伝導性に優れたフィラーを含み、押圧により塑性変形する粘性層を有する放熱シート(特開平11−74667号公報)、2種以上の粒径の板状の熱伝導性粒子、酸化アルミニウムや酸化チタンのような酸化物粒子、窒化ホウ素のような窒化物粒子、炭化珪素のような炭化物粒子、銅、アルミニウムのような金属粒子を適宜の割合で組み合わせ、厚み方向に直立状態で配向せしめた熱伝導性シート(特開2002−164481号公報)が知られている。
【0003】
しかし、上述の技術では、高い熱伝導性を有するシートを得るためには、マトリックス樹脂中にBN(チッ化ホウ素)、AIN(チッ化アルミ)、アルミナ、炭素繊維、気相成長炭素繊維又はアルミ粉末等の熱伝導性フィラーを多量に充填することが考えられる。しかしながら、例えばアルミナを40vol%添加した場合の定常平行板法による熱伝導率は0.80W/m・Kに、チッ化アルミを30vol%添加した場合には、同じく熱伝導率は0.89W/m・Kになるが、これ以上は含有量を増加させても、熱伝導率の改善は見られなかった。逆に、多量のフィラーの含有によりマトリックスエラストマーの本来の柔軟性が損なわれる問題も生じ、特に放熱シートに求められる熱伝導率が0.5〜1.0W/m・Kの範囲では、上記熱伝導性フィラーの含有量に相応の熱伝導率の向上が顕著でなく、フィラーの充填量による熱伝導率の制御が難しかった。
さらに、最近では、プラズマディスプレイ等の電気機器の火災等を防止するために使用部品にもUL規格の難燃性を付与することが求められている。しかし、難燃性を付与するため一般的には難燃剤を添加する方法が用いられるが、難燃剤が高価なものが多くコストアップになったり、又特に液状の難燃剤の使用では、得られた放熱シート表面への難燃剤のブリードによる電気障害等の問題もあった。
【0004】
【特許文献】
1.特開平8−88488号公報
2.特開平11−74667号公報
3.特開2002−164481号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、放熱シートにおける上記問題に鑑みて、特別に難燃剤を加えることなく、放熱シートに要求される高熱伝導性、柔軟性、密着性(パネル保持性)を備えたうえに、ノンブリードで難燃性を有する放熱シートを提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、放熱シートにおける上記課題の解決のために検討の結果、高熱伝導性のフィラーとして用いる、水酸化アルミニウムが火炎に接すると消炎作用を有すること、即ち難燃性を示すことを見出し、本発明に想達した。
即ち、本発明は、高熱伝導性フィラーとして粒状の水酸化アルミニウムを、ベースのマトリックスエラストマーに分散含有させることによって0.5〜1.0W/m・Kの熱伝導性を満足し、かつUL94燃焼試験のV−2レベルの難燃性を有する放熱シートが得られる。
又、本発明は、粒状フィラーの平均粒子径が3〜60μmであり、シート中の含有量が25〜50vol%であることを特徴とする。これにより、高熱伝導性とフィラーの含有量によらない熱伝導性の制御が可能となる。
【0007】
さらに、本発明は、マトリックスエラストマーが、ひまし油変性ポリオールとイソシアネートからなるポリウレタンであることを特徴とする。ひまし油変性ポリオールは、エステル結合を有し、適度に分枝しているので得られるポリウレタン製放熱シートは、低硬度で柔軟性に富み、しかも機械強度の熱による変化が小さいものとなる。
【0008】
【発明の実施の形態】
上記のように本発明は、高熱伝導性のフィラーとして水酸化アルミニウムを用いることにより、高熱伝導性と同時に難燃性も付与、特に、水酸化アルミニウムの粒子径及びシート中での含有量を特定することにより、含有量以外での熱伝導性制御が可能になり、好ましく、さらに、ひまし油変性ポリオールとイソシアネートからなるポリウレタンエラストマーをベースにしているので、柔軟性と機械強度を兼ね備えた放熱シートとなる。
【0009】
マトリックスエラストマーとしては、ポリウレタン、シリコーンゴム、エチレンプロピレンゴム、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド等を用いることができる。軟質化が容易で機械強度が優れる点でポリウレタンが好ましく、耐熱性の点でひまし油変性したポリオールを用いたものが好ましい。
【0010】
本発明において熱伝導性フィラーは、水酸化アルミニウムに限定される.水酸化アルミニウムは、汎用性材料で価格的にも妥当であり、難燃性も示すので必須である。水酸化アルミニウムが難燃性を示す理由は必ずしも明らかではないが、火炎に接し加熱されると水酸基に基づく水が発生し、消炎するものと考えられる。
【0011】
熱伝導率の測定に、定常平行板法を用いるのは、当分野で一般に用いられていることによる。
