JP2004284330A - 熱転写印刷用易接着性ポリエステルフィルム - Google Patents

熱転写印刷用易接着性ポリエステルフィルム Download PDF

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諭 北澤
Shinji Yano
真司 矢野
Koji Kubo
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Abstract

【課題】加熱処理時優れた接着、寸法安定性、透明性、易滑性を有する熱転写印刷用易接着性ポリエステルフィルムを提供する。
【解決手段】ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、ポリエステル樹脂とオキサゾリン基及びポリアルキレンオキシド鎖を有するアクリル樹脂を含む塗布層が設けられており、且つポリエステルフィルムのヘーズ値が1.5%以下であることを特徴とする熱転写印刷用易接着性ポリエステルフィルム。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱転写印刷用易接着性フィルムに関し、更に詳しくは、ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、特定の組成物からなる易接着性塗膜を形成した、優れた接着性、寸法安定性、透明性、易滑性を有する熱転写印刷用易接着性ポリエステルフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリエステルフィルムは機械的特性、寸法安定性、耐熱性等の特性が優れているため、磁気カード、磁気テープ等の磁気記録材料用として、また包装材料、写真材料、印刷材料等の一般工業材料用として広く使用されている。
【0003】
これらの用途で、ポリエステルフィルムはその表面に、例えば、感熱転写記録材料の感熱転写層、印刷材料のインキ層、写真用フィルムの感光層、磁気カード、磁気テープ、磁気ディスクの磁性層等の機能層が積層されて用いられる。
【0004】
ポリエステルフィルム表面は高度に配向結晶化しているため接着性に乏しく、例えば上記機能層を直接塗設しようとしても殆ど密着しない。これを改良するため、通常はポリエステルフイルム表面にポリエステル、アクリル、ウレタン等の樹脂を易接着層として塗設するプライマー処理が施され、この易接着層の上に機能層が塗設されて各種用途に用いられる。
【0005】
近年、機能層が積層されたポリエステルフィルムは、従来よりも過酷な条件で使用されることが多く、要求される特性もより高度なものとなった。例えば、フィルムの厚さはより肉薄化が要求され、寸法変化は従来より高温度でも安定していることが要求されている。
【0006】
ポリエステルフイルムの用途の一つに、熱転写印刷用記録材料の基材フィルムとしての用途がある。熱転写印刷記録には、溶融型感熱転写記録方式と昇華型感熱転写記録方式とがある。前者の溶融型感熱転写記録方式は、主にバーコードやファックス等に採用され、着色剤を含む熱溶融性物からなるインキ層を有する熱転写シートが用いられる。後者の昇華型感熱転写記録方式は、高画質のフルカラー画像を簡便に出力できる記録方式として需要が非常に伸びていて、熱昇華性染料を含むインキ層を有する熱転写シートが用いられる。
【0007】
昇華性染料を用いた印刷方法では、オフセット、シルク、グラビア、転写等の印刷法で、昇華性染料を被印刷体のトップクリア層に印刷した後、加熱処理で昇華性染料をクリア樹脂層に浸透させている。例えば、硬化性合成樹脂の塗布により形成された塗膜に転写シートを接触させる方法(特開昭53−24213号公報)、昇華性染料を用いた転写印刷で塗装金属板上に印刷層を形成した後、印刷層上にトップ塗膜を形成し、ついで加熱処理によって塗膜の内側から昇華性染料をトップ塗膜に浸透させる方法(特開昭54−104907号公報、特開平7−31931号公報、特開平7−102733号公報)等が知られている。また、特開平5−78988号公報では、昇華性染料が透過するフッ素フィルムを貼り合わせ剤で基材にラミネートし、昇華性染料を用いてオフセット、シルク、グラビア等で印刷した転写紙をラミネート基材のフィルム面に重ね合わせ、加熱圧着処理で昇華性染料を貼り合わせ剤に浸透させることにより印刷ラミネート材を製造している。この方法では、染着することなくフッ素フィルムを昇華性染料が容易に透過する特性を利用しており、耐候性及び耐汚染性に優れた印刷ラミネート材が得られる。
【0008】
しかしながら、このような加熱処理で染料浸透される印刷方法では、被印刷物としてのポリエステルフィルムに、次のような問題点が生じる。
【0009】
即ち、加熱処理で昇華性染料を透過させるため、染料を浸透する樹脂との接着性が不足すると、印刷層その物の脱落が起こる可能性や、加熱処理でのフィルムの寸法変化による転写像の歪み等の問題が発生する可能性がある。
【0010】
【特許文献1】
