JP2004289748A - マルチメディア通信の品質監視システム及びその品質監視方法 - Google Patents

マルチメディア通信の品質監視システム及びその品質監視方法 Download PDF

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Abstract

【課題】品質劣化を高精度に、そしてユーザに先駆けて検知すること
【解決手段】通信端末10に、通信先から受信した音声/画像パケットに受信時刻のタイムスタンプを付与して収集する機能11cと、自身のパフォーマンスデータを収集する機能11hと、収集した音声/画像パケットのタイムスタンプ及びシーケンス番号の情報並びに通信先からの送信時刻のタイムスタンプ及びシーケンス番号の情報に基づいて、品質劣化要因たる伝送遅延,パケットロス率及びゆらぎの情報を算出する機能11e,11f,11gと、これら算出した品質劣化要因及び前記収集したパフォーマンスデータの情報が閾値を超過しているか否か判定する機能11iと、この判定により閾値を超過している場合に品質劣化発生の可能性があることをモニタ上に通知する機能11jとを設けること。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、IPネットワーク上でRTP(Real Time Protocol)を用いて音声/画像データの通信を行うマルチメディア通信システムにおいて当該音声/画像データの品質(音質や画質)を監視する為の品質監視システム及びその品質監視方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、IPネットワーク上で音声/画像データの通信が行われるマルチメディア通信システムには、例えばRTPを用いて音声/画像データの双方向通信を行うビデオ会議システムがある。ここで、この種のマルチメディア通信システムにおいては、送受信される音声/画像データの品質(音質や画質)が劣化してしまうことがあるので、品質劣化が生じた場合にはその劣化した品質の補正や品質劣化の防止を図る必要がある。このような補正等の策を講じる為にはその品質劣化原因を特定しなければならず、その特定方法として、例えば特開2002−051041号公報に、ユーザが品質劣化を認識した後に品質測定用のパケット(例えばICMP(Internet Control Message Protocol)を使用する)の送受信を行うことで往復遅延やパケットのロス等を算出し、ネットワーク障害発生部位の特定を行ってユーザへ通知を行う方法が開示されている。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−051041号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の品質劣化原因特定方法においては品質測定用として用意されたパケットが使用されるので、実際に送受信されている音声/画像データ(音声/画像パケット)との相違の程度如何によっては、実際の音声/画像パケットについての伝送遅延,パケットロス率及びゆらぎに関するデータと品質測定用パケットを用いて算出されたこれらの結果とが必ずしも一致しない可能性がある。即ち、従来の特定方法では、必ずしも特定された品質劣化原因が真の原因であるとはいえない場合もある。
【0005】
また、従来は品質劣化を認識したユーザが品質測定の開始を指示して品質劣化原因を特定するものであり、特定された原因の補正方法があったとしてもユーザには一旦品質の劣化した画像や音声が提供されてしまう。即ち、未然にシステム側で音声/画像データの品質劣化を検知して原因の特定が行えれば、ユーザに品質の劣化した音声や画像を提供せずとも済むが、従来の品質劣化原因特定方法は会議の視聴中にユーザに先駆けて音声や画像の品質劣化を検知することができないので、ユーザは少なくとも補正が為されるまで品質の劣化した音声や画像を視聴しなければならない。
【0006】
