JP2004282249A - 移動通信システムに用いる移動管理ルータ、アクセスルータ、移動ノード、ハンドオーバ制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ハンドオーバに要する時間を削減し、またMNが候補AR以外のARにハンドオーバした場合にも対応する。
【解決手段】MMRはMNの移動予測から候補ARを選定した後、その候補ARの一覧をMNに通知する(S01)。MNは常に各ARが送信しているBeaconを監視し、現在ハンドオーバしそうなARが一覧の通りであるか調べる。その一覧の通りに移動している場合は、その一覧の内容を用いてハンドオーバを行う。一方、一覧の通りでない場合(S02)、移動先のエリアM’が候補ARの一覧に含まれていないので、MNは自身が予測外の移動をしようとしていることがわかる。この場合、MNは候補AR以外のAR配下にハンドオーバしそうであること、すなわち予測外行動であること、をMMRに通知する。MMRは予測外行動であることの通知を受けた場合には、候補ARを新たに選定し直す。
【選択図】 図1
【解決手段】MMRはMNの移動予測から候補ARを選定した後、その候補ARの一覧をMNに通知する(S01)。MNは常に各ARが送信しているBeaconを監視し、現在ハンドオーバしそうなARが一覧の通りであるか調べる。その一覧の通りに移動している場合は、その一覧の内容を用いてハンドオーバを行う。一方、一覧の通りでない場合(S02)、移動先のエリアM’が候補ARの一覧に含まれていないので、MNは自身が予測外の移動をしようとしていることがわかる。この場合、MNは候補AR以外のAR配下にハンドオーバしそうであること、すなわち予測外行動であること、をMMRに通知する。MMRは予測外行動であることの通知を受けた場合には、候補ARを新たに選定し直す。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は移動通信システム、ハンドオーバ制御方法に関し、特に高速で移動し、ハンドオーバしながらデータの送受信を行っている移動ノードに対し、瞬断の短い通信環境を実現する移動通信システム、ハンドオーバ制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
複数のアクセスルータ(Access Router;以下、ARと略称する)及びARを管理する移動管理ルータ(Mobility Management Router;以下、MMRと略称する)とを含む有線ネットワークと、無線ネットワークとからなるパケット通信網においては、無線環境上における移動ノード(Mobile Node:以下、MNと略称する)の移動に伴い、接続相手であるアクセスルータの切替処理である、ハンドオーバ(Handover)が生じる。
【0003】
従来のハンドオーバ手法では、ハンドオーバ中に、2つの手順が行われる。すなわち、(A)MNと移動先ARの「接続処理」と、(B)MNの「位置登録」と、の2つの手順が行われる。このハンドオーバの手順中は通信が瞬断する可能性がある。このため、これらの手順に要する時間を短縮することが重要である。
従来のハンドオーバ手法が、非特許文献1乃至非特許文献4に開示されている。以下、これらの文献に開示されているハンドオーバ処理について図面を参照して説明する。
【0004】
図13には、非特許文献1、非特許文献2に開示されているハンドオーバ手法の概要が示されている。非特許文献1では、MNが位置登録を行うノード(Mobolity Anchor Point;以下、MAPと略称する)を階層型に配置することによって、(B)MNの「位置登録」に要する時間を軽減している。
【0005】
ハンドオーバの具体的な手順は以下の通りである。同図に示されているように、MNが、pARがデフォルトゲートウェイになっているpNetworkから、nARがデフォルトゲートウェイになっているnNetworkに移動することを想定している。同図において、ハンドオーバはS11乃至S17の手順によって行われる。
S11:MNがnARへの無線接続を確立する。
S12:MNがnARにRouter Solicitationを送信する。
S13:nARがMNにRouter Advertisementを送信する。
S14:MNがnNetworkで用いるCare of Address(nCOA)を作成する。
S15:MNがMAP、pARにBinding Updateを送信する。
S16:nARがMNにNeighbor Solicitationを送信する。
S17:MNがnARにNeighbor Advertisementを送信する。
S18:MAP、pARがMN宛のデータをnNetworkに転送し始める。
【0006】
同図中のS12〜S14、S16〜S17が(A)「接続処理」の手順である。なお、S12及びS16のSolicitationはS13、S17のAdvertisementを送信させるためのトリガーの役目だけを果たしており、省略されることがある。
同図に示されているハンドオーバの際、(A)「接続処理」で行われることは以下の通りである。すなわち、MNにおいては、nARのIPアドレスとMACアドレスの取得、取得した情報をもとにnARへのデフォルトルートの切り替え、nCOAの作成、である。
【0007】
ARにおいては、MNのIPアドレス(nCOA)、MACアドレスの取得、取得した情報をもとにNeighbor Tableの更新、である。
同図中のS15、S18の手順が(B)MNの「位置登録」の手順である。
一方、図14には、非特許文献3に開示されているハンドオーバ手法の概要が示されている。非特許文献3のハンドオーバ手法では、MNがnARとの無線接続を確立する前に、MNがpARを経由してnARと通信を行い、(A)「接続処理」に必要な情報の通知が行われる。同図において、ハンドオーバはS21乃至S28の手順によって行われる。
S21:MNが無線リンクの状況を監視することによって、もうすぐnARにハンドオーバしそうであることが分かる。
S22:MNはpARを経由してnARにRouter Solicitationfor Proxyを送信する。Router Solicitationfor Proxyを受信することによってMNのMACアドレスがnARに通知される。
S23:nARが、通知されたMNのMACアドレスから、MNが自分にハンドオーバした場合に用いるCOA(nCOA)を作成する。
S24:nARはnCOAでNeighbor Advertisementを送信する。
S25:nARがpARを経由してMNにProxy Router Advertisementを送信する。Proxy Router Advertisementを受信することによって、MNにnARのIPアドレス、MACアドレス、nCOAが通知される。
S26:MNはnARとの無線接続を確立する。
S27:MNはnARとの無線接続を確立したことをトリガーにして、(A)MNと移動先ARの「接続処理」(nCOAの使用開始、nARへのデフォルトルートの切り替え)を行う。
S28:nARはMNが自分との無線接続を確立したことをトリガーにして、事前に通知されているMNのMACアドレス、nCOAを用いてNeighborTableの更新を行う。
【0008】
以上説明した非特許文献3のハンドオーバ手法は、ハンドオーバの処理の一部を無線接続切り替えの処理の前に行う。このため、非特許文献1、非特許文献2よりも通信の瞬断が少ないハンドオーバを行うことが可能である。
さらに、図15には、非特許文献4に開示されているハンドオーバ手法の概要が示されている。
【0009】
非特許文献4のハンドオーバ手法では、マルチキャストを用いることで、(B)MNの「位置登録」に要する時間を軽減している。非特許文献4のハンドオーバ手法では、MNが位置登録を行い、このMN宛のデータをマルチキャストするノードを、マルチキャスト対応Gate Way(以下、GWと略称する)と呼ぶ。
【0010】
GWはMN宛のデータをpNetworkだけでなく、隣接する他のAR(図15においてはnARとpAR)にもマルチキャストし続けている。ARは、MNが自分との無線接続を確立していない間は、受信したMN宛のデータをバッファリングする。MNが使用しているアプリケーションによっては、ARは受信したデータの一部、もしくは全てを削除する場合もある。同図において、ハンドオーバはS31乃至S39の手順によって行われる。
S31:MNがnARへの無線接続を確立する。
S32:MNがnARにRouter Solicitationを送信する。
S33:nARがMNにRouter Advertisementを送信する。
S34:MNがnNetworkで用いるCare of Address(nCOA)を作成する。
S35:MNがnARにJoinを送信する。
S36:nARがMNにNeighbor Solicitationを送信する。
S37:MNがnARにNeighbor Advertisementを送信する。
S38:nARがMN宛のデータの送信を始める。
S39:MNがGWにBinding Updateを送信する。
【0011】
以上説明した非特許文献4のハンドオーバ手法では、GWがMN宛のデータを常に周辺のARにマルチキャストしているため、(B)MNの「位置登録」に要する時間がほとんどなくなっている。
ところで、非特許文献のハンドオーバ手法4において、GWがマルチキャストするARの範囲は様々に変更することが可能である。例えば、MNが移動し得る周辺ARの全てに対してマルチキャストを行うことや、MNが高速で移動している場合等にMNの進行方向に絞ってマルチキャストを行うことが可能である。
【0012】
【非特許文献1】
David B.Johnson,Charles E.Perkins,Jari Arkko,“Mobility Support in IPv6”[online]、IETF internet Draft,Oct 2002、[平成15年3月11日検索]、インターネット<URL:http://www.ietf.org/internet−drafts/draft−ietf−mobileip−ipv6−21.txt>
【非特許文献2】
