JP2004341960A - 位置依存情報検索方法、位置依存情報検索装置、位置依存情報提供装置、および位置依存情報検索プログラム - Google Patents
位置依存情報検索方法、位置依存情報検索装置、位置依存情報提供装置、および位置依存情報検索プログラム Download PDFInfo
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Abstract
【課題】検索条件に合致した情報が無いときに、検索条件に近い意味のデータを検索結果として提示することができるようにする。
【解決手段】範囲決定手段4が、位置情報9aに基づいて検索の範囲を決定する。検索手段5は、入力された項目条件9bに合致する位置依存情報を、位置依存情報データベース2から検索する。再検索項目条件生成手段6は、検索結果が所定の条件を満たしたとき、項目条件9bで指定された検索対象分類項目から上位階層に辿る。次に、再検索項目条件生成手段6は、上位階層の分類項目に含まれる別の概念を新たな検索対象分類項目として設定した再検索項目条件9cを生成する。そして、再検索手段7が、再検索項目条件9cに応じた検索を行う。これにより、検索条件に合致した情報が無い場合、検索条件より広い概念に含まれる他の情報が検索結果として提示される。
【選択図】 図1
【解決手段】範囲決定手段4が、位置情報9aに基づいて検索の範囲を決定する。検索手段5は、入力された項目条件9bに合致する位置依存情報を、位置依存情報データベース2から検索する。再検索項目条件生成手段6は、検索結果が所定の条件を満たしたとき、項目条件9bで指定された検索対象分類項目から上位階層に辿る。次に、再検索項目条件生成手段6は、上位階層の分類項目に含まれる別の概念を新たな検索対象分類項目として設定した再検索項目条件9cを生成する。そして、再検索手段7が、再検索項目条件9cに応じた検索を行う。これにより、検索条件に合致した情報が無い場合、検索条件より広い概念に含まれる他の情報が検索結果として提示される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は位置に依存した情報を検索するための位置依存情報検索方法、位置依存情報検索装置、位置依存情報提供装置、および位置依存情報検索プログラムに関し、特に検索条件に合致する情報が無いときに自動で再検索を行うことができる位置依存情報検索方法、位置依存情報検索装置、位置依存情報提供装置、および位置依存情報検索プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、地図情報のデータベース化が図られ、地図情報を利用した様々な情報提供サービスが行われている。地図情報を利用したサービスの一例として、任意の地点の周辺に存在する施設やランドマークの情報を検索し、ユーザに提示する情報端末装置がある。たとえば、鉄道の駅周辺にある銀行やコンビニエンスストアといった検索条件を設定すると、施設・ランドマークデータベースから検索が行われる。そして、検出された施設の情報が、その施設の所在地周辺の地図と合わせて画面表示される。
【0003】
また、ユーザの位置情報は、GPS(Global Positioning System)等を用いて自動的に取得することができる。これにより、ユーザの現在位置を基準とした周辺情報の検索が可能となる。このような情報端末装置として、車載ナビゲーション装置や歩行者ナビゲーション装置が広く利用されている。また、登録されたメモや写真等の情報を登録時と同じ環境(位置、高度、温度等)にユーザが居る場合にのみ、その登録情報を利用できるようにすることもできる(たとえば、特許文献1参照)。
【0004】
なお、施設・ランドマーク等のデータベースは、各要素を階層的に分類することができる。データベースが階層構造を有していることにより、上位階層から下位の階層へ絞込みを行いながら、目的とする施設やランドマークを検索することができる。たとえば、「レストラン」を検索条件として検索を行うと、下位の階層に含まれる「和食」「中華」「洋食」の全てについて検索を行われる。その一方で、「和食」の階層で検索を行うと、和食レストランのみの検索が行われる。
【0005】
また、データベースに登録されている物件は、緯度や経度のような、地理的な位置を示す位置情報が付加されている。この位置情報によって、各物件と地図データとが関連付けられる。そのため、検索結果として得られた物件の所在地を、地図データベースから得られる地図上で示すことができる。
【0006】
ただし、地図データベースと連携した情報検索は、基準位置から所定の範囲内の施設のみが検索対象である。そのため、検索範囲内に、検索条件に合致する施設が見つからない場合が多々ある。従来、基準地点から一定距離内に該当情報が見つからない場合には、自動的に検索範囲を拡大していた。このとき、単に円状の検索範囲の半径を広げるだけでなく、任意形状の検索範囲としたり、進行方向を重点的に拡大したりすることも考えられていた。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−92853号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ユーザの検索目的によっては、単に地図上の検索範囲を広げただけでは、ユーザにとって最良の検索結果を得ることができないことがある。たとえば、現在位置周辺の検索により検索対象の和食レストランが見つからないとき、代替施設として洋食レストランを探すことがある。この場合、従来の技術では、検索条件の再入力を行うしかなかった。
【0009】
図28は、従来の技術によって検索したときの検索結果の表示画面例を示す図である。これは、食事のときに和食レストランを検索して見つからなかった場合の例である。
【0010】
表示画面90には、地図91が表示されている。その地図91には、検索基準地点を示すマーク92が表示されている。検索基準地点は、たとえば、ユーザの現在位置である。また、表示画面90内には、検索結果を通知するメッセージ93が表示されている。図28の例では、「和食レストラン:該当なし 別の検索条件を設定してください」というメッセージ93が表示されている。
【0011】
この例では、検索範囲内に和食レストランが存在しないため、「該当なし」という結果が得られるだけである。このとき、和食レストランでの食事を諦め、代わりに中華レストランや洋食レストランを探す場合、ユーザは中華や洋食をその都度指定して再度検索を行う必要があった。
【0012】
このように、検索条件に合致する施設等が見つからなかったときに、その都度、検索条件の意味的な概念を広げ、広い概念に含まれる別の検索条件を再入力しなければならず、操作が煩雑になっていた。そこで、検索条件の意味的な概念を広げた再検索を容易に行うことができるシステムが望まれていた。
【0013】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、検索条件に合致した情報が無いときに、検索条件に近い意味のデータを検索結果として提示することができる情報検索装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明では上記課題を解決するために、位置に依存した情報を検索するための位置依存情報検索方法において、位置情報と検索対象分類項目に係る項目条件とが入力されると、前記位置情報に基づき検索対象の範囲を決定し、位置依存情報が階層的に分類されて登録された位置依存情報データベースから、前記項目条件に合致する前記範囲内の前記位置依存情報を検索し、前記検索の結果が所定条件を満たす場合、前記項目条件で指定された前記分類項目から上位階層に辿り、上位階層の前記分類項目に含まれる別の概念を新たな前記検索対象分類項目として設定する再検索項目条件を生成し、前記範囲を維持したまま、前記位置依存情報データベースから前記再検索項目条件に合致する前記範囲内の前記位置依存情報を再検索する、ことを特徴とする位置依存情報検索方法が提供される。
【0015】
このような位置依存情報検索方法によれば、位置情報と項目条件とが入力されると、位置情報に基づき検索対象の範囲が決定される。次に、位置依存情報データベースから、項目条件に合致する範囲内の位置依存情報が検索される。検索の結果が所定条件を満たす場合、項目条件で指定された分類項目から上位階層に辿り、上位階層の分類項目に含まれる別の概念を新たな検索対象分類項目として設定する再検索項目条件が生成される。すると、範囲を維持したまま、位置依存情報データベースから再検索項目条件に合致する上記範囲内の位置依存情報が再検索される。
【0016】
また、上記課題を解決するために、位置に依存した情報を検索する位置依存情報検索装置において、位置依存情報が階層的に分類されて登録された位置依存情報データベースと、位置情報と検索対象分類項目に係る項目条件とが入力されると、前記位置情報に基づき検索対象の範囲を決定する範囲決定手段と、前記位置依存情報データベースから、前記項目条件に合致する前記範囲内の前記位置依存情報を検索する検索手段と、前記検索の結果が所定条件を満たす場合、前記項目条件で指定された前記分類項目から上位階層に辿り、上位階層の前記分類項目に含まれる別の概念を新たな前記検索対象分類項目として設定する再検索項目条件を生成する再検索項目条件生成手段と、前記範囲を維持したまま、前記位置依存情報データベースから前記再検索項目条件に合致する前記範囲内の前記位置依存情報を再検索する再検索手段と、を有することを特徴とする位置依存情報検索装置が提供される。
【0017】
このような位置依存情報検索装置によれば、位置情報と項目条件とが入力されると、範囲決定手段により、位置情報に基づき検索対象の範囲が決定される。次に、検索手段により、位置依存情報データベースから、項目条件に合致する範囲内の位置依存情報が検索される。検索の結果が所定条件を満たす場合、再検索項目条件生成手段により、項目条件で指定された分類項目から上位階層に辿り、上位階層の分類項目に含まれる別の概念を新たな検索対象分類項目として設定する再検索項目条件が生成される。すると、再検索手段により、範囲を維持したまま、位置依存情報データベースから再検索項目条件に合致する上記範囲内の位置依存情報が再検索される。
【0018】
また、上記課題を解決するために、位置に依存した情報をネットワーク経由で提供する位置依存情報提供装置において、位置依存情報が階層的に分類されて登録された位置依存情報データベースと、前記ネットワークに接続された端末装置から位置情報と検索対象分類項目に係る項目条件とが入力されると、前記位置情報に基づき検索対象の範囲を決定する範囲決定手段と、前記位置依存情報データベースから、前記項目条件に合致する前記範囲内の前記位置依存情報を検索する検索手段と、前記検索の結果が所定条件を満たす場合、前記項目条件で指定された分類項目から上位階層に辿り、上位階層の前記分類項目に含まれる別の概念を新たな前記検索対象分類項目として設定する再検索項目条件を生成する再検索項目条件生成手段と、前記範囲を維持したまま、前記位置依存情報データベースから前記再検索項目条件に合致する前記範囲内の前記位置依存情報を再検索する再検索手段と、前記検索手段および/または前記再検索手段による検索の結果を前記端末装置へ送信する送信手段と、を有することを特徴とする位置依存情報提供装置が提供される。
【0019】
このような位置依存情報提供装置によれば、端末装置から位置情報と項目条件とが入力されると、範囲決定手段により、位置情報に基づき検索対象の範囲が決定される。次に、検索手段により、位置依存情報データベースから、項目条件に合致する範囲内の位置依存情報が検索される。検索の結果が所定条件を満たす場合、再検索項目条件生成手段により、項目条件で指定された分類項目から上位階層に辿り、上位階層の分類項目に含まれる別の概念を新たな検索対象分類項目として設定する再検索項目条件が生成される。すると、再検索手段により、範囲を維持したまま、位置依存情報データベースから再検索項目条件に合致する上記範囲内の位置依存情報が再検索される。そして、送信手段により、検索結果が端末装置に送信される。
【0020】
また、上記課題を解決するために、位置に依存した情報を検索するための位置依存情報検索プログラムにおいて、コンピュータに、位置情報と検索対象分類項目に係る項目条件とが入力されると、前記位置情報に基づき検索対象の範囲を決定し、位置依存情報が階層的に分類されて登録された位置依存情報データベースから、前記項目条件に合致する前記範囲内の前記位置依存情報を検索し、前記検索の結果が所定条件を満たす場合、前記項目条件で指定された分類項目から上位階層に辿り、上位階層の前記分類項目に含まれる別の概念を新たな前記検索対象分類項目として設定する再検索項目条件を生成し、前記範囲を維持したまま、前記位置依存情報データベースから前記再検索項目条件に合致する前記範囲内の前記位置依存情報を再検索する、処理を実行させることを特徴とする位置依存情報検索プログラムが提供される。
【0021】
このようなプログラムをコンピュータに実装させると、コンピュータにより、上記本発明に係る位置依存情報検索方法に従った処理が実行される。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
まず、実施の形態に適用される発明の概要について説明し、その後、実施の形態の具体的な内容を説明する。
【0023】
図1は、実施の形態に適用される発明の概念図である。本発明は、場所に依存した情報の提供方法に関連するものである。情報提供方法を実行するための機能をブロックで示すと図1のようになる。図1には、地図データベース1、位置依存情報データベース2、入力手段3、範囲決定手段4、検索手段5、再検索項目条件生成手段6、再検索手段7および表示手段8が示されている。
【0024】
地図データベース1には、地図データが格納されている。
位置依存情報データベース2には、地図上での場所が指定された位置依存情報が、階層が上位になるほど広い意味を有するように階層的に分類して登録されている。図1の例では、最も広い意味を有する分類項目が「分類項目A」である。「分類項目B」と「分類項目C」とは、「分類項目A」の下位構造である。この場合、「分類項目B」で示される意味と「分類項目C」で示される意味とは、「分類項目A」で示される意味に包含される。また、「分類項目D」と「分類項目E」とは、「分類項目B」の下位構造である。この場合、「分類項目D」で示される意味と「分類項目E」で示される意味とは、「分類項目B」で示される意味に包含される。
【0025】
「分類項目D」と「分類項目E」とには、位置依存情報が関連付けられている。位置依存情報には、地図上の位置を特定する情報(たとえば、緯度、経度)が含まれている。なお、「分類項目D」と「分類項目E」とに関連付けられた位置依存情報は、上位の分類項目(「分類項目A」、「分類項目B」)にも関連付けられる。
【0026】
入力手段3は、ユーザからの操作入力等に応じて位置情報9aと検索対象分類項目に係る項目条件9bとを入力する。
範囲決定手段4は、位置情報9aに基づき、検索対象とする範囲(位置情報に基づき特定される地理的な範囲)を決定する。たとえば、位置情報9aから所定の距離内の空間を範囲として決定する。決定された範囲が、検索対象範囲となる。
【0027】
検索手段5は、入力された項目条件9bに合致する位置依存情報を、位置依存情報データベース2から検索する。具体的には、項目条件9bで指定された分類項目に関連付けられた位置依存情報の中から、範囲決定手段4で決定された範囲内の場所が指定されている位置依存情報を検索する。検索手段5は、位置情報で示された位置周辺の地図データを地図データベース1から取得し、検索結果と共に表示手段8に渡す。
【0028】
再検索項目条件生成手段6は、検索の結果が所定条件を満たす場合、項目条件9bで指定された分類項目から上位階層に辿り、上位階層の分類項目に含まれる別の概念を新たな検索対象分類項目として設定する再検索項目条件9cを生成する。所定の条件とは、たとえば、項目条件9bに合致する位置依存情報が無い場合、あるいは合致件数が所定数以下の場合である。そして、再検索項目条件生成手段6は、生成した再検索項目条件9cを再検索手段7に入力する。
【0029】
なお、上位階層の分類項目に含まれる別の概念として、検索対象分類項目の上位階層の分類項目を選択すれば、広い概念に含まれる全ての位置依存情報が検索対象となる。
【0030】
また、検索対象分類項目と上位の分類項目を共有する他の分類項目を選択すれば、広い概念に含まれる一部の位置依存情報が検索対象となる。これは、検索対象分類項目から上位階層に辿り、その後、別のルートで下位の階層に辿ることを意味する。
【0031】
再検索手段7は、再検索項目条件生成手段6で生成された再検索項目条件9cに合致する位置依存情報を、位置依存情報データベース2から検索する。具体的には、再検索項目条件9cで指定された分類項目に関連付けられた位置依存情報の中から、範囲決定手段4で決定された範囲内の場所が指定されている位置依存情報を検索する。再検索手段7は、位置情報で示された位置周辺の地図データを地図データベース1から取得し、検索結果と共に表示手段8に渡す。
【0032】
表示手段8は、検索手段5および/または再検索手段7による検索結果を画面に表示する。たとえば、表示手段8は、地図データに基づいて地図を表示し、地図上に、検索条件に含まれる位置情報と、検索結果として得られた位置依存情報との場所を示すマークを表示する。また、表示手段8は、項目条件9bと再検索項目条件9cとのそれぞれに合致した位置依存情報の件数を示すメッセージを表示する。
【0033】
このような構成のシステムにより、位置依存情報の検索を効率的に行うことができる。以下、図1に示すシステムによる検索手順を、フローチャートを参照して説明する。なお、以下の例では、入力された項目条件に合致する位置依存情報が検出されないとき、再検索を行うものとする。
【0034】
図2は、位置依存情報の検索手順を示すフローチャートである。以下、図2に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
[ステップS1]入力手段3が位置情報9aと項目条件9bとの入力を受け付ける。入力手段3は、受け付けた検索条件を検索手段5に渡す。図1の例では、「分類項目D」が項目条件9bとして指定されている。
【0035】
[ステップS2]範囲決定手段4には、位置情報9aに基づいて、検索対象の範囲(地理的な範囲)が決定される。
[ステップS3]検索手段5は、決定された範囲内から項目条件9bに合致する位置依存情報を、位置依存情報データベース2から検索する。
【0036】
[ステップS4]検索手段5は、合致する位置依存情報の有無を判断する。合致する位置依存情報が無い場合、検索手段5は、「該当なし」であることを再検索項目条件生成手段6に通知し、処理がステップS5に進められる。合致する位置依存情報がある場合、検索手段5は、位置された位置情報周辺の地図データを地図データベース1から取得し、検索結果として得られた位置依存情報と共に表示手段8に渡す。その後、処理がステップS6に進められる。
【0037】
なお、再検索項目条件9cが生成された場合は、同様の検索処理が再検索手段7によって行われる。
[ステップS5]再検索項目条件生成手段6は、再検索項目条件9cを生成する。再検索項目条件の位置情報は、入力手段3で入力された位置情報と同じである。再検索項目条件9cの検索対象分類項目は、入力手段3で入力された項目条件9bの検索対象分類項目より上位の階層に辿ることで到達可能な別の概念の分類項目である。図1の例では、「分類項目D」を1階層だけ上位に辿り、「分類項目B」を再検索項目条件9cに設定している。上位の階層の分類項目を設定することで、分類項目の概念が広げられ、広い意味の検索が行われる。
【0038】
再検索項目条件生成手段6は、生成した再検索項目条件9cを検索手段5に渡す。そして、処理がステップS2に進められる。これにより、検索手段5により、再検索項目条件9cに基づく再検索が行われる。
【0039】
[ステップS6]表示手段8が検索結果を表示する。
以上のようにして、検索条件に合致していないとき、項目条件で指定された分類項目を、広い概念の分類項目に変換して自動的に再検索を行うことができる。これにより、検索条件に合致する位置依存情報がない場合、意味的に近い別の分類項目に含まれる位置依存情報が表示される。その結果、検索条件の再入力の手間が省け、情報検索システムの操作性が向上する。
【0040】
なお、項目条件で指定された検索対象分類項目の1階層上位の分類項目を、新たな検索対象分類項目として再検索項目条件を生成することもできる。同様に、項目条件で指定された検索対象分類項目と上位の分類項目を共有する同一階層の分類項目を、新たな検索対象分類項目として再検索項目条件を生成することもできる。さらに、これらの再検索項目条件の生成処理の双方を行ってもよい。
【0041】
このように分類項目の一段上、あるいは同一階層の分類項目により再検索を行うことで、入力された項目条件に似た概念の検索結果が自動的に得られる。
また、同一階層の分類項目および/または上位の分類項目が複数有る場合、予めユーザにより任意に設定された優先順位に従って選択した分類項目を、新たな検索対象分類項目として再検索項目条件を生成することができる。同様に、過去の選択履歴に基づいて、選択回数の多い分類項目から優先的に新たな検索対象分類項目として選択して、再検索項目条件を生成することもできる。また、同一階層の分類項目のリストを表示し、ユーザにより指定された分類項目を新たな検索対象分類項目として選択して、再検索項目条件を生成してもよい。さらに、これらの再検索項目条件の生成処理のうちの複数の処理を行ってもよい。
【0042】
このように、再検索項目条件を選択するための優先順位を定義しておくことで、ユーザの検索意図に合った再検索を行うことができる。
