JP2004299733A - チューブ及びチューブ成形品及びチューブの製造方法。 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】積層チューブにあっては、少なくとも1層の筒状層と縦帯状の発泡層を有し、この発泡層により外表面に軸方向の縦条が形成することにあり、積層チューブの製造方法にあっては、筒状合成樹脂層と共に、発泡剤を0.1〜10重量%混合した縦帯状合成樹脂層を共押出しすること、にある。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、外表面に軸方向の縦条を有するチューブ及びこのチューブを用いたチューブ成形品、さらにはこのチューブの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、チューブ容器はペースト状の医薬品、医薬部外品、化粧品、工業用等のペースト状製品の収納に多く使用されている。胴部をスクイズ変形可能に形成することにより、内容物を容易に適量取り出すことができ、また特許文献1に記載があるように、内容物の性質、長期保存等の使用形態に応じて、たとえば外層および内層をポリエチレン、中間層を酸素バリア性樹脂とし、壁を積層構造としたチューブ容器が用いられている。
【0003】
また、多くの場合チューブ容器のチューブ本体には合成樹脂を筒状に押出成形した単層チューブあるいは積層チューブが用いられる。
【0004】
積層チューブの場合は、金型に数種類の溶融樹脂の流路を別個に設け、金型内で流路を合流させた成形ダイによる共押出成形方法、あるいはチューブ状の基材層の外径よりも大きいダイから他層をパイプ状に押出し、これをダイ出口のニップル側から減圧吸引によって基材層上に密着させて均一に他層を被覆する方法等がある。
【0005】
また、チューブはたとえば特許文献1に記載があるように、所定の長さに切断し、一方の開放端に肩部および口部からなるヘッドを射出成形あるいは圧縮成形によって取り付けて、さらに内容物を充填後他方の開放端を熱シール等により密閉し、チューブ容器製品として使用される。
【0006】
【特許文献1】
特開2003−54589号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、チューブの成形が基本的には合成樹脂を筒状に押出成形する方法であり、チューブの外表面に装飾的、あるいは触感だけでチューブ容器の内容物を識別可能にする等の機能付与の目的で凹凸を形成させることは困難であり、実現したとしても生産性、コストの点で問題があった。
【0008】
また、チューブの外表面に凹凸を設けて他層を積層した積層チューブを形成する場合であっても、外観上の美観に加え、高級感等を達成するためには、一定の均一性を維持して、凹凸を形成する必要がある。
【0009】
そこで、本発明は、チューブの外表面上に、一定の均一性を維持した縦条を高生産性を確保しながら形成することを技術的課題とし、もって装飾的効果を発揮するとともに、触感のみで識別を可能とする等の機能性を有した積層チューブ及びチューブ成形品を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記技術的課題を解決する本発明の内、請求項1記載の発明の手段は、少なくとも1層の筒状層と縦帯状の発泡層を有し、この発泡層により外表面に軸方向の縦条が形成していること、にある。
【0011】
請求項1記載の上記構成により、縦帯状の発泡層によりチューブの外表面に縦条が形成され、チューブの装飾性、見た目の面白さが向上し、チューブ表面の凹凸により触感だけでチューブを他のチューブと識別することが可能となる。ここで発泡層は必ずしも最外層に位置する必要はなく少なくとも中間層に位置すれば発泡層の厚肉化により外層に縦条を形成させることができる。
【0012】
また、縦条に沿ってチューブを容易に押し潰すことが可能であり、このチューブから成形されたチューブ容器等のチューブ成形品に収納された内容物を容易に押し出すことができ、また縦条がチューブの骨材として機能し、チューブの形態を安定に維持することが可能となる。
【0013】
請求項2記載の発明の手段は、請求項1記載の発明において、筒状の外層および内層を有し、中間層に縦帯状の発泡層を有すること、にある。
【0014】
