JP2004298745A - 塗膜形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】電着塗装された基材の上に中塗り塗料、外板用ソリッドカラー塗料を塗布するに際し、内板用塗料のダストが付着した部分でヘコミが発生するなどの塗膜異常を防止する方法の提供。
【解決手段】内板部と外板部を有する電着塗装された基板上の外板部分に、中塗り塗料11を塗装し、内板部分には内板専用ソリッドカラー塗料12を塗装し、その後外板部分に外板用ソリッドカラー塗料13を塗装するに際し、それぞれの塗膜を硬化することなくウエットオンウエットで塗装し、前記ウエット塗膜を一度に焼き付け硬化させる塗膜形成方法であって、前記外板用ソリッドカラー塗料13が、数平均分子量が500〜4500であり、水酸基価が70〜220mgKOH/g(固形分)であり、酸価が30〜100mgKOH/g(固形分)である高酸価ポリエステル樹脂を、塗料樹脂固形分中0.5〜10重量%含有することを特徴とする塗膜形成方法。
【選択図】 図2
【解決手段】内板部と外板部を有する電着塗装された基板上の外板部分に、中塗り塗料11を塗装し、内板部分には内板専用ソリッドカラー塗料12を塗装し、その後外板部分に外板用ソリッドカラー塗料13を塗装するに際し、それぞれの塗膜を硬化することなくウエットオンウエットで塗装し、前記ウエット塗膜を一度に焼き付け硬化させる塗膜形成方法であって、前記外板用ソリッドカラー塗料13が、数平均分子量が500〜4500であり、水酸基価が70〜220mgKOH/g(固形分)であり、酸価が30〜100mgKOH/g(固形分)である高酸価ポリエステル樹脂を、塗料樹脂固形分中0.5〜10重量%含有することを特徴とする塗膜形成方法。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内板部と外板部を有する基材、特に自動車車体の塗膜形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車車体等の基材の塗装は、図1に示されるように、ボンネットや屋根などの外板部2とエンジンルーム、ドアオープニング部および室内などの内板部4とにそれぞれ異なる塗装が施される。内板部では安価な塗料を用いた内板用の塗料が塗装され、外板部においては、意匠性の高い耐候性の優れた塗膜が塗装される。
【0003】
上述のような基材は、図2に示すような模式断面をもつように塗装されることがある。即ち、内板部と外板部を有する基材10は被塗物9と電着塗膜8とからなり、その上に外板部には中塗り塗料で中途塗膜11を形成し、内板部には内板専用ソリッドカラー塗料を塗布して内板ソリッドカラー塗膜12を形成する。そしてその後外板部には外板用ソリッドカラー塗料によりソリッドカラー塗膜13を形成する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
図2のような塗装方法をとる場合、内板部に塗装する内板専用ソリッドカラー塗料が外板部分にも一部塗装され重複部分が生じたり、内板の塗装時の飛沫が中塗り塗膜11上に点在することになる。同じことが外板部のソリッドカラー塗料塗装時にも起こるが、問題となる部分は中塗り塗料と外板部ソリッドカラー塗膜13との間に形成される内板塗料部分あるいはそれの塗料飛沫(ダストともいう)12’である。
最近、塗料を塗装した時点で、加熱硬化を行わず(ウエット・オン・ウエット塗装ともいう。)、2層あるいは3層を重ねた状態で加熱硬化を行うこと(ツーコート・ワン・ベークあるいはスリーコート・ワン・ベーク方法ともいう。)が一般に行われている。これは、乾燥や加熱工程を省略したりエネルギーを削減したりするメリットがある。一方では、それぞれの層がウェット状態で形成されるので、層間に相互作用が生じる恐れがあり、それを克服する必要がある。
【0005】
図2のような塗装形態を採る場合、内板部の塗料は、一層で色相を発現し、下地塗膜を隠蔽する必要があるため一般に顔料が多く、粘度が高い塗料であり、外板部では外観の良さを求めるため、必ずしもそのような塗料ではない。内板部の塗料がスプレー飛沫として中塗り塗膜11の平面に付着した場合は、その飛沫はスプレーノズルから塗着するまでの間に溶剤が輝散し、極めて濃度の高い状態で中塗り塗膜11上に付着する。その状態は図2で12’として表す。その上に、外板部のソリッドカラー塗膜13が形成される。しかし、中塗り塗膜11およびソリッドカラー塗膜13を内板ソリッド塗膜12あるいはそのスプレー飛沫12’ 部分を残したまま一度に加熱硬化させると、硬化塗膜表面に当業者でボケと呼ばれる凸凹のある塗膜欠陥が現れる。
【0006】
本発明は、上記のような塗膜欠陥が表面に現れない塗装方法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、内板部と外板部を有する電着塗装された基板上の外板部分に、中塗り塗料(A)を塗装し、内板部分には内板専用ソリッドカラー塗料(B)を塗装し、その後外板部分に外板用ソリッドカラー塗料(C)を塗装するに際し、それぞれの塗膜を硬化することなくウエットオンウエットで塗装し、前記ウエット塗膜を一度に焼き付け硬化させる塗膜形成方法であって、
【0008】
前記外板用ソリッドカラー塗料(C)が、数平均分子量が500〜4500であり、水酸基価が70〜220mgKOH/g(固形分)であり、酸価が30〜100mgKOH/g(固形分)である高酸価ポリエステル樹脂を、塗料樹脂固形分中0.5〜10重量%含有することを特徴とする塗膜形成方法を提供する。
【0009】
特定の理論には拘らないが、本発明者らは上記中塗り塗料とソリッドカラー塗膜を同時に硬化した場合に生じる、ボケと呼ばれる塗膜欠陥は、内板専用ソリッドカラー塗料が塗布された部分およびそれの飛沫が飛んだ部分の焼き付け硬化時の粘性発現の差または硬化収縮度の差により、たとえば内板用塗料の付着した部分でヘコミが発生するなどの塗膜異常が見受けられると考えた。より具体的にいうと、内板専用塗料の塗着部分が他の塗膜部分より高粘度であるため、焼付硬化時に早く硬化反応条件に到達し、その部分で硬化反応が進行し始めるが、その時点においてもその上のソリッドカラー部分13や下の中塗り部分11はまだ硬化状態に達していないため、硬化反応が起こっている部分のみ塗膜の反応による収縮が起こり塗膜異常が発生するものと考えた。
【0010】
本発明者らはそこで、中塗り塗料の上に塗布されるソリッドカラー塗料中に、高酸価のポリエステル樹脂を少量添加することにより、そのような欠陥がなくなることを見出し、本発明を成すに至った。
【0011】
【発明の実施の形態】
基材
本発明に用いる被塗物9は、主として自動車の車体などであるが、それに限定されず、鉄、銅、アルミニウム、スズ、亜鉛などおよびこれらの金属を含む合金などの金属、ガラス、プラスチック、発泡体および鋳造物からなるものが挙げられる。金属基材を使用する場合は、予めリン酸塩、クロム酸塩などで化成処理されていることが好ましい。
【0012】
上記被塗物9の上には、電着塗膜8が形成され、基材10を構成する。電着塗膜はカチオン型およびアニオン型の電着塗料により形成されるが、防食性において優れているカチオン電着塗料が一般的である。
【0013】
中塗り塗膜
本発明の塗膜形成方法において、中塗塗膜11の形成には中塗り塗料が用いられる。
【0014】
中塗り塗料は自動車等の基材の塗装に用いられている中塗り塗料であれば、特に限定されないが、一般にウレタン変性樹脂をメラミン樹脂とブロックイソシアネート化合物により硬化する系を用いる。特に中塗り塗料は、ウレタン変性ポリエステル樹脂(a)、メラミン樹脂(b)、ブロックイソシアネート化合物(c)、コアシェル構造を有する非水デイスパージョン樹脂(d)、及び扁平顔料(e)を含有する。この中塗り塗料は、更に、有機系や無機系の各種着色顔料及び体質顔料等を含有することができる。
【0015】
上記ウレタン変性ポリエステル樹脂(a)としては、水酸基含有ポリエステル樹脂と、脂肪族ジイソシアネート化合物とを反応して得られる数平均分子量1500〜3000のものが挙げられる。
【0016】
更に上記ウレタン変性ポリエステル樹脂(a)の含有量は、塗料樹脂固形分重量を基準にして40〜56重量%である。含有量が40重量%を下回ると耐チッピング性能が不十分となり、56重量%を上回ると塗膜硬度が低下する。好ましくは43〜50重量%である。
【0017】
上記ウレタン変性ポリエステル樹脂(a)は数平均分子量が1500〜3000である。好ましくは1700〜2500である。1500より小さいと作業性および硬化性が十分でなく、3000を越えると塗装時の不揮発分が低くなりすぎ、かえって作業性が悪くなる。なお、本明細書では、分子量はスチレンポリマーを標準とするGPC法により決定される。
【0018】
また上記ウレタン変性ポリエステル樹脂は、30〜180の水酸基価を有することが好ましく、更に好ましくは40〜160である。上限を越えると塗膜の耐水性が低下し、下限を下回ると塗膜の硬化性が低下する。また、3〜30mgKOH/gの酸価を有することが好ましく、更に好ましくは5〜25mgKOH/gである。上限を越えると塗膜の耐水性が低下し、下限を下回ると塗膜の硬化性が低下する。
【0019】
一般に、ポリエステル樹脂は多価カルボン酸及び/又は酸無水物のような酸成分と多価アルコールを重縮合することによって製造することができるが、本発明に用いられる水酸基含有ポリエステル樹脂は、上記酸成分中にイソフタル酸を、酸成分の全モル数を基準にして80モル%以上含有する。酸成分中のイソフタル酸の量が80モル%を下回ると水酸基含有ポリエステル樹脂のガラス転移点(Tg)が低くなりすぎる。
【0020】
水酸基含有ポリエステル樹脂は、40〜80℃、好ましくは45〜75℃のガラス転移点(Tg)を有する。上記ガラス転移点(Tg)が下限を下回ると塗膜硬度が低下し、上限を上回ると耐チッピング性能が低下する。
【0021】
上記イソフタル酸以外の多価カルボン酸及び/又は酸無水物としては特に限定されず、例えば、フタル酸、無水フタル酸、テトラヒドロフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水ハイミック酸、トリメリット酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、無水ピロメリット酸、テレフタル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、コハク酸、無水コハク酸、ドデセニルコハク酸、ドデセニル無水コハク酸等が挙げられる。
【0022】
また、上記多価アルコールとしては特に限定されず、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル−2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピオネート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリカプロラクトンポリオール、グリセリン、ソルビトール、アンニトール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等が挙げられる。
【0023】
