JP2004297741A - 画像情報処理方法、画像情報処理装置、画像形成方法、画像出力システム及びコンピュータプログラム - Google Patents
画像情報処理方法、画像情報処理装置、画像形成方法、画像出力システム及びコンピュータプログラム Download PDFInfo
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Abstract
【課題】印刷物の材質、特に、印刷用紙の種類により異なる着色性の違いに対応して、コントラストの良好なカラープルーフを形成することを目的とする。
【解決手段】取得手段(測定手段3)で取得した色特性を、GUI手段200で指定された紙質に応じた補正値を紙質補正テーブル16より読み出して、その読み出した補正値で修正する。修正された色特性により作成された記憶手段13のカラーコレクションテーブルを基にプルーフ画像出力装置1にプルーフを出力させる構成とした。
【選択図】 図3
【解決手段】取得手段(測定手段3)で取得した色特性を、GUI手段200で指定された紙質に応じた補正値を紙質補正テーブル16より読み出して、その読み出した補正値で修正する。修正された色特性により作成された記憶手段13のカラーコレクションテーブルを基にプルーフ画像出力装置1にプルーフを出力させる構成とした。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ユーザがコンピュータを操作して印刷物の仕上がりを事前に確認するプルーフを生成するため画像情報処理方法、画像出力装制御装置、画像出力システム及びコンピュータプログラムに関するものである。特に、印刷しようとする印刷物の材質である、例えば、紙質の特性を反映する工程及び手段を採り入れることにより、コントラストのよいプルーフを生成する技術に係る。
【0002】
【従来の技術】
印刷分野において、ハロゲン化銀感光材料は、高感度であること、色再現性に優れていること、連続処理に適していることから今日盛んに用いられている。こうした特徴からハロゲン化銀感光材料は、写真の分野のみではなく、印刷の分野でも、印刷の途中の段階で仕上がりの印刷物の状態をチェックするためのいわゆるプルーフの分野で広く用いられるようになってきている。
【0003】
プルーフの分野では、コンピュータ上で編集された画像を印刷用フィルムに出力し、現像済みのフィルムを適宜交換しつつ分解露光することによってイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各画像を形成させ、最終印刷物の画像をカラー印画紙上に形成させることにより、最終印刷物のレイアウトや色の適否を判断することが行われていた。
【0004】
最近では、コンピュータ上で編集された画像を直接印刷版に出力する方式が徐々に普及してきており、このような場合にはコンピュータ上のデータからフィルムを介することなく直接カラー画像を得ることが望まれていた。
【0005】
このような目的には、昇華型・溶融熱転写方式や電子写真方式、インキジェット方式等種々の方式の応用が試みられてきたが、高画質な画像が得られる方式では費用がかかり生産性が劣るという欠点があり、費用が少なくてすみ生産性に優れた方式では画質が劣るという欠点があった。ハロゲン化銀感光材料を用いたシステムでは、優れた鮮鋭性等から、正確な網点画像が形成できるなど高画質な画像形成が可能であり、一方で上述したように連続した処理が可能であることや、複数の色画像形成ユニットに同時に画像を書き込むことができることから高い生産性を実現することが可能であった。
【0006】
近年、印刷の分野でいわゆるデジタル化が進みコンピュータ内のデータから直接画像を得る要求が強まっているが前記したような理由によって、ハロゲン化銀感光材料がこの分野で有利に使われ始めている。
【0007】
このような方式においては、網点をさらに小さな単位(ここではこれを画素と表現した)に分割し、この画素を適切な露光量で露光する事によってその集合体として網点を再現することが可能である。例えとして簡単な例を挙げれば、1つの網点が100個の画素で構成されるのであれば、50個の画素を現像可能なように露光する事により網%が50%の網点を形成する事ができる。印刷の特性を表現するのにドットゲインというパラメータが用いられるが、前記現像可能となる画素の数を変化させることによりドットゲインを変えることができる。この画素が、例えば印刷のイエロー(Y)のインキとマゼンダ(M)のインキの重なった場所に存在する場合には、この画素を赤に発色させることにより再現することが可能となる。この時、プルーフ上では必ずしもYとMをえる条件を組み合わせる必要はなく別途(例えば、直接にY+M相当の色を)設定することが可能である。これにより、色材の相違による視覚的なズレの調整などの大きなメリットを得ることができる。
【0008】
また、印刷物においては、プロセスインキでは表現できない色や特殊な印刷効果を狙って、特色インキを使った印刷が行われる場合がある。
【0009】
ハロゲン化銀感光材料を用いてデジタルデータに基づき面積階調画像を形成するシステムでは、各層の露光量を任意に変化させることにより、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の濃度を変化させて、この3色の濃度成分の発色比で決められる一定の色域の中で、任意の色調を再現することが可能である。すなわち、プロセスインキのイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の組み合わせで表現可能な白を除く15色以外に、ほぼ無限に近い色調表現が可能であるため前述の特色に近似した色調を再現することが可能である。
【0010】
プロセスインキの組み合わせで表現される色調および特色等の任意の色調を、ハロゲン化銀感光材料を用いて再現するためには、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の発色する濃度成分を適宜露光光量を調整して組み合わせる必要がある。
【0011】
ハロゲン化銀感光材料を用いたシステムは、このように非常に有用なプルーフシステムを実現可能なものであるが、以上説明したように、目標とする印刷物の色版の数が増えるに伴い、この条件をどのように規定するかが非常に大きな課題であった。
【0012】
さらに、ハロゲン化銀感光材料を用いたシステムでは、印刷と同じ色材を使用する事ができないため、視覚的に近似した画像を得るためには、例えばCIELAB色空間の測定値としてずれた色に調整する必要があるなどの課題を有していた。
【0013】
特許文献1の請求項には、AOM(音響光学変調器)に印加するON、OFF電圧値を制御することで、透過する光量を調整し、カラー感光材料の発色濃度を調整するカラー画像校正装置について開示されており、これにより発色濃度、ヌケ部の濃度が可変となり、印刷と近似した画像を形成することができ、特色印刷の校正が可能となることが開示されている。しかしながら、印刷物の紙質等について、画像出力の条件をどのように決めればよいかなどの具体的な手段については何ら述べられていないし、示唆もされていない。
【0014】
なお、プルーフ画像作成装置としてハロゲン化銀感光材料を用いる装置が提案されており、網点の濃度を可変にできることが開示されている(デジタルコンセンサスプロ パンフレット、コニカグラフィックイメージング(株)(2002))。
【0015】
特許文献2の請求項には、直接変調したLEDを光源とする濃度とドットゲインを独立に調整する画像形成方法が開示されており、印刷画像との差異の小さいプルーフ画像が容易に得られることを開示している。しかし、印刷物の紙質等について、各色をどのように調整することで目視での画像再現性が満足されるかについて何も述べられていないし、示唆もされていない。
【0016】
特許文献3の請求項には、特色版を使用する印刷物に対するプルーフ画像形成方法として、プロセス色変換過程、特色参照過程、特色変換過程、プロセス色変換画像データと前記特色変換画像データを組み合わせる合成過程、出力過程からなる画像形成方法を開示している。印刷物の色とプルーフの色をどのように調整するかという最も簡単なモデルは、濃度あるいはL*、a*、b*の値を両者で同じになるようにすることであるが、前述のように、ハロゲン化銀感光材料を用いたカラープルーフでは、印刷との色材の違いから色調を調整することが必要であるという課題がある。特許文献3には、こうした課題についての記載はなく、また、簡便に色を決める方法についての示唆もない。
【0017】
特許文献4の請求項には、本印刷機における各色の刷順と透過度とに基づいて前記各色の刷り重ねの模擬演算を行う色校正方法が開示され、これにより、特色インキを刷り重ねる順番と特色インキの透過度とが考慮され色再現性が良好な色校正方法が提供される。しかし、印刷物の紙質等の条件を配慮した技術については、示唆する記載は見あたらない。
【0018】
【特許文献1】
特開平5−66557号公報[請求項]
【特許文献2】
特開2001−305701号公報[請求項]
【特許文献3】
特開平10−248017号公報[請求項]
【特許文献4】
特開平11−296664号公報[請求項]
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
印刷物の材質、例えば、用紙においては、アート紙、上質紙、マット紙等があり、それぞれ着色の性質の程度が異なってくる。上質紙類を印刷物とした場合は、仕上がりの濃度が薄い画像になる傾向にあり、これをハロゲン化銀感光材料のプルーフの画像形成した場合には、コントラストが不足した画像になる。
本発明が解決しようとする課題は、印刷物の材質、特に、印刷用紙の種類により異なる着色性の違がいに対応して、コントラストの良好なカラープルーフを形成できる画像情報処理方法、画像情報処理装置、画像形成方法、画像出力システム及びコンピュータプログラムを提供することである。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、印刷物から印刷目標の色毎に色特性を求める取得段階と、印刷しようとする印刷物の材質固有の情報を受けて、前記取得段階で取得された色特性を修正するレンダリング段階と、予め準備されたプルーフ画像出力装置の色特性対基本色濃度の濃度特性テーブルを参照して、前記レンダリング段階で出力される修正された色特性を前記基本色の濃度に変換する変換段階と、前記変換段階で変換された前記各色に対する前記基本色の濃度をテーブルとして記憶する記憶段階と、前記記憶段階で記憶したテーブルのデータを前記プルーフ画像出力装置へ出力して印刷させる段階と、を備えた。
【0021】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記色特性は、L*a*b*であって、前記取得段階は、前記印刷目標の色毎にL*a*b*を測定して求める構成とした。
【0022】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明において、予め印刷物の紙質を特定する情報と前記紙質に対応して補正するための明度L*の補正値を含む紙質補正テーブルを準備する段階を備え、前記レンダリング段階は、前記紙質を特定する情報を受けて、前記紙質補正テーブルを参照して、前記取得段階で取得された明度L*を含む色特性を修正する構成とした。
【0023】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明において、前記紙質補正テーブルは、少なくとも紙質として、アート紙及び上質紙のそれぞれを特定する情報と、それに対応する前記アート紙及び上質紙のそれぞれの明度L*の補正値は、いずれも前記取得段階で取得された明度L*を下げる値とでなり、その下げ幅は、前記アート紙と前記上質紙とで同じかもしくは前記アート紙より前記上質紙の方が大きくされている構成とした。
【0024】
請求項5記載の発明は、請求項3又は4記載の発明において、前記紙質を特定する情報を選択可能に表示する表示段階を有し、前記レンダリング段階では、前記表示段階で選択された前記特定する情報を受ける構成とした。
【0025】
請求項6記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記予め準備される前記プルーフ画像出力装置の色特性対基本色濃度の濃度特性テーブルは、前記プルーフ画像出力装置が画像を形成するために保有する露光手段の露光量を決定するための構成とした。
【0026】
請求項7記載の発明は、印刷物の色を特定できる色特性を取得できる取得装置及び基本色の濃度に応じたデータを受けて前記印刷物に印刷するプルーフ画像出力装置とを制御して所望の印刷を行うための画像情報処理装置であって、前記プルーフ画像出力装置の特性である色特性対基本色濃度の濃度特性テーブルを記憶する記憶手段と、印刷しようとする印刷物の材質固有の情報を受けて、前記取得装置で取得された色特性を修正するレンダリング手段と、前記記憶手段が記憶する色特性対基本色濃度の濃度特性テーブルを参照して、前記レンダリング手段から出力される修正された色特性を前記基本色の濃度に変換する変換手段と、前記変換手段で変換された前記各色に対する前記基本色の濃度をテーブルとして、前記プルーフ画像出力装置へ出力して印刷させるために記憶する手段と、を備えた。
【0027】
請求項8記載の発明は、網点を複数画素の集合体として面積階調の画像を形成する画像形成方法であって、予めプルーフ画像出力装置の露光を行うための基本色の濃度対光量特性を取得しておく準備段階と、目標印刷物の色の色特性を取得する取得段階と、印刷しようとする印刷物の材質固有の情報を受けて、前記取得段階で取得された色特性を修正するレンダリング段階と、前記レンダリング段階から出力される修正された色特性を前記基本色の濃度に変換する変換段階と、画素を識別する画素情報を出力する段階と、前記画像情報を基に、前記濃度対光量特性を参照して、前記変換段階で求められた濃度を画素単位の光量に演算する段階とを備え、画素単位で露光量を制御して印刷する構成とした。
【0028】
請求項9載の発明は、網点を複数画素の集合体として面積階調の画像を形成する画像出力システムであって、予めプルーフ画像出力装置の露光を行うための基本色の濃度対光量特性を記憶する記憶手段と、目標印刷物の色の色特性を取得する取得手段と、印刷しようとする印刷物の材質固有の情報を受けて、前記取得手段で取得された色特性を修正するレンダリング手段と、前記レンダリング手段で出力される修正された色特性を前記基本色の濃度に変換する変換手段と、前記色特性を基に前記色特性に対する基本色の濃度を求める変換手段と、画素を識別する画素情報を出力する画素生成手段と、前記画素情報を基に、前記濃度対光量特性を参照して、前記変換手段で求められた濃度を画素単位の光量に演算する演算手段とを備え、画素単位で露光量を制御して印刷する構成とした。
【0029】
