JP2004272353A - 座標入力装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】高精度の座標入力を実現する座標入力装置を提供する。
【解決手段】座標入力領域の周辺部に設けられ、入射光を再帰的に反射する反射部と、座標入力領域の角部に設けられた受光部21と、座標入力領域に光を照明する発光部51とを備える座標入力装置において、受光部21が受光する前記反射手段からの反射光に基づいて、該反射光の遮蔽位置の角度情報を算出する。そして、その算出された角度情報に基づいて、前記遮蔽位置の座標を算出する。ここで、発光部51の光軸と受光部21の光軸は、座標入力領域に対して垂直方向に所定距離L離れている。
【選択図】 図2
【解決手段】座標入力領域の周辺部に設けられ、入射光を再帰的に反射する反射部と、座標入力領域の角部に設けられた受光部21と、座標入力領域に光を照明する発光部51とを備える座標入力装置において、受光部21が受光する前記反射手段からの反射光に基づいて、該反射光の遮蔽位置の角度情報を算出する。そして、その算出された角度情報に基づいて、前記遮蔽位置の座標を算出する。ここで、発光部51の光軸と受光部21の光軸は、座標入力領域に対して垂直方向に所定距離L離れている。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、座標入力領域上の指示位置を算出する座標入力装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、入力面に指示具や指によって指示して座標を入力することにより、接続されたコンピュータを制御したり、文字や図形などを書き込むために用いられる座標入力装置が知られている。
【0003】
この種の座標入力装置としては、タッチパネルとして、各種方式のものが提案、または製品化されており、特殊な器具などを用いずに、画面上でパーソナルコンピュータ等の端末の操作が簡単にできるため、広く用いられている。
【0004】
その座標入力方式としては、抵抗膜を用いたもの、また、超音波を用いたものなど、さまざまなものがある。これらの座標入力方式の中で、光を用いたものとしては、座標入力領域の外側に再帰性反射シートを設け、座標入力領域の角端部に配置された光を照明する照明部と光を受光する受光部とにより、座標入力領域内において指等の光を遮蔽する遮蔽物と受光部間の角度を検出し、その検出結果に基づいて、その遮蔽物の指示位置を決定するものが知られている。
【0005】
例えば、特許文献1では、発光部の光をハーフミラーを介してポリゴンミラーに照射し、ポリゴンミラーの回転によって再帰性反射シートへ照射して、反射光をハーフミラーで受光部によって検知するものがある。
【0006】
別の構成としては、図23に示すような座標入力装置がある。この座標入力装置では、まず、発光部5A〜Dによって、座標入力領域1に対して光を照明する。次に、この光は、座標入力領域1の周辺部の再帰性反射シート7により反射され、発光部5A〜5D及び受光部2Aや受光部2B(ライン状のCCDセンサ等で構成される)の方向に戻ってくる。
【0007】
このような構成において、図24に示すように、その光の経路上に指などの遮蔽物6があると、再帰性反射シート7からの反射が阻害される。この場合、遮蔽物6の陰が、レンズ3Aを介して受光部2A上に結像される。
【0008】
そして、この受光部2Aで結像した像を読み込み、遮蔽物6の存在しない状態(初期状態)との差分を得ることによって、遮蔽物6の受光部2Aに対する角度を得ることができる。このような受光部を、例えば、座標入力領域1の上辺両端部に2箇所(受光部2A及び2B)に設けることで、遮蔽物6の位置、つまり、入力座標を計算することができ、タッチパネルとして用いることが可能になっている。
【0009】
【特許文献1】
特開平11−85399号公報
【発明が解決しようとする課題】
近年、大型ディスプレイの画面の明るさが改善され、明るく照明された環境においても十分使用できるようになり、また、コンピュータの普及が進んだため、会議室などで使用する大型のコンピュータ用ディスプレイの需要が拡大されつつある。このような用途において、コンピュータ画面を用いたプレゼンテーションや会議を行なう場合、画面を直接操作できる座標入力装置は非常に便利なものである。
【0010】
特に、上記従来例のように、角度検出器として機能する受光部を座標入力領域1の上辺両端部に設けるものは、大型化してもコストが高くならない利点がある。
【0011】
しかしながら、図23のように、受光部2A及び2Bの脇に発光部5A〜5Dを配置し、受光部2Aが受光する光の光軸と発光部が発光する光の光軸の双方の光軸が同一面内にしている構成や、ハーフミラーを介して両者の光軸を略一致させている構成での座標入力において、特に、受光部2Aの近傍での遮蔽物6による座標入力では、図25のaで示されるように、その遮蔽物6による直接反射の散乱光を受光部2Aで検出してしまうことがあり、精度を低下させる、あるいは座標検出ができない等の問題があった。
【0012】
また、発光部5A〜5Dからの光が、再帰性反射シート7に到達するまえに、遮蔽物6でさえぎられるため、再帰性反射シート7上に影b、cを生じることになる。このような影b、cが生じると、実際の再帰性反射シート7からの光をさえぎったところ以外にもあたかも入力があるような信号が発生し、誤検出の原因になっていた。
【0013】
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、高精度の座標入力を実現する座標入力装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための本発明による座標入力装置は以下の構成を備える。即ち、
座標入力領域上の指示位置を算出する座標入力装置であって、
前記座標入力領域の角部に設けられた受光手段と、
前記座標入力領域の周辺部に設けられ、入射光を再帰的に反射する反射手段と、
前記座標入力領域に光を照明する発光手段と、
前記受光手段が受光する前記反射手段からの反射光に基づいて、該反射光の遮蔽位置の角度情報を算出する角度算出手段と、
前記角度算出手段で算出された角度情報に基づいて、前記遮蔽位置の座標を算出する座標算出手段とを備え、
前記発光手段の光軸と前記受光手段の光軸は、前記座標入力領域に対して垂直方向に所定距離離れている。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。
【0016】
<<実施形態1>>
図1は本発明の実施形態1の座標入力装置の概略構成を示す図である。
【0017】
1は座標入力領域であり、平面表示装置上に定義されており、その周辺には、主として光の入射方向に再帰的に光を反射する再帰性反射シート7が設置されている。
【0018】
座標入力領域1の上端角部には、センサ部21A及び21Bが設けられている。センサ部21A及び21Bの各センサ部は、レンズ3とCCD2(図2参照)等を有している。また、センサ部21A及び21Bの下面には、座標入力領域1及び再帰性反射シート7に光を照射するための発光部51(図2参照)が設けられている。
【0019】
センサ部21A及び21Bからの出力は、AD変換器によりデジタルデータに変換され演算制御部600(図3参照)に送信される。
【0020】
