JP2004299415A - 車両の制御装置 - Google Patents

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正明 大坪
Takao Shirai
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Abstract

【課題】車速制御中に自動クラッチ機構が作動される場合の過度な車速変化を好適に抑制することのできる車両の制御装置を提供する。
【解決手段】車両10はガソリン機関11から駆動系への動力伝達を自動的に断接するクラッチ14を有する。制御装置43は、所定の条件に基づいてガソリン機関11の目標出力を設定することにより車両10の速度を自動制御する車速制御手段を備える。そして制御装置43は、クラッチ14の切断開始から継合完了までの期間、車速制御手段の出力制御を制限する制限手段を備える。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、原動機からの動力伝達を断接する自動クラッチ機構を備える車両の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関等の原動機から駆動系への動力伝達を断接するために、それら原動機と駆動系(例えば変速機)との間にはクラッチ機構が介在されている。このクラッチ機構の操作は一般に、車両運転者によるクラッチペダルの操作によって行われるが、近年では、アクチュエータ等を用いた自動クラッチ機構により自動的に行うこともできるようになっている。
【0003】
他方、車両の車速は一般に、アクセルペダルなどの操作量に応じて増減されるが、このアクセルペダルの操作量に依らず車両の車速を自動的に制御する車速制御装置、いわゆるクルーズコントロール装置が知られている。この車速制御装置は、運転者によって設定される目標車速と実車速との偏差に基づいて内燃機関等の原動機の出力を制御することにより、車両の車速を目標車速近傍に維持しながら走行させる。
【0004】
このような自動クラッチ機構を有する車両に適用され、その車両の車速を自動制御する制御装置として、例えば特許文献1に記載の装置等がある。この装置は、クルーズコントロール実行中には、スロットル開度から換算されたアクセル開度に基づいて自動クラッチ機構の継合トルク、より具体的にはクラッチ機構を駆動するアクチュエータの駆動量を算出するようにしている。そしてこれにより、クルーズコントロール中にあって、アクセル開度とは無関係に制御されるスロットル開度に見合った継合トルク、すなわち機関出力に見合った継合トルクを算出することができ、クルーズコントロール中におけるクラッチの滑り等を防止するようにしている。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−200866号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで車両に搭載された変速機を変速させる場合には、上記自動クラッチ機構による動力伝達の断接、すなわち切断と継合とが行われる。このときには上記継合トルクの制御とともに、動力伝達切断中における原動機の出力低下、及び動力伝達の継合過程における出力増大といった原動機の出力増減制御が行われる。
【0007】
ここで、上述したクルーズコントロール実行中に自動クラッチ機構の断接が行われると以下のような状態になるおそれがある。
例えば、車両が登坂路を走行する等して変速機のシフトダウンが要求される速度にまで車速が低下すると、シフトダウンが行われるとともに自動クラッチ機構による動力伝達の切断が行われる。このときには原動機の出力が駆動輪に伝達されなくなるため、原動機の出力を制御しても実車速を制御することはできない。そのため、車速の偏差に基づいて原動機の出力を制御しても実車速を目標車速に近づけることができず、過剰に出力が高められるおそれがある。そしてこのような出力過剰な状態で自動クラッチ機構の継合が開始されると駆動輪に過剰な出力が伝わり、クルーズコントロール中にもかかわらず過度な車速変化の生じるおそれがある。
【0008】
この発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、車速制御中に自動クラッチ機構が作動される場合の過度な車速変化を好適に抑制することのできる車両の制御装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、原動機から駆動系への動力伝達を断接する自動クラッチ機構を有する車両に適用され、所定の条件に基づいて前記原動機の目標出力を設定することにより前記車両の速度を自動制御する車速制御手段を備えた車両の制御装置において、前記自動クラッチ機構の切断開始から継合完了までの期間、前記車速制御手段の出力制御を制限する制限手段を備えることをその要旨とする。
【0010】
同構成では、車速制御手段によって所定の条件に基づいて原動機の目標出力が設定されることにより車両の速度が自動制御される。なお、所定条件として例えば、車速や先行車両との車間距離等が挙げられる。ここで、上記自動クラッチ機構の切断開始から継合完了までの期間では、原動機から駆動系への動力伝達が十分に行われないため、上記条件に基づいて設定される目標出力が過剰に大きくなるおそれがあり、同期間において、車速が過度に変化してしまうおそれがある。しかし、上記構成ではこのような状況において、制限手段によって車速制御手段による出力制御が制限される。そのため、原動機の出力が制限され、車速制御中に自動クラッチ機構が作動される場合の過度な車速変化を好適に抑制することができ、ひいてはそうした運転者の意図しない過度な車速変化に伴って運転者に違和感等を与えてしまう、といった状態の発生を抑制することができるようになる。
【0011】
