JP2004322597A - 射出成形用金型及び射出成形品の製造方法 - Google Patents

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昌彦 林
Fumihiro Naruse
史博 成瀬
Kazunori Ueki
一範 植木
Masahito Oka
雅人 岡
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Abstract

【課題】金型温度を短時間で正確に制御することができ、成形サイクルを短縮して生産性を高めるとともに、成形品のパターン転写精度を向上することができる射出成形用金型及び射出成形品の製造方法を提供する。
【解決手段】熱媒体供給装置から熱媒体を金型内の熱媒体流路に供給して金型温度を制御する射出成形用金型において、高温熱媒体の供給装置と該高温熱媒体の金型への供給手段、中温熱媒体の供給装置と該中温熱媒体の金型への供給手段及び低温熱媒体の供給装置と該低温熱媒体の金型への供給手段を有する射出成形用金型、並びに、溶融樹脂を射出する前に金型内の熱媒体流路に高温熱媒体を供給して金型を昇温したのち、供給する熱媒体を中温熱媒体に切り替えて金型温度を略一定に保ち、溶融樹脂を射出した後に金型内の熱媒体流路に低温熱媒体を供給して金型を冷却する射出成形品の製造方法。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、射出成形用金型及び射出成形品の製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、金型温度を短時間で正確に制御することができ、成形サイクルを短縮して生産性を高めるとともに、成形品の精度を向上することができる射出成形用金型及び射出成形品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
熱可塑性樹脂の射出成形において、金型の温度制御は、射出成形の生産性と射出成形品の品質に最も大きく関与する事項の一つである。金型に射出された溶融樹脂は、冷却され固化して成形品となる。従来の射出成形用金型は、所定の温度に制御された熱媒体を金型内の熱媒体流路に供給し、金型を冷却したり、加温したりすることができた。一般に熱媒体は、熱媒体供給装置から熱媒体流路に供給され、そして流路から供給装置に戻され、循環使用される。金型から返送される熱媒体の温度が設定温度より高い場合は、低温の熱媒体の注入や、熱交換器の利用などにより、熱媒体を設定温度まで冷却し、金型から戻る熱媒体の温度が設定温度より低い場合は、補助ヒーターなどにより設定温度まで加熱する。
近年にいたって、射出成形品の寸法精度、表面形状、内部歪みなどに対する要求が高度化するにつれ、溶融樹脂を射出するときの金型温度を高めにし、冷却するときの金型温度を低めにする方法が採られるようになった。溶融樹脂を射出するときの金型温度を高めに設定することにより、金型キャビティ内を移動する溶融樹脂の温度低下と粘度上昇を防ぎ、金型表面の微細な凹凸形状などを成形品に正確に転写するとともに、成形品の内部歪みの発生を防止することができる。また、冷却するときの金型温度を低めにすることにより、冷却時間を短かくして成形サイクルを短縮し、生産性を高めることができる。
この方法を実現するための一つの手段として、高温と低温の2種類の熱媒体を切り替えて金型に供給する手段が採られるようになった。熱媒体の切り替えは、金型の温度センサからの信号又はタイマーによってバルブを制御することによって行われていた(特許文献1)。この方法では、金型が設定温度に達した時点で熱媒体を切り替えるので、安定して一定の温度を保つことができないうえに、金型の加熱冷却サイクルを十分に短縮することができないという欠点があった。又、別の手段として、金型キャビティの表層温度を、赤外線の照射による加熱と、熱媒体による熱交換とで調節する方法が提案されている(特許文献2)。しかし、この方法は、装置が複雑になるのみならず、赤外線照射による加熱を短時間で行うことが困難であった。
【特許文献1】