このような構成において、まず、発光部51が演算制御回路600により発光させられると、その光は再帰性反射シート7で反射され、座標入力領域1中に遮蔽物6(指や指示具)が存在しなければ、センサ部21A及び21B内それぞれのレンズ3により集光され、それぞれのCCD2上で受光される。
【0021】
一方、遮蔽物6が座標入力領域1上に存在するときは、その部分において、再帰性反射シート7からの光がさえぎられるため、センサ部21A及び21B上では、その部分が影として検出されることになる。
【0022】
演算制御部600は、この影の部分を検出し、センサ部21A及び21Bを構成するそれぞれのCCD2の画素の画素番号(位置)から、遮蔽物6のセンサ部21A及び21Bに対する各角度情報を取得し、この角度情報から遮蔽物6の座標値を算出する。そして、この座標値を、例えば、ホストコンピュータ等の外部装置に出力することができる。
【0023】
<センサ部の詳細説明>
図2は本発明の実施形態1のセンサ部と発光部の詳細構成を示す図である。
【0024】
尚、図2では、センサ部21(センサ部21Aあるいは21B)と発光部51それぞれの側面図を示している。
【0025】
センサ部21A及び21Bはそれぞれ、赤外フィルタ8、結像用のレンズ3、絞り9及びラインCCD2から構成されている。
【0026】
レンズ3によって集光された光は、その入射角度によって、ラインCCD2上の各々の正接(タンジェント)に対応する部分に集光される。
【0027】
つまり、遮蔽物6の影がある場合には、その入力角度によって、ラインCCD2上の異なる画素上に結像されることになる。この画素番号から、入力点である遮蔽物6の位置に対する角度θ1、θ2の正接を検出することが可能になっている。
【0028】
絞り9は、ラインCCD2の検出範囲を限定するもので、再帰性反射シート7以外からの不要光を排除するために、上下方向対して光入力を規制している。赤外フィルタ8は、通常の可視光の入射を防止するために設けられている。
【0029】
また、センサ部21の下面には、発光部51が、座標入力領域1の入力面に対して垂直方向にオフセット距離(所定距離)L離されて配置されている。発光部51は、シリンドリカルレンズ10とLED5から構成されている。
【0030】
<演算制御部の動作説明>
図3は本発明の実施形態1の演算制御部の構成を示す図である。
【0031】
演算制御部600は、演算制御回路(CPU)64、センサ制御回路62、発光部駆動回路63、AD変換器61、記憶回路(メモリ)65、通信回路66等からなり、発光部51の制御、センサ部21の制御、座標演算等の各種処理を実行する。
【0032】
演算制御回路64から発光信号を出力すると、発光部駆動回路63を経て発光部51が一定期間点灯する。発光部51の光は、再帰性反射シート7によって略入射方向に反射される。反射された光は、センサ部21により検出される。
【0033】
演算制御回路64から読出信号が出力されると、センサ制御回路62を経てセンサ部21に制御信号が送信され、検出した光信号を電気信号としてAD変換器61に出力する。
【0034】
AD変換器61でデジタル信号に変換された信号は、演算制御回路64によって取りこまれ角度計算用データとして、記憶回路65に記憶される。
【0035】
実際の計算に際しては、あらかじめ何も入力がない状態で、この入射状況を基準データとして記憶する。このときのセンサ部21の検出結果の一例を、図4の7−1に示す。同図において、横軸がセンサ部21内のラインCCD2の画素に対応し、縦軸が光強度を示している。
【0036】
この時のデータを基準データとして、出荷時に記憶回路65に記憶しておいても良いし、装置立ち上げ時に毎回RAMなどに記憶しておいても良い。
【0037】
入力が行われた場合、再帰性反射シート7からの光は、遮蔽物6によりさえぎられるため、ラインCCD2の検出結果(検出データ)は、図4の7−2のようになる。
【0038】
そして、図4の7−1に基づく基準データと、図4の7−2に基づく検出データとの差分を計算すると、図4の7−3のように、遮蔽物6の入力位置に対応する差分検出データ部分のみが検出可能になる。この差分検出データを、例えば、閾値などで検出し、この信号のピークあるいは重心位置を計算することにより、遮蔽物6の入力位置の角度θ1、θ2の正接に相当する信号を算出できる。
【0039】
<座標計算方法の説明>
図5は本発明の実施形態1のセンサ部の配置に関する説明図である。
【0040】
センサ部2A及び2Bは、座標入力領域1の中心を原点OとするXY座標を定義した場合に、各々L(−A,B)、R(A,B)を基準点とし、X軸に対して45度の基準軸からの反時計回りの角度θ1、θ2の正接(タンジェント)を検出するように配置されている。
【0041】
入力位置をP(x,y)、センサ部21A及び21Bの基準点L(−A,B)及びR(A,B)に対し、これらの中点C(0,B)とすると、座標入力領域1の幅は2A、高さは2Bと表現できる。
【0042】
また、各センサ部21A及び21Bの基準線を座標軸U,Vとすると、点P(u,v)は
tanθ1=−v/(√2×A+u),tanθ2=u/(√2×A+v)
を満足する。
【0043】
即ち、
u= √2×A×tanθ2×(1−tanθ1)/(1+tanθ1×tanθ2)
v=−√2×A×tanθ1×(1+tanθ2)/(1+tanθ1×tanθ2)
となる。
【0044】
一方、x=(u−v)/√2,y=−(u+v)/√2−Y0であるので、
x=A×(tanθ1+tanθ2)/(1+tanθ1×tanθ2)
y=A×(tanθ1−tanθ2+2×tanθ1×tanθ2)
/(1+tanθ1×tanθ2)−Y0 (1)
となる。この式(1)に、検出されたtanθ1,tanθ2を代入すれば、P(x,y)を算出することができる。
【0045】
このようにして得られた遮蔽物6の入力位置である座標値P(x,y)を制御信号として、通信回路66を介して外部装置に出力することで、遮蔽物6による入力による外部装置の制御が可能になる。
【0046】
<発光部の詳細説明>
図6は本発明の実施形態1の発光部の詳細構成を示す図である。
【0047】
尚、図6は発光部51の上面図を示している。
【0048】
センサ部21A及び21Bそれぞれの下面に配置される発光部51は、シリンドリカルレンズ10とLED5から構成され、座標入力領域1の90°範囲を照明できるように構成されている。
【0049】
実施形態1では、3個のLED5を用いて90°範囲を照明する構成であるが、LED5の指向性角度によって個数は任意に設定可能である。LED5の光は、シリンドリカルレンズ10によって高さ方向の光を制限した形の帯状に放射される。
【0050】
しかしながら、図7に示すように、LED5は純粋な点光源ではないので、実際には、広がりを持った分布700として放射されることになる。
【0051】
同様に、センサ部21A及び21Bも内部の絞り9等で高さ方向の入力範囲に制限を掛けているが、実際には、有る広がりを持った分布を有する入射光を検出している。
【0052】
ここで、図2に示したように、センサ部21(センサ部21Aあるいは21B)と発光部51をオフセット距離L離して、座標入力領域1に対して垂直に配置した場合、図8に示すように、両者からある程度距離の離れた地点Xで、センサ部21への入射光と発光部51からの照明光の両者が重なることになる。
【0053】
