JP2004273584A - 光半導体素子用駆動回路及び駆動モジュール - Google Patents

光半導体素子用駆動回路及び駆動モジュール Download PDF

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Kouta Asaka
航太 浅香
Chikara Amano
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Abstract

【課題】インピーダンス整合性と、広帯域にわたり反射損失の少ない高周波特性とを有する光半導体素子用駆動回路及び該回路を用いた駆動モジュールを提供すること。
【解決手段】光半導体素子である面発光レーザ7と、50Ωの電力供給側の特性インピーダンスを持つマイクロストリップライン2の電力供給用の信号線4とが、終端抵抗体である薄膜終端抵抗素子5及びボンディングワイヤ3を介して接続され、並列抵抗体であるインピーダンス整合用のチップ抵抗体8が面発光レーザ7と並列に、ボンディングワイヤ9及び接地導体(図示せず)によって接続されている構成を有する光半導体素子用駆動回路を構成する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は光半導体素子用駆動回路及び駆動モジュールに関し、特に、光情報通信等で用いられる光半導体素子用駆動回路及び該回路を用いた駆動モジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】
【非特許文献】「論文:Y. Matui et al., IEEE Photonics Technology Letters, Vol. 9, No. 1, Jan. 1997, pp. 25−27.」
現在の光ファイバ通信の基幹網において、高速光信号を生成する光コンポーネントとして、光源である半導体レーザとLN変調器等の外部変調器を組み合わせたハイブリッド型光コンポーネントや、半導体レーザと電界吸収型光半導体変調器(EA変調器)を1つの半導体基板上に集積したモノリシック型光半導体デバイスが用いられている。これらの光変調コンポーネントは、光発振と変調を別々のデバイスで行っているため、周波数変動(チャープ)が少なく、かつ40Gbit/sまでの高品質な高速光信号を得ることができる。
【0003】
一方、光ファイバ通信の普及に伴い、一般加入者用のアクセス系ネットワークヘも光変調コンポーネントの需要が高まっている。このようなアクセス系の光ネットワークの普及促進を図るには、光変調コンポーネントの低コスト化が必須である。そのため、光源である半導体レーザの駆動電流を高速変調することで、高速光信号を生成する直接変調と呼ばれる技術が有用であると考えられている。半導体レーザのみで高速光信号を生成する直接変調方式は、半導体レーザ等の光源の他にLN変調器などの外部変調器を用いる外部変調方式に比べ格段に低コスト化を図ることが可能となる。その反面、1Gbit/s以上の高速直接変調においては、キャリア寿命と光子寿命の相互作用によって誘発された緩和振動による波形歪みのためS/N(信号対雑音)比の劣化や、周波数変動が顕著に現れるという問題が生じる。そのため、例えば10Gbit/sの高速変調を行うと伝送距離が20km前後に制限されるが、アクセス系以下の短距離伝送を行う分には十分である。このような利点から、10Gbit/sまでの直接変調方式は、アクセス系以下の用途において最適な変調方式であると考えられている。
【0004】
次に、従来の直接変調方式の駆動回路について、図7、図8及び図9を用いて詳細に説明する。
【0005】
図7は従来の直接変調方式の駆動回路の概略を示す図である。図において、端面発光型半導体レーザすなわちリッジレーザ1と、50Ωの特性インピーダンスを持つマイクロストリップライン(MSL)2の信号線4とが、薄膜終端抵抗素子5及びボンディングワイヤ3を介して接続されている。信号線4は、リッジレーザ1を発光させるための電力を供給する電力供給用の信号線でもある。マイクロストリップライン2の材質は一般的にアルミナ等のセラミックが用いられる。また、薄膜終端抵抗素子5の材質として、TaNを用いるのが一般的である。さらに、図示はしないが、マイクロストリップライン2とリッジレーザ1は1つのヒートシンクあるいはサブキャリア上にマウントされ、接地されている。