特開2002−321221号公報(第2頁)
【特許文献2】
特開2001−212861号公報(第2頁)
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、金型温度を短時間で正確に制御することができ、成形サイクルを短縮して生産性を高めるとともに、成形品のパターン転写精度を向上することができる射出成形用金型及び射出成形品の製造方法を提供することを目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、射出成形用金型に、高温、中温及び低温の3系統の熱媒体系を設け、金型内の熱媒体流路に高温熱媒体を供給して短時間で金型を加熱したのち、中温の熱媒体に切り替えて金型を設定温度に安定に保持しつつ溶融樹脂を射出し、金型キャビティに溶融樹脂が充填されたのち、低温熱媒体を供給して冷却することにより、成形サイクルを短縮して、しかもパターン転写精度の高い射出成形品を製造することが可能となることを見いだし、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)熱媒体供給装置から熱媒体を金型内の熱媒体流路に供給して金型温度を制御する射出成形用金型において、高温熱媒体の供給装置と該高温熱媒体の金型への供給手段、中温熱媒体の供給装置と該中温熱媒体の金型への供給手段及び低温熱媒体の供給装置と該低温熱媒体の金型への供給手段を有することを特徴とする射出成形用金型、
(2)金型内の熱媒体流路から熱媒体供給装置へ熱媒体を返送するための熱媒体戻り配管の途中に、熱媒体緩衝タンクを有する第1項記載の射出成形用金型、
(3)熱媒体供給装置から熱媒体を送り出し、金型内の流路を通らずに熱媒体供給装置へ熱媒体を戻すための熱媒体循環配管を有する第1項又は第2項記載の射出成形用金型、及び、
(4)溶融樹脂を射出する前に金型内の熱媒体流路に高温熱媒体を供給して金型を昇温したのち、供給する熱媒体を中温熱媒体に切り替えて金型温度を略一定に保ち、溶融樹脂を射出した後に金型内の熱媒体流路に低温熱媒体を供給して金型を冷却することを特徴とする射出成形品の製造方法、
を提供するものである。
さらに、本発明の好ましい態様として、
(5)熱媒体緩衝タンクが、複数個の***からなる熱媒体整流手段を有する第2項記載の射出成形用金型、
を挙げることができる。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明の射出成形用金型は、熱媒体供給装置から熱媒体を金型内の熱媒体流路に供給して金型温度を制御する射出成形用金型において、高温熱媒体の供給装置と該高温熱媒体の金型への供給手段、中温熱媒体の供給装置と該中温熱媒体の金型への供給手段及び低温熱媒体の供給装置と該低温熱媒体の金型への供給手段を有する射出成形用金型である。本発明の射出成形用金型は、金型内の熱媒体流路から熱媒体供給装置へ熱媒体を返送するための熱媒体戻り配管の途中に、熱媒体緩衝タンクを有することが好ましい。本発明の射出成形用金型は、熱媒体供給装置から熱媒体を送り出し、金型内の流路を通らずに熱媒体供給装置へ熱媒体を戻すための熱媒体循環配管を有することが好ましい。なお、本発明において、熱媒体供給装置は、必ずしも熱媒体を貯留し得る形状でなくてもよく、熱交換形状のタイプであってもよい。
図1は、本発明の射出成形用金型の一態様の系統図である。本態様の射出成形用金型は、可動型1、固定型2、高温熱媒体供給装置3、中温熱媒体供給装置4及び低温熱媒体供給装置5を有する。高温熱媒体は、高温熱媒体供給装置3中に設置されたポンプ6、バルブ12及び送り配管からなる高温熱媒体供給手段により可動型1及び固定型2に供給され、戻り配管、バルブ13及び熱媒体緩衝タンク9を経由して、高温熱媒体供給装置3に返送される。中温熱媒体は、中温熱媒体供給装置4中に設置されたポンプ7、バルブ15及び送り配管からなる中温熱媒体供給手段により可動型1及び固定型2に供給され、戻り配管、バルブ16及び熱媒体緩衝タンク10を経由して、中温熱媒体供給装置4に返送される。低温熱媒体は、低温熱媒体供給装置5中に設置されたポンプ8、バルブ18及び送り配管からなる低温熱媒体供給手段により可動型1及び固定型2に供給され、戻り配管、バルブ19及び熱媒体緩衝タンク11を経由して、低温熱媒体供給装置5に返送される。送り配管には計測器21及び22、戻り配管には計測器23及び24を付設して、可動型及び固定型に供給される熱媒体及び可動型及び固定型から返送される熱媒体の温度、圧力、流量などを測定することができる。本態様の射出成形用金型は、バルブ14を備えた高温熱媒体循環配管、バルブ17を備えた中温熱媒体循環配管及びバルブ20を備えた低温熱媒体循環配管を有する。