また、同一階層の分類項目が複数有る場合、同一階層の分類項目のリストを表示し、ユーザにより指定された分類項目を新たな検索対象分類項目を選択して再検索項目条件を生成する場合、検索対象分類項目の上位の分類項目が複数有る場合、上位の分類項目の少なくとも1つを共有する同一階層の分類項目のリストを表示することができる。
【0043】
これにより、入力された項目条件で指定された検索対象分類項目が上位の分類項目を複数有するとき、それぞれの上位階層を辿ったときの分類項目のリストを表示させることができる。
【0044】
また、検索対象分類項目が入力されると、測地機能により現在位置を測定し、前記現在位置に基づいて範囲を決定することができる。これにより、ユーザが位置情報を入力する手間が省ける。
【0045】
以下に、本発明の実施の形態の具体的内容を説明する。なお、以下の実施の形態では、範囲決定手段4、検索手段5、再検索項目条件生成手段6、および再検索手段7との機能は、1つの演算手段において実現されている。
【0046】
[第1の実施の形態]
第1の実施の形態は、3次元空間内の任意の位置にユーザが様々な情報を関連付け、その情報を提供するシステムに、本発明に係る情報検索機能を適用したものである。まず、第1の実施の形態における場所に依存した情報提供システムの概念について説明する。
【0047】
図3は、情報提供システムにおける情報の管理概念を示す図である。場所に依存した情報提供システムでは、様々な場所に相当する「場」の概念と、「場」に存在する様々な「モノ」の概念、「場」におけるユーザの様々な「行為」の概念の3つにより定義されるものである。
【0048】
図3に示すように、「場」は現実世界に存在する任意の大きさの仮想的な閉領域101であり、「行為」を行うユーザ102がその「場」に入ることにより、「場」内の「モノ」に関連付けられた情報の提供が行なわれる。
【0049】
図4は、「行為」と「場」および「モノ」の関係を示す図である。図4に示すように、「場」には「Enter」、「Direct」、「Release」というユーザの「行為」が存在する。
【0050】
「Enter」は、「場」に入るという行為である。「場」に入ることにより、その「場」に応じた情報が受信できる。
「Direct」は「場」に入り、ある方向を向くという行為である。ある方向を向くことにより、向いた方向に応じた情報が受信できる。
【0051】
「Release」は「場」に情報を置くという行為である。情報を置くことにより後で別のユーザがその情報を見ることが可能となる。
「モノ」は現実世界に実際に存在する物(たとえば、建物)に情報が付加されたものである。ユーザがその「モノ」を見ることにより、ユーザに対して「モノ」に応じた情報提供が行なわれる。
【0052】
「モノ」には「Enter」、「Release」というユーザの「行為」が存在する。「Enter」はその「モノ」を見るという行為である。ユーザは、見ることによって「モノ」に応じた情報が受信できる。「Release」はその「モノ」に情報を置くという行為である。置くことにより後で別のユーザがその情報を見ることが可能となる。
【0053】
第1の実施の形態においては、「場」に複数の「モノ」があり、その中からユーザが定める条件を満たす「モノ」を検索する。そして、検索において該当する「モノ」が見つからなかった場合に、その代替となる「モノ」を自動的に提示する。
【0054】
図5は、第1の実施の形態に係る情報検索システムの構成例を示す図である。情報検索システムは、地図データベース10、施設・ランドマークデータベース20、入力手段30、位置取得手段40、演算手段50、および表示手段80を有している。
【0055】
地図データベース10は、地図情報が格納されたデータベースである。地図データベース10からは、指定された位置から所定の範囲の地図情報を取り出すことができる。
【0056】
施設・ランドマークデータベース20は、施設やランドマーク(建物や記念碑などの目印となる物)に関する情報が階層構造で格納されたデータベースである。施設・ランドマークデータベース20に格納された情報が「モノ」に相当する。
【0057】
入力手段30は、ユーザからの操作入力により検索対象分類項目を受け付け、その入力内容を演算手段50に渡す。入力手段30としては、キーボードやマウスなどがある。
【0058】
位置取得手段40は、ユーザの位置情報を取得する。たとえば、位置取得手段40は、GPSを利用してユーザの位置情報を取得する。たとえば、ユーザの所持するモバイル端末装置にGPSアンテナを設ける。そして、位置取得手段40は、そのGPSアンテナによって測地衛星からの信号を受信し、受信した信号に基づいてユーザの現在位置を算出する。位置取得手段40は、取得した位置情報を演算手段50に渡す。
【0059】
演算手段50は、入力手段30からの入力に応答して、施設・ランドマークデータベース20に対する検索を行い、検索結果を表示手段80に渡す。具体的には、演算手段50は、入力手段30から検索対象分類項目を受け取ると、位置取得手段40から、現在位置を取得する。そして、演算手段50は、現在位置と検索対象分類項目とを検索条件として、施設・ランドマークデータベース20の検索を行う。演算手段50は、検索結果として該当する「モノ」が見つかった場合、現在位置周辺の地図を地図データベース10から取得し、取得した地図上に検索結果の「モノ」を配置した画像データを表示手段80に渡す。なお、検索条件に合致する「モノ」が見つからない場合は、検索対象分類項目の意味を広げた再検索が行われる。
【0060】
表示手段80は、演算手段50から受け取った画像データに基づいて、検索結果を表示する。
図6は、施設・ランドマークデータベースのデータ構造例を示す図である。施設・ランドマークデータベース20は、複数の分類項目21〜27が階層的に関連付けられている。上位の階層の分類項目は、下位の階層の分類項目の意味や概念を広げたものである。最下層の分類項目25〜27には、その分類項目および上位の分類項目に属する情報が設定されている。
【0061】
図6の例では、「食事」の分類項目21と「買物」の分類項目22とが同じ階層に分類されている。「食事」の分類項目21には、下位の構造として「レストラン」の分類項目23や「喫茶」の分類項目24などがある。「レストラン」の分類項目23には、下位の構造として「和食」の分類項目25、「中華」の分類項目26、「洋食」の分類項目27などがある。
【0062】
「和食」の分類項目25には、和食レストランに関する情報が設定されている。「中華」の分類項目26には、中華レストランに関する情報が設定されている。「洋食」の分類項目27には、洋食レストランに関する情報が設定されている。分類項目25〜27に設定された情報には、緯度、経度、営業時間等が含まれる。
【0063】
施設・ランドマークデータベース20が階層構造を採っていることにより、上位の階層から下位の階層へ絞込みを行いながら、目的とする施設やランドマークを検索することができる。例えば、「レストラン」を検索条件として検索を行うと、下位の階層に含まれる「和食」「中華」「洋食」の全てについて検索が行われる一方で、「和食」の階層で検索を行うと、和食レストランのみの検索を行うことができる。また、施設・ランドマークデータベース20に登録されている物件は、緯度や経度のような、地理的な位置を示す情報を持ち、地図データベース10から得られる地図上でその位置を示すことができる。
【0064】
以上のような構成のシステムにおいて、以下の様な手順で検索処理が行われる。
図7は、第1の実施の形態における検索手順を示すフローチャートである。以下、図7に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
【0065】
[ステップS11]演算手段50は、入力手段30からの検索指示に応答して「場」の選択を行う。このとき地図上の任意の地点を含む「場」を選択することができる。ただし、ユーザの現在位置を含む「場」、すなわちユーザが「Enter」している「場」を選択するのが望ましい。ユーザの現在位置を含む「場」を選択する場合、演算手段50は、位置取得手段40から現在位置を取得する。現在位置は、たとえば、緯度と経度とで示される。演算手段50は、現在位置を基準位置として、その基準位置から所定の距離内の空間を「場」と定める。
【0066】
[ステップS12]演算手段50は、検索の条件を設定する。具体的には、演算手段50は、入力手段30から入力された検索対象分類項目と、ステップS11で選択した「場」によって検索条件を定める。検索対象分類項目は、施設・ランドマークデータベース20にある分類項目の中から任意の分類項目を指定できる。たとえば「和食レストラン」を検索対象分類項目として指定できる。
【0067】
[ステップS13]演算手段50は、「場」の中から検索条件を満たす「モノ」を、施設・ランドマークデータベース20から検索する。具体的には、演算手段50は、検索対象分類項目として指定された分類項目およびその下位構造の分類項目に設定されている情報の中から、ステップS11で選択された「場」に含まれる「モノ」を検索する。各「モノ」が「場」の中にあるか否かは、「モノ」の位置(緯度および経度)と「場」の基準位置との距離を算出することで判断できる。「モノ」と「場」の基準位置との距離が所定の距離以内であれば、その「モノ」が「場」の中にある。
【0068】
[ステップS14]演算手段50は、検索によって、検索条件に合致するものが見つかったか否かを判断する。該当する「モノ」が見つかった場合は、処理がステップS15に進められる。該当する「モノ」が見つからなかった場合は、処理がステップS16に進められ、代替となる「モノ」の探索が行われる。
【0069】
[ステップS15]該当する「モノ」が見つかった場合、演算手段50は、検索結果を示す画像データを表示手段80に渡す。これにより、表示手段80によって検索結果が表示され、処理が終了する。これにより、検索条件に合致する「モノ」が、ユーザに提示される。
【0070】
[ステップS16]演算手段50は、検索を続行するか否かを判断する。これは、データベースの階層を更に上位に遡るかどうかの判断でもある。判断基準としては、たとえば階層を上へ辿った回数が決まった回数に達したら検索を打ち切るという方法などが考えられる。既に何度か階層を遡っている場合は、検索を打ち切ることで、無用に検索条件を広く設定するのを防ぐことができる。検索を続行する場合、処理がステップS17に進められる。検索を終了する場合、処理がステップS18に進められる。
【0071】
[ステップS17]演算手段50は、施設・ランドマークデータベース20において1つ上位階層の分類項目を、検索条件の検索対象分類項目に設定する。たとえば、「和食レストラン」という条件で検索結果が見つからなかった場合、その1つ上位の階層である「レストラン」が新しい検索条件になる。すなわち、より意味が広い検索条件が自動的に設定されることになり、何らかの「モノ」が代替案として検索される可能性が高くなる。その後、処理がステップS13に進められ、新たに生成された条件に基づいた検索が実行される。
【0072】
[ステップS18]ステップS16において、検索を続行しない旨の判断が行われた場合、演算手段50はその旨を示すメッセージを表示手段80に渡す。そして、表示手段80により、該当する情報が無いことを示すメッセージ(たとえば「該当なし」のメッセージ)が表示される。これにより、ユーザが指定した検索条件およびその検索条件の意味を広げた再検索用の検索条件において該当する[モノ」が発見されなかったことが提示される。その後、処理が終了する。
【0073】
図8は、第1の実施の形態における検索結果の表示画面例を示す図である。この例は、ユーザが「和食レストラン」を検索条件に設定したところ、「和食レストラン」に該当する情報が見つからず、代替案として広い概念の「レストラン」で検索したときに該当する情報が見つかった場合を示している。
【0074】
表示画面61には、「場」に含まれる領域の地図61aが表示されている。地図61aの中央付近には、基準位置(たとえば、ユーザの現在位置)を示すマーク61bが表示されている。また、検出された各レストランの所在地には、「モノ」の所在を示すマーク61c〜61fが表示されている。
【0075】
また、表示画面61には、メッセージ表示部61gが設けられている。メッセージ表示部61gには、検索結果を示すメッセージが表示される。図8の例では、「和食レストラン:該当なし レストランでは4件見つかりました」というメッセージが表示されている。
【0076】
以上のようにして、本発明の第1の実施の形態では、指定した検索条件を満たす「モノ」が見つからなかった場合に、それよりも広い意味(上位の階層の分類項目)の代替案を自動的にユーザに提示することができる。すなわち、まず、任意の場所の周辺にある施設やランドマークの情報が、施設・ランドマークデータベース20のある階層で検索される。検索の結果、該当する検索結果が見つからなかった場合、自動的にデータベースの上位階層のより広い意味での検索条件が設定され、検索が続行される。
【0077】
したがって、検索条件の再設定および再検索の操作を行わなくても、多くの場合に何らかの代替案が提示される。たとえば、ユーザが指定した和食レストランが「場」に無い場合であっても、検索条件の再入力等の操作を行わずに「場」内の他のレストランの存在を知ることができる。これにより、位置に依存する情報の検索を容易に行うことができる。
【0078】
また、位置取得手段40によりユーザの現在位置を取得することで、ユーザの現在位置を基準として、周辺にある施設やランドマークの情報を検索できる。このとき、該当する検索結果が見つからなければ、自動的にデータベースの上位階層配下の別の分類項目での検索条件が設定され、検索が続行される。したがって、検索条件の再設定および再検索の操作を行わなくても、ユーザの現在位置周辺の「場」から、より広い意味を有する情報が代替案として提示される。
【0079】
[第2の実施の形態]
次に、第2の実施の形態について説明する。本発明の第2の実施の形態は、指定した検索条件を満たす「モノ」が見つからなかった場合に、近い意味を持つ他の分類項目の代替案をユーザに提示できるようにしたものである。近い意味を持つ他の分類項目とは、たとえば、指定された検索対象分類項目と同じ階層の分類項目であり、上位の分類項目を共通にするものである。
【0080】
図9は、第2の実施の形態のシステム構成例を示す図である。なお、第2の実施の形態を実現するためのシステム構成は第1の実施の形態とほぼ同じであるため、同じ機能の要素には同一の符号を付し説明を省略する。図9に示すように、第2の実施の形態では、行動履歴データベース70が新たに追加され、演算手段51の処理機能が変更されている。
【0081】
行動履歴データベース70は、ユーザの行動履歴を格納するデータベースである。たとえば、情報検索を行う際の分類項目の選択回数が、行動履歴データベース70に格納される。
【0082】
図10は、行動履歴データベースのデータ構造例を示す図である。この例では、行動履歴データベース70内に、分類項目と選択回数との欄が設けられている。各欄の横方向に並べられた情報同士が互いに関連付けられている。
【0083】
分類項目の欄には、施設・ランドマークデータベース20内の各分類項目の名称が設定される。選択回数の欄には、対応する分類項目がユーザによって選択された回数が設定される。図10の例では、「和食」の分類項目は3回選択されている。「中華」の分類項目は8回選択されている。「洋食」の分類項目は5回選択されている。
【0084】
第2の実施の形態では、同一の階層の分類項目に関して、選択回数に応じた優先順位が付けられる。すなわち、選択回数が多い分類項目ほど、検索対象とする分類項目を自動選択する際に優先的に選択される。
【0085】
演算手段51は、ユーザが選択した分類項目を含む検索条件に合致する情報が見つからなかった場合に、同じ階層の別の分類項目を自動的に選択し、再度検索を行う。
【0086】
以下に演算手段51が行う処理を説明する。
図11は、第2の実施の形態の検索処理手順を示すフローチャートである。以下、図11に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
【0087】
[ステップS21]演算手段51は、入力手段30からの検索指示に応答して「場」の選択を行う。このとき地図上の任意の地点を含む「場」を選択することができる。ただし、ユーザの現在位置を含む「場」、すなわちユーザが「Enter」している「場」を選択するのが望ましい。ユーザの現在位置を含む「場」を選択する場合、演算手段51は、位置取得手段40から現在位置を取得する。演算手段51は、現在位置を基準位置として、その基準位置から所定の距離内の空間を「場」と定める。
【0088】
[ステップS22]演算手段51は、検索の条件を設定する。具体的には、演算手段51は、入力手段30から入力された検索対象分類項目と、ステップS21で選択した「場」によって検索条件を定める。検索対象分類項目は、施設・ランドマークデータベース20にある分類項目の中から任意の分類項目を指定できる。たとえば「和食レストラン」を検索対象分類項目として指定できる。
【0089】
このとき、演算手段51は、行動履歴データベース70にアクセスし、検索対象分類項目として設定した分類項目の選択回数に1を加算する。
[ステップS23]演算手段51は、「場」の中から検索条件を満たす「モノ」を、施設・ランドマークデータベース20から検索する。具体的には、演算手段51は、検索対象分類項目として指定された分類項目およびその下位構造の分類項目に設定されている情報の中から、ステップS21で選択された「場」に含まれる「モノ」を検索する。各「モノ」が「場」の中にあるか否かは、「モノ」の位置(緯度および経度)と「場」の基準位置との距離を算出することで判断できる。「モノ」と「場」の基準位置との距離が所定の距離以内であれば、その「モノ」が「場」の中にある。
【0090】
[ステップS24]演算手段51は、検索によって、検索条件に合致するものが見つかったか否かを判断する。該当する「モノ」が見つかった場合は、処理がステップS25に進められる。該当する「モノ」が見つからなかった場合は、処理がステップS26に進められ、代替となる「モノ」の探索が行われる。
【0091】
[ステップS25]該当する「モノ」が見つかった場合、演算手段51は、検索結果を示す画像データを表示手段80に渡す。これにより、表示手段80によって検索結果が表示され、処理が終了する。その結果、検索条件に合致する「モノ」が、ユーザに提示される。
【0092】
[ステップS26]演算手段51は、検索を続行するか否かを判断する。これは、データベースの階層を更に上位に遡るかどうかの判断でもある。判断基準としては、たとえば階層を上へ辿った回数が決まった回数に達したら検索を打ち切るという方法などが考えられる。既に何度か階層を遡っている場合は、検索を打ち切ることで、無用に検索条件を広く設定するのを防ぐことができる。検索を続行する場合、処理がステップS27に進められる。検索を終了する場合、処理がステップS30に進められる。
【0093】
[ステップS27]演算手段51は、施設・ランドマークデータベース20で、現在設定されている検索対象分類項目と同一の階層(上位の分類項目が同一)に、別の分類があるかどうかの判断を行う。例えば、「和食」と同一階層(「レストラン」の下)には、他に「中華」や「洋食」という分類項目がある。同一階層に別の分類項目が有る場合、処理がステップS28に進められる。同一階層に別の分類項目が無い場合、処理がステップS29に進められる。
【0094】
[ステップS28]演算手段51は、現在設定されている検索条件と同一階層に別の分類項目があることが判明したら、新しい検索対象分類項目をそれらの中から選んで設定する。その後、処理がステップS23に進められ、新たな検索条件により再度検索が行われる。これにより、例えば和食レストランが見つからなかった場合の代替案として、自動的に中華レストランが検索される。
【0095】
ここで、ユーザの過去の行動履歴から自動的に優先順位が定められる。具体的には、演算手段51は、行動履歴データベース70を参照し、検索条件に現在設定されている分類項目と同一階層の分類項目の選択回数を取得する。そして、まだ検索対象とされていない分類項目のうち、選択回数が最も多い分類項目を選択する。このようにして、ユーザが過去に選択した回数が多い順に、自動的に優先順位を定めることができる。
【0096】
[ステップS29]一方、ステップS27で現在の検索条件と同一階層にはもう別の分類項目がないと判断された場合には、施設・ランドマークデータベース20の階層構造を上へ辿り、新しい上位の階層の分類項目を検索条件に設定する。その後、処理がステップS23に進められ、新たな検索条件によって再度検索が行われる。
【0097】
この場合、現在の階層は全て検索を終えて、該当物件が見つからないことがステップS27で判明しているので、一度に階層を2つ上へ辿る。例えば、「和食」「中華」「洋食」のいずれの条件でも検索結果が見つからなかった場合、その2つ上位の階層である「食事」が新しい検索条件の検索対象分類項目になる。これにより、「レストラン」だけでなく「喫茶」も検索対象となる。すなわち、更に意味が広い検索条件が自動的に設定されることになり、何らかの「モノ」が代替案として検索される可能性が高くなる。
【0098】
[ステップS30]ステップS26において、検索を続行しない旨の判断が行われた場合、演算手段51はその旨を示すメッセージを表示手段80に渡す。そして、表示手段80により、該当する情報が無いことを示すメッセージ(たとえば「該当なし」のメッセージ)が表示される。これにより、ユーザが指定した検索条件およびその検索条件の意味を広げた再検索用の検索条件において該当する「モノ」が発見されなかったことが提示される。その後、処理が終了する。
【0099】
図12は、第2の実施の形態における検索結果の表示画面例を示す図である。この例は、ユーザが「和食レストラン」を検索条件に設定したところ、「和食レストラン」に該当する情報が見つからず、代替案として異なる概念の「中華レストラン」で検索したときに該当する情報が見つかった場合を示している。