特開昭53−24213号公報
【0011】
【特許文献2】
特開昭54−104907号公報
【0012】
【特許文献3】
特開平7−31931号公報
【0013】
【特許文献4】
特開平7−102733号公報
【0014】
【特許文献5】
特開平5−78988号公報
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこれら従来技術の問題点を解決せしめ、従来よりも過酷な条件で使用されても粘着樹脂層との密着性に優れ、かつ寸法安定性に優れた熱転写印刷用ポリエステルフィルムを提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、ポリエステルフィルムの表面にポリエステル樹脂とオキサゾリン基及びポリアルキレンオキシド鎖を有するアクリル樹脂を含む易接着性塗膜を形成し、且つ該ポリエステルフィルムのヘーズ値を1.5%以下すれば、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0017】
すなわち、本発明は、ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、ポリエステル樹脂とオキサゾリン基及びポリアルキレンオキシド鎖を有するアクリル樹脂を含む塗布層が設けられており、且つポリエステルフィルムのヘーズ値が1.5%以下であることを特徴とする熱転写印刷用易接着性ポリエステルフィルムである。
【0018】
本発明は好ましい態様として以下の態様を包含する。
【0019】
塗布層中にポリエステル樹脂が5〜90重量%、オキサゾリン基及びポリアルキレンオキシド鎖を有するアクリル樹脂が5〜90重量%含まれる態様。
【0020】
塗布層中に脂肪族ワックスが0.5〜30重量%含まれる態様。
【0021】
塗布層中に粒子径が0.005〜0.5μmのフィラーが0.1〜20重量%含まれる態様。
【0022】
ポリエステルフィルムの150℃で30分間保持したときの熱収縮率が0.4〜0%、塗布層表面の中心線平均粗さ(Ra)が0.002〜0.01μm、塗布層表面の摩擦係数(μs)が0.8以下である態様。
【0023】
ポリエステルフィルムを構成するポリエステルが、ポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレン−2,6−ナフタレートである態様。
【0024】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0025】
[ポリエステルフィルム]
本発明においてポリエステルフィルムを構成するポリエステルは、芳香族二塩基酸またはそのエステル形成性誘導体とジオールまたはそのエステル形成性誘導体とから合成される線状飽和ポリエステルである。
【0026】
ポリエステルとして、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ(1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)、ポリエチレン−2,6−ナフタレートを例示することができる。ポリエステルは、これらの共重合体またはこれと少割合の他樹脂とのブレンド物であってもよい。これらのポリエステルのうち、特にポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレートが力学的物性や光学物性等のバランスが良いので好ましい。
【0027】
ポリエステルには、必要に応じて適当なフィラーを含有させてもよいが、透明性を良好する観点から、ポリエステル中のフィラーは少ないほうがよく、フィラーを実質的に含有しないことが好ましい。
【0028】
フィラーを用いる場合、フィラーとしては、従来からポリエステルフィルムの滑り性付与剤として知られているものを用いることができる。例えば、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、酸化アルミニウム、カオリン、酸化珪素、酸化亜鉛、カーボンブラック、炭化珪素、酸化錫、架橋アクリル樹脂粒子、架橋ポリスチレン樹脂粒子、メラミン樹脂粒子、架橋シリコーン樹脂粒子を挙げることができる。
【0029】
ポリエステルには、着色剤、帯電防止剤、酸化防止剤、有機滑剤、触媒を必要に応じて添加してもよい。
【0030】
本発明おけるポリエステルフィルムは、上述のポリエステルを、例えばフィルム状に溶融押出し、キャスティングドラムで冷却固化させて未延伸フィルムとし、この未延伸フィルムをTg〜(Tg+60)℃で長手方向に1回もしくは2回以上合計の倍率が3倍〜6倍になるよう延伸し、その後Tg〜(Tg+60)℃で幅方向に倍率が3〜5倍になるように延伸し、必要に応じて更に180〜230℃で1〜60秒間熱処理を行い、熱処理温度より10〜20℃低い温度で幅方向に0〜20%収縮させながら再熱処理を行うことにより得ることができる。
【0031】