【0006】
図1に示す態様の射出成形用金型においては、ポンプ6、ポンプ7及びポンプ8は、常に運転状態にあることが好ましい。可動型及び固定型に高温熱媒体を供給するとき、バルブ12、バルブ13、バルブ17及びバルブ20を開とし、その他のバルブを閉とする。高温熱媒体は、バルブ12を経由して可動型及び固定型に供給され、バルブ13及び熱媒体緩衝タンク9を経由して高温熱媒体供給装置3に返送される。このとき、中温熱媒体は、バルブ17及び熱媒体緩衝タンク10を経由して循環し、低温熱媒体は、バルブ20及び熱媒体緩衝タンク11を経由して循環する。可動型及び固定型に中温熱媒体を供給するときは、バルブ15、バルブ16、バルブ14及びバルブ20を開とし、その他のバルブを閉として、中温熱媒体の供給と返送を行い、高温熱媒体及び低温熱媒体は、バルブ14及びバルブ20を経てそれぞれ循環させる。可動型及び固定型に低温熱媒体を供給するときは、バルブ18、バルブ19、バルブ14及びバルブ17を開とし、その他のバルブを閉として、低温熱媒体の供給と返送を行い、高温熱媒体及び中温熱媒体は、バルブ14及びバルブ17を経てそれぞれ循環させる。
本発明の射出成形品の製造方法においては、溶融樹脂を射出する前に金型内の熱媒体流路に高温熱媒体を供給して金型を昇温したのち、供給する熱媒体を中温熱媒体に切り替えて金型温度を略一定に保ち、溶融樹脂を射出した後に金型内の熱媒体流路に低温熱媒体を供給して金型を冷却する。本発明方法において、高温熱媒体、中温熱媒体及び低温熱媒体の温度は、射出成形する熱可塑性樹脂の特性に応じて適宜選択することができる。ガラス転移温度100℃の熱可塑性樹脂を射出成形する場合、例えば、高温熱媒体を140℃、中温熱媒体を90℃、低温熱媒体を25℃とすることができる。可動型及び固定型に140℃の高温熱媒体を供給すると、型温度は3〜5秒で90℃近辺に達する。そこで、可動型及び固定型に供給する熱媒体を90℃の中温熱媒体に切り替えると、10〜20秒で型温度は正確に90℃となって安定する。この状態で溶融樹脂を金型キャビティに射出すると、溶融樹脂は金型キャビティを完全に充填するまでほとんど冷却されないので、粘度上昇を招くことがなく、金型表面の微細な凹凸模様は正確に射出成形品の表面に転写され、溶融樹脂の内部に応力が生ずることがないので、射出成形品の内部に光学的な歪みや、機械的な歪みが発生するおそれがない。溶融樹脂が金型キャビティを完全に充填したのち、供給する熱媒体を低温熱媒体に切り替えて、溶融樹脂を冷却し、固化させる。
【0007】
本発明方法によれば、溶融樹脂の射出時の設定温度に近い温度の熱媒体を用いて金型を加熱する従来の方法に比べて、はるかに短い成形サイクルで射出成形することができるので、射出成形の生産性が著しく向上し、さらに、射出成形機内における溶融樹脂の滞留時間が短縮されるので、樹脂が熱劣化することが少なく、高品質の射出成形品を得ることができる。
本発明方法において、熱媒体の供給量に特に制限はないが、毎分50L以上であることが好ましく、毎分100L以上であることがより好ましい。熱媒体の供給量が毎分50L未満であると、型温度の制御に長時間を要したり、型温度にむらを生じたりするおそれがある。本発明方法に用いる熱媒体の種類に特に制限はなく、例えば、水、油などを挙げることができる。これらの中で、水は境膜伝熱係数が大きく、酸化劣化するおそれがないので、特に好適に用いることができる。