【0100】
表示画面62には、「場」に含まれる領域の地図62aが表示されている。地図62aの中央付近には、基準位置(たとえば、ユーザの現在位置)を示すマーク62bが表示されている。さらに、検出された中華レストランの所在地には、「モノ」の所在を示すマーク62c〜62dが表示されている。
【0101】
また、表示画面62には、メッセージ表示部62eが設けられている。メッセージ表示部62eには、検索結果を示すメッセージが表示される。図12の例では、「和食レストラン:該当なし 中華レストランでは2件見つかりました」というメッセージが表示されている。
【0102】
なお、上記の説明では、行動履歴データベース70に設定された選択回数が多い分類項目程、再検索の際に優先的に選択されるものとしたが、優先順をユーザが予め指定しておくこともできる。この場合、行動履歴データベース70と同様のデータ構造の優先順指定データベースを設ける。優先順指定データベースでは、選択回数に相当する情報として優先順を設定する。優先順の情報は、ユーザによって任意に設定され、演算手段51による更新は行われない。
【0103】
そして、演算手段51は、検索条件に合致する情報が見つからない場合、検索対象分類項目と同じ階層の分類項目のうち、優先順が高い分類項目を選択して再検索用の検索条件を生成する。たとえば、ユーザは食事の嗜好を「和食」「中華」「洋食」の順に優先することを事前に設定しておく。この場合、演算手段51は、設定された優先順位に従って、まだ検索対象となっていない分類項目を選択する。
【0104】
以上のようにして、本発明の第2の実施の形態では、指定した検索条件を満たす「モノ」が見つからなかった場合に、次に優先される検索条件での代替案を自動的にユーザに提示することができる。すなわち、まず、任意の場所やユーザの現在位置の周辺にある施設やランドマークの情報が、データベースのある階層で検索される。検索の結果、該当する検索結果が見つからなかった場合、同一階層にある別の分類項目が自動的に検索条件として選択され、検索が続行される。
【0105】
ここで別の分類項目を選択する際の優先順位は、ユーザが事前に設定することもできるし、ユーザの過去の選択履歴から自動的に設定することもできる。したがって、検索条件の再設定および再検索の操作を行わなくても、多くの場合に何らかの代替案が提示される。
【0106】
[第3の実施の形態]
次に、第3の実施の形態について説明する。第3の実施の形態は、検索対象の分類項目に対する上位の構造が複数ある場合にも本発明を適用できるようにしたものである。
【0107】
図13は、第3の実施の形態に係るシステムの構成例を示す図である。なお、第3の実施の形態を実現するためのシステム構成は第1の実施の形態とほぼ同じであるため、同じ機能の要素には同一の符号を付し説明を省略する。図13に示すように、第3の実施の形態では、概念拡張履歴データベース80が新たに追加されている。また、演算手段52の処理機能が変更されていると共に、施設・ランドマークデータベース20aのデータ構造が変更されている。
【0108】
施設・ランドマークデータベース20aは、1つの分類項目に対する上位階層として複数の分類項目を設定可能な階層構造のデータベースである。
概念拡張履歴データベース80は、検索の際に、ユーザが概念拡張の指示を行った際の、概念拡張先の選択回数を格納するデータベースである。
【0109】
演算手段52は、入力された検索条件に従って、施設・ランドマークデータベース20aの検索を行う。また、演算手段52は、検索条件に該当する「モノ」が無い場合、上位階層の分類項目の1つを選択して、選択した分類項目を検索対象とした検索を行う。
【0110】
図14は、第3の実施の形態の施設・ランドマークデータベースのデータ構造例を示す図である。施設・ランドマークデータベース20aは、複数の分類項目21a〜25aが階層的に関連付けられている。上位の階層の分類項目は、下位の階層の分類項目の意味や概念を広げたものである。最下層の分類項目23a〜25aには、その分類項目に属する情報が設定されている。また、下位の階層の分類項目は、上位の階層の複数の分類項目に対して関連付けることができる。すなわち、第3の実施の形態では、施設・ランドマークデータベース20aの階層構造の中で、ある分類項目が複数の分類項目の下に属する可能性を認めている。
【0111】
図14の例では、「ATM」の分類項目21aと「弁当」の分類項目22aとが同じ階層に分類されている。「ATM」の分類項目21aの下位の構造として、「銀行」の分類項目23aと「コンビニエンスストア」の分類項目24aとが設けられている。また、「弁当」の分類項目22aの下位の構造として、「コンビニエンスストア」の分類項目24aと「スーパー」の分類項目25aとが設けられている。
【0112】
このように「コンビニエンスストア」の分類項目24aは、「ATM」の分類項目21aの下位構造であると共に「弁当」の分類項目22aの下位構造でもある。最近では、多くのコンビニエンスストアの店舗内に銀行等の金融機関のATMが設置されている。従って、銀行口座から現金を引き出す目的でコンビニエンスストアを探している場合を想定し、「コンビニエンスストア」の分類項目24aの上位階層として「ATM」の分類項目が設定されている。また、弁当の購入目的でコンビニエンスストアを探している場合を想定し、「コンビニエンスストア」の分類項目24aの上位階層として「ATM」の分類項目21aが設定されている。すなわち、「コンビニエンスストア」という分類項目24aは、現金の引き出しをするための施設という観点から「ATM」という分類項目21aの下に属しているが、同時に弁当を買うための施設という観点から「弁当」という分類項目22aの下にも属している。
【0113】
図15は、概念拡張履歴データベースのデータ構造例を示す図である。概念拡張履歴データベース80には、検索対象分類項目、上位構造分類項目、および概念拡張選択回数の欄が設けられている。各欄の横方向に並べられた情報同士が互いに関連付けられている。
【0114】
検索対象分類項目の欄には、検索対象として指定された分類項目の名称が設定される。上位構造分類項目の欄には、検索対象分類項目の上位構造の分類項目の名称が設定される。概念拡張選択回数の欄には、検索対象分類項目に設定された分類項目で「モノ」が見つからなかったときに、各同階層分類項目が選択された回数が設定される。
【0115】
図15の例では、検索対象分類項目「コンビニエンスストア」に対して、2つの上位構造分類項目「ATM」、「弁当」が設定されている。「ATM」の概念拡張選択回数は「5」である。「弁当」の概念拡張選択回数は「4」である。
【0116】
このように、1つの分類項目に対して複数の分類項目を上位構造に関連付け、概念拡張の選択回数を設定しておく。これにより、演算手段52は、検索条件に基づいた検索により該当する「モノ」が見つからなかったとき、検索対象の分類項目の上位構造の中から過去に多く選択された分類項目を選択して再検索用の検索条件を生成することができる。
【0117】
以下に、演算手段52が行う処理を説明する。
図16は、第3の実施の形態の検索処理手順を示すフローチャートである。以下、図16に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
【0118】
[ステップS41]演算手段52は、入力手段30からの検索指示に応答して「場」の選択を行う。このとき地図上の任意の地点を含む「場」を選択することができる。ただし、ユーザの現在位置を含む「場」、すなわちユーザが「Enter」している「場」を選択するのが望ましい。ユーザの現在位置を含む「場」を選択する場合、演算手段52は、位置取得手段40から現在位置を取得する。演算手段52は、現在位置を基準位置として、その基準位置から所定の距離内の空間を「場」と定める。
【0119】
[ステップS42]演算手段52は、検索の条件を設定する。具体的には、演算手段52は、入力手段30から入力された検索対象分類項目と、ステップS41で選択した「場」によって検索条件を定める。検索対象分類項目は、施設・ランドマークデータベース20aにある分類項目の中から任意の分類項目を指定できる。たとえば「コンビニエンスストア」を検索対象分類項目として指定できる。
【0120】
[ステップS43]演算手段52は、「場」の中から検索条件を満たす「モノ」を、施設・ランドマークデータベース20aから検索する。具体的には、演算手段52は、検索対象分類項目として指定された分類項目およびその下位構造の分類項目に設定されている情報の中から、ステップS41で選択された「場」に含まれる「モノ」を検索する。各「モノ」が「場」の中にあるか否かは、「モノ」の位置(緯度および経度)と「場」の基準位置との距離を算出することで判断できる。「モノ」と「場」の基準位置との距離が所定の距離以内であれば、その「モノ」が「場」の中にある。
【0121】
[ステップS44]演算手段52は、検索によって、検索条件に合致するものが見つかったか否かを判断する。該当する「モノ」が見つかった場合は、処理がステップS45に進められる。該当する「モノ」が見つからなかった場合は、処理がステップS46に進められ、代替となる「モノ」の探索が行われる。
【0122】
[ステップS45]該当する「モノ」が見つかった場合、演算手段52は、検索結果を示す画像データを表示手段80に渡す。これにより、表示手段80によって検索結果が表示され、処理が終了する。その結果、検索条件に合致する「モノ」が、ユーザに提示される。
【0123】
[ステップS46]演算手段52は、検索を続行するか否かを判断する。これは、データベースの階層を更に上位に遡るかどうかの判断でもある。判断基準としては、たとえば階層を上へ辿った回数が決まった回数に達したら検索を打ち切るという方法などが考えられる。既に何度か階層を遡っている場合は、検索を打ち切ることで、無用に検索条件を広く設定するのを防ぐことができる。検索を続行する場合、処理がステップS47に進められ、代替となる「モノ」の検索が行われる。検索を終了する場合、処理がステップS50に進められる。
【0124】
[ステップS47]演算手段52は、施設・ランドマークデータベース20aで、現在の検索条件に設定されている検索対象分類項目に対して、複数の上位階層が関連付けられているかどうかの判断を行う。検索対象分類項目が複数の分類項目の下に属していることが判明したら、処理がステップS48に進められる。上位階層の分類項目が1つだけであれば、処理がステップS49に進められる。
【0125】
[ステップS48]演算手段52は、代替案を検索するための上位階層を選択する。これは通常、ユーザが過去に分類項目の概念拡張を行った際の履歴をもとに自動的に選択することができる。具体的には、演算手段52は、概念拡張履歴データベース80を参照し、現在の検索対象分類項目の上位階層である分類項目に設定された選択回数を取得する。そして、演算手段52は、選択回数が多いものから順に、未選択の分類項目を選択する。
【0126】
また、演算手段52は、複数の上位階層があることを提示して、ユーザに明示的に選択させることもできる。たとえば、図14に示すような施設・ランドマークデータベース20aにおいて、「場」内に「コンビニエンスストア」が見つからなかったとき、代替案候補として「ATM」、「弁当」が提示される。ユーザにより上位階層の分類項目の1つが指定されると、演算手段52は指定された分類項目を、次に上へ辿るべき上位階層として選択する。このとき、演算手段52は、概念拡張履歴データベース80にアクセスし、選択された上位階層の分類項目に対応する選択回数の値に1を加算する。
【0127】
なお、上位階層の選択を、演算手段52が自動で行うのか、ユーザが明示的に選択するのかは、たとえば、予めシステムに設定しておくことができる。また、ステップS48の処理開始時に、演算手段52が自動で行うのか、ユーザが明示的に選択するのかの指示をユーザが行うようにしてもよい。
【0128】
その後、処理がステップS49に進められる。
[ステップS49]演算手段52は、新しい検索条件として1つ上位の階層を設定する。その後、処理がステップS43に進められる。
【0129】
これにより、例えば「コンビニエンスストア」が見つからなかった場合に、現金引き出しが目的の場合は「ATM」という分類項目を、また弁当購入が目的の場合は「弁当」という分類項目を、それぞれ代替案として検索することが実現できる。すなわち、目的に応じた上位階層にある、更に意味が広い検索条件が自動的に設定されることになり、何らかの「モノ」が代替案として検索される可能性が高くなる。
【0130】
[ステップS50]ステップS46において、検索を続行しない旨の判断が行われた場合、演算手段52はその旨を示すメッセージを表示手段80に渡す。そして、表示手段80により、該当する情報が無いことを示すメッセージ(たとえば「該当なし」のメッセージ)が表示される。これにより、ユーザが指定した検索条件およびその検索条件の意味を広げた再検索用の検索条件において該当する[モノ」が発見されなかったことが提示される。その後、処理が終了する。
【0131】
このようにして、ユーザが最初に指定した分類項目に該当する「モノ」が「場」内に見つからない場合、複数存在する上位概念のうち任意、あるいは過去の概念拡張履歴に応じた上位階層の分類項目による再検索を行うことができる。
【0132】
以下に、再検索の際の上位の分類項目をユーザが任意に選択する際の画面遷移例を示す。
図17は、第3の実施の形態における検索結果の表示画面例を示す第1の図である。この例は、ユーザが「コンビニエンスストア」を検索条件に設定したところ、「コンビニエンスストア」に該当する情報が見つからず、上位階層の分類項目を代替案候補として提示した場合を示している。
【0133】
表示画面63には、「場」に含まれる領域の地図63aが表示されている。地図63aの中央付近には、基準位置(たとえば、ユーザの現在位置)を示すマーク63bが表示されている。また、表示画面63には、メッセージ表示部63cが設けられている。メッセージ表示部63cには、検索結果を示すメッセージが表示される。図17の例では、「コンビニエンスストア:該当なし 代替案候補:ATM 弁当」というメッセージが表示されている。
【0134】
図17に示す表示画面63により、ユーザは代替案候補を知ることができる。ここで、代替案として「ATM」が選択されると、「ATM」を検索対象分類項目とした検索条件により、検索が行われる。
【0135】
図18は、第3の実施の形態における検索結果の表示画面例を示す第2の図である。この例は、図17に示す状態から、代替案として「ATM」が選択された場合の表示画面64を示している。
【0136】
表示画面64には、「場」に含まれる領域の地図64aが表示されている。地図64aの中央付近には、基準位置(たとえば、ユーザの現在位置)を示すマーク64bが表示されている。さらに、検出されたATMの所在地には、「モノ」の所在を示すマーク64cが表示されている。
【0137】
また、表示画面64には、メッセージ表示部64dが設けられている。メッセージ表示部64dには、検索結果を示すメッセージが表示される。図18の例では、「コンビニエンスストア:該当なし ATMでは1件見つかりました」というメッセージが表示されている。
【0138】
代替案として「弁当」が選択されると、「弁当」を検索対象分類項目とした検索条件により、検索が行われる。
図19は、第3の実施の形態における検索結果の表示画面例を示す第3の図である。この例は、図17に示す状態から、代替案として「弁当」が選択された場合の表示画面65を示している。
【0139】
表示画面65には、「場」に含まれる領域の地図65aが表示されている。地図65aの中央付近には、基準位置(たとえば、ユーザの現在位置)を示すマーク65bが表示されている。さらに、弁当を販売する小売店の所在地には、「モノ」の所在を示すマーク65c〜65eが表示されている。
【0140】
また、表示画面65には、メッセージ表示部65fが設けられている。メッセージ表示部65fには、検索結果を示すメッセージが表示される。図19の例では、「コンビニエンスストア:該当なし 弁当では3件見つかりました」というメッセージが表示されている。
【0141】
このように、第3の実施の形態では、指定した検索条件を満たす「モノ」が見つからなかった場合に、目的に応じた広い意味の代替案候補を自動的にユーザに提示できる。すなわち、任意の場所やユーザの現在位置の周辺にある施設やランドマークの情報を、データベースのある階層で検索し、該当する検索結果が見つからなかった場合に、検索の目的に応じてデータベースの上位階層からより広い意味の分類項目を選択し、自動的に検索条件として設定して検索が続行される。検索の目的はユーザが候補から選ぶこともできるし、ユーザの過去の選択履歴から自動的に選択することもできる。したがって、検索条件の再設定を行わなくても、多くの場合に何らかの代替案が提示される。
【0142】
なお、上記の説明では、概念拡張履歴データベース80に設定された選択回数が多い分類項目程、再検索の際に優先的に選択されるものとしたが、優先順をユーザが予め指定しておくこともできる。この場合、概念拡張履歴データベース80と同様のデータ構造の優先順指定データベースを設ける。優先順指定データベースでは、概念拡張選択回数に相当する情報として優先順を設定する。優先順の情報は、ユーザによって任意に設定され、演算手段52による更新は行われない。そして、演算手段52は、検索条件に合致する情報が見つからない場合、検索対象分類項目の上位の分類項目のうち、優先順が高い分類項目を選択して、再検索用の検索条件を生成する。
【0143】
[第4の実施の形態]
第4の実施の形態は、検索結果として「モノ」が見つからなかった場合に、検索対象分類項目と同じ階層の分類項目を代替案として選択するものである。なお、第4の実施の形態では、第3の実施の形態と同様に、1つの分類項目の上位階層として複数の分類項目が設定可能である。
【0144】
図20は、第4の実施の形態に係るシステムの構成例を示す図である。なお、第4の実施の形態を実現するためのシステム構成は第3の実施の形態とほぼ同じであるため、同じ機能の要素には同一の符号を付し説明を省略する。図20に示すように、第4の実施の形態では、概念変更履歴データベース81が新たに追加されている。また、演算手段53の処理機能が変更されている。施設・ランドマークデータベース20aのデータ構造は、第3の実施の形態と同様である。
【0145】
概念変更履歴データベース81は、検索の際に、ユーザが概念変更の指示を行った際の、概念変更先の選択回数を格納するデータベースである。演算手段53は、検索条件に該当する「モノ」が無い場合、上位の分類項目を共通にする同階層の分類項目の1つを選択して、選択した分類項目を検索対象とした検索を行う。
【0146】
図21は、概念変更履歴データベースのデータ構造例を示す図である。概念変更履歴データベース81には、検索対象分類項目、上位構造分類項目、同階層分類項目、および概念変更選択回数の欄が設けられている。各欄の横方向に並べられた情報同士が互いに関連付けられている。
【0147】
検索対象分類項目の欄には、検索対象として指定された分類項目の名称が設定される。上位構造分類項目の欄には、検索対象分類項目の上位構造の分類項目の名称が設定される。同階層分類項目の欄は、上記構造分類項目の下位構造の分類項目(検索対象分類項目を除く)の名称が設定される。概念変更選択回数の欄には、検索対象分類項目に設定された分類項目で「モノ」が見つからなかったときに、同階層の分類項目それぞれに関して、選択された回数が設定される。
【0148】
図21の例では、検索対象分類項目「コンビニエンスストア」に対して、2つの上位構造分類項目「ATM」、「弁当」が設定されている。「ATM」の分類項目には、同階層分類項目として「銀行」と「消費者金融」との分類項目が設定されている。「弁当」の分類項目には、同階層分類項目として「スーパー」と「弁当屋」との分類項目が設定されている。
【0149】
「銀行」の概念変更選択回数は「5」である。「消費者金融」の概念変更選択回数は「0」である。「スーパー」の概念変更選択回数は「1」である。「弁当屋」の概念変更選択回数は「3」である。
【0150】
このように、1つの分類項目に対して複数の分類項目が上位構造として関連付けられている場合、検索対象分類項目と同階層の分類項目の選択回数を記録しておく。これにより、検索対象分類項目による検索の結果、該当する「モノ」が見つからないとき、演算手段53は、検索対象の分類項目と上位の分類項目を共有する同階層の分類項目の中から1つを選択する。そして、演算手段53は、選択した分類項目を検索対象分類項目として再検索を行うことができる。
【0151】
以下に、演算手段53が行う処理を説明する。
図22は、第4の実施の形態の検索処理手順を示すフローチャートである。以下、図22に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
【0152】
[ステップS61]演算手段53は、入力手段30からの検索指示に応答して「場」の選択を行う。このとき地図上の任意の地点を含む「場」を選択することができる。ただし、ユーザの現在位置を含む「場」、すなわちユーザが「Enter」している「場」を選択するのが望ましい。ユーザの現在位置を含む「場」を選択する場合、演算手段53は、位置取得手段40から現在位置を取得する。演算手段50は、現在位置を基準位置として、その基準位置から所定の距離内の空間を「場」と定める。
【0153】
[ステップS62]演算手段53は、検索の条件を設定する。具体的には、演算手段53は、入力手段30から入力された検索対象分類項目と、ステップS61で選択した「場」によって検索条件を定める。検索対象分類項目は、施設・ランドマークデータベース20aにある分類項目の中から任意の分類項目を指定できる。たとえば「コンビニエンスストア」を検索対象分類項目として指定できる。
【0154】
