JP2004277674A - ポリカーボネート樹脂組成物及び成形品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)ポリカーボネート樹脂60〜97質量%及び(B)スチレン系樹脂3〜40質量%からなる、(A)成分及び(B)成分の合計量100質量部に対して、(C)ポリテトラフルオロエチレンの水性分散液を固形分として0.05〜2質量部となるに必要な量、及び(D)離型剤0.05〜3質量部を配合してなるポリカーボネート樹脂組成物である。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリカーボネート樹脂組成物及び射出成形品に関し、更に詳しくは、離型性に優れ、成形品の成形外観が著しく向上し、且つウエルド強度及び面衝撃強度に優れたポリカーボネート樹脂組成物及び射出成形品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリカーボネート樹脂は、優れた耐衝撃特性、耐熱性、電気的特性等により、OA(オフィスオートメーション)機器、電気・電子機器分野、自動車分野、建築分野等様々な分野において幅広く利用されている。
しかしながら、ポリカーボネート樹脂は、成形加工温度が高い、溶融流動性が悪いという問題点を有している。
又、ポリカーボネート樹脂は、一般の熱可塑性樹脂と同様に、射出成形により、各種成形品に成形されている。
しかしながら、成形品が前記のように、複写機、フアックスなどのOA機器、電気・電子機器等の部分品やハウジングなどの場合には、形状が複雑になること、リブやボス等の凹凸が成形品に形成されることのために、成形品を金型から脱型することが困難となる場合があり、脱型ができず、成形品に穴があいたり、脱型できても、成形品に変形を生じたり、白化や歪みが残留して、成形品の寸法精度、強度、外観が低下する等の問題がある。
【0003】
一方、ポリカーボネート樹脂は、一般的に自己消火性樹脂ではあるが、これらの利用分野の中には、OA機器、電気・電子機器分野を中心として、高度の難燃性を要求される分野があり、各種難燃剤の添加により、その改善が図られている。
ポリカーボネート樹脂の溶融流動性の改良のために、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン樹脂(AS樹脂)等のスチレン系樹脂をポリカーボネート樹脂に配合した組成物は、ポリマーアロイとして、その耐熱性、耐衝撃性の特性を生かし、多くの成形品分野に用いられてきている。
一方、これらの用途の中でも、電気、電子、自動車部品等に用いる場合には、その製品の安全性を高めるために、家庭電化製品やOA機器の成形品にあっては、あるレベル以上の難燃性を求められている。
【0004】
これらを目的として、多くの方法が提案されている。
具体的には、特許文献1には、(A)芳香族ポリカーボネート樹脂、(B)ABS樹脂、(C)AS樹脂、(D)ハロゲン化合物、(E)リン酸エステル、(F)ポリテトラフルオロエチレン成分からなる熱可塑性樹脂組成物が記載されている。
特許文献2には、(A)芳香族ポリカーボネート樹脂、(B)ABS樹脂、(C)AS樹脂、(D)リン酸エステル、(E)ポリテトラフルオロエチレン成分からなる難燃性高衝撃性ポリカーボネート成形用組成物が記載されている。
特許文献3には、(A)芳香族ポリカーボネート、(B)ゴム状弾性体を含有する耐衝撃ポリスチレン樹脂、(C)ハロゲン非含有リン酸エステル、(D)コアシエルタイプグラフトゴム状弾性体、(D)タルクを含むポリカーボネート樹脂組成物が記載されている。
【0005】
これらは、いずれも、ポリカーボネートの溶融流動性の改良による成形性、耐衝撃性、難燃性の改良を目的としたもので、その優れた効果を生かし、各種成形品として用いられてきている。
ところが、OA機器、電気・電子機器、家庭電化製品等にあってはその部分品、ハウジング等の用途で、機器の軽量化、薄肉化、又は形状因子、即ち、成形品にリブやボス等の細かな凹凸、格子状構造等複雑且つ大型化等に対応できることが求められてきている。
このような成形品では、特に、射出成形において、成形金型からの、成形品の離型性(脱型性)が重要となってきている。
即ち、離型性を確保するために、射出成形品の薄肉化、形状設計に制限がありこの解決が望まれている。
【0006】
ポリカーボネート樹脂の離型性を高めるために、離型剤を添加することはよく行われている。
例えば、特許文献4には、特定のアルコールと酸とのエステルを含有する成形用組成物が記載されている。
この公報には、成形時の劣化着色が少ないことが記載されている。
又、離型剤を添加しない場合にインジェクタピンにより部品が破損するのに対して、添加した場合には、インジェクタピンに作用する放出力がpsiで示されている。
しかしながら、特定のエステルである実施例と比較例において、その差は少ない。
又、この公報には、ポリカーボネート樹脂に対するスチレン系樹脂の配合、難燃性については何ら具体的に示されていない。
【0007】
又、特許文献5には、(A)ポリカーボネート、(B)スチレン系樹脂、(C)レゾルシンポリホスフェート化合物、(D)ポリテトラフルオロエチレンからなる樹脂組成物100重量部に対して、(E)平均分子量1000〜50000の飽和脂肪酸エステル系ワックス0.1〜2重量部及び(F)平均分子量1000〜3000のポリエチレンワックス0.01〜2重量部からなる離型性に優れた難燃性樹脂組成物が記載されている。
しかし、この公報には、それぞれのワックスを単独では効果が小さいか、又は効果が認められなく、両者を併用することにより顕著な離型性改良効果を発揮すると明確に記載されている。
【0008】
特許文献6には、離型性が向上し、薄肉化複雑形状でも容易に成形することができる熱可塑性組成物が開示されているが、ゲート部のフローマーク及びシルバー状の外観不良の発生や、高速で射出成形した場合に表層剥離を引き起こすおそれがある。
更に、面衝撃強度にバラツキが発生し脆性破壊につながるおそれもある。
又、ポリテトラフルオロエチレン粒子と有機系重合体粒子とからなるポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体をポリカーボネート樹脂、又は熱可塑性樹脂に添加する技術は、特許文献7、特許文献8、特許文献9及び特許文献10等に開示されている。
しかしながら、衝撃強度及び難燃性は向上するものの、ポリカーボネート樹脂を射出成形する場合、シルバー状の外観不良及び面衝撃強度のバラツキの解消には至っていない。
【0009】
