JP2004278395A - ガスタービン燃焼器の燃料流量監視制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来のガスタービン燃焼器では各燃料系統ごとに計測される燃料総量は監視されるが、燃料マニホールドおよび燃料ヘッダから個々の燃料ノズルへ分配される燃料流量はコストの問題より計測されなかったか、あるいは計測した場合には高いコストが費やされた。
【解決手段】各燃料配管P1、P2、…Pnの燃料流量が等しければ、前記各静圧取出口7−1、7−2、…7−nの静圧は等しく、燃料流量偏差監視マノメータ9の各水位は等しいという原理に基づいて、燃料流量偏差監視マノメータ9の各水位を監視制御することにより、各燃料配管P1、P2、…Pnに供給する燃料流量を監視制御するようにした。
【選択図】 図1
【解決手段】各燃料配管P1、P2、…Pnの燃料流量が等しければ、前記各静圧取出口7−1、7−2、…7−nの静圧は等しく、燃料流量偏差監視マノメータ9の各水位は等しいという原理に基づいて、燃料流量偏差監視マノメータ9の各水位を監視制御することにより、各燃料配管P1、P2、…Pnに供給する燃料流量を監視制御するようにした。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガスタービン燃焼器の燃料流量監視制御装置に係り、特に高価な計測システムを採用することなく、各燃焼器用配管の燃料流量を確実に監視できるようにしたガスタービン燃焼器の燃料流量監視制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ガスタービンプラントは、空気圧縮機とガスタービンとの間に燃焼器を複数個組み込み、これらの燃焼器に圧縮機からの圧縮空気を導き、燃料を添加し燃焼ガスを生成し、この生成した高温高圧の燃焼ガスをガスタービン本体に送ってタービン軸を回転させ、動力を得るように構成されている。
【0003】
ところで、前記ガスタービンの燃料は、燃料タンクまたは燃料母管から複数系統の燃料配管により引き出され、圧力調節弁や流量調節弁を通過した後にマニホールドと称する分岐管により複数の燃焼器用配管に分配されるようになっている。この燃焼器用配管に分配された燃料は、さらに燃料ヘッダから複数の燃料ノズルに分配されて燃焼器内へと供給される。
【0004】
分岐管により分配された燃料流量、あるいは燃料ヘッダから個々の燃料ノズルに供給される燃料流量を計測するには、個々に温度プローブ、圧力計、流量計およびデータ収録装置等を設置する必要があり、これらは高価であるため、各燃料配管へ供給される燃料流量は計測されていないのが実情である。
【0005】
前記燃料ノズルあるいは燃料配管に異常状態(例えば、異物が詰まったり、漏洩が生じた場合)が生じた場合には、各燃焼器間での燃料供給量に偏りが生じ、燃焼器の燃焼状態が設計状態から外れるとともにタービンへ供給される燃焼ガス温度にも偏りが生じるためタービン翼も悪条件に曝されることになる。
【0006】
なお、複数の燃焼器への燃料供給量の偏りを検知する技術としては、ガスタービン本体の後流にて計測する排気スプレッドを監視するものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
すなわち図10に示すように、排気部48に、燃焼器43と同一円周位置に配置した複数個の燃焼器と同一個数の排ガス温度検出器49を設置している。この温度検出器49で排ガス温度分布を測定し、そのバラツキが高温部品の熱応力許容範囲以上である場合、該当する燃焼器への燃料量を燃料調節弁44にて調節するものである。
【0008】
また、この他にも従来の燃料流量制御装置として図11に示されるものがある(例えば、特許文献2)。
図11において、燃料は入口配管53から主管51へ流入し、さらに支管52によって燃焼器54へ導かれる。各配管の流量計57および58と、燃焼器の空気流路55に設置した流量計59の出力をもとに、演算器60にて燃空比の偏差を小さくするようにコントローラ61にて流量調整弁56を制御するようにしている。
【0009】
【特許文献1】
特公平6−52056号公報
【特許文献2】
特開平9−189242号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
最近のガスタービンプラントにおいては、更なる低NOx化の観点で予混合燃焼を取り入れているため、燃料系統が増加し、複雑化する傾向にある。燃料系統の増加、複雑化により燃料ノズルおよび燃料配管に係わる異常が生じる危険性も増加し、燃焼器の燃料配分も安定した設計通りの運転を実現するためには、精度の高い燃料流量制御が求められている。
【0011】
このような現状にありながら、個々の燃焼器へ供給される燃料流量は十分に管理されておらず、燃料系統の異常を検出する手段は排気スプレッドの偏りから間接的に推測するに留まっている。
【0012】
しかし排気スプレッド監視のみでは、異常が生じた燃焼器の特定が困難であること、異常原因が燃料系、空気系のいずれによるものであるかを特定することが困難であること、異常部位が燃焼器なのかタービン本体なのか特定するのが困難であること等の課題を有しており、モニタリングが十分であるとはいえない。
【0013】
従来のガスタービン燃焼器では、各燃料系統ごとに計測される燃料総量は監視されるが、燃料マニホールドおよび燃料ヘッダから個々の燃料ノズルへ分配される燃料流量はコストの観点から計測されなかったか、あるいは計測した場合にはコストが高くつくといった課題が残っている。
【0014】
