JP2004315349A - ガラスパイプの製造方法及び製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 内付けの基板となるガラスパイプの肉厚のばらつきによる悪影響を抑えて、長手方向で断面構造や屈折率分布が安定したガラスパイプを製造する。
【解決手段】 本発明のガラスパイプの製造方法は、内付けCVD法の基板となるガラスパイプGの内側に、まず、肉厚計測器33によりガラスパイプGの肉厚を計測し、肉厚を計測した結果に基づいて、ガラスパイプGの肉厚を長手方向で均一となるように調整する。肉厚を調整する手段としては、ガラスパイプGの内周面をエッチングガスによりエッチングする方法、ガラスパイプGと同等の屈折率のガラス膜を内付けする方法、ガラスパイプGの外周面を加熱して火炎研磨する方法、ガラスパイプGを加熱して延伸する方法、が挙げられる。そして、ガラスパイプGの肉厚を長手方向で一定となるように調整した後、ガラスパイプGと屈折率の異なるガラス膜を堆積させ、所望のガラスパイプを製造する。
【選択図】 図1
【解決手段】 本発明のガラスパイプの製造方法は、内付けCVD法の基板となるガラスパイプGの内側に、まず、肉厚計測器33によりガラスパイプGの肉厚を計測し、肉厚を計測した結果に基づいて、ガラスパイプGの肉厚を長手方向で均一となるように調整する。肉厚を調整する手段としては、ガラスパイプGの内周面をエッチングガスによりエッチングする方法、ガラスパイプGと同等の屈折率のガラス膜を内付けする方法、ガラスパイプGの外周面を加熱して火炎研磨する方法、ガラスパイプGを加熱して延伸する方法、が挙げられる。そして、ガラスパイプGの肉厚を長手方向で一定となるように調整した後、ガラスパイプGと屈折率の異なるガラス膜を堆積させ、所望のガラスパイプを製造する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、ガラスパイプの内側にガラス層を形成して所望のガラスパイプを得るガラスパイプの製造方法及び製造装置に関する。
光ファイバを製造する際に、所望の伝送特性を良好に得るためには、光ファイバの断面構造を精密に形成することが重要である。光ファイバを製造するための光ファイバ母材の製造過程では、例えばMCVD(Modified Chemical Vapor Deposition)法等の内付けCVD法が好適に用いられている。MCVD法は、種々の文献(例えば、非特許文献1参照)に開示されているように、高品質な光ファイバ母材を比較的容易に得やすいため、広く用いられている。
内付けCVD法では、内付けの基板となるガラスパイプの内側に、ガラス微粒子を生成するための原料ガスを導入し、ガラスパイプの外側に設けた熱源をガラスパイプの長手方向に沿ってトラバースさせてガラスパイプを加熱する。このようにガラスパイプを加熱することにより、ガラスパイプの内側に導入された原料ガスが酸化反応してガラス微粒子(SiO2)が生成される。そして、ガラス微粒子は、原料ガスの流れの下流側におけるガラスパイプの内周面に付着して堆積していく。その後、堆積したガラス微粒子は、熱源がトラバースすることによって加熱されて透明化し、順次ガラス膜が形成される。
このような内付け工程を繰り返し行い、ガラスパイプの肉厚が所望の厚さとなるまでガラス膜を複数層形成して、光ファイバ母材の中間体をなすガラスパイプを製造することができる。
また、内付けCVD法では、ガラスパイプの内側に導入する原料ガスに屈折率調整用のドーパントを適宜混合することで、内付けするガラス膜毎に屈折率を変えることができる。この屈折率調整により、得ようとする光ファイバの伝送特性に合わせた所望の屈折率分布を有するガラスパイプを形成することができる。
「光ファイバ通信 国際版1991年(Optical Fiber Communications International Edition 1991)」,マクグローヒル出版社(McGraw-Hill Book Co.),p.66−67
ところで、内付けCVD法を行う際には、できる限り均一な肉厚を有するガラスパイプに内付けを行っていくことが望ましい。しかしながら、通常用いられているガラスパイプは、肉厚が長手方向に若干量(例えば、0.1mm程度)だけ変動している。また、内付け前にはガラスパイプの内周面に対してエッチングを行うが、そのエッチングによりさらに肉厚の変動量が大きくなる(例えば、0.3mm程度)。そのため、そのガラスパイプの内側にガラス膜を形成していくと、長手方向に均一な断面構造を得ることができなくなってしまう。特に、屈折率分布を精密に調整しようとした場合には、屈折率分布が長手方向に顕著に乱れやすく、所望の伝送特性を有する光ファイバが得られにくい。
また、ガラスパイプの肉厚が長手方向で異なっていると、熱源からガラスパイプの内側に伝わる熱量にばらつきが生じてしまう。すなわち、熱源を長手方向にトラバースさせてガラス微粒子を生成する際に、加熱する箇所によって酸化反応を促すガラスパイプ内の温度が変動し、長手方向におけるガラス微粒子の生成量が不均一となってしまう。例えば、ガラスパイプの肉厚に0.3mmのばらつきがあると、ガラスパイプの内面の温度に10℃程度の温度差が生じてしまう。そのため、熱源の温度を長手方向で一様に保ったとしても、内付けするガラス膜の厚さは長手方向で一定とならず、精密なガラス膜の断面構造を形成することが困難であった。
このように、従来の内付けCVD法においては、長手方向で断面構造や屈折率分布が安定したガラスパイプを製造することが難しいという状況にあった。
本発明は、内付けの基板となるガラスパイプの肉厚を調整し、長手方向で断面構造や屈折率分布が所望の値を有するガラスパイプを製造することができるガラスパイプの製造方法及び製造装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するための本発明に係るガラスパイプの製造方法は、ガラスパイプの内側にガラスパイプと屈折率の異なるガラス膜を堆積させる工程に先立ち、ガラスパイプの肉厚を計測し、肉厚を計測した結果に基づいて、ガラスパイプの肉厚を調整する工程を有することを特徴としている。
