JP2004290408A - 超音波診断装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】エコートラッキング処理部22は、受信信号に基づいて血管壁の位置をトラッキングする。血管径変化波形生成部24は、トラッキング処理部22により特定される血管16の前壁18および後壁19の位置に基づいて血管径を測定し、時々刻々と変化する血管径の値を表す血管径変化波形を生成する。血管径特性曲線生成部28は、血管径変化波形に対して心拍変動成分を除去する処理を行うことで血管径変化の特性曲線を生成する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は超音波診断装置に関し、特に血管機能評価を行う超音波診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
血流反応性血管拡張(以下、FMD:Flow Mediated Dilatation)による血管機能計測は、血管の内皮機能の評価や動脈硬化の評価などに有用とされている。その計測手順は次のとおりである。まず被検査者の安静時における上腕動脈の血管径を計測し、次に被検査者の前腕部分をカフなどで5分程度駆血する。一般に駆血状態において上腕動脈は安静時よりもその血管径が小さくなる。その後駆血を解除すると上腕動脈の血管径が拡張し、徐々に安静時の血管径に戻る。そして、駆血解除から安静時状態に戻るまでの血管径の変化の様子から上腕動脈の内皮機能が評価される。
【0003】
FMDによる血管計測において、血管径の計測には超音波診断装置が利用されている。つまり、超音波診断装置により安静時、駆血時、駆血解除後の上腕動脈のBモード断層画像をVTRに録画しておき、録画されたBモード断層画像から、所定時刻における血管径を手動で計測していた。このため、血管径の変化情報は断片的であり、また、血管径の計測に多大な時間を要するにもかかわらず、血管径の計測精度も低いものであった。
【0004】
一方、超音波診断装置には、血管壁の位置を追従検出することで、血管径の変化波形を取得するものがある(例えば、特許文献1参照)。この超音波装置を利用することにより、血管径の変化をリアルタイムで、しかも高精度に計測することが可能になる。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−299752号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述の超音波診断装置を、FMDによる計測に利用することで、その計測精度を高めることが期待できる。ところが、血管径は脈動の影響で一心拍内においても局所的に変化している。したがって、FMDによる測定において、一心拍内の局所的変動を考慮しつつ、駆血解除後の血管径の拡張収縮変化を計測できれば、より高精度な測定を実現することができる。
【0007】
そこで本発明は、より高精度な血管機能評価を可能とする超音波診断装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
(1)上記目的を達成するために、本発明に係る超音波診断装置は、血管内の血液の流れを制御することによって形成された時間的変化状態を計測する超音波診断装置であって、血管に対して超音波の送受波を行うことで受信信号を出力する送受波手段と、前記時間的変化状態において得られた前記受信信号に基づいて、血管の形態および血液の流れの少なくとも一方についての時間的変化を表す変化波形を測定する変化波形測定手段と、前記変化波形に対して局所変動成分の除去処理を行うことで、前記変化波形の大局的な時間変化に対応した診断特性を生成する診断特性生成手段とを有するものとする。
【0009】
上記構成において、血管内の血液の流れの制御とは、例えば、カフなどにより駆血を行った後に駆血を解除することであり、あるいは、血管拡張剤を患者に投与することなどである。また診断特性とは、例えば、変化波形に対して局所変動成分の除去処理を施して形成される波形や、形成された波形から求められる各種評価値などである。上記構成によれば、変化波形に対して局所変動成分の除去処理が施され、変化波形における局所的な変動が実質的にキャンセルされて診断特性が生成されるため、局所的な変動に左右されずに高精度な血管機能評価が可能となる。
