JP2004279698A - フィルム状媒体の貼付装置、フィルム状媒体の貼付方法、電気光学装置の製造装置及び電気光学装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】一定長さの異方性導電膜などのフィルム状媒体を液晶パネル基板などのワーク上に安定して貼り付けることが可能な貼付装置を提供する。
【解決手段】送り機構(11)が圧着部(9)から巻取りリール部(2)側へ移動することにより、圧着部側へ一定長さの異方性導電膜(13)を送り出す。その後、圧着部が所定位置から下降し、ワーク上に異方性導電膜を貼り付ける。このとき、クランプ部(8)及び送り機構は共に異方性導電膜の上端面近傍まで下降してくると共に、張力調整部(3、7)により異方性導電膜のテンションが一定に保持されているため、ワーク上に精度良く且つ安定的に異方性導電膜を貼り付けることができる。また、送り機構は、必要に応じて異方性導電膜を固定又は解放し、且つ送り機構が圧着部側へ移動することにより、不要となった異方性導電膜(セパレータ)を適切に剥離することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】送り機構(11)が圧着部(9)から巻取りリール部(2)側へ移動することにより、圧着部側へ一定長さの異方性導電膜(13)を送り出す。その後、圧着部が所定位置から下降し、ワーク上に異方性導電膜を貼り付ける。このとき、クランプ部(8)及び送り機構は共に異方性導電膜の上端面近傍まで下降してくると共に、張力調整部(3、7)により異方性導電膜のテンションが一定に保持されているため、ワーク上に精度良く且つ安定的に異方性導電膜を貼り付けることができる。また、送り機構は、必要に応じて異方性導電膜を固定又は解放し、且つ送り機構が圧着部側へ移動することにより、不要となった異方性導電膜(セパレータ)を適切に剥離することができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶製造装置などの電気光学装置の製造に関し、特に異方性導電膜を液晶回路基板上などに貼り付ける装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、液晶表示装置、EL(Electro Luminescence)装置等といった電気光学装置は、液晶およびEL等といった電気光学物質を基板間に配置してパネル構造を形成し、さらに、適宜の電子回路を搭載した回路基板を、上記パネル構造に接続することによって形成される。また、上記回路基板上には、電子部品、例えば、電解コンデンサ等といったチップ部品やICチップ等が実装されることが多い。
【0003】
回路基板上に電子部品、例えばICチップを実装する方式として、COF(Chip on Film)に基づく実装方式がある。上記COFに基づく実装方式は、基本的には、ICチップの実装領域に熱圧着処理を施すものである。すなわち、上記COFによる実装方式は、一般的に、ICチップをACF(Anisotropic Conductive Film:異方性導電膜)等といった接着要素を用いて熱圧着、すなわち加圧および加熱によって基板上に実装する。異方性導電膜を介して配置された実装基板とICチップの接続部分を加熱されたヘッドで加圧し、接着層を硬化させて、実装基板とICチップを電気的に接続する。一般に、ACFは、直径数μmの金属粒子や金属被膜プラスチック粒子等が厚さ数十μmの接着剤層中に分散配置されたフィルム状の構造になっている。そして、導電性粒子の直径程度まで熱圧着することで、粒子を塑性変化させて、基板とICチップを電気的に接続させている。
【0004】
このようなACFを基板に貼り付ける装置として、基板にACFを載置したものを密閉容器内にセットし、この状態で容器内の圧力差を発生させてACFを基板に押圧し、その後それを加熱して、ACFを基板に貼り付ける装置が知られている(例えば、特許文献1)。
【0005】
また、供給リールから送り出されたACFを、送り出し制御ローラにより必要長さだけ貼り付け速度に同期して送り出し、ベース上に搭載された液晶基板上のACFを熱圧着ローラにより押圧及び加熱しながら熱圧着する異方性導電膜の貼付装置が知られている(例えば、特許文献2)。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−195865号公報
【特許文献2】
特開平6−6019号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述した異方性導電膜の貼付装置では、一対の送り出し制御ローラにより必要な長さだけ異方性導電膜を熱圧着ローラ側へ送り出して液晶基板上に貼り付けるようにしているが、異方性導電膜の送り出し時に発生する送り出し制御ローラと異方性導電膜との間に発生する滑りにより、必要な長さの異方性導電膜を正確に液晶基板上に貼り付けることができないという問題点がある。
【0008】
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、一定長さのフィルム状媒体を液晶基板上などに安定して貼り付けることが可能な異方性導電膜などのフィルム状媒体の貼付装置を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の1つの観点では、フィルム状媒体の貼付装置は、少なくとも2層構造を含むフィルム状媒体が巻回された送り出しリール部と、前記フィルム状媒体をワーク上に圧着する圧着部と、前記送り出しリール部から所定の長さの前記フィルム状媒体を圧着部へ送り出す送り機構と、前記送り機構による前記フィルム状媒体の送り出し時に一定のテンションを保持する張力調整部と、前記フィルム状媒体を必要に応じて固定又は解放するクランプ部と、前記圧着部へワークを供給すると共に、圧着後のワークを前記圧着部から取り出す供給機構と、前記圧着後のフィルム状媒体の一層を巻き取る巻取りリール部と、を備える。
【0010】
上記のフィルム状媒体の貼付装置によれば、送り機構が圧着部へ移動することにより、所望する長さのフィルム状媒体を圧着部へ送り出すことができる。よって、ワークの大きさや態様に応じて、一定の長さのフィルム状媒体をワーク上に貼り付けることができる。
【0011】
また、圧着部への送り出し時には、張力調整部によりフィルム状媒体のテンションが一定に保持されているので、送り機構は確実に一定の長さのフィルム状媒体を圧着部へ送り出すことができる。よって、フィルム状媒体をワーク上に精度良く安定的に貼り付けることができる。
【0012】
上記のフィルム状媒体の貼付装置の一態様では、前記送り機構は、前記フィルム状媒体を必要に応じて固定又は解放するクランプ機構と、駆動機構とを備え、前記駆動機構により上下方向及び前記送り出しリール部側と前記巻取りリール部側との間を移動自在に支持される。
【0013】
この態様によれば、送り機構はクランプ機構を備えているので、必要に応じてフィルム状媒体を固定し、又は解放することができる。また、送り機構は駆動部を備えているので、上下方向又は圧着部側と巻取りリール部側との間を移動することができる。
【0014】
上記のフィルム状媒体の貼付装置の他の一態様では、前記クランプ機構は、第1のクランプ機構と、第2のクランプ機構とを備え、前記送り機構が前記巻き取りリール部側へ移動するときには、前記第1のクランプ機構が前記フィルム状媒体を解放するとともに前記第2のクランプ機構が前記フィルム状媒体を固定し、前記送り機構が前記送り出しリール部側へ移動するときには、前記第1のクランプ機構が前記フィルム状媒体を固定するとともに前記第2のクランプ機構が前記フィルム状媒体を解放する。
【0015】
この態様によれば、第1のクランプ機構がフィルム状媒体を解放し、且つ第2のクランプ機構がフィルム状媒体を固定した状態で、送り機構が送り出しリール部側へ移動することができる。これにより、送り機構は、フィルム状媒体のテンションを一定に保持しつつ、送り出しリール部側へ移動することができる。加えて、第2のクランプ部は、フィルム状媒体を固定しているので、送り機構が送り出しリール部側にある圧着部側へ移動するときに、圧着後のフィルム状媒体を圧着部側へ引き戻すのを防止することができる。
【0016】
また、第1のクランプ機構がフィルム状媒体を固定し、且つ第2のクランプ機構がフィルム状媒体を解放した状態で、送り機構が巻取りリール部側へ移動することができる。これにより、送り機構は、フィルム状媒体のテンションを一定に保持しつつ、一定長さのフィルム状媒体を圧着部へ送り出すことができる。
【0017】
上記のフィルム状媒体の貼付装置の他の一態様では、前記送り機構は、前記巻取りリール部側へ移動するときには、所定の長さの前記フィルム状媒体を前記圧着部へ送り出すと共に、前記送り機構が前記送り出しリール部側へ移動するときには、前記圧着後の前記フィルム状媒体の一層を剥離する。
【0018】
この態様によれば、送り機構は、巻取りリール部側へ移動するときには、所定の長さのフィルム状媒体を圧着部へ送り出すことができる。また、送り機構が送り出しリール部側にある圧着部側へ移動するときには、第1のクランプ機構がフィルム状媒体を解放し、且つ第2のクランプ機構がフィルム状媒体を固定した状態となっているため、圧着後のフィルム状媒体の一層を適切に剥離することができる。ここで、圧着後のフィルム状媒体の一層とは、フィルム状媒体層を貼り付けているセパレータである。
【0019】
上記のフィルム状媒体の貼付装置の他の一態様では、前記張力調整部は、回動自在に支持される第1の張力調整部と、上下方向に移動可能に支持される第2の張力調整部とを備え、前記送り機構が前記巻取りリール部側へ移動するときには、前記第1の張力調整部が所定の方向に移動して前記フィルム状媒体のテンションを一定に保持すると共に、前記第2の張力調整部が基準位置から所定の位置まで下降することにより前記送り機構が前記圧着部へ前記フィルム状媒体を送り出すときに生じる前記フィルム状媒体のたるみを消滅させて前記フィルム状媒体のテンションを一定に保持する。
【0020】
この態様によれば、送り機構が巻取りリール部側へ移動するときには、第1の張力調整部は所定の方向に回転してフィルム状媒体のテンションを常に一定に保持することができる。よって、送り機構は、圧着部に対して適切な長さのフィルム状媒体の送り出しを行うことができる。
【0021】
また、送り機構が移動して圧着部へ送り出しを行う際には巻取りリール部側の所定位置にフィルム状媒体のたるみが生じるが、このたるみは第2の張力調整部が基準位置から所定の位置まで下降することにより消滅させることができる。よって、フィルム状媒体のテンションは常に一定に保持することができる。
【0022】
上記のフィルム状媒体の貼付装置の他の一態様では、前記クランプ部は、上下方向に移動可能に支持され、必要に応じて前記フィルム状媒体を吸着して固定する吸着部と、前記フィルム状媒体の送り出し時又は前記圧着後の前記フィルム状媒体の一層の剥離時において前記フィルム状媒体の位置ずれを防止する位置ずれ防止機構と、を備える。
【0023】
この態様によれば、クランプ部は、必要に応じて上下方向に移動することができ、尚且つ必要に応じてフィルム状媒体を吸着し固定することができる。また、クランプ部は、位置ずれ防止機構を備えているので、フィルム状媒体の送り出し時や、圧着後の前記フィルム状媒体の一層(セパレータ)の剥離時において生じるフィルム状媒体の位置ずれを効果的に防止することができる。
【0024】
上記のフィルム状媒体の貼付装置の他の一態様では、前記クランプ部は、前記ワークを前記圧着部へ供給する時又は前記ワークを前記圧着部から取り出す時には、前記フィルム状媒体を吸着しつつ前記送り機構と共に上方へ退避する。
【0025】
この態様によれば、供給機構がワークを圧着部へ供給する時に、クランプ部はフィルム状媒体を吸着しつつ、送り機構と共に上方へ退避することができる。また、供給機構がワークを圧着部から取り出す時においても、クランプ部はフィルム状媒体を吸着しつつ、送り機構と共に上方へ退避することができる。よって、フィルム状媒体と圧着部の受け台部との間のスペースを広げることができるので、供給機構と圧着部との間で円滑にワークの授受を行うことができる。
【0026】
上記のフィルム状媒体の貼付装置の他の一態様では、前記クランプ部は、前記圧着部が前記ワーク上に前記フィルム状媒体を圧着する際には、前記フィルム状媒体を吸着しつつ前記送り機構と共に上方の所定位置から前記フィルム状媒体の上端面近傍まで下降する。
【0027】
この態様によれば、圧着部がワーク上にフィルム状媒体を圧着する際には、クランプ部はフィルム状媒体を吸着しつつ、送り機構と共に上方の所定位置からフィルム状媒体の上端面近傍まで下降することができる。これにより、フィルム状媒体もワークの上端面近傍まで下降するので、精度良く安定的にフィルム状媒体をワーク上に貼り付けることができる。
【0028】
上記のフィルム状媒体の貼付装置の他の一態様では、前記位置ずれ防止機構は、凹部状に形成された前記クランプ部の構造であり、前記凹部内を前記フィルム状媒体が移動するときに、その移動方向と直交する方向の前記フィルム状媒体の位置ずれを防止する。
