JP2004291303A - 防眩性反射防止フィルムの製造方法及び装置並びに防眩性反射防止フィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】透明支持体20上にUV又は熱で硬化するアンダーコート層25を塗布し、その上に反射防止層24を塗布して反射防止フィルム30を形成し、エンボスローラ34とバックアップローラ36とで反射防止フィルム30をニップしてエンボスローラ34の凸凹形状を反射防止層24に転写した後、アンダーコート層24を硬化する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、防眩性反射防止フィルムの製造方法及び装置並びに防眩性反射防止フィルムに係り、特に液晶表示装置等の画像表示装置に用いられる防眩性反射防止フィルムの製造方法及び装置並びに防眩性反射防止フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
反射防止フィルムは、液晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)や陰極管表示装置(CRT)のような様々な画像表示装置に設けられている。反射防止フィルムとしては、金属酸化物の透明薄膜を積層させた多層膜が従来から普通に用いられている。複数の透明薄膜を用いるのは、様々な波長の光の反射を防止するためである。金属酸化物の透明薄膜は、化学蒸着(CVD)法や物理蒸着(PVD)法、特に物理蒸着法の一種である真空蒸着法により形成されている。金属酸化物の透明薄膜は、反射防止膜として優れた光学的性質を有しているが、蒸着による形成方法は、生産性が低く大量生産に適していない。PVD法による反射防止膜は、用途に応じて表面凹凸による防眩性を有する支持体上に形成される場合がある。平滑な支持体上に形成されたものより平行光線透過率は減少するが、背景の映り込みが表面凹凸によって散乱されて低下するため防眩性を発現し、反射防止効果とあいまって、画像形成装置に適用するとその表示品位は著しく改善される。
【0003】
蒸着法に代えて、無機微粒子の塗布により反射防止フィルムを形成する方法が提案されている。特許文献1は、微細空孔と微粒子状無機物とを有する反射防止層を開示している。反射防止層は、塗布により形成される。微細空孔は、層の塗布後に活性化ガス処理を行ない、ガスが層から離脱することによって形成される。特許文献2は、支持体、高屈折率層および低屈折率層の順に積層した反射防止フィルムを開示している。同公報は、支持体と高屈折率層の間に中屈折率層を設けた反射防止フィルムも開示している。低屈折率層は、ポリマーまたは無機微粒子の塗布により形成されている。
【0004】
上述したような塗布による反射防止フィルムに防眩性を付与する手段として、表面凹凸を有する支持体上に反射防止層を塗布する方法や、表面凹凸を形成するためのマット粒子を反射防止層を形成する塗布液に添加する方法等が検討されてきた。しかし、前者の方法では、反射防止層の塗布液が凸の部分から凹の部分へ流動することにより面内での膜厚ムラが生じ、平滑面への塗布膜と比較して著しく反射防止性能が悪化してしまう問題がある。また、後者の方法では、十分な防眩性を発現するために必要な1ミクロン前後からそれ以上の粒径を有するマット粒子を0.1から0.3ミクロン程度の膜厚の薄膜中に埋め込むことになるため、マット粒子の粉落ちの問題が生じる。
【0005】
この対策として、本願の出願人は、特許文献3及び特許文献4において、従来のように、透明支持体を凸凹にしたり、マット粒子を反射防止層を形成する塗布液に添加したりして反射防止層の表面に凸凹を付与するのではなく、反射防止層が設けられた反射防止フィルムを金属製のエンボスローラと金属製のバックアップローラによりプレスする方法を提案した。
【0006】
【特許文献1】
特公昭60−59250号公報
【0007】
【特許文献2】
特開昭59−50401号公報
【0008】
【特許文献3】
特開2000−275404号公報
【0009】
【特許文献4】
特開2000−329905号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、反射防止フィルムをエンボスローラとバックアップローラとでプレスする方法は、反射防止フィルムにプレス圧力を付与する過程において、反射防止層の表面に凸凹を付けるためのエンボスローラの凸部が、反射防止フィルムを貫通し、反射防止フィルムに孔が開いてしまうという問題がある。この対策として、プレス圧力を調整することである程度は改善されるが、完全に孔開きを解決することができない。また、孔開きを確実になくすまでプレス圧力を小さくすると、転写精度が極端に悪くなる。
【0011】
また、防眩性反射防止フィルムは、液晶表示装置などの表面に貼られて、その視認性を向上させる目的で使用されることから、高温下、高湿下の経年使用においても、その性能が変わらないことが要求される。しかし、エンボス加工により反射防止フィルムに形成された凸凹形状は、透明支持体に残留した変形歪みにより、経年とともに変化して防眩性が失われてしまうという問題がある。
