JP2004315707A - 熱可塑性ポリエステル系樹脂組成物および低発泡異型成形体 - Google Patents

熱可塑性ポリエステル系樹脂組成物および低発泡異型成形体 Download PDF

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Abstract

【課題】成形時において架橋という化学反応を伴うことがなく、押出成形、とりわけ低発泡異型成形に適した熱可塑性ポリエステル系樹脂組成物、ならびに該組成物を異型押出成形して得られる低発泡異型成形体を提供すること。
【解決手段】非晶性熱可塑性ポリエステル系樹脂(A)100重量部、剪断力によりフィブリル化するポリテトラフルオロエチレン系樹脂(B)0.2〜2重量部からなることを特徴とする熱可塑性ポリエステル系樹脂組成物。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、押出成形に適した熱可塑性ポリエステル系樹脂組成物、とりわけ低発泡可能な熱可塑性ポリエステル系樹脂組成物、ならびに該組成物を異型押出成形して得られる低発泡異型成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、廻縁、巾木、手すり、及び下枠材などの住宅部材が、発泡倍率が2倍までの低発泡異型成形体として成形されている。これらの低発泡異型成形体は、溶融時の溶融張力が高く、形状保持性の良好な塩化ビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂が使われてきた。しかし、塩化ビニル系樹脂は焼却時にダイオキシン類が発生し、環境上問題視されている。また、ポリスチレン系樹脂は、焼却時に黒煙を発生するのでやはり廃棄性において問題点があった。
【0003】
他方、一般の熱可塑性ポリエステル系樹脂は、機械的強度に優れ、焼却時においてダイオキシンの発生がなく、塩化ビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂に比べ黒煙の発生しにくい合成樹脂である。ところが押出成形により一般の熱可塑性ポリエステル系樹脂から低発泡異型成形体を得ようとすると、加熱により溶融した溶融物は溶融張力が低く、発泡させにくいという問題があった。また、一般の熱可塑性ポリエステル系樹脂は流動開始温度が200℃以上と高く、この温度は押出成形による低発泡異型成形体の製造でよく用いられる無機化学発泡剤、例えば炭酸水素ナトリウムの分解温度(130℃)より高過ぎ、発泡剤の熱分解が激しく進み発泡体の気泡が大きくなりすぎるという問題があった。
【0004】
また近年、流動開始温度が低く、異型押出成形が可能な非晶性ポリエステル系樹脂が知られるようになってきているが、該樹脂の溶融時における溶融張力は低く、発泡成形は難しいという問題があった。
【0005】
熱可塑性ポリエステル系樹脂の溶融時における溶融張力が低く、発泡成形が難しいという問題は、熱可塑性ポリエステル系樹脂に様々な助剤を加えて、熱可塑性ポリエステル系樹脂を架橋し、発泡に適した溶融張力を付与することにより解決しようとされてきた。例えば、熱可塑性ポリエステル系樹脂にジエポキシ化合物を加えたり、周期律表第Ia族又は第IIa族に属する金属の化合物を加えたり、酸二無水物を加えたりする方法である。しかしながら、この方法は、架橋という化学反応を伴うため、発泡に適した適当な溶融張力を付与する成形条件を把握し、これを各ロット毎にばらつきなく再現することが難しいという問題があった。さらに適当な助剤、並びに該助剤の配合量を検討することも困難を伴うものであった。
【0006】
このような中、ポリエステル系樹脂に、内径が2.1mmで長さが8.0mmの孔から340℃の温度で20kg/cmの圧力の下で10分間に1.0g以上流出するような粘度を持ったポリテトラフルオロエチレンの微粉末を配合することにより、押出し発泡させると均一微細に発泡した発泡体が得られることが開示されている(例えば、特許文献1参照。)。ここで使用されているポリテトラフルオロエチレンの微粉末は、潤滑用ポリテトラフルオロエチレンであり、ミクロフィブリル化するものではない。また配合の目的は、発泡核剤としてであることが記載されている。また、同様に、ポリエステル系樹脂に発泡核剤として潤滑用ポリテトラフルオロエチレンであるポリテトラフルオロエチレンを配合し、押出し発泡させると均一微細に発泡した発泡体が得られることが記載されている(例えば、特許文献2参照。)。しかしながら、ここで開示されているポリテトラフルオロエチレンも潤滑用ポリテトラフルオロエチレンであり、剪断によりミクロフィブリル化するものではなく、それを配合する目的も、気泡を均一微細にする発泡核剤としてのものに限られていた。