請求項2記載の上記構成により、中間層の縦帯状の発泡層により、内層および外層を有する積層チューブの外表面に縦条を形成できると共に、外表面全体は筒条の外層により形成されるので、外表面の一定の均一性を維持しながら、この外表面に縦条を形成することができる。またチューブの内表面全体は内層によってほぼ平滑に形成することができ、チューブ容器等に使用する際の内容物の収納性等については通常のチューブと同様なものが得られる。
【0015】
外層、内層および発泡層を形成する樹脂は目的に応じて異種の合成樹脂とすることもでき、また同種あるいは同じ合成樹脂とすることもできる。
【0016】
請求項3記載の発明の手段は、請求項1または2記載の発明において、縦条を、複数設けたこと、にある。
【0017】
請求項3記載の上記構成により、複数の縦条がチューブに、ストライプ状に形成されることになり、チューブの装飾性がより向上し、縦条の本数を決めておくことによって、触感だけでチューブを個別に識別することができる。
【0018】
請求項4載の発明の手段は、請求項3記載の発明において、縦条を軸対称に設けたこと、にある。
【0019】
請求項4記載の上記構成により、縦条を軸対称に設けたため、軸対称となっている縦条に沿って、チューブを扁平状に押し潰すことができ、チューブの底部をシールしてチューブ容器等のチューブ成形品を形成する際に便利である。また、このチューブから形成されたチューブ成形品から収納物を取り出す際にも、縦条がガイドとなってこのチューブ成形品を押し潰しやすく、収納物を押し出しやすくなる、と云う利点を奏する。
【0020】
請求項5記載の発明の手段は、請求項3または4載のチューブにおいて、縦条を異なる幅としたこと、にある。
【0021】
請求項5記載上記構成により、縦条を異なる幅としたため、見た目の面白さを向上させることができ、また、幅広の縦条に文字等を印刷することが可能となり、さらには幅の違いによる識別機能を持たせることができる。
【0022】
請求項6記載の発明の手段は、請求項1、2、3、4または5記載の発明においてアルミラミネート材から形成した筒状層を有すること、にある。
【0023】
請求項6記載の上記構成により、酸素バリア性等のアルミラミネート材の良好な性質を有し、外表面に形成した縦条による修飾性、機能性に優れたチューブ(積層チューブ)を提供する。
【0024】
請求項7記載の発明の手段は、請求項1、2、3、4、5または6記載の発明において筒状層と発泡層とを異色とすること、にある。
【0025】
請求項7の上記構成により、発泡層を異色とすることによりチューブの外表面に、たとえば色の異なるストライプ状の模様を形成することができ、色彩によっても装飾性を向上させることができる。
【0026】
また、たとえば外層、内層を有し、発泡層を中間層にした場合においても、外層を透明あるいは半透明状にしておくことにより、上記色彩による装飾性を発揮させることができる。
【0027】
請求項8記載の発明の手段は、請求項1、2、3、4、5、6または7記載のチューブを、所定長さに切断し、一方の開放端を扁平状に押し潰して閉塞し、他方の開放端に肩部および口部からなるヘッドを設けてチューブ成形品とすること、にある。
【0028】
請求項9記載の発明の手段は、請求項1、2、3、4、5、6または7記載のチューブを、所定長さに切断し、両方の開放端を扁平状に押し潰して閉塞してチューブ成形品とすること、にある。
【0029】
請求項8または9記載の上記構成により、縦状の形成により装飾性および機能性を加味したチューブを用いて、意匠性および機能性の高いチューブ成形品を提供することができる。
【0030】
請求項10記載の発明の積層チューブの製造方法は、筒状合成樹脂層と共に、発泡剤を0.1〜10重量%混合した縦帯状合成樹脂層を共押出しすること、にある。
【0031】
請求項10記載の上記製造方法により、押出用多層ダイ内で発泡剤を混合した縦帯状合成樹脂層を筒条合成樹脂層に合流させた状態で外部に共押出しするので、筒条合成樹脂層上に発泡剤を含んだ縦帯状の層を安定して形成することができ、一定した形状の縦条が形成されたチューブを得ることができる。
【0032】
発泡剤の量は0.1重量%未満では発泡が不十分であり、また10重量%を超える場合は、発泡の制御が困難であり一定の縦条形状を得ることが困難になると共に成形性の不良により生産性が低くなってしまう。
【0033】
請求項11記載の発明のチューブの製造方法は、請求項10記載の製造方法において、外層を形成する筒状合成樹脂層と、内層を形成する筒状合成樹脂層と、該外層と内層の間に縦帯状合成樹脂層とを共押出しすること、にある。
【0034】