【0029】
この態様によれば、位置ずれ防止機構は、凹部状に形成されたクランプ部の構造とすることができる。したがって、フィルム状媒体の送り出し時などにおいては、フィルム状媒体がその凹部状に形成されたクランプ部内を移動することにより、フィルム状媒体の移動方向と直交する方向の位置ずれを効果的に防止することができる。
【0030】
本発明の他の観点では、フィルム状媒体の貼付方法は、少なくとも2層構造を含むフィルム状媒体が巻回された送り出しリール部から所定の長さの前記フィルム状媒体を圧着部へ送り出す送り出し工程と、前記送り出し工程において、前記フィルム状媒体の一定のテンションを保持する張力調整工程と、前記フィルム状媒体を必要に応じて固定又は解放するクランプ工程と、前記送り出し工程で送り出された前記フィルム状媒体を、前記圧着部においてワーク上に圧着する圧着工程と、前記圧着部へワークを供給すると共に、圧着後のワークを前記圧着部から取り出すワーク供給工程と、前記圧着後のフィルム状媒体の一層を、巻き取りリール部に巻き取る巻取り工程と、を有する。
【0031】
上記のフィルム状媒体の貼付方法によれば、所望の長さのフィルム状媒体を圧着部へ送り出すことができる。よって、圧着工程では、ワークの大きさや態様に応じて、一定の長さのフィルム状媒体をワーク上に貼り付けることができる。また、圧着部への送り出し時には、張力調整工程によりフィルム状媒体のテンションが一定に保持されているので、確実に一定の長さのフィルム状媒体を圧着部へ送り出すことができる。よって、圧着工程では、フィルム状媒体をワーク上に精度良く安定的に貼り付けることができる。
【0032】
また、本発明の他の観点では、電気光学装置の製造装置は、少なくとも2層構造を含むフィルム状媒体が巻回された送り出しリール部と、前記フィルム状媒体を電気光学パネル上に圧着する圧着部と、前記送り出しリール部から所定の長さの前記フィルム状媒体を前記圧着部へ送り出す送り機構と、前記送り機構による前記フィルム状媒体の送り出し時に一定のテンションを保持する張力調整部と、前記フィルム状媒体を必要に応じて固定又は解放するクランプ部と、前記圧着部へ電気光学パネルを供給すると共に、圧着後の電気光学パネルを前記圧着部から取り出す供給機構と、前記圧着後のフィルム状媒体の一層を巻き取る巻取りリール部と、前記フィルム状媒体を介して、前記電気光学パネルに電子部品を実装して電気光学装置を製作する実装部と、を備える。
【0033】
また、同様の観点では、電気光学装置の製造方法は、少なくとも2層構造を含むフィルム状媒体が巻回された送り出しリール部から所定の長さの前記フィルム状媒体を圧着部へ送り出す送り出し工程と、前記送り出し工程において、前記フィルム状媒体の一定のテンションを保持する張力調整工程と、前記フィルム状媒体を必要に応じて固定又は解放するクランプ工程と、前記送り出し工程で送り出された前記フィルム状媒体を、前記圧着部において電気光学パネル上に圧着する圧着工程と、前記圧着部へ電気光学パネルを供給すると共に、圧着後の電気光学パネルを前記圧着部から取り出す供給工程と、前記圧着後のフィルム状媒体の一層を、巻き取りリール部に巻き取る巻取り工程と、前記フィルム状媒体を介して、前記電気光学パネルに電子部品を実装して電気光学装置を製作する実装工程と、を有する。
【0034】
上記の電気光学装置の製造装置又は製造方法によれば、所望の長さのフィルム状媒体を圧着部へ送り出し、電気光学パネルの大きさや態様に応じて、一定の長さのフィルム状媒体を貼り付けることができる。また、圧着部への送り出し時には、張力調整工程によりフィルム状媒体のテンションが一定に保持されているので、送り出し工程は確実に一定の長さのフィルム状媒体を圧着部へ送り出すことができる。よって、圧着部では、フィルム状媒体を電気光学パネル上に安定的に貼り付けることができ、電気光学パネル上に電子部品を精度よく貼り付けることができる。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施の形態について説明する。
【0036】
本実施形態に係る異方性導電膜(以下、「ACF」と呼ぶ。)の貼付装置は、圧着部に対するACFの送り出し及び圧着後のACFの剥離を可能とする送り機構を設けて、液晶基板上などのワーク上に一定の長さのACFを安定的に貼り付けることを特徴としている。
【0037】
[ACF貼付装置]
先ず、本実施形態にかかるACF貼付装置について、図1を参照して説明する。図1(a)には、ACF貼付装置100の側面図が示され、図1(b)には、ACF貼付装置100の部分平面図が示される。また、図1(c)には、ACF貼付装置100の構成の一部をなす供給機構25の部分平面図が示される。尚、図1(a)では供給機構25の側面図が示されていないが、図1(a)には、その供給機構25が設けられているものとして説明する。
【0038】
ACF貼付装置100は、図1(a)及び(b)に示すように、一定の長さのACF13を圧着部9側へ送り出すための送り機構11と、必要に応じてACF13を固定又は解放するためのクランプ部8、12と、ACF13のテンションを一定に保持するための張力調整部3、7と、ACF13が巻回されている送り出しリール部1と、ACF13をワーク21上に貼り付けるための圧着部9と、貼り付け後のACFを巻き取るための巻取りリール部2と、ACF13の送り出しなどを円滑にする支持体となるローラ部4、5、6と、圧着部9との間でACF貼り付け前のワーク21及びACF13貼り付け後のワーク23の授受を行う供給機構25と、から構成される。
【0039】
送り機構11は、必要なときにACF13を固定又は解放するクランプ部11aと、複数のローラ部11bとを備え、上下方向、及び圧着部9側の所定位置D1と基準位置D3との間を水平方向に、図示しない駆動装置により移動可能に支持される。ここで、駆動装置としては、例えば位置決め精度の向上を図るため、モータ及びボールねじからなる駆動機構などが好適である。
【0040】
また、送り機構11は、2層構造からなるACF13を各層に剥離する機能を有する。この送り機構11による剥離方法は、以下に示す方法により行われる。先ず、送り機構11は、図1(a)に示すように、基準位置D3となる位置で待機している。その後、圧着部9によりワーク21上へのACF13の貼り付けが行われた後、その送り機構11が、その基準位置D3から圧着部9側の所定位置D1まで移動することにより、2層構造のACF13を各層に剥離する。
【0041】
また、送り機構11は、供給機構25が圧着部9側へワーク21を供給するとき、又はワーク23の取り出しを行うときには、それらの授受を円滑に行うようにするため、クランプ部8と同期して上方へ退避する。一方、送り機構11は、圧着部9がACF13をワーク21上に圧着するときには、そのワーク21上の所定の位置にACF13を精度良く貼り付けるため、ワーク21上に積載されたACF13の上端面付近までクランプ部8と同期して下降する。
【0042】
クランプ部11aは、送り機構11内に設けられ、必要に応じてACF13を固定し、又は解放する。クランプ部11aは、送り機構11が圧着部9へACF13の送り出しを行うときには、そのACF13を固定する。具体的には、位置D1(破線部分)にある送り機構11は、クランプ部11aを作動させてACF13を固定する。この状態から、送り機構11が待機位置D3まで移動することにより、圧着部9へ一定長さのACF13の送り出しを行うことができる。
【0043】
一方、クランプ部11aは、送り機構11がワーク21上に貼り付いたACF13の剥離を行うときには、そのACF13を解放する。具体的には、上記送り機構11による圧着部9へのACF13の送り出し後、基準位置D3にある送り機構11は、クランプ11aを作動させてACF13を解放する。この状態から、送り機構11が圧着部9側の所定位置D1まで移動することにより、ワーク21上に部分的に貼り付いているACF13を剥離することができる。
【0044】
ローラ部11bは、送り機構11内に複数設けられ、ACF13の送り出しを円滑にするための回転部材である。それらのローラ部11bは、回転自在に支持されており、ACF13の移動に伴い一定方向に回転できるようになっている。このため、それらのローラ部11bがACF13の移動時などにおいて回転することにより、ACF13との間に生じる摩擦を少なくしてACF13の送り出しを円滑に行うようにしている。
【0045】
クランプ部8、12は、必要に応じてACF13を固定し、又は解放する。
【0046】
クランプ部8は、図1に示すように、ローラ部4と圧着部9との間に設けられる。このクランプ部8の構造について、図2を参照して説明する。図2(a)には、クランプ部8の正面図が示され、図2(b)には、図2(a)のA−A´に沿った切断面図が示される。クランプ部8は、図2(a)及び(b)に示すように、複数の吸着孔8bと、吸着部8aと、ガイド部8cとから構成される。
【0047】
吸着孔8bは、図2(a)及び(b)に示すように、ガイド部8内に複数配され、ガイド部8の上端面8caからACF13の吸着面8cbにかけて円柱状の貫通孔として形成されている。本例では、ガイド部8c内に10個の吸着孔8bを設けた場合を一例として示しているが、これに限られるものではない。即ち、吸着孔8bの設定数は、ACF13の吸着を確実に行えるように、ACF13の大きさなどに応じて適宜決定されるものである。
【0048】
吸着部8aは、図2(a)及び(b)に示すように、ガイド部8cの上端面8ca上に設けられ、作動すると真空圧力を発生し、複数の吸着孔8bを通じてACF13を吸着して固定する(矢印s10)。一方、吸着部8aは、作動停止すると吸着していたACF13を解放する。尚、吸着部8aとしては、例えば、真空ポンプなどが好適である。
【0049】
ガイド部8cは、図2(b)に示すように、ACF13が移動出来るように、下方が凹状となるように形成される。ACF13は、図2(a)及び(b)に示すように、このガイド部8cの凹部(符号G1)を通じて送り出しなどが行われる。このため、ガイド部8cは、ACF13の送り出し時などに、凹状に形成された構造(符号G1)により、ACF13の送り出し方向(矢印s70)と直交する方向の位置ずれを防止することができる。
【0050】
次に、クランプ部8の作用について説明する。
【0051】
クランプ部8は、図1(a)に示すように、上下方向のみの移動が可能となるように支持される。供給機構25が圧着部9側へワーク21を供給するときには、圧着部9側がワーク21の受け入れを容易とするため、クランプ部8は、ACF13を吸着しつつ送り機構11と同期して上方へ退避する。一方、圧着部9がワーク21上にACF13を貼り付けるときには、ACF13をワーク21上の所定位置に精度良く貼り付けるのを可能とするべく、クランプ部8は、ACF13を吸着しつつワーク21の上端面近傍まで下降する。
【0052】
クランプ部12は、送り機構11とローラ部5との間に設けられ、送り機構11が圧着部9側へ移動するときにはACF13を挟持して固定し、送り機構11が巻取りリール部2側へ移動するときには、固定していたACF13を解放する。
即ち、クランプ部12は、送り機構11内に設けられるクランプ部11aの動作とは逆の動作を常に行う。
【0053】
具体的には、送り機構11内に設けられるクランプ部11aがACF13を固定すると、クランプ部12は、固定していたACF13を解放する。一方、クランプ部11aが固定していたACF13を解放すると、クランプ部12は、解放していたACF13を固定する。このように、クランプ部12は、常にクランプ部11aとは逆の作動状態となる。
【0054】
つまり、送り機構11が圧着部9側へ移動するときには、送り機構11内のクランプ部11aはACF13を解放し、且つクランプ部12はACF13を固定するようにしているので、後述する張力調整部3によりACF13のテンションが一定に保持されると共に、熱圧着後のACF13が圧着部9側へ引き戻されることを防止することができる。
【0055】
一方、送り機構11が巻取りリール部2側へ移動するときには、そのクランプ部11aはACF13を固定し、且つクランプ部12はACF13を解放するようにしているので、後述する張力調整部7によりACF13のテンションが一定に保持されると共に、圧着部9側へ所望する長さのACF13の送り出しを行うことができる。
【0056】
尚、上述のACF貼付装置100において、クランプ部8とクランプ部12の構成態様を変えている理由は、以下の通りである。つまり、圧着される前のACF13の下端面は粘着状態にある。そのため、クランプ部8の位置にクランプ部12を設けた場合には、以下のような不都合が生じる。即ち、クランプ部12がACF13を固定すると、そのACF13の粘着作用によってクランプ部12がACF13に貼り付いてしまい、そのACF13を必要に応じて解放することができなくなってしまうからである。このため、本例では、クランプ部12をクランプ部8の位置に使用することなく、粘着性のないACF13の上端面を必要に応じて吸着し固定することのできるクランプ部8を使用している。