上記多価カルボン酸及び/又は酸無水物と多価アルコール成分以外の他の反応成分として、モノカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸、ラクトン等を含んでいてもよい。また、乾性油、反乾性油及びそれらの脂肪酸を含有していてもよい。例えば、具体的には、カージュラE(シェル化学社製)等のモノエポキサイド化合物、ラクトン類がある。上記ラクトン類は、多価カルボン酸及び多価アルコールのポリエステル類へ開環付加してグラフト鎖を形成し得るものであり、例えば、β−プロピオラクロン、ジメチルプロピオラクトン、ブチルラクトン、γ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン、γ−カプロラクトン、γ−カプリロラクトン、クロトラクトン、δ−バレロラクトン、δ−カプロラクトン等が挙げられるが、なかでもε−カプロラクトンが最も好ましい。
【0024】
上記脂肪族ジイソシアネート化合物としては、具体的には、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4−ジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネートなどを挙げることができる。なかでも、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート及びこれらのビュレット体、イソシアヌレート体、アダクト体を用いることが、耐チッピング性能、耐候性の観点から好ましい。
【0025】
上記メラミン樹脂(b)としては、塗料樹脂固形分重量を基準にして10〜30重量%である。含有量が10重量%を下回ると硬化性が不十分となり、30重量%を上回ると硬化膜が堅くなりすぎ脆くなる。好ましくは、15〜25重量%である。
【0026】
上記メラミン樹脂としては、特に限定されるものではなく、メチル化メラミン樹脂、ブチル化メラミン樹脂あるいはメチル、ブチル混合型メラミン樹脂を用いることができる。例えば三井サイテック株式会社から市販されている「サイメル−303」、「サイメル254」、「ユーバン128」、「ユーバン20N60」、住友化学工業株式会社から市販されている「スミマールシリーズ」等が挙げられる。
【0027】
上記ブロックイソシアネート化合物(c)としては、ヘキサメチレンジイソシアネートあるいはそのヌレート体等の多量体に、活性メチレン基を有する化合物を付加させることによって得られ、加熱によりブロック剤が解離してイソシアネート基が発生し、上記ウレタン変性ポリエステル樹脂中の官能基と反応し硬化するものが挙げられる。上記活性メチレン基を有する化合物としては、アセチルアセトン、アセト酢酸エチル、マロン酸エチルなどの活性メチレン化合物が挙げられる。
【0028】
上記ブロックイソシアネート化合物の含有量は、塗料樹脂固形分重量を基準にして、15〜30重量%である。17〜25重量%であることが更に好ましい。上記範囲外では、硬化が不足する。
【0029】
例えば、具体的には旭化成社製活性メチレン型ブロックイソシアネート「デュラネートMF−K60X」等が挙げられる。
【0030】
上記コアシェル構造を有する非水デイスパージョン樹脂(d)としては、分散安定樹脂と有機溶剤との混合液中で、重合性単量体を共重合させることにより、この混合液に不溶な非架橋樹脂粒子として調製することができる。非架橋樹脂粒子を得るため分散安定樹脂の存在下で共重合させる単量体は、ラジカル重合性の不飽和単量体であれば特に制限されない。
【0031】
但し、上記分散安定樹脂及び非水ディスパージョンを合成するためには、官能基を有する重合性単量体を用いることが好ましい。官能基を有する非水ディスパージョンは官能基を含有せしめた分散安定樹脂と共に後記硬化剤と反応して三次元に架橋した塗膜を形成することができるからである。
【0032】
上記非水デイスパージョン樹脂(d)の含有量は、塗料樹脂固形分重量を基準にして4〜15重量%である。含有量が4重量%を下回ると総合塗膜外観が不十分となり、15重量%を上回ると耐チッピング性能が低下する。好ましくは、5〜12重量%である。
【0033】
上記分散安定樹脂は、非水ディスパージョンを有機溶剤中で安定に合成できるものであれば特に限定されるものではない。具体的には、水酸基価が10〜250、好ましくは20〜180であり、酸価が0〜100mgKOH/g、好ましくは0〜50mgKOH/g、数平均分子量が800〜100000、好ましくは1000〜20000であるアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂等を用いることが好ましい。上限を越えると、樹脂のハンドリング性が低下し、非水ディスパージョン自身のハンドリングも低下する。下限を下回ると塗膜にした場合に樹脂が脱離したり、粒子の安定性が低下したりする。
【0034】
上記分散安定樹脂の合成方法は、特に限定されるものではないが、ラジカル重合開始剤の存在下でラジカル重合により得る方法、縮合反応や付加反応により得る方法等が好ましいものとして挙げられる。更に、上記分散安定樹脂を得るために用いられる単量体としては、樹脂の特性に応じて適宜選択され得るが、後述する非水ディスパージョンを合成するために用いられる重合性単量体が有するような、水酸基、酸基等の官能基を有するものを用いることが好ましく、更に必要に応じて、グリシジル基、イソシアネート基等の官能基を有するものを用いてもよい。
【0035】
また、上記分散安定樹脂と上記重合性単量体との構成比率は目的に応じて任意に選択できるが、例えば、該両成分の合計重量に基いて分散安定樹脂は3〜80重量%、特に5〜60重量%、重合性単量体は20〜97重量%、特に40〜95重量%が好ましい。さらに有機溶剤中における分散安定樹脂と重合性単量体との合計濃度は合計重量を基準に、30〜80重量%、特に40〜60重量%が好ましい。
【0036】
上記非水ディスパージョンは、分散安定樹脂の存在下でラジカル重合性の単量体を重合させることによって得ることができる。この非水ディスパージョンとしては、水酸基価が50〜400、好ましくは100〜300であり、酸価が0〜200mgKOH/g、好ましくは0〜50mgKOH/g、平均粒径(D50)が0.05〜10μm、好ましくは0.1〜2μmであるものが好ましい。下限を越えると粒子形状を維持できず、上限を越えると塗料に分散した場合の安定性が低下する。
【0037】
上記非水ディスパージョンを合成するために用いられる官能基を有する重合性単量体としてその代表的なものは以下のとおりである。水酸基を有するものとして、例えば、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル、メタクリル酸ヒドロキシメチル、アリルアルコール、(メタ)メタクリル酸ヒドロキシエチルとε−カプロラクトンとの付加物等が挙げられる。
【0038】
一方、酸性基を有するものとしては、カルボキシル基、スルホン酸基等を有する重合性単量体が挙げられる。カルボキシル基を有するものの例としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、エタアクリル酸、プロピルアクリル酸、イソプロピルアクリル酸、イタコン酸、無水マレイン酸、フマール酸等が挙げられる。スルホン酸基を有する重合性単量体の例としては、t−ブチルアクリルアミドスルホン酸等が挙げられる。酸性基を有する重合性単量体を用いる場合は、酸性基の一部はカルボキシル基であることが好ましい。
【0039】
また、(メタ)アクリル酸グリシジル等のグリシジル基含有不飽和単量体、m−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート、アクリル酸イソシアナトエチル等のイソシアネート基含有不飽和単量体等が官能基を有する重合性単量体として挙げられる。
【0040】
この他の重合性単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、メタクリル酸トリデシル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル、油脂肪酸とオキシラン構造を有するアクリル酸またはメタクリル酸エステルモノマーとの付加反応物(例えば、ステアリン酸とグリシジルメタクリレートの付加反応物等)、C3 以上のアルキル基を含むオキシラン化合物とアクリル酸またはメタクリル酸との付加反応物、スチレン、α−メチルスチレン、α−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、(メタ)アクリル酸ベンジル、イタコン酸エステル(イタコン酸ジメチルなど)、マレイン酸エステル(マイレン酸ジメチルなど)、フマール酸エステル(フマール酸ジメチルなど)、その他に、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、メチルイソプロペニルケトン、酢酸ビニル、ベオバモノマー(シェル化学社製、商品名)、ビニルプロピオネート、ビニルピバレート、プロピオン酸ビニル、エチレン、プロピレン、ブタジエン、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、アクリルアミド、ビニルピリジン等の重合性単量体が挙げられる。
【0041】
上記非水ディスパージョンを得るための重合反応は、ラジカル重合開始剤の存在下で行うことが好ましい。ラジカル重合開始剤としては、例えば2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系開始剤、ベンゾイルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、t−ブチルパーオクトエート等が挙げられる。これらの開始剤の使用量は重合性単量体合計100重量部あたり0.2〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部が望ましい。分散安定樹脂を含有する有機溶剤中での非水ディスパージョンを得るための重合反応は、一般に60〜160℃程度の温度範囲で約1〜15時間行うことが好ましい。
【0042】
また、上記非水ディスパージョンは架橋重合体微粒子と異なり、塗料中においては粒子成分であるが、塗膜においては粒子構造を形成しない特徴を有する。つまり非水ディスパージョンは粒子内に架橋部位が存在しないため、焼き付け過程で粒子形状が変化し、樹脂成分となり得る点が架橋重合体微粒子とは異なる。
【0043】
更に、例えば色材、48巻(1975)第28頁〜第34頁中に記載されているNAD塗料に用いられるNAD(Non Aqueous Dispersion、非水系重合体分散液)と言われる樹脂粒子も使用することができる。
【0044】
上記扁平顔料(e)としては、マイカ、アルミナ、タルク及びシリカ等を挙げることができるが、タルクを用いることがチッピング性能の観点から好ましい。
【0045】
上記扁平顔料の寸法は、長径が1〜10μmであり、数平均粒径が2〜6μmであることが好ましい。長径が上記範囲外であると塗膜外観が劣ったり、十分な耐チッピング性能が出なくなり、数平均粒径が上記範囲外であると同様に塗膜外観が劣ったり、十分な耐チッピング性能が出なくなる。
【0046】
上記扁平顔料(e)の含有量は、塗料中の樹脂固形分重量を100重量部として、0.4〜2重量部である。0.5〜1.5重量部であることが更に好ましい。上記範囲外では、下地塗膜との付着性が低下するので十分なチッピング性能を得られない。
