JP2004293913A - 冷蔵庫 - Google Patents
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Abstract
【課題】冷蔵庫本体にヒンジ板にて回動可能に扉を軸支持したものにおいて、冷蔵庫の外容積に対する内容積の比率が小さくならないようにヒンジ板が冷蔵庫本体の上面から突出しないようにする技術に関し、ヒンジ板を冷蔵庫本体の上面に固定する簡素化された構成とし、ヒンジ板をカバーするヒンジカバーを設けて外観装飾を行った場合にも、ヒンジ装置が冷蔵庫本体の上面から突出しない冷蔵庫を提供する。
【解決手段】後部が冷蔵庫本体の上面に形成した窪みに固定され前部が回動式扉の上面へ延出して回動式扉を軸支持するヒンジ軸を具備するヒンジ板と、後部が前記窪みに収納されヒンジ板を上方から覆うヒンジカバーを備え、ヒンジカバーがヒンジ板を覆った状態で冷蔵庫本体の上面及び回動式扉の上面から突出しない高さに形成されたヒンジ装置。
【選択図】 図1
【解決手段】後部が冷蔵庫本体の上面に形成した窪みに固定され前部が回動式扉の上面へ延出して回動式扉を軸支持するヒンジ軸を具備するヒンジ板と、後部が前記窪みに収納されヒンジ板を上方から覆うヒンジカバーを備え、ヒンジカバーがヒンジ板を覆った状態で冷蔵庫本体の上面及び回動式扉の上面から突出しない高さに形成されたヒンジ装置。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷蔵庫本体の上面に設けたヒンジ装置にて上部が回動可能に軸支持された回動式扉によって前記冷蔵庫本体の前面開口を開閉する構成の冷蔵庫に関し、特に前記ヒンジ装置の高さを制限する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
冷蔵庫本体の上壁に設けたヒンジ板にて上部が回動可能に軸支持された回動式扉によって前記冷蔵庫本体の前面開口を開閉する構成の冷蔵庫において、冷蔵庫の外容積に対する内容積の比率が小さくならないようにするために、ヒンジ板が冷蔵庫本体の上面から突出しないようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この特許文献1の技術は、冷蔵庫本体の前面開口縁の上辺となる前フランジと後フランジに一側に水平方向に細長い透孔を形成して、この透孔にヒンジ板を差し込んで固定するものである。この構成では、ヒンジ板が冷蔵庫本体の外箱天面の下側に潜る状態であるため、ヒンジ板の取り付けのためにヒンジ板に補助固定片を形成し、外箱にもこの補助固定片を螺子留めするための後端フランジを形成している。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−14823号公報(第1〜3頁、図1〜2)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1のものは、上記のように、ヒンジ板が細長い透孔に挿入され、取り付けのためにヒンジ板に補助固定片を形成し、外箱にもこの補助固定片を螺子留めするための後端フランジを形成する複雑な構成となる。また、冷蔵庫本体には内箱と外箱との間に発泡性断熱材が充填されるため、この透孔部分から発泡性断熱材が漏出しないようにシールする必要が生じ、そのために外観的な装飾構造が必要となり、製造上複雑化する。
【0006】
本発明は、このような点に鑑みて、冷蔵庫の外容積に対する内容積の比率が小さくならないようにするために、ヒンジ板を冷蔵庫本体の上面に固定する簡素化された構成とし、ヒンジ板をカバーするヒンジカバーを設けて外観装飾を行ったヒンジ装置とし、このヒンジ装置が冷蔵庫本体の上面から突出しないようにした冷蔵庫を提供するものである。また、冷蔵庫本体と扉とを結ぶ電気配線のリード線をヒンジ装置を介して配線することができるようにし、その場合にも、このヒンジ装置が冷蔵庫本体の上面から突出しないようにした冷蔵庫を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の冷蔵庫は、冷蔵庫本体の上面に設けたヒンジ装置にて上部が回動可能に軸支持された回動式扉によって前記冷蔵庫本体の前面開口を開閉する構成の冷蔵庫において、前記ヒンジ装置は、後部が前記冷蔵庫本体の上面に形成した窪みに固定され前部が前記回動式扉の上面へ延出して前記回動式扉を軸支持するヒンジ軸を具備するヒンジ板と、後部が前記窪みに収納され前記ヒンジ板を上方から覆うヒンジカバーを備え、前記ヒンジカバーが前記ヒンジ板を覆った状態で前記冷蔵庫本体の上面及び前記回動式扉の上面から突出しない高さに形成されたことを特徴とする。
