JP2004311385A - 条部材、これを用いた封止材、シート状封止材、封止用基板、封止構成体、実装体及びこれらの製造方法 - Google Patents

条部材、これを用いた封止材、シート状封止材、封止用基板、封止構成体、実装体及びこれらの製造方法 Download PDF

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寿茂 上原
Seiji Tai
誠司 田井
Naoyuki Koyama
直之 小山
Shigehiro Konno
繁宏 近野
Yosuke Hoshi
陽介 星
Hidekuni Tomono
秀邦 伴野
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Abstract

【課題】酸素及び水分の遮蔽性に優れ、搭載される機能素子の耐久性及び信頼性が高い有機EL装置等の実装体を提供する。
【解決手段】弾性変形可能な条状の芯材と、芯材の少なくとも一部を覆う金属層とを有する条部材を用いて、接着剤と共に封止材を構成し、これにより基板間を接合して、有機EL素子等の機能素子が基板間に封止された実装体を得る。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、LCD素子、有機EL素子、無機EL素子等のディスプレイ表示素子や太陽電池素子等の各種機能素子を実装した基板の封止に使用する条部材及びこれを用いた防湿性の封止材、封止用基板、封止構成体、これらを用いて封止した封止体、実装体、並びにこれらの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、無機ELディスプレイ等の発光装置の表示素子や色素増感型の太陽電池素子などの機能素子は、一般的に化学的に不安定であるために、空気中の水分や酸素との反応によって腐食や酸化を生じ、これが上記のような機能素子の経時的な特性劣化の原因となることが知られている。例えば有機EL素子の場合には、有機EL素子が酸素や水分に触れると、酸素や水分による素子構成材料の酸化が促進されて素子が劣化し、ダークスポットと呼ばれる無発光部分が発生する。従って、これらの素子の長寿命化を図る上からは、素子に酸素や水分が出来るだけ侵入しないように当該素子を封止することが望まれる。
【0003】
従来、この封止機能を有するものとして種々のものが提案されており、その一つに、ペースト状のシール材がある。しかし、ペースト状のシール材を使うと、シール材を基板上に均一に塗布することが難しく、シール材表面に凹凸が出来てしまうので、シール材の凹凸を通して素子が外気に触れてしまうおそれがあった。従って、発光装置においては、電極材料の酸化、水分による腐食を防ぐために、乾燥剤をシール材と併用してきた。
【0004】
この場合、シール材は、ボトムエミッション方式で用いられ、酸化バリウムや酸化カルシウムなどの白色粉末の固体であり光を遮る乾燥剤は、対向基板の素子に面する側に固定テープで保持することにより配置する。
【0005】
【特許文献1】
特表平11−510647号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、近年では、発光強度・輝度の向上を目的に、これまでのボトムエミッション方式からトップエミッション方式に変更されつつある。このトップエミッション方式は、対向基板側から光を取り出す構造であるため、従来使用してきた乾燥剤をこれまで通りに使用することが出来ない。かと言って、ペースト状のシール剤のみを用いると、シール材の凹凸から外気の進入を許してしまう。
【0007】
他方、別の封止機能を有する接合材として、はんだ等の低融点金属が利用されている(例えば、特許文献1参照)。この場合は、接着当初は基板及び対向基板に充分密着し、接着性が良いが、その接合は応力に弱いため、経時的に見ると、外部から熱・圧力が加わったときに特に接着がもろくなり、素子が外気に触れて酸化、腐食を招いてしまうという問題点があった。又、対向基板の材料としてガラス基板を用いた場合においては、はんだとガラス基板との良好的な密着性は本来的に期待し難い。
【0008】
このため、酸素及び水分の遮断性が高く、接合の耐久性を備えた、従来の封止材に代わるものが必要とされている。又、過熱による機能素子の破損が引き起こされないように比較的低温で基板及び対向基板(機能素子基板と機能素子保護基板)を接合できる封止材が求められている。
【0009】
本発明は、上記した従来の問題を解決するために為されたもので、本発明の目的は、従来のシール材と乾燥剤の併合使用に代わって基板と対向基板との封止に使用でき、接着機能及び防湿機能を有し遮蔽性が改善された封止接合を実現可能な封止用の条部材、防湿性の封止材、シート状封止材、これらを用いた封止用基板、封止構成体、封止体、実装体、及びこれらの製造方法を提供することにある。
【0010】
本発明の他の目的は、接着機能と防湿機能とを一体的に有する封止材を用いて、機能素子が外気から遮断された信頼性及び耐性が高い長寿命の機能素子実装体を提供することにある。
【0011】
又、基板と対向基板とを比較的低温で強固に接合でき、酸素及び水分の遮断性に優れ、且つ、耐久性に優れた接合を形成可能な封止材及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0012】
又、使用時の作業性に優れ封止作業を簡便に行うことができる防湿性の封止材及びその製造方法を提供することを他の目的とする。
【0013】
更に、長期安定性のある実装体及びその製造方法を提供することを他の目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の一態様によれば、条部材は、弾性変形可能な条状の芯材と、該芯材の少なくとも一部を覆う金属層とを有する。
【0015】
本発明の他の態様によれば、樹脂接着剤による接合の遮蔽性を高めるための封止用条部材は、条状の金属材と、前記金属材に組み込まれる弾性変形可能な条状の芯材とを有する。
【0016】
又、本発明の一態様によれば、条部材の製造方法は、弾性変形可能な条状の芯材を用意する工程と、該芯材の少なくとも一部を覆う金属層を設ける工程とを有する。
【0017】
又、本発明の一態様によれば、封止材は、弾性変形可能な条状の芯材と、該芯材の少なくとも一部を覆う金属層とを有する条部材;及び、前記条部材に添設される接着剤層を有する。
【0018】
本発明の他の態様によれば、封止材は、弾性変形可能な条状の芯材と該芯材の少なくとも一部を覆う金属層とを各々が有し並列する複数の条部材;及び、前記複数の条部材を接続する樹脂層を有する。
【0019】
又、本発明の一態様によれば、封止材の製造方法は、弾性変形可能な条状の芯材を用意する工程と、該芯材の少なくとも一部を覆う金属層が形成された条部材を作成する工程と、前記条部材の周囲の少なくとも一部を覆う接着剤層を形成する工程とを有する。
【0020】
又、本発明の一態様によれば、シート状封止材は、離型性面を有する基材;弾性変形可能な条状の芯材と該芯材の少なくとも一部を覆う金属層とを有する条部材;及び、該条部材と共に前記基材の該離型性面上に支持される接着剤を有する。
【0021】
本発明の他の態様によれば、シート状封止材は、離型性面を有する基材;弾性を有する条状の芯材と該芯材の少なくとも一部を覆う金属層とを各々が有し並列する複数の条部材;及び、該複数の条部材と共に前記基材の該離型性面上に支持される接着剤を有する。
【0022】
又、本発明の一態様によれば、シート状封止材の製造方法は、弾性変形可能な条状の芯材の少なくとも一部を金属層が覆う条部材を用意する工程と、離型性面を有する基材を用意する工程と、前記基材の該離型性面に樹脂接着剤を配置する工程と、前記基材の該離型性面に前記条部材を配置する工程とを有する。
【0023】
又、本発明の一態様によれば、封止用基板は、離型性面を有する基材;弾性変形可能な条状の芯材と該芯材の少なくとも一部を覆う金属層とを有する条部材;及び、該条部材と共に前記基材の該離型性面上に支持される樹脂接着剤:を有するシート状封止材と、前記シート状封止材の該樹脂接着剤が貼着された基板とを有する。
【0024】
本発明の他の態様によれば、封止用基板は、基板;該基板上に配置され、弾性変形可能な条状の芯材と該芯材の少なくとも一部を覆う金属層とを有する条部材;該条部材と共に該基板上に配置される樹脂接着剤;及び、離型性面を有し、該離型性面で該樹脂接着剤を覆う基材を有する。
【0025】
又、本発明の一態様によれば、封止構成体は、基板上に配置され、弾性変形可能な条状の芯材と該芯材の少なくとも一部を覆う金属層とを有する条部材;及び該条部材と共に前記基板上に配置される接着剤を有する、前記基板を他の基板と封止接合するための封止構成体である。
【0026】
又、本発明の一態様によれば、封止構成体の製造方法は、弾性変形可能な条状の芯材と該芯材の少なくとも一部を覆う金属層とを有する条部材を用意する工程と、該条部材及び接着剤を基板上に配置する工程とを有する、前記基板を他の基板と封止接合するための封止構成体の製造方法である。
【0027】
本発明の他の態様によれば、封止構成体の製造方法は、弾性変形可能な条状の芯材と該芯材の少なくとも一部を被覆する金属層とを各々が有する複数の条部材を用意する工程と、基板上に該複数の条部材及び接着剤を配置して、該接着剤を並列する該複数の条部材の間に位置させる工程とを有する、前記基板を他の基板と封止接合するための封止構成体の製造方法である。
【0028】
本発明の他の態様によれば、封止構成体は、基板と対向基板とを封止接合するために該基板上に設けられる封止構成体であって、条状の防湿層と、該基板を該対向基板と接合するための接着層と、該基板が該対向基板と接合した時に弾性変形により該防湿層を該基板及び該対向基板に圧接可能な弾性層とを有する。
【0029】
本発明の他の態様によれば、封止構成体の製造方法は、条状の防湿層と、該防湿層と並列し、基板を対向基板と接合した時に弾性変形により該防湿層を該基板及び該対向基板に圧接可能な弾性層とを該基板上に設ける工程と、該基板を該対向基板と接合するための接着層を該基板上に設ける工程とを有する、該基板を対向基板と封止接合するための封止構成体の製造方法である。
【0030】
又、本発明の一態様によれば、封止体は、基板及び該基板に対向する対向基板;前記基板と前記対向基板とを接合する接着剤;及び、弾性変形した条状の芯材と、該芯材の少なくとも一部を覆い、弾性変形した該芯材によって前記基板及び前記対向基板の双方に圧接される金属層とを有する、前記基板と前記対向基板との間の空間を遮蔽する条部材を有する。
【0031】
本発明の他の態様によれば、封止体は、基板及び該基板に対向する対向基板;前記基板と前記対向基板とを接合する接着剤;前記基板と前記対向基板との間の空間を遮蔽する条状の金属層;及び、前記基板と前記対向基板との間で弾性変形して前記金属層を前記基板及び前記対向基板の双方に圧接する条状の芯材を有する。
【0032】
本発明の他の態様によれば、封止体は、基板及び該基板に対向する対向基板;前記基板と前記対向基板とを接合する接着層;前記基板と前記対向基板との間の空間を遮蔽する条状の防湿層;及び、前記基板と前記対向基板との間で弾性変形して前記防湿層を前記基板及び前記対向基板の双方に圧接する弾性層を有する。
【0033】
又、本発明の一態様によれば、実装体は、基板及び該基板に対向する対向基板;前記基板と前記対向基板とを接合する接着剤;弾性変形した条状の芯材と、該芯材の少なくとも一部を覆い、弾性変形した該芯材によって前記基板及び前記対向基板の双方に圧接される金属層とを有する、前記基板と前記対向基板との間の空間を遮蔽する条部材;及び、前記基板と前記対向基板との間の該空間に設けられる機能素子を有する。
【0034】
本発明の他の態様によれば、実装体は、基板及び該基板に対向する対向基板;前記基板と前記対向基板とを接合する接着剤;前記基板と前記対向基板との間の空間を遮蔽する条状の金属層;前記基板と前記対向基板との間で弾性変形して前記金属層を前記基板及び前記対向基板の双方に圧接する条状の芯材;及び、前記基板と前記対向基板との間の該空間に設けられる機能素子を有する。
【0035】
本発明の他の態様によれば、実装体は、基板及び該基板に対向する対向基板;前記基板と前記対向基板とを接合する接着層;前記基板と前記対向基板との間の空間を遮蔽する条状の防湿層;前記基板と前記対向基板との間で弾性変形して前記防湿層を前記基板及び前記対向基板の双方に圧接する弾性層;及び、前記基板と前記対向基板との間の該空間に設けられる機能素子を有する。
【0036】
又、本発明の一態様によれば、実装体の製造方法は、機能素子が設けられた基板を用意する工程と、弾性変形可能な条状の芯材及び該芯材の少なくとも一部を覆う金属層を有する条部材を、前記機能素子を取り囲むように前記基板上に配置する工程と、前記条部材と並列するように接着剤を前記基板上に配置する工程と、前記条部材に対向基板を圧接しながら、前記接着剤によって前記基板と前記対向基板とを接合する工程とを有する。
【0037】
本発明の他の態様によれば、実装体の製造方法は、機能素子が設けられた基板を用意する工程と、弾性変形可能な条状の芯材及び該芯材の少なくとも一部を覆う金属層を有する条部材を、前記基板と対向基板とを対面させた時に前記機能素子を取り囲むように前記対向基板上に配置する工程と、前記条部材と並列するように接着剤を前記対向基板上に配置する工程と、前記条部材に前記基板を圧接しながら、前記接着剤によって前記基板と前記対向基板とを接合する工程とを有する。
【0038】
本発明の他の態様によれば、実装体の製造方法は、機能素子が設けられた基板を用意する工程と、弾性変形可能な条状の芯材及び該芯材の少なくとも一部を覆う金属層を有する条部材と、該条部材と並列する接着剤とが、前記基板と対向基板とを対面させた時に前記機能素子を取り囲むように設けられた前記対向基板を用意する工程と、前記基板に前記条部材を圧接しながら、前記接着剤によって前記基板と前記対向基板とを接合する工程とを有する。
【0039】
本発明の他の態様によれば、実装体の製造方法は、機能素子が設けられた基板を用意する工程と、条状の防湿層と、該防湿層に並列し、前記基板と対向基板とを接合した時に弾性変形により該防湿層を該基板及び該対向基板に圧接可能な弾性層とを、前記機能素子を取り囲むように該基板上に設ける工程と、前記防湿層と並列する接着層を前記基板上に設ける工程と、前記弾性層に対向基板を圧接しながら、前記接着剤によって前記基板と前記対向基板とを接合する工程とを有する。
【0040】
本発明の他の態様によれば、実装体の製造方法は、機能素子が設けられた基板を用意する工程と、条状の防湿層と、該防湿層に並列し、前記基板と対向基板とを接合した時に弾性変形により該防湿層を該基板及び該対向基板に圧接可能な弾性層と、前記防湿層と並列する接着層とが、前記基板と対向基板とを対面させた時に前記機能素子を取り囲むように設けられた該対向基板を用意する工程と、前記弾性層に該基板を圧接しながら、前記接着層によって前記基板と前記対向基板とを接合する工程とを有する。
【0041】
本発明の他の態様によれば、実装体の製造方法は、機能素子が設けられた基板を用意する工程と、条状の金属層と、該金属に並列し、前記基板と対向基板とを接合した時に弾性変形により該金属層を該基板及び該対向基板に圧接可能な条状の弾性芯材と、前記金属層と並列する接着剤とが、前記基板と対向基板とを対面させた時に前記機能素子を取り囲むように設けられた該対向基板を用意する工程と、前記弾性芯材に該基板を圧接しながら、前記接着剤によって前記基板と前記対向基板とを接合する工程とを有する。
【0042】
本発明の他の態様によれば、実装体の製造方法は、機能素子が設けられた基板を用意する工程と、弾性変形可能な条状の芯材及び該芯材の少なくとも一部を覆う金属層を各々が有する複数の条部材が接着層を介して並列に配置される封止構成体を、前記機能素子を取り囲むように前記基板上に配置する工程と、前記条部材に対向基板を圧接しながら、前記接着層によって前記基板と前記対向基板とを接合する工程とを有する。
【0043】
本発明の他の態様によれば、実装体の製造方法は、機能素子が設けられた基板を用意する工程と、弾性を有する条状の芯材が金属層で被覆された条部材と、離型性面を有する基材と、該離型性面上に前記条部材と共に支持される接着剤とを有するシート状シール材で前記機能素子を取り囲むように、該シート状シール材の該接着剤を前記基板に貼付する工程と、前記基材を該接着剤から剥離する工程と、前記基板上の前記条部材に対向基板を押圧しながら前記接着剤で該基板と該対向基板とを接合する工程とを有することを特徴とする実装体の製造方法。
【0044】
本発明の他の態様によれば、実装体は、基板及び該基板に対向する対向基板;
前記基板と前記対向基板とを接合する接着層;前記基板及び前記対向基板の双方に圧接され前記基板と前記対向基板との間の空間を遮蔽する条状の防湿層;及び、前記基板と前記対向基板との間の該空間に設けられる機能素子を有する。
【0045】
本発明の他の態様によれば、実装体は、基板及び該基板に対向して接合される対向基板;前記基板と前記対向基板との間の空間を遮蔽する条状の金属層;前記基板と前記対向基板との間で弾性変形して前記防湿層を前記基板及び前記対向基板の双方に圧接する条状の芯材;及び、前記基板と前記対向基板との間の該空間に設けられる機能素子を有する。
【0046】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。以下の図面の記載において、同じ器材、部材を有する要素は同じ参照符号で表す。各図は理解を容易にするため特徴部分を表したイラストであり、実寸図ではない。
【0047】
液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等の表示素子を基板間に配置して封止する場合、表示素子を湿分から保護するための防湿性が封止材に求められるが、それだけではなく、温度変化に伴って生じる応力歪に接合が耐え得るような耐応力性も必要である。一般に、封止材として用いられるものには、樹脂接着剤やはんだに代表される金属接合材があるが、樹脂接着剤は、外部応力に対して比較的適応性があり、応力歪が生じても接合剥離が生じにくい反面、湿分が透過し易い。他方、金属接合材は、湿分の遮蔽能が高いが、外部応力に対する適応性が低く、温度変化を伴う部材の接合では剥離や材料破壊を生じ易い。従って、いずれの場合も、単独では表示素子の封止には不十分である。
【0048】
そこで、基板と対向基板とを接合する封止材として、透湿防止用の金属部材と樹脂接着剤とを併用することが考えられるが、単に樹脂接着剤と金属材とを併用しただけでは、実際には双方の利点を活かすことは難しい。その理由は、樹脂接合した基板及び対向基板と金属部材との間に隙間が生じ易く、僅かな隙間により防湿性が損なわれることにある。
【0049】
従って、本発明では、基板の封止において、条状(細長く連続した状態を意味し、形状は限定されず、例えば中空であってもよい)の金属部材と樹脂接着剤とを併用した封止材を用い、樹脂接着剤が硬化した接合状態において透湿防止層を構成する金属部材の遮蔽性を高めるために、基板及び対向基板と金属部材との間に押圧力が作用するようにしてこれらを密接させ基板間の閉塞性を高める。接合状態での金属部材と基板とを密接させる押圧力は、接着剤の硬化に伴う収縮力を利用することができ、これは、金属部材と基板とが当接する状態で樹脂接着剤を硬化させれば得られる。このような接合状態では、樹脂接着剤の収縮力によって金属部材が基板と密着する。但し、基板及び金属部材の表面の僅かな凹凸によって生じる隙間を防ぐには、さらに大きい押圧力が必要である。このためには、樹脂接着剤の硬化時に金属部材を基板に押圧して圧接状態にし、基板と金属部材とを密着させて隙間を閉塞しながら樹脂接着剤を硬化させることが有効である。この接合状態では、押圧により弾性変形した金属部材のスプリングバックが金属部材と基板との密着に寄与する。
【0050】
この際、金属部材の弾性限度あるいは融点が低いと、接合時の押圧力による塑性変形あるいは樹脂接着剤を軟化・硬化させるための加熱による軟化流動・溶融が生じる。これらは、隙間の閉塞にとっては有効に作用するが、作業状況によってはかえって材料流れによって遮蔽性を損なったり基板の位置ずれによる不良品を生じる場合もあり、スプリング効果が得られない。このような場合、弾性限度あるいは融点が高い芯材を金属部材に組み込んで用いると、芯材によって構成される弾性層がスペーサとして働いて対向基板を支持して位置ずれなどを防止し、金属の流動による隙間の閉塞によって透湿防止層の遮蔽性が更に高まる。しかも、弾性層と基板及び対抗基板との間に透湿防止層が介在すると、芯材の弾性によるスプリング作用が介在する透湿防止層に働いて基板及び対向基板に密着させる。この時、金属部材が溶融して基板に接着すると、樹脂接着剤による接合を補助する効果があるが、金属部材と基板との接着は必須ではない。
【0051】
上述した接着層、透湿防止層及び弾性層を有し透湿防止層の遮蔽性が高い封止構造は、弾性層を形成する芯材、透湿防止層を形成する金属材及び接着層を形成する樹脂接着剤からなる封止材によって得られ、封止材の態様には、1)樹脂接着剤、条状の金属材及び条状の芯材は各々別体であり使用時に組み合わせる、2)条状の金属材及び条状の芯材が一体化した条部材と樹脂接着剤とを使用時に組み合わせる、3)条状の金属材、条状の芯材及び樹脂接着剤が一体化した封止材を用いる、に大別される。
【0052】
以下に、封止材及びこれを用いて基板を接合した実装体の実施形態を説明する。
【0053】
[第1の実施形態]
(実装体)
図1は、本発明の実装体の一実施形態、特に有機EL素子の実装を表したもので、(a)は基板接合形成前、(b)は基板接合形成後の実装体、(c)は実装体の基板に平行な断面図を示す。この実装体は、基板5と、この基板5に対向する対向基板6と、上記基板5と上記対向基板6との間に介装された有機EL素子12と、有機EL素子12を囲繞するように基板5の周縁部に配置される4つの条状の封止材4a〜dからなる封止構成体とから構成される。
【0054】
この実施形態において封止構成体に使用される封止材4a〜dの各々は、2つの部材の組み合せ、即ち、芯材1及びこの芯材1の外周を被覆する金属層2からなる条部材13と、この条部材の内側及び外側に並列配置される条状の接着層3との組み合せであり、基板上の封止位置に適切に配置して封止構成体とする。金属層2は低融点金属で形成され、芯材1は、金属層2より弾性限度が高い弾性変形可能な素材で構成される。接着層3は、基板5と対向基板6とを接着する機能を有し、図1(a),(b)に示すように、対向基板6を条部材に抗して基板5の方へ押圧しながら接着層3により基板5と対向基板6とを接着すると、金属層2が外気を遮断し、基板5と対向基板6との間に介装された有機EL素子12を酸化・腐食から守る封止機能が発揮される。
【0055】
(封止材)
上記実装体の製造に用いる封止材4a〜4dの条部材13は、芯材1と金属層2とからなり、使用可能な条部材の例として、具体的には、図2〜4に示すような芯材1が異なるものが挙げられる。
【0056】
芯材1は、押圧力に対して物理的に弾性変形可能な芯材となるものであれば良く、具体的には、プラスチックワイヤ1a、金属ワイヤ1b又は金属管ワイヤ1cによって形成可能であり、これらの芯材1a〜1cを用いた条部材の例を図2〜4に示す。芯材1の線径は、基板を接合した状態で基板5及と対抗基板6との間隔が有機EL素子12の高さより大きくなるように、芯材1の弾性圧縮及び金属層2の変形を考慮して適宜決定する。尚、これらの図では芯材1を断面形状が円形のものとして記載するが、芯材及び条部材は必ずしも断面円形状である必要はなく、図5(b)に示すように芯材の断面が三角形の条部材であっても良く、又、図5(c)、(d)に示すように芯材1の断面が多角形状の条部材であっても良い。但し、条部材が基板及び対向基板と接触する部分において条部材の表面が連続的な曲面で基板及び対向基板と線接触すると、押圧による条部材と基板及び対向基板との密着性つまり遮蔽性が得易く、この点では、芯材及び条部材の断面形状が円形、楕円形あるいは部分的に円弧を有する形状のものが有利である。封止材の製造容易性及び封止作業での取り扱い易さを考慮すれば、断面が円形のものが好ましい。以下の説明では、断面が円形のものを説明するが、他の形状の場合は「線径」を「線幅(太さ)」と解すればよい。
【0057】
芯材1がプラスチックワイヤ1aの場合、押圧力に対して弾性変形可能なプラスチック製のワイヤであればよく、実用的には0.01GPa以上の圧力で弾性変形するものであれば特に制約はない。具体的には、圧縮弾性率が室温で、0.3GPa以上20GPa以下のものが好ましい。圧縮弾性率が0.3GPaより小さいと加圧時の変形量が大き過ぎて加湿時の防湿性が不十分になる。又、圧縮弾性率が20GPaより大きいと、加圧時の変形量が小さいため接合後に低融点金属層を基板及び対向基板に押圧する応力が小さく、防湿性が低下する。より好ましくは、圧縮弾性率が0.5GPa以上10GPa以下とし、1.0GPa以上7.0GPa以下が最も好ましい。基板の接合のために加熱を必要とする樹脂接着剤を接着層3として用いる場合、加熱状態で弾性変形可能である必要があるので、このような場合の芯材1には、温度が50℃以上における圧縮弾性率が上記範囲のものを用いるのが好ましい。
【0058】
又、プラスチックワイヤ1aの線径は、実装体内に封止される機能素子によって異なり、図1のような場合、0.05mm以上20mm以下のものが好ましい。線径が0.05mmより小さいと、金属層2及び基板に与える弾性圧及び押圧面積が小さくなり、遮蔽性が低下する。又、線径が20mmより大きいと、条部材の寸法が大きくなり過ぎて、接着層3との寸法差の過剰により接着不良が生じ易く防湿性が低下する。より好ましくは、プラスチックワイヤ1aの線径は0.1mm以上10mm以下とし、0.3mm以上5mm以下が最も好ましい。プラスチックワイヤ1aの素材の具体例としては、例えば、ポリエチレン、6−ナイロン、ポリビニルアルコール、アラミド繊維、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリプロピレン、PAN、ポリ塩化ビニル、ポリフェニレンサルファイドなどがあげられる。あるいは、これらの材料を複数含む複合物等を用いることもできる。
【0059】
芯材1が金属ワイヤ1bの場合、金属層2より弾性限度が高いものであればよく、圧縮弾性率が10GPa以上300GPa以下のものが好適である。50GPa以上200GPa以下のものが好ましい。圧縮弾性率が300GPaを超えると、芯材が変形しにくくなり、空隙が発生して防湿信頼性が低下する。圧縮弾性率が10GPaより小さいと、芯材の変形量が過剰になり弾性体としての効果が十分に発現しないため、防湿信頼性が低下する。金属の弾性限度は素材及び熱処理によってことなるので、熱処理履歴を考慮して適宜選択することができる。金属ワイヤ1bの線径は、0.05mm以上20mm以下のものが使用可能である。線径が0.05mmより小さいと、金属層2及び基板に与える弾性圧及び押圧面積が小さくなり、遮蔽性が低下する。又、線径が20mmより大きいと、条部材の寸法が大きくなり過ぎて、接着層3との寸法差の過剰により接着不良が生じ易く防湿性が低下する。好ましくは、金属ワイヤ1bの線径は0.1mm以上10mm以下とし、0.3mm以上5mm以下が最も好ましい。金属ワイヤ1bの素材の具体例としては、例えば、銅、ステンレス、鉄、アルミ、ニッケルなどがあげられる。又、コバルト合金、鉄合金、ニッケル合金等の合金材を用いてもよく、更に、このような金属材を繊維材と複合化した繊維複合材料でもよい。複合化する繊維としては、スチール繊維、アルミ合金繊維、チタン合金繊維等の金属繊維の他に、ボロン繊維、アルミナ繊維、SiC繊維、ガラス繊維、炭素繊維、ケブラー繊維、PBT繊維等の非金属繊維が挙げられる。
【0060】
芯材1として管状ワイヤを用いる場合の利点は、管状ワイヤの肉厚の調整によってワイヤに適度の弾性をもたせることができることであり、素材自体の硬度や弾性等の物性による制約が軽減できる。また、例えば、複数の条部材が交差するために圧縮する必要がある場合のように、部分的に条部材の塑性変形が必要な場合にも、管状の芯材1は有利である。
【0061】
芯材1が金属管ワイヤ1cである場合、線径が0.05mm以上20mm以下で管の肉厚が10μm以上1mm以下のものが使用可能である。線径が0.05mmより小さいと、金属層2及び基板に与える弾性圧及び押圧面積が小さくなり、遮蔽性が低下する。又、線径が20mmより大きいと、条部材の寸法が大きくなり過ぎて、接着層3との寸法差が過剰になり接着不良により防湿性が低下する。一方、管の肉厚が10μmより小さいと、加圧時に容易に塑性変形しスプリングバックによる防湿性の向上が得られ難い。又、管の肉厚が1mmより大きいと、管状ワイヤを用いる利点が得られず、加圧時に弾性変形し難いため、やはり防湿性が向上しない。より好ましくは、金属管ワイヤ1cの肉厚は20μm以上0.5mm以下とし、30μm以上0.3mm以下が最も好ましい。金属管ワイヤ1cの材質としては、例えば、銅、ステンレス、鉄、アルミ、ニッケルなどがあげられる。又、コバルト合金,鉄合金,ニッケル合金等の合金材を用いてもよく、更に、このような金属材を繊維材と複合化した繊維複合材料でもよい。複合化する繊維としては、スチール繊維、アルミ合金繊維、チタン合金繊維等の金属繊維の他に、ボロン繊維、アルミナ繊維、SiC繊維、ガラス繊維、炭素繊維、ケブラー繊維、PBT繊維等の非金属繊維が挙げられる。
【0062】
尚、プラスチック管ワイヤを芯材1として使用することも可能であり、前述した管状ワイヤの利点が得られる。
【0063】
金属層2は、基板5及び対向基板6に密着接続して水分を遮蔽するためのもので、この意味では、湿分透過を抑制できる厚さがある限りあらゆる金属がその素材として適用可能である。この実施形態においては、融点が80〜250℃の範囲内の低融点金属を用いており、低温加熱による溶融によって基板5及び対向基板6との僅かな隙間を埋めて遮蔽性を高める効果を有する。更に、金属層2が基板に接着すると、接着層3による接合を補佐する。この金属の融点が50℃よりも低いと、高温時に実装体の防湿信頼性が低下するため好ましくない。融点が250℃以上であると、基板との僅かな隙間を埋めるために流動化させる場合に、素子に悪影響が生じるような高温となる。このような点において、より好ましくは、融点を100℃以上220℃以下とし、120℃以上200℃以下が最も好ましい。金属層2の厚みは1μm〜5mmの範囲で使用できる。この値が1μmより小さくても5mmより大きくても実装体防湿信頼性が低下する。より好ましくは、金属層2の厚みは3μm以上1mm以下とし、5μm以上0.5mm以下が最も好ましい。金属層2に用いる低融点金属としては、各種の共晶合金あるいは非共晶低融点合金あるいは単独金属が使用できる。融点が250℃以上の高融点金属であっても、Sb(630℃)、Bi(271℃)、Pb(327℃)、Zn(420℃)等の金属では、その合金や酸化物は単体のときより融点が低下する。例えば、Pb88.9%/Sn11.1%(融点250℃)や、以下同様な表現で示すと、Pb82.6/Cd17.4(248℃)Pb85/Au15(215℃)、Tl93.7/Na6.3(238℃)、Tl92/As8(220℃)、Tl99.4/L:0.6(211℃)、Tl82.9/Cd17.1(203℃)、Tl97/Mg3(203℃)、Tl80/Sb20(195℃)、Tl52.5/Bi47.5(188℃)、Tl96.5/K3.5(173℃)、Tl73/Au27(131℃)、Bi97/Na3(218℃)、Bi76.5/23.5Tl(198℃)、Bi60/Cd40(144℃)、Bi57/Sn43(139℃)、Bi56.5/Pb43.5(125℃)、Sn(232℃)、Sn67.7/Cd32.3(177℃)、Sn56.5/Tl43.5(170℃)、In97.2/Zn2.8(144℃)、In74/Cd26(123℃)、Bi57/Pb11/Sn42(135℃)、Bi56/Sn40/Zn4(130℃)、Bi53.9/Sn25.9/Cd20.2(103℃)、Sn48/In52(117℃)In(157℃)、Ag5/Pb15/In80(149℃)、Pb38/Sn62(183℃)、Pb47/Sn50/Sb3(186℃)、Pb50/In50(180℃)、Pb50/Sn50(183℃)、Pb10/Sn90(183℃) Au3.5/Pb96.5(221℃)、Pb5/Sn95(183℃)、Ag10/In90(204℃)、Pb60/Sn40(183℃)、Sn95/Sb5(232℃)、Bi67/In33(109℃)、Sn35/In45/BiO(98℃)等が低融点金属の例として挙げられる。このような金属層2は、芯材1となるプラスチックワイヤ1a、金属ワイヤ1b又は金属管ワイヤ1cの外側の一部又は全面に形成され、図2(b)に示す低融点金属被覆プラスチックワイヤ、図3(b)に示す低融点金属被覆金属ワイヤ、図4(b)に示す低融点金属被覆金属管ワイヤとなる。接合状態においては、基板5及び対向基板6に密接する条状の金属層となる。金属層2による芯材1の被覆率が大きいほど防湿性が向上し、被覆率(経方向断面における外周について計算される)が50%以上になるように被覆するのが適しており、より好ましくは90%以上、最も好ましくは99%以上とする。
【0064】
芯材1が金属製のワイヤである場合に、金属層2を省略して金属製芯材1のみを条部材として用いることも可能であるが、より防湿性の高い接合を形成するには芯材1及び金属層2の役割に各々適したものを適用するのが好ましい。
【0065】
接着層3は、基板と対向基板とを接合するための接着剤として作用する樹脂組成物からなる。この樹脂組成物として、接合形成に加熱を要する樹脂(熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂)を用いる場合、熱による素子の劣化を避けるために、200℃以上に素子が加熱されることを伴わない樹脂である必要がある。つまり、軟化温度及び硬化(架橋)温度が200℃以下である必要がある。加えて、軟化温度が30℃以下では通常の雰囲気で粘着性が発現して取り扱いが困難となるため、樹脂組成物の軟化温度は30℃以上200℃以下、好ましくは50℃以上180℃以下、より好ましくは70℃以上150℃以下となる。通常、熱可塑性樹脂を主成分とした樹脂組成物は、高温時の接着性が低下するため、温度変化を伴う基板実装体にとっては好ましくない。これを考慮すると、樹脂組成物としては熱硬化性樹脂又は放射線硬化樹脂を使用することが好ましい。但し、熱可塑性樹脂であっても他の樹脂や架橋成分との複合化により上記の条件に適合する組成物を構成可能である。
【0066】
熱硬化性樹脂を使用する場合、硬化温度が50℃以上200℃以下、好ましくは180℃以下、より好ましくは70℃以上150℃以下とする。硬化温度が50℃より低いと保存安定性が劣る。又、硬化温度が低い組成物では耐熱性も低下する傾向にあるため、高温時の接着性が不足する。一方、硬化温度が200℃より高くなると、硬化時の加熱により表示素子の熱劣化を招く。樹脂の硬化は、硬化温度より低い温度においても進行し、加熱温度と樹脂の硬化温度との差が大きいほど硬化速度は遅くなる。接着層3の硬化に必要な温度が高い場合は、表示素子の加熱を避け得るような局所加熱方式を採ることが望ましい。
【0067】
又、樹脂組成物は、基板5及び対向基板6を接着する際、加圧及び/又は加熱により速やかに流動して、基板及び対抗基板に密着する必要があり、金属層及び芯材(芯材が金属層に完全に被覆されていない場合)にも接着するのが望ましい。そのため、樹脂の流動性を示すMI(メルトインデックス:Melt Index)が0.2〜200の範囲にあるものが好ましい。MIが0.2より小さいと流動性が不十分なため、防湿性が低下する。又、MIが200より大きくなると、流動性が高過ぎるため、条部材への密着が困難になる。MIは1.0〜150の範囲が更に好ましく、2.0〜100の範囲が最も好ましい。
【0068】
このような接着層3の樹脂組成物が放射線硬化樹脂の場合、α線、β線、γ線、中性子線、X線や加速電子線、紫外線などの放射線により硬化する樹脂を使用することができ、分子内に不飽和2重結合を有するプレポリマーが好適であり、ポリオキシアルキレン型ポリマーに(メタ)アクリル酸とのエステル交換反応や(メタ)アクリルイソシアネートとの反応により得られるポリマー、ポリオキシアルキレングリコール酸とグリシジル(メタ)アクリレートとの反応により得られるポリマー、ポリオキシアルキレングリコールとエピクロルヒドリンとの反応により得られるポリマーが使われる。より詳細には、ポリエチレングリコールやポリプロピレングリコールの(メタ)アクリル酸付加物、ポリエチレングリコールやポリプロピレングリコールの(メタ)アクリルイソシアネート付加物、ポリエチレングリコール酸やポリプロピレングリコール酸のグリシジル(メタ)アクリレート付加物、ポリエチレングリコールモノグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸付加物があげられる。分子内に導入する基としてはアクリロイル基とメタクリロイル基の反応性が良く、良好な結果が得られる。
【0069】
又、接着層3の樹脂組成物が熱硬化性樹脂である場合の具体例としては、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂などが適用可能である。エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂やビスフェノールF型エポキシ樹脂、テトラヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、レゾルシン型エポキシ樹脂、ポリアルコール・ポリグリコール型エポキシ樹脂、ポリオレフィン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂やハロゲン化ビスフェノール型エポキシ樹脂等を使用することが出来る。又、エポキシ樹脂以外では天然ゴム、ポリイソプレン、ポリ−1,2−ブタジェン、ポリイソブテン、ポリブテン、ポリ−2−ヘプチル−1,3−ブタジェン、ポリ−2−t−ブチル−1,3−ブタジェン、ポリ−1,3−ブタジェンなどの(ジ)エン類、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリビニルエチルエーテル、ポリビニルヘキシルエーテル、ポリビニルブチルエーテルなどのポリエーテル類、ポリビニルアセテート 、ポリビニルプロピオネートなどのポリエステル類、ポリウレタン、エチルセルロース、ポリ塩化ビニル、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリロニトリル、ポリスルホン、ポリスルフィド、フェノキシ樹脂などをあげることが出来る。その他にもエチレン酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体変性物、ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−アクリル酸塩共重合体、アクリル酸エステル系ゴム、ポリイソブチレン、アタクチックポリプロピレン、ポリビニルブチラール、アクリロニトリル−ブタジェン共重合体、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−イソプレンブロック共重合体、エチレンセルロース、ポリアミド、シリコン系ゴム、ポリクロロプレン等の合成ゴム類、ポリビニルエーテルなどが適用可能であり、単独あるいは2種以上併用して用いられる。アクリル樹脂としては以下に示すものがあげられる。ポリエチルアクリレート、ポリブチルアクリレート、ポリ−2−エチルヘキシルアクリレート、ポリ−t−ブチルアクリレート、ポリ−3−エトキシプロピルアクリレート、ポリオキシカルボニルテトラメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリイソプロピルメタクリレート、ポリドデシルメタクリレート、ポリテトラデシルメタクリレート、ポリ−n−プロピルメタクリレート、ポリ−3,3,5−トリメチルシクロヘキシルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリ−2−ニトロ−2−メチルプロピルメタクリレート、ポリ−1,1−ジエチルプロピルメタクリレート、ポリメチルメタクリレートなどのポリ(メタ)アクリル酸エステル、又はこれらの共重合体を使用することが出来る。又、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ポリエステルアクリレートなども使用できる。特にウレタンアクリレート、エポキシアクリレートは被着体への密着性の点で優れており、エポキシアクリレートとしては、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、アリルアルコールジグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、アジピン酸ジグリシジルエステル、フタル酸ジグリシジルエステル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、ソルビトールテトラグリシジルエーテル等の(メタ)アクリル酸付加物があげられる。エポキシアクリレートなどのように分子内に水酸基を有するポリマーは支持体への密着性向上に有効である。
【0070】
これらのポリマーは、必要に応じて2種以上共重合しても良く、2種類以上をブレンドして使用することも可能である。又、これらは、通常、汎用溶剤に溶解させるか、又は無溶剤のまま金属分散剤などとともに攪拌・混合して使用することが出来る。
【0071】
本発明で使用する樹脂組成物には、必要に応じて、分散剤の他に、チクソトロピー性付与剤、消泡剤、レベリング剤、希釈剤、可塑化剤、酸化防止剤、金属不活性化剤、カップリング剤や充填剤などの添加剤を配合しても良い。又、接着力を向上させるための粘着付与剤としては、ジシクロペンタジェン樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、キシレン樹脂、テルペン−フェノール樹脂、アルキルフェノール樹脂、クマロン−インデン樹脂等があり、これらを必要に応じて、単独あるいは2種以上併用して用いる。粘着性調整剤としては、例えば、ジオクチルフタレートをはじめとする各種可塑剤類等が代表的である。
