JP2004324997A - 地中埋没化学砲弾の処理方法 - Google Patents

地中埋没化学砲弾の処理方法 Download PDF

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尚人 岡本
Kunio Hamanaka
国雄 濱中
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Abstract

【課題】地中に埋没した化学砲弾を除去するにあたり、土壌中及び大気中に有害物質が漏出することなく、又複雑な装置を必要とせず安全にかつ迅速に複数の化学砲弾を処理可能な地中埋没化学砲弾の処理方法を提供する。
【解決手段】地中に埋没した化学砲弾11を、埋没領域から他へ移送することなくかつ外部地盤10と隔離した状態で破壊処理する地中埋没化学砲弾の処理方法であって、前記埋没領域を含む地盤サイト13の凍結と、該地盤サイト外周縁及び底部の掘削とを交互に行うことにより該地盤サイト13と外部地盤とを隔離し、形成した側溝14及び底部間隙15に耐爆性コンクリートを充填し、さらに該耐爆性コンクリートを地表上方まで延伸して耐爆側壁を形成し、該耐爆側壁と地表とで囲繞された空間に有害物質吸収液を注水した後に該空間を密閉して化学砲弾の破壊処理を行う。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、地中に埋没遺棄された化学砲弾を処理する方法に関し、特に、化学剤、起爆剤や炸裂剤等の爆薬、又はこれらを含む砲弾などを安全にかつ確実に廃棄処理することができる地中埋没遺棄化学砲弾の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
軍事産業にて製造された化学砲弾等の化学兵器は、現在でも未使用のまま地中に大量に遺棄、投棄或いは貯蔵され現存している。特に問題となる化学兵器は、例えば、毒性が強く人体に有害なマスタードガス、ルイサイト、ホスゲン等の化学剤、殺傷力の強いTNT火薬その他の起爆剤、炸裂剤等の爆薬、又はこれらを同時に含む化学砲弾などであり、これらの化学兵器が未だ処理されずに地中に埋没遺棄されている。
【0003】
現在では国際条約などの取決めによりこれらの化学兵器の製造は禁止されているが、既に地中に遺棄されている化学兵器の変形、腐食等により化学剤が外部へ漏出し、土壌、地下水、河川などの環境汚染を引き起こし、さらには周辺住民の健康をおびやかす惧れがある。また、爆薬が装填された砲弾が劣化した場合、自然に爆発する惧れがあるばかりでなく、化学剤を内蔵した砲弾の場合には有害物質を周囲に撒き散らす惧れもある。従って、これらの化学砲弾を早急に撤去し、無害化する必要がある。
【0004】
従来、地中に埋没した遺棄化学砲弾を処理する方法としては、下記のような方法が用いられている。まず、化学砲弾を発掘して凍結粉砕し、化学剤と薬莢を同時に吸収液中で処理する方法、また発掘した後に分解して化学剤を処理する方法、さらに発掘した化学砲弾を密室に搬送し、密室内で爆裂させて残骸物を処理する方法である。
しかし、これらの方法では直接又は間接的に人が介在する発掘作業を伴うため、 爆裂事故の危険性がある。一方、砲弾を分解する方法では薬莢が変形若しくは腐食している場合分解作業が非常に困難となり、またこれらの方法では1弾ずつの連続工程となるため、処理時間が長期に及ぶ。
【0005】
そこで、特開2002−195800公報(特許文献1)では、複数の化学弾を安全に高能率で解体可能なシステムを提案している。かかるシステムは、中和液を充填した容器に複数の化学弾を収容して運搬し、化学弾の洗浄、切断、中和等の処理工程をオートメーション化したシステムである。
また、埋設された化学弾を発掘する工程から無人化したシステムとして、特開2002−107100公報(特許文献2)は、埋設場所を発掘室で覆って掘削用ロボットで遠隔操作により化学弾の種別を判断して発掘し、安全弾の場合は外部へ搬送し危険弾の場合は発掘室内に設けられた処理室に搬送するシステムを提案している。