一方、特許文献11には、熱可塑性樹脂と難燃剤との溶融混合物に、フッ素系樹脂を水性ディスパージョン(水性分散液)の形態で添加することにより、フッ素系樹脂フィブリルの交差点又は分岐点を増して、難燃性と成形品の外観性を向上させた樹脂組成物が開示されている。
しかし、フッ素系樹脂の水性ディスパージョンを用いた特許文献11の場合は、ポリカーボネート樹脂の難燃性と成形品の外観性は改良されても、ウエルド強度や面衝撃強度の向上を得ることはできなかった。
【0010】
【特許文献1】
特開昭61−55145公報(第1,2頁)
【特許文献2】
特開平2−32154公報(第1,2頁)
【特許文献3】
特開平8−239565公報(第1頁)
【特許文献4】
特公昭61−41939号公報(第1頁)
【特許文献5】
特開平8−48844号公報(第1頁)
【特許文献6】
特開2000−63649号公報(第1頁)
【特許文献7】
特開平10−310707号公報(第1頁)
【特許文献8】
特開平11−29679号公報(第1頁)
【特許文献9】
特開2000−143966号公報(第1頁)
【特許文献10】
特開2000−297187号公報(第1頁)
【特許文献11】
特開平10−338814号公報(第2頁)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の状況下、ポリカーボネート樹脂による、薄肉化、複雑化するOA機器、電気・電子機器、自動車等に用いられる成形品の成形において、難燃性で離型性に優れ、射出成形品の成形外観が著しく向上し、且つウエルド強度及び面衝撃強度に優れたポリカーボネート樹脂組成物及び射出成形品を提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的を達成するため、本発明者等は、種々の熱可塑性樹脂等を様々な割合でポリカーボネート樹脂に配合した組成物の成形性、物性のみでなく離型性について種々の添加剤との組み合わせについて鋭意検討を行った。
その結果、ポリカーボネート樹脂にスチレン系樹脂、離型剤及びポリテトラフルオロエチレンの水性分散液を配合することにより、薄肉、複雑な成形品であって、比較的大型の成形品であっても、確実に脱型でき、難燃性で成形外観が著しく優れ、しかも生産性よく安定生産できるとともに、ウエルド強度及び面衝撃強度の向上に有効であることを見出し、本発明を完成した。
【0013】
即ち、本発明は、
1.(A)ポリカーボネート樹脂60〜97質量%及び(B)スチレン系樹脂3〜40質量%からなる、(A)成分及び(B)成分の合計量100質量部に対して、(C)ポリテトラフルオロエチレンの水性分散液を固形分として0.05〜2質量部となるに必要な量、及び(D)離型剤0.05〜3質量部を配合してなるポリカーボネート樹脂組成物、
2.さらに、(E)難燃剤0.05〜2質量部を配合してなる上記1に記載のポリカーボネート樹脂組成物、
3.難燃剤(E)が、リン酸エステル、シリコーン化合物及び有機アルカリ金属塩から選ばれる1種以上の化合物である上記2に記載のポリカーボネート樹脂組成物、
4.さらに、(F)ゴム状弾性体を10質量部以下配合してなる上記1ないし3のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物、
5.さらに、(G)無機質充填剤を20質量部以下配合してなる上記1ないし4のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物、
6.無機充填剤(G)が、板状フィラーである上記5に記載のポリカーボネート樹脂組成物、
7.上記1〜6のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物を射出成形してなる射出成形品、
8.射出成形品が、OA機器、電気・電子機器のハウジング又は部品である上記7に記載の射出成形品、を提供するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
先ず、本発明のポリカーボネート樹脂組成物における(A)成分のポリカーボネート樹脂としては、特に制限はなく種々のものが挙げられる。
通常、二価フェノールとカーボネート前駆体との反応により製造される芳香族ポリカーボネートを用いることができる。
即ち、2価フェノールとカーボネート前駆体とを溶液法又は溶融法、即ち、二価フエノールとホスゲンの反応、2価フエノールとジフェニルカーボネート等とのエステル交換法により反応させて製造されたものを使用することができる。
2価フェノールとしては、様々なものが挙げられるが、特に2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン〔ビスフェノールA〕、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロアルカン;ビス(4−ヒドロキシフェニル)オキシド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン等が挙げられる。
【0015】
特に、好ましい2価フエノールとしては、ビス(ヒドロキシフェニル)アルカン系、特にビスフェノールAを主原料としたものである。
又、カーボネート前駆体としては、カルボニルハライド、カルボニルエステル、又はハロホルメート等であり、具体的にはホスゲン、2価フェノールのジハロホーメート、ジフェニルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等である。
この他、二価フェノールとしては、ハイドロキノン、レゾルシン、カテコール等が挙げられる。これらの二価フェノールは、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
【0016】
尚、ポリカーボネート樹脂は、分岐構造を有していてもよく、分岐剤としては、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、α,α’,α”−トリス(4−ビドロキシフェニル)−1,3,5−トリイソプロピルベンゼン、フロログリシン、トリメリット酸、イサチンビス(o−クレゾール)等がある。
又、分子量の調節のために末端停止剤としてアルキルフェノール等が用いられる。
アルキルフェノールのアルキル基の炭素数としては、0〜30が好ましく、高流動化のためには炭素数12以上のものが好ましい。
アルキルフェノールとしては、フェノール、p−クレゾール、p−tert−ブチルフェノール、p−tert−オクチルフェノール、p−クミルフェノール、p−ノニルフェノール、ドデシルフェノール、ヘキサデシルフェノール、オクタデシルフェノール、イコシルフェノール、ドコシルフェノール、テトラコシルフェノール、ヘキサコシルフェノール、オクタコシルフェノール及びトリアコンチルフェノール等を挙げることができる。