【0047】
上記その他に含有させることができる樹脂としては、特に限定されるものではなく、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂等を挙げることができ、1種または2種以上を併用して用いることができる。
【0048】
また着色顔料として、例えば有機系のアゾキレート系顔料、不溶性アゾ系顔料、縮合アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、インジゴ顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、ジオキサン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、金属錯体顔料等が挙げられ、無機系では黄鉛、黄色酸化鉄、ベンガラ、カーボンブラック、二酸化チタン等を用いることができる。また、体質顔料として、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミニウム粉、カオリン等が用いることができる。
【0049】
標準的には、カーボンブラックと二酸化チタンとを主要顔料としたグレー系のものが用いられる。更に、上塗りとの色相を合わせたものや各種の着色顔料を組み合わせたものを用いることもできる。
【0050】
また、上記中塗り塗料には、ソリッドカラー塗膜とのなじみ防止、塗装作業性を確保するために、粘性制御剤を添加することができる。粘性制御剤としては、一般にチクソトロピー性を示すものを含有でき、例えば、脂肪酸アマイドの膨潤分散体、アマイド系脂肪酸、長鎖ポリアミノアマイドの燐酸塩等のポリアマイド系のもの、酸化ポリエチレンのコロイド状膨潤分散体等のポリエチレン系等のもの、有機酸スメクタイト粘土、モンモリロナイト等の有機ベントナイト系のもの、ケイ酸アルミ、硫酸バリウム等の無機顔料、顔料の形状により粘性が発現する扁平顔料、架橋樹脂粒子等を粘性制御剤として挙げることができる。
【0051】
本発明で用いられる中塗り塗料の塗装時の全固形分量は、30〜80重量%であり、好ましくは35〜65重量%である。この範囲外では塗料安定性が低下する。また上限を越えると、粘性が高すぎて塗膜外観が低下し、下限を下回ると粘性が低すぎてなじみやムラ等の外観不良が発生する。
本発明に用いられる中塗り塗料中には、上記成分の他に塗料に通常添加される添加剤、例えば、表面調整剤、酸化防止剤、消泡剤等を配合してもよい。これらの配合量は当業者の公知の範囲である。
【0052】
本発明に用いられる塗料組成物の製造方法は、後述するものを含めて、特に限定されず、顔料等の配合物をニーダーまたはロール、SGミル等を用いて混練、分散する等の当業者に周知の全ての方法を用い得る。
【0053】
内板専用ソリッドカラー塗料および外板用ソリッドカラー塗料
本発明の塗膜形成方法において、内板部分および外板部分のいずれにもソリッドカラー塗料による塗膜が形成されるが、それぞれの部分には専用にソリッドカラー塗料が塗布される。とはいえ、ソリッドカラー塗料に配合される成分に共通のものが多いのでここに同時に説明する。このソリッド塗料には、塗膜形成性樹脂、硬化剤、有機系や無機系の各種着色顔料及び体質顔料等を含有することができる。上記ソリッド塗料は一般的に1コートで塗膜を仕上げ、モノトーンの色調を有するものである。
【0054】
本発明の塗膜形成方法に用いるソリッド塗料に含有される塗膜形成性樹脂としては、数平均分子量が800〜30000であることが好ましく、更に好ましくは1000〜25000である。800より小さいと作業性および硬化性が十分でなく、30000を越えると塗装時の不揮発分が低くなりすぎ、かえって作業性が悪くなる。なお、本明細書では、分子量はスチレンポリマーを標準とするGPC法により決定される。
【0055】
更に、上記塗膜形成性樹脂は、20〜180mgKOH/g(固形分)の水酸基価を有することが好ましく、好ましくは30〜160mgKOH/g(固形分)である。上限を越えると塗膜の耐水性が低下し、下限を下回ると塗膜の硬化性が低下する。また、2〜30mgKOH/g(固形分)の酸価を有することが好ましく、更に好ましくは3〜25mgKOH/g(固形分)である。上限を越えると塗膜の耐水性が低下し、下限を下回ると塗膜の硬化性が低下する。
【0056】
上記塗膜形成性樹脂としては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ウレタン樹脂等を好ましいものとして挙げることができ、1種または2種以上を併用して用いることができる。アクリル樹脂、ポリエステル樹脂を用いることが耐候性、耐水性等の塗膜性能面から好ましい。
【0057】
上記硬化剤としては、アミノ樹脂、ブロックイソシアネート樹脂、エポキシ化合物、アジリジン化合物、カルボジイミド化合物、オキサゾリン化合物等が好ましいものとして挙げられる。得られた塗膜の諸性能、コストの点からアミノ樹脂および/またはブロックイソシアネート樹脂が一般的に用いられる。
【0058】
上記硬化剤の含有量は上記塗膜形成性樹脂の固形分に対して20〜100重量%である。含有量が20重量%を下回ると硬化性が不十分となり、100重量%を上回ると硬化膜が堅くなりすぎ脆くなる。
【0059】
上記着色顔料としては、例えば有機系のアゾキレート系顔料、不溶性アゾ系顔料、縮合アゾ系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、ベンズイミダゾロン系顔料、フタロシアニン系顔料、インジゴ顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、ジオキサン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、金属錯体顔料等が挙げられ、無機系では黄鉛、黄色酸化鉄、ベンガラ、カーボンブラック、二酸化チタン等があげられる。また、体質顔料として、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、クレー、タルク等を用いることができる。更に、アルミニウム粉、マイカ粉等の扁平顔料を光輝感の現れない程度に添加しても良い。内板専用のソリッドカラー塗料はより高い下地隠蔽性が必要であるので、外板用のソリッドカラーとの違いは顔料の選択あるいは配合量に差が生じる。ソリッドカラー塗料中の全顔料濃度(PWC)としては、0.1〜50%であり、好ましくは、0.5%〜40%であり、より好ましくは、1.0%〜30%である。上限を越えると塗膜外観が低下する。
【0060】
また、上記ソリッド塗料には、塗装作業性を確保するために、粘性制御剤を添加することができる。粘性制御剤としては、一般にチクソトロピー性を示すものを使用でき、例えば、脂肪酸アマイドの膨潤分散体、アマイド系脂肪酸、長鎖ポリアミノアマイドの燐酸塩等のポリアマイド系のもの、酸化ポリエチレンのコロイド状膨潤分散体等のポリエチレン系等のもの、有機酸スメクタイト粘土、モンモリロナイト等の有機ベントナイト系のもの、ケイ酸アルミ、硫酸バリウム等の無機顔料、顔料の形状により粘性が発現する偏平顔料、架橋あるいは非架橋の樹脂粒子等を粘性制御剤として挙げることができる。
【0061】
本発明に用いられるソリッド塗料中には、上記成分の他に塗料に通常添加される添加剤、例えば、表面調整剤、酸化防止剤、消泡剤等を配合してもよい。これらの配合量は当業者の公知の範囲である。
【0062】
本発明で用いられるソリッド塗料の塗装時の全固形分量は、10〜60重量%であり、好ましくは15〜50重量%である。上限および下限を越えると塗料安定性が低下する。上限を越えると、粘性が高すぎて塗膜外観が低下し、下限を下回ると粘性が低すぎてなじみやムラ等の外観不良が発生する。
【0063】
本発明に用いられる塗料組成物の製造方法は、後述するものを含めて、特に限定されず、顔料等の配合物をニーダーまたはロール等を用いて混練、分散する等の当業者に周知の全ての方法を用い得る。
【0064】
高酸価ポリエステル樹脂
本発明で用いる外板用ソリッドカラー塗料には、高酸価ポリエステル樹脂を所定量配合する必要がある。この樹脂の配合が内板専用ソリッドカラー塗膜との重複部分で起こる塗膜欠陥を減少する。
【0065】
高酸価ポリエステル樹脂は、数平均分子量が500〜4500であり、水酸基価が70〜220mgKOH/g(固形分)であり、酸価が30〜100mgKOH/g(固形分)である。ポリエステル樹脂は、塗料樹脂固形分中0.5〜10重量%であり、好ましくは1〜8重量%であることが好ましい。配合比率が0.5%未満であると外観が悪くなって光沢性が低下し、10重量%を超えると耐水性が低下し、塗膜が脆くなる。
【0066】
上記高酸価ポリエステル樹脂は、数平均分子量が500未満であると充分な硬化が得られず、4500を超えるものは平滑性が不充分となり良好な外観が得られなくなると同時に、塗着時の粘度が高くなりすぎる。好ましくは700〜3000である。
【0067】
水酸基価が70未満であると硬化性が不良となり、220を超えると弾性が低下して耐チッピング性が不良となる。好ましくは80〜150である。
【0068】
同様に、酸価が30mgKOH/gより低くなると塗膜欠陥の解消の達成が不十分になり、100mgKOH/gを超えると耐水性が後退する。好ましくは40〜90mgKOH/gである。
【0069】
上記ポリエステル樹脂は、多価カルボン酸及び/又は酸無水物と多価アルコールを重縮合することによって製造することができる。上記成分以外の他の反応成分として、モノカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸、ラクトン等を含んでいてもよい。また、乾性油、反乾性油及びそれらの脂肪酸を含有していてもよい。
【0070】
上記ポリエステル樹脂の必須成分の1種である多価カルボン酸及び/又は酸無水物としては特に限定されず、例えば、フタル酸、無水フタル酸、テトラヒドロフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水ハイミック酸、トリメリット酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、無水ピロメリット酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、コハク酸、無水コハク酸、ドデセニルコハク酸、ドデセニル無水コハク酸等が挙げられる。
【0071】
また、上記多価アルコールとしては特に限定されず、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル−2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピオネート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリカプロラクトンポリオール、グリセリン、ソルビトール、アンニトール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等が挙げられる。
【0072】