【0006】
また、特開2002−310600公報(特許文献3)では、特殊砲弾を外部へ輸送する必要がなく輸送の際の危険性を回避した処理方法が開示されている。かかる方法は、特殊砲弾の発掘、処理現場を遮蔽構造物で遮蔽し、無人の発掘手段を使用して発掘した砲弾を該構造物内で無人で処理する。このとき、発掘した砲弾を液体窒素等で凍結させて凍結状態で破砕し、ウォータジェット等で破砕する方法がある。
かかる方法ではこれらの処理を密閉状態で行っているため、有毒物質を含有する砲弾においても外部へ漏出することなく安全に撤去することができる。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−195800公報
【特許文献2】
特開2002−107100公報
【特許文献2】
特開2002−310600公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
このように、有害な化学物質を内蔵している可能性のある化学砲弾においては、人手を介しての砲弾処理作業は危険性を伴うこととなる。従って、上記した各特許文献のように処理作業を無人化することは極めて有効な方法であるが、特許文献1では危険性の高い作業の一つの発掘作業に人手を要するため安全性に問題があり、特許文献2は化学弾の発掘、搬送、処理までをロボットで遠隔操作しているため、精密なロボットが必要となる上に熟練した操作者が必要となる。
また、特許文献3は発掘、処理現場を遮蔽構造物で遮蔽しているが、該遮蔽構造物は特殊シートからなる大型シートなどにより現場の地表から上方を外部大気と隔離しているに留まり、有害物質が土壌中から外部へ浸透する可能性が残っている。
【0009】
この点においては特許文献1及び2も同様の問題を有しており、処理の際土壌に浸透する有害物質や、砲弾殻の劣化により既に土壌中に浸透している有害物質については何ら対策が講じられていない。また、これらの従来技術では大量の砲弾を処理するために大規模な処理プラントが必要となるが、実際に砲弾が埋没している現場は荒地や山間部が多く、立地条件などからこのようなプラントを設置することは困難であることが多い。
従って、本発明はかかる従来技術の問題に鑑み、地中に埋没した化学砲弾を除去するにあたり、土壌中及び大気中に有害物質が漏出することなく、又複雑な装置を必要とせず安全にかつ迅速に複数の化学砲弾を処理可能な地中埋没化学砲弾の処理方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明はかかる課題を解決するために、
地中に埋没した化学砲弾を、埋没領域から他へ移送することなくかつ外部地盤と隔離した状態で破壊処理する地中埋没化学砲弾の処理方法であって、
前記埋没領域を含む地盤サイトの凍結と、該地盤サイト外周縁及び底部の掘削とを交互に行うことにより該地盤サイトと外部地盤とを隔離することを特徴とする。
かかる発明によれば、化学砲弾の埋没領域と外部地盤とを凍結により隔絶しているため砲弾の処理に際して簡単にかつ確実に土壌中への有害物質の漏出を防止することができる。また、地盤サイトの埋没領域に併せて適宜設定可能であるため、領域の変動に容易に対応できる。
【0011】
さらに、前記地盤サイトと外部地盤との間隙に耐爆材を充填することを特徴とする。該耐爆材は、好適には耐爆性、耐浸水性を有するコンクリート、金属板等が良く、これにより、確実に外部土壌と地盤サイトとを隔絶することができる。また、耐爆性コンクリートなどの不定形材料を利用することにより、山間部や荒地等の砲弾埋没現場までの搬送が容易となる。
【0012】
また、前記地盤サイト外周縁の間隙に充填した耐爆材を地表上方まで延伸して耐爆材側壁を形成し、該耐爆材側壁と地表とで囲繞された空間に有害物質吸収液を注水した後に該空間を密閉して化学砲弾の破壊処理を行うことを特徴とする。
