JP2004278251A - 両開き式扉開閉装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】部品点数を少なく構造を簡単にし、且つ扉の断熱性を向上させることが可能な両開き式の扉開閉装置を得る。
【解決手段】扉10の上面及び下面の左右両端部には、恒温恒湿器の蝶番軸が係脱自在に係合する溝13a,13bを有する扉軸受け12a,12bが設けられる。扉軸受け12aには、溝13aから抜け出る蝶番軸6aをロックするための爪15aを有するロック部材14aが組み込まれる。上下のロック部材14aは、ロックシャフト16aによって連結される。また、ロックハンドル11aが、ばね17aを介してロックシャフト16aに連結される。ロックハンドル11aを手前側に引くと、ロックハンドル11aは、ばね17a及びロックシャフト16aを介して上下の爪15aが蝶番軸6aをロックする位置から開放する位置に爪15aを回動させる。
【選択図】 図2
【解決手段】扉10の上面及び下面の左右両端部には、恒温恒湿器の蝶番軸が係脱自在に係合する溝13a,13bを有する扉軸受け12a,12bが設けられる。扉軸受け12aには、溝13aから抜け出る蝶番軸6aをロックするための爪15aを有するロック部材14aが組み込まれる。上下のロック部材14aは、ロックシャフト16aによって連結される。また、ロックハンドル11aが、ばね17aを介してロックシャフト16aに連結される。ロックハンドル11aを手前側に引くと、ロックハンドル11aは、ばね17a及びロックシャフト16aを介して上下の爪15aが蝶番軸6aをロックする位置から開放する位置に爪15aを回動させる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷蔵庫や恒温恒宝器などに取り付けられた扉を、任意の側から開閉することが可能な両開き式扉開閉装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
冷蔵庫などに取り付けられる扉としては、一般に片開き式扉が市場に提供されていたが、近年、左右両開き可能な扉が市場に提供されている。両開き式の扉開閉装置として、例えば、下記特許文献1に記載されている、以下に述べる構造が提案されている。
【0003】
扉が取り付けられる装置本体の左右両端部に設けたヒンジ板を介してヒンシピンが突設されると共に、扉にはヒンシピンが扉の開放側から係脱自在に係合しうる係合溝を有する固定板が設けられる。この固定板の左右両部には、外径側に開いたラッチ滝によりヒンシピンに係脱自在に係合して、ヒンシピンを係合構内に拘束するラッチ板が回転自在に取り付けられる。これらのラッチ板はスプリングによって付勢される。両ラッチ板問には、一方のラッチ板の拘束解除方向の回転に連係して他方のラッチ板の回転を阻止する連結部材が設けられる。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−151452号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような両開き式の扉開閉装置では、ヒンジ板や固定板など複数の部材が必要となり、且つ構造が複雑になるという問題がある。また、扉の内部に複数の部材、すなわち、扉開閉装置を設ける必要があるので、扉内に充填される断熱材の量が制限されることにより、扉の断熱性が悪化するという問題がある。
【0006】
そこで、本発明の主な目的は、部品点数を少なく構造を簡単にし、且つ扉の断熱性を向上させることが可能な両開き式の扉開閉装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の両開き式扉開閉装置は、本体に取り付けられた扉を任意の側から開閉する両開き式扉開閉装置であって、扉が取り付けられる本体の左右又は上下の両端に突設された軸と、前記扉に設けられ、前記軸が扉の開放側から係脱自在に係合する溝を有する軸受け部材と、前記軸受け部材に組み込まれ、前記溝から抜け出る前記軸をロックする爪を前記溝に対して回動自在に有し、回動軸が前記軸と略一致するように配設されたロック部材と、このロック部材に連結されるシャフトを回動させる様に前記扉の側面に取り付けられ、扉を開くときに操作されるハンドルと、を備えてなるものである。
【0008】
請求項1によると、両開き式開閉装置は、本体の左右又は上下の両端に突設された軸と、扉に設けられ、軸が係脱自在に係合する溝を有する軸受け部材と、軸受け部材に組み込まれ、溝から抜け出る軸をロックする爪を溝に対して回動自在に有したロック部材と、このロック部材を回動させ、扉を開くときに操作されるハンドルとを備えていることによって、ヒンジ板や固定板などといった複数の部材が不要となるので、両開き式扉開閉装置の部品点数を少なく、構造を簡単にすることができる。また、扉の内部に複数の部材を設ける必要がなくなることによって、扉内に充填される断熱材の量の制限が緩和されるので、扉の断熱性を向上させることができる。
【0009】
また、請求項2に記載の両開き式扉開閉装置は、請求項1において、左右又は上下の一対の前記溝は、扉の開放側に向かって広がる様に配設され、一方の溝に係合する軸が開放されるときに、他方の溝に係合する軸が溝の奥に押し込まれるものである。
【0010】
請求項2によると、左右又は上下の一対の前記溝は、扉の開放側に向かって広がる様に配設され、一方の溝に係合する軸が開放されるときに、他方の溝に係合する軸が溝の奥に押し込まれるので、左右又は上下の両方の溝から両方の軸が同時に抜け出ることがなくなる。つまり、扉が本体から落下することを防止することができる。
【0011】
また、請求項3に記載の両開き式扉開閉装置は、請求項1において、左右又は上下の一対の前記ロック部材を連結するリンクが設けられ、一方のロック部材の爪が溝から退避すると、他方のロック部材の爪が溝に進出するようにしたものである。
【0012】
請求項3によると、左右又は上下の一対の前記ロック部材を連結するリンクが設けられ、一方のロック部材の爪が溝から退避すると、他方のロック部材の爪が溝に進出するようにしたので、左右又は上下の両方の溝から両方の軸が同時に抜け出ることがなくなる。つまり、扉が本体から落下することを防止することができる。
【0013】
また、請求項4に記載の両開き式扉開閉装置は、本体に取り付けられた扉を任意の側から開閉する両開き式扉開閉装置であって、扉が取り付けられる本体の左右又は上下の両端に突設された軸と、この軸の回りの略半周に設けられたガイドと、前記扉に設けられ、前記軸が扉の開放側から係脱自在に係合する溝を有する軸受け部材と、この溝の奥の回りに設けられたカムとを備え、左右又は上下の一対の前記溝は、扉の開放側に向かって広がる様に配設されており、扉が閉じた状態で前記ガイドと前記カムは対向するように配設され、扉が開くと、前記ガイドの内周に前記カムが入り込むように形成され、扉の開放当初に、軸となる側の前記カムが前記ガイドで案内され、前記軸を前記溝の奥に押し込む凸部が前記カムに設けられたものである。
【0014】
請求項4によると、両開き式開閉装置は、本体の左右又は上下の両端に突設された軸と、この軸の回りの略半周に設けられたガイドと、扉に設けられ、軸が係脱自在に係合する溝を有する軸受け部材と、この溝の奥の回りに設けられたカムとを備えていることによって、ヒンジ板や固定板などといった複数の部材が不要となるので、両開き式扉開閉装置の部品点数を少なく、構造を簡単にすることができる。また、扉の内部に複数の部材を設ける必要がなくなることによって、扉内に充填される断熱材の量の制限が緩和されるので、扉の断熱性を向上させることができる。また、溝は、扉の開放側に向かって広がる様に配設されているので、左右又は上下の両方の溝から両方の軸が同時に抜け出ることがなくなる。つまり、扉が本体から落下することを防止することができる。また、扉が閉じた状態でガイドとカムは対向するように配設され、扉の開放当初に、軸となる側のカムがガイドで案内される。そして、扉が開くと、ガイドの内周にカムが入り込む。
そのため、扉が開く動作中に、扉ががたついたり、本体から外れたりすることはない。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0016】