本発明で用いる高酸価のポリエステルには、ポリエステル構成成分として、両性イオン基および少なくとも2個のヒドロキシル基を分子内に有する化合物を多価アルコール成分のひとつとして用いることができる。両性イオン基は、−N+−R−COO−または−N+−R−SO3 −(式中、RはC1〜C6の直鎖もしくは分岐状アルキレン基を表す)として表され、かつ、二つ以上のヒドロキシル基を有するものを用いることができる。このような両性イオン性多価アルコールとしては、ヒドロキシル基含有アミノスルホン酸型両性イオン化合物が好ましく、具体的には、ビスヒドロキシエチルタウリン等が挙げられる。
【0073】
上記ポリエステル樹脂を構成するモノマー成分としては上記したもの以外に、例えば、カージュラE(シェル化学社製)等のモノエポキサイド化合物、ラクトン類がある。上記ラクトン類は、多価カルボン酸及び多価アルコールのポリエステル類へ開環付加してグラフト鎖を形成し得るものであり、例えば、β−プロピオラクロン、ジメチルプロピオラクトン、ブチルラクトン、γ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン、γ−カプロラクトン、γ−カプリロラクトン、クロトラクトン、δ−バレロラクトン、δ−カプロラクトン等が挙げられるが、なかでもε−カプロラクトンが最も好ましい。
【0074】
塗膜形成方法
本発明の塗膜形成方法では、基材上の外板部分に、中塗り塗料により中塗り塗膜、次いで内板部分に内板専用ソリッドカラーを塗布し、その後外板部分に外板用ソリッドカラー塗料を塗布する。それらは順次ウエットオンウエットで形成する。
【0075】
本発明で中塗り塗料を基材に塗装する場合は、エアー静電スプレー塗装もしくは、通称「μμ(マイクロマイクロ)ベル」、「μ(マイクロ)ベル」あるいは、「メタベル」等と言われる回転霧化式の静電塗装機等の塗装方法により塗膜を形成することができる。
【0076】
本発明における、中塗り塗料による乾燥塗膜の膜厚は所望の用途により変化するが、多くの場合10〜60μmが有用である。上限を越えると、鮮映性が低下したり、塗装時にムラあるいは流れ等の不具合が起こることがあり、下限を下回ると、下地が隠蔽できず膜切れが発生する。
【0077】
次いで、内板部に内板専用ソリッドカラー塗料を塗布する。内板部分の塗装は形状が複雑であったり、届きにくいところを塗布するので、スプレーガンを用いる手吹き塗装が便利である。膜厚は、10〜30μmであり、上限を越えるとタレ等の欠点を有し、下限を下回ると、色ムラ、下地隠蔽不良等の欠点を有する。
【0078】
本発明の塗膜形成方法では更に、未硬化の中塗り塗膜の上に、外板用のソリッドカラー塗料をウエットオンウエットで塗布する。
【0079】
発明の方法における外板用ソリッドカラー塗料は、上記中塗り塗料と同様に、エアー静電スプレー塗装あるいはメタベル、μμベル、μベル等の回転霧化式の静電塗装機により塗装することができ、その塗膜の乾燥膜厚は20〜60μmに設定することができ、好ましくは30〜50μmである。塗膜の膜厚が60μmを越えると鮮映性が低下したり、塗膜にムラまたは流れが生じることがあり、20μm未満であると、下地隠蔽性が不充分となり、膜切れ(塗膜が不連続な状態)が生じることがあるため、いずれも好ましくない。
【0080】
上記積層塗膜を硬化させる硬化温度を100〜180℃、好ましくは130〜160℃に設定することで高い架橋度の硬化塗膜が得られる。上限を越えると、塗膜が硬く脆くなり、下限未満では硬化が充分でない。硬化時間は硬化温度により変化するが、130℃〜160℃で10〜60分、好ましくは20〜50分である。
【0081】
【発明の効果】
本発明によれば、内板専用ソリッドカラー塗料が外板部分に多く飛散しても、硬化塗膜上に外観の不良が生じない、優れた塗膜が形成される。
【0082】
【実施例】
本発明は実施例によりさらに詳細に説明する。本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0083】
中塗り塗料の調製
ウレタン変性ポリエステル樹脂の製造
窒素導入管、撹拌機、温度調節機、滴下ロートおよびデカンターを備えた冷却管を取り付けた2Lの反応容器にイソフタル酸440部、ヘキサヒドロフタル酸20部、アゼライン酸40部、トリメチロールプロパン300部及びネオペンチルグリコール200部とを仕込み、加熱により原料が溶解し撹拌可能となったところで、ジブチル錫オキサイド0.2部を投入し、撹拌を開始し、反応層温度を180から220℃まで3時間かけて徐々に昇温した。生成する縮合水は系外へ留去した。220℃に達したところで、1時間保温し、反応層内にキシレン20部を徐々に添加し、溶剤存在化で縮合反応を進行させた。樹脂酸価が10mgKOH/gに達したところで、100℃に冷却し、ヘキサメチレンジイソシアネート100部を30分間かけて徐々に添加した。更に、1時間保持後、キシレン200部および酢酸ブチル200部を加え、固形分70%、数平均分子量2000、酸価8mgKOH/g、水酸基価120、樹脂Tg60℃のウレタン変性ポリエステル樹脂を得た。
【0084】
非水ディスパージョンの製造
(a)分散安定樹脂の製造
攪拌機、温度制御装置、還流冷却器を備えた容器に酢酸ブチル90部を仕込んだ。次に下記組成の溶液
【0085】
【表1】
【0086】
の内20部を加え、攪拌しながら加熱し、温度を上昇させた。110℃で上記混合溶液の残り85部を3時間で滴下し、次いでアゾビスイソブチロニトリル0.5部と酢酸ブチル10部からなる溶液を30分間で滴下した。反応溶液をさらに2時間攪拌還流させて樹脂への変化率を上昇させた後、反応を終了させ、固形分50%、数平均分子量5600のアクリル樹脂を得た。
【0087】
(b)非水ディスパージョンの製造
攪拌機、冷却器、温度制御装置を備えた容器に酢酸ブチル90部、上記の(a)分散安定樹脂の製造で得たアクリル樹脂60部を仕込んだ。次に下記組成の溶液
【0088】
【表2】
【0089】
を100℃で3時間で滴下し、次いでアゾビスイソブチロニトリル0.1部と酢酸ブチル1部からなる溶液を30分間で滴下した。反応溶液をさらに1時間攪拌を続けたところ、固形分60%、粒子径180nmのエマルジョンを得た。このエマルジョンを酢酸ブチルで希釈し、粘度300cps(25℃)、粒子径180nmの非水ディスパージョン含量40重量%のコアシェル型酢酸ブチル分散体を得た。この非水ディスパージョン樹脂のTgは23℃、水酸基価は162及びSP値は11.8であり、分散安定樹脂であるシェル部とコア部との差は2.3であった。
【0090】
中塗塗料の作製
1Lのベッセルに、先の製造例で得られたウレタン変性ポリエステル樹脂ワニス107部、CR−97(石原産業社製酸化チタン)280部、MA−100(三菱化学社製カーボンブラック顔料)13部、LMS−100(富士タルク社製鱗片状タルク)7部、酢酸ブチル47部およびキシレン47部を仕込み、仕込み重量と同量のGB503M(粒径1.6mmガラスビーズ)を投入し、卓上SGミルを用いて室温で3時間分散し、灰色の顔料ペーストとした。グラインドゲージによる分散終了時の粒度は5μm以下であった。ガラスビーズを濾過して顔料ペーストを得た。この顔料ペーストに、表3に示した配合になるように中塗り塗料を調製した。更に、エトキシエチルプロピオネート/S−100(エクソン社製芳香族炭化水素溶剤)=1/1の混合溶剤で、No.4フォードカップを用いて19秒/20℃に希釈調整した。塗布時の不揮発分は49%であった。
【0091】
【表3】
【0092】
内板専用塗料の作製
下記表4に記載する成分および配合から内板用塗料を作製した。
【0093】
【表4】
【0094】
上記顔料ペースト配合をペイントコンディショナー中でガラスビーズ媒体を加え、室温で0.5時間混合分散し、不揮発分79%の顔料分散ペーストを得た。
【0095】
この顔料分散ペーストに、上記樹脂ワニスの配合を混合して、内板用ソリッドカラー塗料を得た。
【0096】
外板用ソリッドカラー塗料の作製
下記表5の配合を用いて外板用ソリッドカラー塗料を作製した。
【0097】
【表5】
【0098】
上記顔料ペースト配合をペイントコンディショナー中でガラスビーズ媒体を加えて、室温で0.5時間混合することにより、不揮発分79%の顔料分散ペーストを得た。
【0099】
この顔料分散ペーストにさらに樹脂ワニス配合を加えることにより、外板用ソリッドカラー塗料を得た。
【0100】
樹脂ワニス中に用いた高酸価ポリエステル樹脂は以下のように作製した。
【0101】
ポリエステル樹脂の製造
攪拌機、窒素導入管、温度制御装置、コンデンサー、デカンターを備えた2Lコルベンに、ビスヒドロキシエチルタウリン134部、ネオペンチルグリコール130部、アゼライン酸236部、無水フタル酸186部およびキシレン27部を仕込み、昇温した。反応により生成する水をキシレンと共沸させ除去した。還流開始より約2時間をかけて温度を190℃にし、カルボン酸相当の酸価が145mgKOH/gになるまで攪拌と脱水を継続し、次に140℃まで冷却した。次いで140℃の温度を保持し、「カージュラE−10」(シェル社製のバーサティック酸グリシジルエステル)314部を30分で滴下し、その後2時間攪拌を継続し、反応を終了した。このようにして得られたポリエステル樹脂は、酸価59mgKOH/g、水酸基価90、数平均分子量1054であった。
【0102】
実施例1
上記中塗り塗料を被塗装物の外板部分に静電塗装した。静電塗装はマイクロマイクロベルを用いて(ABBランズバーグ社製静電塗装機)を用いて20000rpm、吐出量250cc/分、−90KVにて30〜35μmになるように塗装した。
【0103】
塗装した後2分後に内板専用ソリッドカラー塗料をスプレーガンにて手吹き塗装した。
【0104】
手吹き塗装した後13分後に外板用ソリッドカラー塗料を上記と同様にマイクロマイクロベルを用いて同じ条件で塗装を施した。
【0105】
さらに10分経過後、140℃で30分間加熱硬化させた。
得られた塗膜を外観により目視評価した。
評価は○…異常なし、△…浅いヘコミあり、×…深いヘコミありであった。
また耐水性のテストも以下のように行った。
耐水性テスト
塗膜に40℃で10日間水に浸漬した後、塗膜異常の有無を確認した。
その結果を下記表6に示す。
【0106】
比較例1
上記外板用ソリッドカラー塗料配合(表5)のポリエステル樹脂1および2と高酸価ポリエステル樹脂の部分を、高酸価ポリエステル樹脂を用いずに、ポリエステル樹脂1を12.8重量部およびポリエステル樹脂2を27.1重量部用いる以外は、外板用ソリッドカラー塗料の作成と同様の方法で塗料を作製した。
【0107】
得られた塗料を用いて実施例1と同様に塗装を行い、塗膜の評価を行った。結果を以下の表6に示す。
【0108】
【表6】
【図面の簡単な説明】
【図1】塗装基材の内板部分と外板部分を模式的に表わす図。
【図2】基材に塗装された塗膜の断面を模式的に表わす図。
【符号の説明】
2…外板部、4…内板部、8…電着塗膜、9…被塗物、10…基材、11…中塗り塗膜、12…内板用ソリッドカラー塗膜、13…外板用ソリッドカラー塗膜、12’…内板用ソリッドカラー飛沫。
【発明の属する技術分野】
本発明は、内板部と外板部を有する基材、特に自動車車体の塗膜形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車車体等の基材の塗装は、図1に示されるように、ボンネットや屋根などの外板部2とエンジンルーム、ドアオープニング部および室内などの内板部4とにそれぞれ異なる塗装が施される。内板部では安価な塗料を用いた内板用の塗料が塗装され、外板部においては、意匠性の高い耐候性の優れた塗膜が塗装される。
