JP2004292349A - アルドン酸を含有するアンモニア吸収阻害組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】肝機能の低下に伴う高アンモニア血症に有効な新規物質の提供を目的とする。
【解決手段】本発明によれば、アルドン酸、その非毒性塩および/または分子内エステル化合物の少なくとも1つを有効成分として含有するアンモニア吸収阻害組成物、該組成物を含む医薬品、食品または飼料、ならびに、これらをヒトまたは動物に与えることからなる高アンモニア血症および/または肝機能低下の予防または治療方法が提供される。
【選択図】 なし
【解決手段】本発明によれば、アルドン酸、その非毒性塩および/または分子内エステル化合物の少なくとも1つを有効成分として含有するアンモニア吸収阻害組成物、該組成物を含む医薬品、食品または飼料、ならびに、これらをヒトまたは動物に与えることからなる高アンモニア血症および/または肝機能低下の予防または治療方法が提供される。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、アンモニア吸収阻害組成物に関する。さらに詳しくは、この発明は、アルドン酸、その非毒性塩および/または分子内エステル化合物の少なくとも1つを有効成分として含有するアンモニア吸収阻害組成物、該組成物を含む医薬品、食品または飼料、ならびに、これらをヒトまたは動物に与えることからなる高アンモニア血症および/または肝機能低下の予防または治療方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
元来、肝臓は、生体内の恒常性を保つために、血液中の有毒な物質や過剰な物質を代謝して、全身に運ばれる血液を正常化する作用を担っている。このため、肝機能の低下によって上記の作用が行われなくなると、有毒な物質や過剰な物質が血流にのって全身へと運ばれ、種々の症状を誘発することが知られている。
肝臓で代謝され、腎臓から排出される物質の一例はアンモニアである。通常、アンモニアは消化管から吸収されて門脈血を経由して肝臓に至り、無毒な尿素に代謝されるが、何らかの要因により肝臓の代謝機能が低下すると、アンモニアが尿素へと変換されることなく、血流にのって全身へと運ばれる。その結果、末梢血液中のアンモニア量が増加し、肝性脳症や高アンモニア血症が引き起こされる。
【0003】
血中のアンモニア量を低下させる方法として、腸内環境を整えてアンモニアの発生量を抑えるか、腸内に発生したアンモニアを早期に***するか、あるいは腸内のアンモニア吸収を抑制する方法などが考えられる。
しかし、アンモニア発生量は腸内環境が良好になってもゼロにすることはできない。
【0004】
また、オリゴ糖であるラクツロースやラフィノース、糖アルコールのラクチトールによって腸内のpHを低下させ、アンモニアを早期に***できることが知られている(特許文献1および2参照)。
しかしながら、これらの物質は甘味が強く、多量の摂取が困難であったり、患者によっては所望の効果を発揮し得ない場合がある。さらに、腸内pHの低下により下痢症が起こることがあり、他の必要な栄養素の吸収を困難にするだけでなく、徐々に腸管を衰弱させる恐れがある。
【0005】
【特許文献1】特開平10−194975号公報
【特許文献2】特開平11−189538号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このような状況下、腸内に生成したアンモニアの吸収、血流への移行を抑制する物質の開発が望まれている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決するため、鋭意検討を行った結果、グルコン酸等のアルドン酸が腸内でのアンモニア吸収を抑制することを見出した。
したがって、本発明によれば、アルドン酸、その非毒性塩および/または分子内エステル化合物(以下、これらの化合物を総称して「アルドン酸類」という)の少なくとも1つを有効成分として含有することを特徴とするアンモニア吸収阻害組成物、該組成物を含む医薬品、食品または飼料、ならびに、これらをヒトまたは動物に与えることからなる高アンモニア血症および/または肝機能低下の予防または治療方法が提供される。
【0008】
