JP2004278789A - プラネタリギア機構の構成部品およびプラネタリギア機構の軸受部材 - Google Patents

プラネタリギア機構の構成部品およびプラネタリギア機構の軸受部材 Download PDF

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Abstract

【課題】 高強度で、疲労特性(軸受部材では転動疲労特性)が長寿命で、高度の耐割れ強度を有し、経年寸法変化率の増加を抑えて寸法安定性を向上させるプラネタリギア機構の構成部品およびプラネタリギア機構の軸受部材を提供する。
【解決手段】 プラネタリギア機構10は、太陽歯車12と、その太陽歯車12の外周を取囲む内歯歯車15と、その太陽歯車12および内歯歯車15の双方に噛合う遊星歯車13とを有する。そのプラネタリギア機構10の構成部品(プラネタリギア機構10の軸受部材20を含む)は、窒素富化層を有し、その構成部品の水素含有量が0.5ppm以下であるか、オーステナイト結晶粒の粒度番号が10番を超える範囲にあるか、破壊応力値が2650MPa以上である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、プラネタリギア機構の構成部品およびプラネタリギア機構の軸受部材に関し、疲労特性(軸受部材の場合には転動疲労特性)が長寿命で、高度の耐割れ強度や耐経年寸法変化を有するプラネタリギア機構の構成部品およびプラネタリギア機構の軸受部材に関するものである。
軸受部品の転動疲労に対して長寿命を与える熱処理方法として、焼入れ加熱時の雰囲気RXガス中にさらにアンモニアガスを添加するなどして、その軸受部品の表層部に浸炭窒化処理を施す方法がある(たとえば特開平8−4774号公報、特開平11−101247号公報)。この浸炭窒化処理法を用いることにより、表層部を硬化させ、ミクロ組織中に残留オーステナイトを生成させ、転動疲労寿命を向上させることができる。
特開平8−4774号公報 特開平11−101247号公報
しかしながら、上記の浸炭窒化処理方法は炭素および窒素を拡散させる拡散処理であるため、長時間高温に保持する必要がある。このため、組織が粗大化する等して耐割れ強度の向上を図ることは困難である。また、残留オーステナイトの増加による経年寸法変化率の増大も問題となる。
一方、転動疲労に対して長寿命を確保し、割れ強度を向上させ、経年寸法変化率の増大を防ぐために、鋼の合金設計により組成を調整することによって対処することが可能である。しかし合金設計によると、原材料コストが高くなるなどの問題点が発生する。
今後のプラネタリギア機構の軸受部品には、使用環境の高荷重化、高温化に伴い、またプラネタリギア機構の小型化・コンパクト化の要求に伴い、従来よりも、大きな荷重条件でかつより高温で使用できる特性を備えることが要求される。このため、高強度で、転動疲労特性が長寿命で、高度の耐割れ強度と寸法安定性とを有する軸受部品が必要になる。
本発明は、高度の耐割れ強度と寸法安定性とを有し、疲労寿命(軸受部材の場合には転動疲労寿命)に優れたプラネタリギア機構の構成部品およびプラネタリギア機構の軸受部材を提供することを目的とする。
本発明の一のプラネタリギア機構の構成部品は、太陽歯車と、太陽歯車の外周を取囲む内歯歯車と、太陽歯車および内歯歯車の双方に噛合う遊星歯車とを有するプラネタリギア機構に組み込まれた、プラネタリギア機構の構成部品において、その構成部品が窒素富化層を有し、その構成部品の水素含有量が0.5ppm以下であることを特徴とするものである。
本発明の一のプラネタリギア機構の軸受部材は、太陽歯車とその太陽歯車の外周を取囲む内歯歯車との双方に噛合う遊星歯車を回転可能に支持する転がり軸受を有するプラネタリギア機構の軸受部材において、転がり軸受の内方部材、外方部材および転動体のうち少なくともいずれか一つの部材が窒素富化層を有し、部材の水素含有量が0.5ppm以下であることを特徴とするものである。
本発明の一のプラネタリギア機構の構成部品およびプラネタリギア機構の軸受部材によれば、水素に起因する鋼の脆化を軽減することができる。鋼の水素含有量が0.5ppmを超えると鋼の割れ強度は低下する。したがってこのような鋼は、苛酷な荷重が加わるプラネタリギア機構の構成部品や軸受部材にはあまり適さなくなる。水素量は低い方が望ましい。しかし、0.3ppm未満に減らすためには長時間の加熱が必要になり、オーステナイト粒径が粗大化し、かえって靭性が低下してしまう。このため、より望ましい水素含有量は0.3〜0.5ppmの範囲である。さらに望ましくは、0.35〜0.45ppmの範囲である。