[ステップS63]演算手段53は、「場」の中から検索条件を満たす「モノ」を、施設・ランドマークデータベース20aから検索する。具体的には、演算手段53は、検索対象分類項目として指定された分類項目およびその下位構造の分類項目に設定されている情報の中から、ステップS61で選択された「場」に含まれる「モノ」を検索する。各「モノ」が「場」の中にあるか否かは、「モノ」の位置(緯度および経度)と「場」の基準位置との距離を算出することで判断できる。「モノ」と「場」の基準位置との距離が所定の距離以内であれば、その「モノ」が「場」の中にある。
【0155】
[ステップS64]演算手段53は、検索によって、検索条件に合致するものが見つかったか否かを判断する。該当する「モノ」が見つかった場合は、処理がステップS65に進められる。該当する「モノ」が見つからなかった場合は、処理がステップS66に進められ、代替となる「モノ」の探索が行われる。
【0156】
[ステップS65]該当する「モノ」が見つかった場合、演算手段53は、検索結果を示す画像データを表示手段80に渡す。これにより、表示手段80によって検索結果が表示され、処理が終了する。その結果、検索条件に合致する「モノ」が、ユーザに提示される。
【0157】
[ステップS66]演算手段53は、検索を続行するか否かを判断する。これは、データベースの階層を更に上位に遡るかどうかの判断でもある。判断基準としては、たとえば階層を上った回数が決まった回数に達したら検索を打ち切るという方法などが考えられる。既に何度か階層を遡っている場合は、検索を打ち切ることで、無用に検索条件を広く設定するのを防ぐことができる。検索を続行する場合、処理がステップS67に進められ、代替となる「モノ」の検索が行われる。検索を終了する場合、処理がステップS70に進められる。
【0158】
[ステップS67]演算手段53は、施設・ランドマークデータベース20aで、現在の検索条件に設定されている検索対象分類項目に対して、複数の上位階層が関連付けられているかどうかの判断を行う。検索対象分類項目が複数の分類項目の下に属していることが判明したら、処理がステップS68に進められる。上位階層の分類項目が1つだけであれば、処理がステップS69に進められる。
【0159】
[ステップS68]演算手段53は、代替案を検索するための同階層の他の分類項目を選択する。これは通常、ユーザが過去に分類項目の概念変更を行った際の履歴をもとに自動的に選択することができる。具体的には、演算手段53は、概念変更履歴データベース81を参照し、現在の検索対象分類項目の同階層の分類項目に設定された選択回数を取得する。そして、演算手段53は、選択回数が最も多い分類項目を選択する。
【0160】
また、演算手段53は、共通の上位階層を有する同階層の他の分類項目があることを提示して、ユーザに明示的に選択させることもできる。たとえば、図14に示すような施設・ランドマークデータベース20aにおいて、「場」内に「コンビニエンスストア」が見つからなかったとき、代替案候補として「銀行」、「スーパー」等が提示される。ユーザにより同階層の分類項目の1つが指定されると、演算手段53は指定された分類項目を、次に検索すべき分類項目として選択する。このとき、演算手段53は、概念変更履歴データベース81にアクセスし、選択された同階層の分類項目に対応する概念変更選択回数の値に1を加算する。
【0161】
なお、同階層の他の分類項目の選択を、演算手段53が自動で行うのか、ユーザが明示的に選択するのかは、たとえば、予めシステムに設定しておくことができる。また、ステップS68の処理開始時に、演算手段53が自動で行うのか、ユーザが明示的に選択するのかの指示を、ユーザが入力するようにしてもよい。
【0162】
その後、処理がステップS69に進められる。
[ステップS69]演算手段53は、新しい検索条件として1つ上位の階層を設定する。その後、処理がステップS63に進められる。
【0163】
これにより、例えば「コンビニエンスストア」が見つからなかった場合に、現金引き出しが目的の場合は「銀行」という分類項目を、また弁当購入が目的の場合は「スーパー」という分類項目を、それぞれ代替案として検索することができる。すなわち、目的に応じた上位階層にある、更に意味が広い検索条件が自動的に設定されることになり、何らかの「モノ」が代替案として検索される可能性が高くなる。
【0164】
[ステップS70]ステップS66において、検索を続行しない旨の判断が行われた場合、演算手段53はその旨を示すメッセージを表示手段80に渡す。そして、表示手段80により、該当する情報が無いことを示すメッセージ(たとえば「該当なし」のメッセージ)が表示される。これにより、ユーザが指定した検索条件およびその検索条件の意味を広げた再検索用の検索条件において該当する[モノ]が発見されなかったことが提示される。その後、処理が終了する。
【0165】
このようにして、ユーザが最初に指定した分類項目に該当する「モノ」が「場」内に見つからない場合、同階層の他の分類項目のうち任意、あるいは過去の概念変更履歴に応じた分類項目による再検索を行うことができる。
【0166】
以下に、再検索の際の上位の分類項目をユーザが任意に選択する際の画面遷移例を示す。
図23は、第4の実施の形態における検索結果の表示画面例を示す第1の図である。この例は、ユーザが「コンビニエンスストア」を検索条件に設定したところ、「コンビニエンスストア」に該当する情報が見つからず、同階層の他の分類項目を代替案候補として提示した場合を示している。
【0167】
表示画面66には、「場」に含まれる領域の地図66aが表示されている。地図66aの中央付近には、基準位置(たとえば、ユーザの現在位置)を示すマーク66bが表示されている。また、表示画面66には、メッセージ表示部66cが設けられている。メッセージ表示部66cには、検索結果を示すメッセージが表示される。図18の例では、「コンビニエンスストア:該当なし 代替案候補:銀行 弁当屋 スーパー 消費者金融」というメッセージが表示されている。
【0168】
図23に示す表示画面66により、ユーザは代替案候補を知ることができる。ここで、代替案として「銀行」が選択されると、「銀行」を検索対象分類項目とした検索条件により、検索が行われる。
【0169】
図24は、第4の実施の形態における検索結果の表示画面例を示す第2の図である。この例は、図23に示す状態から、代替案として「銀行」が選択された場合の表示画面67を示している。
【0170】
表示画面67には、「場」に含まれる領域の地図67aが表示されている。地図67aの中央付近には、基準位置(たとえば、ユーザの現在位置)を示すマーク67bが表示されている。さらに、検出されたATMの所在地には、「モノ」の所在を示すマーク67cが表示されている。
【0171】
また、表示画面67には、メッセージ表示部67dが設けられている。メッセージ表示部67dには、検索結果を示すメッセージが表示される。図24の例では、「コンビニエンスストア:該当なし 銀行では1件見つかりました」というメッセージが表示されている。
【0172】
代替案として「スーパー」が選択されると、「スーパー」を検索対象分類項目とした検索条件により、検索が行われる。
図25は、第4の実施の形態における検索結果の表示画面例を示す第3の図である。この例は、図23に示す状態から、代替案として「スーパー」が選択された場合の表示画面68を示している。
【0173】
表示画面68には、「場」に含まれる領域の地図68aが表示されている。地図68aの中央付近には、基準位置(たとえば、ユーザの現在位置)を示すマーク68bが表示されている。さらに、弁当を販売する小売店の所在地には、「モノ」の所在を示すマーク68c,68dが表示されている。
【0174】
また、表示画面68には、メッセージ表示部68eが設けられている。メッセージ表示部68eには、検索結果を示すメッセージが表示される。図25の例では、「コンビニエンスストア:該当なし スーパーでは2件見つかりました」というメッセージが表示されている。
【0175】
このように、第4の実施の形態では、指定した検索条件を満たす「モノ」が見つからなかった場合に、目的に応じた意味の代替案候補を自動的にユーザに提示できる。ユーザは、提示された代替案候補から代替案を入力すればよいため、操作入力が容易となる。
【0176】
なお、上記の説明では、概念変更履歴データベース81に設定された選択回数が多い分類項目程、再検索の際に優先的に選択されるものとしたが、優先順をユーザが予め指定しておくこともできる。この場合、概念変更履歴データベース81と同様のデータ構造の優先順指定データベースを設ける。優先順指定データベースでは、概念変更選択回数に相当する情報として優先順を設定する。優先順の情報は、ユーザによって任意に設定され、演算手段53による更新は行われない。そして、演算手段53は、検索条件に合致する情報が見つからない場合、検索対象分類項目と同じ階層の分類項目のうち、優先順が高い分類項目を選択して、再検索用の検索条件を生成する。
【0177】
[第5の実施の形態]
次に、第5の実施の形態について説明する。第5の実施の形態は、上記第1〜第4の実施の形態を実現するための機能の一部を、サーバコンピュータ(以下、単にサーバと呼ぶ)に担わせたものである。
【0178】
図26は、第5の実施の形態のシステム構成例を示す図である。第5の実施の形態では、インターネット200を介してサーバ300とモバイル端末装置400とが接続されている。モバイル端末装置400には、少なくともユーザインタフェース機能が実装される。具体的には、入力手段、取得手段、および表示手段がモバイル端末装置400内に構築される。演算手段と各種データベースは、サーバ300とモバイル端末装置400とのいずれに設けられていてもよい。
【0179】
たとえば、モバイル端末装置400に対しては、ユーザインタフェース機能、位置測定機能およびネットワークを介した通信機能を設け、それ以外の機能をサーバ300に設けた場合、サーバ300は以下の処理を有する。
【0180】
すなわち、サーバ300は、位置依存情報データベース、検索手段、再検索項目条件生成手段、および送信手段を有する。
位置依存情報データベースは、地図上での場所が指定された位置依存情報が、階層が上位になるほど広い意味を有する階層構造の分類項目に分類して登録されたデータベースである。これは、上記の第1〜第4の実施の形態における施設・ランドマークデータベースに相当する。
【0181】
検索手段は、ネットワークに接続された端末装置から位置情報と検索対象分類項目とを指定した検索条件が入力されると、位置依存情報データベースから検索条件に合致する位置依存情報を検索する。
【0182】
再検索項目条件生成手段は、検索条件に合致する位置依存情報が無い場合、検索条件で指定された検索対象分類項目から上位階層に辿り、上位階層の分類項目に含まれる別の概念を新たな検索対象分類項目として設定した再検索項目条件を生成する。そして、再検索項目条件生成手段は、検索手段に対して再検索項目条件を入力する。
【0183】
送信手段は、検索手段による検索の結果を端末装置へ送信する。
一方、モバイル端末装置400は、すくなくとも検索条件をサーバ300に送信する機能と、検索結果を表示する機能とが有ればよい。
【0184】
このような機能をサーバ300に実行させることで、サーバ300が位置依存情報提供装置として機能する。この場合、モバイル端末装置400内に大容量のデータベースを設ける必要が無くなり、小型軽量化が図れる。また、モバイル端末装置400に要求されるデータ処理能力も低くなり、省電力化が図れる。
【0185】
図27は、モバイル端末装置のハードウェア構成例を示す図である。モバイル端末装置400では、CPU(Central Processing Unit)401、RAM(Random Access Memory)402、ROM(Read Only Memory)403、外部記憶装置404、入力インタフェース405、出力インタフェース406、およびネットワークインタフェース407がバス408を介して接続されている。
【0186】
CPU401は、モバイル端末装置400全体を制御する。RAM402は、CPU401がプログラムや処理対象データ等を一時的に格納するための主記憶装置である。ROM403は、OS(Operating System)等のモバイル端末装置400の機能を実現するのに必要なプログラムを格納する不揮発性のメモリである。外部記憶装置404は、ハードディスク装置やフラッシュメモリ等の記録媒体である。
【0187】
入力インタフェース405は、他の外部機器から入力されたデータを受け取り、CPU401に渡す通信インタフェースである。入力インタフェース405には、GPSアンテナ411、カメラ412、キー群413、およびポインティングデバイス414が接続されている。GPSアンテナ411は、測地衛星からの信号を受信するためのアンテナである。GPSアンテナ411は、受信した信号を入力インタフェース405に渡す。カメラ412は、CCD(Charge−Coupled Devices)により画像データを生成し、その画像データを入力インタフェース405に渡す。キー群413は、文字や数字を入力するための複数のキーである。ユーザによって押されたキーに対応する信号が、キー群413から入力インタフェース405に渡される。ポインティングデバイス414は、画面上のカーソルを上下、左右に移動させるための入力装置である。ポインティングデバイス414が操作されることで、カーソルの移動方向を示す信号がポインティングデバイス414から入力インタフェース405に渡される。
【0188】
出力インタフェース406は、他の外部機器へデータを出力するための通信インタフェースである。出力インタフェース406には、ディスプレイ421とスピーカ422とが接続されている。ディスプレイ421は、画像データに基づいて画像を表示する装置である。たとえば、液晶表示装置である。スピーカ422は、サウンドデータに基づいて、音声等を含む様々な音を再生する装置である。出力インタフェース406は、バス408を介して画像データを受け取ると、その画像データをディスプレイ421に対して出力する。また、出力インタフェース406は、バス408を介してサウンドデータを受け取ると、そのサウンドデータをスピーカ422に渡す。
【0189】
ネットワークインタフェース407は、サーバ300等の他の機器とデータ通信を行うための通信インタフェースである。ネットワークインタフェース407は、インターネット200に接続されており、インターネット200を介してサーバ300との間でデータ通信を行う。
【0190】
このようなシステムにより、上記第1〜第4の実施の形態に係る機能を実現することができる。この場合、一部の機能をサーバ300で実行するため、モバイル端末装置400の小型軽量化が容易となる。たとえば、地図データベースをサーバ300に設けておけば、モバイル端末装置400の外部記憶装置404の記憶容量が少なくてすむ。
【0191】
また、ユーザがモバイル端末装置400を携帯することで、GPS機能により、ユーザの位置を自動的に判別することができる。その結果、ユーザの現在位置等を入力する必要がなくなる。
【0192】
[他の応用例]
上記の実施の形態ではGPSを用いて現在位置を測定しているが、他の機能によって現在位置を測定することもできる。たとえば、PHS(Personal Handyphone System)では、通信可能な無線基地局から受信状態等の情報を利用して、現在位置を知ることができる。
【0193】
また、上記の処理機能は、コンピュータによって実現することができる。その場合、サーバやモバイル端末装置等が有すべき機能の処理内容を記述した位置依存情報検索プログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリなどがある。磁気記録装置には、ハードディスク装置(HDD)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープなどがある。光ディスクには、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD−RAM(Random Access Memory)、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD−R(Recordable)/RW(ReWritable)などがある。光磁気記録媒体には、MO(Magneto−Optical disc)などがある。
【0194】
プログラムを流通させる場合には、たとえば、そのプログラムが記録されたDVD、CD−ROMなどの可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
【0195】
プログラムを実行するコンピュータは、たとえば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することもできる。また、コンピュータは、サーバコンピュータからプログラムが転送される毎に、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することもできる。
【0196】
【発明の効果】
以上説明したように本発明では、項目条件に合致する位置依存情報が無い場合、検索条件で指定された検索対象分類項目から上位階層に辿り、上位階層の分類項目に含まれる別の概念を新たな検索対象分類項目として設定した再検索項目条件により再検索を行うようにした。これにより、ユーザは、検索条件の再入力を行わずに、検索条件に近い意味の情報を検索結果として得ることができる。その結果、位置依存情報の検索を行う場合の操作が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態に適用される発明の概念図である。
【図2】位置依存情報の検索手順を示すフローチャートである。
【図3】情報提供システムにおける情報の管理概念を示す図である。
【図4】「行為」と「場」および「モノ」の関係を示す図である。
【図5】第1の実施の形態に係る情報検索システムの構成例を示す図である。
【図6】施設・ランドマークデータベースのデータ構造例を示す図である。
【図7】第1の実施の形態における検索手順を示すフローチャートである。
【図8】第1の実施の形態における検索結果の表示画面例を示す図である。
【図9】第2の実施の形態のシステム構成例を示す図である。
【図10】行動履歴データベースのデータ構造例を示す図である。
【図11】第2の実施の形態の検索処理手順を示すフローチャートである。
【図12】第2の実施の形態における検索結果の表示画面例を示す図である。
【図13】第3の実施の形態に係るシステムの構成例を示す図である。
【図14】第3の実施の形態の施設・ランドマークデータベースのデータ構造例を示す図である。
【図15】概念拡張履歴データベースのデータ構造例を示す図である。
【図16】第3の実施の形態の検索処理手順を示すフローチャートである。
【図17】第3の実施の形態における検索結果の表示画面例を示す第1の図である。
【図18】第3の実施の形態における検索結果の表示画面例を示す第2の図である。
【図19】第3の実施の形態における検索結果の表示画面例を示す第3の図である。
【図20】第4の実施の形態に係るシステムの構成例を示す図である。
【図21】概念変更履歴データベースのデータ構造例を示す図である。
【図22】第4の実施の形態の検索処理手順を示すフローチャートである。
【図23】第4の実施の形態における検索結果の表示画面例を示す第1の図である。
【図24】第4の実施の形態における検索結果の表示画面例を示す第2の図である。
【図25】第4の実施の形態における検索結果の表示画面例を示す第3の図である。
【図26】第5の実施の形態のシステム構成例を示す図である。
【図27】モバイル端末装置のハードウェア構成例を示す図である。
【図28】従来の技術によって検索したときの検索結果の表示画面例を示す図である。
【符号の説明】
1・・・地図データベース、2・・・位置依存情報データベース、3・・・入力手段、4・・・範囲決定手段、5・・・検索手段、6・・・再検索項目条件生成手段、7・・・再検索手段、8・・・表示手段、9a・・・位置情報、9b・・・項目条件、9c・・・再検索項目条件
【発明の属する技術分野】
本発明は位置に依存した情報を検索するための位置依存情報検索方法、位置依存情報検索装置、位置依存情報提供装置、および位置依存情報検索プログラムに関し、特に検索条件に合致する情報が無いときに自動で再検索を行うことができる位置依存情報検索方法、位置依存情報検索装置、位置依存情報提供装置、および位置依存情報検索プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、地図情報のデータベース化が図られ、地図情報を利用した様々な情報提供サービスが行われている。地図情報を利用したサービスの一例として、任意の地点の周辺に存在する施設やランドマークの情報を検索し、ユーザに提示する情報端末装置がある。たとえば、鉄道の駅周辺にある銀行やコンビニエンスストアといった検索条件を設定すると、施設・ランドマークデータベースから検索が行われる。そして、検出された施設の情報が、その施設の所在地周辺の地図と合わせて画面表示される。
【0003】
また、ユーザの位置情報は、GPS(Global Positioning System)等を用いて自動的に取得することができる。これにより、ユーザの現在位置を基準とした周辺情報の検索が可能となる。このような情報端末装置として、車載ナビゲーション装置や歩行者ナビゲーション装置が広く利用されている。また、登録されたメモや写真等の情報を登録時と同じ環境(位置、高度、温度等)にユーザが居る場合にのみ、その登録情報を利用できるようにすることもできる(たとえば、特許文献1参照)。
【0004】
