JP2004321100A - IgGのFc領域を含むタンパク質の変異体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明のタンパク質の変異体は、IgGのFc領域を含むタンパク質であって、天然のIgGのFc領域の1又はそれ以上のアミノ酸残基が他のアミノ酸残基で置換されており、かつ前記天然のIgGのFc領域を含むタンパク質と比較してプロテインAに対して親和性が向上していることを特徴とする。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プロテインAに対して親和性の向上した、IgGのFc領域を含むタンパク質の変異体に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、生化学や生物医工学の分野において、モノクローナル抗体の作成及び応用は一般的で有用な方法として普及している。
また、例えば生理活性ペプチドを大量に得るために、目的とするペプチドをコードするDNA(遺伝子)をDNA組換え技術を用いて発現させる試みが多く行われている。しかし、ペプチドが発現細胞内のプロテアーゼの作用によって分解を受けやすく、目的とするペプチドが得られないこともあり、そのため、融合タンパク質の形で発現させることがしばしば行われている。
【0003】
研究対象となるタンパク質を簡単に効率よく入手することは、分子生物学、生化学をはじめ、薬学及び医学等の分野において非常に重要なことであるばかりでなく、生化学産業や製薬産業といった様々な産業において重要なことである。マウスIgGのFc領域と他の機能性タンパク質との融合タンパク質の作成も、多くの生化学的現象の解明に利用されている(例えば、Monfardini et al., 1998; Huynh−Do et al., 2002; Adachi et al., 2002)。
【0004】
しかし、上記抗体や融合タンパク質の精製には問題があり、最も主要な問題点として、マウスのIgG、特にIgG1のプロテインA(Staphylococcus aureus由来: IgGのFc領域と親和性がある)に対する親和性が低いことである。ハイブリドーマが産生するモノクローナル抗体の多くがIgG1であり、この問題を解決するため、塩濃度を増加させたり、pHをアルカリ性に調整することが行われている。しかし、このような条件下ではプロテインAと血清タンパク質等との非特異的な相互作用が問題になる。マウスIgG1とプロテインAとの親和性が低いため、融合タンパク質作成にはヒトや他の種のFc領域が用いられることが多い。しかし、生体への薬物等としての応用実験を考えた場合、免疫拒絶や炎症反応などを誘起する可能性が大きい。
従って、マウスIgG1とプロテインAとの親和性を向上させることができれば上記問題を解決することができる。
【0005】
【非特許文献1】
Monfardini et al., 1998; Huynh−Do et al., 2002; Adachi et al., 2002
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明は、プロテインAとの親和性の向上した、マウスIgGのFc領域を含むポリペプチド変異体、及びその製造方法等を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明者らは鋭意検討した結果、マウスIgG1のFc領域の1又はそれ以上のアミノ酸残基を他のアミノ酸残基で置換することにより、プロテインAに対する親和性を向上できるという知見を得た。
【0008】
すなわち、本発明は上記知見に基づいてなされたものであり、IgGのFc領域を含むタンパク質であって、天然のIgGのFc領域の1又はそれ以上のアミノ酸残基が他のアミノ酸残基で置換されており、かつ前記天然のIgGのFc領域を含むタンパク質と比較してプロテインAに対して親和性が向上していることを特徴とする、IgGのFc領域を含むタンパク質の変異体を提供するものである。
【0009】
IgGのFc領域はマウス由来のIgG1であるものが好ましく用いられる。