ここで、図6の位置Iに遮蔽物6が存在する場合は、再帰性反射シート7からの反射光が遮蔽物6の部分だけ遮られるので、そのままセンサ部21で検出可能になる。
【0054】
一方、図6の位置IIに遮蔽物6が存在する場合、つまり、センサ部21への入射光と発光部51からの照明光の両者が重なるような場合は、発光部51からの照明光が遮蔽物6によって乱反射し、その乱反射光(散乱光)もセンサ部21で検出されることになる。そのため、本来、センサ部21の遮蔽物6の影として検出される部分がある光量をもって検出されてしまう。
【0055】
一般的に、遮蔽物6の位置がセンサ部21及び発光部51から十分離れている場合には、再帰性反射シート7からの反射光の方が発光部51からの照明光よりも大きくなり、実際にセンサ部21で検出される反射光による信号の変化が少なくなる程度ですむ。これに対し、遮蔽物6の位置がセンサ部21及び発光部51から比較的近い場合には、上述の散乱光の影響を無視できなくなる。
【0056】
つまり、センサ部21と発光部51間のオフセット距離Lを大きくすれば、センサ部21の入射光の検出範囲と発光部51の照明光の照明範囲が重なる位置を、センサ部21及び発光部51が存在する位置から離すことができる。
【0057】
ここで、センサ部21と発光部51間のオフセット距離Lに対する再帰性反射シート7の角度特性について、図9を用いて説明する。
【0058】
図9は本発明の実施形態1の再帰性反射シートの角度特性を示す図である。
【0059】
図9では、センサ部21と発光部51間のオフセット距離Lを距離0mmから7mmまでに変えたときに、各距離Lでのセンサ部21に対する遮蔽物6の角度に対して、センサ部21が検知する再帰性反射シート7からの反射光量[nW]を示している。
【0060】
図9からわかるように、センサ部21と発光部51間のオフセット距離Lが離れるほど、反射光量が下がっていることがわかる。
【0061】
このように、センサ部21と発光部51間のオフセット距離Lが離れるほど、再帰性反射シート7からの反射光量が下がってしまい、センサ部21での検出が困難になる。逆に、センサ部21と発光部51間のオフセット距離Lが近ければ近いほど、遮蔽物6からの散乱光による影響が増大することになる。
【0062】
そこで、両者の兼ね合いを考慮した上で、センサ部21と発光部51間のオフセット距離Lを決定する必要がある。
【0063】
<オフセット距離の決定>
センサ部21と発光部51間のオフセット距離Lは、センサ部21で実際に得られる光量から決定することができる。
【0064】
図10は本発明の実施形態1のセンサ部に対して同一角度で距離の異なる2点に遮蔽物がある場合の検出信号の例を示す図である。
【0065】
14−1では、遮蔽物6からの散乱光が検出されていない状態であり、再帰性反射シート7からの反射光が、標準的な遮蔽物6、例えば、人間の指に近い反射率を有するものなどによって遮られている状態を示している。
【0066】
14−2は、再帰性反射シート7からの反射光は遮られているが、遮蔽物6からの散乱光が検出されている状態を示している。14−1の状態での信号レベルをA(再帰反射光レベル)、14−2の状態のような散乱光の影響を受けている状態での信号レベル(散乱光レベル)をBとすると、実施形態1では、この両者の比が所定値以下になるようにオフセット距離Lを選ぶようにする。つまり
B / A < Th
になるようにオフセット距離Lを決定する。
【0067】
この所定値は、システムのノイズレベルや、想定される遮蔽物6の状態、例えば、指や白い手袋をつけた指での散乱光レベルあるいはペン等の指示具の散乱反レベルを考慮して決定すればよい。
【0068】
以上説明したように、実施形態1によれば、散乱光レベルと再帰反射光レベルとの比が座標入力領域全域に渡って所定値以下になるように、センサ部21と発光部51間をオフセット距離Lを持たして両者を配置することで、遮蔽物6からの散乱光の影響を受けずに精度の良い座標入力を実現することができる。
【0069】
<<実施形態2>>
実施形態1では、センサ部21の下面に発光部51が配置されている構成を説明したが、センサ部21の上面に発光部51が配置されている構成でも、実施形態1と同様の効果を得ることができる。
【0070】
また、実施形態1では、センサ部21と発光部51は同一方向に対して並列に配置されている構成を説明したが、これに限定されない。つまり、装置の仕様や構成上、このような配置を実現できない場合でも、センサ部21に入射する光の光軸と発光部51が照明する光の光軸が座標入力領域1に対して垂直方向にオフセット距離Lを有するように、センサ部21と発光部51を配置できれば、実施形態1と同様の効果を得ることができる。
【0071】
その一例について、図11を用いて説明する。
【0072】
図11は本発明の実施形態2のセンサ部と発光部の配置例を示す図である。
【0073】
図11では、発光部51からの照明光によって再帰反射シート7から得られる反射光が、ミラー151によって曲げられてからセンサ部21に入射するような構成を示している。そして、この構成では、センサ部21に入射する光の光軸と発光部51が照明する光の光軸が、座標入力領域1に対して垂直方向にオフセット距離Lを有するように、ミラー151とセンサ部21と発光部51とを配置している。
【0074】
<<実施形態3>>
再帰性反射シート7は、センサ部21の検出範囲と発光部51の照明範囲との両方に含まれるように設置される。ところが、図12の16−1に示されるように、センサ部21及び発光部51と再帰性反射シート7間の距離を十分に確保できないような場合には、センサ部21の検出範囲と発光部51の照明範囲が重ならない場合がある。
【0075】
このようなときには、例えば、図12の16−2に示すように、座標入力領域1に対し発光部51を垂直方向にチルト角Tを持たせることで、センサ部21の検出範囲と発光部51の照明範囲とを重ねることができる。
【0076】
もちろん、発光部51にチルト角Tを持たせるのではなく、センサ部21あるいは両者にチルト角Tを持たせても良い。また、このチルト角Tは、上述のように、散乱光レベルと再帰反射光レベルに基づいて決定すれば良い。
【0077】
また、センサ部21の検出範囲と発光部51の照明範囲との重なりが大きすぎて、遮蔽物6による散乱光の影響が大きい場合には、重なりを減らす方向にチルト角Tを持たせることも有効である。
【0078】
以上説明した実施形態1〜3に係る実施態様を列挙すると、次の通りである。すなわち、座標入力装置は、次のようになる。
【0079】
<実施態様1> 座標入力領域上の指示位置を算出する座標入力装置であって、
前記座標入力領域の角部に設けられた受光手段と、
前記座標入力領域の周辺部に設けられ、入射光を再帰的に反射する反射手段と、
前記座標入力領域に光を照明する発光手段と、
前記受光手段が受光する前記反射手段からの反射光に基づいて、該反射光の遮蔽位置の角度情報を算出する角度算出手段と、
前記角度算出手段で算出された角度情報に基づいて、前記遮蔽位置の座標を算出する座標算出手段とを備え、
前記発光手段の光軸と前記受光手段の光軸は、前記座標入力領域に対して垂直方向に所定距離離れていることを特徴とする座標入力装置。
【0080】
<実施態様2> 前記所定距離は、遮蔽物による散乱光レベルと前記反射手段からの再帰反射光レベルの比が所定値以下となる距離に設定されていることを特徴とする実施態様1に記載の座標入力装置。