Hesham Soliman,Claude Castelluccia,Karim El−Malki,Ludovic Bellier,“Hierarchical Mobile IPv6 mobility management(HMIPv6)”[online]、IETF internet Draft,Oct 2002、[平成15年3月11日検索]、インターネット<URL:http://www.ietf.org/internet−drafts/draft−ietf−mobileip−hmipv6−07.txt>
【非特許文献3】
Rajeev Koodli,“Fast ハンドオーバs forMobile IPv6”[online]、IETF internet Draft,Jul 2002、[平成平成15年3月11日検索]、インターネット<URL:http://www.ietf.org/internet−drafts/draft−ietf−fast−mipv6−06.txt>
【非特許文献4】
Ahmed,Helmy,“A Multicast−based Protocol for IP Mobility Support”,ACM Special Interest Group on Data Communication,2000
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
MNが高速で移動している場合に、上述した従来のハンドオーバ手法を用いた場合の問題点について、以下説明する。
(問題点I)
まず、非特許文献1〜非特許文献4のどれにおいても、ハンドオーバに要する時間のうち、(A)「接続処理」に要する時間を削減できない。この問題点Iについて、図16を参照して説明する。
【0014】
同図(a)に示されているように、ハンドオーバは、移動元ARと移動先ARの両方の電波が届く領域(以下、Overlap Regionと略称する)で起こる。このOverlap Regionは、MNがpARとnARの両方と通信を行うことが可能な位置である。通信の瞬断を防ぐためには、Overlap Region内でハンドオーバの手順を終了する必要がある。
【0015】
このOverlap Regionはセル半径が小さい無線技術を用いている場合に非常に狭くなることがある。そして、MNが高速で移動している場合には、このOverlap Regionを非常に短い時間で通過してしまう場合がある。よって、MNが高速で移動している場合は、ハンドオーバに要する時間は可能な限り短くする必要がある。
【0016】
同図(b)に示されているように、用いている無線技術によっては、MNが高速で移動することにより無線リンクの品質が悪化し、パケットがロスする場合がある。無線リンクの品質の悪化は特にOverlap Regionで顕著である。非特許文献1〜非特許文献4においては、(A)「接続処理」の際に、Overlap Regionにおいて最低でも3つのメッセージをやり取りしている。やり取りしているこれらのメッセージがロスした場合には、ハンドオーバの処理に非常に多くの時間がかかる場合がある。よって、MNが高速で移動している場合は、無線リンクの品質が悪い場合にも安定したハンドオーバを実現することが必要である。
(問題点II)
(B)MNの「位置登録」に要する時間については、非特許文献4が最も時間を削減している。しかし、非特許文献4においてはMNがマルチキャスト範囲外にハンドオーバを行った場合に、大きな通信の瞬断が生じる可能性がある。この点について、図17を参照して説明する。
【0017】
同図に示されているように、ユーザが高速で移動する状況としては、自動車や電車等に乗車している状況が考えられる。そのような状況下においては、一般的にはユーザの進行方向に沿って、もしくは道路・線路に沿ってマルチキャストの範囲Mを設定すれば良い。
しかし、自動車が脇道に入った場合C1やユーザが自動車を降りた場合C2等に、範囲外のAR配下にハンドオーバしてしまう可能性がある。さらに、安定したハンドオーバを行うためには、MNが予測外のAR配下にハンドオーバした場合C3も考慮するべきである。
【0018】
本発明は上述した従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、その目的はハンドオーバに要する時間が削減でき、またMNが候補AR以外のARにハンドオーバした場合にも対応することのできる移動通信システム、ハンドオーバ制御方法を提供することである。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1による移動管理ルータは、複数のアクセスルータと、移動しながら前記複数のアクセスルータ間においてハンドオーバ処理を行う移動ノードとを有する移動体通信システムにおいて、前記複数のアクセスルータを管理する移動管理ルータであって、前記移動ノードの移動先を予測する予測手段と、前記予測手段によって予測される予測移動先である候補アクセスルータそれぞれに、前記移動ノード宛のデータを予めマルチキャスト送信するマルチキャスト手段と、前記候補アクセスルータに、前記移動ノードがハンドオーバの際に各候補アクセスルータと通信を行うために必要な情報を該移動ノードに予め通知する第1の通知手段と、前記候補アクセスルータそれぞれが前記移動ノードと通信を行うために必要な情報を該候補アクセスルータに予め通知する第2の通知手段とを含むことを特徴とする。ハンドオーバの際の接続処理に必要な情報を、候補アクセスルータに予め通知することにより、ハンドオーバに要する時間を短くすることができる。
【0020】
本発明の請求項2による移動管理ルータは、請求項1において、前記第1の通知手段は、前記候補アクセスルータの一覧を前記移動ノードに通知することを特徴とする。候補ARの一覧を予め通知しておくことにより、通知された一覧に含まれていないアクセスルータにハンドオーバしそうな場合には候補アクセスルータの選び直しを要求でき、瞬断を短い時間に抑えることができる。
【0021】
本発明の請求項3による移動管理ルータは、請求項1又は2において、前記移動ノードの現在位置に応じて前記マルチキャスト手段によってマルチキャスト送信する範囲を変更する範囲変更手段を更に含むことを特徴とする。こうすることにより、移動ノードの現在位置に応じて適切な範囲にマルチキャスト送信することができる。
【0022】
本発明の請求項4によるアクセスルータは、他のルータとの間において移動する移動ノードによってハンドオーバ処理が行われるアクセスルータであって、前記移動ノードと通信を行うために、自ルータを管理する移動管理ルータから通知される情報に基づいて、前記移動ノードが自ルータの配下で用いる気付アドレスを作成する気付アドレス作成手段と、前記気付アドレス作成手段によって作成した気付アドレスを前記移動管理ルータに通知する手段とを含むことを特徴とする。ハンドオーバの際の接続処理に必要な情報を、候補アクセスルータに予め通知することにより、ハンドオーバに要する時間を短くすることができる。
【0023】
本発明の請求項5による移動ノードは、複数のアクセス間を移動する際にハンドオーバ処理を行う移動ノードであって、自ノードの予測移動先である候補アクセスルータの一覧を受信する受信手段と、前記ハンドオーバ処理を行う際、該ハンドオーバ先のアクセスルータが前記受信手段によって受信した一覧に含まれているかどうか監視する監視手段と、前記監視手段による監視の結果、該ハンドオーバ先のアクセスルータが前記一覧に含まれていない場合には前記候補アクセスルータの選び直しを要求する手段とを含むことを特徴とする。候補ARの一覧を予め通知しておくことにより、通知された一覧に含まれていないアクセスルータにハンドオーバしそうな場合には候補アクセスルータの選び直しを要求でき、瞬断を短い時間に抑えることができる。
【0024】
本発明の請求項6による移動ノードは、請求項5において、自ノードの移動先に関する情報を通知する移動先情報通知手段を更に含むことを特徴とする。こうすることにより、移動ノードの現在位置に応じて適切な範囲にマルチキャスト送信することができる。
本発明の請求項7によるハンドオーバ制御方法は、移動ノードから通知された該移動ノードの移動情報に基づいて該移動ノードの移動経路を予測する予測ステップと、前記予測ステップにおいて予測された予測移動先である候補アクセスルータと前記移動ノードとが通信を行うために必要な情報を通知する通知ステップとを含み、前記候補アクセスルータ同士の間において前記移動ノードがハンドオーバ処理を行う際、前記通知ステップにおいて通知された情報に基づいて前記移動ノードと前記候補アクセスルータとが通信を行うことを特徴とする。ハンドオーバの際の接続処理に必要な情報を、候補アクセスルータに予め通知することにより、ハンドオーバに要する時間を短くすることができる。
【0025】
本発明の請求項8によるハンドオーバ制御方法は、請求項7において、前記通知ステップにおいては、前記候補アクセスルータの一覧を前記移動ノードに通知し、
前記移動ノードのハンドオーバ先のアクセスルータが前記一覧に含まれていない場合には前記候補アクセスルータの選び直しを要求するステップを更に含むことを特徴とする。候補ARの一覧を予め通知しておくことにより、通知された一覧に含まれていないアクセスルータにハンドオーバしそうな場合には候補アクセスルータの選び直しを要求でき、瞬断を短い時間に抑えることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
次に、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の説明において参照する各図においては、他の図と同等部分に同一符号が付されている。
本発明による移動管理ルータ、アクセスルータ、移動ノードを採用した移動通信システムでは、MNが位置登録を行い、MNの移動予測結果に基づいてMN宛のデータのマルチキャストを行い、またMNの移動予測結果をMNに通知し、MNと全候補ARに接続処理に必要な情報を通知するノードとして、MMR(Mobility Management Router)を定義する。
【0027】
また、本システムでは、以下の各事項が前提条件となる。
まず、ユーザは自動車や電車に乗って高速で移動していることを前提とする。よって、MNが道路や線路に沿って直進的な運動を行う可能性が高い。
さらに、本システムにおいては、ネットワークの構成要素は、各ARが管理するエリア情報を持っていることを前提としている。
【0028】
なお、MMRはMNの移動予測をもとに、MNが今後ハンドオーバしそうなAR(以下、候補ARと略称する)を予め多めに選定しておく、そして、MMRは、データをマルチキャストする際には、候補ARの中からMNの近傍にいるもののみを選んで行うものとする。