請求項10の発明は、コンピュータに印刷物の色を特定できる色特性を取得できる取得装置と、基本色の濃度に応じたデータを受けて前記印刷物に印刷するプルーフ画像出力装置とを制御させて所望の印刷を行うためのコンピュータプログラムであって、前記コンピュータに対して、前記プルーフ画像出力装置の特性である色特性対基本色の濃度特性テーブルを記憶させ、前記取得装置で取得された色の前記色特性をを変更するために、印刷しようとする印刷物の材質固有の情報を視覚的に入力操作可能に表示させ、前記入力操作により入力された材質固有の情報を受けて、前記取得装置で取得された色特性を修正するためのレンダリングをさせ、前記濃度特性テーブルを参照して、前記レンダリングで修正された色特性を前記基本色の濃度に変換させ、前記変換された基本色の濃度データを前記プルーフ画像出力装置へ送らせるために記憶させる構成とした。
【0030】
【発明の実施の形態】
先ず、理解を深めるために、本発明に係る用語と用語に係る技術について説明する。
【0031】
[用語と関与技術の説明]
▲1▼色の表記
この明細書中の説明に使用する印刷インキの色の表記は、図14に従う。
▲2▼網点画像(色、特色)の形成
従来技術でも簡単に説明しているが、追加説明しておく。図1にデジタルカラープルーフにおける網点の模式図を示す。図1に示すように、画像は画素(図中では○で表した)に分割され、網点はこの画素の集合体として表される。その際、網点の重なった部分は、画素を共有することになる。例えば、図1は、基本色としてY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)の各網点としているので、Yの網点とMの網点が共有する(重なっている)画素は赤、Yの網点とCの網点が共有する画素は緑、Y、M、Cの網点が共有する画素は黒で表される。このようにして画素の集合体による面積階調を生成している。
【0032】
また、印刷物によっては、YMC、或いはYMCK以外の特別な色、いわゆる「特色」が用いられることがある。この特色のインキの版は「特色版」と呼ばれる。特色インキとしては、緑色、オレンジ色などのインキの他に、金色、銀色その他のメタリックカラーのインキ等の各種のインキが用いられる。さらに特色インキは、濃度が一定でなく、メジウムなどの色を薄めるための材料を混入させて濃度をコントロールする場合があり、ラメや金粉の混ざったものなどが用いられることもある。特色版は、ロゴのように予め特色であることが指定されている画像部品を再現する場合や、特色インキで刷ることによってカラー画像の色再現性を高めたい場合などに用いられることが多い。図1には示していないが、特色版の網点がある場合には、該当する画素の色を特色に近似な色に調整することによりこれを表現することができるし、さらに特色版と他の版で共有されている画素を、刷り重ねの順序、個々の版の色、各インキの特性(透明度、インキののりやすさ等)を考慮した色に調整することにより表現することができる。
【0033】
▲3▼目標印刷物と測定(色データの取得)
画像形成(印刷)条件を決めるためには、実際の印刷物では各色がどのように再現されるかを調べる必要がある。このため、実際の印刷で用いられるインキ、プルーフ画像出力装置を使った印刷物で基本となるデータを取得する必要がある。本発明ではこれを目標印刷物と呼ぶ。このようにすることで、色再現に必要な条件を精度よく決めることが可能となる。したがって、目標印刷物は、少なくともY、M、C、Kの各プロセスインキでの印刷物を含むことが好ましく、さらにKとY等が重なったオーバープリント色を含むことが好ましい。特色を含んだ印刷では、プロセスインキでの印刷物に加えて特色インキでの印刷物を含むことが好ましく、特色インキのプロセスインキの刷り重ねられた印刷物を含むことが好ましい。色の再現の精度からいうと印刷物は多いほど好ましいが同時に測定の負荷も増えるため求める精度と負荷の関係で印刷物を決めることが好ましい。
【0034】
また、本発明において目標印刷物を測定すると記載している場合であっても、予め測定されているインキと同じインキを使う場合のようにデータを適当な媒体から読み込むことによりその目的を達成できる場合は、これをも含めて測定と記載している。また、求める精度との関係で代表的なインキのデータで代用する事も可能であり、こうした場合も含めて測定すると記載している。
【0035】
▲4▼濃度、L*a*b*及び色の測定
ここにいう濃度とは、主に光学濃度を意味するが、実質的にこれと同じ意味をもつ他の量に置き換えることが可能である。例えば、CIELAB色空間におけるL*、a*、b*等が変換可能なその代表値としてあげることが可能である。なお、このほかには、CIELAV色空間、XYZ色空間の座標値を好ましく用いることができる。CIELAB色空間とは、CIE 1976(L*a*b*色空間)を指し、その座標の求め方については、JIS Z 8729−1994に記載されている。ここで、L*a*b*を、この発明では、色の「特性」と言う。)。L*は明度を表し、a*及びb*の組合せで色相や彩度を表す。
【0036】
[全体構成の概略説明]
図2は、発明実施する上で必要な画像出力システムの全体構成の一例を示す。図3は、図2の中で、本発明の主要構成である画像情報処理装置100の詳細を示す図であって、図3の符号6から16の要部が画像情報処理装置100に含まれる。図4は、図2の構成の概略の動作フローを説明するための図である。先ず、図2を用いて概略の全体構成を説明する。
【0037】
図2において、プルーフ画像出力装置1は、データを一時記憶し、記録タイミングを調整するためのバッファ、印刷媒体(例えば感光材料)を、インキ、印刷用紙等の条件を反映して上記の画素毎に露光を行ことによって所望のプルーフを得るための露光手段、感光材料を搬送するドラム、これらの手段に対して必要な条件で制御する制御手段を備えている。さらに、露光手段は、各種の光源(レーザ或いは発光ダイオード(LED)等)、光源からの光量を調整する手段、光源からの光を主走査方向或いは副走査方向に走査して感光材料の所定位置を印刷するための走査手段を備えている。制御手段は、CPU(コンピュータ)及び各部を制御するための画像出力プログラム、その画像出力制御プログラム及び露光用データ等を記憶するメモリからなり、CPUが画像出力プログラムを実行することにより、制御部として機能している。
【0038】
なお、露光手段(詳細は[露光手段]の欄で後記)は、入力される濃度データから各光源の光量を決定して露光するため、図1の画像情報処理装置100は、この露光手段の特性にあったデータ(これを以下、この露光手段にあったデータを生成する上で参照するための露光手段の特性を濃度特性ファイル(請求項でいう「色特性対基本色の濃度の特性データ」である。)という。)を提供する必要がある。この点は、重要なので[濃度特性ファイルの生成]の欄で後記する。
【0039】
測定装置3は、目標印刷物2の各色がもつ特性を取得するために測定する測定器(取得装置)である。各色がもつ特性とは、濃度も含まれるが、この例では、CEILAB色空間におけるL*、a*、b*を測定して出力している。ここでは、区別しなければ、各色が持つ特性をL*、a*、b*と纏めて言うことがある。
【0040】
画像情報処理装置100は、GUI200(Graphical User Interface手段:図3を参照)を有し、全体の制御も兼ね、測定装置3からの各色についての測定データL*a*b*を、レンダリング手段10で印刷物の材質、例えば、用紙の質に応じて補正演算している。この補正演算されたL*、a*、b*を、前記濃度特性ファイルのデータを参照して、基本色、ここの例では、Y、C、Mの各の濃度に変換してカラーコレクションテーブルを作成し、このカラーコレクションテーブルのデータをプルーフ画像出力装置1へ出力する。
【0041】
画像情報処理装置100は、ハード構成は、CPU100a及びメモリ100bを有している。メモリ100bには、操作者が表示手段4を見ながら、視覚的に操作手段5を操作するためのGUIプログラム(グラフィック・ユーザ・インタフェースと呼ばれ、容易に、視覚的に入力操作ができるプログラム)、並びに画像情報処理装置100の内部、測定装置3,プルーフ画像出力装置1と情報をやりとりするための制御プラグラム等をCPU100aで実行可能に備えている。なお、画像情報処理装置100は、一般のコンピュータであってもよくプルーフ画像出力装置と同じ筐体に収められていてもよく、前記GUI及び制御を含むプログラムを装着することにより、実施可能とされている。(各部の詳細は、[実施例1]で説明。)
【0042】
[露光手段の説明](この欄では、符号のない名称のものは図示していない。)
画像情報処理装置100によって生成された各Y、M及びC(或いはYMCBK)の各強度(濃度或いは濃度に対応した光量:露光エネルギー)を表した網点画像データを受けて、一時的バッファに入れ、これをドットクロックで読み出して、光源、例えば、緑色レーザ光源、赤色レーザ光源、赤外レーザ光源を前記盲点画像データのY、M、Cの強度に対応した、かつ発光し、インキの色および/または印刷用紙の色(例えば、白地)に対応した色を持つ画像を露光する。
【0043】
また、露光制御部(CPU及びプログラムで校正される。)が、ドラムにおける感光材料の先端位置の位置をセンサ類が検出してエンコードしたパルス信号のカウントに基づいて、光源を含む光学系から射出される光の照射位置に感光材料の画像記録領域があるように制御している。そして、ドラムに保持されている感光材料に対して網点画像の画像出力(露光)を行う。
【0044】
ハロゲン化銀感光材料を用いた例について説明すると、画像データ(濃度データ)は、最終的に各画素毎の露光量データに変換され、露光手段に転送され画像露光が行われる。画像データから露光手段へのデータ転送のフローを図13に示す。
【0045】
本発明に係る画像情報処理方法、画像情報処理装置、画像出力システム及びプログラムにおいて行われる、画像データ(濃度データ)から画像出力に用いられる露光データへの変換過程のデータの一例について図12に示した。これらは、本発明の効果を損なわない範囲において、任意に分割、統合することができるし、異なる量(例えば濃度値として表現されているものをL*、a*、b*で表現する等)で表現してもよい。
【0046】
ここで、図12(図12Aと、図12Bからなり、図12Aは図12(a)、(b)及び(c)からなり、図12Bは、図12(d),(e)、(f)及び(g)からなり、以下、図12( )の形式で説明することがある。)及び図13を基に、画素毎の露光量を得る手法について説明しておく。まず、データを読み込む画素の番号(カウンタ:i)を1に設定し(図13のS21)、画素1におけるY、M、C、K、特色があるか否かを表す画像データを図12(a)のように読み込む(S22)。次にどの色が発色しているのかを組み合わせて画素の色を判断する(S23)。これはテーブルを参照することにより達成される。たとえば図12(a)における画素1ではYのみが発色しているので画素の色の図12(b)の判別テーブルのYのみが1になっている欄で、画素の色はYであると判断される(図12(c))。画素3ではYとMが発色しているため画素の色はRとなる。同様に画素4はKのみ発色しているため色もKであり、画素5はKとMが発色しているので画素の色はオーバープリント色であるK+Mとなる。こうした変換により図12(c)のように画素別画像データを作成する。次に、この色を作り出すためにY、M、C各画像形成層に与えるべき露光量をテーブルから読みとり(図13のS24)、各画素毎に各層に与える露光量を並べた画像データとし、このデータをプルーフ画像出力装置1(露光手段)へ転送する(図13のS25)。
【0047】
この作業の具体的な流れを、ハロゲン化銀感光材料の特性をアナリティカル濃度(100倍して整数化してある)で表した例で説明する。画素の色から色毎の各感光層の濃度テーブル図12(d)(カラーコレクションテーブル:ここでは、濃度値をコード化して示した。)を参照して各層のアナリティカル濃度を求める。この例では、図12(d)では、画素1はYのみレベル1(アナリティカル濃度110)に発色させることがわかる。これを基に図12(f)の感光材料特性テーブルからYの露光量はレベル(n−4)であることが分かる。同様にしてM、Cについて露光量レベルを決めることができる。このようにして図12(g)の画素毎の露光量データが作成される。
【0048】
画素毎の処理が終わるとカウンタを+1して次の画素についての処理を行う。以下これを繰り返し各画素毎の露光量のデータを作成する。画像出力手段へのデータ転送のタイミングは画素単位で行ってもよいし、1回の主走査に必要なデータの処理が終わった時点でもよいし、全てのデータ処理が終了した時点であってもよい。画像出力手段ではこのデータを必要に応じてデバイスを制御する信号に変換して露光を行う。
【0049】
プルーフ画像出力装置1では、前記画素毎の露光量データをもとに必要に応じて露光手段の駆動信号に変換し露光を行う。この露光手段の駆動信号に変換するプロセスは、画像情報処理装置100に含ませることもできる。プルーフ画像出力装置1では、必要に応じてデータバッファを用いて露光のタイミングを調整してもよい。
【0050】
この時に想定したデータの構造を図12に示した。画像データとしては、画素の順に各色が発色しているかどうかのデータのみを持つものと想定した。Y、M、C、K、特色の発色の有無の組み合わせのパターンから、テーブルを参照して画素の色が判断される。次に画素の色とY、M、C画像形成形成層の露光量のテーブルを参照し各層に与えるべき露光量が決定される。画素の色を判断する所と画素の色から各画像形成層の露光量を決定する所を分離しているのは、例えばRを単色のYとMの単なる足し算ではなく独立に設定できるようにしたもので、要求する仕様により単純な足し算で表現してもよい。このように独立して設定できるようにすることで、より印刷に近似な画像を得ることができるし、また2つの画像データを使って緑と赤の2色で印刷するような場合の画像のチェックにも用いることができ、有用性の高いシステムが実現できる。
【0051】
上記の説明は、露光デバイスが一つのケースについて述べているが、露光デバイスが副走査方向に10個並べられている場合であれば、画素1〜10が副走査方向に並んだ画素を表し、主走査方向に1画素分ずれたデータは画素11〜20で表すというように読み替えて考えればよい。
【0052】
[実施例における印刷条件]
これから説明する実施例の印刷条件等を予めここで示しておく。条件の概要は、特色S1(メジウム含有量多い透明な薄緑インキ)及び特色S2(透明度低い金属銀色インキ)の目標で、目標印刷物を作成して準備し、各種条件変えてカラーコレクションテーブル作成するものであるが、詳細条件は、この例では、次の通りとする。
・プロセスインキ:大日本インキ化学工業(株)製 スペースカラー バリウスG
・特色インキ色S1:大日本インキ化学工業(株)製 Fグロスメジウム 75.1%、カラーガイド用グリーン21.8%、FG45透明黄3.1% DIC No.15
・特色インキ色S2:大日本インキ化学工業(株)製 NCPシルバー (銀色)DIC No.621