先ず、本発明の第1の実施の形態に係る両開き式扉開閉装置について、図1〜図5を参照して説明する。なお、本実施の形態では、両開き式扉開閉装置が恒温恒湿器に取り付けられ、且つ扉を左及び右側から開閉するものについて説明する。図1は、本実施形態の両開き式扉開閉装置が取り付けられた恒温恒湿器を示す部分斜視図である。図2は、図1に示す恒温恒湿器の扉を示す斜視図であって、両開き式扉開閉装置の構造を説明する図である。図3は、図2に示す扉の上面図であって、扉が閉まっている場合の両開き式扉開閉装置を説明する図である。図4は、図2に示す扉の上面図であって、扉が開いている場合の両開き式扉開閉装置を説明する図である。図5は、本実施形態の両開き式扉開閉装置とは別の形状例を説明する模式図である。なお、図中に記載されているa,bの符号は、aが恒温恒湿器の開口に対して右側に位置するものとし、bが恒温恒湿器の開口に対して左側に位置するものとする。
【0017】
図1に示すように、扉開閉装置1は、恒温恒湿器3に取り付けられた扉10を開閉するためのものである。恒温恒湿器3には、扉10の上面及ぴ下面を覆うための突出部5が設けられている。この突出部5の両端には、上面の突出部5であれば下方に向けて突設した蝶番軸6a,6bが設けられており、下面の突出部5であれば上方に向けて突設した蝶番軸6a,6bが設けられている。そして、扉開閉装置1は、恒温恒湿器3の開口4に対して、右側に位置する蝶番軸6aを同動中心として左側から扉10を開閉することができ、且つ左側に位置する蝶番軸6bを回動中心として右側から扉10を開閉することができるものとなっている。また、扉10は、開口4を覆う大きさを有する箱体で形成されている。この扉10の両側面には、後述するロックハンドル11a,11b(図2参照)が設けられている。加えて、扉10の開口4に面する平面の周囲にシール部材(図示せず)が取り付けられて、扉10の内部に断熱材(図示せず)が充填されている。
【0018】
図2に示すように、扉10の上面及び下面の左右両端部には、恒温恒湿器3の蝶番軸6a,6bが扉10の開放側から係脱自在に係合する溝13a,13bを有する扉軸受け12a,12bが設けられている。溝13a,13bは、扉10の開放側に向かって広がるような形状、具体的には横断面がブーメラン状に形成されている。また、扉軸受け12a,12bには、ロック部材14a,14bがそれぞれ組み込まれている。このロック部材14a,14bは、溝13a,13bから抜け出る蝶番軸6a,6bをロックするための爪15a,15bを溝13a,13bに対して回動自在に有しており、回動軸が蝶番軸6a,6bと略一致するように配設されている。このことによって、爪15a,15bは、図3にも示されるように、溝13a,13b内に爪15a,15bが進出することによって蝶番軸6a,6bをロックする位置と、溝13a,13b内から爪15a,15bが退避することによって蝶番軸6a,6bを開放する位置との問で回動’可能となる。
【0019】
上下のロック部材14a,14bは、開口4に対して右側と左側のそれぞれで扉10を上下に貫くように配設されたロックシャフト16a,16bによって連結されており、このことによって、上下のロック部材14a,14b、すなわち、爪15a,15bは、連動して同方向に回動する。また、左右のロックシャフト16a,16bは、爪15a,15bが蝶番軸6a,6bを常時ロックする位置に存在するようにばね17a,17bによってそれぞれ付勢されていると共に、ロックハンドル11a,11bが、ばね17a,17bを介してロックシャフト16a,16bにそれぞれ連結されている。このロックハンドル11a,11bは、扉10を開くときに操作されるものである。例えば、開口4に対して右側に位置するロックハンドル11aを手前側に引くと、ロックハンドル11aは、ばね17a及びロックシャフト16aを介して上下の爪15aが蝶番軸6aをロックする位置から開放する位置に爪15aを回動させる。
【0020】
図3に示すように、上記のように構成された扉開閉装置1において、扉10が閉じている場合、蝶番軸6a,6bが、溝13a,13bのほぼ湾曲部の位置で溝13a,13bに係合している。また、爪15a,15bが左右の溝13a,13b内に進出することによって、蝶番軸6a,6bが溝13a,13bから抜け出さないようにロックされている。
【0021】
そして、扉開閉装置1において、ロックハンドル11bを手前側に引くと、ロックハンドル11bは、ばね17b及びロックシャフト16bを介して上下の爪15bが蝶番軸6bをロックする位置から開放する位置に爪15bを回動させる。すると、上下の爪15bが溝13b内から退避するので、蝶番軸6bの溝13bからの抜け出しが可能になる。さらに、ロックハンドル11bを手前側に引くと、図4に示すように、蝶番軸6aが溝13aの奥側にスライド移動して溝13aに引っ掛かることによって、蝶番軸6aを回動中心として蝶番軸6bが溝13bから抜け出る。そして、扉10が、蝶番軸6aを回動中心として、図4の紙面上において反時計周りに回転する。このようにして、扉開閉装置1は、扉10を開放させる。
【0022】
また、上記のように開放された扉10を閉める場合は、扉10を閉止方向に押せばよい。ロックシャフト16bがはね17bに付勢されているので、爪15bは蝶番軸6bをロックする位置に戻っているが、扉10の閉止動に伴って、蝶番軸6bが爪15bの傾斜面に接触する。そして、爪15bの傾斜面に作用する力が、蝶番軸6bを開放する位置に爪15bを回動させる。その後、蝶番軸6bが、図3に示す扉10が閉じている場合と同様の位置、すなわち、溝13bのほぼ湾曲部の位置で係合すると共に、爪15bが、ばね17bの付勢によって蝶番軸6bをロックする位置に再び戻る。このようにして、扉開閉装置1は、扉10を閉止させる。
【0023】
なお、上記のように構成された扉開閉装置1において、蝶番軸6bを回動中心として、扉10を図4の紙面上において時計周りに開放させる場合は、上記とは動作が逆になるもののその動作は基本的には上記と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0024】
また、本実施の形態に係る扉開閉装置1において、誤ってロックハンドル11aと11bの両方を同時に同じ力で手前側に引くと、爪15a,15bの両方とも蝶番軸6a,6bを開放する位置に存在するけれども、蝶番軸6a,6bが溝13a,13bの湾曲部に干渉するので、扉10は恒温恒湿器3から外れない。
また、このとき、ロックハンドル11aと11bを引く力のバランスが崩れたとしても、ロックハンドルを引く力の強い側の蝶番軸6a,6bのどちらかだけが溝13a,13bから抜け出るので、扉10は恒温恒湿器3から外れない。
【0025】
また、本実施の形態に係る扉開閉装置1では、ロックハンドル11a,11bを同時に引くことによって、爪15a,15bの両方とも蝶番軸6a,6bを開放する位置に存在させることができたが、爪15a,15bの両方とも蝶番軸6a,6bを開放する位置に存在させることができないような機構が用いられてもよい。この機構として、例えば、図5に示すように、左右のロック部材14a,14bに取り付け軸18a,18bがそれぞれ設けられ、この取り付け軸18a,18bを連結するリンク軸19が設けられる。こうすることで、左右のロック部材14a,14b、すなわち、爪15a,15bは、連動して同方向に回動する。従って、爪15bが溝13b内から退避することによって蝶番軸6bを開放する位置に存在するようになると共に、爪15aはさらに溝13a内に進出することによって蝶番軸6aをロックする位置に存在したままとなる。
【0026】
このように、本実施の形態によると、扉開閉装置1は、恒温恒湿器3に突設された蝶番軸6a,6bと、蝶番軸6a,6bが係脱自在に係合する溝13a,13bを有する扉軸受け12a,12bと、扉軸受け12a,12bに組み込まれ、溝13a,13bから抜け出る蝶番軸6a,6bをロックするための爪15a,15bを溝13a,13bに対して回動自在に有したロック部材14a,14bと、このロック部材14a,14bを連動して回動させるロックシャフト16a,16bに図示されないばねを介して連結されたロックハンドル11a,11bとを備えている。従って、ヒンジ板や固定板などといった複数の部材が不要となり、扉開閉装置1の部品点数を少なく、構造を簡単にすることができる。また、扉10の内部に複数の部材を設ける必要がなくなることによって、扉10内に充填される断熱材の量の制限が緩和されるので、扉10の断熱性を向上させることができる。