以下、(A)「接続処理」に要する時間を削減できないという問題点I、MNがマルチキャスト範囲外にハンドオーバを行った場合に大きな通信の瞬断が生じるという問題点II、という2つの問題点を解決する本システムの概要を述べる。
【0029】
まず、上記問題点IIを解決する手法について、図1を参照して説明する。
同図において、MNは速度vで移動している。MMRはMNの移動予測から候補ARを選定した後、その候補ARの一覧をMNに通知する(S01)。この一覧には、MNが候補AR中のARをどの様な順番でハンドオーバしていくか、という順序情報も含まれている。
【0030】
MNは常に各ARが送信しているBeaconを監視し、現在ハンドオーバしそうなARが一覧の通りであるか調べる。その一覧の通りに移動している場合は、非特許文献4に開示されている手法に近似した手法(後に詳述する)でハンドオーバを行う。
しかしながら、もし一覧の通りでない場合(S02)、移動先のエリアM’が候補ARの一覧に含まれていないので、MNは自身が予測外の移動をしようとしていることがわかる。この場合、非特許文献3に開示されている手法に近似した手法(後に詳述する)でハンドオーバを行う。そして、MNは候補AR以外のAR配下にハンドオーバしそうであること、すなわち予測外行動であること、をMMRに通知する。MMRは予測外行動であることの通知を受けた場合には、候補ARを新たに選定し直す。
【0031】
次に、上記問題点Iを解決する手法について以下に述べる。
MMRは候補ARを選んだ後、MNが各候補AR配下で用いるCOAを、各候補ARに作成させる。ここでは、1AR〜xARが選ばれたと仮定し、COA1〜COAxを作成させる。その後、(A)「接続処理」に必要となる情報の一覧をMNと候補ARに通知する。
【0032】
MNに通知される具体的な内容は、例えば、図2に示されている。すなわち、同図において、全候補ARがBeaconを送信する際に用いる識別情報(以下、WirelessIDと略称する)100、全候補ARのIPアドレス(IP−AR1〜IP−ARx)200、MACアドレス(MAC−AR1〜MAC−ARx)300、各候補AR配下で用いるCOA(COA1〜COAx)400が、MNに通知される。
【0033】
また、全ての候補ARには以下の内容が通知される。すなわち、MNが対象AR配下で用いるCOA、MNのMACアドレスが、各ARに通知される。
なお、通知される具体的な内容は、用いている移動通信プロトコルによって異なる。
以上の情報が予めMNと候補ARとにそれぞれ通知されていれば、MNがハンドオーバを行った後、なんらメッセージのやり取りをすることなく、瞬時に(A)「接続処理」を行うことが可能である。なお、MNは移動先のARが送信しているBeacon中に含まれているWirelessIDに基づいて、通知された情報の一覧の中から必要な情報を選び出す。
【0034】
図3には、本システムにおける移動予測の手法が示されている。同図においては、MNは、最初に、pARをデフォルトルートとするpNetworkに存在していたものとする。
その後、以下の手法により、移動予測がなされる。すなわち、pNetworkに移動したMNは(S101)、自分の移動情報をMMRに通知する(S102)。この場合の移動情報は、GPS(Global PositioningSystem)等の機器によって測定されるMNの現在の位置と移動速度等である。この移動情報には、白動車・電車乗車中と言った環境情報を含むことも考えられる。
【0035】
この移動情報を受取ったMMRは、その移動情報に基づいて、今後の移動経路を予測し、MNがどのARの管理するエリアを通過するか予測する(S103)。同図においては、予測の結果、Step1(pAR)、Step2(nAR1)、Step3(nAR2)、Step4(nAR3)、Step5(nAR4、nAR5)、Step6(nAR6、nAR7、nAR8)が候補ARとして選ばれたとしている。
【0036】
次に、図4を参照して、上記の移動予測、及び移動予測後におけるMMRの候補AR選定、選定後における、候補AR一覧の情報、接続処理に必要な情報の通知する処理の概要を述べる。なお、移動予測後の動作は図2の場合と同様である。
最初に、MNがpNetworkに移動してくる(S101)。MNはpNetworkに移動した後、すぐにMMRに自分の移動情報を通知する(S102)。
【0037】
MMRは通知されたMNの移動情報から今後の移動経路を予測し、MNがどのARの管理するエリアを通過するか予測する(S103)。MMRは、全候補ARにMNのMACアドレスを通知する(S104)。
候補ARは、通知されたMNのMACアドレスから、MNがハンドオーバ後に用いるCOAを作成する(S105)。これにより、nCOA1〜nCOA8が作成される。候補ARは作成したCOAでNeighbor Advertisementを送信する(S106)。候補ARは自分が使用しているWirelessID、作成したCOAをMMRに通知する(S107)。
【0038】
MMRはMNに移動予測結果、候補ARが使用しているWirelessID(Wireless ID1〜Wireless ID8)、IPアドレス(IP AR1 〜IP AR8)、MACアドレス(MAC AR1〜MAC AR8)、各候補AR配下で用いるCOA(nCOA1〜nCOA8)を通知する(S108)。
【0039】
以降の処理は、後述するようにMNが移動予測通りのARにハンドオーバする場合と、MNが移動予測外のARにハンドオーバする場合とで異なるものになる(S109)。
図5には、本システムにおける、MN宛のデータのマルチキャストの実施例が示されている。MMRはMNの現在の位置から数Step先の候補ARに対してMN宛のデータをマルチキャストする。
【0040】
同図(a)の状態においては、現在の位置であるpARから1Step先であるnAR1に対してMN宛のデータをマルチキャストしている。一方、移動後の同図(b)の状態においては、現在の位置であるnAR1から1Step先であるnAR2に対してMN宛のデータをマルチキャストしている。
どの程度先、すなわち何Step先のARに対してデータをマルチキャストするかは、MNの移動速度や用いている無線技術のリンクの品質によって異なる。リンクの品質が極端に悪い場合、MNがnAR1と無線接続を確立できないまま、次のnAR2に移動してしまう可能性があるからである。
【0041】
各ARは、MNが無線接続を確立している場合は、MN宛のデータをMNに転送する。しかしながら、MNが無線接続を確立してない場合は、データをバッファリング、もしくは必要ない場合は削除する。
バッファリングするか、削除するかは、MNが用いている通信アプリケーションによって異なる。例えば、データ転送アプリケーション等、ロスのない通信を行うことが必要な場合はデータをバッファリングし、逆にVoice overIPアプリケーション等の様にパケットの伝播遅延を低く抑えたい場合は、伝播遅延を増大させるバッファリングはあえて行わない、という状況が考えられる。
【0042】
ところで、MNは常に各ARが送信しているBeaconを監視している。MNは、このBeacon中に含まれているWirelessIDに基づいて、MMRから通知された情報の一覧を検索し、自らが予測通りにハンドオーバしているか常に監視している。
以下、(a)MNが移動予測通りのARにハンドオーバする場合について図6及び図7を、(b)MNが移動予測外のARにハンドオーバする場合について図8及び図9を、それぞれ参照して説明する。
(a)MNが移動予測通りのARにハンドオーバする場合
図6には、MNが移動予測通りのARにハンドオーバする場合の動作例が示されている(S111〜S116)。図7は図6中の各部の処理に対応するフローチャートである。なお、図6においては、MNがpARからnAR1にハンドオーバしたとしている。
【0043】
MNはnAR1が送信するBeaconメッセージに含まれているWirelessIDに基づいて、候補AR情報一覧の中から必要な情報を検索する(S110)。MNがnAR1との無線接続を確立する(S111)。
MNはnAR1との無線接続を確立したことをトリガーにして、S110で検索された情報を用いて、MNと移動先ARの接続処理を行う。具体的には、nCOA1の使用開始、デフォルトルート(nAR1(IP−nAR1、MAC−nAR1))の切り替えを行う(S112)。
【0044】
nAR1はMNが自分との無線接続を確立したことをトリガーにして、事前に通知されているMNのMACアドレス、nCOA1を用いてNeighbor Tableの更新を行う(S113)。
nAR1がMN宛のデータを送信し始める。バッファされたデータがあれば同時に送信される(S114)。nAR1がMMRにMNのためのBindingUpdateを送信する(S115)。
【0045】
最後に、MMRがデータをマルチキャストする範囲を変更(Step2(nAR1)とStep3(nAR2))する(S116)。
(b)MNが移動予測外のARにハンドオーバする場合
図8には、MNが移動予測外のARにハンドオーバする場合の動作例が示されている(S110’〜S120’)。図9は図8中の各部の処理に対応するフローチャートである。なお、MNは移動予測外のARにハンドオーバする場合には非特許文献3と同様の方法を用いてハンドオーバを行う。図8においては、MNがnAR1から候補AR外のnAR9にハンドオーバしたとしている。
【0046】
MNはnAR9が送信するBeaconメッセージに含まれているWirelessIDが候補AR一覧にないことを認識する(S110’)。すると、MNがnAR1を経由してnAR9にRouter Solicitation for Proxyを送信する(S111’)。Router Solicitation for Proxyを受信することによって、MNのMACアドレスがnAR9に通知される。
【0047】
nAR9が、通知されたMNのMACアドレスから、MNが自分にハンドオーバした場合に用いるCOA(nCOA9)を作成する(S112’)。nAR9はnCOA9でNeighbor Advertisementを送信する(S113’)。