・透明性成分:着色性成分 S1 75.1:24.9 S2 0:100
・刷り順:K→C→M→Y→S1→S2
・印刷機:ローランド R704
・用紙:三菱製紙株式会社製の特菱アート 110kg/四六判版 KPGサーマルCTPプレート TP−R
・スクリーン:175線 チェーンドット
・目標濃度値(DIN−NB):Y=1.1、M=1.5、C=1.5、K=1.8
・目標ドットゲイン:17%(50%部)
・測定条件:特菱アート110kgを2枚重ねで机上に敷いた上に目標印刷物を置き、測定装置3としてエックスライト社製528型濃度計を用いてL*a*b*値を測定した。
・目標印刷物の作成:特色2版を含む計6版の各インキ単独及び種々の組み合わせで刷り重ねた印刷物を用意した。
【0053】
[濃度特性ファイルの生成]
濃度特性ファイルは、上記したように予め、生成、準備しておく必要がある。つまり、予め用意されたハロゲン化銀感光材料のシアン、マゼンタ、イエローの発色量の組み合わせとその組み合わせで表現される濃度と色特性L*a*b*(色調ともよばれている)の関係を表すテーブル(濃度特性ファイル)を用いることが必要である。濃度特性ファイルの作成は、デジタルデータに基づいて波長の異なる光源を用いて、任意に光量を変化させて画像露光を行い、シアン、マゼンタ、イエローを発色可能なハロゲン化銀乳剤層を有するハロゲン化銀感光材料を任意に発色させた組み合わせを作成し、その濃度あるいは色調を測定してカラーコレクションクションとの関係を対応させることによって可能である。また、シアン、マゼンタ、イエローの全てのカラーコレクションクションの組み合わせを作成しなくても、中間領域はデータを補完することで設定することができる。
【0054】
[ハロゲン化銀感光材料及び現像処理]
ハロゲン化銀感光材料として特開2002−341470号公報の実施例1に記載のハロゲン化銀感光材料No.101を用い、上記の露光手段(露光ヘッド)により、B、G、Rの光源を発光強度を変えて単独で発光させ、露光後、特開2002−341470号公報の実施例1に記載の現像処理を行った。この試料のY、C、MのステータスT濃度を測定し、光量−発色濃度の対応を表す感材特性テーブルを得た。結果を図5に示す。光量値は最大光量を4000とした相対値で表示した。
【0055】
[感材特性テーブル]
感材(感光材料)特性テーブルは、写真業界でよく知られた特性曲線に相当するテーブルであり、濃度とそれを得るのに必要な露光量の関係を表す。感材特性テーブルの作成は、露光量を低露光量から高露光量まで連続的または断続的に変化させて露光を行い、現像処理を経て生成した画像の濃度を測定して、露光量と発色濃度の関係を対応させることで得られる。
【0056】
例えば、画像形成に要するエネルギーと濃度の関係を、任意の刻みでエネルギーを変化した全ての組み合わせでカラーパッチを作成し、これを測定した結果をデータベースとしておけば、画像データによって画素の色が決められた時、このデータベースを参照することにより各層に与えるべきエネルギーを求めることができる。しかし、この場合、精度を上げるためには膨大な量の測定を行い、データベースを作成する必要があるし、感光材料の特性の変動(感光材料の製造バラツキによる変動の他、処理液の性能の変化によって変動する)を吸収するための手段が別途必要となる。これに対して、感材特性テーブルを用いた方法では、このテーブルを書き換えることで変動を吸収することができ好ましい。
【0057】
[濃度特性ファイル]
上記の感材特性テーブルを参照して、図7に示したC、M、Yの各濃度を発色させるB、G、Rの光量を組み合わせることにより、15×19×19色 計5415色のカラーパッチを出力し、L*、a*、b*及びステータスTのY、M、C濃度を測定した。次に、色パッチのL*、a*、b*と、そのパッチを作成する際に与えたB光のみで発色させたYパッチのY濃度、G光のみで発色させたCパッチのC濃度、R光のみで発色させたMパッチのM濃度をもとめ、この3種の量を対応させたテーブルを作成することによって、濃度特性ファイルを作成した。5415色のデータで膨大となるため図示を省略するが、イメージ的には、図6のようにY、M、Cの濃度の3次元座標においてL*、a*、b*のパラメータで色が特定されるようになる。
【0058】
このようにして作成された濃度特性ファイルは、本発明の構成である図3の記憶手段13に記憶されている。濃度特性ファイルは全色を測定して作成することが望ましいが、18色或いは6色等を測定してあとは特色のノセ状態を演算してもとめることもできる(後の実施例2で説明する)。
【0059】
[カラーコレクションテーブル]
前述のように、デジタルカラープルーフにおいては、画像は画素に分解され、この画素の集合体として網点が再現される。このため、画像データとして画素の色が決められた時、この色を具体的に規定する。すなわち、画像データが赤であった場合でも、それが濃い赤であるか、淡い赤であるか、紫がかった赤であるか黄色がかった赤であるかを規定する必要がある。
【0060】
カラーコレクションテーブルで規定する色の数は、印刷で使用するインクの数、求める再現の精度等で決まるが、例えば、プロセスインクY、M、C、Kと特色2色の組み合わせでKとY、M、Cの組み合わせを考慮するとインクのない部分(白:W)を合わせて16色となり、これと特色2色の重なりを考慮すると64色になる。
【0061】
次にカラーコレクションテーブルを作成する方法について説明する。一つの方法は、上記の組み合わせに相当するインキを刷り重ねた印刷物を用意しこれを測定する方法である。これは理想的ではあるが、前記のように色材の違いによる補正を加えなければならないこと、特色インキの種類は非常に数が多く、また、印刷用紙の種類によっても仕上がりは大きく変化する。このため、すべての場合について正確なデータを得ることは現実的に不可能であることから、少ない数のデータから何らかの演算手段により求めることが好ましい。
【0062】
[アナリティカル濃度の説明]
アナリティカル濃度は写真の分野でよく用いられる濃度の概念であるが、Y、M、C色素を任意の量で発色させた時、Y色素だけを同量発色させたときのB濃度をアナリティカルB濃度と呼び、M色素だけを同量発色させたときのG濃度をアナリティカルG濃度、C色素だけを同量発色させたときのR濃度をアナリティカルR濃度と呼ぶ。アナリティカル濃度は概念的な量であるが、計算によって求めることもできる。アナリティカル濃度に関しては、T.H.James編、The Theory of The Photographic Process、Macmillan、Newyork、p.524−529(1977)に記載されており、これを参考に求めることができる。本発明の有用な態様として反射支持体を有するハロゲン化銀感光材料を使用したシステムを挙げることができ、この場合は、アナリティカル濃度も反射濃度として表しておくことが好ましい。ここでアナリティカル濃度と呼んでいる量は、本来のアナリティカル濃度から変換した数値であってもよい。数値の取り扱いとしては、アナリティカル濃度を100倍して整数化した方が扱いやすく、好ましい。
【0063】
[カラーコレクションテーブルと感材特性データとの組み合わせによるメリット]
前記の画素をどのような条件で作成できるかを求める方法としては、例えば画像形成に要するエネルギーと濃度の関係を、任意の刻みでエネルギーを変化した全ての組み合わせでカラーパッチを作成し、これを測定した結果をデータベースとしておけば任意の色を与えられた時、このデータベースを参照することにより各層の与えるべきエネルギーを求めることができる。しかし、この場合、精度を上げるためには膨大な量の測定を行い、データベースを作成する必要がある。一方、アナリティカル濃度により表現する方式においては、Y、M、C各層に与えるエネルギーと発色濃度の関係を求めておくことで少ないデータで精度よく必要なエネルギーを求めることが可能となり、システムの設計段階あるいは感光材料の色材の変更などに対しての対応が容易であるというメリットを有する。
【0064】
さらに重要なことは、プルーフ画像出力装置1は、特に露光手段は、環境起因による露光量の変動や、現像処理の活性の経時変動等により、基準の条件から変動して、発色する濃度や特性(色調)にずれが生じる場合がある。この場合に備え、本発明においては、生成された画像の濃度や特性(色調)を測定し、その測定値から予想値との濃度差、色差を計算し、予想値からのずれ量を算出して、ずれ分を露光量にフィードバックを行い、補正を行うことができる方法、手段を有する。
【0065】
[実施例1:本発明の詳細構成及び動作の説明](全色測定の例)
図3および図4を基に説明する。
図3において、表示手段4、操作手段5、パネルコントロール手段6及び表示情報記憶手段7は、GUI200を構成する。パネルコントロール手段6は、予め表示情報手段7に記憶されている表示情報を、電源オン、或いは操作手段5で設定されたキーに応じて画面を読み出して表示手段4に表示させる。操作者は表示手段4を見てマーカ等で視覚的に操作手段5により、選択・設定・入力の操作をすることができる構成となっている。以下、選択・設定・入力の操作は、操作手段によってなされるものとする。
【0066】
電源を入れるとパネルコントロール手段6は、表示情報記憶手段7から図11Aのメイン画面を読み出して表示する(図4のステップS1:以下、ステップを省略し、S番号で示す。)。操作者が図11Aの設定▲1▼を選択すると、図11Bの測定画面が表示される。ここで色のパッチ(見本)、特色、インキ設定の画面がでてくるのでここで設定できる。ただし、この例では、特定の指示をしないと全色測定するので、このまま全色測定として説明する。なお、図11Bの画面の上部のデータは、測定後の測定色についてのY,M,C濃度、L*、a*、b*の特性値を表示している。
【0067】
パネルコントロール手段6から測定の指示を受けた制御部8が測定装置1(請求項の取得装置、或いは取得手段、測定手段に相当する。)を制御して、目標印刷物の全色についてのL*、a*、b*の測定を行わせる(図4のS2)。なお、測定前に、図11Bの測定キャリブレーションを設定して、測定装置を校正しておくことが望ましい。図3において、全色測定で、刷り重ねの下色を強調しない場合、及びインキ設定調整しない場合は、直接レンダリング手段10に入る。図3のパラメータ演算手段9)については、後記する。
【0068】
(レンダリング手段10とその画面)
レンダリング手段10による補正では、印刷物である材質、例えば印刷用紙の紙質による補正、濃度域のよる好ましい色調の補正等を行う。例えば、目標印刷物に対して、シアン、マゼンタ、イエローを発色可能なハロゲン化銀乳剤層を有するハロゲン化銀感光材料を用いてプルーフ画像を形成する場合、その着色剤の性質や用いられる用紙の差異などに起因して、必ずしも同一の濃度、色調に合わせることが目視での近似性に関して最適になるとは限らない場合がある。レンダリング手段10は、その用紙等の差を調整するための手段である。用紙としては、アート紙・コート紙、マット紙、上質紙・色上質紙等を設定できる。
【0069】
GUI200で図11Gに示す画面を読み出し表示されるので、操作者はそれを見ながら調整・設定ができる。例えば、図11Gの画面でアート紙を選択すると制御部8は、紙質補正テーブル16からアート紙の補正値を読み出して、レンダリング手段10へ出力させる。レンダリング手段10は、測定装置3で測定された、或いはノセ演算手段9で演算されたL*、a*、b*を、紙質補正テーブル16からアート紙の補正値で補正演算して変換手段11へ送る。(図4のS5−YES,S5a、S5b)。
【0070】
図9にその紙質補正テーブル16の例を示す。図9は、アート紙と上質紙、及び明度L*だけの例であるが、発明はこれに限らない。ただ、明度L*だけにしたのは、紙質差による着色性の違いからくるコントラストの修正を目的としたものであるから、明度L*だけで十分な場合が多いことによる。また、図9に示す補正値は、次のようにして求めたものである(詳細実施例を後記の実施例2に示す)。
ΔL*=L*m1−L*m2
L*m1: 目標印刷物のベタ(網100%)のL*値
L*m2: プルーフ出力物のベタ(網100%)のL*値であるが、経験則による推定値。
その結果である図9では、コントラストの点では、上質紙の方がアート紙と同じかより大きな値を測定値から差し引く必要があることわかる。
【0071】
次に、用紙等の設定について説明する。
印刷用紙の設定が図11Gの画面で設定できるが、その印刷用紙に上質紙等を用いた印刷物は仕上がりの濃度が低く、比較的薄い画像が形成される。この場合、ハロゲン化銀感光材料のプルーフにおいては、濃度、色調の数値で近似させた画像はコントラストの不足した画像になる場合がある。その場合「レンダリング設定」画面図11Gにおいて、コントラストを高めるような調整を行う。また、同様に上質紙に印刷された印刷物上のK(墨、ブラック)色の文字品質に関して、視認性を上げる目的で、墨版の画像が存在する領域、すなわち墨色とオーバープリントの部分のコントラストを高めるための操作を行うのが「レンダリング設定」画面図11G中の低濃度補正である。また、墨の濃度については、単独で調整可能な設定画面を有している。
【0072】
また、印刷用紙の種類としては、多くの場合、アート紙、コート紙の群、マット紙の群、上質紙の群の3段階に分けることでほぼ所望の結果を得ることが可能となる。同じ上質紙に分類される印刷用紙でも着色の度合いによって補正のレベルを変えることが好ましい。
【0073】
また、プルーフ画像出力装置1やインキ、印刷条件などによって印刷用紙、あるいは転写済みのインキ上へ重ね色インキの転写量が様々である。その重ね色の寄与の大きさを示すトラッピング量に応じてその着色量の計算を調整するのが「レンダリング設定」画面図11G中のトラッピング補正である。
【0074】
変換手段11は、記憶手段13から、先に記憶しておいた濃度特性ファイル(図4のS100)を読み出し、濃度特性ファイルの座標空間に、つまり図6のように前記レンダリング手段10で補正されたL*、a*、b*を当てはめ、補正されたL*、a*、b*に相当するY、M、Cに分解した濃度Dy,Dm,Dcに変換する(図4のS6)。なお、補正されたL*、a*、b*と濃度特性ファイルのL*、a*、b*とが一致しない場合は、補正されたL*、a*、b*に一番近い濃度特性ファイルのL*、a*、b*の値で代用してDy、Dm、Dcを決定してもよい。また、補正された目標印刷物のL*、a*、b*に近い複数のデータから演算することによって求めることができる。具体的な方法としては、重回帰によってL*、a*、b*の変化がDy、Dm、Dcにどのように影響するかを求め、この結果から推定する方法等がある。変換手段11を経ることにより、カラーコレクションテーブルの原型ができあがる。
【0075】
機差補正手段12は、予め記憶しておいた機差データ(図4のS200)により露光手段の特性のバラツキによる濃度を補正する。露光デバイスとしてLEDを使う場合、特開2002−72367号に記載のように駆動電流により最大発光波長がずれる現象があり、この特性はデバイスにより変動するし、同じ駆動電流を流してもデバイスにより発光量が変動する。これらの特性はひとまとめにして機差として扱うことが機構の簡素化の観点から有利である。
