JP2004321385A - 血液浄化器 - Google Patents

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Abstract

【課題】中空糸膜の束を収納するケースの大きさを大幅に変更することなく、中空糸膜有効長を増加させる血液浄化器を提供すること。
【解決手段】血液浄化器1は、筒状ケース11内に装填され、筒状ケース11内で一方向に血液を流通させる順方向流通中空糸の束12、および筒状ケース11内で反対方向に血液を流通させる逆方向流通中空糸の束13と、順方向流通中空糸内を流通する血液を逆方向流通中空糸に導入する血流方向変換部14と、順方向流通中空糸の束12および逆方向流通中空糸の束13に接触しつつ血液が流通する方向に対して透析液が向流する透析液流路15とを備える。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、血液浄化器に関し、さらに詳しくは血液透析療法等に利用され、血液浄化器内の中空糸膜有効長を増加させる血液浄化器に関する。
【0002】
【従来の技術】
医療分野では、血液透析療法、血液濾過療法、血液透析濾過療法、血液吸着療法、および血漿交換療法等の血液浄化療法等に血液浄化器が使用されている。
【0003】
ここで、血液浄化器は、血液の透析等を行うための中空糸膜の束と、この中空糸膜の束を収納する筒状のケースとを備えて構成されているものが一般的である。また、この血液浄化器において、血液と透析液との流れは、平行かつ同方向で流す並流操作よりも、平行かつ反対方向に流す向流操作のほうが、高い拡散除去効率を有することから、向流操作のほうが一般的となってきている。
【0004】
一方、血液浄化器内において、血液や透析液は、流れ方向に圧力を損失するため、血液と透析液との流れが向流の場合、血液―透析液間の膜間圧力差は、血液浄化器長さ方向で大きく変化し、内部濾過(血液側から透析液側への正濾過、および透析液側から血液側への逆濾過)が生じる。
【0005】
この内部濾過を意識的に促進させ、溶質除去効率の良い血液透析濾過(hemo dia filtration;HDF)による溶質除去をすることが血液浄化器に求められてきている。この内部濾過を促進するためには、血液や透析液等の流体の圧力損失を大きくすることが必要である。この圧力損失を大きくして、内部濾過を促進させる因子として、例えば、以下の因子が挙げられる。
【0006】
血液を提供する患者を主因とする患者因子としては、ヘマトクリット(血液全体に占める赤血球の割合(%)、HCTと略す。)、総蛋白質濃度(Cと略す。)等が挙げられる。また、流量因子として、血液流量(Qと略す。)、透析液流量(Qと略す。)等が挙げられる。さらに、中空糸膜の形状に起因する形状因子として、中空糸内径(Dと略す。)、中空糸膜有効長(Leffと略す。)、中空糸膜充填率(FDRと略す。)等が挙げられる。
【0007】
以上に述べた因子のうち、圧力損失を大きくするために、最も有効であるのが、中空糸膜有効長(Leffと略す。)の増加である。この中空糸膜有効長(Leffと略す。)を増加させるため、例えば、筒状のケースをできる限り長くする長尺型の血液浄化器が提案されている(特許文献1参照)。
【0008】
【特許文献1】
特開平07−59849号公報(請求項1)
【0009】
しかしながら、前記特許文献1記載の長尺型の血液浄化器では、本体やその梱包箱の形状が大きくなり、手技上の不都合や製造コスト(ケース金型・ポッテイング設備(遠心機が大きくなり問題)、自動組立機など)および輸送コストの増加という問題が生じる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような従来の問題点を解消し、中空糸膜の束を収納するケースの大きさを大幅に変更することなく、中空糸膜有効長を増加させる血液浄化器を提供することをその課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明の前記課題を解決するための第1の手段は、