【0012】
本発明はかかる事情に鑑みて成されたもので、エンボス加工により反射防止フィルムの反射防止層の表面に凸凹を付与するにあたって、反射防止フィルムに孔開きが生じることがなく、且つ高温下、高湿下の経年使用においても、その性能が変化することがない防眩性反射防止フィルムの製造方法及び装置並びに防眩性反射防止フィルムを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決する為の手段】
本発明は、前記目的を達成する為に、透明支持体上にUV又は熱によって硬化するアンダーコート層を設けると共に、該アンダーコート層の上に少なくとも一層の反射防止層とを設けて反射防止フィルムを形成した後、転写面に多数の凸凹を有するエンボス部材と支持部材とで反射防止フィルムをニップして前記反射防止層の表面に前記エンボス部材の凸凹形状を転写する防眩性反射防止フィルムの製造方法であって、前記転写中又は転写後に前記アンダーコート層を硬化することを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、前記目的を達成する為に、透明支持体上にUV又は熱によって硬化するアンダーコート層を設けると共に、該アンダーコート層の上に少なくとも一層の反射防止層とを設けて反射防止フィルムを形成する反射防止フィルム形成装置と、前記反射防止フィルムを、エンボス部材と支持部材とでニップして前記反射防止層の表面に前記エンボス部材の凸凹形状を転写する転写装置と、を備えた防眩性反射防止フィルムの製造装置であって、前記アンダーコート層を硬化する硬化手段を設けたことを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、前記目的を達成する為に、請求項2〜7の何れか1の防眩性反射防止フィルムの製造装置を用いて製造した防眩性反射防止フィルムであることを特徴とする。
【0016】
本発明によれば、エンボス部材と支持部材とによるエンボス加工により反射防止フィルムの反射防止層の表面に凸凹を付与するときに、支持部材の縦弾性率又は硬度がエンボス部材の縦弾性率又は硬度よりも小さくなるようにしたので、エンボス部材と支持部材で反射防止フィルムをニップしたときに、エンボス部材の凸部が反射防止フィルムを介して支持部材を押圧する圧力を支持部材によって分散することができる。この圧力分散により、エンボス部材の凸部が反射防止フィルムを貫通して反射防止フィルムに孔を開けてしまうことがない。また、反射防止フィルムを、透明支持体上にUV又は熱によって硬化するアンダーコート層を設けると共に、該アンダーコート層の上に少なくとも一層の反射防止層とを設けた構成とし、転写中又は転写後にアンダーコート層を硬化するようにしたので、エンボス加工によって形成された凸凹形状が経年使用によって変化することを抑制できる。これにより、高温下、高湿下の径年使用においても、その性能が変化することがない防眩性反射防止フィルムを製造することができる。
【0017】
尚、支持部材を、上記した縦弾性率と硬度の両方の条件を満足するように規定してもよい。
【0018】
本発明の態様としては、反射防止フィルムの反射防止層反対面側を支持する支持部材の縦弾性率が1×104 kgf/cm2 以上、2.1×106 kgf/cm2 以下になるようにした。また、支持部材の表層の鉛筆硬度が2B以上、7H以下になるようにした。このように、支持部材の縦弾性率の上限を2.1×106 kgf/cm2 、支持部材の表層の鉛筆硬度の上限を7Hにすることで、エンボス部材と支持部材で反射防止フィルムをニップしたときに、エンボス部材の凸部が反射防止フィルムを介して支持部材を押圧する圧力を支持部材で効率的に分散することができる。しかも、支持部材の縦弾性率の下限を1×104 kgf/cm2 、支持部材の表層の鉛筆硬度の下限を2Bにすることで、転写精度への悪影響もない。ここで使用するエンボス部材としては、転写面に多数の凸凹が形成された版型を使用し、版型に対向させて平板な支持部材を配置することもできるが、製造の完全連続化という観点からはロール面に凸凹形状が形成されたエンボスローラと、それに対向するバックアップローラとでなる一対のニップローラで構成することが好ましい。
【0019】
また、本発明の態様としては、エンボス部材と支持部材のうちの少なくともエンボス部材の表面温度を透明支持体のガラス転移温度以上に加熱手段で加熱した状態で反射防止フィルムにエンボス加工することが好ましい。これは、透明支持体をガラス転移温度以上にすることで、反射防止フィルムの耐衝撃性が良くなるので、反射防止フィルムの孔開き防止を一層向上させることができるからである。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下添付図面に従って本発明に係る防眩性反射防止フィルムの製造方法及び装置並びに防眩性反射防止フィルムの好ましい実施の形態について詳説する。
【0021】