【0010】
望ましくは、前記局所変動成分は心拍変動成分とする。ここで心拍変動成分とは、脈動による局所的な変動成分である。上記構成によれば、変化波形における心拍変動成分が実質的にキャンセルされて診断特性が生成されるため、心拍による局所的な変動に左右されない診断が容易に可能になる。
【0011】
望ましくは、前記局所変動成分の除去処理は、前記変化波形において一心拍期間内ごとの代表値を求め、これら代表値を利用した前記変化波形の曲線近似処理とする。さらに望ましくは、前記診断特性生成手段は、心電図波形を利用して前記一心拍期間を特定するものとする。さらに望ましくは、前記代表値は、前記変化波形の一心拍期間内における最大値、最小値または平均値とする。さらに望ましくは、前記診断特性を表示する表示手段を有するものとする。
【0012】
(2)また、上記目的を達成するために、本発明に係る超音波診断装置は、血管内の血液の流れを制御することによって形成された血管径の時間的変化状態を計測する超音波診断装置であって、血管に対して超音波の送受波を行うことで受信信号を出力する送受波手段と、前記受信信号に基づいて前記血管の壁部の位置をトラッキングするエコートラッキング処理手段と、前記血管の壁部の位置に基づいて前記血管の血管径を計測し、前記時間的変化状態における前記血管径の時間的変化を表す血管径変化波形を生成する血管径変化波形生成手段と、前記血管径変化波形に対して心拍変動成分の除去処理を行うことで、血管径変化の特性曲線を生成する血管径特性曲線生成手段とを有するものとする。
【0013】
上記構成によれば、血管壁部の変位に追従して血管径変化波形が計測され、また、血管径変化波形における心拍変動成分が実質的にキャンセルされて特性曲線が生成されるため、リアルタイムでしかも心拍による局所的な変動に左右されずに血管径の広域的な変化を計測することができる。
【0014】
望ましくは、前記特性曲線に基づいて、血管径の変化率を演算する血管径変化率演算手段をさらに有するものとする。上記構成によれば、リアルタイムで高精度な血管径の変化率の自動評価が可能になる。
【0015】
(3)また、上記目的を達成するために、本発明に係る超音波診断装置は、血管内の血液の流れを制御することによって形成された血流速度の時間的変化状態を計測する超音波診断装置であって、血管に対して超音波の送受波を行うことで受信信号を出力する送受波手段と、前記受信信号に基づいて前記血管の壁部の位置をトラッキングするエコートラッキング処理手段と、前記血管の壁部の位置に基づいて血流速度計測用のサンプルゲートを設定し、前記受信信号に基づいて前記サンプルゲート内の血流速度を計測する血流速度計測手段と、前記時間的変化状態において得られた前記血流速度に基づいて、血流速度の時間的変化を表す血流速度変化波形を生成する血流速度変化波形生成手段と、前記血流速度変化波形に対して心拍変動成分の除去処理を行うことで、血流速度変化の特性曲線を生成する血流速度特性曲線生成手段とを有するものとする。
【0016】
上記構成によれば、血流速度計測用のサンプルゲートを、血管径上の所望の位置に血管壁部の位置に追従して設定することができる。また、血流速度変化波形における心拍変動成分が実質的にキャンセルされて特性曲線が生成される。したがって、リアルタイムでしかも心拍による局所的な変動に左右されずに、所望の位置における血流速度の大局的な時間変化を測定することができる。
【0017】
望ましくは、前記特性曲線に基づいて、血流速度の変化率を演算する血流速度変化率演算手段をさらに有するものとする。上記構成によれば、リアルタイムで高精度な血流速度の変化率の自動評価が可能になる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0019】
図1には、本発明に係る超音波診断装置の好適な実施形態が示されており、図1はその全体構成を示すブロック図である。送受信部12は、プローブ10を介して患者14内の血管16に対して超音波の送受波を行うことで受信信号を取得し、断層画像形成部20およびエコートラッキング処理部22に出力する。断層画像形成部20は受信信号に基づいて血管16の断層画像を形成する。形成された断層画像は表示画像形成部42において表示処理が施されてディスプレイ44に表示される。