なお、施設・ランドマーク等のデータベースは、各要素を階層的に分類することができる。データベースが階層構造を有していることにより、上位階層から下位の階層へ絞込みを行いながら、目的とする施設やランドマークを検索することができる。たとえば、「レストラン」を検索条件として検索を行うと、下位の階層に含まれる「和食」「中華」「洋食」の全てについて検索を行われる。その一方で、「和食」の階層で検索を行うと、和食レストランのみの検索が行われる。
【0005】
また、データベースに登録されている物件は、緯度や経度のような、地理的な位置を示す位置情報が付加されている。この位置情報によって、各物件と地図データとが関連付けられる。そのため、検索結果として得られた物件の所在地を、地図データベースから得られる地図上で示すことができる。
【0006】
ただし、地図データベースと連携した情報検索は、基準位置から所定の範囲内の施設のみが検索対象である。そのため、検索範囲内に、検索条件に合致する施設が見つからない場合が多々ある。従来、基準地点から一定距離内に該当情報が見つからない場合には、自動的に検索範囲を拡大していた。このとき、単に円状の検索範囲の半径を広げるだけでなく、任意形状の検索範囲としたり、進行方向を重点的に拡大したりすることも考えられていた。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−92853号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ユーザの検索目的によっては、単に地図上の検索範囲を広げただけでは、ユーザにとって最良の検索結果を得ることができないことがある。たとえば、現在位置周辺の検索により検索対象の和食レストランが見つからないとき、代替施設として洋食レストランを探すことがある。この場合、従来の技術では、検索条件の再入力を行うしかなかった。
【0009】
図28は、従来の技術によって検索したときの検索結果の表示画面例を示す図である。これは、食事のときに和食レストランを検索して見つからなかった場合の例である。
【0010】
表示画面90には、地図91が表示されている。その地図91には、検索基準地点を示すマーク92が表示されている。検索基準地点は、たとえば、ユーザの現在位置である。また、表示画面90内には、検索結果を通知するメッセージ93が表示されている。図28の例では、「和食レストラン:該当なし 別の検索条件を設定してください」というメッセージ93が表示されている。
【0011】
この例では、検索範囲内に和食レストランが存在しないため、「該当なし」という結果が得られるだけである。このとき、和食レストランでの食事を諦め、代わりに中華レストランや洋食レストランを探す場合、ユーザは中華や洋食をその都度指定して再度検索を行う必要があった。
【0012】
このように、検索条件に合致する施設等が見つからなかったときに、その都度、検索条件の意味的な概念を広げ、広い概念に含まれる別の検索条件を再入力しなければならず、操作が煩雑になっていた。そこで、検索条件の意味的な概念を広げた再検索を容易に行うことができるシステムが望まれていた。
【0013】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、検索条件に合致した情報が無いときに、検索条件に近い意味のデータを検索結果として提示することができる情報検索装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明では上記課題を解決するために、位置に依存した情報を検索するための位置依存情報検索方法において、位置情報と検索対象分類項目に係る項目条件とが入力されると、前記位置情報に基づき検索対象の範囲を決定し、位置依存情報が階層的に分類されて登録された位置依存情報データベースから、前記項目条件に合致する前記範囲内の前記位置依存情報を検索し、前記検索の結果が所定条件を満たす場合、前記項目条件で指定された前記分類項目から上位階層に辿り、上位階層の前記分類項目に含まれる別の概念を新たな前記検索対象分類項目として設定する再検索項目条件を生成し、前記範囲を維持したまま、前記位置依存情報データベースから前記再検索項目条件に合致する前記範囲内の前記位置依存情報を再検索する、ことを特徴とする位置依存情報検索方法が提供される。
【0015】
このような位置依存情報検索方法によれば、位置情報と項目条件とが入力されると、位置情報に基づき検索対象の範囲が決定される。次に、位置依存情報データベースから、項目条件に合致する範囲内の位置依存情報が検索される。検索の結果が所定条件を満たす場合、項目条件で指定された分類項目から上位階層に辿り、上位階層の分類項目に含まれる別の概念を新たな検索対象分類項目として設定する再検索項目条件が生成される。すると、範囲を維持したまま、位置依存情報データベースから再検索項目条件に合致する上記範囲内の位置依存情報が再検索される。
【0016】
また、上記課題を解決するために、位置に依存した情報を検索する位置依存情報検索装置において、位置依存情報が階層的に分類されて登録された位置依存情報データベースと、位置情報と検索対象分類項目に係る項目条件とが入力されると、前記位置情報に基づき検索対象の範囲を決定する範囲決定手段と、前記位置依存情報データベースから、前記項目条件に合致する前記範囲内の前記位置依存情報を検索する検索手段と、前記検索の結果が所定条件を満たす場合、前記項目条件で指定された前記分類項目から上位階層に辿り、上位階層の前記分類項目に含まれる別の概念を新たな前記検索対象分類項目として設定する再検索項目条件を生成する再検索項目条件生成手段と、前記範囲を維持したまま、前記位置依存情報データベースから前記再検索項目条件に合致する前記範囲内の前記位置依存情報を再検索する再検索手段と、を有することを特徴とする位置依存情報検索装置が提供される。
【0017】
このような位置依存情報検索装置によれば、位置情報と項目条件とが入力されると、範囲決定手段により、位置情報に基づき検索対象の範囲が決定される。次に、検索手段により、位置依存情報データベースから、項目条件に合致する範囲内の位置依存情報が検索される。検索の結果が所定条件を満たす場合、再検索項目条件生成手段により、項目条件で指定された分類項目から上位階層に辿り、上位階層の分類項目に含まれる別の概念を新たな検索対象分類項目として設定する再検索項目条件が生成される。すると、再検索手段により、範囲を維持したまま、位置依存情報データベースから再検索項目条件に合致する上記範囲内の位置依存情報が再検索される。
【0018】
また、上記課題を解決するために、位置に依存した情報をネットワーク経由で提供する位置依存情報提供装置において、位置依存情報が階層的に分類されて登録された位置依存情報データベースと、前記ネットワークに接続された端末装置から位置情報と検索対象分類項目に係る項目条件とが入力されると、前記位置情報に基づき検索対象の範囲を決定する範囲決定手段と、前記位置依存情報データベースから、前記項目条件に合致する前記範囲内の前記位置依存情報を検索する検索手段と、前記検索の結果が所定条件を満たす場合、前記項目条件で指定された分類項目から上位階層に辿り、上位階層の前記分類項目に含まれる別の概念を新たな前記検索対象分類項目として設定する再検索項目条件を生成する再検索項目条件生成手段と、前記範囲を維持したまま、前記位置依存情報データベースから前記再検索項目条件に合致する前記範囲内の前記位置依存情報を再検索する再検索手段と、前記検索手段および/または前記再検索手段による検索の結果を前記端末装置へ送信する送信手段と、を有することを特徴とする位置依存情報提供装置が提供される。
【0019】
このような位置依存情報提供装置によれば、端末装置から位置情報と項目条件とが入力されると、範囲決定手段により、位置情報に基づき検索対象の範囲が決定される。次に、検索手段により、位置依存情報データベースから、項目条件に合致する範囲内の位置依存情報が検索される。検索の結果が所定条件を満たす場合、再検索項目条件生成手段により、項目条件で指定された分類項目から上位階層に辿り、上位階層の分類項目に含まれる別の概念を新たな検索対象分類項目として設定する再検索項目条件が生成される。すると、再検索手段により、範囲を維持したまま、位置依存情報データベースから再検索項目条件に合致する上記範囲内の位置依存情報が再検索される。そして、送信手段により、検索結果が端末装置に送信される。
【0020】
また、上記課題を解決するために、位置に依存した情報を検索するための位置依存情報検索プログラムにおいて、コンピュータに、位置情報と検索対象分類項目に係る項目条件とが入力されると、前記位置情報に基づき検索対象の範囲を決定し、位置依存情報が階層的に分類されて登録された位置依存情報データベースから、前記項目条件に合致する前記範囲内の前記位置依存情報を検索し、前記検索の結果が所定条件を満たす場合、前記項目条件で指定された分類項目から上位階層に辿り、上位階層の前記分類項目に含まれる別の概念を新たな前記検索対象分類項目として設定する再検索項目条件を生成し、前記範囲を維持したまま、前記位置依存情報データベースから前記再検索項目条件に合致する前記範囲内の前記位置依存情報を再検索する、処理を実行させることを特徴とする位置依存情報検索プログラムが提供される。
【0021】
このようなプログラムをコンピュータに実装させると、コンピュータにより、上記本発明に係る位置依存情報検索方法に従った処理が実行される。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
まず、実施の形態に適用される発明の概要について説明し、その後、実施の形態の具体的な内容を説明する。
【0023】
図1は、実施の形態に適用される発明の概念図である。本発明は、場所に依存した情報の提供方法に関連するものである。情報提供方法を実行するための機能をブロックで示すと図1のようになる。図1には、地図データベース1、位置依存情報データベース2、入力手段3、範囲決定手段4、検索手段5、再検索項目条件生成手段6、再検索手段7および表示手段8が示されている。
【0024】
地図データベース1には、地図データが格納されている。
位置依存情報データベース2には、地図上での場所が指定された位置依存情報が、階層が上位になるほど広い意味を有するように階層的に分類して登録されている。図1の例では、最も広い意味を有する分類項目が「分類項目A」である。「分類項目B」と「分類項目C」とは、「分類項目A」の下位構造である。この場合、「分類項目B」で示される意味と「分類項目C」で示される意味とは、「分類項目A」で示される意味に包含される。また、「分類項目D」と「分類項目E」とは、「分類項目B」の下位構造である。この場合、「分類項目D」で示される意味と「分類項目E」で示される意味とは、「分類項目B」で示される意味に包含される。
【0025】
「分類項目D」と「分類項目E」とには、位置依存情報が関連付けられている。位置依存情報には、地図上の位置を特定する情報(たとえば、緯度、経度)が含まれている。なお、「分類項目D」と「分類項目E」とに関連付けられた位置依存情報は、上位の分類項目(「分類項目A」、「分類項目B」)にも関連付けられる。
【0026】
入力手段3は、ユーザからの操作入力等に応じて位置情報9aと検索対象分類項目に係る項目条件9bとを入力する。
範囲決定手段4は、位置情報9aに基づき、検索対象とする範囲(位置情報に基づき特定される地理的な範囲)を決定する。たとえば、位置情報9aから所定の距離内の空間を範囲として決定する。決定された範囲が、検索対象範囲となる。
【0027】
検索手段5は、入力された項目条件9bに合致する位置依存情報を、位置依存情報データベース2から検索する。具体的には、項目条件9bで指定された分類項目に関連付けられた位置依存情報の中から、範囲決定手段4で決定された範囲内の場所が指定されている位置依存情報を検索する。検索手段5は、位置情報で示された位置周辺の地図データを地図データベース1から取得し、検索結果と共に表示手段8に渡す。
【0028】
再検索項目条件生成手段6は、検索の結果が所定条件を満たす場合、項目条件9bで指定された分類項目から上位階層に辿り、上位階層の分類項目に含まれる別の概念を新たな検索対象分類項目として設定する再検索項目条件9cを生成する。所定の条件とは、たとえば、項目条件9bに合致する位置依存情報が無い場合、あるいは合致件数が所定数以下の場合である。そして、再検索項目条件生成手段6は、生成した再検索項目条件9cを再検索手段7に入力する。
【0029】
なお、上位階層の分類項目に含まれる別の概念として、検索対象分類項目の上位階層の分類項目を選択すれば、広い概念に含まれる全ての位置依存情報が検索対象となる。
【0030】
また、検索対象分類項目と上位の分類項目を共有する他の分類項目を選択すれば、広い概念に含まれる一部の位置依存情報が検索対象となる。これは、検索対象分類項目から上位階層に辿り、その後、別のルートで下位の階層に辿ることを意味する。
【0031】
再検索手段7は、再検索項目条件生成手段6で生成された再検索項目条件9cに合致する位置依存情報を、位置依存情報データベース2から検索する。具体的には、再検索項目条件9cで指定された分類項目に関連付けられた位置依存情報の中から、範囲決定手段4で決定された範囲内の場所が指定されている位置依存情報を検索する。再検索手段7は、位置情報で示された位置周辺の地図データを地図データベース1から取得し、検索結果と共に表示手段8に渡す。
【0032】
表示手段8は、検索手段5および/または再検索手段7による検索結果を画面に表示する。たとえば、表示手段8は、地図データに基づいて地図を表示し、地図上に、検索条件に含まれる位置情報と、検索結果として得られた位置依存情報との場所を示すマークを表示する。また、表示手段8は、項目条件9bと再検索項目条件9cとのそれぞれに合致した位置依存情報の件数を示すメッセージを表示する。
【0033】
このような構成のシステムにより、位置依存情報の検索を効率的に行うことができる。以下、図1に示すシステムによる検索手順を、フローチャートを参照して説明する。なお、以下の例では、入力された項目条件に合致する位置依存情報が検出されないとき、再検索を行うものとする。
【0034】
図2は、位置依存情報の検索手順を示すフローチャートである。以下、図2に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
[ステップS1]入力手段3が位置情報9aと項目条件9bとの入力を受け付ける。入力手段3は、受け付けた検索条件を検索手段5に渡す。図1の例では、「分類項目D」が項目条件9bとして指定されている。
【0035】
[ステップS2]範囲決定手段4には、位置情報9aに基づいて、検索対象の範囲(地理的な範囲)が決定される。
[ステップS3]検索手段5は、決定された範囲内から項目条件9bに合致する位置依存情報を、位置依存情報データベース2から検索する。
【0036】
[ステップS4]検索手段5は、合致する位置依存情報の有無を判断する。合致する位置依存情報が無い場合、検索手段5は、「該当なし」であることを再検索項目条件生成手段6に通知し、処理がステップS5に進められる。合致する位置依存情報がある場合、検索手段5は、位置された位置情報周辺の地図データを地図データベース1から取得し、検索結果として得られた位置依存情報と共に表示手段8に渡す。その後、処理がステップS6に進められる。
【0037】
なお、再検索項目条件9cが生成された場合は、同様の検索処理が再検索手段7によって行われる。
[ステップS5]再検索項目条件生成手段6は、再検索項目条件9cを生成する。再検索項目条件の位置情報は、入力手段3で入力された位置情報と同じである。再検索項目条件9cの検索対象分類項目は、入力手段3で入力された項目条件9bの検索対象分類項目より上位の階層に辿ることで到達可能な別の概念の分類項目である。図1の例では、「分類項目D」を1階層だけ上位に辿り、「分類項目B」を再検索項目条件9cに設定している。上位の階層の分類項目を設定することで、分類項目の概念が広げられ、広い意味の検索が行われる。
【0038】
再検索項目条件生成手段6は、生成した再検索項目条件9cを検索手段5に渡す。そして、処理がステップS2に進められる。これにより、検索手段5により、再検索項目条件9cに基づく再検索が行われる。
【0039】
[ステップS6]表示手段8が検索結果を表示する。
以上のようにして、検索条件に合致していないとき、項目条件で指定された分類項目を、広い概念の分類項目に変換して自動的に再検索を行うことができる。これにより、検索条件に合致する位置依存情報がない場合、意味的に近い別の分類項目に含まれる位置依存情報が表示される。その結果、検索条件の再入力の手間が省け、情報検索システムの操作性が向上する。
【0040】
なお、項目条件で指定された検索対象分類項目の1階層上位の分類項目を、新たな検索対象分類項目として再検索項目条件を生成することもできる。同様に、項目条件で指定された検索対象分類項目と上位の分類項目を共有する同一階層の分類項目を、新たな検索対象分類項目として再検索項目条件を生成することもできる。さらに、これらの再検索項目条件の生成処理の双方を行ってもよい。
【0041】
このように分類項目の一段上、あるいは同一階層の分類項目により再検索を行うことで、入力された項目条件に似た概念の検索結果が自動的に得られる。
また、同一階層の分類項目および/または上位の分類項目が複数有る場合、予めユーザにより任意に設定された優先順位に従って選択した分類項目を、新たな検索対象分類項目として再検索項目条件を生成することができる。同様に、過去の選択履歴に基づいて、選択回数の多い分類項目から優先的に新たな検索対象分類項目として選択して、再検索項目条件を生成することもできる。また、同一階層の分類項目のリストを表示し、ユーザにより指定された分類項目を新たな検索対象分類項目として選択して、再検索項目条件を生成してもよい。さらに、これらの再検索項目条件の生成処理のうちの複数の処理を行ってもよい。
【0042】
このように、再検索項目条件を選択するための優先順位を定義しておくことで、ユーザの検索意図に合った再検索を行うことができる。
また、同一階層の分類項目が複数有る場合、同一階層の分類項目のリストを表示し、ユーザにより指定された分類項目を新たな検索対象分類項目を選択して再検索項目条件を生成する場合、検索対象分類項目の上位の分類項目が複数有る場合、上位の分類項目の少なくとも1つを共有する同一階層の分類項目のリストを表示することができる。
【0043】
これにより、入力された項目条件で指定された検索対象分類項目が上位の分類項目を複数有するとき、それぞれの上位階層を辿ったときの分類項目のリストを表示させることができる。
【0044】
また、検索対象分類項目が入力されると、測地機能により現在位置を測定し、前記現在位置に基づいて範囲を決定することができる。これにより、ユーザが位置情報を入力する手間が省ける。
【0045】
以下に、本発明の実施の形態の具体的内容を説明する。なお、以下の実施の形態では、範囲決定手段4、検索手段5、再検索項目条件生成手段6、および再検索手段7との機能は、1つの演算手段において実現されている。
【0046】
[第1の実施の形態]
第1の実施の形態は、3次元空間内の任意の位置にユーザが様々な情報を関連付け、その情報を提供するシステムに、本発明に係る情報検索機能を適用したものである。まず、第1の実施の形態における場所に依存した情報提供システムの概念について説明する。
【0047】
図3は、情報提供システムにおける情報の管理概念を示す図である。場所に依存した情報提供システムでは、様々な場所に相当する「場」の概念と、「場」に存在する様々な「モノ」の概念、「場」におけるユーザの様々な「行為」の概念の3つにより定義されるものである。
【0048】
図3に示すように、「場」は現実世界に存在する任意の大きさの仮想的な閉領域101であり、「行為」を行うユーザ102がその「場」に入ることにより、「場」内の「モノ」に関連付けられた情報の提供が行なわれる。
【0049】
図4は、「行為」と「場」および「モノ」の関係を示す図である。図4に示すように、「場」には「Enter」、「Direct」、「Release」というユーザの「行為」が存在する。
【0050】
「Enter」は、「場」に入るという行為である。「場」に入ることにより、その「場」に応じた情報が受信できる。
「Direct」は「場」に入り、ある方向を向くという行為である。ある方向を向くことにより、向いた方向に応じた情報が受信できる。
【0051】
「Release」は「場」に情報を置くという行為である。情報を置くことにより後で別のユーザがその情報を見ることが可能となる。
「モノ」は現実世界に実際に存在する物(たとえば、建物)に情報が付加されたものである。ユーザがその「モノ」を見ることにより、ユーザに対して「モノ」に応じた情報提供が行なわれる。
【0052】
「モノ」には「Enter」、「Release」というユーザの「行為」が存在する。「Enter」はその「モノ」を見るという行為である。ユーザは、見ることによって「モノ」に応じた情報が受信できる。「Release」はその「モノ」に情報を置くという行為である。置くことにより後で別のユーザがその情報を見ることが可能となる。
【0053】
第1の実施の形態においては、「場」に複数の「モノ」があり、その中からユーザが定める条件を満たす「モノ」を検索する。そして、検索において該当する「モノ」が見つからなかった場合に、その代替となる「モノ」を自動的に提示する。
【0054】
図5は、第1の実施の形態に係る情報検索システムの構成例を示す図である。情報検索システムは、地図データベース10、施設・ランドマークデータベース20、入力手段30、位置取得手段40、演算手段50、および表示手段80を有している。
【0055】
地図データベース10は、地図情報が格納されたデータベースである。地図データベース10からは、指定された位置から所定の範囲の地図情報を取り出すことができる。
【0056】
施設・ランドマークデータベース20は、施設やランドマーク(建物や記念碑などの目印となる物)に関する情報が階層構造で格納されたデータベースである。施設・ランドマークデータベース20に格納された情報が「モノ」に相当する。
