JP2004295788A - 回転体トルク測定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】回転体よりトルクの光信号を受光する受光ファイバーの取付けの作業性の向上を図るとともに、光信号の受光効率の向上も図る回転体トルク測定装置を提供する。
【解決手段】本発明の回転体トルク測定装置１０は、駆動側フランジ部１２と負荷側フランジ部１４との間に中空体部１３が形成された回転体１１と、回転体１１の外周に設けられ、中空体部１３の中空部１９に取付けられるトルク検出部２１よりの出力により発光し光信号を出力する発光素子２７ａ〜２７ｎと、光信号を拡散する拡散板３４と、回転体１１の外側に設けられた筺体１７に取付けられ、拡散板３４を介し光信号を受光する受光ファイバー３１とを備えることとした
【選択図】 図１
【解決手段】本発明の回転体トルク測定装置１０は、駆動側フランジ部１２と負荷側フランジ部１４との間に中空体部１３が形成された回転体１１と、回転体１１の外周に設けられ、中空体部１３の中空部１９に取付けられるトルク検出部２１よりの出力により発光し光信号を出力する発光素子２７ａ〜２７ｎと、光信号を拡散する拡散板３４と、回転体１１の外側に設けられた筺体１７に取付けられ、拡散板３４を介し光信号を受光する受光ファイバー３１とを備えることとした
【選択図】 図１
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転体のトルクを回転部に非接触で測定するトルク測定装置に関し、特に、受光ファイバーの取付けの作業性の向上と、光信号の受光効率の向上を図る回転体トルク測定装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
回転体トルク測定装置は、駆動側の回転軸と負荷側の回転軸との間に取付けられ回転トルクを非接触で測定するもので、例えば、自動車の車輪により回転させられるシャーシダイナモにおいて測定ロ―ラとブレーキ装置との間の回転トルクの測定に用いられるものがある（例えば、特許文献１参照）。
【０００３】
図６は、従来の回転体トルク測定装置の正面図であり、図７は、従来の回転体トルク測定装置の一部を切欠いた側面図である。
【０００４】
図６と図７とに示すように、従来の回転体トルク測定装置５０は、駆動側の回転軸９１と負荷側の回転軸９３との間に取付けられる回転体５１と、回転体５１の外側に固定される固定体５５とで構成され、駆動側の回転軸９１と負荷側の回転軸９３との間に取付けられる。回転体５１は、駆動側の回転軸９１のフランジ９２に取付けられる駆動側フランジ部５２と、負荷側の回転軸９３のフランジ９４に取付けられる負荷側フランジ部５４と、駆動側フランジ部５２と負荷側フランジ部５４の間の中空体部５３とが一体に形成されたものであり、固定体５５は、負荷側フランジ部５４の外側に設けられる環状部５６と、取付固定部５８を介し環状部５６が固定される筺体５７とで構成されている。
【０００５】
負荷側フランジ部５４の外側に設けられる環状部５６には一次コイル８７が設けられ、負荷側フランジ部５４の外周部には二次コイル８８が設けられ、一次コイル８７と二次コイル８８とで回転トランス８９が構成されて回転体５１に電力供給が行われる。
【０００６】
中空体部５３の中空部５９には歪ゲージのトルク検出部６１が設けられ、トルク検出部６１よりの出力により発光し光信号を出力する発光素子６７ａ〜６７ｎが負荷側フランジ部５４の外周に沿って複数設けられ、環状部５６には一次コイル８２と並んで発光素子６７ａ〜６７ｎよりの光信号を受光する受光ファイバー７１が取付けられ、受光ファイバー７１の端部には電気信号に変換する光信号変換部（図示せず）が設けられている。
【０００７】
従って、回転体トルク測定装置５０は、駆動側の回転軸９１が回転駆動するとき、トルク検出部６１よりの出力が発光素子６７ａ〜６７ｎと受光ファイバー７１とを介し光信号変換部により検出され、回転トルクの測定が行われる。
【０００８】
【特許文献１】
特開２００２−２２５６６号公報
【発明が解決しようとする課題】
以上述べたごとく、従来の回転体トルク測定装置５０は、駆動側の回転軸９１と負荷側の回転軸９３との間に取付けられ、回転トルクを非接触で測定することができるが、発光素子６７ａ〜６７ｎよりの光信号を受光する受光ファイバー７１は、傷などが発生すると光信号の特性が損なわれる可能性があるため環状部５６の溝に沿って慎重に取付けを行う必要があり、さらなる作業性の向上が要望されていた。
【０００９】
また、受光ファイバー７１は、発光素子６７ａ〜６７ｎよりの光信号を受光し、受光した光信号は受光ファイバー７１の中を伝送される。受光ファイバー７１は、光信号を環状の受光ファイバー７１の中心方向から受光するため、即ち受光ファイバー７１の環状方向に対し直角方向から受光するため、環状方向に伝送され難く、光信号の受光効率の向上も要望されていた。
【００１０】
本発明は、このような従来の問題に鑑みてなされたもので、回転体よりトルクの光信号を受光する受光ファイバーの取付けの作業性の向上を図るとともに、光信号の受光効率の向上も図る回転体トルク測定装置を提供することを目的とする。
【００１１】
【課題を解決するための手段】
本発明の回転体トルク測定装置は、駆動側フランジ部と負荷側フランジ部との間に中空体部が形成された回転体と、前記回転体の外周に設けられ、前記中空体部の中空部に取付けられるトルク検出部よりの出力により発光し光信号を出力する発光素子と、前記光信号を拡散する拡散部と、前記回転体の外側に設けられた筺体に取付けられ、前記拡散部を介し前記光信号を受光する受光ファイバーとを備えることとした。
【００１２】
また、前記拡散部は、前記光信号を拡散する拡散板とし、前記拡散板を前記筺体の前記回転体側に取付けることとした。
【００１３】