本発明は、以上述べた事情に鑑みなされたもので、複数の燃焼器へ供給される個々の燃料流量の偏り、さらには燃料供給系統の異常を安価に、大規模な設備改造をすることなく監視できるガスタービン燃焼器の燃料流量監視制御装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、請求項1記載の発明は、ガスタービン燃料を複数の燃焼器の燃料ノズルへ分配する燃料供給系統を備えたガスタービン燃焼器の燃料流量監視制御装置において、前記それぞれの燃料供給系統を構成する燃料配管に圧力取出部を設け、この圧力取出部で取り出した圧力を導圧管を介してマノメータに集合し、液面高さの差を計測することにより、各燃料配管に供給される燃料流量の偏差を監視することを特徴とするものである。
【0016】
また、請求項2記載の発明は、前記圧力取出部が静圧取出口あるいは全圧プローブであることを特徴とするものである。
また、請求項3記載の発明は、ガスタービン燃料を複数の燃焼器の燃料ノズルへ分配する燃料供給系統を備えたガスタービン燃焼器の燃料流量監視制御装置において、前記分岐後のそれぞれの燃料供給系統の燃料配管に全圧プローブおよび静圧取出口を設置し、これら全圧プローブおよび静圧取出口をそれぞれ全圧導圧管および静圧導圧管介して単一のマノメータに集合し、液面高さの差を計測することにより、各燃料配管に供給される燃料流量の偏差を監視することを特徴とするものである。
【0017】
請求項1乃至3に係る発明によれば、分岐後の各燃料配管から静圧、全圧のいずれかあるいは両方を引き出し、マノメータに集合して液面高さの差を計測することによって、個々に高価な燃料流量計測機器を使用することなく、ガスタービン燃焼器の燃料流量の偏差を監視または監視制御を行うことができる。
【0018】
さらに、請求項4記載の発明は、前記各燃料配管に対する燃料圧力計測位置を任意に選定し、対応するマノメータのそれぞれの液面零点位置を予め個々に設定しておき、この設定値と流量計測時の実際の水位との差の配管間の偏差を監視することを特徴とするものである。
この発明によれば、マノメータの零点との指示差の配管間の偏差を監視することにより、燃料系統の異常等を検知することができる。
【0019】
さらに、請求項5項に記載の発明は、前記各燃料配管に供給される燃料流量の偏差を監視し、この燃料流量偏差から最適な燃料配分となるよう前記流量調節弁を制御することを特徴とするものである。
この発明によれば、燃焼器への燃料供給の偏りを是正することができ、燃焼状態を設計状態に維持することができる。
【0020】
さらに、請求項6記載の発明は、前記マノメータでの液面高さの表示値を監視カメラで検出し、この検出信号をディジタル処理して監視または制御に供することを特徴とするものである。
この発明によれば、マノメータでの液面高さの表示値を監視カメラで検出するようにしたので、マノメータ設置場所から離れた場所にいてもモニタ等により燃焼燃料の供給状態を把握することができる。
【0021】
さらに、請求項7記載の発明は、前記各燃料配管に供給される燃料流量の偏差が予め設定した予定値を越えた場合、その旨出力することを特徴とするものである。
この発明によれば、万一、燃料流量の偏差が予め設定した予定値を越えた場合でも、運転員に報知することができるので、運用上大変便利である。
【0022】
さらにまた、請求項8記載の発明は、燃料流量偏差を計測するための圧力取出口およびマノメータを、同一燃料系統配管に少なくとも2箇所以上設置し、燃料配管の異常発生位置を特定することを特徴とするものである。
この発明によれば、燃料配管の異常発生位置を特定することができる。
【0023】
さらにまた、請求項9記載の発明は、測定した燃料流量の偏差を一定時間間隔ごとに記憶して燃料流量偏差の経時的変化を監視し、予め設定した偏差値を越えた場合にその旨報知することを特徴とするものである。
この発明によれば、燃料流量偏差の経時的な累積値が予め設定した偏差値を越えた場合に燃料系統配管の点検、や洗浄の時期を報知することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るガスタービン燃焼器の燃料流量監視制御装置の各実施の形態について図面を参照して説明する。
【0025】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明に係るガスタービン燃焼器の燃料流量監視制御装置の第1の実施の形態を示すシステム構成図である。
燃料母管1は圧力調節弁2を経て分岐管(マニホールド)により複数列例えばM列の燃料系統F1、F2、F3、〜Fmに分岐されている。この燃料系統F1、F2、F3、F4、〜Fmは、それぞれ流量計3および流量調節弁4を介した上で、さらに燃焼器の個数に応じてn個に分岐され、それぞれ燃料配管P1、P2、…Pnを経て燃焼器1〜Nに接続されるように構成されている。
【0026】
そして、前記各燃料配管P1、P2、…Pnには、同一断面に形成した圧力取出部6−1、6−2、6−3、・・・6−nを設けるとともに、分岐部近傍の下流にそれぞれの燃料流量を調節するための流量調節弁5−1、5−2、5−3、…5−nを設けている。7−1、7−2、…7−nは前記圧力取出部6−1、6−2、6−3、・・・6−nに設けた静圧取出口であり、導圧管8−1、8−2、8−3、…8−nを介して燃料流量偏差監視用マノメータ(以下、単にマノメータと称する)9Sへと連通している。
【0027】
このマノメータ9Sに表示された各水位は、前記各静圧取出口7−1、7−2、…7−nにおける静圧に対応しており、その静圧そのものは前記各燃料配管P1、P2、…Pnの燃料流量に対応しているため、マノメータ9Sにおいて各水位の差すなわち水位偏差を監視することが、前記各燃料配管P1、P2、…Pnの燃料流量の偏差を監視することになる。
【0028】