本発明のIgGのFc領域を含むタンパク質の変異体としては、マウス由来のIgG1のFc領域の第15残基から第22残基、第75残基から第83残基、又は第195残基から第204残基に相当する領域において1又はそれ以上アミノ酸残基が他のアミノ酸残基で置換されているものが挙げられる。
また、本発明のIgGのFc領域を含むタンパク質の変異体としては、マウス由来のIgG1のFc領域の19番目のスレオニンに相当するアミノ酸残基がメチオニンで置換されているものが挙げられる。本明細書において、IgG1のFc領域中のアミノ酸残基の位置を示す番号は、CH2ドメインから開始するものとして定義する。
また、本発明は、上記タンパク質の変異体をコードする遺伝子を提供するものである。
【0010】
また、本発明は、上記遺伝子を含有する組換えベクターを提供するものである。
また、本発明は、上記組換えベクターで形質転換された形質転換体を提供するものである。
また、本発明は、上記遺伝子、又は組換えベクターを保持する形質転換体を培養し、該形質転換体又はその培養上清から、発現させたタンパク質の変異体を回収する工程を含む、上記タンパク質の変異体の製造方法を提供するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について説明する。
本発明のタンパク質の変異体は、IgGのFc領域を含むタンパク質であって、天然のIgGのFc領域の1又はそれ以上のアミノ酸残基が他のアミノ酸残基で置換されたものであり、天然のIgGのFc領域を含むタンパク質と比較してプロテインAに対して親和性が向上していることを特徴とする。本明細書において、親和性が向上するとは、中性で生理的な塩濃度の緩衝液中におけるIgG1とプロテインAとの親和性が向上することを意味する。
【0012】
本発明の好ましいタンパク質の変異体は、IgGのFc領域がマウス由来のIgG1であるものである。本発明の好ましいタンパク質の変異体は、配列番号1で表わされるアミノ酸配列よりなるタンパク質と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するタンパク質の第15残基から第22残基、第75残基から第83残基、又は第195残基から第204残基に相当する領域において、1又はそれ以上のアミノ酸残基が他のアミノ酸残基で置換されている。
【0013】
本発明のタンパク質の変異体の具体例としては、例えば、第19番目のスレオニンに相当するアミノ酸残基が他のアミノ酸、好ましくはメチオニンで置換されているものが挙げられる。
また、他の具体例としては、第21番目のスレオニンに相当するアミノ酸残基が他のアミノ酸、好ましくはセリンで置換されているものが挙げられる。
マウスIgG1、マウスIgG2a、マウスIgG2b、ヒトIgG1及びウサギIgGの第231残基から第446残基に相当する領域のアミノ酸配列を図1に示す。なお、図1においては、ヒトIgG1のアミノ酸配列を基準としており、図1に示すアミノ酸配列における234番目のアミノ酸が、本明細書におけるFc領域の開始部である。図1中、四角で囲った部分はIgG分子とプロテインAとの相互作用に関与する部分である(Deisenhofer, J. et al.Hoppe−Seyler’s Z. Physiol. Chem. 359: 975−985(1978)、Deisenhofer, J.Biochemistry 20: 2361−2370(1981)、Sauer−Eriksson, A.E et al.Structure 3: 265−278(1995)、Brown, N.L.Molecular Biotechnology 10: 9−16(1998))。IgGのアミノ酸配列は動物種やサブタイプによって若干相違するが、プロテインAとの相互作用領域付近のアミノ酸配列はよく保存されていることがわかる。本発明においては、マウスIgG1のFc領域のアミノ酸配列のプロテインAとの相互作用領域を、プロテインAとの親和性の高いヒトIgG1のアミノ酸残基で置換した。
【0014】