【0027】
また、本実施の形態によると、溝13a,13bは、扉10の開放側に向かって広がる様な形状に形成されていることにより、誤ってロックハンドル11aと11bの両方を同時に同じ力で手前側に引いたとしても、蝶番軸6a,6bが溝13a,13bの湾曲部に干渉する。また、一方の溝13bに係合する蝶番軸6bが抜けだすときに、他方の溝13aに係合する蝶番軸6aが溝13aの奥側にスライド移動することにより、左右の両方の溝13a,13bから両方の蝶番軸6a,6bが同時に抜け出ることがなくなる。つまり、扉10が恒温恒湿器3から外れることなく、扉10が恒温恒湿器3から落下することを防止することができる。
【0028】
また、本実施の形態によると、左右のロック部材14a,14bを連結するリンク軸19が設けられて、爪15bが溝13b内から退避することによって蝶番軸6bを開放する位置に存在するようになると共に、爪15aはさらに溝13a内に進出することによって蝶番軸6aをロックする位置に存在したままとなる。
従って、左右の両方の溝13a,13bから両方の蝶番軸6a,6bが同時に抜け出ることがなくなる。つまり、扉10が恒温恒湿器3から外れることとなく、扉10が恒温恒湿器3から落下することを防止することができる。
【0029】
次に、本発明の第2の実施の形態に係る両開き式扉開閉装置について、図6〜図12を参照して説明する。図6は、恒温恒湿器3の扉を示す斜視図であって、両開き式扉開閉装置の構造を説明する図である。図7は、扉が閉まっている場合の両開き式扉開閉装置を説明する断面図である。図8は、扉が7°開いた場合の両開き式扉開閉装置を説明する断面図である。図9は、扉が開いた場合の両開き式扉開閉装置を説明する断面図である。図10は、両開き式扉開閉装置の一部分を示す作動図であって、図8の状態から図9の状態への変化を説明する図である。図11は、両開き式扉開閉装置に扉開閉ガイドとガイド受け爪が設けられた場合を説明する模式図である。図12は、両ハンドルを引いた場合の断面図である。なお、図中に記載されているa,bの符号は、aが恒温恒湿器の開口に対して右側に位置するものとし、bが恒温恒湿器の開口に対して左側に位置するものとする。また、図7〜9において、(a)図は、図6のa−a断面における断面図であり、(b)図は、図6のb−b断面における断面図である。
【0030】
図6に示すように、本実施の形態に係る扉開閉装置2は、本発明の第1の実施の形態で説明した恒温恒湿器3に取り付けられたものについて説明する。恒温恒湿器3の各部4〜6は、本発明の第1の実施の形態と同様に構成されていると共に、軸周りガイド7a,7bが、蝶番軸6a,6bの回りの本体側に略半周設けられている。扉開閉装置2は、扉開閉装置1と同様に、恒温恒湿器3に取り付けられた扉20を開閉するためのものであり、恒温恒湿器3の開口4に対して、右側に位置する蝶番軸6aを回動中心として左側から扉20を開閉することができ、且つ左側に位置する蝶番軸6bを回動中心として右側から扉20を開閉することができるものとなっている。また、扉20は、扉10と同様に、開口4を覆う大きさを有する箱体で形成されており、加えて、扉20の開口4に面する平面の周囲にシール部材(図示せず)が取り付けられており、扉20の内部に断熱材(図示せず)が充填されている。また、この扉20の両側面には、図示しないハンドルが設けられており、このハンドルを手前側に引くことによって、扉20を開くことができる。さらに、扉20の上面及び下面の左右両端部には、扉軸受け部21a,21bが設けられている。
【0031】
この扉軸受け部21a,21bは、恒温恒湿器3の蝶番軸6a,6bが扉20の開放側から係脱自在に係合する溝22a,22bと、この溝22a,22bの奥の周囲に突設された軸受けカム23a,23bとを有している。溝22a,22bは、扉20の開放側に向かって広がるような形状、具体的には横断面がブーメラン状に形成されている。また、軸受けカム23a,23bは、図7(b)にも示すように、扉20が閉じている場合、軸周りガイド7a,7bと対向する位置に存在するようになり、扉20が開いた場合、軸周りガイド7a又は7bと蝶番軸6a又は6bとの間に入り込むようになる。この軸受けカム23a,23bには、扉20の開放当初に、蝶番軸6a,6bを溝22a,22bの奥に押し込むための凸部24a,24bが設けられている。
【0032】
上記のように構成された扉開閉装置2において、扉20が閉じている場合、図7(a)に示すように、蝶番軸6a,6bが、溝22a,22bのほぼ湾曲部の位置で溝22a,22bに係合している。また、図7(b)に示すように、軸周りガイド7a,7bと軸受けカム23a,23bは、対向するように配設されている。
【0033】
そして、扉開閉装置2において、開口4に対して図示されない右側のハンドルを手前側に引くと、図7の紙面上において、扉20の右側が時計周りに回転する。そして、扉20が回転すると、図8に示すように、軸受けカム23bの凸部24bが、軸周りガイド7bに衝突する。さらに、右側のハンドルを手前側に引くと、凸部24bと軸周りガイド7bとの衝突によって、扉20が、図8の紙面上において、右方向に移動する。
【0034】
このとき、扉20が恒温恒湿器3に対して相対的に右側に移動するので、図10にも示すように、蝶番軸6bが溝22bの奥側にスライド移動すると共に、軸受けカム23bが、軸周りガイド7bと蝶番軸6bとの間に案内される。また、蝶番軸6aが溝22aの開放側にスライド移動する。
【0035】
さらに、右側のハンドルを手前側に引くと、図9(a)に示すように、蝶番軸6bが溝22bに引っ掛かると共に、蝶番軸6aが溝22aから抜け出る。また、図9(b)に示すように、軸受けカム23bが、軸周りガイド7bと蝶番軸6bとの間で、蝶番軸6bを回動中心として、図9の紙面上において時計周りに回転する。すなわち、扉20が、蝶番軸6bを回動中心として、図9の紙面上において時計周りに回転する。このとき、軸受けカム23bは、軸周りガイド7bと蝶番軸6bとの間の隙間に係合しているので、扉20が、がたついたり、恒温恒湿器3から外れたりすることはない。このようにして、扉開閉装置2は、扉20を開放させる。
【0036】
なお、上記のように開放された扉20を閉める場合は、扉20を閉止方向に押せばよく、こうすることで、扉20が蝶番軸6bを回動中心として図9の紙面上において反時計周りに回転して、図7に示す扉20が閉じている場合と同様の状態に戻る。こうして、扉開閉装置2は、扉20を閉止させる。また、上記のように構成された扉開閉装置2において、蝶番軸6aを回動中心として、扉20を図7の紙面上において反時計周りに開放させる場合は、上記とは動作が逆になるもののその動作は基本的には上記と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0037】
また、図11に示すように、恒温恒湿器3にガイド受け爪8a,8bが設けられると共に、扉20に扉開閉ガイド25a,25bが設けられてもよい。扉20の閉動作時に、扉開閉ガイド25a,25bが、ガイド受け爪8a,8bに衝突し、ガイド受け爪8a,8bに案内されることによって、扉20を元の位置に戻しやすくすることができる。
【0038】
また、本実施の形態に係る扉開閉装置2において、誤って恒温恒湿器3の両側面に設けられたハンドルの両方を同時に同じ力で手前側に引くと、図12に示すように、蝶番軸6a,6bが溝22a,22bの湾曲部に干渉するので、扉20は恒温恒湿器3から外れない。また、このとき、両ハンドルを引く力のバランスが崩れたとしても、ハンドルを引く力の強い側の蝶番軸6a,6bのどちらかだけが溝22a,22bから抜け出るので、扉20は恒温恒湿器3から外れない。
【0039】
このように、本実施の形態によると、扉開閉装置2は、恒温恒湿器3に突設された蝶番軸6a,6bと、この蝶番軸6a,6bの回りの本体側に略半周設けられた軸周りガイド7a,7bと、扉20に設けられ、蝶番軸6a,6bが係脱自在に係合する溝22a,22bを有する扉軸受け部21a,21bと、この溝22a,,22bの奥の周囲に突設された軸受けカム23a,23bとを備えている。このことによって、ヒンジ板や固定板などといった複数の部材が不要となるので、扉開閉装置2の部品点数を少なく、構造を簡単にすることができる。また、扉20の内部に複数の部材を設ける必要がなくなることによって、扉20内に充填される断熱材の量の制限が緩和されるので、扉20の断熱性を向上させることができる。