【0020】
エコートラッキング処理部22は、受信信号に基づいて血管壁の位置をトラッキングする。血管壁は比較的強いエコーを生じるため、受信信号のエコーデータレベルを所定の閾値と比較することによって血管壁が検出される。エコートラッキング処理部22は、測定ライン17上においてプローブ10側に位置する前壁18とプローブ10から遠方側に位置する後壁19とを、血管16の変動に伴う位置変化に追従して検出する。
【0021】
血管径変化波形生成部24は、エコートラッキング処理部22により特定される血管16の前壁18および後壁19の位置に基づいて、前壁18と後壁19との間の距離である血管径を測定する。血管径変化波形生成部24は時々刻々と変化する血管径の値を表す血管径変化波形を生成して表示画像形成部42およびメモリ(1)26へ出力する。表示画像形成部42へ出力された血管径変化波形はディスプレイ44にリアルタイム表示される。メモリ(1)26に出力された血管径変化波形は血管径特性曲線生成部28で利用される。
【0022】
血管径特性曲線生成部28は、血管径変化波形に対して心拍変動成分を除去する処理を行うことで血管径変化の特性曲線を生成する。血管径は脈動の影響で一心拍内において変化している。血管機能評価、例えばFMDによる測定では駆血解除から安静時状態に戻るまでの血管径の拡張収縮の様子などを調べている。一般的に駆血解除から安静時状態に戻るまでの時間は数分程度である。つまり、血管径は心拍による局所的な拡張収縮変化を伴いつつ、数分程度に亘る大局的な収縮変化を行っている。このため、FMDによる測定において駆血解除から安静時状態に戻るまでの血管径の収縮の様子を精度よく調べるためには、心拍による局所的変動成分の影響を考慮しつつ大局的な血管径の収縮変化を計測する必要がある。
【0023】
血管径特性曲線生成部28は、心拍変動成分を除去するために血管径変化波形における一心拍期間内ごとの代表値を求め、この代表値を利用して血管径変化の特性曲線を生成する。血管径特性曲線生成部28は心電図波形を利用して一心拍期間を抽出している。つまり、心臓左室の収縮初期時に発せられる心電図波形中のR波を利用し、R波の発生から次のR波の発生までの期間における血管径変化波形の部分波形をメモリ(1)26から取得して、この期間における代表値を演算する。代表値としては期間内、つまり一心拍内の最大値や最小値、あるいは平均値などであり、代表値の演算は各心拍ごとに実施される。血管径特性曲線生成部28は、次々に演算される代表値を曲線で結んだ特性曲線を生成し、表示画像形成部42および評価値演算部40に出力する。表示画像形成部42へ出力された特性曲線はディスプレイ44に表示される。
【0024】
血流速度計測部32は、血管16の壁部の位置に基づいて血流速度計測用のサンプルゲート33を設定し、受信信号に基づいてサンプルゲート33内の血流速度を計測する。サンプルゲート33は、エコートラッキング処理部22により特定される血管16の前壁18および後壁19の位置に基づいて設定され、例えば、前壁18および後壁19の中点を基準に設定される。サンプルゲート33はユーザにより所望の位置に設定されてもよい。血流速度計測部32は、サンプルゲート33内の受信信号を参照することで、その受信信号からドプラ情報を抽出して速度情報を取得し、サンプルゲート33内における血流速度を演算する。血流速度とは、サンプルゲート33内における血流の平均速度、最大速度、最小速度などである。計測された血流速度は血流速度変化波形生成部34に出力される。
【0025】
血流速度変化波形生成部34は、血流速度計測部32から出力される時々刻々と変化する血流速度に基づいて血流速度変化波形を生成して表示画像形成部42およびメモリ(2)36へ出力する。表示画像形成部42へ出力された血流速度変化波形はディスプレイ44にリアルタイム表示される。メモリ(2)36に出力された血流速度変化波形は血流速度特性曲線生成部38で利用される。
【0026】