【0076】
機差データは、感材特性テーブルの作成と同様に、規定の露光量で感光材料を露光後現像処理を行い、得られたパッチを濃度測定し、基準機での濃度と評価しようとする機器の濃度(あるいはその差分)の対応としてテーブルを作成することができる。
【0077】
変換手段11で作成されたカラーコレクションテーブルの各欄の数値は、機差補正手段12によって機差を補正されカラーコレクションテーブルが完成される。
【0078】
記憶手段13は、機差補正手段12により機差を補正されたカラーコレクションテーブルを記憶し、次のプルーフ画像の出力に供するようにする(図4のS8)。このようにして全色測定して作成されたカラーコレクションテーブルの一例を図8に示す。なお、その他、記憶手段13は、機差補正データ、濃度特性ファイル等を記憶しており、一つのメモリあるいは複数のメモリで構成されていてもよい。
【0079】
カラーコレクションテーブルのデータは、網点データ生成部15からの画像データと併せてプルーフ画像出力装置1に転送してもよいし、予め転送してプルーフ画像出力装置1に記憶しておいてもよい。
【0080】
網点データ生成部15は、上記したように網点を設け、さらにその網点の面積内に複数の画素で、画像を形成するので、その網点及び画素のデータ(座標位置を識別できる情報で、以下、網点データと呼ぶ。)を生成し、制御部8は、各部を制御して、結果として、前記露光手段を網点、画素毎に濃度を決定して制御するためのカラーコレクションテーブルを作らせる(濃度を感光材料特性に応じて光量に変換した場合は、画素毎に光量を決定したテーブルを作らせる)。
【0081】
(ノセ演算手段9及びその画面)
特色には2つの使い方があり、プロセスインキの画像の上に特色インキの画像が刷り重ねられている場合(これをノセと呼ぶことがある)と、プロセスインキによる画像をなくし特色画像だけを印刷する場合(これをヌキと呼ぶことがある)である。ヌキの場合には、特色インキの色を考慮することで足りるが、ノセの場合にはインキの特性を考慮する必要がある。
【0082】
上記の説明の中におけるパラメータ(ノセ)演算手段9(以下、ノセ演算手段9という。)は、次のようにこのノセについて使用される。
(イ)測定装置3で測定していない色について演算でL*、a*、b*を求める場合に使用される。これは、図4において、表示画面にて条件を指定し、ノセ演算手段9によるノセ演算を行う(図4のS3b)ものである。
【0083】
(ロ)印刷の仕上がりを予測するというプルーフの目的に照らして、第1義には印刷と近似な仕上がりとなることが望まれる。しかし、上に透明度が低いインキが刷り重ねられる場合には、プルーフとしては透明度が高く再現される方が、下になる画像の状況が判別しやすく有利に用いられることがある。つまり、重ね刷りの下色を指定して下色を視覚的に認識・操作可能にし、結果として検版を可能にする場合(図4のS4−YES,S4a)で、GUI200で図11Cに示す画面を読み出し、ノセ色(下色)を選択して、画面右側の上段の濃度Dy、Dm,Dcを下段のように調整することができる。指定は、図11Cの画面では隠れているが、操作者がL*、a*、b*で指定して調整できる。なお、指定されたL*、a*、b*は、パラメータ演算手段9で測定値ともに加減算されて(図4のS4b)、レンダリング手段10へ送られる。
【0084】
(ハ)ノセの場合の再現色の計算に当たっては、インキの特性を考慮する必要がある。主な特性としてはインキの透明度で、これは主に刷り重ねるインキ(これを上色と呼ぶことがある)によって決まり、最終的な色に対する下になるインキ(これを下色と呼ぶことがある)の寄与の大きさを表す。もう一つの重要な特性は、トラッピング率で、上色と下色のインキの組み合わせや印刷版の印刷順序によって決まり、最終的な色に対する上色のインキの寄与の大きさを表す。これ以外の因子を考慮することがより精度を上げることができ好ましいが、効果の大きさは小さく作業の負荷を考慮すると前記2つの因子を考慮することが好ましい態様である。
【0085】
これらの要因を反映して調整するのが、本機能であるが、本機能は図11Bの画面或いは図11Fの画面をGUI200で出力させ、画面を見ながら設定・調整する。設定された条件に基づいてノセ演算手段9が演算してレンダリング手段10へ送られる(図4のS4−YES,S4a、4b)。
【0086】
(単色エジットとエジット手段14)
図3のエジット手段14は、カラーコネクションテーブルのデータを個々に微調整するための機能である。印刷出力したものを再調整する場合に有効である(図4のS10、S12)。図11Aのメイン画面中のプルダウンメニュー、図11Dで調整したい色を選択する。図11Dの画面には目標とする印刷物の色調と、計算上で設定されたカラーコレクションクションで生成されるプルーフの色調と、そこからカラーコレクションクションを調整したときに変動する色調をシミュレートした色調が表示手段4上に表示される。これらの色調と出力試料および目標印刷物を参照しながら色調を画面の調整ボタンで調整する。調整設定された条件をもとにカラーコレクションクションテーブルを演算し、演算後この値を用いて再計算を行って(シミュレート演算)表示する(図4のS12)。
【0087】
(測定フィードバック)
プルーフを出力後の色を再測定して、その際測定した測定値に基づいてカラーコレクションクションテーブルをプルーフ画像出力装置1へをフィードバックをして、再出力させて確認する(或いは確認してズレがあれば微調整するために)ために用いられる機能で、図11Hの画面(測定画面のサブ画面)で操作して実行できる。主に、制御部8が行っている。
【0088】
図11Hの画面に指示された色をプルーフ画像の中から選択して濃度等を入力する。測定された値と、計算で求められた色との濃度差、あるいは色差を計算し、ずれ分をソフト内で計算を行い、カラーコレクションクション値の差分として算出して、差分を補正されたカラーコレクションクションテーブルを再出力する。
【0089】
[実施例2:レンダリングの実施例]
(実施方法)
(1)印刷機Aにて、三菱製紙株式会社製のアート紙、特菱アート紙(イ)、及び大昭和製紙製の上質紙、しおらい(ロ)にそれぞれプロセス4色の網点画像チャートを印刷し、図10Aに示す目標印刷物(A−イ)及び(A−ロ)を得た。なお、画像チャートには、プロセス4色を掛け合わせたトータル15色の色パッチが含まれている。
(2)印刷機Bにおいて(1)同様の印刷用紙に同様の印刷を行い、図10Aに示す目標印刷物(B−イ)及び(B−ロ)を得た。
(3)目標印刷物(A−イ)及び(A−ロ)に対して、本発明に係る画像情報処理装置100により、色調(L*、a*、b*)が近似するように15色のカラーコレクションテーブルを調整し、プルーフ画像出力装置1による出力を行い、プルーフ出力物(A−イ)及び(A−ロ)得た。
(4)目標印刷物(A−イ)及び(A−ロ)とプルーフ出力物(A−イ)及び(A−ロ)とを、それぞれの15色のパッチについて濃度(Dy、Dm,Dc)及び色調(L*、a*、b*)について比較し、印刷機Aについての目標印刷物とプルーフ出力物について、各色の濃度差(ΔDy、ΔDm,ΔDc)及び色調差(ΔL*、Δa*、Δb*)を求めた。
(5)目標印刷物(B−イ)及び(B−ロ)の15色のカラーコレクションテーブルを上記(4)で得られた印刷機Aにおける各色の濃度差(ΔDy、ΔDm,ΔDc)が同じになるようにレンダリングにより調整して、調整されたカラーコレクションテーブルによりプルーフ出力物(B−イ)/ΔDymc及び(B−ロ)/ΔDymc作成した。
(6)また、目標印刷物(B−イ)及び(B−ロ)の15色のカラーコレクションテーブルを、上記(4)で得られた印刷機Aにおける各色の色調差(ΔL*、Δa*、Δb*)が同じになるようにレンダリングにより調整して、調整されたカラーコレクションテーブルによりプルーフ出力物(B−イ)/ΔLab及び(B−ロ)/ΔLabを作成した。
【0090】
(評価)
上記(5)及び(6)で得られた結果及びその評価を図10Bに示す。図10Bにおける評価は、プルーフ出力物(B−イ)/ΔDymc及び(B−ロ)/ΔDymcもしくは(B−イ)/ΔLab及び(B−ロ)/ΔLabと、目標印刷物(B−イ)及び(B−ロ)とを目視で比較し、目視にによる色調の近似性を〇(近似している。)、△(ある程度近似している。)及び×(近似していない。)の3段階表示を行ったものである。
【0091】
図10Bからすると、紙質によるカラーコレクションテーブルの補正或いは調整は、濃度(Dy、Dm,Dc)で行うより、色特性(色調)(L*、a*、b*)で行うで行うほうが適切であることが分かる。つまりは、明度L*等の方が濃度より視覚に近い修正ができるといえる。
【0092】
図9の紙質補正テーブル16は、このようにして(特に上記(4))作成されたものであり、上質紙用の色調差及びアート紙用の色調差を表しており、図11Gの表示画面により紙の種類(紙質)が選択されると、自動的に紙質補正テーブル16にアクセスして、レンダリング手段10が選択された紙質の色調差ΔL*を測定値したL*に加算(ΔL*が―であれば引き算)する構成とされている。なお、紙質補正テーブル16が明度L*の差分だけを示したが、a*及びb*の差分も設定できる構成としてある。
【0093】
[実施例3:他のレンダリングの実施例]
上記実施例2の結果を確認するため、アート紙として王子製紙株式会社製のOK金藤N,上質紙として三菱製紙株式会社製の金菱を用いて、目標印刷物を作成してプロセル15色の色パッチ特性L*、a*、b*を測定し、その測定値と図9の紙質補正テーブル16から選択された値とをレンダリング10で修正したカラーコレクションテーブルを算出し、プルーフ出力物を得た。得られたプルーフ出力物の目標印刷物に対する色調近似性は、各色とも良好であった。
【0094】
以上の説明における技術は限られたものであり、説明した技術に限らずその均等範囲は、本発明の技術思想に属する。
【0095】
【発明の効果】
本発明は、上記説明構成、特にレンダリング手段により、印刷物の材質、特に、印刷用紙の種類により異なる着色性の違がいに対応して、コントラストの良好なカラープルーフを形成できる効果がある。
【0096】
また、画面表示から紙質を選択的に指定することにより自動的にレンダリングする構成なので、容易にコントラスト良好なカラープルーフが得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像における網点と画素を説明するための図である。
【図2】全体構成を示す図である。
【図3】本発明に機能構成を示す図である。
【図4】図3の機能構成の動作フローを説明するための図である。
【図5】感材(感光材料)特性テーブルの例を示す図である。
【図6】濃度特性ファイルを説明するための図である。
【図7】光量と濃度の組み合わせを示す図である。
【図8】実施例1で全色測定して作成したカラーコレクションテーブルである。
【図9】紙質補正テーブル16の例を示す図である。
【図10A】実施例2の条件及び結果を説明するための図である。
【図10B】実施例2の条件及び結果を説明するための図である。
【図11A】GUIによる画面例を示す図である。
【図11B】GUIによる画面例を示す図である。
【図11C】GUIによる画面例を示す図である。
【図11D】GUIによる画面例を示す図である。
【図11E】GUIによる画面例を示す図である。
【図11F】GUIによる画面例を示す図である。
【図11G】GUIによる画面例を示す図である。
【図11H】GUIによる画面例を示す図である。
【図12A】画素毎の露光量への変換を説明するための図である。
【図12B】画素毎の露光量への変換を説明するための図である。
【図13】画素毎の露光量への変換フローを示す図である。
【図14】本発明の説明に用いられている、インキで表現される色の表記を示す図である。
【符号の説明】
1 プルーフ画像出力装置
2 目標印刷物
3 測定手段(取得手段)
4 表示手段
5 操作手段
6 パネルコントロール
7 表示情報記憶手段
8 制御部
9 パラメータ演算手段(ノセ演算手段)
10 レンダリング手段
11 変換手段
12 機差補正手段
13 記憶手段
15 網点データ生成部
16 紙質補正テーブル
100 画像情報処理装置
100a CPU
100b メモリ
200 GUI
【発明の属する技術分野】
本発明は、ユーザがコンピュータを操作して印刷物の仕上がりを事前に確認するプルーフを生成するため画像情報処理方法、画像出力装制御装置、画像出力システム及びコンピュータプログラムに関するものである。特に、印刷しようとする印刷物の材質である、例えば、紙質の特性を反映する工程及び手段を採り入れることにより、コントラストのよいプルーフを生成する技術に係る。
【0002】
【従来の技術】
印刷分野において、ハロゲン化銀感光材料は、高感度であること、色再現性に優れていること、連続処理に適していることから今日盛んに用いられている。こうした特徴からハロゲン化銀感光材料は、写真の分野のみではなく、印刷の分野でも、印刷の途中の段階で仕上がりの印刷物の状態をチェックするためのいわゆるプルーフの分野で広く用いられるようになってきている。
【0003】
プルーフの分野では、コンピュータ上で編集された画像を印刷用フィルムに出力し、現像済みのフィルムを適宜交換しつつ分解露光することによってイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各画像を形成させ、最終印刷物の画像をカラー印画紙上に形成させることにより、最終印刷物のレイアウトや色の適否を判断することが行われていた。
【0004】
最近では、コンピュータ上で編集された画像を直接印刷版に出力する方式が徐々に普及してきており、このような場合にはコンピュータ上のデータからフィルムを介することなく直接カラー画像を得ることが望まれていた。
【0005】
このような目的には、昇華型・溶融熱転写方式や電子写真方式、インキジェット方式等種々の方式の応用が試みられてきたが、高画質な画像が得られる方式では費用がかかり生産性が劣るという欠点があり、費用が少なくてすみ生産性に優れた方式では画質が劣るという欠点があった。ハロゲン化銀感光材料を用いたシステムでは、優れた鮮鋭性等から、正確な網点画像が形成できるなど高画質な画像形成が可能であり、一方で上述したように連続した処理が可能であることや、複数の色画像形成ユニットに同時に画像を書き込むことができることから高い生産性を実現することが可能であった。
【0006】
近年、印刷の分野でいわゆるデジタル化が進みコンピュータ内のデータから直接画像を得る要求が強まっているが前記したような理由によって、ハロゲン化銀感光材料がこの分野で有利に使われ始めている。
【0007】