10は前記マノメータ9に表示されている各水位を映像として捉え、監視モニタ11によって表示するための監視カメラであり、例えばCCDカメラ、工業用カメラ等で構成されている。なお、この監視カメラ11の出力信号がディジタルデータであれば、後のデータ処理に便利である。また、12はディジタル演算装置であり、この監視カメラ10の出力信号を入力し、入力信号がアナログデータの場合は先ずディタルデータに変換してから演算処理し、入力信号がディジタルデータの場合はそのまま演算処理して燃料流量偏差を求め、この偏差を比較監視したり、その偏差に基づいて各燃料配管の燃料流量が最適な配分となるように、前記各流量調節弁5−1、5−2、…5−nに弁開度信号を出力したり、あるいは燃料流量偏差が所定値以上の場合、モニタ11に警報表示やガイダンスを出力するように機能する。勿論音による警報であってもよい。
【0029】
本実施の形態は、前記マノメータ9Sの各水位が等しいか若しくはそれぞれの水位の偏差が大きく異ならない場合には、各燃料配管P1、P2、…Pnに供給する燃料流量が適正であると判定し、各流量調節弁5−1、5−2、5−3、…5−nの調節は行わない。
【0030】
しかし、前記水位偏差が予め設定してある許容値から外れた場合、各燃料配管P1、P2、P3、…Pnに供給する燃料流量が最適な配分となるように、前記流量調節弁5−1、5−2、…5−nの弁開度をそれぞれ調節する。また、必要に応じて警報表示やガイダンスを出力する。
【0031】
なお、以上の本実施の形態では、監視カメラ10で前記マノメータ9Sの指示水位を映像として撮影し、モニタ11に表示したり、ディジタル演算処理装置12で各流量制御弁5を調節する場合について説明したが、これら、監視カメラ10、モニタ11、ディジタル演算処理装置12を設置せずに、運転員が直接前記マノメータ9Sを監視し、手動で前記流量調節弁5−1、5−2、…5−nを調節するようにしてもよい。
【0032】
本実施の形態は、以上述べたように、分岐後の各燃料配管から静圧を引き出し、マノメータ9Sに集合して液面高さの差を計測する構成したので、マノメータ9Sの各水位を監視あるいは監視制御することにより、安価な設備費で各燃料配管P1、P2、…Pnに供給する燃料流量を最適な状態制御することができる。
【0033】
(第2の実施の形態)
図2は、本発明に係るガスタービン燃焼器の燃料流量監視制御装置の第2の実施の形態を示すシステム構成図である。
本実施の形態において、第1の実施の形態の構成部品と同一部分には同一符号を付して重複する説明をさけ、異なる部分について説明する。
【0034】
本実施の形態は第1の実施の形態の同一断面形状の各燃料配管P1、P2、P3、…Pnの圧力取出部6−1、6−2、・・・6−nを、前記静圧取出口7−1、7−2、…7−nに替えて、全圧プローブ13−1、13−2、・・・13−nとしたものである。
【0035】
この全圧プローブ13−1、13−2、・・・13−nの場合も、燃料流量偏差監視マノメータ9Tの各水位が各燃料配管P1、P2、P3、…Pnの全圧に応じて表示されるため、第1の実施の形態の場合と同様の作用効果を奏すことができる。
【0036】
(第3の実施の形態)
図3は、本発明に係るガスタービン燃焼器の燃料流量監視制御装置の第3の実施の形態を示すシステム構成図である。
本実施の形態において、第1の実施の形態あるいは第2の実施の形態の構成部品と同一部分には同一符号を付して重複する説明をさけ、異なる部分について説明する。
【0037】
本実施の形態は、各燃料配管P1,P2,…Pnの同一断面形状の圧力取出部6−1、6−2、・・・6−nに静圧口7−1、7−2、・・・7−nと、全圧プローブ13−1、13−2、・・・13−nの2系統設け、さらにそれぞれの導圧管8−1、8−2、…8−n、8’−1、8’−2、…8’−nを静圧用マノメータ9Sと、全圧用マノメータ9Tとに集合させた構成としたものである。
【0038】
本実施の形態によれば、静圧監視による燃料流量偏差と、全圧監視による燃料流量偏差との両方を監視あるいは監視制御するようにしたもので、燃料系統の異常等を検知することができる。
【0039】
(第4の実施の形態)
図4は、本発明に係るガスタービン燃焼器の燃料流量監視制御装置の第4の実施の形態を示すシステム構成図である。
本実施の形態において、第1の実施の形態から第3の実施の形態までの構成部品と同一部分には同一符号を付して重複する説明を避け、異なる部分について説明する。
【0040】
本実施の形態は、同一断面形状の各燃料配管の圧力取出部6−1、6−2、・・・6−nを、静圧取出口7と全圧プローブ13−1、13−2、・・・13−nの2系統設け、さらに導圧管8−1、8−2、…8−n、8’−1、8’−2、…8’−nを全圧および静圧偏差監視用マノメータ14に集合させて、全圧および静圧の両方を監視する構成としたものである。
本実施の形態においても、全圧および静圧の両方を用いて燃料流量偏差を監視することで、燃料系統の異常等を検知することができる。
【0041】
(第5の実施の形態)
図5は、本発明に係るガスタービン燃焼器の燃料流量監視制御装置の第5の実施の形態を示すシステム構成図である。
第1の実施の形態から第4の実施の形態の構成部品と同一部分には同一符号を付して重複する説明を避け、異なる部分について説明する。
【0042】
本実施の形態は、好ましくは第1の実施の形態から第4の実施の形態におけるいずれか一つの実施の形態と組み合わされて実施されるもので、燃料ヘッダ15による分岐後の同一断面形状の圧力取出部に全圧プローブ13−1、…あるいは静圧取出口7−1、…設け、図示しない流量偏差監視マノメータに集合させる構成としたものであり、その他は既に説明した実施の形態と同様に構成される。すなわち流量監視マノメータは図3に示した流量監視マノメータ7S,9T、あるいは図4に示した流量監視マノメータ14などとすることができる。
【0043】
本実施形態によれば、各燃料配管に供給される燃料流量が適正であるかだけでなく、各燃焼器に設けられる燃料ノズルでの流量が適正であるかを判定することができる。
【0044】
(第6の実施の形態)
図6は、本発明に係るガスタービン燃焼器の燃料流量監視制御装置の第6の実施の形態を示すシステム構成図である。
第1から第5の実施の形態の構成部品と同一部分には同一符号を付して重複する説明を避け、異なる部分について説明する。