本発明において、熱媒体緩衝タンクの構造に特に制限はないが、熱媒体緩衝タンクが、複数個の***からなる熱媒体整流手段を有する構造であることが好ましく、それに加えて熱媒体緩衝タンク下部から熱媒体が流入し、上部から熱媒体が流出する構造であることが特に好ましい。図2及び図3は、本発明に用いる熱媒体緩衝タンクの二態様の説明図であるが、図3の態様が好ましい。図2に示す態様の熱媒体緩衝タンクは、熱媒体緩衝タンク25の下部から熱媒体が流入し、上部から熱媒体が流出する構造となっている。熱媒体整流手段26は、先端が閉じられ、側面に多数の***27を有する管である。また、図3に示す態様の熱媒体緩衝タンクは、図2に示す態様において、熱媒体整流手段26を多数の***27を有する板に変更したものである。なお、図3に示す態様の場合の板は、円板状で、かつ、円板の半径をrとした場合に、円板の中心からr/4の範囲の中心部に***がなく、周縁部に***を有する形状であることが好ましい。熱媒体緩衝タンク内の熱媒体の流れは、プラグフロー状態であることが好ましいが、熱媒体整流手段26を設けることにより、よりプラグフローに近い流動状態を実現できる。本発明方法において、可動型及び固定型に供給する熱媒体の種類を切り替えると、その直後には供給されている熱媒体と温度差の大きい切り替え前の熱媒体が返送される。この温度差の大きい熱媒体を熱媒体供給装置に直接返送すると、熱媒体供給装置内における熱媒体の温度変動と温度むらが大きくなる。熱媒体緩衝タンク内の熱媒体は、バルブ14、17又は20が開のとき循環配管を経て循環されているので、熱媒体供給装置内の熱媒体と同じ温度であるが、熱媒体切り替えで循環を停止し、金型内の流路に供給するようにすると戻り配管からは前段階で金型内に供給していた温度の異なる熱媒体が、熱媒体整流手段26の***27から多数の細い流れとなって流出することにより、プラグフロー状態で熱媒体供給装置に送られるので、熱媒体供給装置内における熱媒体の温度変動と温度むらを最小限に抑え、安定して射出成形を行うことができる。
【0008】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。
以下に、サイクルタイム110秒内で導光板を生産することを目的として実験を行った結果を、実施例及び比較例として記載する。
実施例
図1に示す熱媒体系を有する射出成形用金型を用いて、金型温度の制御試験を行った。
可動型及び固定型は、短辺276.4mm、長辺344.0mm、厚さ8.0mmの導光板を射出成形する金型を用いた。金型コアプレートの材質は、ステンレス鋼[大同特殊鋼(株)、S−STAR]である。導光板の光出射面となる可動型のキャビティ表面には、光を拡散するパターンとして、底辺50μm、頂角が140度の断面を有するプリズム状のパターンを設け、導光板の光反射面となる固定型のキャビティ表面には、光反射面に円柱状の突起を形成する直径80μm、深さ80μmの穴をピッチ130〜300μmで設けた。
高温熱媒体供給装置は、容量4.6Lで、ヒーター[クボタカラトロニック(株)、12kW]を備え、熱媒体温度を140℃に設定した。中温熱媒体供給装置は、容量6.0Lで、ヒーター[(株)シスコ、24kW]を備え、熱媒体温度を90℃に設定した。低温熱媒体供給装置は、容量4.6Lで、ヒーター[(株)シスコ、12kW]を備え、熱媒体温度を25℃に設定した。各熱媒体は、毎分110Lで可動型及び固定型に供給し、固定型のキャビティ表面の温度を測定することとした。
脂環式構造を有する樹脂[日本ゼオン(株)、ゼオノア1060R、ガラス転移温度100℃]、射出成形機[東芝機械(株)、IS350GS、スクリュー径70mm、型締め力3,430kN]及び上記の射出成形用金型を用い、導光板の射出成形を行った。
