JP2004288495A - 固体高分子型燃料電池用電解質膜及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の目的は、機械的強度及び発電特性が共に優れた固体高分子型燃料電池用電解質膜及びその製造方法を提供することにある。
【解決手段】固体高分子型燃料電池用電解質膜が、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維シートと、プロトン伝導性陽イオン交換樹脂との複合体からなる陽イオン交換膜である。
また、固体高分子型燃料電池用電解質膜の製造方法は、PBO繊維を湿式抄造してPBO繊維一次シートを得る抄紙工程と、前記PBO繊維一次シートを加圧して繊維間同士を結合にしたPBO繊維シートを得る加圧工程と、前記PBO繊維シートに、プロトン伝導性陽イオン交換樹脂を複合化する複合化工程とを有することを特徴としている。
【選択図】なし
【解決手段】固体高分子型燃料電池用電解質膜が、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維シートと、プロトン伝導性陽イオン交換樹脂との複合体からなる陽イオン交換膜である。
また、固体高分子型燃料電池用電解質膜の製造方法は、PBO繊維を湿式抄造してPBO繊維一次シートを得る抄紙工程と、前記PBO繊維一次シートを加圧して繊維間同士を結合にしたPBO繊維シートを得る加圧工程と、前記PBO繊維シートに、プロトン伝導性陽イオン交換樹脂を複合化する複合化工程とを有することを特徴としている。
【選択図】なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、固体高分子型燃料電池用電解質膜及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
水素・酸素燃料電池は、その反応生成物が水のみであり、地球環境保全に貢献する発電システムとして注目されている。燃料電池の中でも、陽イオン交換膜を電解質膜として用いる固体高分子型燃料電池は、作動温度が低く、小型化が可能であるという特徴を有し、家庭用据置型電源、車載用電源、移動体用携帯電源等の用途に対して有望視されており、研究開発が進んでいる。
【0003】
固体高分子型燃料電池電解質膜の高分子膜としては、通常、厚さ100μm〜200μmのプロトン伝導性陽イオン交換膜が用いられており、さらに、プロトン伝導性陽イオン交換膜としては、スルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体の陽イオン交換膜が代表例として挙げられる。しかしながら、このような従来の陽イオン交換膜を用いた固体高分子型燃料電池は、実用上十分満足する程度の出力密度が得られないという問題を有するものであった。
【0004】
そこで、出力密度をより高くする方法として、例えば、膜厚を薄くすることにより、陽イオン交換膜の電気抵抗を低下させる方法が提案されたが、この方法では陽イオン交換膜の機械的強度(引張強さ、破裂強さ、引裂強さ等)を低下させる上に、湿潤時の寸法安定性を低下させるなどの問題があり、乾燥状態では機械的強度が激減してクラックを発生しやすくなり、湿潤状態では極端に膨張するという問題を生ずるものであった。さらに膜厚を薄くすると、膜をガス拡散電極と接合させる加工の際の加工性および取り扱い性が劣る等の問題があった。また、燃料電池に装着して発電する際に導入される水素や空気による外力に耐えられず、変形などを起し、発電能力が低下するという問題もあった。
【0005】
上記の問題を解決する方法として、ポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEという。)多孔フィルムにスルホン酸基を有するパーフルオロカーボン系陽イオン交換樹脂を含浸する方法が提案されている(特許文献1参照)。この方法では、膜厚を薄くして機械的強度を高めることができるものの、多孔フィルムの空隙率が低いので、陽イオン交換樹脂の含有量が不足し、陽イオン交換膜の電気抵抗が十分低下しないという問題があった。
【0006】
また、陽イオン交換膜がフィブリル状、織布状、または不織布状のパーフルオロカーボン重合体で補強された陽イオン交換膜が提案された(特許文献2参照)。しかしながら、この陽イオン交換膜は、厚さが100μm〜200μmであり十分に薄いものではなく、電気抵抗を十分に低下させることができなかった。
【0007】
そこで、膜厚を薄くする方法として、フィブリル繊維径が1μm以下のフィブリル数が全フィブリル数の70%以上を占めることを特徴とするフルオロカーボン重合体のフィブリル繊維で補強された、スルホン酸基を有するパーフルオロカーボン系陽イオン交換膜が提案されている(特許文献3参照)。この陽イオン交換膜は、従来のパーフルオロカーボン系陽イオン交換膜と比較して、含水率、イオン交換容量が同等であり、引張破壊応力は高い。
しかしながら、このような膜厚を薄くする方法においても、なお問題点を有している。すなわち、永久ひずみを伴わない引張降伏応力は、シート状に押出成形する際の流れ方向(MD:縦方向)及びMDに垂直な方向(TD:横方向)ともに小さく、外力により容易に変形し復元しないという問題があった。これは、このフィブリル繊維補強陽イオン交換膜は、フィブリル繊維とイオン交換樹脂とを混練後、製膜及び加熱処理を行っているので、フィブリル繊維同士が固着していないためと考えられる。
【0008】
【特許文献1】
特公平5−75835号公報
【特許文献2】
特開平6−231779号公報
【特許文献3】
特開2001−345111号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、機械的強度及び発電特性が共に優れた固体高分子型燃料電池用電解質膜及びその製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の固体高分子型燃料電池用電解質膜は、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール(以下、PBOという)繊維シートと、プロトン伝導性陽イオン交換樹脂との複合体からなることを特徴としている。