また、前記拡散部は、前記受光ファイバーの表面に設けた拡散層とすることとした。
【００１４】
さらに、本発明の回転体トルク測定装置は、駆動側フランジ部と負荷側フランジ部との間に中空体部が形成された回転体と、前記回転体の外周に設けられ、前記中空体部の中空部に取付けられるトルク検出部よりの出力により発光し光信号を出力する発光素子と、前記回転体の外側に設けられた筺体に取付けられ、前記光信号を平面部で受光し、前記平面部に沿って前記光信号を導光する導光板とを備えることとした。
【００１５】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【００１６】
図１は、本発明の第１の実施の形態の回転体トルク測定装置の正面図であり、図２は、本発明の第１の実施の形態の回転体トルク測定装置の一部を切欠いた側面図である。
【００１７】
図１と図２とに示すように、本発明の実施の形態の回転体トルク測定装置１０は、駆動側の回転軸９１と負荷側の回転軸９３との間に取付けられる回転体１１と、回転体１１の外側に固定される固定体１５とで構成され、駆動側の回転軸９１と負荷側の回転軸９３との間に取付けられる。回転体１１は、駆動側の回転軸９１のフランジ９２に取付けられる駆動側フランジ部１２と、負荷側の回転軸９３のフランジ９４に取付けられる負荷側フランジ部１４と、駆動側フランジ部１２と負荷側フランジ部１４の間の中空体部１３とが一体に形成されたものであり、固定体１５は、負荷側フランジ部１４の外側に設けられる半割構造の環状部１６と、半割構造の環状部１６が固定される筺体１７とで構成されている。
【００１８】
駆動側フランジ部１２は、ねじ（図示せず）がフランジ９２の取付穴９２ａを介し駆動側フランジ部１２のねじ穴１２ａに取付けられ、フランジ９２に固定される。また、負荷側フランジ部１４は、ねじ（図示せず）がフランジ９４の取付穴９４ａを介し負荷側フランジ部１４のねじ穴１４ａに取付けられ、フランジ９４に固定される。中空体部１３は、駆動側フランジ部１２と負荷側フランジ部１４とによりねじられ、起歪体となる。
【００１９】
半割構造の環状部１６は、半割環状部１６ａ、１６ｂの上端どうしが導電性の連結部１６Ｔにより連結されたもので、半割環状部１６ａ、１６ｂの下端は筺体１７に取付けられた取付固定部１８ａ、１８ｂに絶縁状態で固定されている。即ち、半割構造の環状部１６は、下端が切り欠かれた不連続の環状形状で絶縁状態にされ固定されているため、半割構造の環状部１６を一次コイルとすることができ、また、取付け取外しも容易に行うことができる。この一次コイルと、負荷側フランジ部１４の外周部に設けられた二次コイル３８とにより回転トランス３９を構成し、回転体１１に電力供給を行うことができる。
【００２０】
中空体部１３の中空部１９には歪ゲージのトルク検出部２１が設けられ、負荷側フランジ部１４には外周に沿ってトルク検出部２１よりの出力により発光し、光信号Ｌを送信する発光素子２７ａ〜２７ｎが複数設けられている。筺体１７には、コンパクトに筺体１７に収納するために両端部をそれぞれＬ字形に折り曲げられた直線形状で発光素子２７ａ〜２７ｎよりの光信号Ｌを受光する受光ファイバー３１が取付けられている。また、筺体１７には、オイルミストや塵などの内部への侵入を防止するとともに受光ファイバー３１の保護も行い、光信号を拡散して通過させる拡散板３４が取付けられている。
【００２１】
受光ファイバー３１の端部面側には、光ハイパスフィルタ３２ａ、３２ｂを介し光信号を受光し電気信号に変換する光信号変換部３３ａ、３３ｂが設けられている。実装基板２８には、回転体１１の電子部品が実装されている。
【００２２】
図３は、本発明の第１の実施の形態の回転体トルク測定装置に用いられる受光ファイバーが光信号を受光するときの状況図を示し、図３（ａ）は、受光ファイバーの端部側で光信号を受光するときの状況図であり、図３（ｂ）は、受光ファイバーの中央部で光信号を受光するときの状況図であり、図３（ｃ）は、光信号を拡散する拡散板の拡大断面図である。
【００２３】
図３（ａ）に示すように、受光ファイバー３１の右端部方向への発光素子２７ａよりの傾斜した光信号Ｌｒは拡散板３４で拡散されるため、受光ファイバー３１で受光した光信号Ｌｒは、受光ファイバー３１の中を左右方向に向い伝送され、効率的に受光が行われる。受光ファイバー３１の中を左方向に伝送された光信号Ｌｒは、光ハイパスフィルタ３２ａを介し光信号変換部３３ａで受光することができ、右方向に伝送された光信号Ｌｒは、光ハイパスフィルタ３２ｂを介し光信号変換部３３ｂで受光することができる。
【００２４】
矢印Ｒで示すように負荷側フランジ部１４が回転し発光素子２７ａが回転移動すると、図３（ｂ）に示すように、受光ファイバー３１の中央部への発光素子２７ａよりの垂直の光信号Ｌｃは拡散板３４で拡散されるため、受光ファイバー３１で受光した光信号Ｌｃは受光ファイバー３１の中を左右方向に向い伝送され、効率的に受光が行われる。受光ファイバー３１の中を左方向に伝送された光信号Ｌｃは、光ハイパスフィルタ３２ａを介し光信号変換部３３ａで受光することができ、右方向に伝送された光信号Ｌｒは、光ハイパスフィルタ３２ｂを介し光信号変換部３３ｂで受光することができる。矢印Ｒで示すように負荷側フランジ部１４がさらに回転し、受光ファイバー３１の左端部方向への発光素子２７ａよりの傾斜した光信号も同様に受光ファイバー３１で受光することができる。このように受光ファイバー３１では、発光素子２７ａよりの受光動作が連続的に行われ、引き続き発光素子２７ｂ〜２７ｎよりの受光動作も連続的に行われる。
【００２５】
図３（ｃ）に示すように、拡散板３４は、拡散層３４ａが形成されており、受光した光信号Ｌは拡散層３４ａのビーズ部３４ｂにより拡散される。
【００２６】