【0040】
また、本実施の形態によると、溝22a,22bは、扉20の開放側に向かって広がる様な形状に形成されているので、誤って恒温恒湿器3の両側面に設けられたハンドルの両方を同時に同じ力で手前側に引いたとしても、蝶番軸6a,6bが溝22a,22bの湾曲部に干渉する。また、このとき、両ハンドルを引く力のバランスが崩れたとしても、ハンドルを引く力の強い側の蝶番軸6a,6bのどちらかだけが溝22a,22bから抜け出る。従って、両方の溝22a,22bから両方の蝶番軸6a,6bが同時に抜け出ることがなくなる。つまり、扉20が恒温恒湿器3から落下することを防止することができる。
【0041】
また、本実施の形態によると、扉20が閉じた状態で軸周りガイド7a,7bと軸受けカム23a,23bは対向するように配設される。扉20が7°回転すると、軸となる側の軸受けカム23bの凸部24bと軸周りガイド7bとの衝突によって、軸受けカム23bが、軸周りガイド7bと蝶番軸6bとの問に入り込む。そして、扉20が開くと、軸受けカム23bが、軸周りガイド7bと蝶番軸6bとの問で、蝶番軸6bを回動中心として回動する。そのため、扉20が開く動作中に、扉20ががたついたり、恒温恒湿器3から外れたりすることはない。
【0042】
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な設計変更が可能なものである。例えば、上述した実施の形態では、扉開閉装置1,2は、恒温恒湿器3の突出部5の両端に、上面の突出部5であれば下方に向けて突設した蝶番軸6a,6bを設け、下面の突出部5であれば上方に向けて突設した蝶番軸6a,6bを設けていた。そして、扉開閉装置1,2は、恒温恒湿器3の開口4に対して、右側に位置する蝶番軸6aを回動中心として左側から扉10を開閉することができ、且つ左側に位置する蝶番軸6bを回動中心として右側から扉10を開閉することができるものとなっていた。しかし、扉開閉装置は、恒温恒湿器3の開口4に対して、下側に位置する蝶番軸を回動中心として上側から扉を開閉することができ、且つ上側に位置する蝶番軸を回動中心として下側から扉10を開閉することができるものであってもよい。また、本実施の形態では、恒温恒湿器3に両開き式扉開閉装置が取り付けられていたが、恒温恒湿器3に限らず、冷蔵庫や自動販売機に両開き式扉開閉装置が取り付けられてもよい。
【0043】
【発明の効果】
請求項1によると、両開き式開閉装置は、本体の左右又は上下の両端に突設された軸と、扉に設けられ、軸が係脱自在に係合する溝を有する軸受け部材と、軸受け部材に組み込まれ、溝から抜け出る軸をロックする爪を溝に対して回動自在に有したロック部材と、このロック部材を回動させ、扉を開くときに操作されるハンドルとを備えていることによって、ヒンジ板や固定板などといった複数の部材が不要となるので、両開き式扉開閉装置の部品点数を少なく、構造を簡単にすることができる。また、扉の内部に複数の部材を設ける必要がなくなることによって、扉内に充填される断熱材の量の制限が緩和されるので、扉の断熱性を向上させることができる。
【0044】
請求項2によると、左右又は上下の一対の前記溝は、扉の開放側に向かって広がる様に配設され、一方の溝に係合する軸が開放されるときに、他方の溝に係合する軸が溝の奥に押し込まれるので、左右又は上下の両方の溝から両方の軸が同時に抜け出ることがなくなる。つまり、扉が本体から落下することを防止することができる。
【0045】
請求項3によると、左右又は上下の一対の前記ロック部材を連結するリンクが設けられ、一方のロック部材の爪が溝から退避すると、他方のロック部材の爪が溝に進出するようにしたので、左右又は上下の両方の溝から両方の軸が同時に抜け出ることがなくなる。つまり、扉が本体から落下することを防止することができる。
【0046】
請求項4によると、両開き式開閉装置は、本体の左右又は上下の両端に突設された軸と、この軸の回りの略半周に設けられたガイドと、扉に設けられ、軸が係脱自在に係合する溝を有する軸受け部材と、この溝の奥の回りに設けられたカムとを備えていることによって、ヒンジ板や固定板などといった複数の部材が不要となるので、両開き式扉開閉装置の部品点数を少なく、構造を簡単にすることができる。また、扉の内部に複数の部材を設ける必要がなくなることによって、扉内に充填される断熱材の量の制限が緩和されるので、扉の断熱性を向上させることができる。また、溝は、扉の開放側に向かって広がる様に配設されているので、左右又は上下の両方の溝から両方の軸が同時に抜け出ることがなくなる。つまり、扉が本体から落下することを防止することができる。また、扉が閉じた状態でガイドとカムは対向するように配設され、扉の開放当初に、軸となる側のカムがガイドで案内される。そして、扉が開くと、ガイドの内周にカムが入り込む。
そのため、扉が開く動作中に、扉ががたついたり、本体から外れたりすることはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の両開き式扉開閉装置が取り付けられた恒温恒湿器を示す部分斜視図である。
【図2】図1に示す恒温恒湿器の扉を示す斜視図であって、両開き式扉開閉装置の構造を説明する図である。
【図3】図2に示す扉の上面図であって、扉が閉まっている場合の両開き式扉開閉装置を説明する図である。
【図4】図2に示す扉の上面図であって、扉が開いている場合の両開き式扉開閉装置を説明する図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態の両開き式扉開閉装置とは別の形状例を説明する模式図である。
【図6】図1に示す恒温恒湿器の扉を示す斜視図であって、本発明の第2の実施の形態の両開き式扉開閉装置の構造を説明する図である。
【図7】扉が閉まっている場合の両開き式扉開閉装置を説明する断面図である。
【図8】扉が開いた場合の両開き式扉開閉装置を説明する断面図である。
【図9】扉が開いた場合の両開き式扉開閉装置を説明する断面図である。
【図10】両開き式扉開閉装置の一部分を示す作動図であって、図8の状態から図9の状態への変化を説明する図である。
【図11】両開き式扉開閉装置に設けられた扉開閉ガイドとガイド受け爪を説明する模式図である。
【図12】両ハンドルを引いた場合の断面図である。
【符号の説明】
1,2 扉開閉装置
3 恒温恒湿器
4 開口
5 突出部
6a,6b 蝶番軸
7a,7b 軸周りガイド
8a,8b ガイド受け爪
10,20 扉
11a,11b ロックハンドル
12a,12b 扉軸受け
13a,13b,22a,22b 溝
14a,14b ロック部材
15a,15b 爪
16a,16b ロックシャフト
17a,17b ばね
18a,18b 取り付け軸
19 リンク軸
21a,21b 扉軸受け部
23a,23b 軸受けカム
24a,24b 凸部
25a,25b 扉開閉ガイド
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷蔵庫や恒温恒宝器などに取り付けられた扉を、任意の側から開閉することが可能な両開き式扉開閉装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
冷蔵庫などに取り付けられる扉としては、一般に片開き式扉が市場に提供されていたが、近年、左右両開き可能な扉が市場に提供されている。両開き式の扉開閉装置として、例えば、下記特許文献1に記載されている、以下に述べる構造が提案されている。
【0003】
扉が取り付けられる装置本体の左右両端部に設けたヒンジ板を介してヒンシピンが突設されると共に、扉にはヒンシピンが扉の開放側から係脱自在に係合しうる係合溝を有する固定板が設けられる。この固定板の左右両部には、外径側に開いたラッチ滝によりヒンシピンに係脱自在に係合して、ヒンシピンを係合構内に拘束するラッチ板が回転自在に取り付けられる。これらのラッチ板はスプリングによって付勢される。両ラッチ板問には、一方のラッチ板の拘束解除方向の回転に連係して他方のラッチ板の回転を阻止する連結部材が設けられる。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−151452号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような両開き式の扉開閉装置では、ヒンジ板や固定板など複数の部材が必要となり、且つ構造が複雑になるという問題がある。また、扉の内部に複数の部材、すなわち、扉開閉装置を設ける必要があるので、扉内に充填される断熱材の量が制限されることにより、扉の断熱性が悪化するという問題がある。