【0057】
張力調整部3、7は、ACF13の送り出し時などにおいて、ACF13のテンションを一定に保持する役割を果たすものである。
【0058】
張力調整部3は、回動自在に支持されたアーム部3aと、アーム部3aの一端に設けられ、ACF13の送り出しを円滑にするローラ部3bと、アーム部を回動自在に駆動する図示しない駆動部とから構成される。アーム部3aは、図1(a)に示すように、ACF13のテンションを一定に保つために、基準位置R1からR2までの角度θの範囲で、図示しない駆動部により回動することが可能である。ローラ部3bは、上述した送り機構11内に設けられたローラ部11bと同様の機能を果すものである。よって、送り出しリール部1と圧着部9との間にそのローラ部3bを介在させることにより、それらの間のACF13の送り出しを円滑に行うことができる。
【0059】
次に、張力調整部3の作用について述べる。送り機構11が圧着部9側の所定位置D1から基準位置D3に移動すると、張力調整部3のアーム3aは、それに連動して基準位置R1からR2まで回動する(角度θ)。これにより、張力調整部3は常にACF13のテンションを一定に保つことができる。
【0060】
一方、供給機構25によるワーク21の圧着部9への供給が行われる直前、つまり送り機構11が基準位置D3まで戻り、且つクランプ部8によるACF13の吸着が行われると、位置R2にある張力調整部3は、アーム3a駆動して基準位置R1まで移動させる。これにより、張力調整部3は、ACF13が巻回された送り出しリール部1を回転させ、圧着部9において圧着に使用された一定長さのACF13を引き出す。この引き出されたACF13は、その後、送り機構11が圧着部9側への送り出し用のACF13として使用するものである。
【0061】
張力調整部7は、貼り付け後のACF13の巻取りなどを円滑にするローラ部から構成され、上下方向の移動が自在となるように支持される。張力調整部7は、送り機構11によるACF13の送り出しが行われる際に生じるACF13のたるみを消滅させて、ACF13のテンションを常に一定に保持する機能を果たす。
【0062】
具体的には、送り機構11が圧着部9側へACF13の送り出しを行うと、圧着部9よりクランプ部12側にあるACF13のたるみが生じるが、このとき張力調整部7がある基準位置から下方に移動することにより、そのACF13のたるみを消滅させる。このときの張力調整部7の移動距離は、ACF13のたるみ分に応じた長さとなる。よって、張力調整部7は、常にACF13のテンションを一定に保持することができる。
【0063】
また、クランプ部12がACF13を固定すると、巻取りリール部2が作動して、ACF13の巻取りを行う。これに連動して、基準位置よりも下方の位置にあった張力調整部7は、上昇させられ基準位置まで再び戻される。
【0064】
送り出しリール部1は、張力調整部3の上方の位置に設けられ、一定長のACF13を巻回している。送り出しリール部1には、特に駆動機構は設けられておらず、上述した張力調整部3がACF13を引き出すときだけ、送り出しリール部1は、その張力調整部3からの引張力を受けて回転する(矢印s1)。これにより、送り出しリール部1は、一定長さのACF13を圧着部9側へ送り出すことを可能としている。
【0065】
巻取りリール部2は、貼り付け後のACF13の巻き取りを行う役割を果たすものである。そのため、巻取りリール部2は、巻取り時には、矢印s2の方向に回転して貼り付け後のACF13の巻取り(回収)を行う。
【0066】
圧着部9は、ワーク21上のACF13に対して加圧及び加熱をして、ワーク21上にACF13を貼り付ける圧着ヘッド部9aと、ワーク21を積載するための受け台部9bとから構成される。圧着ヘッド部9aは、上下移動が自在となるように支持され、送り機構11が圧着部9側の所定位置D1へ移動するときには上方へ退避すると共に、ACF13の圧着時には受け台部9bの上端面近傍の水平位置まで下降してACF13の貼り付けを可能とする。
【0067】
ローラ部4、5、6は、上述したローラ部3bなどと同様の機能を果たすものである。本例では、ACF貼付装置100に3個のローラ部4、5、6を設けた場合を例示しているが、これに限らず、その数を適宜増減することが可能である。これらにより、ACF13の送り出しなどを円滑に行うことができる。
【0068】
供給機構25は、図1(b)に示すように、搬送手段22を通じて搬送されてきたワーク21を圧着部9側へ供給すると共に、ACF圧着後のワーク23を圧着部9から取り出し、それを別の搬送手段24に送り出す機能を果たすものである。供給機構25は、図1(b)に示すように、ワーク21の搬送を行う搬送手段22と、ワーク21及びワーク23の授受を圧着部9、搬送手段22、及び搬送手段24との間で行う搬送手段20と、圧着後のワーク23を所定の場所に搬送する搬送手段24と、から構成される。
【0069】
搬送手段22は、例えば、モータにより駆動されるベルト式のコンベアなどであり、搬送手段20の動作に同期させてワーク21を搬送手段20側へ順次送り出す(矢印s4)。搬送手段20は、搬送手段22及び24と圧着部9との間でワーク21及びACF圧着後のワーク23の授受を行うことができるように移動可能に支持されている(矢印s5及び矢印s6)。搬送手段20としては、例えば、水平方向における移動が可能なステージなどの駆動機構が好適である。また、搬送手段20には、ワーク21及びワーク23を吸着するための機構が設けられている。搬送手段24は、先に述べた搬送手段22と基本的に同様の機能を果たすと共に、圧着後のワーク23を所定の場所に搬送する(矢印s7)。
【0070】
次に、供給機構25の動作について簡単に述べる。先ず、搬送手段20は、搬送手段22により送られてきたワーク21を所定の位置で吸着すると、そのワーク21を圧着部9側へ搬送し(矢印s5)、受け台部9b上に載置する。その後、搬送手段20が圧着部9から退避し(矢印s5)、圧着部9によるワーク21上へのACF13の貼り付けが行われる。その後、圧着部9は上方へ退避すると共に、搬送手段20は再び圧着部9側へ移動して(矢印s5)、ACF圧着後のワーク23を吸着し、搬送手段24側へそのワーク23を搬送する(矢印s5及び矢印s6)。その後、搬送手段24は、そのワーク23を所定の場所に搬送する。これにより、供給機構25は、圧着部9の動作と同期しながらワーク21及びワーク23の授受を円滑に行うようにしている。
【0071】
[ACF貼り付け方法]
次に、上述したACF貼付装置100によるACF13の貼り付け方法などについて図2乃至図6を参照して詳述する。以下、ACF13の送り出し、ワーク21の圧着部9への供給、ワーク21上へのACFの貼り付け、及び圧着後のACF13の剥離までの一連の手順を中心に説明する。
【0072】
先ず、図3(a)を参照し、ACF13の送り出し時のACF貼付装置100の各構成要素の状態について説明する。
【0073】
図3(a)には、送り機構11によるACF13の送り出しの方法が一例として示される。このときACF貼付装置100の各構成要素は、以下に示すような状態となっている。送り出しリール部1は、ACF13の供給を停止している状態である。張力調整部3は、アーム3aが位置R1から角度θ1だけ移動している状態である。ローラ部4は、圧着部9側へのACF13の送り出しを円滑にするために回転している状態である。クランプ部8は、作動停止、つまりACF13の吸着動作などを停止している状態である。圧着ヘッド部9aは、位置D100で退避している状態である。送り機構11は、位置D1から位置D3に向かって移動中であり、図3(a)ではD2の位置まで移動した状態が示されてる。
【0074】
このとき、送り機構11内のクランプ部11aは、ACF13を固定している状態である。また、送り機構11内のローラ部11bは、前記クランプ部11aによるACF13の固定によって回転が停止している状態である。クランプ部12は、ACF13を解放している状態である。ローラ部5、6は、ACF13の送り出しに伴って回転している状態である。張力調整部7は、基準位置D10から所定位置D11まで下降している状態である。巻取りリール部2は、ACF13の巻取りを停止している状態である。
【0075】
また、張力調整部3と送り機構11との間に介在するACF13は、圧着部9側へ送り出されている状態である(矢印s3)。さらに、送り機構11と張力調整部7との間に介在するACF13は、張力調整部7により一定方向に引っ張られている状態である(矢印s4)。
【0076】
次に、上記状態にあるACF貼付装置100によるACF13の送り出しの方法について述べる。
【0077】
かかる状態において、当初、位置D1にあった送り機構11が(破線部分)、位置D2まで移動すると(実線部分)、それに連動して張力調整部3は、位置R1から角度θ1だけ回転する。これにより、張力調整部3は、ACF13のテンションを一定に保持すると共に、送り機構11は、圧着部9側へ一定長さのACF13の送り出しを行う。したがって、送り機構11は、毎回一定長さのACF13を、圧着部9側に対して送り出すことができる。
【0078】
また、このとき、張力調整部3が移動した分に対応する長さのACF13は圧着部9側へ送り出されるため(矢印s3)、それにより破線領域s20においてACF13のたるみが生じる。
【0079】
しかし、クランプ部12はACF13を解放しているため、張力調整部7が位置D10から位置D11へと下降することにより、そのACF13のたるみ(破線領域s20)は、矢印s4側へ引っ張られて徐々に消滅することになる。
【0080】
よって、本例のACF貼付装置100では、張力調整部3及び7によりACF13のテンションを一定に保持しつつ、送り機構11は圧着部9に対して一定長さのACF13の送り出しを行うことができる。
【0081】
次に、図3(b)を参照し、上記ACF13の送り出し時に生じるACF13のたるみを消滅させる方法について述べる。尚、図3(b)は、時間の経過に伴い、ACF貼付装置100の各構成要素が、図3(a)の状態から変化した様子を示している。
【0082】
図3(b)には、上記図3(a)で生じたACF13のたるみ(破線領域s20)が完全に消滅している状態が示される。
【0083】
即ち、図3(a)の状態から送り機構11がさらに移動してD3の位置で停止すると、それに連動して張力調整部7はACF13を引っ張りつつ(矢印s4)、さらにD12の位置まで下降する。そして、張力調整部7が、位置D12の位置まで下降してくると、クランプ部12が作動しACF13を挟持して固定する。これにより、張力調整部7は一定の位置D12で停止すると共に、破線領域s20内のACF13のたるみを完全に消滅させる。
【0084】
また、このとき、張力調整部3は、送り機構11の移動動作に連動して、R1の位置から角度θまで回転してR2の位置で停止する。このとき、クランプ部12はACF13を固定しているため、送り出しリール部1からクランプ部12までのACF13のテンションを一定に保持することができる。
【0085】
尚、ACF貼付装置100の他の主要な構成要素は、以下の状態となっている。送り出しリール部1は、図3(a)の状態と同様である。よって、送り出しリール部1から圧着部9側に対するACF13の供給は行われていない。クランプ部8は、図3(a)の状態と同様に作動停止状態である。よって、ACF13の吸着は行われていない。圧着ヘッド部9aは、図3(a)の状態と同様に位置D100で停止継続中である。巻取りリール部2は、図3(a)の状態と同様に回転停止状態である。よって、巻取りリール部2による不要なACF13の巻取りは行われていない。
【0086】
次に、図4(a)を参照し、圧着後のACF13を巻取るための方法について述べる。尚、図4(a)は、時間の経過に伴い、ACF貼付装置100の各構成要素が、図3(b)の状態から変化した様子を示している。
【0087】
図4(a)には、圧着後のACF13が巻き取られている様子が示される。即ち、上記図3(b)に示すように張力調整部7がD12の位置で停止すると、その後図4(a)に示すように巻取りリール部2が作動し、ACF13の巻取りを開始する(矢印s2及び矢印s4)。本例では、巻取りリール部2の回転により、張力調整部7が位置12から位置D13まで上昇させられている様子が一例として示されている。この張力調整部7は、最終的に位置D13から位置D10まで上昇させられる。これにより、図3(a)において生じたACF13のたるみ分の長さに対応する圧着後のACF13を適切に巻き取ることができる。
【0088】
尚、ACF貼付装置100の他の主要な構成要素は、上記図3(b)に示す状態と同様であるため説明は省略する。
【0089】
次に、図4(b)を参照し、圧着部9側へのワーク21の供給方法について述べる。尚、図4(b)は、時間の経過に伴い、ACF貼付装置100の各構成要素が、図4(a)の状態から変化した様子を示している。また、図4(b)においては、供給機構25が特に示されていないが、それが存在するものとして説明する。
