JP2004323739A - 光触媒コーティング膜の水接触角制御方法及び光触媒コーティング膜 - Google Patents

光触媒コーティング膜の水接触角制御方法及び光触媒コーティング膜 Download PDF

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Abstract

【課題】光触媒コーティング膜の水接触角を任意に制御することにより、種々の環境下において親水性レベルを最適化することにより、結果として最大限の防汚効果を発現する光触媒コーティング膜を形成する。
【解決手段】光触媒コーティング剤中の光触媒微粒子に対して0.1〜400重量%の熱可塑性フッ素樹脂を添加することにより、波長400nm以下であり、光強度が0.1〜5mW/cmの範囲である光の存在下で光触媒コーティング膜の限界水接触角が0〜90°となるように制御する。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は光触媒コーティング膜の水接触角制御方法及び光触媒コーティング膜に係り、特に、光触媒微粒子を含む光触媒コーティング剤を基材に塗布することにより形成した光触媒コーティング膜の水接触角を制御して、油性、水性の任意の汚れ成分に対して防汚効果を発現させる方法及びコーティング膜に関する。
【0002】
【従来の技術及び先行技術】
従来、陶磁器、金属、プラスチック等の各種基材表面に防汚コーティング膜として、酸化チタン等の光触媒を含むコーティング膜を形成することが行われている。光触媒は、紫外線が照射されると活性化し、表面に生成する活性酸素により有機物などを酸化分解したり、基材表面の水接触角を相対的に低減することで防汚、防曇などの機能を発現する。光触媒としては、酸化チタンの他、酸化亜鉛、酸化タングステン、硫化カドミウム、酸化第二鉄、チタン酸ストロンチウム等の金属酸化物があるが、これらのうち、特に、酸化チタン、とりわけアナターゼ型酸化チタンのコーティング膜は、誘電体膜、半導体膜、紫外線カット膜、着色膜、その他各種の保護膜としても広く用いられている。
【0003】
従来、この酸化チタン被膜の形成のためのコーティング剤として、チタン含有水溶液と塩基性物質との反応により水酸化チタン微粒子の懸濁液を得、この液に過酸化水素等の酸化剤を反応させて生成する過酸化チタン(ペルオキソチタン酸)を最適条件(80℃以上)で加熱することにより得られる、酸化チタン微粒子の懸濁液が用いられている。このようにして得られる酸化チタン微粒子は、光触媒活性を有するアナターゼ型酸化チタン微粒子であり、各種酸化チタン被膜の形成に有効である。
【0004】
このような酸化チタン微粒子の懸濁液をコーティング剤として用いて、基材上に良好な酸化チタン被膜を密着性良く形成するためには、懸濁液中の酸化チタン微粒子が、粒径の十分に小さい微細粒子であることが望まれることから、本出願人は、先に、極めて微細な酸化チタン微粒子含有液を得る方法について研究を重ね、チタンを含む水溶液に塩基性物質を添加して水酸化チタンの微粒子が分散した分散液を調製する水酸化工程と、該水酸化チタン微粒子の分散液にエネルギー波を照射して該水酸化チタン微粒子を微細化させる微細化工程とを有するチタン含有液の特性改良方法を特許出願した(特願2002−324063)。
【0005】
なお、防汚コーティング膜としては、フッ素系塗料等による水接触角90°以上の撥水性塗膜も知られている。
【0006】
【特許文献1】
特願2002−324063
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように現行の防汚技術は、光触媒コーティング膜のような親水性コーティング膜により親油性物質の付着を抑制するか、或いは撥水性のフッ素系塗膜により、親水性物質の付着を抑制するかの二者択一となっている。例えば、工場の噴煙や自動車の排気ガスなどの油性の汚れ成分が比較的多い都市部においては前者の親水性コーティング膜が有効であり、土壌成分や海水塩分など水性の汚れ成分が比較的多い農村などの郊外部では後者の撥水性塗膜が有効である。従って、場所や周囲の環境を考慮して酸化チタン系の親水性膜かフッ素系の撥水性膜のいずれかを選定して防汚対策が講じられる。しかしながら、水接触角の異なる光触媒コーティング膜の形成方法は提供されていない。
【0008】
また、親水性コーティング膜は、油性の汚れ成分の付着防止には有効であるが、藻やカビなどに対してはその繁殖に好適な環境を与えるものであるため、これら生物的な汚れについてはむしろ逆効果である。