【0006】
そこで、本発明の主な目的は、部品点数を少なく構造を簡単にし、且つ扉の断熱性を向上させることが可能な両開き式の扉開閉装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の両開き式扉開閉装置は、本体に取り付けられた扉を任意の側から開閉する両開き式扉開閉装置であって、扉が取り付けられる本体の左右又は上下の両端に突設された軸と、前記扉に設けられ、前記軸が扉の開放側から係脱自在に係合する溝を有する軸受け部材と、前記軸受け部材に組み込まれ、前記溝から抜け出る前記軸をロックする爪を前記溝に対して回動自在に有し、回動軸が前記軸と略一致するように配設されたロック部材と、このロック部材に連結されるシャフトを回動させる様に前記扉の側面に取り付けられ、扉を開くときに操作されるハンドルと、を備えてなるものである。
【0008】
請求項1によると、両開き式開閉装置は、本体の左右又は上下の両端に突設された軸と、扉に設けられ、軸が係脱自在に係合する溝を有する軸受け部材と、軸受け部材に組み込まれ、溝から抜け出る軸をロックする爪を溝に対して回動自在に有したロック部材と、このロック部材を回動させ、扉を開くときに操作されるハンドルとを備えていることによって、ヒンジ板や固定板などといった複数の部材が不要となるので、両開き式扉開閉装置の部品点数を少なく、構造を簡単にすることができる。また、扉の内部に複数の部材を設ける必要がなくなることによって、扉内に充填される断熱材の量の制限が緩和されるので、扉の断熱性を向上させることができる。
【0009】
また、請求項2に記載の両開き式扉開閉装置は、請求項1において、左右又は上下の一対の前記溝は、扉の開放側に向かって広がる様に配設され、一方の溝に係合する軸が開放されるときに、他方の溝に係合する軸が溝の奥に押し込まれるものである。
【0010】
請求項2によると、左右又は上下の一対の前記溝は、扉の開放側に向かって広がる様に配設され、一方の溝に係合する軸が開放されるときに、他方の溝に係合する軸が溝の奥に押し込まれるので、左右又は上下の両方の溝から両方の軸が同時に抜け出ることがなくなる。つまり、扉が本体から落下することを防止することができる。
【0011】
また、請求項3に記載の両開き式扉開閉装置は、請求項1において、左右又は上下の一対の前記ロック部材を連結するリンクが設けられ、一方のロック部材の爪が溝から退避すると、他方のロック部材の爪が溝に進出するようにしたものである。
【0012】
請求項3によると、左右又は上下の一対の前記ロック部材を連結するリンクが設けられ、一方のロック部材の爪が溝から退避すると、他方のロック部材の爪が溝に進出するようにしたので、左右又は上下の両方の溝から両方の軸が同時に抜け出ることがなくなる。つまり、扉が本体から落下することを防止することができる。
【0013】
また、請求項4に記載の両開き式扉開閉装置は、本体に取り付けられた扉を任意の側から開閉する両開き式扉開閉装置であって、扉が取り付けられる本体の左右又は上下の両端に突設された軸と、この軸の回りの略半周に設けられたガイドと、前記扉に設けられ、前記軸が扉の開放側から係脱自在に係合する溝を有する軸受け部材と、この溝の奥の回りに設けられたカムとを備え、左右又は上下の一対の前記溝は、扉の開放側に向かって広がる様に配設されており、扉が閉じた状態で前記ガイドと前記カムは対向するように配設され、扉が開くと、前記ガイドの内周に前記カムが入り込むように形成され、扉の開放当初に、軸となる側の前記カムが前記ガイドで案内され、前記軸を前記溝の奥に押し込む凸部が前記カムに設けられたものである。
【0014】
請求項4によると、両開き式開閉装置は、本体の左右又は上下の両端に突設された軸と、この軸の回りの略半周に設けられたガイドと、扉に設けられ、軸が係脱自在に係合する溝を有する軸受け部材と、この溝の奥の回りに設けられたカムとを備えていることによって、ヒンジ板や固定板などといった複数の部材が不要となるので、両開き式扉開閉装置の部品点数を少なく、構造を簡単にすることができる。また、扉の内部に複数の部材を設ける必要がなくなることによって、扉内に充填される断熱材の量の制限が緩和されるので、扉の断熱性を向上させることができる。また、溝は、扉の開放側に向かって広がる様に配設されているので、左右又は上下の両方の溝から両方の軸が同時に抜け出ることがなくなる。つまり、扉が本体から落下することを防止することができる。また、扉が閉じた状態でガイドとカムは対向するように配設され、扉の開放当初に、軸となる側のカムがガイドで案内される。そして、扉が開くと、ガイドの内周にカムが入り込む。
そのため、扉が開く動作中に、扉ががたついたり、本体から外れたりすることはない。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0016】
先ず、本発明の第1の実施の形態に係る両開き式扉開閉装置について、図1〜図5を参照して説明する。なお、本実施の形態では、両開き式扉開閉装置が恒温恒湿器に取り付けられ、且つ扉を左及び右側から開閉するものについて説明する。図1は、本実施形態の両開き式扉開閉装置が取り付けられた恒温恒湿器を示す部分斜視図である。図2は、図1に示す恒温恒湿器の扉を示す斜視図であって、両開き式扉開閉装置の構造を説明する図である。図3は、図2に示す扉の上面図であって、扉が閉まっている場合の両開き式扉開閉装置を説明する図である。図4は、図2に示す扉の上面図であって、扉が開いている場合の両開き式扉開閉装置を説明する図である。図5は、本実施形態の両開き式扉開閉装置とは別の形状例を説明する模式図である。なお、図中に記載されているa,bの符号は、aが恒温恒湿器の開口に対して右側に位置するものとし、bが恒温恒湿器の開口に対して左側に位置するものとする。
【0017】
図1に示すように、扉開閉装置1は、恒温恒湿器3に取り付けられた扉10を開閉するためのものである。恒温恒湿器3には、扉10の上面及ぴ下面を覆うための突出部5が設けられている。この突出部5の両端には、上面の突出部5であれば下方に向けて突設した蝶番軸6a,6bが設けられており、下面の突出部5であれば上方に向けて突設した蝶番軸6a,6bが設けられている。そして、扉開閉装置1は、恒温恒湿器3の開口4に対して、右側に位置する蝶番軸6aを同動中心として左側から扉10を開閉することができ、且つ左側に位置する蝶番軸6bを回動中心として右側から扉10を開閉することができるものとなっている。また、扉10は、開口4を覆う大きさを有する箱体で形成されている。この扉10の両側面には、後述するロックハンドル11a,11b(図2参照)が設けられている。加えて、扉10の開口4に面する平面の周囲にシール部材(図示せず)が取り付けられて、扉10の内部に断熱材(図示せず)が充填されている。
【0018】
図2に示すように、扉10の上面及び下面の左右両端部には、恒温恒湿器3の蝶番軸6a,6bが扉10の開放側から係脱自在に係合する溝13a,13bを有する扉軸受け12a,12bが設けられている。溝13a,13bは、扉10の開放側に向かって広がるような形状、具体的には横断面がブーメラン状に形成されている。また、扉軸受け12a,12bには、ロック部材14a,14bがそれぞれ組み込まれている。このロック部材14a,14bは、溝13a,13bから抜け出る蝶番軸6a,6bをロックするための爪15a,15bを溝13a,13bに対して回動自在に有しており、回動軸が蝶番軸6a,6bと略一致するように配設されている。このことによって、爪15a,15bは、図3にも示されるように、溝13a,13b内に爪15a,15bが進出することによって蝶番軸6a,6bをロックする位置と、溝13a,13b内から爪15a,15bが退避することによって蝶番軸6a,6bを開放する位置との問で回動’可能となる。
【0019】