【0090】
図4(b)には、圧着部9側へワーク21を供給するための様子が一例として示される。先ず、上記図4(a)の状態から張力調整部7がD10の位置まで上昇すると、巻取りリール部2は圧着後のACF13の巻取りを終了する。
【0091】
また、クランプ部8は、作動してACF13を吸着し固定する。そして、張力調整部3は、クランプ部8によりACF13が固定されたことを確認すると、位置R2から基準位置R1まで回転(回転角度θ)して停止する。これにより、張力調整部3は、送り出しリール部1を回転させ(矢印s1)、一定長さのACF13を引き出すことができる。そのため、次回の送り出し時に必要な長さのACF13を予め準備しておくことができる。
【0092】
その後、送り出しリール部1の回転が停止すると、送り機構11内のクランプ部11aはACF13を固定すると共に、クランプ部12はACF13を解放する。その後、供給機構25が圧着部9側へワーク21を供給するときに、クランプ部8及び送り機構11が共に上昇する。このとき、クランプ部8は基準位置SP0から所定位置SP1まで上昇し、一方、送り機構11は基準位置SP10から所定位置SP11まで上昇する。勿論、このとき、ACF13もクランプ部8及び送り機構11と共に上昇させられる。これにより、ACF13と受け台部9bとの間のスペースを広げ、ワーク21の受け入れを容易とすることができる。
【0093】
尚、ACF貼付装置100の他の主要な構成要素である圧着ヘッド部9aは、上記図4(a)に示す状態と同様であるため説明は省略する。
【0094】
次に、図5(a)を参照し、圧着部9へ供給されたワーク21上にACF13を貼り付ける方法について述べる。尚、図5(a)は、時間の経過に伴い、ACF貼付装置100の各構成要素が、図4(b)の状態から変化した様子を示している。
【0095】
図5(a)には、圧着部9へ供給されたワーク21上にACF13を貼り付けている(圧着)様子が一例として示される。先ず、上記図4(b)に示す状態からクランプ部8及び送り機構11がACF13と共に下降する。具体的には、クランプ部8は位置SP1から位置SP2まで下降し、一方、送り機構11は位置SP11から位置SP12まで下降する。
【0096】
ここで、位置SP2は、図4(b)に示す位置SP0より下方の位置にあると共に、位置SP12は、図4(b)に示す位置SP10より下方の位置にある。また、位置SP2から受け台部9bの上端面までの高さと、位置SP12から受け台部9bの上端面までの高さは共に同じである。これにより、圧着ヘッド部9aと受け台部9bとの間にあるACF13を、受け台部10上に積載されたワーク21の上端面と平行を保ちつつ、その近傍まで接近させることができる。
【0097】
次に、クランプ部8及び送り機構11が共に上記した位置SP2及び位置SP12で夫々停止すると、圧着ヘッド部9aが位置D100から位置D102まで下降して、ACF13を加熱及び加圧してワーク21上に貼り付ける。これにより、ワーク21上の所定の位置に安定的にACF13を貼り付けることができる。
【0098】
尚、ACF貼付装置100の他の主要な構成要素は、上記図4(b)に示す状態と略同様であるため説明は省略する。
【0099】
次に、図5(b)を参照し、送り機構11による圧着後のACF13の剥離方法について述べる。尚、図5(b)は、時間の経過に伴い、ACF貼付装置100の各構成要素が、図5(a)の状態から変化した様子を示している。
【0100】
図5(b)には、送り機構11が圧着後のACF13を剥離している様子が一例として示される。先ず、図5(a)に示すように、ワーク21上へのACF13の貼り付けが終了すると、圧着ヘッド部9aは位置D102から位置D100まで上昇する。この理由は、ACF13の剥離時には、送り機構11が圧着ヘッド部9aの真下の位置まで移動してくるため、その送り機構11との衝突を回避するために、圧着ヘッド部9aが上方へ退避するものである。
【0101】
次に、クランプ部8及び送り機構11は、上記図5(a)の状態からACF13の剥離を促進するため共に上昇する。具体的には、クランプ部8は、位置SP2から位置SP3まで上昇すると共に、送り機構11は、位置SP12から位置SP13まで上昇する。ここで、位置SP3及び位置SP13とは、受け台部9bの上端面からの高さが共に同じである。また、位置SP3及び位置SP13の高さは、ACF13の剥離を促進させる位置となる。これにより、圧着部9付近のACF13は上方へ引っ張られる状態となり、ACF13の剥離が促進される。
【0102】
また、このとき、送り機構11は、基準位置D3から圧着部9側の所定位置D1に向かって移動する。これにより、圧着後のACF13を剥離する。本例では、送り機構11が、基準位置D3から位置D4のところまで移動している状態が一例として示される。よって、図5(b)には、その送り機構11の移動に伴って、圧着後のACF13が剥離されていく様子が示される(矢印s80)。かかるACF13を剥離方法については、図6を参照し、後述においてさらに説明することとする。
【0103】
尚、ACF貼付装置100の他の主要な構成要素は、以下に示す状態となっている。送り機構11内のクランプ部11aは、ACF13を固定している状態からACF13を解放する。また、クランプ部12は、ACF13を解放している状態からACF13を固定する。このため、送り機構11が圧着部9側へ移動したとしても、クランプ部12によりACF13が固定されているため、ACF13が圧着部9側へ引き戻されるのを防止することができる。また、ACF貼付装置100のその他の主要な構成要素は、上記図5(a)に示す状態と同様であるため説明は省略する。
【0104】
次に、図6を参照し、ACF13を完全に剥離するまでの状態について説明する。先ず、図6(a)には、2層構造からなるACF13の部分側面図が示される。ACF13は、図6(a)に示すように、ワーク21上に圧着されるACF13a(異方性導電膜)と、そのACF13aのベースフィルムとなるACF13b(セパレータ)とから構成される。ここで、ACF13aは、直径数μmの金属粒子等が厚さ数十μmの接着剤層中に分散配置されたフィルム状の構造になっている。
【0105】
そのため、圧着ヘッド部9aがワーク21上の所定位置にACF13を圧着すると、当該部分のACF13はワーク21上に貼り付けられる。このとき、当該部分のACF13bは、ACF13aの粘着作用によってACF13a上に貼り付いている。このACF13bは、圧着後には不要なものとなるため、そのACF13bを適切に剥離する必要がある。そこで、送り機構11を圧着部9側へ移動させることにより、当該部分のACF13bを適切に剥離する。
【0106】
このACF13bを剥離する方法について、図6(a)及び(b)を参照し、説明する。
【0107】
図6(b)では、送り機構11が基準位置D3から位置D4のところまで移動しながら、圧着後のACF13をACF13aと、ACF13bとに分離していく様子が示されている。この状態から、送り機構11が圧着部9側に向かってさらに移動してゆくと(矢印s80)、破線H13a、H13bに示すように、ACF13aがACF13bから徐々に剥離されてゆく。
【0108】
その後、送り機構11は、図6(c)に示すように、位置D4から位置D1まで移動して停止すると、ACF13bは、図6(a)及び(b)に示す受け台部9bの上端面からの所定高さのSP100の位置まで引き剥がされ、ACF13aとACF13bとが完全に剥離される。よって、本例に係るACF貼付装置100は、ワーク21上の所定の位置にACF13aのみを安定的に貼り付けることができる。
【0109】
以上、その後は、ACF貼付装置100は、図3乃至図5に示すように、圧着後のACF13bの巻取り、ACF13の送り出し、ACF13の貼り付け、及びACF13の剥離などの作業を繰り返す。これにより、ACF貼付装置100は、一定長さのACF13aを安定的にワーク21上に貼り付けることができる。
[変形例]
尚、本発明、パッシブマトリクス型の液晶表示装置だけではなく、アクティブマトリクス型の液晶表示装置(例えば、TFT(薄膜トランジスタ)やTFD(薄膜ダイオード)をスイッチング素子として備えた液晶表示装置)にも同様に適用することが可能である。また、液晶表示装置だけでなく、エレクトロルミネッセンス装置、有機エレクトロルミネッセンス装置、プラズマディスプレイ装置、電気泳動ディスプレイ装置、フィールド・エミッション・ディスプレイ(電界放出表示装置)などの各種の電気光学装置においても本発明を同様に適用することが可能である。
【0110】
以上説明したように、本発明の異方性導電膜の貼付装置によれば、張力調整部により異方性導電膜のテンションが一定に保持されているので、一定長さの異方性導電膜を圧着部へ送り出すことができる。よって、ワーク上に精度良く且つ安定的に異方性導電膜を貼り付けることができる。また、送り機構は、必要に応じて異方性導電膜を固定し又は解放するクランプ部を設けているので、送り機構が圧着部側へ移動することにより不要となった異方性導電膜(セパレータ)を適切に剥離することができる。さらに、クランプ部及び送り機構は上下に移動が可能であるため、必要に応じて上下に移動することにより、供給機構と圧着部との間においてワークの授受を円滑に行うことができる。
【0111】
なお、以上の実施形態では、ワーク上に貼り付けるフィルム状媒体の例としてACFを挙げたが、例えばNCF(Non−Conductive Film)などの他の各種フィルム状媒体を貼り付ける装置にも本発明を適用することが可能である。また、ワークの例として液晶パネルを挙げているが、それ以外の例えばエレクトロルミネッセンス装置、有機エレクトロルミネッセンス装置、プラズマディスプレイ装置、電気泳動ディスプレイ装置、フィールド・エミッション・ディスプレイ(電界放出表示装置)などの各種の電気光学パネルをワークとする場合においても本発明を同様に適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るACF貼付装置の構造を示す。
【図2】ACF貼付装置のクランプ部の一態様の構造を示す。
【図3】ACF貼付装置によるACFの送り出し方法などを示す。
【図4】ACF貼付装置による不要なACFの巻取り方法を示す。
【図5】ACF貼付装置によるACFの圧着及び剥離方法を示す。
【図6】ACF貼付装置による剥離方法などを示す。
【符号の説明】
1 送り出しリール部、 2 巻取りリール部、 3、7 張力調整部、 4、5、6 ローラ部、 8、12、11a クランプ部、 9 圧着部、 11送り機構、 25 供給機構、 100 ACF貼付装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶製造装置などの電気光学装置の製造に関し、特に異方性導電膜を液晶回路基板上などに貼り付ける装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、液晶表示装置、EL(Electro Luminescence)装置等といった電気光学装置は、液晶およびEL等といった電気光学物質を基板間に配置してパネル構造を形成し、さらに、適宜の電子回路を搭載した回路基板を、上記パネル構造に接続することによって形成される。また、上記回路基板上には、電子部品、例えば、電解コンデンサ等といったチップ部品やICチップ等が実装されることが多い。
【0003】
回路基板上に電子部品、例えばICチップを実装する方式として、COF(Chip on Film)に基づく実装方式がある。上記COFに基づく実装方式は、基本的には、ICチップの実装領域に熱圧着処理を施すものである。すなわち、上記COFによる実装方式は、一般的に、ICチップをACF(Anisotropic Conductive Film:異方性導電膜)等といった接着要素を用いて熱圧着、すなわち加圧および加熱によって基板上に実装する。異方性導電膜を介して配置された実装基板とICチップの接続部分を加熱されたヘッドで加圧し、接着層を硬化させて、実装基板とICチップを電気的に接続する。一般に、ACFは、直径数μmの金属粒子や金属被膜プラスチック粒子等が厚さ数十μmの接着剤層中に分散配置されたフィルム状の構造になっている。そして、導電性粒子の直径程度まで熱圧着することで、粒子を塑性変化させて、基板とICチップを電気的に接続させている。
【0004】
このようなACFを基板に貼り付ける装置として、基板にACFを載置したものを密閉容器内にセットし、この状態で容器内の圧力差を発生させてACFを基板に押圧し、その後それを加熱して、ACFを基板に貼り付ける装置が知られている(例えば、特許文献1)。
【0005】
また、供給リールから送り出されたACFを、送り出し制御ローラにより必要長さだけ貼り付け速度に同期して送り出し、ベース上に搭載された液晶基板上のACFを熱圧着ローラにより押圧及び加熱しながら熱圧着する異方性導電膜の貼付装置が知られている(例えば、特許文献2)。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−195865号公報