【0072】
一方、熱硬化性樹脂を利用する場合の適度な架橋性を与える硬化剤としては、トリエチレンテトラミン、キシレンジアミン、ジアミノジフェニルメタンなどのアミン類、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水ドデシルコハク酸、無水ピロメリット酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸などの酸無水物、ジアミノジフェニルスルホン、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、ポリアミド樹脂、ジシアンジアミド、アルキル置換イミダゾールなどを使うことが出来る。これらは単独で用いても良いし、2種以上混合して用いても良い。又、使用しなくても良い。これらの硬化剤(架橋剤)の添加量は上記ポリマー100重量部に対して0.1〜50重量部、好ましくは1〜30重量部の範囲で選択できる。この量が0.1重量部未満であると硬化が不十分となり、50重量部を超えると過剰架橋となり、接着性に悪影響を与える場合がある。尚、本発明にいう「重量部」とは、溶媒や添加剤などの配合剤の重量を、樹脂100部に対する部数として示すときに用いる表記法である。
【0073】
これらの樹脂組成物を成形する際に使用する溶剤としては、アセトン、ジエチルケトン、メチルアミルケトン、シクロヘキ サノン等のケトン系溶剤、トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤、メチルセロソルブ、メチルセロソルブアセタート、エチルセロソルブアセタート等のセロソルブ系溶剤、乳酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソアミル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル等のエステル系溶剤、メタノール、エタノール、プロパノール、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールプロピルエーテル等のアルコール系溶剤などを必要に応じて、単独又は2種類以上組み合わせて用いることが出来る。これらの溶剤は用いても良いし用いなくても良い。
【0074】
基板5又は対向基板6上に接着層3(樹脂組成物の層)を形成する際、上記したような有機溶剤で樹脂組成物の粘度を適宜調節しながら、公知のディスペンサー方式、スクリーン印刷方式のような技術を用いて、所望の厚さの接着層3を形成することが出来る。その厚さ(基板に垂直な高さ方向の寸法)は、好ましくは前記芯材1の直径の20%以上400%以下、より好ましくは前記芯材1の直径の50%以上200%以下、最も好ましくは前記芯材1の直径の70%以上150%以下とする。接着層3の厚さが芯材1に比べて薄過ぎると、基板5及び対向基板6の接着が不足し易く、好ましくない。また、接着層3の厚さが大き過ぎると、金属層2と基板5又は対向基板6との接触界面間に樹脂が侵入し実装体の防湿性が低下してしまうため、好ましくない。
【0075】
(条部材の製造方法)
条部材は、例えば、以下のようにして製造される。まず、図2(a),図3(a)、図4(a)に示すように、変形可能な芯材1となるプラスチックワイヤ1a、金属ワイヤ1b、金属管ワイヤ1cを準備する。そして、図2(b),図3(b),図4(b)に示すように、これら芯材1の外側に金属層2を設ける。芯材1上に金属層2を形成する方法としては、公知のいかなる方法を使っても良いが、めっき法を使うことにより効果的に形成することが出来る。5μm以上の金属層を均一に形成するには電解めっき法が適している。例えば、芯材1がプラスチックワイヤ1aの場合には、このプラスチックワイヤ1aからなる芯材にシーダ処理を施した後、無電解銅や無電解ニッケルめっきを施して導電層を形成し、しかる後に電解めっきによって被覆ができ、金属層2が形成される。又、芯材1が金属ワイヤ1bの場合には、この金属ワイヤ1bに直接、無電解銅や無電解ニッケルめっきを施し、しかる後に電解めっきによって金属層2の被覆を形成出来る。芯材1が金属管ワイヤ1cの場合にも、金属管ワイヤ1cに直接無電解銅や無電解ニッケルめっきを施し、しかる後に電解めっきによって金属層2の被覆が出来る。あるいは、融解した上記の低融点金属を直接プラスチックワイヤ1a・金属ワイヤ1b・金属管ワイヤ1c上に融着する融着法を利用することも可能である。その際、プラスチックワイヤ1a、金属ワイヤ1b又は金属管ワイヤ1cの外面にコロナ処理、プラズマ処理、易接着コート(プライマー)処理などの表面処理を施しておくと金属層2との密着性が向上し、温度変化等に伴う応力歪による金属層2の芯材1からの剥離が抑制される。プラズマ処理及びコロナ放電処理は心材1の表面に水酸基、カルボン酸基等のような化学的に活性な極性基を付与することによって金属層2との密着性が向上する。プライマー処理も、同様の極性基を有するプライマーを塗布することによって金属層2との親和性を高め密着性が向上する。プライマーとして、例えば、接着層4を形成する樹脂組成物又はその類似物を使用可能である。又、金属層2の表面をシランカップリング剤などで処理すると、金属層2と接着層4との親和性が向上するので好ましい。
【0076】
(封止材の応用・変形)
上述した封止材は応用・変形が可能であり、条部材の芯材1と金属層2とを別体として芯材1及び金属条材の組み合せで使用することも可能である。この場合、1つの芯材1に対して1あるいは2以上の金属条材を組み合わせることが可能である。この場合の封止構成体については以下の実装体の製造方法において封止材の使用形態として後述する。
【0077】
スペーサとしての芯材1は、線径が一定である必要はなく、狭窄部を有したり数珠状であってもよいが、金属層を基板に密着させるためには、基板上での高さは一定である必要がある。換言すれば、基板上に配置される芯材1の横方向(基板と平行な方向)については線幅が一定でなくてもよい。
【0078】
(実装体の製造方法)
基板5及び対向基板6は、発光層からの発光に対して高い透過性を与える電気絶縁性物質からなっているもの(以下、「透光性基板」という。)又は電気絶縁性の非透光性基板を用いる。図1(a),(b)及び図7(b),(c),(d),(e)等に示すような対向基板6側を光取り出し面とするトップエミッション方式では、対抗基板6に透光性基板を用い、基板5には透光性基板、非透光性基板のいずれを用いても良い。基板5側から光を取り出すボトムエミッション方式の場合には、基板5には透過性基板を用い、対向基板6には透過性基板、非透過性基板のいずれを用いても良い。透過性基板及び非透過性基板は、これらのいずれを使用する場合でも、封止材を用いて封着する際に表面にかかる圧力や熱に対して耐圧性、耐熱性を有している必要がある。
【0079】
有機EL素子12は、すでに知られている有機EL素子を用いて良く、他の機能素子に代えてもよい。有機EL素子の層構成の具体例としては、例えば、基板5側から順に下記(1)〜(4)のように積層したものがあげられる。
【0080】
(1)下部電極7、発光層9、上部電極(透明電極)11
(2)下部電極7、電子輸送層8、発光層9、上部電極(透明電極)11
(3)下部電極7、発光層9、正孔輸送層10、上部電極(透明電極)11
(4)下部電極7、電子輸送層8、発光層9、正孔輸送層10、上部電極(透明電極)11
尚、上記構成は、図1(a),(b)、図7(b),(c),(d),(e),等に示すように、上部電極11側から光を取り出す場合のトップエミッション方式を示したものであり、基板5側から光を取り出すボトムエミッション方式の場合には、基板5上の積層順を上記の逆となり、その場合は下部電極7に透明電極が用いられる。
【0081】
実装体の製造は、例えば、以下のように実施することができる。
【0082】
(I)まず、図7(a)に示すように、基板5に導体層として機能する下部電極7を設け(図7(a))、その上に、図7(b)に示すように有機EL素子12を配置し、更に、有機EL素子12が配置されていない領域に絶縁膜15を設ける。この絶縁膜15は、窒化ケイ素(SiN)、酸化ケイ素(SiO)またはSiNOなどを蒸着やスパッタなどの方法により形成する。
【0083】
尚、絶縁膜15は、電極の腐食防止のため、及び、導電性である条部材と下部電極のショート防止のためのものであり、図1(a)、(b)に示すように、条部材4の下になる位置で下部電極7の上に設ける。絶縁膜15の厚さは10nm〜10μmの範囲で形成することが可能であるが、100nm〜1μmが最も適している。
【0084】
(II)次に、芯材1(図2(a),図3(a)、図4(a)に示すプラスチックワイヤ1a、金属ワイヤ1b、金属管1c)及び金属層2、又は、芯材1を金属層2で被覆した条部材13と、接着層3とを準備する。
【0085】
(III)例えば図6(b)〜(e)のように封止材4a〜dで有機EL素子12を囲繞するように、芯材1及び金属層2を基板5又は対向基板6上に配置する。芯材1に金属層2を被覆した条部材13を用いる場合は、図7(c)に示すように、絶縁膜15が敷設された基板5上、又は、対向基板6上の対応する位置に条部材13を配置する。芯材1と金属層2とが別体である場合は、 例えば、図8(a)に示すように、絶縁膜15が敷設された基板5上に1対の金属層2が平列するように配置して、有機EL素子12を囲繞する。あるいは、対向基板6上の対応位置に金属層2を配置しても良い。その後、図8(b)に示すように、芯材1を上記金属層2に並列状に配置する。
【0086】
(IV)さらに、図7(d),図8(c)に示すように、芯材1及び金属層2に対して並列状に、樹脂組成物からなる接着層3を設け、封止構成体を作成する。接着層3は、公知のディスペンサー、スクリーン印刷、スプレーにより作成してもよいし、樹脂成形物を配置しても良い。樹脂をスプレー法によって塗布させる場合、スプレーガンと樹脂加圧タンクより構成されるスプレーシステムを使うことが出来る。スプレーガンとしては、重力式や吸上げ式、あるいは圧送式などのものが使え、そのノズル口径は1.0〜8.0mmφが適当である。又、そのときの空気使用量は、樹脂の粘度にもよるが、50〜600l/minで使用可能である。又、空気を使わない、いわゆるエアレス方式では、コールドスプレー、ホットスプレー、2液スプレー、静電エアレススプレー、ハイドロエアスプレーなどを利用することが出来る。
【0087】
封止構成体は、有機EL素子12の封止が十分達成されるように配置されれば、どのように配置されていても良い。例えば、図6(b)、(e)に示すように4本の封止材4a,4b,4c,4dを基板5の4辺に沿ってそれぞれ配置することが出来る。あるいは、図6(c),(d)に示すように、一本の封止材4aを、基板5の各辺に沿って周回配置し、封止材4aの両端を図6(c)に示すように一点でクロスさせたり、図6(d)のように封止材4aの両端の側部を密着させても良い。更に、図示はしていないが、封止材を2重、3重またはそれ以上に囲繞して封止構成体としても良い。
【0088】
封止構成体の配置の応用例を図11に示す。図11(a)及び(b)では、金属層2で被覆される芯材1の片側のみに接着層3を配置する。図11(c),(d)は、芯材1と金属層2とが別体の例を示し、芯材1、低融点金属層2及び接着層3を並列させて配置する。図11(e)では、芯材1を金属層2上に重ねて、その両側(又は片側でもよい)に接着層3を配置する。図11(f)では、複数の芯材1、金属層2及び接着層3を配置した例である。基板及び対抗基板に金属層を密着させる弾性層として芯材1を機能させる観点から、少なくとも1つの芯材1と低融点金属層2とが隣接していることが望ましい。図11(g)の封止構成体では、金属層2で被覆される芯材1の下側に接着層3を配置する。接着層3の樹脂が軟化状態の時に芯材を押圧することにより下部の樹脂は移動するので、このように芯材1の下にあってもよく、接着層3の形成は芯材1を基板上に配置する前後のいずれでもよいので、必要に応じて追加して塗布量を調整することもできる。
【0089】
(V)更に、図7(e)に示すように、対向基板6を配置する。
【0090】
(VI)その後、対抗基板6を基板5に対して押圧する方向(図9に示すD5又はD6)に加圧しながら、接着層3による基板の接合を行う。その際、封止構成体を構成する芯材1及び低融点金属層2は、図9に示すように変形する。接着層3が流動状態から硬化することにより接合が形成され、このために、熱硬化性樹脂の場合や架橋剤による硬化の場合は加熱、放射線硬化樹脂の場合は放射線の照射が適用される。加圧圧力は、10kPa〜50MPaが好適であり、好ましくは100kPa〜20MPa、より好ましくは500kPa〜10MPaとする。
【0091】
接着層の加熱での硬化は、樹脂組成物の硬化温度付近の温度で行い、加熱温度が硬化温度より低いときは加熱時間を長くする。樹脂組成物の加熱硬化に限らず、加熱処理は、表示素子が長時間約150℃以上の高温に晒されないように配慮する。素子が晒される温度は120℃以下が好ましく、より好ましくは100℃以下である。
【0092】
上記の加熱及び加圧の好適範囲は、後続の実施形態においても同様である。
【0093】
放射線硬化方式を使う場合、α線、β線、γ線、中性子線、X線や加速電子線、紫外線などの活性エネルギー線を使うことが出来る。その被照射線量は、電子線の場合、通常、0.1〜100Mradの範囲で使用されるが、1〜20Mradが望ましい。紫外線の場合は0.01〜10J/cmで0.1〜6J/cmが特に好適である。
【0094】
封止構成体を構成する接着層3は、加圧(及び加熱)によって塑性変形し速やかにD7,D8,D9,D10の方向に流動する。金属層2は、絶縁膜15及び対向基板6に当接する。この際、芯材1は弾性変形し、この状態で接着層が硬化すると、芯材1が元の形に戻ろうとするD1及びD2の方向の力が働き、それがスプリング効果を生じ、金属層2を基板及び対抗基板に押圧し密着させる。また、接着層の硬化収縮によってもスプリング効果が生じる。
【0095】
尚、図6(b)、(c)のように封止材4の一部をクロスさせる場合には、図10(a)に示すように、封止材が重なる部分がクロスしていない部分と比べて***することになる。この場合には、クロスしていない部分とクロスしている部分とで封止構成体が同じ高さhになるように、図10(b)に示すようにクロスしている部分に他の部分よりも高い圧力をかける。
【0096】
[第2の実施形態]
以下に、封止材及びこれを用いて基板を接合した実装体の他の実施形態を説明する。この実施形態では、前述の条部材と接着層3とを一体化した封止材を使用して封止構成体を設ける。
【0097】
(実装体)
図12は、芯材1、金属層2及び接着層3が一体化した条部材を封止材4a’〜4d’として用いて基板を接合する有機EL素子実装体を表したもので、(a)は基板接合形成前、(b)は基板接合形成後の実装体、(c)は実装体の基板に平行な断面図を示す。この実装体は、基板5と、この基板5に対向する対向基板6と、上記基板5と上記対向基板6との間に介装された有機EL素子12と、有機EL素子12を囲繞するように基板5の周縁部に配置される4つの封止材からなる封止構成体とから構成される。
【0098】
この実施形態において封止構成体に使用される封止材4a’〜4d’の各々は、芯材1、この芯材1の外周を被覆する金属層2、及び、この金属層2の外周を被覆する接着層3’からなる条部材であり、図12(c)のように有機EL素子12を囲繞するように基板上に適切に配置して封止構成体とする。金属層2は低融点金属で形成され、芯材1は、金属層2より弾性限度が高い弾性変形可能な素材で構成される。接着層3’は、基板5と対向基板6とを接着する機能を有し、図12(a),(b)に示すように、対向基板6を封止材に抗して基板5の方へ押圧しながら接着層3’により基板5と対向基板6とを接合する。この結果、図12(b)に示すように、得られる実装体は、前述の第1の実施形態における図1(b)の実装体と本質的に同じになる。
【0099】
(封止材)
上記実装体の製造に用いる封止材4a’〜4d’は、各々、芯材1と金属層2と接着層3’とからなり、これらが一体化されているので、基板上に配置する作業が容易である。使用可能な封止材の例として、具体的には、図13(a)〜(c)に示すように、芯材1としてプラスチックワイヤ1a、金属ワイヤ1b又は金属管ワイヤ1cを用いたものが挙げられる。
【0100】
封止材の芯材1及び金属層2は、前述の第1の実施形態の場合と同様であるので、説明は省略する。尚、図13では芯材1を断面形状が円形のものとして記載するが、円形に限定されない。芯材及び封止材の断面形状が多角形の例を、図14(b)、(c)、(d)、(f)に示す。
【0101】
封止材の接着層3’は、前述の第1の実施形態の場合と同様の樹脂組成物によって構成することができる。その厚みは1μm以上10mm以下であることが好ましい。1μm未満では厚さの制御が困難な上、接着力の低下が大きい。又、厚みが10mm以上では平滑な接着面が得られないため、やはり充分な接着性が得られない。より好ましくは、接着層の厚みは3μm以上5mm以下、最も好ましくは5μm以上1mm以下とする。
【0102】
但し、樹脂組成物の流動性によっては、次のような構造上の変形が有効となる場合がある。
【0103】
接着層3’は金属層2を覆っているので、基板の接合時に樹脂組成物がうまく流動せずに金属層2と基板5及び対向基板6との間に残ると、基板5と対抗基板6との間が金属層2によって完全に遮蔽されないので、残存樹脂組成物を介して実装体内部に湿分が浸入する。このような場合、接着層3’が基板5及び対向基板6に接着する際に、金属層2が露出して基板5及び対抗基板6に当接可能である必要がある。この問題を回避するのに有効な封止材の例として、基板5及び対抗基板6に面する部分の接着層3’を薄くする、又は、設けないものが挙げられ、図14(e),(f)では、金属層2の頂部及び底部が完全に接着層3’から露出している。このような場合、図14(e),(f)に示すように、封止材を基板5及び対抗基板6間に配置して当接した状態で接着層3’と基板5及び対抗基板6の間に隙間D3を有していることが好ましい。図14(e),(f)の構成では、封止材が基板5と対向基板6との間に介装された後に図17に示すようにD5及び/又はD6の方向に圧力を加えると、金属層2と基板5及び対抗基板6とが直接接触し、接着層3’が金属層2と基板5及び対抗基板6の間に残らない。更に、隙間D3があることによって、芯材1は、上下方向に圧縮され横方向に拡張するように容易に弾性変形する。この隙間D3は、芯材1が弾性変形した時に接着層3’が基板5及び対抗基板6に接して接着機能を発揮し易い寸法である必要がある。
【0104】
(封止材の製造方法)
封止材は、前述の第1の実施形態における条部材13の製造方法に従って、芯材1の外側に金属層2を設け、この外側に接着層3’(樹脂組成物の層)を形成する。この際、第1の実施形態において記載したような有機溶剤で適宜組成物の粘度を調節し、公知のディップ法のような表面コート技術を用いて、所望の厚さの接着層を形成することが出来る。例えば、金属層2で芯材1を被覆した条部材を、接着層3’の材料となる融解した樹脂の中に浸漬させるか、又はスプレーによりふきつけることにより被覆する。樹脂をスプレー法によって被覆させる場合、スプレーガンと樹脂加圧タンクより構成されるスプレーシステムを使うことが出来る。スプレーガンとしては、重力式や吸上げ式、あるいは圧送式などのものが使え、そのノズル口径は1.0〜8.0mmφが適当である。又、そのときの空気使用量は、樹脂の粘度にもよるが、50〜600l/minで使用可能である。又、空気を使わない、いわゆるエアレス方式では、コールドスプレー、ホットスプレー、2液スプレー、静電エアレススプレー、ハイドロエアスプレーなどを利用することが出来る。
【0105】
尚、図14(e),(f)に示すような封止材を形成するには、上述のように金属層2の外側全体を接着層3’で被覆した後、接着層3’の一部を削り取ればよい。
【0106】
(実装体の製造方法)
実装体の製造方法は、以下のようになる。
【0107】
(I)まず、第1の実施形態の(I)と同様に、基板5に下部電極7を設け(図15(a))、有機EL素子12を配置し、有機EL素子12が配置されていない領域に絶縁膜15を設ける(図15(b))。
【0108】
(II)次に、芯材1(プラスチックワイヤ1a、金属ワイヤ1b又は金属管1c)、金属層2及び接着層3’からなる封止材を準備する。
【0109】
(III)有機EL素子12を囲繞するように、封止材4a’〜4d’を基板5又は対向基板6上に配置する(図15(c))。封止材は、有機EL素子12の封止が十分達成されるように配置されれば、どのように配置されていても良く、例えば、第1の実施形態と同様に、図16(b)〜(e)のような配置を採用することができ、図15においては図16(b)と同様の配置を取っている。
【0110】
(IV)更に、図15(d)に示すように、対向基板6を配置する。
【0111】
(V)その後、対抗基板6を基板5に対して押圧する方向(図17に示すD5又はD6)に加圧しながら、接着層3’による基板の接合を行う。接着層3’は、図17に示すように、加圧(及び加熱)によって塑性変形し速やかにD7,D8,D9,D10の方向に流動する。金属層2は、接着層3’から露出し、絶縁膜15及び対向基板6に当接する。この際、芯材1は弾性変形し、接着層3’が流動状態から硬化することにより接合が形成され、このために、熱硬化性樹脂の場合や架橋剤による硬化の場合は加熱、放射線硬化樹脂の場合は放射線の照射が適用される。接着層3’が硬化すると、芯材1が元の形に戻ろうとするD1及びD2の方向の力が働いてスプリング効果を生じ、金属層2を基板及び対抗基板に押圧し密着させる。また、接着層の硬化収縮によってもスプリング効果が生じる。
【0112】
尚、図16(b)、(c)のように封止材の一部をクロスさせる場合には、図18(a)に示すように、封止材が***するので、クロスしていない部分とクロスしている部分とで封止構成体が同じ高さhになるように、図18(b)に示すようにクロスしている部分に他の部分よりも高い圧力をかける。
【0113】
[第3の実施形態]
この実施形態では、複数の第1の実施形態の条部材を接着層3で一体化した封止材を使用する。
【0114】
(実装体)
図19は、金属層2で被覆した芯材1が少なくとも2つ以上、接着層3により一体化した条部材を封止材4a”〜4d”として用いて基板を接合する有機EL素子実装体を表したもので、(a)は基板接合形成前、(b)は基板接合形成後の実装体、(c)は実装体の基板に平行な断面図を示す。この実装体は、基板5と、この基板5に対向する対向基板6と、上記基板5と上記対向基板6との間に介装された有機EL素子12と、有機EL素子12を囲繞するように基板5の周縁部に配置される4つの封止材からなる封止構成体とから構成される。
【0115】
この実施形態において封止構成体に使用される封止材4a”〜4d”の各々は、複数の芯材1、各芯材1の外周を被覆する金属層2、及び、この金属層2の外周を被覆し複数の芯材1を一体化する接着層3”からなる条状の部材であり、図19(c)のように有機EL素子12を囲繞するように基板上に適切に配置して封止構成体とする。金属層2は低融点金属で形成され、芯材1は、金属層2より弾性限度が高い弾性変形可能な素材で構成される。接着層3”は、基板5と対向基板6とを接着する機能を有し、図19(a),(b)に示すように、対向基板6を封止材に抗して基板5の方へ押圧しながら接着層3”により基板5と対向基板6とを接着する。この結果、図19(b)に示すように、得られる実装体は、前述の第2の実施形態における図12(b)の実装体の封止性をより強化したものになる。
【0116】
(封止材)
上記実装体の製造に用いる封止構成体の封止材4a”〜4d”は、少なくとも2本以上の芯材1及び金属層2と接着層3”とからなり、使用可能な封止材の例として、具体的には、図20(a)〜(c)に示すように、芯材1としてプラスチックワイヤ1a、金属ワイヤ1b又は金属管ワイヤ1cを用いたものが挙げられる。図19及び20は、金属層2で被覆した芯材1を2本用いているが、図21(e)のように3本あるいはそれ以上であってもよく、その場合、芯材1が互いに平行になるように並列させて一体化する。
【0117】
封止材の芯材1及び金属層2は、前述の第1の実施形態の場合と同様であるので、説明は省略する。図20及び図21(a)では芯材1を断面形状が円形のものとして記載するが、円形に限定されない。芯材及び封止材の断面形状が多角形の例を、図21(b)、(c)、(d)に示す。
【0118】
封止材の接着層3”は、前述の第1,2の実施形態の場合と同様の樹脂組成物によって構成することができる。その厚みは1μm以上10mm以下であることが好ましい。1μm未満では厚さの制御が困難な上、接着力の低下が大きい。又、厚みが10mm以上では平滑な接着面が得られないため、やはり充分な接着性が得られない。より好ましくは、接着層の厚みは3μm以上5mm以下、最も好ましくは5μm以上1mm以下とする。
【0119】
第2の実施形態で述べたように、樹脂組成物の流動性によっては、基板5及び対抗基板6に面する部分の接着層3”を薄くする、又は、設けないような構造上の変形が有効となる場合がある。図21(f),(g),(h)では、金属層2の頂部及び底部が完全に接着層3”から露出している。このような場合、図21(g),(h)に示すように、封止材を基板5及び対抗基板6間に配置して当接した状態で接着層3”と基板5及び対抗基板6との間に隙間D3を有していることが好ましい。図21(g),(g),(h)の構成では、封止材が基板5と対向基板6に介装された後に図24に示すようにD5及び/又はD6の方向に圧力を加えると、金属層2と基板5及び対抗基板6とが直接接触し、接着層3”が金属層2と基板5及び対抗基板6の間に残らない。更に、隙間D3があることによって、芯材1は上下方向に圧縮され横方向に拡張するように容易に弾性変形する。この隙間D3は、芯材1が弾性変形した時に接着層3”が基板5及び対抗基板6に接して接着機能を発揮し易い寸法である必要がある。
【0120】
(封止材の製造方法)
封止材は、前述の第2の実施形態における封止材の製造方法に従って、芯材1の外側に金属層2を設け、この外側に接着層3’(樹脂組成物の層)を形成し、複数の封止材を製造する。これらを並列させて接着層3’を融着することによって、複数の芯材1及び金属層2が接着層3”によって一体化された封止材が得られる。樹脂組成物が流動性を有する場合は、そのまま融着可能である。流動性を失っている場合は、加熱により融着することができる。
【0121】
尚、図21(f),(g),(h)に示すような封止材を形成するには、上述のように金属層2の外側全体を接着層3’で被覆した後、接着層3’の一部を削り取ればよい。
【0122】
(実装体の製造方法)
実装体の製造は、以下に示すように、封止材を図20又は21に示す封止材に代えて第2の実施形態と同様の製造方法に従って実施することができる。
【0123】
(I)まず、第1の実施形態の(I)と同様に、基板5に下部電極7を設け(図22(a))、有機EL素子12を配置し、有機EL素子12が配置されていない領域に絶縁膜15を設ける(図22(b))。
【0124】
(II)次に、芯材1(プラスチックワイヤ1a、金属ワイヤ1b又は金属管1c)、金属層2及び接着層3”からなる封止材を準備する。
【0125】
(III)有機EL素子12を囲繞するように、封止材4a”〜4d”を基板5又は対向基板6上に配置する(図22(c))。封止材は、有機EL素子12の封止が十分達成されるように配置されれば、どのように配置されていても良く、例えば、第1の実施形態と同様に、図23(b)〜(e)のような配置を採用することができ、図22においては図23(b)と同様の配置を取っている。
【0126】
(IV)更に、図22(d)に示すように、対向基板6を配置する。
【0127】
(V)その後、対抗基板6を基板5に対して押圧する方向(図24に示すD5又はD6)に加圧しながら、接着層3”による基板の接合を行う。接着層3”は、図24に示すように、加圧(及び加熱)によって塑性変形し速やかにD7,D8,D9,D10の方向に流動する。金属層2は、接着層3”から露出し、絶縁膜15及び対向基板6に当接する。この際、芯材1は弾性変形し、接着層3”が流動状態から硬化することにより接合が形成され、このために、熱硬化性樹脂の場合や架橋剤による硬化の場合は加熱、放射線硬化樹脂の場合は放射線の照射が適用される。接着層3”が硬化すると、芯材1が元の形に戻ろうとするD1及びD2の方向の力が働いてスプリング効果を生じ、金属層2を基板及び対抗基板に押圧し密着させる。また、接着層の硬化収縮によってもスプリング効果が生じる。
【0128】
尚、図23(b)、(c)のように封止材の一部をクロスさせる場合には、図25(a)に示すように、封止材が***するので、クロスしていない部分とクロスしている部分とで封止構成体が同じ高さhになるように、図25(b)に示すようにクロスしている部分に他の部分よりも高い圧力をかける。
【0129】
[実装体の特性]
上述のように、有機EL素子12を囲繞する形で封止材を基板5上に配置して基板を押圧しながら接合して得られる本発明の実装体は、有機EL素子の防湿性に優れる。
【0130】
実装体の使用において、防湿性が低いと、表示素子にダークスポット(無発光面)が発生する。ダークスポット面積比を下記式のように定義した時、実装体の実用性としては、60℃、相対湿度90%、1000時間の加速試験後の素子の発光面積に対するダークスポット面積比が10%以下であることが好ましく、2%以下であることがより好ましい。
【0131】
Figure 2004311385
本発明によって提供される実装体は、ダークスポットの発生及びその成長が抑制され、上記ダークスポット面積比の条件を満足するものであり、この点は従来に見られない卓越した特徴である。
【0132】
本発明の実装体において初期防湿特性及び初期接着力、加熱加湿後の防湿特性及び接着性の保持が発現する理由は必ずしも明らかではないが、以下のように考えられる。
【0133】
すなわち、金属層2で被覆した芯材1を基板5と対向基板6との間に挟んで圧接することにより金属層2が基板5及び対向基板6と密着した時、金属が流動又は融解するようなエネルギーが加えられることによって、流動・融解した金属が基板及び対向基板の表面に沿って変形するため、金属層2と基板5及び対向基板6との間に隙間のない更に密な接触が形成され、優れた防湿性が発現する。この点に関して、基板接合時に弾性変形し常態において元に戻ろうとするスプリング効果を発揮可能な弾性を有する芯材1と基板5及び対向基板6との間に金属層2が介在することが重要であり、芯材1を金属層2で覆う又は囲む構造が有効である。また、流動化し易い低融点金属で金属層2を形成することが極めて有効である。尚、芯材1の弾性によるスプリング効果は実装体の対衝撃性緩和にも有効である。
【0134】
更に、金属層2及び芯材1が基板5及び対向基板6に圧接した状態で接着層3による接合が形成されると、接着層3の硬化収縮及び弾性変形した芯材1のスプリングバックによって金属層2の両端部が基板5及び対向基板6に押圧され、金属層2と基板5及び対向基板6との密着が保持される。接着層3は、芯材1のスプリング作用による応力、熱応力、加湿時に発生する応力に対応しながら接合を維持し、封止材の防湿性を維持する。この結果、長期の加熱加湿試験後も安定した防湿性と接着性とが発現される。この点に関しては、ポリマーを主成分とする樹脂組成物が応力耐性に優れているので、環境変化に適応性を有する接合を形成する接着剤として応力耐性を有する樹脂組成物を用いることに意味がある。また、接着層3の流動性は、基板5及び保護基板6の接着を確実に行う上で重要であり、特に封止材に一体化した場合、金属層2と基板5及び対向基板6との間に残存することなく金属層2を速やかに基板5及び対向基板6と密着させるために重要である。この点に関して、基板上に配置した封止材を、一旦、剥離処理した加圧板などを用いて軽く基板に押圧しながら樹脂の軟化温度に加熱して金属層が露出するようにし、この後、対抗基板を対面させて芯材の弾性変形に必要な加圧及び樹脂の硬化処理を行うと効果的である。
【0135】
尚 トップエミッション方式をとる必要がない場合 実装体の製造時に乾燥剤を組み込むことで EL素子実装体の信頼性及び耐久性を更に向上させることができる。
【0136】
又、本発明に従って得られる実装体は、湿分及び酸素だけでなく、他の物質についても非常に遮断性が高く、様々な成分の出入りを遮断することができるので、LCD素子、有機EL素子、無機EL素子等のディスプレイ表示素子や太陽電池素子等以外に、半導体や化学的安定性が高くない物質を用いて形成される種々の機能素子の実装体に適用することができる。
【0137】
[シート状封止材]
基板間に封止される機能素子が非常に薄い場合、使用する条部材は、上述の実施形態で説明した条部材より細いものの方が有益となる。また、封止体の小型化のためにもより細い条部材が有利であり、表示装置の実用化においては表示エリアを大きく確保できる点から、太さが7mm以下、特に2mm以下の条部材の有用性が高い。このような細い条部材の場合、条部材13及び接着層を基板上に配置する作業を容易にするためには、例えば図26〜図34に示すような、条部材13と樹脂接着剤14とが剥離性基材6上で一体化されたシート状の封止材が有効である。
【0138】
以下に、シート状封止材の実施形態について説明する。
【0139】
特に有用なシート状封止材において、芯材1は前述の実施形態のものより細く、具体的には、芯材1の線径(幅)は、0.01mm以上7mm未満のものが好適に使用され、0.03mm以上5mm以下がより好ましく、0.07mm以上1mm以下が最も好ましい。線径が0.01mmより小さいと、金属層2及び基板に与える弾性圧及び押圧面積が小さくなるため、基板との密着性及び遮蔽性が低下する。線径が7mmを超えるものは、小型の実装体の製造におけるニーズが低いので、シート状封止材としての必要性はさほど高くない。
【0140】
芯材1は、押圧力に対して弾性変形可能な材質で条状に形成されたものであればよく、実用的には0.01GPa以上の圧力で弾性変形するものであれば特に制約はない。具体的には、室温での圧縮弾性率が0.3GPa以上20GPa以下のプラスチック製ワイヤが好適に使用でき、圧縮弾性率が0.5GPa以上10GPa以下がより好ましく、1.0GPa以上7.0GPa以下が最も好ましい。圧縮弾性率が0.3GPaより小さいと加圧時の変形量が大き過ぎて加湿時の防湿性が不十分になる。又、圧縮弾性率が20GPaより大きいと、加圧時の変形量が小さいため接合後に低融点金属層を基板及び対向基板に押圧する応力が小さく、防湿性が低下する。
【0141】
芯材1の素材の具体例としては、例えば、ポリエチレン、6−ナイロン、ポリビニルアルコール、アラミドモノフィラメント、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリプロピレン、PAN、ポリ塩化ビニル、ポリフェニレンサルファイドなどがあげられる。あるいは、これらの材料を複数含む複合物等を用いることもできる。また、芯材1は金属製であってもよく、例えば、銅、金、白金、チタン等やこれらを含有する合金が挙げられる。
【0142】
条部材13が細い場合、金属層2の形成により高い精密さを必要とするので、芯材1の金属層2に対する親和性が低いと層形成の精密さが低下し、芯材1と金属層2との密着性も低下する。密着性が低いと、金属層2の遊離又は剥離が生じ易く、僅かな遊離又は剥離が封止材の遮蔽性に大きく影響する。従って、芯材がプラスチック製の場合、金属層2を設ける前に、芯材1の表面にプラズマ処理、コロナ放電処理またはプライマ−処理(易接着処理)のいずれかの処理を施して、芯材1と金属層2との密着性を高めることが好ましい。
【0143】
芯材1の表面をプライマー処理する場合のプライマーとしては、熱硬化性樹脂を好適に使用することができ、例えば、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂などが適用可能である。エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂やビスフェノールF型エポキシ樹脂、テトラヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、レゾルシン型エポキシ樹脂、ポリアルコール・ポリグリコール型エポキシ樹脂、ポリオレフィン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂やハロゲン化ビスフェノール型エポキシ樹脂などが挙げられる。また、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ポリエステルアクリレートなども使用できる。特に、ウレタンアクリレート及びエポキシアクリレートは、芯材への密着性が優れており、エポキシアクリレートとしては、1、6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、アリルアルコールジグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、アジピン酸ジグリシジルエステル、フタル酸ジグリシジルエステル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、ソルビトールテトラグリシジルエーテル等の(メタ)アクリル酸付加物が挙げられる。エポキシアクリレートなどのように分子内に水酸基を有するポリマーは芯材及び金属層への密着性向上に有効である。
【0144】
上記のポリマーは、必要に応じて、2種以上共重合して、又は、2種類以上を混合して、プライマーとして使用してもよい。尚、後述する樹脂接着剤14と同様の樹脂組成物をプライマーとして使用可能である。
【0145】
プライマーは、通常、汎用溶剤に溶解させて使用するが、無溶剤のまま使用することもできる。溶剤としては、アセトン、ジエチルケトン、メチルアミルケトン、シクロヘキ サノン等のケトン系溶剤、トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤、メチルセロソルブ、メチルセロソルブアセタート、エチルセロソルブアセタート等のセロソルブ系溶剤、乳酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソアミル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル等のエステル系溶剤、メタノール、エタノール、プロパノール、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールプロピルエーテル等のアルコール系溶剤などが挙げられ、必要に応じて、単独又は2種類以上組み合わせて用いることができる。
【0146】
プライマーには、必要に応じて、カップリング剤、接着力を向上させるための粘着付与剤、粘着性を調整するための可塑剤等の添加剤等を添加しても良い。カップリング剤としては、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、ヘキサメチルシラザンなどのアミノ基を有するシランカップリング剤、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどのエポキシ基を有するシランカップリング剤、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどのメルカプト基を有するシランカップリング剤、および、γ−クロロプロピルトリメトキシシランなどのハロゲン基を有するシランカップリング剤等のシランカップリング剤、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシル)ホスファイトチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルジアクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルトリクミルフェニルチタネート等のチタネート系カップリング剤、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート等のアルミニウム系カップリング剤およびアセチルアセトン・ジルコニウム錯体等のジルコニウム系カップリング剤等がある。
【0147】
粘着付与剤としては、ジシクロペンタジェン樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、キシレン樹脂、テルペン−フェノール樹脂、アルキルフェノール樹脂、クマロン−インデン樹脂等があり、必要に応じて単独あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。また、プラスチック芯材との密着性を向上させるために、エポキシシラン、アミノシラン、アクリルシランなどの汎用のシランカップリング剤を使うことができる。
【0148】
可塑剤としては、例えば、ジオクチルフタレート等が代表的である。
【0149】
プライマーに使用する熱硬化性樹脂には、必要に応じて硬化剤(架橋剤)を添加してもよく、硬化剤としては、トリエチレンテトラミン、キシレンジアミン、ジアミノジフェニルメタンなどのアミン類、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水ドデシルコハク酸、無水ピロメリット酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸などの酸無水物、ジアミノジフェニルスルホン、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、ポリアミド樹脂、ジシアンジアミド、アルキル置換イミダゾール、多官能イソシアネート化合物などが挙げられる。硬化剤は、単独で用いても、あるいは、2種以上混合して用いてもよい。硬化剤の添加量は、上記ポリマー100重量部に対して0.1重量部以上50重量部以下、好ましくは1重量部以上30重量部以下の範囲で選択するのがよい。硬化剤の添加量が0.1重量部未満であると硬化が不十分となり、50重量部を超えると過剰架橋となり、接着性に悪影響を与える場合がある。