このような出力制御の制限態様として、請求項2に記載の発明によるように、前記制限手段は前記目標出力についてその増大量を低減する、といった態様を採用することができる。同構成によれば、自動クラッチ機構の切断開始から継合完了までの期間において上記目標出力の過剰な増大が抑えられる。そのため、原動機の出力増大を制限することができ、車速制御中に自動クラッチ機構が作動される場合の過度な車速変化を好適に抑制することができるようになる。
【0012】
また、出力制御の制限態様として、請求項3に記載の発明によるように、前記制限手段は前記目標出力についてその増大を禁止する、といった態様を採用することができる。同構成によれば、自動クラッチ機構の切断開始から継合完了までの期間において、目標出力の増大そのものが禁止される。そのため、原動機の出力増大を防止することができ、車速制御中に自動クラッチ機構が作動される場合の過度な車速変化を好適に抑制することができるようになる。なお、同構成では上述したような所定条件に基づいて設定される前記目標出力を減少側に設定するといった態様も含む。この場合にも車速制御中に自動クラッチ機構が作動される場合の過度な車速変化を抑制することができるようになる。
【0013】
また、出力制御の制限態様として、請求項4に記載の発明によるように、前記制限手段は前記出力制御の制限に際して前記目標出力を前記自動クラッチ機構の切断開始時に算出される目標出力に維持する、といった態様を採用することができる。同構成によれば、自動クラッチ機構の切断開始から継合完了までの期間、目標出力の更新が行われなくなる。そのため、原動機の出力増大を防止することができ、車速制御中に自動クラッチ機構が作動される場合の過度な車速変化を好適に抑制することができるようになる。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の車両の制御装置において、前記自動クラッチ機構の継合完了後における前記原動機の出力を前記設定される目標出力に向けて徐変させる徐変手段をさらに備えることをその要旨とする。
【0015】
例えば、自動クラッチ機構の継合完了時の原動機の実出力よりも上記所定条件に基づいて設定される目標出力の方が大きい場合において、継合完了後直ちに原動機の出力が同目標出力に変更されると、車両は急加速され、過度な車速変化の生じるおそれがある。この点、上記構成によれば、徐変手段によって原動機の出力は上記目標出力に向けて徐々に変更される。そのため、原動機の出力急変を抑制することができ、車速制御中に自動クラッチ機構が作動される場合において、継合完了後の過度な車速変化を好適に抑制することができるようになる。
【0016】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の車両の制御装置において、前記徐変手段は前記原動機の出力を徐変するに際しその徐変速度を前記自動クラッチ機構の継合完了時における前記原動機の出力と前記設定される目標出力との差に応じて可変設定することをその要旨とする。
【0017】
同構成によれば、出力徐変制御の実行時間を好適に設定することができるようになる。
また、上記徐変手段による出力徐変制御を実行する際には、請求項7に記載の発明によるように、前記徐変手段は前記原動機の出力徐変制御を前記自動クラッチ機構の継合完了後から所定期間が経過するまで実行する、といった構成や請求項8に記載の発明によるように、前記車速制御手段は前記自動クラッチ機構の継合完了後から前記所定期間が経過した後、前記設定される目標出力に基づいて前記車両の速度を制御する、といった構成を採用することもできる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかる制御装置を具体化した一実施形態について説明する。
まず、図1を参照して、本実施形態が適用される車両の概略構成について説明する。
【0019】
この図1に示されるように、車両10には原動機としてガソリン機関11が搭載されている。
ガソリン機関11の吸気通路11aには、スロットルバルブ27が設けられている。このスロットルバルブ27は、同スロットルバルブ27に連結されたモータ28の駆動を通じて開閉されるもので、その開度に応じてガソリン機関11に供給される空気量が調量される。また、吸気通路11aには燃料噴射弁16が配設されている。そして、ガソリン機関11では、燃料噴射弁16から噴射された燃料と空気との混合気が燃焼され、出力軸であるクランク軸12が回転される。
【0020】
クランク軸12には、フライホイール13が一体回転可能に取り付けられている。フライホイール13には、クラッチ14を介して変速機15が接続されている。このクラッチ14は、クランク軸12の回転トルクを変速機15に伝達したり、そのトルク伝達を切断したりするためのものである。なお、このクラッチ14の詳細な構造は後に詳述する。
【0021】
一方、上記変速機15は、前進5段、後進1段の平行歯車式といった手動変速機と同様の構成を有している。変速機15は入力軸17及び出力軸を備えている。入力軸17は、クラッチ14のクラッチディスク18に連結されている。そして、上記出力軸の回転は、ドライブシャフト19、ディファレンシャルギア20、車軸21等を通じて駆動輪22に伝達される。
【0022】
この変速機15は、上記入力軸17及び出力軸に加え、複数対の変速ギア列(変速段)と複数個のスリーブとを備えている。また、変速機15の変速段を切り替えるために、電動モータ等により構成される変速機用アクチュエータ23が設けられている。そして、この変速機用アクチュエータ23の作動により、変速機15ではスリーブが出力軸の軸方向に移動される。この移動によりギアが噛合い、特定の変速ギア列における動力伝達が可能となる。また、各スリーブが対の変速ギア列における中間(ニュートラル)位置に移動されると、各変速ギア列での動力伝達が切断される。
【0023】