【特許文献2】
特開平6−6019号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述した異方性導電膜の貼付装置では、一対の送り出し制御ローラにより必要な長さだけ異方性導電膜を熱圧着ローラ側へ送り出して液晶基板上に貼り付けるようにしているが、異方性導電膜の送り出し時に発生する送り出し制御ローラと異方性導電膜との間に発生する滑りにより、必要な長さの異方性導電膜を正確に液晶基板上に貼り付けることができないという問題点がある。
【0008】
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、一定長さのフィルム状媒体を液晶基板上などに安定して貼り付けることが可能な異方性導電膜などのフィルム状媒体の貼付装置を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の1つの観点では、フィルム状媒体の貼付装置は、少なくとも2層構造を含むフィルム状媒体が巻回された送り出しリール部と、前記フィルム状媒体をワーク上に圧着する圧着部と、前記送り出しリール部から所定の長さの前記フィルム状媒体を圧着部へ送り出す送り機構と、前記送り機構による前記フィルム状媒体の送り出し時に一定のテンションを保持する張力調整部と、前記フィルム状媒体を必要に応じて固定又は解放するクランプ部と、前記圧着部へワークを供給すると共に、圧着後のワークを前記圧着部から取り出す供給機構と、前記圧着後のフィルム状媒体の一層を巻き取る巻取りリール部と、を備える。
【0010】
上記のフィルム状媒体の貼付装置によれば、送り機構が圧着部へ移動することにより、所望する長さのフィルム状媒体を圧着部へ送り出すことができる。よって、ワークの大きさや態様に応じて、一定の長さのフィルム状媒体をワーク上に貼り付けることができる。
【0011】
また、圧着部への送り出し時には、張力調整部によりフィルム状媒体のテンションが一定に保持されているので、送り機構は確実に一定の長さのフィルム状媒体を圧着部へ送り出すことができる。よって、フィルム状媒体をワーク上に精度良く安定的に貼り付けることができる。
【0012】
上記のフィルム状媒体の貼付装置の一態様では、前記送り機構は、前記フィルム状媒体を必要に応じて固定又は解放するクランプ機構と、駆動機構とを備え、前記駆動機構により上下方向及び前記送り出しリール部側と前記巻取りリール部側との間を移動自在に支持される。
【0013】
この態様によれば、送り機構はクランプ機構を備えているので、必要に応じてフィルム状媒体を固定し、又は解放することができる。また、送り機構は駆動部を備えているので、上下方向又は圧着部側と巻取りリール部側との間を移動することができる。
【0014】
上記のフィルム状媒体の貼付装置の他の一態様では、前記クランプ機構は、第1のクランプ機構と、第2のクランプ機構とを備え、前記送り機構が前記巻き取りリール部側へ移動するときには、前記第1のクランプ機構が前記フィルム状媒体を解放するとともに前記第2のクランプ機構が前記フィルム状媒体を固定し、前記送り機構が前記送り出しリール部側へ移動するときには、前記第1のクランプ機構が前記フィルム状媒体を固定するとともに前記第2のクランプ機構が前記フィルム状媒体を解放する。
【0015】
この態様によれば、第1のクランプ機構がフィルム状媒体を解放し、且つ第2のクランプ機構がフィルム状媒体を固定した状態で、送り機構が送り出しリール部側へ移動することができる。これにより、送り機構は、フィルム状媒体のテンションを一定に保持しつつ、送り出しリール部側へ移動することができる。加えて、第2のクランプ部は、フィルム状媒体を固定しているので、送り機構が送り出しリール部側にある圧着部側へ移動するときに、圧着後のフィルム状媒体を圧着部側へ引き戻すのを防止することができる。
【0016】
また、第1のクランプ機構がフィルム状媒体を固定し、且つ第2のクランプ機構がフィルム状媒体を解放した状態で、送り機構が巻取りリール部側へ移動することができる。これにより、送り機構は、フィルム状媒体のテンションを一定に保持しつつ、一定長さのフィルム状媒体を圧着部へ送り出すことができる。
【0017】
上記のフィルム状媒体の貼付装置の他の一態様では、前記送り機構は、前記巻取りリール部側へ移動するときには、所定の長さの前記フィルム状媒体を前記圧着部へ送り出すと共に、前記送り機構が前記送り出しリール部側へ移動するときには、前記圧着後の前記フィルム状媒体の一層を剥離する。
【0018】
この態様によれば、送り機構は、巻取りリール部側へ移動するときには、所定の長さのフィルム状媒体を圧着部へ送り出すことができる。また、送り機構が送り出しリール部側にある圧着部側へ移動するときには、第1のクランプ機構がフィルム状媒体を解放し、且つ第2のクランプ機構がフィルム状媒体を固定した状態となっているため、圧着後のフィルム状媒体の一層を適切に剥離することができる。ここで、圧着後のフィルム状媒体の一層とは、フィルム状媒体層を貼り付けているセパレータである。
【0019】
上記のフィルム状媒体の貼付装置の他の一態様では、前記張力調整部は、回動自在に支持される第1の張力調整部と、上下方向に移動可能に支持される第2の張力調整部とを備え、前記送り機構が前記巻取りリール部側へ移動するときには、前記第1の張力調整部が所定の方向に移動して前記フィルム状媒体のテンションを一定に保持すると共に、前記第2の張力調整部が基準位置から所定の位置まで下降することにより前記送り機構が前記圧着部へ前記フィルム状媒体を送り出すときに生じる前記フィルム状媒体のたるみを消滅させて前記フィルム状媒体のテンションを一定に保持する。
【0020】
この態様によれば、送り機構が巻取りリール部側へ移動するときには、第1の張力調整部は所定の方向に回転してフィルム状媒体のテンションを常に一定に保持することができる。よって、送り機構は、圧着部に対して適切な長さのフィルム状媒体の送り出しを行うことができる。
【0021】
また、送り機構が移動して圧着部へ送り出しを行う際には巻取りリール部側の所定位置にフィルム状媒体のたるみが生じるが、このたるみは第2の張力調整部が基準位置から所定の位置まで下降することにより消滅させることができる。よって、フィルム状媒体のテンションは常に一定に保持することができる。
【0022】
上記のフィルム状媒体の貼付装置の他の一態様では、前記クランプ部は、上下方向に移動可能に支持され、必要に応じて前記フィルム状媒体を吸着して固定する吸着部と、前記フィルム状媒体の送り出し時又は前記圧着後の前記フィルム状媒体の一層の剥離時において前記フィルム状媒体の位置ずれを防止する位置ずれ防止機構と、を備える。
【0023】
この態様によれば、クランプ部は、必要に応じて上下方向に移動することができ、尚且つ必要に応じてフィルム状媒体を吸着し固定することができる。また、クランプ部は、位置ずれ防止機構を備えているので、フィルム状媒体の送り出し時や、圧着後の前記フィルム状媒体の一層(セパレータ)の剥離時において生じるフィルム状媒体の位置ずれを効果的に防止することができる。
【0024】
上記のフィルム状媒体の貼付装置の他の一態様では、前記クランプ部は、前記ワークを前記圧着部へ供給する時又は前記ワークを前記圧着部から取り出す時には、前記フィルム状媒体を吸着しつつ前記送り機構と共に上方へ退避する。
【0025】
この態様によれば、供給機構がワークを圧着部へ供給する時に、クランプ部はフィルム状媒体を吸着しつつ、送り機構と共に上方へ退避することができる。また、供給機構がワークを圧着部から取り出す時においても、クランプ部はフィルム状媒体を吸着しつつ、送り機構と共に上方へ退避することができる。よって、フィルム状媒体と圧着部の受け台部との間のスペースを広げることができるので、供給機構と圧着部との間で円滑にワークの授受を行うことができる。
【0026】
上記のフィルム状媒体の貼付装置の他の一態様では、前記クランプ部は、前記圧着部が前記ワーク上に前記フィルム状媒体を圧着する際には、前記フィルム状媒体を吸着しつつ前記送り機構と共に上方の所定位置から前記フィルム状媒体の上端面近傍まで下降する。
【0027】
この態様によれば、圧着部がワーク上にフィルム状媒体を圧着する際には、クランプ部はフィルム状媒体を吸着しつつ、送り機構と共に上方の所定位置からフィルム状媒体の上端面近傍まで下降することができる。これにより、フィルム状媒体もワークの上端面近傍まで下降するので、精度良く安定的にフィルム状媒体をワーク上に貼り付けることができる。
【0028】
上記のフィルム状媒体の貼付装置の他の一態様では、前記位置ずれ防止機構は、凹部状に形成された前記クランプ部の構造であり、前記凹部内を前記フィルム状媒体が移動するときに、その移動方向と直交する方向の前記フィルム状媒体の位置ずれを防止する。
【0029】
この態様によれば、位置ずれ防止機構は、凹部状に形成されたクランプ部の構造とすることができる。したがって、フィルム状媒体の送り出し時などにおいては、フィルム状媒体がその凹部状に形成されたクランプ部内を移動することにより、フィルム状媒体の移動方向と直交する方向の位置ずれを効果的に防止することができる。
【0030】
本発明の他の観点では、フィルム状媒体の貼付方法は、少なくとも2層構造を含むフィルム状媒体が巻回された送り出しリール部から所定の長さの前記フィルム状媒体を圧着部へ送り出す送り出し工程と、前記送り出し工程において、前記フィルム状媒体の一定のテンションを保持する張力調整工程と、前記フィルム状媒体を必要に応じて固定又は解放するクランプ工程と、前記送り出し工程で送り出された前記フィルム状媒体を、前記圧着部においてワーク上に圧着する圧着工程と、前記圧着部へワークを供給すると共に、圧着後のワークを前記圧着部から取り出すワーク供給工程と、前記圧着後のフィルム状媒体の一層を、巻き取りリール部に巻き取る巻取り工程と、を有する。
【0031】
上記のフィルム状媒体の貼付方法によれば、所望の長さのフィルム状媒体を圧着部へ送り出すことができる。よって、圧着工程では、ワークの大きさや態様に応じて、一定の長さのフィルム状媒体をワーク上に貼り付けることができる。また、圧着部への送り出し時には、張力調整工程によりフィルム状媒体のテンションが一定に保持されているので、確実に一定の長さのフィルム状媒体を圧着部へ送り出すことができる。よって、圧着工程では、フィルム状媒体をワーク上に精度良く安定的に貼り付けることができる。
【0032】
また、本発明の他の観点では、電気光学装置の製造装置は、少なくとも2層構造を含むフィルム状媒体が巻回された送り出しリール部と、前記フィルム状媒体を電気光学パネル上に圧着する圧着部と、前記送り出しリール部から所定の長さの前記フィルム状媒体を前記圧着部へ送り出す送り機構と、前記送り機構による前記フィルム状媒体の送り出し時に一定のテンションを保持する張力調整部と、前記フィルム状媒体を必要に応じて固定又は解放するクランプ部と、前記圧着部へ電気光学パネルを供給すると共に、圧着後の電気光学パネルを前記圧着部から取り出す供給機構と、前記圧着後のフィルム状媒体の一層を巻き取る巻取りリール部と、前記フィルム状媒体を介して、前記電気光学パネルに電子部品を実装して電気光学装置を製作する実装部と、を備える。
【0033】
また、同様の観点では、電気光学装置の製造方法は、少なくとも2層構造を含むフィルム状媒体が巻回された送り出しリール部から所定の長さの前記フィルム状媒体を圧着部へ送り出す送り出し工程と、前記送り出し工程において、前記フィルム状媒体の一定のテンションを保持する張力調整工程と、前記フィルム状媒体を必要に応じて固定又は解放するクランプ工程と、前記送り出し工程で送り出された前記フィルム状媒体を、前記圧着部において電気光学パネル上に圧着する圧着工程と、前記圧着部へ電気光学パネルを供給すると共に、圧着後の電気光学パネルを前記圧着部から取り出す供給工程と、前記圧着後のフィルム状媒体の一層を、巻き取りリール部に巻き取る巻取り工程と、前記フィルム状媒体を介して、前記電気光学パネルに電子部品を実装して電気光学装置を製作する実装工程と、を有する。
【0034】
上記の電気光学装置の製造装置又は製造方法によれば、所望の長さのフィルム状媒体を圧着部へ送り出し、電気光学パネルの大きさや態様に応じて、一定の長さのフィルム状媒体を貼り付けることができる。また、圧着部への送り出し時には、張力調整工程によりフィルム状媒体のテンションが一定に保持されているので、送り出し工程は確実に一定の長さのフィルム状媒体を圧着部へ送り出すことができる。よって、圧着部では、フィルム状媒体を電気光学パネル上に安定的に貼り付けることができ、電気光学パネル上に電子部品を精度よく貼り付けることができる。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施の形態について説明する。
【0036】