【0057】
入力手段30は、ユーザからの操作入力により検索対象分類項目を受け付け、その入力内容を演算手段50に渡す。入力手段30としては、キーボードやマウスなどがある。
【0058】
位置取得手段40は、ユーザの位置情報を取得する。たとえば、位置取得手段40は、GPSを利用してユーザの位置情報を取得する。たとえば、ユーザの所持するモバイル端末装置にGPSアンテナを設ける。そして、位置取得手段40は、そのGPSアンテナによって測地衛星からの信号を受信し、受信した信号に基づいてユーザの現在位置を算出する。位置取得手段40は、取得した位置情報を演算手段50に渡す。
【0059】
演算手段50は、入力手段30からの入力に応答して、施設・ランドマークデータベース20に対する検索を行い、検索結果を表示手段80に渡す。具体的には、演算手段50は、入力手段30から検索対象分類項目を受け取ると、位置取得手段40から、現在位置を取得する。そして、演算手段50は、現在位置と検索対象分類項目とを検索条件として、施設・ランドマークデータベース20の検索を行う。演算手段50は、検索結果として該当する「モノ」が見つかった場合、現在位置周辺の地図を地図データベース10から取得し、取得した地図上に検索結果の「モノ」を配置した画像データを表示手段80に渡す。なお、検索条件に合致する「モノ」が見つからない場合は、検索対象分類項目の意味を広げた再検索が行われる。
【0060】
表示手段80は、演算手段50から受け取った画像データに基づいて、検索結果を表示する。
図6は、施設・ランドマークデータベースのデータ構造例を示す図である。施設・ランドマークデータベース20は、複数の分類項目21〜27が階層的に関連付けられている。上位の階層の分類項目は、下位の階層の分類項目の意味や概念を広げたものである。最下層の分類項目25〜27には、その分類項目および上位の分類項目に属する情報が設定されている。
【0061】
図6の例では、「食事」の分類項目21と「買物」の分類項目22とが同じ階層に分類されている。「食事」の分類項目21には、下位の構造として「レストラン」の分類項目23や「喫茶」の分類項目24などがある。「レストラン」の分類項目23には、下位の構造として「和食」の分類項目25、「中華」の分類項目26、「洋食」の分類項目27などがある。
【0062】
「和食」の分類項目25には、和食レストランに関する情報が設定されている。「中華」の分類項目26には、中華レストランに関する情報が設定されている。「洋食」の分類項目27には、洋食レストランに関する情報が設定されている。分類項目25〜27に設定された情報には、緯度、経度、営業時間等が含まれる。
【0063】
施設・ランドマークデータベース20が階層構造を採っていることにより、上位の階層から下位の階層へ絞込みを行いながら、目的とする施設やランドマークを検索することができる。例えば、「レストラン」を検索条件として検索を行うと、下位の階層に含まれる「和食」「中華」「洋食」の全てについて検索が行われる一方で、「和食」の階層で検索を行うと、和食レストランのみの検索を行うことができる。また、施設・ランドマークデータベース20に登録されている物件は、緯度や経度のような、地理的な位置を示す情報を持ち、地図データベース10から得られる地図上でその位置を示すことができる。
【0064】
以上のような構成のシステムにおいて、以下の様な手順で検索処理が行われる。
図7は、第1の実施の形態における検索手順を示すフローチャートである。以下、図7に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
【0065】
[ステップS11]演算手段50は、入力手段30からの検索指示に応答して「場」の選択を行う。このとき地図上の任意の地点を含む「場」を選択することができる。ただし、ユーザの現在位置を含む「場」、すなわちユーザが「Enter」している「場」を選択するのが望ましい。ユーザの現在位置を含む「場」を選択する場合、演算手段50は、位置取得手段40から現在位置を取得する。現在位置は、たとえば、緯度と経度とで示される。演算手段50は、現在位置を基準位置として、その基準位置から所定の距離内の空間を「場」と定める。
【0066】
[ステップS12]演算手段50は、検索の条件を設定する。具体的には、演算手段50は、入力手段30から入力された検索対象分類項目と、ステップS11で選択した「場」によって検索条件を定める。検索対象分類項目は、施設・ランドマークデータベース20にある分類項目の中から任意の分類項目を指定できる。たとえば「和食レストラン」を検索対象分類項目として指定できる。
【0067】
[ステップS13]演算手段50は、「場」の中から検索条件を満たす「モノ」を、施設・ランドマークデータベース20から検索する。具体的には、演算手段50は、検索対象分類項目として指定された分類項目およびその下位構造の分類項目に設定されている情報の中から、ステップS11で選択された「場」に含まれる「モノ」を検索する。各「モノ」が「場」の中にあるか否かは、「モノ」の位置(緯度および経度)と「場」の基準位置との距離を算出することで判断できる。「モノ」と「場」の基準位置との距離が所定の距離以内であれば、その「モノ」が「場」の中にある。
【0068】
[ステップS14]演算手段50は、検索によって、検索条件に合致するものが見つかったか否かを判断する。該当する「モノ」が見つかった場合は、処理がステップS15に進められる。該当する「モノ」が見つからなかった場合は、処理がステップS16に進められ、代替となる「モノ」の探索が行われる。
【0069】
[ステップS15]該当する「モノ」が見つかった場合、演算手段50は、検索結果を示す画像データを表示手段80に渡す。これにより、表示手段80によって検索結果が表示され、処理が終了する。これにより、検索条件に合致する「モノ」が、ユーザに提示される。
【0070】
[ステップS16]演算手段50は、検索を続行するか否かを判断する。これは、データベースの階層を更に上位に遡るかどうかの判断でもある。判断基準としては、たとえば階層を上へ辿った回数が決まった回数に達したら検索を打ち切るという方法などが考えられる。既に何度か階層を遡っている場合は、検索を打ち切ることで、無用に検索条件を広く設定するのを防ぐことができる。検索を続行する場合、処理がステップS17に進められる。検索を終了する場合、処理がステップS18に進められる。
【0071】
[ステップS17]演算手段50は、施設・ランドマークデータベース20において1つ上位階層の分類項目を、検索条件の検索対象分類項目に設定する。たとえば、「和食レストラン」という条件で検索結果が見つからなかった場合、その1つ上位の階層である「レストラン」が新しい検索条件になる。すなわち、より意味が広い検索条件が自動的に設定されることになり、何らかの「モノ」が代替案として検索される可能性が高くなる。その後、処理がステップS13に進められ、新たに生成された条件に基づいた検索が実行される。
【0072】
[ステップS18]ステップS16において、検索を続行しない旨の判断が行われた場合、演算手段50はその旨を示すメッセージを表示手段80に渡す。そして、表示手段80により、該当する情報が無いことを示すメッセージ(たとえば「該当なし」のメッセージ)が表示される。これにより、ユーザが指定した検索条件およびその検索条件の意味を広げた再検索用の検索条件において該当する[モノ」が発見されなかったことが提示される。その後、処理が終了する。
【0073】
図8は、第1の実施の形態における検索結果の表示画面例を示す図である。この例は、ユーザが「和食レストラン」を検索条件に設定したところ、「和食レストラン」に該当する情報が見つからず、代替案として広い概念の「レストラン」で検索したときに該当する情報が見つかった場合を示している。
【0074】
表示画面61には、「場」に含まれる領域の地図61aが表示されている。地図61aの中央付近には、基準位置(たとえば、ユーザの現在位置)を示すマーク61bが表示されている。また、検出された各レストランの所在地には、「モノ」の所在を示すマーク61c〜61fが表示されている。
【0075】
また、表示画面61には、メッセージ表示部61gが設けられている。メッセージ表示部61gには、検索結果を示すメッセージが表示される。図8の例では、「和食レストラン:該当なし レストランでは4件見つかりました」というメッセージが表示されている。
【0076】
以上のようにして、本発明の第1の実施の形態では、指定した検索条件を満たす「モノ」が見つからなかった場合に、それよりも広い意味(上位の階層の分類項目)の代替案を自動的にユーザに提示することができる。すなわち、まず、任意の場所の周辺にある施設やランドマークの情報が、施設・ランドマークデータベース20のある階層で検索される。検索の結果、該当する検索結果が見つからなかった場合、自動的にデータベースの上位階層のより広い意味での検索条件が設定され、検索が続行される。
【0077】
したがって、検索条件の再設定および再検索の操作を行わなくても、多くの場合に何らかの代替案が提示される。たとえば、ユーザが指定した和食レストランが「場」に無い場合であっても、検索条件の再入力等の操作を行わずに「場」内の他のレストランの存在を知ることができる。これにより、位置に依存する情報の検索を容易に行うことができる。
【0078】
また、位置取得手段40によりユーザの現在位置を取得することで、ユーザの現在位置を基準として、周辺にある施設やランドマークの情報を検索できる。このとき、該当する検索結果が見つからなければ、自動的にデータベースの上位階層配下の別の分類項目での検索条件が設定され、検索が続行される。したがって、検索条件の再設定および再検索の操作を行わなくても、ユーザの現在位置周辺の「場」から、より広い意味を有する情報が代替案として提示される。
【0079】
[第2の実施の形態]
次に、第2の実施の形態について説明する。本発明の第2の実施の形態は、指定した検索条件を満たす「モノ」が見つからなかった場合に、近い意味を持つ他の分類項目の代替案をユーザに提示できるようにしたものである。近い意味を持つ他の分類項目とは、たとえば、指定された検索対象分類項目と同じ階層の分類項目であり、上位の分類項目を共通にするものである。
【0080】
図9は、第2の実施の形態のシステム構成例を示す図である。なお、第2の実施の形態を実現するためのシステム構成は第1の実施の形態とほぼ同じであるため、同じ機能の要素には同一の符号を付し説明を省略する。図9に示すように、第2の実施の形態では、行動履歴データベース70が新たに追加され、演算手段51の処理機能が変更されている。
【0081】
行動履歴データベース70は、ユーザの行動履歴を格納するデータベースである。たとえば、情報検索を行う際の分類項目の選択回数が、行動履歴データベース70に格納される。
【0082】
図10は、行動履歴データベースのデータ構造例を示す図である。この例では、行動履歴データベース70内に、分類項目と選択回数との欄が設けられている。各欄の横方向に並べられた情報同士が互いに関連付けられている。
【0083】
分類項目の欄には、施設・ランドマークデータベース20内の各分類項目の名称が設定される。選択回数の欄には、対応する分類項目がユーザによって選択された回数が設定される。図10の例では、「和食」の分類項目は3回選択されている。「中華」の分類項目は8回選択されている。「洋食」の分類項目は5回選択されている。
【0084】
第2の実施の形態では、同一の階層の分類項目に関して、選択回数に応じた優先順位が付けられる。すなわち、選択回数が多い分類項目ほど、検索対象とする分類項目を自動選択する際に優先的に選択される。
【0085】
演算手段51は、ユーザが選択した分類項目を含む検索条件に合致する情報が見つからなかった場合に、同じ階層の別の分類項目を自動的に選択し、再度検索を行う。
【0086】
以下に演算手段51が行う処理を説明する。
図11は、第2の実施の形態の検索処理手順を示すフローチャートである。以下、図11に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
【0087】
[ステップS21]演算手段51は、入力手段30からの検索指示に応答して「場」の選択を行う。このとき地図上の任意の地点を含む「場」を選択することができる。ただし、ユーザの現在位置を含む「場」、すなわちユーザが「Enter」している「場」を選択するのが望ましい。ユーザの現在位置を含む「場」を選択する場合、演算手段51は、位置取得手段40から現在位置を取得する。演算手段51は、現在位置を基準位置として、その基準位置から所定の距離内の空間を「場」と定める。
【0088】
[ステップS22]演算手段51は、検索の条件を設定する。具体的には、演算手段51は、入力手段30から入力された検索対象分類項目と、ステップS21で選択した「場」によって検索条件を定める。検索対象分類項目は、施設・ランドマークデータベース20にある分類項目の中から任意の分類項目を指定できる。たとえば「和食レストラン」を検索対象分類項目として指定できる。
【0089】
このとき、演算手段51は、行動履歴データベース70にアクセスし、検索対象分類項目として設定した分類項目の選択回数に1を加算する。
[ステップS23]演算手段51は、「場」の中から検索条件を満たす「モノ」を、施設・ランドマークデータベース20から検索する。具体的には、演算手段51は、検索対象分類項目として指定された分類項目およびその下位構造の分類項目に設定されている情報の中から、ステップS21で選択された「場」に含まれる「モノ」を検索する。各「モノ」が「場」の中にあるか否かは、「モノ」の位置(緯度および経度)と「場」の基準位置との距離を算出することで判断できる。「モノ」と「場」の基準位置との距離が所定の距離以内であれば、その「モノ」が「場」の中にある。
【0090】
[ステップS24]演算手段51は、検索によって、検索条件に合致するものが見つかったか否かを判断する。該当する「モノ」が見つかった場合は、処理がステップS25に進められる。該当する「モノ」が見つからなかった場合は、処理がステップS26に進められ、代替となる「モノ」の探索が行われる。
【0091】
[ステップS25]該当する「モノ」が見つかった場合、演算手段51は、検索結果を示す画像データを表示手段80に渡す。これにより、表示手段80によって検索結果が表示され、処理が終了する。その結果、検索条件に合致する「モノ」が、ユーザに提示される。
【0092】
[ステップS26]演算手段51は、検索を続行するか否かを判断する。これは、データベースの階層を更に上位に遡るかどうかの判断でもある。判断基準としては、たとえば階層を上へ辿った回数が決まった回数に達したら検索を打ち切るという方法などが考えられる。既に何度か階層を遡っている場合は、検索を打ち切ることで、無用に検索条件を広く設定するのを防ぐことができる。検索を続行する場合、処理がステップS27に進められる。検索を終了する場合、処理がステップS30に進められる。
【0093】
[ステップS27]演算手段51は、施設・ランドマークデータベース20で、現在設定されている検索対象分類項目と同一の階層(上位の分類項目が同一)に、別の分類があるかどうかの判断を行う。例えば、「和食」と同一階層(「レストラン」の下)には、他に「中華」や「洋食」という分類項目がある。同一階層に別の分類項目が有る場合、処理がステップS28に進められる。同一階層に別の分類項目が無い場合、処理がステップS29に進められる。
【0094】
[ステップS28]演算手段51は、現在設定されている検索条件と同一階層に別の分類項目があることが判明したら、新しい検索対象分類項目をそれらの中から選んで設定する。その後、処理がステップS23に進められ、新たな検索条件により再度検索が行われる。これにより、例えば和食レストランが見つからなかった場合の代替案として、自動的に中華レストランが検索される。
【0095】
ここで、ユーザの過去の行動履歴から自動的に優先順位が定められる。具体的には、演算手段51は、行動履歴データベース70を参照し、検索条件に現在設定されている分類項目と同一階層の分類項目の選択回数を取得する。そして、まだ検索対象とされていない分類項目のうち、選択回数が最も多い分類項目を選択する。このようにして、ユーザが過去に選択した回数が多い順に、自動的に優先順位を定めることができる。
【0096】
[ステップS29]一方、ステップS27で現在の検索条件と同一階層にはもう別の分類項目がないと判断された場合には、施設・ランドマークデータベース20の階層構造を上へ辿り、新しい上位の階層の分類項目を検索条件に設定する。その後、処理がステップS23に進められ、新たな検索条件によって再度検索が行われる。
【0097】
この場合、現在の階層は全て検索を終えて、該当物件が見つからないことがステップS27で判明しているので、一度に階層を2つ上へ辿る。例えば、「和食」「中華」「洋食」のいずれの条件でも検索結果が見つからなかった場合、その2つ上位の階層である「食事」が新しい検索条件の検索対象分類項目になる。これにより、「レストラン」だけでなく「喫茶」も検索対象となる。すなわち、更に意味が広い検索条件が自動的に設定されることになり、何らかの「モノ」が代替案として検索される可能性が高くなる。
【0098】
[ステップS30]ステップS26において、検索を続行しない旨の判断が行われた場合、演算手段51はその旨を示すメッセージを表示手段80に渡す。そして、表示手段80により、該当する情報が無いことを示すメッセージ(たとえば「該当なし」のメッセージ)が表示される。これにより、ユーザが指定した検索条件およびその検索条件の意味を広げた再検索用の検索条件において該当する「モノ」が発見されなかったことが提示される。その後、処理が終了する。
【0099】
図12は、第2の実施の形態における検索結果の表示画面例を示す図である。この例は、ユーザが「和食レストラン」を検索条件に設定したところ、「和食レストラン」に該当する情報が見つからず、代替案として異なる概念の「中華レストラン」で検索したときに該当する情報が見つかった場合を示している。
【0100】
表示画面62には、「場」に含まれる領域の地図62aが表示されている。地図62aの中央付近には、基準位置(たとえば、ユーザの現在位置)を示すマーク62bが表示されている。さらに、検出された中華レストランの所在地には、「モノ」の所在を示すマーク62c〜62dが表示されている。
【0101】
また、表示画面62には、メッセージ表示部62eが設けられている。メッセージ表示部62eには、検索結果を示すメッセージが表示される。図12の例では、「和食レストラン:該当なし 中華レストランでは2件見つかりました」というメッセージが表示されている。
【0102】
なお、上記の説明では、行動履歴データベース70に設定された選択回数が多い分類項目程、再検索の際に優先的に選択されるものとしたが、優先順をユーザが予め指定しておくこともできる。この場合、行動履歴データベース70と同様のデータ構造の優先順指定データベースを設ける。優先順指定データベースでは、選択回数に相当する情報として優先順を設定する。優先順の情報は、ユーザによって任意に設定され、演算手段51による更新は行われない。
【0103】
そして、演算手段51は、検索条件に合致する情報が見つからない場合、検索対象分類項目と同じ階層の分類項目のうち、優先順が高い分類項目を選択して再検索用の検索条件を生成する。たとえば、ユーザは食事の嗜好を「和食」「中華」「洋食」の順に優先することを事前に設定しておく。この場合、演算手段51は、設定された優先順位に従って、まだ検索対象となっていない分類項目を選択する。
【0104】
以上のようにして、本発明の第2の実施の形態では、指定した検索条件を満たす「モノ」が見つからなかった場合に、次に優先される検索条件での代替案を自動的にユーザに提示することができる。すなわち、まず、任意の場所やユーザの現在位置の周辺にある施設やランドマークの情報が、データベースのある階層で検索される。検索の結果、該当する検索結果が見つからなかった場合、同一階層にある別の分類項目が自動的に検索条件として選択され、検索が続行される。
【0105】
ここで別の分類項目を選択する際の優先順位は、ユーザが事前に設定することもできるし、ユーザの過去の選択履歴から自動的に設定することもできる。したがって、検索条件の再設定および再検索の操作を行わなくても、多くの場合に何らかの代替案が提示される。
【0106】
[第3の実施の形態]
次に、第3の実施の形態について説明する。第3の実施の形態は、検索対象の分類項目に対する上位の構造が複数ある場合にも本発明を適用できるようにしたものである。
【0107】
図13は、第3の実施の形態に係るシステムの構成例を示す図である。なお、第3の実施の形態を実現するためのシステム構成は第1の実施の形態とほぼ同じであるため、同じ機能の要素には同一の符号を付し説明を省略する。図13に示すように、第3の実施の形態では、概念拡張履歴データベース80が新たに追加されている。また、演算手段52の処理機能が変更されていると共に、施設・ランドマークデータベース20aのデータ構造が変更されている。
【0108】
施設・ランドマークデータベース20aは、1つの分類項目に対する上位階層として複数の分類項目を設定可能な階層構造のデータベースである。
概念拡張履歴データベース80は、検索の際に、ユーザが概念拡張の指示を行った際の、概念拡張先の選択回数を格納するデータベースである。
【0109】
演算手段52は、入力された検索条件に従って、施設・ランドマークデータベース20aの検索を行う。また、演算手段52は、検索条件に該当する「モノ」が無い場合、上位階層の分類項目の1つを選択して、選択した分類項目を検索対象とした検索を行う。
【0110】