図1は、本発明の防眩性反射防止フィルムの製造装置10の全体構成図であり、主として、送り出し装置12、反射防止フィルム形成装置14、転写装置16、硬化装置17、及び巻取装置18で構成される。
【0022】
反射防止フィルム形成装置14は、送り出し装置12から送り出された透明支持体20上に塗布装置22でUV(紫外線)又は熱によって硬化するアンダーコート層25を塗布すると共に、該アンダーコート層25の上に少なくとも一層の反射防止層24(図2、図3参照)を塗布し、その反射防止層24及びアンダーコート層25を乾燥装置26で乾燥する。これにより、反射防止フィルム30が形成される。この場合、反射防止層24としては、低屈性率層の1層構造のもの、透明支持体20と低屈折率層の間に高屈折率層を設けた2層構造のもの、透明支持体20と低屈折率層との間に中屈折率層と高屈折率層とを設けた3層構造のもの、更には、ハードコート層、変形層、防湿層、帯電防止層、下塗り層、保護層を設けた多層構造のものでもよい。また、アンダーコート層25は、塗布液に予めUV架橋剤又は熱硬化剤を添加したもので、塗布液の組成及び物性は、PEA,PEMA,PBMA,PMMA等を含んだMeOH(メタノール)、MIBK、アノン、アセトン、及びMEK等の有機溶媒液で粘度1〜10cPを好適に使用することができる。アンダーコート層の厚みは1〜100μmの範囲が好ましい。
【0023】
塗布装置22としては、図1に示したエクストルージョン法に限定されず、ディープコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラコート法、ロッドコート法、グラビアコート法等の既存の塗布装置を使用することができる。透明支持体20上にアンダーコート層25と反射防止層24を塗布形成する場合には、マルチマニホールドを有するエクストルージョンダイのように一台の塗布装置22で多層同時塗布してもよく、或いは1層を塗布する塗布ダイを複数並べて逐次塗布するようにしてもよい。尚、透明支持体20にアンダーコート層25や反射防止層24を設ける方法としては、塗布方法に限定されず、従来技術で述べた方法も使用することができる。
【0024】
乾燥装置26は、熱風による対流乾燥方式、赤外線等の輻射熱による輻射乾燥方式等の何れの乾燥方式でもよく、乾燥装置内の反射防止フィルム30の搬送方式としてはローラ搬送等の接触搬送方式、エアや気体で浮上させながら搬送する非接触方式の何れかでもよい。
【0025】
次に、反射防止フィルム形成装置14で形成された反射防止フィルム30は、転写装置16により反射防止層24の表面に凸凹形状が転写された後、硬化装置17でアンダーコート層25が硬化されてから巻取装置18に巻き取られる。これにより、防眩性を有する反射防止フィルム30である防眩性反射防止フィルム32が製造される。尚、図1では、送り出し装置12から巻取装置18までの連続工程で示したが、反射防止フィルム形成装置14で形成された反射防止フィルム30を一旦別の巻取装置(不図示)でロール状に巻き取って、その巻取装置から反射防止フィルム30を転写装置16に送り出してもよい。
【0026】
転写装置16は、図2に示すように、転写面であるローラ面に多数の凸凹を有するエンボスローラ34と、エンボスローラ34に対向配置されたバックアップローラ36とで構成される。エンボスローラ34及びバックアップローラ36のロール径は、100φ〜800φの範囲が好ましい。エンボスローラ34の回転軸35、35の両端は、それぞれの軸受38、38に回転自在に支持されると共に、回転軸35の一方側端部がモータ40に連結される。エンボスローラ34のそれぞれの軸受38、38は、エンボスローラ34の軸方向両側に立設された一対の支柱42、42から水平に張り出された支持台44、44に支持される。エンボスローラ34の下方に隣接してバックアップローラ36が平行に配置され、バックアップローラ36の回転軸37、37の両端は、それぞれの軸受46、46に回転自在に支持されると共に、回転軸37の一方側端部がモータ48に連結される。バックアップローラ36のそれぞれの軸受46、46は、前記一対の支柱42、42から水平に張り出された支持台50、50に支持されると共に、支持台50は支柱42に添設された垂直なレール52にリニアベアリング54を介してスライド自在に取り付けられている。更に、それぞれの支持台50、50の略中央部にナット部材56、56が一体的に設けられ、このナット部材56に正逆回転可能なモータ58に連結された送りネジ60が螺合される。これにより、モータ58を駆動して送りネジ60を回動させることにより、バックアップローラ36がエンボスローラ34に対して近接・離間して、エンボスローラ34とバックアップローラ36とのクリアランスや反射防止フィルム30をエンボスローラ34とバックアップローラ36とでニップしたときのプレス荷重が調整される。クリアランスの寸法やプレス荷重は、エンボス加工される反射防止フィルム30の厚みや、反射防止フィルム30に形成する凸凹形状、その他のエンボス加工条件に応じて適宜設定する。クリアランスを設定する際のクリアランスの実測は、マイクロメータ、レーザ測定器等を使用することができる。尚、本実施の形態では、バックアップローラ36にも駆動のモータ48を設けた例で説明したが、バックアップローラ36を従動ローラとしてもよい。