【0081】
<実施態様3> 前記受光手段及び前記発光手段の少なくとも一方は、前記座標入力領域に対して垂直方向にチルト角を有していることを特徴とする実施態様1に記載の座標入力装置。
【0082】
<実施態様4> 前記反射手段への前記発光手段による入射光が、前記受光手段となす複数の角度から決定される入射角度で入射するように構成されていることを特徴とする実施態様1に記載の座標入力装置。
【0083】
<<実施形態4>>
従来技術の図23で示したような再帰反射シート7を利用する座標入力装置においては、再帰反射シート7からの反射光量の確保は、S/N比を向上するために必要である。
【0084】
この再帰性反射シート7は、発光部5A〜5Dからの照明光による光線の入射角度に対して、センサ部2A及び2Bで検出する反射光量が変化する。
【0085】
この反射光量の変化の一例を示すと、図13のようになる。
【0086】
図13中、横軸が再帰性反射シート7に対する入射光の角度であり、縦軸が反射光量をあらわしている。角度(0°〜75°)は垂直方向がゼロであり、角度が大きくなるほど、斜めからの入射になる。図13からわかるように、反射光量は角度45°を過ぎたあたりから急激に低下していることがわかる。
【0087】
この状態を従来技術の図23の座標入力装置で説明すると、図14に示すように、センサ部21及び21Bから見て角度45°を過ぎた当たり(領域A及び領域B)から急速に、再帰性反射シート7からの反射光量が得られなくなることになる。
【0088】
このような光量低下に対して、例えば、特開2000−293311号の「光走査型タッチパネル」では、低入射角度用の再帰性反射シートと高入射角度用の再帰性反射シートを座標入力領域周辺に張り分けることによって、光量低下を防止している。また、その応用として、再帰性反射シートへの照明光の入射角度が実質的に0度になるように入射面を傾斜させて配置する構成が示されている。
【0089】
また、特開2000−293311号の構成は、座標入力領域の右辺にセンサを設けて、再帰性反射シートからの反射光を検出しているために、入射角度が大きくなる領域において、片側センサに対してのみ再帰性反射シートから反射光を戻す構成となっている。
【0090】
ここで、座標入力領域に対するセンサの配置とそのセンサの検出精度の関係について、図15及び図16を用いて説明する。
【0091】
図15及び図16は座標入力領域に対するセンサの配置とそのセンサの検出精度の関係を示す図である。
【0092】
図15は座標入力領域の長手方向にある上辺(下辺も同様)にセンサを設置した場合のセンサの検出精度の分布A〜Iを示している。また、図16は座標入力領域の短手方向にある左辺(右辺も同様)にセンサを設置した場合の検出精度の分布A〜Lを示している。
【0093】
両図において、例えば、センサの画素数を100画素とすれば、各分布の数値を画素で割った値が、センサの1画素がとり得る検出範囲を示すことになる。
【0094】
図15では、最大値を有する分布A(1600〜1800)が左右の下端にあるので、1画素当たりで最大18ミリの検出範囲を取りうることになる。
【0095】
同様に、図16では、最大値を有する分布A(2200〜2400)が右辺の上下端にあるので、1画素当たりで最大24ミリの検出範囲を取りうることになる。
【0096】
つまり、座標入力領域の上辺にセンサを配置した方が、1画素当たりでの最大検出範囲が小さいので精度的に有利になることがわかる。
【0097】
しかしながら、座標入力領域の長手方向の上辺の両端にセンサを配置して、特開2000−293311号のように、片側センサに対してのみ再帰性シートからの反射光の反射角度を決定してしまうと、もう一方のセンサに入射する再帰性シートからの反射光量が確保できないという問題があった。
【0098】
また、複数のセンサでそれぞれ検出する反射光量が極端に不均一になる場合には、座標入力領域を照明する発光部の光量を増大させることで、低光量部分の検出を実現しようとすると、逆に、高光量部分の検出がセンサ出力において蝕和することがあり、精度の良い座標検出を実現することができない。
【0099】
そこで、実施形態4では、以上のような課題を考慮して、再帰性シートを構成する場合について説明する。
【0100】
図17は本発明の実施形態4の座標入力装置の概略構成を示す図である。
【0101】
尚、図17の座標入力装置は、実施形態1の図1の座標入力装置の再帰性反射シート7の変形例となっている。但し、センサ部21A及び21Bとそれぞれに対応する発光部51との配置関係は、実施形態1〜3で説明した配置関係に限定されず、センサ部21及び21Bとそれぞれに対応する発光部51とが、座標入力領域1に対する平行面と同一面上に配置される構成であっても良い。逆に、実施形態1〜3の再帰性シート7の構成を実施形態4以降で説明する各実施形態の再帰性シート7の構成を適用しても良い。
【0102】
以下、実施形態4の再帰性反射シート7の構成について説明する。
【0103】
図13で示したように、再帰性反射シート7への入射光の角度が45度を超えるあたりから、再帰性反射シート7から得られる反射光量が減少するので、再帰性反射シート7への入射光の角度が45度を超える領域で遮蔽物6が存在する場合にはその変化が充分に取れないことになる。
【0104】
反射光量は、光量分布(照明強度および距離)、再帰性反射シート7を構成する反射部材の反射率(入射角度、反射部材の幅)、センサ部21内の結像系照度(cosine4乗則)によって決まる。
【0105】
反射光量が不足する場合に、その不足を解決する方法としては、発光部51の照明強度を上げることが考えられるが、反射分布が均一で無い場合には、上述したように、高光量部分の光をセンサ部21が受光したときには、センサ部21内のラインCCD2でその部分が蝕和することがあり、照明強度を上げるには限界がある。裏返せば、反射部材の反射分布をなるべく均一にすることで低光量部分への反射光量の増大も望むことができる。
【0106】
反射光量を均一化するには、そのパラメータとして、再帰性反射シート7とセンサ部21及び発光部51間の距離と角度が考えられるが、距離は、座標入力領域1の外形で決定されるため、変更しがたい。また、センサ部21を複数設けることも考えられるが、コストアップや構造の制限などによって困難な場合がある。
【0107】
そこで、実施形態4では、図17に示すように、再帰性反射シート7を構成する反射部材の一部の設置角度を変更している。特に、実施形態4では、センサ部21A及び21Bに対して適当な反射光量が得られる角度で反射部材を取り付けている。
【0108】
反射部材の角度は、センサ部21A及び21Bの各センサ部からの角度とその角度における距離の項から決定される。
【0109】
ここで、図13は先に説明したように角度に対する反射光量の変化であり、図18はセンサ部からの角度で、距離による変化率を表したものであり、距離の2乗の逆数で与えられている。
【0110】
この両図から、双方を乗じた結果が図19になる。
【0111】
この図19からわかるように、最大角度の点と最小角度の点では、6倍程度の光量の差になっている。
【0112】