なお、受光ファイバー３１は、両端でＬ字形状に曲げられた部分で光信号を受光した場合には、光ファイバーの屈折により受光量が受光ファイバー３１の中心にあるときに比較して大きくなる。受光ファイバー３１で受光した光量を極力均一にするために受光ファイバー３１の両端でＬ字形状に曲げられた部分の上部には遮光板３６が設けられている。
【００２７】
また、本発明の実施の形態の回転体トルク測定装置は、複数の発光素子２７ａ〜２７ｎよりのいずれかの光信号を受光ファイバー３１で常に受光できるように発光素子２７ａ〜２７ｎの設置数の設定を行っているため、回転軸が停止しているときでも低速回転しているときでも回転トルクの測定を行うことができる。
【００２８】
次に、本発明の第１の実施の形態の回転体トルク測定装置の動作につき説明する。
【００２９】
図１に示す起歪体の中空体部１３の中空部１９には円周方向に沿って歪ゲージが貼付され、貼付された歪ゲージがホイートストーンブリッジに組まれてトルク検出部２１が形成されている。トルク検出部２１よりのアナログ出力は、発光素子２７ａ〜２７ｎにより光信号Ｌに変換され送出される。
【００３０】
固定体１５では、発光素子２７ａ〜２７ｎよりの光信号Ｌを拡散板３４で拡散した後に受光ファイバー３１により受光し、受光した光信号Ｌは、受光ファイバー３１の中を左右方向に伝送され、光ハイパスフィルタ３２ａ、３２ｂで蛍光灯などによる外光が除去され、光信号変換部３３ａ、３３ｂにより電気信号のトルク信号に変換され、トルクの検出が行われる。
【００３１】
固定体１５では、所定の周波数信号が発信され、その周波数信号は、回転トランス部３９を介し回転体側に送られ直流にされて、回転体１１の電力として供給される。
【００３２】
以上に述べたように、本発明の第１の実施の形態の回転体トルク測定装置１０は、駆動側の回転軸９１が作動するとき、トルク検出部２１よりの出力が発光素子２７ａ〜２７ｎにより光信号Ｌに変換されて送出され、光信号Ｌを受光する受光ファイバー３１は筺体１７に取付けられているため、受光ファイバーの取付け取外しを容易にでき、受光ファイバーの取付けの作業性とメンテナンスの作業性を向上することができる。また、発光素子２７ａ〜２７ｎよりの光信号Ｌは、拡散板３４で拡散されるため、受光ファイバー３１で効率的に受信することができる。
【００３３】
なお、受光ファイバー３１を複数本とし、両端でそれぞれ一個または複数個の光信号変換部で受光することもできる。
【００３４】
図４（ａ）は、本発明の第２の実施の形態の回転体トルク測定装置の一部正面図であり、図４（ｂ）は、使用する拡散層付受光ファイバーの一部拡大図である。
【００３５】
図４（ａ）は、筺体１７に取付けられた拡散層付受光ファイバーが光信号を受信するときの状況を示し、断面図で示す拡散層付受光ファイバー３５は、図１に示す拡散板３４の代わりに表面に光拡散層３５ａが設けられたものである。この拡散層付受光ファイバー３５と、筺体１７に設けられる透明板３７以外の構成は本発明の第１の実施の形態の回転体トルク測定装置と同じのためその説明は省略する。
【００３６】
拡散層付受光ファイバー３５の右端部方向へ向う発光素子２７ａより発信する傾斜した光信号Ｌｒは、光拡散層３５ａで拡散される。拡散された光信号Ｌｒは、拡散層付受光ファイバー３５の中を左右方向に向い伝送され、左方向に伝送された光信号Ｌｒは、光ハイパスフィルタ３２ａを介し光信号変換部３３ａで受光することができ、右方向に伝送された光信号Ｌｒは、光ハイパスフィルタ３２ｂを介し光信号変換部３３ｂで受光することができる。
【００３７】
矢印Ｒで示すように負荷側フランジ部１４がさらに回転したとき、発光素子２７ａより発信する垂直の光信号Ｌｃは、光拡散層３５ａで拡散される。拡散された光信号Ｌｃは、拡散層付受光ファイバー３５の中を左右方向に向い伝送され、光信号Ｌｒと同様に光ハイパスフィルタ３２ａ、３２ｂを介し光信号変換部３３ａ、３３ｂで受光することができる。矢印Ｒで示すように負荷側フランジ部１４がさらに回転し、受光ファイバー３１の左端部方向へ向う発光素子２７ａよりの傾斜した光信号Ｌｌも同様に光拡散層３５ａで拡散され、光信号Ｌｒと同様に光ハイパスフィルタ３２ａ、３２ｂを介し光信号変換部３３ａ、３３ｂで受光することができる。このように拡散層付受光ファイバー３５では、発光素子２７ａよりの受光動作が連続的に行われ、引き続き順次図１に示す発光素子２７ｂ〜２７ｎよりの受光動作も連続的に行われる。光信号変換部３３ａ、３３ｂにより受光した光信号は電気信号のトルク信号に変換され、トルクの検出が行われる。
【００３８】
以上に述べたように、本発明の第２の実施の形態の回転体トルク測定装置は、発光素子よりの光信号を受光する受光ファイバーを拡散層付として筺体１７に取付けたため、受光ファイバーの取付け取外しを容易にでき、受光ファイバーの取付けの作業性とメンテナンスの作業性を向上することができるとともに、発光素子よりの光信号を効率的に受信することができる。
【００３９】
なお、拡散層付受光ファイバー３５は、側面を除き外周を拡散層で覆うこととしたが、外周の直線部分を覆うようにすることも、外周の直線部分の上面側を覆うようにすることもできる。
【００４０】
さらに、拡散層付受光ファイバー３５を複数本とし、両端でそれぞれ一個または複数個の光信号変換部で受光することもできる。
【００４１】
図５（ａ）は、本発明の第３の実施の形態の回転体トルク測定装置の一部側面図であり、図５（ｂ）は、使用する導光板の斜視図である。
【００４２】
図５（ａ）に示すように、本発明の第３の実施の形態の回転体トルク測定装置は、本発明の第１の実施の形態の回転体トルク測定装置の受光ファイバー３１と拡散板３４とを使用せず、導光板４１ａ、４１ｂと、筺体１７に設けられる透明板３７とを使用する。導光板４１ａ、４１ｂと透明板３７以外の構成は本発明の第１の実施の形態の回転体トルク測定装置と同じのためその説明は省略する。
【００４３】