これらは一種でもよく、二種以上を混合したものでもよい。
【0017】
本発明に用いるポリカーボネート樹脂としては、ポリカーボネート部とポリオルガノシロキサン部を有する共重合体、又はこの共重合体を含有するポリカーボネート樹脂であってもよい。
又、共重合体としては、テレフタル酸等の2官能性カルボン酸、又はそのエステル形成誘導体等のエステル前駆体の存在下にポリカーボネートの重合反応を行うことによって得られるポリエステル−ポリカーボネート樹脂であってもよい。
更に、種々なポリカーボネート樹脂を適宜混合して使用することもできる。
本発明において用いられる(A)成分のポリカーボネート樹脂は、機械的強度及び成形性の点から、その粘度平均分子量は、10,000〜100,000のものが好ましく、特に13,000〜25,000のものが好適である。
【0018】
本発明のポリカーボネート樹脂組成物における(B)成分のスチレン系樹脂としては、スチレン、α−メチルスチレン等のモノビニル系芳香族単量体20〜100質量%、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル系単量体0〜60質量%、及びこれらと共重合可能なマレイミド、(メタ)アクリル酸メチル等の他のビニル系単量体0〜50質量%からなる単量体又は単量体混合物を重合して得られる重合体がある。
これらの重合体としては、ポリスチレン(GPPS)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)等がある。
【0019】
又、スチレン系樹脂としてはゴム質重合体変性スチレン系樹脂が好ましく利用できる。
この変性スチレン系樹脂としては、好ましくは、少なくともスチレン系単量体がゴム質重合体にグラフト重合した耐衝撃性スチレン系樹脂である。
ゴム変性スチレン系樹脂としては、例えば、ポリブタジエン等のゴム質重合体にスチレンが重合した耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、ポリブタジエンにアクリロニトリルとスチレンとが重合したABS樹脂、ポリブタジエンにメタクリル酸メチルとスチレンが重合したMBS樹脂等があり、ゴム変性スチレン系樹脂は、二種以上を併用することができると共に、前記のゴム未変性であるスチレン系樹脂との混合物としても使用できる。
【0020】
ゴム変性スチレン系樹脂中のゴム質重合体の含有量は、例えば、2〜50質量%、好ましくは、5〜30質量%である。
ゴム質重合体の割合が2質量%未満であると、耐衝撃性が不十分となり、又、50質量%を超えると熱安定性が低下したり、溶融流動性の低下、ゲルの発生、着色等の問題が生じる場合がある。
上記ゴム質重合体の具体例としては、ポリブタジエン、アクリレート及び/又はメタクリレートを含有するゴム質重合体、スチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)ゴム、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエン−アクリルゴム、イソプレンゴム、イソプレン−スチレンゴム、イソプレン−アクリルゴム、エチレン−プロピレンゴム等が挙げられる。
【0021】
このうち、特に、好ましいものはポリブタジエンである。
ここで用いるポリブタジエンは、低シスポリブタジエン(例えば、1,2−ビニル結合を1〜30モル%、1,4−シス結合を30〜42モル%含有するもの)、高シスポリブタジエン(例えば、1,2−ビニル結合を20モル%以下、1,4−シス結合を78モル%以上含有するもの)のいずれを用いてもよく、又、これらの混合物であってもよい。
上記ポリスチレン系樹脂において、耐衝撃性ポリスチレン樹脂(HIPS)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、メタクリル酸メチル−スチレン共重合体(MS樹脂)、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体(MBS樹脂)、アクリロニトリル−アクリル酸メチル−スチレン共重合体(AAS樹脂)及びアクリロニトリル−(エチレン/プロピレン/ジエン)−アクリル酸メチル−スチレン共重合体(AES樹脂)が好ましく、耐衝撃性ポリスチレン樹脂(HIPS)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)及びアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)が特に好ましい。
又、スチレン系樹脂が、ポリカーボネート樹脂とポリマーアロイを形成する場合、塊状重合品が好ましい。
【0022】
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、基本的に前記の(A)ポリカーボネート樹脂及び(B)スチレン系樹脂からなる組成物である。
ここで、両樹脂の配合比は、(A)ポリカーボネート樹脂60〜97質量%、好ましくは70〜5質量%、(B)スチレン系樹脂が3〜40質量%、好ましくは5〜30質量%である。
(A)成分のポリカーボネート樹脂が60質量%未満では、難燃性、ウエルド強度及び面衝撃強度等が十分でない場合があり、97質量%を超えると、
流動性及び耐溶剤性が低下する。
又、(B)成分のスチレン系樹脂が3質量%未満では、流動性及び耐溶剤性が劣る場合があり、40質量%を超えると、目標とする難燃性がV−1以上を達成することが困難な場合がある。
【0023】
次に、本発明のポリカーボネート樹脂組成物においては、(C)成分として、ポリテトラフルオロエチレンを水性分散液として配合することが必要である。
ここで、ポリテトラフルオロエチレンはフィブリル形成能を有するものが好ましく、分子量としては50万以上が好ましい。また、ポリテトラフルオロエチレンの粒子径は10μm以下が好ましく、さらに0.05〜1.0μmが好ましい。また、水性分散液は懸濁重合、乳化重合のいずれでも得られるが、乳化重合によるものが好ましい。このようなポリテトラフルオロエチレンの水性分散液は、例えば含フッ素界面活性剤を用いる乳化重合でテトラフルオロエチレンモノマーを重合することにより得ることができる。このような製造法は、例えば「ふっ素樹脂ハンドブック」(日刊工業新聞社、1990年発行)に記載されている。
【0024】
また、ポリテトラフルオロエチレン粒子の乳化重合の際、ポリテトラフルオロエチレンの特性を損なわない範囲で、共重合成分としてヘキサフルオロプロピレン、クロロトリフルオロエチレン、フルオロアルキルエチレン及びパーフルオロアルキルビニルエーテル等の含フッ素オレフィン、パーフルオロアルキル(メタ)アクリレート等の含フッ素アルキル(メタ)アクリレートを用いることができる。
