JP2004290971A - 反応方法および反応装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】大量に反応生成物を得ることができる新たな反応方法およびその反応装置を提供すること。
【解決手段】薄膜状の第一反応試剤相と薄膜状の第二反応試剤相とを連続的に接触、反応させる薄膜状反応流路を有する反応装置であって、前記反応流路に第一反応試剤と第二反応試剤を導入するための導入路が設けられ、前記導入路には、前記導入路を流れ方向に二分するとともに、その流れ方向の延長線が前記反応流路を流れ方向に二分する整流板が設けられており、前記整流板で区切られた導入路の一方に第一反応試剤をその流動挙動が層流となるよう導入する第一導入手段と、前記導入路の他方に第二反応試剤をその流動挙動が層流となるよう導入する第二導入手段と、反応生成物を取出す取出口とを備えてなることを特徴とする反応装置。
【選択図】図13

Description

本発明は、反応方法および反応装置に関する。
微小場における反応技術を基盤とする反応装置(以下、マイクロリアクタと称する)が、近年開発されてきている。かかるマイクロリアクタは、その幅が、通常50〜500μm程度の微細な溝(チャネル)を、例えばガラス、金属、シリコン、高分子等の基材の上に微細加工したものが一般的であった(例えば非特許文献1参照)。しかしながら、かかる微細な溝を有するマイクロリアクタを用いて反応を行う方法では、反応が起こる界面が溝の幅で規定されるため、反応界面面積を増やし、大量に反応生成物を得るためには、基材上に形成する溝の数を増やす方法しかなく、煩雑で、精密な設備を要する微細加工作業が必要であった。
W.Ehrfeld,V.Hessel,H.Loewe著,「Microreactors」,第1版,WILEY−VCH社,2000年発行
このような状況のもと、本発明者は、大量に反応生成物を得ることができる新たな反応方法およびその反応装置を提供すべく鋭意検討したところ、反応流路の上流側に、反応試剤を反応流路内へ導入するための導入路を設け、前記導入路に、前記導入路を流れ方向に二分し、且つ、その流れ方向の延長線が反応流路を流れ方向に二分する整流板を設けることにより、反応流路内に薄膜状の二つの反応試剤相を容易に形成が可能で、しかも反応界面の乱れも少なく、前記反応試剤を連続的に接触、反応させることができ、大量に反応生成物が得られることを見出すとともに、その反応装置を開発し、本発明に至った。
すなわち本発明は、薄膜状反応流路内に、第一反応試剤と第二反応試剤とを導入路を通じて連続的に導入し、薄膜状の第一反応試剤相および第二反応試剤相を前記反応流路内に形成させ、両反応試剤相を連続的に接触、反応させる方法であって、前記導入路には、前記導入路を流れ方向に二分するとともに、その流れ方向の延長線が前記反応流路を流れ方向に二分する整流板が設けられており、前記整流板で区切られた導入路の一方に第一反応試剤を、前記導入路の他方に第二反応試剤を、それぞれその流動挙動が層流となるよう導入することを特徴とする反応方法および薄膜状の第一反応試剤相と薄膜状の第二反応試剤相とを連続的に接触、反応させる薄膜状反応流路を有する反応装置であって、前記反応流路に第一反応試剤と第二反応試剤を導入するための導入路が設けられ、前記導入路には、前記導入路を流れ方向に二分するとともに、その流れ方向の延長線が前記反応流路を流れ方向に二分する整流板が設けられており、前記整流板で区切られた導入路の一方に第一反応試剤をその流動挙動が層流となるよう導入する第一導入手段と、前記導入路の他方に第二反応試剤をその流動挙動が層流となるよう導入する第二導入手段と、反応生成物を取出す取出口とを備えてなることを特徴とする反応装置を提供するものである。