【0003】
上述のような基材は、図2に示すような模式断面をもつように塗装されることがある。即ち、内板部と外板部を有する基材10は被塗物9と電着塗膜8とからなり、その上に外板部には中塗り塗料で中途塗膜11を形成し、内板部には内板専用ソリッドカラー塗料を塗布して内板ソリッドカラー塗膜12を形成する。そしてその後外板部には外板用ソリッドカラー塗料によりソリッドカラー塗膜13を形成する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
図2のような塗装方法をとる場合、内板部に塗装する内板専用ソリッドカラー塗料が外板部分にも一部塗装され重複部分が生じたり、内板の塗装時の飛沫が中塗り塗膜11上に点在することになる。同じことが外板部のソリッドカラー塗料塗装時にも起こるが、問題となる部分は中塗り塗料と外板部ソリッドカラー塗膜13との間に形成される内板塗料部分あるいはそれの塗料飛沫(ダストともいう)12’である。
最近、塗料を塗装した時点で、加熱硬化を行わず(ウエット・オン・ウエット塗装ともいう。)、2層あるいは3層を重ねた状態で加熱硬化を行うこと(ツーコート・ワン・ベークあるいはスリーコート・ワン・ベーク方法ともいう。)が一般に行われている。これは、乾燥や加熱工程を省略したりエネルギーを削減したりするメリットがある。一方では、それぞれの層がウェット状態で形成されるので、層間に相互作用が生じる恐れがあり、それを克服する必要がある。
【0005】
図2のような塗装形態を採る場合、内板部の塗料は、一層で色相を発現し、下地塗膜を隠蔽する必要があるため一般に顔料が多く、粘度が高い塗料であり、外板部では外観の良さを求めるため、必ずしもそのような塗料ではない。内板部の塗料がスプレー飛沫として中塗り塗膜11の平面に付着した場合は、その飛沫はスプレーノズルから塗着するまでの間に溶剤が輝散し、極めて濃度の高い状態で中塗り塗膜11上に付着する。その状態は図2で12’として表す。その上に、外板部のソリッドカラー塗膜13が形成される。しかし、中塗り塗膜11およびソリッドカラー塗膜13を内板ソリッド塗膜12あるいはそのスプレー飛沫12’ 部分を残したまま一度に加熱硬化させると、硬化塗膜表面に当業者でボケと呼ばれる凸凹のある塗膜欠陥が現れる。
【0006】
本発明は、上記のような塗膜欠陥が表面に現れない塗装方法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、内板部と外板部を有する電着塗装された基板上の外板部分に、中塗り塗料(A)を塗装し、内板部分には内板専用ソリッドカラー塗料(B)を塗装し、その後外板部分に外板用ソリッドカラー塗料(C)を塗装するに際し、それぞれの塗膜を硬化することなくウエットオンウエットで塗装し、前記ウエット塗膜を一度に焼き付け硬化させる塗膜形成方法であって、
【0008】
前記外板用ソリッドカラー塗料(C)が、数平均分子量が500〜4500であり、水酸基価が70〜220mgKOH/g(固形分)であり、酸価が30〜100mgKOH/g(固形分)である高酸価ポリエステル樹脂を、塗料樹脂固形分中0.5〜10重量%含有することを特徴とする塗膜形成方法を提供する。
【0009】
特定の理論には拘らないが、本発明者らは上記中塗り塗料とソリッドカラー塗膜を同時に硬化した場合に生じる、ボケと呼ばれる塗膜欠陥は、内板専用ソリッドカラー塗料が塗布された部分およびそれの飛沫が飛んだ部分の焼き付け硬化時の粘性発現の差または硬化収縮度の差により、たとえば内板用塗料の付着した部分でヘコミが発生するなどの塗膜異常が見受けられると考えた。より具体的にいうと、内板専用塗料の塗着部分が他の塗膜部分より高粘度であるため、焼付硬化時に早く硬化反応条件に到達し、その部分で硬化反応が進行し始めるが、その時点においてもその上のソリッドカラー部分13や下の中塗り部分11はまだ硬化状態に達していないため、硬化反応が起こっている部分のみ塗膜の反応による収縮が起こり塗膜異常が発生するものと考えた。
【0010】
本発明者らはそこで、中塗り塗料の上に塗布されるソリッドカラー塗料中に、高酸価のポリエステル樹脂を少量添加することにより、そのような欠陥がなくなることを見出し、本発明を成すに至った。
【0011】
【発明の実施の形態】
基材
本発明に用いる被塗物9は、主として自動車の車体などであるが、それに限定されず、鉄、銅、アルミニウム、スズ、亜鉛などおよびこれらの金属を含む合金などの金属、ガラス、プラスチック、発泡体および鋳造物からなるものが挙げられる。金属基材を使用する場合は、予めリン酸塩、クロム酸塩などで化成処理されていることが好ましい。
【0012】
上記被塗物9の上には、電着塗膜8が形成され、基材10を構成する。電着塗膜はカチオン型およびアニオン型の電着塗料により形成されるが、防食性において優れているカチオン電着塗料が一般的である。
【0013】
中塗り塗膜
本発明の塗膜形成方法において、中塗塗膜11の形成には中塗り塗料が用いられる。
【0014】
中塗り塗料は自動車等の基材の塗装に用いられている中塗り塗料であれば、特に限定されないが、一般にウレタン変性樹脂をメラミン樹脂とブロックイソシアネート化合物により硬化する系を用いる。特に中塗り塗料は、ウレタン変性ポリエステル樹脂(a)、メラミン樹脂(b)、ブロックイソシアネート化合物(c)、コアシェル構造を有する非水デイスパージョン樹脂(d)、及び扁平顔料(e)を含有する。この中塗り塗料は、更に、有機系や無機系の各種着色顔料及び体質顔料等を含有することができる。
【0015】
上記ウレタン変性ポリエステル樹脂(a)としては、水酸基含有ポリエステル樹脂と、脂肪族ジイソシアネート化合物とを反応して得られる数平均分子量1500〜3000のものが挙げられる。
【0016】
更に上記ウレタン変性ポリエステル樹脂(a)の含有量は、塗料樹脂固形分重量を基準にして40〜56重量%である。含有量が40重量%を下回ると耐チッピング性能が不十分となり、56重量%を上回ると塗膜硬度が低下する。好ましくは43〜50重量%である。
【0017】
上記ウレタン変性ポリエステル樹脂(a)は数平均分子量が1500〜3000である。好ましくは1700〜2500である。1500より小さいと作業性および硬化性が十分でなく、3000を越えると塗装時の不揮発分が低くなりすぎ、かえって作業性が悪くなる。なお、本明細書では、分子量はスチレンポリマーを標準とするGPC法により決定される。
【0018】
また上記ウレタン変性ポリエステル樹脂は、30〜180の水酸基価を有することが好ましく、更に好ましくは40〜160である。上限を越えると塗膜の耐水性が低下し、下限を下回ると塗膜の硬化性が低下する。また、3〜30mgKOH/gの酸価を有することが好ましく、更に好ましくは5〜25mgKOH/gである。上限を越えると塗膜の耐水性が低下し、下限を下回ると塗膜の硬化性が低下する。
【0019】
一般に、ポリエステル樹脂は多価カルボン酸及び/又は酸無水物のような酸成分と多価アルコールを重縮合することによって製造することができるが、本発明に用いられる水酸基含有ポリエステル樹脂は、上記酸成分中にイソフタル酸を、酸成分の全モル数を基準にして80モル%以上含有する。酸成分中のイソフタル酸の量が80モル%を下回ると水酸基含有ポリエステル樹脂のガラス転移点(Tg)が低くなりすぎる。
【0020】
水酸基含有ポリエステル樹脂は、40〜80℃、好ましくは45〜75℃のガラス転移点(Tg)を有する。上記ガラス転移点(Tg)が下限を下回ると塗膜硬度が低下し、上限を上回ると耐チッピング性能が低下する。
【0021】
上記イソフタル酸以外の多価カルボン酸及び/又は酸無水物としては特に限定されず、例えば、フタル酸、無水フタル酸、テトラヒドロフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水ハイミック酸、トリメリット酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、無水ピロメリット酸、テレフタル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、コハク酸、無水コハク酸、ドデセニルコハク酸、ドデセニル無水コハク酸等が挙げられる。
【0022】
また、上記多価アルコールとしては特に限定されず、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル−2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピオネート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリカプロラクトンポリオール、グリセリン、ソルビトール、アンニトール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等が挙げられる。
【0023】
上記多価カルボン酸及び/又は酸無水物と多価アルコール成分以外の他の反応成分として、モノカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸、ラクトン等を含んでいてもよい。また、乾性油、反乾性油及びそれらの脂肪酸を含有していてもよい。例えば、具体的には、カージュラE(シェル化学社製)等のモノエポキサイド化合物、ラクトン類がある。上記ラクトン類は、多価カルボン酸及び多価アルコールのポリエステル類へ開環付加してグラフト鎖を形成し得るものであり、例えば、β−プロピオラクロン、ジメチルプロピオラクトン、ブチルラクトン、γ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン、γ−カプロラクトン、γ−カプリロラクトン、クロトラクトン、δ−バレロラクトン、δ−カプロラクトン等が挙げられるが、なかでもε−カプロラクトンが最も好ましい。
【0024】
上記脂肪族ジイソシアネート化合物としては、具体的には、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4−ジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネートなどを挙げることができる。なかでも、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート及びこれらのビュレット体、イソシアヌレート体、アダクト体を用いることが、耐チッピング性能、耐候性の観点から好ましい。
【0025】
上記メラミン樹脂(b)としては、塗料樹脂固形分重量を基準にして10〜30重量%である。含有量が10重量%を下回ると硬化性が不十分となり、30重量%を上回ると硬化膜が堅くなりすぎ脆くなる。好ましくは、15〜25重量%である。
【0026】
上記メラミン樹脂としては、特に限定されるものではなく、メチル化メラミン樹脂、ブチル化メラミン樹脂あるいはメチル、ブチル混合型メラミン樹脂を用いることができる。例えば三井サイテック株式会社から市販されている「サイメル−303」、「サイメル254」、「ユーバン128」、「ユーバン20N60」、住友化学工業株式会社から市販されている「スミマールシリーズ」等が挙げられる。