【0008】
これによって、ヒンジ板を冷蔵庫本体の上面に固定する簡素化された構成とすることができ、ヒンジ板をカバーするヒンジカバーを設けて外観装飾を行った場合にも、ヒンジ装置が冷蔵庫本体の上面から突出しない冷蔵庫となり、ヒンジ装置によって冷蔵庫の外容積に対する内容積の比率が小さくなることはない。
【0009】
また、本発明の冷蔵庫は、冷蔵庫本体の上面に設けたヒンジ装置にて上部が回動可能に軸支持された回動式扉によって前記冷蔵庫本体の前面開口を開閉する構成の冷蔵庫において、前記ヒンジ装置は、後部が前記冷蔵庫本体の上面に形成した窪みに固定され前部が前記回動式扉の上面へ延出して前記回動式扉を軸支持するヒンジ軸を具備するヒンジ板と、後部が前記窪みに収納され前記ヒンジ板を上方から覆うヒンジカバーを備え、前記冷蔵庫本体から前記回動式扉に設けた制御部へ延びるリード線が前記ヒンジ板の後部に形成した挿通孔から前記ヒンジ板の上面を通って前記ヒンジ軸を貫通する挿通孔を通して配置され、前記ヒンジ装置は、前記ヒンジカバーが前記リード線と前記ヒンジ板を覆った状態で前記冷蔵庫本体の上面及び前記回動式扉の上面から突出しない高さに形成されたことを特徴とする。
【0010】
これによって、ヒンジ板を冷蔵庫本体の上面に固定する簡素化された構成とすることができ、ヒンジ板をカバーするヒンジカバーを設けて外観装飾を行った場合にも、ヒンジ装置が冷蔵庫本体の上面から突出しない冷蔵庫となる。そして、扉に各種の制御ができる制御部と表示部を設けた場合、冷蔵庫本体と扉とを結ぶ電気配線のリード線が、ヒンジ装置を介して配線されるようにしても、このヒンジ装置が冷蔵庫本体の上面から突出しないので、冷蔵庫の外容積に対する内容積の比率が小さくなることがなくなる。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に、本発明冷蔵庫の実施の形態について説明する。各図は本発明の実施形態を示しており、図1は本発明に係る冷蔵庫の上ヒンジ装置の部分の分解斜視図、図2は本発明に係る冷蔵庫の上ヒンジ装置の部分の前後方向断面図、図3は本発明に係る冷蔵庫の上ヒンジ装置の部分の左右方向断面図である。
【0012】
図において、1は冷蔵庫Rを構成する冷蔵庫本体であり、外箱(外壁板)3と内箱(内壁板)2との間に発泡断熱材4を充填した断熱構造である。前面に開口した冷蔵庫本体1内には、複数の貯蔵室が区画形成されている。貯蔵室5の前面開口は、冷蔵庫本体1の一側部に上ヒンジ装置7と下ヒンジ装置(図示せず)にて横方向に回動して開閉される回動式扉6にて閉塞される。
【0013】
冷蔵庫本体1の上面、即ち外箱(外壁板)3の上面3Aには、上ヒンジ装置7のヒンジ板8の後部を収納するように、上面開口の窪み9が外箱(外壁板)3の上面3Aに形成されている。窪み9の前端は前方へ開放され、窪み9に収納されたヒンジ板8の前部が冷蔵庫本体1の前方へ突出することができる。窪み9の形成は、図示の構成では、外箱(外壁板)3の上面3Aを切除し、この切除部11に底壁10Aの周縁部に左側壁10B、右側壁10C、後壁10Dを立ち上げた取り付け基板10が、外箱(外壁板)3の上面3Aの裏側に沿って溶接や螺子13等にて固定された構造である。なお、外箱(外壁板)3の上面3Aに切除部11を形成する代わりに、外箱(外壁板)3の上面3Aを窪ませ、その裏側に沿って取り付け基板10を溶接や螺子13等にて固定する構成でもよい。
【0014】