また、本発明の固体高分子型燃料電池用電解質膜の製造方法は、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維を湿式抄造してポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維一次シートを得る抄紙工程と、前記ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維一次シートを加圧して繊維間同士を結合したポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維シートを得る加圧工程と、前記ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維シートと、プロトン伝導性陽イオン交換樹脂とを複合化する複合化工程とを有することを特徴としている。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の固体高分子型燃料電池用電解質膜(以下、電解質膜と略す)の一例について説明する。この電解質膜は、PBO繊維シートと、プロトン伝導性陽イオン交換樹脂とから構成された陽イオン交換膜である。
PBO繊維自体については、例えば、特開平8−41728号公報などにも記載されているように、現在市販されている高強度・高弾性率繊維の代表であるポリパラフェニレンテレフタールアミド繊維(芳香族ポリアミド繊維)の2倍以上の強度と弾性率を有している。さらに、耐熱性、耐薬品性にも優れている。また、該繊維は、ポリベンザゾール重合体のポリリン酸溶液から製造され、その紡糸方法については、米国特許5296185号、米国特許5294390号等に開示されており、水洗乾燥方法についてはWO94/04726号、熱処理方法については米国特許5296185号に開示されている。
【0012】
PBO繊維シートは、PBO繊維同士が結合されたものであり、例えば、乾式不織布、湿式不織布、湿式抄造紙などを必要に応じて加圧処理したものが挙げられる。中でも、PBO繊維シートとしては湿式抄造紙が好ましい。湿式抄造は繊維の分散を均一にでき、厚さの薄くかつ均一なシートの作製に適する。湿式抄造紙は、PBO繊維がフィブリル化されたPBOパルプ同士が物理的な絡み合いで結合されたものが好ましく使用され、更なるシート強度向上の為に、バインダー繊維を添加し、加熱処理によりバインダー繊維を溶融し、PBO繊維間をバインダー繊維により結着させたシートが好ましい。このようなPBO繊維シートは、不特定方向に配向した短繊維或いはパルプ状の繊維により構成され、繊維間同士が物理的な絡み合い・圧着、或いはバインダー繊維の熱融着により結合されている構造を有しているために、引張降伏応力が大きく、繊維の配向性がより小さいために、電解質膜の方向性を小さくできる。そして、電解質膜の機械的強度を高めることができる。
【0013】
本発明を構成するPBO繊維シートに好ましく使用されるPBOパルプは、上記PBO繊維の長繊維あるいは、数mm程度の短繊維を用い、叩解処理することによって作製することができる。ここでPBOパルプは、一般的な叩解機であるボールミル、ビーター、ランペンミル、コーラーガング、PFIミル、ジョクロミル、SDR、DDRその他のリファイナー等を使用して、PBO繊維を叩解することによって得られる。叩解(フィブリル化)の程度は、JIS P8121:1995に記載のろ水度によって表わすことができる。好ましいろ水度は150ml〜800mlである。ろ水度が800mlを越えるとフィブリル化が進んでおらず、パルプ同士の絡み合いが不足し、シート強度が出難い。150ml未満では繊維がフィブリル化し過ぎて短繊維化が進み、シート強度が低下する傾向となる。
【0014】
また、使用されるPBO繊維として、PBO繊維シートに要求される特性、具体的には、平均孔径、最大孔径やシート強度などによって、フィブリル化されているPBOパルプとフィブリル化されていない繊維あるいはそれらの混合物を選択することができる。例えば、より強いシート強度を必要とする場合には、PBOパルプの比率を多く使用すると、繊維間同士の絡み合いが増しシート強度が向上する。シートの空隙率を上げる場合は、フィブリル化していないPBO繊維の比率を多くするとよい。配合比率はシート強度と空隙率のバランスによって決定される。
【0015】
本発明を構成するPBO繊維シートは、シート強度を高めるためにバインダー繊維を併用することが好ましい。バインダー繊維としては高融点バインダー繊維が挙げられる。高融点バインダー繊維は、示差走査熱量計(DSC)の方法で測定した融点が150℃以上であることが好ましい。この場合150℃未満であると十分な耐熱性のあるシートが得られないので好ましくない。具体的にはポリパラフェニレンスルフィッド繊維、全芳香族ポリエステル繊維、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体繊維、ポリテトラフルオロエチレン繊維等が本発明に適用できる。ただし、本発明のバインダー繊維は上記具体的に挙げた繊維に限定されない。バインダー繊維の配合比率は、PBO繊維とバインダー繊維の合計量に対して3〜20重量%が好ましい。20重量%を越えるとPBO繊維の持つ耐熱性、高強度がシートに活かされず、3重量%未満であるとバインダーとしての効果が少ない。
【0016】
本発明を構成するPBO繊維シートの空隙率は55〜90%であることが好ましい。空隙率55〜90%であれば、より空隙の多い多孔質シートとなり、プロトン伝導性陽イオン交換樹脂をより多く含浸させることができ、プロトン伝導性をより高めることができる。例えば、空隙率が70%のPBO繊維シートに、イオン交換容量が約1.0モル/kg乾燥重量程度のスルホン酸基を有するパーフルオロカーボン系陽イオン交換樹脂液を含浸させれば、0.7モル/kg乾燥重量以上のイオン交換容量を持つ陽イオン交換膜を得ることができる。
なお、空隙率が55%未満であると、陽イオン交換樹脂が不足し、イオン交換容量が不足することがある。また、空隙率が90%を越えると陽イオン交換膜の機械的強度が不十分となることがある。ここで、空隙率とは、PBO繊維シート中の空間部分の体積比率である。