【0009】
従って、種々の異なる環境下での防汚性能を考慮した場合、親水性コーティング膜は、その塗膜が暴露される環境に応じて親水性レベルを最適化することが望まれる。
【0010】
しかしながら、現在各社から製品化されている酸化チタン光触媒コーティング膜の場合、適量の紫外線の存在下では一様に限界水接触角が10°以下の親水性を示し、10°以上の領域で安定化させることができるものは提供されていない。
【0011】
本発明は上記従来の問題点を解決し、酸化チタン系光触媒コーティング膜単一系にて各環境下で親水化レベルが最適である親水性コーティング膜を形成する方法を提供するものであり、光触媒コーティング膜表面の水接触角を0〜90°の範囲で任意に制御することにより、結果として表面の親水性、疎水性のバランスを自由に制御する方法及びこの方法により形成された光触媒コーティング膜を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の光触媒コーティング膜の水接触角制御方法は、光触媒微粒子を含む光触媒コーティング剤を基材に塗布することにより形成した光触媒コーティング膜の水接触角を制御する方法において、該光触媒コーティング剤に熱可塑性フッ素樹脂を添加することを特徴とする。
【0013】
本発明の光触媒コーティング膜は、光触媒微粒子を含む光触媒コーティング剤を基材に塗布することにより形成された光触媒コーティング膜において、このような本発明の方法により、該膜の水接触角が制御されたことを特徴とする。
【0014】
ただし、ここでいう水接触角とは、十分に放置・乾燥させた光触媒コーティング膜に波長350〜380nmの範囲の光強度が1mW/cmである紫外光(光源は通常ブラックライトとする)を24hr以上照射し、ほぼ最低値に収斂したときの水接触角、すなわち限界水接触角のことを指すものとする。
【0015】
本発明者らは、光触媒コーティング膜の水接触角を制御すべく検討を重ねた結果、光触媒コーティング剤に熱可塑性フッ素樹脂を添加することにより、波長400nm以下であり、光の強度が0.1〜5mW/cmである光の存在下にて水接触角レベルを0〜90°の範囲で任意に制御することができることを知見し、本発明を完成させた。
【0016】
本発明においては、特に、光触媒コーティング剤中の熱可塑性フッ素樹脂の含有量が光触媒微粒子に対して0.1〜400重量%となるように添加することにより、波長350〜380nmの範囲の光強度が0.1〜5mW/cmである紫外線存在下において最終到達の水接触角を0〜90°の範囲で任意に制御することが可能である。
【0017】
本発明において、光触媒微粒子としては、酸化チタン微粒子、とりわけアナターゼ型酸化チタン微粒子が好適である。
【0018】
また、熱可塑性フッ素樹脂は、平均粒径10〜500nmの微粒子であることが好ましく、また、酸化チタン微粒子等の光触媒微粒子の平均粒径は5〜100nmであることが好ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の光触媒コーティング膜の水接触角制御方法の実施の形態を詳細に説明する。
【0020】
本発明に係る光触媒コーティング剤に含有される光触媒としては特に制限はなく、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化タングステン、硫化カドミウム、酸化第二鉄、チタン酸ストロンチウム等の金属酸化物が挙げられるが、本発明はこれらの金属酸化物光触媒のうち、光触媒効果が高く、汎用性がある、酸化チタン、とりわけアナターゼ型酸化チタン微粒子に好適である。
【0021】
このような光触媒微粒子は、平均粒径5〜100nmの微粒子状であることが好ましい。光触媒微粒子の平均粒径が100nmを超えると基材上に密着性の良いコーティング膜を形成し得ない。平均粒径5nm未満の光触媒微粒子は製造が困難であり、コストが高くつく。
【0022】
一方、本発明において、光触媒コーティング剤に配合する熱可塑性フッ素樹脂としては、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、ビニリデンフロライド等の各種のフッ素含有モノマーの重合体又は共重合体を用いることができる。この熱可塑性フッ素樹脂は、コーティング剤中への分散性や透明性確保等の面から、平均粒径10〜500nm程度の微粒子状であることが好ましい。フッ素樹脂微粒子の平均粒径が10nm未満ではコストが高くなる。一方、500nmを超えると白濁化し、透明コーティング剤としての機能を失う。