グルコン酸に代表されるアルドン酸類は、天然に存在する有機酸で爽やかな酸味があり、腸内のpHを低下させることなく血中のアンモニア量を低下させることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
この発明におけるアルドン酸は、D−体、L−体またはそれらの混合物のいずれでもよい。具体的には、グルコン酸、ガラクトン酸、マンノン酸、タロン酸、アロン酸を挙げることができる。これらのうち、グルコン酸が特に好ましい。
アルドン酸の非毒性塩としては、例えばナトリウムまたはカリウムのようなアルカリ金属との塩、カルシウムまたはマグネシウムのようなアルカリ土類金属との塩、銅、鉄または亜鉛のような遷移金属との塩が挙げられる。
【0010】
また、アルドン酸の分子内エステル化合物としてはラクトン化合物が挙げられる。
したがって、本発明において、アルドン酸の非毒性塩としては、グルコン酸ナトリウムまたはグルコン酸カルシウムが特に好ましく、アルドン酸の分子内エステル化合物としては、グルコノデルタラクトンまたはグルコノガンマラクトンが特に好ましい。
【0011】
これらのアルドン酸類は、それぞれ単独で、または2種以上の任意の組み合わせにより、血中のアンモニアの吸収を阻害する。
したがって、アルドン酸類は、それ自体で、または当該分野で公知の固体または液体の賦形剤とともに用いて、アンモニア吸収阻害組成物、特に高アンモニア血症、肝機能低下またはそれに伴う肝性脳症を予防もしくは治療するためのアンモニア吸収阻害組成物とすることができる。
【0012】
固体の賦形剤としては、例えば、乳糖、ショ糖、ブドウ糖、コーンスターチ、ゼラチン、澱粉が挙げられる。また、液体の賦形剤としては、例えば水、グリセリン、脂肪油、ソルビトールが挙げられる。
本発明のアンモニア吸収阻害組成物は、所望により、例えば塩化ベルベリン、オウバク末のような整腸剤、例えばオキシテトラサイクリン、ビコザマイシンのような抗菌剤、例えばプロピオン酸ナトリウムのような防カビ剤、例えばプラジクアンテル、イベルメクチンのような駆虫剤などの他の薬剤および/または抗酸化剤、色素、着香料、呈味料、酵素のような通常の添加剤を含んでいてもよく、常法により、散剤、顆粒剤、液剤、錠剤等の形態に製剤化することができる。
【0013】
これらの組成物は、それ自体をヒトまたは動物に投与することができ、医薬品、食品または飼料として使用できる。あるいは、これらの組成物は、食品または飼料に添加してヒトまたは動物に投与することができ、それらに予め添加して用いるのが簡便であり、好ましい。
本発明のアンモニア吸収阻害組成物が添加されるべき食品および飼料は、一般に使用されているものであればよく、特に限定されない。
【0014】
そのような食品の例としては、例えば錠剤形、粉末状、顆粒状、シロップ、カプセル状等の健康食品、パン類、菓子類、クッキー、ビスケットなどの穀類加工品、牛乳、ヨーグルト、アイスクリームなどの乳製品類、炭酸飲料、清涼飲料、果汁入り清涼飲料、果汁入り飲料、薬系ドリンクなどの飲料、大豆、魚肉、畜肉などを使用した惣菜や加工食品などが挙げられる。
【0015】
また、飼料の一例としては、とうもろこし、米、麦、マイロ、大豆粕、ふすま、脱脂米ぬか、魚粉、脱脂粉乳、乾燥ホエー、油脂、アルファルファミール、北洋ミール、大豆油脂、粉末精製牛脂、小麦粉、なたね油脂、肉骨粉(フェザーミール)、動物性油脂、リン酸カルシウム、コーングルテンミール、糖蜜、コーンジャームミール、炭酸カルシウム、リン酸三カルシウム、塩化ナトリウム、塩化コリン、ビタミン類(ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンD、ビタミンE、パントテン酸カルシウム、ニコチン酸アミド、葉酸等)、アミノ酸類(リジン、メチオニン等)、微量無機塩類(硫酸マグネシウム、硫酸鉄、硫酸銅、硫酸亜鉛、ヨウ化カリウム、硫酸コバルト等)、生菌剤などを適宜混合して調製したものが挙げられる。
【0016】
アルドン酸類は、対象とするヒトまたは動物の種類および体重などにもよるが、医薬品、食品または飼料に添加して用いる場合には、一般に0.01〜10.0g/kg、好ましくは0.1〜5.0g/kgの割合で用いられる。
この発明は、さらに前記の組成物または該組成物を含む医薬品、食品もしくは飼料をヒトまたは動物に与えることからなる高アンモニア血症および/または肝機能低下の予防または治療方法を提供する。