nAR9がnAR1を経由してMNにProxy Router Advertisementを送信する(S114’)。Proxy Router Advertisementを受信することによって、MNにnAR9のIPアドレス(IP−nAR9)、MACアドレス(MAC−nAR9)、nCOA9が通知される。
【0048】
nAR1はMMRに予測外行動の通知を行う(S115’)。MMRは予測外行動の通知を受信することによって、MNがnAR1からnAR9にハンドオーバしそうであることが分かる。
MMRは予測外行動の通知を受けた後、マルチキャストを行う範囲をnAR1、nAR9に変更する(S116’)。
【0049】
MNはnAR9との無線接続を確立する(S117’)。MNはnAR9との無線接続を確立したことをトリガーにして、(1)MNと移動先ARの接続処理(nCOA9の使用開始、デフォルトルート(nAR9(IP−nAR9、MAC−nAR9))の切り替え)を行う(S118’)。
nAR9はMNが自分との無線接続を確立したことをトリガーにして、事前に通知されているMNのMACアドレス、nCOA9を用いてNeighbor Tableの更新を行う。nAR9がMN宛のデータを送信し始める。バッファされたデータがあれば同時に送信される(S119’)。
【0050】
nAR9がMMRにMNのためのBinding Updateを送信する(S120’)。
MMRは、MNが予測の最後のARまで移動した後、もしくは予測が外れた場合に、改めてMNの移動予測を行う。以降の手順は上記と同様である。
(移動管理ルータ)
以上説明した移動通信システムにおいては、以下のような移動管理ルータが実現されている。すなわち、図10に示されているように、複数のアクセスルータと、移動しながら上記複数のアクセスルータ間においてハンドオーバ処理を行う移動ノードとを有する移動体通信システムにおいて、上記複数のアクセスルータを管理する移動管理ルータであり、上記移動ノードの移動先を予測する予測機能1001と、上記予測機能1001によって予測される予測移動先である候補アクセスルータそれぞれに、上記移動ノード宛のデータを予めマルチキャスト送信するマルチキャスト機能1002と、上記候補アクセスルータに、上記移動ノードがハンドオーバの際に各候補アクセスルータと通信を行うために必要な情報を該移動ノードに予め通知するARへの通知機能1004と、上記候補アクセスルータそれぞれが上記移動ノードと通信を行うために必要な情報を該候補アクセスルータに予め通知するMNへの通知機能1005とを含む移動管理ルータが実現されている。ハンドオーバの際の接続処理に必要な情報を、候補アクセスルータに予め通知することにより、ハンドオーバに要する時間を短くすることができる。
【0051】
ここで、上記ARへの通知機能1004は、上記候補アクセスルータの一覧を上記移動ノードに通知する。候補ARの一覧を予め通知しておくことにより、通知された一覧に含まれていないアクセスルータにハンドオーバしそうな場合には候補アクセスルータの選び直しを要求でき、瞬断を短い時間に抑えることができる。
【0052】
また、図10に示されているように、移動管理ルータは、上記移動ノードの現在位置に応じて上記マルチキャスト手段によってマルチキャスト送信する範囲を変更する範囲変更機能1003を更に含んでいる。これにより、移動ノードの現在位置に応じて適切な範囲にマルチキャスト送信することができる。
(アクセスルータ)
以上説明した移動通信システムにおいては、以下のようなアクセスルータが実現されている。すなわち、図11に示されているように、他のルータとの間において移動する移動ノードによってハンドオーバ処理が行われるアクセスルータであり、上記移動ノードと通信を行うために、自ルータを管理する移動管理ルータから通知される情報に基づいて、上記移動ノードが自ルータの配下で用いる気付アドレスを作成する気付アドレス作成機能2001と、上記気付アドレス作成機能2001によって作成した気付アドレスを上記移動管理ルータに通知する通知機能2002とを含むアクセスルータが実現されている。ハンドオーバの際の接続処理に必要な情報を、候補アクセスルータに予め通知することにより、ハンドオーバに要する時間を短くすることができる。
(移動ノード)
以上説明した移動通信システムにおいては、以下のような移動ノードが実現されている。すなわち、図12に示されているように、複数のアクセス間を移動する際にハンドオーバ処理を行う移動ノードであり、自ノードの予測移動先である候補アクセスルータの一覧を受信する一覧受信機能3001と、上記ハンドオーバ処理を行う際、該ハンドオーバ先のアクセスルータが上記一覧受信機能3001によって受信した一覧に含まれているかどうか監視する監視機能3002と、上記監視機能3002による監視の結果、該ハンドオーバ先のアクセスルータが上記一覧に含まれていない場合には上記候補アクセスルータの選び直しを要求する選び直し要求機能3003とを含む移動ノードが実現されている。候補ARの一覧を予め通知しておくことにより、通知された一覧に含まれていないアクセスルータにハンドオーバしそうな場合には候補アクセスルータの選び直しを要求でき、瞬断を短い時間に抑えることができる。
【0053】
また、図12に示されているように、移動ノードは、自ノードの移動先に関する情報を通知する移動先情報通知機能3004を更に含んでいる。これにより、移動ノードの現在位置に応じて適切な範囲にマルチキャスト送信することができる。
(ハンドオーバ制御方法)
以上説明した移動通信システムにおいては、以下のようなハンドオーバ制御方法が実現されている。すなわち、移動ノードから通知された該移動ノードの移動情報に基づいて該移動ノードの移動経路を予測する予測ステップと、上記予測ステップにおいて予測された予測移動先である候補アクセスルータと上記移動ノードとが通信を行うために必要な情報を通知する通知ステップとを含み、上記候補アクセスルータ同士の間において上記移動ノードがハンドオーバ処理を行う際、上記通知ステップにおいて通知された情報に基づいて上記移動ノードと上記候補アクセスルータとが通信を行うハンドオーバ制御方法が実現されている。ハンドオーバの際の接続処理に必要な情報を、候補アクセスルータに予め通知することにより、ハンドオーバに要する時間を短くすることができる。
【0054】
また、上記通知ステップにおいては、上記候補アクセスルータの一覧を上記移動ノードに通知し、
上記移動ノードのハンドオーバ先のアクセスルータが上記一覧に含まれていない場合には上記候補アクセスルータの選び直しを要求するステップを、更に含んでいるハンドオーバ制御方法が実現されている。候補ARの一覧を予め通知しておくことにより、通知された一覧に含まれていないアクセスルータにハンドオーバしそうな場合には候補アクセスルータの選び直しを要求でき、瞬断を短い時間に抑えることができる。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、移動管理ルータが候補アクセスルータを選び、移動ノード宛のデータを候補アクセスルータにマルチキャストする場合において、予め移動ノードと候補アクセスルータに接続処理に必要な情報を通知しておき、また、予め移動ノードに候補アクセスルータの一覧を通知しておくことにより、ハンドオーバ処理に要する時間が削減できるという効果がある。
【0056】
また、一覧にないアクセスルータにハンドオーバしそうな場合、移動ノードから移動管理ルータに候補アクセスルータの選び直しを要求することにより、移動ノードが候補アクセスルータ以外のアクセスルータにハンドオーバした場合にも対応することができ、瞬断の短いハンドオーバを実現できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】MNが予測外のARにハンドオーバを行った場合を、本システムによって解決する手法を示す図である。
【図2】接続処理する時間を削減できないという従来技術の問題点を、本システムによって解決する手法を示す図である。
【図3】本発明による移動管理ルータ、アクセスルータ、移動ノードを採用した移動通信システムにおける、移動予測の実施例を示す図である。
【図4】本発明による移動管理ルータ、アクセスルータ、移動ノードを採用した移動通信システムの動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明による移動管理ルータ、アクセスルータ、移動ノードを採用した移動通信システムにおける、マルチキャストの実施例を示す図である。
【図6】本発明による移動管理ルータ、アクセスルータ、移動ノードを採用した移動通信システムにおける、移動予測通りのARにハンドオーバする場合のハンドオーバ手順を示す図である。
【図7】移動ノードが移動予測通りのアクセスルータにハンドオーバする場合の動作を示すフローチャートである。
【図8】本発明による移動管理ルータ、アクセスルータ、移動ノードを採用した移動通信システムにおける、移動予測以外のアクセスルータにハンドオーバする場合のハンドオーバ手順を示す図である。
【図9】移動ノードが移動予測外のアクセスルータにハンドオーバする場合の動作を示すフローチャートである。
【図10】移動管理ルータの構成例を示すブロック図である。
【図11】アクセスルータの構成例を示すブロック図である。
【図12】移動ノードの構成例を示すブロック図である。
【図13】非特許文献1、非特許文献2のハンドオーバ手法の概要を示す図である。
【図14】非特許文献3のハンドオーバ手法の、接続処理の概要を示す図である。
【図15】非特許文献4のハンドオーバ手法の概要を示す図である。
【図16】接続処理する時間を削減できないという従来技術の問題点を示す図である。
【図17】非特許文献4のハンドオーバ手法の問題点を示す図である。
【符号の説明】
AR アクセスルータ
MN 移動ノード
MMR 移動管理ルータ
【発明の属する技術分野】
本発明は移動通信システム、ハンドオーバ制御方法に関し、特に高速で移動し、ハンドオーバしながらデータの送受信を行っている移動ノードに対し、瞬断の短い通信環境を実現する移動通信システム、ハンドオーバ制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
複数のアクセスルータ(Access Router;以下、ARと略称する)及びARを管理する移動管理ルータ(Mobility Management Router;以下、MMRと略称する)とを含む有線ネットワークと、無線ネットワークとからなるパケット通信網においては、無線環境上における移動ノード(Mobile Node:以下、MNと略称する)の移動に伴い、接続相手であるアクセスルータの切替処理である、ハンドオーバ(Handover)が生じる。