【0017】
本発明の複合体は、そのイオン交換容量が0.7〜1.3モル/kg乾燥重量であることが好ましく、0.75〜1.3モル/kg乾燥重量であることがより好ましい。イオン交換容量が0.7モル/kg乾燥重量より小さい場合には、電解質膜の電気抵抗が大きくなることがあり、1.3モル/kg乾燥重量より大きい場合には、電解質膜の機械的強度が不十分となることがある。
【0018】
本発明の複合体を構成するプロトン伝導性陽イオン交換樹脂は、イオン交換容量が0.7〜2.0モル/kg乾燥重量であることが好ましい。イオン交換容量が0.7モル/kg乾燥重量未満の場合には、得られる電解質膜の抵抗が大きくなることがあり、2.0モル/kg乾燥重量を越える場合には、電解質膜の機械的強度が不十分となることがある。
【0019】
さらに、本発明の複合体を構成するプロトン伝導性陽イオン交換樹脂は、スルホン酸基を有するパーフルオロカーボン系イオン交換樹脂、ポリスチレンスルホン酸イオン交換樹脂、スルホン酸基が導入されたポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。それらの中で、スルホン酸基を有するパーフルオロカーボン系陽イオン交換樹脂は、イオン伝導性が高いため、発電効率を高めることができるので好ましい。
【0020】
また、本発明の複合体の縦方向及び横方向の引張降伏応力が、ともに12MPa以上であることが好ましく、15MPa以上であることがより好ましく、18MPa以上であることがさらに好ましい。そして縦方向の引張降伏応力と横方向の引張降伏応力との比(縦方向の引張降伏応力/横方向の引張降伏応力)が、2.0以下であることが好ましい。さらに好ましくは、縦方向の引張降伏応力/横方向の引張降伏応力の比が限りなく1.0に近いことである。ここで、縦方向とは、シート状に形成した際の長尺方向(MD)のことであり、横方向とは、シート状に成形した際の幅方向、すなわち、長尺方向に対する垂直方向(TD)のことである。
なお、引張降伏応力が12MPa未満であると、加工時に傷つきやすい上に、燃料電池に装着して発電する際に変形し、復元しにくい。また、縦方向の引張降伏応力/横方向の引張降伏応力の比が2.0を越えると、外力を受けた時、MDとTDの寸法変化が異なるために、膜が変形することがある。
【0021】
本発明の複合体は、厚さが15〜95μmであり、好ましくは15〜75μmであり、より好ましくは15〜65μmである。厚さが15μm未満の場合は、電解質膜の機械的強度が不十分となりやすく、95μmを越えると、得られる電解質膜の電気抵抗が大きくなるので好ましくない。
【0022】
次に、本発明の複合体の製造方法の一例について説明する。まず、抄紙工程において、規定量のPBO繊維及び/またはPBOパルプ(必要に応じてバインダー繊維を併用する)を水中で攪拌、混合し、好ましくは、固形分濃度が0.5%以下になるように濃度調整したスラリーを、長網式、円網式、短網式などの湿式抄造機に供給する。そして、連続したワイヤメッシュを有する脱水パートで脱水し、加圧して搾水する。次いで、加熱して乾燥し、紙状の多孔性のPBO繊維一次シートを得る。
ここで、PBO繊維一次シートには、通常の製紙で用いられる各種の紙力増強剤、分散剤などの添加剤を必要に応じて適宜配合することができる。
【0023】
このような湿式抄造法で得られたPBO繊維一次シートは乾式法で製造された不織布と比較して、繊維の分散が均一で良好な地合を有するという優れた特徴を有している。
【0024】
次いで、加圧工程において、得られたPBO繊維一次シートをカレンダーロールに通して加圧し、PBO繊維間、PBOパルプ間、及びPBOパルプとPBO繊維間の物理的な絡み合いを強固にする。バインダー繊維を添加した場合は、熱ロールに通してバインダー繊維を溶融し、PBO繊維間、PBOパルプ間を結着させることもできる。また、電気炉で焼成して結着することもできる。
さらに、加圧工程と後述する複合化工程の間に、不純物の混入量をより低減するためにPBO繊維シートを洗浄し、乾燥する洗浄工程を有することが好ましい。
【0025】
次いで、複合化工程において、上述のようにして得られたPBO繊維シートとプロトン伝導性陽イオン交換樹脂を複合化して電解質膜を得る。複合化する方法としては、PBO繊維シートに陽イオン交換樹脂液を含浸する方法、PBO繊維シートと別途作製した陽イオン交換樹脂膜とを重ね、加圧して接着させる方法などが挙げられるが、密着性の点で含浸する方法が好ましい。
【0026】
PBO繊維シートに陽イオン交換樹脂液を含浸する方法では、まず、PBO繊維シートをメタノールに浸して真空脱気し、このPBO繊維シートに、プロトン伝導性陽イオン交換樹脂液を均一状態に含浸させて含浸シートを作製する。次いで、この含浸シートを25℃で二日間放置して溶媒を蒸発除去し、複合化して電解質膜を得る。
さらに、均一な所定厚さの電解質膜とするには、含浸シートを真空脱気しつつ、ホットプレス機で加熱加圧処理して成型することが好ましい。この方法では、真空脱気により膜中に存在する気泡が除去されるので、電気抵抗がより低くなり、強度がより向上する。また、加熱加圧処理により、膜の厚さが均一になるとともに、PBO繊維シートと陽イオン交換樹脂との密着性がさらに向上する。
【0027】
所望の膜厚、イオン交換容量、強度等の特性を持った電解質膜を得るためには、PBO繊維シートの種類(厚さ、空隙率、PBOパルプのフィブリル化の程度、PBOパルプとPBO繊維の比率、バインダー繊維の比率等)、プロトン伝導性陽イオン交換樹脂溶液の濃度、含浸量や加熱処理条件等を適宜制御することによって達成することができる。
【0028】
なお、上述した製造方法では、PBO繊維とPBOパルプを湿式抄造法により抄造してPBO繊維一次シートを得たが、本発明のPBO繊維一次シートはこれに限定されず、例えば、乾式法などによりPBO繊維一次シートを得てもよい。
【0029】
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をさらに詳細に説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0030】