なお、肉厚を調整する工程は、ガラスパイプと屈折率の異なるガラス膜を堆積させる工程に対して、前の工程として行えば良く、直前、もしくは他の工程を挟んだ前に行われる。
また、「ガラスパイプと屈折率の異なる」とは、ガラスパイプの屈折率と全く同値の屈折率のみを除くものではない。本願発明においては、ガラスパイプとの比屈折率差が0.05%を超えていることを、「ガラスパイプと屈折率の異なる」こととする。
なお、肉厚を調整する工程は、ガラスパイプと屈折率の異なるガラス膜を堆積させる工程に対して、前の工程として行えば良く、直前、もしくは他の工程を挟んだ前に行われる。
また、「ガラスパイプと屈折率の異なる」とは、ガラスパイプの屈折率と全く同値の屈折率のみを除くものではない。本願発明においては、ガラスパイプとの比屈折率差が0.05%を超えていることを、「ガラスパイプと屈折率の異なる」こととする。
また、本発明に係るガラスパイプの製造方法において、肉厚の調整は、ガラスパイプの長手方向にわたって、肉厚の計測と交互に複数回行い、各回の調整量を、最後に行った肉厚の計測結果に基づいて調節することが好ましい。
また、本発明に係るガラスパイプの製造方法において、肉厚の計測は、調整を行う箇所に対して、調整を行う前と、調整を行っている最中とに行い、計測により得られた肉厚の変化量に応じて、調整する量を調節することが好ましい。
また、本発明に係るガラスパイプの製造方法において、肉厚の調整は、ガラスパイプの内側にエッチングガスを導入し、ガラスパイプの外側に設けた熱源をガラスパイプの長手方向にトラバースしてガラスパイプを加熱し、ガラスパイプの内周面をエッチングすることによって行うと良い。
また、本発明に係るガラスパイプの製造方法において、エッチングを行う際に、肉厚を計測した結果に基づいて、エッチングガスの導入量を調節することが好ましい。
また、本発明に係るガラスパイプの製造方法において、エッチングを行う際に、肉厚を計測した結果に基づいて、熱源をトラバースする速度を調節することが好ましい。
また、本発明に係るガラスパイプの製造方法において、エッチングを行う際に、肉厚を計測した結果に基づいて、熱源の温度を調節することが好ましい。
また、本発明に係るガラスパイプの製造方法において、肉厚の調整は、ガラスパイプの内側に原料ガスを導入し、ガラスパイプの外側に設けた熱源をガラスパイプの長手方向にトラバースしてガラスパイプを加熱し、ガラスパイプの内周面にガラスパイプと屈折率の同等のガラス膜を堆積させる内付けによって行うと良い。
また、本発明に係るガラスパイプの製造方法において、内付けを行う際に、肉厚を計測した結果に基づいて、原料ガスの導入量を調節することが好ましい。
また、本発明に係るガラスパイプの製造方法において、内付けする箇所に対して原料ガスの流れの上流側へ30mm以上離れた箇所を加熱する際に、内付けする箇所の肉厚を測定した結果に基づいて、原料ガスの導入量を調節することが好ましい。
また、本発明に係るガラスパイプの製造方法において、内付けを行う際に、肉厚を計測した結果に基づいて、熱源をトラバースする速度を調節することが好ましい。
また、本発明に係るガラスパイプの製造方法において、内付けを行う際に、肉厚を計測した結果に基づいて、熱源の位置より原料ガスの流れの下流側で、ガラスパイプを冷却する冷却温度を調節することが好ましい。
また、本発明に係るガラスパイプの製造方法において、肉厚の調整は、ガラスパイプの外側に設けた熱源によりガラスパイプを加熱して、ガラスパイプの外周面を火炎研磨することによって行うと良い。
また、本発明に係るガラスパイプの製造方法において、肉厚の調整は、ガラスパイプの外側に設けた熱源によりガラスパイプを加熱して、ガラスパイプを長手方向に延伸することによって行うと良い。
なお、上記のエッチング、内付け、火炎研磨、延伸による肉厚の調整は、適宜組み合わせて実施することができる。
また、本発明に係るガラスパイプの製造方法において、ガラスパイプの内側にガラスパイプと屈折率の異なるガラス膜を堆積させる工程に先立ち、ガラスパイプの内側に原料ガスを導入し、ガラスパイプの外側に設けた熱源をガラスパイプの長手方向にトラバースしてガラスパイプを加熱し、ガラスパイプの内周面にガラスパイプとの比屈折率差が0.05%以下のガラス膜を10層以上堆積させてガラスパイプの偏肉を修正する工程を有することが好ましい。
また、上記目的を達成するための本発明に係るガラスパイプの製造装置は、ガラスパイプの内側にガスを導入するガス導入手段と、ガラスパイプの外側を長手方向に沿ってトラバースしてガラスパイプを加熱する熱源と、ガラスパイプの肉厚を長手方向に測定する肉厚計測手段と、肉厚計測手段により計測された肉厚に基づいて、ガス導入手段により導入するガスの導入量、熱源をトラバースする速度、熱源の温度のうち、少なくとも1つを調節する制御部とを備えていることを特徴としている。
また、本発明に係るガラスパイプの製造装置において、ガス導入手段は、ガスの導入量が異なる2系統の流量調節手段を備えていることが好ましい。
本発明に係るガラスパイプの製造方法及び製造装置によれば、内付けの基板となるガラスパイプの肉厚のばらつきによる悪影響を抑えて、長手方向で断面構造や屈折率分布が安定したガラスパイプを製造することができる。
以下、本発明に係るガラスパイプの製造方法及び製造装置の実施の形態の例を図面を参照して説明する。
本実施形態のガラスパイプの製造方法は、内付けCVD法の基板となるガラスパイプの内側にガラスパイプと屈折率の異なるガラス膜を堆積させる前に、ガラスパイプの肉厚を計測し、肉厚を計測した結果に基づいて、ガラスパイプの肉厚を長手方向で均一となるように調整することを特徴としている。肉厚を調整する手段としては、ガラスパイプの内周面をエッチングガスによりエッチングする方法、ガラスパイプと同等の屈折率のガラス膜を内付けする方法、ガラスパイプの外周面を加熱して火炎研磨する方法、ガラスパイプを加熱して延伸する方法、が挙げられる。