本発明におけるポリエステルフィルムの厚みは、ハードコート、タッチパネル、防眩処理等の支持体として使用する場合に必要な強度を得るために25〜300μmであることが好ましく、特に50〜250μmであることが好ましい。
【0032】
[塗布層]
本発明のフィルムは塗布層を備える。この塗布層は、ポリエステル樹脂とオキサゾリン基及びポリアルキレンオキシド鎖を有するアクリル樹脂を含む。
【0033】
[ポリエステル樹脂]
塗布層に用いるポリエステル樹脂は、水(多少の有機溶剤を含有していても良い)に可溶性または分散性のポリエステルが好ましい。かかるポリエステル樹脂として、以下に示す多塩基酸またはそのエステル形成誘導体とポリオールまたはそのエステル形成誘導体から得られるポリエステルを挙げることができる。
【0034】
ポリエステル樹脂の多塩基酸成分としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、無水フタル酸、2、6−ナフタレンジカルボン酸、1、4−シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ダイマー酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸を挙げることができる。
【0035】
ポリエステル樹脂は、これら酸成分を2種以含有する共重合ポリエステルであることが好ましい。ポリエステル樹脂には、若干量であればマレイン酸、イタコン酸等の不飽和多塩基酸成分が、或いはp−ヒドロキシ安息香酸等の如きヒドロキシカルボン酸成分が含まれていてもよい。
【0036】
ポリエステル樹脂のポリオール成分としては、例えばエチレングリコール、1、4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1、6−ヘキサンジオール、1、4−シクロヘキサンジメタノール、キシレングリコール、ジメチロールプロパン等や、ポリ(エチレンオキシド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコールやこれらモノマーを挙げることができる。
【0037】
[アクリル樹脂]
塗布層に用いるオキサゾリン基及びポリアルキレンオキシド鎖を有するアクリル樹脂は、水(多少の有機溶剤を含有していても良い)に可溶性または分散性のアクリルが好ましい。かかるオキサゾリン基及びポリアルキレンオキシド鎖を有するアクリル樹脂としては以下に示すようなモノマーを成分としてなるものを挙げることができる。
【0038】
オキサゾリン基を有するモノマーとしては、2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−ビニル−5−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−5−メチル−2−オキサゾリン等を挙げることができる。これらは1種で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
【0039】
これらの中、2−イソプロペニル−2−オキサゾリンが工業的に入手しやすく好適である。オキサゾリン基を有するアクリル樹脂を用いることにより塗布層の凝集力が向上し、加熱処理時の樹脂層等との密着性がより強固になる。更にフィルム製膜工程内や加熱処理の搬送時の耐擦過性を付与できる。
【0040】
また、ポリアルキレンオキシド鎖を有するモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸のエステル部にポリアルキレンオキシドを付加させたものを挙げることができる。ポリアルキレンオキシド鎖はポリメチレンオキシド、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリブチレンオキシドを挙げることができる。ポリアルキレンオキシド鎖の繰り返し単位は3〜100であることが好ましい。ポリアルキレンオキシド鎖が有するアクリル樹脂を用いることで塗布層中のポリエステル樹脂とアクリル樹脂の相溶性がポリアルキレンオキシド連鎖を含有しないアクリル樹脂と比較し良くなり、塗布層の透明性を向上させることができる。
【0041】
尚、ポリアルキレンオキシド鎖の繰り返し単位が3より少ないとポリエステル樹脂とアクリル樹脂との相溶性が悪く塗布層の透明性が悪くなり好ましくなく、100より大きいと塗布層の耐湿熱性が下がり、加熱時の樹脂層等との密着性が悪化して好ましくなく。
【0042】