また、車両10の運転席近傍にはシフト装置24が組み付けられている。シフト装置24には、シフトレバー25がシフトゲートに沿って変位可能に設けられている。シフトゲートには、例えばリバース(R)位置、ニュートラル(N)位置、シーケンシャル(S)位置、ドライブ(D)位置等の変速位置が設定されており、運転者が所望の変速位置へシフトレバー25を変位させることが可能になっている。
【0024】
以下、それら変速位置が選択される状況、及びそのときの変速機15の動作態様について各別に説明する。
・「N位置」は、変速機15の入力軸17と出力軸との連結を切断する際に選択される位置であり、シフトレバー25がこのN位置に操作されると、変速機15は、各変速ギア列での動力伝達を切断する状態に切り替えられる。
【0025】
・「R位置」は、車両10を後退させる際に選択される位置であり、シフトレバー25がこのR位置に操作されると、変速機15は後進変速段に切り替えられる。
【0026】
・「S位置」は、複数の前進変速段についての変速動作を運転者が手動によって行う際に選択される位置であり、このS位置の両側に「+」位置及び「−」位置が設けられている。「+」位置はシフトアップに際しシフトレバー25が操作される位置であり、「−」位置は、シフトダウンに際しシフトレバー25が操作される位置である。そして、シフトレバー25がS位置に操作されているときに、同シフトレバー25がS位置を中立位置として「+」位置または「−」位置へ操作されると、変速機15の複数の前進変速段がアップまたはダウンされる。「+」位置はアップ位置であり、1回の操作毎に変速段がアップ、すなわち変速比の小さい高速段側へ1段ずつ変速される。一方、「−」位置はダウン位置であり、1回の操作毎に変速段がダウン、すなわち変速比の大きい低速段側へ1段ずつ変速される。
【0027】
・「D位置」は、上記変速動作を、運転者によるシフトレバー25の操作によらず、車両10の運転状態やアクセルペダル26の踏み込み量等に応じて自動的に行わせる場合に選択される位置である。このD位置が選択された場合には、変速機15は、いわゆる自動変速機として機能する。
【0028】
一方、車両10には、その運転状態やガソリン機関11の運転状態を検出するために各種のセンサが設けられている。例えば、シフト装置24にはシフトレバー25の位置を検出するシフト位置センサ31が設けられている。また、変速機15には、ギアのシフト方向及びセレクト方向をそれぞれ検出する2つのストロークセンサ32、33が設けられている。これらストロークセンサ32、33は、選択されている変速機15の変速段を検出する。更に、車両10の走行速度(車速V)を検出するための車速センサ34や、クランク軸12の回転速度(機関回転速度NE)を検出するための回転速度センサ35がそれぞれ設けられている。併せて、アクセルペダル26の近傍には、その踏み込み量(アクセル開度ACCP)を検出するためのアクセル開度センサ36が設けられている。
【0029】
その他にも、上記スロットルバルブ27の開度(スロットル開度TA)を検出するためのスロットルセンサ37や、変速機15の入力軸17の回転速度(インプット回転速度NI)を検出するための回転速度センサ38等が設けられている。
【0030】
一方、車室内に設けられたクルーズコントロールスイッチ39は、車速を一定に維持しながら車両10を走行させる、いわゆるクルーズコントロールによる走行を行う際に運転者によって操作される。また、車速設定スイッチ40はクルーズコントロール中の目標車速PVを設定する際に運転者によって操作される。
【0031】
他方、本実施形態の装置は、制御装置43を備えて構成されている。制御装置43はマイクロコンピュータを中心に構成されており、上記各センサ31〜38の検出信号、および上記各スイッチ39、40のオンオフ状態を示す信号をそれぞれ取り込む。そして、それら信号に基づいて上記制御装置43の中央処理装置(CPU)が、記憶手段としての読出し専用メモリ(ROM)に記憶されている制御プログラム、初期データ、及び制御マップ等に従って演算処理を行い、その演算結果に基づいて各種制御を実行する。上記CPUによる演算結果は、ランダムアクセスメモリ(RAM)において一時的に記憶される。
【0032】
なお、上記各種制御としては、クラッチ用アクチュエータ57の制御を通じて行われるクラッチ14の制御、変速機用アクチュエータ23の制御を通じて行われる変速機15の変速段の切り替え制御、モータ28の制御を通じて行われるスロットルバルブ27の開度制御、燃料噴射弁16の燃料噴射量制御等がある。
【0033】
次に、クラッチ14の詳細な構造について、図2を参照して説明する。
この図2に示されるように、上記クランク軸12に取り付けられたフライホイール13にはクラッチカバー51が一体回転可能に取り付けられている。一方、変速機15の入力軸17にはクラッチディスク18がスプライン結合されている。このクラッチディスク18は入力軸17と一体回転しつつ、軸方向(図2の左右方向)にスライド可能である。
【0034】
クラッチディスク18とクラッチカバー51との間にはプレッシャプレート52が配置されている。プレッシャプレート52は、ダイヤフラムスプリング53の外端部によってフライホイール13側へ押し付けられている。この押し付けにより、クラッチディスク18とプレッシャプレート52との間、及びフライホイール13とクラッチディスク18との間でそれぞれ摩擦力が発生する。これらの摩擦力により、クラッチ14がいわゆる接続(継合)された状態となり、フライホイール13、クラッチディスク18及びプレッシャプレート52が一体となって回転する。このようにして、ガソリン機関11から駆動系(クラッチディスク18以降の動力伝達系)、換言すれば変速機15への動力伝達が行われる。この動力伝達に伴ってガソリン機関11からクラッチ14を介して変速機15に伝達されるトルクは、「クラッチトルク」と呼ばれる。このクラッチトルクは、クラッチ14が切断された状態ではほぼ「0」であり、同クラッチ14が徐々に継合されてクラッチディスク18の滑りが減少するにつれて増大し、最終的にクラッチ14が完全に継合された状態では、クランク軸12の回転トルクに一致する。