【0006】
このような高速駆動回路においては、電力供給側の特性インピーダンスZと、駆動回路側の特性インピーダンスZが一致していないと、供給した高速電気信号の一部が電源側に反射してしまい、高周波特性が著しく劣化してしまう。そのため、一般的にリッジレーザ1の抵抗値Rが5Ω以下であるため、特性インピーダンスZが50Ωの電源を用いて高速直接変調を行う場合、45Ω以上の抵抗値Rを持つ終端抵抗体5をリッジレーザと直列に接続して、抵抗値の和が50Ωになるようにしてインピーダンス整合を行う。リッジレーザ1の直接変調を行うための高周波電気信号は、図中黒矢印方向から同軸コネクタ(図示せず)などを介してマイクロストリップライン2に供給される。さらに、高周波電気信号はマイクロストリップライン2の信号線4上に形成された終端抵抗体5(抵抗値R)と寄生インダクタンスLを有するボンディングワイヤ3を経由して、寄生容量値Cを有するリッジレーザ1の上部電極パッド6からレーザ内部に供給され、直接変調が実現する。
【0007】
図8にこの駆動回路の等価回路を、図9にこの等価回路の反射特性(S11)の周波数依存性の計算結果を示す。計算には、R=45Ω、L=0.3nH、R=5Ω、C=1pFを用いた。図9の縦軸はS11をdBで表したものであり、横軸は周波数fをGHzで表したものである。この計算結果より、寄生容量値Cにより回路全体が緩やかなローパス(低域透過)特性を持ち、高い周波数ほど反射が大きくなることが分かる。通常、S11<−10dBである帯域まで良好な光信号を得られるため、この場合は、駆動回路が18GHz程度の帯域を有することになる。よって、20Gbit/s程度までの高速光信号を生成することが可能である。また、リッジレーザ1の構造を最適化することにより、30GHz程度の広い帯域を実現したという報告もある(例えば、上記非特許文献参照)。以上が従来のリッジレーザを用いた高速直接変調方式の説明である。
【0008】
一方、リッジレーザと同じ半導体レーザでありながら、発振光が半導体基板の垂直方向に出射する面発光レーザ(VCSEL:Vertical Cavity Surface Emitting Laser)と称される光半導体デバイスがある。VCSELは、リッジレーザに比べ、(1)活性層体積が小さいため低閾値電流で発振可能であり、かつ変調帯域が広い、(2)発振光が真円に近いビーム形状であるため、光ファイバとの接続が容易である、(3)基板のまま性能試験を行うことができるため、劈開工程が不要である、という特徴を有するために、リッジレーザよりも低コストなデバイスとして認知され、既に商品化されている。
【0009】
VCSELは発振波長が0.85〜0.98μmの短波系と1.3〜1.55μmの長波系とに分類される。ギガビットイーサネット(登録商標)ヘ実用化されているのは前者(発振波長0.85μm)のVCSELであるが、光ファイバ通信で用いるには、光ファイバの伝搬損失の小さい後者であることが必須となる。ところが、長波系VCSELは光発振に必要な共振器構造を構成するDBR(Distributed Bragg Reflector)ミラーの抵抗値が高く、素子全体の抵抗値が数百Ωに達することもある。そのため、先述した従来の電力供給側の特性インピーダンスが50Ωの駆動回路ではインピーダンス整合がとれず、変調帯域が制限されるという問題があった。
【0010】