そこで、本発明は、かかる従来例の有する不都合を改善し、音声/画像データの品質劣化を高精度に、そしてユーザに先駆けて検知することが可能なマルチメディア通信の品質監視システム及びその品質監視方法を提供することを、その目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する為、本発明に係る品質監視システムでは、一方の通信端末に、その通信先たる他方の通信端末へと送信する音声/画像パケットに送信時刻のタイムスタンプを付与して送信データ記憶部へ格納する機能と、この送信データ記憶部に格納した音声/画像パケットのタイムスタンプ及びシーケンス番号の情報を前記他方の通信端末に送信する機能とを設けている。また、前記他方の通信端末には、前記一方の通信端末から受信した前記送信時刻のタイムスタンプが付与された音声/画像パケットに受信時刻のタイムスタンプを付与して受信データ記憶部へ格納する機能と、自身のパフォーマンスデータを収集する機能と、前記受信データ記憶部に格納した音声/画像パケットのタイムスタンプ及びシーケンス番号の情報並びに前記一方の通信端末から受信した送信時刻のタイムスタンプ及びシーケンス番号の情報に基づいて、品質劣化の要因たる伝送遅延,パケットロス率及びゆらぎの情報を算出する機能と、これら算出した伝送遅延,パケットロス率及びゆらぎの情報並びに前記収集したパフォーマンスデータの情報が予め設定されているこれらの閾値を超過しているか否かを判定する機能と、この判定により閾値を超過している場合に品質劣化発生の可能性があることをモニタ上に通知する機能とを設けている。
【0008】
また、上記目的を達成する為、本発明に係る品質監視方法では、通信端末が、その通信先の通信端末から受信した送信時刻のタイムスタンプが付与された音声/画像パケットに受信時刻のタイムスタンプを付与して受信データ記憶部へ格納する工程と、自身のパフォーマンスデータを収集する工程と、前記受信データ記憶部に格納された音声/画像パケットのタイムスタンプ及びシーケンス番号の情報並びに前記通信先の通信端末から受信した当該通信先の通信端末の送信データ記憶部内の送信時刻のタイムスタンプ及びシーケンス番号の情報に基づいて、品質劣化の要因たる伝送遅延,パケットロス率及びゆらぎの情報を算出する工程と、これら算出した伝送遅延,パケットロス率及びゆらぎの情報並びに前記収集したパフォーマンスデータの情報が予め設定されているこれらの閾値を超過しているか否かを判定する工程と、この判定により閾値を超過している場合に品質劣化発生の可能性があることをモニタ上に通知する工程とを有している。
【0009】
また、上記目的を達成する為、本発明に係る品質監視プログラムは、通信先の通信端末から受信した送信時刻のタイムスタンプが付与された音声/画像パケットに受信時刻のタイムスタンプを付与して受信データ記憶部へ格納させる指令と、自身のパフォーマンスデータを収集させる指令と、前記受信データ記憶部に格納された音声/画像パケットのタイムスタンプ及びシーケンス番号の情報並びに前記通信先の通信端末から受信した当該通信先の通信端末の送信データ記憶部内の送信時刻のタイムスタンプ及びシーケンス番号の情報に基づいて、品質劣化の要因たる伝送遅延,パケットロス率及びゆらぎの情報を算出させる指令と、これら算出された伝送遅延,パケットロス率及びゆらぎの情報並びに前記収集されたパフォーマンスデータの情報が予め設定されているこれらの閾値を超過しているか否かを判定させる指令と、この判定により閾値を超過している場合に品質劣化発生の可能性があることをモニタ上に通知させる指令とを有している。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明に係るマルチメディア通信の品質監視システムは、LAN(Local Area Network),WAN(Wide Area Network)やインターネット等のネットワーク20上の複数の通信端末10(k=1,2,…,n)で構成されたマルチメディア通信システムにおいて音声/画像データの品質を監視するものである。
【0011】
ここで、かかるマルチメディア通信システムにおいて本発明に係る品質監視システムを構築する為には、以下の如き処理機能を有する図1に示す制御手段11を上記通信端末10に持たせる。
【0012】
この通信端末10の制御手段11は、品質監視プログラムの処理指令に基づいて動作するCPUを備えており、その処理指令に基づいた処理機能として、図1に示す如く、IPアドレス取得機能11a,ズレ時間算出機能11b,パケットデータ収集機能11c,送信パケットデータ転送機能11d,伝送遅延情報算出機能11e,パケットロス率算出機能11f,ゆらぎ情報算出機能11g,パフォーマンスデータ収集機能11h,品質劣化判定機能11i及び通知機能11jを有する。
【0013】