図５（ｂ）に示すように、導光板４１ａ、４１ｂは、それぞれ水平に設置される上面ａＵ、ｂＵに対し下面ａｄ、ｂｄが傾斜しているものであり、上面ａＵ、ｂＵに入射した光信号を傾斜した下面ａｄ、ｂｄで反射させて水平方向に伝送し、側面から送出するものである。導光板４１ａ、４１ｂは、互いに逆方向に配置され、側面同士が近接または接合して筺体１７に取付けられている。
【００４４】
導光板４１ｂの右端部方向へ向う発光素子２７ａより発信する傾斜した光信号Ｌｒは、導光板４１ｂには上面ｂＵから入射して下面ｂｄで反射し、導光板４１ｂの中を右方向に向って伝送され、右側面から出力する。導光板４１ｂから出力した光信号Ｌｒは、光ハイパスフィルタ３２ｂを介し光信号変換部３３ｂで受光することができる。
【００４５】
負荷側フランジ部１４が矢印Ｒで示すようにさらに回転したとき、発光素子２７ａから発信する垂直の光信号Ｌｃは、導光板４１ａには上面ａＵから入射して下面ａｄで反射し、導光板４１ａの中を左方向に向って伝送され、左側面から出力し、導光板４１ｂには上面ｂＵから入射して下面ｂｄで反射し、導光板４１ｂの中を右方向に向って伝送され、右側面から出力する。導光板４１ａ、４１ｂから出力した光信号Ｌｃはそれぞれ光ハイパスフィルタ３２ａ、３２ｂを介して光信号変換部３３ａ、３３ｂでそれぞれ受光することができる。
【００４６】
矢印Ｒで示すように負荷側フランジ部１４がさらに回転し、導光板４１ａの左端部方向へ向う発光素子２７ａよりの傾斜した光信号Ｌｌは、導光板４１ａに上面ａＵより入射して下面ａｄで反射し、導光板４１ａの中を左方向に向って伝送され、左側面より出力する。導光板４１ａより出力した光信号Ｌｌは、光ハイパスフィルタ３２ａを介して光信号変換部３３ａで受光することができる。このように導光板４１ａ、４１ｂでは、発光素子２７ａよりの受光動作が連続的に行われ、引き続き順次図１に示す発光素子２７ｂ〜２７ｎよりの受光動作も連続的に行われる。光信号変換部３３ａ、３３ｂにより受光した光信号は電気信号のトルク信号に変換され、トルクの検出が行われる。
【００４７】
なお、光信号Ｌｒは導光板４１ａにも入射するが、右水平方向への反射は少ないため導光板４１ａの右側での受光は行わず、また、光信号Ｌｌは導光板４１ｂにも入射するが、左水平方向への反射は少ないため導光板４１ｂの左側での受光は行わない。
【００４８】
以上に述べたように、本発明の第３の実施の形態の回転体トルク測定装置は、発光素子よりの光信号を導光板４１ａ、４１ｂで受光し、導光板４１ａ、４１ｂは筺体１７に取付けられるため、取付け取外しの作業性とメンテナンスの作業性を向上することができるとともに、発光素子よりの光信号を効率的に受信することができる。
【００４９】
【発明の効果】
本発明の回転体トルク測定装置は、駆動側フランジ部と負荷側フランジ部との間に中空体部が形成された回転体と、前記回転体の外周に設けられ、前記中空体部の中空部に取付けられるトルク検出部よりの出力により発光し光信号を出力する発光素子と、前記光信号を拡散する拡散部と、前記回転体の外側に設けられた筺体に取付けられ、前記拡散部を介し前記光信号を受光する受光ファイバーとを備えることとしたため、回転体よりトルクの光信号を受光する受光ファイバーの取付けの作業性の向上を図るとともに、拡散部により光信号の受光効率を向上することもできる。
【００５０】
また、前記拡散部は、前記光信号を拡散する拡散板とし、前記拡散板を前記筺体の前記回転体側に取付けることとしたため、拡散板により受光ファイバーの保護を行うとともに光信号の受光効率を向上することもできる。
【００５１】
また、前記拡散部は、前記受光ファイバーの表面に設けた拡散層とすることとしたため、簡潔構造で光信号の受光効率を向上することもできる。
【００５２】
さらに、本発明の回転体トルク測定装置は、駆動側フランジ部と負荷側フランジ部との間に中空体部が形成された回転体と、前記回転体の外周に設けられ、前記中空体部の中空部に取付けられるトルク検出部よりの出力により発光し光信号を出力する発光素子と、前記回転体の外側に設けられた筺体に取付けられ、前記光信号を平面部で受光し、前記平面部に沿って前記光信号を導光する導光板とを備えることとしたため、回転体よりトルクの光信号を受光する受光ファイバーの取付けの作業性の向上を図るとともに、導光板により光信号の受光効率を向上することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の第１の実施の形態の回転体トルク測定装置の正面図である。
【図２】本発明の第１の実施の形態の回転体トルク測定装置の一部を切欠いた側面図である。
【図３】受光ファイバーが光信号を受光するときの状況図を示し、図３（ａ）は、受光ファイバーの端部側で光信号を受光するときの状況図であり、図３（ｂ）は、受光ファイバーの中央部で光信号を受光するときの状況図であり、図３（ｃ）は、光信号を拡散する拡散板の拡大断面図である。
【図４】（ａ）は本発明の第２の実施の形態の回転体トルク測定装置の一部正面図であり、（ｂ）は、使用する拡散層付受光ファイバーの一部拡大図である。
【図５】（ａ）は本発明の第３の実施の形態の回転体トルク測定装置の一部正面図であり、（ｂ）は、使用する導光板の斜視図である。
【図６】従来の回転体トルク測定装置の正面図である。
【図７】従来の回転体トルク測定装置の一部を切欠いた側面図である。
【符号の説明】
１０ 回転体トルク測定装置
１１ 回転体
１２ 駆動側フランジ部
１３ 中空体部
１４ 負荷側フランジ部
１５ 固定体
１６ 半割構造の環状部
１６ａ、１６ｂ 半割環状部
１７ 筺体
２７ａ〜２７ｎ 発光素子
３１ 受光ファイバー
３２ａ、３２ｂ 光ハイパスフィルタ
３３ａ、３３ｂ 光信号変換部
３４ 拡散板
３４ａ、３５ａ 拡散層
３５ 拡散層付受光ファイバー
３６ 遮光板
３７ 透明板
３８ 二次コイル
３９ 回転トランス
４１ａ、４１ｂ 導光板