【0150】
条部材13の金属層2の厚みは1μm以上5mm以下の範囲において好適に使用することができ、3μm以上1mm以下が好ましく、5μm以上0.5mm以下が最も好ましい。厚みが1μmより小さくても5mmより大きくても防湿信頼性が低下する。
【0151】
図18又は図25のように条部材13が上下に重なり合う封止形態では、基板と金属層2との間に隙間が生じ易いので、この点を考慮すると、金属層2の厚さが5μm以上であることが好ましい。5μm未満であると、4MPa以上で押圧しても隙間が生じるようになり、2MPa以上での押圧によって金属層の剥離を生じる。5μm以上30μm以下の厚さの金属層2の場合、1〜4MPaの押圧によって基板との間に隙間を生じることなく良好に封止することが可能であり、より好ましくは10μm以上30μm以下とする。更に、使用する金属によるコスト及び製造時間の短縮を考慮すると、10μm以上20μm以下が最適である。
【0152】
金属層2を形成する金属は、融点が約80℃以上のあらゆる金属が好適に使用可能であり、単独金属又は各種の共晶合金あるいは非共晶合金が使用できる。融点が80℃よりも低いと、温度上昇によって防湿信頼性が容易に低下するため、好ましくない。但し、使用可能な金属の融点の下限は、実装体を用いた実用製品に求められる耐熱温度の目標値によって変動する。封止材による基板の接合時に金属層2が溶融すると、金属層の形状が基板表面の微少な凹凸にも対応でき、密着性が向上する。又、金属による接合が形成されれば、樹脂接着剤の接合を補助することができる。このような観点から、基板及び素子の耐熱限界温度より融点が低い低融点金属、つまり、融点が250℃以下の金属が適正であり、90℃以上220℃以下が好ましく、100℃以上200℃以下がより好ましい。融点が250℃以上であると、溶融接着時に高温を必要とし、機能素子に高温による悪影響が生じるため、上記の目的を果たせなくなる。使用可能な低融点金属の具体例は、前述の実装体の第1の実施形態において記載しているので、ここでは省略する。最適な金属として、錫及びインジウムを含有する融点が100℃以上150℃以下程度の合金が挙げられ、錫/インジウム(48/52)共晶合金の融点は117℃である。錫/インジウム合金に亜鉛を添加すると、金属層2のガラスに対する密着性が向上する。
【0153】
金属層2は、電解めっき、無電解めっき、融着めっき等の方法によって芯材1の表面に形成することができる。例えば、芯材1にシーダ処理を施した後、無電解銅めっき又は無電解ニッケルめっき等を施して導電層を設け、しかる後に電解メッキによって上記した金属の被膜を形成することによって、めっき法により好適に金属層2が設けられる。融着法では、例えば、上記の金属を溶融して芯材に直接融着することによって金属層2を形成できる。
【0154】
但し、融着めっきは、5μm以上の厚さのめっきを均一に形成することが難しく、電解めっきでは5〜30μmの厚さの均一なめっきを形成することが容易である。又、無電解めっきは厚い膜を形成するのに時間がかかる。従って、製造効率及び精密さを考慮すると電解めっきが好ましいが、プラスチックの芯材には直接適用することができない。プラスチックの芯材に電解めっきを施すには、図35(a)に示すように、まず導電層17を形成し、この後に電解めっきを施して所望の厚さの金属層2を得る。導電層17の組成は、導電性を有するものであればいかなるものでも良く、金属に限られないが、無電解めっきで膜形成が可能な銅、ニッケル等が一般的であり、コストの面では銅が好ましい。無電解めっきによる導電層17の厚さは、必要な導電性を得る点、及び、コストや製造時間の低減の点から、0.05μm以上50μm以下の範囲が好適であり、0.2μm以上10μm以下が好ましく、0.5μm以上3μm以下が最も好ましい。無電解銅めっき膜は欠陥を有し易く脆いので、更に電解めっきを行って導電層17の密着性、延性を向上させることが望ましい。このような条部材13’を用いて基板を封止接合した実装体の一例を図35(b)に示す。導電層17は、その材質及び物性によって、芯材1の一部として作用する場合も、金属層2として作用する場合もある。
【0155】
金属層2を均一な膜厚で形成するには電解めっき法が特に適している。錫/インジウム共晶合金の金属層2を電解めっき法で形成する場合、例えば、錫/インジウム共晶合金用電解めっき液(石原薬品社製)中に、導電層を形成したプラスチック製の芯材または金属製の芯材を浸漬して、電流密度が0.05A/cm以上0.5A/cm以下となるように通電することによって、均一な膜厚で錫/インジウム共晶合金が積層される。電流密度が0.05A/cm未満では、錫のみのめっき膜になり易く、錫/インジウム共晶合金が得られない。電流密度が0.5A/cmを超えると、合金が急激に析出して膜厚が不均一になる。
【0156】
上述のような条部材を用いて構成される本発明のシート状封止材の実施形態を以下に説明する。
【0157】
[シート状封止材の第1の実施形態]
この実施形態のシート状封止材では、図26(a)〜(f)に示すように、条部材13がフィルム状の樹脂接着剤14に埋設され、表面に離型処理を施した基材16によって支持されている。従って、基板の封止材を配置する位置に樹脂接着剤14の上面を付着させて基材16を剥離除去すれば、条部材13及び樹脂接着剤14からなる封止材が基板上に正確且つ簡便に配置することができる。この図では、樹脂接着剤14中に複数の条部材13が並列しているが、図1のような単数の条部材13での封止の場合には、1本の条状の樹脂接着剤14のフィルムに条部材13を1本のみ埋設するか、または、図26の封止材を条部材13に沿って適宜裁断して使用する。あるいは、図26の封止材の複数の条部材13を各々個別に利用できるように、条部材に13に並行したミシン目及び切り溝を基材16及び樹脂接着剤14に設けて分割できるようにしてもよい。図27(a)は、図26(a)のタイプのシート状封止材(但し、条部材の断面形状は異なる)から1つの条部材13を使用するために条部材に沿って分割したシート状封止材を示し、図27(b)は2つの条部材13を分割した例である。また、図27(c)は、1対の条部材13が隣接するように樹脂接着剤14に埋設し、2本単位で分割使用するようしたシート状封止材の例を示す。
【0158】
樹脂接着剤14のフィルムの厚さは、1μm以上1mm以下であることが好ましく、更に好ましくは3μm以上500μm以下、最も好ましくは5μm以上300μm以下である。1μm未満は厚さの制御が困難な上、接着力の低下が大きい。また厚みが1mmを超えると平滑な表面のフィルムが得られ難いため、やはり充分な接着性が得られない。
【0159】
図26の(a)及び(f)では、条部材13の外径と樹脂接着剤14の厚さとが同じであり、(b),(d)及び(e)では条部材13の外径より樹脂接着剤14の厚さの方が大きく、(d)では条部材13の外径より樹脂接着剤14の厚さが小さい。条部材13の外径と樹脂接着剤14の厚さとが同じであると、基板に封止材を貼着した時に樹脂接着剤14及び条部材13の両方が基板に当接するので、樹脂接着剤が基板を接合した時に金属層2と基板とが好適に密着する。
【0160】
上記のようなシート状封止材を基板に貼着して基材16を剥し、被着体間つまり対向する基板の間に挟んで加熱圧着すると、条部材と被着体と間に樹脂接着剤14がある場合は押し出されて金属層2が樹脂接着剤14から露出し、図1のように被着体表面つまり基板表面に当接する。この時、金属層2が溶融するようなエネルギーを加えると、融解した金属が両サイドの被着体表面の微細な凹凸に適応して密着性が増す。更に、金属層2と被着体との接合が形成されれば、樹脂接着剤の接合を補助する役割を果たす。金属による接合は、熱応力や加湿時に発生する応力に対して接着力を維持できないが、ポリマーを主成分とする樹脂組成物は応力適応性に優れており、金属と樹脂組成物との併用により、応力の分散・吸収によって被着体との接合が破壊され難くなる。
【0161】
本発明では、芯材1の弾性圧縮を利用して、加圧により弾性変形した芯材の元に戻ろうとするいわゆるスプリング効果を金属層に作用させて被着体に圧接することにより、接合後の実装体は、加熱及び/加湿を被っても優れた防湿特性を保持できる。樹脂組成物が硬化する際に生じる収縮も芯材1のスプリング効果に寄与する。
【0162】
樹脂接着剤14は、基板と対向基板とを接合するための接着剤として作用する樹脂組成物であればよく、接合形成に加熱を要する樹脂(熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂)及び加熱が不要の樹脂(放射線硬化樹脂等)のいずれも使用可能である。熱による素子の劣化を避けるために、素子が200℃を超える温度に加熱されることを伴わない樹脂組成物であること(軟化温度及び硬化(架橋)温度が200℃以下であること)、通常の雰囲気での取り扱いの点から樹脂組成物の軟化温度が30℃以上200℃以下、好ましくは50℃以上180℃以下、より好ましくは60℃以上150℃以下となること、及び、実装体における接着性が高温時に低下しないように、熱硬化性樹脂又は放射線硬化樹脂を使用することが好ましく、これらは、前述の接着層4の樹脂組成物の場合と同様である。
【0163】
シート状封止材としての要件としては、常温において硬化前の樹脂組成物が、基材上で形状を維持可能な程度の保形性を有することが好ましい。このよな点をふまえて、いかに樹脂接着剤14として使用する樹脂組成物について具体的に記載する。
【0164】
熱硬化性樹脂を使用する場合、保存安定性、耐熱性及び封止する機能素子の熱劣化防止の点から、硬化温度が50℃以上200℃以下、好ましくは180℃以下、より好ましくは70℃以上150℃以下とすることは前述の接着層4の樹脂組成物の場合と同様である。熱硬化樹脂は、硬化温度より低い温度においても硬化は進行し、加熱温度と樹脂の硬化温度との差が大きいほど硬化速度は遅くなる。樹脂の硬化に必要な温度が高い場合は、局所加熱方式によって素子の加熱を避けることが可能である。
【0165】
樹脂組成物が熱硬化性樹脂である場合の具体例としては、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂のような樹脂などが適用可能である。その他にもビスフェノールA型エポキシ樹脂やビスフェノールF型エポキシ樹脂、テトラヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、レゾルシン型エポキシ樹脂、ポリアルコール・ポリグリコール型エポキシ樹脂、ポリオレフィン型エポキシ樹脂、脂環式やハロゲン化ビスフェノールなどのエポキシ樹脂を使用することができる。
【0166】
又、エポキシ樹脂以外の熱硬化性樹脂及び熱可塑性樹脂の例として、天然ゴム、ポリイソプレン、ポリ−1、2−ブタジエン、ポリイソブテン、ポリブテン、ポリ−2−ヘプチル−1、3−ブタジエン、ポリ−2−t−ブチル−1、3−ブタジエン、ポリ−1、3−ブタジエンなどの(ジ)エン類、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリビニルエチルエーテル、ポリビニルヘキシルエーテル、ポリビニルブチルエーテルなどのポリエーテル類、ポリビニルアセテート、ポリビニルプロピオネートなどのポリエステル類、ポリウレタン、エチルセルロース、ポリ塩化ビニル、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリロニトリル、ポリスルホン、ポリスルフィド、フェノキシ樹脂などを挙げられる。その他にも、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体変性物、ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−アクリル酸塩共重合体、アクリル酸エステル系ゴム、ポリイソブチレン、アタクチックポリプロピレン、ポリビニルブチラール、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−イソプレンブロック共重合体、エチレンセルロース、ポリアミド、シリコン系ゴム、ポリクロロプレン等の合成ゴム類、ポリビニルエーテルなどが適用可能であり、単独あるいは2種以上併用して用いられる。アクリル樹脂としては以下に示すものが挙げられる。ポリエチルアクリレート、ポリブチルアクリレート、ポリ−2−エチルヘキシルアクリレート、ポリ−t−ブチルアクリレート、ポリ−3−エトキシプロピルアクリレート、ポリオキシカルボニルテトラメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリイソプロピルメタクリレート、ポリドデシルメタクリレート、ポリテトラデシルメタクリレート、ポリ−n−プロピルメタクリレート、ポリ−3,3,5−トリメチルシクロヘキシルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリ−2−ニトロ−2−メチルプロピルメタクリレート、ポリ−1,1−ジエチルプロピルメタクリレート、ポリメチルメタクリレートなどのポリ(メタ)アクリル酸エステル、又はこれらの共重合体を使用することができる。また、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ポリエステルアクリレートなども使用できる。特にウレタンアクリレート、エポキシアクリレートは被着体への密着性の点で優れており、エポキシアクリレートとしては、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、アリルアルコールジグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、アジピン酸ジグリシジルエステル、フタル酸ジグリシジルエステル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、ソルビトールテトラグリシジルエーテル等の(メタ)アクリル酸付加物が挙げられる。
【0167】
必要に応じて、上記樹脂の2種以上を共重合したもの、あるいは、2種類以上をブレンドしたものを使用することも可能である。エポキシアクリレートなどのように分子内に水酸基を有するポリマーは支持体への密着性向上に有効である。又、接合を形成した樹脂接着剤14がゴム弾性を有すると、芯材によるスプリングバックの応力に対する適応性が高く樹脂接着剤14の接着破壊が更に抑制される。この点については、硬化した樹脂組成物の弾性率が0.005GPa以上30GPa以下であるものが好ましく、より好ましくは0.1GPa以上10GPa以下、最も好ましくは0.5GPa以上7.0GPa以下となる。
【0168】
熱硬化性樹脂を利用する場合、硬化剤(架橋剤)として、トリエチレンテトラミン、キシレンジアミン、ジアミノジフェニルメタンなどのアミン類、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水ドデシルコハク酸、無水ピロメリット酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸などの酸無水物、ジアミノジフェニルスルホン、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、ポリアミド樹脂、ジシアンジアミド、アルキル置換イミダゾール、多官能イソシアネート化合物などを使うことができる。硬化剤は、単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。また、使用しなくてもよい。
【0169】
硬化剤の添加量は、上記樹脂100重量部に対して0.1〜50重量部、好ましくは1〜30重量部の範囲で選択するのがよい。硬化剤(架橋剤)の添加量が0.1重量部未満であると、硬化が不十分となり、50重量部を超えると、架橋過剰になり、接着性に悪影響を与える場合がある。
【0170】
樹脂接着剤14として、α線、β線、γ線、中性子線、X線や加速電子線、紫外線等の放射線を照射することで硬化する放射線硬化樹脂も使用可能である。紫外線硬化型樹脂としては、例えば、以下に例示するようなラジカル(共)重合体(A)、少なくとも一つのラジカル重合性基を有するラジカル重合性単量体(B)及び光重合開始剤が混合されたラジカル重合性樹脂接着剤がある。
【0171】
上記ラジカル(共)重合体(A)は、少なくとも一つのラジカル重合性基を有するラジカル重合性単量体を用いてラジカル重合開始剤により反応させて調製することができ、このラジカル重合性単量体としては、ブタジエン、イソプレン及び2−クロロブタジエン等のジオレフィン系単量体; メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2,3−ジブロモプロピル(メタ)アクリレート、トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、パーフロロオクチルエチル(メタ)アクリレート、トリメチルシロキシエチル(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート類; スチレン、クロロスチレン、α−メチルスチレン、ジメチルスチレン、t−ブチルスチレン、ジビニルベンゼン、酢酸ビニル、N−ビニルピロリドン等のビニル化合物類; (メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、N,N−メチレンビス(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド類; N−フェニルマレイミド、N−ラウリルマレイミド等のマレイミド類; (メタ)アクリロニトリル、マレイン酸アルキルモノエステル、フマル酸アルキルモノエステル、イタコン酸アルキルモノエステル、(メタ)アクリル酸、無水(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、ビニル酢酸、チグリン酸、オレイン酸、ソルビン酸、リノール酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、テトラコン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、アシッドホスホオキシエチル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−アシッドホスホオキシプロピル(メタ)アクリレート、アシッドホスホオキシプロピル(メタ)アクリレート、アシッドホスホオキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、アシッドホスホオキシプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、スチレンスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシナフタレン−2−スルホン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシベンゼンスルホン酸等の酸基または酸無水物基を有する単量体等がある。
【0172】
ラジカル重合開始剤としては、過酸化水素、過硫酸カリウムや過硫酸アンモニウム等の無機過酸化物、t−ブチルヒドロパーオキサイド、過酸化t−ジブチル、クメンヒドロパーオキサイド、過酸化アセチル、過酸化ベンゾイル及び過酸化ラウロイル等の有機過酸化物; 及び、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、アゾビスイソ酪酸メチル、アゾビスイソブチルアミジン塩酸塩及びアゾビスシアノ吉草酸等のアゾ化合物等がある。無機過酸化物及び有機過酸化物に対しては、エチルアミン、トリエタノールアミン及びジメチルアニリン等のアミン、ポリアミン、2価鉄塩化合物、アンモニア、トリエチルアルミニウム、トリエチルほう素、ジエチル亜鉛等の有機金属化合物、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、ナフテン酸コバルト、スルフィン酸、メルカプタン等の適切な還元剤を併用しても良い。更に、ラジカル(共)重合体を作る際に用いるラジカル重合開始剤として、紫外線や可視光線の照射により重合開始ラジカルが発生する光重合開始剤を用いても良い。あるいは、ラジカル重合開始剤を用いずに、電子線、エックス線やプラズマ等の高エネルギー線を照射して重合開始ラジカルを発生させてもよい。
【0173】
ラジカル重合開始剤として、有機過酸化物及び/又はアゾ化合物を用いて製造すると、ラジカル(共)重合体を含んだラジカル重合性樹脂接着剤の光重合性が高くなる。とりわけ、2,2−ジメチル置換アルキル(アシル)オキシラジカルを発生させる有機過酸化物を用いて製造したラジカル(共)重合体を含んだ樹脂接着剤は、低紫外線照射量で高度に架橋するため、好ましい。2,2−ジメチル置換アルキル(アシル)オキシラジカルとして、t−ブトキシラジカル、t−ヘキシルオキシラジカル及びクメンオキシラジカル等が特に有効である。2,2−ジメチル置換アルキル(アシル)オキシラジカルを発生させる有機過酸化物としては、例えば、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ3,5,5,−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジt−ブチルパーオキシイソフタレート、t−ブチルパーオキシマレイックアシド、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシネオヘキサノエート等のt−ブチルパーオキシエステル化合物; t−ヘキシルパーオキシネオドデカノエート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ヘキシルパーオキシネオヘキサノエート等のt−ヘキシルパーオキシエステル化合物; クミルパーオキシオクトエート、クミルパーオキシネオデカノエート、クミルパーオキシネオヘキサノエート等のクミルパーオキシエステル化合物; 1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)オクタン等のパーオキシケタール化合物; t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド化合物; ジt−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド等のジアルキルパーオキサイド化合物等がある。
【0174】
上記ラジカル重合性単量体(B)は、少なくとも1つのラジカル重合性基と1以上の官能基数とを有する化合物であればよい。反応性が高く好ましい化合物として、(メタ)アクリル化合物、(メタ)アクリルアミド化合物及びビニルエーテル化合物が挙げられる。具体的には、例えば、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、N−メチルマレイミド、N−フェニルマレイミド、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジオキシジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、N−ビニルピロリドン、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリブタジエン(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、フォスファゼン(メタ)アクリレート、アクリル共重合体へ(メタ)アクリロイル基を導入したもの、等の(メタ)アクリル化合物; ポリブタジエンや不飽和ポリエステル化合物等の主鎖及び側鎖に不飽和結合を有する化合物、アリル基、ビニル基、ビニルエーテル基、マレイミド基、(メタ)アクリルアミド基等のラジカル重合性2重結合を有する化合物等がある。これらの一種または二種以上の混合物を用いることができる。ラジカル重合性樹脂接着剤の紫外線硬化性を高くし、塗膜の性能を向上させるために、官能基数が2以上のラジカル重合性単量体を1種以上用いることができる。
【0175】
官能基として鎖状エーテル基に隣接するメチン基及び/又はメチレン基を有するラジカル重合性単量体の具体的例を挙げると、例えば、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ノナエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート(ポリエチレングリコール鎖数:30)、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシノナエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート(ポリエチレングリコール鎖数:30)、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレン(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルエチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリシクロ〔5,2,1,02,6〕デカニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボニルオキシエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシルオキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシトリプロピレングリコール(メタ)アクリレート等のアルキルオキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート類及びアリルオキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート類; N−n−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシエチル(メタ)アクリルアミド等のN−アルコキシアルキル(メタ)アクリルアミド類等が挙げられる。
【0176】
また、官能基として環状エーテル基に隣接するメチン基及び/又はメチレン基を有するラジカル重合性単量体としては、例えば、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリルアルコールのモノε−カプロラクトン付加物の(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリルアルコールのジε−カプロラクトン付加物の(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリルアルコールのモノβ−メチル−δ−バレロラクトン付加物の(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリルアルコールのジβ−メチル−δ−バレロラクトン付加物の(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリルオキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリルオキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリルオキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリルオキシプロピル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリルオキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリルオキシトリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリルアルコールの2−イソシアネートエチル(メタ)アクリレート付加物、2−テトラヒドロフロニック酸のグリシジル(メタ)アクリレート反応物、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリルアミド、テトラヒドロフルフリルオキシメチル(メタ)アクリルアミド等のテトラヒドロフラン環を有する(メタ)アクリレート類及びテトラヒドロフラン環を有する(メタ)アクリルアミド類;テトラヒドロピラン−2−メタノール(メタ)アクリレート、テトラヒドロピラン−2−メタノールのモノε−カプロラクトン付加物の(メタ)アクリレート、テトラヒドロピラン−2−メタノールのジε−カプロラクトン付加物の(メタ)アクリレート、テトラヒドロピラン−2−メタノールのモノβ−メチル−δ−バレロラクトン付加物の(メタ)アクリレート、テトラヒドロピラン−2−メタノールのジβ−メチル−δ−バレロラクトン付加物の(メタ)アクリレート、テトラヒドロピラン−2−メタノールオキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロピラン−2−メタノールオキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、テトラヒドロピラン−2−メタノールオキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、テトラヒドロピラン−2−メタノールオキシプロピル(メタ)アクリレート、テトラヒドロピラン−2−メタノールオキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、テトラヒドロピラン−2−メタノールオキシトリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、テトラヒドロピラン−2−メタノールの2−イソシアネートエチル(メタ)アクリレート付加物、テトラヒドロピラン−2−メタノールのエピクロルヒドリン付加体の(メタ)アクリル酸反応物、テトラヒドロピラン−2−メタノール(メタ)アクリルアミド、テトラヒドロピラン−2−メタノールオキシメチル(メタ)アクリルアミド等のテトラヒドロピラン環を有する(メタ)アクリレート類及びテトラヒドロピラン環を有する(メタ)アクリルアミド類; 2,2−ジメチル−3−オキシプロパナールとエチレングリコールの縮合体の(メタ)アクリレート、2,2−ジメチル−3−オキシプロパナールとエチレングリコールの縮合体のモノε−カプロラクトン付加物の(メタ)アクリレート、2,2−ジメチル−3−オキシプロパナールとエチレングリコールの縮合体のモノβ−メチル−δ−バレロラクトン付加物の(メタ)アクリレート、2,2−ジメチル−3−オキシプロパナールとエチレングリコールの縮合体のエピクロールヒドリン付加体の(メタ)アクリル酸反応物、2,2−ジメチル−3−オキシプロパナールとエチレングリコールの縮合体の2−イソシアネートエチル(メタ)アクリレート付加物、2,2−ジメチル−3−オキシプロパナールとプロピレングリコールの縮合体の(メタ)アクリレート、2,2−ジメチル−3−オキシプロパナールとプロピレングリコールの縮合体のモノε−カプロラクトン付加物の(メタ)アクリレート、2,2−ジメチル−3−オキシプロパナールとプロピレングリコールの縮合体のエピクロールヒドリン付加体の(メタ)アクリル酸反応物、2,2−ジメチル−3−オキシプロパナールとプロピレングリコールの縮合体の2−イソシアネートエチル(メタ)アクリレート付加物、2,2−ジメチル−3−オキシプロパナールとネオペンチルグリコールの縮合体の(メタ)アクリレート、2,2−ジメチル−3−オキシプロパナールとネオペンチルグリコールの縮合体のモノε−カプロラクトン付加物の(メタ)アクリレート、2,2−ジメチル−3−オキシプロパナールとネオペンチルグリコールの縮合体のエピクロールヒドリン付加体の(メタ)アクリル酸反応物、2,2−ジメチル−3−オキシプロパナールとネオペンチルグリコールの縮合体の2−イソシアネートエチル(メタ)アクリレート付加物、グリセロールフォルマール(メタ)アクリレート、グリセロールフォルマールのモノε−カプロラクトン付加物の(メタ)アクリレート、グリセロールフォルマールのモノβ−メチル−δ−バレロラクトン付加物の(メタ)アクリレート、グリセロールフォルマールのエピクロールヒドリン付加体の(メタ)アクリル酸反応物、グリセロールフォルマールの2−イソシアネートエチル(メタ)アクリレート付加物等のジオキソラン環を有する(メタ)アクリレート類等が挙げられる。
【0177】
また、官能基として水酸基に隣接するメチン基及び/又はメチレン基を有するラジカル重合性単量体としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−ラウロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリレート類が挙げられる。
【0178】
官能基としてカーバメート基に隣接するメチン基及び/又はメチレン基を有するラジカル重合性単量体としては、2−イソシアネートエチル(メタ)アクリレートのイソプロピルアルコール付加物、2−イソシアネートエチル(メタ)アクリレートのn−ブチルアルコール付加物、n−ブチルイソシアナートの2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート付加物、フェニルイソシアネートの2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート付加物、オクタデシルイソシアネートの2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート付加物等のカ−バメート基を有する(メタ)アクリレート類; 3−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネートのイソプロピルアルコール付加物、3−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネートのn−ブチルアルコール付加物等のカ−バメート基を有するビニル化合物類等が挙げられる。
【0179】
光重合開始剤としては、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)ー2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロハキシル−フェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4ーチオメチルフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン等のアセトフェノン系化合物、ベンゾイン、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン系化合物; 2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド系化合物、ベンジル、メチルフェニルグリオキシエステル; ベンゾフェノン、ο−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルサルファイド、アクリル化ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物; 2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン等のチオキサントン系化合物; ミヒラーケトン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン等のアミノベンゾフェノン系化合物; 10−ブチル−2−クロロアクリドン、2−エチルアンスラキノン、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン等が挙げられる。
【0180】
ラジカル重合性樹脂接着剤の紫外線硬化に関して、重合は光重合開始剤だけでもおこるが、より効率的に重合をさせるために、更に光増感剤を併用することが好ましい。かかる増感剤としては、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸(2−ジメチルアミノ)エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸(n−ブトキシ)エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル等のアミン類がある。
【0181】
更に、必要に応じて、非反応性オリゴマー、顔料、染料、無機充填剤、有機充填剤、重合禁止剤、消泡剤、レベリング剤、可塑剤、カップリング等の密着向上剤等を添加しても良い。無機充填剤及び有機充填剤は、一般的に、強度、クッション性、滑り性等の機械的特性の向上のために用いる。
【0182】
上記の添加物に特に制限はないが、有機顔料、無機顔料及び染料については、溶解性に優れる油解性染料が特に適している。
【0183】
無機充填剤としては、二酸化珪素、酸化珪素、炭酸カルシウム、珪酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、タルク、カオリンクレー、焼成クレー、酸化亜鉛、硫酸亜鉛、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、ガラス、雲母、硫酸バリウム、アルミナホワイト、ゼオライト、シリカバルーン、ガラスバルーンなどがある。無機充填剤に、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤及びジルコネート系カップリング剤等を添加、反応させる等の方法により、ハロゲン基、エポキシ基、アミノ基、水酸基、チオール基及びアミド基等の官能基を持たせてもかまわない。
【0184】
有機充填剤としては、ベンゾグアナミン樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン・メラミン樹脂、尿素樹脂、シリコーン樹脂、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリオレフィン樹脂、エチレン・アクリル酸共重合体、ポリスチレン、架橋ポリスチレン、ポリジビニルベンゼン、スチレン・ジビニルベンゼン共重合体、アクリル共重合体、架橋アクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、塩化ビニリデン樹脂、フッ素樹脂、ナイロン12、ナイロン11、ナイロン6/66、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂等がある。有機充填剤は、ハロゲン基、エポキシ基、アミノ基、水酸基、チオール基及びアミド基等の官能基を有していてもかまわない。
【0185】
カップリング剤としては、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、ヘキサメチルシラザンなどのアミノ基を有するシランカップリング剤、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどのエポキシ基を有するシランカップリング剤、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどのメルカプト基を有するシランカップリング剤、およびγ−クロロプロピルトリメトキシシランなどのハロゲン基を有するシランカップリング剤等のシランカップリング剤、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシル)ホスファイトチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルジアクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルトリクミルフェニルチタネート等のチタネート系カップリング剤、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート等のアルミニウム系カップリング剤およびアセチルアセトン・ジルコニウム錯体等のジルコニウム系カップリング剤等がある。
【0186】
ラジカル重合性樹脂接着剤に照射する光は、波長180nm〜900nmの紫外線又は可視光線が好ましい。光発生源としては、超高圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、水銀−キセノンランプ、ショートアーク灯、ヘリウム・カドミニウムレーザー、アルゴンレーザー、太陽光等がある。とりわけ、254nm、313nm、365nm、405nmの波長の光が、このラジカル重合性樹脂接着剤の架橋に有効である。100mJ/cm〜10J/cmの光照射量で高度に架橋することができる。なお、光照射量は、例えば、工業用UVチェッカーUVR−T37(株式会社トプコン製)によって測定できる。
【0187】
なお、上記ラジカル重合性樹脂接着剤は、光重合開始剤を含まなくても紫外線によって硬化する。又、光以外の高エネルギー線によって架橋させても差し支えない。高エネルギー線としては、電子線、X線、α線、β線、γ線のような電磁放射線等がある。
【0188】