本実施形態に係る異方性導電膜(以下、「ACF」と呼ぶ。)の貼付装置は、圧着部に対するACFの送り出し及び圧着後のACFの剥離を可能とする送り機構を設けて、液晶基板上などのワーク上に一定の長さのACFを安定的に貼り付けることを特徴としている。
【0037】
[ACF貼付装置]
先ず、本実施形態にかかるACF貼付装置について、図1を参照して説明する。図1(a)には、ACF貼付装置100の側面図が示され、図1(b)には、ACF貼付装置100の部分平面図が示される。また、図1(c)には、ACF貼付装置100の構成の一部をなす供給機構25の部分平面図が示される。尚、図1(a)では供給機構25の側面図が示されていないが、図1(a)には、その供給機構25が設けられているものとして説明する。
【0038】
ACF貼付装置100は、図1(a)及び(b)に示すように、一定の長さのACF13を圧着部9側へ送り出すための送り機構11と、必要に応じてACF13を固定又は解放するためのクランプ部8、12と、ACF13のテンションを一定に保持するための張力調整部3、7と、ACF13が巻回されている送り出しリール部1と、ACF13をワーク21上に貼り付けるための圧着部9と、貼り付け後のACFを巻き取るための巻取りリール部2と、ACF13の送り出しなどを円滑にする支持体となるローラ部4、5、6と、圧着部9との間でACF貼り付け前のワーク21及びACF13貼り付け後のワーク23の授受を行う供給機構25と、から構成される。
【0039】
送り機構11は、必要なときにACF13を固定又は解放するクランプ部11aと、複数のローラ部11bとを備え、上下方向、及び圧着部9側の所定位置D1と基準位置D3との間を水平方向に、図示しない駆動装置により移動可能に支持される。ここで、駆動装置としては、例えば位置決め精度の向上を図るため、モータ及びボールねじからなる駆動機構などが好適である。
【0040】
また、送り機構11は、2層構造からなるACF13を各層に剥離する機能を有する。この送り機構11による剥離方法は、以下に示す方法により行われる。先ず、送り機構11は、図1(a)に示すように、基準位置D3となる位置で待機している。その後、圧着部9によりワーク21上へのACF13の貼り付けが行われた後、その送り機構11が、その基準位置D3から圧着部9側の所定位置D1まで移動することにより、2層構造のACF13を各層に剥離する。
【0041】
また、送り機構11は、供給機構25が圧着部9側へワーク21を供給するとき、又はワーク23の取り出しを行うときには、それらの授受を円滑に行うようにするため、クランプ部8と同期して上方へ退避する。一方、送り機構11は、圧着部9がACF13をワーク21上に圧着するときには、そのワーク21上の所定の位置にACF13を精度良く貼り付けるため、ワーク21上に積載されたACF13の上端面付近までクランプ部8と同期して下降する。
【0042】
クランプ部11aは、送り機構11内に設けられ、必要に応じてACF13を固定し、又は解放する。クランプ部11aは、送り機構11が圧着部9へACF13の送り出しを行うときには、そのACF13を固定する。具体的には、位置D1(破線部分)にある送り機構11は、クランプ部11aを作動させてACF13を固定する。この状態から、送り機構11が待機位置D3まで移動することにより、圧着部9へ一定長さのACF13の送り出しを行うことができる。
【0043】
一方、クランプ部11aは、送り機構11がワーク21上に貼り付いたACF13の剥離を行うときには、そのACF13を解放する。具体的には、上記送り機構11による圧着部9へのACF13の送り出し後、基準位置D3にある送り機構11は、クランプ11aを作動させてACF13を解放する。この状態から、送り機構11が圧着部9側の所定位置D1まで移動することにより、ワーク21上に部分的に貼り付いているACF13を剥離することができる。
【0044】
ローラ部11bは、送り機構11内に複数設けられ、ACF13の送り出しを円滑にするための回転部材である。それらのローラ部11bは、回転自在に支持されており、ACF13の移動に伴い一定方向に回転できるようになっている。このため、それらのローラ部11bがACF13の移動時などにおいて回転することにより、ACF13との間に生じる摩擦を少なくしてACF13の送り出しを円滑に行うようにしている。
【0045】
クランプ部8、12は、必要に応じてACF13を固定し、又は解放する。
【0046】
クランプ部8は、図1に示すように、ローラ部4と圧着部9との間に設けられる。このクランプ部8の構造について、図2を参照して説明する。図2(a)には、クランプ部8の正面図が示され、図2(b)には、図2(a)のA−A´に沿った切断面図が示される。クランプ部8は、図2(a)及び(b)に示すように、複数の吸着孔8bと、吸着部8aと、ガイド部8cとから構成される。
【0047】
吸着孔8bは、図2(a)及び(b)に示すように、ガイド部8内に複数配され、ガイド部8の上端面8caからACF13の吸着面8cbにかけて円柱状の貫通孔として形成されている。本例では、ガイド部8c内に10個の吸着孔8bを設けた場合を一例として示しているが、これに限られるものではない。即ち、吸着孔8bの設定数は、ACF13の吸着を確実に行えるように、ACF13の大きさなどに応じて適宜決定されるものである。
【0048】
吸着部8aは、図2(a)及び(b)に示すように、ガイド部8cの上端面8ca上に設けられ、作動すると真空圧力を発生し、複数の吸着孔8bを通じてACF13を吸着して固定する(矢印s10)。一方、吸着部8aは、作動停止すると吸着していたACF13を解放する。尚、吸着部8aとしては、例えば、真空ポンプなどが好適である。
【0049】
ガイド部8cは、図2(b)に示すように、ACF13が移動出来るように、下方が凹状となるように形成される。ACF13は、図2(a)及び(b)に示すように、このガイド部8cの凹部(符号G1)を通じて送り出しなどが行われる。このため、ガイド部8cは、ACF13の送り出し時などに、凹状に形成された構造(符号G1)により、ACF13の送り出し方向(矢印s70)と直交する方向の位置ずれを防止することができる。
【0050】
次に、クランプ部8の作用について説明する。
【0051】
クランプ部8は、図1(a)に示すように、上下方向のみの移動が可能となるように支持される。供給機構25が圧着部9側へワーク21を供給するときには、圧着部9側がワーク21の受け入れを容易とするため、クランプ部8は、ACF13を吸着しつつ送り機構11と同期して上方へ退避する。一方、圧着部9がワーク21上にACF13を貼り付けるときには、ACF13をワーク21上の所定位置に精度良く貼り付けるのを可能とするべく、クランプ部8は、ACF13を吸着しつつワーク21の上端面近傍まで下降する。
【0052】
クランプ部12は、送り機構11とローラ部5との間に設けられ、送り機構11が圧着部9側へ移動するときにはACF13を挟持して固定し、送り機構11が巻取りリール部2側へ移動するときには、固定していたACF13を解放する。
即ち、クランプ部12は、送り機構11内に設けられるクランプ部11aの動作とは逆の動作を常に行う。
【0053】
具体的には、送り機構11内に設けられるクランプ部11aがACF13を固定すると、クランプ部12は、固定していたACF13を解放する。一方、クランプ部11aが固定していたACF13を解放すると、クランプ部12は、解放していたACF13を固定する。このように、クランプ部12は、常にクランプ部11aとは逆の作動状態となる。
【0054】
つまり、送り機構11が圧着部9側へ移動するときには、送り機構11内のクランプ部11aはACF13を解放し、且つクランプ部12はACF13を固定するようにしているので、後述する張力調整部3によりACF13のテンションが一定に保持されると共に、熱圧着後のACF13が圧着部9側へ引き戻されることを防止することができる。
【0055】
一方、送り機構11が巻取りリール部2側へ移動するときには、そのクランプ部11aはACF13を固定し、且つクランプ部12はACF13を解放するようにしているので、後述する張力調整部7によりACF13のテンションが一定に保持されると共に、圧着部9側へ所望する長さのACF13の送り出しを行うことができる。
【0056】
尚、上述のACF貼付装置100において、クランプ部8とクランプ部12の構成態様を変えている理由は、以下の通りである。つまり、圧着される前のACF13の下端面は粘着状態にある。そのため、クランプ部8の位置にクランプ部12を設けた場合には、以下のような不都合が生じる。即ち、クランプ部12がACF13を固定すると、そのACF13の粘着作用によってクランプ部12がACF13に貼り付いてしまい、そのACF13を必要に応じて解放することができなくなってしまうからである。このため、本例では、クランプ部12をクランプ部8の位置に使用することなく、粘着性のないACF13の上端面を必要に応じて吸着し固定することのできるクランプ部8を使用している。
【0057】
張力調整部3、7は、ACF13の送り出し時などにおいて、ACF13のテンションを一定に保持する役割を果たすものである。
【0058】
張力調整部3は、回動自在に支持されたアーム部3aと、アーム部3aの一端に設けられ、ACF13の送り出しを円滑にするローラ部3bと、アーム部を回動自在に駆動する図示しない駆動部とから構成される。アーム部3aは、図1(a)に示すように、ACF13のテンションを一定に保つために、基準位置R1からR2までの角度θの範囲で、図示しない駆動部により回動することが可能である。ローラ部3bは、上述した送り機構11内に設けられたローラ部11bと同様の機能を果すものである。よって、送り出しリール部1と圧着部9との間にそのローラ部3bを介在させることにより、それらの間のACF13の送り出しを円滑に行うことができる。
【0059】
次に、張力調整部3の作用について述べる。送り機構11が圧着部9側の所定位置D1から基準位置D3に移動すると、張力調整部3のアーム3aは、それに連動して基準位置R1からR2まで回動する(角度θ)。これにより、張力調整部3は常にACF13のテンションを一定に保つことができる。
【0060】
一方、供給機構25によるワーク21の圧着部9への供給が行われる直前、つまり送り機構11が基準位置D3まで戻り、且つクランプ部8によるACF13の吸着が行われると、位置R2にある張力調整部3は、アーム3a駆動して基準位置R1まで移動させる。これにより、張力調整部3は、ACF13が巻回された送り出しリール部1を回転させ、圧着部9において圧着に使用された一定長さのACF13を引き出す。この引き出されたACF13は、その後、送り機構11が圧着部9側への送り出し用のACF13として使用するものである。
【0061】
張力調整部7は、貼り付け後のACF13の巻取りなどを円滑にするローラ部から構成され、上下方向の移動が自在となるように支持される。張力調整部7は、送り機構11によるACF13の送り出しが行われる際に生じるACF13のたるみを消滅させて、ACF13のテンションを常に一定に保持する機能を果たす。
【0062】
具体的には、送り機構11が圧着部9側へACF13の送り出しを行うと、圧着部9よりクランプ部12側にあるACF13のたるみが生じるが、このとき張力調整部7がある基準位置から下方に移動することにより、そのACF13のたるみを消滅させる。このときの張力調整部7の移動距離は、ACF13のたるみ分に応じた長さとなる。よって、張力調整部7は、常にACF13のテンションを一定に保持することができる。
【0063】
また、クランプ部12がACF13を固定すると、巻取りリール部2が作動して、ACF13の巻取りを行う。これに連動して、基準位置よりも下方の位置にあった張力調整部7は、上昇させられ基準位置まで再び戻される。
【0064】
送り出しリール部1は、張力調整部3の上方の位置に設けられ、一定長のACF13を巻回している。送り出しリール部1には、特に駆動機構は設けられておらず、上述した張力調整部3がACF13を引き出すときだけ、送り出しリール部1は、その張力調整部3からの引張力を受けて回転する(矢印s1)。これにより、送り出しリール部1は、一定長さのACF13を圧着部9側へ送り出すことを可能としている。
【0065】
巻取りリール部2は、貼り付け後のACF13の巻き取りを行う役割を果たすものである。そのため、巻取りリール部2は、巻取り時には、矢印s2の方向に回転して貼り付け後のACF13の巻取り(回収)を行う。
【0066】
圧着部9は、ワーク21上のACF13に対して加圧及び加熱をして、ワーク21上にACF13を貼り付ける圧着ヘッド部9aと、ワーク21を積載するための受け台部9bとから構成される。圧着ヘッド部9aは、上下移動が自在となるように支持され、送り機構11が圧着部9側の所定位置D1へ移動するときには上方へ退避すると共に、ACF13の圧着時には受け台部9bの上端面近傍の水平位置まで下降してACF13の貼り付けを可能とする。
【0067】