【0023】
コーティング剤への配合の際の取り扱い性の面から、このようなフッ素樹脂微粒子は、その懸濁液(ディスパージョン)として用いることが好ましい。
【0024】
このようなフッ素樹脂ディスパージョンとしては市販品を用いることができ、例えば住友スリーエム社製水系フッ素樹脂ディスパージョン「ダイニオンTHV340C(テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、及びビニリデンフロライドの共重合樹脂。平均粒径90nmの微粒子の固形分濃度50%の水性ディスパージョン)」等を用いることができる。なお、フッ素樹脂ディスパージョンは水系に限らず、コーティング剤が有機溶剤系の場合には、アルコール類、低級ケトン類、エステル系溶剤等の有機溶剤系を用いることもできる。
【0025】
光触媒コーティング剤中への熱可塑性フッ素樹脂の添加量は、酸化チタン等の光触媒微粒子に対して0.1〜400重量%、特に1〜100重量%、とりわけ1〜50重量%の範囲とすることが好ましい。フッ素樹脂の添加量がこの範囲よりも少ないとフッ素樹脂を配合したことによる本発明の水接触角制御効果を十分に得ることができない。フッ素樹脂の添加量がこの範囲よりも多いと相対的に光触媒の含有量が低減して形成されるコーティング膜の光触媒効果が低減し、好ましくない。
【0026】
本発明において、光触媒コーティング剤の配合組成は、熱可塑性フッ素樹脂を添加すること以外は、従来の光触媒コーティング剤と同様の配合組成とすることができ、水系であっても有機溶剤系であっても良い。
【0027】
一般に、光触媒コーティング剤中の光触媒微粒子の含有量は0.5〜10重量%であり、また、光触媒コーティング剤には、光触媒微粒子の分散安定性の向上、基材に対する濡れ性の確保等の目的で界面活性剤を含んでいても良い。
【0028】
本発明で用いられる光触媒コーティング剤の代表的な配合組成を以下に示すが、本発明の光触媒コーティング剤は、何ら以下のものに限定されるものではない。
【0029】
[水系光触媒コーティング剤(重量%)]
光触媒微粒子: 0.5〜5
フッ素樹脂微粒子:0.01〜2
水系溶剤 : 残部
[有機溶剤系光触媒コーティング剤(重量%)]
光触媒微粒子: 0.5〜5
フッ素樹脂微粒子:0.01〜2
有機溶剤 : 残部
【0030】
なお、水系溶剤としては、水、又は水とアルコール等の極性有機溶剤の1種又は2種以上との混合溶剤を用いることができる。また、有機溶剤としては、低級ケトン類、エステル系溶剤等の有機溶剤の1種又は2種以上の混合溶剤を用いることができる。
【0031】
本発明によれば、光触媒コーティング剤を金属、セラミック、ガラス、プラスチック、木、石、セメント、コンクリート等の各種の基材に対して、スプレー、刷毛塗り等により塗布し、必要に応じて60〜600℃で加熱処理することにより光触媒コーティング膜を形成するに当たり、光触媒コーティング剤中の熱可塑性フッ素樹脂量を調整することにより、形成される光触媒コーティング膜の0.1〜5mW/cmの強度の紫外線存在下の最終到達の水接触角を0〜90°の親水性〜撥水性の範囲で任意に制御することができ、例えば、水接触角が5〜60°、好ましくは10〜40°の適度な親水性を示すことにより、油性、水性両方の汚れ成分に対して防汚効果を発現する光触媒コーティング膜を形成することも可能となる。
【0032】
なお、形成される光触媒コーティング膜の膜厚は、基材の用途によっても異なるが、通常0.3〜3μm程度である。
【0033】
【実施例】
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
【0034】
実施例1
(株)ティオテクノ製光触媒コーティング剤「ティオコートA」(固形分濃度1.7%)200g、同社製添加剤A(エタノール80%)200g、及び住友スリーエム社製水系熱可塑性フッ素樹脂ディスパージョン(製品名「ダイニオンTHV340C」)2gを混合してよく撹拌した後、白色タイル(ダントー社製,67mm×75mm)にスプレー塗布して自然乾燥させタイル表面に酸化チタン薄膜を形成した。
【0035】
実施例2
(株)ティオテクノ製光触媒コーティング剤「ティオコートA」(固形分濃度1.7%)200g、同社製添加剤A(エタノール80%)200g、及び住友スリーエム社製水系熱可塑性フッ素樹脂ディスパージョン(製品名「ダイニオンTHV340C」)1gを混合してよく撹拌した後、白色タイル(ダントー社製,67mm×75mm)にスプレー塗布して自然乾燥させタイル表面に酸化チタン薄膜を形成した。