従来の駆動回路により電力供給側の特性インピーダンス以上の抵抗値を有するVCSELを高速直接変調した際の高周波特性を、図10、図11及び図12を用いて説明する。図10、図11、図12は、それぞれ、駆動回路の概略図、その駆動回路の等価回路、その等価回路における反射特性(S11)の周波数依存性の計算結果を示している。図10における各部の詳細は、図7におけるリッジレーザ1が面発光レーザ(VCSEL)7に変わったこと以外、図7と全く同様である。図12に示した計算には、R=45Ω、L=0.3nH、R=300Ω、C=2pFを用いた。この計算結果より、駆動回路側の特性インピーダンスZ=345Ω(周波数f=0のとき)と著しく電力供給側の特性インピーダンス(Z=50Ω)に不整合となっているため、周波数fが1GHzのときのS11=−5dBと非常に反射が大きくなっていることが分かる。一方、周波数fが10GHzのときはS11<−15dBと良好な値であるが、実際の通信で用いられるデータ信号は0または1が長く続くビット列が現れることもあるため、その場合は実効的な変調速度は10Gbit/sを下回る。よって10Gbit/sの光信号を得るためには、通常0〜10GHzまでの全周波数域に渡りS11<−10dBであることが求められる。
【0011】
以上説明したように、従来の駆動回路を用いて電力供給側の特性インピーダンスZ以上の抵抗値Rを有するVCSELから高速光信号を生成できないという重大な問題があった。また、図10において、薄膜終端抵抗体が形成されていないMSLを用いたとしても、電力供給側と駆動回路側でのインピーダンスは著しく不整合となっていることには変わりがないため、本質的な解決にはならない。
【0012】
このような高抵抗のレーザのインピーダンス整合をとる方法としては、レーザに対し並列に抵抗体を組み込むことで、駆動回路全体のインピーダンスを電力供給側の特性インピーダンスに整合させる手法がある。この手法を図13、図14、図15及び図16に示す。図13、図14、図15、図16は、それぞれ、駆動回路の概略図、その駆動回路の等価回路、その等価回路における反射特性(S11)の周波数依存性の計算結果、その等価回路における駆動回路側の特性インピーダンスZの周波数依存性の計算結果を示している。なお、図16においては、インピーダンスZの実数部分Re[Z](レジスタンス成分)のみを縦軸で示す。図13における各部の詳細は、MSL上の終端抵抗体(抵抗値R)がないことと、抵抗値Rを有するインピーダンス整合用の並列抵抗体であるチップ抵抗体8が面発光レーザ7と並列にボンディングワイヤ9で接続されていること以外は図10と全く同様である。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
図15及び図16に示した計算には、R=60Ω、L=0.3nH、L=0.5nH、R=300Ω、C=2pFを用いた。この計算結果より、駆動回路側の特性インピーダンスが、低周波側で、50Ω整合しているにもかかわらず、周波数の増加に依存して寄生的な並列容量値Cの影響が強く現れ、図16に示したように、駆動回路側の特性インピーダンスZが急峻に50Ωから低下するため、回路全体が顕著なローパス特性(低い周波数帯域のみを透過する特性)を持つことが分かる。特に高周波域では特性インピーダンスが5Ω前後となり、著しい不整合となっている。そのため数GHz以上の高周波が遮断され、数Gbit/s以上の高速直接変調ができないという問題が生じ、重大な課題となっている。
【0014】
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、インピーダンス整合性と、広帯域にわたり反射損失の少ない高周波特性とを有する光半導体素子用駆動回路及び該回路を用いた駆動モジュールを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明においては、請求項1に記載したように、電力供給側の特性インピーダンスを超える抵抗値を持つ光半導体素子を駆動する光半導体素子用駆動回路において、電力供給用の信号線と該光半導体素子との間に介在する終端抵抗体と、該光半導体素子に並列に接続された並列抵抗体とを有することを特徴とする光半導体素子用駆動回路を構成する。
【0016】
また、本発明においては、請求項2に記載したように、