【0027】
図3に示すように、エンボス加工によって反射防止フィルム30に形成される凸凹は、表面の凸部30Aから隣接する凸部30Aまでの平均ピッチ(P)は10〜60μmの範囲であることが好ましく、15〜40μmの範囲が更に好ましい。凸部30Aの先端から凹部30Bの底までの平均深さ(D)は0.05〜2μmの範囲であることが好ましく、0.1〜1μmの範囲が更に好ましい。従って、図4(a)、(b)に示すエンボスローラ34のロール面に形成される凸凹のピッチ寸法(P)と深さ寸法(D)は、製品である防眩性反射防止フィルム32によって異なるが、転写精度からみた場合、ローラ面の凸部34Aから隣接する凸部34Aまでの平均ピッチ(P)は10〜30μmの範囲であることが好ましく、10〜15μmの範囲が更に好ましい。凸部34Aの先端から凹部34Bの底までの平均深さ(D)は0.3〜1.5μmの範囲であることが好ましく、0.5〜1μmの範囲が更に好ましい。また、転写後に透明支持体20の弾性により転写された凸凹の寸法が多少小さくなるので、使用するエンボスローラ34の凸凹のピッチ寸法(P)と深さ寸法(D)は、透明支持体20の材質に応じて反射防止フィルム30に転写する目標の平均ピッチ(P)や平均深さ(D)よりも0%〜100%大きいものを使用するとよい。この場合、反射防止層24のエンボス加工による凸凹の写りが反射防止層24の反対面にでることもあるが、エンボス加工された後の反射防止フィルム30の裏面が完全に平坦でなくてもよい。また、エンボスローラ34のロール面に形成される凸部34Aの形状は、回転楕円体の一部が好ましい。エンボスローラ34のローラ面に凸凹を形成する方法としては、フォトリソグラフィー、機械加工、放電加工、レーザ加工等、エンボスローラの材質や凸凹の形状に応じて公知の各種方法を採用できる。
【0028】
バックアップローラ36は、ローラの縦弾性率や硬度がエンボスローラ34の縦弾性率や硬度よりも小さいローラが使用される。即ち、バックアップローラ36の縦弾性率は1×104 kgf/cm2 以上、2.1×106 kgf/cm2 以下になるように規定し、より好ましくは1×104 kgf/cm2 以上、1.5×105 kgf/cm2 以下に規定する。硬度で規定する場合には、バックアップローラ36の表層の鉛筆硬度が2B以上、7H以下になるように規定し、より好ましくはH以上、5H以下になるように規定する。また、縦弾性率と鉛筆硬度の両方で規定してもよい。この縦弾性率や硬度の条件を満足するローラ材質のものであれば何でもよいが、プラスチック製のローラ、特に硬質処理を施したポリアミド樹脂(通称、MCナイロン)やポリアセタール樹脂を好適に使用することができる。
【0029】
このように、バックアップローラ36の縦弾性率や鉛筆硬度を、エンボスローラ34の縦弾性率や鉛筆硬度よりも小さくすることで、図5に示すように、エンボスローラ34とバックアップローラ36とで反射防止フィルム30をニップして反射防止層24の表面に凸凹を付与するときに、エンボスローラ34の凸部34Aが反射防止フィルム30を介してバックアップローラ36を押圧する圧力をバックアップローラ36によって分散することができる。この圧力分散により、エンボスローラ34の凸部34Aが反射防止フィルム30を貫通して反射防止フィルム30に孔を開けてしまうことを防止できる。また、バックアップローラ36の縦弾性率や硬度を小さくし過ぎると転写精度が悪くなるが、縦弾性率の下限を1×104 kgf/cm2 に、バックアップローラ36の表層の鉛筆硬度の下限を2Bに規定することで、転写精度への悪影響もない。この転写操作における他の条件としては、エンボスローラ34とバックアップローラ36とで反射防止フィルム30をニップするプレス圧(線圧)は、100kgf/cm〜3000kgf/cmがよく、より好ましくは500kgf/cm〜1500kgf/cmである。従って、このプレス圧が得られるように、反射防止フィルム30の厚みに応じて、エンボスローラ34とバックアップローラ36とのクリアランスやプレス荷重を調整するとよい。この場合、ロードセル等の荷重測定器39を設けてプレス荷重を測定し、プレス荷重と反射防止フィルム30の孔開きや転写精度との関係を把握し、それに基づいてクリアランスやプレス荷重を調整するとよい。転写処理速度は、0.1m/分〜50m/分の範囲がよく、より好ましくは 1m/分〜20m/分の範囲である。
【0030】