かかる発明は、鉄筋コンクリート等の耐爆材にて地盤サイトを囲繞する密閉空間を形成して該密閉空間に吸収液を注水し、例えば爆薬を地盤サイト上に沈めて爆裂させることにより破壊処理を行う。これにより、有害物質を完全に封じ込み、さらに水圧によって爆裂処理した際の衝撃を吸収し、化学砲弾を安全かつ迅速に処理することができる。
このとき、前記吸収液は、水に有害物質を吸収する添加剤を加えた吸収液であることが好適である。また、前記凍結させた地盤サイトを注水により解凍させても良い。
【0013】
また、前記破壊処理の後に、前記吸収液を加熱若しくは冷却して有害物質と吸収液との反応速度を制御することを特徴とする。これは、破壊処理後の吸収液の状態及び化学砲弾に含有される化学物質の成分に基づき、加熱することにより吸収液中の有害物質と吸収液との反応効率を向上させたり、冷却することにより有害物質と吸収液との急激な反応を抑制させ、安全にかつ効率良く化学物質の吸収除去を行うことが可能となる。
【0014】
さらに、前記破壊処理の後に、発生した排ガスを前記密閉空間外部に設けた排ガス処理設備に送給し、該排ガス処理設備で排ガス中の有害物質を除去することを特徴とする。このとき、排ガス処理設備では、例えば排ガスを外部に漏出しないように該設備に導き、吸収液中を通過させて排ガス中の有害物質を吸収させたり、活性炭やシリカゲル等の吸着剤と該排ガスを接触させて有害物質を吸着することが好ましい。これにより、土壌、排水のみならず大気へ排出される排ガスもクリーンとなり環境、周辺住民へ与える影響が殆どなくなる。尚、前記地盤サイトを複数設けて併行処理を行っている場合には近隣の地盤サイトで該排ガス処理設備を共有するようにしても良い。
【0015】
また、前記破壊処理の後に、有害物質を含有する吸収液に好気性生物処理若しくは嫌気性生物処理を施し、該有害物質を無害化することを特徴とする。かかる発明は、吸収液に含有される有害物質に適した生物処理を施すことにより、吸収液中に溶解若しくは混濁する難分解性の有害物質を無害化することが可能となる。このとき、生物処理には好気性菌或いは嫌気性菌が利用され、環境や人体に悪影響を及ぼす薬品を必要とせず、また大掛かりな装置構成を必要としないため砲弾埋没現場での処理が容易にできる。
【0016】
さらにまた、生物処理により発生した汚泥を発酵処理して堆肥化することを特徴とする。かかる発明は、生物処理により発生した余剰汚泥、消化汚泥等の汚泥を好気性微生物により分解して堆肥を製造し、好適には前記発酵処理により得られた堆肥を利用して砲弾除去後の埋没領域を緑地化する。これにより、クローズドシステムが形成されるため処理現場が交通不便な僻地であっても立地可能である。さらに、砲弾処理後に埋没領域を緑地化することにより環境問題に大きく貢献できる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但しこの実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
図1は本発明の実施形態にかかる化学砲弾処理手順を示すフロー図、図2は地中遺棄化学砲弾の埋没領域を示す概略斜視図、図3乃至図12は化学砲弾の各処理工程を示す図である。
【0018】
本実施形態において対象となる処理物は、例えばマスタードガス、ルイサイト、ホスゲン等の化学剤、殺傷力の強いTNT火薬その他の起爆剤、炸裂剤等の爆薬などを含む化学砲弾であり、本実施形態はこれらの無害化処理に適しているが、特にこれに限るものではなく、例えば化学剤を内蔵しない砲弾等にも適用可能である。この場合は、適宜後処理工程を選択することが必要である。
図1及びこれに対応する工程を図2乃至図12より参照して本実施形態にかかる化学砲弾処理手順を説明する。
【0019】