電力供給側の特性インピーダンスを超える抵抗値を持つ光半導体素子を駆動する光半導体素子用駆動回路において、電力供給用の信号線と該光半導体素子との間に介在する終端抵抗体と、該光半導体素子に容量素子を介して並列に接続された並列抵抗体とを有することを特徴とする光半導体素子用駆動回路を構成する。
【0017】
また、本発明においては、請求項3に記載したように、
請求項1または請求項2に記載の光半導体素子用駆動回路において、上記電力供給側の特性インピーダンスをZとし、上記光半導体素子の抵抗値をRとし、上記終端抵抗体の抵抗値をRとするとき、RがZよりも小さく、上記並列抵抗体の抵抗値Rが下記(1)式を満たすことを特徴とする光半導体素子用駆動回路を構成する。
【0018】
= R×(Z−R)/[R−(Z−R)] (1)
また、本発明においては、請求項4に記載したように、
請求項1、請求項2または請求項3に記載の光半導体素子用駆動回路と上記信号線と上記光半導体素子とが1つの基板上に配置されてなることを特徴とする駆動モジュールを構成する。
【0019】
また、本発明においては、請求項5に記載したように、
請求項4に記載の駆動モジュールにおいて、上記終端抵抗体がマイクロ波伝送用基板の表面に形成された薄膜抵抗体であり、上記並列抵抗体がチップ抵抗体であることを特徴とする駆動モジュールを構成する。
【0020】
また、本発明においては、請求項6に記載したように、
請求項4に記載の駆動モジュールにおいて、上記終端抵抗体がマイクロ波伝送用基板の表面に形成された薄膜抵抗体であり、上記並列抵抗体が該マイクロ波伝送用基板の表面に形成された薄膜抵抗体であり該マイクロ波伝送用基板の表面と裏面との間を導通する配線パターンによって接地されていることを特徴とする駆動モジュールを構成する。
【0021】
また、本発明においては、請求項7に記載したように、
請求項4に記載の駆動モジュールにおいて、上記終端抵抗体がマイクロ波伝送用基板の表面に形成された薄膜抵抗体であり、上記並列抵抗体が該マイクロ波伝送用基板の表面に形成された薄膜抵抗体であり、上記容量素子は容量値が異なる2つの容量素子を並列に接続してなり、該2つの容量素子の一方はグランドポストによって接地されていることを特徴とする駆動モジュールを構成する。
【0022】
【発明の実施の形態】
図13、図15及び図16に例示したように、従来技術において、並列抵抗体であるチップ抵抗体8のみでインピーダンス整合を図ると、周波数の増加に依存して急峻に駆動回路側の特性インピーダンスZが低下し、回路全体としてローパス特性を有するため、高速変調動作が実現できない。
【0023】
そこで、本発明においては、並列抵抗体(抵抗値R)の他に、レーザの前段に終端抵抗体(抵抗値R)を設けることで、駆動回路側の特性インピーダンスZの急激な低下を抑制し、広帯域に渡り反射損失の少ない良好な駆動回路を得ることを可能としている。
【0024】
(実施形態1)
以下、図面に基づいて本発明の第1実施形態を詳細に説明する。
【0025】
図1は本発明の第1実施形態における光半導体素子用駆動回路の概略を示す図である。図において、光半導体素子である面発光レーザ7(抵抗値R)と、50Ωの電力供給側の特性インピーダンスを持つマイクロストリップライン2の信号線4とが、終端抵抗体である薄膜終端抵抗素子5(抵抗値R)及びボンディングワイヤ3を介して接続され、並列抵抗体であるインピーダンス整合用のチップ抵抗体8(抵抗値R)が面発光レーザ7と並列に、ボンディングワイヤ9及び接地導体(図示せず)によって接続されている。信号線4は、面発光レーザ7を発光させるための電力を供給する電力供給用の信号線でもある。さらに、図示はしないが、マイクロストリップライン2と面発光レーザ7とチップ抵抗体8とは1つの支持基板である1つのヒートシンクあるいはサブキャリア上にマウントされ、接地されている。面発光レーザ7の直接変調を行うための高周波電気信号は、図中黒矢印方向から同軸コネクタ(図示せず)などを介してマイクロストリップライン2に供給される。この駆動回路が従来の駆動回路と大きく異なる点は、並列抵抗体であるチップ抵抗体8と共に、光半導体素子である面発光レーザ7の前段に終端抵抗体である薄膜終端抵抗素子5を備えている点にある。すなわち、本光半導体素子用駆動回路においては、信号線4と面発光レーザ7との間に終端抵抗体である薄膜終端抵抗素子5が介在し、並列抵抗体であるチップ抵抗体8が光半導体素子である面発光レーザ7に並列に接続されている。