一般的に発泡剤を含む縦帯状合成樹脂層を一定の形状に形成することは、樹脂層の発泡挙動および縦帯状という形状面から生産性の低い成形となるが、請求項11記載の上記製造方法により、押出用多層ダイ内で外層と内層の間に縦帯状合成樹脂層を合流させることにより形状を一定に保ちながら安定して共押出しすことができ、また外表面全体が外層によって形成されるので、外観の形状および性状の一定した縦条が形成されたチューブを得ることができる。
【0035】
また、ダイの先端部の樹脂通路に凹凸形状を形成することなく縦帯状合成樹脂層の発泡によって縦条の形成が可能であり、ダイ構造を簡単することができ、共押出しスムーズに達成でき、生産性の高いものとなる。
【0036】
請求項12記載の発明のチューブの製造方法は、請求項10または11記載の製造方法において、基材層となる筒状体上に被覆状に、筒状合成樹脂層と縦帯状合成樹脂層を共押出しすること、にある。
【0037】
請求項12記載の上記製造方法により、たとえばアルミラミネート材等の共押出しができない層を有するチューブについても外表面に縦条を形成することが可能となる。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例を、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明のチューブの一実施例を示す、チューブ1の(a)側面図および(b)横断面図であり、図2は図1(b)の一部を拡大して示したものである。
【0039】
図2に示すように、チューブ1は外層2、内層3および中間層である1本の縦帯状の発泡層4から形成される積層構造であり、発泡層4により外層が凸状に変形するようにして外表面に1本の縦条5が形成されたものである。
【0040】
ここで、縦状5を形成するための発泡層4自体が表面に露出しているわけではなく、縦状5の部分も含めて外表面全体が外層で形成されているので、一定の均一性を有した外観とすることができ、発泡層4の露出による美観の低下を心配することなく縦状5の形成を達成することができる。
【0041】
また、外層2、内層3および発泡層4に使用する合成樹脂は目的に応じて選択することができるものであるが、すべての層をたとえばポリエチレン系の樹脂で形成すれば各層間の接着性の優れた積層チューブを得ることができる。また、目的に応じてガスバリア層、接着層等を加えることもできる。
【0042】
図3は、本発明のチューブ成形品であるチューブ容器9の一例を示すものであり、図1に示したチューブ1を所定の長さに切断して、一方の開放端に肩部6および口部6からなるヘッド8を射出成形あるいは圧縮成形によって溶融結合した状態を示している。なお通常では、他の開放端から内容物を充填した後、この他の開放端を熱シール法、超音波シール法等により扁平状に熱溶着して内容物を密封して使用される。
【0043】
図3に示されるように本チューブ容器9は胴部に縦条5が1本形成されたものとなり、この縦条5によって、チューブ容器9の外表面上に凹凸ができるため、この凹凸によってチューブ容器9の装飾性や見た目の面白さを向上することができる。
【0044】
また、このチューブ容器9は、触っただけで、縦条5を認識することができるので、上記チューブ容器9の例は縦条5が1本形成されたものであるが、この縦条5の本数、形成位置あるいは横幅等を変えることにより、手で触った時の感触によりチューブ容器9の識別をすることができる。
【0045】
たとえば縦条5の本数によって、チューブ容器9に収納する内容物を決めておくと、チューブ容器9を手で触っただけで、チューブ容器9に収納された内容物を識別することができるため、視覚障害等を有する人にとって便利であり、また健常者にとっても、たとえば洗顔中等内容物の表示等が見え難い状況において複数本のチューブ容器9等を使い分ける際に便利である。
【0046】
図6は、本発明のチューブ1の他の実施例を示し、層構成は図1に示される実施例と同様であるが、チューブ1上に軸対称に4本の縦条5を形成し、そのうち2本が互いに近接している。この場合、チューブ1を押し潰すと、二つの縦条4の間に挟まれた溝部5aが、縦条5をガイドとして外方に突出し、チューブ1を簡単に扁平状に押し潰すことができる。
【0047】
また、図7はチューブ容器9の他の例を示したものであり、容器形状および層構成は図3に示すチューブ容器と同様であるが、縦条5を等間隔に全周に亘って形成したものであり、ストライプ状の凹凸形状を有することになり、装飾性が向上すると共に、縦条5をガイドとして簡単にチューブ容器9を扁平状に押し潰すことができ、またチューブ容器9から内容物を取り出す際にも、縦条5をガイドとしてチューブ容器9を押し潰すことができるため、チューブ容器9等から内容物をきれいに押し出すことができ、取扱い性が向上する。