また、エンボスローラ34とバックアップローラ36のローラ表面温度を使用する透明支持体20のガラス転移温度以上に加熱した状態で反射防止フィルム30にエンボス加工することが好ましい。このような温度条件を得るための加熱手段としては、特に図示しないが、例えば、エンボスローラ34とバックアップローラ36のローラ内にそれぞれ通水パイプを内蔵し、この通水パイプをそれぞれロータリージョイントを介して熱媒体供給装置に連結させることで構成できる。そして、温水等の熱媒体をローラとの間で循環させることにより、エンボスローラ34とバックアップローラ36のローラ面温度を透明支持体20のガラス転移温度以上に加温する。エンボスローラ34やバックアップローラ36のローラ表面温度の上限としては、使用する透明支持体20のガラス転移温度+50°Cが好ましい。尚、加熱手段としては、媒体循環方式に限定されるものではなく、誘導加熱や他の加熱方法を使用することができる。
【0031】
硬化装置17は、アンダーコート層25に添加される硬化剤がUV架橋剤か熱硬化剤かによって、UV照射装置又は熱処理装置が使用されるが、本実施の形態では、UV照射装置の例で説明する。
【0032】
図5のUV照射装置17は、転写装置16からみて反射防止フィルム30の搬送方向下流位置に、反射防止フィルム30側のみが開放されたケーシング80内に設けられ、転写装置16で反射防止層24に凸凹形状が転写後の反射防止フィルム30に紫外線が照射される。これにより、照射される紫外線がUV照射装置17外に漏れにくくする。硬化図5ではUV照射装置17を反射防止層24側に位置させたが、反射防止フィルム30を挟んで反射防止層の反対側にもう一台UV照射装置17を設けてもよい。紫外線の波長としては、300〜400nmの範囲が好ましく、400nmに近い方がより好ましい。紫外線の照射量としては、5〜20mJの範囲がよく10〜15mJが更に好ましい。また、転写後すみやかに紫外線を照射することが好ましいが10秒以内であることが好ましい。
【0033】
図6のUV照射装置17は、転写装置16を囲むように設けられたケーシング82の内側壁に設けられ、ケーシング82内を紫外線で照らすようにする。これにより、転写装置16で反射防止層24に凸凹形状を転写中の反射防止フィルム30に紫外線が照射される。また、エンボスローラ34の材質が紫外線を通すものであれば、エンボスローラ34のローラ内にUV照射装置17を内蔵させた構造のものも使用することができる。
【0034】
尚、本実施の形態では、転写装置16として、エンボスローラ34とバックアップローラ36とに帯状の反射防止フィルム30を連続的に流してエンボス加工する連続方式で説明したが、単葉状の反射防止フィルム30を一枚ずつエンボスローラ34とバックアップローラ36にニップさせるバッチ方式でもよい。このバッチ方式の場合には、エンボスローラ34とバックアップローラ36に代えて、図6に示すような転写面に多数の凸凹が形成された版型70を使用し、版型70に対向させて、上述したバックアップローラ36と同じ縦弾性率や硬度を有する平板な支持部材72を支持台74に配置し、版型70と支持部材72で単葉状の反射防止フィルム30をプレスする構成も使用できる。
【0035】
次に本発明における透明支持体20や反射防止層24の好ましい態様について説明する。
【0036】
本発明において使用する透明支持体20としては、50μmから100μm程度の厚みのプラスチックフイルムを用いることが好ましい。プラスチックフイルムの材料の例には、セルロースエステル(例、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、プロピオニルセルロース、ブチリルセルロース、アセチルプロピオニルセルロース、ニトロセルロース)、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステル(例、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−1,2−ジフェノキシエタン−4,4’−ジカルボキシレート、ポリブチレンテレフタレート)、ポリスチレン(例、シンジオタクチックポリスチレン)、ポリオレフィン(例、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルペンテン)、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリメチルメタクリレートおよびポリエーテルケトンが含まれる。トリアセチルセルロース、ポリカーボネート及びポリエチレンテレフタレートが好ましい。透明支持体20の光透過率は、80%以上であることが好ましく、86%以上であることがさらに好ましい。透明支持体20のヘイズは、2.0%以下であることが好ましく、1.0%以下であることがさらに好ましい。透明支持体20の屈折率は、1.4乃至1.7であることが好ましい。
【0037】
反射防止層24における低屈折率層の屈折率は、1.20乃至1.55であることが好ましく、1.30乃至1.55であることがさらに好ましい。高屈折率層の屈折率は、1.65乃至2.40であることが好ましく、1.70乃至2.20であることがさらに好ましい。中屈折率層の屈折率は、低屈折率層と高屈折率層との間の値になるように調整する。中屈折率層の屈折率は、1.55乃至1.80であることが好ましい。
【0038】