【実施例】
<実施例1>
まず、抄造工程において、PBO繊維(東洋紡績(株)製、商品名:ザイロン、繊維長3mm、繊維径12μm)を水に0.5重量%の濃度で分散し抄紙原料とし、円網抄紙機に供給し、湿式抄造して坪量25g/m2のPBO繊維一次シートを得た。
次に加圧工程において、上記PBO繊維一次シートを加圧し、厚さ50μm、空隙率61.2%のPBO繊維シートを得た。
複合化工程において、メタノール溶液中で10分間真空脱気したスルホン酸基を有するパーフルオロカーボン系陽イオン交換樹脂液(デュポン社製、商品名:ナフィオン、5重量%液)を、PBO繊維シート中に含浸させた後、25℃で2日間放置して溶媒を蒸発除去した。次いで、溶媒除去後の含浸シートを、真空脱気しながらホットプレス機で温度140℃、圧力5MPaの条件下で20分間(昇温10分、保持10分)加熱加圧して厚さ50μmの本発明の電解質膜を作製した。
【0031】
<実施例2>
ろ水度600mlのPBOパルプを用いた以外は実施例1と同様にして、厚さ50μmの本発明の電解質膜を作製した。
【0032】
<実施例3>
バインダー繊維として、ポリパラフェニレンスルフィッド繊維(東洋紡績社製、商品名:PROCON II、繊維長6mm)をPBO繊維とバインダー繊維の合計量に対して6重量%添加した以外は、実施例1と同様にして、厚さ50μmの本発明の電解質膜を作製した。
【0033】
<実施例4>
PBO繊維シートとして坪量55g/m2、厚さ90μm、空隙率60.5%のPBO繊維シートを用いた以外は、実施例1同様にして、厚さ90μmの本発明の電解質膜を作製した。
【0034】
<実施例5>
PB0繊維シートとして坪量を13g/m2、厚さ15μm、空隙率56.9%のPBO繊維シートを用いた以外は、実施例1同様にして、厚さ15μmの本発明の電解質膜を作製した。
【0035】
<実施例6>
PBO繊維シートとして坪量70g/m2、厚さ110μm、空隙率58.9%のPBO繊維シートを用いた以外は、実施例1同様にして、厚さ110μmの本発明の電解質膜を作製した。
【0036】
<比較例1>
PBO繊維シートを用いず、実施例1で用いたスルホン酸基を有するパーフルオロカーボン系陽イオン交換樹脂溶液のみをキャストし、25℃で2日間放置して溶媒を蒸発除去した後、ホットプレス機で実施例1と同様の加熱・加圧処理を施して厚さ50μmの比較用の電解質膜を作製した。
【0037】
<比較例2>
市販の旭硝子社製の陽イオン交換膜(商品名:フレミオン、スルホン酸型パーフルオロカーボン重合体をPTFEフィブリルで補強したもの)を比較用の電解質膜とした。
【0038】
上記で得られた実施例1〜5及び比較例1〜2の電解質膜について、下記の方法にて評価を行った。
<評価方法>
(1)引張降伏応力:JIS K 7161に準拠し引張降伏応力を測定した。測定環境:25℃、65%RH。測定機:島津製作所製AG5000D。試料チャック間スパン:10mm。引張速度:50mm/min。実用上必要な値はMD、TD共に12MPa以上である。
(2)イオン交換容量:実施例、比較例の電解質膜を1Nの水酸化ナトリウム水溶液に12時間浸漬させた後、1Nの塩酸水溶液に24時間浸漬させた。次いで水洗いした後、1Nの 水酸化ナトリウム水溶液に12時間浸漬させ、水素イオンを溶液中に浸出させた。該溶液を水酸化ナトリウム水溶液にて中和滴定を行いイオン交換容量を算出した。実用上必要なイオン交換容量は0.7モル/kg乾燥重量以上である。
(3)電解質膜の変形:実施例、比較例の電解質膜を燃料電池に装着して発電を行い、500時間後の膜の変形(凸凹の発生)の有無を目視で確認した。
【0039】
<評価結果>
実施例、比較例で得られた電解質膜の評価結果を表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】
実施例1〜6の電解質膜は、引張降伏応力、イオン交換容量、電解質膜の変形において実用上問題ないものであった。
比較例1の電解質膜は、引張降伏応力が9.6MPaと小さく、変形が生じた。
比較例2の電解質膜は、引張降伏応力がMD9.0MPa、CD11.0MPaと小さく、変形が生じた。
【0042】
【発明の効果】
本発明の固体高分子型燃料電池用電解質膜は、PBO繊維シートと、プロトン伝導性陽イオン交換樹脂からなる複合体であるため、厚さが15〜95μmと薄いにもかかわらず、機械的強度に優れており、外力による変形を防止できる。それとともに、厚さが15〜95μmと薄いために、電気抵抗が小さく、発電効率が高い。
また、本発明の固体高分子型燃料電池用電解質膜の製造方法では、抄造工程で得られたPBO繊維一次シートの繊維が、加圧工程において繊維間の物理的絡み合いが増して、強固に結着されたPBO繊維シートを得ることができる。さらに、複合工程において、PBO繊維シートに、プロトン伝導性陽イオン交換樹脂を複合化することにより、上記の固体高分子型燃料電池用電解質膜を得ることができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、固体高分子型燃料電池用電解質膜及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
水素・酸素燃料電池は、その反応生成物が水のみであり、地球環境保全に貢献する発電システムとして注目されている。燃料電池の中でも、陽イオン交換膜を電解質膜として用いる固体高分子型燃料電池は、作動温度が低く、小型化が可能であるという特徴を有し、家庭用据置型電源、車載用電源、移動体用携帯電源等の用途に対して有望視されており、研究開発が進んでいる。
【0003】
固体高分子型燃料電池電解質膜の高分子膜としては、通常、厚さ100μm〜200μmのプロトン伝導性陽イオン交換膜が用いられており、さらに、プロトン伝導性陽イオン交換膜としては、スルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体の陽イオン交換膜が代表例として挙げられる。しかしながら、このような従来の陽イオン交換膜を用いた固体高分子型燃料電池は、実用上十分満足する程度の出力密度が得られないという問題を有するものであった。