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転体のトルクを回転部に非接触で測定するトルク測定装置に関し、特に、受光ファイバーの取付けの作業性の向上と、光信号の受光効率の向上を図る回転体トルク測定装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
回転体トルク測定装置は、駆動側の回転軸と負荷側の回転軸との間に取付けられ回転トルクを非接触で測定するもので、例えば、自動車の車輪により回転させられるシャーシダイナモにおいて測定ロ―ラとブレーキ装置との間の回転トルクの測定に用いられるものがある（例えば、特許文献１参照）。
【０００３】
図６は、従来の回転体トルク測定装置の正面図であり、図７は、従来の回転体トルク測定装置の一部を切欠いた側面図である。
【０００４】
図６と図７とに示すように、従来の回転体トルク測定装置５０は、駆動側の回転軸９１と負荷側の回転軸９３との間に取付けられる回転体５１と、回転体５１の外側に固定される固定体５５とで構成され、駆動側の回転軸９１と負荷側の回転軸９３との間に取付けられる。回転体５１は、駆動側の回転軸９１のフランジ９２に取付けられる駆動側フランジ部５２と、負荷側の回転軸９３のフランジ９４に取付けられる負荷側フランジ部５４と、駆動側フランジ部５２と負荷側フランジ部５４の間の中空体部５３とが一体に形成されたものであり、固定体５５は、負荷側フランジ部５４の外側に設けられる環状部５６と、取付固定部５８を介し環状部５６が固定される筺体５７とで構成されている。
【０００５】
負荷側フランジ部５４の外側に設けられる環状部５６には一次コイル８７が設けられ、負荷側フランジ部５４の外周部には二次コイル８８が設けられ、一次コイル８７と二次コイル８８とで回転トランス８９が構成されて回転体５１に電力供給が行われる。
【０００６】
中空体部５３の中空部５９には歪ゲージのトルク検出部６１が設けられ、トルク検出部６１よりの出力により発光し光信号を出力する発光素子６７ａ〜６７ｎが負荷側フランジ部５４の外周に沿って複数設けられ、環状部５６には一次コイル８２と並んで発光素子６７ａ〜６７ｎよりの光信号を受光する受光ファイバー７１が取付けられ、受光ファイバー７１の端部には電気信号に変換する光信号変換部（図示せず）が設けられている。
【０００７】
従って、回転体トルク測定装置５０は、駆動側の回転軸９１が回転駆動するとき、トルク検出部６１よりの出力が発光素子６７ａ〜６７ｎと受光ファイバー７１とを介し光信号変換部により検出され、回転トルクの測定が行われる。
【０００８】
【特許文献１】
特開２００２−２２５６６号公報
【発明が解決しようとする課題】
以上述べたごとく、従来の回転体トルク測定装置５０は、駆動側の回転軸９１と負荷側の回転軸９３との間に取付けられ、回転トルクを非接触で測定することができるが、発光素子６７ａ〜６７ｎよりの光信号を受光する受光ファイバー７１は、傷などが発生すると光信号の特性が損なわれる可能性があるため環状部５６の溝に沿って慎重に取付けを行う必要があり、さらなる作業性の向上が要望されていた。
【０００９】
また、受光ファイバー７１は、発光素子６７ａ〜６７ｎよりの光信号を受光し、受光した光信号は受光ファイバー７１の中を伝送される。受光ファイバー７１は、光信号を環状の受光ファイバー７１の中心方向から受光するため、即ち受光ファイバー７１の環状方向に対し直角方向から受光するため、環状方向に伝送され難く、光信号の受光効率の向上も要望されていた。
【００１０】
本発明は、このような従来の問題に鑑みてなされたもので、回転体よりトルクの光信号を受光する受光ファイバーの取付けの作業性の向上を図るとともに、光信号の受光効率の向上も図る回転体トルク測定装置を提供することを目的とする。
【００１１】
【課題を解決するための手段】
本発明の回転体トルク測定装置は、駆動側フランジ部と負荷側フランジ部との間に中空体部が形成された回転体と、前記回転体の外周に設けられ、前記中空体部の中空部に取付けられるトルク検出部よりの出力により発光し光信号を出力する発光素子と、前記光信号を拡散する拡散部と、前記回転体の外側に設けられた筺体に取付けられ、前記拡散部を介し前記光信号を受光する受光ファイバーとを備えることとした。
【００１２】
また、前記拡散部は、前記光信号を拡散する拡散板とし、前記拡散板を前記筺体の前記回転体側に取付けることとした。
【００１３】
また、前記拡散部は、前記受光ファイバーの表面に設けた拡散層とすることとした。
【００１４】
さらに、本発明の回転体トルク測定装置は、駆動側フランジ部と負荷側フランジ部との間に中空体部が形成された回転体と、前記回転体の外周に設けられ、前記中空体部の中空部に取付けられるトルク検出部よりの出力により発光し光信号を出力する発光素子と、前記回転体の外側に設けられた筺体に取付けられ、前記光信号を平面部で受光し、前記平面部に沿って前記光信号を導光する導光板とを備えることとした。
【００１５】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【００１６】
図１は、本発明の第１の実施の形態の回転体トルク測定装置の正面図であり、図２は、本発明の第１の実施の形態の回転体トルク測定装置の一部を切欠いた側面図である。
【００１７】
図１と図２とに示すように、本発明の実施の形態の回転体トルク測定装置１０は、駆動側の回転軸９１と負荷側の回転軸９３との間に取付けられる回転体１１と、回転体１１の外側に固定される固定体１５とで構成され、駆動側の回転軸９１と負荷側の回転軸９３との間に取付けられる。回転体１１は、駆動側の回転軸９１のフランジ９２に取付けられる駆動側フランジ部１２と、負荷側の回転軸９３のフランジ９４に取付けられる負荷側フランジ部１４と、駆動側フランジ部１２と負荷側フランジ部１４の間の中空体部１３とが一体に形成されたものであり、固定体１５は、負荷側フランジ部１４の外側に設けられる半割構造の環状部１６と、半割構造の環状部１６が固定される筺体１７とで構成されている。