なお、上記の水素含有量は、拡散性水素は測定の対象にはせず、所定温度以上で鋼から放出される非拡散性水素のみを測定の対象とするものである。サンプルサイズが小さければ、常温でもサンプルから放出され散逸してしまうので、拡散性水素量は測定の対象から外している。非拡散性水素は、鋼中の欠陥部などにトラップされており、所定の加熱温度以上ではじめてサンプルから放出される水素である。この非拡散性水素に限定しても、水素含有量は測定方法によって大きく変動する。上記の水素含有率範囲は熱伝導度法による測定方法による範囲である。さらに、後記するように、LECO社製DH−103型水素分析装置またはそれに準じる測定装置を用いて測定することが望ましい。
本発明の他のプラネタリギア機構の構成部品は、太陽歯車と、太陽歯車の外周を取囲む内歯歯車と、太陽歯車および内歯歯車の双方に噛合う遊星歯車とを有するプラネタリギア機構に組み込まれた、プラネタリギア機構の構成部品において、その構成部品が窒素富化層を有し、その構成部品のオーステナイト結晶粒の粒度番号が10番を超える範囲にあることを特徴とするものである。
本発明の他のプラネタリギア機構の軸受部材は、太陽歯車とその太陽歯車の外周を取囲む内歯歯車との双方に噛合う遊星歯車を回転可能に支持する転がり軸受を有するプラネタリギア機構の軸受部材において、転がり軸受の内方部材、外方部材および転動体のうち少なくともいずれか一つの部材が窒素富化層を有し、その部材のオーステナイト結晶粒の粒度番号が10番を超える範囲にあることを特徴とするものである。
本発明の他のプラネタリギア機構の構成部品およびプラネタリギア機構の軸受部材によれば、構成部品(内方部材、外方部材、および転動体のうち少なくともいずれか1つの部材を含む)のオーステナイト粒径が微細であることにより、耐割れ強度、寸法安定性および疲労寿命(軸受部材の場合には転動疲労寿命)が大幅に改良される。オーステナイト粒径の粒度番号が10番以下では、疲労寿命は大きく改善されないので、10番を超える範囲とする。通常、11番以上とする。オーステナイト粒径は細かいほど望ましいが、通常、13番を超える粒度番号を得ることは難しい。なお、プラネタリギア機構の構成部品(軸受部材の内方部材、外方部材および転動体を含む)のオーステナイト粒は、浸炭窒化処理の影響を大きく受けている表層部でも、それより内側の内部でも変化しない。したがって、上記の結晶粒度番号の範囲の対象となる位置は、表層部および内部とする。
本発明のさらに他のプラネタリギア機構の構成部品は、太陽歯車と、太陽歯車の外周を取囲む内歯歯車と、太陽歯車および内歯歯車の双方に噛合う遊星歯車とを有するプラネタリギア機構に組み込まれた、プラネタリギア機構の構成部品において、その構成部品が窒素富化層を有し、その構成部品の破壊応力値が2650MPa以上であることを特徴とするものである。
本発明のさらに他のプラネタリギア機構の軸受部材は、太陽歯車とその太陽歯車の外周を取囲む内歯歯車との双方に噛合う遊星歯車を回転可能に支持する転がり軸受を有するプラネタリギア機構の軸受部材において、転がり軸受の内方部材、外方部材および転動体のうち少なくともいずれか一つの部材が窒素富化層を有し、破壊応力値が2650MPa以上であることを特徴とするものである。
本願発明者らは、鋼をA1変態点を超える浸炭窒化処理温度で浸炭窒化処理した後、A1変態点未満の温度に冷却し、その後にA1変態点以上の焼入れ温度域に再加熱し焼入れを行なうことにより、浸炭窒化処理層を有する鋼の破壊応力値を、従来では得られなかった2650MPa以上にできることを見出した。これにより、従来と比較して破壊応力値に優れ、それにより強度の高いプラネタリギア機構の構成部品およびプラネタリギア機構の軸受部材を得ることができる。
なお、上記のプラネタリギア機構の構成部品(プラネタリギア機構の軸受部材を含む)の製造方法は、太陽歯車と、太陽歯車の外周を取囲む内歯歯車と、太陽歯車および内歯歯車の双方に噛合う遊星歯車とを有するプラネタリギア機構に組み込まれた、プラネタリギア機構の構成部品の製造方法において、プラネタリギア機構の構成部品(転がり軸受の内方部材、外方部材、および転動体のうち少なくともいずれか1つの部材を含む)を製造する工程が、たとえば軸受部品用の鋼をA1変態点を超える浸炭窒化処理温度で浸炭窒化処理した後、A1変態点未満の温度に冷却し、その後、A1変態点以上で浸炭窒化処理の温度未満の焼入れ温度域に再加熱し、焼入れを行なう工程を備える。
上記の製造方法によれば、浸炭窒化処理後A1変態点未満の温度に冷却した後に最終的な焼入れを行なうので、オーステナイト粒径を細かくすることができる。この結果、シャルピー衝撃値、破壊靭性値、割れ強度、疲労寿命(軸受部材の場合には転動疲労寿命)などを向上させることができる。