【0017】
この方法が適用される動物は通常の家畜や愛玩動物であり、牛、豚、馬、羊、山羊、犬、猫のような哺乳動物および家禽のような鳥類などが挙げられる。
この発明の組成物または該組成物を含む医薬品、食品または飼料は、これらの動物に通常の方法で与えることができ、アルドン酸類を一般に0.1〜10.0g/kg/日、好ましくは0.5〜10.0g/kg/日の割合で用いて、血中のアンモニアの吸収を抑制することができる。
【0018】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例:
ラット(SD系、6週齢、雄)を用いて、グルコン酸ナトリウムの投与による門脈血中のアンモニア濃度の変化および大腸内容物のpHの変化を試験した。
ラットを飼育用固形飼料CRF−1(チャールスリバー製)で2週間馴化した後、グルコン酸ナトリウム(藤沢薬品工業株式会社製、GNA)投与群(0.75、1.5および3g/kg)、ラクチトール(和光純薬工業株式会社製)投与群(0.75、1.5および3g/kg)および水投与群の各6匹からなる7群に分け、各群に前記飼料を朝夕各1時間、制限給餌するとともに、グルコン酸ナトリウムまたはラクチトールならびに水を朝1回の強制経口投与で3日間連続して与えた。
【0019】
最終投与から6時間後にラットを解剖し、門脈血を採取した。門脈血中のアンモニア濃度は除タンパク後にアンモニアテストワコー(和光純薬工業株式会社製)を用いて測定し、大腸内容物のpHは蒸留水で10倍に希釈して測定した。
試験の結果を図1および2に示す。
【0020】
図1に示すように、グルコン酸ナトリウム投与群の門脈血中のアンモニア濃度は全投与量についてラクチトール投与群より低く、特に1.5g/kg投与量では有意な低下が見られた。
また、全群ともに下痢症は認められず、糞塊を形成していた。図2に示すように、大腸内容物のpHは、グルコン酸ナトリウム投与群で水投与群との差異が小さく、ラクチトール投与群では有意なpH低下が認められた。
【0021】
【発明の効果】
本発明によれば、アルドン酸、その非毒性塩および/または分子内エステル化合物の少なくとも1つを有効成分として含有するアンモニア吸収阻害組成物、該組成物を含む医薬品、食品または飼料、ならびに、これらをヒトまたは動物に与えることからなる高アンモニア血症および/または肝機能低下の予防または治療方法が提供される。
本発明におけるアンモニア吸収阻害組成物は、腸内のpHを低下させることなく血中のアンモニアの吸収を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】門脈血中のアンモニア濃度の変化を示す。
【図2】大腸内容物のpHの変化を示す。
【発明の属する技術分野】
この発明は、アンモニア吸収阻害組成物に関する。さらに詳しくは、この発明は、アルドン酸、その非毒性塩および/または分子内エステル化合物の少なくとも1つを有効成分として含有するアンモニア吸収阻害組成物、該組成物を含む医薬品、食品または飼料、ならびに、これらをヒトまたは動物に与えることからなる高アンモニア血症および/または肝機能低下の予防または治療方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
元来、肝臓は、生体内の恒常性を保つために、血液中の有毒な物質や過剰な物質を代謝して、全身に運ばれる血液を正常化する作用を担っている。このため、肝機能の低下によって上記の作用が行われなくなると、有毒な物質や過剰な物質が血流にのって全身へと運ばれ、種々の症状を誘発することが知られている。
肝臓で代謝され、腎臓から排出される物質の一例はアンモニアである。通常、アンモニアは消化管から吸収されて門脈血を経由して肝臓に至り、無毒な尿素に代謝されるが、何らかの要因により肝臓の代謝機能が低下すると、アンモニアが尿素へと変換されることなく、血流にのって全身へと運ばれる。その結果、末梢血液中のアンモニア量が増加し、肝性脳症や高アンモニア血症が引き起こされる。
【0003】
血中のアンモニア量を低下させる方法として、腸内環境を整えてアンモニアの発生量を抑えるか、腸内に発生したアンモニアを早期に***するか、あるいは腸内のアンモニア吸収を抑制する方法などが考えられる。
しかし、アンモニア発生量は腸内環境が良好になってもゼロにすることはできない。