【0035】
一方、車両10の発進動作や変速機15の変速動作に際して行われるクラッチ14の切断状態と継合状態との切り替え操作は、自動クラッチ機構により機関回転速度NE等に基づいて自動的に行われる。
【0036】
この機構について説明すると、上記入力軸17には、前記動力伝達の程度を調整したり、動力伝達を切断したりするためのレリーズベアリング54が同入力軸17の軸方向にスライド可能に装着されている。レリーズベアリング54の近傍には、軸56により回動可能に支持されたレリーズフォーク55が配設されており、その一端部(図2の下端部)はレリーズベアリング54に当接している。また、レリーズフォーク55の他端部(図2の上端部)には、例えば電動モータ等からなるクラッチ用アクチュエータ57のピストン57aが連結されている。
【0037】
そして、このクラッチ用アクチュエータ57が駆動されてピストン57aが伸長されると、レリーズフォーク55が時計周り方向へ回動され、レリーズベアリング54がフライホイール13側へ押される。そして、同方向にレリーズベアリング54が移動することにより、ダイヤフラムスプリング53の内端部、すなわちレリーズベアリング54に当接するダイヤフラムスプリング53の端部が、同方向へ弾性変形する。その結果、ダイヤフラムスプリング53によるプレッシャプレート52の押し付け力が弱まり、上記摩擦力が減少する。すなわちクラッチ14が切断された状態になる。
【0038】
なお、本実施形態では、クラッチ14が完全に継合された状態にあるときのピストン57aの位置を基準位置「0」とし、そのストローク量が大きくなるにつれてピストン57aの伸長量が増大し、徐々にクラッチ14が切断される。
【0039】
このように本実施形態にかかるクラッチ14にあっては、クラッチ用アクチュエータ57の駆動量、すなわちピストン57aのストローク量に応じて上記摩擦力が変化する。そして、このストローク量はクラッチ14の切断状態から継合状態への移行を効率よく、且つ所望の特性をもって行うことができるように上記制御装置43によって調節される。
【0040】
次に、車速制御手段を構成する制御装置43によって実行される定速走行処理、すなわちクルーズコントロール中の自動車速制御の処理手順を、図3を併せ参照して説明する。
【0041】
この処理が開始されると、まず、クルーズコントロールスイッチ39がオン状態にあるか否かが判定される(S100)。そして、クルーズコントロールスイッチ39がオン状態にないとき、すなわちクルーズコントロールが運転者によって要求されていないときには(S100でNO)、本処理が一旦終了される。一方、クルーズコントロールスイッチ39がオン状態にあるとき、すなわちクルーズコントロールが運転者によって要求されているときには(S100でYES)、目標車速PVの設定が行われる(S110)。この目標車速PVは、運転者によって車速設定スイッチ40がオンされたときの実車速Vが設定される。
【0042】
次に、実車速Vと目標車速PVとの車速偏差ΔVが算出され(S120)、この車速偏差ΔVに応じた定速用出力トルクCTRが図4に示す定速用出力トルク設定マップに基づいて設定される(S130)。この定速用出力トルク設定マップは、車速偏差ΔVが大きくなるほど定速用出力トルクCTRが大きくなるように設定されている。
【0043】
次に、ガソリン機関11の出力トルクが定速用出力トルクCTRになるように調整される(S140)。ここでは、スロットルバルブ27の開度が定速用出力トルクCTRに対応した開度になるように調整される。
【0044】
次に、クルーズコントロールの終了条件が成立しているか否かが判定される(S150)。ここでは、クルーズコントロールスイッチ39がオフ状態にされている、ブレーキペダルが踏み込まれている、車速偏差ΔVが所定値以上である等といった所定のクルーズコントロール終了条件が成立しているときに肯定判定される。そして、クルーズコントロールの終了条件が成立していないときには(S150でNO)、S120〜S150までの処理が繰り返し実行され、上記目標車速PV近傍で車両が定速走行される。
【0045】
一方、クルーズコントロールの終了条件が成立しているときには(S150でYES)、本処理が終了される。すなわちクルーズコントロールが解除される。
他方、上記変速機15が変速動作されるときには上記クラッチ14の切断及び継合が行われ、その際にはガソリン機関11の出力トルクも制御される。この変速時出力制御の処理手順を、図5を併せ参照して説明する。なお、この変速時出力処理も制御装置43によって実行される。
【0046】
この処理が開始されると、まず、変速要求の有無が判定される(S200)。ここでは、シフトレバー25が「+」位置または「−」位置へ操作されるといった変速要求がある場合、あるいはシフトレバー25が「D」位置に操作されており、車両10の運転状態(車速等)やアクセルペダル26の踏み込み量等からシフトダウンまたはシフトアップの変速要求がある場合には肯定判定される。そして、変速要求がない場合、換言すればクラッチ14の動作が行われないときには(S200でNO)、本処理は一旦終了される。
【0047】
一方、変速要求がある場合には、換言すればクラッチ14の動作が行われるときには(S200でYES)、クラッチ14の継合度合い、すなわち上記クラッチ用アクチュエータ57のストローク量に合わせた変速用出力トルクTTRが図6に示す変速用出力トルク設定マップに基づいて設定される(S210)。この変速用出力トルク設定マップは、クラッチ14が切断されるときには出力トルクが低下されるように、また同クラッチ14が継合されるときにはその継合度合いに合わせて出力トルクが増大されるように設定されている。そして全体的には、クラッチ用アクチュエータ57のストローク量が大きくなるほど変速用出力トルクTTRが小さくなるように設定されている。