これを均一化するために、センサ部21A及び21Bに対する反射部材の設置角度を変更すれば良いことことになる。但し、センサ部21A及び21Bの両センサが検出可能な座標入力領域1上の共通検出領域では、センサ部21A及び21Bに対して反射部材を共用することになるので、不用意に片側センサ部に対して反射部材の設置角度を決定するともう一方のセンサ部で検出する反射光量を低下させてしまうことになる。そこで、同図から、両センサに対して好ましい角度を決定することになる。
【0113】
図20において、14−1は反射部材の設置角度が座標入力領域1に対して平行である場合のセンサ部21Bが検出する反射光量分布であり、14−3はセンサ部2Aに対するものである。ここで、図20では、角度として、センサ部21A及び21Bの各センサが存在する方を0度、それに対する他方のセンサが存在する方が高角度になるように作図してある。
【0114】
以上の点を考慮して反射部材を構成した例が上述の図17である。
【0115】
図17では、反射部材のセンサ部21A及び21Bそれぞれからの角度が45度以上の領域(図14の領域A及び領域B)に対して、反射部材の設置角度を変更している。
【0116】
特に、図17では、水平方向(座標入力領域1の長手方向)に対し、I領域:5°、II領域:10°、III:15°となるように反射部材を設定している。
【0117】
このときのセンサ部21A及び21Bの両センサ部の光量分布として、センサ21Bに対するものが14−2、センサ21Aに対するものが14−4である。
【0118】
ここで、センサ部21Bの光量分布14−1に対して、領域I,II,IIIでの光量分布14−2では、反射部材への光の入射角度が低角度になったために光量を増加させることができていることがわかる。一方、センサ部21Bの光量分布14−4では、逆に、反射部材への光の入射角度が大きくなっているために、光量の低下が起こっている。
【0119】
しかしながら、図14のB領域でのセンサ部21Aが検出する光量は、その距離が近いために、センサ部21Bが検出する光量よりも大きく保たれている。
【0120】
このように、入射角度が小さい反射部材からの反射光量が下がり、入射角度が大きい反射部材からの光量をあげることができ、その差も約二倍程度に押さえられる。
【0121】
センサ部21A及びセンサ部21Bの各センサ部が検出する光量をどの程度にするか、つまり、両センサ部に対する反射部材の設置角度をどの程度にするかは、両センサ部に対する角度からシステム毎に最適値を選択すればよい。
【0122】
以上説明したように、実施形態4によれば、反射部材への光の入射光の入射角度を、センサ部21A及び21Bに対する角度から決定することで、反射光量の不均一を是正するとともに、低光量部分の光量を増大し、SN比の改善とともにセンサ配置の自由度をも確保できるので、より高精度な座標入力を実現することができる。
【0123】
尚、実施形態1では、座標入力領域1の周辺に配置する反射部材の内、その周辺の一部の反射部材の設置角度を部分的に変更した構成を説明したが、より広範囲に、極端には座標入力領域1の周辺の全域にわたって反射部材の設置角度を設けて、更なる反射光量の均一化を図ってもよい。また、実施形態4のように、段階的に反射部材の設置角度を変化させるのではなく、連続的に変化させるようにしても良い。
【0124】
<<実施形態5>>
実施形態4では、座標入力領域1の周辺に配置する反射部材の配置角度を部分的に変化させることで反射部材への入射光の入射角度を制御し、これにより、センサ部21A及び21Bが検出する反射部材からの反射光量を改善する構成について説明したが、これに限定されない。例えば、光学的に反射部材への入射光の入射角度を変化させる光学部材を反射部材の前に設置することで、実施形態5と同様の効果を得るようにしても良い。
【0125】
その一例について図21を用いて説明する。
【0126】
図21は本発明の実施形態5の反射部材の構成を示す図である。
【0127】
図21では、再帰性反射シート7の前面に、光学部材15を配置している。この光学部材15は、例えば、アクリルやポリカーボネイト等の樹脂で構成され、その表面にセンサ部からの角度に応じた入射面を構成してある。
【0128】
図21中、光学部材15の中央部分では、センサ部21A及び21Bに対して均等な角度で入射面が構成されているが、センサ部21A及び21Bの最大角度部分では、各センサ部に対して入射角度が大きくなるように構成されている。
【0129】
このように構成することで、各センサ部の方向からの入射光をその屈折率と構成角度により、センサ部の角度に対応した角度で再帰性反射シート7へ発光部51からの光を入射させることが可能である。
【0130】
図中、光学部材15の入射面は中央と左右角部にしか図示していないが、センサ部とのなす角度によって光学部材15の全域に施したり、あるいは低光量部分のみ構成しても良い。
【0131】
別の一例について図22を用いて説明する。
【0132】
図22は本発明の実施形態5の反射部材の別の構成を示す図である。
【0133】
図22は、光学部材としてフレネルレンズ16を用い、反射部材への入射光の入射角度を変化させる構成を示している。フレネルレンズ16は、例えば、その中心部分が反射面の中心となるように構成している。
【0134】
このように構成することで、再帰性反射シート7への入射光は、フレネルレンズ16の焦点に向かって屈折させられることになり、図中矢印で示したように、再帰性反射シート7に対する入射角度を変更することが可能になる、入射角度はフレネルレンズの焦点距離を選ぶことによって、選択可能である。
【0135】
このように、再帰性反射シート7の全域に渡って連続的に入射角度を変化させることで、より滑らかな反射光量分布を得ることが可能になる。
【0136】
以上説明した実施形態4、5に係る実施態様を列挙すると、次の通りである。すなわち、座標入力装置は、次のようになる。
【0137】
<実施態様5> 座標入力領域上の指示位置を算出する座標入力装置であって、
前記座標入力領域の角部に設けられた受光手段と、
前記座標入力領域の周辺部に設けられ、入射光を再帰的に反射する反射手段と、
前記座標入力領域に光を照明する発光手段と、
前記受光手段が受光する前記反射手段からの反射光に基づいて、該反射光の遮蔽位置の角度情報を算出する角度算出手段と、
前記角度算出手段で算出された角度情報に基づいて、前記遮蔽位置の座標を算出する座標算出手段とを備え、
前記反射手段への前記発光手段による入射光が、前記受光手段となす複数の角度から決定された入射角度で入射するように構成されていることを特徴とする座標入力装置。
【0138】
<実施態様6> 前記反射手段への前記発光手段による入射光の入射角度は、段階的あるいは連続的に変化するように構成されていることを特徴とする実施態様5に記載の座標入力装置。
【0139】
<実施態様7> 前記反射手段の一部または複数部分は、前記受光手段となす複数の角度から決定された傾斜角度で設置されていることを特徴とする実施態様5に記載の座標入力装置。
【0140】
<実施態様8> 前記反射手段への前記発光手段による入射光の入射角度を光学的に変化させる光学部材を更に備えることを特徴とする実施態様5に記載の座標入力装置。
【0141】
<実施態様9> 前記発光手段の光軸と前記受光手段の光軸は、前記座標入力領域に対して垂直方向に所定距離離れていることを特徴とする実施態様5に記載の座標入力装置。
【0142】
以上、実施形態例を詳述したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記憶媒体等としての実施態様をとることが可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