可動型及び固定型に、高温熱媒体供給装置から温度140℃の高温熱媒体を3秒間供給したのち、供給する熱媒体を温度90℃の中温熱媒体に切り替え、切り替えと同時に型締めを開始した。中温熱媒体への切り替え7秒後に、キャビティ表面温度が88℃に到達したので樹脂の射出を開始し、5秒間で溶融樹脂の射出によるキャビティの充填を終了した。直ちに保圧を開始し、15MPaの保圧を20秒間加えた。保圧開始5秒後に、供給する熱媒体を温度25℃の低温熱媒体に切り替え、保圧状態を保ったまま冷却を開始した。保圧終了後コアを圧力40tで加圧して圧縮した。低温熱媒体を保圧終了後さらに70秒間供給して冷却したのち、金型を開き、コア前面突き出しにより導光板成形品を取り出した。取り出しに要した時間は5秒間であり、全成形サイクルは110秒であった。なお、中温熱媒体への切り替え7秒後から、低温熱媒体の供給開始まで、キャビティ表面温度は、88〜89℃で安定して推移した。
得られた導光板を、17インチ液晶モニター[日本サムスン(株)、SyncMaster172T」の導光板と入れ替えて評価した。導光板の光出射面において、光出射面を形成する各辺より15mm内側に形成される面を、縦方向、横方向にそれぞれ等間隔に4分割する線を仮想して、各線の合計9個の交点において、輝度計[(株)トプコン、BM−7]を用いて正面輝度を測定し、その平均値を算出した。また、9個の輝度の測定値の最小値と最大値の比、すなわち、
{(最小値)/(最大値)}×100(%)
を輝度均整度とした。また、目視により、ジェッティングの有無を観察した。平均輝度は3,250cd/cmであり、輝度均斉度は89%であった。ジェッティングは、認められなかった。
比較例
可動型及び固定型に高温熱媒体を供給することなく、最初から温度90℃の中温熱媒体を供給したが、供給開始から110秒後にようやく88℃に達したのみで、所定のサイクルタイムでは、射出するところまで至らなかった。
実施例と比較例におけるキャビティ表面温度の時間的経過を、図4に示す。
【0009】
【発明の効果】
本発明によれば、金型設定温度に対して、設定温度よりも温度が高い高温熱媒体を供給して金型を急加熱し、次いで設定温度と略等しい温度の中温熱媒体を供給して金型温度を安定させるので、高速かつ安定した金型温度制御が可能であり、成形サイクルを短縮して生産性を向上するとともに、品質の優れた射出成形品を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の射出成形用金型の一態様の系統図である。
【図2】図2は、本発明に用いる熱媒体緩衝タンクの一態様の説明図である。
【図3】図3は、本発明に用いる熱媒体緩衝タンクの他の態様の説明図である。
【図4】図4は、時間とキャビティ表面温度の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 可動型
2 固定型
3 高温熱媒体供給装置
4 中温熱媒体供給装置
5 低温熱媒体供給装置
6 ポンプ
7 ポンプ
8 ポンプ
9 熱媒体緩衝タンク
10 熱媒体緩衝タンク
11 熱媒体緩衝タンク
12 バルブ
13 バルブ
14 バルブ
15 バルブ
16 バルブ
17 バルブ
18 バルブ
19 バルブ
20 バルブ
21 計測器
22 計測器
23 計測器
24 計測器
25 熱媒体緩衝タンク
26 熱媒体整流手段
27 ***

Claims (4)

  1. 熱媒体供給装置から熱媒体を金型内の熱媒体流路に供給して金型温度を制御する射出成形用金型において、高温熱媒体の供給装置と該高温熱媒体の金型への供給手段、中温熱媒体の供給装置と該中温熱媒体の金型への供給手段及び低温熱媒体の供給装置と該低温熱媒体の金型への供給手段を有することを特徴とする射出成形用金型。
  2. 金型内の熱媒体流路から熱媒体供給装置へ熱媒体を返送するための熱媒体戻り配管の途中に、熱媒体緩衝タンクを有する請求項1記載の射出成形用金型。
  3. 熱媒体供給装置から熱媒体を送り出し、金型内の流路を通らずに熱媒体供給装置へ熱媒体を戻すための熱媒体循環配管を有する請求項1又は2記載の射出成形用金型。
  4. 溶融樹脂を射出する前に金型内の熱媒体流路に高温熱媒体を供給して金型を昇温したのち、供給する熱媒体を中温熱媒体に切り替えて金型温度を略一定に保ち、溶融樹脂を射出した後に金型内の熱媒体流路に低温熱媒体を供給して金型を冷却することを特徴とする射出成形品の製造方法。
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