まず、図2に示されるごとく化学砲弾11が埋没する埋没領域12を検出し、図3のように該埋没領域12から所定距離外側に埋没地盤サイト13を画定する(S1)。該地盤サイト13は、化学砲弾11が確実に埋没されない位置を外部土壌との境界とし、かつ化学砲弾の変形或いは腐食により内蔵される化学剤が土壌に浸透している場合、この浸透箇所を含むものとする。そして、該地盤サイト13を表面から凍結する(S2)。かかる工程は、地盤の硬さにより省略しても良い。また、凍結の際に必要に応じて地盤サイト13に散水してから冷却する。
【0020】
次に、図4のごとく前記地盤サイト13の周縁部境界に沿って側溝14を掘削する(S3)。該側溝14は、化学砲弾11の埋没深さより所定長深くし、側溝14の幅は後述する耐爆材に必要とされる肉厚と同じ幅とする。
そして、図5に示すようにかかる地盤サイト13の近傍に冷却ユニット20を設置し、形成された側溝14から該地盤サイト13の側面に沿って均等に伝熱管21を沿設して冷却し、地盤サイト13を凍結する(S4)。
地盤サイト13が凍結して掘削による振動により崩壊しない程度に凝結した後、該地盤サイト13の底部にトンネルを掘削する(S5)。図6に示すように、掘削した底部間隙15には前記冷却ユニット20から伝熱管21を挿入し、地盤サイト13を冷却、凍結する(S6)。
【0021】
凍結した底部間隙15は、図7のごとく地盤サイト13の両サイドから再度掘削し(S7)、凍結する。これを必要回数繰り返し、地盤サイト13を外部地盤から隔離する。このとき、図8(a)のように地盤サイト13の両側から掘削して底部間隙15aを形成した後、図8(b)のように鉄骨コンクリート15bを施工して再度掘削を開始し、底部間隙15aを形成する。このように、段階的に基礎工事を進めて最終的に地盤サイト13の底部全面を外部地盤と離間させて、底部間隙15に耐爆材であるコンクリートを施工する(S8)。かかる耐爆材は、耐爆性かつ不浸透性を有する材料でありコンクリート、金属板等が利用可能であるが、特に好適には不定形材料を用いると良い。
【0022】
次に、図9のごとく前記側溝14に耐爆性コンクリートを施工し(S9)、さらにその上部に側壁を延伸させ(S10)、地盤サイト13を囲繞する耐爆材水槽25を形成する。
その後、図10に示すように前記水槽25内の該地盤サイト13上に爆薬27を仕掛け(S11)、水槽25に吸収液28を注水する(S12)。かかる吸収液28は、化学砲弾11中に内蔵する化学剤を高効率で吸収可能な添加剤を混合した水が好ましい。また、吸収液の注水の際に、凍結状態の地盤サイト13を解凍させることも好適である。
【0023】
注水後、前記水槽25を上蓋26等で封止し(S13)、気密状態で地盤サイト13上に設置した爆薬27を爆裂させて地中に埋没する化学砲弾を破壊処理する(S14)。尚、かかる破壊処理には、図11に示すように複数の針を有する剣山状の穿孔手段29にて土壌中の化学砲弾11の薬莢に孔を開けて、内蔵する起爆剤や炸裂剤等の爆薬を破壊し、また化学剤を抜出しても良い。
そして破壊処理を行った後に後処理工程として図12に示す処理を行う。
まず、吸収液28を注水して密封した水槽25内で爆裂処理を行った後に(図12(a)参照)、発生した排ガスを隣接する排ガス処理設備40にて無害化する(S15)。該排ガス処理設備40は、吸収液42を充満した吸収槽41と、吸着剤を備えたシリカゲル吸着搭43及び活性炭吸着搭44を直列に設置した構成となっている。吸収液42及び吸着剤は、処理対象物により適宜選択すると良い(図12(b)参照)。
【0024】
一方、前記爆裂処理後の水槽25内には土壌及び化学物質が混濁する吸収液28が残存しているため、該吸収液28中に好気性菌若しくは嫌気性菌を投入して吸収液中の有害物質を分解除去する。このとき、曝気管等の撹拌手段30を設けることが好ましい(図12(c)参照)。
また、前記吸収液を加熱若しくは冷却して有害物質と吸収液との反応速度を制御しても良い。このとき、破壊処理後の吸収液の状態及び化学砲弾に含有される化学物質の成分に基づき、有害物質と吸収液との反応効率を向上させたい場合には加熱し、有害物質と吸収液との急激な反応を抑制させる場合には吸収液を冷却する。