【0004】
そこで、出力密度をより高くする方法として、例えば、膜厚を薄くすることにより、陽イオン交換膜の電気抵抗を低下させる方法が提案されたが、この方法では陽イオン交換膜の機械的強度(引張強さ、破裂強さ、引裂強さ等)を低下させる上に、湿潤時の寸法安定性を低下させるなどの問題があり、乾燥状態では機械的強度が激減してクラックを発生しやすくなり、湿潤状態では極端に膨張するという問題を生ずるものであった。さらに膜厚を薄くすると、膜をガス拡散電極と接合させる加工の際の加工性および取り扱い性が劣る等の問題があった。また、燃料電池に装着して発電する際に導入される水素や空気による外力に耐えられず、変形などを起し、発電能力が低下するという問題もあった。
【0005】
上記の問題を解決する方法として、ポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEという。)多孔フィルムにスルホン酸基を有するパーフルオロカーボン系陽イオン交換樹脂を含浸する方法が提案されている(特許文献1参照)。この方法では、膜厚を薄くして機械的強度を高めることができるものの、多孔フィルムの空隙率が低いので、陽イオン交換樹脂の含有量が不足し、陽イオン交換膜の電気抵抗が十分低下しないという問題があった。
【0006】
また、陽イオン交換膜がフィブリル状、織布状、または不織布状のパーフルオロカーボン重合体で補強された陽イオン交換膜が提案された(特許文献2参照)。しかしながら、この陽イオン交換膜は、厚さが100μm〜200μmであり十分に薄いものではなく、電気抵抗を十分に低下させることができなかった。
【0007】
そこで、膜厚を薄くする方法として、フィブリル繊維径が1μm以下のフィブリル数が全フィブリル数の70%以上を占めることを特徴とするフルオロカーボン重合体のフィブリル繊維で補強された、スルホン酸基を有するパーフルオロカーボン系陽イオン交換膜が提案されている(特許文献3参照)。この陽イオン交換膜は、従来のパーフルオロカーボン系陽イオン交換膜と比較して、含水率、イオン交換容量が同等であり、引張破壊応力は高い。
しかしながら、このような膜厚を薄くする方法においても、なお問題点を有している。すなわち、永久ひずみを伴わない引張降伏応力は、シート状に押出成形する際の流れ方向(MD:縦方向)及びMDに垂直な方向(TD:横方向)ともに小さく、外力により容易に変形し復元しないという問題があった。これは、このフィブリル繊維補強陽イオン交換膜は、フィブリル繊維とイオン交換樹脂とを混練後、製膜及び加熱処理を行っているので、フィブリル繊維同士が固着していないためと考えられる。
【0008】
【特許文献1】
特公平5−75835号公報
【特許文献2】
特開平6−231779号公報
【特許文献3】
特開2001−345111号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、機械的強度及び発電特性が共に優れた固体高分子型燃料電池用電解質膜及びその製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の固体高分子型燃料電池用電解質膜は、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール(以下、PBOという)繊維シートと、プロトン伝導性陽イオン交換樹脂との複合体からなることを特徴としている。
また、本発明の固体高分子型燃料電池用電解質膜の製造方法は、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維を湿式抄造してポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維一次シートを得る抄紙工程と、前記ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維一次シートを加圧して繊維間同士を結合したポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維シートを得る加圧工程と、前記ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維シートと、プロトン伝導性陽イオン交換樹脂とを複合化する複合化工程とを有することを特徴としている。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の固体高分子型燃料電池用電解質膜(以下、電解質膜と略す)の一例について説明する。この電解質膜は、PBO繊維シートと、プロトン伝導性陽イオン交換樹脂とから構成された陽イオン交換膜である。
PBO繊維自体については、例えば、特開平8−41728号公報などにも記載されているように、現在市販されている高強度・高弾性率繊維の代表であるポリパラフェニレンテレフタールアミド繊維(芳香族ポリアミド繊維)の2倍以上の強度と弾性率を有している。さらに、耐熱性、耐薬品性にも優れている。また、該繊維は、ポリベンザゾール重合体のポリリン酸溶液から製造され、その紡糸方法については、米国特許5296185号、米国特許5294390号等に開示されており、水洗乾燥方法についてはWO94/04726号、熱処理方法については米国特許5296185号に開示されている。
【0012】
PBO繊維シートは、PBO繊維同士が結合されたものであり、例えば、乾式不織布、湿式不織布、湿式抄造紙などを必要に応じて加圧処理したものが挙げられる。中でも、PBO繊維シートとしては湿式抄造紙が好ましい。湿式抄造は繊維の分散を均一にでき、厚さの薄くかつ均一なシートの作製に適する。湿式抄造紙は、PBO繊維がフィブリル化されたPBOパルプ同士が物理的な絡み合いで結合されたものが好ましく使用され、更なるシート強度向上の為に、バインダー繊維を添加し、加熱処理によりバインダー繊維を溶融し、PBO繊維間をバインダー繊維により結着させたシートが好ましい。このようなPBO繊維シートは、不特定方向に配向した短繊維或いはパルプ状の繊維により構成され、繊維間同士が物理的な絡み合い・圧着、或いはバインダー繊維の熱融着により結合されている構造を有しているために、引張降伏応力が大きく、繊維の配向性がより小さいために、電解質膜の方向性を小さくできる。そして、電解質膜の機械的強度を高めることができる。