また、カチオン硬化タイプの紫外線硬化型エポキシ樹脂接着剤は、主たる硬化剤として紫外線等の光照射による光分解でルイス酸触媒を放出するルイス酸塩型硬化剤を含み、光照射により発生されたルイス酸が触媒となって主成分であるエポキシ樹脂がエポキシ、ビニルエーテル等の樹脂を用いたカチオン重合型の反応機構により重合し、硬化するタイプの接着剤である。この主成分であるエポキシ樹脂としては、エポキシ化オレフィン樹脂、脂環式エポキシ樹脂、ノボラックエポキシ樹脂等が挙げられる。また、上記硬化剤としては、芳香族ジアゾニウムのルイス酸塩、ジアリルヨードニウムのルイス酸塩、トリアリルスルホニウムのルイス酸塩、トリアリルセレニウムのルイス酸塩等が挙げられる。これらのうちでは、ジアリルヨードニウムのルイス酸塩が好ましい。
【0189】
樹脂接着剤14として、熱可塑性エラストマーを使うことも可能である。その例としては、スチレン−ブタジエンブロックコポリマーをはじめ、スチレン−ブタジエン−スチレン、スチレン−イソプレン−スチレン、スチレン−ブタジエン−エチレン−スチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンなどが挙げられる。
【0190】
熱可塑性エラストマーのソフトセグメント成分としては、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−3−エチル−1,3−ブタジエン、3−メチル−1,3−ペンタジエン、2−エチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、2−メチル−1,3−ヘキサジエン、1,3−ヘプタジエン、3−メチル−1,3−ヘプタジエン、1,3−オクタジエン、3,4−ジメチル−1,3−ヘキサジエンなどを挙げることが出来るが、特に1,3−ブタジエン、イソプレンなどが好適である。また、これらの共役ジエンと共重合可能なビニル単量体としてはエチレンなどを挙げることが出来る。これらの単量体は、上記共役ジエンの重合速度を低下させない範囲で共重合することができる。実用的見地からは、これらのビニル単量体の量は、共役ジエンの重量の1/10以下であることが好ましい。
【0191】
熱可塑性エラストマーのハードセグメント成分としては、スチレンのほかo−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、エチルスチレン、p−tert−ブチルスチレンなどの核アルキル置換スチレン、モノクロルスチレン、ジクロルスチレン、ジブロムスチレン、トリブロムスチレンなどの核ハロゲン置換スチレン、α−メチルスチレン、α−メチル−p−メチルスチレンなどのα−アルキル置換スチレンなどを指すが、代表的なものとしては、スチレン単独あるいはその一部をスチレン以外の上記ビニル芳香族単量体で置き換えた単量体混合物がある。ここで言う上記不飽和ニトリル単量体とは、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどであるが、代表的なものはアクリロニトリルである。
上記ソフトセグメント成分とハードセグメント成分の重量比に特に制約はなく、目的に応じ調整される。
【0192】
また、熱可塑性エラストマーの分子量に特に制約は無く、常用の1,000〜500,000であれば良い。好ましい分子量の範囲は5,000〜100,000である。
【0193】
樹脂接着剤14には、必要に応じて、乾燥剤(吸湿剤)の他に、分散剤、チクソトロピー性付与剤、消泡剤、レベリング剤、希釈剤、可塑化剤、酸化防止剤、金属不活性化剤、カップリング剤や充填剤などの添加剤を配合してもよい。特に、乾燥剤は、実装体に用いられるガラスにもともと吸着している微量の水分や樹脂中に含まれる水分を捕獲吸収して有機EL素子の寿命をさらに向上させるのに有効である。このような乾燥剤の例として、例えば、酸化カルシウム(CaO)、酸化バリウム(BaO)、酸化マグネシウム(MgO)等のアルカリ土類金属酸化物; 硫酸リチウム(LiSO)、硫酸ナトリウム(NaSO)、硫酸カルシウム(CaSO)、硫酸マグネシウム(MgSO)、硫酸コバルト(CoSO)、硫酸ガリウム(Ga(SO)、硫酸チタン(Ti(SO)、硫酸ニッケル(NiSO)等の硫酸塩が挙げられる。乾燥剤の含有量は、その種類等に応じて適宜設定すれば良いが、通常、樹脂接着剤の樹脂成分100重量部に対して乾燥剤1重量部以上80重量部以下程度とすれば良い。好ましくは乾燥剤5重量部以上70重量部以下程度、最も好ましくは乾燥剤10重量部以上50重量部以下程度とすれば良い。
【0194】
また、樹脂接着剤14の接着力を向上させるために粘着付与剤を加えてもよく、例えば、ジシクロペンタジェン樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、キシレン樹脂、テルペン−フェノール樹脂、アルキルフェノール樹脂、クマロン−インデン樹脂等が使用でき、これらを必要に応じて単独あるいは2種以上併用して用いる。また、エポキシシラン、アミノシラン、アクリルシランなどの汎用のシランカップリング剤を使用すると、ガラスとの密着性を向上させることができる。
【0195】
また、粘着性調整剤として、例えば、ジオクチルフタレートをはじめとする各種可塑剤類等を使用してもよい。
【0196】
上記のような樹脂接着剤は、通常、汎用の溶剤に溶解させて成形に用いるが、無溶剤のまま使用することもできる。金属分散剤などと共に攪拌・混合して使用してもよい。成形する際に使用する溶剤として、例えば、アセトン、ジエチルケトン、メチルアミルケトン、シクロヘキ サノン等のケトン系溶剤、トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤、メチルセロソルブ、メチルセロソルブアセタート、エチルセロソルブアセタート等のセロソルブ系溶剤、乳酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソアミル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル等のエステル系溶剤、メタノール、エタノール、プロパノール、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールプロピルエーテル等のアルコール系溶剤などが挙げられ、必要に応じて単独又は2種類以上組み合わせて用いることができる。
【0197】
樹脂接着剤14を支持する基材16の材質としては、例えば、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂などの熱可塑性ポリエステル樹脂、酢酸セルロース樹脂、フッ素樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリウレタン樹脂、フタル酸ジアリル樹脂などの熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂からなるフィルムを挙げることができる。
【0198】
基材16は、厚みが10μm以上1mm以下のものが適正である。10μm未満又は1mm以上では、取り扱いが難しくなる。20μm以上500μm以下が更に好ましく、30μm以上200μm以下が最も好ましい。
【0199】
基材16は、少なくとも樹脂接着剤14を支持する面が離型性を有していればよく、基材表面をシリコーンのような剥離剤で離型処理をしたものや、ポリエチレン、ポリプロピレン、PET等のような離型性を有する材料で基材自体を形成した剥離シートが利用可能である。離型性の基材16上に配置された条部材13及び樹脂接着剤14を、別の離型性を有する基材で被覆することによって、樹脂接着剤が保護される。基材16の両面が離型性を有すると、樹脂接着剤14及び条部材13が基材16上に支持されたシート状封止材をロール上に巻き取って保存することができる。これらの場合、2つの離型性面の離型性の程度に差があることが必要である。つまり、樹脂接着剤フィルムが形成される基材面の表面張力が、背面または他方の基材の表面の表面張力よりも大きくなければならない。離型処理の程度は、濡れ指数液(和光純薬(株)製)を用いて簡易的に測定することができ、濡れ指数で5dyn/cm以上の差があることが望ましい。この差が5dyn/cm未満では、ロール状に巻き取ったシート状封止材を使用時に引き出すと樹脂接着剤が基材の背面に転写することがある。
【0200】
[シート状封止材の第2の実施形態]
この実施形態のシート状封止材では、条部材13は、図28(a)に示すように、表面に離型処理を施した基材16によって支持されるフィルム状の樹脂接着剤14の上に載設される。このシート状封止材の利点は、製造が容易であることであり、樹脂接着剤14として軟らかい樹脂を用いれば、基板に貼着する際にシート状封止材を基板に対して軽く押圧することにより、条部材13が樹脂接着剤14のフィルムに埋め込まれる。
【0201】
このようなシート状封止材は、離型処理を施した基材16上に、ロールコート法、印刷法、スピンコート法等の薄膜形成技術を用いて樹脂接着剤14のフィルムを形成し、その上に条部材13を配置することによって製造される。条部材13をフィルム上に配置する際に織機等を用いると、複数の条部材を平行に並べて同時に送り出すことができる。離型処理した別の基材を介して、あるいは、ロールラミネータ等を用いて、条部材をフィルムに押圧することによって条部材はフィルム上に固着する。
【0202】
[シート状封止材の第3の実施形態]
この実施形態のシート状封止材では、表面に離型処理を施した基材16によって支持されるフィルム状の樹脂接着剤14は、図28(b),(c),(d)に示すように、条部材13に対応した形状つまり同じ幅のスリットを有し、条部材13はスリット内に内接配置されて基材16上に直接支持される。このシート状封止材の利点は、スリットがフィルムを貫通することにより、封止材を被着体(基板)に貼着した時に条部材13と被着体との間に樹脂接着剤14が存在しないため、金属層2と被着体とが確実に当接し金属層2が被着体に密着する確度が高いことである。
【0203】
このようなシート状封止材は、ロールコート法、印刷法、スピンコート法等の薄膜形成技術及びマスク等の成形器材を用いて、スリットを有する樹脂接着剤14の層を、離型処理した基材16上に形成し、スリット内に条部材13を配置することによって製造される。条部材13をスリット内に配置する際に、織機等を用いると複数の条部材13を平行に並べて同時に送り出すことが容易である。スリットから外れている条部材がある場合には、離型処理した別の基材を介して、あるいは、ロールラミネータ等を用いて、条部材を押圧しスリット内に適正に納めることができる。
【0204】
[シート状封止材の変形例]
シート状封止材において、条部材13は、図26(f)のように直線上に配置されるものに限定されず、基板の封止形態に応じて条部材13の配置形状を適宜変えることができる。例えば、離型処理した基材16上に、円環、楕円環、多角環等のような幾何学的に閉じた形状の樹脂接着剤14のフィルムを設け、これに対応した環状に条部材13を配置して、条部材13を図26のようにフィルム内に埋設したり、図28(a)のようにフィルム上に載置することができる(図32参照)。また、大きさが異なる同心環状のスリットを有する樹脂接着剤フィルムを形成して、対応する同心環状の条部材をスリットに配置すると、図28(b)〜(d)のように条部材及び樹脂接着剤フィルムが交互に並ぶように構成される。封止は、幾何学的に閉じた形状で行われるので、末端を有する条部材を用いて封止する際には条部材のつなぎ目の遮蔽性が問題になる。従って、封止形状に合わせて、条部材13を幾何学的に閉じた形状に予め成形すると、条部材のつなぎ目における透湿の問題を無くすことができ、有利である。環状の条部材は、芯材1を環状に成形して同様に金属層2を形成することにより製造できる。
【0205】
[シート状封止材の製造方法]
上述の第1〜3の実施形態を例としてシート状封止材の製造方法を説明する。
【0206】
まず、図2(a)に示すような線径1μm以上5mm以下の条状の芯材1の表面を、プラスチック製の場合にはコロナ処理、プラズマ処理、易接着コート(プライマー)処理などの表面処理を施し、電解めっき、無電解めっき、融着めっき法等を利用して、芯材1の外周に低融点金属で厚さ1μm〜5mmの金属層2を形成して条部材13を得る。めっき方法では、例えば、芯材にシーダ処理を施し、無電解銅又は無電解ニッケルめっきを施した後に、低融点金属の電解めっきを行うことによりに良好に金属の被覆ができる。融着法では、融解した低融点金属を直接条部材上に融着する。
【0207】
次に、ロールコート法、印刷法あるいはスピンコート法などの被膜形成技術を用いて、離型性を有する基材もしくは離型処理した基材16上に、図29(a)に示すように、樹脂接着剤のフィルムを形成する。あるいは、マスクなどを介して樹脂接着剤14をコーティングすることにより、図29(b)に示すように、所定のスリットを有する形状に樹脂接着剤14のフィルムを形成して基材表面が曝される部分を残す。樹脂接着剤の粘度は、樹脂接着剤フィルムの所望の厚さに応じて適宜調節され、樹脂接着剤が溶媒を含む組成物の場合は溶媒の添加量によって、樹脂接着剤が無溶媒系の場合は希釈モノマーの使用量などによって調節できる。
【0208】
最後に、図28(a)に示すように作製した樹脂接着剤フィルム上に条部材13を配置する。あるいは、図28(b)〜(d)に示すように条部材13を樹脂接着剤フィルムのスリット内に配置する。この際、条部材を一本づつ順次配置しても、織機等を用いて複数の条部材を平行に並べて同時に配置してもよい。配置された条部材13は、別の離型処理基材を介して、或いは、ロールラミネータ等により直接、樹脂接着剤に圧着することによりフィルム上又はスリット内に固定される。フィルム上の条部材13への圧力を増すことによって、条部材13は、図26(a)〜(c),(e)のようにフィルム中に埋設される。条部材13を樹脂接着剤内に埋設した後に更に樹脂接着剤フィルムを積層すれば図26(d)のシート条封止材が得られる。条部材13の位置は、上下2層に分けて成膜した樹脂接着剤フィルムを用いれば正確に制御できる。
【0209】
複数の条部材を平行に配置したシート状封止材は、条部材13の軸方向に沿って適宜裁断することにより、図27(a)〜(c)に示すように、必要数の条部材13を含んだ封止材が作成される。
【0210】
[実装体の製造]
シート状封止材を用いて、機能素子を基板間に封止した実装体を製造するプロセスを図30(a)〜(e)を参照して以下に説明する。ここでは、上述の第1の実施形態に係るシート状封止材を用い、図1に要部断面図として示されるEL表示装置を製造する例を示すが、本発明はこれに限られるものではない。
【0211】
基板5及び対向基板(表示素子保護基板)6は、有機EL素子の発光層からの発光に対して高い透過性を与える電気絶縁性物質からなっているもの(「透光性基板」と称する)又は電気絶縁性の非透光性基板を用いる。トップエミッション方式では、対向基板6に透光性基板を用い、基板5は透光性基板及び不透光性基板のいずれでもよい。ボトムエミッション方式では、基板5に透光性基板を用い、対向基板5には透光性基板及び不透光性基板のいずれでもよい。透光性材料には、透明又は半透明なガラス、PET、ポリカーボネート、非晶型ポリオレフィンなどが挙げられる。不透光性材料にはステンレス鋼などがある。基板5及び対向基板6は、これらの材料を薄膜に成形した可撓性を有するでもよい。但し、封止材を用いて封着する際に係る圧力や熱に対して耐圧性、耐熱性を有する必要がある。
【0212】
まず、図30(a)に示すように、基板5の片面上にAl−Li合金等からなる下部電極(陰極)7が形成され、この上に、図30(b)のように、オキサジアゾール誘導体やトリアゾール誘導体等からなる電子輸送層8、発光層9、TPD等からなる正孔輸送層10及び上部電極(陽極)11を抵抗加熱蒸着法やイオンビームスパッタ法等の薄膜形成方法により積層して有機EL素子12が構成される。これを表示素子基板と称する。更に、下部電極7上の表示素子が搭載されていないエリアの封止材で封着する位置に絶縁膜15が形成される。絶縁膜15は、窒化ケイ素(SiN)、酸化ケイ素(SiO)又はSiNOなどを蒸着やスパッタなどの方法により形成する。この絶縁膜15は、金属層を有し導電性である本発明の封止材によって下部電極7がショートするのを防止するために設けられ、電極の腐食防止等の効果も有する。絶縁膜15の厚さは、10nm〜100μmの範囲で形成すればよく、100nm〜10μmが最も適している。有機EL素子12の層構造は上記のものに限定されず、表示素子として機能するものであればよく、前述の実装体の第1の実施形態において記載した(1)〜(4)の層構造が挙げられる。
【0213】
尚、図30はトップエミッション方式の実装を示し、上部電極11は透明電極であるが、ボトムエミッション方式の場合は、有機EL素子12の積層順序が逆になり、下部電極7が透明電極となる。同様に、素子を構成する各層の材料も特に限定されるものではなく、表示素子が得られさえすれば種々の材料を使用することができる。
【0214】
次に、図30(c)に示すように、対向基板(保護基板)6を基板5と向かい合わせた時に有機EL素子12を囲むように、対向基板5の絶縁膜15と対応する位置にシート状封止材Sを貼り付けて基材16を剥離除去する。樹脂接着剤14の貼着に必要ならば、シート状封止材を加温又は加圧する。
【0215】
更に、図30(d)に示すように、対向基板(保護基板)6を基板5と向かい合わせて、露出した樹脂接着剤14を絶縁膜15に貼着する。この作業を乾燥窒素で置換したグローブボックス中で行うと、空気中の水分や酸素を2枚の基板間に閉じ込めることがないため、有機EL素子12の寿命の点から好ましい。
【0216】
図30(d)の樹脂接着剤14の軟化に必要ならば加熱し、図30(e)に示すように、対向基板6を基板5に抗して相対的に加圧して金属層2を基板5の絶縁膜15及び対向基板6に接触させ、芯材1を弾性圧縮させる。加圧圧力は10kPa〜50MPaが好適である。この状態で、樹脂接着剤14を流動状態から硬化させて接合を形成する。樹脂接着剤の硬化は、熱硬化性樹脂を用いた場合や架橋剤による硬化の場合は加熱、放射線硬化樹脂の場合は放射線照射が適用される。この結果、芯材1のスペーサとしての機能により基板5と対向基板6との間に保持される空間に有機EL素子12が封止されたEL表示装置としての実装体が得られる。この状態において、弾性圧縮状態の芯材1が元の形状に戻ろうとする力が働き、そのスプリング効果によって、金属層2が基板及び対向基板に押圧され密着する。又、樹脂接着剤の硬化収縮によってもスプリング効果が生じる。
【0217】
樹脂接着剤14の硬化によって接合が形成される前に、金属層2が熱により軟化又は溶融すると、金属層2の界面が被着体(基板)表面の微細な凹凸にも適合し、透湿防止性が高まる。
【0218】
シート状封止材は、図30(c)のように対向基板6に貼着する代わりに、前述の実施形態と同様に基板5の絶縁膜15に封止材を貼着して図30(d)のように組み立ててもよい。
【0219】
図30(b)のように基板5上にフィルム状封止材を貼り付けるときの代表的な封止材の配置形状を図31(a)〜(d)に示す。図31(a)は、4片のシート状封止材Sa〜dを四角形の有機EL素子12の各辺に沿って基板周縁部に配置する配置形状の平面図で、封止材は4点で交差する。図31(b)は、1片のシート状封止材Sが四角形の有機EL素子12の4辺に沿って基板周縁部1周する配置形状を示し、封止材は1点のみで交差する。図31(c)では、1片のシート状封止材Sが四角形の有機EL素子12の4辺に沿って基板周縁部を1周し、封止材は交差することなく両末端が重なる。図31(d)は、4片のシート状封止材Sa〜dを四角形の有機EL素子12の各辺に沿って基板周縁部に配置するが、2片Sb,dの両末端は他の2片Sa,cにT字状に当接し、交わらない。
【0220】
シート状封止材は、素子を外気から完全に遮断するように配置されればよいので、配置形状は上記の例に限られない。又、基板上に形成された表示素子を封止材で囲んで封止可能なものであれば、基板の形状はどの様な形状でもよい。
【0221】
図32は、封止材の封止確度を高めるために、幾何学的に閉じた形状にシート状封止材を成形した例を示し、この例のシート状封止材S’は、四角形の素子を囲むように四角環状に成形される。
【0222】
図33は、図30(a)〜(e)において有機EL素子の代わりに無機EL素子20を形成し、EL表示装置を製造する例を示す。図33(a)において図30(a)と同様に下部電極7を設けた基板5は、図33(b)において、絶縁膜21、発光層22、絶縁膜23及び電極(Al)24を積層して無機EL素子20を設け、封止する部分に絶縁膜15を設ける。シート状封止材で封止する図33(c)〜(e)の工程は、図30(c)〜(e)の工程と同様であるので説明は省略する。
【0223】
図34は、図30(a)〜(e)において有機EL素子の代わりに太陽電池素子30を形成した封止体を製造する例を示す。図34(a)において図30(a)と同様に下部電極7を設けた基板5は、図34(b)において、太陽電池素子30及び電荷輸送層31を積層し、封止する部分に絶縁膜15を設ける。シート状封止材で封止する図34(c)〜(e)の工程は、図30(c)〜(e)の工程と同様である。
【0224】
【実施例】
以下、実施例を参照して、本発明を説明する。但し、本実施例は、発明を限定するものではない。
【0225】
先ず、以下に示す記載に従って実装体を作製し、下記の評価方法によって、得られた実装体を評価した。評価結果を表1〜22に示す。尚、実装体の作製に用いた材料の物性は下記の測定方法に従って得た。
【0226】
[測定方法及び評価方法]
(1)プラスチックワイヤの圧縮弾性率
プラスチックワイヤの圧縮弾性率は、JIS K−7161に基づき、各プラスチックワイヤを融点以上で加熱・加圧してフィルム化し、ダンベルで所定形状に打ち抜いた後、(株)オリエンテック製、テンシロン/UTM−4−100を使って測定した。
【0227】
(2)プラスチックワイヤ、金属ワイヤ及び金属管ワイヤの平均線径、金属管ワイヤの肉厚
注形用エポキシ樹脂(エピコート828/トリエチレンテトラミン=10/1)中に金属被覆プラスチックワイヤ、金属ワイヤなどの芯材を投入して硬化させた後、ワイヤの部分が露出するまで注形樹脂の表面を研磨し、走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製、S−4700)で観察した。画像処理によって線径を算出し、各サンプルについて10点の値をとってその平均値を平均線径とした。
【0228】
(3)金属の融点
ホットプレート上にサンプルを乗せ、5℃/分の昇温速度で加熱しながら、光学顕微鏡(オリンパス社製、BH−2)により倍率100倍で観察した。固体金属が100%液状化したときの温度を融点とした。
【0229】
(4)金属層の厚さ
平均線径の測定と同様に、注形用エポキシ樹脂中に金属被覆した芯材を投入して硬化させた後、芯材部分が露出するまで注形樹脂の表面を研磨し、走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製、S−4700)で観察した。画像処理によって金属層の厚さを算出し、10点の値をとってその平均値を計算した。芯材が金属ワイヤの場合も同様にして、硬化樹脂中の芯材の断面を走査型電子顕微鏡で観察することにより測定した。その際、最外層の低融点金属層の厚さを金属層の厚さとした。
【0230】
(5)プラスチックワイヤ、金属ワイヤ、金属管の被覆率
平均線径の測定と同様に、注形用エポキシ樹脂中に金属被覆芯材を投入して硬化させた後、芯材部分が露出するまで注形樹脂の表面を研磨し、走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製、S−4700)で観察した。画像処理により、金属によるワイヤの被覆率を算出し、10点の値の平均値をとった。
【0231】
(6)樹脂組成物の軟化温度
JIS K−7206に基づいて樹脂組成物のビカット軟化温度を測定した。
【0232】
(7)MI
JIS K−7210に基づいて、手動切り取り法により、測定温度125℃、試験荷重3.2Nで樹脂組成物のMIを測定した。
【0233】
(8)樹脂組成物の硬化温度
示差熱走査熱量計(パーキン・エルマー社製、DSC−2)を使って、5℃/分の昇温速度で熱量測定を行い、発熱ピーク時の温度を硬化温度とした。
【0234】
(9)樹脂組成物の塗布厚
(株)ピーコック社製の厚みゲージ(PDS−2)を使い、5点の値の平均値をとった。
【0235】
(10)透湿度
JIS K−7129(感湿センサ法)に準拠して、0.7mm厚のソーダガラス2枚の間を封止材で封止し、サンプルの封止材内外に湿度差を設け、室温における封止材内外の水蒸気量の変化を感湿センサで測定した。24hの間に高湿側から低湿側に移動した水蒸気の量を定量することによって透湿度を算出した。
【0236】
(11)接着力
各実施例及び比較例の条件に従って、0.7mm厚のソーダガラス2枚の間を封止材で封止し、レオメータ(不動工業(株)製、NRM−3002D−H)を使って、剥離速度50mm/分におけるせん断の接着強度を測定した。
【0237】
(12)ダークスポット面積比
CCDカメラを備えた光学顕微鏡(オリンパス社製、BH−2)で、倍率800倍で有機EL素子発光面を観察した。得られた画像を画像処理により二値化することによってダークスポット面積比を測定した。
【0238】
(実験A1) まず、表1に示す条件でサンプルを作成した。すなわち、ポリスチレンペレットSD120(旭化成工業(株)製、弾性率1.8GPa)を融点以上に加熱溶融した後、徐冷してゲル状の球晶を得た。この集積物を圧縮成形して得られた厚さ5mmのシートを直径1mmのダイを通して超延伸し、平均線径1mm、長さ0.1mのポリスチレン製のプラスチックワイヤを得た。得られたポリスチレンワイヤ上に、塩化パラジウムによるシーダ処理を施した後、無電解ニッケルめっき液中でニッケル層を0.2μm析出させた。その後、常法により、In/Cd=74/26の共晶はんだのめっき浴中で、はんだ被覆層の厚さが100μmになるまで電解めっきを施した。このようにして得られたはんだ被覆ポリスチレンワイヤを、25mm×100mmのソーダガラスの周辺に配置し、80℃に加熱溶融したエポキシ樹脂組成物((株)アルファ技研製、アルテコ3500、変性エポキシ樹脂/変性ポリアミン=100/50)を、ディスペンサーにて樹脂厚の対ワイヤ径比が100%(=1.0mm)になるようにはんだ被覆ポリスチレンワイヤの両側に塗布した。樹脂の軟化温度(80℃)、1Mpaで10分間加熱加圧した後、もう1枚のガラスを向かい合わせにして貼り合わせ、120℃、3Mpaで10分間加熱加圧して樹脂を硬化し、接着力測定用のサンプルとした。一方、100mm×100mmのソーダガラス上の4辺にはんだ被覆ポリスチレンワイヤを配置し、樹脂層及びはんだ被覆ポリスチレンワイヤの幅の合計が2mmになるようにはんだ被覆ポリスチレンワイヤの両側に樹脂厚が1.0mmの該エポキシ樹脂組成物を塗布した。その後、樹脂の軟化温度(80℃)、1Mpaで10分間加熱加圧した後、もう1枚のソーダガラスを貼り合わせ、120℃、3Mpaで10分間加熱加圧して樹脂を硬化し、透湿度測定用のサンプルとした。そして、表1に示す条件のもと、評価試験を行い、表1に示す結果を得た。
【0239】
(実験a1) 表4に示す条件でサンプルを作成した。すなわち、実験A1で使用したポリスチレンワイヤの線径を7mmのものを使用した以外は、すべて実験A1と同様にして接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表4に示す条件のもと、評価試験を行い、表4に示す結果を得た。この実験a1を実験例A1と対比すると、実験a1では透湿度が高くなり、プラスチックワイヤの線径は1.0mmの方が7.0mmより適していることが分かる。
【0240】
(実験A2) 表1に示す条件でサンプルを作成した。つまり、実験A1で使用したポリスチレンペレットの代わりに、ポリエチレン(製鉄化学(株)製、フロービーズCL12007、平均粒径1.0mm)を使い、実験A1と同様に、超延伸法により、平均線径2.0mm、長さ0.1mのポリエチレン製のプラスチックワイヤを得た。得られたワイヤ上に、塩化パラジウムによるシーダ処理を施した後、無電解ニッケルめっき液中で、ニッケル層を0.2μm析出させた。その後、常法により、Pb/Sn=5/95(融点183℃)の共晶はんだのめっき浴中で、はんだ被覆ワイヤの直径が3.0mmになるまで電解めっきを施した。樹脂として70℃に加熱溶融したアクリル樹脂(日立化成工業(株)製、防湿絶縁材料TF−3348−15F2G)を用い、ソーダガラス上に配置する樹脂厚の対ワイヤ径比を125%(=2.5mm)とし、樹脂の硬化は実験A1の硬化温度での加熱に代えて1.0J/cmのUV照射によって行い、それ以外は実験A1と同様にして、接着力測定用のサンプル及び透湿度測定用のサンプルを作製した。そして、表1に示す条件のもと、評価試験を行い、表1に示す結果を得た。
【0241】
(実験a2) 表4に示す条件でサンプルを作成した。すなわち、実験A2で使用したポリエチレンワイヤに代えて、圧縮弾性率が0.1GPaで線径が1.0mmのポリエチレンワイヤを使用し 樹脂塗布厚の対ワイヤ径比を100%とした以外はすべて実験A2と同様にして接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表4に示す条件のもと、評価試験を行い、表4に示す結果を得た。この実験a2を実験A2と対比すると、実験a2では透湿度が高くなり、芯材の圧縮弾性率は0.5GPaの方が0.10Gpaより適していることが分かる。
【0242】
(実験A3) 表1に示す条件でサンプルを作成した。つまり、実験A1で使用したポリスチレンペレットの代わりに、PMMAペレット(三菱レーヨン(株)製、アクリルペレットIRD−50、平均粒径5.0mm)を用いて平均線径5.0mm、長さ0.1mのPMMA製のプラスチックワイヤを作製し、被覆金属としてIn/Cdの代わりに共晶はんだTI/Na=93.7/6.3(融点238℃)を用い、共晶はんだを金属の融着によりワイヤ上に被覆し、ダイヤモンドダイスによりはんだ被覆厚が3.0mmになるように調節した。更に、樹脂組成物としてエポキシ樹脂に代えてフェノール樹脂(住友ベークライト(株)製フェノール樹脂PM−8200)を使用し、ソーダガラス上に配置する樹脂厚の対ワイヤ径比は150%(=7.5mm)として、実験A1と同様に、軟化温度及び120℃での加熱加圧を経て、実験A1と同様にして接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして表1に示す条件のもと、評価試験を行い、表1に示す結果を得た。
【0243】
(実験a3) 表4に示す条件でサンプルを作成した。すなわち、実験A3で使用した被覆金属をPb100%のものに代えたこと以外はすべて実験A3と同様にして接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表4に示す条件のもと、評価試験を行い、表4に示す結果を得た。この実験a3を実験A3と対比すると、実験a3では透湿度が高くなり、被覆金属の組成は、TI/NA=93.7/6.3 の方が鉛(Pb)100%よりも適していることが分かる。
【0244】
(実験A4) 表1に示す条件でサンプルを作成した。つまり、実験A1で使用したポリスチレンペレットの代わりに66ナイロンのペレット(東レ(株)製、アラミンCM3007、平均粒径0.5mm)を用いて平均線径0.5mmのワイヤを作製し、被覆金属としてIn/Cdの代わりに共晶はんだSn35/In45/BiO(融点98℃)を用いて、金属の融着により共晶はんだをワイヤ上に被覆し、ダイヤモンドダイスによりはんだ被覆厚が1.0mmになるように調節した。更に、樹脂組成物としてエポキシ樹脂に代えてメラミン樹脂(日立化成工業(株)製メラン523)を使用し、ソーダガラス上に配置する樹脂厚の対ワイヤ径比は100%(=0.5mm)として、実験A1と同様に、軟化温度及び120℃での加熱加圧を経て接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表1に示す条件のもと、評価試験を行い、表1に示す結果を得た。
【0245】
(実験a4) 表4に示す条件でサンプルを作成した。すなわち、実験A4で使用した金属の厚さを7mmとした以外は、すべて実験A4と同様にして接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表4に示す条件のもと、評価試験を行い、表4に示す結果を得た。この実験a4を実験A4と対比すると、実験a4では接着力が低くなり、金属の厚さは1.0mmの方が7.0mmよりも適していることが分かる。
【0246】
(実験A5) 表1に示す条件でサンプルを作成した。つまり、実験A1で使用したポリスチレンペレットの代わりにポリエステルのペレット(東レ(株)製、シベラスL204G35、平均粒径0.3mm)を用いて線径10mmのワイヤを作製し、In/Cdの代わりに共晶はんだSn/In=48/52(融点117℃)を0.05mm厚に被覆した。樹脂組成物としてエポキシ樹脂に代えてキシレン/アクリル樹脂=80/20(キシレン樹脂:三菱瓦斯化学(株)製、ニカノールHP−100、アクリル樹脂:帝国化学産業(株)製、HTR−860P−3)を使用し、ソーダガラス上に配置する樹脂厚の対ワイヤ径比は80%(=8mm)になるようにして、実験A1と同様に、軟化温度及び120℃での加熱加圧を経て、実験A1と同様にして接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表1に示す条件のもと、評価試験を行い、表1に示す結果を得た。
【0247】
(実験a5) 表4に示す条件でサンプルを作成した。すなわち、実験A5で使用した低融点金属によるプラスチックワイヤの被覆率を40%とした以外は、すべて実験A5と同様にして接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして表4に示す条件のもと、評価試験を行い、表4に示す結果を得た。この実験a5を実験A5と対比すると、実験a5では透湿度が高くなり、金属によるプラスチックワイヤの被覆率は99%の方が40%よりも適していることが分かる。
【0248】
(実験A6) 表1に示す条件でサンプルを作成した。つまり、実験A1で使用したポリスチレンペレットの代わりにポリプロピレンのペレット(住友化学(株)製、ノーブレンH501、平均粒径0.03mm)を用いて線径0.5mmのワイヤを作製し、In/Cdの代わりに共晶はんだBi/Cd=60/40(融点144℃)を被覆し、更に樹脂組成物として、エポキシ樹脂に代えてポリエステル樹脂/架橋剤=100/2(ポリエステル樹脂:東洋紡(株)製、バイロンVG700、架橋剤:日本ポリウレタン(株)製、コロネートL))を使用して、ソーダガラス上に配置する樹脂厚の対ワイヤ径比は100%(=0.5mm)になるようにして、実験A1と同様に、軟化温度及び120℃での加熱加圧を経て、接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表1に示す条件のもと、評価試験を行い、表1に示す結果を得た。
【0249】
(実験a6) 表4に示す条件でサンプルを作成した。すなわち、実験A6で使用したプラスチックワイヤの線径を0.03mmとした以外は、すべて実験A6と同様にして接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして図15に示す条件のもと、特性試験を行い、図15に示す結果を得た。この実験a6を実験A6と対比すると、実験a6では透湿度が高くなり、プラスチックワイヤの線径としては0.5mmの方が0.03mmよりも適していることが分かる。
【0250】
(実験A7) 表1に示す条件でサンプルを作成した。つまり、実験A1で使用したポリスチレンペレットの代わりにポリ塩化ビニルのペレット(東ソー(株)製、リューロンペースト772、平均粒径0.05mm)を用いて線径1mmのワイヤを作製し、In/Cdの代わりに共晶はんだPb/Sn=5/95(融点183℃)を被覆し、更に樹脂組成物としてエポキシ樹脂に代えてアクリル樹脂(日立化成工業(株)製、防湿絶縁材料TF−3348−15F2)を使用し、ソーダガラス上に配置する樹脂厚の対ワイヤ径比は100%(=1.0mm)として、樹脂の硬化は実験A1の加熱に代えて2.4J/cmのUV照射によって行い、それ以外は実験A1と同様に接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表1に示す条件のもと、評価試験を行い、表1に示す結果を得た。
【0251】
(実験a7) 表4に示す条件でサンプルを作成した。すなわち、実験A7で使用した基板に樹脂を塗布する樹脂厚の対ワイヤ径比を500%(=5.0mm)とした以外はすべて実験A7と同様にして接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして表4に示す条件のもと、評価試験を行い、表4に示す結果を得た。この実験a7を実験A7と対比すると、実験a7では透湿度が高くなり、基板に樹脂を塗布する厚みは、1.0mmの方が5.0mmよりも適していることが分かる。
【0252】
(実験A8) 表1に示す条件でサンプルを作成した。つまり、実験A1で使用したポリスチレンペレットの代わりに6ナイロンのペレット(東レ(株)製、アラミンCM1007、平均粒径0.5mm)を用いて線径0.2mmのワイヤを作製し、In/Cdの代わりに共晶はんだIn/Zn=97.2/2.8(融点144℃)を被覆した。ソーダガラス上に配置する樹脂厚の対ワイヤ径比は100%(=200μm)として、それ以外は実験A1と同様にして、軟化温度及び120℃での加熱加圧を経て、接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表1に示す条件のもと、評価試験を行い、表1に示す結果を得た。
【0253】
(実験a8) 表4に示す条件でサンプルを作成した。すなわち、実験A8で使用した樹脂組成物を硬化する温度を215℃とした以外はすべて実験A8と同様にして接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして表4に示す条件のもと、評価試験を行い、表4に示す結果を得た。この実験a8を実験A8と対比すると、実験a8ではEL素子が黒色に変色してしまうという異常が見られ、EL素子が酸化、腐食化してしまったことが分かった。従って、樹脂組成物の硬化温度は、120℃の方が215℃より適していることが分かる。
【0254】
(実験A9) 表1に示す条件でサンプルを作成した。つまり、実験A1で使用したポリスチレンペレットの代わりに6ナイロンのペレット(東レ(株)製、アラミンCM1007、平均粒径0.5mm)を用いて線径0.2mmのワイヤを作製し、In/Cdの代わりに共晶はんだSn/In=48/62(融点117℃)を被覆して条部材を得た。ソーダガラス上に実験A1と同様のエポキシ樹脂を0.2mmの樹脂厚で塗布した後に、樹脂の上に条部材を載せ、それ以外は実験A1と同様にして、軟化温度及び120℃での加熱加圧を経て、接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表1に示す条件のもと、評価試験を行い、表1に示す結果を得た。
【0255】
(実験B1) 表2に示す条件でサンプルを作成した。つまり、金属銅のインゴットを1100℃で融解し、水を貯めた回転ドラムの内側にノズルから融液を噴出させた。固化した銅繊維を遠心力によってドラムの内側に巻いて、線径1.5mm、長さ1mの銅ワイヤを作製した。得られた銅ワイヤ上に、常法により、In/Cd=74/26の共晶はんだのめっき浴中で、はんだ被覆ワイヤの直径が1.2mmになるまで電解めっきを施した。このようにして得られたはんだ被覆銅ワイヤを25mm×100mmのソーダガラスの周部に配置し、80℃に加熱溶融したエポキシ樹脂組成物((株)アルファ技研製、アルテコ3500、変性エポキシ樹脂/変性ポリアミン=100/50)を、はんだ被覆銅ワイヤの両側の基板上に樹脂厚の対ワイヤ径比が150%(=1.5mm)になるようにディスペンサーにて塗布した。樹脂の軟化温度(80℃)、1Mpaで10分間加熱加圧した後、もう1枚のガラスが向かい合わせになるようにして貼り合わせ、120℃、3Mpaで10分間加熱加圧して樹脂を硬化し、接着力測定用のサンプルとした。一方、100mm×100mmのソーダガラス上の4辺にはんだ被覆銅ワイヤを配置し、樹脂層とはんだ被覆銅ワイヤの幅の合計が2mm幅になるように該エポキシ樹脂組成物を1.0mmの樹脂厚ではんだ被覆銅ワイヤの両側に塗布した。その後、軟化温度(80℃)、1Mpaで10分間加熱加圧した後、もう1枚のソーダガラスを貼り合わせ、120℃、3Mpaで10分間加熱加圧して樹脂を硬化し、透湿度測定用のサンプルとした。そして、表2に示す条件のもと、評価試験を行い、表2に示す結果を得た。
【0256】
(実験b1) 表5に示す条件でサンプルを作成した。すなわち、実験B1で使用した銅線の代わりに線径が0.01mmの銅線を使用し、樹脂厚の対ワイヤ径比を100%(=0.01mm)とした以外は、すべて実験B1と同様にして接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表5に示す条件のもと、評価試験を行い、表5に示す結果を得た。この実験b1を実験B1と対比すると、実験b1では透湿度が高くなるとともに、接着力も弱くなり、金属ワイヤの線径としては、1.0mmの方が0.01mmよりも適していることが分かる。
【0257】
(実験B2) 表2に示す条件でサンプルを作成した。つまり、実験B1で使用した金属銅の代わりにステンレスを使って、実験B1と同様にして平均線径0.5mm、長さ1.0mのステンレスワイヤを得た。得られたワイヤ上に、常法により、Pb/Sn=5/95(融点183℃)の共晶はんだのめっき浴中で、はんだ被覆ワイヤの直径が1.5mmになるまで電解めっきを施した。樹脂として70℃に加熱溶融したアクリル樹脂(日立化成工業(株)製、防湿絶縁材料TF−3348−15F2G)を用い、ソーダガラス上に配置する樹脂厚の対ワイヤ径比を200%(=1mm)とし、樹脂の硬化を実験A1の加熱に代えて1.0J/cmのUV照射によって行い、それ以外は実験B1と同様にして、接着力測定用のサンプル及び透湿度測定用のサンプルを作製した。そして、表2に示す条件のもと、評価試験を行い、表2に示す結果を得た。