【0026】
図2は図1に示した駆動回路の等価回路を示す図であり、図3はその等価回路における反射特性(S11)の周波数依存性の計算結果を示す図であり、図4はその等価回路における駆動回路側の特性インピーダンスZの周波数依存性の計算結果を示す図である。図2において、L及びLは、それぞれ、ボンディングワイヤ3及び9の寄生インダクタンスであり、Cは面発光レーザ7の寄生容量である。図3の縦軸はS11をdBで表したものであり、横軸は周波数fを単位GHzで表したものであり、図4の縦軸はインピーダンスZの実数部分Re[Z](レジスタンス成分)を単位Ωで表したものであり、横軸は周波数fを単位GHzで表したものである。図3及び図4における計算には、R=40Ω、L=0.3nH、L=0.5nH、R=300Ω、R=10.3Ω、C=2pFを用いた。なお、Rの値としては上記(1)式を満たす値を用いている。
【0027】
図3より、0〜20GHzまでの広い周波数帯域に渡りS11<−10dBと良好な高周波特性を示しており、図15に見られた顕著なローパス特性はなく、明らかに特性改善が図られたことが分かる。これは、レーザの前段に、特性インピーダンスZ(50Ω)に近い抵抗値Rを有する薄膜終端抵抗素子5を配しているため、図4に示したように、駆動回路側の特性インピーダンスZが周波数の増加に依存して顕著に変化せずに、高周波域においても41Ωと比較的特性インピーダンスZに近い値を保つことができることに起因する。なお、低周波域での共振ピークは、寄生インダクタンスL、Lと寄生容量値Cとによるものである。よって、ボンディングワイヤ3及び9の一方あるいは両方のワイヤ長を短くしてL及びLの一方あるいは両方を低減するか、または面発光レーザ7の電極パッド6の面積を小さくしてCを低減することにより、該共振ピークの発生を抑制することが可能であるのはもちろんのことである。
【0028】
なお、図1において、図示はしないが、マイクロストリップライン2と面発光レーザ7とチップ抵抗体8とは1つの支持基板である1つのヒートシンクあるいはサブキャリア上に配置され、接地されており、本発明に係る駆動モジュールの一実施形態を構成している。
【0029】
(実施形態2)
しかしながら、図1に示した回路構成では、チップ抵抗体8を並列抵抗体として用い、ボンディングワイヤ9及び3によって面発光レーザ7と接続するため、実装工程が煩雑化してしまう。さらに、ワイヤボンディング数の増加は、寄生インダクタンスの増加をもたらし高周波特性の帯域を狭くすることがあるため、このようなチップ抵抗体をワイヤボンディングにより接続する際には、できるだけワイヤ長を短くする方法が望ましい。
【0030】
よって、以下図面に基づいて実装工程とワイヤボンディング数を簡略化できる本発明の第2実施形態について説明する。図5は第2実施形態の光半導体素子用駆動回路の概略を示している。図5において、各部の詳細は、図1におけるチップ抵抗体8とボンディングワイヤ9とが無いことと、マイクロ波伝送用基板であるマイクロストリップライン2上に面発光レーザ7と並列になるように形成された並列抵抗素子である薄膜抵抗素子10(抵抗値R)と、薄膜抵抗素子10とマイクロストリップライン2の裏面グランドとに接続する、マイクロストリップライン2の表面と裏面との間を導通する配線パターン11とを有していること以外は、図1と全く同じである。また、薄膜抵抗素子10の材質としては、薄膜終端抵抗素子5と同じ材料(例えばTaN)を用いることにより、薄膜抵抗素子10と薄膜終端抵抗素子5とを一括形成することが低コスト化を図る点で望ましい。このような構成にした場合においても、ワイヤ接続箇所を一箇所減らすことで、寄生インダクタンスを減少する効果があるため、図1に示した第1実施形態と同等以上の作用効果が得られることは明らかである。
【0031】