本実施形態のガラスパイプの製造方法は、内付けCVD法の基板となるガラスパイプの内側にガラスパイプと屈折率の異なるガラス膜を堆積させる前に、ガラスパイプの肉厚を計測し、肉厚を計測した結果に基づいて、ガラスパイプの肉厚を長手方向で均一となるように調整することを特徴としている。肉厚を調整する手段としては、ガラスパイプの内周面をエッチングガスによりエッチングする方法、ガラスパイプと同等の屈折率のガラス膜を内付けする方法、ガラスパイプの外周面を加熱して火炎研磨する方法、ガラスパイプを加熱して延伸する方法、が挙げられる。
図1に、本実施形態のガラスパイプの製造方法を実施することのできるガラスパイプの製造装置の実施形態の一例を示す。
図1に示すガラスパイプの製造装置1は、主にガラスパイプに対して内付けCVD法や内周面のエッチングを行う際に用いられる装置である。また、ガラスパイプの製造装置1は、ガラスパイプの外周面を火炎研磨することもできる。
ガラスパイプの製造装置1は、両端付近に支持部11が立設された基台12を有している。支持部11は、それぞれ回動可能なチャック13を有しており、これらチャック13は、ガラスパイプGの端部をそれぞれ把持し、ガラスパイプGを水平に支持する。なお、ガラスパイプの製造装置1において、支持部11がガラスパイプGの長手方向に基台12上を移動可能なように構成されていると、ガラスパイプGの延伸加工を行うことができる。
図1に示すガラスパイプの製造装置1は、主にガラスパイプに対して内付けCVD法や内周面のエッチングを行う際に用いられる装置である。また、ガラスパイプの製造装置1は、ガラスパイプの外周面を火炎研磨することもできる。
ガラスパイプの製造装置1は、両端付近に支持部11が立設された基台12を有している。支持部11は、それぞれ回動可能なチャック13を有しており、これらチャック13は、ガラスパイプGの端部をそれぞれ把持し、ガラスパイプGを水平に支持する。なお、ガラスパイプの製造装置1において、支持部11がガラスパイプGの長手方向に基台12上を移動可能なように構成されていると、ガラスパイプGの延伸加工を行うことができる。
チャック13によって支持されるガラスパイプGの下方には、ガラスパイプGを加熱するための熱源10が設けられている。この熱源10には、酸水素バーナ、プラズマトーチ、誘導加熱炉、抵抗加熱炉を用いることができる。
熱源10は、支持レール17に装着された移動台18上に支持され、移動台18は、ラック・ピニオン機構により支持レール17の長手方向に沿って移動することができる。支持レール17と、ガラスパイプGとは、それぞれの長手方向が平行になるように配設されている。
熱源10は、支持レール17に装着された移動台18上に支持され、移動台18は、ラック・ピニオン機構により支持レール17の長手方向に沿って移動することができる。支持レール17と、ガラスパイプGとは、それぞれの長手方向が平行になるように配設されている。
また、移動台18の上部には、熱源10の位置を3軸方向に微調節することが可能な3軸ステージ19が設けられていると良い。熱源10は、3軸ステージ19に固定されている場合、移動台18の上で、ガラスパイプGの軸方向、ガラスパイプGの軸方向と直交する方向、ガラスパイプGとの距離方向(図中上下方向)に移動されることができる。また、3軸ステージ19を用いない場合には、少なくとも熱源10とガラスパイプGとの距離方向に移動できるような昇降機能を有したステージを用いると良い。
このように、熱源10は、支持レール17と、移動台18と、3軸ステージ19とから構成された可動装置21によって水平面内及び垂直方向へ独立して移動可能とされている。
また、支持部11には、一方側(図中左側)に、ガス導入手段の一部を構成する供給管22が接続され、他方側(図中右側)に排気管23が接続されている。これらの供給管22と排気管23は、ガラスパイプGの内部の空間と連続した流路を形成している。
また、供給管22には、ガラスパイプGの内側に導入するガスの導入量を調節する流量調節手段であるMFC(Mass Flow Controller)31が接続されている。このMFC31は、供給管22とともにガス導入手段を構成している。MFC31は、供給管22に対して幅広い流量調節機能を得ることができるように、それぞれ基本流量の異なるものが2つ設けられている。このように、ガラスパイプGへガスを導入するためのMFC31が2系統設けられていることにより、エッチングを行う場合と内付けCVD法を行う場合の双方において適切なガスの導入量を得ることができる。
また、各MFC31は、制御部32に接続されており、この制御部32によってガスの流量が制御される。制御部32は、熱源10の温度や、熱源10を移動させる可動装置21の動作を制御可能とするように、熱源10及び可動装置21に対しても接続されている。
さらに、本実施形態のガラスパイプの製造装置1には、チャック13によって支持されたガラスパイプGの肉厚を長手方向にわたり計測することができる肉厚計測器(肉厚計測手段)33が設けられている。この肉厚計測器33は、ガラスパイプGの長手方向に沿った方向に移動させることができる可動手段(図示せず)に取り付けられているとともに制御部32に接続されており、制御部32によってその移動が制御される。また、肉厚計測器33により計測された肉厚のデータは、制御部32に送信され、長手方向の肉厚分布として記憶される。
なお、肉厚計測器33は、レーザ光、超音波、CCDカメラによる撮像等を用いた非接触式の計測装置を用いることが好ましい。
なお、肉厚計測器33は、レーザ光、超音波、CCDカメラによる撮像等を用いた非接触式の計測装置を用いることが好ましい。
このように構成されたガラスパイプの製造装置1は、肉厚計測器33から計測された肉厚のデータに基づいて、肉厚を均一にするように熱源10の温度、可動装置21及びMFC31を制御することができる。
熱源10の温度を制御する場合には、エッチングの量や内付けするガラス膜の厚さを調節することができる。なお、熱源10の温度を制御するには、酸水素バーナやプラズマトーチに用いるガスの流量やプラズマを発生させるパワーを調節すると良い。