【0258】
(実験b2) 表5に示す条件でサンプルを作成した。すなわち、実験B2で使用した共晶はんだの組成をPb100%とした以外はすべて実験B2と同様にして、接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして表5に示す条件のもと、評価試験を行い、表5に示す結果を得た。この実験b2を実験B2と対比すると、実験b2では透湿度が高くなり、被覆金属の組成としてはPb/Sn=5/95の方がPb100%よりも適していることが分かる。
【0259】
(実験B3) 表2に示す条件でサンプルを作成した。つまり、実験B1で使用した金属銅の代わりに鉄を使って、実験B1と同様にして平均線径10mm、長さ1.0mの鉄線を得た。得られたワイヤ上に、共晶はんだBi/In=67/33(融点109℃)を用いて、被覆したワイヤの直径が16mmになるように共晶はんだを融着した。はんだ被覆鉄線を25mm×100mmのソーダガラスの周辺に配置し、70℃に加熱溶融したフェノール樹脂(住友ベークライト(株)製フェノール樹脂PM−8200)を、はんだ被覆鉄線の両側に樹脂厚の対ワイヤ径比が100%(=10mm)となるように塗布した。以下、実験B1と同様にして、樹脂の軟化温度及び120℃での加熱加圧を経て、接着力測定用のサンプル及び透湿度測定用のサンプルを作製した。そして、表2に示す条件のもと、評価試験を行い、表2に示す結果を得た。
【0260】
(実験b3) 表5に示す条件でサンプルを作成した。すなわち、実験B3で使用した低融点金属の金属層の厚さを7.0mmとした以外はすべて実験B3と同様にして、接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作成した。そして、表5に示す条件のもと、評価試験を行い、表5に示す結果を得た。この実験b3を実験B3と対比すると、実験b3では透湿度が高くなってしまい、被覆金属層の厚さとしては3.0mmの方が7.0mmよりも適していることが分かる。
【0261】
(実験B4) 表2に示す条件でサンプルを作成した。つまり、実験B1で使用した金属銅の代わりにアルミを使い、実験B1と同様にして、平均線径1.0mm、長さ1.0mのアルミワイヤを得た。得られたワイヤ上に、共晶はんだSn35/In45/BiO(融点98℃)を用いて、被覆したワイヤの直径が3.0mmになるように共晶はんだを融着した。70℃に加熱溶融したメラミン樹脂(日立化成工業(株)製メラン523)を、ソーダガラス上に配置する樹脂厚の対ワイヤ径比を100%(=1.0mm)とし、以下、実験B1と同様にして、樹脂の軟化温度及び120℃での加熱加圧を経て、接着力測定用のサンプル及び透湿度測定用のサンプルを作製した。そして、表2に示す条件のもと、評価試験を行い、表2に示す結果を得た。
【0262】
(実験b4) 表5に示す条件でサンプルを作成した。すなわち、実験B4で使用した金属被覆したアルミワイヤの被覆率を40%とした以外はすべて実験B4と同様にして、接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表5に示す条件のもと、評価試験を行い、表5に示す結果を得た。この実験b4を実験B4と対比すると、実験b4では透湿度が高くなり、金属によるアルミワイヤ被覆率は、100%の方が40%よりも適していることが分かる。
【0263】
(実験B5) 表2に示す条件でサンプルを作成した。つまり、実験B1で使用した金属銅の代わりにニッケルを使い、実験B1と同様にして平均線径1.0mm、長さ1.0mのニッケルワイヤを得た。得られたワイヤ上に、共晶はんだSn/In=48/52(融点117℃)を被覆し、更に樹脂組成物として、キシレン/アクリル樹脂=80/20(キシレン樹脂:三菱瓦斯化学(株)製、ニカノールHP−100、アクリル樹脂:帝国化学産業(株)製、HTR−860P−3)を使用した。ソーダガラス上に配置する樹脂厚の対ワイヤ径比は100%(=1.0mm)になるようにして、実験11と同様に、樹脂の軟化温度及び120℃での加熱加圧を経て、接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表2に示す条件のもと、評価試験を行い、表2に示す結果を得た。
【0264】
(実験b5) 表5に示す条件でサンプルを作成した。すなわち、実験B5で使用した金属ワイヤを線径10mmの鉛に代え、樹脂厚を10mmとした以外はすべて実験B5と同様にして、接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表5に示す条件のもと、評価試験を行い、表5に示す結果を得た。この実験b5を実験B5と対比すると、実験b5ではワイヤ線が断線するなどの異常が発見された。従って、金属ワイヤの種類及び線径としては、ニッケルで線径1.0mmのもの方が鉛で線径10mmのものよりも適していることが分かる。
【0265】
(実験B6) 表2に示す条件でサンプルを作成した。つまり、実験B1で使用した金属銅の代わりにステンレスを使い、実験B1と同様にして平均線径0.5mm、長さ1.0mのステンレスワイヤを得た。得られたワイヤ上に、共晶はんだBi/Cd=60/40(融点144℃)を被覆した。更に、樹脂組成物として、ポリエステル樹脂/架橋剤=100/2(ポリエステル樹脂:東洋紡(株)製、バイロンVG700、架橋剤:日本ポリウレタン(株)製、コロネートL))を使用した。ソーダガラス上に配置する樹脂厚の対ワイヤ径比は100%(=0.5mm)になるようにして、実験B1と同様に、樹脂の軟化温度及び120℃での加熱加圧を経て、接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表2に示す条件のもと、評価試験を行い、表2に示す結果を得た。
【0266】
(実験b6) 表5に示す条件でサンプルを作成した。すなわち、実験B1で使用した金属ワイヤを線径30mmの銅線、樹脂厚を30mmとした以外は、すべて実験B1と同様にして接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表5に示す条件のもと、評価試験を行い、表5に示す結果を得た。この実験b6を実験B1と対比すると、実験b6では透湿度が高くなり、金属ワイヤの線径は、線径1.0mmのものの方が線径30.0mmのものよりも適していることが分かる。
【0267】
(実験B7) 表2に示す条件でサンプルを作成した。つまり、実験B1で使用した金属銅の代わりにステンレスを使い、実験B1と同様にして平均線径0.5mm、長さ1.0mのステンレスワイヤを得た。得られたワイヤ上に、共晶はんだPb/Sn=5/95(融点183℃)を被覆し、更に樹脂組成物として、アクリル樹脂(日立化成工業(株)製、防湿絶縁材料TF−3348−15F2)を使用した。ソーダガラス上に配置する樹脂厚の対ワイヤ径比は140%(=0.7mm)とし、樹脂の硬化は実験B1の加熱に代えて2.4J/cmのUV照射により行い、それ以外は実験B1と同様にして、接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして表2に示す条件のもと、評価試験を行い、表2に示す結果を得た。
【0268】
(実験b7) 表5に示す条件でサンプルを作成した。すなわち、実験B3で使用した被覆金属層の厚さを0.0005mmとした以外はすべて実験B3と同様にして、接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして表5に示す条件のもと、評価試験を行い、表5に示す結果を得た。この実験b7を実験B3と対比すると、実験b7では透湿度が高くなり、被覆金属層の厚さは0.3mmの方が0.0005mmよりも適していることが分かる。
【0269】
(実験B8) 表2に示す条件でサンプルを作成した。つまり、実験B1で使用した金属銅の代わりにステンレスを使い、実験B1と同様にして平均線径0.5mm、長さ1.0mのステンレスワイヤを得た。得られたワイヤ上に、共晶はんだIn/Zn=97.2/2.8(融点144℃)を被覆し、樹脂組成物として、実験B1と同じエポキシ樹脂を使用し、ソーダガラスに配置する樹脂厚の対ワイヤ径比は100%(=0.5mm)になるようにして、実験B1と同様に、樹脂の軟化温度及び120℃での加熱加圧を経て接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表2に示す条件のもと、評価試験を行い、表2に示す結果を得た。
【0270】
(実験b8) 表5に示す条件でサンプルを作成した。すなわち、実験B8で使用した樹脂組成物を硬化する温度を215℃とした以外はすべて実験B8と同様にして、接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表5に示す条件のもと、評価試験を行い、表5に示す結果を得た。この実験b8を実験B8と対比すると、実験b8ではEL素子が黒色に変色してしまうという異常が見られ、EL素子が酸化、腐食化してしまったことが分かった。従って、樹脂組成物の硬化温度は、120℃の方が215℃より適していることが分かる。
【0271】
(実験C1) 表3に示す条件でサンプルを作成した。つまり、実験B1と同様にして、金属銅のインゴットを1100℃で融解し、水を貯めた回転ドラムの内側にノズルから融液を噴出させた。ただし、ノズル口の断面形状を円環状とすることにより、芯材として、実験B1の銅線の代わりに、中空構造の銅ワイヤが得られた。次に、固化した中空銅ワイヤ(銅管線)を遠心力によってドラムの内側に巻いて、線径1mm、肉厚0.1mm、長さ1mの銅管線を作製した。得られた銅管線上に、実験B1と同様にして、In/Cd=74/26の共晶はんだのめっき浴中で、はんだ被覆銅管線の直径が1.2mmになるまで電解めっきを施した。このようにして得られたはんだ被覆銅管線を、25mm×100mmのソーダガラスの周部に配置し、80℃に加熱溶融したエポキシ樹脂組成物((株)アルファ技研製、アルテコ3500、変性エポキシ樹脂/変性ポリアミン=100/50)を、はんだ被覆銅管線の両側に樹脂厚の対ワイヤ径比が100%(=1.0mm)になるようにディスペンサーにて塗布した。樹脂の軟化温度(80℃)、1Mpaで10分間加熱加圧した後、もう1枚のガラスが向かい合わせになるようにして貼り合わせ、120℃、3Mpaで10分間加熱加圧して樹脂を硬化し、接着力測定用のサンプルとした。一方、100mm×100mmのソーダガラス上の4辺にはんだ被覆銅管線を配置し、該エポキシ樹脂組成物を、樹脂層とはんだ被覆銅管線の幅の合計が2mm幅になるようにはんだ被覆銅管線の両側の基板上に1.0mmの樹脂厚で塗布した。その後、80℃、1Mpaで10分間加熱加圧した後、もう1枚のソーダガラスを貼り合わせ、100℃、3Mpaで60分間加熱加圧して透湿度測定用のサンプルとした。そして、表3に示す条件のもと、評価試験を行い、表3に示す結果を得た。
【0272】
(実験c1) 表6に示す条件でサンプルを作成した。すなわち、実験C1で使用した銅線の線径を0.04mm、肉厚を0.01mmに変更した以外はすべて実験C1と同様にして、接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表6に示す条件のもと、評価試験を行い、表6に示す結果を得た。この実験c1を実験C1と対比すると、実験c1では透湿度が高くなり、接着力も弱くなり、金属管の線径が1.0mmで肉厚が0.1mmの方が線径が0.04mmで肉厚が0.01mmよりも適していることが分かる。
【0273】
(実験C2) 表3に示す条件でサンプルを作成した。つまり、実験C1で使用した金属銅の代わりにステンレスを使い、実験C1と同様にして平均線径0.5mm、管の肉厚0.05mm、長さ1.0mのステンレス管ワイヤを得た。得られたワイヤ上に、常法により、Pb/Sn=5/95(融点183℃)の共晶はんだのめっき浴中で、はんだ被覆管ワイヤの直径が1.5mmになるまで電解めっきを施した。このようにして得られたワイヤをソーダガラスの周部に配置し、70℃に加熱溶融したアクリル樹脂(日立化成工業(株)製、防湿絶縁材料TF−3348−15F2G)の樹脂厚の対ワイヤ径比が100%(=0.5mm)となるようにワイヤの両側に塗布し、樹脂の硬化は、実験C1の加熱に代えて1.0J/cmのUV照射により行い、それ以外は実験C1と同様にして、接着力測定用のサンプル及び透湿度測定用のサンプルを作製した。そして、表3に示す条件のもと、評価試験を行い、表3に示す結果を得た。
【0274】
(実験c2) 表6に示す条件でサンプルを作成した。すなわち、実験C2で使用した共晶はんだの組成をPb100%に変更した以外はすべて実験C2と同様にして、接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表6に示す条件のもと、評価試験を行い、表6に示す結果を得た。この実験c2を実験C2と対比すると、実験c2では透湿度が高くなり、被覆金属の組成はPb/Sn=5/95の方がPb100%よりも適していることが分かる。
【0275】
(実験C3) 表3に示す条件でサンプルを作成した。つまり、実験C1で使用した金属銅の代わりに鉄を使い、実験C1と同様にして平均線径10mm、管の肉厚0.5mm、長さ1.0mの鉄管線を得た。得られた鉄管線に共晶はんだBi/In=67/33(融点109℃)を融着して、管線の直径が16mmになるように共晶はんだを被覆した。樹脂として、70℃に加熱溶融したフェノール樹脂(住友ベークライト(株)製フェノール樹脂PM−8200)を使用し、基板上に配置する樹脂厚を10mmとしたこと以外は実験C1と同様にして、樹脂の軟化温度及び120℃での加熱加圧を経て、接着力測定用のサンプル及び透湿度測定用のサンプルを作製した。そして、表3に示す条件のもと、評価試験を行い、表3に示す結果を得た。
【0276】
(実験c3) 表6に示す条件でサンプルを作成した。すなわち、実験C3で使用した低融点金属の金属層の厚さを7.0mmに変更した以外はすべて実験C3と同様にして、接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表6に示す条件のもと、評価試験を行い、表6に示す結果を得た。この実験c3を実験C3と対比すると、実験c3では透湿度が高くなり、低融点金属の金属層の厚さは、3.0mmの方が7.0mmよりも適していることが分かる。
【0277】
(実験C4) 表3に示す条件でサンプルを作成した。つまり、実験C1で使用した金属銅の代わりにアルミを使い、実験C1と同様にして、平均線径1.0mm、管の肉厚0.2mm、長さ1.0mのアルミ管ワイヤを得た。得られた管ワイヤに、共晶はんだSn35/In45/BiO(融点98℃)を融着して、管ワイヤの直径が3.0mmになるように共晶はんだで被覆した。樹脂として、70℃に加熱溶融したメラミン樹脂(日立化成工業(株)製メラン523)を用い、基板上に配置される樹脂厚の対ワイヤ径比を100%(=1.0mm)とした以外は実験C1と同様にして、軟化温度及び120℃での加熱加圧を経て、接着力測定用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表3に示す条件のもと、評価試験を行い、表3に示す結果を得た。
【0278】
(実験c4) 表6に示す条件でサンプルを作成した。すなわち、実験C4で使用した金属被覆アルミ管ワイヤの被覆率を40%とした以外はすべて実験C4と同様にして、接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表6に示す条件のもと、評価試験を行い、表6に示す結果を得た。この実験c4を実験C4と対比すると、実験c4では透湿度が高くなり、金属によるアルミ管ワイヤの被覆率は100%の方が40%よりも適していることが分かる。
【0279】
(実験C5) 表3に示す条件でサンプルを作成した。つまり、実験C1で使用した金属銅の代わりにニッケルを使い、実験C1と同様にして平均線径1.0mm、管の肉厚0.1mm、長さ1.0mのニッケル管ワイヤを得た。得られた管ワイヤを、共晶はんだSn/In=48/52(融点117℃)で被覆し、樹脂組成物として、キシレン/アクリル樹脂=80/20(キシレン樹脂:三菱瓦斯化学(株)製、ニカノールHP−100、アクリル樹脂:帝国化学産業(株)製、HTR−860P−3)を用いて樹脂厚の対ワイヤ径比が100%(=1.0mm)になるようにワイヤ両側の基板上に配置し、実験C1と同様に、軟化温度及び120℃での加熱加圧を経て接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表3に示す条件のもと、評価試験を行い、表3に示す結果を得た。
【0280】
(実験c5) 表6に示す条件でサンプルを作成した。すなわち、実験C5で使用した金属管ワイヤを線径10mmの鉛管ワイヤとした以外はすべて実験C5と同様にして、接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表6に示す条件のもと、評価試験を行い、表6に示す結果を得た。この実験c5を実験C5と対比すると、実験c5ではワイヤ線が断線するなどの異常が発見された。従って、金属管ワイヤの種類及び線径としては、ニッケルで線径が1.0mmのもの方が鉛で線径10mmのものよりも適していることが分かる。
【0281】
(実験C6) 表3に示す条件でサンプルを作成した。つまり、実験C1で使用した金属銅の代わりにステンレスを使い、実験C1と同様にして平均線径0.5mm、管の肉厚0.1mm、長さ1.0mのステンレス管ワイヤを得た。得られた管ワイヤを共晶はんだBi/Cd=60/40(融点144℃)で被覆して、樹脂組成物として、ポリエステル樹脂/架橋剤=100/2(ポリエステル樹脂:東洋紡(株)製、バイロンVG700、架橋剤:日本ポリウレタン(株)製、コロネートL))を用いて、ソーダガラス上に配置する樹脂厚の対ワイヤ径比が100%(=0.5mm)になるようにして、実験C1と同様に、軟化温度及び120℃での加熱加圧を経て接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表3に示す条件のもと、評価試験を行い、表3に示す結果を得た。
【0282】
(実験c6) 表6に示す条件でサンプルを作成した。すなわち、実験C1で使用した管状銅線の肉厚を0.005mmとしたこと以外はすべて実験C1と同様にして、接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表6に示す条件のもと、評価試験を行い、表6に示す結果を得た。この実験c6を実験C1と対比すると、実験c6では透湿度が高くなってしまい、金属ワイヤ管の肉厚は、肉厚0.1mmのものの方が肉厚が0.005mmのものよりも適していることが分かる。
【0283】
(実験C7) 表3に示す条件でサンプルを作成した。つまり、実験C1で使用した金属銅の代わりにステンレスを使い、実験C1と同様にして平均線径0.5mm、管の肉厚0.1mm、長さ1.0mのステンレス管ワイヤを得た。得られた管ワイヤを、共晶はんだPb/Sn=5/95(融点183℃)で被覆して、樹脂組成物として、アクリル樹脂(日立化成工業(株)製、防湿絶縁材料TF−3348−15F2)を用いて樹脂厚の対ワイヤ径比が140%(=0.7mm)となるようにワイヤ両側の基板上に配置した。樹脂の硬化は、実験C1の加熱に代えて2.4J/cmのUV照射により行い、それ以外は実験C1と同様に、接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表3に示す条件のもと、評価試験を行い、表3に示す結果を得た。
【0284】
(実験c7) 表6に示す条件でサンプルを作成した。すなわち、実験C3で使用した被覆金属層を電解めっきで0.0005mmの厚さに形成した以外はすべて実験C3と同様にして、接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表6に示す条件のもと、評価試験を行い、表6に示す結果を得た。この実験c7を実験C3と対比すると、実験c7では透湿度が高くなり、被覆金属層の厚さは、0.3mmの方が0.0005mmよりも適していることが分かる。
【0285】
(実験C8) 表3に示す条件でサンプルを作成した。つまり、実験C1で使用した金属銅の代わりにステンレスを使い、実験C1と同様にして平均線径0.5mm、管の肉厚0.1mm、長さ1.0mのステンレス管ワイヤを得た。得られた管ワイヤを、共晶はんだIn/Zn=97.2/2.8(融点144℃)で被覆して、樹脂組成物として実験C1と同じエポキシ樹脂を使用して樹脂厚の対ワイヤ径比が100%(=0.5mm)になるようにワイヤの両側の基板上に配置して、実験C1と同様に、軟化温度及び120℃での加熱加圧を経て接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表3に示す条件のもと、評価試験を行い、表3に示す結果を得た。
【0286】
(実験c8) 表6に示す条件でサンプルを作成した。すなわち、実験C8で使用した樹脂組成物を硬化する温度を215℃とした以外はすべて実験C8と同様にして、接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表6に示す条件のもと、評価試験を行い、表6に示す結果を得た。この実験c8を実験C8と対比すると、実験c8ではEL素子が黒色に変色してしまうという異常が見られ、EL素子が酸化、腐食化してしまったことが分かった。従って、樹脂組成物の硬化温度は、120℃の方が215℃より適していることが分かる。
【0287】
【表1】
Figure 2004311385
【表2】
Figure 2004311385
【表3】
Figure 2004311385
【表4】
Figure 2004311385
【表5】
Figure 2004311385
【表6】
Figure 2004311385
(実験D1) 表7に示す条件でサンプルを作成した。すなわち、ポリスチレンペレットSD120(旭化成工業(株)製、弾性率1.8GPa)を融点以上に加熱溶融した後、徐冷してゲル状の球晶を得た。この集積物を圧縮成形して得られた厚さ5mmのシートを直径1mmのダイを通して超延伸し、平均線径1mm、長さ0.1mのポリスチレン製のプラスチックワイヤを得た。得られたポリスチレンワイヤに、塩化パラジウムによるシーダ処理を施した後、無電解ニッケルめっき液中で、ニッケル層を0.2μm析出させた。その後、常法により、In/Cd=74/26の共晶はんだのめっき浴中で、はんだ被覆ワイヤの直径が1200μmになるまで電解めっきを施した。このようにして得られたはんだ被覆ポリスチレンワイヤを、80℃に加熱溶融したエポキシ樹脂組成物((株)アルファ技研製、アルテコ3500、変性エポキシ樹脂/変性ポリアミン=100/50)中に浸漬し、樹脂厚が10μmになるまでワイヤ上に溶着させて封止材を得た。得られた封止材を、25mm×100mmのソーダガラスの周部に貼り付け、樹脂の軟化温度(80℃)、1Mpaで10分間加熱加圧した後、もう1枚のガラスを向かい合わせにして貼り合わせ、120℃、3Mpaで10分間加熱加圧して樹脂を硬化し、接着力測定用サンプルとした。一方、封止材を、100mm×100mmのソーダガラス上の4辺に貼り付けた。その後、軟化温度(80℃)、1Mpaで10分間加熱加圧した後、もう1枚のソーダガラスを貼り合わせ、120℃、3Mpaで60分間加熱加圧して樹脂を硬化し、透湿度測定用サンプルとした。そして、表7に示す条件のもと、評価試験を行い、表7に示す結果を得た。
【0288】
(実験d1) 表10に示す条件でサンプルを作成した。すなわち、実験D1で使用したポリスチレンワイヤの線径を7mmのものに変更した以外は、すべて実験D1と同様にして接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表10に示す条件のもと、評価試験を行い、表10に示す結果を得た。この実験d1を実験D1と対比すると、実験d1では透湿度が高く、プラスチックワイヤの線径は、0.1mmの方が7mmより適していることが分かる。
【0289】
(実験D2) 表7に示す条件でサンプルを作成した。つまり、実験D1で使用したポリスチレンペレットの代わりに、ポリエチレン(製鉄化学(株)製、フロービーズCL12007、平均粒径1.0mm)を使い、実験D1と同様に超延伸法により、平均線径2.0mm、長さ0.1mのポリエチレン製のプラスチックワイヤを得た。得られたワイヤに、塩化パラジウムによるシーダ処理を施した後、無電解ニッケルめっき液中で、ニッケル層を0.2μm析出させた。その後、常法により、Pb/Sn=5/95(融点183℃)の共晶はんだのめっき浴中で、はんだ被覆ワイヤの直径が3mmになるまで電解めっきを施した。このようにして得られたはんだ被覆ポリエチレンワイヤを、70℃に加熱溶融したアクリル樹脂(日立化成工業(株)製、防湿絶縁材料TF−3348−15F2G)中に浸漬し、樹脂厚が25μmになるまでワイヤ上に溶着させて封止材を得た。以下、実験D1と同様にして、封止材をソーダガラス上に配置し、樹脂の硬化は実験D1の加熱に代えて1.0J/cmのUV照射により行い、それ以外は実験D1と同様にして、接着力測定用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表7に示す条件のもと、評価試験を行い、表7に示す結果を得た。
【0290】
(実験d2) 表10に示す条件でサンプルを作成した。すなわち、実験D2で使用したポリエチレンワイヤを圧縮弾性率が0.1GPaのものに変更した以外はすべて実験D2と同様にして、接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表10に示す条件のもと、評価試験を行い、表10に示す結果を得た。この実験d2を実験D2と対比すると、実験d2では透湿度が高かった。圧縮弾性率は、0.5GPaの方が0.10Gpaより適していることが分かる。
【0291】
(実験D3) 表7に示す条件でサンプルを作成した。つまり、実験D1で使用したポリスチレンペレットの代わりにPMMAペレット(三菱レーヨン(株)製、アクリルペレットIRD−50、平均粒径5.0mm)を用いて線径5mmの芯材とし、被覆金属として、In/Cdの代わりに共晶はんだTI/Na=93.7/6.3(融点238℃)を用い、金属の融着によりワイヤ上に被覆し、ダイヤモンドダイスにより樹脂厚が50μmになるように調節した。更に樹脂組成物として、エポキシ樹脂に代えてフェノール樹脂(住友ベークライト(株)製フェノール樹脂PM−8200)を使用して封止材を得、その他については実験D1と同様にして、ソーダガラス上での軟化温度及び120℃での加熱加圧を経て、接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表7に示す条件のもと、評価試験を行い、表7に示す結果を得た。
【0292】
(実験d3) 表10に示す条件でサンプルを作成した。すなわち、実験D3で使用した被覆金属をPb100%のものに変更した以外はすべて実験D3と同様にして、接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表10に示す条件のもと、評価試験を行い、表10に示す結果を得た。この実験d3を実験D3と対比すると、実験d3では透湿度が高かった。被覆金属の組成としては、TI/NA=93.7/6.3の方が鉛(Pb)100%よりも適していることが分かる。
【0293】
(実験D4) 表7に示す条件でサンプルを作成した。つまり、実験D1で使用したポリスチレンペレットの代わりに66ナイロンのペレット(東レ(株)製、アラミンCM3007、平均粒径0.5mm)を用いて線径0.5mmの芯材とし、被覆金属として、In/Cdの代わりに共晶はんだSn35/In45/BiO(融点98℃)を用い、金属の融着によりワイヤ上に被覆し、ダイヤモンドダイスにより樹脂厚が5μmになるように調節した。更に、樹脂組成物として、エポキシ樹脂に代えてメラミン樹脂(日立化成工業(株)製メラン523)を使用して封止材を得た。その他については実験D1と同様にして、ソーダガラス上での軟化温度及び120℃での加熱加圧を経て、接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表7に示す条件のもと、評価試験を行い、表7に示す結果を得た。
【0294】
(実験d4) 表10に示す条件でサンプルを作成した。すなわち、実験D4で使用した被覆金属の厚さを7mmに変更した以外はすべて実験D4と同様にして、接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表10に示す条件のもと、評価試験を行い、表10に示す結果を得た。この実験d4を実験D4と対比すると、実験d4では接着力が低く、取り扱い時に基板が剥離した。被覆金属の厚さとしては1.0mmの方が7.0mmよりも適していることが分かる。
【0295】
(実験D5) 表7に示す条件でサンプルを作成した。つまり、実験D1で使用したポリスチレンペレットの代わりにポリエステルのペレット(東レ(株)製、シベラスL204G35、平均粒径0.3mm)を用いて線径10mmの芯材とし、被覆金属としてIn/Cdの代わりに共晶はんだSn/In=48/52(融点117℃)を用いて0.05mm厚で被覆した。更に、樹脂組成物として、エポキシ樹脂に代えてキシレン/アクリル樹脂=80/20(キシレン樹脂:三菱瓦斯化学(株)製、ニカノールHP−100、アクリル樹脂:帝国化学産業(株)製、HTR−860P−3)を使用し、樹脂厚は20μmになるようにして封止材を作製し、実験D1と同様に、ソーダガラス上での軟化温度及び120℃での加熱加圧を経て、接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表7に示す条件のもと、評価試験を行い、表7に示す結果を得た。
【0296】
(実験d5) 表10に示す条件でサンプルを作成した。すなわち、実験D5で使用した金属被覆プラスチックワイヤの被覆率を40%とした以外はすべて実験D5と同様にして、接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表10に示す条件のもと、評価試験を行い、表10に示す結果を得た。この実験d5を実験D5と対比すると、実験d5では透湿度が高かった。金属によるプラスチックワイヤの被覆率は99%の方が40%よりも適していることが分かる。
【0297】
(実験D6) 表7に示す条件でサンプルを作成した。つまり、実験D1で使用したポリスチレンペレットの代わりにポリプロピレンのペレット(住友化学(株)製、ノーブレンH501、平均粒径0.03mm)を用いて線径0.5mmの芯材とし、被覆金属としてIn/Cdの代わりに共晶はんだBi/Cd=60/40(融点144℃)を用いて0.015mm厚で被覆した。更に、樹脂組成物として、エポキシ樹脂に代えてポリエステル樹脂/架橋剤=100/2(ポリエステル樹脂:東洋紡(株)製、バイロンVG700、架橋剤:日本ポリウレタン(株)製、コロネートL))を使用し、樹脂厚は20μmになるようにして封止材を作製し、実験D1と同様に、ソーダガラス上での軟化温度及び120℃での加熱加圧を経て、接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表7に示す条件のもと、評価試験を行い、表7に示す結果を得た。
【0298】
(実験d6) 表10に示す条件でサンプルを作成した。すなわち、実験D6で使用したプラスチックワイヤを線径が0.03mmのものに変更した以外は、すべて実験D6と同様にして、接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表10に示す条件のもと、評価試験を行い、表10に示す結果を得た。この実験d6を実験D6と対比すると、実験d6では透湿度が高かった。プラスチックワイヤの線径は0.5mmの方が0.03mmよりも適していることが分かる。
【0299】
(実験D7) 表7に示す条件でサンプルを作成した。つまり、実験D1で使用したポリスチレンペレットの代わりにポリ塩化ビニルのペレット(東ソー(株)製、リューロンペースト772、平均粒径0.05mm)を用いて線径10mmの芯材とし、被覆金属としてIn/Cdの代わりに共晶はんだPb/Sn=5/95(融点183℃)を用いて0.3mm厚に被覆し、更に、樹脂組成物として、エポキシ樹脂に代えてアクリル樹脂(日立化成工業(株)製、防湿絶縁材料TF−3348−15F2)を使用し、樹脂厚は20μmになるようにして封止材を作製した。樹脂の硬化は実験1の加熱に代えて2.4J/cmのUV照射により行い、それ以外は実験D1と同様にして、接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表7に示す条件のもと、評価試験を行い、表7に示す結果を得た。
【0300】
(実験d7) 表10に示す条件でサンプルを作成した。すなわち、実験D7で使用した金属被覆プラスチックワイヤに樹脂を塗布する厚みを1.5mmに変更した以外はすべて実験D7と同様にして、接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表10に示す条件のもと、評価試験を行い、表10に示す結果を得た。この実験d7を実験D7と対比すると、実験d7では透湿度が高かった。低融点金属被覆プラスチックワイヤに塗布する樹脂の厚みは、0.02mmの方が1.5mmよりも適していることが分かる。
【0301】
(実験D8) 表7に示す条件でサンプルを作成した。つまり、実験D1で使用したポリスチレンペレットの代わりに6ナイロンのペレット(東レ(株)製、アラミンCM1007、平均粒径0.5mm)を用いて線径0.2mmの芯材とし、被覆金属としてIn/Cdの代わりに共晶はんだIn/Zn=97.2/2.8(融点144℃)を使用して0.5mm厚に被覆した。更に、樹脂厚が20μmとなるようにエポキシ樹脂を被覆して封止材を作製し、実験D1と同様に、ソーダガラス上での軟化温度及び120℃での加熱加圧を経て、接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表7に示す条件のもと、評価試験を行い、表7に示す結果を得た。
【0302】
(実験d8) 表10に示す条件でサンプルを作成した。すなわち、実験D8で使用した樹脂組成物を硬化する温度を215℃とした以外はすべて実験D8と同様にして、接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表10に示す条件のもと、評価試験を行い、表10に示す結果を得た。この実験d8を実験D8と対比すると、実験d8ではEL素子が黒色に変色する異常が見られ、EL素子が酸化、腐食化してしまったことが分かった。従って、樹脂組成物を硬化する温度は、120℃の方が215℃より適していることが分かる。
【0303】
(実験E1) 表8に示す条件でサンプルを作成した。つまり、金属銅のインゴットを1100℃で融解し、水を貯めた回転ドラムの内側にノズルから融液を噴出させた。固化した銅繊維を遠心力によってドラムの内側に巻いて、線径1mm、長さ1mの銅ワイヤを作製した。得られた銅ワイヤ上に、常法により、In/Cd=74/26の共晶はんだのめっき浴中で、はんだ被覆ワイヤの直径が1.2mmになるまで電解めっきを施した。このようにして得られたはんだ被覆銅ワイヤを、80℃に加熱溶融したエポキシ樹脂組成物((株)アルファ技研製、アルテコ3500、変性エポキシ樹脂/変性ポリアミン=100/50)中に浸漬し、樹脂厚が10μmになるまでワイヤ上に溶着させて封止材を得た。得られた封止材を、25mm×100mmのソーダガラスの周部に貼り付け、樹脂の軟化温度(80℃)、1Mpaで10分間加熱加圧した後、もう1枚のガラスを向かい合わせにして貼り合わせ、120℃、3Mpaで60分間加熱加圧して樹脂を硬化し、接着力測定用サンプルとした。一方、封止材を100mm×100mmのソーダガラス上の4辺に貼り付けた。その後、軟化温度(80℃)、1Mpaで10分間加熱加圧した後、もう1枚のソーダガラスを貼り合わせ、120℃、3Mpaで10分間加熱加圧して樹脂を硬化し、透湿度測定用サンプルとした。そして、表8に示す条件のもと、評価試験を行い、表8に示す結果を得た。
【0304】
(実験e1) 表11に示す条件でサンプルを作成した。すなわち、実験E1で使用した銅線の線径を0.01mmのものに変更した以外はすべて実験E11と同様にして、接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表11に示す条件のもと、評価試験を行い、表11に示す結果を得た。この実験e1を実験E1と対比すると、実験e1では透湿度が高くなるとともに、接着力も弱くなった。金属ワイヤの線径は、1.0mmの方が0.01mmよりも適していることが分かる。
【0305】
(実験E2) 表8に示す条件でサンプルを作成した。つまり、実験E1で使用した金属銅の代わりにステンレスを用いて、実験11と同様の方法で平均線径0.5mm、長さ1.0mのステンレスワイヤを得た。得られたワイヤ上に、常法により、Pb/Sn=5/95(融点183℃)の共晶はんだのめっき浴中で、はんだ被覆ワイヤの直径が1.5mmになるまで電解めっきを施した。このようにして得られたはんだ被覆ステンレスワイヤを、70℃に加熱溶融したアクリル樹脂(日立化成工業(株)製、防湿絶縁材料TF−3348−15F2G)中に浸漬して樹脂厚が25μmになるまでワイヤ上に溶着させ、封止材を得た。封止材を実験E1と同様にソーダガラス上に配置し、樹脂の硬化は、実験11の加熱に代えて1.0J/cmのUV照射により行い、それ以外は実験E1と同様にして、接着力測定用サンプル及び透湿度測定用のサンプルを作製した。そして、表8に示す条件のもと、評価試験を行い、表8に示す結果を得た。
【0306】
(実験e2) 表11に示す条件でサンプルを作成した。すなわち、実験E2で使用した共晶はんだの組成をPb100%に変更した以外はすべて実験E2と同様にして、接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表10に示す条件のもと、評価試験を行い、表10に示す結果を得た。この実験e2を実験E2と対比すると、実験e2では透湿度が高かった。被覆金属の組成としてはPb/Sn=5/95の方がPb100%よりも適していることが分かる。
【0307】
(実験E3) 表E2に示す条件でサンプルを作成した。つまり、実験E1で使用した金属銅の代わりに鉄を用いて、実験E1と同様の方法で平均線径10mm、長さ1.0mの鉄線を得た。得られたワイヤに、共晶はんだBi/In=67/33(融点109℃)を融着してワイヤの直径が16mmになるように共晶はんだで被覆した。次に、はんだ被覆鉄線を、70℃に加熱溶融したフェノール樹脂(住友ベークライト(株)製フェノール樹脂PM−8200)中に浸漬し、樹脂をワイヤ上に溶着させた。樹脂の溶着厚はダイヤモンドダイスにより50μmになるように調節した。以下、実験E1と同様にして、ソーダガラス上での軟化温度及び120℃での加熱加圧を経て、接着力測定用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表8に示す条件のもと、評価試験を行い、表8に示す結果を得た。
【0308】
(実験e3) 表11に示す条件でサンプルを作成した。すなわち、実験E3で使用した被覆金属層の厚さを7.0mmとした以外はすべて実験E3と同様にして、接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作成した。そして、表10に示す条件のもと、評価試験を行い、表10に示す結果を得た。この実験e3を実験E3と対比すると、実験e3では透湿度が高かった。被覆金属層の厚さは、3.0mmの方が7.0mmよりも適していることが分かる。
【0309】
(実験E4) 表8に示す条件でサンプルを作成した。つまり、実験E1で使用した金属銅の代わりにアルミを使い、実験E1と同様の方法で平均線径1.0mm、長さ1.0mのアルミワイヤを得た。得られたワイヤに共晶はんだSn35/In45/BiO(融点98℃)を融着してワイヤの直径が3.0mmになるように共晶はんだで被覆した。次に、はんだ被覆アルミワイヤを、70℃に加熱溶融したメラミン樹脂(日立化成工業(株)製メラン523)中に浸漬し、樹脂厚が5μmになるまでワイヤ上に溶着させ、封止材を得た。以下、実験E1と同様にして、ソーダガラス上での軟化温度及び120℃での加熱加圧を経て、接着力測定用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表8に示す条件のもと、評価試験を行い、表8に示す結果を得た。
【0310】
(実験e4) 表11に示す条件でサンプルを作成した。すなわち、実験E4で使用した金属被覆アルミワイヤの被覆率を40%とした以外はすべて実験E4と同様にして、接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表11に示す条件のもと、評価試験を行い、表11に示す結果を得た。この実験e4を実験E4と対比すると、実験e4では透湿度が高かった。はんだによるアルミワイヤの被覆率は、100%の方が40%よりも適していることが分かる。
【0311】
(実験E5) 表8に示す条件でサンプルを作成した。つまり、実験E1で使用した金属銅の代わりにニッケルを使い、実験E1と同様にして平均線径1.0mm、長さ1.0mのニッケルワイヤを得た。被覆金属として、共晶はんだSn/In=48/52(融点117℃)を、樹脂組成物として、キシレン/アクリル樹脂=80/20(キシレン樹脂:三菱瓦斯化学(株)製、ニカノールHP−100、アクリル樹脂:帝国化学産業(株)製、HTR−860P−3)を使用し、樹脂厚は20μmになるようにして、得られたワイヤを被覆した。実験E1と同様に、ソーダガラス上での軟化温度及び120℃での加熱加圧を経て、接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表8に示す条件のもと、評価試験を行い、表8に示す結果を得た。