外箱(外壁板)3は貯蔵室5の前面の周縁に前面フランジ3Bを形成し、この前面フランジ3Bの裏側に内箱(内壁板)2前面フランジが当接しており、前面フランジ3Bの後側の溝部には冷却システムの温冷媒が通るパイプ24が配置されて、前面フランジ3Bへの露付き防止効果を図っている。取り付け基板10は、図3に示すように、外箱(外壁板)3の上面3Aの裏側から外箱(外壁板)3の側面の裏側に渡って配置され、取り付け基板10の一部を折り曲げ形成した取り付けフランジ10Fを前面フランジ3Bの屈曲にて形成した後フランジ3Cに螺子25で固定している。この状態で、パイプ24によって取り付け基板10とヒンジ板8が加温されるため、ヒンジ装置7が冷却されて露付きを生じることはない。
【0015】
ヒンジ板8は、その後部4箇所を取り付け基板10に形成した螺子部10Eに螺合するボルトネジ等の螺子12によって取り付け基板10に固定されている。ヒンジ板8は、その前部が窪み9の前端開放部から前方へ突出して扉6の上面に臨む。ヒンジ板8の前端部にはヒンジ軸14が下方へ突出して設けられ、扉6の上面には、このヒンジ軸14が挿入される軸受け筒15が取り付けられている。これによって扉6はヒンジ軸14を中心として左右水平方向へ回動自在である。
【0016】
ヒンジ板8の窪み9内に位置する後部の中央部には、リード線16の挿通孔17が形成され、ヒンジ軸14は中空をなしてリード線16の挿通孔14Aを形成している。リード線16は、冷蔵庫本体1の電装部から回動式扉6の前面に設けた制御部19へ延びる電気配線であり、ヒンジ板の後部に形成した挿通孔17からヒンジ板8の上面を通ってヒンジ軸14を貫通する挿通孔14Aを通して配置される。制御部19は、冷蔵庫Rの温度設定、タイマー設定、時計設定、急速冷凍モード設定、急速製氷モード設定、貯蔵室5の除菌モード設定、自動製氷機の清掃モード設定、節電モード設定、レシピ表示操作等の操作を行う操作部21やこれらに係る表示を行う液晶表示部20、更にはこれらの制御を行うマイクロコンピュータ制御部等を備えている。
【0017】
18は合成樹脂製や金属等で構成されたヒンジカバーであり、窪み9に取り付けられたヒンジ板8の上面側にリード線16が配置された状態で、ヒンジ板8とリード線16を上方から覆うように取り付けられる。ヒンジカバー18は、上壁の周縁部に前後左右の縦壁を備え、この縦壁の内側に係止突起22を形成しており、ヒンジカバー18の多少の弾力性を利用してヒンジ板8の周縁部の係止部30に係止することにより取り付けられる構成である。このため、ヒンジカバー18は、その弾力性を利用してヒンジ板8から取外すこともできる。
【0018】
本発明のヒンジ装置7は、ヒンジカバー18がリード線16とヒンジ板8を覆った状態で、ヒンジカバー18の上面が冷蔵庫本体1の上面3A及び回動式扉6の上面6Aから突出しない高さに形成される。図示の構成では、冷蔵庫本体1の上面3Aと回動式扉6の上面6Aは同一レベルに形成され、ヒンジカバー18がリード線16とヒンジ板8を覆った状態で、ヒンジカバー18の上面が冷蔵庫本体1の上面3A及び回動式扉6の上面6Aと同一レベルになる構成である。
【0019】
図示の構成では、回動式扉6の上面6Aには一部を窪ませてヒンジ装置7の前部が収納される凹部23を形成して、この凹部23に軸受け筒15が取り付けられている。このため、ヒンジ装置7が冷蔵庫Rの前方から見え難い状態にカバーされ、デザイン効果の向上を図っている。
【0020】
このような構成によって、ヒンジ板8とヒンジカバー18は、冷蔵庫本体1の上面から取り付けることができるため、取り付けが容易な簡素化された構成となる。特に、ヒンジ板8をカバーするヒンジカバー18を設けて外観装飾を行った場合にも、ヒンジ装置7が冷蔵庫本体1の上面から突出しない冷蔵庫Rとなるため、扉6に各種の制御と表示ができる制御部19を設けた場合、冷蔵庫本体1と扉6とを結ぶ電気配線のリード線16が、ヒンジ装置7を介して配線されるようにしても、このヒンジ装置7が冷蔵庫本体1の上面から突出しないので、冷蔵庫Rの外容積に対する内容積の比率が小さくなることがなくなる。