可動装置21を制御する場合には、熱源10をガラスパイプGの長手方向にトラバースする速度を調節して、エッチングの量や内付けするガラス膜の厚さを調節することができる。また、ガラスパイプGと熱源10との相対位置を適切に調節して、所望の位置で加熱を行うことができる。特に、熱源10とガラスパイプGとの距離を調節することにより、熱源10の温度を変えずに、ガラスパイプGへの加熱温度や加熱領域の範囲を調節することができる。
MFC31を制御する場合には、エッチングの際に用いるエッチングガスや内付けの際に用いる原料ガスの導入量を調節して、エッチングの量や内付けするガラス膜の厚さを調節することができる。
なお、熱源10の温度、可動装置21及びMFC31の制御は、製造装置1の稼働中に常時行うことができ、ガラスパイプGに対する熱源10の位置毎にそれぞれの状態を変動させることができる。すなわち、ガラスパイプGの長手方向においてエッチングや内付けの量を適宜変更しつつ調節することができる。
次に、ガラスパイプの内周面をエッチングして肉厚を調整する方法について説明する。
まず、図1に示したガラスパイプの製造装置1を用いて、チャック13により支持したガラスパイプGを軸周りに回転させる。そして、制御部32によって肉厚計測器33をガラスパイプGの長手方向にトラバースさせて、ガラスパイプGの肉厚を長手方向に沿って一通り計測する。なお、計測した肉厚により、ガラスパイプGの断面積の分布を算出しても良い。計測された肉厚のデータは制御部32に記憶される。
まず、図1に示したガラスパイプの製造装置1を用いて、チャック13により支持したガラスパイプGを軸周りに回転させる。そして、制御部32によって肉厚計測器33をガラスパイプGの長手方向にトラバースさせて、ガラスパイプGの肉厚を長手方向に沿って一通り計測する。なお、計測した肉厚により、ガラスパイプGの断面積の分布を算出しても良い。計測された肉厚のデータは制御部32に記憶される。
長手方向に一通り肉厚を計測した後、ガラスパイプGの内周面のエッチングを行う。エッチングは、ガラスパイプGを軸周りに回転させた状態で、MFC31によりエッチングガスをガラスパイプの内側に導入し、熱源10によりガラスパイプGを外側から加熱する。加熱した内周面では、エッチングガスがガラスと反応して、ガラスが揮散する。これにより、ガラスパイプGの肉厚が僅かに薄くなる。
なお、エッチングガスは、六フッ化硫黄(SF6)または四フッ化炭素(CF4)をベースに、酸素(O2)や塩素(Cl2)を混合して、予め設定した濃度に調節をして用いる。
エッチングを行う際、計測した肉厚の結果に基づいて、ガラスパイプGの長手方向における肉厚のばらつきを少なくするように、制御部32によりエッチング量の調節を行う。エッチングを行うと肉厚は薄くなるため、最も肉厚の薄い箇所に肉厚を合わせるように、肉厚の厚い箇所に対して積極的にエッチングを行う。肉厚の厚い箇所をエッチングする際には、エッチング量を多くするために、エッチングガスの導入量を多くするか、熱源10のトラバースの速度を遅くするか、熱源10の温度を高くすると良い。
例えば、内径がほぼ26mmのガラスパイプGの肉厚を10μm薄くするためには、熱源10のトラバースの速度を100mm/分とし、ガラスパイプGの内周面の温度が1500℃程度となるように加熱して、ガラスパイプGの内側に六フッ化硫黄を約60sccm(standard cc/min)導入すれば良い。
なお、エッチングガスの導入には、基本流量の小さい方のMFC31を用いて、微小な流量調節を行うと良い。エッチング量は、エッチングガス中の六フッ化硫黄または四フッ化炭素の量に比例して大きくなるため、エッチングガスの流量を制御することで、任意の箇所で所望のエッチング量を得ることが容易である。
また、エッチング量は、熱源10のトラバースの速度に反比例して少なくなるため、トラバースの速度を制御することでも、任意の箇所で所望のエッチング量を得ることが容易である。
また、エッチング量は、熱源10のトラバースの速度に反比例して少なくなるため、トラバースの速度を制御することでも、任意の箇所で所望のエッチング量を得ることが容易である。
また、肉厚の調整は、長手方向にわたって一回のエッチングを行うことによって目的の設定値まで調整することも可能であるが、長手方向に微小なエッチングを複数回行うことにより、さらに正確な肉厚の調整を行うことができる。その際、長手方向に一回エッチングを行うごとに、肉厚の計測を行うと良い。すなわち、ガラスパイプGの長手方向にわたって、肉厚の計測とエッチングとを交互に複数回行い、各回のエッチングは、その直前に行った最後の肉厚の計測値を基にして行う。これにより、各回のエッチング量にずれが生じていた場合でも、エッチング量の細かい修正を行って最終的に精度の良い肉厚調整を行うことができる。
なお、最後の肉厚の計測値のみを用いるだけでなく、複数回の計測値から各回のエッチングごとの肉厚の変化量を算出して、それに基づいてエッチング量のずれを調整しても良い。
また、肉厚の計測は、エッチングを行っている最中にその箇所に対して行っても良い。エッチングを行っている最中に肉厚を計測するためには、熱源10により加熱している領域を計測する位置に肉厚計測器33を配置して、熱源10と肉厚計測器33のトラバースを同期させれば良い。
エッチングを行っている箇所の肉厚を計測することで、その回のエッチングを行う前に予め計測した値から肉厚が変化している量がわかり、肉厚が変動しつつある様子を知ることができる。そのため、その回のエッチング量を即座にフィードバック制御して、エッチング量のずれの発生を防ぐことができる。
エッチングを行っている箇所の肉厚を計測することで、その回のエッチングを行う前に予め計測した値から肉厚が変化している量がわかり、肉厚が変動しつつある様子を知ることができる。そのため、その回のエッチング量を即座にフィードバック制御して、エッチング量のずれの発生を防ぐことができる。
また、図1に示したガラスパイプの製造装置1では、肉厚計測器33を1つのみ使用しているが、図2に示すガラスパイプの製造装置2のように、肉厚計測器33を2つ設けて、同時に2箇所の肉厚計測を行うことができるようにしても良い。その場合、長手方向にわたって予め肉厚の計測を行わなくても、エッチングを行っている最中に、エッチング前の肉厚とエッチング中の肉厚とを計測することができる。したがって、肉厚の計測とエッチングとを交互に行う必要がないため、肉厚を調整する時間を大幅に短縮することができる。