【0003】
従来のハンドオーバ手法では、ハンドオーバ中に、2つの手順が行われる。すなわち、(A)MNと移動先ARの「接続処理」と、(B)MNの「位置登録」と、の2つの手順が行われる。このハンドオーバの手順中は通信が瞬断する可能性がある。このため、これらの手順に要する時間を短縮することが重要である。
従来のハンドオーバ手法が、非特許文献1乃至非特許文献4に開示されている。以下、これらの文献に開示されているハンドオーバ処理について図面を参照して説明する。
【0004】
図13には、非特許文献1、非特許文献2に開示されているハンドオーバ手法の概要が示されている。非特許文献1では、MNが位置登録を行うノード(Mobolity Anchor Point;以下、MAPと略称する)を階層型に配置することによって、(B)MNの「位置登録」に要する時間を軽減している。
【0005】
ハンドオーバの具体的な手順は以下の通りである。同図に示されているように、MNが、pARがデフォルトゲートウェイになっているpNetworkから、nARがデフォルトゲートウェイになっているnNetworkに移動することを想定している。同図において、ハンドオーバはS11乃至S17の手順によって行われる。
S11:MNがnARへの無線接続を確立する。
S12:MNがnARにRouter Solicitationを送信する。
S13:nARがMNにRouter Advertisementを送信する。
S14:MNがnNetworkで用いるCare of Address(nCOA)を作成する。
S15:MNがMAP、pARにBinding Updateを送信する。
S16:nARがMNにNeighbor Solicitationを送信する。
S17:MNがnARにNeighbor Advertisementを送信する。
S18:MAP、pARがMN宛のデータをnNetworkに転送し始める。
【0006】
同図中のS12〜S14、S16〜S17が(A)「接続処理」の手順である。なお、S12及びS16のSolicitationはS13、S17のAdvertisementを送信させるためのトリガーの役目だけを果たしており、省略されることがある。
同図に示されているハンドオーバの際、(A)「接続処理」で行われることは以下の通りである。すなわち、MNにおいては、nARのIPアドレスとMACアドレスの取得、取得した情報をもとにnARへのデフォルトルートの切り替え、nCOAの作成、である。
【0007】
ARにおいては、MNのIPアドレス(nCOA)、MACアドレスの取得、取得した情報をもとにNeighbor Tableの更新、である。
同図中のS15、S18の手順が(B)MNの「位置登録」の手順である。
一方、図14には、非特許文献3に開示されているハンドオーバ手法の概要が示されている。非特許文献3のハンドオーバ手法では、MNがnARとの無線接続を確立する前に、MNがpARを経由してnARと通信を行い、(A)「接続処理」に必要な情報の通知が行われる。同図において、ハンドオーバはS21乃至S28の手順によって行われる。
S21:MNが無線リンクの状況を監視することによって、もうすぐnARにハンドオーバしそうであることが分かる。
S22:MNはpARを経由してnARにRouter Solicitationfor Proxyを送信する。Router Solicitationfor Proxyを受信することによってMNのMACアドレスがnARに通知される。
S23:nARが、通知されたMNのMACアドレスから、MNが自分にハンドオーバした場合に用いるCOA(nCOA)を作成する。
S24:nARはnCOAでNeighbor Advertisementを送信する。
S25:nARがpARを経由してMNにProxy Router Advertisementを送信する。Proxy Router Advertisementを受信することによって、MNにnARのIPアドレス、MACアドレス、nCOAが通知される。
S26:MNはnARとの無線接続を確立する。
S27:MNはnARとの無線接続を確立したことをトリガーにして、(A)MNと移動先ARの「接続処理」(nCOAの使用開始、nARへのデフォルトルートの切り替え)を行う。
S28:nARはMNが自分との無線接続を確立したことをトリガーにして、事前に通知されているMNのMACアドレス、nCOAを用いてNeighborTableの更新を行う。
【0008】
以上説明した非特許文献3のハンドオーバ手法は、ハンドオーバの処理の一部を無線接続切り替えの処理の前に行う。このため、非特許文献1、非特許文献2よりも通信の瞬断が少ないハンドオーバを行うことが可能である。
さらに、図15には、非特許文献4に開示されているハンドオーバ手法の概要が示されている。
【0009】
非特許文献4のハンドオーバ手法では、マルチキャストを用いることで、(B)MNの「位置登録」に要する時間を軽減している。非特許文献4のハンドオーバ手法では、MNが位置登録を行い、このMN宛のデータをマルチキャストするノードを、マルチキャスト対応Gate Way(以下、GWと略称する)と呼ぶ。
【0010】
GWはMN宛のデータをpNetworkだけでなく、隣接する他のAR(図15においてはnARとpAR)にもマルチキャストし続けている。ARは、MNが自分との無線接続を確立していない間は、受信したMN宛のデータをバッファリングする。MNが使用しているアプリケーションによっては、ARは受信したデータの一部、もしくは全てを削除する場合もある。同図において、ハンドオーバはS31乃至S39の手順によって行われる。
S31:MNがnARへの無線接続を確立する。
S32:MNがnARにRouter Solicitationを送信する。
S33:nARがMNにRouter Advertisementを送信する。
S34:MNがnNetworkで用いるCare of Address(nCOA)を作成する。
S35:MNがnARにJoinを送信する。
S36:nARがMNにNeighbor Solicitationを送信する。
S37:MNがnARにNeighbor Advertisementを送信する。
S38:nARがMN宛のデータの送信を始める。
S39:MNがGWにBinding Updateを送信する。
【0011】
以上説明した非特許文献4のハンドオーバ手法では、GWがMN宛のデータを常に周辺のARにマルチキャストしているため、(B)MNの「位置登録」に要する時間がほとんどなくなっている。
ところで、非特許文献のハンドオーバ手法4において、GWがマルチキャストするARの範囲は様々に変更することが可能である。例えば、MNが移動し得る周辺ARの全てに対してマルチキャストを行うことや、MNが高速で移動している場合等にMNの進行方向に絞ってマルチキャストを行うことが可能である。
【0012】
【非特許文献1】
David B.Johnson,Charles E.Perkins,Jari Arkko,“Mobility Support in IPv6”[online]、IETF internet Draft,Oct 2002、[平成15年3月11日検索]、インターネット<URL:http://www.ietf.org/internet−drafts/draft−ietf−mobileip−ipv6−21.txt>
【非特許文献2】
Hesham Soliman,Claude Castelluccia,Karim El−Malki,Ludovic Bellier,“Hierarchical Mobile IPv6 mobility management(HMIPv6)”[online]、IETF internet Draft,Oct 2002、[平成15年3月11日検索]、インターネット<URL:http://www.ietf.org/internet−drafts/draft−ietf−mobileip−hmipv6−07.txt>
【非特許文献3】
Rajeev Koodli,“Fast ハンドオーバs forMobile IPv6”[online]、IETF internet Draft,Jul 2002、[平成平成15年3月11日検索]、インターネット<URL:http://www.ietf.org/internet−drafts/draft−ietf−fast−mipv6−06.txt>
【非特許文献4】
Ahmed,Helmy,“A Multicast−based Protocol for IP Mobility Support”,ACM Special Interest Group on Data Communication,2000
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
MNが高速で移動している場合に、上述した従来のハンドオーバ手法を用いた場合の問題点について、以下説明する。
(問題点I)
まず、非特許文献1〜非特許文献4のどれにおいても、ハンドオーバに要する時間のうち、(A)「接続処理」に要する時間を削減できない。この問題点Iについて、図16を参照して説明する。
【0014】
同図(a)に示されているように、ハンドオーバは、移動元ARと移動先ARの両方の電波が届く領域(以下、Overlap Regionと略称する)で起こる。このOverlap Regionは、MNがpARとnARの両方と通信を行うことが可能な位置である。通信の瞬断を防ぐためには、Overlap Region内でハンドオーバの手順を終了する必要がある。
【0015】
このOverlap Regionはセル半径が小さい無線技術を用いている場合に非常に狭くなることがある。そして、MNが高速で移動している場合には、このOverlap Regionを非常に短い時間で通過してしまう場合がある。よって、MNが高速で移動している場合は、ハンドオーバに要する時間は可能な限り短くする必要がある。
【0016】