【0007】
【特許文献1】
特開平 7−125039号公報 (第1−5頁)
【特許文献2】
特開平 9− 70871号公報 (第1−8頁)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような状況に鑑みなされたもので、その目的とするところは、成形時において架橋という化学反応を伴うことがなく、押出成形、とりわけ低発泡異型成形に適した熱可塑性ポリエステル系樹脂組成物、ならびに該組成物を異型押出成形して得られる低発泡異型成形体を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、非晶性熱可塑性ポリエステル系樹脂と、剪断力によりフィブリル化するポリテトラフルオロエチレン系樹脂とを特定割合で併用した場合に上記目的が達成できることを見いだし本発明に至った。すなわち、本発明は、
(1)非晶性熱可塑性ポリエステル系樹脂(A)100重量部、剪断力によりフィブリル化するポリテトラフルオロエチレン系樹脂(B)0.2〜2重量部からなることを特徴とする熱可塑性ポリエステル系樹脂組成物に関するものである。
【0010】
(2) 非晶性熱可塑性ポリエステル系樹脂(A)が、流動開始温度が170℃以下である非晶性熱可塑性ポリエステル系樹脂から選ばれる一種以上であることを特徴とする(1)に記載の熱可塑性ポリエステル系樹脂組成物に関するものである。
【0011】
(3) 非晶性熱可塑性ポリエステル系樹脂(A)が、ガラス転移温度(Tg)が60〜120℃の範囲である非晶性熱可塑性ポリエステル系樹脂から選ばれる一種以上であることを特徴とする(1)または(2)に記載の熱可塑性ポリエステル系樹脂組成物に関するものである。
【0012】
(4)剪断力によりフィブリル化するポリテトラフルオロエチレン系樹脂(B)が、ポリテトラフルオロエチレンの単独重合体であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の熱可塑性ポリエステル系樹脂組成物に関するものである。
【0013】
(5)(1)〜(4)のいずれかに記載の熱可塑性ポリエステル系樹脂組成物に発泡剤を配合し、これを異型押出成形して得られることを特徴とする低発泡異型成形体に関するものである。
【0014】
【実施の形態】
本発明の熱可塑性ポリエステル系樹脂組成物は、非晶性熱可塑性ポリエステル系樹脂(A)100重量部、剪断力によりフィブリル化するポリテトラフルオロエチレン系樹脂(B)0.2〜2重量部からなるものである。そして、この熱可塑性ポリエステル系樹脂組成物は190℃における溶融張力が15g以上であり、安定した異型押出成形性を示すものである。なお、本発明でいう溶融張力とはキャピログラフを用い、ノズル径2.095mmφ、ノズル長8mm、流入角度180度、190℃の温度で、押出速度75mm/分、引き取り速度3.0m/分、ダイ出口から張力検出器のVプーリー下端までの距離40cmの条件で張力を測定したときの測定値をいう。以下に、本発明を詳細に説明する。
【0015】
本発明の熱可塑性ポリエステル系樹脂組成物に用いられる非晶性熱可塑性ポリエステル系樹脂(A)(以下、am−PET(A)と称することがある)とは、実質的に非晶性のポリエステルである。なお、本発明における非晶性とは、結晶化度がゼロの完全非晶質であるか、若しくは結晶化度が非常に低いものを意味していて、具体的には、示差走査型熱量計(DSC)にて溶融状態から10℃/分の速度で昇温したときに測定される結晶化熱量(ΔHc)が5.0cal/g以下のものであり、ジカルボン酸成分とグリコール成分とを公知の方法によって重縮合せしめて得られる。より具体的には、テレフタル酸単位およびナフタレンジカルボン酸単位を主とするジカルボン酸単位とエチレングリコール単位を主とするグリコール単位からなるポリエステル系樹脂、テレフタル酸単位を主とするジカルボン酸単位とエチレングリコール単位および1,4−シクロヘキサンジメタノール単位を主とするグリコール単位からなるポリエステル系樹脂、テレフタル酸単位を主とするジカルボン酸単位とエチレングリコール単位およびネオペンチルグリコール単位を主とするグリコール単位からなるポリエステル系樹脂、テレフタル酸単位および2,6−ナフタレンジカルボン酸単位を主とするジカルボン酸単位とエチレングリコール単位を主とするグリコール単位からなるポリエステル樹脂等が挙げられる。これらの中でも特に、テレフタル酸単位を主とするジカルボン酸単位とエチレングリコール単位および1,4−シクロヘキサンジメタノール単位を主とするグリコール単位からなるポリエステル系樹脂、及びテレフタル酸単位および2,6−ナフタレンジカルボン酸単位を主とするジカルボン酸単位とエチレングリコール単位を主とするグリコール単位からなるポリエステル樹脂を使用するのが好ましい。