【0013】
本発明を構成するPBO繊維シートに好ましく使用されるPBOパルプは、上記PBO繊維の長繊維あるいは、数mm程度の短繊維を用い、叩解処理することによって作製することができる。ここでPBOパルプは、一般的な叩解機であるボールミル、ビーター、ランペンミル、コーラーガング、PFIミル、ジョクロミル、SDR、DDRその他のリファイナー等を使用して、PBO繊維を叩解することによって得られる。叩解(フィブリル化)の程度は、JIS P8121:1995に記載のろ水度によって表わすことができる。好ましいろ水度は150ml〜800mlである。ろ水度が800mlを越えるとフィブリル化が進んでおらず、パルプ同士の絡み合いが不足し、シート強度が出難い。150ml未満では繊維がフィブリル化し過ぎて短繊維化が進み、シート強度が低下する傾向となる。
【0014】
また、使用されるPBO繊維として、PBO繊維シートに要求される特性、具体的には、平均孔径、最大孔径やシート強度などによって、フィブリル化されているPBOパルプとフィブリル化されていない繊維あるいはそれらの混合物を選択することができる。例えば、より強いシート強度を必要とする場合には、PBOパルプの比率を多く使用すると、繊維間同士の絡み合いが増しシート強度が向上する。シートの空隙率を上げる場合は、フィブリル化していないPBO繊維の比率を多くするとよい。配合比率はシート強度と空隙率のバランスによって決定される。
【0015】
本発明を構成するPBO繊維シートは、シート強度を高めるためにバインダー繊維を併用することが好ましい。バインダー繊維としては高融点バインダー繊維が挙げられる。高融点バインダー繊維は、示差走査熱量計(DSC)の方法で測定した融点が150℃以上であることが好ましい。この場合150℃未満であると十分な耐熱性のあるシートが得られないので好ましくない。具体的にはポリパラフェニレンスルフィッド繊維、全芳香族ポリエステル繊維、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体繊維、ポリテトラフルオロエチレン繊維等が本発明に適用できる。ただし、本発明のバインダー繊維は上記具体的に挙げた繊維に限定されない。バインダー繊維の配合比率は、PBO繊維とバインダー繊維の合計量に対して3〜20重量%が好ましい。20重量%を越えるとPBO繊維の持つ耐熱性、高強度がシートに活かされず、3重量%未満であるとバインダーとしての効果が少ない。
【0016】
本発明を構成するPBO繊維シートの空隙率は55〜90%であることが好ましい。空隙率55〜90%であれば、より空隙の多い多孔質シートとなり、プロトン伝導性陽イオン交換樹脂をより多く含浸させることができ、プロトン伝導性をより高めることができる。例えば、空隙率が70%のPBO繊維シートに、イオン交換容量が約1.0モル/kg乾燥重量程度のスルホン酸基を有するパーフルオロカーボン系陽イオン交換樹脂液を含浸させれば、0.7モル/kg乾燥重量以上のイオン交換容量を持つ陽イオン交換膜を得ることができる。
なお、空隙率が55%未満であると、陽イオン交換樹脂が不足し、イオン交換容量が不足することがある。また、空隙率が90%を越えると陽イオン交換膜の機械的強度が不十分となることがある。ここで、空隙率とは、PBO繊維シート中の空間部分の体積比率である。
【0017】
本発明の複合体は、そのイオン交換容量が0.7〜1.3モル/kg乾燥重量であることが好ましく、0.75〜1.3モル/kg乾燥重量であることがより好ましい。イオン交換容量が0.7モル/kg乾燥重量より小さい場合には、電解質膜の電気抵抗が大きくなることがあり、1.3モル/kg乾燥重量より大きい場合には、電解質膜の機械的強度が不十分となることがある。
【0018】
本発明の複合体を構成するプロトン伝導性陽イオン交換樹脂は、イオン交換容量が0.7〜2.0モル/kg乾燥重量であることが好ましい。イオン交換容量が0.7モル/kg乾燥重量未満の場合には、得られる電解質膜の抵抗が大きくなることがあり、2.0モル/kg乾燥重量を越える場合には、電解質膜の機械的強度が不十分となることがある。
【0019】
さらに、本発明の複合体を構成するプロトン伝導性陽イオン交換樹脂は、スルホン酸基を有するパーフルオロカーボン系イオン交換樹脂、ポリスチレンスルホン酸イオン交換樹脂、スルホン酸基が導入されたポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。それらの中で、スルホン酸基を有するパーフルオロカーボン系陽イオン交換樹脂は、イオン伝導性が高いため、発電効率を高めることができるので好ましい。
【0020】
また、本発明の複合体の縦方向及び横方向の引張降伏応力が、ともに12MPa以上であることが好ましく、15MPa以上であることがより好ましく、18MPa以上であることがさらに好ましい。そして縦方向の引張降伏応力と横方向の引張降伏応力との比(縦方向の引張降伏応力/横方向の引張降伏応力)が、2.0以下であることが好ましい。さらに好ましくは、縦方向の引張降伏応力/横方向の引張降伏応力の比が限りなく1.0に近いことである。ここで、縦方向とは、シート状に形成した際の長尺方向(MD)のことであり、横方向とは、シート状に成形した際の幅方向、すなわち、長尺方向に対する垂直方向(TD)のことである。
なお、引張降伏応力が12MPa未満であると、加工時に傷つきやすい上に、燃料電池に装着して発電する際に変形し、復元しにくい。また、縦方向の引張降伏応力/横方向の引張降伏応力の比が2.0を越えると、外力を受けた時、MDとTDの寸法変化が異なるために、膜が変形することがある。
【0021】
本発明の複合体は、厚さが15〜95μmであり、好ましくは15〜75μmであり、より好ましくは15〜65μmである。厚さが15μm未満の場合は、電解質膜の機械的強度が不十分となりやすく、95μmを越えると、得られる電解質膜の電気抵抗が大きくなるので好ましくない。
【0022】