さらに、排水処理後の処理液を沈降分離等により処理し(S17)、残留汚泥に好気性菌を投入して発酵させて堆肥化する(S18)。
そして、前記水槽25を撤去して地盤サイト13の跡地を整備(S19)した後に、生成した発酵汚泥31により跡地の緑地化を行う(S20)(図12(d)、(e)参照)。
【0025】
かかる処理によれば、地盤サイト13を凍結することにより容易に外部地盤と隔絶することができ、立地条件の悪い埋没領域においても簡単に砲弾処理を行うことができる。また、前記地盤サイト13を耐爆材により密閉しているため、大気及び土壌中へ有害物質が漏出することを防止できる。また、地盤サイトの埋没領域に併せて適宜設定可能であるため、領域の変動に容易に対応できる。
また、耐爆性コンクリートなどの不定形材料を利用することにより、山間部や荒地等の砲弾埋没現場までの装置の搬送が容易となる。
【0026】
さらに、前記水槽25内に充満した処理液中で砲弾の破壊処理を行っているため、爆裂処理した際の衝撃を吸収し、化学砲弾を安全かつ迅速に処理することができる。また、前記爆裂処理後の処理液の温度を制御することにより、安全にかつ効率良く化学物質の吸収除去を行うことが可能となる。
さらにまた、化学砲弾の埋没領域近傍にて排ガス処理、排水処理及び汚泥処理を行うことにより、クローズドシステムが形成されるため処理現場が交通不便な僻地であっても立地可能である。さらに、砲弾処理後に埋没領域を緑地化することにより環境問題に大きく貢献することができる。
【0027】
【実施例】
本発明の砲弾処理の詳細な一実施例を説明する(適宜図3乃至図12参照)。
最初に、金属探知機、地下エコー等により砲弾埋没領域12を測定し、砲弾埋没領域から約5〜10m以上外側を境界とした埋没地盤サイト13の範囲を画定する。そして地盤サイト13の境界に沿って、幅約5〜10m×深さ約7〜10mの側溝14を掘削形成する。この際、鉄板等で堀枠を張り側溝14が崩壊しないように補強する。
次に、地盤サイト13の凍結を以下のように行う。
地盤サイト13の地表及び側溝鉄板に蒸発器用導チューブ21を設置し、二元冷凍仕様の冷却ユニット20と該チューブ21とを接続する。そして該冷却ユニット20と発電機とを接続した後に、地盤サイト13に向けて散水する。好適な散水量は、サイト面積×高さ(砲弾基底部から3〜5m下まで)とする。
【0028】
例えば、地盤サイト13の容積が30m×50m×10m=15000mであった場合、水量はサイト容積×0.5=15000×0.5=7500m、若しくはサイト容積×0.1=15000×0.1=7500m、とする。
散水後にサイト表面、及び側溝を断熱パネルで多い、凍結運転を行う。
さらに、凍結運転後に、サイト底部に10m毎に銅チューブ埋設用孔を掘削し、側溝14から地盤サイト底部間隙15に伝熱用銅チューブ21を挿入し、再度凍結運転を行う。
【0029】
冷却装置関連機器を撤去した後、水槽壁工事を以下のように行う。
サイト底部の両サイドからトンネルを掘削し、両サイドに鉄骨基礎を構築する。そして、両サイド支え鉄骨に鉄筋コンクリート15bを施工し、サイト底部の中央にトンネルを掘削する。掘削したトンネルに鉄骨基礎を構築し、両サイド基礎と連結させて、中央支え鉄骨に鉄筋コンクリートを施工する。
さらに、基礎から側壁部の鉄骨立ち上げ工事を行い、コンクリートを注入する。このとき、側壁鉄骨組みは、地上部高さ約20m+基礎部10mとする。
【0030】
そして、施工されたコンクリート水槽25内に爆薬27を設置し、さらにハッチを設けたコンクリート上蓋26を施工して注水する。注水量は、30m×50m×20m=30000mとする。
注水後、前記爆薬27を***させ、排気口から排出する排ガスは併設する排ガス処理設備40にて処理する。水槽内の吸収液28は必要に応じて水温コントロールを行いながら、撹拌して有害な化学物質と処理液とを反応させる。さらに、該処理液に曝気処理を主体とする生物処理を施す。処理後の排水は、脱水して乾燥した後に堆肥化処理を行い、生成した堆肥を緑地還元に利用し無農薬芝等を導入して地盤サイト13を緑地化する。