上記IPアドレス取得機能11aとは、かかる処理機能が設けられた通信端末(以下、上記各機能の説明においては「本端末」ともいう。)10自身のIPアドレスと、通信先の他の通信端末(以下、上記各機能の説明においては「通信先端末」ともいう。)10のIPアドレスとを取得する機能のことである。ここで、自身のIPアドレスは、本端末10の設定値を参照することによって取得する。また、通信先端末10のIPアドレスは、本端末10の図示しない記憶装置等を参照して取得する。尚、この通信先端末10のIPアドレスは、予め本端末10のユーザに設定させることによって記憶装置等に格納しておく。
【0014】
また、上記ズレ時間算出機能11bとは、本端末10と通信先端末10の夫々の時計が有する時間のズレを算出し、この算出結果を本端末10のメモリ領域に格納する機能のことである。
【0015】
ここで、そのズレ時間の情報の演算処理機能について詳述する。先ず、本端末10のズレ時間算出機能11bが通信先端末10に対してパケット(Pingのような送信データが送信元に戻ってくるもの)を送信する。かかる送信時には、本端末10の時計から取得した図2に示す送信時刻Taのタイムスタンプがそのパケットに対して付与される。続いて、このパケットは、通信先端末10で受信された後、本端末10に返信されてくる。その間、通信先端末10においては、そのパケットに対して、通信先端末10の時計から取得した図2に示す受信時刻Tb及び送信時刻Tcのタイムスタンプが付与される。また、本端末10においては、そのパケットに対して、本端末10の時計から取得した図2に示す受信時刻Tdのタイムスタンプが付与される。
【0016】
このズレ時間算出機能11bは、返信されてきたパケットからタイムスタンプ情報Ta〜Tdを抽出し、下式(1)に基づいてズレ時間Tgを算出する。
【0017】
【数式1】
Figure 2004289748
【0018】
ここで、マルチメディア通信システムが双方向通信を行うものである場合は、通信先端末10のメモリ領域にもズレ時間情報を保持しておく必要がある。かかる場合には通信先端末10が自身のズレ時間算出機能11bにより算出したズレ時間情報をメモリ領域に格納してもよいが、本端末10のズレ時間算出機能11bに算出結果の送信機能を設け、これによって伝達されたズレ時間情報を通信先端末10が格納してもよい。
【0019】
また、上記パケットデータ収集機能11cとは、通信先端末10からRTPを用いた音声/画像データ(音声/画像パケット)を受信した際に、この音声/画像パケットに受信時刻のタイムスタンプを付与して図1に示す受信データ記憶部12に格納する機能のことである。ここで、本端末10が受信する音声/画像パケットには、送信元の通信先端末10の送信時刻のタイムスタンプが付与されている。これが為、その通信先端末10には、少なくとも送信対象の音声/画像パケットに送信時刻のタイムスタンプを付与するパケットデータ収集機能11cが設けられる。尚、この通信先端末10のパケットデータ収集機能11cは、送信時刻のタイムスタンプが付与された音声/画像パケットを図1に示す送信データ記憶部13に格納する機能も設けられている。
【0020】
このような本端末10と通信先端末10の夫々のパケットデータ収集機能11cは、一方向(通信先端末10から本端末10)のみの音声/画像データの送信を行うマルチメディア通信システムであれば上記の如き機能を各々が別個に備えていればよい。しかしながら、マルチメディア通信システムが双方向通信を行うものである場合は、本端末10からも通信先端末10への音声/画像パケットの送信が行われ、通信先端末10でも本端末10からの音声/画像パケットの受信が行われる。これが為、かかる場合における本端末10と通信先端末10の夫々のパケットデータ収集機能11cには、上記二つの機能,即ち、受信した音声/画像パケットに受信時刻のタイムスタンプを付与して受信データ記憶部12に格納する機能と、送信対象の音声/画像パケットに送信時刻のタイムスタンプを付与して送信データ記憶部13に格納する機能とが設けられている。
【0021】
尚、上記収集処理や以下の転送処理は、音声パケットや画像パケット毎に行われる。ここで、音声パケットと画像パケットの識別は、そのヘッダ情報に含まれるペイロードタイプにより行われる。
【0022】
続いて、上記送信パケットデータ転送機能11dについて説明する。この送信パケットデータ転送機能11dは、一方向のみの音声/画像データの送信を行うマルチメディア通信システムにあっては送信元たる通信先端末10のみに、双方向通信のマルチメディア通信システムにあっては本端末10と通信先端末10の双方に設けられる。