【0036】
実施例3
(株)ティオテクノ製光触媒コーティング剤「ティオコートA」(固形分濃度1.7%)200g、同社製添加剤A(エタノール80%)200g、及び住友スリーエム社製水系熱可塑性フッ素樹脂ディスパージョン(製品名「ダイニオンTHV340C」)0.2gを混合してよく撹拌した後、白色タイル(ダントー社製,67mm×75mm)にスプレー塗布して自然乾燥させタイル表面に酸化チタン薄膜を形成した。
【0037】
実施例4
(株)ティオテクノ製光触媒コーティング剤「ティオコートA」(固形分濃度1.7%)200g、同社製添加剤A(エタノール80%)200g、及び住友スリーエム社製水系熱可塑性フッ素樹脂ディスパージョン(製品名「ダイニオンTHV340C」)1gを混合してよく撹拌した後、白色タイル(ダントー社製,67mm×75mm)にスプレー塗布して自然乾燥させタイル表面に酸化チタン薄膜を形成した。
【0038】
実施例5
(株)ティオテクノ製光触媒コーティング剤「ティオコートA」(固形分濃度1.7%)200g、同社製添加剤A(エタノール80%)200g、及び住友スリーエム社製水系熱可塑性フッ素樹脂ディスパージョン(製品名「ダイニオンTHV340C」)10gを混合してよく撹拌した後、白色タイル(ダントー社製,67mm×75mm)にスプレー塗布して自然乾燥させタイル表面に酸化チタン薄膜を形成した。
【0039】
実施例6
(株)ティオテクノ製光触媒コーティング剤「ティオコートA」(固形分濃度1.7%)200g、同社製添加剤A(エタノール80%)200g、及び住友スリーエム社製水系熱可塑性フッ素樹脂ディスパージョン(製品名「ダイニオンTHV340C」)20gを混合してよく撹拌した後、白色タイル(ダントー社製,67mm×75mm)にスプレー塗布して自然乾燥させタイル表面に酸化チタン薄膜を形成した。
【0040】
実施例7
(株)ティオテクノ製光触媒コーティング剤「ティオコートA」(固形分濃度1.7%)200g、同社製添加剤A(エタノール80%)200g、及び住友スリーエム社製水系熱可塑性フッ素樹脂ディスパージョン(製品名「ダイニオンTHV340C」)20gを混合してよく撹拌した後、アクリル電着塗装アルミ板にスプレー塗布して自然乾燥させサンプル表面に酸化チタン薄膜を形成した。
【0041】
実施例8
(株)ティオテクノ製光触媒コーティング剤「ティオコートA」(固形分濃度1.7%)200g、同社製添加剤A(エタノール80%)200g、及び住友スリーエム社製水系熱可塑性フッ素樹脂ディスパージョン(製品名「ダイニオンTHV340C」)20gを混合してよく撹拌した後、ポリプロピレン製無塗装板(厚さ約3mm)にスプレー塗布して自然乾燥させサンプル表面に酸化チタン薄膜を形成した。
【0042】
実施例9
(株)ティオテクノ製光触媒コーティング剤「ティオコートA」(固形分濃度1.7%)200g、同社製添加剤A(エタノール80%)200g、及び住友スリーエム社製水系熱可塑性フッ素樹脂ディスパージョン(製品名「ダイニオンTHV340C」)20gを混合してよく撹拌した後、ポリカーボネート製無塗装板(厚さ約3mm)にスプレー塗布して自然乾燥させサンプル表面に酸化チタン薄膜を形成した。
【0043】
比較例1
(株)ティオテクノ製光触媒コーティング剤「ティオコートA」(固形分濃度1.7%)200gと同社製添加剤A(エタノール80%)200gを混合してよく撹拌した後、白色タイル(ダントー社製,67mm×75mm)にスプレー塗布して自然乾燥させタイル表面に酸化チタン薄膜を形成した。
【0044】
比較例2
(株)ティオテクノ製光触媒コーティング剤「ティオコートA」(固形分濃度1.7%)200gおよび同社製添加剤A(エタノール80%)200gを混合してよく撹拌した後、アクリル電着塗装アルミ板にスプレー塗布して自然乾燥させサンプル表面に酸化チタン薄膜を形成した。
【0045】
比較例3
(株)ティオテクノ製光触媒コーティング剤「ティオコートA」(固形分濃度1.7%)200gおよび同社製添加剤A(エタノール80%)200gを混合してよく撹拌した後、ポリプロピレン製無塗装板(厚さ約3mm)にスプレー塗布して自然乾燥させサンプル表面に酸化チタン薄膜を形成した。
【0046】
比較例4
(株)ティオテクノ製光触媒コーティング剤「ティオコートA」(固形分濃度1.7%)200gおよび同社製添加剤A(エタノール80%)200gを混合してよく撹拌した後、ポリカーボネート製無塗装板(厚さ約3mm)にスプレー塗布して自然乾燥させサンプル表面に酸化チタン薄膜を形成した。