【0048】
次に、ガソリン機関11の出力トルクが変速用出力トルクTTRになるように調整される(S220)。ここでは、スロットルバルブ27の開度が変速用出力トルクTTRに対応した開度になるように調整される。
【0049】
次に、変速が完了しているか否かが判定される(S230)。ここでは、クラッチ用アクチュエータ57のストローク量が「0」になっている、すなわちクラッチ14が完全に継合されている場合には肯定判定される。そして、変速が完了していないときには(S230でNO)、S210〜S230までの処理が繰り返し実行され、クラッチ14の継合度合いに合わせて機関の出力トルクが制御される。一方、変速が完了しているときには(S230でYES)、本処理が終了される。
【0050】
このようにクルーズコントロール中にはアクセルペダル26の操作に依らず、定速用出力トルクCTRに基づいてガソリン機関11の出力トルクは制御される。また、変速動作中にもアクセルペダル26の操作に依らず、変速用出力トルクTTRに基づいてガソリン機関11の出力トルクは制御される。
【0051】
一方、本実施形態では、クルーズコントロール中にあって変速動作が行われるときの出力トルクを以下のようにして制御している。
まず、変速要求がなされると、出力トルクの制御態様は上記車速制御から変速時出力制御に切り替えられる。なお、このように制御態様が切り替えられても、車速制御処理における定速用出力トルクCTRの算出は継続して行われる。そして、上記変速時出力制御による変速用出力トルクTTRの算出において、クラッチ14の継合開始から完了までの間に設定される変速用出力トルクTTRは、クラッチ14の継合中に算出される定速用出力トルクCTRを参照しつつ、継合完了時に算出される定速用出力トルクCTRに向けて増大される。このような制御を実行することにより、クラッチ14が完全に継合されたときの出力トルクの急変を抑えるようにしている。
【0052】
ここで、変速動作中にはクラッチ14による動力伝達の切断及び継合が行われるため、クラッチ14の切断開始から継合完了までの期間においてはガソリン機関11の出力を駆動輪22に完全に伝達することはできない。変速動作中にはこのような駆動力抜けといわれる状態が生じるため、車速偏差ΔVに基づいてガソリン機関11の出力を制御しても実車速Vを目標車速PVに近づけることができず、過剰に定速用出力トルクCTRが増大されてしまうおそれがある。そして過剰に定速用出力トルクCTRが増大された状態では、クラッチ14の継合過程における変速用出力トルクTTRも過剰に増大されてしまい、クラッチ14の継合過程あるいは継合完了時において、車速制御中にもかかわらず車速が過度に変化してしまうおそれがある。ひいてはそうした運転者の意図しない過度な車速変化に伴って運転者に違和感等を与えてしまう、といった状態の発生するおそれがある。
【0053】
そこで本実施形態では、車速制御の実行中にあってクラッチ14の切断開始から継合完了までの期間、定速用出力トルクCTRの算出を制限する制限手段を備えることにより、上述したような状態の発生を抑えるようにしている。
【0054】
以下、クルーズコントロール中にあって変速動作が行われるときの出力トルク制御の処理手順を、図7を併せ参照して説明する。なお、この制御処理も制御装置43によって実行される。
【0055】
この処理が開始されると、まず、変速要求の有無が判定される(S300)。ここでの判定は先の図5におけるS200の処理と同一である。そして変速要求がない場合には(S300でNO)本処理は終了され、上述した車速制御による出力トルクの調整が行われる。
【0056】
一方、変速要求がある場合には(S300でYES)、定速用出力トルクCTRの算出が抑制される。より具体的には、定速用出力トルクCTRはクラッチ14の切断開始時に算出された定速用出力トルクCTR1に維持される(S310)。そして先の図5を用いて説明した変速時出力制御による出力トルクの調整が行われる(S320)。ただし、本処理での変速時出力制御においては、クラッチ14の継合開始から完了までの間に設定される変速用出力トルクTTRは維持された定速用出力トルクCTR1に向けて増大される。
【0057】
次に、変速が完了しているか否かが判定される(S330)。ここでの判定は先の図5におけるS230の処理と同一である。そして、変速が完了していない場合には(S330でNO)、変速が完了するまでS310及びS320の処理が繰り返し実行され、クラッチ14の切断開始から継合完了までの期間における定速用出力トルクCTRは定速用出力トルクCTR1に維持される。
【0058】
一方、変速が完了したときには(S330でYES)、徐変手段を構成する制御装置43によって出力トルクの調整が行われる。
この出力徐変制御では、変速完了時における車速偏差ΔVに基づいて定速用出力トルクCTR2が算出される。そしてこの算出された定速用出力トルクCTR2に向けて定速用出力トルクCTR1を徐々に増大させた出力徐変トルクNTRを目標出力トルクとして設定し、この出力徐変トルクNTRに基づいてガソリン機関11の出力が調整される。この出力徐変制御では、定速用出力トルクCTR1を定速用出力トルクCTR2に向けて徐々に増大させるべく、次式(1)に基づいて所定時間T毎に出力徐変トルクNTRが更新される。なお、出力徐変トルクNTRn−1は、前回算出された出力徐変トルクNTRであり、初期値は定速用出力トルクCTR1である。また、増分値αは所定時間T毎に出力徐変トルクNTRを増大させるための固定値であり、車両を滑らかに加速させることのできる値が適宜設定されている。
【0059】
NTR=NTRn−1+α … (1)