【0027】
上記ブロックイソシアネート化合物(c)としては、ヘキサメチレンジイソシアネートあるいはそのヌレート体等の多量体に、活性メチレン基を有する化合物を付加させることによって得られ、加熱によりブロック剤が解離してイソシアネート基が発生し、上記ウレタン変性ポリエステル樹脂中の官能基と反応し硬化するものが挙げられる。上記活性メチレン基を有する化合物としては、アセチルアセトン、アセト酢酸エチル、マロン酸エチルなどの活性メチレン化合物が挙げられる。
【0028】
上記ブロックイソシアネート化合物の含有量は、塗料樹脂固形分重量を基準にして、15〜30重量%である。17〜25重量%であることが更に好ましい。上記範囲外では、硬化が不足する。
【0029】
例えば、具体的には旭化成社製活性メチレン型ブロックイソシアネート「デュラネートMF−K60X」等が挙げられる。
【0030】
上記コアシェル構造を有する非水デイスパージョン樹脂(d)としては、分散安定樹脂と有機溶剤との混合液中で、重合性単量体を共重合させることにより、この混合液に不溶な非架橋樹脂粒子として調製することができる。非架橋樹脂粒子を得るため分散安定樹脂の存在下で共重合させる単量体は、ラジカル重合性の不飽和単量体であれば特に制限されない。
【0031】
但し、上記分散安定樹脂及び非水ディスパージョンを合成するためには、官能基を有する重合性単量体を用いることが好ましい。官能基を有する非水ディスパージョンは官能基を含有せしめた分散安定樹脂と共に後記硬化剤と反応して三次元に架橋した塗膜を形成することができるからである。
【0032】
上記非水デイスパージョン樹脂(d)の含有量は、塗料樹脂固形分重量を基準にして4〜15重量%である。含有量が4重量%を下回ると総合塗膜外観が不十分となり、15重量%を上回ると耐チッピング性能が低下する。好ましくは、5〜12重量%である。
【0033】
上記分散安定樹脂は、非水ディスパージョンを有機溶剤中で安定に合成できるものであれば特に限定されるものではない。具体的には、水酸基価が10〜250、好ましくは20〜180であり、酸価が0〜100mgKOH/g、好ましくは0〜50mgKOH/g、数平均分子量が800〜100000、好ましくは1000〜20000であるアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂等を用いることが好ましい。上限を越えると、樹脂のハンドリング性が低下し、非水ディスパージョン自身のハンドリングも低下する。下限を下回ると塗膜にした場合に樹脂が脱離したり、粒子の安定性が低下したりする。
【0034】
上記分散安定樹脂の合成方法は、特に限定されるものではないが、ラジカル重合開始剤の存在下でラジカル重合により得る方法、縮合反応や付加反応により得る方法等が好ましいものとして挙げられる。更に、上記分散安定樹脂を得るために用いられる単量体としては、樹脂の特性に応じて適宜選択され得るが、後述する非水ディスパージョンを合成するために用いられる重合性単量体が有するような、水酸基、酸基等の官能基を有するものを用いることが好ましく、更に必要に応じて、グリシジル基、イソシアネート基等の官能基を有するものを用いてもよい。
【0035】
また、上記分散安定樹脂と上記重合性単量体との構成比率は目的に応じて任意に選択できるが、例えば、該両成分の合計重量に基いて分散安定樹脂は3〜80重量%、特に5〜60重量%、重合性単量体は20〜97重量%、特に40〜95重量%が好ましい。さらに有機溶剤中における分散安定樹脂と重合性単量体との合計濃度は合計重量を基準に、30〜80重量%、特に40〜60重量%が好ましい。
【0036】
上記非水ディスパージョンは、分散安定樹脂の存在下でラジカル重合性の単量体を重合させることによって得ることができる。この非水ディスパージョンとしては、水酸基価が50〜400、好ましくは100〜300であり、酸価が0〜200mgKOH/g、好ましくは0〜50mgKOH/g、平均粒径(D50)が0.05〜10μm、好ましくは0.1〜2μmであるものが好ましい。下限を越えると粒子形状を維持できず、上限を越えると塗料に分散した場合の安定性が低下する。
【0037】
上記非水ディスパージョンを合成するために用いられる官能基を有する重合性単量体としてその代表的なものは以下のとおりである。水酸基を有するものとして、例えば、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル、メタクリル酸ヒドロキシメチル、アリルアルコール、(メタ)メタクリル酸ヒドロキシエチルとε−カプロラクトンとの付加物等が挙げられる。
【0038】
一方、酸性基を有するものとしては、カルボキシル基、スルホン酸基等を有する重合性単量体が挙げられる。カルボキシル基を有するものの例としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、エタアクリル酸、プロピルアクリル酸、イソプロピルアクリル酸、イタコン酸、無水マレイン酸、フマール酸等が挙げられる。スルホン酸基を有する重合性単量体の例としては、t−ブチルアクリルアミドスルホン酸等が挙げられる。酸性基を有する重合性単量体を用いる場合は、酸性基の一部はカルボキシル基であることが好ましい。
【0039】
また、(メタ)アクリル酸グリシジル等のグリシジル基含有不飽和単量体、m−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート、アクリル酸イソシアナトエチル等のイソシアネート基含有不飽和単量体等が官能基を有する重合性単量体として挙げられる。
【0040】
この他の重合性単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、メタクリル酸トリデシル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル、油脂肪酸とオキシラン構造を有するアクリル酸またはメタクリル酸エステルモノマーとの付加反応物(例えば、ステアリン酸とグリシジルメタクリレートの付加反応物等)、C3 以上のアルキル基を含むオキシラン化合物とアクリル酸またはメタクリル酸との付加反応物、スチレン、α−メチルスチレン、α−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、(メタ)アクリル酸ベンジル、イタコン酸エステル(イタコン酸ジメチルなど)、マレイン酸エステル(マイレン酸ジメチルなど)、フマール酸エステル(フマール酸ジメチルなど)、その他に、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、メチルイソプロペニルケトン、酢酸ビニル、ベオバモノマー(シェル化学社製、商品名)、ビニルプロピオネート、ビニルピバレート、プロピオン酸ビニル、エチレン、プロピレン、ブタジエン、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、アクリルアミド、ビニルピリジン等の重合性単量体が挙げられる。
【0041】
上記非水ディスパージョンを得るための重合反応は、ラジカル重合開始剤の存在下で行うことが好ましい。ラジカル重合開始剤としては、例えば2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系開始剤、ベンゾイルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、t−ブチルパーオクトエート等が挙げられる。これらの開始剤の使用量は重合性単量体合計100重量部あたり0.2〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部が望ましい。分散安定樹脂を含有する有機溶剤中での非水ディスパージョンを得るための重合反応は、一般に60〜160℃程度の温度範囲で約1〜15時間行うことが好ましい。
【0042】
また、上記非水ディスパージョンは架橋重合体微粒子と異なり、塗料中においては粒子成分であるが、塗膜においては粒子構造を形成しない特徴を有する。つまり非水ディスパージョンは粒子内に架橋部位が存在しないため、焼き付け過程で粒子形状が変化し、樹脂成分となり得る点が架橋重合体微粒子とは異なる。
【0043】
更に、例えば色材、48巻(1975)第28頁〜第34頁中に記載されているNAD塗料に用いられるNAD(Non Aqueous Dispersion、非水系重合体分散液)と言われる樹脂粒子も使用することができる。
【0044】
上記扁平顔料(e)としては、マイカ、アルミナ、タルク及びシリカ等を挙げることができるが、タルクを用いることがチッピング性能の観点から好ましい。
【0045】
上記扁平顔料の寸法は、長径が1〜10μmであり、数平均粒径が2〜6μmであることが好ましい。長径が上記範囲外であると塗膜外観が劣ったり、十分な耐チッピング性能が出なくなり、数平均粒径が上記範囲外であると同様に塗膜外観が劣ったり、十分な耐チッピング性能が出なくなる。
【0046】
上記扁平顔料(e)の含有量は、塗料中の樹脂固形分重量を100重量部として、0.4〜2重量部である。0.5〜1.5重量部であることが更に好ましい。上記範囲外では、下地塗膜との付着性が低下するので十分なチッピング性能を得られない。
【0047】
上記その他に含有させることができる樹脂としては、特に限定されるものではなく、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂等を挙げることができ、1種または2種以上を併用して用いることができる。
【0048】
また着色顔料として、例えば有機系のアゾキレート系顔料、不溶性アゾ系顔料、縮合アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、インジゴ顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、ジオキサン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、金属錯体顔料等が挙げられ、無機系では黄鉛、黄色酸化鉄、ベンガラ、カーボンブラック、二酸化チタン等を用いることができる。また、体質顔料として、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミニウム粉、カオリン等が用いることができる。
【0049】
標準的には、カーボンブラックと二酸化チタンとを主要顔料としたグレー系のものが用いられる。更に、上塗りとの色相を合わせたものや各種の着色顔料を組み合わせたものを用いることもできる。
【0050】
また、上記中塗り塗料には、ソリッドカラー塗膜とのなじみ防止、塗装作業性を確保するために、粘性制御剤を添加することができる。粘性制御剤としては、一般にチクソトロピー性を示すものを含有でき、例えば、脂肪酸アマイドの膨潤分散体、アマイド系脂肪酸、長鎖ポリアミノアマイドの燐酸塩等のポリアマイド系のもの、酸化ポリエチレンのコロイド状膨潤分散体等のポリエチレン系等のもの、有機酸スメクタイト粘土、モンモリロナイト等の有機ベントナイト系のもの、ケイ酸アルミ、硫酸バリウム等の無機顔料、顔料の形状により粘性が発現する扁平顔料、架橋樹脂粒子等を粘性制御剤として挙げることができる。
【0051】