なお、図5において、図示はしないが、マイクロストリップライン2と面発光レーザ7とは1つの支持基板である1つのヒートシンクあるいはサブキャリア上に配置され、接地されており、本発明に係る駆動モジュールの一実施形態を構成している。
【0032】
(実施形態3)
ところで、図1及び図5に示した回路構成では、面発光レーザ7の抵抗値Rに比べて、並列抵抗体であるチップ抵抗体8または薄膜抵抗素子10の抵抗値Rが十分に小さいため、印加電圧によって流れる電流の大半が薄膜抵抗素子10に流れ込むため、並列抵抗体での発熱量が大きくなる。また、並列抵抗体が薄膜抵抗素子10である場合には、薄膜抵抗素子10が面発光レーザ7の近くに配置されるため、たとえ電子冷却装置(ペルチェ素子)を用いて吸熱を行っても、薄膜抵抗素子10での発熱量が無視できなくなる可能性がある。
【0033】
よって、以下図面に基づいて薄膜抵抗素子10における発熱量を低減できる本発明の第3実施形態について説明する。図6は第3実施形態の光半導体素子用駆動回路の概略を示している。図6において、光半導体素子である面発光レーザ7に並列になるようにマイクロストリップライン2上に形成された薄膜抵抗素子10と、薄膜抵抗素子10に対し直列に、かつ面発光レーザ7に並列に接続され異なった容量値を有する容量素子12(容量値Ct1)と容量素子13(容量値Ct2)とが配線パターン14を介して薄膜抵抗素子10にボンディングワイヤ16により接続されていることと、容量素子13の接地のためにグランドポスト15を配置していること以外は、図5と全く同じである。すなわち、この場合、並列抵抗体である薄膜抵抗素子10が、容量素子12と容量素子13とを並列に接続してなる容量素子を介して、光半導体素子である面発光レーザ7に並列に接続されている。このような回路構成にした場合、薄膜抵抗素子10の後段に容量素子12及び13が配置されているため、直流成分として供給されるバイアス電圧による直流電流は薄膜抵抗素子10には流れない。よって、薄膜抵抗素子10での発熱量の低減が可能となる。また、異なった容量値を有する容量素子12及び13を並列に配置しているのは、低周波域および高周波域に対応した遮断周波数が異なる容量素子を用いることで、広帯域な周波数特性を得るためである。Ct1及びCt2の値としては、それぞれ100pF、0.01μF程度が望ましい。
【0034】
なお、図6において、図示はしないが、マイクロストリップライン2と面発光レーザ7と容量素子12及び13とは1つの支持基板である1つのヒートシンクあるいはサブキャリア上に配置され、接地されており、本発明に係る駆動モジュールの一実施形態を構成している。
【0035】
以上より、本発明の第3実施形態を用いれば、第1実施形態または第2実施形態と同等以上の作用効果が得られることは明らかである。
【0036】
なお、本発明は面発光レーザに限らず、駆動回路側の特性インピーダンスよりも高い抵抗値を有する他の光半導体素子(受光素子、光変調素子、光増幅素子等)に適用できるものである。
【0037】
以上述べたように、回路の特性インピーダンスを超える抵抗値を持つ半導体レーザを高速駆動する回路において、終端抵抗体と、該半導体レーザに並列に組み込まれた抵抗体を用いた回路構成にすることにより、インピーダンス整合性と広帯域にわたり反射損失の少ない高周波特性を同時に有する高性能な光半導体素子用駆動回路及び駆動モジュールを提供することができる。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の実施により、インピーダンス整合性と、広帯域にわたり反射損失の少ない高周波特性とを有する光半導体素子用駆動回路及び該回路を用いた駆動モジュールを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光半導体素子用駆動回路の一例を示す図である。
【図2】本発明に係る光半導体素子用駆動回路の等価回路一例を示す図である。
【図3】本発明に係る光半導体素子用駆動回路の反射特性(S11)の周波数依存性の計算結果の一例を示す図である。