【0048】
また、ここでたとえば内層3と発泡層4を異色にして、そして外層2を無色透明あるいは半透明状にすれば、チューブ容器9の胴部表面にストライプ状の凹凸と共に、色彩的な装飾を付与することができる。
【0049】
また、図8はチューブ成形品のさらに他の例を示すものであり、チューブ1から袋容器10を形成することもできる。チューブ1を所定の長さに切断し、チューブ1の一方の開放端を熱シール機あるいは超音波シール機等で扁平状に押し潰して閉塞し、他方の開放端から内容物を充填後、この他方の開放端を同様に閉塞し内容物を密閉保存する等により使用される。
【0050】
図4は、図1に示した本発明によるチューブ1の製造方法の一実施例を示したものであり、外表面に縦帯条の発泡層4により軸方向に1本の縦条5を形成するための共押出成形装置の一部の概略構成図を示す縦断面図であり、図5(a)および(b)はそれぞれ図4中のA−A線およびB−B線に沿って示した横断面図である。
【0051】
図4に示すように、共押出成形は、図示を省略した内層3の材料となる溶融樹脂を供給する押出機と、発泡層4の材料となる発泡材が混合された溶融樹脂を供給する押出機と、外層2の材料となる溶融樹脂を供給する押出機を有しており、これら押出機からそれぞれの樹脂流入口13a、14a、12aに溶融樹脂を供給する。
【0052】
そしてまず、内層3の材料となる溶融樹脂が樹脂流入口13aから円環状流動を達成するための機能を有するマニホールドに供給され円環状の内層用樹脂通路13で円環流動を形成し、次に発泡層4の材料となる発泡剤が混合された溶融樹脂が、樹脂流入口14aを経て、図5(a)中の符合14で示される周位置に形成された断面が矩形の細帯状の発泡層用樹脂通路14を流動して、内層用樹脂通路13へ合流する。
【0053】
さらに外層2の材料となる溶融樹脂が樹脂入口12a、マニホールドを経て、外層用樹脂通路12で円環状流動を形成し、発泡層4の材料となる縦帯状の溶融樹脂を内層3の材料となる溶融樹脂との間にサンドイッチ状に挟みこむようにして、内層3の材料となる溶融樹脂の円環流動に外側から合流して、ダイ11から外層2を形成する筒状樹脂層と、内層3を形成する筒状樹脂層と、発泡層4を形成する縦帯状樹脂層が積層状態でダイ11の外に共押出しされる。
【0054】
ここで、発泡層4の材料となる溶融樹脂には発泡剤が混合されており、この発泡剤はすでにダイ11内で分解しているが、ダイ内での発泡は溶融樹脂の圧力により抑制されているので、図5(a)に示されるように、合流後においても積層した溶融樹脂はスムーズな円環流動を維持確保することができる。
【0055】
積層した状態の溶融樹脂がダイ11から外部に押し出されると、樹脂圧力が急激に低下して、発泡剤を混合した縦帯状の溶融樹脂層における発泡が進行して、発泡層4の厚さが増大し、いまだ溶融状態にある外層2を内部から突き上げるような状態で変形させその結果、チューブ1の外表面に縦条5を形成することができる。(図5(b)参照)
【0056】
上記したように、本実施例の製造方法では、ダイ11から外部に押し出された際の発泡層4の発泡による厚さの増大によりチューブ1の外表面に縦条5を形成するので、ダイ11内での円環状の樹脂通路に凹凸を形成する必要もなく通常の多層成形用の円環ダイでの成形が可能であり、高い生産で縦条5を有するチューブ1を製造することができる。
【0057】
発泡剤の混合量は0.1〜10重量%、より好ましくは0.2〜5重量%が適量であり、少なすぎると発泡倍率が上がらず縦条5が十分に形成されず、また多すぎるとダイ11内での発泡が発生して共押出成形ができなくなる、ダイ11を出てからの発泡の泡の大きさが大きくなりすぎる、破泡が発生する等で縦条5を一定の美観のあるものとすることができなくなる等の問題が発生する。
【0058】
なお通常発泡剤の混合は、予め発泡剤を比較的高濃度に所定の合成樹脂と混合後ペレット状の所謂マスターバッチを製造し、このマスターバッチを発泡層4の材料となる樹脂と混合することにより実施される。
【0059】
なお、本製造方法の実施例においては縦帯条の発泡層4を1本としているが、図4中の発泡剤を混合した溶融樹脂の樹脂流入口14aからマニホールドを介して樹脂通路を複数の縦帯状の通路に分岐させることにより所望の位置に、複数本の発泡層4を形成させることができる。