アクリル樹脂のその他の共重合成分として例えば以下のモノマーを挙げることができる。即ち、アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート(アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基等);2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等のヒドロキシ含有モノマー;グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル等のエポキシ基含有モノマー;アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸、クロトン酸、スチレンスルホン酸及びその塩(ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、第三級アミン塩等)等のカルボキシ基またはその塩を有するモノマー;アクリルアミド、メタクリルアミド、N−アルキルアクリルアミド、N−アルキルメタクリルアミド、N,N−ジアルキルアクリルアミド、N,N−ジアルキルメタクリレート(アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基等)、N−アルコキシアクリルアミド、N−アルコキシメタクリルアミド、N,N−ジアルコキシアクリルアミド、N,N−ジアルコキシメタクリルアミド(アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基等)、アクリロイルモルホリン、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−フェニルメタクリルアミド等のアミド基を有するモノマー;無水マレイン酸、無水イタコン酸等の酸無水物のモノマー;ビニルイソシアネート、アリルイソシアネート、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルトリアルコキシシラン、アルキルマレイン酸モノエステル、アルキルフマール酸モノエステル、アルキルイタコン酸モノエステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、塩化ビニリデン、エチレン、プロピレン、塩化ビニル、酢酸ビニル、ブタジエンである。
【0043】
塗布層中のポリエステル樹脂の含有割合は、好ましくは5〜95重量%、さらに好ましくは、50〜90重量%である。塗布層中のオキサゾリン基及びポリアルキレンオキシド鎖を有するアクリル樹脂の含有割合は、好ましくは5〜90重量%、さらに好ましくは10〜50重量%である。ポリエステル樹脂が95重量%を超え、もしくはオキサゾリン基及びポリアルキレンオキシド鎖を有するアクリル樹脂が5重量%未満になると塗布層の凝集力が低下し、加熱処理時の樹脂層への接着性が不十分となる場合があり好ましくない。アクリル樹脂が95重量%を超えるとポリエステルフィルムとの密着性が低下し、樹脂層への接着性が不十分となる場合があり好ましくない。
【0044】
[脂肪族ワックス]
塗布層は、脂肪族ワックスを含有することが好ましい。含有量は、塗布層の全重量に対して、好ましくは0.5〜30重量%、さらに好ましくは1重量%〜10重量%である。この割合が0.5重量%より少ないとフィルム表面の滑性が得られないことがあり好ましくない。30重量%を超えるとポリエステルフィルム基材への密着やハードコートや粘着剤等に対する易接着性が不足する場合があり好ましくない。
【0045】
脂肪族ワックスとしては、例えばカルナバワックス、キャンデリラワックス、ライスワックス、木ロウ、ホホバ油、パームワックス、ロジン変性ワックス、オウリキュリーワックス、サトウキビワックス、エスパルトワックス、バークワックス等の植物系ワックス、ミツロウ、ラノリン、鯨ロウ、イボタロウ、セラックワックス等の動物系ワックス、モンタンワックス、オゾケライト、セレシンワックス等の鉱物系ワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラクタム等の石油系ワックス、フィッシャートロプッシュワックス、ポリエチレンワックス、酸化ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化ポリプロピレンワックス等の合成炭化水素系ワックスを挙げることができる。これらの中でも、ハードコートや粘着剤等に対する易接着性と滑性が良好なことから、カルナバワックス、パラフィンワックス、ポリエチレンワックスが好ましい。これらは、環境負荷の低減や、取扱のし易さから、水分散体として用いることが好ましい。
【0046】
[フィラー]
塗布層中には、平均粒子径が0.005〜0.5μmのフィラーを塗布層の全重量あたり0.1〜20重量%含有させることが好ましい。塗布層中のフィラーの含有量が0.1重量%より少ないとフィルムの滑り性が不足し、ロール状に巻き取ることが困難になることがあり好ましくなく、20重量%を超えると塗布層の透明性が不足した、ポスター等の用途に使用できなくなることがあり好ましくない。
【0047】