同図(b)に示されているように、用いている無線技術によっては、MNが高速で移動することにより無線リンクの品質が悪化し、パケットがロスする場合がある。無線リンクの品質の悪化は特にOverlap Regionで顕著である。非特許文献1〜非特許文献4においては、(A)「接続処理」の際に、Overlap Regionにおいて最低でも3つのメッセージをやり取りしている。やり取りしているこれらのメッセージがロスした場合には、ハンドオーバの処理に非常に多くの時間がかかる場合がある。よって、MNが高速で移動している場合は、無線リンクの品質が悪い場合にも安定したハンドオーバを実現することが必要である。
(問題点II)
(B)MNの「位置登録」に要する時間については、非特許文献4が最も時間を削減している。しかし、非特許文献4においてはMNがマルチキャスト範囲外にハンドオーバを行った場合に、大きな通信の瞬断が生じる可能性がある。この点について、図17を参照して説明する。
【0017】
同図に示されているように、ユーザが高速で移動する状況としては、自動車や電車等に乗車している状況が考えられる。そのような状況下においては、一般的にはユーザの進行方向に沿って、もしくは道路・線路に沿ってマルチキャストの範囲Mを設定すれば良い。
しかし、自動車が脇道に入った場合C1やユーザが自動車を降りた場合C2等に、範囲外のAR配下にハンドオーバしてしまう可能性がある。さらに、安定したハンドオーバを行うためには、MNが予測外のAR配下にハンドオーバした場合C3も考慮するべきである。
【0018】
本発明は上述した従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、その目的はハンドオーバに要する時間が削減でき、またMNが候補AR以外のARにハンドオーバした場合にも対応することのできる移動通信システム、ハンドオーバ制御方法を提供することである。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1による移動管理ルータは、複数のアクセスルータと、移動しながら前記複数のアクセスルータ間においてハンドオーバ処理を行う移動ノードとを有する移動体通信システムにおいて、前記複数のアクセスルータを管理する移動管理ルータであって、前記移動ノードの移動先を予測する予測手段と、前記予測手段によって予測される予測移動先である候補アクセスルータそれぞれに、前記移動ノード宛のデータを予めマルチキャスト送信するマルチキャスト手段と、前記候補アクセスルータに、前記移動ノードがハンドオーバの際に各候補アクセスルータと通信を行うために必要な情報を該移動ノードに予め通知する第1の通知手段と、前記候補アクセスルータそれぞれが前記移動ノードと通信を行うために必要な情報を該候補アクセスルータに予め通知する第2の通知手段とを含むことを特徴とする。ハンドオーバの際の接続処理に必要な情報を、候補アクセスルータに予め通知することにより、ハンドオーバに要する時間を短くすることができる。
【0020】
本発明の請求項2による移動管理ルータは、請求項1において、前記第1の通知手段は、前記候補アクセスルータの一覧を前記移動ノードに通知することを特徴とする。候補ARの一覧を予め通知しておくことにより、通知された一覧に含まれていないアクセスルータにハンドオーバしそうな場合には候補アクセスルータの選び直しを要求でき、瞬断を短い時間に抑えることができる。
【0021】
本発明の請求項3による移動管理ルータは、請求項1又は2において、前記移動ノードの現在位置に応じて前記マルチキャスト手段によってマルチキャスト送信する範囲を変更する範囲変更手段を更に含むことを特徴とする。こうすることにより、移動ノードの現在位置に応じて適切な範囲にマルチキャスト送信することができる。
【0022】
本発明の請求項4によるアクセスルータは、他のルータとの間において移動する移動ノードによってハンドオーバ処理が行われるアクセスルータであって、前記移動ノードと通信を行うために、自ルータを管理する移動管理ルータから通知される情報に基づいて、前記移動ノードが自ルータの配下で用いる気付アドレスを作成する気付アドレス作成手段と、前記気付アドレス作成手段によって作成した気付アドレスを前記移動管理ルータに通知する手段とを含むことを特徴とする。ハンドオーバの際の接続処理に必要な情報を、候補アクセスルータに予め通知することにより、ハンドオーバに要する時間を短くすることができる。
【0023】
本発明の請求項5による移動ノードは、複数のアクセス間を移動する際にハンドオーバ処理を行う移動ノードであって、自ノードの予測移動先である候補アクセスルータの一覧を受信する受信手段と、前記ハンドオーバ処理を行う際、該ハンドオーバ先のアクセスルータが前記受信手段によって受信した一覧に含まれているかどうか監視する監視手段と、前記監視手段による監視の結果、該ハンドオーバ先のアクセスルータが前記一覧に含まれていない場合には前記候補アクセスルータの選び直しを要求する手段とを含むことを特徴とする。候補ARの一覧を予め通知しておくことにより、通知された一覧に含まれていないアクセスルータにハンドオーバしそうな場合には候補アクセスルータの選び直しを要求でき、瞬断を短い時間に抑えることができる。
【0024】
本発明の請求項6による移動ノードは、請求項5において、自ノードの移動先に関する情報を通知する移動先情報通知手段を更に含むことを特徴とする。こうすることにより、移動ノードの現在位置に応じて適切な範囲にマルチキャスト送信することができる。
本発明の請求項7によるハンドオーバ制御方法は、移動ノードから通知された該移動ノードの移動情報に基づいて該移動ノードの移動経路を予測する予測ステップと、前記予測ステップにおいて予測された予測移動先である候補アクセスルータと前記移動ノードとが通信を行うために必要な情報を通知する通知ステップとを含み、前記候補アクセスルータ同士の間において前記移動ノードがハンドオーバ処理を行う際、前記通知ステップにおいて通知された情報に基づいて前記移動ノードと前記候補アクセスルータとが通信を行うことを特徴とする。ハンドオーバの際の接続処理に必要な情報を、候補アクセスルータに予め通知することにより、ハンドオーバに要する時間を短くすることができる。
【0025】
本発明の請求項8によるハンドオーバ制御方法は、請求項7において、前記通知ステップにおいては、前記候補アクセスルータの一覧を前記移動ノードに通知し、
前記移動ノードのハンドオーバ先のアクセスルータが前記一覧に含まれていない場合には前記候補アクセスルータの選び直しを要求するステップを更に含むことを特徴とする。候補ARの一覧を予め通知しておくことにより、通知された一覧に含まれていないアクセスルータにハンドオーバしそうな場合には候補アクセスルータの選び直しを要求でき、瞬断を短い時間に抑えることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
次に、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の説明において参照する各図においては、他の図と同等部分に同一符号が付されている。
本発明による移動管理ルータ、アクセスルータ、移動ノードを採用した移動通信システムでは、MNが位置登録を行い、MNの移動予測結果に基づいてMN宛のデータのマルチキャストを行い、またMNの移動予測結果をMNに通知し、MNと全候補ARに接続処理に必要な情報を通知するノードとして、MMR(Mobility Management Router)を定義する。
【0027】
また、本システムでは、以下の各事項が前提条件となる。
まず、ユーザは自動車や電車に乗って高速で移動していることを前提とする。よって、MNが道路や線路に沿って直進的な運動を行う可能性が高い。
さらに、本システムにおいては、ネットワークの構成要素は、各ARが管理するエリア情報を持っていることを前提としている。
【0028】
なお、MMRはMNの移動予測をもとに、MNが今後ハンドオーバしそうなAR(以下、候補ARと略称する)を予め多めに選定しておく、そして、MMRは、データをマルチキャストする際には、候補ARの中からMNの近傍にいるもののみを選んで行うものとする。
以下、(A)「接続処理」に要する時間を削減できないという問題点I、MNがマルチキャスト範囲外にハンドオーバを行った場合に大きな通信の瞬断が生じるという問題点II、という2つの問題点を解決する本システムの概要を述べる。
【0029】
まず、上記問題点IIを解決する手法について、図1を参照して説明する。
同図において、MNは速度vで移動している。MMRはMNの移動予測から候補ARを選定した後、その候補ARの一覧をMNに通知する(S01)。この一覧には、MNが候補AR中のARをどの様な順番でハンドオーバしていくか、という順序情報も含まれている。
【0030】
MNは常に各ARが送信しているBeaconを監視し、現在ハンドオーバしそうなARが一覧の通りであるか調べる。その一覧の通りに移動している場合は、非特許文献4に開示されている手法に近似した手法(後に詳述する)でハンドオーバを行う。
しかしながら、もし一覧の通りでない場合(S02)、移動先のエリアM’が候補ARの一覧に含まれていないので、MNは自身が予測外の移動をしようとしていることがわかる。この場合、非特許文献3に開示されている手法に近似した手法(後に詳述する)でハンドオーバを行う。そして、MNは候補AR以外のAR配下にハンドオーバしそうであること、すなわち予測外行動であること、をMMRに通知する。MMRは予測外行動であることの通知を受けた場合には、候補ARを新たに選定し直す。
【0031】
次に、上記問題点Iを解決する手法について以下に述べる。
MMRは候補ARを選んだ後、MNが各候補AR配下で用いるCOAを、各候補ARに作成させる。ここでは、1AR〜xARが選ばれたと仮定し、COA1〜COAxを作成させる。その後、(A)「接続処理」に必要となる情報の一覧をMNと候補ARに通知する。
【0032】
MNに通知される具体的な内容は、例えば、図2に示されている。すなわち、同図において、全候補ARがBeaconを送信する際に用いる識別情報(以下、WirelessIDと略称する)100、全候補ARのIPアドレス(IP−AR1〜IP−ARx)200、MACアドレス(MAC−AR1〜MAC−ARx)300、各候補AR配下で用いるCOA(COA1〜COAx)400が、MNに通知される。
【0033】
また、全ての候補ARには以下の内容が通知される。すなわち、MNが対象AR配下で用いるCOA、MNのMACアドレスが、各ARに通知される。
なお、通知される具体的な内容は、用いている移動通信プロトコルによって異なる。