(1)筒状ケース内に装填され、前記筒状ケース内で一方向に血液を流通させる順方向流通中空糸の束、および筒状ケース内で反対方向に血液を流通させる逆方向流通中空糸の束と、前記順方向流通中空糸内を流通する血液を前記逆方向流通中空糸に導入する血流方向変換部と、前記順方向流通中空糸の束および前記逆方向流通中空糸の束に接触しつつ血液が流通する方向に対して透析液が向流する透析液流路とを備えることを特徴とする血液浄化器である。
【0012】
この第1の手段における好ましい態様としては、下記〈1〉、〈2〉の血液浄化器を挙げることができる。
〈1〉前記順方向流通中空糸束および前記逆方向流通中空糸束は、連続した中空糸の束から構成され、前記血流方向変換部は、この連続した中空糸の束を折り曲げることにより形成されて成る血液浄化器。
〈2〉前記血流方向変換部は、前記筒状ケースの長さ方向に直交する断面を閉塞するとともに、前記順方向流通中空糸の束および逆方向流通中空糸の束を別々に固定し、前記血流方向変換部の端面では、前記順方向流通中空糸の束および逆方向流通中空糸の束の端面が露出している血液浄化器。
【0013】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態に係る血液浄化器を図1により説明する。第1実施形態に係る血液浄化器1は、筒状ケース11内に装填され、筒状ケース11内で一方向に血液を流通させる順方向流通中空糸の束12、および筒状ケース11内で反対方向に血液を流通させる逆方向流通中空糸の束13と、順方向流通中空糸内を流通する血液を逆方向流通中空糸に導入する血流方向変換部14と、順方向流通中空糸の束12および逆方向流通中空糸の束13に接触しつつ血液が流通する方向に対して透析液が向流する透析液流路15とを備える。
【0014】
筒状ケース11は、筒形状であればよく、その断面形状は特に制限されず、例えば、円形、楕円形、または三角形、四角形、五角形等の多角形状であってもよい。この筒状ケース11の両端部には、それぞれ血液流入口111および血液流出口112が設けられている。また、この筒状ケース11の側面部には、血液流出口112側に透析液流入口113が、血液流入口111側に透析液流出口114が設けられている。
【0015】
これら血液流入口111および血液流出口112は、筒状ケース11の両端部にそれぞれ設けられていればよいが、筒状ケース11の長さ方向の中心部に対して、点対称となる位置に設けられていることが好ましい。
【0016】
また、これら透析液流入口113および透析液流出口114は、筒状ケース11の側面部に設けられていればよいが、筒状ケース11の長さ方向の中心部に対して、点対称となる位置に設けられていることが好ましい。
【0017】
一方、順方向流通中空糸の束12は、血液流入口111側から血液流出口112側の方向に血液を流通させる。これに対して、逆方向流通中空糸の束13は、血液流出口112側から血液流入口111側の方向に血液を流通させる。これら順方向流通中空糸の束12および逆方向流通中空糸の束13は、連続した中空糸の束から構成され、血流方向変換部14は、この連続した中空糸の束を折り曲げることにより形成されて成る。
【0018】
本発明の血液浄化器1は、これら順方向流通中空糸の束12および逆方向流通中空糸の束13を、各々、1つ以上有していればよく、図1の血液浄化器1においては、血液流入口111側より順番に、順方向流通中空糸の束12、血流方向変換部14、逆方向流通中空糸の束13、血流方向変換部14、順方向流通中空糸の束12の順に血液が流れることとなり、順方向流通中空糸の束12を2つ、逆方向流通中空糸の束13を1つ有する。
【0019】
すなわち、本発明の血液浄化器1は、例えば、順方向流通中空糸の束12を3つ、逆方向流通中空糸の束13を2つ有するようにしても良いし、それ以上の組み合わせとしてもよい。
【0020】
順方向流通中空糸の束12および逆方向流通中空糸の束13を構成する中空糸は、血液を流通させることができる内部空間を有する中空円筒状の膜である。この中空糸には、無数の小さな孔が形成されており、その大きさにより、膜を通過する物質が選択される。一般的な孔の直径は、平均ポアサイズで30Å〜300Å(3nm〜30nm)程度である。
【0021】
この中空糸は、厚み方向の構造が均一である均質膜でもよいし、厚み方向に孔径の異なる非対称構造(不均質)膜でもよい。非対称構造膜は、膜の平均厚みを厚くしても溶質透過性が低下しにくく、支持層により強度が高められるので均一膜より優れている。