次に、ガラスパイプと同等の屈折率のガラス膜を内付けして肉厚を調整する方法について説明する。
内付けによる肉厚の調整においても、図1または図2に示したガラスパイプの製造装置を用いることができる。また、肉厚の計測は、エッチングを行う際と同様の方法により行うと良い。
内付けによる肉厚の調整においても、図1または図2に示したガラスパイプの製造装置を用いることができる。また、肉厚の計測は、エッチングを行う際と同様の方法により行うと良い。
ガラスパイプGの組成がシリカ(SiO2)である場合、ここで行う内付けも、同じ組成のシリカを堆積させる。
ガラスパイプGを軸周りに回転させた状態で、MFC31により原料ガスをガラスパイプGの内側に導入し、熱源10によりガラスパイプGを外側から加熱する。加熱した領域におけるガラスパイプGの内側では、シリカであるガラス微粒子(SiO2)が生成される。そして、ガラス微粒子は、熱泳動効果によって、原料ガスの流れの下流側におけるガラスパイプGの内周面に付着して堆積していく。その後、堆積したガラス微粒子は熱源10のトラバースによって加熱されて透明化し、順次ガラス膜が形成される。これにより、ガラスパイプGの肉厚が僅かに厚くなる。
なお、原料ガスは、四塩化ケイ素(SiCl4)をベースに、酸素(O2)やヘリウム(He)等を混合して、予め設定した濃度に調節をして用いる。
ガラスパイプGを軸周りに回転させた状態で、MFC31により原料ガスをガラスパイプGの内側に導入し、熱源10によりガラスパイプGを外側から加熱する。加熱した領域におけるガラスパイプGの内側では、シリカであるガラス微粒子(SiO2)が生成される。そして、ガラス微粒子は、熱泳動効果によって、原料ガスの流れの下流側におけるガラスパイプGの内周面に付着して堆積していく。その後、堆積したガラス微粒子は熱源10のトラバースによって加熱されて透明化し、順次ガラス膜が形成される。これにより、ガラスパイプGの肉厚が僅かに厚くなる。
なお、原料ガスは、四塩化ケイ素(SiCl4)をベースに、酸素(O2)やヘリウム(He)等を混合して、予め設定した濃度に調節をして用いる。
内付けを行う際、計測した肉厚の結果に基づいて、ガラスパイプGの長手方向における肉厚のばらつきを少なくするように、制御部32により内付けするガラス膜の厚さの調節を行う。内付けを行うと肉厚は厚くなるため、最も肉厚の厚い箇所に肉厚を合わせるように、肉厚の薄い箇所に対して積極的に内付けを行う。肉厚の薄い箇所に内付けする際には、内付けの堆積量を多くするために、原料ガスの導入量を多くするか、熱源10のトラバースの速度を遅くするか、熱源10の温度を高くすると良い。
例えば、内径がほぼ26mmのガラスパイプGに、肉厚が10μm厚くなるようにガラス膜を堆積させるためには、熱源10のトラバースの速度を100mm/分とし、ガラスパイプGの内周面の温度が1500℃程度となるように加熱して、ガラスパイプGの内側に四塩化ケイ素を約120sccm(standard cc/min)導入すれば良い。
なお、原料ガスの導入には、基本流量の小さい方のMFC31を用いて、微小な流量調節を行うと良い。堆積するガラス膜の厚さは、原料ガス中の四塩化ケイ素の量に比例して厚くなるため、原料ガスの流量を制御することで、任意の箇所に所望の厚さのガラス膜を堆積させることが容易である。
また、堆積するガラス膜の厚さは、熱源10のトラバースの速度に反比例して薄くなる傾向があるため、トラバースの速度を制御することでも、任意の箇所に所望の厚さのガラス膜を堆積させることが容易である。
また、堆積するガラス膜の厚さは、熱源10のトラバースの速度に反比例して薄くなる傾向があるため、トラバースの速度を制御することでも、任意の箇所に所望の厚さのガラス膜を堆積させることが容易である。
また、内付けCVD法においては、十分な加熱温度を与えてガラス微粒子の生成効率を向上させることと、ガラスパイプGの長手方向の温度勾配を積極的に設けて熱泳動効果を促進することにより、ガラス膜の堆積効率を向上させることができる。
したがって、図3に示すように、熱源10より原料ガスの流れの下流側の位置で、ガラスパイプGを冷却する冷却装置34を設けても良い。この冷却装置34は、窒素等の不活性ガスを吹き付ける装置であり、熱源10と所望の間隔をあけた状態で同期してトラバースすることができるように取り付けられている。すなわち、ガラス微粒子G1が堆積する位置の付近をこの冷却装置34を用いて冷却することにより、加熱されている領域から冷却されている領域にかけたガラスパイプGの温度勾配を大きくすることができ、熱泳動効果を促進させることができる。
また、冷却装置34の他の構成としては、水冷式の金属製の環状構造体をガラスパイプGの周囲を覆うように配置して用いても良い。
また、冷却装置34の他の構成としては、水冷式の金属製の環状構造体をガラスパイプGの周囲を覆うように配置して用いても良い。
冷却装置34による冷却温度を調節することで、ガラス微粒子G1の堆積量を変えることができるため、内付けされるガラス膜G2の厚さを適宜調節することができる。その際、ガラス膜G2が形成される位置の肉厚を計測してその計測値から冷却温度をフィードバック制御することで、より高精度に肉厚の調整を行うことができる。
また、ガラスパイプの内付けCVD法では、熱源10で加熱している位置に対してガラス微粒子G1が堆積する位置は、原料ガスの流れの下流側へ30mm以上、例えば50mmから100mm程度離れた所となる。そのため、この堆積位置を考慮して、計測した肉厚の結果に基づいて内付けするガラス膜の厚さの調節を行うことが好ましい。すなわち、堆積させるガラス膜の厚さを調節しようとする箇所に対して、原料ガスの流れの上流側へ30mm以上離れた箇所を熱源10で加熱する際に、当該堆積させる箇所の計測した肉厚の結果に基づいて、原料ガスの導入量、熱源10のトラバースの速度、熱源10の温度、冷却温度の何れか1つ以上を調節すると良い。