上述した、「実質的に同一」とは、タンパク質の活性が実質的に同一であることを意味し、一部のアミノ酸が欠失、置換または付加された場合、その欠失、置換または付加がなされたポリペプチドは、欠失、置換または付加がなされていないものと活性が同一であれば、実質的に同一である。一般的に、相同性の程度が、全体の90%、好ましくは95%であるアミノ酸配列を有するタンパク質であれば、実質的に同一であると解釈される。一般には、アミノ酸配列中の一部(好ましくは1〜20個、更に好ましくは1〜10個、最も好ましくは数個)のアミノ酸が欠失、置換または付加されたアミノ酸からなるタンパク質は実質的に同一である。すなわち、本発明のタンパク質の変異体は、天然のIgGのFc領域を含むタンパク質と比較してプロテインAに対して親和性が向上する限り、更に他のアミノ酸残基の一部が欠失又は置換されていてもよく、他のアミノ酸が付加されていてもよい。
本発明のタンパク質の変異体は、抗体であってもよく、IgGのFc領域と、他のタンパク質との融合タンパク質であってもよい。
IgGのFc領域と他のタンパク質との融合タンパク質は、当該技術分野において公知の方法によって製造することができる。
【0015】
本発明のタンパク質の変異体をコードする遺伝子は、天然のIgGのFc領域をコードする遺伝子において、配列番号1で表わされるアミノ酸残基をコードする塩基配列(配列番号2)を、変異すべきアミノ酸残基をコードする塩基配列に置換することによって構築することができる。
このような部位特異的塩基配列置換のための種々の方法は、当該技術分野において知られている。例えば、遺伝子に変異を導入する方法としては、例えばKunkel法、Gapped duple法等の公知の手法又はこれに準ずる方法を採用することができる。例えば、部位特異的突然変異誘発法を利用した変異導入用キット(Mutant−K(TAKARA社製)やMutant−G(TAKARA社製))等を用いて、変異の導入を行うことができる。
このようにして得られた変異遺伝子を遺伝子発現用のベクター(例えばプラスミド)に挿入し、これを適当な宿主に形質転換する。外来性タンパク質を発現させるための多くのベクター・宿主系は当該技術分野において知られている。
【0016】
本発明のタンパク質の変異体をコードするDNAを含有する組換えベクターは、当該技術分野で公知の方法に従って作成することができる。例えば、適当なベクターに、本発明のタンパク質の変異体をコードする遺伝子を連結(挿入)することにより得ることができる。ベクターとしては、宿主中で複製可能なものであれば特に限定されず、例えばプラスミドDNA、ファージDNA等が挙げられる。
本発明のタンパク質をコードするDNAを含有するDNA断片を切り出し、該DNA断片を適当な発現ベクター中のプロモーター下流に連結することにより実施される。ベクターとしては、大腸菌由来のプラスミド(例、pBR322,pBR325,pUC18、pUC19、pUC118又はpBluescript等)、枯草菌由来のプラスミド(例、pUB110,pTP5又はpC194)、酵母由来プラスミド(例、pSH19、pSH15、YEp13又はYCp50等)、λファージ等のバクテリオファージ、レトロウイルス,ワクシニアウイルス又はバキュロウイルス等の動物ウイルス等を利用することができる。本発明で用いられるプロモーターとしては、遺伝子の発現に用いる宿主に対応した適切なプロモーターであればいかなるものでもよい。例えば、宿主が大腸菌である場合は、trpプロモーター、lacプロモーター、recAプロモーター、λPLプロモーター、lppプロモーター、T7プロモーター、T3プロモーター、araBADプロモーター等が、宿主がバチルス属菌である場合は、SPO1プロモーター、penPプロモーター、XYLプロモーター、HWPプロモーター、CWPプロモーター等が、宿主が枯草菌である場合は、SPO1プロモーター、SPO2プロモーター、penPプロモーター等、宿主が酵母である場合は、PHO5プロモーター、PGKプロモーター、GAPプロモーター、ADHプロモーター等が好ましい。動物細胞を宿主として用いる場合は、SRαプロモーター、SV40プロモーター、LTRプロモーター、CMVプロモーター、HSV−TKプロモーター等が挙げられる。また、昆虫細胞を宿主として用いる場合はポリヘドリンプロモーター、OplE2プロモーター等が好ましい。
【0017】
