JP2004284836A - 水素水和物による水素貯蔵方法及び輸送方法 - Google Patents

水素水和物による水素貯蔵方法及び輸送方法 Download PDF

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淳一 落合
Yasuhiko Mori
康彦 森
Shigeo Tomura
重男 戸村
Osamu Saida
治 斉田
Katsumi Takahashi
克巳 高橋
Masato Oguma
正人 小熊
Kazuo Miyoshi
一雄 三好
Kenji Fuchigami
健児 渕上
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Abstract

【課題】従来から用いられている技術を用いて水素を容易且つ安全に貯蔵及び輸送できるようにする。
【解決手段】水1と氷2と水素3とが混合された三相混合物Xを約2000気圧の圧力、約−25℃の温度の生成条件に保持することにより水中に水素水和物を生成させ、水素水和物混合水6から水1を除去することにより水素水和物8を分離し、水素水和物8をほぼ大気圧、約−125℃の貯蔵条件で貯蔵する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新エネルギとして今後利用の拡大が期待される水素を安定して貯蔵及び輸送するための水素水和物による水素貯蔵方法及び輸送方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、新たなエネルギとして注目されている水素の製造には、水を電気分解して水素を製造する方法、バイオマスから水素を製造する方法、或いは、メタンを改質して水素を製造する方法などの種々の方法が研究されている。
【0003】
そして、このようにして製造された水素を貯蔵するには、水素を圧縮して高圧水素として圧力容器に貯蔵する方法、液化装置により水素を液化して液化水素として貯蔵する方法、或いは、水素吸蔵合金、炭素系材料(カーボンナノチューブ等)、ケミカルハイドライト(ベンゼン・シクロヘキサン)等の水素取込み物質に取込んで貯蔵する方法等が提案されている。
【0004】
しかしながら、上記した水素を単に圧縮して圧力容器に貯蔵する方法では、比重が小さい水素を多量に貯蔵するために高圧で圧縮して貯蔵する必要があるが、大型の圧力容器を用いて高圧水素を大量に貯蔵することは技術面、安全面で難しい点が多く、このために高圧水素は小型の圧力容器に小容量ずつしか貯蔵することができない。また、上記した圧力容器は一般に高価である問題がある。更に、高圧に圧縮した水素は、取扱い時に漏洩の問題が生じ易く、高圧水素の漏洩を防止して安全且つ容易に取り扱えるようにすることは技術的に大変難しい。
【0005】
また、水素を液化水素として貯蔵する方法では、先ず、水素を超高圧力に圧縮して液化するための液化装置が必要であるが、液化装置は多段且つ複雑な構成を有して非常に高価になる問題がある。更に、液化水素を貯蔵するには、−253℃という低い温度を保持できる極低温容器、冷凍設備及び複層構造の断熱装置を用いる必要があり、設備が複雑且つ大型になる問題がある。また、液化水素を目的地に輸送する場合には、上記極低温容器と同様の冷凍、断熱構造を備えた容器等を用いる必要があるために簡単には輸送できない問題がある。
【0006】
また、水素吸蔵合金或いはその他の吸蔵物質に水素を取込んで貯蔵する方法においては、吸蔵物質に吸蔵した水素を取り出して目的地に輸送する際には水素を圧縮して体積を減少させる必要があるが、この場合にも圧力容器が必要となって装置が高価になる問題がある。更に、このように高圧に圧縮した水素は取扱い時に漏洩の問題が生じ易く、高圧水素の漏洩を防止して安全且つ容易に取り扱えるようにすることは技術的に大変難しい。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記において、水素を水素水和物として取り扱うことができれば、従来の技術で容易且つ安全に水素の貯蔵、輸送が行えるようになるが、従来にはこのような水素水和物による水素貯蔵方法及び輸送方法は存在しない。
【0008】
本発明は、かかる実情に鑑みてなしたものであり、従来から用いられている技術を用いて水素を容易且つ安全に貯蔵及び輸送し得るようにした水素水和物による水素貯蔵方法及び輸送方法を提供することを目的としたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、水と氷と水素とが混合された三相混合物を約2000気圧の圧力、約−25℃の温度の生成条件に保持することにより水中に水素水和物を生成させ、水素水和物混合水から水を除去することにより水素水和物を分離し、該水素水和物をほぼ大気圧、約−125℃の貯蔵条件で貯蔵することを特徴とする水素水和物による水素貯蔵方法、に係るものである。