これにより、さらに正確な肉厚の調整を行うことができる。なお、これらの調節方法のうち、原料ガスの導入量を調節することによって堆積させるガラス膜の厚さを調節することが最も容易であり、好ましい。
これにより、さらに正確な肉厚の調整を行うことができる。なお、これらの調節方法のうち、原料ガスの導入量を調節することによって堆積させるガラス膜の厚さを調節することが最も容易であり、好ましい。
また、内付けを行う回数は、エッチングを行う場合と同様に、長手方向に一回で行うよりも、肉厚の計測と交互に複数回に分けて行った方が好ましい。また、内付けを行っている箇所の肉厚を計測することで、その回の内付けの厚さを即座にフィードバック制御して、精度の良い肉厚調整を行うことができる。
また、図2の製造装置2を用いた場合には、エッチングを行う場合と同様に、肉厚の計測と調整とを同時になおかつ精度良く行うことができるため、肉厚調整を効率的に行うことができる。
また、ガラスパイプGの長手方向と直交する断面において、周方向の肉厚に偏肉がある場合には、肉厚の厚いところと比較して肉厚の薄いところほどガラス膜が厚く内付けされる傾向がある。そのため、後にこのガラスパイプGを母材として光ファイバを製造した場合に実質的に光が伝播する領域のガラスとなるガラス膜を堆積させる前に、ガラスパイプGと実質的に同等の屈折率を有するガラス膜を内付けすると良い。
なお、実質的に光が伝播する領域とは、光ファイバにおいて中心から径方向に向かって定常的に伝播する光のパワーを積分した値が、伝播する光の全パワーに対して80%となる部分までの、コア及びコア近傍のクラッドの領域を指す。そして、その領域のガラスは、ガラスパイプGと屈折率が明らかに異なるものであり、少なくともガラスパイプGとの比屈折率差が0.05%を超えるものである。また、ガラスパイプGと実質的に同等の屈折率とは、ガラスパイプGとの比屈折率差が0.05%以下のものを指す。
なお、偏肉を修正する作用を十分に得るためには、内付けを10層以上行うと良い。
なお、実質的に光が伝播する領域とは、光ファイバにおいて中心から径方向に向かって定常的に伝播する光のパワーを積分した値が、伝播する光の全パワーに対して80%となる部分までの、コア及びコア近傍のクラッドの領域を指す。そして、その領域のガラスは、ガラスパイプGと屈折率が明らかに異なるものであり、少なくともガラスパイプGとの比屈折率差が0.05%を超えるものである。また、ガラスパイプGと実質的に同等の屈折率とは、ガラスパイプGとの比屈折率差が0.05%以下のものを指す。
なお、偏肉を修正する作用を十分に得るためには、内付けを10層以上行うと良い。
偏肉のある断面において、内付け前にガラスパイプGの肉厚を測定した値と、内付けされたガラス膜の合計厚さを測定した値と、ガラス膜を含む内付け後のガラスパイプGの肉厚を測定した値とを、周方向の45°毎に測定し、それぞれの平均値とのずれの割合(%)を求めた。その値を図5に示す。なお、このとき内付けしたガラス膜は、20層である。
図5に示すように、内付け前の偏肉は平均値からのずれが最大で約0.5%であるのに対して、内付け後には最大で約0.2%となり、偏肉を半分以下に修正できることがわかる。
図5に示すように、内付け前の偏肉は平均値からのずれが最大で約0.5%であるのに対して、内付け後には最大で約0.2%となり、偏肉を半分以下に修正できることがわかる。
次に、ガラスパイプの外周面を火炎研磨して肉厚を調整する方法について説明する。
火炎研磨による肉厚調整は、図1または図2に示したガラスパイプの製造装置を用いて行うことができる。ただし、ガラスパイプGの内側にエッチングガスや原料ガス等を導入する必要はないため、供給管22及び排気管23、MFC31が設けられている必要はない。そのため、制御部32は、可動手段21と肉厚計測器33とを制御できるように構成されていれば良い。
火炎研磨による肉厚調整は、図1または図2に示したガラスパイプの製造装置を用いて行うことができる。ただし、ガラスパイプGの内側にエッチングガスや原料ガス等を導入する必要はないため、供給管22及び排気管23、MFC31が設けられている必要はない。そのため、制御部32は、可動手段21と肉厚計測器33とを制御できるように構成されていれば良い。
ガラスパイプGを火炎研磨するには、ガラスパイプGを軸周りに回転させながら、熱源10を長手方向にトラバースさせてガラスパイプGの外周面を加熱する。これにより、ガラスパイプGの表面のガラス層を気化させて、微小な傷や歪み、さらには付着した異物を取り除くことができる。
そして、エッチングや内付けを行う場合と同様に、計測した肉厚を基にして制御部32により火炎研磨する厚さの調節を行う。火炎研磨を行うと肉厚は薄くなるため、最も肉厚の薄い箇所に肉厚を合わせるように、肉厚の厚い箇所に対して積極的に火炎研磨を行う。肉厚の厚い箇所に火炎研磨する際には、火炎研磨によるガラスの気化量を多くするために、熱源10のトラバースの速度を遅くするか、熱源10の温度を高くすると良い。
そして、エッチングや内付けを行う場合と同様に、計測した肉厚を基にして制御部32により火炎研磨する厚さの調節を行う。火炎研磨を行うと肉厚は薄くなるため、最も肉厚の薄い箇所に肉厚を合わせるように、肉厚の厚い箇所に対して積極的に火炎研磨を行う。肉厚の厚い箇所に火炎研磨する際には、火炎研磨によるガラスの気化量を多くするために、熱源10のトラバースの速度を遅くするか、熱源10の温度を高くすると良い。
また、火炎研磨を行う回数は、エッチングを行う場合と同様に、長手方向に一回で行うよりも、肉厚の計測と交互に複数回に分けて行った方が好ましい。また、火炎研磨を行っている箇所の肉厚を計測することで、その回の火炎研磨による肉厚の変動を即座にフィードバック制御して、精度の良い肉厚調整を行うことができる。
また、図2の製造装置2のように肉厚計測器33を2つ用いた場合には、エッチングを行う場合と同様に、肉厚の計測と調整とを同時になおかつ精度良く行うことができるため、肉厚の調整を効率的に行うことができる。
また、図2の製造装置2のように肉厚計測器33を2つ用いた場合には、エッチングを行う場合と同様に、肉厚の計測と調整とを同時になおかつ精度良く行うことができるため、肉厚の調整を効率的に行うことができる。