本発明によれば、従来のマイクロリアクタよりも反応の界面面積を広くすることが可能であり、反応生成物を大量に得ることができる。しかも反応収率も良好で、反応時間が短い領域での収率向上の効果が大きく、工業的な観点からも有利である。
以下、本発明を、図面に基づいて詳細に説明する。本発明の反応方法は、薄膜状反応流路内に、第一反応試剤と第二反応試剤(以下、これらをあわせて反応試剤と略記することもある)とを導入路を通じて連続的に導入し、薄膜状の第一反応試剤相および第二反応試剤相を前記反応流路内に形成させ、両反応試剤相を連続的に接触、反応させる方法であって、前記導入路には、前記導入路を流れ方向に二分するとともに、その流れ方向の延長線が前記反応流路を流れ方向に二分する整流板が設けられており、前記整流板で区切られた導入路の一方に第一反応試剤を、前記導入路の他方に第二反応試剤を、それぞれその流動挙動が層流となるよう導入することを特徴とするものであり、整流板を設けることにより、薄膜状反応流路内に、第一反応試剤相と第二反応試剤相の二相の薄膜を容易に、界面を乱すことなく形成することができ、形成された界面で反応させることができるため、反応生成物を大量に得ることができる。
図1に、本発明の反応装置の一つの実施形態を斜め上方からみた模式図を示した。また、図2に、図1の反応装置を導入路側から見た図を、図3に、上方から見た図を、図4に、横からみた断面図をそれぞれ示した。
本発明の反応装置は、薄膜状の第一反応試剤相と薄膜状の第二反応試剤相とを連続的に接触、反応させる薄膜状反応流路2を有する反応装置1であって、前記反応流路2に第一反応試剤と第二反応試剤を導入するための導入路4が設けられ、前記導入路4には、前記導入路4を流れ方向に二分するとともに、その流れ方向の延長線が前記反応流路2を流れ方向に二分する整流板3が設けられており、前記整流板3で区切られた導入路4の一方に第一反応試剤をその流動挙動が層流となるよう導入する第一導入手段5と、前記導入路4の他方に第二反応試剤をその流動挙動が層流となるよう導入する第二導入手段6と、反応生成物を取出す取出口7とを備えている。
かかる反応装置を使用する際の配置方法は制限されず、例えば図5に示すように、第一反応試剤と第二反応試剤の流れ方向が水平方向で、第一反応試剤相と第二反応試剤相の反応界面が水平方向に形成され、前記二相が上下に重なるよう配置し、使用してもよい。また、図6に示すように、第一反応試剤と第二反応試剤の流れ方向が鉛直方向で、第一反応試剤相と第二反応試剤相の反応界面が鉛直方向に形成され、前記反応界面と直行する方向から見て、前記二相が前後に重なるように配置し、使用してもよい。図6では、反応試剤の流れが鉛直下方方向であるが、鉛直上方方向であってもよい。また、図7に示すように、第一反応試剤と第二反応試剤の流れ方向が水平方向で、第一反応試剤相と第二反応試剤相の反応界面が鉛直方向に形成され、前記反応界面と直行する方向から見て、前記二相が前後に重なるように配置し、使用してもよい。また、図8に示すように、第一反応試剤相と第二反応試剤相の反応界面が水平方向に対して、90°よりも小さな角度θを有するよう配置し、使用してもよい。
第一反応試剤および第二反応試剤の種類は特に制限されない。かかる反応試剤は、液体状であってもよいし、気体状であってもよい。また、それぞれの反応試剤は、単一成分であってもよいし、混合しても反応しない二以上の成分が混合された混合物であってもよい。また、反応溶媒を混合してもよい。反応試剤が、固体状の場合には、反応溶媒に溶解させて溶液として用いればよい。なお、反応溶媒は、反応に関与しない溶媒であれば何ら制限されない。