【0010】
請求項2に記載の発明は、前記三相混合物の氷は、水素水和物生成時の生成熱を除去することを特徴とする請求項1に記載の水素水和物による水素貯蔵方法、に係るものである。
【0011】
請求項3に記載の発明は、水を2000気圧以上に圧縮した後、約2000気圧に減圧することによって水中に氷を生成させ、この氷を含有する水に水素を混入して得た三相混合物により水素水和物を生成させることを特徴とする請求項1または2に記載の水素水和物による水素貯蔵方法、に係るものである。
【0012】
請求項4に記載の発明は、氷を含有する水に、約2000気圧に圧縮した水素を混合して得た三相混合物により水素水和物を生成させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の水素水和物による水素貯蔵方法、に係るものである。
【0013】
請求項5に記載の発明は、前記水素水和物混合水から水を除去して得られた水素水和物を粉砕することにより水素水和物の流動性を高めて貯蔵することを特徴とする請求項1に記載の水素水和物による水素貯蔵方法、に係るものである。
【0014】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5に記載の水素水和物の貯蔵方法によって貯蔵された水素水和物は、水素水和物に液体窒素を混合した混合スラリーとしてほぼ大気圧、約−196℃の輸送条件を保持して輸送されることを特徴とする水素水和物による水素輸送方法、に係るものである。
【0015】
上記手段によれば、以下のように作用する。
【0016】
請求項1に記載の発明では、水と氷と水素とが混合された三相混合物を約2000気圧の圧力、約−25℃の温度の生成条件に保持すると、水中に水素水和物(クラスレイト化合物)が生成する。この水素水和物は固体状であって安定しており、前記水素水和物混合水から水を除去して得られた水素水和物は、ほぼ大気圧、約−125℃の貯蔵条件において安定して貯蔵することができる。前記三相混合物を約2000気圧の圧力、約−25℃の温度に保持する生成条件は、従来から行われている技術で容易に可能であり、これによって水素水和物の生成を容易に可能にできる。また、生成した水素水和物を貯蔵するためのほぼ大気圧、約−125℃の貯蔵条件も従来から行われている技術で容易に可能であり、よって従来のように水素を高圧に圧縮して圧力容器で貯蔵する方法や、液体水素にして極低温で貯蔵する方法における問題を有することなしに、水素を水素水和物として容易且つ安全に貯蔵することができる。
【0017】
このとき、貯蔵容器はほぼ大気圧での貯蔵が可能であるので、大型の貯蔵容器によって大量の水素水和物を貯蔵することができる。
【0018】
請求項2に記載の発明では、前記三相混合物の氷を、水素水和物生成時の生成熱を除去できる量だけ存在させることによって、水素水和物生成時の生成熱を水素水和物の生成系内において除去することができる。
【0019】
請求項3に記載の発明では、水を2000気圧以上に圧縮した後、約2000気圧に減圧することによって水中に氷を生成させ、この氷が含有した水に水素を混入することによって得た三相混合物により水素水和物を生成することができる。
【0020】
請求項4に記載の発明では、氷を含有する水に、予め約2000気圧に圧縮した水素を混合することによって得た三相混合物により水素水和物を生成することができる。
【0021】
請求項5に記載の発明では、前記水素水和物混合水から水を除去して得られた水素水和物を粉砕することによって、水素水和物の流動性を高めた状態で貯蔵することができる。
【0022】
請求項6に記載の発明では、請求項1〜5に記載の水素水和物の貯蔵方法によって貯蔵された水素水和物は、水素水和物に液体窒素を混合して混合スラリーとし、ほぼ大気圧、約−196℃の輸送条件を保持することにより安定して輸送することができ、従って上記混合スラリーは従来のタンクローリ等の一般的な技術を用いて容易に輸送することができる。
【0023】
更に、混合スラリーによる水素水和物の輸送は、ほぼ大気圧で輸送が可能であるので、漏洩などの問題を生じさせることなく水素水和物を安全に輸送することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0025】
図1は本発明の水素水和物による水素貯蔵方法及び輸送方法の形態の一例を示すブロック図であり、図1において、Xは水1と氷2と水素3を混合した三相混合物であり、この三相混合物Xを三相混合圧縮機4により約2000気圧の圧力で圧縮し、続いてこの圧縮した三相混合物Xを冷却装置5により約−25℃に冷却する。このように、水1と氷2と水素3とからなる三相混合物Xを、約2000気圧の圧力、約−25℃の温度の生成条件に保持することによって、まず水中に水素水和物を生成させる。これにより水素水和物混合水6が得られる。