共重合成分の含有量は、好ましくは、テトラフルオロエチレンに対して10質量%以下である。
ポリテトラフルオロエチレンの水性分散液は市販品として入手することができる。例えば三井・デュポンフロロケミカル社製の「テフロン30−J」(固形分濃度60質量%、粒子径0.23μm、界面活性剤濃度がPTFE質量に対して6質量%)、ダイキン工業株式会社製の「ポリフロンTFEディスパージョンD−1」(固形分濃度約60質量%、粒子径0.20〜0.40μm)などが挙げられる。
【0025】
これら通常の市販のものは固形分濃度が60質量%付近で供給されることが多いが、必要に応じて水で希釈するか、または濃縮して所望の濃度に調整して用いることができる。また、本発明において用いるPTFE水性分散液の好ましい固形分濃度は10〜70質量%である。
PTFEの水性分散液の樹脂への配合方法は特に限定されるものではく常法により行うことができる。例えば樹脂の溶融混練工程において、水性分散液を滴下等の手段により、他の配合剤と同時又は単独で添加される。この際、水性分散液中の水分は樹脂の溶融混練中に蒸発し、PTFEは樹脂組成に効率よく均一に分散することとなる。このように、PTFEを、粉末としてではなく、水性分散液として添加することにより、成形品の外観やウエルド強度において優れた効果を得ることができる。
【0026】
本発明のポリカーボネート樹脂組成物における(C)ポリテトラフルオロエチレンの水性分散液は、滴下防止及びゲート外観向上とともに、ウエルド強度や面衝撃強度向上のために配合するもので、その含有量としては、(A)ポリカーボネート樹脂及び(B)スチレン系樹脂の合計量100質量部に対して、該水性分散液を固形分として0.05〜2質量部なるに必要な量を配合することが必要である。
また、ポリテトラフルオロエチレンの水性分散液の配合量が少なすぎると、目標とする難燃性が得られ難く、また、多すぎると、難燃性が低下するおそれがある。
【0027】
本発明のポリカーボネート樹脂組成物における(D)成分の離型剤としては、高級アルコール、カルボン酸エステル、ポリオレフィンワックス及びポリアルキレングリコールが挙げられる。
本発明の高級アルコールとしては、炭素数6〜40の一価のアルコールが挙げられ、具体的には、オクチルアルコール、デシルアルコール、ドデシルアルコール、テトラデシルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オクタデシルアルコール、イコシルアルコール、ドコシルアルコール、トリアコンチルアルコール、テトラコンチルアルコール、ガーベットアルコール(炭素数は20)、ユニリンアルコール(30)等が挙げられる。
【0028】
本発明のカルボン酸エステルとしては、一価又は多価アルコールの長鎖カルボン酸エステルが挙げられ、具体的には、炭素数が2〜40の一価又は多価アルコールの少なくとも一つの水酸基が、炭素数8〜40のモノ又はジカルボン酸とエステルを形成しているものである。
炭素数が2〜40の一価又は多価アルコールとしては、オクチルアルコール、デシルアルコール、ドデシルアルコール、テトラデシルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オクタデシルアルコール、イコシルアルコール、ドコシルアルコール、トリアコンチルアルコール、テトラコンチルアルコール、ガーベットアルコール(炭素数は20)、ユニリンアルコール(30)、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、グリセリン、ネオペンチレングリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ヘキサントリオール、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール、トリヒドロキシステアリルアルコール等を挙げることができる。
炭素数8〜40のモノ又はジカルボン酸としては、オクタン酸、デカン酸、ドデカン酸、テトラデカン酸、オクタデカン酸、ドコサン酸、テトラコサン酸、ヘキサコサン酸、オクタコサン酸、トリアコンタン酸、テトラコンタン酸、オクタン二酸、ノナン二酸、デカン二酸等が挙げられる。
【0029】
本発明のカルボン酸エステルの具体例としては、オクタデシルオクタデシレート、ドコスルドコサレート、ドコシルオクタコサネート、エチレングリコールモノオクタデシレート、グリセリンモノオクタデシレート、グリセリンジドデシレート、グリセリンジオクタデシレート、グリセリントリオクタデシレート、グリセリントリドコサネート、トリメチロールプロパンモノオクタデシレート、トリメチロールプロパンジオレエート、トリメチロールプロパントリデシレート、トリメチロールプロパンジオクタデシレート、ペンタエリスリトールモノドコシレート、ペンタエリスリトールモノオクタデシレート、ペンタエリスリトールジオクタデシレート、ペンタエリスリトールトリオクタデシレート及びペンタエリスリトールテトラオクタデシレート等が挙げられる。
【0030】
ポリオレフィンワックスとしては、低密度、中密度、高密度のポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等が挙げられる。
ポリエチレンワックスとしては、分子量が1000〜5000程度で、融点が100〜120℃の範囲のものが好適であり、ポリプロピレンワックスとしては、分子量15000〜40000程度のものが好適である。中でもポリエチレンワツクスが好ましい。
本発明のポリアルキレングリコールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール及びポリエチレン−プロピレングリコール等が挙げられ、分子量としては、500〜20000の範囲のものである。
その他、シリコーン系離型剤及びビスアマイド系離型剤も好適に用いることができる。
上記の(D)離型剤は一種用いてもよく、又、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0031】
本発明のポリカーボネート樹脂組成物おける(D)離型剤の含有量としては、(A)ポリカーボネート樹脂及び(B)スチレン系樹脂の合計量100質量部に対して、0.05〜3質量部であり、好ましくは0.1〜2質量部である。
離型剤の含有量が0.05質量部未満では、成形外観、離型性及び面衝撃性が向上しないおそれがあり、3質量部を越えると、面衝撃強度、ウエルド強度及び耐熱性が低下するおそれがある。