このような方式においては、網点をさらに小さな単位(ここではこれを画素と表現した)に分割し、この画素を適切な露光量で露光する事によってその集合体として網点を再現することが可能である。例えとして簡単な例を挙げれば、1つの網点が100個の画素で構成されるのであれば、50個の画素を現像可能なように露光する事により網%が50%の網点を形成する事ができる。印刷の特性を表現するのにドットゲインというパラメータが用いられるが、前記現像可能となる画素の数を変化させることによりドットゲインを変えることができる。この画素が、例えば印刷のイエロー(Y)のインキとマゼンダ(M)のインキの重なった場所に存在する場合には、この画素を赤に発色させることにより再現することが可能となる。この時、プルーフ上では必ずしもYとMをえる条件を組み合わせる必要はなく別途(例えば、直接にY+M相当の色を)設定することが可能である。これにより、色材の相違による視覚的なズレの調整などの大きなメリットを得ることができる。
【0008】
また、印刷物においては、プロセスインキでは表現できない色や特殊な印刷効果を狙って、特色インキを使った印刷が行われる場合がある。
【0009】
ハロゲン化銀感光材料を用いてデジタルデータに基づき面積階調画像を形成するシステムでは、各層の露光量を任意に変化させることにより、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の濃度を変化させて、この3色の濃度成分の発色比で決められる一定の色域の中で、任意の色調を再現することが可能である。すなわち、プロセスインキのイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の組み合わせで表現可能な白を除く15色以外に、ほぼ無限に近い色調表現が可能であるため前述の特色に近似した色調を再現することが可能である。
【0010】
プロセスインキの組み合わせで表現される色調および特色等の任意の色調を、ハロゲン化銀感光材料を用いて再現するためには、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の発色する濃度成分を適宜露光光量を調整して組み合わせる必要がある。
【0011】
ハロゲン化銀感光材料を用いたシステムは、このように非常に有用なプルーフシステムを実現可能なものであるが、以上説明したように、目標とする印刷物の色版の数が増えるに伴い、この条件をどのように規定するかが非常に大きな課題であった。
【0012】
さらに、ハロゲン化銀感光材料を用いたシステムでは、印刷と同じ色材を使用する事ができないため、視覚的に近似した画像を得るためには、例えばCIELAB色空間の測定値としてずれた色に調整する必要があるなどの課題を有していた。
【0013】
特許文献1の請求項には、AOM(音響光学変調器)に印加するON、OFF電圧値を制御することで、透過する光量を調整し、カラー感光材料の発色濃度を調整するカラー画像校正装置について開示されており、これにより発色濃度、ヌケ部の濃度が可変となり、印刷と近似した画像を形成することができ、特色印刷の校正が可能となることが開示されている。しかしながら、印刷物の紙質等について、画像出力の条件をどのように決めればよいかなどの具体的な手段については何ら述べられていないし、示唆もされていない。
【0014】
なお、プルーフ画像作成装置としてハロゲン化銀感光材料を用いる装置が提案されており、網点の濃度を可変にできることが開示されている(デジタルコンセンサスプロ パンフレット、コニカグラフィックイメージング(株)(2002))。
【0015】
特許文献2の請求項には、直接変調したLEDを光源とする濃度とドットゲインを独立に調整する画像形成方法が開示されており、印刷画像との差異の小さいプルーフ画像が容易に得られることを開示している。しかし、印刷物の紙質等について、各色をどのように調整することで目視での画像再現性が満足されるかについて何も述べられていないし、示唆もされていない。
【0016】
特許文献3の請求項には、特色版を使用する印刷物に対するプルーフ画像形成方法として、プロセス色変換過程、特色参照過程、特色変換過程、プロセス色変換画像データと前記特色変換画像データを組み合わせる合成過程、出力過程からなる画像形成方法を開示している。印刷物の色とプルーフの色をどのように調整するかという最も簡単なモデルは、濃度あるいはL*、a*、b*の値を両者で同じになるようにすることであるが、前述のように、ハロゲン化銀感光材料を用いたカラープルーフでは、印刷との色材の違いから色調を調整することが必要であるという課題がある。特許文献3には、こうした課題についての記載はなく、また、簡便に色を決める方法についての示唆もない。
【0017】
特許文献4の請求項には、本印刷機における各色の刷順と透過度とに基づいて前記各色の刷り重ねの模擬演算を行う色校正方法が開示され、これにより、特色インキを刷り重ねる順番と特色インキの透過度とが考慮され色再現性が良好な色校正方法が提供される。しかし、印刷物の紙質等の条件を配慮した技術については、示唆する記載は見あたらない。
【0018】
【特許文献1】
特開平5−66557号公報[請求項]
【特許文献2】
特開2001−305701号公報[請求項]
【特許文献3】
特開平10−248017号公報[請求項]
【特許文献4】
特開平11−296664号公報[請求項]
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
印刷物の材質、例えば、用紙においては、アート紙、上質紙、マット紙等があり、それぞれ着色の性質の程度が異なってくる。上質紙類を印刷物とした場合は、仕上がりの濃度が薄い画像になる傾向にあり、これをハロゲン化銀感光材料のプルーフの画像形成した場合には、コントラストが不足した画像になる。
本発明が解決しようとする課題は、印刷物の材質、特に、印刷用紙の種類により異なる着色性の違がいに対応して、コントラストの良好なカラープルーフを形成できる画像情報処理方法、画像情報処理装置、画像形成方法、画像出力システム及びコンピュータプログラムを提供することである。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、印刷物から印刷目標の色毎に色特性を求める取得段階と、印刷しようとする印刷物の材質固有の情報を受けて、前記取得段階で取得された色特性を修正するレンダリング段階と、予め準備されたプルーフ画像出力装置の色特性対基本色濃度の濃度特性テーブルを参照して、前記レンダリング段階で出力される修正された色特性を前記基本色の濃度に変換する変換段階と、前記変換段階で変換された前記各色に対する前記基本色の濃度をテーブルとして記憶する記憶段階と、前記記憶段階で記憶したテーブルのデータを前記プルーフ画像出力装置へ出力して印刷させる段階と、を備えた。
【0021】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記色特性は、L*a*b*であって、前記取得段階は、前記印刷目標の色毎にL*a*b*を測定して求める構成とした。
【0022】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明において、予め印刷物の紙質を特定する情報と前記紙質に対応して補正するための明度L*の補正値を含む紙質補正テーブルを準備する段階を備え、前記レンダリング段階は、前記紙質を特定する情報を受けて、前記紙質補正テーブルを参照して、前記取得段階で取得された明度L*を含む色特性を修正する構成とした。
【0023】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明において、前記紙質補正テーブルは、少なくとも紙質として、アート紙及び上質紙のそれぞれを特定する情報と、それに対応する前記アート紙及び上質紙のそれぞれの明度L*の補正値は、いずれも前記取得段階で取得された明度L*を下げる値とでなり、その下げ幅は、前記アート紙と前記上質紙とで同じかもしくは前記アート紙より前記上質紙の方が大きくされている構成とした。
【0024】
請求項5記載の発明は、請求項3又は4記載の発明において、前記紙質を特定する情報を選択可能に表示する表示段階を有し、前記レンダリング段階では、前記表示段階で選択された前記特定する情報を受ける構成とした。
【0025】
請求項6記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記予め準備される前記プルーフ画像出力装置の色特性対基本色濃度の濃度特性テーブルは、前記プルーフ画像出力装置が画像を形成するために保有する露光手段の露光量を決定するための構成とした。
【0026】
請求項7記載の発明は、印刷物の色を特定できる色特性を取得できる取得装置及び基本色の濃度に応じたデータを受けて前記印刷物に印刷するプルーフ画像出力装置とを制御して所望の印刷を行うための画像情報処理装置であって、前記プルーフ画像出力装置の特性である色特性対基本色濃度の濃度特性テーブルを記憶する記憶手段と、印刷しようとする印刷物の材質固有の情報を受けて、前記取得装置で取得された色特性を修正するレンダリング手段と、前記記憶手段が記憶する色特性対基本色濃度の濃度特性テーブルを参照して、前記レンダリング手段から出力される修正された色特性を前記基本色の濃度に変換する変換手段と、前記変換手段で変換された前記各色に対する前記基本色の濃度をテーブルとして、前記プルーフ画像出力装置へ出力して印刷させるために記憶する手段と、を備えた。
【0027】
請求項8記載の発明は、網点を複数画素の集合体として面積階調の画像を形成する画像形成方法であって、予めプルーフ画像出力装置の露光を行うための基本色の濃度対光量特性を取得しておく準備段階と、目標印刷物の色の色特性を取得する取得段階と、印刷しようとする印刷物の材質固有の情報を受けて、前記取得段階で取得された色特性を修正するレンダリング段階と、前記レンダリング段階から出力される修正された色特性を前記基本色の濃度に変換する変換段階と、画素を識別する画素情報を出力する段階と、前記画像情報を基に、前記濃度対光量特性を参照して、前記変換段階で求められた濃度を画素単位の光量に演算する段階とを備え、画素単位で露光量を制御して印刷する構成とした。
【0028】
請求項9載の発明は、網点を複数画素の集合体として面積階調の画像を形成する画像出力システムであって、予めプルーフ画像出力装置の露光を行うための基本色の濃度対光量特性を記憶する記憶手段と、目標印刷物の色の色特性を取得する取得手段と、印刷しようとする印刷物の材質固有の情報を受けて、前記取得手段で取得された色特性を修正するレンダリング手段と、前記レンダリング手段で出力される修正された色特性を前記基本色の濃度に変換する変換手段と、前記色特性を基に前記色特性に対する基本色の濃度を求める変換手段と、画素を識別する画素情報を出力する画素生成手段と、前記画素情報を基に、前記濃度対光量特性を参照して、前記変換手段で求められた濃度を画素単位の光量に演算する演算手段とを備え、画素単位で露光量を制御して印刷する構成とした。
【0029】
請求項10の発明は、コンピュータに印刷物の色を特定できる色特性を取得できる取得装置と、基本色の濃度に応じたデータを受けて前記印刷物に印刷するプルーフ画像出力装置とを制御させて所望の印刷を行うためのコンピュータプログラムであって、前記コンピュータに対して、前記プルーフ画像出力装置の特性である色特性対基本色の濃度特性テーブルを記憶させ、前記取得装置で取得された色の前記色特性をを変更するために、印刷しようとする印刷物の材質固有の情報を視覚的に入力操作可能に表示させ、前記入力操作により入力された材質固有の情報を受けて、前記取得装置で取得された色特性を修正するためのレンダリングをさせ、前記濃度特性テーブルを参照して、前記レンダリングで修正された色特性を前記基本色の濃度に変換させ、前記変換された基本色の濃度データを前記プルーフ画像出力装置へ送らせるために記憶させる構成とした。
【0030】
【発明の実施の形態】
先ず、理解を深めるために、本発明に係る用語と用語に係る技術について説明する。
【0031】
[用語と関与技術の説明]
▲1▼色の表記
この明細書中の説明に使用する印刷インキの色の表記は、図14に従う。
▲2▼網点画像(色、特色)の形成
従来技術でも簡単に説明しているが、追加説明しておく。図1にデジタルカラープルーフにおける網点の模式図を示す。図1に示すように、画像は画素(図中では○で表した)に分割され、網点はこの画素の集合体として表される。その際、網点の重なった部分は、画素を共有することになる。例えば、図1は、基本色としてY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)の各網点としているので、Yの網点とMの網点が共有する(重なっている)画素は赤、Yの網点とCの網点が共有する画素は緑、Y、M、Cの網点が共有する画素は黒で表される。このようにして画素の集合体による面積階調を生成している。
【0032】
また、印刷物によっては、YMC、或いはYMCK以外の特別な色、いわゆる「特色」が用いられることがある。この特色のインキの版は「特色版」と呼ばれる。特色インキとしては、緑色、オレンジ色などのインキの他に、金色、銀色その他のメタリックカラーのインキ等の各種のインキが用いられる。さらに特色インキは、濃度が一定でなく、メジウムなどの色を薄めるための材料を混入させて濃度をコントロールする場合があり、ラメや金粉の混ざったものなどが用いられることもある。特色版は、ロゴのように予め特色であることが指定されている画像部品を再現する場合や、特色インキで刷ることによってカラー画像の色再現性を高めたい場合などに用いられることが多い。図1には示していないが、特色版の網点がある場合には、該当する画素の色を特色に近似な色に調整することによりこれを表現することができるし、さらに特色版と他の版で共有されている画素を、刷り重ねの順序、個々の版の色、各インキの特性(透明度、インキののりやすさ等)を考慮した色に調整することにより表現することができる。
【0033】
▲3▼目標印刷物と測定(色データの取得)
画像形成(印刷)条件を決めるためには、実際の印刷物では各色がどのように再現されるかを調べる必要がある。このため、実際の印刷で用いられるインキ、プルーフ画像出力装置を使った印刷物で基本となるデータを取得する必要がある。本発明ではこれを目標印刷物と呼ぶ。このようにすることで、色再現に必要な条件を精度よく決めることが可能となる。したがって、目標印刷物は、少なくともY、M、C、Kの各プロセスインキでの印刷物を含むことが好ましく、さらにKとY等が重なったオーバープリント色を含むことが好ましい。特色を含んだ印刷では、プロセスインキでの印刷物に加えて特色インキでの印刷物を含むことが好ましく、特色インキのプロセスインキの刷り重ねられた印刷物を含むことが好ましい。色の再現の精度からいうと印刷物は多いほど好ましいが同時に測定の負荷も増えるため求める精度と負荷の関係で印刷物を決めることが好ましい。
【0034】
また、本発明において目標印刷物を測定すると記載している場合であっても、予め測定されているインキと同じインキを使う場合のようにデータを適当な媒体から読み込むことによりその目的を達成できる場合は、これをも含めて測定と記載している。また、求める精度との関係で代表的なインキのデータで代用する事も可能であり、こうした場合も含めて測定すると記載している。