ローラ部4、5、6は、上述したローラ部3bなどと同様の機能を果たすものである。本例では、ACF貼付装置100に3個のローラ部4、5、6を設けた場合を例示しているが、これに限らず、その数を適宜増減することが可能である。これらにより、ACF13の送り出しなどを円滑に行うことができる。
【0068】
供給機構25は、図1(b)に示すように、搬送手段22を通じて搬送されてきたワーク21を圧着部9側へ供給すると共に、ACF圧着後のワーク23を圧着部9から取り出し、それを別の搬送手段24に送り出す機能を果たすものである。供給機構25は、図1(b)に示すように、ワーク21の搬送を行う搬送手段22と、ワーク21及びワーク23の授受を圧着部9、搬送手段22、及び搬送手段24との間で行う搬送手段20と、圧着後のワーク23を所定の場所に搬送する搬送手段24と、から構成される。
【0069】
搬送手段22は、例えば、モータにより駆動されるベルト式のコンベアなどであり、搬送手段20の動作に同期させてワーク21を搬送手段20側へ順次送り出す(矢印s4)。搬送手段20は、搬送手段22及び24と圧着部9との間でワーク21及びACF圧着後のワーク23の授受を行うことができるように移動可能に支持されている(矢印s5及び矢印s6)。搬送手段20としては、例えば、水平方向における移動が可能なステージなどの駆動機構が好適である。また、搬送手段20には、ワーク21及びワーク23を吸着するための機構が設けられている。搬送手段24は、先に述べた搬送手段22と基本的に同様の機能を果たすと共に、圧着後のワーク23を所定の場所に搬送する(矢印s7)。
【0070】
次に、供給機構25の動作について簡単に述べる。先ず、搬送手段20は、搬送手段22により送られてきたワーク21を所定の位置で吸着すると、そのワーク21を圧着部9側へ搬送し(矢印s5)、受け台部9b上に載置する。その後、搬送手段20が圧着部9から退避し(矢印s5)、圧着部9によるワーク21上へのACF13の貼り付けが行われる。その後、圧着部9は上方へ退避すると共に、搬送手段20は再び圧着部9側へ移動して(矢印s5)、ACF圧着後のワーク23を吸着し、搬送手段24側へそのワーク23を搬送する(矢印s5及び矢印s6)。その後、搬送手段24は、そのワーク23を所定の場所に搬送する。これにより、供給機構25は、圧着部9の動作と同期しながらワーク21及びワーク23の授受を円滑に行うようにしている。
【0071】
[ACF貼り付け方法]
次に、上述したACF貼付装置100によるACF13の貼り付け方法などについて図2乃至図6を参照して詳述する。以下、ACF13の送り出し、ワーク21の圧着部9への供給、ワーク21上へのACFの貼り付け、及び圧着後のACF13の剥離までの一連の手順を中心に説明する。
【0072】
先ず、図3(a)を参照し、ACF13の送り出し時のACF貼付装置100の各構成要素の状態について説明する。
【0073】
図3(a)には、送り機構11によるACF13の送り出しの方法が一例として示される。このときACF貼付装置100の各構成要素は、以下に示すような状態となっている。送り出しリール部1は、ACF13の供給を停止している状態である。張力調整部3は、アーム3aが位置R1から角度θ1だけ移動している状態である。ローラ部4は、圧着部9側へのACF13の送り出しを円滑にするために回転している状態である。クランプ部8は、作動停止、つまりACF13の吸着動作などを停止している状態である。圧着ヘッド部9aは、位置D100で退避している状態である。送り機構11は、位置D1から位置D3に向かって移動中であり、図3(a)ではD2の位置まで移動した状態が示されてる。
【0074】
このとき、送り機構11内のクランプ部11aは、ACF13を固定している状態である。また、送り機構11内のローラ部11bは、前記クランプ部11aによるACF13の固定によって回転が停止している状態である。クランプ部12は、ACF13を解放している状態である。ローラ部5、6は、ACF13の送り出しに伴って回転している状態である。張力調整部7は、基準位置D10から所定位置D11まで下降している状態である。巻取りリール部2は、ACF13の巻取りを停止している状態である。
【0075】
また、張力調整部3と送り機構11との間に介在するACF13は、圧着部9側へ送り出されている状態である(矢印s3)。さらに、送り機構11と張力調整部7との間に介在するACF13は、張力調整部7により一定方向に引っ張られている状態である(矢印s4)。
【0076】
次に、上記状態にあるACF貼付装置100によるACF13の送り出しの方法について述べる。
【0077】
かかる状態において、当初、位置D1にあった送り機構11が(破線部分)、位置D2まで移動すると(実線部分)、それに連動して張力調整部3は、位置R1から角度θ1だけ回転する。これにより、張力調整部3は、ACF13のテンションを一定に保持すると共に、送り機構11は、圧着部9側へ一定長さのACF13の送り出しを行う。したがって、送り機構11は、毎回一定長さのACF13を、圧着部9側に対して送り出すことができる。
【0078】
また、このとき、張力調整部3が移動した分に対応する長さのACF13は圧着部9側へ送り出されるため(矢印s3)、それにより破線領域s20においてACF13のたるみが生じる。
【0079】
しかし、クランプ部12はACF13を解放しているため、張力調整部7が位置D10から位置D11へと下降することにより、そのACF13のたるみ(破線領域s20)は、矢印s4側へ引っ張られて徐々に消滅することになる。
【0080】
よって、本例のACF貼付装置100では、張力調整部3及び7によりACF13のテンションを一定に保持しつつ、送り機構11は圧着部9に対して一定長さのACF13の送り出しを行うことができる。
【0081】
次に、図3(b)を参照し、上記ACF13の送り出し時に生じるACF13のたるみを消滅させる方法について述べる。尚、図3(b)は、時間の経過に伴い、ACF貼付装置100の各構成要素が、図3(a)の状態から変化した様子を示している。
【0082】
図3(b)には、上記図3(a)で生じたACF13のたるみ(破線領域s20)が完全に消滅している状態が示される。
【0083】
即ち、図3(a)の状態から送り機構11がさらに移動してD3の位置で停止すると、それに連動して張力調整部7はACF13を引っ張りつつ(矢印s4)、さらにD12の位置まで下降する。そして、張力調整部7が、位置D12の位置まで下降してくると、クランプ部12が作動しACF13を挟持して固定する。これにより、張力調整部7は一定の位置D12で停止すると共に、破線領域s20内のACF13のたるみを完全に消滅させる。
【0084】
また、このとき、張力調整部3は、送り機構11の移動動作に連動して、R1の位置から角度θまで回転してR2の位置で停止する。このとき、クランプ部12はACF13を固定しているため、送り出しリール部1からクランプ部12までのACF13のテンションを一定に保持することができる。
【0085】
尚、ACF貼付装置100の他の主要な構成要素は、以下の状態となっている。送り出しリール部1は、図3(a)の状態と同様である。よって、送り出しリール部1から圧着部9側に対するACF13の供給は行われていない。クランプ部8は、図3(a)の状態と同様に作動停止状態である。よって、ACF13の吸着は行われていない。圧着ヘッド部9aは、図3(a)の状態と同様に位置D100で停止継続中である。巻取りリール部2は、図3(a)の状態と同様に回転停止状態である。よって、巻取りリール部2による不要なACF13の巻取りは行われていない。
【0086】
次に、図4(a)を参照し、圧着後のACF13を巻取るための方法について述べる。尚、図4(a)は、時間の経過に伴い、ACF貼付装置100の各構成要素が、図3(b)の状態から変化した様子を示している。
【0087】
図4(a)には、圧着後のACF13が巻き取られている様子が示される。即ち、上記図3(b)に示すように張力調整部7がD12の位置で停止すると、その後図4(a)に示すように巻取りリール部2が作動し、ACF13の巻取りを開始する(矢印s2及び矢印s4)。本例では、巻取りリール部2の回転により、張力調整部7が位置12から位置D13まで上昇させられている様子が一例として示されている。この張力調整部7は、最終的に位置D13から位置D10まで上昇させられる。これにより、図3(a)において生じたACF13のたるみ分の長さに対応する圧着後のACF13を適切に巻き取ることができる。
【0088】
尚、ACF貼付装置100の他の主要な構成要素は、上記図3(b)に示す状態と同様であるため説明は省略する。
【0089】
次に、図4(b)を参照し、圧着部9側へのワーク21の供給方法について述べる。尚、図4(b)は、時間の経過に伴い、ACF貼付装置100の各構成要素が、図4(a)の状態から変化した様子を示している。また、図4(b)においては、供給機構25が特に示されていないが、それが存在するものとして説明する。
【0090】
図4(b)には、圧着部9側へワーク21を供給するための様子が一例として示される。先ず、上記図4(a)の状態から張力調整部7がD10の位置まで上昇すると、巻取りリール部2は圧着後のACF13の巻取りを終了する。
【0091】
また、クランプ部8は、作動してACF13を吸着し固定する。そして、張力調整部3は、クランプ部8によりACF13が固定されたことを確認すると、位置R2から基準位置R1まで回転(回転角度θ)して停止する。これにより、張力調整部3は、送り出しリール部1を回転させ(矢印s1)、一定長さのACF13を引き出すことができる。そのため、次回の送り出し時に必要な長さのACF13を予め準備しておくことができる。
【0092】
その後、送り出しリール部1の回転が停止すると、送り機構11内のクランプ部11aはACF13を固定すると共に、クランプ部12はACF13を解放する。その後、供給機構25が圧着部9側へワーク21を供給するときに、クランプ部8及び送り機構11が共に上昇する。このとき、クランプ部8は基準位置SP0から所定位置SP1まで上昇し、一方、送り機構11は基準位置SP10から所定位置SP11まで上昇する。勿論、このとき、ACF13もクランプ部8及び送り機構11と共に上昇させられる。これにより、ACF13と受け台部9bとの間のスペースを広げ、ワーク21の受け入れを容易とすることができる。
【0093】
尚、ACF貼付装置100の他の主要な構成要素である圧着ヘッド部9aは、上記図4(a)に示す状態と同様であるため説明は省略する。
【0094】
次に、図5(a)を参照し、圧着部9へ供給されたワーク21上にACF13を貼り付ける方法について述べる。尚、図5(a)は、時間の経過に伴い、ACF貼付装置100の各構成要素が、図4(b)の状態から変化した様子を示している。
【0095】
図5(a)には、圧着部9へ供給されたワーク21上にACF13を貼り付けている(圧着)様子が一例として示される。先ず、上記図4(b)に示す状態からクランプ部8及び送り機構11がACF13と共に下降する。具体的には、クランプ部8は位置SP1から位置SP2まで下降し、一方、送り機構11は位置SP11から位置SP12まで下降する。
【0096】
ここで、位置SP2は、図4(b)に示す位置SP0より下方の位置にあると共に、位置SP12は、図4(b)に示す位置SP10より下方の位置にある。また、位置SP2から受け台部9bの上端面までの高さと、位置SP12から受け台部9bの上端面までの高さは共に同じである。これにより、圧着ヘッド部9aと受け台部9bとの間にあるACF13を、受け台部10上に積載されたワーク21の上端面と平行を保ちつつ、その近傍まで接近させることができる。
【0097】
次に、クランプ部8及び送り機構11が共に上記した位置SP2及び位置SP12で夫々停止すると、圧着ヘッド部9aが位置D100から位置D102まで下降して、ACF13を加熱及び加圧してワーク21上に貼り付ける。これにより、ワーク21上の所定の位置に安定的にACF13を貼り付けることができる。
【0098】
尚、ACF貼付装置100の他の主要な構成要素は、上記図4(b)に示す状態と略同様であるため説明は省略する。
【0099】
次に、図5(b)を参照し、送り機構11による圧着後のACF13の剥離方法について述べる。尚、図5(b)は、時間の経過に伴い、ACF貼付装置100の各構成要素が、図5(a)の状態から変化した様子を示している。
【0100】
図5(b)には、送り機構11が圧着後のACF13を剥離している様子が一例として示される。先ず、図5(a)に示すように、ワーク21上へのACF13の貼り付けが終了すると、圧着ヘッド部9aは位置D102から位置D100まで上昇する。この理由は、ACF13の剥離時には、送り機構11が圧着ヘッド部9aの真下の位置まで移動してくるため、その送り機構11との衝突を回避するために、圧着ヘッド部9aが上方へ退避するものである。
【0101】