薄膜状反応流路2(以下、反応流路2と略記する)は、第一反応試剤と第二反応試剤が流通し、薄膜状の第一反応試剤相と第二反応試剤相が形成される薄膜状の空間を有する流路であり、その流れ方向の長さLは特に制限されないが、実用的には50〜600mmである。反応流路2の幅Wも特に制限されないが、実用的には、10〜500mmである。反応流路2の断面形状は、反応流路2内を流れる第一反応試剤と第二反応試剤の流動挙動を層流に保つことが可能な形状であれば特に制限されず、例えば円形、楕円形、四角形等が挙げられる。
反応流路2内を流れる薄膜状の第一反応試剤相と第二反応試剤相のそれぞれの膜厚みHおよびHは、通常50〜500μmであり、反応流路の厚みHは通常100〜1000μmである。
反応流路2内を流れる第一反応試剤と第二反応試剤の流動挙動は層流であればよく、通常レイノルズ数が2000以下、好ましくは1000以下、より好ましくは500以下である。
反応流路2を形成する基材の材質も特に制限されず、例えばガラス、ステンレス鋼等が挙げられ、用いる反応試剤の種類や反応の種類等に応じて適宜選択すればよい。反応流路2内の反応の様子等の視覚による観察、CCDカメラ等による光学的な観察等が可能という点で、反応流路2の一部または全部をガラス等の透明部材で形成することが好ましい。
導入路4は、第一反応試剤と第二反応試剤とを、反応流路2内に導入する流路であり、反応流路2と連結されており、反応流路2と導入路4が別々に形成され連結されていてもよいし、反応流路2と導入路4を一体で形成してもよい。反応装置の製作の容易さ、連結部分での反応試剤の流れのベクトルの乱れを小さくするという点で、導入路4と反応流路2とが一体で形成されていることが好ましい。導入路4の流れ方向の長さlは特に制限されないが、反応流路2の流れ方向の長さLよりも長いと実用的ではないため、通常は反応流路2の流れ方向の長さLよりも短く設定される。導入路4の幅wおよび厚みhは、通常反応流路2の幅Wおよび膜厚みHと通常略同一である。
導入路4には、第一反応試剤を導入する第一導入口8、第二反応試剤を導入する第二導入口9および整流板3が設けられている。整流板3は、導入路4を流れ方向に二分するとともに、その流れ方向の延長線が前記反応流路2を流れ方向に二分するよう設けられており、前記整流板3により二分された導入路4の一方に、前記第一反応試剤が、他方に第二反応試剤が、それぞれ流動挙動が層流となるよう導入される。整流板3で二分された導入路4の第一反応試剤が導入される第一導入路と第二導入路のそれぞれの容積は、同一であってもよいし、異なっていてもよい。
第一反応試剤と第二反応試剤がともに液体状で、比重が異なる場合であって、反応装置1を、図5に示すように配置し使用するときは、反応流路2内の反応界面の乱れを少なくするため、整流板3で二分された導入路4の整流板3よりも下側に、第一反応試剤と第二反応試剤のうち比重の大きいものが導入され、上側には、比重の小さいものが導入される。また、図8に示すように配置し使用するときも同様に、水平面に近い側に、比重の大きい反応試剤が導入される。第一反応試剤と第二反応試剤のいずれか一方が気体状で、他方が液体状の場合であって、反応装置1を、図5に示すように配置し使用するときは、反応流路2内の反応界面の乱れを少なくするため、整流板3で二分された導入路4の整流板3よりも上側に、気体状の反応試剤が導入され、図8に示すように、反応装置1を配置し使用するときは、水平面に近い側に、液体状の反応試剤が導入される。
整流板3で二分された導入路4の一方に、第一反応試剤を、他方に、第二反応試剤を導入することにより、導入されたそれぞれの反応試剤の流れ方向のベクトルを整えることができ、反応流路2内に、乱れのより少ない反応界面を形成することが可能となる。