発現ベクターには、以上の他に、所望により当該技術分野で公知の、エンハンサー、スプライシングシグナル、ポリA付加シグナル、選択マーカー、SV40複製オリジン(以下、SV40oriと略称する場合がある)等を付加することができる。また、必要に応じて、本発明のDNAにコードされた蛋白質を他の蛋白質(例えば、グルタチオンSトランスフェラーゼ及びプロテインA)との融合蛋白質として発現させることも可能である。このような融合蛋白質は、部位特異的プロテアーゼを使用して切断し、それぞれの蛋白質に分離することができる。
【0018】
宿主細胞としては、例えば、エシェリヒア属菌、バチルス属菌、酵母、昆虫細胞、昆虫、動物細胞等が用いられる。エシェリヒア属菌の具体例としては、エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)K12・DH1(Proc. Natl. Acad. Sci.USA,60巻,160(1968)),JM103(Nucleic Acids Research,9巻,309(1981)),JA221(Journal of Molecular Biology,120巻,517(1978)),HB101(Journal of Molecular Biology,41巻,459(1969))、DH5α及びJM109等が用いられる。バチルス属菌としては、例えば、バチルス・サチルス(Bacillus subtilis)MI114(Gene,24巻,255(1983)),207−21〔Journal of Biochemistry,95巻,87(1984)〕及びバチルス・ブレビス等が用いられる。酵母としては、例えば、サッカロマイセス セレビシエ(Saccaromyces cerevisiae)AH22,AH22R−,NA87−11A,DKD−5D,20B−12、シゾサッカロマイセス ポンベ(Schizosaccaromyces pombe)NCYC1913,NCYC2036、ピキア パストリス(Pichia pastoris)及びハンセヌラ・ポリモーファ(Hansenula polymorpha)等が用いられる。動物細胞としては、例えば、サル細胞COS−7,Vero,チャイニーズハムスター細胞CHO(以下、CHO細胞と略記),dhfr遺伝子欠損チャイニーズハムスター細胞CHO(以下、CHO(dhfr−)細胞と略記),マウスL細胞,マウスAtT−20,マウスミエローマ細胞,ラットGH3,ヒトFL細胞及びHEK293細胞等が用いられる。
【0019】
上述した宿主細胞の形質転換は、当該技術分野で公知の方法に従って行うことができる。例えば、以下に記載の文献に宿主細胞を形質転換する方法が記載されている。Proc. Natl. Acad. Sci. USA,69巻,2110(1972); Gene,17巻,107(1982);Molecular & General Genetics,168巻,111(1979);Methods in Enzymology,194巻,182−187(1991);Proc. Natl. Acad. Sci. USA),75巻,1929(1978);細胞工学別冊8 新 細胞工学実験プロトコール.263−267(1995)(秀潤社発行);及び Virology,52巻,456(1973)。
【0020】
大腸菌等の細菌への組換えベクターの導入方法は、細菌にDNAを導入することのできる方法であれば特に限定されるものではなく、例えばカルシウムイオンを用いる方法(Cohen, S.N. et al.:Proc.Natl.Acad.Sci.,USA,69:2110(1972)、エレクトロポレーション法等が挙げられる。
酵母を宿主とする場合は、酵母への組換えベクターの導入方法は、酵母にDNAを導入することのできる方法であれば特に限定されず、例えばエレクトロポレーション法、スフェロプラスト法、酢酸リチウム法等が挙げられる。
【0021】
動物細胞を宿主とする場合は、動物細胞への組換えベクターの導入方法は、動物細胞にDNAを導入することのできる方法であれば特に限定されず、例えばエレクトロポレーション法、リン酸カルシウム法、リポフェクション法等が挙げられる。
【0022】