また、本発明のポリカーボネート樹脂においては、さらに(E)成分として難燃剤を配合することが好ましい。難燃剤としては、リン系難燃剤、有機アルカリ金属塩、有機アルカリ土類金属塩、シリコーン系難燃剤、ハロゲン系難燃剤、窒素系難燃剤、金属水酸化物、赤リン、酸化アンチモン、膨張性黒鉛等公知のものを、目的に応じて用いることができる。
【0032】
ハロゲン系難燃剤としては、テトラブロモビスフェノールA、ハロゲン化ポリカーボネート及びハロゲン化ポリカーボネート(共)重合体やこれらのオリゴマー、(TBAオリゴマー)、デカブロモジフェニルエーテル、(テトラブロモビスフェノール)エポキシオリゴマー、ハロゲン化ポリスチレン、ハロゲン化ポリオレフィン等を例示できる。
又、窒素系難燃剤としては、メラミン、アルキル基又は芳香族基置換メラミン等、金属水酸化物としては、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等が挙げられる。
しかしながら、ハロゲン系難燃剤は比較的難燃化効率はよいが、成形時の有害ガスの発生、金型腐食の恐れや成形品の焼却時に有害物質を排出する恐れがあり、環境汚染、安全性の観点からハロゲンを含まない難燃剤が好ましい。
ハロゲンを含まないリン系難燃剤としては、ハロゲン非含有有機リン系難燃剤がある。
【0033】
有機リン系難燃剤としては、リン原子を有し、ハロゲンを含まない有機化合物であれば、特に制限なく用いることができる。
中でも、リン原子に直接結合するエステル性酸素原子を1つ以上有するリン酸エステル化合物が好ましく用いられる。
有機リン系化合物以外のハロゲン非含有リン系難燃剤としては、赤リン等がある。
又、リン酸エステル化合物としては、特に制限はなく、ハロゲンを含まないものが好ましく、例えば、次式(1)
【0034】
【化1】
【0035】
(式中、R1、R2、R3及びR4は、それぞれ独立して、水素原子又は有機基を表し、Xは2価以上の有機基を表し、pは0又は1であり、qは1以上の整数であり、rは0以上の整数を表す。)
で示されるリン酸エステル化合物である。
式(1)において、有機基とは、置換されていても、いなくてもよいアルキル基、シクロアルキル基、アリール基等である。
又、置換されている場合の置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基等がある。
更に、これらの置換基を組み合わせた基であるアリールアルコキシアルキル基等、又は、これらの置換基を酸素原子、窒素原子、イオウ原子等により結合して組み合わせたアリールスルホニルアリール基等を置換基としたもの等がある。
【0036】
又、式(1)において、2価以上の有機基Xとしては、上記した有機基から、炭素原子に結合している水素原子の1個以上を除いてできる2価以上の基を意味する。
例えば、アルキレン基、(置換)フェニレン基、多核フェノール類であるビスフェノール類から誘導されるものである。
好ましいものとしては、ビスフェノールA、ヒドロキノン、レゾルシノール、ジフエニルメタン、ジヒドロキシジフェニル及びジヒドロキシナフタレン等が挙げられる。
リン酸エステル化合物は、モノマー、ダイマー、オリゴマー、ポリマー又はこれらの混合物であってもよい。
具体的には、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、トリ(2−エチルヘキシル)ホスフェート、ジイソプロピルフェニルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、トリス(イソプロピルフェニル)ホスフェート、トリナフチルホスフェート、ビスフェノールAビスホスフェート、ヒドロキノンビスホスフェート、レゾルシンビスホスフェート、レゾルシノール−ジフェニルホスフェート、トリオキシベンゼントリホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、又はこれらの置換体、縮合物等が挙げられる。
【0037】
ここで、市販のハロゲン非含有リン酸エステル化合物としては、例えば、大八化学工業株式会社製の、TPP〔トリフェニルホスフェート〕、TXP〔トリキシレニルホスフェート〕、CR−733S〔レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)〕、CR741[フェノールAビス(ジフェニルホスフェート)]、PX200〔1,3−フェニレン−テスラキス(2,6−ジメチルフェニル)リン酸エステル、PX201〔1,4−フェニレン−テトラキス(2,6−ジメチルフェニル)リン酸エステル、PX202〔4,4’−ビフェニレン−テスラキス〕2,6−ジメチルフェニル〕リン酸エステル等を挙げることができる。
【0038】
有機アルカリ金属塩及び有機アルカリ土類としては、各種のものがあるが、少なくとも一つの炭素原子を有する有機酸又は有機酸エステルのアルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩である。
ここで、有機酸又は有機酸エステルは、有機スルホン酸,有機カルボン酸等である。
一方、アルカリ金属は、ナトリウム,カリウム,リチウム,セシウム等、又、アルカリ土類金属は、マグネシウム,カルシウム,ストロンチウム,バリウム等である。中でも、ナトリウム,カリウム,セシウムの塩が好ましく用いられる。又、その有機酸の塩は、フッ素、塩素,臭素のようなハロゲンが置換されていてもよい。
【0039】
上記各種の有機アルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩の中では、例えば、有機スルホン酸の場合、一般式(2)
(CnF2n+1SO3)mM (2)
(式中、nは1〜10の整数を示し、Mはリチウム,ナトリウム,カリウム,セシウム等のアリカリ金属、又はマグネシウム,カルシウム,ストロンチウム,バリウム等のアルカリ土類金属を示し、mはMの原子価を示す。)
で表されるパーフルオロアルカンスルホン酸のアルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩が好ましく用いられる。
これらの化合物としては、例えば、特公昭47−40445号公報に記載されているものがこれに該当する。
【0040】
上記一般式(2)において、パーフルオロアルカンスルホン酸としては、例えば、パーフルオロメタンスルホン酸,パーフルオロエタンスルホン酸,パーフルオロプロパンスルホン酸,パーフルオロブタンスルホン酸,パーフルオロメチルブタンスルホン酸,パーフルオロヘキサンスルホン酸,パーフルオロヘプタンスルホン酸,パーフルオロオクタンスルホン酸等を挙げることができる。
特に、これらのカリウム塩が好ましく用いられる。