【0143】
尚、本発明は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラム(実施形態では図に示すフローチャートに対応したプログラム)を、システムあるいは装置に直接あるいは遠隔から供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータが該供給されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される場合を含む。
【0144】
従って、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、該コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明は、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。
【0145】
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等の形態であっても良い。
【0146】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD(DVD−ROM,DVD−R)などがある。
【0147】
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続し、該ホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、もしくは圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバも、本発明に含まれるものである。
【0148】
また、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布し、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせ、その鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
【0149】
また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現される他、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが、実際の処理の一部または全部を行ない、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現され得る。
【0150】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行ない、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現される。
【0151】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、高精度の座標入力を実現する座標入力装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1の座標入力装置の概略構成を示す図である。
【図2】本発明の実施形態1のセンサ部と発光部の詳細構成を示す図である。
【図3】本発明の実施形態1の演算制御部の構成を示す図である。
【図4】本発明の実施形態のセンサ部の検出データを示す図である。
【図5】本発明の実施形態1のセンサ部の配置に関する説明図である。
【図6】本発明の実施形態1の発光部の詳細構成を示す図である。
【図7】本発明の実施形態1の発光部の照明範囲に関する説明図である。
【図8】本発明の実施形態1の遮蔽物に対する散乱光に関する説明図である。
【図9】本発明の実施形態1の再帰性反射シートの角度特性を示す図である。
【図10】本発明の実施形態1のセンサ部に対して同一角度で距離の異なる2点に遮蔽物がある場合の検出信号の例を示す図である。
【図11】本発明の実施形態2のセンサ部と発光部の配置例を示す図である。
【図12】本発明の実施形態3のセンサ部と発光部の配置例を示す図である。
【図13】角度に対する反射強度を示す図である。
【図14】反射光量の低光量部分に関する説明図である。
【図15】センサ配置による検出精度分布を示す図である。
【図16】センサ配置による検出精度分布を示す図である。
【図17】本発明の実施形態4の座標入力装置の概略構成を示す図である。
【図18】角度に対する反射光量分布を示す図である。
【図19】角度に対する距離及び反射による反射光量分布を示す図である。
【図20】本発明の実施形態4の座標入力装置における光量分布を示す図である。
【図21】本発明の実施形態5の反射部材の構成を示す図である。
【図22】本発明の実施形態5の反射部材の別の構成を示す図である。
【図23】従来の座標入力装置の構成を示す図である。
【図24】従来の座標入力装置による座標入力に関する説明図である。
【図25】従来の座標入力装置の課題に関する説明図である。
【符号の説明】
1 座標入力領域
2 ラインCCD
3 レンズ
5 LED
7 再帰性反射シート
8 赤外フィルタ
9 絞り
21A、21B センサ部
51 発光部
【発明の属する技術分野】
本発明は、座標入力領域上の指示位置を算出する座標入力装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、入力面に指示具や指によって指示して座標を入力することにより、接続されたコンピュータを制御したり、文字や図形などを書き込むために用いられる座標入力装置が知られている。
【0003】
この種の座標入力装置としては、タッチパネルとして、各種方式のものが提案、または製品化されており、特殊な器具などを用いずに、画面上でパーソナルコンピュータ等の端末の操作が簡単にできるため、広く用いられている。
【0004】
その座標入力方式としては、抵抗膜を用いたもの、また、超音波を用いたものなど、さまざまなものがある。これらの座標入力方式の中で、光を用いたものとしては、座標入力領域の外側に再帰性反射シートを設け、座標入力領域の角端部に配置された光を照明する照明部と光を受光する受光部とにより、座標入力領域内において指等の光を遮蔽する遮蔽物と受光部間の角度を検出し、その検出結果に基づいて、その遮蔽物の指示位置を決定するものが知られている。
【0005】
例えば、特許文献1では、発光部の光をハーフミラーを介してポリゴンミラーに照射し、ポリゴンミラーの回転によって再帰性反射シートへ照射して、反射光をハーフミラーで受光部によって検知するものがある。
【0006】
別の構成としては、図23に示すような座標入力装置がある。この座標入力装置では、まず、発光部5A〜Dによって、座標入力領域1に対して光を照明する。次に、この光は、座標入力領域1の周辺部の再帰性反射シート7により反射され、発光部5A〜5D及び受光部2Aや受光部2B(ライン状のCCDセンサ等で構成される)の方向に戻ってくる。
【0007】
このような構成において、図24に示すように、その光の経路上に指などの遮蔽物6があると、再帰性反射シート7からの反射が阻害される。この場合、遮蔽物6の陰が、レンズ3Aを介して受光部2A上に結像される。