昆虫細胞を宿主とする場合は、昆虫細胞への組換えベクターの導入方法は、昆虫細胞にDNAを導入することのできる方法であれば特に限定されず、例えばリン酸カルシウム法、リポフェクション法、エレクトロポレーション法等が挙げられる。
【0023】
遺伝子が宿主に組み込まれたか否かを確認するための方法としては、例えばPCR法、サザンハイブリダイゼーション法、ノーザンハイブリダイゼーション法等により行うことができる。例えば、形質転換体からDNAを調製し、DNA特異的プライマーを設計してPCRを行う。PCRは、前記プラスミドを調製するために用いた条件と同様の条件にて行われる。次いで、増幅産物についてアガロースゲル電気泳動、ポリアクリルアミドゲル電気泳動又はキャピラリー電気泳動等を行い、臭化エチジウム、SYBR Green液等により染色し、次いで増幅産物を1本のバンドとして検出し、形質転換されたことを確認することができる。予め蛍光色素等により標識したプライマーを用いてPCRを行い、増幅産物を検出してもよい。更に、マイクロプレート等の固相に増幅産物を結合させた後、蛍光又は酵素反応を用いて増幅産物を確認する方法を用いることもできる。
【0024】
本発明のタンパク質の変異体は、前記形質転換体を培養し、本発明のタンパク質の変異体を生成、蓄積し、該変態を採取することにより製造することができる。本発明のタンパク質の変異体が蓄積されるのは、培養上清のほか、培養細胞もしくは培養菌体又は細胞若しくは菌体の破砕物のいずれをも意味するものである。本発明において形質転換体を培養する方法は、特に制限はなく、宿主の培養において用いられる通常の方法でよい。
【0025】
例えば、宿主が大腸菌や酵母等の微生物の場合、形質転換体を培養する培地は、微生物が資化し得る炭素源、窒素源、無機塩類等を含有し、形質転換体の培養を効率的に行うことができる培地であれば、天然培地、合成培地のいずれを用いてもよい。炭素源としては、例えばグルコース、フラクトース、スクロース、デンプン等の炭水化物、酢酸、プロピオン酸等の有機酸、エタノール、プロパノール等のアルコール類が挙げられる。窒素源としては、例えばアンモニア、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、リン酸アンモニウム等の無機酸又は有機酸のアンモニウム塩、又はその他の含窒素化合物の他、ペプトン、肉エキス、コーンスティープリカー等が挙げられる。無機物としては、リン酸第一カリウム、リン酸第二カリウム、リン酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化ナトリウム、硫酸第一鐵、硫酸マンガン、硫酸銅、炭酸カルシウム等が挙げられる。培養は、通常、浸透培養又は通気攪拌培養等の好気的条件の下で行う。培養温度、培養時間は、宿主が大腸菌の場合、約15〜43℃の温度で約12〜48時間行う。宿主がバチルス属菌の場合、約30〜40℃の温度で約12〜100時間行う。宿主が酵母の場合は、約20〜35℃の温度で約24〜100時間行う。また、必要に応じて通気や攪拌を加えることができる。pHの調製を行う必要がある場合、無機又は有機酸、アルカリ溶液等を用いて行う。
【0026】
プロモーターとして誘導性のプロモーターを用いた発現ベクターで形質転換した形質転換体を培養する場合は、必要に応じてインデューサーを培地に添加して培養を行う。例えば、T7プロモーターを用いた発現ベクターの場合、IPTG等を培地に添加して培養を行ってもよい。また、インドール酢酸(IAA)で誘導可能なtrpプロモーターを用いた発現ベクターの場合、IAA等を培地に添加してもよい。
【0027】
動物細胞を宿主として得られた形質転換体を培養する場合、用いられる培地としては、一般に用いられているRPMI1640培地、DMEM培地又はこれらの培地に牛胎児血清等を添加した培地が挙げられる。培養は、通常、5%程度の二酸化炭素の存在下で約37℃の温度で1〜30日間行う。
【0028】