【0047】
なお、用いた各配合剤の成分組成は次の通りである。
[ティオコートA]
酸化チタン微粒子(平均粒径:27nm): 1.70重量%
ペルオキソチタン酸: 0.26重量%
水 : 98.05重量%
[添加剤A]
エタノール:80重量%
純水: 20重量%
[ダイニオンTHV340C]
熱可塑性フッ素樹脂微粒子(平均粒径:90nm):50.0重量%
水: 50.0重量%
【0048】
また、スプレーガンとしては、明治機械社製「FSA−G05(C)(ガン口径0.5mm)」を使用し、温度は23℃、エアー圧力は2kg/cmで、塗布回数縦方向2回、横方向2回、合計4回で塗布を行い、平均膜厚が0.5〜1.5μmの範囲に入るようなコーティング膜を形成した。なお、膜厚測定にはキーエンス社製超深度測定器「VK−8500」を使用した。
【0049】
このようにして酸化チタンコーティング膜を形成したサンプルを23±2℃、湿度50±5%R.H.に保たれた部屋の暗所に3日間放置した後、水接触角を測定した。また、東芝ライテック社製ブラックライト「FL20S・BLB(20ワット型)」を用いて表1に示す強度で紫外線照射を行い、所定の照射時間における接触角を測定し、これらの測定結果を表1に示した。
【0050】
【表1】
Figure 2004323739
【0051】
表1より、本発明によれば、無機、有機基材を問わず光触媒コーティング膜の限界水接触角(表1の照射24時間の値)を0〜90°の範囲で任意に制御することができることがわかる。
【0052】
【発明の効果】
以上詳述した通り、本発明の光触媒コーティング膜の水接触角制御方法及び光触媒コーティング膜によれば、光触媒コーティング剤に熱可塑性フッ素樹脂を配合することにより、形成される光触媒コーティング膜の限界水接触角を各種基材上で任意に制御することができる。このため、種々の環境下において、防汚性能面でそれぞれに最適な親水性レベルの光触媒コーティング膜を形成することができる。

Claims (8)

  1. 光触媒微粒子を含む光触媒コーティング剤を基材に塗布することにより形成した光触媒コーティング膜の水接触角を制御する方法において、該光触媒コーティング剤に熱可塑性フッ素樹脂を添加することを特徴とする光触媒コーティング膜の水接触角制御方法。
  2. 請求項1において、該光触媒コーティング剤中の熱可塑性フッ素樹脂の含有量が前記光触媒微粒子に対して0.1〜400重量%となるように添加することにより、波長400nm以下であり、光の強度が0.1〜5mW/cmの範囲である光の存在下で該光触媒コーティング膜の水接触角が0〜90°となるように制御することを特徴とする光触媒コーティング膜の水接触角制御方法。
  3. 請求項2において、該光触媒コーティング剤中の熱可塑性フッ素樹脂の含有量が前記光触媒微粒子に対して1〜50重量%となるように添加することを特徴とする光触媒コーティング膜の水接触角制御方法。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項において、該光触媒微粒子が酸化チタン微粒子であることを特徴とする光触媒コーティング膜の水接触角制御方法。
  5. 請求項4において、該酸化チタン微粒子がアナターゼ型酸化チタン微粒子であることを特徴とする光触媒コーティング膜の水接触角制御方法。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項において、該熱可塑性フッ素樹脂は平均粒径10〜500nmの微粒子であることを特徴とする光触媒コーティング膜の水接触角制御方法。
  7. 請求項1ないし6のいずれか1項において、該光触媒微粒子の平均粒径が5〜100nmであることを特徴とする光触媒コーティング膜の水接触角制御方法。
  8. 光触媒微粒子を含む光触媒コーティング剤を基材に塗布することにより形成された光触媒コーティング膜において、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の方法により、該膜の水接触角が制御されたことを特徴とする光触媒コーティング膜。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009270936A (ja) * 2008-05-07 2009-11-19 Mie Univ 液絡部及びその製造方法

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