【0004】
また、オリゴ糖であるラクツロースやラフィノース、糖アルコールのラクチトールによって腸内のpHを低下させ、アンモニアを早期に***できることが知られている(特許文献1および2参照)。
しかしながら、これらの物質は甘味が強く、多量の摂取が困難であったり、患者によっては所望の効果を発揮し得ない場合がある。さらに、腸内pHの低下により下痢症が起こることがあり、他の必要な栄養素の吸収を困難にするだけでなく、徐々に腸管を衰弱させる恐れがある。
【0005】
【特許文献1】特開平10−194975号公報
【特許文献2】特開平11−189538号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このような状況下、腸内に生成したアンモニアの吸収、血流への移行を抑制する物質の開発が望まれている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決するため、鋭意検討を行った結果、グルコン酸等のアルドン酸が腸内でのアンモニア吸収を抑制することを見出した。
したがって、本発明によれば、アルドン酸、その非毒性塩および/または分子内エステル化合物(以下、これらの化合物を総称して「アルドン酸類」という)の少なくとも1つを有効成分として含有することを特徴とするアンモニア吸収阻害組成物、該組成物を含む医薬品、食品または飼料、ならびに、これらをヒトまたは動物に与えることからなる高アンモニア血症および/または肝機能低下の予防または治療方法が提供される。
【0008】
グルコン酸に代表されるアルドン酸類は、天然に存在する有機酸で爽やかな酸味があり、腸内のpHを低下させることなく血中のアンモニア量を低下させることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
この発明におけるアルドン酸は、D−体、L−体またはそれらの混合物のいずれでもよい。具体的には、グルコン酸、ガラクトン酸、マンノン酸、タロン酸、アロン酸を挙げることができる。これらのうち、グルコン酸が特に好ましい。
アルドン酸の非毒性塩としては、例えばナトリウムまたはカリウムのようなアルカリ金属との塩、カルシウムまたはマグネシウムのようなアルカリ土類金属との塩、銅、鉄または亜鉛のような遷移金属との塩が挙げられる。
【0010】
また、アルドン酸の分子内エステル化合物としてはラクトン化合物が挙げられる。
したがって、本発明において、アルドン酸の非毒性塩としては、グルコン酸ナトリウムまたはグルコン酸カルシウムが特に好ましく、アルドン酸の分子内エステル化合物としては、グルコノデルタラクトンまたはグルコノガンマラクトンが特に好ましい。
【0011】
これらのアルドン酸類は、それぞれ単独で、または2種以上の任意の組み合わせにより、血中のアンモニアの吸収を阻害する。
したがって、アルドン酸類は、それ自体で、または当該分野で公知の固体または液体の賦形剤とともに用いて、アンモニア吸収阻害組成物、特に高アンモニア血症、肝機能低下またはそれに伴う肝性脳症を予防もしくは治療するためのアンモニア吸収阻害組成物とすることができる。
【0012】
固体の賦形剤としては、例えば、乳糖、ショ糖、ブドウ糖、コーンスターチ、ゼラチン、澱粉が挙げられる。また、液体の賦形剤としては、例えば水、グリセリン、脂肪油、ソルビトールが挙げられる。
本発明のアンモニア吸収阻害組成物は、所望により、例えば塩化ベルベリン、オウバク末のような整腸剤、例えばオキシテトラサイクリン、ビコザマイシンのような抗菌剤、例えばプロピオン酸ナトリウムのような防カビ剤、例えばプラジクアンテル、イベルメクチンのような駆虫剤などの他の薬剤および/または抗酸化剤、色素、着香料、呈味料、酵素のような通常の添加剤を含んでいてもよく、常法により、散剤、顆粒剤、液剤、錠剤等の形態に製剤化することができる。
【0013】
これらの組成物は、それ自体をヒトまたは動物に投与することができ、医薬品、食品または飼料として使用できる。あるいは、これらの組成物は、食品または飼料に添加してヒトまたは動物に投与することができ、それらに予め添加して用いるのが簡便であり、好ましい。
本発明のアンモニア吸収阻害組成物が添加されるべき食品および飼料は、一般に使用されているものであればよく、特に限定されない。
【0014】