培養後、タンパク質の変異体が菌体内又は細胞内に生産される場合には、公知の方法で菌体あるいは細胞を集め、これを適当な緩衝液に懸濁し、超音波、リゾチームおよび/または凍結融解等によって菌体あるいは細胞を破壊したのち、遠心分離やろ過により蛋白質の粗抽出液を得る方法が挙げられる。緩衝液の中に尿素や塩酸グアニジン等の蛋白質変性剤や、トリトンX−100(登録商標)等の界面活性剤が含まれていてもよい。培養液中にタンパク質が分泌される場合には、培養終了後、公知の方法で菌体あるいは細胞と上清とを分離し、上清を集める。このようにして得られた培養上清、あるいは抽出液中に含まれる蛋白質の精製は、公知の分離・精製法を適切に組み合わせて行なうことができる。すなわち、例えば硫酸アンモニウム沈殿、ゲルクロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー等を単独で又は適宜組み合わせて用いることにより、目的のタンパク質の変異体を生成することができる。
【0029】
本発明のタンパク質の変異体存在は、様々な結合アッセイ及び特異抗体を用いたエンザイムイムノアッセイ等により測定することができる。
【0030】
本発明のタンパク質の変異体を製造するためには、本発明のタンパク質の変異体を恒常的に発現するトランスジェニック動物を作製し、タンパク質の変異体を製造してもよい。本発明のタンパク質の変異体を恒常的に発現するトランスジェニック動物を作製するためには、適宜の非ヒト哺乳動物を用いることができるが、マウスを用いることが好ましい。トランスジェニック非ヒト哺乳動物を作製するためのマウスとしては、種々のものが利用できるが、例えばC57BL/6、DA/2等が挙げられる。本発明のタンパク質の変異体をコードする遺伝子が導入された発現ベクターを、例えば、(C57BL/6×DBA/2)F1受精卵に導入することにより、トランスジェニックマウスを作製することができる。
トランスジェニックマウスを作製することにより、トランスジェニックマウスにより作製されたモノクローナル抗体、又は融合タンパク質を製造し、この抗体又は融合タンパク質はプロテインAによる精製や免疫沈降法など生化学実験の高効率化が期待できる。
【0031】
本発明のIgGのFc領域を含むタンパク質の変異体は、プロテインAとの親和性が向上しているため、モノクローナル抗体やマウスIgGのFc領域と他のタンパク質との融合タンパク質を、より効果的にかつ能率的に精製することが可能となる。
【0032】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明する。本発明の範囲は、かかる実施例に限定されないことはいうまでもない。なお、DNAの切断、連結、大腸菌の形質転換、遺伝子の塩基配列決定、ハイブリダイゼーション等の一般の遺伝子組換えに必要な方法は、各操作に使用する市販の試薬、機械装置等に添付されている説明書や、実験書(例えば「Molecular cloning (Maniatis T. et al. Cold Spring Harbor Laboratory Press)」)に基本的に従った。
【0033】
実施例1
mouse IgG1を発現するハイブリドーマku−HD−2A (慶応義塾大学理工学部教授 星元紀先生より譲渡)を用いた。TRIzol試薬 (Invitrogen)を用いてmRNAを調製し、M−MLV Reverse Transcriptase (Invitrogen)により逆転写を行ってハイブリドーマのcDNAを作成した。得られたcDNAをもとに、配列番号3及び配列番号4で表わされるプライマーを用いて、Pwo DNA polymeraseを用いてPCR法によりマウスIgG1 Fc領域のcDNA (708 bp)を増幅した。PCR産物を1%アガロース電気泳動によって分離した後、プレップAジーンDNA精製キット (Bio−Rad)を用いて精製し、DNA Ligation Kit ver. 2 (TaKaRa)によってクローニングベクターpGEM−T easy (Promega)に組み込み、Fc領域を含むプラスミドpGEM−Fcを作成した。作成したプラスミドベクターで大腸菌を形質転換し、QIAGENカラム (QIAGEN)を用いてプラスミドを精製した。シークエンスの確認には、LI−COR sequencer、Gene Rapid (Amersham Biosciences)を用いた。
【0034】