血流速度特性曲線生成部38は、血流速度変化波形に対して心拍変動成分を除去する処理を行うことで、血流速度変化の特性曲線を生成する。血管径と同様に血流速度も脈動の影響で一心拍内において変化している。FMDによる測定では、駆血解除から安静時状態に戻るまでの血流速度の増加減少の様子などを調べている。一般的に駆血解除から安静時状態に戻るまでの時間は数分程度である。つまり、血流速度は心拍による局所的な増加減少を伴いつつ、数分程度に亘る大局的な増加減少傾向を示す。このため、FMDによる測定において駆血解除から安静時状態に戻るまでの血流速度の増加減少傾向を精度よく調べるためには、心拍による局所的変動成分の影響を考慮しつつ大局的な増加減少傾向を計測する必要がある。
【0027】
血流速度特性曲線生成部38は、心拍変動成分を除去するために血流速度変化波形における一心拍期間内ごとの代表値を求め、この代表値を利用して血流速度変化の特性曲線を生成する。血流速度特性曲線生成部38は心電図波形を利用して一心拍期間を抽出している。つまり、心臓左室の収縮初期時に発せられる心電図波形中のR波を利用し、R波の発生から次のR波の発生までの期間における血流速度変化波形の部分波形をメモリ(2)36から取得して、この期間における代表値を演算する。代表値としては期間内、つまり一心拍内の最大値、最小値あるいは平均値であり、代表値の演算は各心拍ごとに実施される。血流速度特性曲線生成部38は、次々に演算される代表値を曲線で結んだ特性曲線を生成し、表示画像形成部42および評価値演算部40に出力する。表示画像形成部42へ出力された特性曲線はディスプレイ44に表示される。
【0028】
評価値演算部40は、血管径特性曲線生成部28から出力される血管径変化の特性曲線や血流速度特性曲線生成部38から出力される血流速度変化の特性曲線に基づいて、血管機能評価に必要な各種評価値を演算する。評価値は、例えば、FMDによる測定における駆血解除から安静時状態に戻るまでの時間、血管径の変化率や血流速度の変化率、血管径と血流速度から求まる血流量やその変化などである。評価値演算部40で演算された各種評価値は表示画像形成部42に出力されディスプレイ44に表示される。
【0029】
図1に示す超音波診断装置内の各部は、制御部50により動作制御される。例えば、ユーザ操作による各種指示は制御部50を介して各部に伝えられる。
【0030】
次に、図1の超音波診断装置を利用した血管機能評価について説明する。なお、以下の説明において図1に記載した部分については図1の符号を利用する。
【0031】
図2は、図1の超音波診断装置を利用して得られる血管径変化波形および血流速度変化波形を示す図であり、縦軸は血管径または血流速度を、横軸は計測時刻を示している。図2に示す血管径変化波形60および血流速度変化波形62は、FMDの検査手順によって得られる。そこで、FMDの検査手順を説明する。
【0032】
まず、患者の安静時状態をベースラインデータとして、上腕動脈の血管径および血流速度を計測する。つまり、プローブ10を患者14の上腕部に当接させて超音波診断を行い、血管径変化波形生成部24により生成される血管径変化波形60、および、血流速度変化波形生成部34により生成される血流速度変化波形62を取得する。安静時状態の波形期間は図2の期間Iである。
【0033】
次に、患者の前腕部をカフなどで駆血して血管径変化波形60、および、血流速度変化波形62を取得する。駆血状態の波形期間は図2の期間IIである。期間IIの波形が示すように、血管径は駆血直後から徐々に減少した後、ほぼ一定値を維持する。一方、血流速度は駆血直後から徐々に減少した後、ほぼ一定値を維持する。駆血は5分程度行われる。
【0034】
次に、カフを開放して血管径変化波形60および血流速度変化波形62を取得する。カフ開放後の波形期間は図2の期間IIIである。期間IIIの波形が示すように、血管径はカフ開放直後拡大し、徐々に減少した後、安静時状態の血管径に落ち着いていく。一方、血流速度はカフ開放直後から徐々に増加した後、安静時状態の血流速度に戻っていく。
【0035】
上記手順により、図2に示す血管径変化波形60および血流速度変化波形62が取得される。FMDによる血管機能評価では、駆血解除から安静時状態に戻るまでの血管径の拡大縮小の様子や血流速度の増加減少の様子などを評価するが、血管径変化波形60や血流速度変化波形62の心拍による局所的変動成分の影響を考慮しつつ大局的な時間変化を評価する必要がある。