【0045】
本実施の形態は以上説明した、第1の実施の形態から第5の実施の形態におけるいずれか一つの実施の形態と組み合わされて実施されるもので、異なる長さ、方向および位置のしかも同一断面形状の各燃料配管に、16なる圧力取出部(全圧プローブあるいは静圧口)を設け、各圧力を導圧管によってマノメータ17に集合させる構成としたものである。
【0046】
このマノメータ17には予め個々の各配管圧力損失に対応する零点位置を予め設定しておき、零点との指示差の配管間の偏差を監視して燃料流量偏差を監視し、燃料系統の異常等を検知することができる。また、燃料圧力計測長さ、方向、位置も任意に選定することができる。
このマノメータ17の表示値をモニタに表示するためあるいは各種監視制御用に利用するため、監視カメラで撮影するようにしてもよい。
【0047】
(第7の実施の形態)
本発明に係るガスタービン燃焼器の燃料流量監視制御装置の第7の実施の形態の例を図7(a)〜(d)に示す。
本実施の形態は、第1の実施の形態から第6の実施の形態のいずれか一つの実施の形態と組み合わされて実施されるものであり、測定した燃料流量の偏差から燃料ノズル、燃料配管の詰まりあるいは漏洩の発生と判断し、その旨表示したり警報を発するようになっている。
【0048】
図7(a)は特定の燃料配管の全圧が他管よりも小さい場合、(b)は特定の燃料配管の全圧が他管よりも大きい場合、(c)は特定の燃料配管の静圧が他管よりも小さい場合、(d)は特定の燃料配管の静圧が他管よりも大きい場合の異常判断例を示している。
【0049】
(第8の実施の形態)
本発明に係るガスタービン燃焼器の燃料流量監視制御装置の第8の実施の形態を図8を用いて示す。
第1の実施の形態から第7の実施の形態の構成部品と同一部分には同一符号を付して重複する説明を避け、異なる部分について説明する。
【0050】
本実施の形態は、燃料流量偏差を計測するための圧力取出部(静圧取出部)71−1、71−2、71−n、72−1、72−2、72−nおよびマノメータ9S−1、9S−2を同一燃料系統配管に少なくとも2箇所以上設置し、2箇所以上に設置したマノメータ9S−1、9S−2の表示値を監視することにより、燃料配管の異常発生位置を特定するようにしたものである。
なお、静圧の代わりに全圧を用いても、あるいは全圧と静圧の双方を用いてもよい。
【0051】
(経時的燃料流量偏差と警報値との関係)
図9は、以上のべたガスタービン燃焼器の燃料流量監視制御装置の実施の形態における経時的な燃料流量偏差と警報値との関係を示す概念図であり、図示しないディジタル演算装置によって、測定した燃料流量の偏差を一定時間間隔ごとに順次記憶して燃料流量偏差の経時的変化を監視し、予め設定した偏差値を越えた場合に燃料系統配管に対する「要点検」あるいは「要洗浄」等のメッセージを運転員に知らせるようにしたものである。
【0052】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明に係るガスタービン燃焼器の燃料流量監視制御装置は、分岐後の各燃料配管から静圧、全圧のいずれかあるいは両方を引き出し、マノメータに集合して液面高さの差を計測することによって、個々に高価な燃料流量計測機器を使用することなく、燃料流量の偏差を監視または監視制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るガスタービン燃焼器の燃料流量監視制御装置の第1の実施の形態を示すシステム概略図。
【図2】本発明に係るガスタービン燃焼器の燃料流量監視制御装置の第2の実施の形態を示すシステム概略図。
【図3】本発明に係るガスタービン燃焼器の燃料流量監視制御装置の第3の実施の形態を示すシステム概略図。
【図4】本発明に係るガスタービン燃焼器の燃料流量監視制御装置の第4の実施の形態を示すシステム概略図。
【図5】本発明に係るガスタービン燃焼器の燃料流量監視制御装置の第5の実施の形態を示すシステム概略図。
【図6】本発明に係るガスタービン燃焼器の燃料流量監視制御装置の第6の実施の形態を示すシステム概略図。
【図7】本発明に係るガスタービン燃焼器の燃料流量監視制御装置の第7の実施の形態を示す異常判断例。
【図8】本発明に係るガスタービン燃焼器の燃料流量監視制御装置の第8の実施の形態を示すシステム概略図。
【図9】本発明に係るガスタービン燃焼器の燃料流量監視制御装置のいずれかの実施の形態に用いられる経時的燃料流量偏差と警報値との関係を示す概念図。
【図10】従来のガスタービン燃焼温度制御装置の実施の形態を示す燃料制御システム図。
【図11】従来のガスタービンの燃料流量制御装置の実施の形態を示す燃料制御システム図。
【符号の説明】
1…燃料タンクまたは燃料母管、2…流量計、3…圧力調節弁、4…流量調節弁、5…流量調節弁、6…圧力取出部、7−1…静圧取出口、8−1,…,8’−1…導圧管、9S,9T,14,17…燃料流量偏差監視マノメータ、10…監視カメラ、11…モニタ、12…ディジタル演算装置、13…全圧プローブ、15…燃料ヘッダ、16…全圧プローブ(静圧取出口)。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガスタービン燃焼器の燃料流量監視制御装置に係り、特に高価な計測システムを採用することなく、各燃焼器用配管の燃料流量を確実に監視できるようにしたガスタービン燃焼器の燃料流量監視制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ガスタービンプラントは、空気圧縮機とガスタービンとの間に燃焼器を複数個組み込み、これらの燃焼器に圧縮機からの圧縮空気を導き、燃料を添加し燃焼ガスを生成し、この生成した高温高圧の燃焼ガスをガスタービン本体に送ってタービン軸を回転させ、動力を得るように構成されている。
【0003】