【0023】
具体的にこの送信パケットデータ転送機能11dとは、送信データ記憶部13に格納されている音声/画像パケットについてのシーケンス番号及びタイムスタンプの情報を定期的に相手方の通信端末10へと送信する機能のことである。例えば、この送信パケットデータ転送機能11dは、音声/画像パケットについてのシーケンス番号及びタイムスタンプの情報を夫々の音声/画像パケットから抽出し、これを5秒おきに転送する。ここで、そのシーケンス番号情報は、音声/画像パケットのヘッダ情報から抽出する。尚、例えば転送後の音声/画像パケットを送信データ記憶部13から削除する等して、一度転送した音声/画像パケットについてのシーケンス番号及びタイムスタンプの情報が再び相手方の通信端末10へと送信されないようにする。
【0024】
次に、音声/画像パケットを受信する側の通信端末10(マルチメディア通信システムが一方向通信であれば上記本端末10のみ、双方向通信であれば上記本端末10と通信先端末10の双方)に設けられる上記伝送遅延情報算出機能11e,パケットロス率算出機能11f,ゆらぎ情報算出機能11g,パフォーマンスデータ収集機能11h,品質劣化判定機能11i及び通知機能11jについて説明する。尚、これら伝送遅延情報算出機能11e,パケットロス率算出機能11f,ゆらぎ情報算出機能11g,パフォーマンスデータ収集機能11h及び品質劣化判定機能11iに係る処理は、音声パケットや画像パケット毎に行われる。
【0025】
先ず、上記伝送遅延情報算出機能11eとは、受信データ記憶部12に格納されている音声/画像パケットの送信時刻のタイムスタンプTs及び受信時刻のタイムスタンプTr,並びにメモリ領域に格納されているズレ時間情報Tgに基づいて下式(2)により伝送遅延Tdを算出する機能のことである。
【0026】
【数式2】
Figure 2004289748
【0027】
ここで、この伝送遅延情報算出機能11eによる演算処理は、定期的(例えば5秒おき)に行うものであってもよく、音声/画像パケットを受信する度に行うものであってもよい。また、受信した全ての音声/画像パケットを演算処理の対象にしてもよく、受信データ記憶部12から間引きして取得した音声/画像パケットをその対象にしてもよい。
【0028】
また、上記パケットロス率算出機能11fとは、相手方の通信端末10の送信パケットデータ転送機能11dにより送信されてきた複数の音声/画像パケットのシーケンス番号情報に基づいて、受信データ記憶部12に格納されている音声/画像パケットの損失率(パケットロス率)を算出する機能のことである。ここで、このパケットロス率算出機能11fは、前述した如く定期的に送られてきた一回分又は複数回分のシーケンス番号情報に係る音声/画像パケットを、パケットロス率の演算処理の対象とする。
【0029】
具体的にこのパケットロス率算出機能11fは、上記一回分又は複数回分のシーケンス番号情報をその番号順に並べ、この並べられた先頭と末尾のシーケンス番号情報から本来受信されているべき音声/画像パケットの総数Paを算出する機能と、並べられた全てのシーケンス番号情報に該当する音声/画像パケットが受信データ記憶部12に存在しているか否かを検索し、欠落しているシーケンス番号情報の総数をロスしたパケット数Pgとして算出する機能と、下式(3)に基づいてパケットロス率Pl(%)を算出する機能とを有する。
【0030】
【数式3】
Figure 2004289748
【0031】
また、上記ゆらぎ情報算出機能11gとは、連続して受信する音声/画像パケットの間隔の変動(偏差)のばらつき,即ちゆらぎ(ジッタ)の標準偏差値を算出する機能のことである。
【0032】
ゆらぎ(ジッタ)が発生している通信シーケンスを図3に例示する。ここで、この図3におけるゆらぎ(ジッタ)とは、通信先端末10の音声/画像パケットPi及び音声/画像パケットP(i+1)の送信間隔Xi{i=1,2,…,n}と、本端末10におけるその音声/画像パケットPi,P(i+1)の受信間隔Yi{i=1,2,…,n}との差分(Yi−Xi)のことをいう。このゆらぎ情報算出機能11gは、その差分(Yi−Xi)に基づき下式(4)を用いてジッタ標準偏差値Sを求める。
【0033】
【数式4】
Figure 2004289748