また、放熱シートの難燃性評価にUL規格の燃焼試験を用いるのは、電気機器を米国で販売する場合、火炎に対する保険等の要請により必須とされていることによる。
【0012】
水酸化アルミニウムの平均粒子径は、3〜60μmで、シート中の含有量が25〜50vol%が好ましい。平均粒子径が3μmより小さくなると、嵩密度が大きくなり、又、60μmより大きくなると沈降を生じやすくなり、マトリックスエラストマーに安定分散しにくくなり、熱伝導性が落ちる。含有量が25vol%より少なくなると、UL規格のV−2レベル以上の難燃性が得られず、50vol%より多くなると、マトリックスエラストマーの機械強度が落ち、パネル等を安定して保持できなくなる。
【0013】
本発明の放熱シートを製造するには、マトリックスエラストマーが液状材料を混合し反応硬化させて得られる場合は、液状材料に粒状の水酸化アルミニウムを添加し撹拌混合して分散させ、混合液をシート形成型に注入し、加熱硬化させ、硬化後脱型すればよい。
【0014】
【実施例1】
ひまし油変性ポリオール(豊国製油製:2T−5008S)100部と、熱伝導性フィラーとして平均粒子径3.5μmの水酸化アルミニウム(昭和電工製:H320ST)196.68部を混合した。
得られたポリオールとフィラー混合液を100℃で、1時間保管後、触媒(サンアブロ製:U−cat2030)0.3部、イソシアネート(日本ポリウレタン製:ミリオネートMT)3.28部を添加した(NCO index=0.85)。
この混合液を2枚の剥離紙(シート成形用型として使用)で挟み、カレンダー成形を行い、厚さ1.0〜1.2mmの放熱シートを得た(水酸化アルミニウムの含有量は44vol%)。
【0015】
【実施例2】
実施例1に準じて、フィラーとして平均粒子径20μmの水酸化アルミニウム(昭和電工製:H31) 96.68部を用いて厚さ1.0〜1.2mmの放熱シートを得た(水酸化アルミニウムの含有量は44vol%)。
【0016】
【実施例3】
実施例1に準じて、フィラーとして平均粒子径55μmの水酸化アルミニウム(昭和電工製:H10)196.68部を使用して、厚さ1.0〜1.2mmの放熱シートを得た(水酸化アルミニウムの含有量は44vol%)。
【0017】
【比較例1】
実施例1に準じて、フィラーとして平均粒子径3.5μmの水酸化アルミニウム(昭和電工製:H320ST)60.5部を使用して厚さ1.0〜1.2mmの放熱シートを得た(水酸化アルミニウムの含有量は19vol%)。
【0018】
【比較例2】
実施例1に準じて、フィラーとして平均粒子径10μmのアルミナ(昭和電工製:AS50) 265.33部を使用して厚さ1.0〜1.2mmの放熱シートを得た(水酸化アルミニウムの含有量は39vol%)。
【0019】
上記実施例1〜3並びに比較例1及び2で使用した熱伝導性フィラーの平均粒子径及びシート中での含有量、得られた放熱シートの熱伝導率及び難燃性の評価結果は以下の表1の通りである。
【0020】
【評価方法】
(1)熱伝導率は、熱伝導度測定機(カトーテック社製サーモラボ2)による定常熱伝導測定法で測定した。
(測定条件)ウォーターボックス中に室温下の水を流し、ボックス上に5× 5cmのサンプルを乗せ、さらに試料上の、BTボックスの熱板を試料にあてて載せる。定常に達した後、BTボックスの熱流損失(W)をパネルメーターで読みとる。
定常状態における熱流損失(W)は、以下の式で表わすことができるので、熱伝導率が求められる。
W=Kx(A・△T/D)
W:定常状態における熱流損失
D:試料厚み
△T:試料温度差
A:BT熱板面積
K:熱伝導率
(2)難燃性は、UL規格に準じた。
【0021】
【表1】
【0022】
上記表1によれば、熱伝導性フィラーとして水酸化アルミニウムを使用すると、0.5〜1.0W/m・Kの熱伝導率とUL94でV−2レベル以上の難燃性が得られ、含有量を44vol%にしても、平均粒子径を変えることにより、熱伝導率を制御できることがわかる。
【0023】
【発明の効果】
本発明によれば、熱伝導性フィラーとして水酸化アルミニウムを使用し、ポリウレタンのようなマトリックスエラストマーに分散させることにより、高熱伝導性と難燃性をあわせ持ち、充填量でなく、平均粒子径により熱伝導率の制御が可能な放熱シートが得られる。プラズマディスプレイ、トランジスター、コンデンサー、パーソナルコンピュータ等の電気機器や電子部品に用いられるIC及びCPU等に必要なUL燃焼試験でV−2レベルを達成することができる。
Claims (3)
- マトリックスエラストマー中に粒状フィラーとして水酸化アルミニウムを分散含有させてなる放熱シートであって、定常平行板法による熱伝導率が0.5〜1.0W/m・Kであり、UL94による難燃性レベルがV−2より良好であることを特徴とする放熱シート。
- 粒状フィラーの平均粒子径が、3〜60μmであり、シート中の含有量が25〜50vol%であることを特徴とする請求項1に記載の放熱シート。