上下のロック部材14a,14bは、開口4に対して右側と左側のそれぞれで扉10を上下に貫くように配設されたロックシャフト16a,16bによって連結されており、このことによって、上下のロック部材14a,14b、すなわち、爪15a,15bは、連動して同方向に回動する。また、左右のロックシャフト16a,16bは、爪15a,15bが蝶番軸6a,6bを常時ロックする位置に存在するようにばね17a,17bによってそれぞれ付勢されていると共に、ロックハンドル11a,11bが、ばね17a,17bを介してロックシャフト16a,16bにそれぞれ連結されている。このロックハンドル11a,11bは、扉10を開くときに操作されるものである。例えば、開口4に対して右側に位置するロックハンドル11aを手前側に引くと、ロックハンドル11aは、ばね17a及びロックシャフト16aを介して上下の爪15aが蝶番軸6aをロックする位置から開放する位置に爪15aを回動させる。
【0020】
図3に示すように、上記のように構成された扉開閉装置1において、扉10が閉じている場合、蝶番軸6a,6bが、溝13a,13bのほぼ湾曲部の位置で溝13a,13bに係合している。また、爪15a,15bが左右の溝13a,13b内に進出することによって、蝶番軸6a,6bが溝13a,13bから抜け出さないようにロックされている。
【0021】
そして、扉開閉装置1において、ロックハンドル11bを手前側に引くと、ロックハンドル11bは、ばね17b及びロックシャフト16bを介して上下の爪15bが蝶番軸6bをロックする位置から開放する位置に爪15bを回動させる。すると、上下の爪15bが溝13b内から退避するので、蝶番軸6bの溝13bからの抜け出しが可能になる。さらに、ロックハンドル11bを手前側に引くと、図4に示すように、蝶番軸6aが溝13aの奥側にスライド移動して溝13aに引っ掛かることによって、蝶番軸6aを回動中心として蝶番軸6bが溝13bから抜け出る。そして、扉10が、蝶番軸6aを回動中心として、図4の紙面上において反時計周りに回転する。このようにして、扉開閉装置1は、扉10を開放させる。
【0022】
また、上記のように開放された扉10を閉める場合は、扉10を閉止方向に押せばよい。ロックシャフト16bがはね17bに付勢されているので、爪15bは蝶番軸6bをロックする位置に戻っているが、扉10の閉止動に伴って、蝶番軸6bが爪15bの傾斜面に接触する。そして、爪15bの傾斜面に作用する力が、蝶番軸6bを開放する位置に爪15bを回動させる。その後、蝶番軸6bが、図3に示す扉10が閉じている場合と同様の位置、すなわち、溝13bのほぼ湾曲部の位置で係合すると共に、爪15bが、ばね17bの付勢によって蝶番軸6bをロックする位置に再び戻る。このようにして、扉開閉装置1は、扉10を閉止させる。
【0023】
なお、上記のように構成された扉開閉装置1において、蝶番軸6bを回動中心として、扉10を図4の紙面上において時計周りに開放させる場合は、上記とは動作が逆になるもののその動作は基本的には上記と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0024】
また、本実施の形態に係る扉開閉装置1において、誤ってロックハンドル11aと11bの両方を同時に同じ力で手前側に引くと、爪15a,15bの両方とも蝶番軸6a,6bを開放する位置に存在するけれども、蝶番軸6a,6bが溝13a,13bの湾曲部に干渉するので、扉10は恒温恒湿器3から外れない。
また、このとき、ロックハンドル11aと11bを引く力のバランスが崩れたとしても、ロックハンドルを引く力の強い側の蝶番軸6a,6bのどちらかだけが溝13a,13bから抜け出るので、扉10は恒温恒湿器3から外れない。
【0025】
また、本実施の形態に係る扉開閉装置1では、ロックハンドル11a,11bを同時に引くことによって、爪15a,15bの両方とも蝶番軸6a,6bを開放する位置に存在させることができたが、爪15a,15bの両方とも蝶番軸6a,6bを開放する位置に存在させることができないような機構が用いられてもよい。この機構として、例えば、図5に示すように、左右のロック部材14a,14bに取り付け軸18a,18bがそれぞれ設けられ、この取り付け軸18a,18bを連結するリンク軸19が設けられる。こうすることで、左右のロック部材14a,14b、すなわち、爪15a,15bは、連動して同方向に回動する。従って、爪15bが溝13b内から退避することによって蝶番軸6bを開放する位置に存在するようになると共に、爪15aはさらに溝13a内に進出することによって蝶番軸6aをロックする位置に存在したままとなる。
【0026】
このように、本実施の形態によると、扉開閉装置1は、恒温恒湿器3に突設された蝶番軸6a,6bと、蝶番軸6a,6bが係脱自在に係合する溝13a,13bを有する扉軸受け12a,12bと、扉軸受け12a,12bに組み込まれ、溝13a,13bから抜け出る蝶番軸6a,6bをロックするための爪15a,15bを溝13a,13bに対して回動自在に有したロック部材14a,14bと、このロック部材14a,14bを連動して回動させるロックシャフト16a,16bに図示されないばねを介して連結されたロックハンドル11a,11bとを備えている。従って、ヒンジ板や固定板などといった複数の部材が不要となり、扉開閉装置1の部品点数を少なく、構造を簡単にすることができる。また、扉10の内部に複数の部材を設ける必要がなくなることによって、扉10内に充填される断熱材の量の制限が緩和されるので、扉10の断熱性を向上させることができる。
【0027】
また、本実施の形態によると、溝13a,13bは、扉10の開放側に向かって広がる様な形状に形成されていることにより、誤ってロックハンドル11aと11bの両方を同時に同じ力で手前側に引いたとしても、蝶番軸6a,6bが溝13a,13bの湾曲部に干渉する。また、一方の溝13bに係合する蝶番軸6bが抜けだすときに、他方の溝13aに係合する蝶番軸6aが溝13aの奥側にスライド移動することにより、左右の両方の溝13a,13bから両方の蝶番軸6a,6bが同時に抜け出ることがなくなる。つまり、扉10が恒温恒湿器3から外れることなく、扉10が恒温恒湿器3から落下することを防止することができる。
【0028】
また、本実施の形態によると、左右のロック部材14a,14bを連結するリンク軸19が設けられて、爪15bが溝13b内から退避することによって蝶番軸6bを開放する位置に存在するようになると共に、爪15aはさらに溝13a内に進出することによって蝶番軸6aをロックする位置に存在したままとなる。
従って、左右の両方の溝13a,13bから両方の蝶番軸6a,6bが同時に抜け出ることがなくなる。つまり、扉10が恒温恒湿器3から外れることとなく、扉10が恒温恒湿器3から落下することを防止することができる。
【0029】
次に、本発明の第2の実施の形態に係る両開き式扉開閉装置について、図6〜図12を参照して説明する。図6は、恒温恒湿器3の扉を示す斜視図であって、両開き式扉開閉装置の構造を説明する図である。図7は、扉が閉まっている場合の両開き式扉開閉装置を説明する断面図である。図8は、扉が7°開いた場合の両開き式扉開閉装置を説明する断面図である。図9は、扉が開いた場合の両開き式扉開閉装置を説明する断面図である。図10は、両開き式扉開閉装置の一部分を示す作動図であって、図8の状態から図9の状態への変化を説明する図である。図11は、両開き式扉開閉装置に扉開閉ガイドとガイド受け爪が設けられた場合を説明する模式図である。図12は、両ハンドルを引いた場合の断面図である。なお、図中に記載されているa,bの符号は、aが恒温恒湿器の開口に対して右側に位置するものとし、bが恒温恒湿器の開口に対して左側に位置するものとする。また、図7〜9において、(a)図は、図6のa−a断面における断面図であり、(b)図は、図6のb−b断面における断面図である。
【0030】
図6に示すように、本実施の形態に係る扉開閉装置2は、本発明の第1の実施の形態で説明した恒温恒湿器3に取り付けられたものについて説明する。恒温恒湿器3の各部4〜6は、本発明の第1の実施の形態と同様に構成されていると共に、軸周りガイド7a,7bが、蝶番軸6a,6bの回りの本体側に略半周設けられている。扉開閉装置2は、扉開閉装置1と同様に、恒温恒湿器3に取り付けられた扉20を開閉するためのものであり、恒温恒湿器3の開口4に対して、右側に位置する蝶番軸6aを回動中心として左側から扉20を開閉することができ、且つ左側に位置する蝶番軸6bを回動中心として右側から扉20を開閉することができるものとなっている。また、扉20は、扉10と同様に、開口4を覆う大きさを有する箱体で形成されており、加えて、扉20の開口4に面する平面の周囲にシール部材(図示せず)が取り付けられており、扉20の内部に断熱材(図示せず)が充填されている。また、この扉20の両側面には、図示しないハンドルが設けられており、このハンドルを手前側に引くことによって、扉20を開くことができる。さらに、扉20の上面及び下面の左右両端部には、扉軸受け部21a,21bが設けられている。