【0021】
本発明は特許請求の範囲に記載した事項によって特徴を有する。このため、上記実施形態に限定されるものではなく、その範囲を逸脱しない部分における種種の実施形態を包含するものである。
【0022】
【発明の効果】
本発明によれば、ヒンジ板を冷蔵庫本体の上面に固定する簡素化された構成とすることができ、ヒンジ板をカバーするヒンジカバーを設けて外観装飾を行った場合にも、ヒンジ装置が冷蔵庫本体の上面から突出しない冷蔵庫となり、ヒンジ装置によって冷蔵庫の外容積に対する内容積の比率が小さくなることはない。
【0023】
また、請求項2の発明によって、ヒンジ板を冷蔵庫本体の上面に固定する簡素化された構成とすることができ、ヒンジ板をカバーするヒンジカバーを設けて外観装飾を行った場合にも、ヒンジ装置が冷蔵庫本体の上面から突出しない冷蔵庫となる。そして、扉に各種の制御ができる制御部と表示部を設けた場合、冷蔵庫本体と扉とを結ぶ電気配線のリード線が、ヒンジ装置を介して配線されるようにしても、このヒンジ装置が冷蔵庫本体の上面から突出しないので、冷蔵庫の外容積に対する内容積の比率が小さくなることがなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る冷蔵庫の上ヒンジ装置の部分の分解斜視図である。
【図2】本発明に係る冷蔵庫の上ヒンジ装置の部分の前後方向断面図である。
【図3】本発明に係る冷蔵庫の上ヒンジ装置の部分の左右方向断面図である。
【符号の説明】
1・・・冷蔵庫本体
2・・・内箱(内壁板)
3・・・外箱(外壁板)
3A・・・外箱(外壁板)の上面
4・・・発泡断熱材
5・・・貯蔵室
6・・・回動式扉
7・・・ヒンジ装置
8・・・ヒンジ板
9・・・窪み
10・・・取り付け基板
11・・・切除部
12・・・取り付け螺子
14・・・ヒンジ軸
15・・・軸受け筒
16・・・リード線
14A、17・・・挿通孔
18・・・ヒンジカバー
19・・・制御部
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷蔵庫本体の上面に設けたヒンジ装置にて上部が回動可能に軸支持された回動式扉によって前記冷蔵庫本体の前面開口を開閉する構成の冷蔵庫に関し、特に前記ヒンジ装置の高さを制限する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
冷蔵庫本体の上壁に設けたヒンジ板にて上部が回動可能に軸支持された回動式扉によって前記冷蔵庫本体の前面開口を開閉する構成の冷蔵庫において、冷蔵庫の外容積に対する内容積の比率が小さくならないようにするために、ヒンジ板が冷蔵庫本体の上面から突出しないようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この特許文献1の技術は、冷蔵庫本体の前面開口縁の上辺となる前フランジと後フランジに一側に水平方向に細長い透孔を形成して、この透孔にヒンジ板を差し込んで固定するものである。この構成では、ヒンジ板が冷蔵庫本体の外箱天面の下側に潜る状態であるため、ヒンジ板の取り付けのためにヒンジ板に補助固定片を形成し、外箱にもこの補助固定片を螺子留めするための後端フランジを形成している。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−14823号公報(第1〜3頁、図1〜2)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1のものは、上記のように、ヒンジ板が細長い透孔に挿入され、取り付けのためにヒンジ板に補助固定片を形成し、外箱にもこの補助固定片を螺子留めするための後端フランジを形成する複雑な構成となる。また、冷蔵庫本体には内箱と外箱との間に発泡性断熱材が充填されるため、この透孔部分から発泡性断熱材が漏出しないようにシールする必要が生じ、そのために外観的な装飾構造が必要となり、製造上複雑化する。
【0006】