次に、本発明の複合体の製造方法の一例について説明する。まず、抄紙工程において、規定量のPBO繊維及び/またはPBOパルプ(必要に応じてバインダー繊維を併用する)を水中で攪拌、混合し、好ましくは、固形分濃度が0.5%以下になるように濃度調整したスラリーを、長網式、円網式、短網式などの湿式抄造機に供給する。そして、連続したワイヤメッシュを有する脱水パートで脱水し、加圧して搾水する。次いで、加熱して乾燥し、紙状の多孔性のPBO繊維一次シートを得る。
ここで、PBO繊維一次シートには、通常の製紙で用いられる各種の紙力増強剤、分散剤などの添加剤を必要に応じて適宜配合することができる。
【0023】
このような湿式抄造法で得られたPBO繊維一次シートは乾式法で製造された不織布と比較して、繊維の分散が均一で良好な地合を有するという優れた特徴を有している。
【0024】
次いで、加圧工程において、得られたPBO繊維一次シートをカレンダーロールに通して加圧し、PBO繊維間、PBOパルプ間、及びPBOパルプとPBO繊維間の物理的な絡み合いを強固にする。バインダー繊維を添加した場合は、熱ロールに通してバインダー繊維を溶融し、PBO繊維間、PBOパルプ間を結着させることもできる。また、電気炉で焼成して結着することもできる。
さらに、加圧工程と後述する複合化工程の間に、不純物の混入量をより低減するためにPBO繊維シートを洗浄し、乾燥する洗浄工程を有することが好ましい。
【0025】
次いで、複合化工程において、上述のようにして得られたPBO繊維シートとプロトン伝導性陽イオン交換樹脂を複合化して電解質膜を得る。複合化する方法としては、PBO繊維シートに陽イオン交換樹脂液を含浸する方法、PBO繊維シートと別途作製した陽イオン交換樹脂膜とを重ね、加圧して接着させる方法などが挙げられるが、密着性の点で含浸する方法が好ましい。
【0026】
PBO繊維シートに陽イオン交換樹脂液を含浸する方法では、まず、PBO繊維シートをメタノールに浸して真空脱気し、このPBO繊維シートに、プロトン伝導性陽イオン交換樹脂液を均一状態に含浸させて含浸シートを作製する。次いで、この含浸シートを25℃で二日間放置して溶媒を蒸発除去し、複合化して電解質膜を得る。
さらに、均一な所定厚さの電解質膜とするには、含浸シートを真空脱気しつつ、ホットプレス機で加熱加圧処理して成型することが好ましい。この方法では、真空脱気により膜中に存在する気泡が除去されるので、電気抵抗がより低くなり、強度がより向上する。また、加熱加圧処理により、膜の厚さが均一になるとともに、PBO繊維シートと陽イオン交換樹脂との密着性がさらに向上する。
【0027】
所望の膜厚、イオン交換容量、強度等の特性を持った電解質膜を得るためには、PBO繊維シートの種類(厚さ、空隙率、PBOパルプのフィブリル化の程度、PBOパルプとPBO繊維の比率、バインダー繊維の比率等)、プロトン伝導性陽イオン交換樹脂溶液の濃度、含浸量や加熱処理条件等を適宜制御することによって達成することができる。
【0028】
なお、上述した製造方法では、PBO繊維とPBOパルプを湿式抄造法により抄造してPBO繊維一次シートを得たが、本発明のPBO繊維一次シートはこれに限定されず、例えば、乾式法などによりPBO繊維一次シートを得てもよい。
【0029】
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をさらに詳細に説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0030】
【実施例】
<実施例1>
まず、抄造工程において、PBO繊維(東洋紡績(株)製、商品名:ザイロン、繊維長3mm、繊維径12μm)を水に0.5重量%の濃度で分散し抄紙原料とし、円網抄紙機に供給し、湿式抄造して坪量25g/m2のPBO繊維一次シートを得た。
次に加圧工程において、上記PBO繊維一次シートを加圧し、厚さ50μm、空隙率61.2%のPBO繊維シートを得た。
複合化工程において、メタノール溶液中で10分間真空脱気したスルホン酸基を有するパーフルオロカーボン系陽イオン交換樹脂液(デュポン社製、商品名:ナフィオン、5重量%液)を、PBO繊維シート中に含浸させた後、25℃で2日間放置して溶媒を蒸発除去した。次いで、溶媒除去後の含浸シートを、真空脱気しながらホットプレス機で温度140℃、圧力5MPaの条件下で20分間(昇温10分、保持10分)加熱加圧して厚さ50μmの本発明の電解質膜を作製した。
【0031】
<実施例2>
ろ水度600mlのPBOパルプを用いた以外は実施例1と同様にして、厚さ50μmの本発明の電解質膜を作製した。
【0032】
<実施例3>
バインダー繊維として、ポリパラフェニレンスルフィッド繊維(東洋紡績社製、商品名:PROCON II、繊維長6mm)をPBO繊維とバインダー繊維の合計量に対して6重量%添加した以外は、実施例1と同様にして、厚さ50μmの本発明の電解質膜を作製した。
【0033】
<実施例4>
PBO繊維シートとして坪量55g/m2、厚さ90μm、空隙率60.5%のPBO繊維シートを用いた以外は、実施例1同様にして、厚さ90μmの本発明の電解質膜を作製した。
【0034】
<実施例5>
PB0繊維シートとして坪量を13g/m2、厚さ15μm、空隙率56.9%のPBO繊維シートを用いた以外は、実施例1同様にして、厚さ15μmの本発明の電解質膜を作製した。
【0035】
<実施例6>
PBO繊維シートとして坪量70g/m2、厚さ110μm、空隙率58.9%のPBO繊維シートを用いた以外は、実施例1同様にして、厚さ110μmの本発明の電解質膜を作製した。
【0036】
<比較例1>
PBO繊維シートを用いず、実施例1で用いたスルホン酸基を有するパーフルオロカーボン系陽イオン交換樹脂溶液のみをキャストし、25℃で2日間放置して溶媒を蒸発除去した後、ホットプレス機で実施例1と同様の加熱・加圧処理を施して厚さ50μmの比較用の電解質膜を作製した。
【0037】
<比較例2>
市販の旭硝子社製の陽イオン交換膜(商品名:フレミオン、スルホン酸型パーフルオロカーボン重合体をPTFEフィブリルで補強したもの)を比較用の電解質膜とした。
【0038】