上述のようにして得られたpGEM−Fcを鋳型として、PCRにより変異を導入した。用いたプライマーは以下の通りである(図2、配列番号5〜7)。
マウス由来のIgG1のFc領域の19番目のスレオニンに相当するアミノ酸残基がメチオニンで置換された変異体(以下、T252Mという)を作成するためには、下記プライマーを用いた(配列番号5)。
また、マウス由来のIgG1のFc領域の21番目のスレオニンに相当するアミノ酸残基がセリンで置換されている変異体(以下、T254Sという)を作成するためには、下記プライマーを用いた(配列番号6)。
また、マウス由来のIgG1のFc領域の19番目のスレオニンに相当するアミノ酸残基がメチオニンで置換され、21番目のスレオニンに相当するアミノ酸残基がセリンで置換されている変異体(以下、T252M−T254Sという)を作成するためには、下記プライマーを用いた(配列番号7)。
【0035】
部位特異的変異は以下の通りに行った。Pfu Turbo(登録商標)DNAポリメラーゼを用いてPCRにより行い、PCR産物をDpnIにより処理して鋳型DNAを切断した。反応液で直接形質転換し、Gene Rapid DNA sequencer(登録商標)により変異を導入した遺伝子配列を確認した。発現ベクターを作成するために、変異を導入したプラスミドからHind IIIとNot Iで切断したものに組み込み、それぞれの変異導入プラスミド(T252M、T254S、T252M−T254S)を作成した。
【0036】
実施例2
CHO−K1細胞をDulbecco’s modified Eagle medium (DMEM) に10%の牛胎児血清を添加して培養した。上述のようにして得られたプラスミドをlipofectamine試薬(登録商標)を用いてCHO−K1細胞に導入し、400μg/mlのG418を添加した培地で2日間培養し、培養後に培地を回収し、遠心により細胞及び残査を除去し、培養上清を回収した。
【0037】
実施例3
実施例2で回収した培養上清を、PBSで5mlに希釈し、0.22μmのシリンジフィルター(Millipore)を通した後、rProtein A columnを用いて精製した。洗浄には20mMリン酸緩衝液(pH7.0)を用い、溶出には0.1Mクエン酸ナトリウム溶液(pH2.7)を用い、溶出液を1/5量の1M Tris−HCl(pH 9.0)で中和した。カラムに吸着しなかった画分、洗浄画分、溶出画分の容量を5mlに合わせ、ウェスタンブロット法により含まれる融合タンパク質を検出した。ウェスタンブロット法は以下のように実施した。
【0038】
サンプルと等量の2×Laemmli sample buffer (100 mM Tris−HCl pH 6.8, 4%SDS,1.2%β−mercaptoethanol, 20%glycerol)と混合し、95℃で5分間加熱してタンパク質を変性させた後、7.5%のSDS−PAGEで分離した。電気泳動後のゲルを、PVDF膜 (Immobilon P: Millipore)にセミドライ法により20 Vの定電圧で90分間転写した。変性されたタンパク質を転写したPVDF膜を0.1% Tween−20(登録商標)を含むPBS(PBS−T)で洗浄し、5%(W/V)BSAを溶解したPBS−T(PBS−B)中に4℃で24時間ブロッキングを行った。Fc部位を確認するためにはperoxidase−conjugated anti−mouse IgG antibody (Jackson Immunoresearch Laboratories)の1/10,000希釈液を室温で1.5時間反応させた。検出にはECL試薬 (Amersham Biosciences)を用いて発光させX線フィルムに露光した。
【0039】
ウェスタンブロットの結果を図3に示す。図3において、intactはカラムに吸着させる前のサンプル、throughはカラムに吸着しなかった画分、washは洗浄画分、eluateは溶出画分を意味する。また、WTは、変異させていない融合タンパク質である。
【0040】
図3に示すように、変異させていない融合タンパク質は、カラムに吸着しなかった画分、及び洗浄画分に存在が確認されたが、溶出画分には全く存在が確認されなかった。すなわち、変異させていない融合タンパク質はプロテインAとの親和性は低いものである。