【0026】
図2は三相混合物Xによる水素水和物の圧力温度平衡曲線図であり、図2によれば、約2000気圧(200MPa)の圧力に保持すると約−25℃の温度で水素水和物が生成されることが分かる。
【0027】
前記三相混合物Xに混合した氷2は、水素水和物生成時に生じる生成熱をその潜熱によって除去するよう作用する。従って、水素水和物生成時の生成熱を除去するのに適した量の氷2を三相混合物Xに存在させておくことが好ましい。
【0028】
前記三相混合物Xを約2000気圧の圧力に圧縮する三相混合圧縮機4には、往復ピストン式圧縮機或いはスクリュー式圧縮機等の従来から用いられている種々の圧縮装置を用いることができ、また約−25℃の生成条件も従来から一般に用いられている冷却装置によって容易に達成できる。
【0029】
上記したようにして水素水和物を生成させた水素水和物混合水6は、固液分離器7に導いて水1を除去することにより、水素水和物8を取り出す。このとき、固液分離器7によって分離される水1と水素水和物8は夫々前記約2000気圧の圧力を保持できる弁装置9等を備えて取り出される。
【0030】
前記固液分離器7で分離されて取り出された水素水和物8は、冷却粉砕器10に導かれて粉砕され、これにより流動性が高められた後、貯蔵容器11に供給されて貯蔵される。このとき、貯蔵容器11は、ほぼ大気圧、約−125℃の温度の貯蔵条件を保持して水素水和物8を貯蔵するよう構成している。この貯蔵条件の保持により水素水和物8は安定して貯蔵される。このときの水素水和物8は約5重量%の水素を含有する。前記約−125℃の貯蔵条件は、従来から使用されている冷却装置を用いることによって容易に保持することができる。
【0031】
上記した貯蔵容器11は、ほぼ大気圧での貯蔵が可能であるので、大型の貯蔵容器11によって大量の水素水和物8を貯蔵することができる。
【0032】
前記貯蔵容器11に貯蔵された水素水和物8を輸送するには、水素水和物8に液体窒素12を混合することにより混合スラリー13とし、この混合スラリー13を例えばタンクローリ14等の輸送手段によって輸送する。この輸送手段で輸送する際の混合スラリー13は、ほぼ大気圧、約−196℃の輸送条件が保持できるように構成されている。この輸送条件を保持することによって水素水和物8は安定して輸送することができる。前記約−196℃とする混合スラリー13の輸送条件は、従来からLNGの輸送等に使用されている冷却装置を用いて容易に保持することができる。このとき、前記貯蔵容器11に水素水和物8を貯蔵する時に予め液体窒素12を混合して混合スラリー13として貯蔵しておいてもよく、或いは図1に示したように貯蔵した水素水和物8を取出して輸送する時に液体窒素12を混合して混合スラリー13として輸送してもよい。
【0033】
上記したタンクローリ14等の輸送手段で輸送する際に、ほぼ大気圧での輸送が可能であるので、漏洩などの問題を生じさせることなく水素水和物8を安全に輸送することができる。
【0034】
タンクローリ14等の輸送手段によって目的場所まで輸送された混合スラリー13は、窒素分離器15に導かれて窒素ガス16が分離された後、水素水和物8は水素分離器17に導かれて水1が除去されることにより水素3が取出されて利用系18に供給される。
【0035】
図3は、前記水素水和物8を生成させる方法の他の形態を示したものであり、水1を水圧縮機19によって2000気圧以上、例えば2500気圧に圧縮した後、減圧式流動性氷生成器20に導いて約2000気圧に減圧することによって水1中に氷2を生成させ、この氷2が含有した水1に水素3を混入することによって得られた三相混合物Xを、内部冷却式三相混合圧縮機21により約2000気圧、約−25℃の生成条件に保持させて、水中に水素水和物8を生成させるようにしている。
【0036】
図4は、前記水素水和物8を生成させる方法の更に他の形態を示したものであり、図3と同様に、水1を水圧縮機19によって2000気圧以上、例えば2500気圧に圧縮した後、減圧式流動性氷生成器20に導いて約2000気圧に減圧することによって水1中に氷2を生成させ、この氷2が含有した水1に、水素3を予め水素圧縮機22で約2000気圧に圧縮して混合器23で混合すると共に生成条件に保持させた三相混合物Xにより、水中に水素水和物8を生成させるようにしている。
【0037】
以下に、上記形態例の作用を説明する。
【0038】