ところで、前記ガスタービンの燃料は、燃料タンクまたは燃料母管から複数系統の燃料配管により引き出され、圧力調節弁や流量調節弁を通過した後にマニホールドと称する分岐管により複数の燃焼器用配管に分配されるようになっている。この燃焼器用配管に分配された燃料は、さらに燃料ヘッダから複数の燃料ノズルに分配されて燃焼器内へと供給される。
【0004】
分岐管により分配された燃料流量、あるいは燃料ヘッダから個々の燃料ノズルに供給される燃料流量を計測するには、個々に温度プローブ、圧力計、流量計およびデータ収録装置等を設置する必要があり、これらは高価であるため、各燃料配管へ供給される燃料流量は計測されていないのが実情である。
【0005】
前記燃料ノズルあるいは燃料配管に異常状態(例えば、異物が詰まったり、漏洩が生じた場合)が生じた場合には、各燃焼器間での燃料供給量に偏りが生じ、燃焼器の燃焼状態が設計状態から外れるとともにタービンへ供給される燃焼ガス温度にも偏りが生じるためタービン翼も悪条件に曝されることになる。
【0006】
なお、複数の燃焼器への燃料供給量の偏りを検知する技術としては、ガスタービン本体の後流にて計測する排気スプレッドを監視するものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
すなわち図10に示すように、排気部48に、燃焼器43と同一円周位置に配置した複数個の燃焼器と同一個数の排ガス温度検出器49を設置している。この温度検出器49で排ガス温度分布を測定し、そのバラツキが高温部品の熱応力許容範囲以上である場合、該当する燃焼器への燃料量を燃料調節弁44にて調節するものである。
【0008】
また、この他にも従来の燃料流量制御装置として図11に示されるものがある(例えば、特許文献2)。
図11において、燃料は入口配管53から主管51へ流入し、さらに支管52によって燃焼器54へ導かれる。各配管の流量計57および58と、燃焼器の空気流路55に設置した流量計59の出力をもとに、演算器60にて燃空比の偏差を小さくするようにコントローラ61にて流量調整弁56を制御するようにしている。
【0009】
【特許文献1】
特公平6−52056号公報
【特許文献2】
特開平9−189242号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
最近のガスタービンプラントにおいては、更なる低NOx化の観点で予混合燃焼を取り入れているため、燃料系統が増加し、複雑化する傾向にある。燃料系統の増加、複雑化により燃料ノズルおよび燃料配管に係わる異常が生じる危険性も増加し、燃焼器の燃料配分も安定した設計通りの運転を実現するためには、精度の高い燃料流量制御が求められている。
【0011】
このような現状にありながら、個々の燃焼器へ供給される燃料流量は十分に管理されておらず、燃料系統の異常を検出する手段は排気スプレッドの偏りから間接的に推測するに留まっている。
【0012】
しかし排気スプレッド監視のみでは、異常が生じた燃焼器の特定が困難であること、異常原因が燃料系、空気系のいずれによるものであるかを特定することが困難であること、異常部位が燃焼器なのかタービン本体なのか特定するのが困難であること等の課題を有しており、モニタリングが十分であるとはいえない。
【0013】
従来のガスタービン燃焼器では、各燃料系統ごとに計測される燃料総量は監視されるが、燃料マニホールドおよび燃料ヘッダから個々の燃料ノズルへ分配される燃料流量はコストの観点から計測されなかったか、あるいは計測した場合にはコストが高くつくといった課題が残っている。
【0014】
本発明は、以上述べた事情に鑑みなされたもので、複数の燃焼器へ供給される個々の燃料流量の偏り、さらには燃料供給系統の異常を安価に、大規模な設備改造をすることなく監視できるガスタービン燃焼器の燃料流量監視制御装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、請求項1記載の発明は、ガスタービン燃料を複数の燃焼器の燃料ノズルへ分配する燃料供給系統を備えたガスタービン燃焼器の燃料流量監視制御装置において、前記それぞれの燃料供給系統を構成する燃料配管に圧力取出部を設け、この圧力取出部で取り出した圧力を導圧管を介してマノメータに集合し、液面高さの差を計測することにより、各燃料配管に供給される燃料流量の偏差を監視することを特徴とするものである。
【0016】
また、請求項2記載の発明は、前記圧力取出部が静圧取出口あるいは全圧プローブであることを特徴とするものである。
また、請求項3記載の発明は、ガスタービン燃料を複数の燃焼器の燃料ノズルへ分配する燃料供給系統を備えたガスタービン燃焼器の燃料流量監視制御装置において、前記分岐後のそれぞれの燃料供給系統の燃料配管に全圧プローブおよび静圧取出口を設置し、これら全圧プローブおよび静圧取出口をそれぞれ全圧導圧管および静圧導圧管介して単一のマノメータに集合し、液面高さの差を計測することにより、各燃料配管に供給される燃料流量の偏差を監視することを特徴とするものである。
【0017】
請求項1乃至3に係る発明によれば、分岐後の各燃料配管から静圧、全圧のいずれかあるいは両方を引き出し、マノメータに集合して液面高さの差を計測することによって、個々に高価な燃料流量計測機器を使用することなく、ガスタービン燃焼器の燃料流量の偏差を監視または監視制御を行うことができる。
【0018】
さらに、請求項4記載の発明は、前記各燃料配管に対する燃料圧力計測位置を任意に選定し、対応するマノメータのそれぞれの液面零点位置を予め個々に設定しておき、この設定値と流量計測時の実際の水位との差の配管間の偏差を監視することを特徴とするものである。
この発明によれば、マノメータの零点との指示差の配管間の偏差を監視することにより、燃料系統の異常等を検知することができる。
【0019】
さらに、請求項5項に記載の発明は、前記各燃料配管に供給される燃料流量の偏差を監視し、この燃料流量偏差から最適な燃料配分となるよう前記流量調節弁を制御することを特徴とするものである。