以上の情報が予めMNと候補ARとにそれぞれ通知されていれば、MNがハンドオーバを行った後、なんらメッセージのやり取りをすることなく、瞬時に(A)「接続処理」を行うことが可能である。なお、MNは移動先のARが送信しているBeacon中に含まれているWirelessIDに基づいて、通知された情報の一覧の中から必要な情報を選び出す。
【0034】
図3には、本システムにおける移動予測の手法が示されている。同図においては、MNは、最初に、pARをデフォルトルートとするpNetworkに存在していたものとする。
その後、以下の手法により、移動予測がなされる。すなわち、pNetworkに移動したMNは(S101)、自分の移動情報をMMRに通知する(S102)。この場合の移動情報は、GPS(Global PositioningSystem)等の機器によって測定されるMNの現在の位置と移動速度等である。この移動情報には、白動車・電車乗車中と言った環境情報を含むことも考えられる。
【0035】
この移動情報を受取ったMMRは、その移動情報に基づいて、今後の移動経路を予測し、MNがどのARの管理するエリアを通過するか予測する(S103)。同図においては、予測の結果、Step1(pAR)、Step2(nAR1)、Step3(nAR2)、Step4(nAR3)、Step5(nAR4、nAR5)、Step6(nAR6、nAR7、nAR8)が候補ARとして選ばれたとしている。
【0036】
次に、図4を参照して、上記の移動予測、及び移動予測後におけるMMRの候補AR選定、選定後における、候補AR一覧の情報、接続処理に必要な情報の通知する処理の概要を述べる。なお、移動予測後の動作は図2の場合と同様である。
最初に、MNがpNetworkに移動してくる(S101)。MNはpNetworkに移動した後、すぐにMMRに自分の移動情報を通知する(S102)。
【0037】
MMRは通知されたMNの移動情報から今後の移動経路を予測し、MNがどのARの管理するエリアを通過するか予測する(S103)。MMRは、全候補ARにMNのMACアドレスを通知する(S104)。
候補ARは、通知されたMNのMACアドレスから、MNがハンドオーバ後に用いるCOAを作成する(S105)。これにより、nCOA1〜nCOA8が作成される。候補ARは作成したCOAでNeighbor Advertisementを送信する(S106)。候補ARは自分が使用しているWirelessID、作成したCOAをMMRに通知する(S107)。
【0038】
MMRはMNに移動予測結果、候補ARが使用しているWirelessID(Wireless ID1〜Wireless ID8)、IPアドレス(IP AR1 〜IP AR8)、MACアドレス(MAC AR1〜MAC AR8)、各候補AR配下で用いるCOA(nCOA1〜nCOA8)を通知する(S108)。
【0039】
以降の処理は、後述するようにMNが移動予測通りのARにハンドオーバする場合と、MNが移動予測外のARにハンドオーバする場合とで異なるものになる(S109)。
図5には、本システムにおける、MN宛のデータのマルチキャストの実施例が示されている。MMRはMNの現在の位置から数Step先の候補ARに対してMN宛のデータをマルチキャストする。
【0040】
同図(a)の状態においては、現在の位置であるpARから1Step先であるnAR1に対してMN宛のデータをマルチキャストしている。一方、移動後の同図(b)の状態においては、現在の位置であるnAR1から1Step先であるnAR2に対してMN宛のデータをマルチキャストしている。
どの程度先、すなわち何Step先のARに対してデータをマルチキャストするかは、MNの移動速度や用いている無線技術のリンクの品質によって異なる。リンクの品質が極端に悪い場合、MNがnAR1と無線接続を確立できないまま、次のnAR2に移動してしまう可能性があるからである。
【0041】
各ARは、MNが無線接続を確立している場合は、MN宛のデータをMNに転送する。しかしながら、MNが無線接続を確立してない場合は、データをバッファリング、もしくは必要ない場合は削除する。
バッファリングするか、削除するかは、MNが用いている通信アプリケーションによって異なる。例えば、データ転送アプリケーション等、ロスのない通信を行うことが必要な場合はデータをバッファリングし、逆にVoice overIPアプリケーション等の様にパケットの伝播遅延を低く抑えたい場合は、伝播遅延を増大させるバッファリングはあえて行わない、という状況が考えられる。
【0042】
ところで、MNは常に各ARが送信しているBeaconを監視している。MNは、このBeacon中に含まれているWirelessIDに基づいて、MMRから通知された情報の一覧を検索し、自らが予測通りにハンドオーバしているか常に監視している。
以下、(a)MNが移動予測通りのARにハンドオーバする場合について図6及び図7を、(b)MNが移動予測外のARにハンドオーバする場合について図8及び図9を、それぞれ参照して説明する。
(a)MNが移動予測通りのARにハンドオーバする場合
図6には、MNが移動予測通りのARにハンドオーバする場合の動作例が示されている(S111〜S116)。図7は図6中の各部の処理に対応するフローチャートである。なお、図6においては、MNがpARからnAR1にハンドオーバしたとしている。
【0043】
MNはnAR1が送信するBeaconメッセージに含まれているWirelessIDに基づいて、候補AR情報一覧の中から必要な情報を検索する(S110)。MNがnAR1との無線接続を確立する(S111)。
MNはnAR1との無線接続を確立したことをトリガーにして、S110で検索された情報を用いて、MNと移動先ARの接続処理を行う。具体的には、nCOA1の使用開始、デフォルトルート(nAR1(IP−nAR1、MAC−nAR1))の切り替えを行う(S112)。
【0044】
nAR1はMNが自分との無線接続を確立したことをトリガーにして、事前に通知されているMNのMACアドレス、nCOA1を用いてNeighbor Tableの更新を行う(S113)。
nAR1がMN宛のデータを送信し始める。バッファされたデータがあれば同時に送信される(S114)。nAR1がMMRにMNのためのBindingUpdateを送信する(S115)。
【0045】
最後に、MMRがデータをマルチキャストする範囲を変更(Step2(nAR1)とStep3(nAR2))する(S116)。
(b)MNが移動予測外のARにハンドオーバする場合
図8には、MNが移動予測外のARにハンドオーバする場合の動作例が示されている(S110’〜S120’)。図9は図8中の各部の処理に対応するフローチャートである。なお、MNは移動予測外のARにハンドオーバする場合には非特許文献3と同様の方法を用いてハンドオーバを行う。図8においては、MNがnAR1から候補AR外のnAR9にハンドオーバしたとしている。
【0046】
MNはnAR9が送信するBeaconメッセージに含まれているWirelessIDが候補AR一覧にないことを認識する(S110’)。すると、MNがnAR1を経由してnAR9にRouter Solicitation for Proxyを送信する(S111’)。Router Solicitation for Proxyを受信することによって、MNのMACアドレスがnAR9に通知される。
【0047】
nAR9が、通知されたMNのMACアドレスから、MNが自分にハンドオーバした場合に用いるCOA(nCOA9)を作成する(S112’)。nAR9はnCOA9でNeighbor Advertisementを送信する(S113’)。
nAR9がnAR1を経由してMNにProxy Router Advertisementを送信する(S114’)。Proxy Router Advertisementを受信することによって、MNにnAR9のIPアドレス(IP−nAR9)、MACアドレス(MAC−nAR9)、nCOA9が通知される。
【0048】
nAR1はMMRに予測外行動の通知を行う(S115’)。MMRは予測外行動の通知を受信することによって、MNがnAR1からnAR9にハンドオーバしそうであることが分かる。
MMRは予測外行動の通知を受けた後、マルチキャストを行う範囲をnAR1、nAR9に変更する(S116’)。
【0049】
MNはnAR9との無線接続を確立する(S117’)。MNはnAR9との無線接続を確立したことをトリガーにして、(1)MNと移動先ARの接続処理(nCOA9の使用開始、デフォルトルート(nAR9(IP−nAR9、MAC−nAR9))の切り替え)を行う(S118’)。
nAR9はMNが自分との無線接続を確立したことをトリガーにして、事前に通知されているMNのMACアドレス、nCOA9を用いてNeighbor Tableの更新を行う。nAR9がMN宛のデータを送信し始める。バッファされたデータがあれば同時に送信される(S119’)。
【0050】
nAR9がMMRにMNのためのBinding Updateを送信する(S120’)。
MMRは、MNが予測の最後のARまで移動した後、もしくは予測が外れた場合に、改めてMNの移動予測を行う。以降の手順は上記と同様である。
(移動管理ルータ)
以上説明した移動通信システムにおいては、以下のような移動管理ルータが実現されている。すなわち、図10に示されているように、複数のアクセスルータと、移動しながら上記複数のアクセスルータ間においてハンドオーバ処理を行う移動ノードとを有する移動体通信システムにおいて、上記複数のアクセスルータを管理する移動管理ルータであり、上記移動ノードの移動先を予測する予測機能1001と、上記予測機能1001によって予測される予測移動先である候補アクセスルータそれぞれに、上記移動ノード宛のデータを予めマルチキャスト送信するマルチキャスト機能1002と、上記候補アクセスルータに、上記移動ノードがハンドオーバの際に各候補アクセスルータと通信を行うために必要な情報を該移動ノードに予め通知するARへの通知機能1004と、上記候補アクセスルータそれぞれが上記移動ノードと通信を行うために必要な情報を該候補アクセスルータに予め通知するMNへの通知機能1005とを含む移動管理ルータが実現されている。ハンドオーバの際の接続処理に必要な情報を、候補アクセスルータに予め通知することにより、ハンドオーバに要する時間を短くすることができる。
【0051】