【0034】
ここで、本発明においては音声パケットと画像パケットの二つのデータが送受信される。夫々のパケットについては、上記の式(4)を用いて算出したジッタ標準偏差値Sにより後述する品質劣化の判定を行うことは可能である。しかしながら、音声パケットについては、以下の如き式(5)を用いてジッタ標準偏差値Sを求めてもよく、これにより実装上のパフォーマンスの向上等が図れる。
【0035】
音声データは、その圧縮方式によって異なるが、その送信間隔については圧縮方式が同一であれば常に一定である。これが為、このような特性を利用し、音声パケットについては、上記の式(4)に送信間隔Xi(i=1,2,…,n)=X=一定を代入した下記の式(5)を用いてジッタ標準偏差値Sを求める。
【0036】
【数式5】
Figure 2004289748
【0037】
尚、Xの値は使用する圧縮方式に依存するものであり、予め知ることができる。これが為、例えば図3の場合においては、本端末10が予めXの値の情報を持っているものとする。
【0038】
また、音声データの通信においては、音声の入力が無い場合に音声データの送出を停止させる無音圧縮という技術を用いるものもある。かかる技術が用いられている場合、例えば図4の受信間隔Y3をジッタ標準偏差値Sの演算処理の対象から除かなければ、正確な品質判定結果を得ることができない。
【0039】
ここで、音声パケットのヘッダ情報(RTPのヘッダ情報)には、MarkerBitというデータの始点を示す情報が存在する。このMarkerBitは、「1」であればデータの始点(音声データの始まり)であることを示し、「0」であればデータの途中(途中の音声データ)であることを示す。即ち、「0」であるMarkerBitの音声パケットの次に受け取った音声パケットにおいてそのMarkerBitが「1」である場合、これらの音声パケットの区間は無音圧縮が為されていたことが判る。これが為、このゆらぎ情報算出機能11gは、演算対象とされる音声パケットのMarkerBitを見ることによって無音圧縮の有無を判断し、無音圧縮区間を検出した場合には上記式(4)又は式(5)のジッタ標準偏差値Sの演算処理の対象から当該区間を除外する。
【0040】
また、上記パフォーマンスデータ収集機能11hとは、この通信端末10自身のCPU使用率やメモリ使用率等のパフォーマンスデータを収集する機能のことである。ここで、このパフォーマンスデータ収集機能11hは、パフォーマンスデータの収集を常時(又は定期的に)行う。
【0041】
続いて、上記品質劣化判定機能11iとは、上記伝送遅延情報算出機能11e,パケットロス率算出機能11f,ゆらぎ情報算出機能11g及びパフォーマンスデータ収集機能11hにより得た結果と、予め用意されているこれらの比較情報(閾値)とを比較して、品質劣化の有無を判断する機能のことである。
【0042】
また、上記通知機能11jとは、上記品質劣化判定機能11iの判定結果が品質劣化を示すものである場合に、品質が劣化している旨,その品質劣化の要素,そしてそれが画質なのか音質なのかをユーザに通知する機能のことである。ここで、品質劣化の要素の通知とは、伝送遅延なのか、パケットロスなのか、ゆらぎなのか、パフォーマンス低下なのかを通知することである。
【0043】
以下に、上述した機能を有する通信端末10間における品質監視システムの一実施形態を、図1に示すネットワーク20上の第一通信端末10と第二通信端末10との間のビデオ会議等のマルチメディア通信を例に挙げて説明する。
【0044】
尚、ここでは第一通信端末10側の処理動作について図6のフローチャートに基づき説明するが、第二通信端末10側についても同様の処理動作が行われる。
【0045】
先ず、第一通信端末10の制御手段11が、そのIPアドレス取得機能11aにより、自身のIPアドレスを取得し(ステップST1)、しかる後、通信先の第二通信端末10のIPアドレスを取得する(ステップST2)。そして、この第一通信端末10は、そのズレ時間算出機能11bにより、第二通信端末10との間のズレ時間を演算し、このズレ時間の情報をメモリ領域に格納する(ステップST3)。
【0046】
続いて、この第一通信端末10の制御手段11は、品質監視を始める準備ができたことをモニタ上に通知すると共に会議を開始するよう促すメッセージをモニタ上に表示する(ステップST4)。
【0047】
ユーザにより会議が開始される(ステップST5)と、第一通信端末10と第二通信端末10との間で音声/画像データの送受信が行われる。