上記で得られた実施例1〜5及び比較例1〜2の電解質膜について、下記の方法にて評価を行った。
<評価方法>
(1)引張降伏応力:JIS K 7161に準拠し引張降伏応力を測定した。測定環境:25℃、65%RH。測定機:島津製作所製AG5000D。試料チャック間スパン:10mm。引張速度:50mm/min。実用上必要な値はMD、TD共に12MPa以上である。
(2)イオン交換容量:実施例、比較例の電解質膜を1Nの水酸化ナトリウム水溶液に12時間浸漬させた後、1Nの塩酸水溶液に24時間浸漬させた。次いで水洗いした後、1Nの 水酸化ナトリウム水溶液に12時間浸漬させ、水素イオンを溶液中に浸出させた。該溶液を水酸化ナトリウム水溶液にて中和滴定を行いイオン交換容量を算出した。実用上必要なイオン交換容量は0.7モル/kg乾燥重量以上である。
(3)電解質膜の変形:実施例、比較例の電解質膜を燃料電池に装着して発電を行い、500時間後の膜の変形(凸凹の発生)の有無を目視で確認した。
【0039】
<評価結果>
実施例、比較例で得られた電解質膜の評価結果を表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】
実施例1〜6の電解質膜は、引張降伏応力、イオン交換容量、電解質膜の変形において実用上問題ないものであった。
比較例1の電解質膜は、引張降伏応力が9.6MPaと小さく、変形が生じた。
比較例2の電解質膜は、引張降伏応力がMD9.0MPa、CD11.0MPaと小さく、変形が生じた。
【0042】
【発明の効果】
本発明の固体高分子型燃料電池用電解質膜は、PBO繊維シートと、プロトン伝導性陽イオン交換樹脂からなる複合体であるため、厚さが15〜95μmと薄いにもかかわらず、機械的強度に優れており、外力による変形を防止できる。それとともに、厚さが15〜95μmと薄いために、電気抵抗が小さく、発電効率が高い。
また、本発明の固体高分子型燃料電池用電解質膜の製造方法では、抄造工程で得られたPBO繊維一次シートの繊維が、加圧工程において繊維間の物理的絡み合いが増して、強固に結着されたPBO繊維シートを得ることができる。さらに、複合工程において、PBO繊維シートに、プロトン伝導性陽イオン交換樹脂を複合化することにより、上記の固体高分子型燃料電池用電解質膜を得ることができる。
Claims (10)
- ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維シートと、プロトン伝導性陽イオン交換樹脂との複合体からなることを特徴とする固体高分子型燃料電池用電解質膜。
- 前記複合体の厚さが15〜95μmであることを特微とする請求項1に記載の固体高分子型燃料電池用電解質膜。
- 前記ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維シートが、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール短繊維及び/またはポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾールパルプを湿式抄造法によりシート化したものであることを特徴とする請求項1または2に記載の固体高分子型燃料電池用電解質膜。
- 前記プロトン伝導性陽イオン交換樹脂が、スルホン基を有するパーフルオロカーボン系イオン交換樹脂であることを特微とする請求項1〜3のいずれかに記載の固体高分子型燃料電池用電解質膜。
- 前記複合体のイオン交換容量が、0.7〜1.3モル/kg乾燥重量であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の固体高分子型燃料電池用電解質膜。
- 前記複合体の縦方向及び横方向の引張降伏応力が、ともに12MPa以上であり、かつ、縦方向の引張降伏応力と横方向の引張降伏応力との比(縦方向の引張降伏応力/横方向の引張降伏応力)が、2.0以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の固体高分子型燃料電池用電解質膜。
- 前記複合体が、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維シートにプロトン伝導性陽イオン交換樹脂液を含浸したものであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の固体高分子型燃料電池用電解質膜。
- ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維を湿式抄造してポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維一次シートを得る抄紙工程と、前記ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維一次シートを加圧して繊維間同士を結合したポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維シートを得る加圧工程と、前記ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維シートと、プロトン伝導性陽イオン交換樹脂とを複合化する複合化工程とを有することを特徴とする固体高分子型燃料電地用電解質膜の製造方法。
- 前記加圧工程と前記複合化工程との間に、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維シートを洗浄する洗浄工程を有することを特徴とする請求項8に記載の固体高分子型燃料電地用電解質膜の製造方法。
- 前記複合化工程においては、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維シートに、プロトン伝導性陽イオン交換樹脂液を含浸させた含浸シートを作製し、この含浸シートを真空脱気しつつ加熱加圧して厚さ15〜95μmに成型することを特徴とする請求項8または9に記載の固体高分子型燃料電地用電解質膜の製造方法。
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