低屈折率層は、無機微粒子と有機ポリマーからなる多孔質層や含フッ素ポリマーからなる層が好ましく用いられる。低屈折率層の層厚みとしては50〜400nmがよく、50〜200nmが更に好ましい。無機微粒子と有機ポリマーからなる多孔質層を用いる場合は、無機微粒子の表面を修飾し、有機ポリマーとの密着性を改善すること、有機ポリマーに熱または電離放射線により架橋可能なモノマー、ポリマーまたはそれらの混合物を用いることで、膜強度に優れた低屈折率層を得ることができる。含フッ素ポリマーを用いる場合は、低屈折率という観点からフッ素含有率が高いもの、あるいは自由体積が大きいものが好ましく、密着性の観点から架橋性を有するものが好ましい。架橋の様式は、熱硬化型、電離放射線硬化型のものが市販品として入手できる。
【0039】
また、低屈折率層と透明支持体20との間に高屈折率層を設けてもよく、高屈折率層と透明支持体20との間に中屈折率層を設けてもよい。高屈折率層の屈折率は、1.65乃至2.40であることが好ましく、1.70乃至2.20であることがさらに好ましい。中屈折率層の屈折率は、低屈折率層の屈折率と高屈折率層の屈折率との間の値となるように調整する、中屈折率層の屈折率は、1.55乃至1.80であることが好ましい。中屈折率層および高屈折率層は、比較的屈折率が高いポリマーを用いて形成することが好ましい。屈折率が高いポリマーの例には、ポリスチレン、スチレン共重合体、ポリカーボネート、メラミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂および環状(脂環式または芳香族)イソシアネートとポリオールとの反応で得られるポリウレタンが含まれる。その他の環状(芳香族、複素環式、脂環式)基を有するポリマーや、フッ素以外のハロゲン原子を置換基として有するポリマーも、屈折率が高い。二重結合を導入してラジカル硬化を可能にしたモノマーの重合反応によりポリマーを形成してもよい。
【0040】
反射防止膜には、さらに、ハードコート層、変形層、防湿層、帯電防止層、下塗り層や保護層を設けてもよい。ハードコート層は、透明支持体に耐傷性を付与するために設ける。ハードコート層は、透明支持体とその上の層との接着を強化する機能も有する。ハードコート層は、アクリル系ポリマー、ウレタン系ポリマー、エポキシ系ポリマーやシリカ系化合物を用いて形成することができる。顔料をハードコート層に添加してもよい。ハードコートに用いる素材としては、飽和炭化水素またはポリエーテルを主鎖として有するポリマーが好ましく、飽和炭化水素を主鎖として有するポリマーであることがさらに好ましく、架橋構造を有していることが好ましい。飽和炭化水素を主鎖として有するポリマーは、エチレン性不飽和モノマーの重合反応により得ることが好ましい。架橋しているポリマーを得るためには、二以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーを用いることが好ましい。二以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーの例には、多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル(例、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ジクロヘキサンジアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート)、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,2,3−シクロヘキサンテトラメタクリレート、ポリウレタンポリアクリレート、ポリエステルポリアクリレート)、ビニルベンゼンおよびその誘導体(例、1,4−ジビニルベンゼン、4−ビニル安息香酸−2−アクリロイルエチルエステル、1,4−ジビニルシクロヘキサノン)、ビニルスルホン(例、ジビニルスルホン)、アクリルアミド(例、メチレンビスアクリルアミド)およびメタクリルアミドが含まれる。
【0041】
二以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーの代わりまたはそれに加えて、架橋性基の反応により、架橋構造を導入してもよい。架橋性官能基の例には、イソシアナート基、エポキシ基、アジリジン基、オキサゾリン基、アルデヒド基、カルボニル基、ヒドラジンアノアクリレート誘導体、メラミン、エーテル化メチロール、エステルおよびウレタンも、架橋構造を導入するためのモノマーとして利用できる。ブロックイソシアナート基のように、分解反応の結果として架橋性を示す官能基を用いてもよい。また、本発明において架橋基とは、上記化合物に限らず上記官能基が分解した結果反応性を示すものであってもよい。ハードコート層は、溶剤中にモノマーおよび重合開始剤を溶解し、塗布後に重合反応(必要ならばさらに架橋反応)により形成することが好ましい。重合開始剤については、ベンゾフェノン系等の水素引き抜き型、アセトフェノン系、トリアジン系等のラジカル開列型を単独あるいは併用してモノマーと共に塗布液に添加するのが好ましい。ハードコート層の塗布液に、少量のポリマー(例:ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース、ニトロセルロース、ポリエステル、アルキド樹脂)を添加してもよい。