【0035】
▲4▼濃度、L*a*b*及び色の測定
ここにいう濃度とは、主に光学濃度を意味するが、実質的にこれと同じ意味をもつ他の量に置き換えることが可能である。例えば、CIELAB色空間におけるL*、a*、b*等が変換可能なその代表値としてあげることが可能である。なお、このほかには、CIELAV色空間、XYZ色空間の座標値を好ましく用いることができる。CIELAB色空間とは、CIE 1976(L*a*b*色空間)を指し、その座標の求め方については、JIS Z 8729−1994に記載されている。ここで、L*a*b*を、この発明では、色の「特性」と言う。)。L*は明度を表し、a*及びb*の組合せで色相や彩度を表す。
【0036】
[全体構成の概略説明]
図2は、発明実施する上で必要な画像出力システムの全体構成の一例を示す。図3は、図2の中で、本発明の主要構成である画像情報処理装置100の詳細を示す図であって、図3の符号6から16の要部が画像情報処理装置100に含まれる。図4は、図2の構成の概略の動作フローを説明するための図である。先ず、図2を用いて概略の全体構成を説明する。
【0037】
図2において、プルーフ画像出力装置1は、データを一時記憶し、記録タイミングを調整するためのバッファ、印刷媒体(例えば感光材料)を、インキ、印刷用紙等の条件を反映して上記の画素毎に露光を行ことによって所望のプルーフを得るための露光手段、感光材料を搬送するドラム、これらの手段に対して必要な条件で制御する制御手段を備えている。さらに、露光手段は、各種の光源(レーザ或いは発光ダイオード(LED)等)、光源からの光量を調整する手段、光源からの光を主走査方向或いは副走査方向に走査して感光材料の所定位置を印刷するための走査手段を備えている。制御手段は、CPU(コンピュータ)及び各部を制御するための画像出力プログラム、その画像出力制御プログラム及び露光用データ等を記憶するメモリからなり、CPUが画像出力プログラムを実行することにより、制御部として機能している。
【0038】
なお、露光手段(詳細は[露光手段]の欄で後記)は、入力される濃度データから各光源の光量を決定して露光するため、図1の画像情報処理装置100は、この露光手段の特性にあったデータ(これを以下、この露光手段にあったデータを生成する上で参照するための露光手段の特性を濃度特性ファイル(請求項でいう「色特性対基本色の濃度の特性データ」である。)という。)を提供する必要がある。この点は、重要なので[濃度特性ファイルの生成]の欄で後記する。
【0039】
測定装置3は、目標印刷物2の各色がもつ特性を取得するために測定する測定器(取得装置)である。各色がもつ特性とは、濃度も含まれるが、この例では、CEILAB色空間におけるL*、a*、b*を測定して出力している。ここでは、区別しなければ、各色が持つ特性をL*、a*、b*と纏めて言うことがある。
【0040】
画像情報処理装置100は、GUI200(Graphical User Interface手段:図3を参照)を有し、全体の制御も兼ね、測定装置3からの各色についての測定データL*a*b*を、レンダリング手段10で印刷物の材質、例えば、用紙の質に応じて補正演算している。この補正演算されたL*、a*、b*を、前記濃度特性ファイルのデータを参照して、基本色、ここの例では、Y、C、Mの各の濃度に変換してカラーコレクションテーブルを作成し、このカラーコレクションテーブルのデータをプルーフ画像出力装置1へ出力する。
【0041】
画像情報処理装置100は、ハード構成は、CPU100a及びメモリ100bを有している。メモリ100bには、操作者が表示手段4を見ながら、視覚的に操作手段5を操作するためのGUIプログラム(グラフィック・ユーザ・インタフェースと呼ばれ、容易に、視覚的に入力操作ができるプログラム)、並びに画像情報処理装置100の内部、測定装置3,プルーフ画像出力装置1と情報をやりとりするための制御プラグラム等をCPU100aで実行可能に備えている。なお、画像情報処理装置100は、一般のコンピュータであってもよくプルーフ画像出力装置と同じ筐体に収められていてもよく、前記GUI及び制御を含むプログラムを装着することにより、実施可能とされている。(各部の詳細は、[実施例1]で説明。)
【0042】
[露光手段の説明](この欄では、符号のない名称のものは図示していない。)
画像情報処理装置100によって生成された各Y、M及びC(或いはYMCBK)の各強度(濃度或いは濃度に対応した光量:露光エネルギー)を表した網点画像データを受けて、一時的バッファに入れ、これをドットクロックで読み出して、光源、例えば、緑色レーザ光源、赤色レーザ光源、赤外レーザ光源を前記盲点画像データのY、M、Cの強度に対応した、かつ発光し、インキの色および/または印刷用紙の色(例えば、白地)に対応した色を持つ画像を露光する。
【0043】
また、露光制御部(CPU及びプログラムで校正される。)が、ドラムにおける感光材料の先端位置の位置をセンサ類が検出してエンコードしたパルス信号のカウントに基づいて、光源を含む光学系から射出される光の照射位置に感光材料の画像記録領域があるように制御している。そして、ドラムに保持されている感光材料に対して網点画像の画像出力(露光)を行う。
【0044】
ハロゲン化銀感光材料を用いた例について説明すると、画像データ(濃度データ)は、最終的に各画素毎の露光量データに変換され、露光手段に転送され画像露光が行われる。画像データから露光手段へのデータ転送のフローを図13に示す。
【0045】
本発明に係る画像情報処理方法、画像情報処理装置、画像出力システム及びプログラムにおいて行われる、画像データ(濃度データ)から画像出力に用いられる露光データへの変換過程のデータの一例について図12に示した。これらは、本発明の効果を損なわない範囲において、任意に分割、統合することができるし、異なる量(例えば濃度値として表現されているものをL*、a*、b*で表現する等)で表現してもよい。
【0046】
ここで、図12(図12Aと、図12Bからなり、図12Aは図12(a)、(b)及び(c)からなり、図12Bは、図12(d),(e)、(f)及び(g)からなり、以下、図12( )の形式で説明することがある。)及び図13を基に、画素毎の露光量を得る手法について説明しておく。まず、データを読み込む画素の番号(カウンタ:i)を1に設定し(図13のS21)、画素1におけるY、M、C、K、特色があるか否かを表す画像データを図12(a)のように読み込む(S22)。次にどの色が発色しているのかを組み合わせて画素の色を判断する(S23)。これはテーブルを参照することにより達成される。たとえば図12(a)における画素1ではYのみが発色しているので画素の色の図12(b)の判別テーブルのYのみが1になっている欄で、画素の色はYであると判断される(図12(c))。画素3ではYとMが発色しているため画素の色はRとなる。同様に画素4はKのみ発色しているため色もKであり、画素5はKとMが発色しているので画素の色はオーバープリント色であるK+Mとなる。こうした変換により図12(c)のように画素別画像データを作成する。次に、この色を作り出すためにY、M、C各画像形成層に与えるべき露光量をテーブルから読みとり(図13のS24)、各画素毎に各層に与える露光量を並べた画像データとし、このデータをプルーフ画像出力装置1(露光手段)へ転送する(図13のS25)。
【0047】
この作業の具体的な流れを、ハロゲン化銀感光材料の特性をアナリティカル濃度(100倍して整数化してある)で表した例で説明する。画素の色から色毎の各感光層の濃度テーブル図12(d)(カラーコレクションテーブル:ここでは、濃度値をコード化して示した。)を参照して各層のアナリティカル濃度を求める。この例では、図12(d)では、画素1はYのみレベル1(アナリティカル濃度110)に発色させることがわかる。これを基に図12(f)の感光材料特性テーブルからYの露光量はレベル(n−4)であることが分かる。同様にしてM、Cについて露光量レベルを決めることができる。このようにして図12(g)の画素毎の露光量データが作成される。
【0048】
画素毎の処理が終わるとカウンタを+1して次の画素についての処理を行う。以下これを繰り返し各画素毎の露光量のデータを作成する。画像出力手段へのデータ転送のタイミングは画素単位で行ってもよいし、1回の主走査に必要なデータの処理が終わった時点でもよいし、全てのデータ処理が終了した時点であってもよい。画像出力手段ではこのデータを必要に応じてデバイスを制御する信号に変換して露光を行う。
【0049】
プルーフ画像出力装置1では、前記画素毎の露光量データをもとに必要に応じて露光手段の駆動信号に変換し露光を行う。この露光手段の駆動信号に変換するプロセスは、画像情報処理装置100に含ませることもできる。プルーフ画像出力装置1では、必要に応じてデータバッファを用いて露光のタイミングを調整してもよい。
【0050】
この時に想定したデータの構造を図12に示した。画像データとしては、画素の順に各色が発色しているかどうかのデータのみを持つものと想定した。Y、M、C、K、特色の発色の有無の組み合わせのパターンから、テーブルを参照して画素の色が判断される。次に画素の色とY、M、C画像形成形成層の露光量のテーブルを参照し各層に与えるべき露光量が決定される。画素の色を判断する所と画素の色から各画像形成層の露光量を決定する所を分離しているのは、例えばRを単色のYとMの単なる足し算ではなく独立に設定できるようにしたもので、要求する仕様により単純な足し算で表現してもよい。このように独立して設定できるようにすることで、より印刷に近似な画像を得ることができるし、また2つの画像データを使って緑と赤の2色で印刷するような場合の画像のチェックにも用いることができ、有用性の高いシステムが実現できる。
【0051】
上記の説明は、露光デバイスが一つのケースについて述べているが、露光デバイスが副走査方向に10個並べられている場合であれば、画素1〜10が副走査方向に並んだ画素を表し、主走査方向に1画素分ずれたデータは画素11〜20で表すというように読み替えて考えればよい。
【0052】
[実施例における印刷条件]
これから説明する実施例の印刷条件等を予めここで示しておく。条件の概要は、特色S1(メジウム含有量多い透明な薄緑インキ)及び特色S2(透明度低い金属銀色インキ)の目標で、目標印刷物を作成して準備し、各種条件変えてカラーコレクションテーブル作成するものであるが、詳細条件は、この例では、次の通りとする。
・プロセスインキ:大日本インキ化学工業(株)製 スペースカラー バリウスG
・特色インキ色S1:大日本インキ化学工業(株)製 Fグロスメジウム 75.1%、カラーガイド用グリーン21.8%、FG45透明黄3.1% DIC No.15
・特色インキ色S2:大日本インキ化学工業(株)製 NCPシルバー (銀色)DIC No.621
・透明性成分:着色性成分 S1 75.1:24.9 S2 0:100
・刷り順:K→C→M→Y→S1→S2
・印刷機:ローランド R704
・用紙:三菱製紙株式会社製の特菱アート 110kg/四六判版 KPGサーマルCTPプレート TP−R
・スクリーン:175線 チェーンドット
・目標濃度値(DIN−NB):Y=1.1、M=1.5、C=1.5、K=1.8
・目標ドットゲイン:17%(50%部)
・測定条件:特菱アート110kgを2枚重ねで机上に敷いた上に目標印刷物を置き、測定装置3としてエックスライト社製528型濃度計を用いてL*a*b*値を測定した。
・目標印刷物の作成:特色2版を含む計6版の各インキ単独及び種々の組み合わせで刷り重ねた印刷物を用意した。
【0053】
[濃度特性ファイルの生成]
濃度特性ファイルは、上記したように予め、生成、準備しておく必要がある。つまり、予め用意されたハロゲン化銀感光材料のシアン、マゼンタ、イエローの発色量の組み合わせとその組み合わせで表現される濃度と色特性L*a*b*(色調ともよばれている)の関係を表すテーブル(濃度特性ファイル)を用いることが必要である。濃度特性ファイルの作成は、デジタルデータに基づいて波長の異なる光源を用いて、任意に光量を変化させて画像露光を行い、シアン、マゼンタ、イエローを発色可能なハロゲン化銀乳剤層を有するハロゲン化銀感光材料を任意に発色させた組み合わせを作成し、その濃度あるいは色調を測定してカラーコレクションクションとの関係を対応させることによって可能である。また、シアン、マゼンタ、イエローの全てのカラーコレクションクションの組み合わせを作成しなくても、中間領域はデータを補完することで設定することができる。
【0054】
[ハロゲン化銀感光材料及び現像処理]
ハロゲン化銀感光材料として特開2002−341470号公報の実施例1に記載のハロゲン化銀感光材料No.101を用い、上記の露光手段(露光ヘッド)により、B、G、Rの光源を発光強度を変えて単独で発光させ、露光後、特開2002−341470号公報の実施例1に記載の現像処理を行った。この試料のY、C、MのステータスT濃度を測定し、光量−発色濃度の対応を表す感材特性テーブルを得た。結果を図5に示す。光量値は最大光量を4000とした相対値で表示した。
【0055】
[感材特性テーブル]
感材(感光材料)特性テーブルは、写真業界でよく知られた特性曲線に相当するテーブルであり、濃度とそれを得るのに必要な露光量の関係を表す。感材特性テーブルの作成は、露光量を低露光量から高露光量まで連続的または断続的に変化させて露光を行い、現像処理を経て生成した画像の濃度を測定して、露光量と発色濃度の関係を対応させることで得られる。
【0056】
例えば、画像形成に要するエネルギーと濃度の関係を、任意の刻みでエネルギーを変化した全ての組み合わせでカラーパッチを作成し、これを測定した結果をデータベースとしておけば、画像データによって画素の色が決められた時、このデータベースを参照することにより各層に与えるべきエネルギーを求めることができる。しかし、この場合、精度を上げるためには膨大な量の測定を行い、データベースを作成する必要があるし、感光材料の特性の変動(感光材料の製造バラツキによる変動の他、処理液の性能の変化によって変動する)を吸収するための手段が別途必要となる。これに対して、感材特性テーブルを用いた方法では、このテーブルを書き換えることで変動を吸収することができ好ましい。
【0057】
[濃度特性ファイル]
上記の感材特性テーブルを参照して、図7に示したC、M、Yの各濃度を発色させるB、G、Rの光量を組み合わせることにより、15×19×19色 計5415色のカラーパッチを出力し、L*、a*、b*及びステータスTのY、M、C濃度を測定した。次に、色パッチのL*、a*、b*と、そのパッチを作成する際に与えたB光のみで発色させたYパッチのY濃度、G光のみで発色させたCパッチのC濃度、R光のみで発色させたMパッチのM濃度をもとめ、この3種の量を対応させたテーブルを作成することによって、濃度特性ファイルを作成した。5415色のデータで膨大となるため図示を省略するが、イメージ的には、図6のようにY、M、Cの濃度の3次元座標においてL*、a*、b*のパラメータで色が特定されるようになる。