図14は、第3の実施の形態の施設・ランドマークデータベースのデータ構造例を示す図である。施設・ランドマークデータベース20aは、複数の分類項目21a〜25aが階層的に関連付けられている。上位の階層の分類項目は、下位の階層の分類項目の意味や概念を広げたものである。最下層の分類項目23a〜25aには、その分類項目に属する情報が設定されている。また、下位の階層の分類項目は、上位の階層の複数の分類項目に対して関連付けることができる。すなわち、第3の実施の形態では、施設・ランドマークデータベース20aの階層構造の中で、ある分類項目が複数の分類項目の下に属する可能性を認めている。
【0111】
図14の例では、「ATM」の分類項目21aと「弁当」の分類項目22aとが同じ階層に分類されている。「ATM」の分類項目21aの下位の構造として、「銀行」の分類項目23aと「コンビニエンスストア」の分類項目24aとが設けられている。また、「弁当」の分類項目22aの下位の構造として、「コンビニエンスストア」の分類項目24aと「スーパー」の分類項目25aとが設けられている。
【0112】
このように「コンビニエンスストア」の分類項目24aは、「ATM」の分類項目21aの下位構造であると共に「弁当」の分類項目22aの下位構造でもある。最近では、多くのコンビニエンスストアの店舗内に銀行等の金融機関のATMが設置されている。従って、銀行口座から現金を引き出す目的でコンビニエンスストアを探している場合を想定し、「コンビニエンスストア」の分類項目24aの上位階層として「ATM」の分類項目が設定されている。また、弁当の購入目的でコンビニエンスストアを探している場合を想定し、「コンビニエンスストア」の分類項目24aの上位階層として「ATM」の分類項目21aが設定されている。すなわち、「コンビニエンスストア」という分類項目24aは、現金の引き出しをするための施設という観点から「ATM」という分類項目21aの下に属しているが、同時に弁当を買うための施設という観点から「弁当」という分類項目22aの下にも属している。
【0113】
図15は、概念拡張履歴データベースのデータ構造例を示す図である。概念拡張履歴データベース80には、検索対象分類項目、上位構造分類項目、および概念拡張選択回数の欄が設けられている。各欄の横方向に並べられた情報同士が互いに関連付けられている。
【0114】
検索対象分類項目の欄には、検索対象として指定された分類項目の名称が設定される。上位構造分類項目の欄には、検索対象分類項目の上位構造の分類項目の名称が設定される。概念拡張選択回数の欄には、検索対象分類項目に設定された分類項目で「モノ」が見つからなかったときに、各同階層分類項目が選択された回数が設定される。
【0115】
図15の例では、検索対象分類項目「コンビニエンスストア」に対して、2つの上位構造分類項目「ATM」、「弁当」が設定されている。「ATM」の概念拡張選択回数は「5」である。「弁当」の概念拡張選択回数は「4」である。
【0116】
このように、1つの分類項目に対して複数の分類項目を上位構造に関連付け、概念拡張の選択回数を設定しておく。これにより、演算手段52は、検索条件に基づいた検索により該当する「モノ」が見つからなかったとき、検索対象の分類項目の上位構造の中から過去に多く選択された分類項目を選択して再検索用の検索条件を生成することができる。
【0117】
以下に、演算手段52が行う処理を説明する。
図16は、第3の実施の形態の検索処理手順を示すフローチャートである。以下、図16に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
【0118】
[ステップS41]演算手段52は、入力手段30からの検索指示に応答して「場」の選択を行う。このとき地図上の任意の地点を含む「場」を選択することができる。ただし、ユーザの現在位置を含む「場」、すなわちユーザが「Enter」している「場」を選択するのが望ましい。ユーザの現在位置を含む「場」を選択する場合、演算手段52は、位置取得手段40から現在位置を取得する。演算手段52は、現在位置を基準位置として、その基準位置から所定の距離内の空間を「場」と定める。
【0119】
[ステップS42]演算手段52は、検索の条件を設定する。具体的には、演算手段52は、入力手段30から入力された検索対象分類項目と、ステップS41で選択した「場」によって検索条件を定める。検索対象分類項目は、施設・ランドマークデータベース20aにある分類項目の中から任意の分類項目を指定できる。たとえば「コンビニエンスストア」を検索対象分類項目として指定できる。
【0120】
[ステップS43]演算手段52は、「場」の中から検索条件を満たす「モノ」を、施設・ランドマークデータベース20aから検索する。具体的には、演算手段52は、検索対象分類項目として指定された分類項目およびその下位構造の分類項目に設定されている情報の中から、ステップS41で選択された「場」に含まれる「モノ」を検索する。各「モノ」が「場」の中にあるか否かは、「モノ」の位置(緯度および経度)と「場」の基準位置との距離を算出することで判断できる。「モノ」と「場」の基準位置との距離が所定の距離以内であれば、その「モノ」が「場」の中にある。
【0121】
[ステップS44]演算手段52は、検索によって、検索条件に合致するものが見つかったか否かを判断する。該当する「モノ」が見つかった場合は、処理がステップS45に進められる。該当する「モノ」が見つからなかった場合は、処理がステップS46に進められ、代替となる「モノ」の探索が行われる。
【0122】
[ステップS45]該当する「モノ」が見つかった場合、演算手段52は、検索結果を示す画像データを表示手段80に渡す。これにより、表示手段80によって検索結果が表示され、処理が終了する。その結果、検索条件に合致する「モノ」が、ユーザに提示される。
【0123】
[ステップS46]演算手段52は、検索を続行するか否かを判断する。これは、データベースの階層を更に上位に遡るかどうかの判断でもある。判断基準としては、たとえば階層を上へ辿った回数が決まった回数に達したら検索を打ち切るという方法などが考えられる。既に何度か階層を遡っている場合は、検索を打ち切ることで、無用に検索条件を広く設定するのを防ぐことができる。検索を続行する場合、処理がステップS47に進められ、代替となる「モノ」の検索が行われる。検索を終了する場合、処理がステップS50に進められる。
【0124】
[ステップS47]演算手段52は、施設・ランドマークデータベース20aで、現在の検索条件に設定されている検索対象分類項目に対して、複数の上位階層が関連付けられているかどうかの判断を行う。検索対象分類項目が複数の分類項目の下に属していることが判明したら、処理がステップS48に進められる。上位階層の分類項目が1つだけであれば、処理がステップS49に進められる。
【0125】
[ステップS48]演算手段52は、代替案を検索するための上位階層を選択する。これは通常、ユーザが過去に分類項目の概念拡張を行った際の履歴をもとに自動的に選択することができる。具体的には、演算手段52は、概念拡張履歴データベース80を参照し、現在の検索対象分類項目の上位階層である分類項目に設定された選択回数を取得する。そして、演算手段52は、選択回数が多いものから順に、未選択の分類項目を選択する。
【0126】
また、演算手段52は、複数の上位階層があることを提示して、ユーザに明示的に選択させることもできる。たとえば、図14に示すような施設・ランドマークデータベース20aにおいて、「場」内に「コンビニエンスストア」が見つからなかったとき、代替案候補として「ATM」、「弁当」が提示される。ユーザにより上位階層の分類項目の1つが指定されると、演算手段52は指定された分類項目を、次に上へ辿るべき上位階層として選択する。このとき、演算手段52は、概念拡張履歴データベース80にアクセスし、選択された上位階層の分類項目に対応する選択回数の値に1を加算する。
【0127】
なお、上位階層の選択を、演算手段52が自動で行うのか、ユーザが明示的に選択するのかは、たとえば、予めシステムに設定しておくことができる。また、ステップS48の処理開始時に、演算手段52が自動で行うのか、ユーザが明示的に選択するのかの指示をユーザが行うようにしてもよい。
【0128】
その後、処理がステップS49に進められる。
[ステップS49]演算手段52は、新しい検索条件として1つ上位の階層を設定する。その後、処理がステップS43に進められる。
【0129】
これにより、例えば「コンビニエンスストア」が見つからなかった場合に、現金引き出しが目的の場合は「ATM」という分類項目を、また弁当購入が目的の場合は「弁当」という分類項目を、それぞれ代替案として検索することが実現できる。すなわち、目的に応じた上位階層にある、更に意味が広い検索条件が自動的に設定されることになり、何らかの「モノ」が代替案として検索される可能性が高くなる。
【0130】
[ステップS50]ステップS46において、検索を続行しない旨の判断が行われた場合、演算手段52はその旨を示すメッセージを表示手段80に渡す。そして、表示手段80により、該当する情報が無いことを示すメッセージ(たとえば「該当なし」のメッセージ)が表示される。これにより、ユーザが指定した検索条件およびその検索条件の意味を広げた再検索用の検索条件において該当する[モノ」が発見されなかったことが提示される。その後、処理が終了する。
【0131】
このようにして、ユーザが最初に指定した分類項目に該当する「モノ」が「場」内に見つからない場合、複数存在する上位概念のうち任意、あるいは過去の概念拡張履歴に応じた上位階層の分類項目による再検索を行うことができる。
【0132】
以下に、再検索の際の上位の分類項目をユーザが任意に選択する際の画面遷移例を示す。
図17は、第3の実施の形態における検索結果の表示画面例を示す第1の図である。この例は、ユーザが「コンビニエンスストア」を検索条件に設定したところ、「コンビニエンスストア」に該当する情報が見つからず、上位階層の分類項目を代替案候補として提示した場合を示している。
【0133】
表示画面63には、「場」に含まれる領域の地図63aが表示されている。地図63aの中央付近には、基準位置(たとえば、ユーザの現在位置)を示すマーク63bが表示されている。また、表示画面63には、メッセージ表示部63cが設けられている。メッセージ表示部63cには、検索結果を示すメッセージが表示される。図17の例では、「コンビニエンスストア:該当なし 代替案候補:ATM 弁当」というメッセージが表示されている。
【0134】
図17に示す表示画面63により、ユーザは代替案候補を知ることができる。ここで、代替案として「ATM」が選択されると、「ATM」を検索対象分類項目とした検索条件により、検索が行われる。
【0135】
図18は、第3の実施の形態における検索結果の表示画面例を示す第2の図である。この例は、図17に示す状態から、代替案として「ATM」が選択された場合の表示画面64を示している。
【0136】
表示画面64には、「場」に含まれる領域の地図64aが表示されている。地図64aの中央付近には、基準位置(たとえば、ユーザの現在位置)を示すマーク64bが表示されている。さらに、検出されたATMの所在地には、「モノ」の所在を示すマーク64cが表示されている。
【0137】
また、表示画面64には、メッセージ表示部64dが設けられている。メッセージ表示部64dには、検索結果を示すメッセージが表示される。図18の例では、「コンビニエンスストア:該当なし ATMでは1件見つかりました」というメッセージが表示されている。
【0138】
代替案として「弁当」が選択されると、「弁当」を検索対象分類項目とした検索条件により、検索が行われる。
図19は、第3の実施の形態における検索結果の表示画面例を示す第3の図である。この例は、図17に示す状態から、代替案として「弁当」が選択された場合の表示画面65を示している。
【0139】
表示画面65には、「場」に含まれる領域の地図65aが表示されている。地図65aの中央付近には、基準位置(たとえば、ユーザの現在位置)を示すマーク65bが表示されている。さらに、弁当を販売する小売店の所在地には、「モノ」の所在を示すマーク65c〜65eが表示されている。
【0140】
また、表示画面65には、メッセージ表示部65fが設けられている。メッセージ表示部65fには、検索結果を示すメッセージが表示される。図19の例では、「コンビニエンスストア:該当なし 弁当では3件見つかりました」というメッセージが表示されている。
【0141】
このように、第3の実施の形態では、指定した検索条件を満たす「モノ」が見つからなかった場合に、目的に応じた広い意味の代替案候補を自動的にユーザに提示できる。すなわち、任意の場所やユーザの現在位置の周辺にある施設やランドマークの情報を、データベースのある階層で検索し、該当する検索結果が見つからなかった場合に、検索の目的に応じてデータベースの上位階層からより広い意味の分類項目を選択し、自動的に検索条件として設定して検索が続行される。検索の目的はユーザが候補から選ぶこともできるし、ユーザの過去の選択履歴から自動的に選択することもできる。したがって、検索条件の再設定を行わなくても、多くの場合に何らかの代替案が提示される。
【0142】
なお、上記の説明では、概念拡張履歴データベース80に設定された選択回数が多い分類項目程、再検索の際に優先的に選択されるものとしたが、優先順をユーザが予め指定しておくこともできる。この場合、概念拡張履歴データベース80と同様のデータ構造の優先順指定データベースを設ける。優先順指定データベースでは、概念拡張選択回数に相当する情報として優先順を設定する。優先順の情報は、ユーザによって任意に設定され、演算手段52による更新は行われない。そして、演算手段52は、検索条件に合致する情報が見つからない場合、検索対象分類項目の上位の分類項目のうち、優先順が高い分類項目を選択して、再検索用の検索条件を生成する。
【0143】
[第4の実施の形態]
第4の実施の形態は、検索結果として「モノ」が見つからなかった場合に、検索対象分類項目と同じ階層の分類項目を代替案として選択するものである。なお、第4の実施の形態では、第3の実施の形態と同様に、1つの分類項目の上位階層として複数の分類項目が設定可能である。
【0144】
図20は、第4の実施の形態に係るシステムの構成例を示す図である。なお、第4の実施の形態を実現するためのシステム構成は第3の実施の形態とほぼ同じであるため、同じ機能の要素には同一の符号を付し説明を省略する。図20に示すように、第4の実施の形態では、概念変更履歴データベース81が新たに追加されている。また、演算手段53の処理機能が変更されている。施設・ランドマークデータベース20aのデータ構造は、第3の実施の形態と同様である。
【0145】
概念変更履歴データベース81は、検索の際に、ユーザが概念変更の指示を行った際の、概念変更先の選択回数を格納するデータベースである。演算手段53は、検索条件に該当する「モノ」が無い場合、上位の分類項目を共通にする同階層の分類項目の1つを選択して、選択した分類項目を検索対象とした検索を行う。
【0146】
図21は、概念変更履歴データベースのデータ構造例を示す図である。概念変更履歴データベース81には、検索対象分類項目、上位構造分類項目、同階層分類項目、および概念変更選択回数の欄が設けられている。各欄の横方向に並べられた情報同士が互いに関連付けられている。
【0147】
検索対象分類項目の欄には、検索対象として指定された分類項目の名称が設定される。上位構造分類項目の欄には、検索対象分類項目の上位構造の分類項目の名称が設定される。同階層分類項目の欄は、上記構造分類項目の下位構造の分類項目(検索対象分類項目を除く)の名称が設定される。概念変更選択回数の欄には、検索対象分類項目に設定された分類項目で「モノ」が見つからなかったときに、同階層の分類項目それぞれに関して、選択された回数が設定される。
【0148】
図21の例では、検索対象分類項目「コンビニエンスストア」に対して、2つの上位構造分類項目「ATM」、「弁当」が設定されている。「ATM」の分類項目には、同階層分類項目として「銀行」と「消費者金融」との分類項目が設定されている。「弁当」の分類項目には、同階層分類項目として「スーパー」と「弁当屋」との分類項目が設定されている。
【0149】
「銀行」の概念変更選択回数は「5」である。「消費者金融」の概念変更選択回数は「0」である。「スーパー」の概念変更選択回数は「1」である。「弁当屋」の概念変更選択回数は「3」である。
【0150】
このように、1つの分類項目に対して複数の分類項目が上位構造として関連付けられている場合、検索対象分類項目と同階層の分類項目の選択回数を記録しておく。これにより、検索対象分類項目による検索の結果、該当する「モノ」が見つからないとき、演算手段53は、検索対象の分類項目と上位の分類項目を共有する同階層の分類項目の中から1つを選択する。そして、演算手段53は、選択した分類項目を検索対象分類項目として再検索を行うことができる。
【0151】
以下に、演算手段53が行う処理を説明する。
図22は、第4の実施の形態の検索処理手順を示すフローチャートである。以下、図22に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
【0152】
[ステップS61]演算手段53は、入力手段30からの検索指示に応答して「場」の選択を行う。このとき地図上の任意の地点を含む「場」を選択することができる。ただし、ユーザの現在位置を含む「場」、すなわちユーザが「Enter」している「場」を選択するのが望ましい。ユーザの現在位置を含む「場」を選択する場合、演算手段53は、位置取得手段40から現在位置を取得する。演算手段50は、現在位置を基準位置として、その基準位置から所定の距離内の空間を「場」と定める。
【0153】
[ステップS62]演算手段53は、検索の条件を設定する。具体的には、演算手段53は、入力手段30から入力された検索対象分類項目と、ステップS61で選択した「場」によって検索条件を定める。検索対象分類項目は、施設・ランドマークデータベース20aにある分類項目の中から任意の分類項目を指定できる。たとえば「コンビニエンスストア」を検索対象分類項目として指定できる。
【0154】
[ステップS63]演算手段53は、「場」の中から検索条件を満たす「モノ」を、施設・ランドマークデータベース20aから検索する。具体的には、演算手段53は、検索対象分類項目として指定された分類項目およびその下位構造の分類項目に設定されている情報の中から、ステップS61で選択された「場」に含まれる「モノ」を検索する。各「モノ」が「場」の中にあるか否かは、「モノ」の位置(緯度および経度)と「場」の基準位置との距離を算出することで判断できる。「モノ」と「場」の基準位置との距離が所定の距離以内であれば、その「モノ」が「場」の中にある。
【0155】
[ステップS64]演算手段53は、検索によって、検索条件に合致するものが見つかったか否かを判断する。該当する「モノ」が見つかった場合は、処理がステップS65に進められる。該当する「モノ」が見つからなかった場合は、処理がステップS66に進められ、代替となる「モノ」の探索が行われる。
【0156】
[ステップS65]該当する「モノ」が見つかった場合、演算手段53は、検索結果を示す画像データを表示手段80に渡す。これにより、表示手段80によって検索結果が表示され、処理が終了する。その結果、検索条件に合致する「モノ」が、ユーザに提示される。
【0157】
[ステップS66]演算手段53は、検索を続行するか否かを判断する。これは、データベースの階層を更に上位に遡るかどうかの判断でもある。判断基準としては、たとえば階層を上った回数が決まった回数に達したら検索を打ち切るという方法などが考えられる。既に何度か階層を遡っている場合は、検索を打ち切ることで、無用に検索条件を広く設定するのを防ぐことができる。検索を続行する場合、処理がステップS67に進められ、代替となる「モノ」の検索が行われる。検索を終了する場合、処理がステップS70に進められる。
【0158】
[ステップS67]演算手段53は、施設・ランドマークデータベース20aで、現在の検索条件に設定されている検索対象分類項目に対して、複数の上位階層が関連付けられているかどうかの判断を行う。検索対象分類項目が複数の分類項目の下に属していることが判明したら、処理がステップS68に進められる。上位階層の分類項目が1つだけであれば、処理がステップS69に進められる。
【0159】
[ステップS68]演算手段53は、代替案を検索するための同階層の他の分類項目を選択する。これは通常、ユーザが過去に分類項目の概念変更を行った際の履歴をもとに自動的に選択することができる。具体的には、演算手段53は、概念変更履歴データベース81を参照し、現在の検索対象分類項目の同階層の分類項目に設定された選択回数を取得する。そして、演算手段53は、選択回数が最も多い分類項目を選択する。
【0160】
また、演算手段53は、共通の上位階層を有する同階層の他の分類項目があることを提示して、ユーザに明示的に選択させることもできる。たとえば、図14に示すような施設・ランドマークデータベース20aにおいて、「場」内に「コンビニエンスストア」が見つからなかったとき、代替案候補として「銀行」、「スーパー」等が提示される。ユーザにより同階層の分類項目の1つが指定されると、演算手段53は指定された分類項目を、次に検索すべき分類項目として選択する。このとき、演算手段53は、概念変更履歴データベース81にアクセスし、選択された同階層の分類項目に対応する概念変更選択回数の値に1を加算する。
【0161】
なお、同階層の他の分類項目の選択を、演算手段53が自動で行うのか、ユーザが明示的に選択するのかは、たとえば、予めシステムに設定しておくことができる。また、ステップS68の処理開始時に、演算手段53が自動で行うのか、ユーザが明示的に選択するのかの指示を、ユーザが入力するようにしてもよい。
【0162】
その後、処理がステップS69に進められる。
[ステップS69]演算手段53は、新しい検索条件として1つ上位の階層を設定する。その後、処理がステップS63に進められる。