【0048】
ここで、この第一通信端末10は、そのパケットデータ収集機能11cにより、送信及び受信した音声/画像パケットにタイムスタンプを付与して当該音声/画像パケットの収集を始めると共に、パフォーマンスデータ収集機能11hにより、CPU使用率やメモリ使用率等のパフォーマンスデータの収集を始める(ステップST6)。尚、このパフォーマンスデータは、これ以降、常時又は定期的に収集されているものとする。
【0049】
かかる収集処理が繰り返されているときに、この第一通信端末10は、第二通信端末10から定期的に送信された当該第二通信端末10の送信済音声/画像パケットについてのシーケンス番号及びタイムスタンプの情報を受信する(ステップST7)。
【0050】
次に、この第一通信端末10は、品質測定を行う(ステップST8)。
【0051】
即ち、その伝送遅延情報算出機能11eが、受信データ記憶部12に格納されている音声/画像パケットの送信時刻のタイムスタンプTs及び受信時刻のタイムスタンプTr,並びにメモリ領域に格納されているズレ時間情報Tgを上述した式(2)に代入して伝送遅延Tdを算出する。
【0052】
また、そのパケットロス率算出機能11fが、上記ステップST7で受信したシーケンス番号情報から本来受信されているべき音声/画像パケットの総数Paを算出し、更にそのシーケンス番号情報と上記ステップST6で収集した受信音声/画像パケットとによりロスしたパケット数Pgを算出する。そして、これら音声/画像パケット総数Paとロスしたパケット数Pgを上述した式(3)に代入して、パケットロス率Pl(%)を算出する。
【0053】
また、そのゆらぎ情報算出機能11gが、第二通信端末10から受信した複数の音声/画像パケットをシーケンス番号の順番に並べ、これらの送信時刻及び受信時刻のタイムスタンプから音声/画像パケットの送信間隔Xi(i=1,2,…,n)及び受信間隔Yi(i=1,2,…,n)を算出する。そして、これら送信間隔Xi及び受信間隔Yiを上述した式(4)に代入して、ジッタ標準偏差値Sを算出する。尚、前述した如く、音声パケットについては上記式(5)を用いてジッタ標準偏差値Sを算出してもよい。
【0054】
上記ステップST8で品質測定が行われると、次に第一通信端末10は、その品質劣化判定機能11iにより品質劣化有無の判定を行う(ステップST9)。
【0055】
即ち、上記ステップST8で算出した伝送遅延Td,パケットロス率Pl及びジッタ標準偏差値S並びに上記ステップST6で収集したパフォーマンスデータと予め設定されているこれらの閾値とを比較することにより品質劣化の有無を判定する。
【0056】
ここで、上記四要素の内の一つでも閾値を超えていれば品質が劣化していると判定し、通知機能11jにより、品質が劣化している旨,その品質劣化の要素,そしてそれが画質なのか音質なのかをユーザに通知する(ステップST10)。
【0057】
以降、会議が終了する(解析対象のパケットがなくなる)まで上記ステップST6〜ST10の処理を繰り返す(ステップST11)。
【0058】
以上示した如く本実施形態によれば、ユーザが品質劣化を認識する前にシステム側で品質劣化の検知を行い、これをユーザに通知することができる。そして、これによりユーザは、これから劣化する画像又は音声を早急に補正することできる。また、実際に送受信されている音声/画像パケットを用いて品質測定を行うので、品質劣化を高精度に知ることができる。
【0059】
【発明の効果】
本発明に係るマルチメディア通信の品質監視システム及びその品質監視方法によれば、ユーザが品質劣化を認識する前に、その品質の劣化を実際の音声/画像パケットに基づいて高精度に検知することができ、更にこれをユーザに通知することができる。これが為、ユーザは、品質の補正を早急に行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る通信端末の構成を示すブロック図である。
【図2】通信端末間の時間のズレ補正を説明する図である。
【図3】ゆらぎが発生している通信シーケンスを説明する図である。
【図4】無音圧縮技術が用いられている音声データについてゆらぎが発生している通信シーケンスを説明する図である。
【図5】本発明に係る通信端末で構成されたマルチメディア通信システムの一例を示す図である。