この発明によれば、燃焼器への燃料供給の偏りを是正することができ、燃焼状態を設計状態に維持することができる。
【0020】
さらに、請求項6記載の発明は、前記マノメータでの液面高さの表示値を監視カメラで検出し、この検出信号をディジタル処理して監視または制御に供することを特徴とするものである。
この発明によれば、マノメータでの液面高さの表示値を監視カメラで検出するようにしたので、マノメータ設置場所から離れた場所にいてもモニタ等により燃焼燃料の供給状態を把握することができる。
【0021】
さらに、請求項7記載の発明は、前記各燃料配管に供給される燃料流量の偏差が予め設定した予定値を越えた場合、その旨出力することを特徴とするものである。
この発明によれば、万一、燃料流量の偏差が予め設定した予定値を越えた場合でも、運転員に報知することができるので、運用上大変便利である。
【0022】
さらにまた、請求項8記載の発明は、燃料流量偏差を計測するための圧力取出口およびマノメータを、同一燃料系統配管に少なくとも2箇所以上設置し、燃料配管の異常発生位置を特定することを特徴とするものである。
この発明によれば、燃料配管の異常発生位置を特定することができる。
【0023】
さらにまた、請求項9記載の発明は、測定した燃料流量の偏差を一定時間間隔ごとに記憶して燃料流量偏差の経時的変化を監視し、予め設定した偏差値を越えた場合にその旨報知することを特徴とするものである。
この発明によれば、燃料流量偏差の経時的な累積値が予め設定した偏差値を越えた場合に燃料系統配管の点検、や洗浄の時期を報知することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るガスタービン燃焼器の燃料流量監視制御装置の各実施の形態について図面を参照して説明する。
【0025】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明に係るガスタービン燃焼器の燃料流量監視制御装置の第1の実施の形態を示すシステム構成図である。
燃料母管1は圧力調節弁2を経て分岐管(マニホールド)により複数列例えばM列の燃料系統F1、F2、F3、〜Fmに分岐されている。この燃料系統F1、F2、F3、F4、〜Fmは、それぞれ流量計3および流量調節弁4を介した上で、さらに燃焼器の個数に応じてn個に分岐され、それぞれ燃料配管P1、P2、…Pnを経て燃焼器1〜Nに接続されるように構成されている。
【0026】
そして、前記各燃料配管P1、P2、…Pnには、同一断面に形成した圧力取出部6−1、6−2、6−3、・・・6−nを設けるとともに、分岐部近傍の下流にそれぞれの燃料流量を調節するための流量調節弁5−1、5−2、5−3、…5−nを設けている。7−1、7−2、…7−nは前記圧力取出部6−1、6−2、6−3、・・・6−nに設けた静圧取出口であり、導圧管8−1、8−2、8−3、…8−nを介して燃料流量偏差監視用マノメータ(以下、単にマノメータと称する)9Sへと連通している。
【0027】
このマノメータ9Sに表示された各水位は、前記各静圧取出口7−1、7−2、…7−nにおける静圧に対応しており、その静圧そのものは前記各燃料配管P1、P2、…Pnの燃料流量に対応しているため、マノメータ9Sにおいて各水位の差すなわち水位偏差を監視することが、前記各燃料配管P1、P2、…Pnの燃料流量の偏差を監視することになる。
【0028】
10は前記マノメータ9に表示されている各水位を映像として捉え、監視モニタ11によって表示するための監視カメラであり、例えばCCDカメラ、工業用カメラ等で構成されている。なお、この監視カメラ11の出力信号がディジタルデータであれば、後のデータ処理に便利である。また、12はディジタル演算装置であり、この監視カメラ10の出力信号を入力し、入力信号がアナログデータの場合は先ずディタルデータに変換してから演算処理し、入力信号がディジタルデータの場合はそのまま演算処理して燃料流量偏差を求め、この偏差を比較監視したり、その偏差に基づいて各燃料配管の燃料流量が最適な配分となるように、前記各流量調節弁5−1、5−2、…5−nに弁開度信号を出力したり、あるいは燃料流量偏差が所定値以上の場合、モニタ11に警報表示やガイダンスを出力するように機能する。勿論音による警報であってもよい。
【0029】
本実施の形態は、前記マノメータ9Sの各水位が等しいか若しくはそれぞれの水位の偏差が大きく異ならない場合には、各燃料配管P1、P2、…Pnに供給する燃料流量が適正であると判定し、各流量調節弁5−1、5−2、5−3、…5−nの調節は行わない。
【0030】
しかし、前記水位偏差が予め設定してある許容値から外れた場合、各燃料配管P1、P2、P3、…Pnに供給する燃料流量が最適な配分となるように、前記流量調節弁5−1、5−2、…5−nの弁開度をそれぞれ調節する。また、必要に応じて警報表示やガイダンスを出力する。
【0031】
なお、以上の本実施の形態では、監視カメラ10で前記マノメータ9Sの指示水位を映像として撮影し、モニタ11に表示したり、ディジタル演算処理装置12で各流量制御弁5を調節する場合について説明したが、これら、監視カメラ10、モニタ11、ディジタル演算処理装置12を設置せずに、運転員が直接前記マノメータ9Sを監視し、手動で前記流量調節弁5−1、5−2、…5−nを調節するようにしてもよい。
【0032】
本実施の形態は、以上述べたように、分岐後の各燃料配管から静圧を引き出し、マノメータ9Sに集合して液面高さの差を計測する構成したので、マノメータ9Sの各水位を監視あるいは監視制御することにより、安価な設備費で各燃料配管P1、P2、…Pnに供給する燃料流量を最適な状態制御することができる。
【0033】
(第2の実施の形態)
図2は、本発明に係るガスタービン燃焼器の燃料流量監視制御装置の第2の実施の形態を示すシステム構成図である。