そのような食品の例としては、例えば錠剤形、粉末状、顆粒状、シロップ、カプセル状等の健康食品、パン類、菓子類、クッキー、ビスケットなどの穀類加工品、牛乳、ヨーグルト、アイスクリームなどの乳製品類、炭酸飲料、清涼飲料、果汁入り清涼飲料、果汁入り飲料、薬系ドリンクなどの飲料、大豆、魚肉、畜肉などを使用した惣菜や加工食品などが挙げられる。
【0015】
また、飼料の一例としては、とうもろこし、米、麦、マイロ、大豆粕、ふすま、脱脂米ぬか、魚粉、脱脂粉乳、乾燥ホエー、油脂、アルファルファミール、北洋ミール、大豆油脂、粉末精製牛脂、小麦粉、なたね油脂、肉骨粉(フェザーミール)、動物性油脂、リン酸カルシウム、コーングルテンミール、糖蜜、コーンジャームミール、炭酸カルシウム、リン酸三カルシウム、塩化ナトリウム、塩化コリン、ビタミン類(ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンD、ビタミンE、パントテン酸カルシウム、ニコチン酸アミド、葉酸等)、アミノ酸類(リジン、メチオニン等)、微量無機塩類(硫酸マグネシウム、硫酸鉄、硫酸銅、硫酸亜鉛、ヨウ化カリウム、硫酸コバルト等)、生菌剤などを適宜混合して調製したものが挙げられる。
【0016】
アルドン酸類は、対象とするヒトまたは動物の種類および体重などにもよるが、医薬品、食品または飼料に添加して用いる場合には、一般に0.01〜10.0g/kg、好ましくは0.1〜5.0g/kgの割合で用いられる。
この発明は、さらに前記の組成物または該組成物を含む医薬品、食品もしくは飼料をヒトまたは動物に与えることからなる高アンモニア血症および/または肝機能低下の予防または治療方法を提供する。
【0017】
この方法が適用される動物は通常の家畜や愛玩動物であり、牛、豚、馬、羊、山羊、犬、猫のような哺乳動物および家禽のような鳥類などが挙げられる。
この発明の組成物または該組成物を含む医薬品、食品または飼料は、これらの動物に通常の方法で与えることができ、アルドン酸類を一般に0.1〜10.0g/kg/日、好ましくは0.5〜10.0g/kg/日の割合で用いて、血中のアンモニアの吸収を抑制することができる。
【0018】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例:
ラット(SD系、6週齢、雄)を用いて、グルコン酸ナトリウムの投与による門脈血中のアンモニア濃度の変化および大腸内容物のpHの変化を試験した。
ラットを飼育用固形飼料CRF−1(チャールスリバー製)で2週間馴化した後、グルコン酸ナトリウム(藤沢薬品工業株式会社製、GNA)投与群(0.75、1.5および3g/kg)、ラクチトール(和光純薬工業株式会社製)投与群(0.75、1.5および3g/kg)および水投与群の各6匹からなる7群に分け、各群に前記飼料を朝夕各1時間、制限給餌するとともに、グルコン酸ナトリウムまたはラクチトールならびに水を朝1回の強制経口投与で3日間連続して与えた。
【0019】
最終投与から6時間後にラットを解剖し、門脈血を採取した。門脈血中のアンモニア濃度は除タンパク後にアンモニアテストワコー(和光純薬工業株式会社製)を用いて測定し、大腸内容物のpHは蒸留水で10倍に希釈して測定した。
試験の結果を図1および2に示す。
【0020】
図1に示すように、グルコン酸ナトリウム投与群の門脈血中のアンモニア濃度は全投与量についてラクチトール投与群より低く、特に1.5g/kg投与量では有意な低下が見られた。
また、全群ともに下痢症は認められず、糞塊を形成していた。図2に示すように、大腸内容物のpHは、グルコン酸ナトリウム投与群で水投与群との差異が小さく、ラクチトール投与群では有意なpH低下が認められた。
【0021】
【発明の効果】
本発明によれば、アルドン酸、その非毒性塩および/または分子内エステル化合物の少なくとも1つを有効成分として含有するアンモニア吸収阻害組成物、該組成物を含む医薬品、食品または飼料、ならびに、これらをヒトまたは動物に与えることからなる高アンモニア血症および/または肝機能低下の予防または治療方法が提供される。
本発明におけるアンモニア吸収阻害組成物は、腸内のpHを低下させることなく血中のアンモニアの吸収を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】門脈血中のアンモニア濃度の変化を示す。