【0042】
低屈折率層の上に、保護層を設けてもよい。保護層は、滑り層または汚れ防止層として機能する。滑り層に用いる滑り剤の例には、ポリオルガノシロキサン(例、ポリジメチルシロキサン、ポリジエチルシロキサン、ポリジフェニルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン、アルキル変性ポリジメチルシロキサン)、天然ワックス(例、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ホホバ油、ライスワックス、木ろう、蜜ろう、ラノリン、鯨ろう、モンタンワックス)、石油ワックス(例、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス)、合成ワックス(例、ポリエチレンワックス、フィッシャー・トロプシュワックス)、高級脂肪酸アミド(例、ステアラミド、オレインアミド、N,N’−メチレンビスステアラミド)、高級脂肪酸エステル(例、ステアリン酸メチル、ステアリン酸ブチル、グリセリンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート)、高級脂肪酸金属塩(例、ステアリン酸亜鉛)およびフッ素含有ポリマー(例、パーフルオロ主鎖型パーフルオロポリエーテル、パーフルオロ側鎖型パーフルオロポリエーテル、アルコール変性パーフルオロポリエーテル、イソシアネート変性パーフルオロポリエーテル)が含まれる。汚れ防止層には、含フッ素疎水性化合物(例、含フッ素ポリマー、含フッ素界面活性剤、含フッ素オイル)を添加する。保護層の厚さは、反射防止機能に影響しないようにするため、20nm以下であることが好ましい。
【0043】
更に本発明においては、透明支持体とハードコート層の間に変形層を設けても良い。ハードコート層はほとんど塑性変形を起こさないため、凹凸形成は透明支持体の塑性変形によりなされるが、透明支持体よりも変形しやすい(メタ)アクリル酸エステルからなるポリマー層を透明支持体とハードコート層の間に設けることにより、外部からの圧力による塑性変形をより大きくし、結果として表面凹凸を形成しやすくなる。この変形は圧力だけでなく熱を併用することができる。(メタ)アクリル酸エステルのガラス転移点温度よりも高い温度で行うことにより、さらに塑性変形を促進することができる。また、この(メタ)アクリル酸エステルのエステル部の構造を変えることにより、ポリマーのガラス転移点温度を任意に設定することができるが、ガラス転移点温度は常温と透明支持体のガラス転移点温度として一般的な140乃至200℃の間にあることが好ましく、具体的には80乃至110℃が好ましい。これは、常温においてはガラス転移点より小さいために反射防止フィルム30のハードコート性を損なうことがなく、凹凸形成時には透明支持体の光学、力学物性を変化させることなく、変形層の塑性変形のみを促進することができるからである。
【0044】
(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、グリシジル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等のホモポリマーまたはコポリマーが挙げることができる。また、塗布性や透明支持体との密着性、ガラス転移点温度調整のために界面活性剤のような低分子化合物や他のポリマーを併用してもよい。このポリマーの例としてはゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリアルギン酸(塩)のような水溶性ポリマーの他、セルロースエステル(例、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、プロピオニルセルロース、ブチリルセルロース、アセチルプロピオニルセルロース、ニトロセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース)、ポリスチレンおよびポリエーテルケトンおよびこれらの共重合体が挙げられる。こうして形成された変形層のガラス転移点温度は60乃至130℃が好ましく、80乃至110℃がより好ましい。
【0045】
【実施例】
実施例は、80μmのトリアセチルセルロースフィルムに、乾膜厚みで20μmのアンダーコート層、及び100nmの反射防止層を多層同時塗布形成した後、120°Cで乾燥して反射防止フィルムを形成した。この反射防止フィルムを、100φの金属製のエンボスローラと、100φのMCナイロン製のバックアップローラとでニップすることによりエンボスローラのロール面に形成した凸凹形状を反射防止フィルムに転写し、転写後10秒以内にUV照射装置で400nmの紫外線を10mJ照射した。エンボスローラの凸凹のピッチ寸法(P)を15μm、深さ寸法(D)を0.8μmとした。この転写操作における転写処理速度は1m/分、エンボスローラのロール表面温度150°Cとした。エンボスローラとバックアップローラのクリアランスは、0.1mmとし、プレス圧(線圧)を1000kgf/cmとした。