【0058】
このようにして作成された濃度特性ファイルは、本発明の構成である図3の記憶手段13に記憶されている。濃度特性ファイルは全色を測定して作成することが望ましいが、18色或いは6色等を測定してあとは特色のノセ状態を演算してもとめることもできる(後の実施例2で説明する)。
【0059】
[カラーコレクションテーブル]
前述のように、デジタルカラープルーフにおいては、画像は画素に分解され、この画素の集合体として網点が再現される。このため、画像データとして画素の色が決められた時、この色を具体的に規定する。すなわち、画像データが赤であった場合でも、それが濃い赤であるか、淡い赤であるか、紫がかった赤であるか黄色がかった赤であるかを規定する必要がある。
【0060】
カラーコレクションテーブルで規定する色の数は、印刷で使用するインクの数、求める再現の精度等で決まるが、例えば、プロセスインクY、M、C、Kと特色2色の組み合わせでKとY、M、Cの組み合わせを考慮するとインクのない部分(白:W)を合わせて16色となり、これと特色2色の重なりを考慮すると64色になる。
【0061】
次にカラーコレクションテーブルを作成する方法について説明する。一つの方法は、上記の組み合わせに相当するインキを刷り重ねた印刷物を用意しこれを測定する方法である。これは理想的ではあるが、前記のように色材の違いによる補正を加えなければならないこと、特色インキの種類は非常に数が多く、また、印刷用紙の種類によっても仕上がりは大きく変化する。このため、すべての場合について正確なデータを得ることは現実的に不可能であることから、少ない数のデータから何らかの演算手段により求めることが好ましい。
【0062】
[アナリティカル濃度の説明]
アナリティカル濃度は写真の分野でよく用いられる濃度の概念であるが、Y、M、C色素を任意の量で発色させた時、Y色素だけを同量発色させたときのB濃度をアナリティカルB濃度と呼び、M色素だけを同量発色させたときのG濃度をアナリティカルG濃度、C色素だけを同量発色させたときのR濃度をアナリティカルR濃度と呼ぶ。アナリティカル濃度は概念的な量であるが、計算によって求めることもできる。アナリティカル濃度に関しては、T.H.James編、The Theory of The Photographic Process、Macmillan、Newyork、p.524−529(1977)に記載されており、これを参考に求めることができる。本発明の有用な態様として反射支持体を有するハロゲン化銀感光材料を使用したシステムを挙げることができ、この場合は、アナリティカル濃度も反射濃度として表しておくことが好ましい。ここでアナリティカル濃度と呼んでいる量は、本来のアナリティカル濃度から変換した数値であってもよい。数値の取り扱いとしては、アナリティカル濃度を100倍して整数化した方が扱いやすく、好ましい。
【0063】
[カラーコレクションテーブルと感材特性データとの組み合わせによるメリット]
前記の画素をどのような条件で作成できるかを求める方法としては、例えば画像形成に要するエネルギーと濃度の関係を、任意の刻みでエネルギーを変化した全ての組み合わせでカラーパッチを作成し、これを測定した結果をデータベースとしておけば任意の色を与えられた時、このデータベースを参照することにより各層の与えるべきエネルギーを求めることができる。しかし、この場合、精度を上げるためには膨大な量の測定を行い、データベースを作成する必要がある。一方、アナリティカル濃度により表現する方式においては、Y、M、C各層に与えるエネルギーと発色濃度の関係を求めておくことで少ないデータで精度よく必要なエネルギーを求めることが可能となり、システムの設計段階あるいは感光材料の色材の変更などに対しての対応が容易であるというメリットを有する。
【0064】
さらに重要なことは、プルーフ画像出力装置1は、特に露光手段は、環境起因による露光量の変動や、現像処理の活性の経時変動等により、基準の条件から変動して、発色する濃度や特性(色調)にずれが生じる場合がある。この場合に備え、本発明においては、生成された画像の濃度や特性(色調)を測定し、その測定値から予想値との濃度差、色差を計算し、予想値からのずれ量を算出して、ずれ分を露光量にフィードバックを行い、補正を行うことができる方法、手段を有する。
【0065】
[実施例1:本発明の詳細構成及び動作の説明](全色測定の例)
図3および図4を基に説明する。
図3において、表示手段4、操作手段5、パネルコントロール手段6及び表示情報記憶手段7は、GUI200を構成する。パネルコントロール手段6は、予め表示情報手段7に記憶されている表示情報を、電源オン、或いは操作手段5で設定されたキーに応じて画面を読み出して表示手段4に表示させる。操作者は表示手段4を見てマーカ等で視覚的に操作手段5により、選択・設定・入力の操作をすることができる構成となっている。以下、選択・設定・入力の操作は、操作手段によってなされるものとする。
【0066】
電源を入れるとパネルコントロール手段6は、表示情報記憶手段7から図11Aのメイン画面を読み出して表示する(図4のステップS1:以下、ステップを省略し、S番号で示す。)。操作者が図11Aの設定▲1▼を選択すると、図11Bの測定画面が表示される。ここで色のパッチ(見本)、特色、インキ設定の画面がでてくるのでここで設定できる。ただし、この例では、特定の指示をしないと全色測定するので、このまま全色測定として説明する。なお、図11Bの画面の上部のデータは、測定後の測定色についてのY,M,C濃度、L*、a*、b*の特性値を表示している。
【0067】
パネルコントロール手段6から測定の指示を受けた制御部8が測定装置1(請求項の取得装置、或いは取得手段、測定手段に相当する。)を制御して、目標印刷物の全色についてのL*、a*、b*の測定を行わせる(図4のS2)。なお、測定前に、図11Bの測定キャリブレーションを設定して、測定装置を校正しておくことが望ましい。図3において、全色測定で、刷り重ねの下色を強調しない場合、及びインキ設定調整しない場合は、直接レンダリング手段10に入る。図3のパラメータ演算手段9)については、後記する。
【0068】
(レンダリング手段10とその画面)
レンダリング手段10による補正では、印刷物である材質、例えば印刷用紙の紙質による補正、濃度域のよる好ましい色調の補正等を行う。例えば、目標印刷物に対して、シアン、マゼンタ、イエローを発色可能なハロゲン化銀乳剤層を有するハロゲン化銀感光材料を用いてプルーフ画像を形成する場合、その着色剤の性質や用いられる用紙の差異などに起因して、必ずしも同一の濃度、色調に合わせることが目視での近似性に関して最適になるとは限らない場合がある。レンダリング手段10は、その用紙等の差を調整するための手段である。用紙としては、アート紙・コート紙、マット紙、上質紙・色上質紙等を設定できる。
【0069】
GUI200で図11Gに示す画面を読み出し表示されるので、操作者はそれを見ながら調整・設定ができる。例えば、図11Gの画面でアート紙を選択すると制御部8は、紙質補正テーブル16からアート紙の補正値を読み出して、レンダリング手段10へ出力させる。レンダリング手段10は、測定装置3で測定された、或いはノセ演算手段9で演算されたL*、a*、b*を、紙質補正テーブル16からアート紙の補正値で補正演算して変換手段11へ送る。(図4のS5−YES,S5a、S5b)。
【0070】
図9にその紙質補正テーブル16の例を示す。図9は、アート紙と上質紙、及び明度L*だけの例であるが、発明はこれに限らない。ただ、明度L*だけにしたのは、紙質差による着色性の違いからくるコントラストの修正を目的としたものであるから、明度L*だけで十分な場合が多いことによる。また、図9に示す補正値は、次のようにして求めたものである(詳細実施例を後記の実施例2に示す)。
ΔL*=L*m1−L*m2
L*m1: 目標印刷物のベタ(網100%)のL*値
L*m2: プルーフ出力物のベタ(網100%)のL*値であるが、経験則による推定値。
その結果である図9では、コントラストの点では、上質紙の方がアート紙と同じかより大きな値を測定値から差し引く必要があることわかる。
【0071】
次に、用紙等の設定について説明する。
印刷用紙の設定が図11Gの画面で設定できるが、その印刷用紙に上質紙等を用いた印刷物は仕上がりの濃度が低く、比較的薄い画像が形成される。この場合、ハロゲン化銀感光材料のプルーフにおいては、濃度、色調の数値で近似させた画像はコントラストの不足した画像になる場合がある。その場合「レンダリング設定」画面図11Gにおいて、コントラストを高めるような調整を行う。また、同様に上質紙に印刷された印刷物上のK(墨、ブラック)色の文字品質に関して、視認性を上げる目的で、墨版の画像が存在する領域、すなわち墨色とオーバープリントの部分のコントラストを高めるための操作を行うのが「レンダリング設定」画面図11G中の低濃度補正である。また、墨の濃度については、単独で調整可能な設定画面を有している。
【0072】
また、印刷用紙の種類としては、多くの場合、アート紙、コート紙の群、マット紙の群、上質紙の群の3段階に分けることでほぼ所望の結果を得ることが可能となる。同じ上質紙に分類される印刷用紙でも着色の度合いによって補正のレベルを変えることが好ましい。
【0073】
また、プルーフ画像出力装置1やインキ、印刷条件などによって印刷用紙、あるいは転写済みのインキ上へ重ね色インキの転写量が様々である。その重ね色の寄与の大きさを示すトラッピング量に応じてその着色量の計算を調整するのが「レンダリング設定」画面図11G中のトラッピング補正である。
【0074】
変換手段11は、記憶手段13から、先に記憶しておいた濃度特性ファイル(図4のS100)を読み出し、濃度特性ファイルの座標空間に、つまり図6のように前記レンダリング手段10で補正されたL*、a*、b*を当てはめ、補正されたL*、a*、b*に相当するY、M、Cに分解した濃度Dy,Dm,Dcに変換する(図4のS6)。なお、補正されたL*、a*、b*と濃度特性ファイルのL*、a*、b*とが一致しない場合は、補正されたL*、a*、b*に一番近い濃度特性ファイルのL*、a*、b*の値で代用してDy、Dm、Dcを決定してもよい。また、補正された目標印刷物のL*、a*、b*に近い複数のデータから演算することによって求めることができる。具体的な方法としては、重回帰によってL*、a*、b*の変化がDy、Dm、Dcにどのように影響するかを求め、この結果から推定する方法等がある。変換手段11を経ることにより、カラーコレクションテーブルの原型ができあがる。
【0075】
機差補正手段12は、予め記憶しておいた機差データ(図4のS200)により露光手段の特性のバラツキによる濃度を補正する。露光デバイスとしてLEDを使う場合、特開2002−72367号に記載のように駆動電流により最大発光波長がずれる現象があり、この特性はデバイスにより変動するし、同じ駆動電流を流してもデバイスにより発光量が変動する。これらの特性はひとまとめにして機差として扱うことが機構の簡素化の観点から有利である。
【0076】
機差データは、感材特性テーブルの作成と同様に、規定の露光量で感光材料を露光後現像処理を行い、得られたパッチを濃度測定し、基準機での濃度と評価しようとする機器の濃度(あるいはその差分)の対応としてテーブルを作成することができる。
【0077】
変換手段11で作成されたカラーコレクションテーブルの各欄の数値は、機差補正手段12によって機差を補正されカラーコレクションテーブルが完成される。
【0078】
記憶手段13は、機差補正手段12により機差を補正されたカラーコレクションテーブルを記憶し、次のプルーフ画像の出力に供するようにする(図4のS8)。このようにして全色測定して作成されたカラーコレクションテーブルの一例を図8に示す。なお、その他、記憶手段13は、機差補正データ、濃度特性ファイル等を記憶しており、一つのメモリあるいは複数のメモリで構成されていてもよい。
【0079】
カラーコレクションテーブルのデータは、網点データ生成部15からの画像データと併せてプルーフ画像出力装置1に転送してもよいし、予め転送してプルーフ画像出力装置1に記憶しておいてもよい。
【0080】
網点データ生成部15は、上記したように網点を設け、さらにその網点の面積内に複数の画素で、画像を形成するので、その網点及び画素のデータ(座標位置を識別できる情報で、以下、網点データと呼ぶ。)を生成し、制御部8は、各部を制御して、結果として、前記露光手段を網点、画素毎に濃度を決定して制御するためのカラーコレクションテーブルを作らせる(濃度を感光材料特性に応じて光量に変換した場合は、画素毎に光量を決定したテーブルを作らせる)。
【0081】
(ノセ演算手段9及びその画面)
特色には2つの使い方があり、プロセスインキの画像の上に特色インキの画像が刷り重ねられている場合(これをノセと呼ぶことがある)と、プロセスインキによる画像をなくし特色画像だけを印刷する場合(これをヌキと呼ぶことがある)である。ヌキの場合には、特色インキの色を考慮することで足りるが、ノセの場合にはインキの特性を考慮する必要がある。
【0082】
上記の説明の中におけるパラメータ(ノセ)演算手段9(以下、ノセ演算手段9という。)は、次のようにこのノセについて使用される。
(イ)測定装置3で測定していない色について演算でL*、a*、b*を求める場合に使用される。これは、図4において、表示画面にて条件を指定し、ノセ演算手段9によるノセ演算を行う(図4のS3b)ものである。
【0083】
(ロ)印刷の仕上がりを予測するというプルーフの目的に照らして、第1義には印刷と近似な仕上がりとなることが望まれる。しかし、上に透明度が低いインキが刷り重ねられる場合には、プルーフとしては透明度が高く再現される方が、下になる画像の状況が判別しやすく有利に用いられることがある。つまり、重ね刷りの下色を指定して下色を視覚的に認識・操作可能にし、結果として検版を可能にする場合(図4のS4−YES,S4a)で、GUI200で図11Cに示す画面を読み出し、ノセ色(下色)を選択して、画面右側の上段の濃度Dy、Dm,Dcを下段のように調整することができる。指定は、図11Cの画面では隠れているが、操作者がL*、a*、b*で指定して調整できる。なお、指定されたL*、a*、b*は、パラメータ演算手段9で測定値ともに加減算されて(図4のS4b)、レンダリング手段10へ送られる。
【0084】
(ハ)ノセの場合の再現色の計算に当たっては、インキの特性を考慮する必要がある。主な特性としてはインキの透明度で、これは主に刷り重ねるインキ(これを上色と呼ぶことがある)によって決まり、最終的な色に対する下になるインキ(これを下色と呼ぶことがある)の寄与の大きさを表す。もう一つの重要な特性は、トラッピング率で、上色と下色のインキの組み合わせや印刷版の印刷順序によって決まり、最終的な色に対する上色のインキの寄与の大きさを表す。これ以外の因子を考慮することがより精度を上げることができ好ましいが、効果の大きさは小さく作業の負荷を考慮すると前記2つの因子を考慮することが好ましい態様である。