【0031】
この扉軸受け部21a,21bは、恒温恒湿器3の蝶番軸6a,6bが扉20の開放側から係脱自在に係合する溝22a,22bと、この溝22a,22bの奥の周囲に突設された軸受けカム23a,23bとを有している。溝22a,22bは、扉20の開放側に向かって広がるような形状、具体的には横断面がブーメラン状に形成されている。また、軸受けカム23a,23bは、図7(b)にも示すように、扉20が閉じている場合、軸周りガイド7a,7bと対向する位置に存在するようになり、扉20が開いた場合、軸周りガイド7a又は7bと蝶番軸6a又は6bとの間に入り込むようになる。この軸受けカム23a,23bには、扉20の開放当初に、蝶番軸6a,6bを溝22a,22bの奥に押し込むための凸部24a,24bが設けられている。
【0032】
上記のように構成された扉開閉装置2において、扉20が閉じている場合、図7(a)に示すように、蝶番軸6a,6bが、溝22a,22bのほぼ湾曲部の位置で溝22a,22bに係合している。また、図7(b)に示すように、軸周りガイド7a,7bと軸受けカム23a,23bは、対向するように配設されている。
【0033】
そして、扉開閉装置2において、開口4に対して図示されない右側のハンドルを手前側に引くと、図7の紙面上において、扉20の右側が時計周りに回転する。そして、扉20が回転すると、図8に示すように、軸受けカム23bの凸部24bが、軸周りガイド7bに衝突する。さらに、右側のハンドルを手前側に引くと、凸部24bと軸周りガイド7bとの衝突によって、扉20が、図8の紙面上において、右方向に移動する。
【0034】
このとき、扉20が恒温恒湿器3に対して相対的に右側に移動するので、図10にも示すように、蝶番軸6bが溝22bの奥側にスライド移動すると共に、軸受けカム23bが、軸周りガイド7bと蝶番軸6bとの間に案内される。また、蝶番軸6aが溝22aの開放側にスライド移動する。
【0035】
さらに、右側のハンドルを手前側に引くと、図9(a)に示すように、蝶番軸6bが溝22bに引っ掛かると共に、蝶番軸6aが溝22aから抜け出る。また、図9(b)に示すように、軸受けカム23bが、軸周りガイド7bと蝶番軸6bとの間で、蝶番軸6bを回動中心として、図9の紙面上において時計周りに回転する。すなわち、扉20が、蝶番軸6bを回動中心として、図9の紙面上において時計周りに回転する。このとき、軸受けカム23bは、軸周りガイド7bと蝶番軸6bとの間の隙間に係合しているので、扉20が、がたついたり、恒温恒湿器3から外れたりすることはない。このようにして、扉開閉装置2は、扉20を開放させる。
【0036】
なお、上記のように開放された扉20を閉める場合は、扉20を閉止方向に押せばよく、こうすることで、扉20が蝶番軸6bを回動中心として図9の紙面上において反時計周りに回転して、図7に示す扉20が閉じている場合と同様の状態に戻る。こうして、扉開閉装置2は、扉20を閉止させる。また、上記のように構成された扉開閉装置2において、蝶番軸6aを回動中心として、扉20を図7の紙面上において反時計周りに開放させる場合は、上記とは動作が逆になるもののその動作は基本的には上記と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0037】
また、図11に示すように、恒温恒湿器3にガイド受け爪8a,8bが設けられると共に、扉20に扉開閉ガイド25a,25bが設けられてもよい。扉20の閉動作時に、扉開閉ガイド25a,25bが、ガイド受け爪8a,8bに衝突し、ガイド受け爪8a,8bに案内されることによって、扉20を元の位置に戻しやすくすることができる。
【0038】
また、本実施の形態に係る扉開閉装置2において、誤って恒温恒湿器3の両側面に設けられたハンドルの両方を同時に同じ力で手前側に引くと、図12に示すように、蝶番軸6a,6bが溝22a,22bの湾曲部に干渉するので、扉20は恒温恒湿器3から外れない。また、このとき、両ハンドルを引く力のバランスが崩れたとしても、ハンドルを引く力の強い側の蝶番軸6a,6bのどちらかだけが溝22a,22bから抜け出るので、扉20は恒温恒湿器3から外れない。
【0039】
このように、本実施の形態によると、扉開閉装置2は、恒温恒湿器3に突設された蝶番軸6a,6bと、この蝶番軸6a,6bの回りの本体側に略半周設けられた軸周りガイド7a,7bと、扉20に設けられ、蝶番軸6a,6bが係脱自在に係合する溝22a,22bを有する扉軸受け部21a,21bと、この溝22a,,22bの奥の周囲に突設された軸受けカム23a,23bとを備えている。このことによって、ヒンジ板や固定板などといった複数の部材が不要となるので、扉開閉装置2の部品点数を少なく、構造を簡単にすることができる。また、扉20の内部に複数の部材を設ける必要がなくなることによって、扉20内に充填される断熱材の量の制限が緩和されるので、扉20の断熱性を向上させることができる。
【0040】
また、本実施の形態によると、溝22a,22bは、扉20の開放側に向かって広がる様な形状に形成されているので、誤って恒温恒湿器3の両側面に設けられたハンドルの両方を同時に同じ力で手前側に引いたとしても、蝶番軸6a,6bが溝22a,22bの湾曲部に干渉する。また、このとき、両ハンドルを引く力のバランスが崩れたとしても、ハンドルを引く力の強い側の蝶番軸6a,6bのどちらかだけが溝22a,22bから抜け出る。従って、両方の溝22a,22bから両方の蝶番軸6a,6bが同時に抜け出ることがなくなる。つまり、扉20が恒温恒湿器3から落下することを防止することができる。
【0041】
また、本実施の形態によると、扉20が閉じた状態で軸周りガイド7a,7bと軸受けカム23a,23bは対向するように配設される。扉20が7°回転すると、軸となる側の軸受けカム23bの凸部24bと軸周りガイド7bとの衝突によって、軸受けカム23bが、軸周りガイド7bと蝶番軸6bとの問に入り込む。そして、扉20が開くと、軸受けカム23bが、軸周りガイド7bと蝶番軸6bとの問で、蝶番軸6bを回動中心として回動する。そのため、扉20が開く動作中に、扉20ががたついたり、恒温恒湿器3から外れたりすることはない。
【0042】
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な設計変更が可能なものである。例えば、上述した実施の形態では、扉開閉装置1,2は、恒温恒湿器3の突出部5の両端に、上面の突出部5であれば下方に向けて突設した蝶番軸6a,6bを設け、下面の突出部5であれば上方に向けて突設した蝶番軸6a,6bを設けていた。そして、扉開閉装置1,2は、恒温恒湿器3の開口4に対して、右側に位置する蝶番軸6aを回動中心として左側から扉10を開閉することができ、且つ左側に位置する蝶番軸6bを回動中心として右側から扉10を開閉することができるものとなっていた。しかし、扉開閉装置は、恒温恒湿器3の開口4に対して、下側に位置する蝶番軸を回動中心として上側から扉を開閉することができ、且つ上側に位置する蝶番軸を回動中心として下側から扉10を開閉することができるものであってもよい。また、本実施の形態では、恒温恒湿器3に両開き式扉開閉装置が取り付けられていたが、恒温恒湿器3に限らず、冷蔵庫や自動販売機に両開き式扉開閉装置が取り付けられてもよい。
【0043】
【発明の効果】
請求項1によると、両開き式開閉装置は、本体の左右又は上下の両端に突設された軸と、扉に設けられ、軸が係脱自在に係合する溝を有する軸受け部材と、軸受け部材に組み込まれ、溝から抜け出る軸をロックする爪を溝に対して回動自在に有したロック部材と、このロック部材を回動させ、扉を開くときに操作されるハンドルとを備えていることによって、ヒンジ板や固定板などといった複数の部材が不要となるので、両開き式扉開閉装置の部品点数を少なく、構造を簡単にすることができる。また、扉の内部に複数の部材を設ける必要がなくなることによって、扉内に充填される断熱材の量の制限が緩和されるので、扉の断熱性を向上させることができる。
【0044】