さらに、たとえばオーステナイトが変態する温度にまで冷却することにより、浸炭窒化処理の際のオーステナイト粒界と最終焼入れの際のオーステナイト粒界とを無関係にすることができる。さらに、最終焼入れの際の加熱温度が浸炭窒化処理時の加熱温度よりも低いので、浸炭窒化処理の効果が及ぶ表層部における未溶解セメンタイト量は浸炭窒化処理のときよりも増大する。このため最終焼入れの加熱温度において、浸炭窒化処理のときより、未溶解セメンタイト量の比率が増大し、オーステナイト量の比率が低下する。しかも、鉄−炭素2元状態図から、セメンタイトとオーステナイトとの共存領域において、焼入れ温度の低下にともないオーステナイトに固溶する炭素濃度も低くなる。
最終焼入れ温度に加熱したとき、オーステナイト粒の成長を妨げる未溶解セメンタイト量が多いために、オーステナイト粒は微細となる。また、焼入れによってオーステナイトからマルテンサイトやベイナイトに変態した組織は炭素濃度が低いので、浸炭窒化処理温度から焼き入れた組織に比べて靭性に富んだ組織となる。
上記の製造方法においては、焼入れ温度域を790℃〜830℃の温度域とすることが好ましい。
これにより、オーステナイト結晶粒の成長が生じにくい温度に再加熱して焼入れするので、オーステナイト粒径を細かくすることができる。
なお、本明細書における内方部材または外方部材は、シャフト、ハウジングなどの部材と一体化されたものであっても良く、また別体で設けられたものであっても良い。
また、オーステナイト粒という場合、焼入れ加熱中に相変態したオーステナイトの結晶粒のことであり、焼入れられた後のマルテンサイトやベイナイトなどのフェライト相にその痕跡を残している。焼入れ前のオーステナイト粒界を強調するために「旧」を付する場合もある。すなわち、オーステナイト粒と旧オーステナイト粒とは同じものを表現している。
また、上記オーステナイト結晶粒は、対象とする部材の金相試料に対してエッチングなど、粒界を顕出する処理を施して観察することができる結晶粒であればよい。低温焼入れ直前の加熱された時点での粒界という意味で、上記のように旧オーステナイト粒と呼ぶ場合がある。測定は、JIS規格の粒度番号の平均値から平均粒径に換算して求めてもよいし、切片法などにより金相組織に重ねたランダム方向の直線が粒界と会合する間の間隔長さの平均値をとってもよい。
また、上記窒素富化層は、あとで説明するように、浸炭窒化処理により形成されるが、上記窒素富化層に炭素が富化されていてもよいし、富化されていなくてもよい。
本発明のプラネタリギア機構の構成部品およびプラネタリギア機構の軸受部材を用いることにより、浸炭窒化処理層を形成した上で、これまでにない優れた破壊応力値を得ることができるため、優れた耐割れ強度などを得ることができる。また、軸受部材をコンパクト化することもできる。
以下、図面を用いて本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の一実施の形態におけるプラネタリギア機構の構成部品を組み込んだ自動変速機の構成を示す概略断面図である。また図2は、図1のP部のプラネタリギア機構の構成を概略的に示す正面図(a)、断面図(b)、斜視図(c)である。
図1および図2(a)〜(c)を参照して、このプラネタリギア機構10は、たとえば自動変速機内で、サン・ギア・シャフト(以下、太陽歯車軸という)11とリング・ギア・シャフト(以下、内歯歯車軸という)16との間に配置されている。このプラネタリギア機構は、サン・ギア(以下、太陽歯車という)12と、リング・ギア(以下、内歯歯車という)15と、複数のプラネット・ピニオン・ギア(以下、遊星歯車という)13とを主に有している。
太陽歯車12は、太陽歯車軸11の外周に設けられている。内歯歯車15は、太陽歯車12の外周を取囲み、かつ内周面にギアが刻まれており、かつ内歯歯車軸16に固定されている。複数の遊星歯車13の各々は、太陽歯車12と内歯歯車15との間に配置されており、かつ太陽歯車12および内歯歯車15の双方と噛合っている。
複数の遊星歯車13の各々は、プラネタリギア機構10の軸受部材20によって、遊星歯車軸17に対して回転可能に支持されている。このプラネタリギア機構10の軸受部材20は、たとえば、内方部材と、外方部材と、転動体とを有している。本実施の形態では、このプラネタリギア機構10の軸受部材20は、図3に示すようなラジアル型の針状ころ軸受よりなっている。このため、プラネタリギア機構10の軸受部材20の内方部材は遊星歯車軸17の外周部と一体に形成されており、外方部材は遊星歯車13の内周部と一体に形成されており、転動体は針状ころ18である。
なお、複数の針状ころ18の各々は、保持器19により一定の間隔で正しい位置に保持されている。また、遊星歯車軸17は、プラネット・ピニオン・キャリ(以下、遊星枠という)14に軸支されている。