ここで、上記ARへの通知機能1004は、上記候補アクセスルータの一覧を上記移動ノードに通知する。候補ARの一覧を予め通知しておくことにより、通知された一覧に含まれていないアクセスルータにハンドオーバしそうな場合には候補アクセスルータの選び直しを要求でき、瞬断を短い時間に抑えることができる。
【0052】
また、図10に示されているように、移動管理ルータは、上記移動ノードの現在位置に応じて上記マルチキャスト手段によってマルチキャスト送信する範囲を変更する範囲変更機能1003を更に含んでいる。これにより、移動ノードの現在位置に応じて適切な範囲にマルチキャスト送信することができる。
(アクセスルータ)
以上説明した移動通信システムにおいては、以下のようなアクセスルータが実現されている。すなわち、図11に示されているように、他のルータとの間において移動する移動ノードによってハンドオーバ処理が行われるアクセスルータであり、上記移動ノードと通信を行うために、自ルータを管理する移動管理ルータから通知される情報に基づいて、上記移動ノードが自ルータの配下で用いる気付アドレスを作成する気付アドレス作成機能2001と、上記気付アドレス作成機能2001によって作成した気付アドレスを上記移動管理ルータに通知する通知機能2002とを含むアクセスルータが実現されている。ハンドオーバの際の接続処理に必要な情報を、候補アクセスルータに予め通知することにより、ハンドオーバに要する時間を短くすることができる。
(移動ノード)
以上説明した移動通信システムにおいては、以下のような移動ノードが実現されている。すなわち、図12に示されているように、複数のアクセス間を移動する際にハンドオーバ処理を行う移動ノードであり、自ノードの予測移動先である候補アクセスルータの一覧を受信する一覧受信機能3001と、上記ハンドオーバ処理を行う際、該ハンドオーバ先のアクセスルータが上記一覧受信機能3001によって受信した一覧に含まれているかどうか監視する監視機能3002と、上記監視機能3002による監視の結果、該ハンドオーバ先のアクセスルータが上記一覧に含まれていない場合には上記候補アクセスルータの選び直しを要求する選び直し要求機能3003とを含む移動ノードが実現されている。候補ARの一覧を予め通知しておくことにより、通知された一覧に含まれていないアクセスルータにハンドオーバしそうな場合には候補アクセスルータの選び直しを要求でき、瞬断を短い時間に抑えることができる。
【0053】
また、図12に示されているように、移動ノードは、自ノードの移動先に関する情報を通知する移動先情報通知機能3004を更に含んでいる。これにより、移動ノードの現在位置に応じて適切な範囲にマルチキャスト送信することができる。
(ハンドオーバ制御方法)
以上説明した移動通信システムにおいては、以下のようなハンドオーバ制御方法が実現されている。すなわち、移動ノードから通知された該移動ノードの移動情報に基づいて該移動ノードの移動経路を予測する予測ステップと、上記予測ステップにおいて予測された予測移動先である候補アクセスルータと上記移動ノードとが通信を行うために必要な情報を通知する通知ステップとを含み、上記候補アクセスルータ同士の間において上記移動ノードがハンドオーバ処理を行う際、上記通知ステップにおいて通知された情報に基づいて上記移動ノードと上記候補アクセスルータとが通信を行うハンドオーバ制御方法が実現されている。ハンドオーバの際の接続処理に必要な情報を、候補アクセスルータに予め通知することにより、ハンドオーバに要する時間を短くすることができる。
【0054】
また、上記通知ステップにおいては、上記候補アクセスルータの一覧を上記移動ノードに通知し、
上記移動ノードのハンドオーバ先のアクセスルータが上記一覧に含まれていない場合には上記候補アクセスルータの選び直しを要求するステップを、更に含んでいるハンドオーバ制御方法が実現されている。候補ARの一覧を予め通知しておくことにより、通知された一覧に含まれていないアクセスルータにハンドオーバしそうな場合には候補アクセスルータの選び直しを要求でき、瞬断を短い時間に抑えることができる。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、移動管理ルータが候補アクセスルータを選び、移動ノード宛のデータを候補アクセスルータにマルチキャストする場合において、予め移動ノードと候補アクセスルータに接続処理に必要な情報を通知しておき、また、予め移動ノードに候補アクセスルータの一覧を通知しておくことにより、ハンドオーバ処理に要する時間が削減できるという効果がある。
【0056】
また、一覧にないアクセスルータにハンドオーバしそうな場合、移動ノードから移動管理ルータに候補アクセスルータの選び直しを要求することにより、移動ノードが候補アクセスルータ以外のアクセスルータにハンドオーバした場合にも対応することができ、瞬断の短いハンドオーバを実現できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】MNが予測外のARにハンドオーバを行った場合を、本システムによって解決する手法を示す図である。
【図2】接続処理する時間を削減できないという従来技術の問題点を、本システムによって解決する手法を示す図である。
【図3】本発明による移動管理ルータ、アクセスルータ、移動ノードを採用した移動通信システムにおける、移動予測の実施例を示す図である。
【図4】本発明による移動管理ルータ、アクセスルータ、移動ノードを採用した移動通信システムの動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明による移動管理ルータ、アクセスルータ、移動ノードを採用した移動通信システムにおける、マルチキャストの実施例を示す図である。
【図6】本発明による移動管理ルータ、アクセスルータ、移動ノードを採用した移動通信システムにおける、移動予測通りのARにハンドオーバする場合のハンドオーバ手順を示す図である。
【図7】移動ノードが移動予測通りのアクセスルータにハンドオーバする場合の動作を示すフローチャートである。
【図8】本発明による移動管理ルータ、アクセスルータ、移動ノードを採用した移動通信システムにおける、移動予測以外のアクセスルータにハンドオーバする場合のハンドオーバ手順を示す図である。
【図9】移動ノードが移動予測外のアクセスルータにハンドオーバする場合の動作を示すフローチャートである。
【図10】移動管理ルータの構成例を示すブロック図である。
【図11】アクセスルータの構成例を示すブロック図である。
【図12】移動ノードの構成例を示すブロック図である。
【図13】非特許文献1、非特許文献2のハンドオーバ手法の概要を示す図である。
【図14】非特許文献3のハンドオーバ手法の、接続処理の概要を示す図である。
【図15】非特許文献4のハンドオーバ手法の概要を示す図である。
【図16】接続処理する時間を削減できないという従来技術の問題点を示す図である。
【図17】非特許文献4のハンドオーバ手法の問題点を示す図である。
【符号の説明】
AR アクセスルータ
MN 移動ノード
MMR 移動管理ルータ
Claims (8)
- 複数のアクセスルータと、移動しながら前記複数のアクセスルータ間においてハンドオーバ処理を行う移動ノードとを有する移動体通信システムにおいて、前記複数のアクセスルータを管理する移動管理ルータであって、前記移動ノードの移動先を予測する予測手段と、前記予測手段によって予測される予測移動先である候補アクセスルータそれぞれに、前記移動ノード宛のデータを予めマルチキャスト送信するマルチキャスト手段と、前記候補アクセスルータに、前記移動ノードがハンドオーバの際に各候補アクセスルータと通信を行うために必要な情報を該移動ノードに予め通知する第1の通知手段と、前記候補アクセスルータそれぞれが前記移動ノードと通信を行うために必要な情報を該候補アクセスルータに予め通知する第2の通知手段とを含むことを特徴とする移動管理ルータ。
- 前記第1の通知手段は、前記候補アクセスルータの一覧を前記移動ノードに通知することを特徴とする請求項1記載の移動管理ルータ。
- 前記移動ノードの現在位置に応じて前記マルチキャスト手段によってマルチキャスト送信する範囲を変更する範囲変更手段を更に含むことを特徴とする請求項1又は2記載の移動管理ルータ。
- 他のルータとの間において移動する移動ノードによってハンドオーバ処理が行われるアクセスルータであって、前記移動ノードと通信を行うために、自ルータを管理する移動管理ルータから通知される情報に基づいて、前記移動ノードが自ルータの配下で用いる気付アドレスを作成する気付アドレス作成手段と、前記気付アドレス作成手段によって作成した気付アドレスを前記移動管理ルータに通知する手段とを含むことを特徴とするアクセスルータ。
- 複数のアクセス間を移動する際にハンドオーバ処理を行う移動ノードであって、自ノードの予測移動先である候補アクセスルータの一覧を受信する受信手段と、前記ハンドオーバ処理を行う際、該ハンドオーバ先のアクセスルータが前記受信手段によって受信した一覧に含まれているかどうか監視する監視手段と、前記監視手段による監視の結果、該ハンドオーバ先のアクセスルータが前記一覧に含まれていない場合には前記候補アクセスルータの選び直しを要求する手段とを含むことを特徴とする移動ノード。
- 自ノードの移動先に関する情報を通知する移動先情報通知手段を更に含むことを特徴とする請求項5記載の移動ノード。
- 移動ノードから通知された該移動ノードの移動情報に基づいて該移動ノードの移動経路を予測する予測ステップと、前記予測ステップにおいて予測された予測移動先である候補アクセスルータと前記移動ノードとが通信を行うために必要な情報を通知する通知ステップとを含み、前記候補アクセスルータ同士の間において前記移動ノードがハンドオーバ処理を行う際、前記通知ステップにおいて通知された情報に基づいて前記移動ノードと前記候補アクセスルータとが通信を行うことを特徴とするハンドオーバ制御方法。
- 前記通知ステップにおいては、前記候補アクセスルータの一覧を前記移動ノードに通知し、
前記移動ノードのハンドオーバ先のアクセスルータが前記一覧に含まれていない場合には前記候補アクセスルータの選び直しを要求するステップを更に含むことを特徴とする請求項7記載のハンドオーバ制御方法。
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