【図4】本発明に係る光半導体素子用駆動回路の特性インピーダンスZの周波数依存性の計算結果の一例を示す図である。
【図5】本発明に係る光半導体素子用駆動回路の他の例を示す図である。
【図6】本発明に係る光半導体素子用駆動回路のさらに他の例を示す図である。
【図7】従来の光半導体素子用駆動回路の一例を示す図である。
【図8】従来の光半導体素子用駆動回路の等価回路の一例を示す図である。
【図9】従来の光半導体素子用駆動回路の反射特性(S11)の周波数依存性の計算結果の一例を示す図である。
【図10】従来の光半導体素子用駆動回路の他の例を示す図である。
【図11】従来の光半導体素子用駆動回路の等価回路の他の例を示す図である。
【図12】従来の光半導体素子用駆動回路の反射特性(S11)の周波数依存性の計算結果の他の例を示す図である。
【図13】従来の光半導体素子用駆動回路のさらに他の例を示す図である。
【図14】従来の光半導体素子用駆動回路の等価回路のさらに他の例を示す図である。
【図15】従来の光半導体素子用駆動回路の反射特性(S11)の周波数依存性の計算結果のさらに他の例を示す図である。
【図16】従来の光半導体素子用駆動回路の特性インピーダンスZの周波数依存性の計算結果の一例を示す図である。
【符号の説明】
1…リッジレーザ、2…マイクロストリップライン、3…ボンディングワイヤ、4…信号線、5…薄膜終端抵抗素子、6…上部電極パッド、7…面発光レーザ、8…チップ抵抗体、9…ボンディングワイヤ、10…薄膜抵抗素子、11…配線パターン、12…容量素子(容量値Ct1)、13…容量素子(容量値Ct2)、14…配線パターン、15…グランドポスト、16…ボンディングワイヤ。

Claims (7)

  1. 電力供給側の特性インピーダンスを超える抵抗値を持つ光半導体素子を駆動する光半導体素子用駆動回路において、電力供給用の信号線と該光半導体素子との間に介在する終端抵抗体と、該光半導体素子に並列に接続された並列抵抗体とを有することを特徴とする光半導体素子用駆動回路。
  2. 電力供給側の特性インピーダンスを超える抵抗値を持つ光半導体素子を駆動する光半導体素子用駆動回路において、電力供給用の信号線と該光半導体素子との間に介在する終端抵抗体と、該光半導体素子に容量素子を介して並列に接続された並列抵抗体とを有することを特徴とする光半導体素子用駆動回路。
  3. 請求項1または請求項2に記載の光半導体素子用駆動回路において、上記電力供給側の特性インピーダンスをZとし、上記光半導体素子の抵抗値をRとし、上記終端抵抗体の抵抗値をRとするとき、RがZよりも小さく、上記並列抵抗体の抵抗値Rが下記(1)式を満たすことを特徴とする光半導体素子用駆動回路。
    = R×(Z−R)/[R−(Z−R)] (1)
  4. 請求項1、請求項2または請求項3に記載の光半導体素子用駆動回路と上記信号線と上記光半導体素子とが1つの基板上に配置されてなることを特徴とする駆動モジュール。
  5. 請求項4に記載の駆動モジュールにおいて、上記終端抵抗体がマイクロ波伝送用基板の表面に形成された薄膜抵抗体であり、上記並列抵抗体がチップ抵抗体であることを特徴とする駆動モジュール。
  6. 請求項4に記載の駆動モジュールにおいて、上記終端抵抗体がマイクロ波伝送用基板の表面に形成された薄膜抵抗体であり、上記並列抵抗体が該マイクロ波伝送用基板の表面に形成された薄膜抵抗体であり該マイクロ波伝送用基板の表面と裏面との間を導通する配線パターンによって接地されていることを特徴とする駆動モジュール。
  7. 請求項4に記載の駆動モジュールにおいて、上記終端抵抗体がマイクロ波伝送用基板の表面に形成された薄膜抵抗体であり、上記並列抵抗体が該マイクロ波伝送用基板の表面に形成された薄膜抵抗体であり、上記容量素子は容量値が異なる2つの容量素子を並列に接続してなり、該2つの容量素子の一方はグランドポストによって接地されていることを特徴とする駆動モジュール。
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