本実施の形態において、第1の実施の形態の構成部品と同一部分には同一符号を付して重複する説明をさけ、異なる部分について説明する。
【0034】
本実施の形態は第1の実施の形態の同一断面形状の各燃料配管P1、P2、P3、…Pnの圧力取出部6−1、6−2、・・・6−nを、前記静圧取出口7−1、7−2、…7−nに替えて、全圧プローブ13−1、13−2、・・・13−nとしたものである。
【0035】
この全圧プローブ13−1、13−2、・・・13−nの場合も、燃料流量偏差監視マノメータ9Tの各水位が各燃料配管P1、P2、P3、…Pnの全圧に応じて表示されるため、第1の実施の形態の場合と同様の作用効果を奏すことができる。
【0036】
(第3の実施の形態)
図3は、本発明に係るガスタービン燃焼器の燃料流量監視制御装置の第3の実施の形態を示すシステム構成図である。
本実施の形態において、第1の実施の形態あるいは第2の実施の形態の構成部品と同一部分には同一符号を付して重複する説明をさけ、異なる部分について説明する。
【0037】
本実施の形態は、各燃料配管P1,P2,…Pnの同一断面形状の圧力取出部6−1、6−2、・・・6−nに静圧口7−1、7−2、・・・7−nと、全圧プローブ13−1、13−2、・・・13−nの2系統設け、さらにそれぞれの導圧管8−1、8−2、…8−n、8’−1、8’−2、…8’−nを静圧用マノメータ9Sと、全圧用マノメータ9Tとに集合させた構成としたものである。
【0038】
本実施の形態によれば、静圧監視による燃料流量偏差と、全圧監視による燃料流量偏差との両方を監視あるいは監視制御するようにしたもので、燃料系統の異常等を検知することができる。
【0039】
(第4の実施の形態)
図4は、本発明に係るガスタービン燃焼器の燃料流量監視制御装置の第4の実施の形態を示すシステム構成図である。
本実施の形態において、第1の実施の形態から第3の実施の形態までの構成部品と同一部分には同一符号を付して重複する説明を避け、異なる部分について説明する。
【0040】
本実施の形態は、同一断面形状の各燃料配管の圧力取出部6−1、6−2、・・・6−nを、静圧取出口7と全圧プローブ13−1、13−2、・・・13−nの2系統設け、さらに導圧管8−1、8−2、…8−n、8’−1、8’−2、…8’−nを全圧および静圧偏差監視用マノメータ14に集合させて、全圧および静圧の両方を監視する構成としたものである。
本実施の形態においても、全圧および静圧の両方を用いて燃料流量偏差を監視することで、燃料系統の異常等を検知することができる。
【0041】
(第5の実施の形態)
図5は、本発明に係るガスタービン燃焼器の燃料流量監視制御装置の第5の実施の形態を示すシステム構成図である。
第1の実施の形態から第4の実施の形態の構成部品と同一部分には同一符号を付して重複する説明を避け、異なる部分について説明する。
【0042】
本実施の形態は、好ましくは第1の実施の形態から第4の実施の形態におけるいずれか一つの実施の形態と組み合わされて実施されるもので、燃料ヘッダ15による分岐後の同一断面形状の圧力取出部に全圧プローブ13−1、…あるいは静圧取出口7−1、…設け、図示しない流量偏差監視マノメータに集合させる構成としたものであり、その他は既に説明した実施の形態と同様に構成される。すなわち流量監視マノメータは図3に示した流量監視マノメータ7S,9T、あるいは図4に示した流量監視マノメータ14などとすることができる。
【0043】
本実施形態によれば、各燃料配管に供給される燃料流量が適正であるかだけでなく、各燃焼器に設けられる燃料ノズルでの流量が適正であるかを判定することができる。
【0044】
(第6の実施の形態)
図6は、本発明に係るガスタービン燃焼器の燃料流量監視制御装置の第6の実施の形態を示すシステム構成図である。
第1から第5の実施の形態の構成部品と同一部分には同一符号を付して重複する説明を避け、異なる部分について説明する。
【0045】
本実施の形態は以上説明した、第1の実施の形態から第5の実施の形態におけるいずれか一つの実施の形態と組み合わされて実施されるもので、異なる長さ、方向および位置のしかも同一断面形状の各燃料配管に、16なる圧力取出部(全圧プローブあるいは静圧口)を設け、各圧力を導圧管によってマノメータ17に集合させる構成としたものである。
【0046】
このマノメータ17には予め個々の各配管圧力損失に対応する零点位置を予め設定しておき、零点との指示差の配管間の偏差を監視して燃料流量偏差を監視し、燃料系統の異常等を検知することができる。また、燃料圧力計測長さ、方向、位置も任意に選定することができる。
このマノメータ17の表示値をモニタに表示するためあるいは各種監視制御用に利用するため、監視カメラで撮影するようにしてもよい。
【0047】
(第7の実施の形態)
本発明に係るガスタービン燃焼器の燃料流量監視制御装置の第7の実施の形態の例を図7(a)〜(d)に示す。
本実施の形態は、第1の実施の形態から第6の実施の形態のいずれか一つの実施の形態と組み合わされて実施されるものであり、測定した燃料流量の偏差から燃料ノズル、燃料配管の詰まりあるいは漏洩の発生と判断し、その旨表示したり警報を発するようになっている。
【0048】
図7(a)は特定の燃料配管の全圧が他管よりも小さい場合、(b)は特定の燃料配管の全圧が他管よりも大きい場合、(c)は特定の燃料配管の静圧が他管よりも小さい場合、(d)は特定の燃料配管の静圧が他管よりも大きい場合の異常判断例を示している。
【0049】
(第8の実施の形態)
本発明に係るガスタービン燃焼器の燃料流量監視制御装置の第8の実施の形態を図8を用いて示す。
第1の実施の形態から第7の実施の形態の構成部品と同一部分には同一符号を付して重複する説明を避け、異なる部分について説明する。
【0050】