図1の形態によれば、水1と氷2と水素3を混合した三相混合物Xを三相混合圧縮機4で約2000気圧の圧力に加圧し、更にこの圧縮した三相混合物Xを冷却装置5で約−25℃に冷却すると、水中に水素水和物が生成され、これにより水素水和物混合水6が得られる。このとき、前記三相混合物Xに混合した氷2は、水素水和物生成時に生じる生成熱をその潜熱によって除去するように作用する。
【0039】
前記水素水和物は、既知のメタンハイドレイトと同様に、クラスレイト・ハイドレイト(clathrate hydrae)と称される包接水和物として生成される。このように生成した水素水和物は、上記生成条件を保持することによって水素水和物の状態が安定に保持される。
【0040】
尚、前記水素水和物を生成させる方法としては、前記図3に示した方法或いは図4に示した方法を用いてもよい。即ち、図3の方法では、水1を水圧縮機19によって2000気圧以上、例えば2500気圧に圧縮した後、減圧式流動性氷生成器20に導いて約2000気圧に減圧することによって水1中に氷2を生成させ、この氷2が含有した水1に水素3を混入することによって得られた三相混合物Xを内部冷却式三相混合圧縮機21によって約2000気圧、約−25℃の生成条件に保持することによって水中に水素水和物を生成させる。
【0041】
また図4の方法では、図3の方法と同様に、水1を水圧縮機19によって2000気圧以上、例えば2500気圧に圧縮した後、減圧式流動性氷生成器20に導いて約2000気圧に減圧することによって水1中に氷2を生成させ、この氷2が含有した水1に、水素3を予め水素圧縮機22で約2000気圧に圧縮して混合器23で混合し、この三相混合物Xを生成条件に保持することにより水中に水素水和物を生成させる。
【0042】
上記したように、水素水和物が生成された水素水和物混合水6は、固液分離器7に導かれて水1が除去されることによって水素水和物8が取り出され、更にこの水素水和物8は冷却粉砕器10に導かれて粉砕されることにより流動性が高められた後、貯蔵容器11に供給されて貯蔵される。このとき、貯蔵容器11は、ほぼ大気圧で、約−125℃となる貯蔵条件を保持して水素水和物8を貯蔵するようにしており、これによって水素水和物8は安定して貯蔵される。
【0043】
このとき、貯蔵容器11はほぼ大気圧での貯蔵が可能であるので、大型の貯蔵容器11によって大量の水素水和物8を貯蔵することができる。このとき、上記水素水和物8は約5重量%の水素を含有している。
【0044】
また、前記したように貯蔵容器11に供給する水素水和物8を粉砕して流動性を高めているので、水素水和物8を貯蔵容器11から取出して輸送する場合などにおける取扱い性を向上させることができる。
【0045】
上記したように、貯蔵容器11に貯蔵された水素水和物8を輸送するには、水素水和物8に液体窒素12を混合して混合スラリー13とした状態で例えばタンクローリ14等の輸送手段に供給する。このとき、タンクローリ14等の輸送手段は、混合スラリー13をほぼ大気圧、約−196℃の輸送条件に保持するようにしているので、この輸送条件が保持されることによって水素水和物8は安定して輸送することができる。このとき、水素水和物8は、液体窒素12の混合によって冷却されると同時に流動性が高められることにより取扱い性が向上される。
【0046】
上記したタンクローリ14等の輸送手段での混合スラリー13による水素水和物8の輸送は、ほぼ大気圧で可能であるので、漏洩などの問題を生じさせることなく水素水和物8を安全に輸送することができる。
【0047】
タンクローリ14等の輸送手段によって目的場所まで輸送された混合スラリー13は、窒素分離器15に導かれて窒素ガス16が分離された後、水素水和物8は水素分離器17に導かれて水1が除去されることにより水素3が取出されて利用系18に供給される。
【0048】
尚、本発明は上記形態例にのみ限定されるものではなく、本発明の生成条件、貯蔵条件、輸送条件を保持するために種々の圧縮機、冷却装置を適用できること、その他本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ること、等は勿論である。
【0049】
【発明の効果】
上記本発明によれば、以下のような優れた効果を奏し得る。
【0050】
請求項1に記載の発明によれば、水と氷と水素とが混合された三相混合物を約2000気圧の圧力、約−25℃の温度の生成条件に保持すると、水中に水素水和物(クラスレイト化合物)が生成する。この水素水和物は固体状であって安定しており、前記水素水和物混合水から水を除去して得られた水素水和物は、ほぼ大気圧、約−125℃の貯蔵条件において安定して貯蔵することができる。前記三相混合物を約2000気圧の圧力、約−25℃の温度に保持する生成条件は、従来から行われている技術で容易に可能であり、これによって水素水和物の生成を容易に可能にできる。また、生成した水素水和物を貯蔵するためのほぼ大気圧、約−125℃の貯蔵条件も従来から行われている技術で容易に可能であり、よって従来のように水素を高圧に圧縮して圧力容器で貯蔵する方法や、液体水素にして極低温で貯蔵する方法における問題を有することなしに、水素を水素水和物として容易且つ安全に貯蔵することができる。