本発明は、このような点に鑑みて、冷蔵庫の外容積に対する内容積の比率が小さくならないようにするために、ヒンジ板を冷蔵庫本体の上面に固定する簡素化された構成とし、ヒンジ板をカバーするヒンジカバーを設けて外観装飾を行ったヒンジ装置とし、このヒンジ装置が冷蔵庫本体の上面から突出しないようにした冷蔵庫を提供するものである。また、冷蔵庫本体と扉とを結ぶ電気配線のリード線をヒンジ装置を介して配線することができるようにし、その場合にも、このヒンジ装置が冷蔵庫本体の上面から突出しないようにした冷蔵庫を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の冷蔵庫は、冷蔵庫本体の上面に設けたヒンジ装置にて上部が回動可能に軸支持された回動式扉によって前記冷蔵庫本体の前面開口を開閉する構成の冷蔵庫において、前記ヒンジ装置は、後部が前記冷蔵庫本体の上面に形成した窪みに固定され前部が前記回動式扉の上面へ延出して前記回動式扉を軸支持するヒンジ軸を具備するヒンジ板と、後部が前記窪みに収納され前記ヒンジ板を上方から覆うヒンジカバーを備え、前記ヒンジカバーが前記ヒンジ板を覆った状態で前記冷蔵庫本体の上面及び前記回動式扉の上面から突出しない高さに形成されたことを特徴とする。
【0008】
これによって、ヒンジ板を冷蔵庫本体の上面に固定する簡素化された構成とすることができ、ヒンジ板をカバーするヒンジカバーを設けて外観装飾を行った場合にも、ヒンジ装置が冷蔵庫本体の上面から突出しない冷蔵庫となり、ヒンジ装置によって冷蔵庫の外容積に対する内容積の比率が小さくなることはない。
【0009】
また、本発明の冷蔵庫は、冷蔵庫本体の上面に設けたヒンジ装置にて上部が回動可能に軸支持された回動式扉によって前記冷蔵庫本体の前面開口を開閉する構成の冷蔵庫において、前記ヒンジ装置は、後部が前記冷蔵庫本体の上面に形成した窪みに固定され前部が前記回動式扉の上面へ延出して前記回動式扉を軸支持するヒンジ軸を具備するヒンジ板と、後部が前記窪みに収納され前記ヒンジ板を上方から覆うヒンジカバーを備え、前記冷蔵庫本体から前記回動式扉に設けた制御部へ延びるリード線が前記ヒンジ板の後部に形成した挿通孔から前記ヒンジ板の上面を通って前記ヒンジ軸を貫通する挿通孔を通して配置され、前記ヒンジ装置は、前記ヒンジカバーが前記リード線と前記ヒンジ板を覆った状態で前記冷蔵庫本体の上面及び前記回動式扉の上面から突出しない高さに形成されたことを特徴とする。
【0010】
これによって、ヒンジ板を冷蔵庫本体の上面に固定する簡素化された構成とすることができ、ヒンジ板をカバーするヒンジカバーを設けて外観装飾を行った場合にも、ヒンジ装置が冷蔵庫本体の上面から突出しない冷蔵庫となる。そして、扉に各種の制御ができる制御部と表示部を設けた場合、冷蔵庫本体と扉とを結ぶ電気配線のリード線が、ヒンジ装置を介して配線されるようにしても、このヒンジ装置が冷蔵庫本体の上面から突出しないので、冷蔵庫の外容積に対する内容積の比率が小さくなることがなくなる。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に、本発明冷蔵庫の実施の形態について説明する。各図は本発明の実施形態を示しており、図1は本発明に係る冷蔵庫の上ヒンジ装置の部分の分解斜視図、図2は本発明に係る冷蔵庫の上ヒンジ装置の部分の前後方向断面図、図3は本発明に係る冷蔵庫の上ヒンジ装置の部分の左右方向断面図である。
【0012】
図において、1は冷蔵庫Rを構成する冷蔵庫本体であり、外箱(外壁板)3と内箱(内壁板)2との間に発泡断熱材4を充填した断熱構造である。前面に開口した冷蔵庫本体1内には、複数の貯蔵室が区画形成されている。貯蔵室5の前面開口は、冷蔵庫本体1の一側部に上ヒンジ装置7と下ヒンジ装置(図示せず)にて横方向に回動して開閉される回動式扉6にて閉塞される。
【0013】