【0031】
【発明の効果】
以上記載のごとく本発明によれば、人手を介在することなく、安全かつ環境配慮を兼ね備えた処理が可能となる。
本発明では、発掘作業が皆無となるため、作業者の安全が確保される。また、密閉状態で処理するため、作業者の安全確保はもとより土壌及び大気中への有害物質の漏出が防止でき環境配慮も同時に達成される。さらに、一度に地盤サイト毎に処理するため、短期間での迅速な処理が可能となる。また、複数のサイトを同時進行で処理できるため大量の化学砲弾の処理に適している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態にかかる化学砲弾処理手順を示すフロー図である。
【図2】地中遺棄化学砲弾の埋没領域を示す概略斜視図である。
【図3】画定した埋没地盤サイトを示す概略斜視図である。
【図4】側溝を形成した地盤サイトを示す概略斜視図である。
【図5】側溝からの地盤サイトの冷却状態を示す概略斜視図である。
【図6】底部間隙からの地盤サイトの冷却状態を示す概略斜視図である。
【図7】底部間隙を一部形成した地盤サイトを示す概略斜視図である。
【図8】底部間隙の掘削手順を示す説明図である。
【図9】耐爆性水槽を施工した地盤サイトの斜視断面図である。
【図10】砲弾爆裂処理を行う場合の地盤サイトの斜視断面図である。
【図11】図10の別の実施例である砲弾穿孔処理を行う場合の説明図である。
【図12】砲弾破壊処理後の後処理工程を示す説明図である。
【符号の説明】
10 土壌
11 化学砲弾
12 埋没領域
13 埋没地盤サイト
14 側溝
15 底部間隙
20 冷却ユニット
21 伝熱管
25 耐爆材水槽
26 上蓋
27 爆薬
28 吸収液
40 排ガス処理設備

Claims (9)

  1. 地中に埋没した化学砲弾を、埋没領域から他へ移送することなくかつ外部地盤と隔離した状態で破壊処理する地中埋没化学砲弾の処理方法であって、
    前記埋没領域を含む地盤サイトの凍結と、該地盤サイト外周縁及び底部の掘削とを交互に行うことにより該地盤サイトと外部地盤とを隔離することを特徴とする地中埋没化学砲弾の処理方法。
  2. 前記地盤サイトと外部地盤との間隙に耐爆材を充填することを特徴とする請求項1記載の地中埋没化学砲弾の処理方法。
  3. 前記地盤サイト外周縁の間隙に充填した耐爆材を地表上方まで延伸して耐爆材側壁を形成し、該耐爆材側壁と地表とで囲繞された空間に有害物質吸収液を注水した後に該空間を密閉して化学砲弾の破壊処理を行うことを特徴とする請求2記載の地中埋没化学砲弾の処理方法。
  4. 前記吸収液は、水に有害物質を吸収する添加剤を加えた吸収液であることを特徴とする請求項3記載の地中埋没化学砲弾の処理方法。
  5. 前記破壊処理の後に、前記吸収液を加熱若しくは冷却して有害物質と吸収液との反応速度を制御することを特徴とする請求項3記載の地中埋没化学砲弾の処理方法。
  6. 前記破壊処理の後に、発生した排ガスを前記密閉空間外部に設けた排ガス処理設備に送給し、該排ガス処理設備で排ガス中の有害物質を除去することを特徴とする請求項3記載の地中埋没化学砲弾の処理方法。
  7. 前記破壊処理の後に、有害物質を含有する吸収液に好気性生物処理若しくは嫌気性生物処理を施し、該有害物質を無害化することを特徴とする請求項3記載の地中埋没化学砲弾の処理方法。
  8. 請求項7記載の生物処理により発生した汚泥を発酵処理して堆肥化することを特徴とする地中埋没化学砲弾の処理方法。
  9. 請求項8記載の発酵処理により得られた堆肥を利用して砲弾除去後の埋没領域を緑地化することを特徴とする地中埋没化学砲弾の処理方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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