本発明で用いられる中塗り塗料の塗装時の全固形分量は、30〜80重量%であり、好ましくは35〜65重量%である。この範囲外では塗料安定性が低下する。また上限を越えると、粘性が高すぎて塗膜外観が低下し、下限を下回ると粘性が低すぎてなじみやムラ等の外観不良が発生する。
本発明に用いられる中塗り塗料中には、上記成分の他に塗料に通常添加される添加剤、例えば、表面調整剤、酸化防止剤、消泡剤等を配合してもよい。これらの配合量は当業者の公知の範囲である。
【0052】
本発明に用いられる塗料組成物の製造方法は、後述するものを含めて、特に限定されず、顔料等の配合物をニーダーまたはロール、SGミル等を用いて混練、分散する等の当業者に周知の全ての方法を用い得る。
【0053】
内板専用ソリッドカラー塗料および外板用ソリッドカラー塗料
本発明の塗膜形成方法において、内板部分および外板部分のいずれにもソリッドカラー塗料による塗膜が形成されるが、それぞれの部分には専用にソリッドカラー塗料が塗布される。とはいえ、ソリッドカラー塗料に配合される成分に共通のものが多いのでここに同時に説明する。このソリッド塗料には、塗膜形成性樹脂、硬化剤、有機系や無機系の各種着色顔料及び体質顔料等を含有することができる。上記ソリッド塗料は一般的に1コートで塗膜を仕上げ、モノトーンの色調を有するものである。
【0054】
本発明の塗膜形成方法に用いるソリッド塗料に含有される塗膜形成性樹脂としては、数平均分子量が800〜30000であることが好ましく、更に好ましくは1000〜25000である。800より小さいと作業性および硬化性が十分でなく、30000を越えると塗装時の不揮発分が低くなりすぎ、かえって作業性が悪くなる。なお、本明細書では、分子量はスチレンポリマーを標準とするGPC法により決定される。
【0055】
更に、上記塗膜形成性樹脂は、20〜180mgKOH/g(固形分)の水酸基価を有することが好ましく、好ましくは30〜160mgKOH/g(固形分)である。上限を越えると塗膜の耐水性が低下し、下限を下回ると塗膜の硬化性が低下する。また、2〜30mgKOH/g(固形分)の酸価を有することが好ましく、更に好ましくは3〜25mgKOH/g(固形分)である。上限を越えると塗膜の耐水性が低下し、下限を下回ると塗膜の硬化性が低下する。
【0056】
上記塗膜形成性樹脂としては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ウレタン樹脂等を好ましいものとして挙げることができ、1種または2種以上を併用して用いることができる。アクリル樹脂、ポリエステル樹脂を用いることが耐候性、耐水性等の塗膜性能面から好ましい。
【0057】
上記硬化剤としては、アミノ樹脂、ブロックイソシアネート樹脂、エポキシ化合物、アジリジン化合物、カルボジイミド化合物、オキサゾリン化合物等が好ましいものとして挙げられる。得られた塗膜の諸性能、コストの点からアミノ樹脂および/またはブロックイソシアネート樹脂が一般的に用いられる。
【0058】
上記硬化剤の含有量は上記塗膜形成性樹脂の固形分に対して20〜100重量%である。含有量が20重量%を下回ると硬化性が不十分となり、100重量%を上回ると硬化膜が堅くなりすぎ脆くなる。
【0059】
上記着色顔料としては、例えば有機系のアゾキレート系顔料、不溶性アゾ系顔料、縮合アゾ系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、ベンズイミダゾロン系顔料、フタロシアニン系顔料、インジゴ顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、ジオキサン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、金属錯体顔料等が挙げられ、無機系では黄鉛、黄色酸化鉄、ベンガラ、カーボンブラック、二酸化チタン等があげられる。また、体質顔料として、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、クレー、タルク等を用いることができる。更に、アルミニウム粉、マイカ粉等の扁平顔料を光輝感の現れない程度に添加しても良い。内板専用のソリッドカラー塗料はより高い下地隠蔽性が必要であるので、外板用のソリッドカラーとの違いは顔料の選択あるいは配合量に差が生じる。ソリッドカラー塗料中の全顔料濃度(PWC)としては、0.1〜50%であり、好ましくは、0.5%〜40%であり、より好ましくは、1.0%〜30%である。上限を越えると塗膜外観が低下する。
【0060】
また、上記ソリッド塗料には、塗装作業性を確保するために、粘性制御剤を添加することができる。粘性制御剤としては、一般にチクソトロピー性を示すものを使用でき、例えば、脂肪酸アマイドの膨潤分散体、アマイド系脂肪酸、長鎖ポリアミノアマイドの燐酸塩等のポリアマイド系のもの、酸化ポリエチレンのコロイド状膨潤分散体等のポリエチレン系等のもの、有機酸スメクタイト粘土、モンモリロナイト等の有機ベントナイト系のもの、ケイ酸アルミ、硫酸バリウム等の無機顔料、顔料の形状により粘性が発現する偏平顔料、架橋あるいは非架橋の樹脂粒子等を粘性制御剤として挙げることができる。
【0061】
本発明に用いられるソリッド塗料中には、上記成分の他に塗料に通常添加される添加剤、例えば、表面調整剤、酸化防止剤、消泡剤等を配合してもよい。これらの配合量は当業者の公知の範囲である。
【0062】
本発明で用いられるソリッド塗料の塗装時の全固形分量は、10〜60重量%であり、好ましくは15〜50重量%である。上限および下限を越えると塗料安定性が低下する。上限を越えると、粘性が高すぎて塗膜外観が低下し、下限を下回ると粘性が低すぎてなじみやムラ等の外観不良が発生する。
【0063】
本発明に用いられる塗料組成物の製造方法は、後述するものを含めて、特に限定されず、顔料等の配合物をニーダーまたはロール等を用いて混練、分散する等の当業者に周知の全ての方法を用い得る。
【0064】
高酸価ポリエステル樹脂
本発明で用いる外板用ソリッドカラー塗料には、高酸価ポリエステル樹脂を所定量配合する必要がある。この樹脂の配合が内板専用ソリッドカラー塗膜との重複部分で起こる塗膜欠陥を減少する。
【0065】
高酸価ポリエステル樹脂は、数平均分子量が500〜4500であり、水酸基価が70〜220mgKOH/g(固形分)であり、酸価が30〜100mgKOH/g(固形分)である。ポリエステル樹脂は、塗料樹脂固形分中0.5〜10重量%であり、好ましくは1〜8重量%であることが好ましい。配合比率が0.5%未満であると外観が悪くなって光沢性が低下し、10重量%を超えると耐水性が低下し、塗膜が脆くなる。
【0066】
上記高酸価ポリエステル樹脂は、数平均分子量が500未満であると充分な硬化が得られず、4500を超えるものは平滑性が不充分となり良好な外観が得られなくなると同時に、塗着時の粘度が高くなりすぎる。好ましくは700〜3000である。
【0067】
水酸基価が70未満であると硬化性が不良となり、220を超えると弾性が低下して耐チッピング性が不良となる。好ましくは80〜150である。
【0068】
同様に、酸価が30mgKOH/gより低くなると塗膜欠陥の解消の達成が不十分になり、100mgKOH/gを超えると耐水性が後退する。好ましくは40〜90mgKOH/gである。
【0069】
上記ポリエステル樹脂は、多価カルボン酸及び/又は酸無水物と多価アルコールを重縮合することによって製造することができる。上記成分以外の他の反応成分として、モノカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸、ラクトン等を含んでいてもよい。また、乾性油、反乾性油及びそれらの脂肪酸を含有していてもよい。
【0070】
上記ポリエステル樹脂の必須成分の1種である多価カルボン酸及び/又は酸無水物としては特に限定されず、例えば、フタル酸、無水フタル酸、テトラヒドロフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水ハイミック酸、トリメリット酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、無水ピロメリット酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、コハク酸、無水コハク酸、ドデセニルコハク酸、ドデセニル無水コハク酸等が挙げられる。
【0071】
また、上記多価アルコールとしては特に限定されず、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル−2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピオネート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリカプロラクトンポリオール、グリセリン、ソルビトール、アンニトール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等が挙げられる。
【0072】
本発明で用いる高酸価のポリエステルには、ポリエステル構成成分として、両性イオン基および少なくとも2個のヒドロキシル基を分子内に有する化合物を多価アルコール成分のひとつとして用いることができる。両性イオン基は、−N+−R−COO−または−N+−R−SO3 −(式中、RはC1〜C6の直鎖もしくは分岐状アルキレン基を表す)として表され、かつ、二つ以上のヒドロキシル基を有するものを用いることができる。このような両性イオン性多価アルコールとしては、ヒドロキシル基含有アミノスルホン酸型両性イオン化合物が好ましく、具体的には、ビスヒドロキシエチルタウリン等が挙げられる。
【0073】
上記ポリエステル樹脂を構成するモノマー成分としては上記したもの以外に、例えば、カージュラE(シェル化学社製)等のモノエポキサイド化合物、ラクトン類がある。上記ラクトン類は、多価カルボン酸及び多価アルコールのポリエステル類へ開環付加してグラフト鎖を形成し得るものであり、例えば、β−プロピオラクロン、ジメチルプロピオラクトン、ブチルラクトン、γ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン、γ−カプロラクトン、γ−カプリロラクトン、クロトラクトン、δ−バレロラクトン、δ−カプロラクトン等が挙げられるが、なかでもε−カプロラクトンが最も好ましい。
【0074】
塗膜形成方法
本発明の塗膜形成方法では、基材上の外板部分に、中塗り塗料により中塗り塗膜、次いで内板部分に内板専用ソリッドカラーを塗布し、その後外板部分に外板用ソリッドカラー塗料を塗布する。それらは順次ウエットオンウエットで形成する。
【0075】
本発明で中塗り塗料を基材に塗装する場合は、エアー静電スプレー塗装もしくは、通称「μμ(マイクロマイクロ)ベル」、「μ(マイクロ)ベル」あるいは、「メタベル」等と言われる回転霧化式の静電塗装機等の塗装方法により塗膜を形成することができる。
【0076】
本発明における、中塗り塗料による乾燥塗膜の膜厚は所望の用途により変化するが、多くの場合10〜60μmが有用である。上限を越えると、鮮映性が低下したり、塗装時にムラあるいは流れ等の不具合が起こることがあり、下限を下回ると、下地が隠蔽できず膜切れが発生する。
【0077】