冷蔵庫本体1の上面、即ち外箱(外壁板)3の上面3Aには、上ヒンジ装置7のヒンジ板8の後部を収納するように、上面開口の窪み9が外箱(外壁板)3の上面3Aに形成されている。窪み9の前端は前方へ開放され、窪み9に収納されたヒンジ板8の前部が冷蔵庫本体1の前方へ突出することができる。窪み9の形成は、図示の構成では、外箱(外壁板)3の上面3Aを切除し、この切除部11に底壁10Aの周縁部に左側壁10B、右側壁10C、後壁10Dを立ち上げた取り付け基板10が、外箱(外壁板)3の上面3Aの裏側に沿って溶接や螺子13等にて固定された構造である。なお、外箱(外壁板)3の上面3Aに切除部11を形成する代わりに、外箱(外壁板)3の上面3Aを窪ませ、その裏側に沿って取り付け基板10を溶接や螺子13等にて固定する構成でもよい。
【0014】
外箱(外壁板)3は貯蔵室5の前面の周縁に前面フランジ3Bを形成し、この前面フランジ3Bの裏側に内箱(内壁板)2前面フランジが当接しており、前面フランジ3Bの後側の溝部には冷却システムの温冷媒が通るパイプ24が配置されて、前面フランジ3Bへの露付き防止効果を図っている。取り付け基板10は、図3に示すように、外箱(外壁板)3の上面3Aの裏側から外箱(外壁板)3の側面の裏側に渡って配置され、取り付け基板10の一部を折り曲げ形成した取り付けフランジ10Fを前面フランジ3Bの屈曲にて形成した後フランジ3Cに螺子25で固定している。この状態で、パイプ24によって取り付け基板10とヒンジ板8が加温されるため、ヒンジ装置7が冷却されて露付きを生じることはない。
【0015】
ヒンジ板8は、その後部4箇所を取り付け基板10に形成した螺子部10Eに螺合するボルトネジ等の螺子12によって取り付け基板10に固定されている。ヒンジ板8は、その前部が窪み9の前端開放部から前方へ突出して扉6の上面に臨む。ヒンジ板8の前端部にはヒンジ軸14が下方へ突出して設けられ、扉6の上面には、このヒンジ軸14が挿入される軸受け筒15が取り付けられている。これによって扉6はヒンジ軸14を中心として左右水平方向へ回動自在である。
【0016】
ヒンジ板8の窪み9内に位置する後部の中央部には、リード線16の挿通孔17が形成され、ヒンジ軸14は中空をなしてリード線16の挿通孔14Aを形成している。リード線16は、冷蔵庫本体1の電装部から回動式扉6の前面に設けた制御部19へ延びる電気配線であり、ヒンジ板の後部に形成した挿通孔17からヒンジ板8の上面を通ってヒンジ軸14を貫通する挿通孔14Aを通して配置される。制御部19は、冷蔵庫Rの温度設定、タイマー設定、時計設定、急速冷凍モード設定、急速製氷モード設定、貯蔵室5の除菌モード設定、自動製氷機の清掃モード設定、節電モード設定、レシピ表示操作等の操作を行う操作部21やこれらに係る表示を行う液晶表示部20、更にはこれらの制御を行うマイクロコンピュータ制御部等を備えている。
【0017】
18は合成樹脂製や金属等で構成されたヒンジカバーであり、窪み9に取り付けられたヒンジ板8の上面側にリード線16が配置された状態で、ヒンジ板8とリード線16を上方から覆うように取り付けられる。ヒンジカバー18は、上壁の周縁部に前後左右の縦壁を備え、この縦壁の内側に係止突起22を形成しており、ヒンジカバー18の多少の弾力性を利用してヒンジ板8の周縁部の係止部30に係止することにより取り付けられる構成である。このため、ヒンジカバー18は、その弾力性を利用してヒンジ板8から取外すこともできる。
【0018】
本発明のヒンジ装置7は、ヒンジカバー18がリード線16とヒンジ板8を覆った状態で、ヒンジカバー18の上面が冷蔵庫本体1の上面3A及び回動式扉6の上面6Aから突出しない高さに形成される。図示の構成では、冷蔵庫本体1の上面3Aと回動式扉6の上面6Aは同一レベルに形成され、ヒンジカバー18がリード線16とヒンジ板8を覆った状態で、ヒンジカバー18の上面が冷蔵庫本体1の上面3A及び回動式扉6の上面6Aと同一レベルになる構成である。
【0019】
図示の構成では、回動式扉6の上面6Aには一部を窪ませてヒンジ装置7の前部が収納される凹部23を形成して、この凹部23に軸受け筒15が取り付けられている。このため、ヒンジ装置7が冷蔵庫Rの前方から見え難い状態にカバーされ、デザイン効果の向上を図っている。
【0020】