【００１８】
駆動側フランジ部１２は、ねじ（図示せず）がフランジ９２の取付穴９２ａを介し駆動側フランジ部１２のねじ穴１２ａに取付けられ、フランジ９２に固定される。また、負荷側フランジ部１４は、ねじ（図示せず）がフランジ９４の取付穴９４ａを介し負荷側フランジ部１４のねじ穴１４ａに取付けられ、フランジ９４に固定される。中空体部１３は、駆動側フランジ部１２と負荷側フランジ部１４とによりねじられ、起歪体となる。
【００１９】
半割構造の環状部１６は、半割環状部１６ａ、１６ｂの上端どうしが導電性の連結部１６Ｔにより連結されたもので、半割環状部１６ａ、１６ｂの下端は筺体１７に取付けられた取付固定部１８ａ、１８ｂに絶縁状態で固定されている。即ち、半割構造の環状部１６は、下端が切り欠かれた不連続の環状形状で絶縁状態にされ固定されているため、半割構造の環状部１６を一次コイルとすることができ、また、取付け取外しも容易に行うことができる。この一次コイルと、負荷側フランジ部１４の外周部に設けられた二次コイル３８とにより回転トランス３９を構成し、回転体１１に電力供給を行うことができる。
【００２０】
中空体部１３の中空部１９には歪ゲージのトルク検出部２１が設けられ、負荷側フランジ部１４には外周に沿ってトルク検出部２１よりの出力により発光し、光信号Ｌを送信する発光素子２７ａ〜２７ｎが複数設けられている。筺体１７には、コンパクトに筺体１７に収納するために両端部をそれぞれＬ字形に折り曲げられた直線形状で発光素子２７ａ〜２７ｎよりの光信号Ｌを受光する受光ファイバー３１が取付けられている。また、筺体１７には、オイルミストや塵などの内部への侵入を防止するとともに受光ファイバー３１の保護も行い、光信号を拡散して通過させる拡散板３４が取付けられている。
【００２１】
受光ファイバー３１の端部面側には、光ハイパスフィルタ３２ａ、３２ｂを介し光信号を受光し電気信号に変換する光信号変換部３３ａ、３３ｂが設けられている。実装基板２８には、回転体１１の電子部品が実装されている。
【００２２】
図３は、本発明の第１の実施の形態の回転体トルク測定装置に用いられる受光ファイバーが光信号を受光するときの状況図を示し、図３（ａ）は、受光ファイバーの端部側で光信号を受光するときの状況図であり、図３（ｂ）は、受光ファイバーの中央部で光信号を受光するときの状況図であり、図３（ｃ）は、光信号を拡散する拡散板の拡大断面図である。
【００２３】
図３（ａ）に示すように、受光ファイバー３１の右端部方向への発光素子２７ａよりの傾斜した光信号Ｌｒは拡散板３４で拡散されるため、受光ファイバー３１で受光した光信号Ｌｒは、受光ファイバー３１の中を左右方向に向い伝送され、効率的に受光が行われる。受光ファイバー３１の中を左方向に伝送された光信号Ｌｒは、光ハイパスフィルタ３２ａを介し光信号変換部３３ａで受光することができ、右方向に伝送された光信号Ｌｒは、光ハイパスフィルタ３２ｂを介し光信号変換部３３ｂで受光することができる。
【００２４】
矢印Ｒで示すように負荷側フランジ部１４が回転し発光素子２７ａが回転移動すると、図３（ｂ）に示すように、受光ファイバー３１の中央部への発光素子２７ａよりの垂直の光信号Ｌｃは拡散板３４で拡散されるため、受光ファイバー３１で受光した光信号Ｌｃは受光ファイバー３１の中を左右方向に向い伝送され、効率的に受光が行われる。受光ファイバー３１の中を左方向に伝送された光信号Ｌｃは、光ハイパスフィルタ３２ａを介し光信号変換部３３ａで受光することができ、右方向に伝送された光信号Ｌｒは、光ハイパスフィルタ３２ｂを介し光信号変換部３３ｂで受光することができる。矢印Ｒで示すように負荷側フランジ部１４がさらに回転し、受光ファイバー３１の左端部方向への発光素子２７ａよりの傾斜した光信号も同様に受光ファイバー３１で受光することができる。このように受光ファイバー３１では、発光素子２７ａよりの受光動作が連続的に行われ、引き続き発光素子２７ｂ〜２７ｎよりの受光動作も連続的に行われる。
【００２５】
図３（ｃ）に示すように、拡散板３４は、拡散層３４ａが形成されており、受光した光信号Ｌは拡散層３４ａのビーズ部３４ｂにより拡散される。
【００２６】
なお、受光ファイバー３１は、両端でＬ字形状に曲げられた部分で光信号を受光した場合には、光ファイバーの屈折により受光量が受光ファイバー３１の中心にあるときに比較して大きくなる。受光ファイバー３１で受光した光量を極力均一にするために受光ファイバー３１の両端でＬ字形状に曲げられた部分の上部には遮光板３６が設けられている。
【００２７】
また、本発明の実施の形態の回転体トルク測定装置は、複数の発光素子２７ａ〜２７ｎよりのいずれかの光信号を受光ファイバー３１で常に受光できるように発光素子２７ａ〜２７ｎの設置数の設定を行っているため、回転軸が停止しているときでも低速回転しているときでも回転トルクの測定を行うことができる。
【００２８】
次に、本発明の第１の実施の形態の回転体トルク測定装置の動作につき説明する。
【００２９】
図１に示す起歪体の中空体部１３の中空部１９には円周方向に沿って歪ゲージが貼付され、貼付された歪ゲージがホイートストーンブリッジに組まれてトルク検出部２１が形成されている。トルク検出部２１よりのアナログ出力は、発光素子２７ａ〜２７ｎにより光信号Ｌに変換され送出される。
【００３０】
固定体１５では、発光素子２７ａ〜２７ｎよりの光信号Ｌを拡散板３４で拡散した後に受光ファイバー３１により受光し、受光した光信号Ｌは、受光ファイバー３１の中を左右方向に伝送され、光ハイパスフィルタ３２ａ、３２ｂで蛍光灯などによる外光が除去され、光信号変換部３３ａ、３３ｂにより電気信号のトルク信号に変換され、トルクの検出が行われる。