【0085】
これらの要因を反映して調整するのが、本機能であるが、本機能は図11Bの画面或いは図11Fの画面をGUI200で出力させ、画面を見ながら設定・調整する。設定された条件に基づいてノセ演算手段9が演算してレンダリング手段10へ送られる(図4のS4−YES,S4a、4b)。
【0086】
(単色エジットとエジット手段14)
図3のエジット手段14は、カラーコネクションテーブルのデータを個々に微調整するための機能である。印刷出力したものを再調整する場合に有効である(図4のS10、S12)。図11Aのメイン画面中のプルダウンメニュー、図11Dで調整したい色を選択する。図11Dの画面には目標とする印刷物の色調と、計算上で設定されたカラーコレクションクションで生成されるプルーフの色調と、そこからカラーコレクションクションを調整したときに変動する色調をシミュレートした色調が表示手段4上に表示される。これらの色調と出力試料および目標印刷物を参照しながら色調を画面の調整ボタンで調整する。調整設定された条件をもとにカラーコレクションクションテーブルを演算し、演算後この値を用いて再計算を行って(シミュレート演算)表示する(図4のS12)。
【0087】
(測定フィードバック)
プルーフを出力後の色を再測定して、その際測定した測定値に基づいてカラーコレクションクションテーブルをプルーフ画像出力装置1へをフィードバックをして、再出力させて確認する(或いは確認してズレがあれば微調整するために)ために用いられる機能で、図11Hの画面(測定画面のサブ画面)で操作して実行できる。主に、制御部8が行っている。
【0088】
図11Hの画面に指示された色をプルーフ画像の中から選択して濃度等を入力する。測定された値と、計算で求められた色との濃度差、あるいは色差を計算し、ずれ分をソフト内で計算を行い、カラーコレクションクション値の差分として算出して、差分を補正されたカラーコレクションクションテーブルを再出力する。
【0089】
[実施例2:レンダリングの実施例]
(実施方法)
(1)印刷機Aにて、三菱製紙株式会社製のアート紙、特菱アート紙(イ)、及び大昭和製紙製の上質紙、しおらい(ロ)にそれぞれプロセス4色の網点画像チャートを印刷し、図10Aに示す目標印刷物(A−イ)及び(A−ロ)を得た。なお、画像チャートには、プロセス4色を掛け合わせたトータル15色の色パッチが含まれている。
(2)印刷機Bにおいて(1)同様の印刷用紙に同様の印刷を行い、図10Aに示す目標印刷物(B−イ)及び(B−ロ)を得た。
(3)目標印刷物(A−イ)及び(A−ロ)に対して、本発明に係る画像情報処理装置100により、色調(L*、a*、b*)が近似するように15色のカラーコレクションテーブルを調整し、プルーフ画像出力装置1による出力を行い、プルーフ出力物(A−イ)及び(A−ロ)得た。
(4)目標印刷物(A−イ)及び(A−ロ)とプルーフ出力物(A−イ)及び(A−ロ)とを、それぞれの15色のパッチについて濃度(Dy、Dm,Dc)及び色調(L*、a*、b*)について比較し、印刷機Aについての目標印刷物とプルーフ出力物について、各色の濃度差(ΔDy、ΔDm,ΔDc)及び色調差(ΔL*、Δa*、Δb*)を求めた。
(5)目標印刷物(B−イ)及び(B−ロ)の15色のカラーコレクションテーブルを上記(4)で得られた印刷機Aにおける各色の濃度差(ΔDy、ΔDm,ΔDc)が同じになるようにレンダリングにより調整して、調整されたカラーコレクションテーブルによりプルーフ出力物(B−イ)/ΔDymc及び(B−ロ)/ΔDymc作成した。
(6)また、目標印刷物(B−イ)及び(B−ロ)の15色のカラーコレクションテーブルを、上記(4)で得られた印刷機Aにおける各色の色調差(ΔL*、Δa*、Δb*)が同じになるようにレンダリングにより調整して、調整されたカラーコレクションテーブルによりプルーフ出力物(B−イ)/ΔLab及び(B−ロ)/ΔLabを作成した。
【0090】
(評価)
上記(5)及び(6)で得られた結果及びその評価を図10Bに示す。図10Bにおける評価は、プルーフ出力物(B−イ)/ΔDymc及び(B−ロ)/ΔDymcもしくは(B−イ)/ΔLab及び(B−ロ)/ΔLabと、目標印刷物(B−イ)及び(B−ロ)とを目視で比較し、目視にによる色調の近似性を〇(近似している。)、△(ある程度近似している。)及び×(近似していない。)の3段階表示を行ったものである。
【0091】
図10Bからすると、紙質によるカラーコレクションテーブルの補正或いは調整は、濃度(Dy、Dm,Dc)で行うより、色特性(色調)(L*、a*、b*)で行うで行うほうが適切であることが分かる。つまりは、明度L*等の方が濃度より視覚に近い修正ができるといえる。
【0092】
図9の紙質補正テーブル16は、このようにして(特に上記(4))作成されたものであり、上質紙用の色調差及びアート紙用の色調差を表しており、図11Gの表示画面により紙の種類(紙質)が選択されると、自動的に紙質補正テーブル16にアクセスして、レンダリング手段10が選択された紙質の色調差ΔL*を測定値したL*に加算(ΔL*が―であれば引き算)する構成とされている。なお、紙質補正テーブル16が明度L*の差分だけを示したが、a*及びb*の差分も設定できる構成としてある。
【0093】
[実施例3:他のレンダリングの実施例]
上記実施例2の結果を確認するため、アート紙として王子製紙株式会社製のOK金藤N,上質紙として三菱製紙株式会社製の金菱を用いて、目標印刷物を作成してプロセル15色の色パッチ特性L*、a*、b*を測定し、その測定値と図9の紙質補正テーブル16から選択された値とをレンダリング10で修正したカラーコレクションテーブルを算出し、プルーフ出力物を得た。得られたプルーフ出力物の目標印刷物に対する色調近似性は、各色とも良好であった。
【0094】
以上の説明における技術は限られたものであり、説明した技術に限らずその均等範囲は、本発明の技術思想に属する。
【0095】
【発明の効果】
本発明は、上記説明構成、特にレンダリング手段により、印刷物の材質、特に、印刷用紙の種類により異なる着色性の違がいに対応して、コントラストの良好なカラープルーフを形成できる効果がある。
【0096】
また、画面表示から紙質を選択的に指定することにより自動的にレンダリングする構成なので、容易にコントラスト良好なカラープルーフが得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像における網点と画素を説明するための図である。
【図2】全体構成を示す図である。
【図3】本発明に機能構成を示す図である。
【図4】図3の機能構成の動作フローを説明するための図である。
【図5】感材(感光材料)特性テーブルの例を示す図である。
【図6】濃度特性ファイルを説明するための図である。
【図7】光量と濃度の組み合わせを示す図である。
【図8】実施例1で全色測定して作成したカラーコレクションテーブルである。
【図9】紙質補正テーブル16の例を示す図である。
【図10A】実施例2の条件及び結果を説明するための図である。
【図10B】実施例2の条件及び結果を説明するための図である。
【図11A】GUIによる画面例を示す図である。
【図11B】GUIによる画面例を示す図である。
【図11C】GUIによる画面例を示す図である。
【図11D】GUIによる画面例を示す図である。
【図11E】GUIによる画面例を示す図である。
【図11F】GUIによる画面例を示す図である。
【図11G】GUIによる画面例を示す図である。
【図11H】GUIによる画面例を示す図である。
【図12A】画素毎の露光量への変換を説明するための図である。
【図12B】画素毎の露光量への変換を説明するための図である。
【図13】画素毎の露光量への変換フローを示す図である。
【図14】本発明の説明に用いられている、インキで表現される色の表記を示す図である。
【符号の説明】
1 プルーフ画像出力装置
2 目標印刷物
3 測定手段(取得手段)
4 表示手段
5 操作手段
6 パネルコントロール
7 表示情報記憶手段
8 制御部
9 パラメータ演算手段(ノセ演算手段)
10 レンダリング手段
11 変換手段
12 機差補正手段
13 記憶手段
15 網点データ生成部
16 紙質補正テーブル
100 画像情報処理装置
100a CPU
100b メモリ
200 GUI
Claims (10)
- 印刷物から印刷目標の色毎に色特性を求める取得段階と、
印刷しようとする印刷物の材質固有の情報を受けて、前記取得段階で取得された色特性を修正するレンダリング段階と、
予め準備されたプルーフ画像出力装置の色特性対基本色濃度の濃度特性テーブルを参照して、前記レンダリング段階で出力される修正された色特性を前記基本色の濃度に変換する変換段階と、
前記変換段階で変換された前記各色に対する前記基本色の濃度をテーブルとして記憶する記憶段階と、
前記記憶段階で記憶したテーブルのデータを前記プルーフ画像出力装置へ出力して印刷させる段階と、を備えた画像情報処理方法。 - 前記色特性は、L*a*b*であって、前記取得段階は、前記印刷目標の色毎にL*a*b*を測定して求めることを特徴とする請求項1記載の画像情報処理方法。
- 予め印刷物の紙質を特定する情報と前記紙質に対応して補正するための明度L*の補正値を含む紙質補正テーブルを準備する段階を備え、
前記レンダリング段階は、前記紙質を特定する情報を受けて、前記紙質補正テーブルを参照して、前記取得段階で取得された明度L*を含む色特性を修正することを特徴とする請求項2記載の画像情報処理方法。 - 前記紙質補正テーブルは、少なくとも紙質として、アート紙及び上質紙のそれぞれを特定する情報と、それに対応する前記アート紙及び上質紙のそれぞれの明度L*の補正値は、いずれも前記取得段階で取得された明度L*を下げる値とでなり、その下げ幅は、前記アート紙と前記上質紙とで同じかもしくは前記アート紙より前記上質紙の方が大きくされていることを特徴とする請求項3記載の画像情報処理方法。
- 前記紙質を特定する情報を選択可能に表示する表示段階を有し、前記レンダリング段階では、前記表示段階で選択された前記特定する情報を受けることを特徴とする請求項3又は4記載の画像情報処理方法。
- 前記予め準備される前記プルーフ画像出力装置の色特性対基本色濃度の濃度特性テーブルは、前記プルーフ画像出力装置が画像を形成するために保有する露光手段の露光量を決定するためのものである請求項1記載の画像情報処理方法。
- 印刷物の色を特定できる色特性を取得できる取得装置及び基本色の濃度に応じたデータを受けて前記印刷物に印刷するプルーフ画像出力装置とを制御して所望の印刷を行うための画像情報処理装置であって、
前記プルーフ画像出力装置の特性である色特性対基本色濃度の濃度特性テーブルを記憶する記憶手段と、
印刷しようとする印刷物の材質固有の情報を受けて、前記取得装置で取得された色特性を修正するレンダリング手段と、
前記記憶手段が記憶する色特性対基本色濃度の濃度特性テーブルを参照して、前記レンダリング手段から出力される修正された色特性を前記基本色の濃度に変換する変換手段と、
前記変換手段で変換された前記各色に対する前記基本色の濃度をテーブルとして、前記プルーフ画像出力装置へ出力して印刷させるために記憶する手段と、を備えた画像情報処理装置。 - 網点を複数画素の集合体として面積階調の画像を形成する画像形成方法であって、
予めプルーフ画像出力装置の露光を行うための基本色の濃度対光量特性を取得しておく準備段階と、
目標印刷物の色の色特性を取得する取得段階と、
印刷しようとする印刷物の材質固有の情報を受けて、前記取得段階で取得された色特性を修正するレンダリング段階と、
前記レンダリング段階から出力される修正された色特性を前記基本色の濃度に変換する変換段階と、
画素を識別する画素情報を出力する段階と、
前記画像情報を基に、前記濃度対光量特性を参照して、前記変換段階で求められた濃度を画素単位の光量に演算する段階とを備え、
画素単位で露光量を制御して印刷することを特徴とする画像形成方法。 - 網点を複数画素の集合体として面積階調の画像を形成する画像出力システムであって、
予めプルーフ画像出力装置の露光を行うための基本色の濃度対光量特性を記憶する記憶手段と、
目標印刷物の色の色特性を取得する取得手段と、
印刷しようとする印刷物の材質固有の情報を受けて、前記取得手段で取得された色特性を修正するレンダリング手段と、
前記レンダリング手段で出力される修正された色特性を前記基本色の濃度に変換する変換手段と、
前記色特性を基に前記色特性に対する基本色の濃度を求める変換手段と、
画素を識別する画素情報を出力する画素生成手段と、
前記画素情報を基に、前記濃度対光量特性を参照して、前記変換手段で求められた濃度を画素単位の光量に演算する演算手段とを備え、
画素単位で露光量を制御して印刷することを特徴とする画像出力システム。 - コンピュータに印刷物の色を特定できる色特性を取得できる取得装置と、基本色の濃度に応じたデータを受けて前記印刷物に印刷するプルーフ画像出力装置とを制御させて所望の印刷を行うためのコンピュータプログラムであって、
前記コンピュータに対して、
前記プルーフ画像出力装置の特性である色特性対基本色の濃度特性テーブルを記憶させ、
前記取得装置で取得された色の前記色特性をを変更するために、印刷しようとする印刷物の材質固有の情報を視覚的に入力操作可能に表示させ、
前記入力操作により入力された材質固有の情報を受けて、前記取得装置で取得された色特性を修正するためのレンダリングをさせ、
前記濃度特性テーブルを参照して、前記レンダリングで修正された色特性を前記基本色の濃度に変換させ、
前記変換された基本色の濃度データを前記プルーフ画像出力装置へ送らせるために記憶させる
ことを特徴とするコンピュータプログラム。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2003123946A JP2004297741A (ja) | 2003-02-12 | 2003-04-28 | 画像情報処理方法、画像情報処理装置、画像形成方法、画像出力システム及びコンピュータプログラム |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008278152A (ja) * | 2007-04-27 | 2008-11-13 | Canon Inc | 画像処理システム及びその制御方法 |
JP2019181842A (ja) * | 2018-04-12 | 2019-10-24 | 富士ゼロックス株式会社 | 画像形成装置、色見本版及びプログラム |
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2003
- 2003-04-28 JP JP2003123946A patent/JP2004297741A/ja active Pending
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