上記のフィラーとしては、例えば炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化カルシウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化ケイ素、ケイ酸ソーダ、水酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、酸化チタン、酸化錫、三酸化アンチモン、カーボンブラック、二硫化モリブデン等の無機微粒子、アクリル系架橋重合体、スチレン系架橋重合体、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、フェノール樹脂、ナイロン樹脂、ポリエチレンワックス等の有機微粒子を挙げることができる。これらのうち、水不溶性の固体物質は、水分散液中で沈降するのを避けるため、比重が3を超えない超微粒子を選ぶことが好ましい。
【0048】
[物性]
本発明の熱転写印刷用易接着性ポリエステルフィルムは、粘着樹脂層との密着性に優れ、かつ寸法安定性に優れた熱転写印刷用ポリエステルフィルムであるためには、150℃で30分間保持したときの熱収縮率が0.4〜0%、塗布層表面の中心線平均粗さ(Ra)が0.002〜0.01μmであり、塗布層表面の摩擦係数(μs)が0.8以下であることが好ましい。このような熱転写印刷用易接着性ポリエステルフィルムは、前記の組成物からなる塗布層を形成させることにより得ることができる。
【0049】
[塗膜]
本発明において塗布層の塗設に用いられる上記組成物は、塗布層(以下『塗膜』いうことがある)を形成させるために、水溶液、水分散液或いは乳化液等の水性塗液の形態で使用されることが好ましい。塗膜を形成するために、必要に応じて、前記組成物以外の他の樹脂、例えば帯電防止剤、着色剤、界面活性剤、紫外線吸収剤を添加してもよい。特に、滑剤を添加することで滑性、耐ブロッキング性を更に良好なものにすることができる。
【0050】
本発明に用いる水性塗液の固形分濃度は、通常20重量%以下、好ましくは1〜10重量%である。1重量%未満であると、ポリエステルフィルムへの塗れ性が不足することがあり、20重量%を超えると塗液の安定性や塗布層の外観が悪化することがあり好ましくない。
【0051】
水性塗液のポリエステルフィルムへの塗布は、任意の段階で実施することができるが、ポリエステルフィルムの製造過程で実施するのが好ましく、更には配向結晶化が完了する前のポリエステルフィルムに塗布するのが好ましい。
【0052】
ここで、結晶配向が完了する前のポリエステルフィルムとは、未延伸フィルム、未延伸フィルムを縦方向または横方向の何れか一方に配向せしめた一軸配向フィルム、更には縦方向および横方向の二方向に低倍率延伸配向せしめたもの(最終的に縦方向また横方向に再延伸せしめて配向結晶化を完了せしめる前の二軸延伸フィルム)等を含むものである。
【0053】
なかでも、未延伸フィルムまたは一方向に配向せしめた一軸延伸フィルムに、上記組成物の水性塗液を塗布し、そのまま縦延伸および/または横延伸と熱固定とを施すのが好ましい。
【0054】
水性塗液をフィルムに塗布する際には、塗布性を向上させるための予備処理としてフィルム表面にコロナ表面処理、火炎処理、プラズマ処理等の物理処理を施すか、あるいは組成物と共にこれと化学的に不活性な界面活性剤を併用することが好ましい。
【0055】
かかる界面活性剤は、ポリエステルフィルムへの水性塗液の濡れを促進するものであり、例えば、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン−脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、脂肪酸金属石鹸、アルキル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩等のアニオン型、ノニオン型界面活性剤を挙げることができる。界面活性剤は、塗膜を形成する組成物中に、1〜10重量%含まれていることが好ましい。
【0056】
塗液の塗布量は、塗膜の厚さが、通常0.01〜0.3μm、好ましくは0.02〜0.25μmの範囲となるような量であることが好ましい。塗膜の厚さが薄過ぎると、接着力が不足し、逆に厚過ぎると、ブロッキングを起こしたり、ヘーズ値が高くなったりする可能性があり好ましくない。
【0057】
塗布方法としては、公知の任意の塗工法が適用できる。例えばロールコート法、グラビアコート法、ロールブラッシュ法、スプレーコート法、エアーナイフコート法、含浸法、カーテンコート法を適用することができる。これらは単独または組合せて用いることができる。尚、塗膜は、必要に応じ、フィルムの片面のみに形成してもよいし、両面に形成してもよい。
【0058】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。なお、ヘーズ値、熱収縮率、摩擦係数(μs)、表面粗さ(Ra)、接着性、耐ブロッキング性は下記の方法により評価した。
【0059】
(1)ヘーズ値
日本電色工業社製のヘーズ測定器(NDH−20)を使用してフィルムのヘーズ値を測定した。尚、フィルムのヘーズを下記の基準で評価した。