【図2】大腸内容物のpHの変化を示す。
Claims (7)
- アルドン酸、その非毒性塩および/または分子内エステル化合物の少なくとも1つを有効成分として含有することを特徴とするアンモニア吸収阻害組成物。
- アルドン酸がグルコン酸である請求項1に記載のアンモニア吸収阻害組成物。
- アルドン酸の非毒性塩および分子内エステル化合物が、グルコン酸ナトリウム、グルコン酸カルシウム、グルコノデルタラクトンまたはグルコノガンマラクトンである請求項1または2に記載のアンモニア吸収阻害組成物。
- 請求項1〜3のいずれか1つに記載のアンモニア吸収阻害組成物を含む医薬品、食品または飼料。
- 請求項1〜3のいずれか1つに記載の組成物、または請求項4に記載の医薬品、食品または飼料をヒトまたは動物に与えることからなる高アンモニア血症の予防または治療方法。
- 請求項1〜3のいずれか1つに記載の組成物、または請求項4に記載の医薬品、食品または飼料をヒトまたは動物に与えることからなる肝機能低下の予防または治療方法。
- アルドン酸、その非毒性塩および/または分子内エステル化合物の少なくとも1つを1日当たり0.1〜10.0g/kg摂取することからなる請求項5または6に記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003086235A JP2004292349A (ja) | 2003-03-26 | 2003-03-26 | アルドン酸を含有するアンモニア吸収阻害組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003086235A JP2004292349A (ja) | 2003-03-26 | 2003-03-26 | アルドン酸を含有するアンモニア吸収阻害組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004292349A true JP2004292349A (ja) | 2004-10-21 |
Family
ID=33400949
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003086235A Pending JP2004292349A (ja) | 2003-03-26 | 2003-03-26 | アルドン酸を含有するアンモニア吸収阻害組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004292349A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009123029A1 (ja) * | 2008-03-31 | 2009-10-08 | 株式会社 大塚製薬工場 | 血中アンモニア調整剤 |
JP2015027996A (ja) * | 2013-07-05 | 2015-02-12 | 花王株式会社 | 経口紫外線抵抗性向上剤 |
JP2021100421A (ja) * | 2016-04-18 | 2021-07-08 | ポッカサッポロフード&ビバレッジ株式会社 | 肝機能改善用組成物及び肝機能改善用食品組成物 |
-
2003
- 2003-03-26 JP JP2003086235A patent/JP2004292349A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009123029A1 (ja) * | 2008-03-31 | 2009-10-08 | 株式会社 大塚製薬工場 | 血中アンモニア調整剤 |
JP2015027996A (ja) * | 2013-07-05 | 2015-02-12 | 花王株式会社 | 経口紫外線抵抗性向上剤 |
JP2021100421A (ja) * | 2016-04-18 | 2021-07-08 | ポッカサッポロフード&ビバレッジ株式会社 | 肝機能改善用組成物及び肝機能改善用食品組成物 |
JP7090849B2 (ja) | 2016-04-18 | 2022-06-27 | ポッカサッポロフード&ビバレッジ株式会社 | 肝機能改善用組成物及び肝機能改善用食品組成物 |
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