【００３１】
固定体１５では、所定の周波数信号が発信され、その周波数信号は、回転トランス部３９を介し回転体側に送られ直流にされて、回転体１１の電力として供給される。
【００３２】
以上に述べたように、本発明の第１の実施の形態の回転体トルク測定装置１０は、駆動側の回転軸９１が作動するとき、トルク検出部２１よりの出力が発光素子２７ａ〜２７ｎにより光信号Ｌに変換されて送出され、光信号Ｌを受光する受光ファイバー３１は筺体１７に取付けられているため、受光ファイバーの取付け取外しを容易にでき、受光ファイバーの取付けの作業性とメンテナンスの作業性を向上することができる。また、発光素子２７ａ〜２７ｎよりの光信号Ｌは、拡散板３４で拡散されるため、受光ファイバー３１で効率的に受信することができる。
【００３３】
なお、受光ファイバー３１を複数本とし、両端でそれぞれ一個または複数個の光信号変換部で受光することもできる。
【００３４】
図４（ａ）は、本発明の第２の実施の形態の回転体トルク測定装置の一部正面図であり、図４（ｂ）は、使用する拡散層付受光ファイバーの一部拡大図である。
【００３５】
図４（ａ）は、筺体１７に取付けられた拡散層付受光ファイバーが光信号を受信するときの状況を示し、断面図で示す拡散層付受光ファイバー３５は、図１に示す拡散板３４の代わりに表面に光拡散層３５ａが設けられたものである。この拡散層付受光ファイバー３５と、筺体１７に設けられる透明板３７以外の構成は本発明の第１の実施の形態の回転体トルク測定装置と同じのためその説明は省略する。
【００３６】
拡散層付受光ファイバー３５の右端部方向へ向う発光素子２７ａより発信する傾斜した光信号Ｌｒは、光拡散層３５ａで拡散される。拡散された光信号Ｌｒは、拡散層付受光ファイバー３５の中を左右方向に向い伝送され、左方向に伝送された光信号Ｌｒは、光ハイパスフィルタ３２ａを介し光信号変換部３３ａで受光することができ、右方向に伝送された光信号Ｌｒは、光ハイパスフィルタ３２ｂを介し光信号変換部３３ｂで受光することができる。
【００３７】
矢印Ｒで示すように負荷側フランジ部１４がさらに回転したとき、発光素子２７ａより発信する垂直の光信号Ｌｃは、光拡散層３５ａで拡散される。拡散された光信号Ｌｃは、拡散層付受光ファイバー３５の中を左右方向に向い伝送され、光信号Ｌｒと同様に光ハイパスフィルタ３２ａ、３２ｂを介し光信号変換部３３ａ、３３ｂで受光することができる。矢印Ｒで示すように負荷側フランジ部１４がさらに回転し、受光ファイバー３１の左端部方向へ向う発光素子２７ａよりの傾斜した光信号Ｌｌも同様に光拡散層３５ａで拡散され、光信号Ｌｒと同様に光ハイパスフィルタ３２ａ、３２ｂを介し光信号変換部３３ａ、３３ｂで受光することができる。このように拡散層付受光ファイバー３５では、発光素子２７ａよりの受光動作が連続的に行われ、引き続き順次図１に示す発光素子２７ｂ〜２７ｎよりの受光動作も連続的に行われる。光信号変換部３３ａ、３３ｂにより受光した光信号は電気信号のトルク信号に変換され、トルクの検出が行われる。
【００３８】
以上に述べたように、本発明の第２の実施の形態の回転体トルク測定装置は、発光素子よりの光信号を受光する受光ファイバーを拡散層付として筺体１７に取付けたため、受光ファイバーの取付け取外しを容易にでき、受光ファイバーの取付けの作業性とメンテナンスの作業性を向上することができるとともに、発光素子よりの光信号を効率的に受信することができる。
【００３９】
なお、拡散層付受光ファイバー３５は、側面を除き外周を拡散層で覆うこととしたが、外周の直線部分を覆うようにすることも、外周の直線部分の上面側を覆うようにすることもできる。
【００４０】
さらに、拡散層付受光ファイバー３５を複数本とし、両端でそれぞれ一個または複数個の光信号変換部で受光することもできる。
【００４１】
図５（ａ）は、本発明の第３の実施の形態の回転体トルク測定装置の一部側面図であり、図５（ｂ）は、使用する導光板の斜視図である。
【００４２】
図５（ａ）に示すように、本発明の第３の実施の形態の回転体トルク測定装置は、本発明の第１の実施の形態の回転体トルク測定装置の受光ファイバー３１と拡散板３４とを使用せず、導光板４１ａ、４１ｂと、筺体１７に設けられる透明板３７とを使用する。導光板４１ａ、４１ｂと透明板３７以外の構成は本発明の第１の実施の形態の回転体トルク測定装置と同じのためその説明は省略する。
【００４３】
図５（ｂ）に示すように、導光板４１ａ、４１ｂは、それぞれ水平に設置される上面ａＵ、ｂＵに対し下面ａｄ、ｂｄが傾斜しているものであり、上面ａＵ、ｂＵに入射した光信号を傾斜した下面ａｄ、ｂｄで反射させて水平方向に伝送し、側面から送出するものである。導光板４１ａ、４１ｂは、互いに逆方向に配置され、側面同士が近接または接合して筺体１７に取付けられている。
【００４４】
導光板４１ｂの右端部方向へ向う発光素子２７ａより発信する傾斜した光信号Ｌｒは、導光板４１ｂには上面ｂＵから入射して下面ｂｄで反射し、導光板４１ｂの中を右方向に向って伝送され、右側面から出力する。導光板４１ｂから出力した光信号Ｌｒは、光ハイパスフィルタ３２ｂを介し光信号変換部３３ｂで受光することができる。
【００４５】
負荷側フランジ部１４が矢印Ｒで示すようにさらに回転したとき、発光素子２７ａから発信する垂直の光信号Ｌｃは、導光板４１ａには上面ａＵから入射して下面ａｄで反射し、導光板４１ａの中を左方向に向って伝送され、左側面から出力し、導光板４１ｂには上面ｂＵから入射して下面ｂｄで反射し、導光板４１ｂの中を右方向に向って伝送され、右側面から出力する。導光板４１ａ、４１ｂから出力した光信号Ｌｃはそれぞれ光ハイパスフィルタ３２ａ、３２ｂを介して光信号変換部３３ａ、３３ｂでそれぞれ受光することができる。
【００４６】