◎: ヘーズ値≦1.0% ……フィルムのヘーズ極めて良好
○:1.0%<ヘーズ値≦1.5% ……フィルムのヘーズ良好
×:1.5%<ヘーズ値 ……フィルムのヘーズ不良
【0060】
(2)熱収縮率
ポリエステルフイルムを150℃×30分熱処理した後の収縮率を標点間距離30cmで測定した。
【0061】
(3)中心線平均表面粗さ(Ra)
JIS B0601に準じ、(株)小坂研究所製の高精度表面粗さ計 SE−3FATを使用して、針の半径2μm、荷重30mgで拡大倍率20万倍、カットオフ0.08mmの条件下にチャートを描かせ、表面粗さ曲線からその中心線方向に測定長さLの部分を抜き取り、この抜き取り部分の中心線をX軸、縦倍率の方向とY軸として、粗さ曲線をY=f(x)で表わした時、次の式で与えられた値をnm単位で表わした。また、この測定は、基準長を1.25mmとして4個測定し、平均値で表わした。
【0062】
【数1】
Figure 2004284330
【0063】
(4)摩擦係数(μs)
ASTM D1894−63に準じ、東洋テスター社製のスリッパリー測定器を使用し、塗膜形成面とポリエチレンテレフタレートフィルム(塗膜非形成面)との静摩擦係数(μs)を測定した。但し、スレッド板はガラス板とし、荷重は1kgとした。尚、フィルムの滑り性を下記の基準で評価した。
◎: 摩擦係数(μs)≦0.5 ……滑り性極めて良好
○:0.5<摩擦係数(μs)≦0.8 ……滑り性良好
×:0.8<摩擦係数(μs) ……滑り性不良
【0064】
(5)接着性
・粘着樹脂層
易接着性ポリエステルフィルムの塗膜形成面に、粘着フィルムとして、膜厚50μmのポリエチレン系フィルム(日立化成株式会社製 ヒタレックスA−1355)にアクリル系粘着剤を4μm厚みで塗布した後、ゴムローラーを用いて速度2m/分、荷重6kgf/cmの条件で粘着フィルムに圧着した。(この時、一方端の3cmに、アクリル系粘着剤を塗布せず、未圧着部分を残した。)
インクジェット方式の画像プリントシステムで昇華性染料をインクジェット記録紙に出力し、サイズ5cm×5cmのベタ模様を印刷した転写シートを作成した。ポリエステルフィルムに貼り合わせた粘着フィルムに転写シートを重ね合わせ、温度160℃、圧力0.5kgf/cmで240秒間加熱圧着した。圧着後、ポリエステルフィルムに貼り合わせた粘着フィルムから転写シートを剥離した。この後、未圧着部分より、180°の剥離角度で急激に剥がした後、粘着剤の残留状態を確認し、下記の基準で評価した。
5:粘着剤残留面積が10%未満 ……接着力極めて良好
4:粘着剤残留面積が10%以上20%未満 ……接着力良好
3:粘着剤残留面積が20%以上30%未満 ……接着力やや良好
2:粘着剤残留面積が30%以上40%未満 ……接着力不良
1:粘着剤残留面積が40%を超えるもの ……接着力極めて不良
【0065】
(6)耐ブロッキング性
2枚のフィルムを、塗膜形成面と非形成面が接するように重ね合せ、これに、60℃、80%RHの雰囲気下で17時間にわたって0.6kg/cmの圧力をかけ、その後、剥離して、その剥離力により耐ブロッキング性を下記の基準で評価した。
◎: 剥離力<98mN/5cm ……耐ブロッキング性極めて良好
○:98mN/5cm≦剥離力<147mN/5cm……耐ブロッキング性良好
△:147mN/5cm≦剥離力<196mN/5cm……耐ブロッキング性やや良好×:196mN/5cm≦剥離力 ……耐ブロッキング性不良
【0066】
(7)ガラス転移温度
サンプル約10mgを測定用のアルミニウム製パンに封入して示差熱量計(デュポン社製・V4.OB2000型DSC)に装着し、25℃から20℃/分の速度で300℃まで昇温させ、300℃で5分間保持した後取出し、直ちに氷の上に移して急冷した。このパンを再度示差熱量計に装着し、25℃から20℃/分の速度で昇温させてガラス転移温度(Tg:℃)を測定した。
【0067】
(8)固有粘度
固有粘度([η]dl/g)は、25℃のo−クロロフェノール溶液で測定した。
【0068】
(9)総合評価
下記の基準で評価を実施した。
◎:表面粗さ(Ra)が0.002〜0.01μmの範囲内であり、粘着樹脂層に対する接着性が両方とも3以上、かつヘーズ、摩擦係数、耐ブロッキング性の評価が全て◎である(総合評価・極めて良好)
○:表面粗さ(Ra)が0.002〜0.01μmの範囲内であり、粘着樹脂層に対する接着性が両方とも3以上、かつヘーズ、摩擦係数、耐ブロッキング性の評価に○が存在し、△、×が存在しない(総合評価・良好)
△:表面粗さ(Ra)が0.002〜0.01μmの範囲内であり、粘着樹脂層に対する接着性が両方とも3以上、かつヘーズ、摩擦係数、耐ブロッキング性の評価で△が存在し、×が存在しない(総合評価・やや良好)
×:表面粗さ(Ra)が0.002〜0.01μmの範囲外であるか、粘着樹脂層に対する接着性に2以下が存在するか、或いはヘーズ、摩擦係数、耐ブロッキング性の評価で×が1項目以上存在する(総合評価・不良)