【0016】
また、本発明で用いられるam−PET(A)は、フローテスターで、固体状態から6℃/分の温度で昇温したとき、ダイス(L:10mm、D:1mm)からの流動量が1×10 cm/sを超える温度で定義される流動開始温度が、170℃以下であることが好ましい。
am−PET(A)の流動開始温度が170℃以下であることにより、成形加工温度を低く抑えることができ、組成物に配合された無機化学発泡剤の突発的な発泡を抑止することができ、発泡体中の気泡が荒くなるという恐れが回避できる。この要件は、組成物がタルクなどの無機充填材、木粉などの有機充填材を含みこれらからの結晶水の気化、熱分解ガスの発生の懸念がある場合にはなおさら有効である。
【0017】
また、本発明で用いられるam−PET(A)は、ガラス転移点が60〜120℃の範囲にあるのが望ましい。この範囲のガラス転移温度を有するam−PET(A)を用いることで、組成物の成形加工性が良好であり、また得られる成形体の機械的強度も十分である。
【0018】
一方本発明では、剪断力によりフィブリル化するポリテトラフルオロエチレン系樹脂(B)(以下、mf−PTFE(B)と称することがある)が用いられる。mf−PTFE(B)は、剪断がかかるとミクロフィブリル化し繊維状となる。例えば、mf−PTFE(B)を指と指との間で摘んで擦り合わせると、繊維状物が絡み合い塊となる。
【0019】
このようなmf−PTFE(B)としては、テトラフルオロエチレンモノマーを乳化重合で単独重合させて得られる重合体、又はテトラフルオロエチレンと三フッ化塩化エチレン、二フッ化ビニリデン、含フッ素ビニルエーテル等から選択された含フッ素モノマーの少なくとも1種類を乳化重合で共重合させて得られる共重合体が用いられ、好ましくは、テトラフルオロエチレンモノマーを単独重合させて得られる重合体、又は含フッ素ビニルエーテル等から選択された含フッ素モノマーの少なくとも1種類をテトラフルオロエチレンモノマーと共重合させて得られる共重合体が用いられ、より好ましくは、テトラフルオロエチレンモノマーを単独重合させて得られる重合体が用いられる。その樹脂を市販のグレードで示すと、例えば旭硝子社製の製品では、「アフロンPTFE ファインパウダー」の商品名で販売されているものが使用できる。そのグレードを具体的に云えば、CD1、CD141、CD123、CD076などのグレードがこの発明に使用するのに適したものとして挙げられる。
【0020】
一方、ポリテトラフルオロエチレン系樹脂としては、乳化重合で得られたポリテトラフルオロエチレン系樹脂以外に、懸濁重合により重合したポリテトラフルオロエチレン系樹脂や、懸濁重合により重合した後、放射線により低分子化したポリテトラフルオロエチレン系樹脂がある。これらの樹脂は剪断かかかってもミクロフィブリル化せず、ポリテトラフルオロエチレン系樹脂を指と指との間で摘んで擦り合わせても、細かい粒子のままであり、また非晶性熱可塑性ポリエステル系樹脂に配合しても、溶融張力を高める効果がなく好ましくない。
【0021】
本発明の熱可塑性ポリエステル系樹脂組成物は、上記非晶性熱可塑性ポリエステル系樹脂(A)、剪断力によりミクロフィブリル化するポリテトラフルオロエチレン系樹脂(B)成分を必須成分とするものであり、am−PET(A)100重量部に対して、mf−PTFE(B)を0.2〜2重量部配合することにより、溶融張力が15g以上となり、押出法による低発泡異型成形が行いやすく、またきれいな発泡状態の発泡体が得られる。mf−PTFE(B)の配合割合が0.2重量部未満では、組成物の溶融張力が15g未満となり、押出法による低発泡異型成形を行ったとき、成形体の表面からガスが抜け表面が荒れたり、十分に膨らまなかったりして、品質の良い低発泡異型成形体が得られない。一方、mf−PTFE(B)の配合割合が2重量部を超えると、コストアップの要因になるばかりか、溶融張力が高くなりすぎ、押出法による低発泡異型成形を行ったとき発泡しにくくなったり、押出機のトルクが高くなりすぎ押出せなくなる等の問題を生じる。
【0022】