請求項2によると、左右又は上下の一対の前記溝は、扉の開放側に向かって広がる様に配設され、一方の溝に係合する軸が開放されるときに、他方の溝に係合する軸が溝の奥に押し込まれるので、左右又は上下の両方の溝から両方の軸が同時に抜け出ることがなくなる。つまり、扉が本体から落下することを防止することができる。
【0045】
請求項3によると、左右又は上下の一対の前記ロック部材を連結するリンクが設けられ、一方のロック部材の爪が溝から退避すると、他方のロック部材の爪が溝に進出するようにしたので、左右又は上下の両方の溝から両方の軸が同時に抜け出ることがなくなる。つまり、扉が本体から落下することを防止することができる。
【0046】
請求項4によると、両開き式開閉装置は、本体の左右又は上下の両端に突設された軸と、この軸の回りの略半周に設けられたガイドと、扉に設けられ、軸が係脱自在に係合する溝を有する軸受け部材と、この溝の奥の回りに設けられたカムとを備えていることによって、ヒンジ板や固定板などといった複数の部材が不要となるので、両開き式扉開閉装置の部品点数を少なく、構造を簡単にすることができる。また、扉の内部に複数の部材を設ける必要がなくなることによって、扉内に充填される断熱材の量の制限が緩和されるので、扉の断熱性を向上させることができる。また、溝は、扉の開放側に向かって広がる様に配設されているので、左右又は上下の両方の溝から両方の軸が同時に抜け出ることがなくなる。つまり、扉が本体から落下することを防止することができる。また、扉が閉じた状態でガイドとカムは対向するように配設され、扉の開放当初に、軸となる側のカムがガイドで案内される。そして、扉が開くと、ガイドの内周にカムが入り込む。
そのため、扉が開く動作中に、扉ががたついたり、本体から外れたりすることはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の両開き式扉開閉装置が取り付けられた恒温恒湿器を示す部分斜視図である。
【図2】図1に示す恒温恒湿器の扉を示す斜視図であって、両開き式扉開閉装置の構造を説明する図である。
【図3】図2に示す扉の上面図であって、扉が閉まっている場合の両開き式扉開閉装置を説明する図である。
【図4】図2に示す扉の上面図であって、扉が開いている場合の両開き式扉開閉装置を説明する図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態の両開き式扉開閉装置とは別の形状例を説明する模式図である。
【図6】図1に示す恒温恒湿器の扉を示す斜視図であって、本発明の第2の実施の形態の両開き式扉開閉装置の構造を説明する図である。
【図7】扉が閉まっている場合の両開き式扉開閉装置を説明する断面図である。
【図8】扉が開いた場合の両開き式扉開閉装置を説明する断面図である。
【図9】扉が開いた場合の両開き式扉開閉装置を説明する断面図である。
【図10】両開き式扉開閉装置の一部分を示す作動図であって、図8の状態から図9の状態への変化を説明する図である。
【図11】両開き式扉開閉装置に設けられた扉開閉ガイドとガイド受け爪を説明する模式図である。
【図12】両ハンドルを引いた場合の断面図である。
【符号の説明】
1,2 扉開閉装置
3 恒温恒湿器
4 開口
5 突出部
6a,6b 蝶番軸
7a,7b 軸周りガイド
8a,8b ガイド受け爪
10,20 扉
11a,11b ロックハンドル
12a,12b 扉軸受け
13a,13b,22a,22b 溝
14a,14b ロック部材
15a,15b 爪
16a,16b ロックシャフト
17a,17b ばね
18a,18b 取り付け軸
19 リンク軸
21a,21b 扉軸受け部
23a,23b 軸受けカム
24a,24b 凸部
25a,25b 扉開閉ガイド
Claims (4)
- 本体に取り付けられた扉を任意の側から開閉する両開き式扉開閉装置であって、
扉が取り付けられる本体の左右又は上下の両端に突設された軸と、
前記扉に設けられ、前記軸が扉の開放側から係脱自在に係合する溝を有する軸受け部材と、
前記軸受け部材に組み込まれ、前記溝から抜け出る前記軸をロックする爪を前記溝に対して回動自在に有し、回動軸が前記軸と略一致するように配設されたロック部材と、
このロック部材に連結されるシャフトを回動させる様に前記扉の側面に取り付けられ、扉を開くときに操作されるハンドルと、を備えてなる両開き式扉開閉装置。 - 左右又は上下の一対の前記溝は、扉の開放側に向かって広がる様に配設され、一方の溝に係合する軸が開放されるときに、他方の溝に係合する軸が溝の奥に押し込まれる請求項1に記載の両開き式扉開閉装置。
- 左右又は上下の一対の前記ロック部材を連結するリンクが設けられ、一方のロック部材の爪が溝から退避すると、他方のロック部材の爪か溝に進出するようにした請求項1に記載の両開き式扉開閉装置。
- 本体に取り付けられた扉を任意の側から開閉する両開き式扉開閉装置であって、
扉が取り付けられる本体の左右又は上下の両端に突設された軸と、この軸の回りの略半周に設けられたガイドと、
前記扉に設けられ、前記軸が扉の開放側から係脱自在に係合する溝を有する軸受け部材と、この溝の奥の回りに設けられたカムとを備え、
左右又は上下の一対の前記溝は、扉の開放側に向かって広がる様に配設されており、
扉が閉じた状態で前記ガイドと前記カムは対向するように配設され、扉が開くと、前記ガイドの内周に前記カムが入り込むように形成され、
扉の開放当初に、軸となる側の前記カムが前記ガイドで案内され、前記軸を前記溝の奥に押し込む凸部が前記カムに設けられた両開き式扉開閉装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003075003A JP2004278251A (ja) | 2003-03-19 | 2003-03-19 | 両開き式扉開閉装置 |
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JP2003075003A JP2004278251A (ja) | 2003-03-19 | 2003-03-19 | 両開き式扉開閉装置 |
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ID=33290424
Family Applications (1)
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Country Status (1)
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JP (1) | JP2004278251A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008057108A (ja) * | 2006-08-29 | 2008-03-13 | Sharp Corp | 扉開閉機構 |
KR101014516B1 (ko) | 2009-01-14 | 2011-02-14 | 김세곤 | 양방향 개폐식 경첩 |
JP2012026613A (ja) * | 2010-07-21 | 2012-02-09 | Sharp Corp | 扉開閉機構及び冷蔵庫 |
CN113914734A (zh) * | 2021-09-29 | 2022-01-11 | 重庆海尔制冷电器有限公司 | 双向开门装置及具有该装置的制冷设备 |
-
2003
- 2003-03-19 JP JP2003075003A patent/JP2004278251A/ja active Pending
Cited By (4)
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KR101014516B1 (ko) | 2009-01-14 | 2011-02-14 | 김세곤 | 양방향 개폐식 경첩 |
JP2012026613A (ja) * | 2010-07-21 | 2012-02-09 | Sharp Corp | 扉開閉機構及び冷蔵庫 |
CN113914734A (zh) * | 2021-09-29 | 2022-01-11 | 重庆海尔制冷电器有限公司 | 双向开门装置及具有该装置的制冷设备 |
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