塗液を組成する成分として以下の成分を用いた。
【0069】
ポリエステル1:
酸成分が2,6−ナフタレンジカルボン酸70モル%/イソフタル酸25モル%/5−ナトリウムスルホイソフタル酸5モル%、グリコール成分がエチレングリコール80モル%/ジエチレングリコール20モル%で構成されている(Tg=81℃、平均分子量15000)。
【0070】
尚、ポリエステル1は、特開平06−116487号公報の実施例1に記載の方法に準じて下記の通り製造した。即ち、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル47部、イソフタル酸ジメチル14部、5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチル4部、エチレングリコール30部、ジエチレングリコール4部を反応器に仕込み、これにテトラブトキシチタン0.05部を添加して窒素雰囲気下で温度を230℃にコントロールして加熱し、生成するメタノールを留去させてエステル交換反応を行った。次いで反応系の温度を徐々に255℃まで上昇させ系内を1mmHgの減圧にして重縮合反応を行い、ポリエステル1を得た。
【0071】
ポリエステル2:
酸成分がテレフタル酸60モル%/イソフタル酸35モル%/5−ナトリウムスルホイソフタル酸5モル%、グリコール成分がエチレングリコール70モル%/ジエチレングリコール20モル%/テトラエチレングリコール10モル%で構成されている(Tg=50℃、平均分子量13000)
尚、ポリエステル2は、特開平06−116487号公報の実施例1に記載の方法に準じて下記の通り製造した。即ち、テレフタル酸ジメチル36部、イソフタル酸ジメチル21部、5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチル5部、エチレングリコール28部、ジエチレングリコール4部、テトラエチレングリコール4部を反応器に仕込み、これにテトラブトキシチタン0.05部を添加して窒素雰囲気下で温度を230℃にコントロールして加熱し、生成するメタノールを留去させてエステル交換反応を行った。次いで反応系の温度を徐々に255℃まで上昇させ系内を1mmHgに減圧にして重縮合反応を行い、ポリエステル1を得た。
【0072】
アクリル1:
メチルメタクリレート30モル%/2−イソプロペニル−2−オキサゾリン30モル%/ポリエチレンオキシド(n=10)メタクリレート10モル%/アクリルアミド30モル%で構成されている(Tg=50℃)。
【0073】
尚、アクリル1は、特開昭63−37167号公報の製造例1〜3に記載の方法に準じて下記の通り製造した。即ち、四つ口フラスコに、界面活性剤としてラウリルスルホン酸ナトリウム3部、およびイオン交換水181部を仕込んで窒素気流中で60℃まで昇温させ、次いで重合開始剤として過硫酸アンモニウム0.5部、亜硝酸水素ナトリウム0.2部を添加し、更にモノマー類である、メタクリル酸メチル23.3部、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン22.6部、ポリエチレンオキシド(n=10)メタクリル酸40.7部、アクリルアミド13.3部の混合物を3時間にわたり、液温が60〜70℃になるよう調整しながら滴下した。滴下終了後も同温度範囲に2時間保持しつつ、撹拌下に反応を継続させ、次いで冷却して固形分が35%のアクリル1の水分散体を得た。
【0074】
アクリル2:
メチルメタクリレート30モル%/2−イソプロペニル−2−オキサゾリン40モル%/アクリルアミド30モル%で構成されている(Tg=80℃)。
【0075】
尚、アクリル2は、特開昭63−37167号公報の製造例1〜3に記載の方法に準じて下記の通り製造した。即ち、四つ口フラスコに、界面活性剤としてラウリルスルホン酸ナトリウム3部、およびイオン交換水181部を仕込んで窒素気流中で60℃まで昇温させ、次いで重合開始剤として過硫酸アンモニウム0.5部、亜硝酸水素ナトリウム0.2部を添加し、更にモノマー類である、メタクリル酸メチル34.9部、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン45.2部、アクリルアミド19.9部の混合物を3時間にわたり、液温が60〜70℃になるよう調整しながら滴下した。滴下終了後も同温度範囲に2時間保持しつつ、撹拌下に反応を継続させ、次いで冷却して固形分が35%のアクリル2の水分散体を得た。
【0076】
アクリル3:
メチルメタクリレート45モル%/ブチルアクリレート45モル%/グリシジルメタクリレート5モル%/2−ヒドロキシエチルメタクリレート5モル%で構成されている(Tg=50℃)。
【0077】