【0022】
この中空糸は、膜の平均厚みが厚くとも50μmである中空糸である。平均厚みを薄くすることにより膜の溶質透過性が高められる。平均厚みが50μmより薄ければ特に中空糸の内径および外径について制限はないが、中空糸膜の内径が100〜500μmの範囲にあることが好ましい。
【0023】
この中空糸としては、セルロース膜に代表されるセルロース系膜、およびポリスルホン系膜およびポリエステル系膜に代表される合成高分子膜を選択することができる。中でも、ポリアリレート樹脂とポリスルホン樹脂とを含むポリエステル系ポリマーアロイ膜は、本来の性質として機械的強度、耐熱性、耐薬品性に優れるだけでなく、生体との適合性および物質の吸着能に優れるので好ましい。
【0024】
これら順方向流通中空糸の束12および逆方向流通中空糸の束13は、筒状ケース11内の血液流入口111側および血液流出口112側のそれぞれ設けられたヘッド部115により固定される。このヘッド部115は、詳しくは図2(図1のII−II断面図である)に示すように、血液流入口111側および血液流出口112側の順方向流通中空糸の束12を筒状ケース11内の断面において接着剤で封止することにより形成されている。
【0025】
血液流入口111側のヘッド部115の内側端面には、筒状ケース11の長さ方向に沿った方向に延び、かつ該両端が筒状ケース11の内壁面に達する仕切り板116が設けられている(図3参照、図1のIII−III断面図である)。また、血液流出口112側のヘッド部115の内側端面にも、筒状ケース11の長さ方向に沿った方向に延び、かつ該両端が筒状ケース11の内壁面に達する仕切り板116が設けられている(図3参照、図1のIII−III断面図である)。
【0026】
これら2箇所の仕切り板116は、それぞれ血流方向変換部14の位置まで延び、順方向流通中空糸の束12および逆方向流通中空糸の束13を支持する機能と、透析液を流通させる機能とを兼ね備える。
【0027】
一方、血液流入口111側のヘッド部115の外側端面には、筒状ケース11の長さ方向に沿った方向に延びるヘッド部仕切り板117が設けられている。また、血液流出口112側のヘッド部115の外側端面にも、筒状ケース11の長さ方向に沿った方向に延びるヘッド部仕切り板117が設けられている。
【0028】
なお、透析液流路15は、筒状ケース11内を血液流入口111側および血液流出口112側のヘッド部115と、仕切り板116とで仕切られた空間である。用いる透析液としては、公知の透析液を用いることができる。
【0029】
以上に説明した血液浄化器1の構成に基づいて、血液浄化器1内での作用を説明する。
【0030】
まず、血液流入口111から注入された血液は、図1中の実線の矢印で示すように、順方向流通中空糸の束12、血流方向変換部14、逆方向流通中空糸の束13、血流方向変換部14、順方向流通中空糸の束12を経て、血液流出口112より排出されることとなる。
【0031】
これと同時に、透析液流入口113から注入された透析液は、図1中の長破線の矢印で示すように、筒状ケース11内を血液流入口111側および血液流出口112側のヘッド部115と、仕切り板116とで仕切られた空間である透析液流路15に沿って、血液の流れに対して向流として流れ、透析液流出口114より排出されることとなる。
【0032】
順方向流通中空糸の束12、逆方向流通中空糸の束13および血流方向変換部14を構成する中空糸は、多孔質構造を有し、体内に必要なタンパク質等は透過しないが、その他の老廃物等は透過するので、血液および透析液の向流時に血液中から老廃物が透析液側へ移動し、その結果血液が浄化される。
【0033】
上述のような第1実施形態によれば、次のような効果がある。
(1)順方向流通中空糸の束12および逆方向流通中空糸の束13を備えることにより、従来の血液浄化器と比較して、中空糸膜の束を収納するケースの大きさを大幅に変更することなく、中空糸膜有効長を増加させることができる。
【0034】