なお、本発明の熱可塑性ポリエステル系樹脂組成物は、必要に応じて無機系の充填剤、例えばタルク、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、雲母、水酸化アルミニウム等、あるいは有機系の充填剤、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−アクリル酸−グリシジルメタクリレート共重合体、エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体、無水マレイン酸変性ポリエチレン、木粉、古紙等、その他に難燃剤、安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、可塑剤、滑剤、架橋剤等の各種添加剤や染料、顔料等の着色剤などのその他の成分を配合することももちろん可能である。
【0023】
本発明の熱可塑性ポリエステル系樹脂組成物は以上述べたam−PET(A)とmf−PTFE(B)、必要によりその他の成分を、以上述べた割合で加熱混練することによって得られる。加熱混練方法は、特に限定されず、例えばブレンダー、ニーダー、ミキシングロール、バンバリーミキサー、単軸もしくは二軸の押出機などにより行うことができる。特に、剪断作用が強く、短時間で連続的に混練できる二軸押出機が好ましい。
【0024】
なお、mf−PTFE(B)は、剪断によりミクロフィブリル化するため、am−PET(A)と加熱混練するときに、初めて剪断力がmf−PTFE(B)に作用するよう配合することが好ましい。例えば、二軸押出機で連続的に加熱混練する場合、mf−PTFE(B)の二軸押出機への導入は、剪断のかからない振動フィーダーを用いて連続的に行うか、タルクなどの滑性のある無機化合物とブレンドしてテーブルフィーダで導入するか、または他の熱可塑性樹脂でマスターバッチ化して導入するなどの方法が挙げられる。
【0025】
これまで述べた本発明の熱可塑性ポリエステル系樹脂組成物を用いて低発泡異型成形を行うには、公知の有機化学発泡剤、例えばアゾジカルボンアミド等、あるいは公知の無機化学発泡剤、例えば炭酸水素ナトリウム等を配合し、押出成形機を用いて通常のフリー発泡成形手段、およびセルカ発泡成形手段を用いて成形加工する。これにより、各種の低発泡異型成形体が製造できる。なお、発泡剤はあらかじめ本発明の熱可塑性ポリエステル系樹脂組成物に配合しておいてよいことはもちろんである。低発泡異型成形体の利用分野は特に制限されないが、住宅部材、建築材料として特に好適に利用できる。
【0026】
【実施例】
以下に、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。なお、各例で使用した原材料、及び評価方法は次の通りである。
<非結晶性熱可塑性ポリエステル樹脂(A)>
AP−1:カネボウ合繊社製非結晶性熱可塑性ポリエステル樹脂 E01(ガラス転移温度(Tg)=75℃、流動開始温度=167℃、結晶化熱量(ΔHc)=検出不能)
AP−2:イーストマンケミカルカンパニー社製非結晶性熱可塑性ポリエステル樹脂 PETG6763(ガラス転移温度(Tg)=75.4℃、流動開始温度=150℃、結晶化熱量(ΔHc)=検出不能)
<剪断力によりフィブリル化するポリテトラフルオロエチレン系樹脂(B)>
BP−1:乳化重合で得られたテトラフルオロエチレン系単独重合体 (旭硝子社製、商品名:アフロンPTFE ファインパウダー、CD1)
BP−2:乳化重合で得られたテトラフルオロエチレン系共重合体 (旭硝子社製、商品名:アフロンPTFE ファインパウダー、CD076)
<剪断力によりフィブリル化しないポリテトラフルオロエチレン系樹脂(B’)>
B’P−3:懸濁重合で得られたテトラフルオロエチレン系重合体 (旭硝子社製、商品名:アフロンPTFE モールディングパウダー、G350)
B’P−4:懸濁重合で得られたテトラフルオロエチレン系重合体に放射線を照射した樹脂 (旭硝子社製、商品名:アフロンPTFE ルブリカント、L173J)
【0027】
<溶融張力評価方法>
東洋精機製作所社製キャピログラフを用い、ノズル径2.095mmφ、ノズル長8mm、流入角度180度、190℃の温度で、押出速度75mm/分、引き取り速度3.0m/分、ダイ出口から張力検出器のVプーリー下端までの距離40cmの条件で張力を測定する。
【0028】
[実施例1〜4、比較例1〜5]
表1に示す配合割合の(A)、(B)成分をミキサー混練機(東洋精機製作所社製)により190℃で、2分間加熱混練して組成物を得た。得られた組成物の溶融張力を測定した。その結果を表1に示す。
【0029】
【表1】
Figure 2004315707