- マトリックスエラストマーが、ひまし油変性ポリオールとイソシアネートからなるポリウレタンであることを特徴とする請求項1に記載の放熱シート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003136152A JP2004342758A (ja) | 2003-05-14 | 2003-05-14 | 放熱シート |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003136152A JP2004342758A (ja) | 2003-05-14 | 2003-05-14 | 放熱シート |
Publications (1)
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JP2004342758A true JP2004342758A (ja) | 2004-12-02 |
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ID=33526209
Family Applications (1)
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JP2003136152A Withdrawn JP2004342758A (ja) | 2003-05-14 | 2003-05-14 | 放熱シート |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100667135B1 (ko) | 2004-12-24 | 2007-01-12 | 엘지전자 주식회사 | 플라즈마 디스플레이 패널 |
WO2008032749A1 (en) * | 2006-09-13 | 2008-03-20 | Denki Kagaku Kogyo Kabushiki Kaisha | Resin composition and radiating spacer formed from the same |
WO2014053252A1 (de) | 2012-10-05 | 2014-04-10 | Dr. Neidlinger Holding Gmbh | Wärmeleitfähiges polymer und harzzusammensetzungen zur herstellung desselben |
-
2003
- 2003-05-14 JP JP2003136152A patent/JP2004342758A/ja not_active Withdrawn
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR100667135B1 (ko) | 2004-12-24 | 2007-01-12 | 엘지전자 주식회사 | 플라즈마 디스플레이 패널 |
WO2008032749A1 (en) * | 2006-09-13 | 2008-03-20 | Denki Kagaku Kogyo Kabushiki Kaisha | Resin composition and radiating spacer formed from the same |
WO2014053252A1 (de) | 2012-10-05 | 2014-04-10 | Dr. Neidlinger Holding Gmbh | Wärmeleitfähiges polymer und harzzusammensetzungen zur herstellung desselben |
DE102012109500A1 (de) | 2012-10-05 | 2014-04-10 | Dr. Neidlinger Holding Gmbh | Wärmeableitendes Polymer und Harzzusammensetzungen zur Herstellung desselben |
CN104718254A (zh) * | 2012-10-05 | 2015-06-17 | 奈德林格控股有限责任公司 | 导热聚合物和用于制备它的树脂组合物 |
CN104718254B (zh) * | 2012-10-05 | 2017-07-21 | 奈德林格控股有限责任公司 | 导热聚合物和用于制备它的树脂组合物 |
RU2673289C1 (ru) * | 2012-10-05 | 2018-11-23 | Др. Найдлингер Холдинг Гмбх | Теплопроводный полимер и смоляные композиции для его получения |
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