次に、ガラスパイプを延伸して肉厚を調整する方法について説明する。
延伸による肉厚調整は、図1または図2に示したガラスパイプの製造装置を用いて行うことができる。ただし、ガラスパイプGに対して長手方向に張力をかけられることが必要である。そのためには、例えば支持部11がガラスパイプGの長手方向に基台12上を移動可能なように構成されていると良い。
延伸による肉厚調整は、図1または図2に示したガラスパイプの製造装置を用いて行うことができる。ただし、ガラスパイプGに対して長手方向に張力をかけられることが必要である。そのためには、例えば支持部11がガラスパイプGの長手方向に基台12上を移動可能なように構成されていると良い。
また、ガラスパイプGの内側にエッチングガスや原料ガス等を導入する必要はないため、供給管22及び排気管23、MFC31が設けられている必要はない。そのため、制御部32は、可動手段21と肉厚計測器33と、ガラスパイプGに対する延伸力を制御できるように構成されていれば良い。
ガラスパイプGを延伸するには、ガラスパイプGを軸周りに回転させながら、熱源10を長手方向にトラバースさせてガラスパイプGを加熱する。そして、任意の張力をガラスパイプGにかけることで、加熱して軟化した部分を延伸することができる。延伸することにより、ガラスパイプGの外径及び内径が小さくなり、肉厚も薄くなる。
そして、エッチングや内付けを行う場合と同様に、計測した肉厚を基にして制御部32により延伸力を制御してガラスパイプGの厚さを調節する。延伸を行うと肉厚は薄くなるため、最も肉厚の薄い箇所に肉厚を合わせるように、肉厚の厚い箇所に対して積極的に延伸する。肉厚の厚い箇所を延伸する際には、加熱によるガラスパイプGの軟化の程度を大きくするために、熱源10のトラバースの速度を遅くするか、熱源10の温度を高くすると良い。または、延伸力を強くしても良い。
また、延伸を行う回数は、通常長手方向に一回であるが、肉厚の計測と交互に複数回に分けて行っても良い。また、延伸を行っている箇所の肉厚を計測することで、その回の延伸による肉厚の変動を即座にフィードバック制御して、精度の良い肉厚調整を行うことができる。
また、図2の製造装置2のように肉厚計測器33を2つ用いた場合には、エッチングを行う場合と同様に、肉厚の計測と調整とを同時になおかつ精度良く行うことができるため、肉厚調整を効率的に行うことができる。
また、図2の製造装置2のように肉厚計測器33を2つ用いた場合には、エッチングを行う場合と同様に、肉厚の計測と調整とを同時になおかつ精度良く行うことができるため、肉厚調整を効率的に行うことができる。
以上説明したエッチング、内付け、火炎研磨、延伸の何れかの方法を1つまたは複数用いて、ガラスパイプGの肉厚が長手方向で一定となるように調整する。また、エッチングによる肉厚調整を行わない場合には、ガラスパイプの内周面に存在する不純物の除去を目的としたエッチングを、長手方向に一通り行うと良い。
その後、図1または図2に示したガラスパイプの製造装置を用いて、通常の内付けCVD法を行う。すなわち、ガラスパイプGの内側にガラスパイプGと屈折率の異なるガラス膜を堆積させる。屈折率の異なるガラス膜は、原料ガスに屈折率調整用のドーパントを適宜混合することで得られる。この屈折率の異なるガラス膜を内付けする時には、内付けの基板となるガラスパイプGの肉厚が長手方向に一定であるため、長手方向に均一に内付けを行うことができる。すなわち、均一な断面構造を形成して所望の屈折率分布を得ることができる。
したがって、以上説明した方法により製造されたガラスパイプを用いることで、所望の伝送特性を有する光ファイバを安定して得ることができる。
したがって、以上説明した方法により製造されたガラスパイプを用いることで、所望の伝送特性を有する光ファイバを安定して得ることができる。
なお、ガラスパイプGと屈折率の異なるガラス膜を内付けする際には、2系統のMFC31のうち、基本流量の大きい方のMFC31を使用して原料ガスを多く流すようにすると、内付けの堆積効率が上がるため、好ましい。
また、ガラスパイプGと屈折率の異なるガラス膜を堆積させる際にも、上述したガラスパイプGと屈折率の同等のガラス膜を堆積させる場合と同様に、適宜肉厚の計測を行い、肉厚の調整を行いながら内付けを行っても良い。
また、ガラスパイプGと屈折率の異なるガラス膜を堆積させる際にも、上述したガラスパイプGと屈折率の同等のガラス膜を堆積させる場合と同様に、適宜肉厚の計測を行い、肉厚の調整を行いながら内付けを行っても良い。
なお、以上説明した実施の形態では、ガラスパイプの肉厚を長手方向に均一となるように調整する場合を例に挙げて説明したが、本発明においては、長手方向の任意の箇所で所望の肉厚となるように調整することも可能である。例えば、ガラスパイプの肉厚を、長手方向に漸増、漸減、あるいは周期的に変動させたい場合にも応用可能である。したがって、本発明のガラスパイプの製造方法及び製造装置によれば、ガラスパイプの肉厚を長手方向に漸増、漸減、あるいは周期的に変動させることにより、分散マネジメントファイバを製造することも可能である。
1,2 ガラスパイプの製造装置
10 熱源
21 可動装置
22 供給管(ガス導入手段)
23 排出管
31 MFC(流量調節手段)
32 制御装置
33 肉厚計測器(肉厚計測手段)
G ガラスパイプ
10 熱源
21 可動装置
22 供給管(ガス導入手段)
23 排出管
31 MFC(流量調節手段)
32 制御装置
33 肉厚計測器(肉厚計測手段)
G ガラスパイプ
Claims (17)
- ガラスパイプの内側に前記ガラスパイプと屈折率の異なるガラス膜を堆積させる工程に先立ち、
前記ガラスパイプの肉厚を計測し、前記肉厚を計測した結果に基づいて、前記ガラスパイプの肉厚を調整する工程を有することを特徴とするガラスパイプの製造方法。 - 請求項1に記載のガラスパイプの製造方法において、
前記調整は、前記ガラスパイプの長手方向にわたって、前記肉厚の計測と交互に複数回行い、
各回の調整量を、最後に行った前記肉厚の計測結果に基づいて調節することを特徴とするガラスパイプの製造方法。 - 請求項1に記載のガラスパイプの製造方法において、