(2)順方向流通中空糸の束12および逆方向流通中空糸の束13は、連続した中空糸の束から構成され、血流方向変換部14は、この連続した中空糸の束を折り曲げることにより形成されて成ることにより、連続した中空糸の束を折り曲げるだけで血流方向変換部14を形成できるので、中空糸膜有効長を増加させる血液浄化器の製造する手間を簡略化することができる。
【0035】
[第2実施形態]
次に本発明の第2実施形態を説明する。なお、以下の説明では既に説明した部分、部材と同一のものは同一符号を付してその説明を簡略する。
本発明の第2実施形態に係る血液浄化器を図4により説明する。第2実施形態に係る血液浄化器2は、筒状ケース21内に装填され、筒状ケース21内で一方向に血液を流通させる順方向流通中空糸の束22、および筒状ケース21内で反対方向に血液を流通させる逆方向流通中空糸の束23と、順方向流通中空糸内を流通する血液を逆方向流通中空糸に導入する血流方向変換部24と、順方向流通中空糸の束22および逆方向流通中空糸の束23に接触しつつ血液が流通する方向に対して透析液が向流する透析液流路25とを備える。
【0036】
筒状ケース21は、筒形状であればよく、その断面形状は特に制限されず、例えば、円形、楕円形、または三角形、四角形、五角形等の多角形状であってもよい。この筒状ケース21の両端部には、それぞれ血液流入口211および血液流出口212が設けられている。また、この筒状ケース21の側面部には、血液流出口212側に透析液流入口213が、血液流入口211側に透析液流出口214が設けられている。
【0037】
これら血液流入口211および血液流出口212は、筒状ケース21の両端部にそれぞれ設けられていればよいが、筒状ケース21の長さ方向の中心部に対して、点対称となる位置に設けられていることが好ましい。
【0038】
また、これら透析液流入口213および透析液流出口214は、筒状ケース21の側面部に設けられていればよいが、筒状ケース21の長さ方向の中心部に対して、点対称となる位置に設けられていることが好ましい。
【0039】
一方、順方向流通中空糸の束22は、血液流入口211側から血液流出口212側の方向に血液を流通させる。これに対して、逆方向流通中空糸の束23は、血液流出口212側から血液流入口211側の方向に血液を流通させる。
【0040】
血流方向変換部24は、筒状ケース21の長さ方向に直交する断面を接着剤で閉塞するとともに、順方向流通中空糸の束22と逆方向流通中空糸の束23を別々に固定している。この血流方向変換部24の外側端面では、詳しくは図5(図4のV−V断面図である)に示すように、順方向流通中空糸の束22と逆方向流通中空糸の束23の端面が露出している。
【0041】
本発明の血液浄化器2は、これら順方向流通中空糸の束22および逆方向流通中空糸の束23を、各々、1つ以上有していればよく、図4の血液浄化器2においては、血液流入口211側より順番に、順方向流通中空糸の束22、血流方向変換部24と筒状ケース21の端部内壁とで仕切られる空間24A、逆方向流通中空糸の束23、血流方向変換部24と筒状ケース21の端部内壁とで仕切られる空間24B、順方向流通中空糸の束22の順に血液が流れることとなり、順方向流通中空糸の束22を2つ、逆方向流通中空糸の束23を1つ有することとなる。
【0042】
すなわち、本発明の血液浄化器2は、順方向流通中空糸の束22を3つ、逆方向流通中空糸の束23を2つ有するようにしても良いし、それ以上の組み合わせとしてもよい。
【0043】
順方向流通中空糸の束22および逆方向流通中空糸の束23を構成する中空糸は、血液を流通させることができる内部空間を有する中空円筒状の膜である。この中空糸には、無数の小さな孔が形成されており、その大きさにより、膜を通過する物質が選択される。一般的な孔の直径は、平均ポアサイズで30Å〜300Å(3nm〜30nm)程度である。
【0044】
この中空糸は、厚み方向の構造が均一である均質膜でもよいし、厚み方向に孔径の異なる非対称構造(不均質)膜でもよい。非対称構造膜は、膜の平均厚みを厚くしても溶質透過性が低下しにくく、支持層により強度が高められるので均一膜より優れている。
【0045】
この中空糸は、膜の平均厚みが厚くとも50μmである中空糸である。平均厚みを薄くすることにより膜の溶質透過性が高められる。平均厚みが50μmより薄ければ特に中空糸の内径および外径について制限はないが、中空糸膜の内径が100〜500μmの範囲にあることが好ましい。