また、上記の内方部材は、遊星歯車軸17とは別体で設けられ、かつ遊星歯車軸17の外周に固定された内輪であってもよく、上記の外方部材は、遊星歯車13とは別体で設けられ、かつ遊星歯車13の内周に固定された外輪であってもよい。
このような構造によって、複数の遊星歯車13の各々は、太陽歯車12と内歯歯車15とに歯合して、円周に沿って自転しながら太陽歯車12の外周を公転することが可能である。
プラネタリギア機構10の各ギアは、常時、歯合しており、太陽歯車12または遊星枠14または内歯歯車15のいずれかに駆動力を与えたり、いずれかをロックしたりすることによって、太陽歯車軸11に対する内歯歯車軸16の回転数、回転方向、トルクなどを変化させることができる。
これらの外方部材(遊星歯車13の内周部、または遊星歯車13の内周に固定された外輪)、内方部材(遊星歯車軸17の外周部、または遊星歯車軸17の外周に固定された内輪)および転動体(針状ころ18)のうち少なくともいずれか一つの部材は、窒素富化層を有する鋼を含み、かつその部材の鋼中の水素含有量が0.5ppm以下である。
また、外方部材(遊星歯車13の内周部、または遊星歯車13の内周に固定された外輪)、内方部材(遊星歯車軸17の外周部、または遊星歯車軸17の外周に固定された内輪)および転動体(針状ころ18)のうち少なくともいずれか一つの部材は、窒素富化層を有する鋼を含み、かつその部材のオーステナイト結晶粒の粒度番号が10番を超える範囲にある。
また、外方部材(遊星歯車13の内周部、または遊星歯車13の内周に固定された外輪)、内方部材(遊星歯車軸17の外周部、または遊星歯車軸17の外周に固定された内輪)および転動体(針状ころ18)のうち少なくともいずれか一つの部材は、窒素富化層を有する鋼を含み、かつその部材の破壊応力値が2650MPa以上である。
また、プラネタリギア機構10の構成部品(上記のプラネタリギア機構10の軸受部材20の外方部材、内方部材、転動体、太陽歯車軸11、太陽歯車12、遊星枠14、内歯歯車15、内歯歯車軸16のうち少なくとも一つ)は、窒素富化層を有する鋼を含み、かつその構成部品の鋼中の水素含有量が0.5ppm以下である。
また、プラネタリギア機構10の構成部品(上記のプラネタリギア機構10の軸受部材20の外方部材、内方部材、転動体、太陽歯車軸11、太陽歯車12、遊星枠14、内歯歯車15、内歯歯車軸16のうち少なくとも一つ)は、窒素富化層を有する鋼を含み、かつその構成部品のオーステナイト結晶粒の粒度番号が10番を超える範囲にある。
また、プラネタリギア機構10の構成部品(上記のプラネタリギア機構10の軸受部材20の外方部材、内方部材、転動体、太陽歯車軸11、太陽歯車12、遊星枠14、内歯歯車15、内歯歯車軸16のうち少なくとも一つ)は、窒素富化層を有する鋼を含み、かつその構成部品の破壊応力値が2650MPa以上である。
なお、上記においては図3に示すようにプラネタリギア機構10の軸受部材20として保持器付き針状ころ軸受について説明したが、プラネタリギア機構10の軸受部材20は、これ以外に、総ころタイプの針状ころ軸受、シェル型の針状ころ軸受などであってもよい。
次に、本実施の形態におけるプラネタリギア機構10の構成部品(軸受部材20に含まれる外方部材、内方部材および転動体の少なくとも1つの軸受部品を含む)に行う浸炭窒化処理を含む熱処理について説明する。
図4および図5に、本発明の一実施の形態における熱処理方法を示す。図4は1次焼入れおよび2次焼入れを行なう方法を示す熱処理パターンであり、図5は焼入れ途中で材料をA1変態点温度未満に冷却し、その後、再加熱して最終的に焼入れる方法を示す熱処理パターンである。どちらも本発明の実施の態様例である。
図4を参照して、まず、たとえば軸受部品用の鋼がA1変態点を超える浸炭窒化処理温度(たとえば845℃)に加熱され、その温度で軸受部品用の鋼に浸炭窒化処理が施される。温度処理T1では鋼の素地に炭素や窒素が拡散され、また炭素が鋼に十分に溶け込ませられる。この後、軸受部品用の鋼は、処理T1の温度から油焼入れを施されて、A1変態点未満の温度に冷却される。次いで180℃で焼戻しが行なわれるが、この焼戻しは省略することができる。
この後、軸受部品用の鋼がA1変態点以上の温度で上記の浸炭窒化処理の温度未満の温度(たとえば800℃)に再加熱され、その温度で保持することにより処理T2が施された後、処理T2の温度から油焼入れを施されて、A1変態点未満の温度に冷却される。次いで180℃で焼戻しが行なわれる。