【0008】
そして、この受光部2Aで結像した像を読み込み、遮蔽物6の存在しない状態(初期状態)との差分を得ることによって、遮蔽物6の受光部2Aに対する角度を得ることができる。このような受光部を、例えば、座標入力領域1の上辺両端部に2箇所(受光部2A及び2B)に設けることで、遮蔽物6の位置、つまり、入力座標を計算することができ、タッチパネルとして用いることが可能になっている。
【0009】
【特許文献1】
特開平11−85399号公報
【発明が解決しようとする課題】
近年、大型ディスプレイの画面の明るさが改善され、明るく照明された環境においても十分使用できるようになり、また、コンピュータの普及が進んだため、会議室などで使用する大型のコンピュータ用ディスプレイの需要が拡大されつつある。このような用途において、コンピュータ画面を用いたプレゼンテーションや会議を行なう場合、画面を直接操作できる座標入力装置は非常に便利なものである。
【0010】
特に、上記従来例のように、角度検出器として機能する受光部を座標入力領域1の上辺両端部に設けるものは、大型化してもコストが高くならない利点がある。
【0011】
しかしながら、図23のように、受光部2A及び2Bの脇に発光部5A〜5Dを配置し、受光部2Aが受光する光の光軸と発光部が発光する光の光軸の双方の光軸が同一面内にしている構成や、ハーフミラーを介して両者の光軸を略一致させている構成での座標入力において、特に、受光部2Aの近傍での遮蔽物6による座標入力では、図25のaで示されるように、その遮蔽物6による直接反射の散乱光を受光部2Aで検出してしまうことがあり、精度を低下させる、あるいは座標検出ができない等の問題があった。
【0012】
また、発光部5A〜5Dからの光が、再帰性反射シート7に到達するまえに、遮蔽物6でさえぎられるため、再帰性反射シート7上に影b、cを生じることになる。このような影b、cが生じると、実際の再帰性反射シート7からの光をさえぎったところ以外にもあたかも入力があるような信号が発生し、誤検出の原因になっていた。
【0013】
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、高精度の座標入力を実現する座標入力装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための本発明による座標入力装置は以下の構成を備える。即ち、
座標入力領域上の指示位置を算出する座標入力装置であって、
前記座標入力領域の角部に設けられた受光手段と、
前記座標入力領域の周辺部に設けられ、入射光を再帰的に反射する反射手段と、
前記座標入力領域に光を照明する発光手段と、
前記受光手段が受光する前記反射手段からの反射光に基づいて、該反射光の遮蔽位置の角度情報を算出する角度算出手段と、
前記角度算出手段で算出された角度情報に基づいて、前記遮蔽位置の座標を算出する座標算出手段とを備え、
前記発光手段の光軸と前記受光手段の光軸は、前記座標入力領域に対して垂直方向に所定距離離れている。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。
【0016】
<<実施形態1>>
図1は本発明の実施形態1の座標入力装置の概略構成を示す図である。
【0017】
1は座標入力領域であり、平面表示装置上に定義されており、その周辺には、主として光の入射方向に再帰的に光を反射する再帰性反射シート7が設置されている。
【0018】
座標入力領域1の上端角部には、センサ部21A及び21Bが設けられている。センサ部21A及び21Bの各センサ部は、レンズ3とCCD2(図2参照)等を有している。また、センサ部21A及び21Bの下面には、座標入力領域1及び再帰性反射シート7に光を照射するための発光部51(図2参照)が設けられている。
【0019】
センサ部21A及び21Bからの出力は、AD変換器によりデジタルデータに変換され演算制御部600(図3参照)に送信される。
【0020】
このような構成において、まず、発光部51が演算制御回路600により発光させられると、その光は再帰性反射シート7で反射され、座標入力領域1中に遮蔽物6(指や指示具)が存在しなければ、センサ部21A及び21B内それぞれのレンズ3により集光され、それぞれのCCD2上で受光される。
【0021】
一方、遮蔽物6が座標入力領域1上に存在するときは、その部分において、再帰性反射シート7からの光がさえぎられるため、センサ部21A及び21B上では、その部分が影として検出されることになる。
【0022】
演算制御部600は、この影の部分を検出し、センサ部21A及び21Bを構成するそれぞれのCCD2の画素の画素番号(位置)から、遮蔽物6のセンサ部21A及び21Bに対する各角度情報を取得し、この角度情報から遮蔽物6の座標値を算出する。そして、この座標値を、例えば、ホストコンピュータ等の外部装置に出力することができる。
【0023】
<センサ部の詳細説明>
図2は本発明の実施形態1のセンサ部と発光部の詳細構成を示す図である。
【0024】
尚、図2では、センサ部21(センサ部21Aあるいは21B)と発光部51それぞれの側面図を示している。
【0025】
センサ部21A及び21Bはそれぞれ、赤外フィルタ8、結像用のレンズ3、絞り9及びラインCCD2から構成されている。
【0026】
レンズ3によって集光された光は、その入射角度によって、ラインCCD2上の各々の正接(タンジェント)に対応する部分に集光される。
【0027】
つまり、遮蔽物6の影がある場合には、その入力角度によって、ラインCCD2上の異なる画素上に結像されることになる。この画素番号から、入力点である遮蔽物6の位置に対する角度θ1、θ2の正接を検出することが可能になっている。
【0028】
絞り9は、ラインCCD2の検出範囲を限定するもので、再帰性反射シート7以外からの不要光を排除するために、上下方向対して光入力を規制している。赤外フィルタ8は、通常の可視光の入射を防止するために設けられている。
【0029】
また、センサ部21の下面には、発光部51が、座標入力領域1の入力面に対して垂直方向にオフセット距離(所定距離)L離されて配置されている。発光部51は、シリンドリカルレンズ10とLED5から構成されている。
【0030】
<演算制御部の動作説明>
図3は本発明の実施形態1の演算制御部の構成を示す図である。
【0031】
演算制御部600は、演算制御回路(CPU)64、センサ制御回路62、発光部駆動回路63、AD変換器61、記憶回路(メモリ)65、通信回路66等からなり、発光部51の制御、センサ部21の制御、座標演算等の各種処理を実行する。
【0032】
演算制御回路64から発光信号を出力すると、発光部駆動回路63を経て発光部51が一定期間点灯する。発光部51の光は、再帰性反射シート7によって略入射方向に反射される。反射された光は、センサ部21により検出される。
【0033】
演算制御回路64から読出信号が出力されると、センサ制御回路62を経てセンサ部21に制御信号が送信され、検出した光信号を電気信号としてAD変換器61に出力する。
【0034】
AD変換器61でデジタル信号に変換された信号は、演算制御回路64によって取りこまれ角度計算用データとして、記憶回路65に記憶される。
【0035】
実際の計算に際しては、あらかじめ何も入力がない状態で、この入射状況を基準データとして記憶する。このときのセンサ部21の検出結果の一例を、図4の7−1に示す。同図において、横軸がセンサ部21内のラインCCD2の画素に対応し、縦軸が光強度を示している。