【0030】
表1から明らかなように本発明にかかる樹脂組成物は比較例にかかる樹脂組成物に比べて、溶融張力が15g以上と高く、押出法による低発泡異型成形に好適な範囲を示した。一方、懸濁重合により得られ、剪断力によりミクロフィブリル化しないポリテトラフルオロエチレン樹脂(B’)を用いた比較例3及び4の溶融張力は10g以下と低かった。
【0031】
[実施例5]
非晶性熱可塑性ポリエステル系樹脂(AP−1)100重量部に、剪断力によりフィブリル化するポリテトラフルオロエチレン系樹脂(BP−1)0.4重量部とタルク1.0重量部の混合物をそれぞれテーブルフィーダーで連続的に二軸押出機に供給し、190℃で、2分間加熱混練して組成物を得た。そして得られた組成物の溶融張力を測定した。次いで得られた組成物100重量部に、無機系化学発泡剤(炭酸水素ナトリウム)0.2部を混合し、単軸押出機を用いてシリンダー温度185℃、ダイ温度170℃でフリー発泡成形を行い、外観を目視で観察するとともに、発泡倍率を求めた。これらの結果を表2に示す。
【0032】
[実施例6]
BP−1を希釈するタルクの代わりに、アルキル(メタ)アクリル酸樹脂粉末を用いた以外は実施例5と同様にして行った。結果を表2に示す。
【0033】
[比較例6]
BP−1を使用しなかった以外は実施例5と同様にして行った。結果を表2に示す。
【0034】
【表2】
Figure 2004315707
【0035】
表2から明らかなように、本発明にかかる樹脂組成物は比較例にかかる樹脂組成物に比べて、溶融張力が15g以上であり押出法による低発泡異型成形に好適な範囲を示た。さらに発泡剤を配合しフリー発泡成形を行うと外観が良好な低発泡体を得ることが出来た。一方、剪断力によりフィブリル化するポリテトラフルオロエチレン樹脂を配合しなかった比較例6は、溶融張力も低く、フリー発泡成形においては、ガス抜けによる表面の肌荒れと、ドローダウンにより形状の維持が困難であった。
【0036】
【発明の効果】
本発明の熱可塑性ポリエステル系樹脂組成物は、am−PET(A)中に、am−PET(A)がミクロフィブリル状に分散することにより、組成物の溶融張力を向上させる効果があるものと推定される。特に、mf−PTFE(B)の配合量を変えることにより容易に溶融張力を調整することもできる。
このような特長を有する本発明の熱可塑性ポリエステル系樹脂組成物は、とりわけ押出法による低発泡異型成形に適したものであり有用であるといえる。さらに本発明の熱可塑性ポリエステル系樹脂組成物を異型押出成形して得られる低発泡異型成形体は住宅部材として好適に用いられるものであり有用であるといえる。

Claims (5)

  1. 非晶性熱可塑性ポリエステル系樹脂(A)100重量部、剪断力によりフィブリル化するポリテトラフルオロエチレン系樹脂(B)0.2〜2重量部からなることを特徴とする熱可塑性ポリエステル系樹脂組成物。
  2. 非晶性熱可塑性ポリエステル系樹脂(A)が、流動開始温度が170℃以下である非晶性熱可塑性ポリエステル系樹脂から選ばれる一種以上であることを特徴とする請求項1に記載の熱可塑性ポリエステル系樹脂組成物。
  3. 非晶性熱可塑性ポリエステル系樹脂(A)が、ガラス転移温度(Tg)が60〜120℃の範囲である非晶性熱可塑性ポリエステル系樹脂から選ばれる一種以上であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の熱可塑性ポリエステル系樹脂組成物。
  4. 剪断力によりフィブリル化するポリテトラフルオロエチレン系樹脂(B)が、ポリテトラフルオロエチレンの単独重合体であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の熱可塑性ポリエステル系樹脂組成物。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の熱可塑性ポリエステル系樹脂組成物に発泡剤を配合し、これを異型押出成形して得られることを特徴とする低発泡異型成形体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US11339263B2 (en) 2015-03-16 2022-05-24 Shpp Global Technologies B.V. Fibrillated polymer compositions and methods of their manufacture

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