図5を参照して、まず、たとえば軸受部品用の鋼がA1変態点を超える浸炭窒化処理温度(たとえば845℃)に加熱され、その温度で軸受部品用の鋼に浸炭窒化処理が施される。温度処理T1では鋼の素地に炭素や窒素が拡散され、また炭素が鋼に十分に溶け込ませられる。この後、軸受部品用の鋼は焼入れされずにA1変態点以下の温度に冷却される。この後、軸受部品用の鋼がA1変態点以上の温度で上記の浸炭窒化処理の温度未満の温度(たとえば800℃)に再加熱され、その温度で保持することにより処理T2が施された後、処理T2の温度から油焼入れを施されて、A1変態点未満の温度に冷却される。次いで180℃で焼戻しが行なわれる。
上記の熱処理は、普通焼入れ(すなわち浸炭窒化処理に引き続いてそのまま1回焼入れ)するよりも、表層部分を浸炭窒化しつつ、割れ強度を向上させ、経年寸法変化率を減少することができる。上述したように、上記の熱処理方法によれば、オーステナイト結晶粒の粒径を従来の2分の1以下となるミクロ組織を得ることができる。上記の熱処理を受けた軸受部品は、転動疲労特性が長寿命であり、割れ強度を向上させ、経年寸法変化率も減少させることができる。
なお、「普通焼入」とは、図4または図5に記載の「浸炭窒化処理」をしない焼き入れをいう。また、図4に記載の「1次焼入」とは、浸炭窒化処理のための加熱温度T1に加熱し油冷によって急冷する1回目の焼き入れをいう。図4に記載の「2次焼入」とは、図4に記載の1次焼入をした後で、普通焼入のための加熱温度T2に加熱し油冷によって急冷する2回目の焼き入れをいう。
上記図4に示す熱処理パターンを適用した軸受鋼のオーステナイト結晶粒度を図6(a)に示す。また、比較のため、従来の熱処理方法による軸受鋼のオーステナイト結晶粒度を図6(b)に示す。また、図7(a)および図7(b)に、上記図6(a)および図6(b)を図解したオーステナイト結晶粒度を示す。これらオーステナイト結晶粒度を示す組織より、従来のオーステナイト粒径はJIS(Japanese Industrial Standard)規格の粒度番号で10番であり、また本発明による熱処理方法によれば12番の細粒を得ることができる。また、図6(a)の平均粒径は、切片法で測定した結果、5.6μmであった。
次に本発明の実施例について説明する。
(実施例1)
JIS規格SUJ2材(1.0重量%C-0.25重量%Si-0.4重量%Mn-1.5重量%Cr)を用いて、本発明の実施例1を行った。表1に示した各試料の製造履歴を以下に示す。
Figure 2004278789
(試料A〜D;本発明例):温度850℃で150分間保持して浸炭窒化処理を施した。その浸炭窒化処理時の雰囲気は、RXガスとアンモニアガスとの混合ガスとした。図4に示す熱処理パターンにおいて、浸炭窒化処理温度850℃から1次焼入れを行ない、次いで浸炭窒化処理温度より低い温度域780℃〜830℃に加熱して2次焼入れを行った。ただし、2次焼入れ温度780℃の試料Aは焼入れ不足のため試験の対象から外した。
(試料E、F;本発明例):浸炭窒化処理は、本発明例A〜Dと同じ履歴で行い、2次焼入れ温度を浸炭窒素処理温度(850℃)以上の850℃〜870℃で行った。
(従来浸炭窒化処理品;比較例):温度850℃で150分間保持して浸炭窒化処理を施した。その浸炭窒化処理時の雰囲気は、RXガスとアンモニアガスとの混合ガスとした。その浸炭窒化処理時の温度からそのまま焼入れを行ない、2次焼入れは行わなかった。
(普通焼入れ品;比較例):浸炭窒化処理を行なわずに、850℃に加熱して焼入れた。2次焼入れは行わなかった。
上記の各試料に対して、(1)水素量の測定、(2)結晶粒度の測定、(3)シャルピー衝撃試験、(4)破壊応力値の測定、(5)転動疲労試験、の各々を行った。その結果を表1に合わせて示す。
次にこれらの測定方法および試験方法について説明する。
(1)水素量の測定
水素量は、LECO社製DH−103型水素分析装置により、鋼中の非拡散性水素量を分析した。拡散性水素量は測定してない。このLECO社製DH−103型水素分析装置の仕様を下記に示す。
分析範囲:0.01〜50.00ppm
分析精度:±0.1ppmまたは±3%H(いずれか大なるほう)
分析感度:0.01ppm
検出方式:熱伝導度法
試料重量サイズ:10mg〜35g(最大:直径12mm×長さ100mm)
加熱炉温度範囲:50℃〜1100℃
試薬:アンハイドロン(Mg(ClO42)、アスカライト、NaOH
キャリアガス:窒素ガス、ガスドージングガス:水素ガス、いずれのガスも純度99.99%以上、圧力40PSI(2.8kgf/cm2)である。
測定手順の概要は以下のとおりである。専用のサンプラーで採取した試料をサンプラーごとに上記の水素分析装置に挿入する。内部の拡散性水素は窒素キャリアガスによって熱伝導度検出器に導かれる。この拡散性水素は本実施例では測定しない。次に、サンプラーから試料を取出し抵抗加熱炉内で加熱し、非拡散性水素を窒素キャリアガスによって熱伝導度検出器に導く。熱伝導度検出器において熱伝導度を測定することによって非拡散性水素量を知ることができる。