次いで、内板部に内板専用ソリッドカラー塗料を塗布する。内板部分の塗装は形状が複雑であったり、届きにくいところを塗布するので、スプレーガンを用いる手吹き塗装が便利である。膜厚は、10〜30μmであり、上限を越えるとタレ等の欠点を有し、下限を下回ると、色ムラ、下地隠蔽不良等の欠点を有する。
【0078】
本発明の塗膜形成方法では更に、未硬化の中塗り塗膜の上に、外板用のソリッドカラー塗料をウエットオンウエットで塗布する。
【0079】
発明の方法における外板用ソリッドカラー塗料は、上記中塗り塗料と同様に、エアー静電スプレー塗装あるいはメタベル、μμベル、μベル等の回転霧化式の静電塗装機により塗装することができ、その塗膜の乾燥膜厚は20〜60μmに設定することができ、好ましくは30〜50μmである。塗膜の膜厚が60μmを越えると鮮映性が低下したり、塗膜にムラまたは流れが生じることがあり、20μm未満であると、下地隠蔽性が不充分となり、膜切れ(塗膜が不連続な状態)が生じることがあるため、いずれも好ましくない。
【0080】
上記積層塗膜を硬化させる硬化温度を100〜180℃、好ましくは130〜160℃に設定することで高い架橋度の硬化塗膜が得られる。上限を越えると、塗膜が硬く脆くなり、下限未満では硬化が充分でない。硬化時間は硬化温度により変化するが、130℃〜160℃で10〜60分、好ましくは20〜50分である。
【0081】
【発明の効果】
本発明によれば、内板専用ソリッドカラー塗料が外板部分に多く飛散しても、硬化塗膜上に外観の不良が生じない、優れた塗膜が形成される。
【0082】
【実施例】
本発明は実施例によりさらに詳細に説明する。本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0083】
中塗り塗料の調製
ウレタン変性ポリエステル樹脂の製造
窒素導入管、撹拌機、温度調節機、滴下ロートおよびデカンターを備えた冷却管を取り付けた2Lの反応容器にイソフタル酸440部、ヘキサヒドロフタル酸20部、アゼライン酸40部、トリメチロールプロパン300部及びネオペンチルグリコール200部とを仕込み、加熱により原料が溶解し撹拌可能となったところで、ジブチル錫オキサイド0.2部を投入し、撹拌を開始し、反応層温度を180から220℃まで3時間かけて徐々に昇温した。生成する縮合水は系外へ留去した。220℃に達したところで、1時間保温し、反応層内にキシレン20部を徐々に添加し、溶剤存在化で縮合反応を進行させた。樹脂酸価が10mgKOH/gに達したところで、100℃に冷却し、ヘキサメチレンジイソシアネート100部を30分間かけて徐々に添加した。更に、1時間保持後、キシレン200部および酢酸ブチル200部を加え、固形分70%、数平均分子量2000、酸価8mgKOH/g、水酸基価120、樹脂Tg60℃のウレタン変性ポリエステル樹脂を得た。
【0084】
非水ディスパージョンの製造
(a)分散安定樹脂の製造
攪拌機、温度制御装置、還流冷却器を備えた容器に酢酸ブチル90部を仕込んだ。次に下記組成の溶液
【0085】
【表1】
【0086】
の内20部を加え、攪拌しながら加熱し、温度を上昇させた。110℃で上記混合溶液の残り85部を3時間で滴下し、次いでアゾビスイソブチロニトリル0.5部と酢酸ブチル10部からなる溶液を30分間で滴下した。反応溶液をさらに2時間攪拌還流させて樹脂への変化率を上昇させた後、反応を終了させ、固形分50%、数平均分子量5600のアクリル樹脂を得た。
【0087】
(b)非水ディスパージョンの製造
攪拌機、冷却器、温度制御装置を備えた容器に酢酸ブチル90部、上記の(a)分散安定樹脂の製造で得たアクリル樹脂60部を仕込んだ。次に下記組成の溶液
【0088】
【表2】
【0089】
を100℃で3時間で滴下し、次いでアゾビスイソブチロニトリル0.1部と酢酸ブチル1部からなる溶液を30分間で滴下した。反応溶液をさらに1時間攪拌を続けたところ、固形分60%、粒子径180nmのエマルジョンを得た。このエマルジョンを酢酸ブチルで希釈し、粘度300cps(25℃)、粒子径180nmの非水ディスパージョン含量40重量%のコアシェル型酢酸ブチル分散体を得た。この非水ディスパージョン樹脂のTgは23℃、水酸基価は162及びSP値は11.8であり、分散安定樹脂であるシェル部とコア部との差は2.3であった。
【0090】
中塗塗料の作製
1Lのベッセルに、先の製造例で得られたウレタン変性ポリエステル樹脂ワニス107部、CR−97(石原産業社製酸化チタン)280部、MA−100(三菱化学社製カーボンブラック顔料)13部、LMS−100(富士タルク社製鱗片状タルク)7部、酢酸ブチル47部およびキシレン47部を仕込み、仕込み重量と同量のGB503M(粒径1.6mmガラスビーズ)を投入し、卓上SGミルを用いて室温で3時間分散し、灰色の顔料ペーストとした。グラインドゲージによる分散終了時の粒度は5μm以下であった。ガラスビーズを濾過して顔料ペーストを得た。この顔料ペーストに、表3に示した配合になるように中塗り塗料を調製した。更に、エトキシエチルプロピオネート/S−100(エクソン社製芳香族炭化水素溶剤)=1/1の混合溶剤で、No.4フォードカップを用いて19秒/20℃に希釈調整した。塗布時の不揮発分は49%であった。
【0091】
【表3】
【0092】
内板専用塗料の作製
下記表4に記載する成分および配合から内板用塗料を作製した。
【0093】
【表4】
【0094】
上記顔料ペースト配合をペイントコンディショナー中でガラスビーズ媒体を加え、室温で0.5時間混合分散し、不揮発分79%の顔料分散ペーストを得た。
【0095】
この顔料分散ペーストに、上記樹脂ワニスの配合を混合して、内板用ソリッドカラー塗料を得た。
【0096】
外板用ソリッドカラー塗料の作製
下記表5の配合を用いて外板用ソリッドカラー塗料を作製した。
【0097】
【表5】
【0098】
上記顔料ペースト配合をペイントコンディショナー中でガラスビーズ媒体を加えて、室温で0.5時間混合することにより、不揮発分79%の顔料分散ペーストを得た。
【0099】
この顔料分散ペーストにさらに樹脂ワニス配合を加えることにより、外板用ソリッドカラー塗料を得た。
【0100】
樹脂ワニス中に用いた高酸価ポリエステル樹脂は以下のように作製した。
【0101】
ポリエステル樹脂の製造
攪拌機、窒素導入管、温度制御装置、コンデンサー、デカンターを備えた2Lコルベンに、ビスヒドロキシエチルタウリン134部、ネオペンチルグリコール130部、アゼライン酸236部、無水フタル酸186部およびキシレン27部を仕込み、昇温した。反応により生成する水をキシレンと共沸させ除去した。還流開始より約2時間をかけて温度を190℃にし、カルボン酸相当の酸価が145mgKOH/gになるまで攪拌と脱水を継続し、次に140℃まで冷却した。次いで140℃の温度を保持し、「カージュラE−10」(シェル社製のバーサティック酸グリシジルエステル)314部を30分で滴下し、その後2時間攪拌を継続し、反応を終了した。このようにして得られたポリエステル樹脂は、酸価59mgKOH/g、水酸基価90、数平均分子量1054であった。
【0102】
実施例1
上記中塗り塗料を被塗装物の外板部分に静電塗装した。静電塗装はマイクロマイクロベルを用いて(ABBランズバーグ社製静電塗装機)を用いて20000rpm、吐出量250cc/分、−90KVにて30〜35μmになるように塗装した。
【0103】
塗装した後2分後に内板専用ソリッドカラー塗料をスプレーガンにて手吹き塗装した。
【0104】
手吹き塗装した後13分後に外板用ソリッドカラー塗料を上記と同様にマイクロマイクロベルを用いて同じ条件で塗装を施した。
【0105】
さらに10分経過後、140℃で30分間加熱硬化させた。
得られた塗膜を外観により目視評価した。
評価は○…異常なし、△…浅いヘコミあり、×…深いヘコミありであった。
また耐水性のテストも以下のように行った。
耐水性テスト
塗膜に40℃で10日間水に浸漬した後、塗膜異常の有無を確認した。
その結果を下記表6に示す。
【0106】
比較例1
上記外板用ソリッドカラー塗料配合(表5)のポリエステル樹脂1および2と高酸価ポリエステル樹脂の部分を、高酸価ポリエステル樹脂を用いずに、ポリエステル樹脂1を12.8重量部およびポリエステル樹脂2を27.1重量部用いる以外は、外板用ソリッドカラー塗料の作成と同様の方法で塗料を作製した。
【0107】
得られた塗料を用いて実施例1と同様に塗装を行い、塗膜の評価を行った。結果を以下の表6に示す。
【0108】
【表6】
【図面の簡単な説明】
【図1】塗装基材の内板部分と外板部分を模式的に表わす図。
【図2】基材に塗装された塗膜の断面を模式的に表わす図。
【符号の説明】
2…外板部、4…内板部、8…電着塗膜、9…被塗物、10…基材、11…中塗り塗膜、12…内板用ソリッドカラー塗膜、13…外板用ソリッドカラー塗膜、12’…内板用ソリッドカラー飛沫。
Claims (2)
- 内板部と外板部を有する電着塗装された基板上の外板部分に、中塗り塗料(A)を塗装し、内板部分には内板専用ソリッドカラー塗料(B)を塗装し、その後外板部分に外板用ソリッドカラー塗料(C)を塗装するに際し、それぞれの塗膜を硬化することなくウエットオンウエットで塗装し、前記ウエット塗膜を一度に焼き付け硬化させる塗膜形成方法であって、
前記外板用ソリッドカラー塗料(C)が、数平均分子量が500〜4500であり、水酸基価が70〜220mgKOH/g(固形分)であり、酸価が30〜100mgKOH/g(固形分)である高酸価ポリエステル樹脂を、塗料樹脂固形分中0.5〜10重量%含有することを特徴とする塗膜形成方法。 - 前記中塗り塗料(A)が、イソフタル酸を80モル%以上含有する酸成分と多価アルコールとの重縮合によって得られ、ガラス転移点(Tg)が40〜80℃である水酸基含有ポリエステル樹脂と、脂肪族ジイソシアネート化合物とを反応して得られる数平均分子量1500〜3000のウレタン変性ポリエステル樹脂(a)40〜56重量%;
メラミン樹脂(b)10〜30重量%;
ヘキサメチレンジイソシアネートおよびヘキサメチレンジイソシアネートとこれと反応する化合物と反応して得られるイソシアネート化合物を活性メチレン基を有する化合物でブロックしたイソシアネート化合物(c)15〜30重量%;
コアシェル構造を有する非水ディスパージョン樹脂(d)4〜15重量%((a)〜(d)の量は塗料樹脂固形分重量を基準にする。);及び長径が1〜10μmであり、数平均粒径が2〜6μmである扁平顔料(e)0.4〜2重量部(塗料樹脂固形分重量を100重量部とする。);
を含有することを特徴とする請求項1記載の塗膜形成方法。
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JP2003094579A JP2004298745A (ja) | 2003-03-31 | 2003-03-31 | 塗膜形成方法 |
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-
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- 2003-03-31 JP JP2003094579A patent/JP2004298745A/ja active Pending
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