その他、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸;2,4,5−トリクロロベンゼンスルホン酸;ジフェニルスルホン−3−スルホン酸;ジフェニルスルホン−3,3’−ジスルホン酸;ナフタレントリスルホン酸等の有機スルホン酸のアルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩等を挙げることができる。
更に、ビニル系熱可塑性樹脂の芳香環に、スルホン酸塩基、ホウ酸塩基、リン酸塩基等が置換された熱可塑性樹脂も用いることができる。
芳香族ビニル系樹脂としては、ポリスチレン、ゴム変性ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、ABS樹脂等の少なくともスチレン構造を有する熱可塑性樹脂が挙げられ、中でもポリスチレン樹脂が好ましく用いられる。
又、上記酸塩基としては、アルカリ金属塩及びアルカリ土類塩が挙げられるを例示できる。
【0041】
又、有機カルボン酸としては、例えば、パーフルオロギ酸,パーフルオロメタンカルボン酸,パーフルオロエタンカルボン酸,パーフルオロプロパンカルボン酸,パーフルオロブタンカルボン酸,パーフルオロメチルブタンカルボン酸,パーフルオロヘキサンカルボン酸,パーフルオロヘプタンカルボン酸,パーフルオロオクタンカルボン酸等を挙げることができ、これら有機カルボン酸のアルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩が用いられる。
アルカリ金属やアルカリ土類金属は前記と同じである。
【0042】
シリコーン系難燃剤としては、シリコーン油、シリコーン樹脂等がある。
シリコーン系難燃剤としては、アルコキシ基、エポキシ基等の反応性基を含有する特定構造のシリコーン系化合物や繰り返し単位中の酸素量が異なる特定分子量のシリコーン樹脂等がある(特開平6−306265号公報、特開平6−336547号公報、特開平8−176425号公報、特開平10−139964号公報等参照)。
ここでシリコーン系難燃剤としては、種々の化合物があるが中でも、官能基含有シリコーン化合物、例えば、官能基を有する(ポリ)オルガノシロキサン類であり、その骨格としては、式R5 aR6 bSiO(4−a−b)/2〔R5は官能基含有基、R6は炭素数1〜12の炭化水素基、0<a≦3、0≦b<3、0<a+b≦3〕で表される基本構造を有する重合体、共重合体である。
又、官能基としては、アルコキシ基、アリールオキシ、ポリオキシアルキレン基、水素基、水酸基、カルボキシル基、シアノール基、アミノ基、メルカプト基、エポキシ基等を含有するものである。
【0043】
これら官能基としては、複数の官能基を有するシリコーン化合物、異なる官能基を有するシリコーン化合物を併用することもできる。
この官能基を有するシリコーン化合物は、その官能基(R5)/炭化水素基(R6)が、通常0.1〜3、好ましくは0.3〜2程度のものである。
これらシリコーン化合物は液状物、パウダー等であるが、溶融混練において分散性の良好なものが好ましい。
例えば、室温での粘度が10〜500,000cst(センチストークス)程度の液状のものが挙げられる。
シリコーン化合物が官能基を有する場合には、シリコーン化合物が液状であっても、組成物に均一に分散するとともに、成形時や成形品の表面にブリードすることが少ない特徴がある。
上記の(E)難燃剤は一種用いてもよく、又、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0044】
本発明のポリカーボネート樹脂組成物おける(E)難燃剤の含有量としては、(A)ポリカーボネート樹脂及び(B)スチレン系樹脂の合計量100質量部に対して、好ましくは0.05〜20質量部であり、さらに好ましくは0.05〜15質量部である。難燃剤の含有量が20質量部を越えると、衝撃強度が低下することがある。
(E)難燃剤としては、リン酸エステル、有機アルカリ金属塩、有機アルカリ土類金属塩及びシリコーン化合物が特に好ましい。
【0045】
また、本発明のポリカーボネート樹脂組成物には、さらに(F)成分としてゴム状弾性体を配合することが好ましい。ゴム状弾性体としては、ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン・ブタジエン・スチレン(SBS)ゴム、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエン・アクリルゴム、イソプレン・スチレンゴム、イソプレン・アクリルゴム、エチレン・プロピレンゴム、エチレン・プロピレン・ジエンゴム等が挙げられる。
【0046】
このうち、好ましくは、コア(芯)とシェル(殻)から構成される2層構造を有しており、コア部分は軟質なゴム状態であって、その表面のシェル部分は硬質な樹脂状態であり、弾性体自体は粉末状(粒子状態)のものである。
このゴム状弾性体を、ポリカーボネートと溶融ブレンドした後も、その粒子状態は、大部分がもとの形態を保っている。
配合されたゴム状弾性体の大部分がもとの形態を保っていることにより、表層剥離を起こさない効果が得られる。
このコアシェルタイプグラフトゴム状弾性体としては、種々なものを挙げることができる。市販のものとしては、例えばハイブレンB621(日本ゼオン株式会社製)、KM−330、KM−357P、EXL−2602、EXL−2603(呉羽化学工業株式会社製)、メタブレンW529、メタブレンS2001、メタブレンC223(三菱レイヨン株式会社製)等が挙げられる。
【0047】
これらの中で、例えば、アルキルアクリレートやアルキルメタクリレート、ジメチルシロキサンを主体とする単量体から得られるゴム状重合体の存在下に、ビニル系単量体の1種又は2種以上を重合させて得られるものが挙げられる。
ここで、アルキルアクリレートやアクリルメタクリレートとしては、C2〜C10アルキル基を有するものが好適である。
具体的には、例えば、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルメタクリレート等が挙げられる。
これらのアルキルアクリレート類を主体とする単量体から得られるゴム状弾性体としては、アルキルアクリレート類70質量%以上と、これと共重合可能な他のビニル系単量体、例えば、メチルメタクリレート、アクリロニトリル、酢酸ビニル、スチレン等30質量%以下とを反応させて得られる重合体が挙げられる。尚、この場合、ジビニルベンゼン、エチレンジメタクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート等の多官能性単量体を架橋剤として適宜添加して反応させてもよい。