【0163】
これにより、例えば「コンビニエンスストア」が見つからなかった場合に、現金引き出しが目的の場合は「銀行」という分類項目を、また弁当購入が目的の場合は「スーパー」という分類項目を、それぞれ代替案として検索することができる。すなわち、目的に応じた上位階層にある、更に意味が広い検索条件が自動的に設定されることになり、何らかの「モノ」が代替案として検索される可能性が高くなる。
【0164】
[ステップS70]ステップS66において、検索を続行しない旨の判断が行われた場合、演算手段53はその旨を示すメッセージを表示手段80に渡す。そして、表示手段80により、該当する情報が無いことを示すメッセージ(たとえば「該当なし」のメッセージ)が表示される。これにより、ユーザが指定した検索条件およびその検索条件の意味を広げた再検索用の検索条件において該当する[モノ]が発見されなかったことが提示される。その後、処理が終了する。
【0165】
このようにして、ユーザが最初に指定した分類項目に該当する「モノ」が「場」内に見つからない場合、同階層の他の分類項目のうち任意、あるいは過去の概念変更履歴に応じた分類項目による再検索を行うことができる。
【0166】
以下に、再検索の際の上位の分類項目をユーザが任意に選択する際の画面遷移例を示す。
図23は、第4の実施の形態における検索結果の表示画面例を示す第1の図である。この例は、ユーザが「コンビニエンスストア」を検索条件に設定したところ、「コンビニエンスストア」に該当する情報が見つからず、同階層の他の分類項目を代替案候補として提示した場合を示している。
【0167】
表示画面66には、「場」に含まれる領域の地図66aが表示されている。地図66aの中央付近には、基準位置(たとえば、ユーザの現在位置)を示すマーク66bが表示されている。また、表示画面66には、メッセージ表示部66cが設けられている。メッセージ表示部66cには、検索結果を示すメッセージが表示される。図18の例では、「コンビニエンスストア:該当なし 代替案候補:銀行 弁当屋 スーパー 消費者金融」というメッセージが表示されている。
【0168】
図23に示す表示画面66により、ユーザは代替案候補を知ることができる。ここで、代替案として「銀行」が選択されると、「銀行」を検索対象分類項目とした検索条件により、検索が行われる。
【0169】
図24は、第4の実施の形態における検索結果の表示画面例を示す第2の図である。この例は、図23に示す状態から、代替案として「銀行」が選択された場合の表示画面67を示している。
【0170】
表示画面67には、「場」に含まれる領域の地図67aが表示されている。地図67aの中央付近には、基準位置(たとえば、ユーザの現在位置)を示すマーク67bが表示されている。さらに、検出されたATMの所在地には、「モノ」の所在を示すマーク67cが表示されている。
【0171】
また、表示画面67には、メッセージ表示部67dが設けられている。メッセージ表示部67dには、検索結果を示すメッセージが表示される。図24の例では、「コンビニエンスストア:該当なし 銀行では1件見つかりました」というメッセージが表示されている。
【0172】
代替案として「スーパー」が選択されると、「スーパー」を検索対象分類項目とした検索条件により、検索が行われる。
図25は、第4の実施の形態における検索結果の表示画面例を示す第3の図である。この例は、図23に示す状態から、代替案として「スーパー」が選択された場合の表示画面68を示している。
【0173】
表示画面68には、「場」に含まれる領域の地図68aが表示されている。地図68aの中央付近には、基準位置(たとえば、ユーザの現在位置)を示すマーク68bが表示されている。さらに、弁当を販売する小売店の所在地には、「モノ」の所在を示すマーク68c,68dが表示されている。
【0174】
また、表示画面68には、メッセージ表示部68eが設けられている。メッセージ表示部68eには、検索結果を示すメッセージが表示される。図25の例では、「コンビニエンスストア:該当なし スーパーでは2件見つかりました」というメッセージが表示されている。
【0175】
このように、第4の実施の形態では、指定した検索条件を満たす「モノ」が見つからなかった場合に、目的に応じた意味の代替案候補を自動的にユーザに提示できる。ユーザは、提示された代替案候補から代替案を入力すればよいため、操作入力が容易となる。
【0176】
なお、上記の説明では、概念変更履歴データベース81に設定された選択回数が多い分類項目程、再検索の際に優先的に選択されるものとしたが、優先順をユーザが予め指定しておくこともできる。この場合、概念変更履歴データベース81と同様のデータ構造の優先順指定データベースを設ける。優先順指定データベースでは、概念変更選択回数に相当する情報として優先順を設定する。優先順の情報は、ユーザによって任意に設定され、演算手段53による更新は行われない。そして、演算手段53は、検索条件に合致する情報が見つからない場合、検索対象分類項目と同じ階層の分類項目のうち、優先順が高い分類項目を選択して、再検索用の検索条件を生成する。
【0177】
[第5の実施の形態]
次に、第5の実施の形態について説明する。第5の実施の形態は、上記第1〜第4の実施の形態を実現するための機能の一部を、サーバコンピュータ(以下、単にサーバと呼ぶ)に担わせたものである。
【0178】
図26は、第5の実施の形態のシステム構成例を示す図である。第5の実施の形態では、インターネット200を介してサーバ300とモバイル端末装置400とが接続されている。モバイル端末装置400には、少なくともユーザインタフェース機能が実装される。具体的には、入力手段、取得手段、および表示手段がモバイル端末装置400内に構築される。演算手段と各種データベースは、サーバ300とモバイル端末装置400とのいずれに設けられていてもよい。
【0179】
たとえば、モバイル端末装置400に対しては、ユーザインタフェース機能、位置測定機能およびネットワークを介した通信機能を設け、それ以外の機能をサーバ300に設けた場合、サーバ300は以下の処理を有する。
【0180】
すなわち、サーバ300は、位置依存情報データベース、検索手段、再検索項目条件生成手段、および送信手段を有する。
位置依存情報データベースは、地図上での場所が指定された位置依存情報が、階層が上位になるほど広い意味を有する階層構造の分類項目に分類して登録されたデータベースである。これは、上記の第1〜第4の実施の形態における施設・ランドマークデータベースに相当する。
【0181】
検索手段は、ネットワークに接続された端末装置から位置情報と検索対象分類項目とを指定した検索条件が入力されると、位置依存情報データベースから検索条件に合致する位置依存情報を検索する。
【0182】
再検索項目条件生成手段は、検索条件に合致する位置依存情報が無い場合、検索条件で指定された検索対象分類項目から上位階層に辿り、上位階層の分類項目に含まれる別の概念を新たな検索対象分類項目として設定した再検索項目条件を生成する。そして、再検索項目条件生成手段は、検索手段に対して再検索項目条件を入力する。
【0183】
送信手段は、検索手段による検索の結果を端末装置へ送信する。
一方、モバイル端末装置400は、すくなくとも検索条件をサーバ300に送信する機能と、検索結果を表示する機能とが有ればよい。
【0184】
このような機能をサーバ300に実行させることで、サーバ300が位置依存情報提供装置として機能する。この場合、モバイル端末装置400内に大容量のデータベースを設ける必要が無くなり、小型軽量化が図れる。また、モバイル端末装置400に要求されるデータ処理能力も低くなり、省電力化が図れる。
【0185】
図27は、モバイル端末装置のハードウェア構成例を示す図である。モバイル端末装置400では、CPU(Central Processing Unit)401、RAM(Random Access Memory)402、ROM(Read Only Memory)403、外部記憶装置404、入力インタフェース405、出力インタフェース406、およびネットワークインタフェース407がバス408を介して接続されている。
【0186】
CPU401は、モバイル端末装置400全体を制御する。RAM402は、CPU401がプログラムや処理対象データ等を一時的に格納するための主記憶装置である。ROM403は、OS(Operating System)等のモバイル端末装置400の機能を実現するのに必要なプログラムを格納する不揮発性のメモリである。外部記憶装置404は、ハードディスク装置やフラッシュメモリ等の記録媒体である。
【0187】
入力インタフェース405は、他の外部機器から入力されたデータを受け取り、CPU401に渡す通信インタフェースである。入力インタフェース405には、GPSアンテナ411、カメラ412、キー群413、およびポインティングデバイス414が接続されている。GPSアンテナ411は、測地衛星からの信号を受信するためのアンテナである。GPSアンテナ411は、受信した信号を入力インタフェース405に渡す。カメラ412は、CCD(Charge−Coupled Devices)により画像データを生成し、その画像データを入力インタフェース405に渡す。キー群413は、文字や数字を入力するための複数のキーである。ユーザによって押されたキーに対応する信号が、キー群413から入力インタフェース405に渡される。ポインティングデバイス414は、画面上のカーソルを上下、左右に移動させるための入力装置である。ポインティングデバイス414が操作されることで、カーソルの移動方向を示す信号がポインティングデバイス414から入力インタフェース405に渡される。
【0188】
出力インタフェース406は、他の外部機器へデータを出力するための通信インタフェースである。出力インタフェース406には、ディスプレイ421とスピーカ422とが接続されている。ディスプレイ421は、画像データに基づいて画像を表示する装置である。たとえば、液晶表示装置である。スピーカ422は、サウンドデータに基づいて、音声等を含む様々な音を再生する装置である。出力インタフェース406は、バス408を介して画像データを受け取ると、その画像データをディスプレイ421に対して出力する。また、出力インタフェース406は、バス408を介してサウンドデータを受け取ると、そのサウンドデータをスピーカ422に渡す。
【0189】
ネットワークインタフェース407は、サーバ300等の他の機器とデータ通信を行うための通信インタフェースである。ネットワークインタフェース407は、インターネット200に接続されており、インターネット200を介してサーバ300との間でデータ通信を行う。
【0190】
このようなシステムにより、上記第1〜第4の実施の形態に係る機能を実現することができる。この場合、一部の機能をサーバ300で実行するため、モバイル端末装置400の小型軽量化が容易となる。たとえば、地図データベースをサーバ300に設けておけば、モバイル端末装置400の外部記憶装置404の記憶容量が少なくてすむ。
【0191】
また、ユーザがモバイル端末装置400を携帯することで、GPS機能により、ユーザの位置を自動的に判別することができる。その結果、ユーザの現在位置等を入力する必要がなくなる。
【0192】
[他の応用例]
上記の実施の形態ではGPSを用いて現在位置を測定しているが、他の機能によって現在位置を測定することもできる。たとえば、PHS(Personal Handyphone System)では、通信可能な無線基地局から受信状態等の情報を利用して、現在位置を知ることができる。
【0193】
また、上記の処理機能は、コンピュータによって実現することができる。その場合、サーバやモバイル端末装置等が有すべき機能の処理内容を記述した位置依存情報検索プログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリなどがある。磁気記録装置には、ハードディスク装置(HDD)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープなどがある。光ディスクには、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD−RAM(Random Access Memory)、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD−R(Recordable)/RW(ReWritable)などがある。光磁気記録媒体には、MO(Magneto−Optical disc)などがある。
【0194】
プログラムを流通させる場合には、たとえば、そのプログラムが記録されたDVD、CD−ROMなどの可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
【0195】
プログラムを実行するコンピュータは、たとえば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することもできる。また、コンピュータは、サーバコンピュータからプログラムが転送される毎に、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することもできる。
【0196】
【発明の効果】
以上説明したように本発明では、項目条件に合致する位置依存情報が無い場合、検索条件で指定された検索対象分類項目から上位階層に辿り、上位階層の分類項目に含まれる別の概念を新たな検索対象分類項目として設定した再検索項目条件により再検索を行うようにした。これにより、ユーザは、検索条件の再入力を行わずに、検索条件に近い意味の情報を検索結果として得ることができる。その結果、位置依存情報の検索を行う場合の操作が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態に適用される発明の概念図である。
【図2】位置依存情報の検索手順を示すフローチャートである。
【図3】情報提供システムにおける情報の管理概念を示す図である。
【図4】「行為」と「場」および「モノ」の関係を示す図である。
【図5】第1の実施の形態に係る情報検索システムの構成例を示す図である。
【図6】施設・ランドマークデータベースのデータ構造例を示す図である。
【図7】第1の実施の形態における検索手順を示すフローチャートである。
【図8】第1の実施の形態における検索結果の表示画面例を示す図である。
【図9】第2の実施の形態のシステム構成例を示す図である。
【図10】行動履歴データベースのデータ構造例を示す図である。
【図11】第2の実施の形態の検索処理手順を示すフローチャートである。
【図12】第2の実施の形態における検索結果の表示画面例を示す図である。
【図13】第3の実施の形態に係るシステムの構成例を示す図である。
【図14】第3の実施の形態の施設・ランドマークデータベースのデータ構造例を示す図である。
【図15】概念拡張履歴データベースのデータ構造例を示す図である。
【図16】第3の実施の形態の検索処理手順を示すフローチャートである。
【図17】第3の実施の形態における検索結果の表示画面例を示す第1の図である。
【図18】第3の実施の形態における検索結果の表示画面例を示す第2の図である。
【図19】第3の実施の形態における検索結果の表示画面例を示す第3の図である。
【図20】第4の実施の形態に係るシステムの構成例を示す図である。
【図21】概念変更履歴データベースのデータ構造例を示す図である。
【図22】第4の実施の形態の検索処理手順を示すフローチャートである。
【図23】第4の実施の形態における検索結果の表示画面例を示す第1の図である。
【図24】第4の実施の形態における検索結果の表示画面例を示す第2の図である。
【図25】第4の実施の形態における検索結果の表示画面例を示す第3の図である。
【図26】第5の実施の形態のシステム構成例を示す図である。
【図27】モバイル端末装置のハードウェア構成例を示す図である。
【図28】従来の技術によって検索したときの検索結果の表示画面例を示す図である。
【符号の説明】
1・・・地図データベース、2・・・位置依存情報データベース、3・・・入力手段、4・・・範囲決定手段、5・・・検索手段、6・・・再検索項目条件生成手段、7・・・再検索手段、8・・・表示手段、9a・・・位置情報、9b・・・項目条件、9c・・・再検索項目条件
Claims (9)
- 位置に依存した情報を検索するための位置依存情報検索方法において、
位置情報と検索対象分類項目に係る項目条件とが入力されると、
前記位置情報に基づき検索対象の範囲を決定し、
位置依存情報が階層的に分類されて登録された位置依存情報データベースから、前記項目条件に合致する前記範囲内の前記位置依存情報を検索し、
前記検索の結果が所定条件を満たす場合、前記項目条件で指定された前記分類項目から上位階層に辿り、上位階層の前記分類項目に含まれる別の概念を新たな前記検索対象分類項目として設定する再検索項目条件を生成し、
前記範囲を維持したまま、前記位置依存情報データベースから前記再検索項目条件に合致する前記範囲内の前記位置依存情報を再検索する、
ことを特徴とする位置依存情報検索方法。 - 前記項目条件で指定された前記検索対象分類項目の1階層上位の前記分類項目を、新たな前記検索対象分類項目として前記再検索項目条件を生成し、および/または、
前記項目条件で指定された前記検索対象分類項目と上位の前記分類項目を共有する同一階層の分類項目を、新たな前記検索対象分類項目として前記再検索項目条件を生成することを特徴とする請求項1記載の位置依存情報検索方法。 - 前記同一階層の分類項目および/または上位の分類項目が複数有る場合、
予めユーザにより任意に設定された優先順位に従って選択した分類項目を、新たな前記検索対象分類項目として前記再検索項目条件を生成し、
過去の選択履歴に基づいて、選択回数の多い前記分類項目から優先的に新たな前記検索対象分類項目として選択して、前記再検索項目条件を生成し、および/または、
前記同一階層の分類項目のリストを表示し、ユーザにより指定された分類項目を新たな前記検索対象分類項目として選択して、前記再検索項目条件を生成する、
ことを特徴とする請求項2記載の位置依存情報検索方法。 - 前記同一階層の分類項目が複数有る場合、前記同一階層の分類項目のリストを表示し、ユーザにより指定された分類項目を新たな前記検索対象分類項目を選択して前記再検索項目条件を生成する際に、前記検索対象分類項目の上位の分類項目が複数有る場合、前記上位の分類項目の少なくとも1つを共有する前記同一階層の分類項目のリストを表示することを特徴とする請求項3記載の位置依存情報検索方法。
- 前記検索対象分類項目が入力されると、測地機能により現在位置を測定し、前記現在位置に基づいて範囲を決定することを特徴とする請求項1記載の位置依存情報検索方法。
- 検索および再検索の結果を表示する際には、前記位置情報で指定された位置周辺の地図を表示すると共に、検索結果として取得された前記位置依存情報の位置を示すマークを地図上に表示することを特徴とする請求項1記載の位置依存情報検索方法。
- 位置に依存した情報を検索する位置依存情報検索装置において、
位置依存情報が階層的に分類されて登録された位置依存情報データベースと、
位置情報と検索対象分類項目に係る項目条件とが入力されると、前記位置情報に基づき検索対象の範囲を決定する範囲決定手段と、
前記位置依存情報データベースから、前記項目条件に合致する前記範囲内の前記位置依存情報を検索する検索手段と、
前記検索の結果が所定条件を満たす場合、前記項目条件で指定された前記分類項目から上位階層に辿り、上位階層の前記分類項目に含まれる別の概念を新たな前記検索対象分類項目として設定する再検索項目条件を生成する再検索項目条件生成手段と、
前記範囲を維持したまま、前記位置依存情報データベースから前記再検索項目条件に合致する前記範囲内の前記位置依存情報を再検索する再検索手段と、
を有することを特徴とする位置依存情報検索装置。 - 位置に依存した情報をネットワーク経由で提供する位置依存情報提供装置において、
位置依存情報が階層的に分類されて登録された位置依存情報データベースと、
前記ネットワークに接続された端末装置から位置情報と検索対象分類項目に係る項目条件とが入力されると、前記位置情報に基づき検索対象の範囲を決定する範囲決定手段と、
前記位置依存情報データベースから、前記項目条件に合致する前記範囲内の前記位置依存情報を検索する検索手段と、
前記検索の結果が所定条件を満たす場合、前記項目条件で指定された分類項目から上位階層に辿り、上位階層の前記分類項目に含まれる別の概念を新たな前記検索対象分類項目として設定する再検索項目条件を生成する再検索項目条件生成手段と、
前記範囲を維持したまま、前記位置依存情報データベースから前記再検索項目条件に合致する前記範囲内の前記位置依存情報を再検索する再検索手段と、
前記検索手段および/または前記再検索手段による検索の結果を前記端末装置へ送信する送信手段と、
を有することを特徴とする位置依存情報提供装置。 - 位置に依存した情報を検索するための位置依存情報検索プログラムにおいて、
コンピュータに、
位置情報と検索対象分類項目に係る項目条件とが入力されると、
前記位置情報に基づき検索対象の範囲を決定し、
位置依存情報が階層的に分類されて登録された位置依存情報データベースから、前記項目条件に合致する前記範囲内の前記位置依存情報を検索し、
前記検索の結果が所定条件を満たす場合、前記項目条件で指定された分類項目から上位階層に辿り、上位階層の前記分類項目に含まれる別の概念を新たな前記検索対象分類項目として設定する再検索項目条件を生成し、
前記範囲を維持したまま、前記位置依存情報データベースから前記再検索項目条件に合致する前記範囲内の前記位置依存情報を再検索する、
処理を実行させることを特徴とする位置依存情報検索プログラム。
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