尚、アクリル3は、特開昭63−37167号公報の製造例1〜3に記載の方法に準じて下記の通り製造した。即ち、四つ口フラスコに、界面活性剤としてラウリルスルホン酸ナトリウム3部、およびイオン交換水181部を仕込んで窒素気流中で60℃まで昇温させ、次いで重合開始剤として過硫酸アンモニウム0.5部、亜硝酸水素ナトリウム0.2部を添加し、更にモノマー類である、メタクリル酸メチル38.7部、アクリル酸ブチル49.6部、グリシジルメタクリル酸6.1部、2−ヒドロキシエチルメタクリル酸5.6部の混合物を3時間にわたり、液温が60〜70℃になるよう調整しながら滴下した。滴下終了後も同温度範囲に2時間保持しつつ、撹拌下に反応を継続させ、次いで冷却して固形分が35%のアクリル3の水分散体を得た。
【0078】
添加剤1:
シリカフィラー(平均粒径:100nm)(日産化学株式会社製 商品名スノーテックスZL)
添加剤2:
カルナバワックス(中京油脂株式会社製 商品名セロゾール524)
濡れ剤:
ポリオキシエチレン(n=7)ラウリルエーテル(三洋化成株式会社製 商品名ナロアクティーN−70)
【0079】
[実施例1〜4、比較例1、2]
溶融ポリエチレンテレフタレート([η]=0.63dl/g、Tg=79℃)をダイより押出し、常法により冷却ドラムで冷却して未延伸フィルムとし、次いで縦方向に3.4倍に延伸した後、その両面に表2に示す塗剤(塗液1〜6の組成は下記表1に示す塗膜用組成物である)の濃度8%の水性塗液をロールコーターで均一に塗布した。
【0080】
【表1】
Figure 2004284330
【0081】
次いで、この塗布フィルムを引き続いて95℃で乾燥し、横方向に120℃で3.7倍に延伸し、220℃で幅方向に3%収縮させ熱固定し、厚さ188μmの易接着性フィルムを得た。尚、塗膜の厚さは0.15μmであった。
【0082】
[実施例5]
溶融ポリエチレン−2,6−ナフタレート([η]=0.65dl/g、Tg=121℃)をダイより押出し、常法により冷却ドラムで冷却して未延伸フィルムとし、次いで縦方向に3.6倍に延伸した後、その両面に塗膜用組成物(表1の塗液1)の濃度8%の水性塗液をロールコーターで均一に塗布した。次いで、この塗布フィルムを引き続いて105℃で乾燥し、横方向に140℃で3.8倍に延伸し、230℃で幅方向に3%収縮させ熱固定し、厚さ100μmの易接着性フィルムを得た。尚、塗膜の厚さは0.15μmであった。
【0083】
【表2】
Figure 2004284330
【0084】
【発明の効果】
本発明の熱転写印刷用易接着性ポリエステルフィルムによれば、加熱処理時の粘着樹脂層との優れた接着性、寸法安定性、透明性、易滑性に優れたフィルムを得ることができる。本発明のフィルムは各種熱転写印刷用途の特にポスター、反射シート等のベースフィルムに有用である。

Claims (6)

  1. ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、ポリエステル樹脂とオキサゾリン基及びポリアルキレンオキシド鎖を有するアクリル樹脂を含む塗布層が設けられており、且つポリエステルフィルムのヘーズ値が1.5%以下であることを特徴とする熱転写印刷用易接着性ポリエステルフィルム。
  2. 塗布層中にポリエステル樹脂が5〜90重量%、オキサゾリン基及びポリアルキレンオキシド鎖を有するアクリル樹脂が5〜90重量%含まれる、請求項1記載の熱転写印刷用易接着性ポリエステルフィルム。
  3. 塗布層中に脂肪族ワックスが0.5〜30重量%含まれる、請求項1または2に記載の熱転写印刷用易接着性ポリエステルフィルム。
  4. 塗布層中に粒子径が0.005〜0.5μmのフィラーが0.1〜20重量%含まれる、請求項1ないし3の何れかに記載の熱転写印刷用易接着性ポリエステルフィルム。
  5. ポリエステルフィルムの150℃で30分間保持したときの熱収縮率が0.4〜0%、塗布層表面の中心線平均粗さ(Ra)が0.002〜0.01μm、塗布層表面の摩擦係数(μs)が0.8以下である、請求項1ないし4の何れかに記載の熱転写印刷用易接着性ポリエステルフィルム。
  6. ポリエステルフィルムを構成するポリエステルが、ポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレン−2,6−ナフタレートである、請求項1ないし5の何れかに記載の熱転写印刷用易接着性ポリエステルフィルム。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008246683A (ja) * 2007-03-29 2008-10-16 Toray Ind Inc 易接着層を有する感熱転写リボン用二軸配向ポリエステルフィルム
JP2012025140A (ja) * 2010-06-25 2012-02-09 Fujicopian Co Ltd ハードコートフィルム、加飾ハードコートフィルム
JP2012056193A (ja) * 2010-09-09 2012-03-22 Fujicopian Co Ltd ハードコートフィルム、加飾ハードコートフィルム

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