【図6】本発明に係る通信端末で構成されたマルチメディア通信システムにおける当該通信端末の処理動作を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
10(k=1,2,…,n) 通信端末
11 制御手段
11a IPアドレス取得機能
11b ズレ時間算出機能
11c パケットデータ収集機能
11d 送信パケットデータ転送機能
11e 伝送遅延情報算出機能
11f パケットロス率算出機能
11g ゆらぎ情報算出機能
11h パフォーマンスデータ収集機能
11i 品質劣化判定機能
11j 通知機能
12 受信データ記憶部
13 送信データ記憶部
20 ネットワーク

Claims (3)

  1. 複数の通信端末間で音声/画像データの送受信を行うマルチメディア通信の品質監視システムであって、
    一方の前記通信端末には、その通信先たる他方の前記通信端末へと送信する音声/画像パケットに送信時刻のタイムスタンプを付与して送信データ記憶部へ格納する機能と、該送信データ記憶部に格納した音声/画像パケットのタイムスタンプ及びシーケンス番号の情報を前記他方の通信端末に送信する機能とを設け、前記他方の通信端末には、前記一方の通信端末から受信した前記送信時刻のタイムスタンプが付与された音声/画像パケットに受信時刻のタイムスタンプを付与して受信データ記憶部へ格納する機能と、自身のパフォーマンスデータを収集する機能と、前記受信データ記憶部に格納した音声/画像パケットのタイムスタンプ及びシーケンス番号の情報並びに前記一方の通信端末から受信した送信時刻のタイムスタンプ及びシーケンス番号の情報に基づいて、品質劣化の要因たる伝送遅延,パケットロス率及びゆらぎの情報を算出する機能と、該算出した伝送遅延,パケットロス率及びゆらぎの情報並びに前記収集したパフォーマンスデータの情報が予め設定されているこれらの閾値を超過しているか否かを判定する機能と、該判定により閾値を超過している場合に品質劣化発生の可能性があることをモニタ上に通知する機能とを設けたことを特徴とするマルチメディア通信の品質監視システム。
  2. 複数の通信端末間で音声/画像データの送受信を行うマルチメディア通信の品質監視方法であって、
    前記通信端末は、その通信先の前記通信端末から受信した送信時刻のタイムスタンプが付与された音声/画像パケットに受信時刻のタイムスタンプを付与して受信データ記憶部へ格納する工程と、自身のパフォーマンスデータを収集する工程と、前記受信データ記憶部に格納された音声/画像パケットのタイムスタンプ及びシーケンス番号の情報並びに前記通信先の通信端末から受信した当該通信先の通信端末の送信データ記憶部内の送信時刻のタイムスタンプ及びシーケンス番号の情報に基づいて、品質劣化の要因たる伝送遅延,パケットロス率及びゆらぎの情報を算出する工程と、該算出した伝送遅延,パケットロス率及びゆらぎの情報並びに前記収集したパフォーマンスデータの情報が予め設定されているこれらの閾値を超過しているか否かを判定する工程と、該判定により閾値を超過している場合に品質劣化発生の可能性があることをモニタ上に通知する工程とを有することを特徴としたマルチメディア通信の品質監視方法。
  3. 複数の通信端末間で音声/画像データの送受信を行うマルチメディア通信における当該通信端末の制御手段を動作させるマルチメディア通信の品質監視プログラムであって、
    通信先の前記通信端末から受信した送信時刻のタイムスタンプが付与された音声/画像パケットに受信時刻のタイムスタンプを付与して受信データ記憶部へ格納させる指令と、自身のパフォーマンスデータを収集させる指令と、前記受信データ記憶部に格納された音声/画像パケットのタイムスタンプ及びシーケンス番号の情報並びに前記通信先の通信端末から受信した当該通信先の通信端末の送信データ記憶部内の送信時刻のタイムスタンプ及びシーケンス番号の情報に基づいて、品質劣化の要因たる伝送遅延,パケットロス率及びゆらぎの情報を算出させる指令と、該算出された伝送遅延,パケットロス率及びゆらぎの情報並びに前記収集されたパフォーマンスデータの情報が予め設定されているこれらの閾値を超過しているか否かを判定させる指令と、該判定により閾値を超過している場合に品質劣化発生の可能性があることをモニタ上に通知させる指令とを設けたことを特徴とするマルチメディア通信の品質監視プログラム。
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