(2)結晶粒度の測定
結晶粒度の測定は、JIS G 0551の鋼のオーステナイト結晶粒度試験方法に基づいて行った。
(3)シャルピー衝撃試験
シャルピー衝撃試験は、JIS Z 2242の金属材料のシャルピー衝撃試験方法に基づいて行った。試験片には、JIS Z 2202に示されたUノッチ試験片(JIS3号試験片)を用いた。なお、シャルピー衝撃値は、次式の吸収エネルギーEを断面積(0.8cm2)で除した値である。
吸収エネルギー:E=WgR(cosβ−cosα)
W:ハンマー重量(=25.438kg)
g:重力加速度(=9.80665m/sec2
R:ハンマー回転軸中心から重心までの距離(=0.6569m)
α:ハンマー持ち上げ角度(=146°)、β:ハンマー降り上がり角度
(4)破壊応力値の測定
図8に破壊応力値の測定に用いた試験片を示す。アムスラー万能試験機を用いて図中のP方向に荷重を負荷して試験片が破壊されるまでの荷重を測定する。その後、得られた破壊荷重を、下記に示す曲がり梁の応力計算式により応力値に換算する。なお、試験片は図8に示す試験片に限られず、他の形状の試験片を用いてもよい。
図8の試験片の凸表面における繊維応力をσ1、凹表面における繊維応力をσ2とすると、σ1およびσ2は下記の式によって求められる(機械工学便覧A4編材料力学A4−40)。ここで、Nは円環状試験片の軸を含む断面の軸力、Aは横断面積、e1は外半径、e2は内半径を表す。また、κは曲がり梁の断面係数である。
σ1=(N/A) + {M/(Aρo)}[1 + e1/{κ(ρo + e1)}]
σ2=(N/A) + {M/(Aρo)}[1 - e2/{κ(ρo - e2)}]
κ=-(1/A)∫A {η/(ρo + η)}dA
(5)転動疲労試験、
転動疲労寿命試験の試験条件および試験装置の略図を、表2および図9(a)、(b)に示す。図9(a)、(b)において、転動疲労寿命試験片221は、駆動ロール211によって駆動され、ボール213と接触して回転している。ボール213は、(3/4)”のボールであり、案内ロール212にガイドされて、転動疲労寿命試験片221との間で高い面圧を及ぼし合いながら転動する。
次に上記の測定結果および試験結果について説明する。
(1)水素量
表1より、浸炭窒化処理したままの従来浸炭窒化処理品の鋼中水素量は、0.72ppmと非常に高い値となっている。これは、浸炭窒化処理の雰囲気に含まれるアンモニア(NH3)が分解して水素が鋼中に侵入したためと考えられる。これに対して、試料B〜Fの鋼中水素量は0.37〜0.42ppmとなっており、従来浸炭窒化処理品の半分近くにまで減少している。この鋼中水素量は普通焼入れ品と同じレベルである。
上記の鋼中水素量の低減により、水素の固溶に起因する鋼の脆化を軽減することができる。すなわち、水素量の低減により、本発明例の試料B〜Fのシャルピー衝撃値および破壊応力値は大きく改善されている。
(2)結晶粒度
表1より、結晶粒度は、2次焼入れ温度が浸炭窒化処理時の焼入れ(1次焼入れ)の温度より低い場合、すなわち試料B〜Dの場合、オーステナイト粒は、結晶粒度番号11〜12と顕著に微細化されている。試料EおよびFならびに従来浸炭窒化処理品および普通焼入品のオーステナイト粒は、結晶粒度番号10であり、試料B〜Dより粗大な結晶粒となっている。
(3)シャルピー衝撃値
表1によれば、従来浸炭窒化処理品のシャルピー衝撃値は5.33J/cm2であるのに比して、本発明例の試料B〜Fのシャルピー衝撃値は6.20〜6.65J/cm2と高い値が得られている。この中でも、2次焼入れ温度が低いほうがシャルピー衝撃値が高くなる傾向を示す。なお、普通焼入品のシャルピー衝撃値は6.70J/cm2と高い。
(4)破壊応力値
上記破壊応力値は、耐割れ強度に相当する。表1によれば、従来浸炭窒化処理品は2330MPaの破壊応力値となっている。これに比して、試料B〜Fの破壊応力値は2650〜2840MPaと改善されている。普通焼入品の破壊応力値は2770MPaであり、試料B〜Fの破壊応力値と同等である。このような、試料B〜Fの改良された耐割れ強度は、オーステナイト結晶粒の微細化と並んで、水素含有率の低減による効果が大きいと推定される。
(5)転動疲労試験
表1によれば、普通焼入品は窒素富化層を表層部に有しないことを反映して、転動疲労寿命L10は最も低い。これに比して従来浸炭窒化処理品の転動疲労寿命は3.1倍となる。試料B〜Dの転動疲労寿命は従来浸炭窒化処理品より大幅に向上する。試料E,Fは、従来浸炭窒化処理品とほぼ同等であった。