【0036】
図3は、血管径変化波形60および血流速度変化波形62の部分波形を示す図であり、図3には最大径による血管径変化の特性曲線64、最大血流速度による血流速度変化の特性曲線66および心電波形70も示されている。
【0037】
図3に示す血管径変化波形60は、図2の血管径変化波形60の減少傾向部分、例えば、期間IIIの後半部分に相当する部分波形であり、一心拍期間内での局所的な増減を伴いつつ開放直後増加し、その後減少傾向を示している。したがって、血管径変化波形60の大局的な時間変化を評価するためには心拍による局所的変動成分の影響を考慮する必要がある。そこで、血管径特性曲線生成部28は血管径変化波形60における一心拍期間内ごとの最大値を求めて、最大径による血管径変化の特性曲線64を生成する。つまり、血管径特性曲線生成部28は心電波形70の連続する二つのR波の発生期間であるR1からR2の期間内において、血管径変化波形60の最大値A1を算出する。同様にして次のR波の発生期間内において最大値A2を、さらに次のR波の発生期間内において最大値A3を順次算出する。このようにして次々に算出される最大値A1からA5に対して、例えば、スプライン補間を利用して、A1からA5を結ぶ曲線である、最大径による血管径変化の特性曲線64を生成する。なお、血管径変化波形60における一心拍期間内での局所的な増減は図2の期間IIIのみではなくその他の期間においても同様である。したがって、図2に示す血管径変化波形60の全域において、最大径による血管径変化の特性曲線64が生成される。
【0038】
一方、図3に示す血流速度変化波形62は、図2の血流速度変化波形62の減少傾向部分、例えば、期間IIIの後半部分に相当する部分波形であり、一心拍期間内での局所的な増減を伴いつつ開放直後増加し、その後減少傾向を示している。したがって、血流速度変化波形62の大局的な時間傾向を評価するためには心拍による局所的変動成分の影響を考慮する必要がある。そこで、血流速度特性曲線生成部38は血流速度変化波形62における一心拍期間内ごとの最大値を求めて、最大血流速度による血流速度変化の特性曲線66を生成する。つまり、血流速度特性曲線生成部38は心電波形70の連続する二つのR波の発生期間であるR1からR2の期間内において、血流速度変化波形62の最大値B1を算出する。同様にして次のR波の発生期間内において最大値B2を、さらに次のR波の発生期間内において最大値B3を順次算出する。このようにして次々に算出される最大値B1からB5を結ぶ曲線として、最大血流速度による血流速度変化の特性曲線66を生成する。なお、血流速度変化波形62における一心拍期間内での局所的な増減は図2の期間IIIのみではなくその他の期間においても同様である。したがって、図2に示す血流速度変化波形62の全域において、最大血流速度による血流速度変化の特性曲線66が生成される。
【0039】
以上のようにして得られた血管径変化の特性曲線や血流速度変化の特性曲線に基づいて、評価値演算部40は血管機能評価のための各種評価値を算出する。評価値の一つに、血管径が駆血解除されてから安静時状態に戻るまでに要する時間が挙げられる。つまり、血管径変化の特性曲線に基づいて、FMDの検査手順における安静時状態の血管径値D1(図2参照)を計測し、駆血解除後(図2における期間IIIの開始時点)から血管径が血管径値D1に戻るまでの時間を測定する。
【0040】
別の評価値として血管径の変化率が挙げられる。つまり、血管径変化の特性曲線に基づいて、ユーザにより設定された駆血解除後の任意時刻における血管径値D3(図2参照)を計測して(D3−D2)/D1×100(パーセント)を算出する。血管径の変化率として特性曲線の傾きなどを算出してもよい。
【0041】