さて、この出力徐変制御の開始に際しては、まず、次式(2)に基づいて徐変時間WTが算出される(S340)。この徐変時間WTは、定速用出力トルクCTR1を定速用出力トルクCTR2にまで増大させるための時間であり、徐変速度を表している。
【0060】
WT={(CTR2−CTR1)/α}×T … (2)
次に、クラッチ14が完全に継合された変速完了時から徐変時間WTが経過したか否かが判定される(S350)。ここでは次式(3)の条件式が満たされるとき、すなわち変速完了時からの経過時間ATが徐変時間WT以上であるときに肯定判定される。なお、定速用出力トルクCTR1と定速用出力トルクCTR2との差が小さくなるほど、式(2)から求められる徐変時間WTも短くなるため、条件式(3)は肯定判定されやすくなる。
【0061】
変速完了時からの経過時間AT≧徐変時間WT … (3)
そして、変速完了時から徐変時間WTが経過していない場合には(S350でNO)、出力徐変制御による出力トルクの調整が行われ(S360)、再びS350での判定が行われる。なお、このときの出力トルクの調整も、スロットルバルブ27の開度が出力徐変トルクNTRに対応した開度になるように調整されることによってなされる。
【0062】
一方、変速完了時から徐変時間WTが経過した場合には(S350でYES)、車速制御による出力トルクの調整、すなわち車速偏差ΔVに基づく出力トルクの調整が再び開始され(S370)、本処理が終了される。
【0063】
次に本実施形態にかかる制御装置による出力トルクの制御態様を、図8に示すタイミングチャートを参照して説明する。
この図8は、クルーズコントロール中において変速動作が行われるときの出力トルクの推移を示しており、時刻t1以前に目標車速PVは設定されている。
【0064】
まず、車両が登坂路を走行するなどして車速が低下し始めると(時刻t1)、車速偏差ΔVに基づいて定速用出力トルクCTRが算出され、ガソリン機関11の出力トルクが増大される。このとき、走行路面の勾配が大きい等の理由による車速の低下が、出力トルクの増大による車速の増加を上回るような状況では、実車速Vがさらに低下する。そして、変速機15のシフトダウンが要求される車速にまで実車速Vが低下すると(時刻t2)、変速要求に基づいてクラッチ14の切断が開始されるとともに、クラッチ14の切断開始時に算出された定速用出力トルクCTR1が、定速用出力トルクCTRとして維持される。また、出力トルクの制御が車速制御から変速要求に基づく変速時出力制御に切り替えられる。このため、クラッチ14が切断されるに伴って出力トルクは急激に低下される。
【0065】
次に、クラッチ14が完全に切断されると(時刻t3)、低下された出力トルクが保持され、変速機15内の変速段は低速側に一段低く変更される。そして変速段の変更が完了すると、クラッチ14の継合が開始され(時刻t4)、出力トルクは徐々に増大される。この出力トルクの増大過程においては、上述したように変速用出力トルクTTRは定速用出力トルクCTRを加味しながら増大される。
【0066】
ここで、先の図7を用いて説明した、本実施形態における変速時の定速用出力トルクCTRの設定処理が行われない場合には、クラッチ14の切断開始から継合完了までの期間における定速用出力トルクCTRは車速偏差ΔVに基づいて常に更新される。そのため図8に破線で示すように、上述したような駆動力抜けに起因して過剰に大きな定速用出力トルクCTR’が設定されるおそれがある。そしてこのような定速用出力トルクCTR’に向けて増大される変速用出力トルクTTR’は、同図8に二点鎖線で示すように、その増加度合いが過剰に大きくされるおそれがあり、過度な車速の変化を招く原因となる。
【0067】
一方、本実施形態にかかる定速用出力トルクCTRの設定処理が行われる場合には、クラッチ14の切断開始から継合完了までの期間における定速用出力トルクCTRは、図8に一点鎖線で示すように、クラッチ14の切断開始時に算出された定速用出力トルクCTR1に維持される。従って、クラッチ14の切断開始から継合完了までの期間において定速用出力トルクCTRが過剰に大きく設定されることはなく、継合過程の変速用出力トルクTTRは維持された定速用出力トルクCTR1に向けて増大される。そのため、過度な車速の変化が生じにくくなる。
【0068】
そして時刻t5においてクラッチ14が完全に継合されると、時刻t5における車速偏差ΔVに基づいて定速用出力トルクCTR2が算出され、この算出された定速用出力トルクCTR2と上記維持された定速用出力トルクCTR1とに基づいて徐変時間WT(時刻t5〜時刻t6の間の時間)が算出される。また、クラッチ14の継合完了後における出力トルクの目標値として、上記出力徐変トルクNTRが設定され、出力トルクが所定時間T毎に徐々に増大される。そしてクラッチ14の継合完了後に徐変時間WTが経過し、出力徐変トルクNTRが定速用出力トルクCTR2に等しくなると(時刻t6)、出力トルクの制御が出力徐変制御から車速偏差ΔVに基づく定速走行制御に切り替えられる。このように、クラッチ14の継合完了時(時刻t5)における定速用出力トルクCTR2と定速用出力トルクCTR1とに差がある場合であっても、出力トルクは徐々に増大されるため、クラッチ14の継合完了後における過度な車速変化を抑制することができる。
【0069】
なお、定速用出力トルクCTR2と定速用出力トルクCTR1との差が小さくなるほど、式(2)からも分かるように徐変時間WTは短くなる。従って、両者の差が小さくなるほど、換言すれば、定速用出力トルクCTR1を定速用出力トルクCTR2に切り替えても過度な車速変化が発生しにくい状況になるほど、ガソリン機関11の出力制御は車速偏差ΔVに基づく車速制御に速やかに切り替えられる。
【0070】
以上説明したように、本実施形態によれば、次のような効果が得られるようになる。