上記をまとめると、本発明例の試料B〜Fでは、鋼中水素量が低くなり、破壊応力値やシャルピー衝撃値が向上する。しかし、転動疲労寿命まで含めて改良しうるのは、さらにオーステナイト結晶粒度を粒度番号で11番程度以上に微細化した試料B〜Dである。したがって、本発明例に該当するのは試料B〜Fであるが、より望ましい本発明の範囲は、2次焼入れ温度を浸炭窒化処理温度より低くして結晶粒の微細化をさらに図った試料B〜Dの範囲である。
(実施例2)
次に実施例2について説明する。
下記のX材、Y材およびZ材について、一連の試験を行った。熱処理用素材には、JIS規格SUJ2材(1.0重量%C−0.25重量%Si−0.4重量%Mn−1.5重量%Cr)を用い、X材〜Z材に共通とした。X材〜Z材の製造履歴は次のとおりである。
(X材:比較例):普通焼入れのみを行なった(浸炭窒化処理せず)。
(Y材:比較例):浸炭窒化処理後にそのまま焼き入れた(従来の浸炭窒化焼入れ)。浸炭窒化処理の温度を845℃とし、保持時間を150分間とした。また浸炭窒化処理の雰囲気を、RXガス+アンモニアガスとした。
(Z材:本発明例):軸受鋼に図4の熱処理パターンを施した。浸炭窒化処理の温度を845℃とし、保持時間を150分間とし、雰囲気をRXガス+アンモニアガスとした。また、最終焼入れ温度を800℃とした。
(1)転動疲労寿命
転動疲労寿命試験の試験装置には上述した図9(a)、(b)の装置を用い、試験条件は表2に示す条件とした。この転動疲労寿命試験結果を表3に示す。
Figure 2004278789
Figure 2004278789
表3によれば、浸炭窒化処理を施したY材(比較例)のL10寿命は、普通焼入れのみを施したX材(比較例)のL10寿命(試験片10個中1個が破損する寿命)の3.1倍を示し、浸炭窒化処理による長寿命化の効果が認められる。これに対して、本発明例のZ材は、Y材の1.74倍、またX材の5.4倍の長寿命を示している。この改良の主因はミクロ組織の微細化によるものと考えられる。
(2)シャルピー衝撃試験
シャルピー衝撃試験は、Uノッチ試験片を用いて、上述のJIS Z 2242に準じた方法により行なった。試験結果を表4に示す。
Figure 2004278789
本発明例のZ材では、普通焼入れのみを施したX材(比較例)と同等で、かつ浸炭窒化処理を施したY材(比較例)よりも高いシャルピー衝撃値が得られた。
(3)静的破壊靭性値の試験
静的破壊靭性試験の試験片には、図10に示す試験体を用い、亀裂を予め約1mm導入した後に、3点曲げによる静的荷重Pを加え、破壊荷重を求めた。破壊靭性値(KIC値)の算出には次に示す次式を用いた。また、試験結果を表5に示す。
IC=(PL√a/BW2){5.8−9.2(a/W)+43.6(a/W)2−75.3(a/W)3+77.5(a/W)4
Figure 2004278789
予め導入した亀裂の深さが窒素富化層深さよりも大きくなったため、比較例のX材とY材とには違いはない。しかし、本発明例のZ材では比較例のX材およびY材に対して約1.2倍の破壊靭性値(KIC値)を得ることができた。
(4)静圧壊強度試験(破壊応力値の測定)
静圧壊強度試験片には、上述のように図8に示す形状のものを用いた。図中、P方向に荷重を付加して、上記と同様にして静圧壊強度試験を行なった。試験結果を表6に示す。
Figure 2004278789
浸炭窒化処理を施したY材(比較例)の静圧壊強度は普通焼入れのみを施したX材(比較例)の静圧壊強度よりもやや低い値である。しかしながら、本発明例のZ材の静圧壊強度は、Y材の静圧壊強度よりも向上し、X材の静圧壊強度よりもわずかに高いレベルになっている。
(5)経年寸法変化率
温度130℃で500時間保持した場合の経年寸法変化率を測定した。その測定結果を、表面硬度、残留オーステナイト量(表面から0.1mm深さでの)とともに表7に示す。
Figure 2004278789
残留オーステナイト量の多いY材の寸法変化率に比べて、本発明例のZ材の寸法変化率は低く抑えられていることがわかる。
(6)異物混入潤滑下における寿命試験
玉軸受6206を用い、標準異物を所定量混入させた異物混入潤滑下での転動疲労寿命を評価した。試験条件を表8に、また試験結果を表9に示す。
Figure 2004278789
Figure 2004278789
X材に比べ、浸炭窒化処理を施したY材(比較例)では約2.5倍の、また本発明例のZ材では約3.7倍の長寿命が得られた。本発明例のZ材では、比較例のY材に比べて残留オーステナイトが少ないものの、窒素の侵入と微細化されたミクロ組織の影響とにより長寿命が得られている。
上記の結果より、本発明例のZ材、すなわち本発明の熱処理方法によって製造されたプラネタリギア機構の構成部品(軸受部材を含む)は、従来の浸炭窒化処理では困難であった疲労寿命(軸受部材の場合には転動疲労寿命)の長寿命化、割れ強度の向上、経年寸法変化率の低減の3項目を同時に満足することができることがわかった。