この他にも、血流速度の変化率、血管径と血流速度から求まる血流量やその変化なども評価値として算出可能である。いずれの評価値も心拍成分が除去された特性曲線に基づいて算出されるため、心拍成分による影響を抑えた血管機能評価が可能になる。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る超音波診断装置により、より高精度な血管機能評価が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る超音波診断装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】血管径変化波形および血流速度変化波形を示す図である。
【図3】血管径変化波形および血流速度変化波形の部分拡大波形を示す図である。
【符号の説明】
22 エコートラッキング処理部、24 血管径変化波形生成部、28 血管径特性曲線生成部、32 血流速度計測部、34 血流速度変化波形生成部、38 血流速度特性曲線生成部。
Claims (10)
- 血管内の血液の流れを制御することによって生じた時間的変化状態を計測する超音波診断装置であって、
血管に対して超音波の送受波を行うことで受信信号を出力する送受波手段と、
前記時間的変化状態において得られた前記受信信号に基づいて、血管の形態および血液の流れの少なくとも一方についての時間的変化を表す変化波形を測定する変化波形測定手段と、
前記変化波形に対して局所変動成分の除去処理を行うことで、前記変化波形の大局的な時間変化に対応した診断特性を生成する診断特性生成手段と、
を有することを特徴とする超音波診断装置。 - 請求項1に記載の超音波診断装置であって、
前記局所変動成分は心拍変動成分であることを特徴とする超音波診断装置。 - 請求項2に記載の超音波診断装置であって、
前記局所変動成分の除去処理は、前記変化波形において一心拍期間内ごとの代表値を求め、これらの代表値を利用した前記変化波形の曲線近似処理であることを特徴とする超音波診断装置。 - 請求項3に記載の超音波診断装置であって、
前記診断特性生成手段は、心電図波形を利用して前記一心拍期間を特定することを特徴とする超音波診断装置。 - 請求項4に記載の超音波診断装置であって、
前記代表値は、前記変化波形の一心拍期間内における最大値、最小値または平均値であることを特徴とする超音波診断装置。 - 請求項1から5のいずれか1項に記載の超音波診断装置であって、
前記診断特性を表示する表示手段をさらに有することを特徴とする超音波診断装置。 - 血管内の血液の流れを制御することによって生じた血管径の時間的変化状態を計測する超音波診断装置であって、
血管に対して超音波の送受波を行うことで受信信号を出力する送受波手段と、
前記受信信号に基づいて前記血管の壁部の位置をトラッキングするエコートラッキング処理手段と、
前記血管の壁部の位置に基づいて前記血管の血管径を計測し、前記時間的変化状態における前記血管径の時間的変化を表す血管径変化波形を生成する血管径変化波形生成手段と、
前記血管径変化波形に対して心拍変動成分の除去処理を行うことで、血管径変化の特性曲線を生成する血管径特性曲線生成手段と、
を有することを特徴とする超音波診断装置。 - 請求項7に記載の超音波診断装置であって、
前記特性曲線に基づいて、血管径の変化率を演算する血管径変化率演算手段をさらに有することを特徴とする超音波診断装置。 - 血管内の血液の流れを制御することによって形成された血流速度の時間的変化状態を計測する超音波診断装置であって、
血管に対して超音波の送受波を行うことで受信信号を出力する送受波手段と、
前記受信信号に基づいて前記血管の壁部の位置をトラッキングするエコートラッキング処理手段と、
前記血管の壁部の位置に基づいて血流速度計測用のサンプルゲートを設定し、
前記受信信号に基づいて前記サンプルゲート内の血流速度を計測する血流速度計測手段と、
前記時間的変化状態において得られた前記血流速度に基づいて、血流速度の時間的変化を表す血流速度変化波形を生成する血流速度変化波形生成手段と、
前記血流速度変化波形に対して心拍変動成分の除去処理を行うことで、血流速度変化の特性曲線を生成する血流速度特性曲線生成手段と、
を有することを特徴とする超音波診断装置。 - 請求項9に記載の超音波診断装置であって、
前記特性曲線に基づいて、血流速度の変化率を演算する血流速度変化率演算手段をさらに有することを特徴とする超音波診断装置。
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