【0312】
(実験e5) 表11に示す条件でサンプルを作成した。すなわち、実験E5で使用した金属ワイヤを線径10mmの鉛とした以外はすべて実験E5と同様にして、接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表11に示す条件のもと、評価試験を行い、表11に示す結果を得た。この実験e5を実験E5と対比すると、実験e5ではワイヤ線が断線するなどの異常が発見された。従って、金属ワイヤの種類及び線径は、線径1.0mmのニッケル線の方が線径10mmの鉛線よりも適していることが分かる。
【0313】
(実験E6) 表8に示す条件でサンプルを作成した。つまり、実験E1で使用した金属銅の代わりにステンレスを使い、実験E1と同様にして平均線径0.5 mm、長さ1.0mのニッケルワイヤを得た。共晶はんだBi/Cd=60/40(融点144℃)を0.015mm厚に被覆し、樹脂組成物として、ポリエステル樹脂/架橋剤=100/2(ポリエステル樹脂:東洋紡(株)製、バイロンVG700、架橋剤:日本ポリウレタン(株)製、コロネートL))を使用して、樹脂厚は20μmになるようにして被覆し、封止材を得た。更に、実験E1と同様にして、ソーダガラス上での軟化温度及び120℃での加熱加圧を経て、接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表8に示す条件のもと、評価試験を行い、表8に示す結果を得た。
【0314】
(実験e6) 表11に示す条件でサンプルを作成した。すなわち、実験E1で使用した金属ワイヤを線径30mmの銅線に変更した以外はすべて実験E1と同様にして、接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表11に示す条件のもと、評価試験を行い、表11に示す結果を得た。この実験e6を実験E1と対比すると、実験e6では透湿度が高かった。金属ワイヤの線径は、線径1.0mmのものの方が線径30.0mmのものよりも適していることが分かる。
【0315】
(実験E7) 表8に示す条件でサンプルを作成した。つまり、実験E1で使用した金属銅の代わりにステンレスを使い、実験E1と同様にして平均線径0.5mm、長さ1.0mのニッケルワイヤを得た。共晶はんだPb/Sn=5/95(融点183℃)を得られたワイヤに被覆し、樹脂組成物としてアクリル樹脂(日立化成工業(株)製、防湿絶縁材料TF−3348−15F2)を使用し、樹脂厚は20μmとなるように被覆して、封止材を得た。実験E1と同様に封止材をソーダガラス上に配置し、樹脂の硬化は実験E1の加熱に代えて2.4J/cmのUV照射により行い、それ以外は実験E1と同様にして、接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表8に示す条件のもと、評価試験を行い、表8に示す結果を得た。
【0316】
(実験e7) 表11に示す条件でサンプルを作成した。すなわち、実験E3で使用した被覆金属層の厚さを0.0005mmとした以外はすべて実験E3と同様にして、接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表11に示す条件のもと、評価試験を行い、表11に示す結果を得た。この実験e7を実験E3と対比すると、実験e7では透湿度が高かった。被覆金属層の厚さは、0.3mmの方が0.0005mmよりも適していることが分かる。
【0317】
(実験E8) 表8に示す条件でサンプルを作成した。つまり、実験E1で使用した金属銅の代わりにステンレスを使い、実験E1と同様にして平均線径0.5mm、長さ1.0mのニッケルワイヤを得た。共晶はんだIn/Zn=97.2/2.8(融点144℃)をワイヤに被覆し、樹脂組成物として実験E1と同じエポキシ樹脂を使用し、樹脂厚は20μmになるように、得られたワイヤに被覆し、封止材を得た。更に、実験E1と同様に、ソーダガラス上での軟化温度及び120℃での加熱加圧を経て、接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表8に示す条件のもと、評価試験を行い、表8に示す結果を得た。
【0318】
(実験e8) 表11に示す条件でサンプルを作成した。すなわち、実験E8で使用した樹脂組成物の硬化温度を215℃とした以外はすべて実験E8と同様にして、接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表11に示す条件のもと、評価試験を行い、表11に示す結果を得た。この実験e8を実験E8と対比すると、実験e8ではEL素子が黒色に変色するという異常が見られ、EL素子が酸化、腐食化してしたことが分かった。従って、樹脂組成物を硬化する温度は、120℃の方が215℃より適していることが分かる。
【0319】
(実験F1) 表9に示す条件でサンプルを作成した。つまり、実験F1と同様にして、金属銅のインゴットを1100℃で融解し、水を貯めた回転ドラムの内側にノズルから融液を噴出させた。ただし、ノズル孔の断面形状を円環状として、中空の銅線が得られた。次に、固化した中空銅ワイヤ(銅管線)を遠心力によってドラムの内側に巻いて、線径1mm、管の肉厚0.1mm、長さ1mの銅管線を作製した。得られた銅管線に、実験1と同様にして、In/Cd=74/26の共晶はんだのめっき浴中で、はんだ被覆銅管線の直径が1.2mmになるまで電解めっきを施した。このようにして得られたはんだ被覆銅管線を、80℃に加熱溶融したエポキシ樹脂組成物((株)アルファ技研製、アルテコ3500、変性エポキシ樹脂/変性ポリアミン=100/50)中に浸漬し、樹脂厚が10μmになるまでワイヤ上に溶着させ、封止材を得た。得られた封止材を、25mm×100mmのソーダガラスの周辺に貼り付け、樹脂の軟化温度(80℃)、1Mpaで10分間加熱加圧した後、もう1枚のガラスが向かい合わせになるようにして貼り合わせ、120℃、3Mpaで10分間加熱加圧して接着力測定用サンプルとした。一方、封止材を100mm×100mmのソーダガラス上の4辺に貼り付けた。その後、軟化温度(80℃)、1Mpaで10分間加熱加圧した後、もう1枚のソーダガラスを貼り合わせ、120℃、3Mpaで10分間加熱加圧して透湿度測定用のサンプルとした。そして、表9に示す条件のもと、評価試験を行い、表9に示す結果を得た。
【0320】
(実験f1) 表12に示す条件でサンプルを作成した。すなわち、実験F1で使用した銅線の線径を0.04mmのものを使用した以外は、すべて実験F1と同様にして、接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして表12に示す条件のもと、評価試験を行い、表12に示す結果を得た。この実験f1を実験F1と対比すると、実験f1では透湿度が高くなるとともに、接着力も弱かった。金属管ワイヤの線径は、1.0mmで肉厚が0.1mmの方が線径が0.04mmで肉厚が0.01mmよりも適していることが分かる。
【0321】
(実験F2) 表9に示す条件でサンプルを作成した。つまり、実験F1で使用した金属銅の代わりにステンレスを使い、実験F2と同様にして、平均線径0.5mm、管の肉厚0.05mm、長さ1.0mのステンレス管ワイヤを得た。得られたワイヤに、常法により、Pb/Sn=5/95(融点183℃)の共晶はんだのめっき浴中で、はんだ被覆管ワイヤの直径が1.5mmになるまで電解めっきを施した。このようにして得られたはんだ被覆ステンレス管ワイヤを、70℃に加熱溶融したアクリル樹脂(日立化成工業(株)製、防湿絶縁材料TF−3348−15F2G)中に浸漬し、樹脂厚が25μmになるまでワイヤ上に溶着させ、封止材を得た。更に、実験F1と同様にして封止材をソーダガラス上に配置して、樹脂の硬化は実験F1の加熱に代えて1.0J/cmのUV照射により行い、それ以外は実験F1と同様にして、接着力測定用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表9に示す条件のもと、評価試験を行い、表9に示す結果を得た。
【0322】
(実験f2) 表12に示す条件でサンプルを作成した。すなわち、実験F2で使用した共晶はんだに代えてPb100%とした以外はすべて実験F2と同様にして、接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表12に示す条件のもと、評価試験を行い、表12に示す結果を得た。この実験f2を実験F2と対比すると、実験f2では透湿度が高かった。被覆金属の組成はPb/Sn=5/95の方がPb100%よりも適していることが分かる。
【0323】
(実験F3) 表9に示す条件でサンプルを作成した。つまり、実験F1で使用した金属銅の代わりに鉄を使い、実験F1と同様にして平均線径10mm、管の肉厚0.5mm、長さ1.0mの鉄管線を得た。得られた鉄管線に共晶はんだBi/In=67/33(融点109℃)を融着し、被覆管線の直径が16mmになるように共晶はんだで被覆した。次に、はんだ被覆鉄管線を、70℃に加熱溶融したフェノール樹脂(住友ベークライト(株)製フェノール樹脂PM−8200)中に浸漬し、樹脂を鉄管線上に溶着させた。樹脂の溶着厚は、ダイヤモンドダイスにより5μmになるように調節した。以下、実験F1と同様にして、ソーダガラス上での樹脂の軟化温度及び120℃での加熱加圧を経て、接着力測定用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表9に示す条件のもと、評価試験を行い、表9に示す結果を得た。
【0324】
(実験f3) 表12に示す条件でサンプルを作成した。すなわち、実験F3で使用した金属被覆管線の金属層の厚さを7.0mmとした以外はすべて実験F3と同様にして、接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表12に示す条件のもと、評価試験を行い、表12に示す結果を得た。この実験f3を実験F3と対比すると、実験f3では透湿度が高かった。被覆金属層の厚さは、3.0mmの方が7.0mmよりも適していることが分かる。
【0325】
(実験F4) 表9に示す条件でサンプルを作成した。つまり、実験F1で使用した金属銅の代わりにアルミを使い、実験F1と同様にして平均線径1.0mm、管の肉厚0.2mm、長さ1.0mのアルミ管ワイヤを得た。得られた管ワイヤに、共晶はんだSn35/In45/BiO(融点98℃)を融着して被覆管ワイヤの直径が3.0mmになるように共晶はんだで被覆した。次に、はんだ被覆アルミ管ワイヤを、70℃に加熱溶融したメラミン樹脂(日立化成工業(株)製メラン523)中に浸漬し、樹脂厚が0.2mmになるまで管ワイヤ上に溶着させ、封止材を得た。以下、実験F1と同様にして、ソーダガラス上での樹脂の軟化温度及び120℃での加熱加圧を経て、接着力測定用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表9に示す条件のもと、評価試験を行い、表9に示す結果を得た。
【0326】
(実験f4) 表12に示す条件でサンプルを作成した。すなわち、実験F4で使用した金属によるアルミ管ワイヤの被覆率を40%とした以外はすべて実験F4と同様にして、接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表12に示す条件のもと、評価試験を行い、表12に示す結果を得た。この実験f4を実験F4と対比すると、実験f4では透湿度が高かった。被覆金属による金属管ワイヤの被覆率は100%の方が40%よりも適していることが分かる。
【0327】
(実験F5) 表9に示す条件でサンプルを作成した。つまり、実験F1で使用した金属銅の代わりにニッケルを使い、実験F1と同様にして平均線径1.0mm、管の肉厚0.1mm、長さ1.0mのニッケル管ワイヤを得た。得られた管ワイヤを、共晶はんだSn/In=48/52(融点117℃)で被覆し、更に樹脂組成物として、キシレン/アクリル樹脂=80/20(キシレン樹脂:三菱瓦斯化学(株)製、ニカノールHP−100、アクリル樹脂:帝国化学産業(株)製、HTR−860P−3)を使用して、樹脂厚が20μmになるように被覆して封止材を得た。実験F1と同様に、ソーダガラス上での軟化温度及び120℃での加熱加圧を経て、接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表9に示す条件のもと、評価試験を行い、表9に示す結果を得た。
【0328】
(実験f5) 表12に示す条件でサンプルを作成した。すなわち、実験F5で使用した金属管ワイヤを線径10mmの鉛管ワイヤとした以外はすべて実験F5と同様にして、接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表12に示す条件のもと、評価試験を行い、表12に示す結果を得た。この実験f5を実験F5と対比すると、実験f5ではワイヤ線が断線するなどの異常が発見された。従って、金属管ワイヤの種類及び線径は、ニッケル製の線径が1.0mmのもの方が鉛製の線径10mmのものよりも適していることが分かる。
【0329】
(実験F6) 表9に示す条件でサンプルを作成した。つまり、実験F1で使用した金属銅の代わりにステンレスを使い、実験F1と同様にして平均線径0.5mm、管の肉厚0.1mm、長さ1.0mのステンレス管ワイヤを得た。得られた管ワイヤに、共晶はんだBi/Cd=60/40(融点144℃)を被覆し、更に樹脂組成物として、ポリエステル樹脂/架橋剤=100/2(ポリエステル樹脂:東洋紡(株)製、バイロンVG700、架橋剤:日本ポリウレタン(株)製、コロネートL))を使用して樹脂厚が20μmになるように被覆して封止材を得た。実験F1と同様に、ソーダガラス上での軟化温度及び120℃での加熱加圧を経て、接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表9に示す条件のもと、評価試験を行い、表9に示す結果を得た。
【0330】
(実験f6) 表12に示す条件でサンプルを作成した。すなわち、実験F1で使用した金属管ワイヤを肉厚が0.005mmの銅線に変更した以外はすべて実験F1と同様にして、接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表10に示す条件のもと、評価試験を行い、表10に示す結果を得た。この実験f6を実験F1と対比すると、実験f6では透湿度が高かった。金属ワイヤ管の種類及びその線径としては、ステンレス製の線径0.1mmのものの方が銅製の線径が0.005mmのものよりも適していることが分かる。
【0331】
(実験F7) 表9に示す条件でサンプルを作成した。つまり、実験F1で使用した金属銅の代わりにステンレスを使い、実験F1と同様にして平均線径0.5mm、管の肉厚0.1mm、長さ1.0mのステンレス管ワイヤを得た。得られた管ワイヤに、共晶はんだPb/Sn=5/95(融点183℃)を被覆し、更に樹脂組成物として、アクリル樹脂(日立化成工業(株)製、防湿絶縁材料TF−3348−15F2)を使用して樹脂厚は20μmとなるよう被覆して封止材を得た。実験F1と同様に封止材をソーダガラス上に配置し、樹脂の硬化は実験F1の加熱に代えて2.4J/cmのUV照射により行い、それ以外は実験21と同様に、接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表9に示す条件のもと、評価試験を行い、表9に示す結果を得た。
【0332】
(実験f7) 表12に示す条件でサンプルを作成した。すなわち、実験F3で使用した被覆金属層を電解めっきで0.0005mmの厚さとした以外はすべて実験F3と同様にして、接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表12に示す条件のもと、評価試験を行い、表12に示す結果を得た。この実験f7を実験F3と対比すると、実験f7では透湿度が高かった。被覆金属層の厚さは、0.3mmの方が0.0005mmよりも適していることが分かる。
【0333】
(実験F8) 表9に示す条件でサンプルを作成した。つまり、実験F1で使用した金属銅の代わりにステンレスを使い、実験F1と同様にして平均線径0.5mm、管の肉厚0.1mm、長さ1.0mのステンレス管ワイヤを得た。得られた管ワイヤに、共晶はんだIn/Zn=97.2/2.8(融点144℃)を被覆し、樹脂組成物として、実験F1と同じエポキシ樹脂を使用して樹脂厚が0.2mmになるように被覆して封止材を得た。実験F1と同様に、ソーダガラス上での軟化温度及び120℃での加熱加圧を経て、接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表9に示す条件のもと、評価試験を行い、表9に示す結果を得た。
【0334】
(実験f8) 表12に示す条件でサンプルを作成した。すなわち、実験F8で使用した樹脂組成物を硬化する温度を215℃とした以外はすべて実験F8と同様にして、接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表12に示す条件のもと、評価試験を行い、表12に示す結果を得た。この実験f8を実験F8と対比すると、実験f8ではEL素子が黒色に変色するという異常が見られ、EL素子が酸化、腐食化したことが分かった。従って、樹脂組成物の硬化温度は、120℃の方が215℃より適していることが分かる。
【0335】
【表7】
Figure 2004311385
【表8】
Figure 2004311385
【表9】
Figure 2004311385
【表10】
Figure 2004311385
【表11】
Figure 2004311385
【表12】
Figure 2004311385
(実験G1) 表13に示す条件でサンプルを作成した。すなわち、ポリスチレンペレットSD120(旭化成工業(株)製、弾性率1.8GPa)を融点以上に加熱溶融した後、徐冷してゲル状の球晶を得た。この集積物を圧縮成形して得られた厚さ5mmのシートを直径1mmのダイを通して超延伸し、平均線径1mm、長さ0.1mのポリスチレン製のプラスチックワイヤを得た。得られたポリスチレンワイヤに、塩化パラジウムによるシーダ処理を施した後、無電解ニッケルめっき液中でニッケル層を0.2μm析出させた。その後、常法により、In/Cd=74/26の共晶はんだのめっき浴中で、はんだ被覆ワイヤの直径が200μmになるまで電解めっきを施した。このようにして得られた、はんだ被覆ポリスチレンワイヤを、80℃に加熱溶融したエポキシ樹脂組成物((株)アルファ技研製、アルテコ3500、変性エポキシ樹脂/変性ポリアミン=100/50)中に浸漬し、樹脂厚が10μmになるまでワイヤ上に溶着させた。樹脂及びはんだで被覆したポリスチレンワイヤ二本を平行に接触配置し、80℃に加熱して融着し、封止材とした。得られた封止材を、25mm×100mmのソーダガラスの周部に貼り付け、樹脂の軟化温度(80℃)、1Mpaで10分間加熱加圧した後、もう1枚のガラスを向かい合わせににして貼り合わせ、120℃、3Mpaで10分間加熱加圧して樹脂を硬化し、接着力測定用サンプルとした。一方、封止材を、100mm×100mmのソーダガラス上の4辺に貼り付けた。その後、軟化温度(80℃)、1Mpaで10分間加熱加圧した後、もう1枚のソーダガラスを貼り合わせ、120℃、3Mpaで10分間加熱加圧して樹脂を硬化し、透湿度測定用サンプルとした。そして、表13に示す条件のもと、評価試験を行い、表13に示す結果を得た。
【0336】
(実験g1) 表16に示す条件でサンプルを作成した。すなわち、実験G1で使用したポリスチレンワイヤの線径を7mmに変更した以外はすべて実験G1と同様にして、接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表16に示す条件のもと、評価試験を行い、表16に示す結果を得た。この実験g1を実験例G1と対比すると、実験g1では透湿度が高くなり、プラスチックワイヤの線径は0.1mmの方が0.7mmより適していることが分かる。
【0337】
(実験G2) 表13に示す条件でサンプルを作成した。つまり、実験G1で使用したポリスチレンペレットの代わりにポリエチレン(製鉄化学(株)製、フロービーズCL12007、平均粒径1.0mm)を用いて実験G1と同様に超延伸法により平均線径2.0mm、長さ0.1mのポリエチレン製のプラスチックワイヤを得た。得られたワイヤに、塩化パラジウムによるシーダ処理を施した後、無電解ニッケルめっき液中でニッケル層を0.2μm析出させた。その後、常法により、Pb/Sn=5/95(融点183℃)の共晶はんだのめっき浴中で、はんだ被覆ワイヤの直径が0.7mmになるまで電解めっきを施した。このようにして得られた、はんだ被覆ポリエチレンワイヤを、70℃に加熱溶融したアクリル樹脂(日立化成工業(株)製、防湿絶縁材料TF−3348−15F2G)中に浸漬し、樹脂厚が25μmになるまでワイヤ上に溶着させた。アクリル樹脂及びはんだで被覆したポリエチレンワイヤ二本を平行に接触配置し、70℃に加熱して融着し、封止材を得た。更に、実験G1と同様に封止材をソーダガラス上に配置し、硬化は実験G1の加熱に代えて1.0J/cmのUV照射によって行い、それ以外は実験G1と同様にして、接着力測定用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表13に示す条件のもと、評価試験を行い、表133に示す結果を得た。
【0338】
(実験g2) 表16に示す条件でサンプルを作成した。すなわち、実験G2で使用したポリエチレンワイヤを圧縮弾性率が0.1GPaのものに変更した以外はすべて実験G2と同様にして、接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表16に示す条件のもと、評価試験を行い、表16に示す結果を得た。この実験g2を実験G2と対比すると、実験g2では透湿度が高くなっり、圧縮弾性率は0.5GPaの方が0.10Gpaより適していることが分かる。
【0339】
(実験G3) 表13に示す条件でサンプルを作成した。つまり、実験G1で使用したポリスチレンペレットの代わりにPMMAペレット(三菱レーヨン(株)製、アクリルペレットIRD−50、平均粒径5.0mm)を用いて線径5mmのワイヤを作製し、被覆金属として、In/Cdの代わりに共晶はんだTI/Na=93.7/6.3(融点238℃)を用い、更に樹脂組成物として、エポキシ樹脂に代えてフェノール樹脂(住友ベークライト(株)製フェノール樹脂PM−8200)を使用し、共晶はんだは金属の融着によりワイヤ上に被覆し、ダイヤモンドダイスにより樹脂厚が50μmになるように被覆量を調節して被覆した。その他については実験1と同様にして、封止材を作製し、ソーダガラス上での軟化温度及び120℃での加熱加圧を経て接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表13に示す条件のもと、評価試験を行い、表13に示す結果を得た。
【0340】
(実験g3) 表16に示す条件でサンプルを作成した。すなわち、実験G3で使用した被覆金属の組成をPb100%に変更した以外はすべて実験G3と同様にして、接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表16に示す条件のもと、評価試験を行い、表16に示す結果を得た。この実験g3を実験G3と対比すると、実験g3では透湿度が高くなり、被覆金属の組成はTI/NA=93.7/6.3 の方が鉛(Pb)が100%よりも適していることが分かる。
【0341】
(実験G4) 表13に示す条件でサンプルを作成した。つまり、実験G1で使用したポリスチレンペレットの代わりに66ナイロンのペレット(東レ(株)製、アラミンCM3007、平均粒径0.5mm)を用いて線径0.5mmのワイヤを作製し、、被覆金属として、In/Cdの代わりに共晶はんだSn35/In45/BiO(融点98℃)を用いて金属の融着により共晶はんだでワイヤを被覆し、更に樹脂組成物として、エポキシ樹脂に代えてメラミン樹脂(日立化成工業(株)製メラン523)を使用し、ダイヤモンドダイスにより樹脂厚が5μmになるように被覆量を調節して被覆した。その他は実験G1と同様にして、封止材を作製し、ソーダガラス上での軟化温度及び120℃での加熱加圧を経て接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表13に示す条件のもと、評価試験を行い、表13に示す結果を得た。
【0342】
(実験g4) 表16に示す条件でサンプルを作成した。すなわち、実験G4で使用した被覆金属の厚さを7mmとした以外はすべて実験G4と同様にして、接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表16に示す条件のもと、評価試験を行い、表16に示す結果を得た。この実験g4を実験G4と対比すると、実験g4では接着力が低くなり、被覆金属の厚さは1.0mmの方が7.0mmよりも適していることが分かる。
【0343】
(実験G5) 表13に示す条件でサンプルを作成した。つまり、実験G1で使用したポリスチレンペレットの代わりにポリエステルのペレット(東レ(株)製、シベラスL204G35、平均粒径0.3mm)を用いて線径10mmのワイヤを作製し、被覆金属として、In/Cdの代わりに共晶はんだSn/In=48/52(融点117℃)を用い、更に樹脂組成物として、エポキシ樹脂に代えてキシレン/アクリル樹脂=80/20(キシレン樹脂:三菱瓦斯化学(株)製、ニカノールHP−100、アクリル樹脂:帝国化学産業(株)製、HTR−860P−3)を使用し、樹脂厚は20μmになるようにしてはんだ及び樹脂で被覆した。その他は実験G1と同様にして、封止材を作製し、ソーダガラス上での軟化温度及び120℃での加熱加圧を経て接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表13に示す条件のもと、評価試験を行い、表13に示す結果を得た。
【0344】
(実験g5) 表16に示す条件でサンプルを作成した。すなわち、実験G5で使用したプラスチックワイヤの金属による被覆率を40%とした以外はすべて実験G5と同様にして、接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表16に示す条件のもと、評価試験を行い、表16に示す結果を得た。この実験g5を実験G5と対比すると、実験g5では透湿度が高くなり、金属によるプラスチックワイヤの被覆率は99%の方が40%よりも適していることが分かる。
【0345】
(実験G6) 表13に示す条件でサンプルを作成した。つまり、実験G1で使用したポリスチレンペレットの代わりにポリプロピレンのペレット(住友化学(株)製、ノーブレンH501、平均粒径0.03mm)を用いて線径0.5mmのワイヤを作製し、被覆金属として、In/Cdの代わりに共晶はんだBi/Cd=60/40(融点144℃)を用い、更に樹脂組成物として、エポキシ樹脂に代えてポリエステル樹脂/架橋剤=100/2(ポリエステル樹脂:東洋紡(株)製、バイロンVG700、架橋剤:日本ポリウレタン(株)製、コロネートL))を使用し、樹脂厚は20μmになるようにして、はんだ及び樹脂で被ワイヤを覆した。その他については実験G1と同様にして、封止材を作製し、ソーダガラス上での軟化温度及び120℃での加熱加圧を経て接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表13に示す条件のもと、評価試験を行い、表13に示す結果を得た。
【0346】
(実験g6) 表16に示す条件でサンプルを作成した。すなわち、実験G6で使用したプラスチックワイヤを線径が0.03mmのものに変更した以外はすべて実験G6と同様にして、接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表16に示す条件のもと、評価試験を行い、表16に示す結果を得た。この実験g6を実験G6と対比すると、実験g6では透湿度が高くなってしまい、プラスチックワイヤの線径は0.5mmの方が0.03mmよりも適していることが分かる。
【0347】
(実験G7) 表13に示す条件でサンプルを作成した。つまり、実験G1で使用したポリスチレンペレットの代わりにポリ塩化ビニルのペレット(東ソー(株)製、リューロンペースト772、平均粒径0.05mm)を用いて線径10mmのワイヤを作製し、被覆金属として、In/Cdの代わりに共晶はんだPb/Sn=5/95(融点183℃)を用い、更に樹脂組成物として、エポキシ樹脂に代えてアクリル樹脂(日立化成工業(株)製、防湿絶縁材料TF−3348−15F2)を使用し、樹脂厚は20μmとなるようにしてはんだ及び樹脂で被覆した。その他については実験G1と同様にして、封止材を作製した。封止材をソーダガラス上に配置し、樹脂の硬化は実験G1の加熱に代えて2.4J/cmのUV照射により行い、それ以外は実験G1と同様にして、接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表13に示す条件のもと、評価試験を行い、表13に示す結果を得た。
【0348】
(実験g7) 表16に示す条件でサンプルを作成した。すなわち、実験G7で使用した金属被覆プラスチックワイヤに塗布する樹脂の厚みを1.5mmとした以外はすべて実験G7と同様にして、接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表16に示す条件のもと、評価試験を行い、表16に示す結果を得た。この実験g7を実験G7と対比すると、実験g7では透湿度が高くなり、金属被覆プラスチックワイヤに塗布する樹脂の厚みは、0.02mmの方が1.5mmよりも適していることが分かる。
【0349】
(実験G8) 表13に示す条件でサンプルを作成した。つまり、実験G1で使用したポリスチレンペレットの代わりに6ナイロンのペレット(東レ(株)製、アラミンCM1007、平均粒径0.5mm)を用いて線径0.2mmのワイヤを作製し、被覆金属として、In/Cdの代わりに共晶はんだIn/Zn=97.2/2.8(融点144℃)を使用し、樹脂厚は20μmとして、実験G1と同様に封止材を得た。封止材をソーダガラス上に配置し、軟化温度及び120℃での加熱加圧を経て接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表13に示す条件のもと、評価試験を行い、表13に示す結果を得た。
【0350】
(実験g8) 表16に示す条件でサンプルを作成した。すなわち、実験G8で使用した樹脂組成物を硬化する温度を215℃とした以外はすべて実験G8と同様にして、接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表16に示す条件のもと、評価試験を行い、表16に示す結果を得た。この実験g8を実験G8と対比すると、実験g8ではEL素子が黒色に変色するという異常が見られ、EL素子が酸化、腐食化したことが分かった。従って、樹脂組成物の硬化温度は、120℃の方が215℃より適していることが分かる。
【0351】
(実験H1) 表14に示す条件でサンプルを作成した。つまり、金属銅のインゴットを1100℃で融解し、水を貯めた回転ドラムの内側にノズルから融液を噴出させた。固化した銅繊維を遠心力によってドラムの内側に巻いて、線径1mm、長さ1mの銅ワイヤを作製した。得られた銅ワイヤに、常法により、In/Cd=74/26の共晶はんだのめっき浴中で、はんだ被覆ワイヤの直径が1.2mmになるまで電解めっきを施した。このようにして得られたはんだ被覆銅ワイヤを、80℃に加熱溶融したエポキシ樹脂組成物((株)アルファ技研製、アルテコ3500、変性エポキシ樹脂/変性ポリアミン=100/50)中に浸漬し、樹脂厚が10μmになるまでワイヤ上に溶着させた。エポキシ樹脂及びはんだで被覆した銅ワイヤ二本を平行に接触配置し、80℃に加熱して融着して封止材を得た。得られた封止材を、25mm×100mmのソーダガラスの周部に貼り付け、樹脂の軟化温度(80℃)、1Mpaで10分間加熱加圧した後、もう1枚のガラスを向かい合わせにして貼り合わせ、120℃、3Mpaで60分間加熱加圧して樹脂を硬化させ、接着力測定用サンプルとした。一方、封止材を100mm×100mmのソーダガラス上の4辺に貼り付けた。その後、軟化温度(80℃)、1Mpaで10分間加熱加圧した後、もう1枚のソーダガラスを貼り合わせ、120℃、3Mpaで10分間加熱加圧して樹脂を硬化し、透湿度測定用サンプルとした。そして、表14に示す条件のもと、評価試験を行い、表14に示す結果を得た。
【0352】
(実験h1) 表17に示す条件でサンプルを作成した。すなわち、実験H1で使用した銅線を線径が0.01mmのものに変更した以外はすべて実験H1と同様にして、接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表17に示す条件のもと、評価試験を行い、表17に示す結果を得た。この実験h1を実験H1と対比すると、実験h1では透湿度が高くなるとともに、接着力も弱くなり、金属ワイヤの線径は、1.0mmの方が0.01mmよりも適していることが分かる。
【0353】
(実験H2) 表14に示す条件でサンプルを作成した。つまり、実験H1で使用した金属銅の代わりにステンレスを使い、実験H1と同様にして、平均線径0.5mm、長さ1.0mのステンレスワイヤを得た。得られたワイヤに、常法により、Pb/Sn=5/95(融点183℃)の共晶はんだのめっき浴中で、はんだ被覆ワイヤの直径が1.5mmになるまで電解めっきを施した。このようにして得られたはんだ被覆ステンレスワイヤを、70℃に加熱溶融したアクリル樹脂(日立化成工業(株)製、防湿絶縁材料TF−3348−15F2G)中に浸漬し、樹脂厚が25μmになるまでワイヤ上に溶着させた。アクリル樹脂及びはんだで被覆したステンレスワイヤ二本を平行に接触配置し、70℃に加熱溶融して融着し、封止材を得た。封止材を実験H1と同様にソーダガラス上に配置し、樹脂の硬化は実験H1の加熱に代えて1.0J/cmのUV照射により行い、実験H1と同様にして、接着力測定用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表14に示す条件のもと、評価試験を行い、表14に示す結果を得た。
【0354】
(実験h2) 表17に示す条件でサンプルを作成した。すなわち、実験H2で使用した共晶はんだをPb100%に変更した以外はすべて実験H2と同様にして、接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表16に示す条件のもと、評価試験を行い、表16に示す結果を得た。この実験h2を実験H2と対比すると、実験h2では透湿度が高くなり、被覆金属の組成はPb/Sn=5/95の方がPb100%よりも適していることが分かる。
【0355】
(実験H3) 表14に示す条件でサンプルを作成した。つまり、実験H1で使用した金属銅の代わりに鉄を使い、実験H1と同様にして平均線径10mm、長さ1.0mの鉄線を得た。得られたワイヤに、共晶はんだBi/In=67/33(融点109℃)を融着してワイヤの直径が16mmになるように共晶はんだで被覆した。次に、はんだ被覆鉄線を、70℃に加熱溶融したフェノール樹脂(住友ベークライト(株)製フェノール樹脂PM−8200)中に浸漬し、樹脂をワイヤ上に溶着させた。樹脂の溶着量は、ダイヤモンドダイスにより5μmになるように調節した。以下、実験H1と同様にして、被覆ワイヤ2本から封止材を作製し、ソーダガラス上での軟化温度及び120℃での加熱加圧を経て接着力測定用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表14に示す条件のもと、評価試験を行い、表14に示す結果を得た。
【0356】
(実験h3) 表17に示す条件でサンプルを作成した。すなわち、実験H3で使用した被覆金属層の厚さを7.0mmとした以外はすべて実験H3と同様にして、接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作成した。そして、表16に示す条件のもと、評価試験を行い、表16に示す結果を得た。この実験h3を実験H3と対比すると、実験h3では透湿度が高くなり、被覆金属層の厚さは3.0mmの方が7.0mmよりも適していることが分かる。
【0357】
(実験H4) 表14に示す条件でサンプルを作成した。つまり、実験H1で使用した金属銅の代わりにアルミを使い、実験H1と同様にして平均線径1.0mm、長さ1.0mのアルミワイヤを得た。得られたワイヤに、共晶はんだSn35/In45/BiO(融点98℃)を融着し、被覆したワイヤの直径が3.0mmになるように共晶はんだで被覆した。次に、はんだ被覆アルミワイヤを、70℃に加熱溶融したメラミン樹脂(日立化成工業(株)製メラン523)中に浸漬し、樹脂厚が20μmになるまでワイヤ上に溶着させた。以下、実験H1と同様にして、被覆ワイヤ2本から封止材を作製し、ソーダガラス上での軟化温度及び120℃での加熱加圧を経て接着力測定用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表14に示す条件のもと、評価試験を行い、表14に示す結果を得た。
【0358】
(実験h4) 表17に示す条件でサンプルを作成した。すなわち、実験H4で使用した被覆金属によるアルミワイヤの被覆率を40%とした以外はすべて実験14と同様にして、接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表17に示す条件のもと、評価試験を行い、表17に示す結果を得た。この実験h4を実験H4と対比すると、実験h4では透湿度が高くなり、金属によるアルミワイヤの被覆率は100%の方が40%よりも適していることが分かる。
【0359】
(実験H5) 表14に示す条件でサンプルを作成した。つまり、実験H1で使用した金属銅の代わりにニッケルを使い、実験H1と同様にして平均線径1.0mm、長さ1.0mのニッケルワイヤを得た。得られたワイヤに、共晶はんだSn/In=48/52(融点117℃)を被覆し、更に樹脂組成物として、キシレン/アクリル樹脂=80/20(キシレン樹脂:三菱瓦斯化学(株)製、ニカノールHP−100、アクリル樹脂:帝国化学産業(株)製、HTR−860P−3)を使用して、樹脂厚が20μmになるように被覆した。更に、実験H1と同様にして、被覆ワイヤ2本から封止材を作製し、ソーダガラス上での軟化温度及び120℃での加熱加圧を経て接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表14に示す条件のもと、評価試験を行い、表14に示す結果を得た。
【0360】
(実験h5) 表17に示す条件でサンプルを作成した。すなわち、実験H5で使用した金属ワイヤを線径10mmの鉛ワイヤに変更した以外はすべて実験H5と同様にして、接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表17に示す条件のもと、評価試験を行い、表17に示す結果を得た。この実験h5を実験H5と対比すると、実験h5ではワイヤ線が断線するなどの異常が発見された。従って、金属ワイヤの種類及び線径は、ニッケル製の線径1.0mmのものの方が鉛製の線径10mmのものよりも適していることが分かる。
【0361】
(実験H6) 表14に示す条件でサンプルを作成した。つまり、実験H1で使用した金属銅の代わりにステンレスを使い、実験H1と同様にして平均線径0.5mm、長さ1.0mのニッケルワイヤを得た。得られたワイヤに、共晶はんだBi/Cd=60/40(融点144℃)を被覆し、更に樹脂組成物として、ポリエステル樹脂/架橋剤=100/2(ポリエステル樹脂:東洋紡(株)製、バイロンVG700、架橋剤:日本ポリウレタン(株)製、コロネートL))を使用して、樹脂厚が20μmになるように被覆した。更に、実験H1と同様にして、被覆ワイヤ2本から封止材を作製し、ソーダガラス上での軟化温度及び120℃での加熱加圧を経て接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表14に示す条件のもと、評価試験を行い、表14に示す結果を得た。
【0362】
(実験h6) 表17に示す条件でサンプルを作成した。すなわち、実験H6で使用した金属ワイヤを線径30mmの銅線に変更した以外はすべて実験H1と同様にして、接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表17に示す条件のもと、評価試験を行い、表17に示す結果を得た。この実験h6を実験H1と対比すると、実験h6では透湿度が高くなり、金属ワイヤの線径は、線径1.0mmのものの方が線径30.0mmのものよりも適していることが分かる。
【0363】
(実験H7) 表14に示す条件でサンプルを作成した。つまり、実験H1で使用した金属銅の代わりにステンレスを使い、実験H1と同様にして平均線径0.5mm、長さ1.0mのニッケルワイヤを得た。得られたワイヤに、共晶はんだPb/Sn=5/95(融点183℃)を被覆し、更に樹脂組成物として、アクリル樹脂(日立化成工業(株)製、防湿絶縁材料TF−3348−15F2)を使用し、樹脂厚が20μmとなるように被覆した。更に、実験H1と同様に被覆ワイヤ2本から封止材を作製してソーダガラス上に配置し、樹脂の硬化は実験11の加熱に代えて2.4J/cmのUV照射により行い、その他については実験H1と同様に、接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表14に示す条件のもと、評価試験を行い、表14に示す結果を得た。
【0364】
(実験h7) 表17に示す条件でサンプルを作成した。すなわち、実験H7で使用した被覆金属層の厚さを0.0005mmとした以外はすべて実験H3と同様にして、接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表17に示す条件のもと、評価試験を行い、表17に示す結果を得た。この実験h7を実験H7と対比すると、実験h7では透湿度が高くなり、被覆金属層の厚さは、0.3mmの方が0.0005mmよりも適していることが分かる。