次に、クランプ部8及び送り機構11は、上記図5(a)の状態からACF13の剥離を促進するため共に上昇する。具体的には、クランプ部8は、位置SP2から位置SP3まで上昇すると共に、送り機構11は、位置SP12から位置SP13まで上昇する。ここで、位置SP3及び位置SP13とは、受け台部9bの上端面からの高さが共に同じである。また、位置SP3及び位置SP13の高さは、ACF13の剥離を促進させる位置となる。これにより、圧着部9付近のACF13は上方へ引っ張られる状態となり、ACF13の剥離が促進される。
【0102】
また、このとき、送り機構11は、基準位置D3から圧着部9側の所定位置D1に向かって移動する。これにより、圧着後のACF13を剥離する。本例では、送り機構11が、基準位置D3から位置D4のところまで移動している状態が一例として示される。よって、図5(b)には、その送り機構11の移動に伴って、圧着後のACF13が剥離されていく様子が示される(矢印s80)。かかるACF13を剥離方法については、図6を参照し、後述においてさらに説明することとする。
【0103】
尚、ACF貼付装置100の他の主要な構成要素は、以下に示す状態となっている。送り機構11内のクランプ部11aは、ACF13を固定している状態からACF13を解放する。また、クランプ部12は、ACF13を解放している状態からACF13を固定する。このため、送り機構11が圧着部9側へ移動したとしても、クランプ部12によりACF13が固定されているため、ACF13が圧着部9側へ引き戻されるのを防止することができる。また、ACF貼付装置100のその他の主要な構成要素は、上記図5(a)に示す状態と同様であるため説明は省略する。
【0104】
次に、図6を参照し、ACF13を完全に剥離するまでの状態について説明する。先ず、図6(a)には、2層構造からなるACF13の部分側面図が示される。ACF13は、図6(a)に示すように、ワーク21上に圧着されるACF13a(異方性導電膜)と、そのACF13aのベースフィルムとなるACF13b(セパレータ)とから構成される。ここで、ACF13aは、直径数μmの金属粒子等が厚さ数十μmの接着剤層中に分散配置されたフィルム状の構造になっている。
【0105】
そのため、圧着ヘッド部9aがワーク21上の所定位置にACF13を圧着すると、当該部分のACF13はワーク21上に貼り付けられる。このとき、当該部分のACF13bは、ACF13aの粘着作用によってACF13a上に貼り付いている。このACF13bは、圧着後には不要なものとなるため、そのACF13bを適切に剥離する必要がある。そこで、送り機構11を圧着部9側へ移動させることにより、当該部分のACF13bを適切に剥離する。
【0106】
このACF13bを剥離する方法について、図6(a)及び(b)を参照し、説明する。
【0107】
図6(b)では、送り機構11が基準位置D3から位置D4のところまで移動しながら、圧着後のACF13をACF13aと、ACF13bとに分離していく様子が示されている。この状態から、送り機構11が圧着部9側に向かってさらに移動してゆくと(矢印s80)、破線H13a、H13bに示すように、ACF13aがACF13bから徐々に剥離されてゆく。
【0108】
その後、送り機構11は、図6(c)に示すように、位置D4から位置D1まで移動して停止すると、ACF13bは、図6(a)及び(b)に示す受け台部9bの上端面からの所定高さのSP100の位置まで引き剥がされ、ACF13aとACF13bとが完全に剥離される。よって、本例に係るACF貼付装置100は、ワーク21上の所定の位置にACF13aのみを安定的に貼り付けることができる。
【0109】
以上、その後は、ACF貼付装置100は、図3乃至図5に示すように、圧着後のACF13bの巻取り、ACF13の送り出し、ACF13の貼り付け、及びACF13の剥離などの作業を繰り返す。これにより、ACF貼付装置100は、一定長さのACF13aを安定的にワーク21上に貼り付けることができる。
[変形例]
尚、本発明、パッシブマトリクス型の液晶表示装置だけではなく、アクティブマトリクス型の液晶表示装置(例えば、TFT(薄膜トランジスタ)やTFD(薄膜ダイオード)をスイッチング素子として備えた液晶表示装置)にも同様に適用することが可能である。また、液晶表示装置だけでなく、エレクトロルミネッセンス装置、有機エレクトロルミネッセンス装置、プラズマディスプレイ装置、電気泳動ディスプレイ装置、フィールド・エミッション・ディスプレイ(電界放出表示装置)などの各種の電気光学装置においても本発明を同様に適用することが可能である。
【0110】
以上説明したように、本発明の異方性導電膜の貼付装置によれば、張力調整部により異方性導電膜のテンションが一定に保持されているので、一定長さの異方性導電膜を圧着部へ送り出すことができる。よって、ワーク上に精度良く且つ安定的に異方性導電膜を貼り付けることができる。また、送り機構は、必要に応じて異方性導電膜を固定し又は解放するクランプ部を設けているので、送り機構が圧着部側へ移動することにより不要となった異方性導電膜(セパレータ)を適切に剥離することができる。さらに、クランプ部及び送り機構は上下に移動が可能であるため、必要に応じて上下に移動することにより、供給機構と圧着部との間においてワークの授受を円滑に行うことができる。
【0111】
なお、以上の実施形態では、ワーク上に貼り付けるフィルム状媒体の例としてACFを挙げたが、例えばNCF(Non−Conductive Film)などの他の各種フィルム状媒体を貼り付ける装置にも本発明を適用することが可能である。また、ワークの例として液晶パネルを挙げているが、それ以外の例えばエレクトロルミネッセンス装置、有機エレクトロルミネッセンス装置、プラズマディスプレイ装置、電気泳動ディスプレイ装置、フィールド・エミッション・ディスプレイ(電界放出表示装置)などの各種の電気光学パネルをワークとする場合においても本発明を同様に適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るACF貼付装置の構造を示す。
【図2】ACF貼付装置のクランプ部の一態様の構造を示す。
【図3】ACF貼付装置によるACFの送り出し方法などを示す。
【図4】ACF貼付装置による不要なACFの巻取り方法を示す。
【図5】ACF貼付装置によるACFの圧着及び剥離方法を示す。
【図6】ACF貼付装置による剥離方法などを示す。
【符号の説明】
1 送り出しリール部、 2 巻取りリール部、 3、7 張力調整部、 4、5、6 ローラ部、 8、12、11a クランプ部、 9 圧着部、 11送り機構、 25 供給機構、 100 ACF貼付装置
Claims (12)
- 少なくとも2層構造を含むフィルム状媒体が巻回された送り出しリール部と、
前記フィルム状媒体をワーク上に圧着する圧着部と、
前記送り出しリール部から所定の長さの前記フィルム状媒体を前記圧着部へ送り出す送り機構と、
前記送り機構による前記フィルム状媒体の送り出し時に一定のテンションを保持する張力調整部と、
前記フィルム状媒体を必要に応じて固定又は解放するクランプ部と、
前記圧着部へワークを供給すると共に、圧着後のワークを前記圧着部から取り出す供給機構と、
前記圧着後のフィルム状媒体の一層を巻き取る巻取りリール部と、
を備えることを特徴とするフィルム状媒体の貼付装置。 - 前記送り機構は、前記フィルム状媒体を必要に応じて固定又は解放するクランプ機構と、駆動機構とを備え、前記駆動機構により上下方向及び前記送り出しリール部側と前記巻取りリール部側との間を移動自在に支持されることを特徴とする請求項1に記載のフィルム状媒体の貼付装置。
- 前記クランプ機構は、第1のクランプ機構と、第2のクランプ機構とを備え、
前記送り機構が前記巻き取りリール部側へ移動するときには、前記第1のクランプ機構が前記フィルム状媒体を解放するとともに前記第2のクランプ機構が前記フィルム状媒体を固定し、
前記送り機構が前記送り出しリール部側へ移動するときには、前記第1のクランプ機構が前記フィルム状媒体を固定するとともに前記第2のクランプ機構が前記フィルム状媒体を解放することを特徴とする請求項2に記載のフィルム状媒体の貼付装置。 - 前記送り機構は、前記巻取りリール部側へ移動するときには、所定の長さの前記フィルム状媒体を前記圧着部へ送り出すと共に、
前記送り機構が前記送り出しリール部側へ移動するときには、前記圧着後の前記フィルム状媒体の一層を剥離することを特徴とする請求項3に記載のフィルム状媒体の貼付装置。 - 前記張力調整部は、回動自在に支持される第1の張力調整部と、上下方向に移動可能に支持される第2の張力調整部とを備え、
前記送り機構が前記巻取りリール部側へ移動するときには、前記第1の張力調整部が所定の方向に移動して前記フィルム状媒体のテンションを一定に保持すると共に、前記第2の張力調整部が基準位置から所定の位置まで下降することにより前記送り機構が前記圧着部へ前記フィルム状媒体を送り出すときに生じる前記フィルム状媒体のたるみを消滅させて前記フィルム状媒体のテンションを一定に保持することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のフィルム状媒体の貼付装置。 - 前記クランプ部は、上下方向に移動可能に支持され、必要に応じて前記フィルム状媒体を吸着して固定する吸着部と、前記フィルム状媒体の送り出し時又は前記圧着後の前記フィルム状媒体の一層の剥離時において前記フィルム状媒体の位置ずれを防止する位置ずれ防止機構と、を備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のフィルム状媒体の貼付装置。
- 前記クランプ部は、前記ワークを前記圧着部へ供給する時又は前記ワークを前記圧着部から取り出す時には、前記フィルム状媒体を吸着しつつ前記送り機構と共に上方へ退避することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のフィルム状媒体の貼付装置。
- 前記クランプ部は、前記圧着部が前記ワーク上に前記フィルム状媒体を圧着する際には、前記フィルム状媒体を吸着しつつ前記送り機構と共に上方の所定位置から前記フィルム状媒体の上端面近傍まで下降することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のフィルム状媒体の貼付装置。
- 前記位置ずれ防止機構は、凹部状に形成された前記クランプ部の構造であり、前記凹部内を前記フィルム状媒体が移動するときに、その移動方向と直交する方向の前記フィルム状媒体の位置ずれを防止することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載のフィルム状媒体の貼付装置。
- 少なくとも2層構造を含むフィルム状媒体が巻回された送り出しリール部から所定の長さの前記フィルム状媒体を圧着部へ送り出す送り出し工程と、
前記送り出し工程において、前記フィルム状媒体の一定のテンションを保持する張力調整工程と、
前記フィルム状媒体を必要に応じて固定又は解放するクランプ工程と、
前記送り出し工程で送り出された前記フィルム状媒体を、前記圧着部においてワーク上に圧着する圧着工程と、
前記圧着部へワークを供給すると共に、圧着後のワークを前記圧着部から取り出すワーク供給工程と、
前記圧着後のフィルム状媒体の一層を、巻き取りリール部に巻き取る巻取り工程と、
を有することを特徴とするフィルム状媒体の貼付方法。 - 少なくとも2層構造を含むフィルム状媒体が巻回された送り出しリール部と、
前記フィルム状媒体を電気光学パネル上に圧着する圧着部と、
前記送り出しリール部から所定の長さの前記フィルム状媒体を前記圧着部へ送り出す送り機構と、
前記送り機構による前記フィルム状媒体の送り出し時に一定のテンションを保持する張力調整部と、
前記フィルム状媒体を必要に応じて固定又は解放するクランプ部と、
前記圧着部へ電気光学パネルを供給すると共に、圧着後の電気光学パネルを前記圧着部から取り出す供給機構と、
前記圧着後のフィルム状媒体の一層を巻き取る巻取りリール部と、
前記フィルム状媒体を介して、前記電気光学パネルに電子部品を実装して電気光学装置を製造する実装部と、を備えることを特徴とする電気光学装置の製造装置。 - 少なくとも2層構造を含むフィルム状媒体が巻回された送り出しリール部から所定の長さの前記フィルム状媒体を圧着部へ送り出す送り出し工程と、
前記送り出し工程において、前記フィルム状媒体の一定のテンションを保持する張力調整工程と、
前記フィルム状媒体を必要に応じて固定又は解放するクランプ工程と、
前記送り出し工程で送り出された前記フィルム状媒体を、前記圧着部において電気光学パネル上に圧着する圧着工程と、
前記圧着部へ電気光学パネルを供給すると共に、圧着後の電気光学パネルを前記圧着部から取り出す供給工程と、
前記圧着後のフィルム状媒体の一層を、巻き取りリール部に巻き取る巻取り工程と、
前記フィルム状媒体を介して、前記電気光学パネルに電子部品を実装して電気光学装置を製作する実装工程と、
を有することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
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