整流板3の流れ方向の長さl’は、前記反応試剤の流れ方向のベクトルを整えることが可能な長さであれば特に制限されず、導入路4の流れ方向の長さlと略同一であってもよいし、導入路4の流れ方向の長さlよりも短くても、また長くてもよい。整流板3の流れ方向の長さl’が導入路4の流れ方向の長さlよりも短い場合は、導入路4内に、整流板3がない空間が形成されるが、かかる空間は、反応流路2と見なすことができ、一方、整流板3の流れ方向の長さl’が導入路4の流れ方向の長さlよりも長い場合には、反応流路2内に、整流板3が突き出すことになり、反応流路2の流れ方向の長さLが整流板3の突き出した長さ分だけ短くなることになるが、いずれの場合も反応には影響がない。
整流板3の幅w’は、通常導入路4の幅wと略同一であるが、導入されたそれぞれの反応試剤の流れ方向のベクトルを整えることが可能であれば、導入路4の幅wよりも小さくてもよい。導入された反応試剤の流れ方向のベクトルの乱れは、第一導入口8および第二導入口9の近傍が最も大きいため、例えば図9に示すように、両導入口の近傍を二分する程度の幅であってもよい。
整流板3の厚みh’は、あまり小さいと、その材質にもよるが、導入される反応試剤の重みや反応試剤の導入操作等により、たわむ、波打つ等の変形を起こしやすくなり、また、あまり大きいと第一導入路の厚みhおよび第二導入路の厚みhを合わせた厚みと、反応流路2の厚みHとの差が大きくなり、整流板3がなくなる部分において反応試剤の流れ方向の流れに乱れが生じやすくなるため、実用的な整流板の厚みh’は、反応流路2の厚みHの1/100〜1/5程度である。整流板3の材質も、例えばガラス、ステンレス鋼等が挙げられ、用いる反応試剤の種類や反応の種類に応じて適宜選択すればよい。
反応界面を上から見た場合の整流板3の形状および反応界面を横から見た場合の整流板3の形状は特に制限されず、例えば図10〜図12に示すような矩形、楔形、半円板形等が挙げられ、加工のしやすさ等の面から矩形が好ましい。
第一導入口8および第二導入口9の設置位置は、導入路4および反応流路2内の各反応試剤の流れが不均一になりにくいよう、通常は、第一導入口と第二導入口を結んだ直線が、整流板3と直交し、且つ、反応界面を流れ方向に略二等分する位置に設けられる。第一導入口8に第一導入手段5が、第二導入口9に第二導入手段6が、それぞれ接続される。
第一導入手段5および第二導入手段6は、第一反応試剤および第二反応試剤を導入路4および反応流路2内へ第一導入口8および第二導入口9を通じて導入可能なものであれば特に制限されず、例えばシリンジ型微量ポンプ、ダイアフラム型微量ポンプ、プランジャー型微量ポンプ等の微量ポンプ、エレクトロハイドロダイナミックポンプ等が挙げられる。また、電気浸透法を利用した導入手段や電気泳動ポンプ等の電気泳動法を利用した導入手段でもよい。
第一反応試剤および第二反応試剤の導入量は、反応流路2内の第一反応試剤および第二反応試剤の流動挙動が層流となるよう設定されればよい。かかる第一導入手段5および第二導入手段6は、例えばコンピュータ等の制御手段により制御されることが好ましい。
第一導入手段5から第一反応試剤が、第二導入手段6から第二反応試剤が、それぞれ導入されると、第一導入路内を第一反応試剤が、第二導入路内を第二反応試剤が、それぞれ流れ、整流板3が無くなったところで、両反応試剤が接触し、整流板3の流れ方向の延長線上に、第一反応試剤相と第二反応試剤相の反応界面が形成され、該反応界面から反応が進行することになる。
図13に、本発明の反応装置の別の実施形態の斜視図を、図14に、かかる反応装置を導入口側から見た断面図を、図15に取出口側からみた断面図をそれぞれ示した。図13に示した反応装置は、整流板3、その上下にスペーサ16を配置し、その上下を二枚の平板ガラス部材10で挟み、薄膜状反応流路2および導入路4を形成したものである。重ね合わせた二枚のガラス部材10は、ステンレス鋼製の上板11および下板12で上下から挟まれるとともに、入口部材13および出口部材14で、入口側および出口側から挟まれ、ボルト等の固体部材で固定されている。入口部材13に、第一導入口8および第二導入口9が設けられ、出口部材14に、取出口7が設けられており、上板11および下板12とガラス部材10との間には、液モレを防ぐようパッキン15が用いられている。