矢印Ｒで示すように負荷側フランジ部１４がさらに回転し、導光板４１ａの左端部方向へ向う発光素子２７ａよりの傾斜した光信号Ｌｌは、導光板４１ａに上面ａＵより入射して下面ａｄで反射し、導光板４１ａの中を左方向に向って伝送され、左側面より出力する。導光板４１ａより出力した光信号Ｌｌは、光ハイパスフィルタ３２ａを介して光信号変換部３３ａで受光することができる。このように導光板４１ａ、４１ｂでは、発光素子２７ａよりの受光動作が連続的に行われ、引き続き順次図１に示す発光素子２７ｂ〜２７ｎよりの受光動作も連続的に行われる。光信号変換部３３ａ、３３ｂにより受光した光信号は電気信号のトルク信号に変換され、トルクの検出が行われる。
【００４７】
なお、光信号Ｌｒは導光板４１ａにも入射するが、右水平方向への反射は少ないため導光板４１ａの右側での受光は行わず、また、光信号Ｌｌは導光板４１ｂにも入射するが、左水平方向への反射は少ないため導光板４１ｂの左側での受光は行わない。
【００４８】
以上に述べたように、本発明の第３の実施の形態の回転体トルク測定装置は、発光素子よりの光信号を導光板４１ａ、４１ｂで受光し、導光板４１ａ、４１ｂは筺体１７に取付けられるため、取付け取外しの作業性とメンテナンスの作業性を向上することができるとともに、発光素子よりの光信号を効率的に受信することができる。
【００４９】
【発明の効果】
本発明の回転体トルク測定装置は、駆動側フランジ部と負荷側フランジ部との間に中空体部が形成された回転体と、前記回転体の外周に設けられ、前記中空体部の中空部に取付けられるトルク検出部よりの出力により発光し光信号を出力する発光素子と、前記光信号を拡散する拡散部と、前記回転体の外側に設けられた筺体に取付けられ、前記拡散部を介し前記光信号を受光する受光ファイバーとを備えることとしたため、回転体よりトルクの光信号を受光する受光ファイバーの取付けの作業性の向上を図るとともに、拡散部により光信号の受光効率を向上することもできる。
【００５０】
また、前記拡散部は、前記光信号を拡散する拡散板とし、前記拡散板を前記筺体の前記回転体側に取付けることとしたため、拡散板により受光ファイバーの保護を行うとともに光信号の受光効率を向上することもできる。
【００５１】
また、前記拡散部は、前記受光ファイバーの表面に設けた拡散層とすることとしたため、簡潔構造で光信号の受光効率を向上することもできる。
【００５２】
さらに、本発明の回転体トルク測定装置は、駆動側フランジ部と負荷側フランジ部との間に中空体部が形成された回転体と、前記回転体の外周に設けられ、前記中空体部の中空部に取付けられるトルク検出部よりの出力により発光し光信号を出力する発光素子と、前記回転体の外側に設けられた筺体に取付けられ、前記光信号を平面部で受光し、前記平面部に沿って前記光信号を導光する導光板とを備えることとしたため、回転体よりトルクの光信号を受光する受光ファイバーの取付けの作業性の向上を図るとともに、導光板により光信号の受光効率を向上することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の第１の実施の形態の回転体トルク測定装置の正面図である。
【図２】本発明の第１の実施の形態の回転体トルク測定装置の一部を切欠いた側面図である。
【図３】受光ファイバーが光信号を受光するときの状況図を示し、図３（ａ）は、受光ファイバーの端部側で光信号を受光するときの状況図であり、図３（ｂ）は、受光ファイバーの中央部で光信号を受光するときの状況図であり、図３（ｃ）は、光信号を拡散する拡散板の拡大断面図である。
【図４】（ａ）は本発明の第２の実施の形態の回転体トルク測定装置の一部正面図であり、（ｂ）は、使用する拡散層付受光ファイバーの一部拡大図である。
【図５】（ａ）は本発明の第３の実施の形態の回転体トルク測定装置の一部正面図であり、（ｂ）は、使用する導光板の斜視図である。
【図６】従来の回転体トルク測定装置の正面図である。
【図７】従来の回転体トルク測定装置の一部を切欠いた側面図である。
【符号の説明】
１０ 回転体トルク測定装置
１１ 回転体
１２ 駆動側フランジ部
１３ 中空体部
１４ 負荷側フランジ部
１５ 固定体
１６ 半割構造の環状部
１６ａ、１６ｂ 半割環状部
１７ 筺体
２７ａ〜２７ｎ 発光素子
３１ 受光ファイバー
３２ａ、３２ｂ 光ハイパスフィルタ
３３ａ、３３ｂ 光信号変換部
３４ 拡散板
３４ａ、３５ａ 拡散層
３５ 拡散層付受光ファイバー
３６ 遮光板
３７ 透明板
３８ 二次コイル
３９ 回転トランス
４１ａ、４１ｂ 導光板
Claims (4)
- 駆動側フランジ部と負荷側フランジ部との間に中空体部が形成された回転体と、前記回転体の外周に設けられ、前記中空体部の中空部に取付けられるトルク検出部よりの出力により発光し光信号を出力する発光素子と、前記光信号を拡散する拡散部と、前記回転体の外側に設けられた筺体に取付けられ、前記拡散部を介し前記光信号を受光する受光ファイバーとを備えたことを特徴とする回転体トルク測定装置。
- 前記拡散部は、前記光信号を拡散する拡散板とし、前記拡散板を前記筺体の前記回転体側に取付けることを特徴とする請求項１に記載の回転体トルク測定装置。
- 前記拡散部は、前記受光ファイバーの表面に設けた拡散層とすることを特徴とする請求項１に記載の回転体トルク測定装置。
- 駆動側フランジ部と負荷側フランジ部との間に中空体部が形成された回転体と、前記回転体の外周に設けられ、前記中空体部の中空部に取付けられるトルク検出部よりの出力により発光し光信号を出力する発光素子と、前記回転体の外側に設けられた筺体に取付けられ、前記光信号を平面部で受光し、前記平面部に沿って前記光信号を導光する導光板とを備えたことを特徴とする回転体トルク測定装置。
Priority Applications (4)
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