T254Sにおいては、カラムに吸着しなかった画分には、融合タンパク質は存在がほとんど確認されず、洗浄画分においては存在が確認されたが、溶出画分においても存在が確認された。
【0041】
T252M、及びT252M−T254Sにおいては、カラムに吸着しなかった画分、及び洗浄画分には融合タンパク質は存在がほとんど確認されず、溶出画分に存在が確認された。
上記結果より、T254S、T252M、及びT252M−T254Sは、プロテインAに対する親和性が、変異させていないものに対して親和性が向上していることがわかる。
【0042】
【発明の効果】
以上詳述した通り、本発明によれば、IgGのFc領域を含むタンパク質のプロテインAに対する親和性を向上させることができるので、抗体、融合タンパク質の精製を容易に行うことが可能となる。モノクローナル抗体の多くはIgG1であり、従来はプロテインA等による精製は困難であったが、本発明により、プロテインAに対する親和性を向上させることができ、プロテインAによって、容易に精製することができる。
【0043】
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】各種のIgGのアミノ酸配列を示す図である。
【図2】融合タンパク質に変異を導入するために用いたプライマーの塩基配列を示す図である。
【図3】ウェスタンブロットの結果を示す図である。
Claims (13)
- IgGのFc領域を含むタンパク質であって、天然のIgGのFc領域の1又はそれ以上のアミノ酸残基が他のアミノ酸残基で置換されており、かつ前記天然のIgGのFc領域を含むタンパク質と比較してプロテインAに対して親和性が向上していることを特徴とする、IgGのFc領域を含むタンパク質の変異体。
- IgGのFc領域がマウス由来のIgG1である、請求項1に記載のタンパク質の変異体。
- マウス由来のIgG1のFc領域の第15残基から第22残基、第75残基から第83残基、又は第195残基から第204残基に相当する領域において1又はそれ以上アミノ酸残基が他のアミノ酸残基で置換されている、請求項2に記載のタンパク質の変異体。
- マウス由来のIgG1のFc領域の19番目のスレオニンに相当するアミノ酸残基が他のアミノ酸残基で置換されている、請求項3に記載のタンパク質の変異体。
- マウス由来のIgG1のFc領域の19番目のスレオニンに相当するアミノ酸残基がメチオニンで置換されている、請求項3に記載のタンパク質の変異体。
- マウス由来のIgG1のFc領域の21番目のスレオニンに相当するアミノ酸残基が他のアミノ酸残基で置換されている、請求項3に記載のタンパク質の変異体。
- マウス由来のIgG1のFc領域の21番目のスレオニンに相当するアミノ酸残基がセリンで置換されている、請求項3に記載のタンパク質の変異体。
- マウス由来のIgG1のFc領域の19番目のスレオニンに相当するアミノ酸残基、及び21番目のスレオニンに相当するアミノ酸残基が他のアミノ酸残基で置換されている、請求項3に記載のタンパク質の変異体。
- マウス由来のIgG1のFc領域の19番目のスレオニンに相当するアミノ酸残基がメチオニンで置換され、21番目のスレオニンに相当するアミノ酸残基がセリンで置換されている、請求項3に記載のタンパク質の変異体。
- 請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載のタンパク質の変異体をコードする遺伝子。
- 請求項10に記載の遺伝子を含有する組換えベクター。
- 請求項11に記載の組換えベクターで形質転換された形質転換体。
- 請求項10に記載の遺伝子、又は請求項11に記載の組換えベクターを保持する形質転換体を培養し、該形質転換体又はその培養上清から、発現させたタンパク質の変異体を回収する工程を含む、請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載のタンパク質の変異体の製造方法。
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