(1)クラッチ14の切断開始から継合完了までの期間における定速用出力トルクCTRの算出を制限するようにしている。より具体的には、クラッチ14の切断開始から継合完了までの期間における定速用出力トルクCTRを、クラッチ14の切断開始時に算出された定速用出力トルクCTR1に維持するようにしている。そのため、ガソリン機関11から駆動系への動力伝達を十分に行うことができないクラッチ14の切断開始から継合完了までの期間において、車速偏差ΔVに対応した定速用出力トルクの更新が行われなくなる。従って、ガソリン機関11の出力増大を防止することができ、車速制御中にクラッチ14が作動される場合の過度な車速変化を好適に抑制することができ、ひいてはそうした運転者の意図しない過度な車速変化に伴って運転者に違和感等を与えてしまう、といった状態の発生を抑制することができるようになる。
【0071】
(2)クラッチ14が完全に継合されてから徐変時間WTが経過するまでの間のガソリン機関11の目標出力として、上記出力徐変トルクNTRを設定するようにしている。そのため、クラッチ14の継合完了時において、上記定速用出力トルクCTR2と定速用出力トルクCTR1とに差がある場合であっても、ガソリン機関11の出力トルクは徐々に増大され、その出力の急変を抑制することができる。従って、車速制御中にクラッチ14が作動される場合であって、継合完了後の過度な車速変化を好適に抑制することができるようになる。
【0072】
(3)クラッチ14の継合完了後、上記徐変時間WTが経過するまで出力徐変制御を実行するようにしている。そして、出力徐変制御に際しての徐変速度、より詳しくは徐変時間WTを定速用出力トルクCTR2と定速用出力トルクCTR1との差の基づいて可変設定するようにしている。従って、出力徐変制御の実行時間を好適に設定することができるようになる。
【0073】
(4)クラッチ14が完全に継合されてから上記徐変時間WTが経過した後、出力トルクの制御を出力徐変制御から車速偏差ΔVに基づく車速制御に切り替えるようにしている。従って、出力徐変トルクNTRが定速用出力トルクCTR2に到達すると車速偏差ΔVに基づく車速制御が再開されるため、クラッチ14の継合完了後における車速制御の再開を好適に実行することができるようになる。
【0074】
なお、上記実施形態は以下のように変更して実施することもできる。
・先の図7におけるS310の処理に代えて、図9に示すS400の処理を実行するようにし、クラッチ14の切断開始から継合完了までの期間において算出される定速用出力トルクCTRの増大量を低減させるようにしてもよい。この場合には、クラッチ14の切断開始から継合完了までの期間において定速用出力トルクCTRの過剰な増大が抑えられる。そのため、ガソリン機関11の出力増大を制限することができ、車速制御中にクラッチ14が作動される場合の過度な車速変化を好適に抑制することができるようになる。
【0075】
・上記実施形態におけるS310の処理に代えて、図10に示すS500の処理を実行するようにし、クラッチ14の切断開始から継合完了までの期間における定速用出力トルクCTRの増大を禁止するようにしてもよい。この場合には、クラッチ14の切断開始から継合完了までの期間において、定速用出力トルクCTRの増大そのものが禁止される。そのため、原動機の出力増大を防止することができ、車速制御中に自動クラッチ機構が作動される場合の過度な車速変化を好適に抑制することができるようになる。
【0076】
なお、この変形例ではクラッチ14の切断開始から継合完了までの期間における定速用出力トルクCTRを減少側に設定するといった態様も含む。この場合にも車速制御中にクラッチ14が作動される場合の過度な車速変化を抑制することができるようになる。
【0077】
・通常、クラッチ14の切断開始から継合完了までの期間は短く、同期間における実車速Vの低下はそれほど大きくない場合が多い。そのため、上記出力徐変制御を省略し、クラッチ14の継合完了直後、速やかに変速時出力制御を車速制御に切り替えるようにしても、通常は過度な車速変化が起きにくい。そこで、上記実施形態におけるS340以降の処理を省略し、S330の判定処理において肯定判定されたときには、車速制御による出力トルクの制御を行うようにしてもよい。この場合には、クラッチ14の継合完了直後、速やかに車速制御が開始されるようになり、実車速Vを目標車速PVに向けて速やかに回復させることができる。
【0078】
・クルーズコントロール中においてクラッチ14の切断及び継合が行われる場合のガソリン機関11の出力制御が次のような態様であっても、本発明は同様に適用することができる。すなわち、クラッチ14の継合過程では定速用出力トルクCTRを参照することなく、クラッチ14の継合度合いに合わせて変速用出力トルクTTRが増大される。そして、クラッチ14が完全に継合されるとガソリン機関11の目標出力が定速用出力トルクCTRに切り替えられる、といった制御態様であっても本発明は同様に適用することができる。この場合にも、クラッチ14の切断開始から継合完了までの期間における定速用出力トルクCTRの増大が抑えられるため、クラッチ14の継合完了直後における過度な車速変化を抑制することができる。また、上述した出力徐変制御が実行されることにより、クラッチ14の継合完了直後における定速用出力トルクCTR1とクラッチ14の継合完了以降における定速用出力トルクCTRとに差がある場合でも、過度な車速変化を抑制することができる。
【0079】
・上記実施形態では増分値αを固定値としたが、車両の走行状態等に応じて設定される可変値としてもよい。例えば、定速用出力トルクCTR2と定速用出力トルクCTR1との差が大きいほど増分値αは大きく設定される、といった態様を採用することにより、実車速Vを目標車速PVに向けて速やかに回復させることができる。
【0080】
・上記実施形態において、徐変時間WTを固定値とし、定速用出力トルクCTR1と定速用出力トルクCTR2との差をこの固定値とされた徐変時間WTで除算することにより、増分値αを可変設定するようにしてよい。この場合には可変設定される増分値αが、上記徐変速度を表すこととなる。