必要に応じて、加熱、冷却等のための温度調整手段を設けてもよく、温度調整手段としては、例えば電熱コイル等の帯状ヒーター、レーザー光照射装置、導電性コイル、熱媒、冷媒、ペルチエ素子等が挙げられる。かかる温度調整手段も、例えばコンピュータ等の制御手段により制御されることが実用的である。
反応流路2の下流側に、反応生成物を取出す取出口7が設けられており、反応流路2内の反応界面で反応が進行して生成した反応生成物が、場合によっては未反応の反応試剤とともに、取出口7から取出される。反応の進行を分析手段により確認したい場合は、例えば取出口7に分析手段を接続しておき、該取出口7から直接分析手段に反応生成物を送り、分析してもよい。分析手段も制御手段により制御することが実用的である。分析手段としては、第一反応試剤と第二反応試剤とが反応したかどうか、もしくは反応生成物の有無を検出できる手段であれば、どんな手段であってもよく、例えばガスクロマトグラフィ、液体クロマトグラフィ等のクロマト装置、例えばLC−MS、TOF−MS等の質量分析装置、例えばLC−NMR、キャピラリー分離NMR等の核磁気共鳴装置、例えばIR等の赤外分光装置、例えばLC−MS/NMR等の前記各種分析手段を複数組み合わせた分析装置等が挙げられる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
実施例1
図13に示した反応装置を、流れ方向および反応界面が水平線と並行になるよう配置し、かかる反応装置を用い、フェニルイソシアネートとエタノールを反応させてN−フェニルカルバミン酸エチルを合成する反応を実施した。トルエンで希釈したエタノールを、整流板の上側に、フェニルイソシアネートを整流板の下側に、それぞれマイクロツインポンプ(モーレ株式会社製MT−2000)を用いて導入した。用いた反応装置は、導入路と反応流路が一体となって形成されており、厚み20μm、長さ40mmのステンレス鋼製整流板が、反応流路をほぼ二等分する位置に設置されている。反応流路は、長さ115mm、厚み200μm(すなわちエタノール含有相とフェニルイソシアネート相のそれぞれ厚みが100μmになる)、幅50mmである。かかる反応装置は、株式会社化繊ノズル製作所にて試作したものである。
反応温度は57℃に設定し、トルエンで希釈したエタノールおよびフェニルイソシアネートの流量を変化させることにより、異なる反応時間(滞留時間)の反応を行い、それぞれの流量における反応収率を分析した。流量は、毎分55、178、237、356、712、1424μLの6点でさせた(反応時間に換算すると、それぞれ10分、3.1分、2.3分、1.5分、0.8分、0.4分に相当する)。なお、かかる流量と反応流路のサイズから計算すると、反応試剤の流動挙動は層流であった。
反応時間に対する反応収率をプロットしたグラフを図16に示したが、かかるグラフより、後述の比較例1で得られた回分式での反応の反応収率よりも本発明の反応装置を用いた場合の方が、収率の向上が見られていることがわかる。特に、短い反応時間における収率向上の効果が大きいことがわかる。
比較例1
前記実施例1と同じ反応を、回分式で、反応時間を実施例1と合わせて実施し、各反応時間におけるN−フェニルカルバミン酸エチルの反応収率を分析した。結果を図16に示した。