【0048】
ゴム状重合体の存在下に反応させるビニル系単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル等のアクリル酸エステル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等のメタクリル酸エステル等が挙げられる。
これらの単量体は、1種又は2種以上を組み合わせて用いてもよいし、又、他のビニル系重合体、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル化合物や、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル化合物等と共重合させてもよい。
この重合反応は、例えば塊状重合、懸濁重合、乳化重合等の各種方法によって行うことができる。特に、乳化重合法が好適である。
【0049】
このようにして得られるコアシェルタイプグラフトゴム状弾性体は、前記ゴム状重合体を20質量%以上含有していることが好ましい。
このようなコアシェルタイプグラフトゴム状弾性体としては、具体的には、60〜80質量%のn−ブチルアクリレートと、スチレン、メタクリル酸メチルとのグラフト共重合体等のMAS樹脂弾性体が挙げられる。
中でも、ポリシロキサンゴム成分が5〜95質量%とポリアクリル(メタ)アクリレートゴム成分95〜5質量%とが、分離できないように相互に絡み合った構造を有する、平均粒子径が0.01〜1μm程度の複合ゴムに少なくとも一種のビニル単量体がグラフト重合されてなる複合ゴム系グラフト共重合体がある。
この共重合体は、それぞれのゴム単独でのグラフト共重合体よりも耐衝撃改良効果が高い。
この複合ゴム系グラフト共重合体は、市販品としての、三菱レーヨン株式会社製メタブレンS−2001等として、入手できる。
【0050】
本発明のポリカーボネート樹脂組成物おける(F)ゴム状弾性体の含有量は、(A)ポリカーボネート樹脂及び(B)スチレン系樹脂の合計量100質量部に対して、好ましくは0〜10質量部であり、さらに好ましくは0〜8質量部である。ゴム状弾性体の含有量が10質量部を越えると、ウエルド強度及び剛性が低下することがある。(F)ゴム状弾性体は配合する場合の下限は2質量部が好ましい。
このゴム状弾性体の含有量は、目的の成形品に要求される耐衝撃性、耐熱性、剛性等を総合的に考慮して決定される。
【0051】
さらに、本発明のポリカーボネート樹脂組成物においては、(G)成分として無機充填剤を配合することが好ましい。無機充填剤としては、タルク、マイカ、カオリン、珪藻土、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ガラス繊維、炭素繊維及びチタン酸カリウム繊維等を挙げることができる。
なかでも、タルクやマイカの板状の充填剤が好ましい。
タルクは、マグネシウムの含水ケイ酸塩であり、一般に市販されているものを用いることができる。タルクには、主成分であるケイ酸と酸化マグネシウムの他に、微量の酸化アルミニウム、酸化カルシウム、酸化鉄を含むことがあるが、本発明の樹脂組成物を製造するには、これらを含んでいてもかまわない。
又、タルク等の無機充填剤の平均粒径は通常、0.1〜50μm、好ましくは、0.2〜20μmである。
これら無機充填剤、特に、タルクを含有させることにより、剛性向上とともに難燃剤としてのハロゲン非含有リン酸エステルの配合量を減少させることができる。
【0052】
本発明のポリカーボネート樹脂組成物おける(G)無機充填剤は、成形品の剛性、更には難燃性を更に向上させるために添加するもので、その含有量は、(A)ポリカーボネート樹脂及び(B)スチレン系樹脂の合計量100質量部に対して、好ましくは0〜20質量部であり、さらに好ましくは0〜15質量部である。また、(G)無機充填剤を配合する場合の下限は2質量部が好ましい。
無機充填剤の含有量が20質量部を越えると、耐衝撃性、溶融流動性が低下する場合がある。
【0053】
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、外観改善、帯電防止、耐候性改善、剛性改善等の目的で、上記(A)〜(D)からなる必須成分、(E)〜(G)から選ばれた任意成分の一種以上とともに、ポリカーボネート樹脂に常用されている添加剤成分を必要により添加含有することができる。
例えば、帯電防止剤、ポリアミドポリエーテルブロック共重合体(永久帯電防止性能付与)、ベンゾトリアゾール系やベンゾフェノン系の紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系の光安定剤(耐候剤)、抗菌剤、相溶化剤、着色剤(染料、顔料)等が挙げられる。
任意成分の配合量は、本発明の,ポリカーボネート樹脂組成物の特性が維持される範囲であれば特に制限はない。
【0054】
次に、本発明のポリカーボネート樹脂組成物の製造方法について説明する。本発明の熱可塑性樹脂組成物は、前記の各成分(A)〜(D)を上記割合で、更に必要に応じて用いられる(E)〜(G)の各種任意成分、更には他の一般的な成分を適当な割合で配合し、混練することにより得られる。
このときの配合及び混練は、通常用いられている機器、例えば、リボンブレンダー、ドラムタンブラー等で予備混合して、ヘンシェルミキサー、バンバリーミキサー、単軸スクリュー押出機、二軸スクリュー押出機、多軸スクリュー押出機、コニーダ等を用いる方法で行うことができる。
混練の際の加熱温度は、通常240〜300℃の範囲で適宜選択される。
尚、ポリカーボネート樹脂とスチレン系樹脂以外の含有成分は、予め、ポリカーボネート樹脂、スチレン系樹脂等と溶融混練、即ち、マスターバッチとして添加することもできる。
【0055】
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、上記の溶融混練成形機、又は、得られたペレットを原料として、射出成形法、射出圧縮成形法、押出成形法、ブロー成形法、プレス成形法、真空成形法及び発泡成形法等により各種成形品を製造することができる。
しかし、上記溶融混練方法により、ペレット状の成形原料を製造し、次いで、このペレットを用いて、離型性がもっとも問題となるところの射出成形、射出圧縮成形による射出成形品の製造に特に好適に用いることができる。
尚、射出成形方法としては、外観のヒケ防止のため、又は、軽量化のためのガス注入成形方法を採用することもできる。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物から得られる射出成形品(射出圧縮を含む)としては、複写機、ファックス、テレビ、ラジオ、テープレコーダー、ビデオデッキ、パソコン、プリンター、電話機、情報端末機、冷蔵庫、電子レンジ等のOA機器、家庭電化製品、電気・電子機器のハウジングや各種部分品等が挙げられる。