【0365】
(実験H8) 表14に示す条件でサンプルを作成した。つまり、実験H1で使用した金属銅の代わりにステンレスを使い、実験H1と同様にして平均線径0.5mm、長さ1.0mのニッケルワイヤを得た。得られたワイヤに、共晶はんだIn/Zn=97.2/2.8(融点144℃)を被覆し、樹脂組成物として、実験1と同じエポキシ樹脂を使用し、樹脂厚が20μmになるように被覆した。以下、実験H1と同様にして、被覆ワイヤ2本から封止材を得て、ソーダガラス上での軟化温度及び120℃での加熱加圧を経て、接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表14に示す条件のもと、評価試験を行い、表14に示す結果を得た。
【0366】
(実験h8) 表17に示す条件でサンプルを作成した。すなわち、実験H8で使用した樹脂組成物を硬化する温度を215℃とした以外はすべて実験H8と同様にして、接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表17に示す条件のもと、評価試験を行い、表17に示す結果を得た。この実験h8を実験H8と対比すると、実験h8ではEL素子が黒色に変色するという異常が見られ、EL素子が酸化、腐食化したことが分かった。従って、樹脂組成物の硬化温度は、120℃の方が215℃より適していることが分かる。
【0367】
(実験I1) 表15に示す条件でサンプルを作成した。つまり、実験G1と同様にして金属銅のインゴットを1100℃で融解し、水を貯めた回転ドラムの内側にノズルから融液を噴出させた。ただし、ノズルの断面形状を円環状とすることにより、中空構造の銅管線が作製された。固化した中空銅ワイヤ(銅管線)を遠心力によってドラムの内側に巻いて、線径1mm、管の肉厚0.1mm、長さ1mの銅管線を得た。得られた銅管線に、実験G1と同様にして、In/Cd=74/26の共晶はんだのめっき浴中で、はんだ被覆銅管線の直径が1.2mmになるまで電解めっきを施した。このようにして得られたはんだ被覆銅管線を、80℃に加熱溶融したエポキシ樹脂組成物((株)アルファ技研製、アルテコ3500、変性エポキシ樹脂/変性ポリアミン=100/50)中に浸漬し、樹脂厚が10μmになるまでワイヤ上に溶着させた。エポキシ樹脂及びはんだで被覆した銅管線二本を平行に接触配置し、80℃に加熱溶融して融着して封止材を得た。得られた封止材を、25mm×100mmのソーダガラスの周部に貼り付け、樹脂の軟化温度(80℃)、1Mpaで10分間加熱加圧した後、もう1枚のガラスを向かい合わせにして貼り合わせ、120℃、3Mpaで10分間加熱加圧して樹脂を硬化し、接着力測定用サンプルとした。一方、封止材を、100mm×100mmのソーダガラス上の4辺に貼り付けた。その後、軟化温度(80℃)、1Mpaで10分間加熱加圧した後、もう1枚のソーダガラスを貼り合わせ、120℃、3Mpaで10分間加熱加圧して樹脂を硬化し、透湿度測定用サンプルとした。そして、表15に示す条件のもと、評価試験を行い、表15に示す結果を得た。
【0368】
(実験i1) 表18に示す条件でサンプルを作成した。すなわち、実験I1で使用した銅線を線径が0.04mmのものに変更した以外はすべて実験I1と同様にして、接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表18に示す条件のもと、評価試験を行い、表18に示す結果を得た。この実験i1を実験I1と対比すると、実験i1では透湿度が高くなるとともに、接着力も弱くなり、金属管ワイヤの線径は、1.0mmの方が0.04mmよりも適していることが分かる。
【0369】
(実験I2) 表15に示す条件でサンプルを作成した。つまり、実験I1で使用した金属銅の代わりにステンレスを使い、実験I2と同様にして平均線径0.5mm、管の肉厚0.05mm、長さ1.0mのステンレス管ワイヤを得た。得られたワイヤに、常法により、Pb/Sn=5/95(融点183℃)の共晶はんだのめっき浴中で、はんだ被覆管ワイヤの直径が1.5mmになるまで電解めっきを施した。このようにして得られたはんだ被覆ステンレス管ワイヤを、70℃に加熱溶融したアクリル樹脂(日立化成工業(株)製、防湿絶縁材料TF−3348−15F2G)中に浸漬し、樹脂厚が25μmになるまでワイヤ上に溶着させた。アクリル樹脂及びはんだで被覆したステンレス管ワイヤ二本を平行に接触配置し、70℃に加熱して融着して封止材を得た。実験I1と同様に封止材をソーダガラス上に配置し、樹脂の硬化は実験I1の加熱に代えて1.0J/cmのUV照射により行い、それ以外は実験I1と同様にして、接着力測定用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表15に示す条件のもと、評価試験を行い、表15に示す結果を得た。
【0370】
(実験i2) 表18に示す条件でサンプルを作成した。すなわち、実験I2で使用した被覆金属の組成をPb100%とした以外はすべて実験I2と同様にして、接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表18に示す条件のもと、評価試験を行い、表18に示す結果を得た。この実験i2を実験I2と対比すると、実験i2では透湿度が高くなり、被覆金属の組成はPb/Sn=5/95の方がPb100%よりも適していることが分かる。
【0371】
(実験I3) 表15に示す条件でサンプルを作成した。つまり、実験I1で使用した金属銅の代わりに鉄を使い、実験I1と同様にして平均線径10mm、管の肉厚0.5mm、長さ1.0mの鉄管線を得た。得られた鉄管線に、共晶はんだBi/In=67/33(融点109℃)を融着して、被覆した管線の直径が16mmになるように共晶はんだで被覆した。次に、はんだ被覆鉄管線を、70℃に加熱溶融したフェノール樹脂(住友ベークライト(株)製フェノール樹脂PM−8200)中に浸漬し、樹脂を鉄管線上に溶着させ、樹脂の溶着量はダイヤモンドダイスにより5μmになるように調節した。被覆ワイヤ2本を融着して封止材を得た。以下、実験I1と同様にして、ソーダガラス上での軟化温度及び120℃での加熱加圧を経て、接着力測定用のサンプル及び透湿度測定用のサンプルを作製した。そして、表15に示す条件のもと、評価試験を行い、表15に示す結果を得た。
【0372】
(実験i3) 表18に示す条件でサンプルを作成した。すなわち、実験I3で使用した被覆金属層の厚さを7.0mmとした以外はすべて実験I3と同様にして、接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表18に示す条件のもと、評価試験を行い、表18に示す結果を得た。この実験i3を実験I3と対比すると、実験i3では透湿度が高くなり、被覆金属層の厚さは、3.0mmの方が7.0mmよりも適していることが分かる。
【0373】
(実験I4) 表15に示す条件でサンプルを作成した。つまり、実験I1で使用した金属銅の代わりにアルミを使い、実験I1と同様にして平均線径1.0mm、管の肉厚0.2mm、長さ1.0mのアルミ管ワイヤを得た。得られた管ワイヤに、共晶はんだSn35/In45/BiO(融点98℃)を融着して被覆した管ワイヤの直径が3.0mmになるように共晶はんだで被覆した。次に、はんだ被覆アルミ管ワイヤを、70℃に加熱溶融したメラミン樹脂(日立化成工業(株)製メラン523)中に浸漬し、樹脂厚が20μmになるまで管ワイヤ上に溶着させた。以下、実験I1と同様にして、被覆ワイヤ2本から封止材を作製し、ソーダガラス上での軟化温度及び120℃での加熱加圧を経て、接着力測定用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表15に示す条件のもと、評価試験を行い、表15に示す結果を得た。
【0374】
(実験i4) 表18に示す条件でサンプルを作成した。すなわち、実験I4で使用した金属被覆アルミ管ワイヤの被覆率を40%とした以外はすべて実験I4と同様にして、接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表18に示す条件のもと、評価試験を行い、表18に示す結果を得た。この実験i4を実験I4と対比すると、実験i4では透湿度が高くなり、金属による金属管ワイヤの被覆率は100%の方が40%よりも適していることが分かる。
【0375】
(実験I5) 表15に示す条件でサンプルを作成した。つまり、実験I1で使用した金属銅の代わりにニッケルを使い、実験I1と同様にして平均線径1.0mm、管の肉厚0.1mm、長さ1.0mのニッケル管ワイヤを得た。得られた管ワイヤに、共晶はんだSn/In=48/52(融点117℃)を被覆し、更に樹脂組成物として、キシレン/アクリル樹脂=80/20(キシレン樹脂:三菱瓦斯化学(株)製、ニカノールHP−100、アクリル樹脂:帝国化学産業(株)製、HTR−860P−3)を使用して、樹脂厚が20μmになるように被覆した。以下、実験I1と同様に、被覆ワイヤ2本から封止材を作製し、ソーダガラス上での軟化温度及び120℃での加熱加圧を経て、接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表15に示す条件のもと、評価試験を行い、表15に示す結果を得た。
【0376】
(実験i5) 表18に示す条件でサンプルを作成した。すなわち、実験I5で使用した金属管ワイヤを線径10mmの鉛管に変更した以外はすべて実験I5と同様にして、接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表18に示す条件のもと、評価試験を行い、表18に示す結果を得た。この実験i5を実験I5と対比すると、実験i5ではワイヤ線が断線するなどの異常が発見された。従って、金属ワイヤ管の種類及び線径は、ニッケル製の線径が1.0mmのもの方が鉛製の線径が10mmのものよりも適していることが分かる。
【0377】
(実験I6) 表15に示す条件でサンプルを作成した。つまり、実験I1で使用した金属銅の代わりにステンレスを使い、実験I1と同様にして平均線径0.5mm、管の肉厚0.1mm、長さ1.0mのステンレス管ワイヤを得た。得られた管ワイヤに、共晶はんだBi/Cd=60/40(融点144℃)を被覆し、更に樹脂組成物として、ポリエステル樹脂/架橋剤=100/2(ポリエステル樹脂:東洋紡(株)製、バイロンVG700、架橋剤:日本ポリウレタン(株)製、コロネートL))を使用して、樹脂厚が20μmになるように被覆した。以下、実験I1と同様にして、被覆ワイヤ2本から封止材を作製し、ソーダガラス上での軟化温度及び120℃での加熱加圧を経て、接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表15に示す条件のもと、評価試験を行い、表15に示す結果を得た。
【0378】
(実験i6) 表18に示す条件でサンプルを作成した。すなわち、実験I1で使用した金属管ワイヤを肉厚が0.005mmの銅管線とした以外はすべて実験I1と同様にして、接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表16に示す条件のもと、評価試験を行い、表16に示す結果を得た。この実験i6を実験I1と対比すると、実験i6では透湿度が高くなり、金属ワイヤ管の種類及びその線径は、ステンレス製の線径0.1mmのものの方が銅製の線径が0.005mmのものよりも適していることが分かる。
【0379】
(実験I7) 表15に示す条件でサンプルを作成した。つまり、実験I1で使用した金属銅の代わりにステンレスを使い、実験I1と同様にして平均線径0.5mm、管の肉厚0.1mm、長さ1.0mのステンレス管ワイヤを得た。得られた管ワイヤに、共晶はんだPb/Sn=5/95(融点183℃)を被覆し、更に樹脂組成物として、アクリル樹脂(日立化成工業(株)製、防湿絶縁材料TF−3348−15F2)を使用し、樹脂厚が20μmとなるように被覆した。実験I1と同様に、被覆ワイヤ2本から封止材を作製してソーダガラス上に配置し、樹脂の硬化は実験I1の加熱に代えて2.4J/cmのUV照射により行い、それ以外は実験I1と同様に、接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表I3に示す条件のもと、評価試験を行い、表I3に示す結果を得た。
【0380】
(実験i7) 表18に示す条件でサンプルを作成した。すなわち、実験I3で使用した被覆金属層を電解めっきで0.0005mmの厚さとした以外はすべて実験I3と同様にして、接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表18に示す条件のもと、評価試験を行い、表18に示す結果を得た。この実験i7を実験I3と対比すると、実験i7では透湿度が高くなり、被覆金属層の厚さは、0.3mmの方が0.0005mmよりも適していることが分かる。
【0381】
(実験I8) 表15に示す条件でサンプルを作成した。つまり、実験I1で使用した金属銅の代わりにステンレスを使い、実験I1と同様にして平均線径0.5mm、管の肉厚0.1mm、長さ1.0mのステンレス管ワイヤを得た。得られた管ワイヤに、共晶はんだIn/Zn=97.2/2.8(融点144℃)を被覆し、樹脂組成物として、実験I1と同じエポキシ樹脂を使用し、樹脂厚は20μmになるように被覆した。実験I1と同様に、被覆ワイヤ2本から封止材を作製し、ソーダガラス上での軟化温度及び120℃での加熱加圧を経て、接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表15に示す条件のもと、評価試験を行い、表15に示す結果を得た。
【0382】
(実験i8) 表18に示す条件でサンプルを作成した。すなわち、実験I8で使用した樹脂組成物を硬化する温度を215℃とした以外はすべて実験I8と同様にして、接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。そして、表18に示す条件のもと、評価試験を行い、表18に示す結果を得た。この実験i8を実験I8と対比すると、実験i8ではEL素子が黒色に変色するという異常が見られ、EL素子が酸化、腐食化してしたことが分かった。従って、樹脂組成物の硬化温度は、120℃の方が215℃より適していることが分かる。
【0383】
【表13】
Figure 2004311385
【表14】
Figure 2004311385
【表15】
Figure 2004311385
【表16】
Figure 2004311385
【表17】
Figure 2004311385
【表18】
Figure 2004311385
(実験J1) 芯材としてナイロンモノフィラメント(東レ(株)製、平均線径0.1mm、弾性率4.0GPa)を振動搬送しながら、プラズマ処理機により1KWのプラズマ処理を10m/分の速度で表面に施した。表面処理したナイロンモノフィラメントに塩化パラジウムによるシーダ処理を施した後、無電解銅めっき液中で0.2μm銅を析出させて、常法によりSn/In=48/52共晶はんだ(融点117℃)のめっき浴中で、はんだ被覆モノフィラメントの直径が160μm(被覆厚さ30μm)になるまで電解めっきを施した。はんだの被覆率は99%以上であった。
【0384】
エポキシ樹脂組成物((株)アルファ技研製、アルテコ3500、変性エポキシ樹脂/変性ポリアミン=100/50)100重量部に対して、4−メチル−2−エチルイミダゾール4重量部、乾燥剤である酸化バリウム(和光純薬(株)製)を10重量部添加し、アプリケータを使用してPETフィルム(東洋紡(株)製、A−4100、フィルム厚75μm)上に膜厚が100μmになるように塗布してエポキシ樹脂フィルムを形成した。このフィルム上に前述のはんだ被覆ナイロンモノフィラメントを配置して図26(c)のように埋設してシート状シール材を得た。
【0385】
得られたシート状シール材を、25mm×100mmのソーダガラスの4辺に沿って外周部にフィルム幅が2mmになるように貼り付け、80℃(樹脂の軟化温度)、1MPaで10分間加熱加圧し、上面のPETフィルムを剥離除去した。次に、露出したエポキシ樹脂に、もう1枚のガラスを向かい合わせになるようにして貼り合わせ、120℃、3MPaで60分間加熱加圧して樹脂を硬化し、接着力測定用のサンプルとした。一方、100mm×100mmのソーダガラス2枚を用い、JIS K−7129に従って、ガラスの4辺に沿って外周部にフィルム幅が2mmになるように封止材を貼り付けて前述と同様の温度及び圧力条件でガラスどうしを接合して透湿度測定用のサンプルとした。
【0386】
表19に示す条件のもと、評価試験を行い、表19に示す結果を得た。
【0387】
(実験j1) 使用したナイロンモノフィラメントの線径を7mmに変更したこと以外はすべて実験J1と同様にして、接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製し、評価試験を行って、表20に示す結果を得た。
【0388】
この実験J1と実験j1との比較は、モノフィラメントの線径の違いが透湿度及び接着力に及ぼす影響を示す。透湿度は、モノフィラメントの線径が大きくなると、初期の値も、温度が60℃、湿度が90%で1000H放置した後の値も、共に上昇した。接着力は、線径が大きくなると、初期の値も、温度が60℃、湿度が90%で1000H放置した後の値も共に上昇した。つまり、モノフィラメントの線径が大きくなると、接着力は増すが、透湿度も増すので、モノフィラメントの線径が大きい場合はEL表示装置の長期安定性に問題がある。
【0389】
(実験J2) 実験J1の手順を以下のように変更して表19の条件でサンプルを作製した。即ち、実験J1で使用したナイロンモノフィラメントの代わりにPETモノフィラメント(東レ(株)製、ポリエステルモノフィラメント、平均線径0.8mm、弾性率10GPa)を用い、また被覆金属として、Sn/Inの代わりに共晶はんだSn/Bi=43/57(融点139℃)を用いてはんだ被覆モノフィラメントの直径が820μm(被覆厚さ10μm)になるまで電解めっきを施した。はんだの被覆率は99%以上であった。
【0390】
更に、樹脂接着剤として、エポキシ樹脂の代わりにアクリル樹脂(日立化成工業(株)製、防湿絶縁材料TF−3348−15F2G)を使用し、酸化バリウム(和光純薬(株)製)を10重量部添加して、アプリケータを用いてPETフィルム(東洋紡(株)製、A−4100、フィルム厚75μm)上に膜厚が820μmになるように塗布してアクリル樹脂のフィルムを得た。得られた樹脂フィルム上に、前述のはんだ被覆PETモノフィラメントを配置して埋設し、図26(b)のてシート状シール材を得た。
【0391】
実験J1と同様にしてシール材をソーダガラス上に貼付し、樹脂の硬化は、実験J1と同様の加圧条件で1.0J/cmのUV照射により行い、この時150℃の加熱を併せて行って、接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。評価試験を行って、表19に示す結果を得た。
【0392】
(実験j2) 使用したPETモノフィラメントに代えて、平均線径が0.8mm、弾性率が0.1GPaのポリエチレンモノフィラメント(東レ(株)製、ポリエチレンモノフィラメント)を使用したこと以外はすべて実験J2と同様にして、接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。
【0393】
実験J2と実験j2との比較は、モノフィラメントの材質及び弾性率の違いが透湿度及び接着力に及ぼす影響を示す。透湿度は、弾性率が低下すると、初期の値も、温度が60℃、湿度が90%で1000H放置した後の値も、共に低下した。接着力は、弾性率が増加しても、初期の値も温度が60℃、湿度が90%で1000H放置した後の値も変化しなかった。つまり、モノフィラメントの弾性率が低下すると、接着力は変わらないが透湿度は増してしまうので、モノフィラメントの弾性率が小さい場合はEL表示装置の長期安定性に問題がある。
【0394】
(実験J3) 実験J1の手順を以下のように変更して表19の条件でサンプルを作製した。即ち、実験J1で使用したナイロンモノフィラメントの代わりにポリプロピレンモノフィラメント(萩原工業(株)製、マルフレン、平均線径0.2mm、弾性率5.5GPa)を用い、被覆金属として、Sn/Inの代わりに共晶はんだBi/Cd=60/40(融点144℃)を用いて、はんだ被覆モノフィラメントの直径が240μm(被覆厚さ20μm)になるまで電解めっきを施した。はんだの被覆率は99%以上であった。
【0395】
更に、樹脂接着剤として、エポキシ樹脂に代えてポリエステル樹脂/架橋剤=100/2(ポリエステル樹脂:東洋紡(株)製、バイロンVG700、架橋剤:日本ポリウレタン(株)製、コロネートL)を使用し、乾燥剤である酸化カルシウム(和光純薬(株)製)を20重量部添加し、基材としてPETの代わりにポリプロピレンフィルム(日立化成工業(株)製、K8−40)を使用して、上述の樹脂接着剤を基材に塗布して、膜厚が200μmのポリエステル樹脂フィルムを形成した。得られた樹脂フィルム上に、前述のはんだ被覆ポリプロピレンモノフィラメントを配置して埋設し、図26(c)のシート状シール材を得た。
【0396】
実験J1と同様にしてシール材をソーダガラス上に貼付し、樹脂の硬化は、実験J1と同様の加圧条件で加熱温度を150℃に変えて行って、接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。評価試験を行って、表19に示す結果を得た。
【0397】
(実験j3) 被覆金属としてPb100%を使用したこと以外はすべて実験J3と同様にして、接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。
【0398】
実験J3と実験j3との比較は、金属の違いが透湿度及び接着力に及ぼす影響を示す。被覆金属がPbであると、接着力は、初期の値も、温度が60℃、湿度が90%で1000H放置した後の値もあまり変化しなかったが、透湿度は、いずれの値も上昇した。Pbはかなり軟らかく変形し易い金属であるため、封止前の被覆金属表面の傷や凹凸等に因って接合した基板との間に隙間を生じ、透湿度が上昇したものと考えられる。しかし、このような隙間は、封止時に金属を溶融させることによって解決される。Pbは融点が高いが、融点が低い金属であれば、この問題は封止時の加熱によって容易に解決される。
【0399】
(実験J4) 実験J1の手順を以下のように変更して表19の条件でサンプルを作製した。即ち、ナイロンモノフィラメントの代わりにポリフェニレンサルファイドモノフィラメント(東レ(株)製、平均線径0.5mm、弾性率3.5GPa)を用い、被覆金属として、Sn/Inの代わりに共晶はんだAg/In=10/90(融点204℃)を用いて、はんだ被覆モノフィラメントの直径が510μm(被覆厚さ5μm)になるまで電解めっきを施した。但し、モノフィラメントはプラズマ処理を実施せずにめっきした。はんだの被覆率は99%以上であった。
【0400】
更に、樹脂接着剤として、エポキシ樹脂に代えてSBSゴム(シェルジャパン(株)製クレイトンD−1101CU)を使用し、乾燥剤である酸化カルシウム(和光純薬(株)製)を15重量部添加した。また、基材としてPETフィルムの代わりにポリカーボネートのシート(帝人化成(株)製、パンライトL−1250、135℃及び20kgf/cmでプレスして厚さ550μmに調整)を用い、実験J1と同様に樹脂接着剤を基材に塗布して厚さ550μのフィルムを形成し、前述のはんだ被覆モノフィラメントを配置して埋設し、図26(e)のシート状シール材を得た。
【0401】
実験J1と同様にしてシール材をソーダガラス上に配置し100℃に加熱して貼付し、樹脂の硬化は、実験J1と同様の加圧条件で加熱温度を210℃に変えて行って、接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。評価試験を行って、表19に示す結果を得た。
【0402】
(実験j4) 被覆金属の厚さを7mmに変えたこと以外はすべて実験J4と同様にして、接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。
【0403】
実験J4と実験j4との比較は、被覆金属の厚さの違いが透湿度及び接着力に及ぼす影響を示す。透湿度は、被覆金属の層の厚さが増しても、初期の値も、温度が60℃、湿度が90%で1000H放置した後の値も共に変化しなかった。接着力は、被覆金属の層の厚さが増すと、初期の値も、温度が60℃、湿度が90%で1000H放置した後の値も激減した。つまり、被覆金属の層の厚さが増すと透湿度は変化しないが接着力が激減するので、金属層が厚い場合はEL表示装置の長期安定性に問題がある。
【0404】
(実験J5) 実験J1の手順を以下のように変更して表19の条件でサンプルを作製した。即ち、ナイロンモノフィラメントの代わりに、PETモノフィラメント(東レ(株)製、ポリエステルモノフィラメント、平均線径0.1mm、弾性率10Gpa)を用い、また低融点金属として、Sn/Inの代わりに共晶はんだBi/Pb=56.5/43.5(融点125℃)を用いて、はんだ被覆モノフィラメントの直径が110μm(被覆厚さ5μm)になるまで電解めっきを施した。はんだの被覆率は99%以上であった。
【0405】
更に、樹脂接着剤として、エポキシ樹脂に代えてキシレン/アクリル樹脂=80/20(キシレン樹脂:三菱瓦斯化学(株)製、ニカノールHP−100、アクリル樹脂:帝国化学産業(株)製、HTR−860P−3)を使用し、乾燥剤である酸化カルシウム(和光純薬(株)製)を20重量部添加して、基材としてPETの代わりにポリイミドフィルム(東レ・デュポン(株)製、カプトン100H)を用いて、実験J1と同様に樹脂接着剤を基材に塗布して膜厚が200μmのキシレン/アクリル樹脂フィルムを形成した。得られたフィルム上に、前述のはんだ被覆PETモノフィラメントを配置して埋設し、図26(d)のシート状シール材を得た。
【0406】
実験J1と同様にしてシール材をソーダガラス上に貼付し、樹脂の硬化は、実験J1と同様の加圧条件で加熱温度を140℃に変えて行って、接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。評価試験を行って、表19に示す結果を得た。
【0407】
(実験j5) 金属による芯材の被覆率を40%としたこと以外はすべて実験J5と同様にして、接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。
【0408】
実験J5と実験j5との比較は、金属による芯材の被覆率の違いが透湿度及び接着力に及ぼす影響を示す。透湿度は、金属による芯材の被覆率が減少すると、初期の値も、温度が60℃、湿度が90%で1000H放置した後の値も、共に激増した。接着力は、金属による芯材の被覆率が減少しても、初期の値も、温度が60℃、湿度が90%で1000H放置した後の値も変化しなかった。つまり、芯材の被覆率が減少すると透湿度は激増するので、金属による芯材の被覆率が低い場合はEL表示装置の長期安定性に問題がある。
【0409】
(実験J6) 実験J1の手順を以下のように変更して表19の条件でサンプルを作製した。即ち、ナイロンモノフィラメントの代わりに、ポリプロピレンモノフィラメント(萩原工業(株)製、マルフレン、平均線径0.2mm、弾性率5.5GPa)を用い、被覆金属として、Sn/Inの代わりに共晶はんだBi/Sn/Zn=56/40/4(130℃)を用いて、はんだ被覆モノフィラメントの直径が210μm(被覆厚さ5μm)になるまで融着めっきを施した。はんだの被覆率は99%以上であった。
【0410】
更に、樹脂接着剤として、エポキシ樹脂に代えてポリエステル樹脂/架橋剤=100/2(ポリエステル樹脂:東洋紡(株)製、バイロンVG700、架橋剤:日本ポリウレタン(株)製、コロネートL)を使用し、乾燥剤である酸化カルシウム(和光純薬(株)製)を20重量部添加して、実験J1と同様にして樹脂接着剤を基材に塗布して膜厚が210μmのキシレン/アクリル樹脂フィルムを得た。但し、基材としてはPETの代わりにポリプロピレンフィルム(日立化成工業(株)製、K8−40)を使用した。得られたフィルム上に前述のはんだ被覆ポリプロピレンモノフィラメントを配置して埋設し、図26(a)のシート状シール材を得た。
【0411】
実験J1と同様にしてシール材をソーダガラス上に貼付し、樹脂の硬化は、実験J1と同様の加圧条件で加熱温度を140℃に変えて行って、接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。評価試験を行って、表19に示す結果を得た。
【0412】
(実験j6) 樹脂接着剤を硬化する加熱温度を140℃から250℃に変更したこと以外はすべて実験J6と同様にして、接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。
【0413】
実験J6と実験j6との比較は、樹脂接着剤の硬化温度の違いがEL素子の外観に及ぼす影響を示す。加熱温度が250℃まで上昇すると、ダークスポットが発生して外観が劣化し、表示素子としての品質が低下した。従って、樹脂接着剤の硬化に必要な加熱温度が高すぎる場合はEL表示装置の外観、品質を低下させる。
【0414】
(実験J7) 実験J1の手順を以下のように変更して表19の条件でサンプルを作製した。即ち、ナイロンモノフィラメントの代わりに、ポリ塩化ビニルモノフィラメント(東ソー(株)製、リューロンペースト772、平均線径0.5mm、弾性率3.8GPa)を用い、被覆金属として、Sn/Inの代わりに共晶はんだPb/Sn=5/95(融点183℃)を用いて、はんだ被覆モノフィラメントの直径が510μm(被覆厚さ5μm)になるまで融着めっきを施した。はんだの被覆率は99%以上であった。
【0415】
更に、樹脂接着剤として、エポキシ樹脂に代えてアクリル樹脂(日立化成工業(株)製、防湿絶縁材料TF−3348−15F2)を使用し、乾燥剤である酸化バリウム(和光純薬(株)製)を5重量部添加して、実験J1と同様にして樹脂接着剤を基材に塗布して、膜厚が400μmのアクリル樹脂フィルムを得た。但し、基材としてはPETの代わりにポリエチレンフィルム(日立化成工業(株)製、CA−60)を使用した。得られた樹脂フィルム上に、前述のはんだ被覆ポリ塩化ビニルモノフィラメントを配置して埋設し、図26(c)のシート状シール材を得た。
【0416】
実験J1と同様にしてシール材をソーダガラス上に貼付し、樹脂の硬化は、実験J1と同様の加圧条件で2.4J/cmのUV照射により行い、この時200℃の加熱を併せて行って、接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。評価試験を行って、表19に示す結果を得た。
【0417】
(実験j7) 樹脂接着剤の基材上への塗布厚を1.5mmとしたこと以外はすべて実験J7と同様にして、接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。
【0418】
実験J7と実験j7との比較は、樹脂接着剤フィルムの厚さの違いが透湿度及び接着力に及ぼす影響を示す。透湿度は、樹脂接着剤フィルムが厚くなると、初期の値も、温度が60℃、湿度が90%で1000H放置した後の値も、共に増加した。接着力は、樹脂接着剤フィルムが厚くなると、初期の値も、温度が60℃、湿度が90%で1000H放置した後の値も変化しなかった。つまり、防湿接着層の膜厚が厚くなると、接着力は変化しないが透湿度は増加するので、樹脂接着剤フィルムが厚い場合はEL表示装置の長期安定性に問題がある。
【0419】
(実験J8) 実験J1の手順を以下のように変更して表19の条件でサンプルを作製した。即ち、ナイロンモノフィラメントにプラズマ処理を施さず、はんだ被覆モノフィラメントの直径が110μm(厚さ5μm)になるように融着めっきによってはんだを施したこと以外は実験J1と同様にして、はんだ被覆モノフィラメントを得た。はんだの被覆率は99%以上であった。
【0420】
更に、樹脂接着剤として、エポキシ樹脂に代えて、UV硬化カチオン重合樹脂組成物[エピコート1001/エピコート828(以上、ビスフェノール型エポキシ樹脂、油化シェル(株)/ニポール1032(ニトリルゴム、日本ゼオン(株)製)/ヒタノール2400(アルキルフェノール、日立化成工業(株)製)/トリフェニルスルホニウム塩系硬化剤(トリフェニルスルホニウムヘキサフロロアンチモネート、旭電化(株)製)/酸化バリウム=50/20/20/10/4/10の配合比の樹脂組成物]を用い、マイクロシリンジを使ってPETフィルム(東洋紡(株)製、A−4100、フィルム厚75μm)上に、膜厚が120μm、幅が2mmになるように塗布して樹脂フィルムを形成した。この樹脂フィルム上に、上記はんだ被覆ナイロンモノフィラメントを配置して埋設し、図26(b)のシート状シール材を得た。
【0421】
実験J1と同様にしてシール材をソーダガラス上に貼付し、樹脂の硬化は、実験J1と同様の加圧条件で6J/cmのUV照射により行い、この時120℃の加熱を併せて行って、接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。評価試験を行って、表19に示す結果を得た。
【0422】
(実験j8) 樹脂接着剤の基材上への塗布厚を0.5μmとしたこと以外はすべて実験J8と同様にして、接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。
【0423】
実験J8と実験j8との比較は、樹脂接着剤フィルムの厚さの違いが透湿度及び接着力に及ぼす影響を示す。透湿度は、樹脂接着剤の膜厚が小さくなると、初期の値も、温度が60℃、湿度が90%で1000H放置した後の値も、共に低下した。接着力は、樹脂接着剤の膜厚が小さくなると、初期の値も、温度が60℃、湿度が90%で1000H放置した後の値も、低下した。つまり、樹脂接着剤の膜厚が小さくなると接着力は低下し、透湿度は増加するので、樹脂接着剤の膜厚が小さい場合はEL表示装置の長期安定性に問題がある。
【0424】
【表19】
Figure 2004311385
【表20】
Figure 2004311385
(実験K1) 芯材としてナイロンモノフィラメント(東レ(株)製、平均線径0.1mm、弾性率4.0GPa)を振動搬送しながら、プラズマ処理機により1KWのプラズマ処理を10m/分の速度で表面に施した。エポキシ樹脂組成物((株)アルファ技研製、アルテコ3500、変性エポキシ樹脂/変性ポリアミン=100/50)100重量部に対して多官能性イソシアネート化合物(日本ポリウレタン(株)製、コロネートL)を5重量部添加して作製したプライマーの10%MEK溶液に、プラズマ処理したナイロンモノフィラメントを1分間浸漬し、120℃で10分間乾燥硬化させることによってプライマー処理を施した。その後、常法によりSn/In=48/52共晶はんだ(融点117℃)のめっき浴中で、はんだ被覆モノフィラメントの直径が160μm(被覆厚さ30μm)になるまで電解めっきを施した。はんだの被覆率は99%以上であった。
【0425】
エポキシ樹脂組成物((株)アルファ技研製、アルテコ3500、変性エポキシ樹脂/変性ポリアミン=100/50)100重量部に対して、4−メチル−2−エチルイミダゾール4重量部、乾燥剤である酸化バリウム(和光純薬(株)製)10重量部を添加し、アプリケータを使用してPETフィルム(東洋紡(株)製、A−4100、フィルム厚75μm)上に膜厚が100μmになるように塗布してエポキシ樹脂フィルムを形成した。このフィルム上に前述のはんだ被覆ナイロンモノフィラメントを配置して図26(c)のように埋設してシート状シール材を得た。
【0426】
得られたシート状シール材を、25mm×100mmのソーダガラスの4辺に沿って外周部にフィルム幅が2mmになるように貼り付け、80℃(樹脂の軟化温度)、1MPaで10分間加熱加圧し、上面のPETフィルムを剥離除去した。次に、露出したエポキシ樹脂に、もう1枚のガラスを向かい合わせになるようにして貼り合わせ、120℃、3MPaで60分間加熱加圧して樹脂を硬化し、接着力測定用のサンプルとした。一方、100mm×100mmのソーダガラス2枚を用い、JIS K−7129に従って、ガラスの4辺に沿って外周部にフィルム幅が2mmになるように封止材を貼り付けて前述と同様の温度及び圧力条件でガラスどうしを接合して透湿度測定用のサンプルとした。
【0427】
表21に示す条件のもと、評価試験を行い、表21に示す結果を得た。
【0428】
(実験k1) はんだによるナイロンモノフィラメントの被覆率が40%になるように電解めっきを行ったこと以外はすべて実験K1と同様にして、接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製し、評価試験を行って、表22に示す結果を得た。
【0429】
この実験K1と実験k1との比較は、はんだによる被覆率の違いが透湿度及び接着力に及ぼす影響を示す。透湿度は、はんだによる被覆率が小さくなると、初期の値も、温度が80℃、湿度が90%で1000時間放置した後の値も、共に上昇した。接着力は、被覆率が小さくなっても、初期の値も、温度が80℃、湿度が90%で1000時間放置した後の値も変化しなかった。つまり、はんだによる被覆率が低下する場合、透湿度が増すので、EL表示装置の長期安定性に問題がある。
【0430】
(実験K2) 実験K1の手順を以下のように変更して表21の条件でサンプルを作製した。即ち、実験K1で使用したナイロンモノフィラメントの代わりにPETモノフィラメント(東レ(株)製、ポリエステルモノフィラメント、平均線径0.1mm、弾性率10GPa)を用い、プライマーをアクリル樹脂(日立化成工業(株)製、防湿絶縁材料TF−3348−15F2G)に変更してPETモノフィラメントに塗布し、1.0J/cmのUV照射によりアクリル樹脂を硬化させた。このモノフィラメントに、被覆金属として、Sn/Inの代わりに共晶はんだSn/Bi=43/57(融点139℃)を用いてはんだ被覆モノフィラメントの直径が120μm(被覆厚さ10μm)になるまで電解めっきを施した。はんだの被覆率は99%以上であった。
【0431】
更に、樹脂接着剤として、エポキシ樹脂の代わりにアクリル樹脂(日立化成工業(株)製、防湿絶縁材料TF−3348−15F2G)を使用し、酸化バリウム(和光純薬(株)製)を10重量部添加して、アプリケータを用いてPETフィルム(東洋紡(株)製、A−4100、フィルム厚75μm)上に膜厚が120μmになるように塗布してアクリル樹脂のフィルムを得た。得られた樹脂フィルム上に、前述のはんだ被覆PETモノフィラメントを配置して埋設し、図26(a)のシート状シール材を得た。
【0432】
実験K1と同様にしてシール材をソーダガラス上に貼付し、樹脂の硬化は、実験K1と同様の加圧条件で1.0J/cmのUV照射により行い、この時150℃の加熱を併せて行って、接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。評価試験を行って、表21に示す結果を得た。
【0433】
(実験k2) プラズマ処理及びプライマー処理のいずれも実施しなかったこと以外はすべて実験K2と同様にして、接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。
【0434】
実験K2と実験k2との比較は、モノフィラメントのプラズマ及びプライマーによる表面処理の有無が透湿度及び接着力に及ぼす影響を示す。実験k2において、透湿度は、表面処理を施さないと、温度が80℃、湿度が90%で1000H放置した後の値が低下した(但し、温度が60℃の場合は、1000時間放置後も変化しなかった)。接着力は、表面処理を施さなくても、初期の値も温度が80℃、湿度が90%で1000時間放置した後の値も変化しなかった。つまり、プラズマ又はプライマーによる表面処理がない場合は、接着力は変わらないが透湿度は増してしまうので、EL表示装置の厳しい条件下での長期安定性に問題がある。
【0435】
(実験K3) 実験K1の手順を以下のように変更して表21の条件でサンプルを作製した。即ち、実験K1で使用したナイロンモノフィラメントの代わりにポリプロピレンモノフィラメント(萩原工業(株)製、マルフレン、平均線径0.2mm、弾性率5.5GPa)を用い、プライマーをポリエステル樹脂/架橋剤=100/2(ポリエステル樹脂:東洋紡(株)製、バイロンVG700、架橋剤:日本ポリウレタン(株)製、コロネートL)に変更して、プラズマ処理を行わずに、ポリプロピレンモノフィラメントをプライマーの10%MEK溶液に1分間浸漬して120℃で10分間乾燥硬化させることによってプライマー処理を施した。その後、被覆金属として、Sn/Inの代わりに共晶はんだBi/Cd=60/40(融点144℃)を用いて、はんだ被覆モノフィラメントの直径が240μm(被覆厚さ20μm)になるまで電解めっきを施した。はんだの被覆率は99%以上であった。
【0436】
更に、樹脂接着剤として、エポキシ樹脂に代えてポリエステル樹脂/架橋剤=100/2(ポリエステル樹脂:東洋紡(株)製、バイロンVG700、架橋剤:日本ポリウレタン(株)製、コロネートL)を使用し、乾燥剤である酸化カルシウム(和光純薬(株)製)を20重量部添加し、基材としてPETの代わりにポリプロピレンフィルム(日立化成工業(株)製、K8−40)を使用して、上述の樹脂接着剤を基材に塗布して、膜厚が200μmのポリエステル樹脂フィルムを形成した。得られた樹脂フィルム上に、前述のはんだ被覆ポリプロピレンモノフィラメントを配置して埋設し、図26(c)のシート状シール材を得た。
【0437】
実験K1と同様にして、シール材をソーダガラス上に貼付し、樹脂の硬化は、実験K1と同様の加圧条件で加熱温度を150℃に変えて行って、接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。評価試験を行って、表21に示す結果を得た。