本実施の形態は、燃料流量偏差を計測するための圧力取出部(静圧取出部)71−1、71−2、71−n、72−1、72−2、72−nおよびマノメータ9S−1、9S−2を同一燃料系統配管に少なくとも2箇所以上設置し、2箇所以上に設置したマノメータ9S−1、9S−2の表示値を監視することにより、燃料配管の異常発生位置を特定するようにしたものである。
なお、静圧の代わりに全圧を用いても、あるいは全圧と静圧の双方を用いてもよい。
【0051】
(経時的燃料流量偏差と警報値との関係)
図9は、以上のべたガスタービン燃焼器の燃料流量監視制御装置の実施の形態における経時的な燃料流量偏差と警報値との関係を示す概念図であり、図示しないディジタル演算装置によって、測定した燃料流量の偏差を一定時間間隔ごとに順次記憶して燃料流量偏差の経時的変化を監視し、予め設定した偏差値を越えた場合に燃料系統配管に対する「要点検」あるいは「要洗浄」等のメッセージを運転員に知らせるようにしたものである。
【0052】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明に係るガスタービン燃焼器の燃料流量監視制御装置は、分岐後の各燃料配管から静圧、全圧のいずれかあるいは両方を引き出し、マノメータに集合して液面高さの差を計測することによって、個々に高価な燃料流量計測機器を使用することなく、燃料流量の偏差を監視または監視制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るガスタービン燃焼器の燃料流量監視制御装置の第1の実施の形態を示すシステム概略図。
【図2】本発明に係るガスタービン燃焼器の燃料流量監視制御装置の第2の実施の形態を示すシステム概略図。
【図3】本発明に係るガスタービン燃焼器の燃料流量監視制御装置の第3の実施の形態を示すシステム概略図。
【図4】本発明に係るガスタービン燃焼器の燃料流量監視制御装置の第4の実施の形態を示すシステム概略図。
【図5】本発明に係るガスタービン燃焼器の燃料流量監視制御装置の第5の実施の形態を示すシステム概略図。
【図6】本発明に係るガスタービン燃焼器の燃料流量監視制御装置の第6の実施の形態を示すシステム概略図。
【図7】本発明に係るガスタービン燃焼器の燃料流量監視制御装置の第7の実施の形態を示す異常判断例。
【図8】本発明に係るガスタービン燃焼器の燃料流量監視制御装置の第8の実施の形態を示すシステム概略図。
【図9】本発明に係るガスタービン燃焼器の燃料流量監視制御装置のいずれかの実施の形態に用いられる経時的燃料流量偏差と警報値との関係を示す概念図。
【図10】従来のガスタービン燃焼温度制御装置の実施の形態を示す燃料制御システム図。
【図11】従来のガスタービンの燃料流量制御装置の実施の形態を示す燃料制御システム図。
【符号の説明】
1…燃料タンクまたは燃料母管、2…流量計、3…圧力調節弁、4…流量調節弁、5…流量調節弁、6…圧力取出部、7−1…静圧取出口、8−1,…,8’−1…導圧管、9S,9T,14,17…燃料流量偏差監視マノメータ、10…監視カメラ、11…モニタ、12…ディジタル演算装置、13…全圧プローブ、15…燃料ヘッダ、16…全圧プローブ(静圧取出口)。
Claims (9)
- ガスタービン燃料を複数の燃焼器の燃料ノズルへ分配する燃料供給系統を備えたガスタービン燃焼器の燃料流量監視制御装置において、
前記それぞれの燃料供給系統を構成する燃料配管に圧力取出部を設け、この圧力取出部で取り出した圧力を導圧管を介してマノメータに集合し、液面高さの差を計測することにより、各燃料配管に供給される燃料流量の偏差を監視することを特徴とするガスタービン燃焼器の燃料流量監視制御装置。 - 前記圧力取出部が静圧取出口あるいは全圧プローブであることを特徴とする請求項1に記載のガスタービン燃焼器の燃料流量監視制御装置。
- ガスタービン燃料を複数の燃焼器の燃料ノズルへ分配する燃料供給系統を備えたガスタービン燃焼器の燃料流量監視制御装置において、
前記分岐後のそれぞれの燃料供給系統の燃料配管に全圧プローブおよび静圧取出口を設置し、これら全圧プローブおよび静圧取出口をそれぞれ全圧導圧管および静圧導圧管介して単一のマノメータに集合し、液面高さの差を計測することにより、各燃料配管に供給される燃料流量の偏差を監視することを特徴とするガスタービン燃焼器の燃料流量監視制御装置。 - 前記各燃料配管に対する燃料圧力計測位置を任意に選定し、対応するマノメータのそれぞれの液面零点位置を予め個々に設定しておき、この設定値と流量計測時の実際の水位との差の配管間の偏差を監視することを特徴とする請求項1〜請求項3に記載のガスタービン燃焼器の燃料流量監視制御装置。
- 前記各燃料配管に供給される燃料流量の偏差を監視し、この燃料流量偏差から最適な燃料配分となるよう前記流量調節弁を制御することを特徴とする請求項1〜請求項4に記載のガスタービン燃焼器の燃料流量監視制御装置。
- 前記マノメータでの液面高さの表示値を監視カメラで検出し、この検出信号をディジタル処理して監視または制御に供することを特徴とする請求項1〜請求項5記載のガスタービン燃焼器の燃料流量監視制御装置。
- 前記各燃料配管に供給される燃料流量の偏差が予め設定した予定値を越えた場合、その旨出力することを特徴とする請求項1〜請求項6に記載の燃料流量監視装置。
- 燃料流量偏差を計測するための圧力取出部およびマノメータを、同一燃料系統配管に少なくとも2箇所以上設置し、燃料配管の異常発生位置を特定することを特徴とする請求項1〜請求項7に記載のガスタービン燃焼器の燃料流量監視制御装置。
- 測定した燃料流量の偏差を一定時間間隔ごとに記憶して燃料流量偏差の経時的変化を監視し、予め設定した偏差値を越えた場合にその旨報知することを特徴とする請求項1〜請求項8に記載のガスタービン燃焼器の燃料流量監視制御装置。
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2003
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