【0046】
この中空糸としては、セルロース膜に代表されるセルロース系膜、およびポリスルホン系膜およびポリエステル系膜に代表される合成高分子膜を選択することができる。中でも、ポリアリレート樹脂とポリスルホン樹脂とを含むポリエステル系ポリマーアロイ膜は、本来の性質として機械的強度、耐熱性、耐薬品性に優れるだけでなく、生体との適合性および物質の吸着能に優れるので好ましい。
【0047】
なお、血液浄化器2においては、順方向流通中空糸の束22を2つ、逆方向流通中空糸の束23を1つ有している。これら順方向流通中空糸の束22および逆方向流通中空糸の束23を構成する中空糸は、本数、中空糸の孔の直径、材質、構造、厚み等が同じ中空糸を使用しているが、これに限られず、それぞれの束を構成する中空糸を違うものとしても良い。
【0048】
ここで、血液浄化器2(図4)において、血液流入口211側の順方向流通中空糸の束22内の血液流の圧力損失を、血液流出口212側の順方向流通中空糸の束22内の血液流の圧力損失よりも低いものとすることが好ましい。
【0049】
束内の血液流の圧力損失をそれぞれ違うものとする方法の例としては、血液浄化器2(図4)において、血液流入口211側の順方向流通中空糸の束22の中空糸の本数を最も多くし、血液流出口212側の順方向流通中空糸の束22の中空糸の本数を最も少なくすることが挙げられる。
【0050】
また、血液浄化器2(図4)において、血液流入口211側の順方向流通中空糸の束22の中空糸の孔の直径を最も大きくし、血液流出口212側の順方向流通中空糸の束22の中空糸の孔の直径を最も小さくすることも挙げられる。
【0051】
さらに、血液浄化器2(図4)において、2つの順方向流通中空糸の束22および1つの逆方向流通中空糸の束23を構成するそれぞれの中空糸の材質を変更することも挙げられる。
【0052】
そして、血液浄化器2(図4)において、2つの順方向流通中空糸の束22および1つの逆方向流通中空糸の束23を構成するそれぞれの中空糸の構造を変更することも挙げられる。
【0053】
また、血液浄化器2(図4)において、血液流入口211側の順方向流通中空糸の束22の中空糸の厚みを最も小さくし、血液流出口212側の順方向流通中空糸の束22の中空糸の厚みを最も大きくすることも挙げられる。
【0054】
一方、血液流入口211側の血流方向変換部24の内側端面には、筒状ケース21の長さ方向に沿った方向に延び、かつ該両端が筒状ケース11の内壁面に達する仕切り板216が設けられている(図6参照、図4のVI−VI断面図である)。この血液流入口211側の仕切り板216は、血流方向変換部24の内側端面からほぼ、透析液流入口213の位置まで延びている。
【0055】
また、血液流出口212側の血流方向変換部24の内側端面にも、筒状ケース21の長さ方向に沿った方向に延び、かつ該両端が筒状ケース21の内壁面に達する仕切り板216が設けられている(図6参照、図4のVI−VI断面図である)。この血液流出口212側の仕切り板216は、血流方向変換部24の内側端面からほぼ、透析液流出口214の位置まで延びている。
【0056】
これら2箇所の仕切り板216は、順方向流通中空糸の束22および逆方向流通中空糸の束23を支持する機能と、透析液を流通させる機能とを兼ね備える。
【0057】
一方、血液流入口211側の血流方向変換部24の外側端面には、筒状ケース21の長さ方向に沿った方向に延びる血流方向変換部仕切り板217が設けられている。また、血液流出口212側の血流方向変換部24の外側端面にも、筒状ケース21の長さ方向に沿った方向に延びる血流方向変換部仕切り板217が設けられている。
【0058】
なお、透析液流路25は、筒状ケース21内を血液流入口211側および血液流出口212側の血流方向変換部24と、仕切り板216とで仕切られた空間である。用いる透析液としては、公知の透析液を用いることができる。
【0059】
以上に説明した血液浄化器2の構成に基づいて、血液浄化器2内での作用を説明する。
【0060】
まず、血液流入口211から注入された血液は、図4中の実線の矢印で示すように、順方向流通中空糸の束22、血流方向変換部24、空間24A、逆方向流通中空糸の束23、血流方向変換部24、空間24B、順方向流通中空糸の束22を経て、血液流出口212より排出されることとなる。