なお、本明細書におけるオーステナイト結晶粒とは、焼入加熱中に相変態したオーステナイトの結晶粒のことであり、これは、冷却によりマルテンサイトへ変態した後も、過去の履歴として残存しているものをいう。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明は、転動疲労特性が長寿命で、高度の耐割れ強度や耐経年寸法変化を有するプラネタリギア機構の構成部品およびプラネタリギア機構の軸受部材に有利に適応され得る。
本発明の一実施の形態におけるプラネタリギア機構の構成部品を組み込んだ自動変速機の構成を示す概略断面図である。 図1のP部のプラネタリギア機構の構成を概略的に示す正面図(a)、断面図(b)、斜視図(c)である。 図1のプラネタリギア機構における軸受部材として転がり軸受の構成を概略的に示す一部破断斜視図である。 本発明の実施の形態における熱処理方法を説明する図である。 本発明の実施の形態における熱処理方法の変形例を説明する図である。 軸受部品のミクロ組織、とくにオーステナイト粒を示す図である。(a)は本発明例の軸受部品であり、(b)は従来の軸受部品である。 (a)は図6(a)を図解したオーステナイト粒界を示し、(b)は図6(b)を図解したオーステナイト粒界を示す。 静圧壊強度試験(破壊応力値の測定)の試験片を示す図である。 転動疲労寿命試験機の概略図である。(a)は正面図であり、(b)は側面図である。 静的破壊靭性試験の試験片を示す図である。
符号の説明
10 プラネタリギア機構、11 太陽歯車軸、12 太陽歯車、13 遊星歯車、14 遊星枠、15 内歯歯車、16 内歯歯車軸、17 遊星歯車軸、18 針状ころ、19 保持器、20 軸受部材、211 駆動ロール、212 案内ロール、213 ボール、221 転動疲労寿命試験片。

Claims (6)

  1. 太陽歯車と、前記太陽歯車の外周を取囲む内歯歯車と、前記太陽歯車および前記内歯歯車の双方に噛合う遊星歯車とを有するプラネタリギア機構に組み込まれた、プラネタリギア機構の構成部品において、
    前記構成部品が窒素富化層を有し、前記構成部品の水素含有量が0.5ppm以下である、プラネタリギア機構の構成部品。
  2. 太陽歯車と、前記太陽歯車の外周を取囲む内歯歯車と、前記太陽歯車および前記内歯歯車の双方に噛合う遊星歯車とを有するプラネタリギア機構に組み込まれた、プラネタリギア機構の構成部品において、
    前記構成部品が窒素富化層を有し、前記構成部品のオーステナイト結晶粒の粒度番号が10番を超える範囲にある、プラネタリギア機構の構成部品。
  3. 太陽歯車と、前記太陽歯車の外周を取囲む内歯歯車と、前記太陽歯車および前記内歯歯車の双方に噛合う遊星歯車とを有するプラネタリギア機構に組み込まれた、プラネタリギア機構の構成部品において、
    前記構成部品が窒素富化層を有し、前記構成部品の破壊応力値が2650MPa以上である、プラネタリギア機構の構成部品。
  4. 太陽歯車と前記太陽歯車の外周を取囲む内歯歯車との双方に噛合う遊星歯車を回転可能に支持する転がり軸受を有するプラネタリギア機構の軸受部材において、
    前記転がり軸受の内方部材、外方部材および転動体のうち少なくともいずれか一つの部材が窒素富化層を有し、前記部材の水素含有量が0.5ppm以下である、プラネタリギア機構の軸受部材。
  5. 太陽歯車と前記太陽歯車の外周を取囲む内歯歯車との双方に噛合う遊星歯車を回転可能に支持する転がり軸受を有するプラネタリギア機構の軸受部材において、
    前記転がり軸受の内方部材、外方部材および転動体のうち少なくともいずれか一つの部材が窒素富化層を有し、前記部材のオーステナイト結晶粒の粒度番号が10番を超える範囲にある、プラネタリギア機構の軸受部材。
  6. 太陽歯車と前記太陽歯車の外周を取囲む内歯歯車との双方に噛合う遊星歯車を回転可能に支持する転がり軸受を有するプラネタリギア機構の軸受部材において、
    前記転がり軸受の内方部材、外方部材および転動体のうち少なくともいずれか一つの部材が窒素富化層を有し、前記部材の破壊応力値が2650MPa以上である、プラネタリギア機構の軸受部材。
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JP2007321854A (ja) * 2006-05-31 2007-12-13 Nsk Ltd ピニオンシャフト及びプラネタリギヤ装置
JP2013199938A (ja) * 2008-09-10 2013-10-03 Ntn Corp 電動モータ付き減速機構

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