本発明の一つの実施形態にかかる反応装置を模式的に表わした斜視図である。 図1に示した反応装置を導入路側から見た図である。 図1に示した反応装置を上方から見た図である。 図1に示した反応装置を横から見た断面図である。 本発明の反応装置の配置の一例である。 本発明の反応装置の配置の別の一例である。 本発明の反応装置の配置の別の一例である。 本発明の反応装置の配置の別の一例である。 整流板の幅が、導入口の近傍付近を二分する程度である反応装置の例である。 整流板が矩形である反応装置の例である。 整流板が楔形である反応装置の例である。 整流板が半円板形である反応装置の例である。 本発明の別の実施形態にかかる反応装置の斜視図である。 図13に示した反応装置の導入口側から見た断面図である。 図13に示した反応装置の取出口側からみた断面図である。 実施例1および比較例1の実験結果として、流量から計算された反応時間に対するN−フェニルカルバミン酸エチルの反応収率をプロットしたグラフである。
符号の説明
1・・・反応装置、2・・・薄膜状反応流路、3・・・整流板、4・・・導入路、
5・・・第一導入手段、6・・・第二導入手段、7・・・取出口、8・・・第一導入口、
9・・・第二導入口、10・・・ガラス部材、11・・・上板、12・・・下板、
13・・・入口部材、14・・・出口部材、15・・・パッキン、16・・・スペーサ、
L・・・反応流路の流れ方向の長さ、W・・・反応流路の幅、H・・・反応流路の厚み、
l・・・導入路の流れ方向の長さ、w・・・導入路の幅、h・・・導入路の厚み、
・・・第一反応試剤相の厚み、H・・・第二反応試剤相の厚み、
l’・・・整流板の流れ方向の長さ、w’・・・整流板の幅、h’・・・整流板の厚み、
・・・第一導入路の厚み、h・・・第二導入路の厚み

Claims (8)

  1. 薄膜状反応流路内に、第一反応試剤と第二反応試剤とを導入路を通じて連続的に導入し、薄膜状の第一反応試剤相および第二反応試剤相を前記反応流路内に形成させ、両反応試剤相を連続的に接触、反応させる方法であって、前記導入路には、前記導入路を流れ方向に二分するとともに、その流れ方向の延長線が前記反応流路を流れ方向に二分する整流板が設けられており、前記整流板で区切られた導入路の一方に第一反応試剤を、前記導入路の他方に第二反応試剤を、それぞれその流動挙動が層流となるよう導入することを特徴とする反応方法。
  2. 薄膜状の第一反応試剤相および薄膜状の第二反応試剤相の膜厚が、それぞれ50〜500μmである請求項1に記載の反応方法。
  3. 導入される第一反応試剤および第二反応試剤のレイノルズ数が、2000以下である請求項1に記載の反応方法。
  4. 薄膜状の第一反応試剤相と薄膜状の第二反応試剤相とを連続的に接触、反応させる薄膜状反応流路を有する反応装置であって、前記反応流路に第一反応試剤と第二反応試剤を導入するための導入路が設けられ、前記導入路には、前記導入路を流れ方向に二分するとともに、その流れ方向の延長線が前記反応流路を流れ方向に二分する整流板が設けられており、前記整流板で区切られた導入路の一方に第一反応試剤をその流動挙動が層流となるよう導入する第一導入手段と、前記導入路の他方に第二反応試剤をその流動挙動が層流となるよう導入する第二導入手段と、反応生成物を取出す取出口とを備えてなることを特徴とする反応装置。
  5. 薄膜状反応流路内に形成される薄膜状の第一反応試剤相および薄膜状の第二反応試剤相の膜厚みが、それぞれ50〜500μmである請求項4に記載の反応装置。
  6. 導入路と反応流路が一体で形成されてなる請求項4に記載の反応装置。
  7. 導入される第一反応試剤および第二反応試剤のレイノルズ数が、2000以下である請求項4に記載の反応装置。
  8. 反応流路幅が、10〜500mmである請求項4に記載の反応装置。
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