【0061】
これと同時に、透析液流入口213から注入された透析液は、図4中の長破線の矢印で示すように、筒状ケース21内を血液流入口211側および血液流出口212側の血流方向変換部24と、仕切り板216とで仕切られた空間である透析液流路25に沿って、血液の流れに対して向流として流れ、透析液流出口214より排出されることとなる。
【0062】
順方向流通中空糸の束22、および逆方向流通中空糸の束23を構成する中空糸は、多孔質構造を有し、体内に必要なタンパク質等は透過しないが、その他の老廃物等は透過するので、血液および透析液の向流時に血液中から老廃物が透析液側へ移動し、その結果血液が浄化される。
【0063】
上述のような第2実施形態によれば、次のような効果がある。
(3)順方向流通中空糸の束22および逆方向流通中空糸の束23を備えることにより、従来の血液浄化器と比較して、中空糸膜の束を収納するケースの大きさを大幅に変更することなく、中空糸膜有効長を増加させることができる。
【0064】
(4)血流方向変換部24は、筒状ケース21の長さ方向に直交する断面を接着剤で閉塞するとともに、順方向流通中空糸の束22と逆方向流通中空糸の束23を別々に固定し、この血流方向変換部24の外側端面では、順方向流通中空糸の束22と逆方向流通中空糸の束23の端面が露出していることにより、筒状ケース21内の端部側の空間である空間24Aおよび空間24Bを生じさせるので、筒状ケース21内の空間を有効に活用することができる。
【0065】
【発明の効果】
本発明によれば、中空糸膜の束を収納するケースの大きさを大幅に変更することなく、中空糸膜有効長を増加させる血液浄化器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る血液浄化器の概略図である。
【図2】図1の血液浄化器の血液入口側の断面図である。
【図3】図1の血液浄化器の中央部分の断面図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係る血液浄化器の概略図である。
【図5】図4の血液浄化器の血液入口側の断面図である。
【図6】図4の血液浄化器の中央部分の断面図である。
【符号の説明】
1 血液浄化器
2 血液浄化器
11 筒状ケース
12 順方向流通中空糸の束
13 逆方向流通中空糸の束
14 血流方向変換部
15 透析液流路
21 筒状ケース
22 順方向流通中空糸の束
23 逆方向流通中空糸の束
24 血流方向変換部
24A 空間
24B 空間
25 透析液流路
111 血液流入口
112 血液流出口
113 透析液流入口
114 透析液流出口
115 ヘッド部
116 仕切り板
117 ヘッド部仕切り板
211 血液流入口
212 血液流出口
213 透析液流入口
214 透析液流出口
216 仕切り板
217 血流方向変換部仕切り板

Claims (3)

  1. 筒状ケース内に装填され、前記筒状ケース内で一方向に血液を流通させる順方向流通中空糸の束、および筒状ケース内で反対方向に血液を流通させる逆方向流通中空糸の束と、
    前記順方向流通中空糸内を流通する血液を前記逆方向流通中空糸に導入する血流方向変換部と、
    前記順方向流通中空糸の束および前記逆方向流通中空糸の束に接触しつつ血液が流通する方向に対して透析液が向流する透析液流路とを備えることを特徴とする血液浄化器。
  2. 前記順方向流通中空糸の束および前記逆方向流通中空糸の束は、連続した中空糸の束から構成され、
    前記血流方向変換部は、この連続した中空糸の束を折り曲げることにより形成されて成ることを特徴とする前記請求項1記載の血液浄化器。
  3. 前記血流方向変換部は、前記筒状ケースの長さ方向に直交する断面を閉塞するとともに、前記順方向流通中空糸の束および逆方向流通中空糸の束を別々に固定し、
    前記血流方向変換部の端面では、前記順方向流通中空糸の束および逆方向流通中空糸の束の端面が露出していることを特徴とする前記請求項1記載の血液浄化器。
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