【0438】
(実験k3) プライマー処理を行わなかったこと以外はすべて実験K3と同様にして、接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。
【0439】
実験K3と実験k3との比較は、プライマー処理の有無が透湿度及び接着力に及ぼす影響を示す。接着力は、プライマ処理を行わなくても、初期の値も、温度が80℃、湿度が90%で1000時間放置した後の値もあまり変化しなかったが、透湿度は、1000時間後の値が上昇した(但し、温度を60℃とした場合は、1000時間後も値は変わらなかった。つまり、プライマーによる表面処理がない場合は、接着力は変わらないが透湿度は増してしまうので、EL表示装置の厳しい条件下での長期安定性に問題がある。
【0440】
(実験K4) プライマー処理を行わなずに、プラズマ処理機による1KWのプラズマ処理を10m/分の速度で芯材表面に施したこと以外はすべて実験K3と同様にして、接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。
【0441】
評価試験の結果は、80℃、湿度90%で1000時間放置した後の透湿度の値が僅かに上昇したが、温度が60℃では1000時間放置後でも透湿度及び接着力のいずれの項目についても良好な値が得られた。
【0442】
(実験K5) プライマー処理を行わなずに、コロナ処理機による5KWのプコロナ放電処理を20m/分の速度で芯材表面に施したこと以外はすべて実験K3と同様にして、接着用サンプル及び透湿度測定用サンプルを作製した。
【0443】
評価試験の結果は、80℃、湿度90%で1000時間放置した後の透湿度の値が僅かに上昇したが、温度が60℃では1000時間放置後でも透湿度及び接着力のいずれの項目についても良好な値が得られた。
【0444】
【表21】
Figure 2004311385
【表22】
Figure 2004311385
(実験L1) 直径100μmのナイロンファイバーをイソプロピルアルコールに浸漬して脱脂した後、表面にプラズマ処理を施した。更に、塩化パラジウムによるシーダ処理を施した後、無電解銅めっき液(CUST2000、日立化成工業社製)中に液温25℃で10分間浸漬して0.2μmの銅を析出させた。この時の銅めっき膜は脆く、剥離し易かった。更に、電解銅めっき液中で、電流密度が0.003A/cmになるように電流値を調整して液温25℃で5分間電解銅めっきを施した。これを蒸留水中で洗浄した後、乾燥機を用いて120℃で10分間乾燥した。めっき被覆ファイバーの直径は160μm(被覆厚さ30μm、はんだの被覆率は99%以上)であり、銅めっき膜は、剥離を生じない強度を有していた。更に、この銅めっき被膜ファイバーは、Sn/In=48/52共晶はんだの電解めっき液(石原薬品社製)を用いて、電流密度0.25A/cmになるように電流値を調整して液温25℃で10分間Sn/In共晶合金電解めっきを施した。その結果、膜厚15±1μmの良好なSn/In共晶合金被覆が形成され、Sn/In合金めっきの膜厚の均一性は非常に高かった。
【0445】
(実験L2) 直径100μmの軟銅線をイソプロピルアルコールに浸漬して10分間脱脂した後、Sn/In=48/52共晶はんだの電解めっき液(石原薬品社製)を用いて、電流密度0.3A/cmになるように電流値を調整して液温25℃で10分間Sn/In共晶合金電解めっきを施した。その結果、膜厚20±1μmの良好なSn/In共晶合金被覆が形成され、Sn/In合金めっきの膜厚の均一性は非常に高かった。
【0446】
【発明の効果】
本発明によれば、初期及び長時間加熱加湿後の防湿性に優れ、且つ、基板と対向基板との接合の密着性が良好な封止を実現できる封止材及び封止構成体を提供することができる。
【0447】
また、本発明によれば、接着機能及び防湿機能に優れた封止構成体を用いて基板と対向基板とを封止するので、搭載される機能素子の耐久性や信頼性が改善され、防湿性及び耐酸化性に優れた長寿命の実装体を提供することができる。
【0448】
また、機能素子や基板を損傷しない温度範囲で基板と対向基板とを強固に接合でき、スペーサの機能を有し、作業性に優れるシート状封止材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る実装体の基板接合前の基板に垂直な断面図(a)、基板接合後の実装体を示す基板に垂直な断面図(b)、及び、図1(a),(b)の実装体の封止材の配置を説明するための基板に平行な概略構成図(c)である。
【図2】第1の実施形態における封止材の条部材の製造工程の一例を説明するための斜断図(a),(b)である。
【図3】第1の実施形態における封止材の条部材の製造工程の他の例を説明するための斜断図(a),(b)である。
【図4】第1の実施形態における封止材の条部材の製造工程の他の例を説明するための斜断図(a),(b)である。
【図5】第1の実施形態における封止材の芯材の断面図(a),(b),(c),(d)である。
【図6】第1の実施形態における封止構成体の配置状態の例を示し、(b),(c),(d),(e)は基板に平行な概略構成図、(a)は、図6(b),(c),(d),(e)のA−A’線断面図である。
【図7】第1の実施形態における実装体の製造方法を説明する製造工程の模式図(a)〜(f)である。
【図8】第1の実施形態における実装体の製造方法の他の例を説明する製造工程の模式図(a)〜(c)である。
【図9】第1の実施形態に係る実装体の製造における加圧下での封止構成体を表す要部断面図である。
【図10】図6(b)の封止構成体の配置での実装体の製造過程を説明するための、図6(b)のB−B’線方向から見た要部の断面図であり、(a)は接合前、(b)は接合後を示す。
【図11】封止構成体の応用例を示す、基板に垂直な断面図(a)〜(g)である。
【図12】本発明の第2の実施の形態に係る実装体の基板接合前の基板に垂直な断面図(a)、基板接合後の実装体を示す基板に垂直な断面図(b)、及び、図12(a),(b)の実装体の封止材の配置を説明するための基板に平行な概略構成図(c)である。
【図13】第2の実施形態における封止材の例を説明するための斜断図(a),(b),(c)である。
【図14】第2の実施形態における封止材の断面図(a)〜(f)である。
【図15】第2の実施形態における実装体の製造方法を説明する製造工程の模式図(a)〜(e)である。
【図16】第2の実施形態における封止構成体の配置状態の例を示し、(b),(c),(d),(e)は基板に平行な概略構成図、(a)は、図16(b),(c),(d),(e)のA−A’線断面図である。
【図17】第2の実施形態に係る実装体の製造における加圧下での封止構成体を表す要部断面図である。
【図18】図16(b)の封止構成体の配置での実装体の製造過程を説明するための、図6(b)のB−B’線方向から見た要部の断面図であり、(a)は接合前、(b)は接合後を示す。
【図19】本発明の第3の実施の形態に係る実装体の基板接合前の基板に垂直な断面図(a)、基板接合後の実装体を示す基板に垂直な断面図(b)、及び、図19(a),(b)の実装体の封止材の配置を説明するための基板に平行な概略構成図(c)である。
【図20】第3の実施形態における封止材の例を説明するための斜断図(a),(b),(c)である。
【図21】第3の実施形態における封止材の断面図(a)〜(h)である。
【図22】第3の実施形態における実装体の製造方法を説明する製造工程の模式図(a)〜(e)である。
【図23】第3の実施形態における封止構成体の配置状態の例を示し、(b),(c),(d),(e)は基板に平行な概略構成図、(a)は、図23(b),(c),(d),(e)のA−A’線断面図である。
【図24】第3の実施形態に係る実装体の製造における加圧下での封止構成体を表す要部断面図である。
【図25】図23(b)の封止構成体の配置での実装体の製造過程を説明するための、図23(b)のB−B’線方向から見た要部の断面図であり、(a)は接合前、(b)は接合後を示す。
【図26】本発明に係るシート状封止材の第1の実施形態における変形を示す断面図(a)〜(e)、及び、図26(a)のシート状封止材の斜視透視図(f)である。
【図27】本発明に係るシート状封止材の第1の実施形態における他の変形例を示す断面図(a)〜(c)である。
【図28】本発明に係るシート状封止材の第2の実施形態を示す断面図(a)〜(d)である。
【図29】本発明に係るシート状封止材の製造方法を説明するための各工程における断面図(a),(b)である。
【図30】本発明に係るシート状封止材を用いた実装体の製造方法の一実施形態としてEL表示装置の製造方法を説明するための各工程における断面図(a)〜(e)であり、図30(c)は、図31のA−A’線矢視断面図である。
【図31】シート状封止材の配置の変形例を示すための、図30(c)における基板の平面図(a)〜(d)である。
【図32】本発明に係るシート状封止材の他の実施形態を説明するための、基板の平面図である。
【図33】本発明に係るシート状封止材を用いた実装体の製造方法の他の実施形態として無機EL素子によるEL表示装置の製造方法を説明するための各工程における断面図(a)〜(e)である。
【図34】本発明に係るシート状封止材を用いた実装体の製造方法の他の実施形態として太陽電池素子を封止した実装体の製造方法を説明するための各工程における断面図(a)〜(e)である。
【図35】本発明に係る封止材の条部材の変形例及びそれを用いた実装体を示す条部材の斜断図(a)及び実装体の基板に垂直な断面図(b)である。
【符号の説明】
1 芯材、 1a プラスチックワイヤ、 1b 金属ワイヤ
1c 金属管線、 2 金属層、 3,3’,3” 接着層
4a〜4d,4a’〜4d’,4a”〜4d” 封止材
5 基板、 6 対向基板、 7 下部電極、 8 電子輸送層
9 発光層、 10 正孔輸送層、 11 上部電極
12 有機EL素子、 13 条部材、 14 樹脂接着剤
15 絶縁膜、 16 基材、 17 導電層
20 無機EL素子、 21,23 絶縁層、 22 発光層
24 電極(Al)、 30 太陽電池素子、 31 電荷輸送層

Claims (124)

  1. 弾性変形可能な条状の芯材と、該芯材の少なくとも一部を覆う金属層とを有する条部材。
  2. 前記金属層は、厚さが1μm以上5mm以下である請求項1記載の条部材。
  3. 前記金属層は、はんだで形成される請求項1又は2記載の条部材。
  4. 前記金属層は、融点が80℃以上250℃以下の低融点合金で形成される請求項1又は2記載の条部材。
  5. 前記金属層は、鉛、錫、ビスマス、インジウム、カドミウム及び亜鉛からなる群より選択される少なくとも1つを含有する融点が80℃以上250℃以下の低融点合金で形成される請求項1又は2記載の条部材。
  6. 前記金属層は、前記芯材に沿って条状に形成され、該芯材の外周面の50%以上を覆う請求項1〜5のいずれかに記載の条部材。
  7. 前記金属層は、厚さが5μm以上30μm以下である請求項1〜6のいずれかに記載の条部材。
  8. 前記金属層は、錫及びインジウムを含有する低融点合金で形成される請求項1〜7のいずれかに記載の条部材。
  9. 更に、前記金属層と前記条部材との間に介在する導電層を有する請求項1〜8のいずれかに記載の条部材。
  10. 前記導電層は、銅を含有するめっき層である請求項9記載の条部材。
  11. 接着剤と共に使用して該接着剤による接合の遮蔽性を高める封止用の請求項1〜10のいずれかに記載の条部材。
  12. 樹脂接着剤と共に使用して該樹脂接着剤による接合の湿分又は酸素に対する遮蔽性を高める封止用の請求項1〜10のいずれかに記載の条部材。
  13. 前記芯材は、ポリエチレン、ナイロン、ポリビニルアルコール、アラミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリプロピレン、PAN、ポリ塩化ビニル及びポリフェニレンサルファイドからなる群より選択される少なくとも1種を含有するプラスチック材料又は銅により形成される請求項1〜12のいずれかに記載の条部材。
  14. 前記芯材は、プラズマ処理、コロナ放電処理及びプライマー処理からなる群より選択される少なくとも1種の表面処理が施されるプラスチックで形成される請求項1〜13のいずれかに記載の条部材。
  15. 条状の金属材と、前記金属材に組み込まれる弾性変形可能な条状の芯材とを有する、樹脂接着剤による接合の遮蔽性を高めるための封止用条部材。
  16. 弾性変形可能な条状の芯材を用意する工程と、該芯材の少なくとも一部を覆う金属層を設ける工程とを有する条部材の製造方法。
  17. 前記金属層は、電解めっき法、無電解めっき法及び金属融着法からなる群より選択される少なくとも1つの方法を利用して形成される請求項16の条部材の製造方法。
  18. 前記芯材はプラスチックワイヤであり、前記金属層は電解めっき法によって形成され、前記金属層を設ける工程の前に、前記金属層と前記条部材との間に介在する導電層を形成する工程を有する請求項16記載の条部材の製造方法。
  19. 前記導電層は無電解めっきによって形成され、前記金属層は5〜30μmの厚さに形成される請求項18記載の条部材の製造方法。
  20. 前記導電層は、銅を含有するめっき層であり、前記金属層は、錫及びインジウムを含有する低融点合金で形成される請求項18又は19記載の条部材の製造方法。
  21. 前記芯材はプラスチックで形成され、更に、
    前記芯材にプラズマ処理、コロナ放電処理及びプライマー処理からなる群より選択される少なくとも1種の表面処理を施す工程
    を有する請求項16〜20のいずれかに記載の条部材の製造方法。
  22. 弾性変形可能な条状の芯材と、該芯材の少なくとも一部を覆う金属層とを有する条部材;及び
    前記条部材に添設される接着剤層
    を有する封止材。
  23. 前記接着剤層は、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、キシレン樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の樹脂を主成分とする樹脂組成物によって形成される請求項22記載の封止材。
  24. 前記接着剤層は、メルトインデックスが0.2以上200以下である樹脂組成物によって形成される請求項22又は23記載の封止材。
  25. 前記接着剤層は、硬化温度が50℃以上200℃以下である樹脂組成物によって形成される請求項22〜24のいずれかに記載の封止材。
  26. 前記接着剤層は、放射線により硬化する樹脂組成物によって形成される請求項22〜24のいずれかに記載の封止材。
  27. 前記金属層は、前記芯材に沿って条状に形成され、前記接着剤層は、厚さが1μm以上10mm以下である請求項22〜26のいずれかに記載の封止材。
  28. 前記芯材は、プラズマ処理、コロナ放電処理及びプライマー処理からなる群より選択される少なくとも1種の表面処理が施されるプラスチックで形成される請求項22〜27のいずれかに記載の封止材。
  29. 弾性変形可能な条状の芯材と該芯材の少なくとも一部を覆う金属層とを各々が有し並列する複数の条部材;及び
    前記複数の条部材を接続する樹脂層
    を有する封止材。
  30. 前記金属層は、低融点金属により前記芯材に沿って条状に形成され、前記樹脂層は、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、キシレン樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の樹脂を主成分とする接着剤組成物によって形成される請求項29記載の封止材。
  31. 弾性変形可能な条状の芯材を用意する工程と、
    該芯材の少なくとも一部を覆う金属層が形成された条部材を作成する工程と、
    前記条部材の周囲の少なくとも一部を覆う接着剤層を形成する工程と
    を有する封止材の製造方法。
  32. 前記金属層は、前記芯材に沿って条状に形成され、前記接着剤層は、樹脂組成物を用いて浸漬またはスプレーによって前記条部材に形成される請求項31記載の封止材の製造方法。
  33. 前記芯材はプラスチックで形成され、更に、前記条部材の作成工程の前に、
    前記芯材にプラズマ処理、コロナ放電処理及びプライマー処理からなる群より選択される少なくとも1種の表面処理を施す工程
    を有する請求項31又は32記載の封止材の製造方法。
  34. 離型性面を有する基材;
    弾性変形可能な条状の芯材と該芯材の少なくとも一部を覆う金属層とを有する条部材;及び
    該条部材と共に前記基材の該離型性面上に支持される接着剤
    を有するシート状封止材。
  35. 前記条部材は、少なくとも一部が前記接着剤に埋設される請求項34記載のシート状封止材。
  36. 前記条部材は、前記接着剤上に付着される請求項34記載のシート状封止材。
  37. 前記条部材は、前記接着剤に設けられる条状のスリット内に配置される請求項34記載のシート状封止材。
  38. 前記金属層は、前記芯材に沿って条状に形成され、前記接着剤は、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、キシレン樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の樹脂を主成分とする樹脂組成物である請求項34〜37のいずれかに記載のシート状封止材。
  39. 前記接着剤は乾燥剤を含有し、前記芯材は、ポリエチレン、ナイロン、ポリビニルアルコール、アラミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリプロピレン、PAN、ポリ塩化ビニル及びポリフェニレンサルファイドからなる群より選択される少なくとも1種を含有する弾性材料又は銅により形成される請求項34〜38のいずれかに記載のシート状封止材。
  40. 前記条部材は環状であり、前記接着剤は、該条部材に併行するように環状に前記離型性面上に配置される請求項34〜39のいずれかに記載のシート状封止材。
  41. 前記芯材は、プラズマ処理、コロナ放電処理及びプライマー処理からなる群より選択される少なくとも1種の表面処理が施されるプラスチックで形成される請求項34〜40のいずれかに記載のシート状封止材。
  42. 離型性面を有する基材;
    弾性を有する条状の芯材と該芯材の少なくとも一部を覆う金属層とを各々が有し並列する複数の条部材;及び
    該複数の条部材と共に前記基材の該離型性面上に支持される接着剤
    を有するシート状封止材。
  43. 弾性変形可能な条状の芯材の少なくとも一部を金属層が覆う条部材を用意する工程と、
    離型性面を有する基材を用意する工程と、
    前記基材の該離型性面に樹脂接着剤を配置する工程と、
    前記基材の該離型性面に前記条部材を配置する工程と
    を有するシート状封止材の製造方法。
  44. 前記条部材の少なくとも一部が前記樹脂接着剤に埋設されるように該条部材は配置される請求項43記載のシート状封止材の製造方法。
  45. 前記条部材は、前記樹脂接着剤上に載置される請求項43記載のシート状封止材の製造方法。
  46. 前記樹脂接着剤は、前記条部材に相当するスリットを有するように配置され、前記条部材を前記樹脂接着剤の該スリット内に配置される請求項43記載のシート状封止材の製造方法。
  47. 前記金属層は、前記芯材に沿って条状に形成され、前記芯材は、ポリエチレン、ナイロン、ポリビニルアルコール、アラミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリプロピレン、PAN、ポリ塩化ビニル及びポリフェニレンサルファイドからなる群より選択される少なくとも1種を含有する弾性材料又は銅で形成される請求項43〜46のいずれかに記載のシート状封止材の製造方法。
  48. 更に、
    前記樹脂接着剤に乾燥剤を配合する工程と、
    前記離型性面に配置された前記条部材及び前記樹脂接着剤を別の離型性面で覆う工程と
    を有する請求項43〜47のいずれかに記載のシート状封止材の製造方法。
  49. 前記条部材は環状であり、前記樹脂接着剤は、該条部材に併行するように環状に前記離型性面に配置される請求項43〜48のいずれかに記載のシート状封止材の製造方法。
  50. 前記条部材を用意する工程は、
    前記芯材をプラスチックで形成する工程と、
    前記芯材に、プラズマ処理、コロナ放電処理及びプライマー処理からなる群より選択される少なくとも1種の表面処理を施す工程と
    前記表面処理が施された該芯材を被覆する金属層を設ける工程と
    を有する請求項43〜49のいずれかに記載のシート状封止材の製造方法。
  51. 離型性面を有する基材;弾性変形可能な条状の芯材と該芯材の少なくとも一部を覆う金属層とを有する条部材;及び、該条部材と共に前記基材の該離型性面上に支持される樹脂接着剤:を有するシート状封止材と、
    前記シート状封止材の該樹脂接着剤が貼着された基板と
    を有する封止用基板。
  52. 基板;
    該基板上に配置され、弾性変形可能な条状の芯材と該芯材の少なくとも一部を覆う金属層とを有する条部材;
    該条部材と共に該基板上に配置される樹脂接着剤;及び
    離型性面を有し、該離型性面で該樹脂接着剤を覆う基材
    を有する封止用基板。
  53. 基板上に配置され、弾性変形可能な条状の芯材と該芯材の少なくとも一部を覆う金属層とを有する条部材;及び
    該条部材と共に前記基板上に配置される接着剤
    を有する、前記基板を他の基板と封止接合するための封止構成体。
  54. 前記金属層は、厚さが1μm以上5mm以下である請求項53記載の封止構成体。
  55. 前記金属層は、はんだで形成される請求項53又は54記載の封止構成体。
  56. 前記金属層は、融点が80℃以上250℃以下の低融点合金で形成される請求項53又は54記載の封止構成体。
  57. 前記金属層は、鉛、錫、ビスマス、インジウム、カドミウム及び亜鉛からなる群より選択される少なくとも1つを含有する低融点合金で形成される請求項53又は54記載の封止構成体。
  58. 前記金属層は、前記芯材に沿って条状に形成され、該芯材の外周面の50%以上を覆う請求項53〜57のいずれかに記載の封止構成体。
  59. 前記接着剤は、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、キシレン樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の樹脂を主成分とする樹脂組成物である請求項53〜58のいずれかに記載の封止構成体。
  60. 前記接着剤は、メルトインデックスが0.2以上200以下である樹脂組成物である請求項53〜59のいずれかに記載の封止構成体。
  61. 前記接着剤は、硬化温度が50℃以上200℃以下である樹脂組成物である請求項53〜60のいずれかに記載の封止構成体。
  62. 前記接着剤は、放射線により硬化する樹脂組成物である請求項53〜60のいずれかに記載の封止構成体。
  63. 前記接着剤は、前記基板に垂直な方向の厚さが1μm以上10mm以下の条状層に形成される請求項53〜62のいずれかに記載の封止構成体。
  64. 弾性変形可能な条状の芯材と該芯材の少なくとも一部を覆う金属層とを有する条部材を用意する工程と、
    該条部材及び接着剤を基板上に配置する工程と
    を有する、前記基板を他の基板と封止接合するための封止構成体の製造方法。
  65. 前記条部材及び前記接着剤を配置する工程は、該条部材を該接着剤に浸漬する工程、又は、該接着剤を前記基板上にスプレーする工程を有する請求項64記載の封止構成体の製造方法。
  66. 弾性変形可能な条状の芯材と該芯材の少なくとも一部を被覆する金属層とを各々が有する複数の条部材を用意する工程と、
    基板上に該複数の条部材及び接着剤を配置して、該接着剤を並列する該複数の条部材の間に位置させる工程と
    を有する、前記基板を他の基板と封止接合するための封止構成体の製造方法。
  67. 基板と対向基板とを封止接合するために該基板上に設けられる封止構成体であって、
    条状の防湿層と、
    該基板を該対向基板と接合するための接着層と、
    該基板が該対向基板と接合した時に弾性変形により該防湿層を該基板及び該対向基板に圧接可能な弾性層と
    を有する封止構成体。
  68. 前記弾性層は、弾性変形可能な条状の芯材によって構成され、前記防湿層は、該芯材と並列し金属によって構成される請求項67記載の封止構成体。
  69. 前記芯材は、断面が円形であり、前記接着層の前記基板に垂直な方向の厚さは、該芯材の直径の20%以上400%以下である請求項68記載の封止構成体。
  70. 前記金属は、該芯材の少なくとも一部を1μm以上5mm以下の厚さで覆っている請求項68又は69記載の封止構成体。
  71. 前記防湿層は、はんだで形成される請求項67〜70のいずれかに記載の封止構成体。
  72. 前記防湿層は、融点が80℃以上250℃以下の低融点合金で形成される請求項67〜70のいずれかに記載の封止構成体。
  73. 前記防湿層は、鉛、錫、ビスマス、インジウム、カドミウム及び亜鉛からなる群より選択される少なくとも1つを含有する融点が80℃以上250℃以下の低融点合金で形成される請求項67〜70のいずれかに記載の封止構成体。
  74. 前記金属は、前記芯材に沿って条状に形成され、該芯材の外周面の50%以上を覆う請求項68〜73のいずれかに記載の封止構成体。
  75. 前記接着層は、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、キシレン樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の樹脂を主成分とする樹脂組成物で構成され耐応力性を有する請求項67〜74のいずれかに記載の封止構成体。
  76. 前記接着層は、メルトインデックスが0.2以上200以下である樹脂組成物で構成される請求項67〜75のいずれかに記載の封止構成体。
  77. 前記接着層は、硬化温度が50℃以上200℃以下である樹脂組成物で構成される請求項67〜76のいずれかに記載の封止構成体。
  78. 前記接着層は、放射線により硬化する樹脂組成物で構成される請求項67〜76のいずれかに記載の封止構成体。
  79. 前記接着層は、前記基板と垂直な方向の厚さが1μm以上10mm以下の条状層に形成される請求項67〜78のいずれかに記載の封止構成体。
  80. 条状の防湿層と、該防湿層と並列し、基板を対向基板と接合した時に弾性変形により該防湿層を該基板及び該対向基板に圧接可能な弾性層とを該基板上に設ける工程と、
    該基板を該対向基板と接合するための接着層を該基板上に設ける工程と
    を有する、該基板を対向基板と封止接合するための封止構成体の製造方法。
  81. 基板及び該基板に対向する対向基板;
    前記基板と前記対向基板とを接合する接着剤;及び
    弾性変形した条状の芯材と、該芯材の少なくとも一部を覆い、弾性変形した該芯材によって前記基板及び前記対向基板の双方に圧接される金属層とを有する、前記基板と前記対向基板との間の空間を遮蔽する条部材
    を有する封止体。
  82. 基板及び該基板に対向する対向基板;
    前記基板と前記対向基板とを接合する接着剤;
    前記基板と前記対向基板との間の空間を遮蔽する条状の金属層;及び
    前記基板と前記対向基板との間で弾性変形して前記金属層を前記基板及び前記対向基板の双方に圧接する条状の芯材
    を有する封止体。
  83. 基板及び該基板に対向する対向基板;
    前記基板と前記対向基板とを接合する接着層;
    前記基板と前記対向基板との間の空間を遮蔽する条状の防湿層;及び
    前記基板と前記対向基板との間で弾性変形して前記防湿層を前記基板及び前記対向基板の双方に圧接する弾性層
    を有する封止体。
  84. 基板及び該基板に対向する対向基板;
    前記基板と前記対向基板とを接合する接着剤;
    弾性変形した条状の芯材と、該芯材の少なくとも一部を覆い、弾性変形した該芯材によって前記基板及び前記対向基板の双方に圧接される金属層とを有する、前記基板と前記対向基板との間の空間を遮蔽する条部材;及び
    前記基板と前記対向基板との間の該空間に設けられる機能素子
    を有する実装体。
  85. 前記機能素子は、有機EL素子、無機EL素子及び太陽電池素子からなる群より選択される素子であり、前記接着剤、前記金属層及び前記芯材は、該機能素子を囲繞するように配置される請求項84記載の実装体。
  86. 前記金属層は、融点が80℃以上250℃以下であり前記芯材に沿って条状に配置され、前記接着層は、前記条部材に沿って該金属層の外側に配置され、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、キシレン樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の樹脂を主成分とする樹脂組成物で構成され耐応力性を有する請求項84又は85記載の実装体。
  87. 前記接着剤は乾燥剤を含有し、前記芯材は、ポリエチレン、ナイロン、ポリビニルアルコール、アラミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリプロピレン、PAN、ポリ塩化ビニル及びポリフェニレンサルファイドからなる群より選択される少なくとも1種を含有する弾性材料又は銅により形成される請求項84〜86のいずれかに記載の実装体。
  88. 基板及び該基板に対向する対向基板;
    前記基板と前記対向基板とを接合する接着剤;
    前記基板と前記対向基板との間の空間を遮蔽する条状の金属層;
    前記基板と前記対向基板との間で弾性変形して前記金属層を前記基板及び前記対向基板の双方に圧接する条状の芯材;及び
    前記基板と前記対向基板との間の該空間に設けられる機能素子
    を有する実装体。
  89. 前記機能素子は、有機EL素子、無機EL素子及び太陽電池素子からなる群より選択される素子であり、前記接着剤、前記金属層及び前記芯材は、該機能素子を囲繞するように配置される請求項88記載の実装体。
  90. 前記金属層は、融点が80℃以上250℃以下であり前記芯材と並行して配置され、前記接着層は、前記条部材に沿って該金属層の外側に配置され、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、キシレン樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の樹脂を主成分とする樹脂組成物で構成され耐応力性を有する請求項88又は89記載の実装体。
  91. 前記接着剤は乾燥剤を含有し、前記芯材は、ポリエチレン、ナイロン、ポリビニルアルコール、アラミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリプロピレン、PAN、ポリ塩化ビニル及びポリフェニレンサルファイドからなる群より選択される少なくとも1種を含有する弾性材料又は銅により形成される請求項88〜90のいずれかに記載の実装体。
  92. 基板及び該基板に対向する対向基板;
    前記基板と前記対向基板とを接合する接着層;
    前記基板と前記対向基板との間の空間を遮蔽する条状の防湿層;
    前記基板と前記対向基板との間で弾性変形して前記防湿層を前記基板及び前記対向基板の双方に圧接する弾性層;及び
    前記基板と前記対向基板との間の該空間に設けられる機能素子
    を有する実装体。
  93. 前記機能素子は、有機EL素子、無機EL素子及び太陽電池素子からなる群より選択される素子であり、前記接着層、前記防湿層及び前記弾性層は、該機能素子を囲繞するように並列して配置される請求項92記載の実装体。
  94. 前記防湿層は、融点が80℃以上250℃以下の金属で前記芯材と並行して設けられ、前記接着層は、前記弾性層に沿って該防湿層の外側に配置され、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、キシレン樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の樹脂を主成分とする樹脂組成物で構成され耐応力性を有する請求項92又は93記載の実装体。
  95. 前記接着層は乾燥剤を含有し、前記弾性層は、ポリエチレン、ナイロン、ポリビニルアルコール、アラミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリプロピレン、PAN、ポリ塩化ビニル及びポリフェニレンサルファイドからなる群より選択される少なくとも1種を含有する弾性材料又は銅により形成される請求項92〜94のいずれかに記載の実装体。
  96. 機能素子が設けられた基板を用意する工程と、
    弾性変形可能な条状の芯材及び該芯材の少なくとも一部を覆う金属層を有する条部材を、前記機能素子を取り囲むように前記基板上に配置する工程と、
    前記条部材と並列するように接着剤を前記基板上に配置する工程と、
    前記条部材に対向基板を圧接しながら、前記接着剤によって前記基板と前記対向基板とを接合する工程と
    を有する実装体の製造方法。
  97. 前記金属層は、電解めっき法、無電解めっき法及び金属融着法からなる群より選択される少なくとも1つの方法を利用して、融点が80℃以上250℃以下の低融点金属により形成される請求項96記載の実装体の製造方法。
  98. 前記接着剤は、ディスペンサー、スプレー又はスクリーン印刷によって配置される可塑性の樹脂組成物、あるいは、樹脂成形体である請求項96又は97記載の実装体の製造方法。
  99. 前記接着剤は、熱又は放射線により硬化する樹脂組成物であり、該樹脂組成物の硬化によって前記基板と前記対向基板とを接合する請求項96〜98のいずれかに記載の実装体の製造方法。
  100. 機能素子が設けられた基板を用意する工程と、
    弾性変形可能な条状の芯材及び該芯材の少なくとも一部を覆う金属層を有する条部材を、前記基板と対向基板とを対面させた時に前記機能素子を取り囲むように前記対向基板上に配置する工程と、
    前記条部材と並列するように接着剤を前記対向基板上に配置する工程と、
    前記条部材に前記基板を圧接しながら、前記接着剤によって前記基板と前記対向基板とを接合する工程と
    を有する実装体の製造方法。
  101. 前記金属層は、電解めっき法、無電解めっき法及び金属融着法からなる群より選択される少なくとも1つの方法を利用して、融点が80℃以上250℃以下の低融点金属により形成される請求項100記載の実装体の製造方法。
  102. 前記接着剤は、ディスペンサー、スプレー又はスクリーン印刷によって配置される可塑性の樹脂組成物、あるいは、樹脂成形体である請求項100又は101記載の実装体の製造方法。
  103. 前記接着剤は、熱又は放射線により硬化する樹脂組成物であり、該樹脂組成物の硬化によって前記基板と前記対向基板とを接合する請求項100〜102のいずれかに記載の実装体の製造方法。
  104. 機能素子が設けられた基板を用意する工程と、
    弾性変形可能な条状の芯材及び該芯材の少なくとも一部を覆う金属層を有する条部材と、該条部材と並列する接着剤とが、前記基板と対向基板とを対面させた時に前記機能素子を取り囲むように設けられた前記対向基板を用意する工程と、前記基板に前記条部材を圧接しながら、前記接着剤によって前記基板と前記対向基板とを接合する工程と
    を有する実装体の製造方法。
  105. 前記金属層は、電解めっき法、無電解めっき法及び金属融着法からなる群より選択される少なくとも1つの方法を利用して、融点が80℃以上250℃以下の低融点金属により形成される請求項104の実装体の製造方法。
  106. 前記接着剤は、ディスペンサー、スプレー又はスクリーン印刷によって配置される可塑性の樹脂組成物、あるいは、樹脂成形体である請求項104又は105記載の実装体の製造方法。
  107. 前記接着剤は、熱又は放射線により硬化する樹脂組成物であり、該樹脂組成物の硬化によって前記基板と前記対向基板とを接合する請求項104〜106のいずれかに記載の実装体の製造方法。
  108. 機能素子が設けられた基板を用意する工程と、
    条状の防湿層と、該防湿層に並列し、前記基板と対向基板とを接合した時に弾性変形により該防湿層を該基板及び該対向基板に圧接可能な弾性層とを、前記機能素子を取り囲むように該基板上に設ける工程と、
    前記防湿層と並列する接着層を前記基板上に設ける工程と、
    前記弾性層に対向基板を圧接しながら、前記接着剤によって前記基板と前記対向基板とを接合する工程と
    を有する実装体の製造方法。
  109. 前記接着層は、ディスペンサー、スプレー又はスクリーン印刷によって可塑性の樹脂組成物を配置するか、あるいは、樹脂成形体を配置することによって設けられる請求項108記載の実装体の製造方法。
  110. 前記接着層は、熱又は放射線により硬化する樹脂組成物で形成され、該樹脂組成物の硬化によって前記基板と前記対向基板とを接合する請求項108又は109記載の実装体の製造方法。
  111. 機能素子が設けられた基板を用意する工程と、
    条状の防湿層と、該防湿層に並列し、前記基板と対向基板とを接合した時に弾性変形により該防湿層を該基板及び該対向基板に圧接可能な弾性層と、前記防湿層と並列する接着層とが、前記基板と対向基板とを対面させた時に前記機能素子を取り囲むように設けられた該対向基板を用意する工程と、
    前記弾性層に該基板を圧接しながら、前記接着層によって前記基板と前記対向基板とを接合する工程と
    を有する実装体の製造方法。
  112. 前記接着層は、可塑性の樹脂組成物をディスペンサー、スプレー又はスクリーン印刷によって配置するか、あるいは、樹脂成形体を配置することによって設けられる請求項111記載の実装体の製造方法。
  113. 前記接着層は、熱又は放射線により硬化する樹脂組成物で形成され、該樹脂組成物の硬化によって前記基板と前記対向基板とを接合する請求項111又は112記載の実装体の製造方法。
  114. 機能素子が設けられた基板を用意する工程と、
    条状の金属層と、該金属に並列し、前記基板と対向基板とを接合した時に弾性変形により該金属層を該基板及び該対向基板に圧接可能な条状の弾性芯材と、前記金属層と並列する接着剤とが、前記基板と対向基板とを対面させた時に前記機能素子を取り囲むように設けられた該対向基板を用意する工程と、
    前記弾性芯材に該基板を圧接しながら、前記接着剤によって前記基板と前記対向基板とを接合する工程と
    を有する実装体の製造方法。
  115. 前記接着剤は、可塑性の樹脂組成物をディスペンサー、スプレー又はスクリーン印刷によって配置するか、あるいは、樹脂成形体を配置することによって設けられる請求項114記載の実装体の製造方法。
  116. 前記接着剤は、熱又は放射線により硬化する樹脂組成物であり、該樹脂組成物の硬化によって前記基板と前記対向基板とを接合する請求項114又は115記載の実装体の製造方法。
  117. 機能素子が設けられた基板を用意する工程と、
    弾性変形可能な条状の芯材及び該芯材の少なくとも一部を覆う金属層を各々が有する複数の条部材が接着層を介して並列に配置される封止構成体を、前記機能素子を取り囲むように前記基板上に配置する工程と、
    前記条部材に対向基板を圧接しながら、前記接着層によって前記基板と前記対向基板とを接合する工程と
    を有する実装体の製造方法。
  118. 前記金属層は、電解めっき法、無電解めっき法及び金属融着法からなる群より選択される少なくとも1つの方法を利用して、融点が80℃以上250℃以下の低融点金属により形成される請求項117記載の実装体の製造方法。
  119. 前記接着層は、熱又は放射線により硬化する樹脂組成物で形成され、該樹脂組成物の硬化によって前記基板と前記対向基板とを接合する請求項117又は118記載の実装体の製造方法。
  120. 機能素子が設けられた基板を用意する工程と、
    弾性を有する条状の芯材が金属層で被覆された条部材と、離型性面を有する基材と、該離型性面上に前記条部材と共に支持される接着剤とを有するシート状シール材で前記機能素子を取り囲むように、該シート状シール材の該接着剤を前記基板に貼付する工程と、
    前記基材を該接着剤から剥離する工程と、
    前記基板上の前記条部材に対向基板を押圧しながら前記接着剤で該基板と該対向基板とを接合する工程と
    を有することを特徴とする実装体の製造方法。
  121. 前記金属層は、電解めっき法、無電解めっき法及び金属融着法からなる群より選択される少なくとも1つの方法を利用して、融点が80℃以上250℃以下の低融点金属により形成される請求項120記載の実装体の製造方法。
  122. 前記接着剤は、熱又は放射線により硬化する樹脂組成物であり、該樹脂組成物の硬化によって前記基板と前記対向基板とを接合する請求項120又は121記載の実装体の製造方法。
  123. 基板及び該基板に対向する対向基板;
    前記基板と前記対向基板とを接合する接着層;
    前記基板及び前記対向基板の双方に圧接され前記基板と前記対向基板との間の空間を遮蔽する条状の防湿層;及び
    前記基板と前記対向基板との間の該空間に設けられる機能素子
    を有する実装体。
  124. 基板及び該基板に対向して接合される対向基板;
    前記基板と前記対向基板との間の空間を遮蔽する条状の金属層;
    前記基板と前記対向基板との間で弾性変形して前記防湿層を前記基板及び前記対向基板の双方に圧接する条状の芯材;及び
    前記基板と前記対向基板との間の該空間に設けられる機能素子
    を有する実装体。
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