【0081】
・上記実施形態の出力徐変制御は、運転者に違和感を与えることなくガソリン機関11の出力を徐々に増大させることのできる制御態様であればどのようなものでもよく、例えば1次遅れ制御、2次遅れ制御、あるいはなまし制御等によってガソリン機関11の出力を徐々に増大させるようにしてもよい。
【0082】
・本発明は、定速走行機能を有する車両の他、図1に破線で示すように、自車両と先行車両との車間距離を計測する車間距離測定装置(レーザーレーダー等)41を備え、この車間距離が予め定められた距離になるように車速を制御する、いわゆる追従走行機能付きの車両にも適用することができる。この場合にも上記実施形態と同等の作用効果を得ることができる。
【0083】
・上記実施形態ではガソリン機関11の出力をスロットルバルブ27の開度で調整するようにした。この他にも、原動機がディーゼル機関である場合等、燃料噴射弁の燃料噴射量を増減させることによって原動機の出力を調整するようにしてもよい。この場合にも上記実施形態と同等の作用効果を得ることができる。
【0084】
・上記実施形態では、目標車速PVが一定であって実車速Vが変化する場合での本発明による作用効果を説明した。他方、クルーズコントロール中にあってクルーズコントロール用のアクセルレバー等が操作されることにより、目標車速PVが変更される場合であっても、上述した本発明の制御装置による出力トルクの制御態様を採用することにより、上記実施形態及びその変形例と同等の作用効果を得ることができる。
【0085】
・本発明は、内燃機関に代えて、ガスタービン機関や電動機等を原動機として搭載した車両の自動クラッチ機構の制御装置にも適用することができる。すなわち、原動機としては車両10を駆動することのできる出力トルクが得られるものであればよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態が適用される車両についてその概略構成を示す模式図。
【図2】同車両に搭載されるクラッチの概略構成を示す断面図。
【図3】自動車速制御について、その処理手順を示すフローチャート。
【図4】定速用出力トルクの算出に用いられるマップの構造を示す略図。
【図5】変速時の出力制御について、その処理手順を示すフローチャート。
【図6】変速用出力トルクの算出に用いられるマップの構造を示す略図。
【図7】クルーズコントロール中にあって変速動作が行われるときの出力トルクの制御について、その処理手順を示すフローチャート。
【図8】同実施形態にかかる制御装置による出力トルクの制御態様を示すタイミングチャート。
【図9】上記実施形態の変形例における定速用出力トルクの設定について、その処理手順を示すフローチャート。
【図10】上記実施形態の変形例における定速用出力トルクの設定について、その処理手順を示すフローチャート。
【符号の説明】
10…車両、11…ガソリン機関、11a…吸気通路、12…クランク軸、13…フライホイール、14…クラッチ、15…変速機、16…燃料噴射弁、17…入力軸、18…クラッチディスク、19…ドライブシャフト、20…ディファレンシャルギア、21…車軸、22…駆動輪、23…変速機用アクチュエータ、24…シフト装置、25…シフトレバー、26…アクセルペダル、27…スロットルバルブ、28…モータ、31…シフト位置センサ、32、33…ストロークセンサ、34…車速センサ、35、38…回転速度センサ、36…アクセル開度センサ、37…スロットルセンサ、39…クルーズコントロールスイッチ、40…車速設定スイッチ、41…車間距離測定装置、43…制御装置、51…クラッチカバー、52…プレッシャプレート、53…ダイヤフラムスプリング、54…レリーズベアリング、55…レリーズフォーク、56…軸、57…クラッチ用アクチュエータ、57a…ピストン。

Claims (8)

  1. 原動機から駆動系への動力伝達を断接する自動クラッチ機構を有する車両に適用され、所定の条件に基づいて前記原動機の目標出力を設定することにより前記車両の速度を自動制御する車速制御手段を備えた車両の制御装置において、
    前記自動クラッチ機構の切断開始から継合完了までの期間、前記車速制御手段の出力制御を制限する制限手段を備える
    ことを特徴とする車両の制御装置。
  2. 前記制限手段は前記目標出力についてその増大量を低減する
    請求項1に記載の車両の制御装置。
  3. 前記制限手段は前記目標出力についてその増大を禁止する
    請求項1に記載の車両の制御装置。
  4. 前記制限手段は前記出力制御の制限に際して前記目標出力を前記自動クラッチ機構の切断開始時に算出される目標出力に維持する
    請求項1に記載の車両の制御装置。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の車両の制御装置において、
    前記自動クラッチ機構の継合完了後における前記原動機の出力を前記設定される目標出力に向けて徐変させる徐変手段をさらに備える
    ことを特徴とする車両の制御装置。
  6. 前記徐変手段は前記原動機の出力を徐変するに際しその徐変速度を前記自動クラッチ機構の継合完了時における前記原動機の出力と前記設定される目標出力との差に応じて可変設定する
    請求項5に記載の車両の制御装置。
  7. 前記徐変手段は前記原動機の出力徐変制御を前記自動クラッチ機構の継合完了後から所定期間が経過するまで実行する
    請求項5または6に記載の車両の制御装置。
  8. 前記車速制御手段は前記自動クラッチ機構の継合完了後から前記所定期間が経過した後、前記設定される目標出力に基づいて前記車両の速度を制御する
    請求項7に記載の車両の制御装置。
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