このような構成によって、ヒンジ板8とヒンジカバー18は、冷蔵庫本体1の上面から取り付けることができるため、取り付けが容易な簡素化された構成となる。特に、ヒンジ板8をカバーするヒンジカバー18を設けて外観装飾を行った場合にも、ヒンジ装置7が冷蔵庫本体1の上面から突出しない冷蔵庫Rとなるため、扉6に各種の制御と表示ができる制御部19を設けた場合、冷蔵庫本体1と扉6とを結ぶ電気配線のリード線16が、ヒンジ装置7を介して配線されるようにしても、このヒンジ装置7が冷蔵庫本体1の上面から突出しないので、冷蔵庫Rの外容積に対する内容積の比率が小さくなることがなくなる。
【0021】
本発明は特許請求の範囲に記載した事項によって特徴を有する。このため、上記実施形態に限定されるものではなく、その範囲を逸脱しない部分における種種の実施形態を包含するものである。
【0022】
【発明の効果】
本発明によれば、ヒンジ板を冷蔵庫本体の上面に固定する簡素化された構成とすることができ、ヒンジ板をカバーするヒンジカバーを設けて外観装飾を行った場合にも、ヒンジ装置が冷蔵庫本体の上面から突出しない冷蔵庫となり、ヒンジ装置によって冷蔵庫の外容積に対する内容積の比率が小さくなることはない。
【0023】
また、請求項2の発明によって、ヒンジ板を冷蔵庫本体の上面に固定する簡素化された構成とすることができ、ヒンジ板をカバーするヒンジカバーを設けて外観装飾を行った場合にも、ヒンジ装置が冷蔵庫本体の上面から突出しない冷蔵庫となる。そして、扉に各種の制御ができる制御部と表示部を設けた場合、冷蔵庫本体と扉とを結ぶ電気配線のリード線が、ヒンジ装置を介して配線されるようにしても、このヒンジ装置が冷蔵庫本体の上面から突出しないので、冷蔵庫の外容積に対する内容積の比率が小さくなることがなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る冷蔵庫の上ヒンジ装置の部分の分解斜視図である。
【図2】本発明に係る冷蔵庫の上ヒンジ装置の部分の前後方向断面図である。
【図3】本発明に係る冷蔵庫の上ヒンジ装置の部分の左右方向断面図である。
【符号の説明】
1・・・冷蔵庫本体
2・・・内箱(内壁板)
3・・・外箱(外壁板)
3A・・・外箱(外壁板)の上面
4・・・発泡断熱材
5・・・貯蔵室
6・・・回動式扉
7・・・ヒンジ装置
8・・・ヒンジ板
9・・・窪み
10・・・取り付け基板
11・・・切除部
12・・・取り付け螺子
14・・・ヒンジ軸
15・・・軸受け筒
16・・・リード線
14A、17・・・挿通孔
18・・・ヒンジカバー
19・・・制御部
Claims (2)
- 冷蔵庫本体の上面に設けたヒンジ装置にて上部が回動可能に軸支持された回動式扉によって前記冷蔵庫本体の前面開口を開閉する構成の冷蔵庫において、前記ヒンジ装置は、後部が前記冷蔵庫本体の上面に形成した窪みに固定され前部が前記回動式扉の上面へ延出して前記回動式扉を軸支持するヒンジ軸を具備するヒンジ板と、後部が前記窪みに収納され前記ヒンジ板を上方から覆うヒンジカバーとを備え、前記ヒンジカバーが前記ヒンジ板を覆った状態で前記冷蔵庫本体の上面及び前記回動式扉の上面から突出しない高さに形成されたことを特徴とする冷蔵庫。
- 冷蔵庫本体の上面に設けたヒンジ装置にて上部が回動可能に軸支持された回動式扉によって前記冷蔵庫本体の前面開口を開閉する構成の冷蔵庫において、前記ヒンジ装置は、後部が前記冷蔵庫本体の上面に形成した窪みに固定され前部が前記回動式扉の上面へ延出して前記回動式扉を軸支持するヒンジ軸を具備するヒンジ板と、後部が前記窪みに収納され前記ヒンジ板を上方から覆うヒンジカバーとを備え、前記冷蔵庫本体から前記回動式扉に設けた制御部へ延びるリード線が前記ヒンジ板の後部に形成した挿通孔から前記ヒンジ板の上面を通って前記ヒンジ軸を貫通する挿通孔を通して配置され、前記ヒンジ装置は、前記ヒンジカバーが前記リード線と前記ヒンジ板を覆った状態で前記冷蔵庫本体の上面及び前記回動式扉の上面から突出しない高さに形成されたことを特徴とする冷蔵庫。
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