前記肉厚の計測は、前記調整を行う箇所に対して、前記調整を行う前と、前記調整を行っている最中とに行い、
前記計測により得られた前記肉厚の変化量に応じて、前記調整する量を調節することを特徴とするガラスパイプの製造方法。 - 請求項1から3の何れか1項に記載のガラスパイプの製造方法において、
前記調整は、前記ガラスパイプの内側にエッチングガスを導入し、前記ガラスパイプの外側に設けた熱源を前記ガラスパイプの長手方向にトラバースして前記ガラスパイプを加熱し、前記ガラスパイプの内周面をエッチングすることによって行うことを特徴とするガラスパイプの製造方法。 - 請求項4に記載のガラスパイプの製造方法において、
前記エッチングを行う際に、前記肉厚を計測した結果に基づいて、前記エッチングガスの導入量を調節することを特徴とするガラスパイプの製造方法。 - 請求項4または5に記載のガラスパイプの製造方法において、
前記エッチングを行う際に、前記肉厚を計測した結果に基づいて、前記熱源をトラバースする速度を調節することを特徴とするガラスパイプの製造方法。 - 請求項4から6の何れか1項に記載のガラスパイプの製造方法において、
前記エッチングを行う際に、前記肉厚を計測した結果に基づいて、前記熱源の温度を調節することを特徴とするガラスパイプの製造方法。 - 請求項1から3の何れか1項に記載のガラスパイプの製造方法において、
前記調整は、前記ガラスパイプの内側に原料ガスを導入し、前記ガラスパイプの外側に設けた熱源を前記ガラスパイプの長手方向にトラバースして前記ガラスパイプを加熱し、前記ガラスパイプの内周面に前記ガラスパイプと屈折率の同等のガラス膜を堆積させる内付けによって行うことを特徴とするガラスパイプの製造方法。 - 請求項8に記載のガラスパイプの製造方法において、
前記内付けを行う際に、前記肉厚を計測した結果に基づいて、前記原料ガスの導入量を調節することを特徴とするガラスパイプの製造方法。 - 請求項9に記載のガラスパイプの製造方法において、
前記内付けする箇所に対して前記原料ガスの流れの上流側へ30mm以上離れた箇所を加熱する際に、前記内付けする箇所の前記肉厚を測定した結果に基づいて、前記原料ガスの導入量を調節することを特徴とするガラスパイプの製造方法。 - 請求項8から10の何れか1項に記載のガラスパイプの製造方法において、
前記内付けを行う際に、前記肉厚を計測した結果に基づいて、前記熱源をトラバースする速度を調節することを特徴とするガラスパイプの製造方法。 - 請求項8から11の何れか1項に記載のガラスパイプの製造方法において、
前記内付けを行う際に、前記肉厚を計測した結果に基づいて、前記熱源の位置より前記原料ガスの流れの下流側で、前記ガラスパイプを冷却する冷却温度を調節することを特徴とするガラスパイプの製造方法。 - 請求項1から3の何れか1項に記載のガラスパイプの製造方法において、
前記調整は、前記ガラスパイプの外側に設けた熱源により前記ガラスパイプを加熱して、前記ガラスパイプの外周面を火炎研磨することによって行うことを特徴とするガラスパイプの製造方法。 - 請求項1から3の何れか1項に記載のガラスパイプの製造方法において、
前記調整は、前記ガラスパイプの外側に設けた熱源により前記ガラスパイプを加熱して、前記ガラスパイプを長手方向に延伸することによって行うことを特徴とするガラスパイプの製造方法。 - 請求項1から14の何れか1項に記載のガラスパイプの製造方法において、
前記ガラスパイプの内側に前記ガラスパイプと屈折率の異なるガラス膜を堆積させる工程に先立ち、
前記ガラスパイプの内側に原料ガスを導入し、前記ガラスパイプの外側に設けた熱源を前記ガラスパイプの長手方向にトラバースして前記ガラスパイプを加熱し、前記ガラスパイプの内周面に前記ガラスパイプとの比屈折率差が0.05%以下のガラス膜を10層以上堆積させて前記ガラスパイプの偏肉を修正する工程を有することを特徴とするガラスパイプの製造方法。 - ガラスパイプの内側にガスを導入するガス導入手段と、
前記ガラスパイプの外側を長手方向に沿ってトラバースして前記ガラスパイプを加熱する熱源と、
前記ガラスパイプの肉厚を長手方向に測定する肉厚計測手段と、
前記肉厚計測手段により計測された肉厚に基づいて、前記ガス導入手段により導入する前記ガスの導入量、前記熱源をトラバースする速度、前記熱源の温度のうち、少なくとも1つを制御する制御部とを備えていることを特徴とするガラスパイプの製造装置。 - 請求項16に記載のガラスパイプの製造装置において、
前記ガス導入手段は、ガスの導入量が異なる2系統の流量調節手段を備えていることを特徴とするガラスパイプの製造装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004067926A JP2004315349A (ja) | 2003-04-03 | 2004-03-10 | ガラスパイプの製造方法及び製造装置 |
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JP2003100530 | 2003-04-03 | ||
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JP (1) | JP2004315349A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014114209A (ja) * | 2012-12-11 | 2014-06-26 | Draka Comteq Bv | 光ファイバプリフォーム製造用に中空ガラス基材チューブの内面を活性化する方法 |
CN109048708A (zh) * | 2018-07-25 | 2018-12-21 | 湖北鸿创科技有限公司 | 一种角度可调蚀刻槽斜齿夹具 |
-
2004
- 2004-03-10 JP JP2004067926A patent/JP2004315349A/ja active Pending
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