【0060】
また、図4中15は、マンドレルを示し、成形ダイ11から押し出された、チューブ1の形状を安定に保持している。また、図示を省略したがチューブ1の製造においては、マンドレル15で形を保持しつつ、成形ダイ11から押し出されたチューブ1を冷却する冷却装置、押し出されたチューブ1を引っ張る引張装置、チューブ1を適当な長さに切断する切断装置等を設ける等する。
【0061】
図9は、基材層16となる筒状体上に被覆状に、筒状合成樹脂層と縦帯状合成樹脂層を共押出しして、チューブ1を成形するための装置の一部の概略構成図を示す縦断面図であり、図10(a)および(b)はそれぞれ図9中のC−C線およびD−D線に沿って示した横断面図である。
【0062】
図9に示すように、この共押出成形は、図示を省略した内層3の材料となる溶融樹脂を供給する押出機と、発泡層4の材料となる発泡剤が混合された溶融樹脂を供給する押出機を有しており、それぞれの溶融樹脂が樹脂流入口13a、14aに供給される。
【0063】
そしてまず、内層3の材料となる溶融樹脂が樹脂流入口13aから円環状流動を達成するための機能を有するマニホールドに供給され円環状の内層用樹脂通路13で円環流動を形成し、次に発泡層4の材料となる発泡剤が混合された溶融樹脂が、樹脂流入口14aを経て図10(a)中の符合14で示される周位置に形成された断面が矩形の細帯状の発泡層用樹脂通路14を流動して、内層用樹脂通路13へ合流し、内層3を形成する筒状合成樹脂の外表面に発泡層4の材料となる発泡剤を混合した縦帯状合成樹脂層が積層した状態で管状体の基材層16上に被覆状に共押出しされる。
【0064】
ダイ11から出て樹脂圧力が低下すると発泡剤を混合した樹脂層の発泡が進展して、内層3上に発泡層4からなる縦状5が形成される。(図10(b)参照)
【0065】
基材層16としては、たとえば可撓性を有するアルミラミネート材を円筒状に形成したものも使用することができる。また勿論のことではあるが、共押出しを外層2、発泡層4および内層3の3層にすることもできるし目的に応じて、ガスバリア層、接着剤層等も加えてさらに多層とすることもできる。
【0066】
【発明の効果】
本発明は、上記した構成となっているので、以下に示す効果を奏する。
請求項1記載の発明にあっては、縦帯状の発泡層によりチューブの外表面に縦条が形成され、チューブの装飾性、見た目の面白さが向上すると共に、チューブ表面の凹凸により触感だけでチューブを他のチューブと識別することができる。
【0067】
また、縦条に沿ってチューブを容易に押し潰すことができる、チューブから成形されたチューブ成形品に収納された内容物を容易に押し出すことができる、縦条がチューブ本体の骨材として機能してチューブの形態を安定に維持することができる等、機能面での付加価値を付与することができる。
【0068】
請求項2記載の発明にあっては、筒状の外層および内層を有し、中間層を発泡層とすることにより、中間層の縦帯状の発泡層により、チューブの外表面に縦条を形成できると共に、外表面全体は外層により形成されるので、外表面の一定の均一性を維持しながら縦条を形成することができる。
【0069】
請求項3記載の発明にあっては、、縦条を複数設けることにより、複数の縦条がチューブに、ストライプ状に形成されることになり、チューブの装飾性がより向上し、縦条の本数を決めておくことによって、触感だけでチューブを個別に識別することができる。
【0070】
請求項4記載の発明にあっては、縦条を軸対称に設けることにより、軸対称となっている縦条に沿って、チューブを扁平状に押し潰すことができ、チューブの底部をシールしてチューブ容器、袋容器等のチューブ成形品を形成する際に便利である。
【0071】
また、チューブから形成されたチューブ成形品から収納物を取り出す際にも、縦条がガイドとなってチューブ成形品を押し潰しやすく、例えば一定粘度を有するクリーム状等の内容物を押し出しやすく、チューブ成形品の取扱い性を向上することができる。
【0072】
請求項5記載の発明にあっては、縦条を異なる幅とすることにより、見た目の面白さを向上させることができ、また、幅広い縦条分に文字等を印刷することが可能となり、さらには幅の違いによる識別機能を持たせることができる。
【0073】
請求項6記載の発明にあっては、アルミラミネート材から形成した筒状層を有することにより、酸素バリア性等のアルミラミネート材の良好な性質を有し、外表面に形成した縦条による修飾性、機能性に優れたチューブを提供する。