【0051】
このとき、貯蔵容器はほぼ大気圧での貯蔵が可能であるので、大型の貯蔵容器によって大量の水素水和物を貯蔵することができる。
【0052】
請求項2に記載の発明によれば、前記三相混合物の氷を、水素水和物生成時の生成熱を除去できる量だけ存在させることによって、水素水和物生成時の生成熱を水素水和物の生成系内において除去することができる。
【0053】
請求項3に記載の発明によれば、水を2000気圧以上に圧縮した後、約2000気圧に減圧することによって水中に氷を生成させ、この氷が含有した水に水素を混入することによって得た三相混合物により水素水和物を生成することができる。
【0054】
請求項4に記載の発明によれば、氷を含有する水に、予め約2000気圧に圧縮した水素を混合することによって得た三相混合物により水素水和物を生成することができる。
【0055】
請求項5に記載の発明によれば、前記水素水和物混合水から水を除去して得られた水素水和物を粉砕することによって、水素水和物の流動性を高めた状態で貯蔵することができる。
【0056】
請求項6に記載の発明によれば、請求項1〜5に記載の水素水和物の貯蔵方法によって貯蔵された水素水和物は、水素水和物に液体窒素を混合して混合スラリーとし、ほぼ大気圧、約−196℃の輸送条件を保持することにより安定して輸送することができ、従って上記混合スラリーは従来のタンクローリ等の一般的な技術を用いて容易に輸送することができる。
【0057】
更に、混合スラリーによる水素水和物の輸送は、ほぼ大気圧で輸送が可能であるので、漏洩などの問題を生じさせることなく水素水和物を安全に輸送することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の水素水和物による水素貯蔵方法及び輸送方法の形態の一例を示すブロック図である。
【図2】三相混合物における水素水和物の圧力温度平衡曲線図である。
【図3】水素水和物を生成させる方法の他の形態を示すブロック図である。
【図4】水素水和物を生成させる方法の更に他の形態を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 水
2 氷
3 水素
4 三相混合圧縮機
5 冷却装置
6 水素水和物混合水
7 固液分離器
8 水素水和物
10 冷却粉砕器
11 貯蔵容器
12 液体窒素
13 混合スラリー
19 水圧縮機
20 減圧式流動性氷生成器
21 内部冷却式三相混合圧縮機
22 水素圧縮機
X 三相混合物

Claims (6)

  1. 水と氷と水素とが混合された三相混合物を約2000気圧の圧力、約−25℃の温度の生成条件に保持することにより水中に水素水和物を生成させ、水素水和物混合水から水を除去することにより水素水和物を分離し、該水素水和物をほぼ大気圧、約−125℃の貯蔵条件で貯蔵することを特徴とする水素水和物による水素貯蔵方法。
  2. 前記三相混合物の氷は、水素水和物生成時の生成熱を除去することを特徴とする請求項1に記載の水素水和物による水素貯蔵方法。
  3. 水を2000気圧以上に圧縮した後、約2000気圧に減圧することによって水中に氷を生成させ、この氷を含有する水に水素を混入して得た三相混合物により水素水和物を生成させることを特徴とする請求項1または2に記載の水素水和物による水素貯蔵方法。
  4. 氷を含有する水に、約2000気圧に圧縮した水素を混合して得た三相混合物により水素水和物を生成させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の水素水和物による水素貯蔵方法。
  5. 前記水素水和物混合水から水を除去して得られた水素水和物を粉砕することにより水素水和物の流動性を高めて貯蔵することを特徴とする請求項1に記載の水素水和物による水素貯蔵方法。
  6. 請求項1〜5に記載の水素水和物の貯蔵方法によって貯蔵された水素水和物は、水素水和物に液体窒素を混合した混合スラリーとしてほぼ大気圧、約−196℃の輸送条件を保持して輸送されることを特徴とする水素水和物による水素輸送方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN108318655A (zh) * 2018-01-25 2018-07-24 广州海洋地质调查局 液氮冷冻水合物样品分解气体定量进样***
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