【0056】
【実施例】
本発明について実施例及び比較例を示してより具体的に説明するが、本発明は、これらに、何ら制限されるものではない。
実施例1〜6及び比較例1〜5
第1表及び第2表に示す割合で各成分を配合〔(A)と(B)成分は質量%、他の成分は、(A)と(B)からなる樹脂100質量部に対する質量部で示す。〕し、ベント式二軸押出成形機(機種名:TEM35、東芝機械株式会社製)に供給し、260℃で溶融混練し、ペレット化した。
尚、全ての実施例及び比較例において、酸化防止剤としてイルガノックス1076(チバ・スペシヤルティ・ケミカルズ社製)0.2質量部及びアデカスタブC(旭電化工業株式会社製)0.1質量部をそれぞれ配合した。
得られたペレットを、120℃で12時間乾燥した後、成形温度260℃、金型温度80℃で射出成形して試験片を得た。
得られた試験片を用いて性能を各種試験によって評価し、その結果を第1表及び第2表に示した。
【0057】
尚、上記の実施例及び比較例において、ポリカーボネート樹脂、スチレン系樹脂、ポリテトラフルオロエチレンの水性分散液、離型剤、難燃剤、ゴム状弾性体及び無機充填剤としては、下記のものを用いた。
(A)ポリカーボネート樹脂
PC:A1900(出光石油化学株式会社製);末端停止剤にp−tert−ブチルフェノール(PTBP)を用いたポリカーボネート樹脂のペレット
(B)スチレン系樹脂
HIPS:耐衝撃性ポリスチレン;IDEMITSU PS IT44(出光石油化学株式会社製)、ポリブタジェンにスチレンがグラフト重合したもの、MI=8g/10分(200℃、5kg荷重)
ABS:アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS);AT−05(A&L社製)
(C)PTFE
PTFEの水性分散液:XAD938(旭硝子株式会社製);PTFE含有量60質量%、PTFEの平均粒子径0.3μm、PTFEの分子量1000万
PTFE粉体(比較用):F201L(ダイセル化学株式会社製)
なお、PTFEの分子量は、DSC結晶化熱による分子量算出値であり、その測定法は、J.Appl.Sic.,17 3253(1973)に記載されている。
(D)離型剤
離型剤1:ペンタエリシリトールテトラステアレート;EW−440A(理研ビタミン株式会社製)
離型剤2:グリセリンモノステアレート;S−100A(理研ビタミン株式会社製)
離型剤3:ポリエチレンワックス;400P(三井化学株式会社製)
(E)難燃剤
難燃剤:ビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート);CR741(大八化学社製)
(F)ゴム状弾性体
ゴム状弾性体:コアシェル型S2001(三菱レイヨン株式会社製)
(G)無機充填剤
タルク:TP−A25、平均粒径3μm(富士タルク株式会社製)
【0058】
〔性能評価方法〕
前記試験片による樹脂組成物の性能評価方法は下記方法によった。
(1)面衝撃強度
JIS K7211に準拠した。自動落錘試験で、錘は3.76kg、落下速度は7m/s、試験片厚みは3mmとした。なお、第1,2表中、Dは延性破壊、Bは脆性破壊を意味する。
(2)ウエルド強度
引張り強度試験片成形金型を用いて2点ゲートで成形し、引張り強度(MPa)を測定した。
(3)離型性
突き出しピンの圧力を測定した。最大圧力は30Kg/cm2とした。この値は小さい方が離型性がよい。
(4)難燃性
UL94燃焼試験に準拠した。試験片厚みは1.5mmとした。
(5)表層剥離・外観
成形品の切断面を目視観察した。
【0059】
【表1】
【0060】
【表2】
【0061】
実施例から明らかなように、本発明のポリカーボネート樹脂組成物の面衝撃強度は、全て延性破壊であり、安定した高い強度が保持できると共に、成形外観及びウエルド強度に優れており、難燃剤を添加した実施例2〜6では、さらに1.5mmV−0で難燃性にも優れている。
比較例1〜2から、PTFEの水性分散液に代え、PTFE粉体を配合した場合には、面衝撃強度は脆性破壊、又は脆性破壊が含まれるようになるとともに、外観不良及びウエルド強度低下がおこることが分かる。
比較例3,4と実施例2との比較、あるいは比較例5と実施例5との比較から、PTFEの水性分散液と離型剤との一方しか配合せず両者を併用しない場合には、外観不良が発生し、面衝撃強度も脆性破壊、又は脆性破壊が含まれるようになることが分かる。
【0062】
【発明の効果】
本発明によれば、難燃性が高く、耐衝撃強度、ウエルド強度、離型性及び成形外観に優れたポリカーボネート樹脂組成物及び成形品を得ることができる。
Claims (8)
- (A)ポリカーボネート樹脂60〜97質量%及び(B)スチレン系樹脂3〜40質量%からなる、(A)成分及び(B)成分の合計量100質量部に対して、(C)ポリテトラフルオロエチレンの水性分散液を固形分として0.05〜2質量部となるに必要な量、及び(D)離型剤0.05〜3質量部を配合してなるポリカーボネート樹脂組成物。
- さらに、(E)難燃剤0.05〜20質量部を配合してなる請求項1に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
- 難燃剤(E)が、リン酸エステル、シリコーン化合物及び有機アルカリ金属塩から選ばれる1種以上の化合物である請求項2に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
- さらに、(F)ゴム状弾性体を10質量部以下配合してなる請求項1ないし3のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
- さらに、(G)無機質充填剤を20質量部以下配合してなる請求項1ないし4のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
- 無機充填剤(G)が、板状フィラーである請求項5に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
- 請求項1〜6のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物を射出成形してなる射出成形品。
- 射出成形品が、OA機器、電気・電子機器のハウジング又は部品である請求項7に記載の射出成形品。
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