【0046】
比較例としては、アンダーコート層を設けずにエンボス加工のみを行った。
【0047】
そして、実施例と比較例において、反射防止フィルムに転写された凸凹形状の経年変化を比較した。
【0048】
その結果、実施例のアンダーコート層を設けた場合には、エンボスローラの凸凹のピッチ寸法(P)15μm、深さ寸法(D)0.8μmが、そのまま転写されると共に、反射防止フィルムに転写された凸凹形状は経年による変化が抑制され、転写時と略同様の防眩性が得られた。
【0049】
これに対し、比較例のアンダーコート層を設けない場合には、エンボスローラによる転写時にトリアセチルセルロースフィルム(透明支持体)の弾性戻りにより、反射防止フィルムに転写された凸凹形状のうち特に深さ方向の転写が浅くなる傾向が見られた。また、トリアセチルセルロースフィルムに残留した変形歪みにより経年とともに凸凹形状が変化して防眩性が次第に失われた。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の防眩性反射防止フィルムの製造方法及び装置並びに反射防止フィルムによれば、エンボス加工により反射防止フィルムの反射防止層の表面に凸凹を付与するにあたって、反射防止フィルムに孔開きが生じることがなく、且つ高温下、高湿下の経年使用においても、その性能が変化することがない防眩性反射防止フィルムを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の防眩性反射防止フィルムの製造装置の全体構成図
【図2】本発明の防眩性反射防止フィルムの製造装置における転写装置であってエンボスローラとバックアップローラとで構成した斜視図
【図3】転写装置で反射防止フィルムに転写された凸凹形状を説明する説明図
【図4】転写装置におけるエンボスローラのローラ面に形成した凸凹形状を説明する説明図
【図5】UV照射装置を説明する説明図
【図6】UV照射装置の別の態様を説明する説明図
【図7】転写装置の別の態様であって版型と支持部材とで構成した模式図
【符号の説明】
10…防眩性反射防止フィルムの製造装置、12…送り出し装置、14…反射防止フィルム形成装置、16…転写装置、17…硬化装置(UV照射装置)、18…巻取装置、20…透明支持体、22…塗布装置、24…反射防止層、25…アンダーコート層、26…乾燥装置、28…硬化装置、30…反射防止フィルム、32…防眩性反射防止フィルム、34…エンボスローラ、36…バックアップローラ
Claims (8)
- 透明支持体上にUV又は熱によって硬化するアンダーコート層を設けると共に、該アンダーコート層の上に少なくとも一層の反射防止層とを設けて反射防止フィルムを形成した後、転写面に多数の凸凹を有するエンボス部材と支持部材とで反射防止フィルムをニップして前記反射防止層の表面に前記エンボス部材の凸凹形状を転写する防眩性反射防止フィルムの製造方法であって、
前記転写中又は転写後に前記アンダーコート層を硬化することを特徴とする防眩性反射防止フィルムの製造方法。 - 透明支持体上にUV又は熱によって硬化するアンダーコート層を設けると共に、該アンダーコート層の上に少なくとも一層の反射防止層とを設けて反射防止フィルムを形成する反射防止フィルム形成装置と、前記反射防止フィルムを、エンボス部材と支持部材とでニップして前記反射防止層の表面に前記エンボス部材の凸凹形状を転写する転写装置と、を備えた防眩性反射防止フィルムの製造装置であって、
前記アンダーコート層を硬化する硬化手段を設けたことを特徴とする防眩性反射防止フィルムの製造装置。 - 前記支持部材の縦弾性率は1×104 kgf/cm2 以上、2.1×106 kgf/cm2 以下であることを特徴とする請求項2の防眩性反射防止フィルムの製造装置。
- 前記支持部材の表層の鉛筆硬度は2B以上、7H以下であることを特徴とする請求項2の防眩性反射防止フィルムの製造装置。
- 前記エンボス部材と前記支持部材のうちの少なくともエンボス部材の表面温度を前記透明支持体のガラス転移温度以上に加熱する加熱手段を設けたことを特徴とする請求項2〜4の少なくとも1の防眩性反射防止フィルムの製造装置。
- 前記エンボス部材はエンボスローラであると共に、前記支持部材はバックアップローラであることを特徴とする請求項2〜5の何れか1の防眩性反射防止フィルムの製造装置。
- 前記透明支持体上にUV又は熱によって硬化するアンダーコート層を設けると共に、該アンダーコート層の上に少なくとも一層の反射防止層とを設け装置は塗布装置であることを特徴とする請求項2〜6の少なくとも1の防眩性反射防止フィルムの製造装置。
- 請求項2〜7の何れか1の防眩性反射防止フィルムの製造装置を用いて製造したことを特徴とする防眩性反射防止フィルム。
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