【0074】
請求項7記載の発明にあっては、発泡層を異色とすることによりチューブの外表面に、たとえば色の異なるストライプ状の模様を形成することができ、色彩によっても装飾性を向上させることができる。
【0075】
請求項8または9記載の発明にあっては、縦状の形成により装飾性および機能性を加味したチューブを用いて、意匠性および機能性の高いチューブ成形品を提供することができる。
【0076】
請求項10記載の発明にあっては、押出用多層ダイ内で発泡剤を混合した帯状の合成樹脂層を筒条の合成樹脂層に合流させた状態で外部に押し出すので、筒条の合成樹脂層上に発泡剤を含んだ縦帯状の層を安定して形成することができ、一定した形状の縦条が形成されたチューブを得ることができる。
【0077】
請求項11記載の発明にあっては、押出用多層ダイ内で外層と内層の間に発泡剤を混合した縦帯状の合成樹脂を合流させることにより、発泡剤を含む縦帯状の合成樹脂層の共押出をより安定して実施することができ、生産性を損なうことなく一定の均一性を有し、外観の良い、縦条が形成されたチューブを得ることができる。
【0078】
請求項12記載の発明にあっては、基材となる筒状体上に被覆状に、筒状合成樹脂層と帯状合成樹脂層を共押出しすることにより、たとえばアルミラミネート材等の共押出ができない層を有するチューブについても外表面に縦条を容易に形成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のチューブの一実施例を示す、チューブの(a)側面図、(b)横断面図。
【図2】図1(b)の要部を拡大して示す、横断面図。
【図3】本発明のチューブ成形品の一例を示す、側面図。
【図4】本発明のチューブの製造方法の一実施例を示す、説明図。
【図5】図4中の(a)A−A線および(b)B−B線で示す、断面図。
【図6】本発明のチューブの他の実施例を示す、チューブの(a)側面図、(b)横断面図。
【図7】本発明のチューブ成形品の他の一例を示す、(a)側面図、(b)横断面図。
【図8】本発明のチューブ成形品のさらに他の一例であり、チューブから形成した袋容器の一例を示す斜視図。
【図9】本発明の積層チューブの製造方法の他の実施例を示す、説明図。
【図10】図9中の(a)C−C線および(b)D−D線で示す、断面図。
【符号の説明】
1 ; チューブ
2 ; 外層
3 ; 内層
4 ; 発泡層
5 ; 縦条
5a ; 溝
6 ; 肩部
7 ; 口部
8 ; ヘッド
9 ; チューブ容器
10 ; 袋容器
11 ; ダイ
12 ; 外層用樹脂通路
12a; 樹脂流入口
13 ; 内層用樹脂通路
13a; 樹脂流入口
14 ; 発泡層用樹脂通路
14a; 樹脂流入口
15 ; マンドレル
16 ; 基材層
Claims (12)
- 少なくとも1層の筒状層と縦帯状の発泡層(4)を有し、該発泡層(4)により外表面に軸方向の縦条(5)が形成されたチューブ。
- 筒状の外層(2)および内層(3)を有し、中間層に縦帯状の発泡層(4)を有した請求項1記載のチューブ。
- 縦条(5)を、複数設けた請求項1または2記載のチューブ。
- 縦条(5)を、軸対称に設けた請求項3記載のチューブ。
- 縦条(5)を、異なる幅とした請求項3または4記載のチューブ。
- アルミラミネート材から形成した筒状層を有する、請求項1、2、3、4または5記載のチューブ。
- 筒状層と発泡層(4)とを異色とした、請求項1、2、3、4、5または6記載のチューブ。
- 請求項1、2、3、4、5、6または7記載のチューブを、所定長さに切断し、一方の開放端を扁平状に押し潰して閉塞し、他方の開放端に肩部(6)および口部(7)からなるヘッド(8)を設けて成るチューブ成形品。
- 請求項1、2、3、4、5、6または7記載のチューブを、所定長さに切断し、両方の開放端を扁平状に押し潰して閉塞したチューブ成形品。
- 筒状合成樹脂層と共に、発泡剤を0.1〜10重量%混合した縦帯状合成樹脂層を共押出しする、外表面に軸方向の縦条(5)が形成されたチューブの製造方法。
- 外層(2)を形成する筒状合成樹脂層と、内層(3)を形成する筒状合成樹脂層と、該外層(2)と内層(3)の間に縦帯状合成樹脂層とを共押出しする、請求項10記載のチューブの製造方法。
- 基材層(16)となる筒状体上に被覆状に、筒状合成樹脂層と縦帯状合成樹脂層を共押出しする、請求項11または12記載のチューブの製造方法。
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