【0036】
この時のデータを基準データとして、出荷時に記憶回路65に記憶しておいても良いし、装置立ち上げ時に毎回RAMなどに記憶しておいても良い。
【0037】
入力が行われた場合、再帰性反射シート7からの光は、遮蔽物6によりさえぎられるため、ラインCCD2の検出結果(検出データ)は、図4の7−2のようになる。
【0038】
そして、図4の7−1に基づく基準データと、図4の7−2に基づく検出データとの差分を計算すると、図4の7−3のように、遮蔽物6の入力位置に対応する差分検出データ部分のみが検出可能になる。この差分検出データを、例えば、閾値などで検出し、この信号のピークあるいは重心位置を計算することにより、遮蔽物6の入力位置の角度θ1、θ2の正接に相当する信号を算出できる。
【0039】
<座標計算方法の説明>
図5は本発明の実施形態1のセンサ部の配置に関する説明図である。
【0040】
センサ部2A及び2Bは、座標入力領域1の中心を原点OとするXY座標を定義した場合に、各々L(−A,B)、R(A,B)を基準点とし、X軸に対して45度の基準軸からの反時計回りの角度θ1、θ2の正接(タンジェント)を検出するように配置されている。
【0041】
入力位置をP(x,y)、センサ部21A及び21Bの基準点L(−A,B)及びR(A,B)に対し、これらの中点C(0,B)とすると、座標入力領域1の幅は2A、高さは2Bと表現できる。
【0042】
また、各センサ部21A及び21Bの基準線を座標軸U,Vとすると、点P(u,v)は
tanθ1=−v/(√2×A+u),tanθ2=u/(√2×A+v)
を満足する。
【0043】
即ち、
u= √2×A×tanθ2×(1−tanθ1)/(1+tanθ1×tanθ2)
v=−√2×A×tanθ1×(1+tanθ2)/(1+tanθ1×tanθ2)
となる。
【0044】
一方、x=(u−v)/√2,y=−(u+v)/√2−Y0であるので、
x=A×(tanθ1+tanθ2)/(1+tanθ1×tanθ2)
y=A×(tanθ1−tanθ2+2×tanθ1×tanθ2)
/(1+tanθ1×tanθ2)−Y0 (1)
となる。この式(1)に、検出されたtanθ1,tanθ2を代入すれば、P(x,y)を算出することができる。
【0045】
このようにして得られた遮蔽物6の入力位置である座標値P(x,y)を制御信号として、通信回路66を介して外部装置に出力することで、遮蔽物6による入力による外部装置の制御が可能になる。
【0046】
<発光部の詳細説明>
図6は本発明の実施形態1の発光部の詳細構成を示す図である。
【0047】
尚、図6は発光部51の上面図を示している。
【0048】
センサ部21A及び21Bそれぞれの下面に配置される発光部51は、シリンドリカルレンズ10とLED5から構成され、座標入力領域1の90°範囲を照明できるように構成されている。
【0049】
実施形態1では、3個のLED5を用いて90°範囲を照明する構成であるが、LED5の指向性角度によって個数は任意に設定可能である。LED5の光は、シリンドリカルレンズ10によって高さ方向の光を制限した形の帯状に放射される。
【0050】
しかしながら、図7に示すように、LED5は純粋な点光源ではないので、実際には、広がりを持った分布700として放射されることになる。
【0051】
同様に、センサ部21A及び21Bも内部の絞り9等で高さ方向の入力範囲に制限を掛けているが、実際には、有る広がりを持った分布を有する入射光を検出している。
【0052】
ここで、図2に示したように、センサ部21(センサ部21Aあるいは21B)と発光部51をオフセット距離L離して、座標入力領域1に対して垂直に配置した場合、図8に示すように、両者からある程度距離の離れた地点Xで、センサ部21への入射光と発光部51からの照明光の両者が重なることになる。
【0053】
ここで、図6の位置Iに遮蔽物6が存在する場合は、再帰性反射シート7からの反射光が遮蔽物6の部分だけ遮られるので、そのままセンサ部21で検出可能になる。
【0054】
一方、図6の位置IIに遮蔽物6が存在する場合、つまり、センサ部21への入射光と発光部51からの照明光の両者が重なるような場合は、発光部51からの照明光が遮蔽物6によって乱反射し、その乱反射光(散乱光)もセンサ部21で検出されることになる。そのため、本来、センサ部21の遮蔽物6の影として検出される部分がある光量をもって検出されてしまう。
【0055】
一般的に、遮蔽物6の位置がセンサ部21及び発光部51から十分離れている場合には、再帰性反射シート7からの反射光の方が発光部51からの照明光よりも大きくなり、実際にセンサ部21で検出される反射光による信号の変化が少なくなる程度ですむ。これに対し、遮蔽物6の位置がセンサ部21及び発光部51から比較的近い場合には、上述の散乱光の影響を無視できなくなる。
【0056】
つまり、センサ部21と発光部51間のオフセット距離Lを大きくすれば、センサ部21の入射光の検出範囲と発光部51の照明光の照明範囲が重なる位置を、センサ部21及び発光部51が存在する位置から離すことができる。
【0057】
ここで、センサ部21と発光部51間のオフセット距離Lに対する再帰性反射シート7の角度特性について、図9を用いて説明する。
【0058】
図9は本発明の実施形態1の再帰性反射シートの角度特性を示す図である。
【0059】
図9では、センサ部21と発光部51間のオフセット距離Lを距離0mmから7mmまでに変えたときに、各距離Lでのセンサ部21に対する遮蔽物6の角度に対して、センサ部21が検知する再帰性反射シート7からの反射光量[nW]を示している。
【0060】
図9からわかるように、センサ部21と発光部51間のオフセット距離Lが離れるほど、反射光量が下がっていることがわかる。
【0061】
このように、センサ部21と発光部51間のオフセット距離Lが離れるほど、再帰性反射シート7からの反射光量が下がってしまい、センサ部21での検出が困難になる。逆に、センサ部21と発光部51間のオフセット距離Lが近ければ近いほど、遮蔽物6からの散乱光による影響が増大することになる。
【0062】
そこで、両者の兼ね合いを考慮した上で、センサ部21と発光部51間のオフセット距離Lを決定する必要がある。
【0063】
<オフセット距離の決定>
センサ部21と発光部51間のオフセット距離Lは、センサ部21で実際に得られる光量から決定することができる。
【0064】
図10は本発明の実施形態1のセンサ部に対して同一角度で距離の異なる2点に遮蔽物がある場合の検出信号の例を示す図である。
【0065】
14−1では、遮蔽物6からの散乱光が検出されていない状態であり、再帰性反射シート7からの反射光が、標準的な遮蔽物6、例えば、人間の指に近い反射率を有するものなどによって遮られている状態を示している。
【0066】
14−2は、再帰性反射シート7からの反射光は遮られているが、遮蔽物6からの散乱光が検出されている状態を示している。14−1の状態での信号レベルをA(再帰反射光レベル)、14−2の状態のような散乱光の影響を受けている状態での信号レベル(散乱光レベル)をBとすると、実施形態1では、この両者の比が所定値以下になるようにオフセット距離Lを選ぶようにする。つまり
B / A < Th
になるようにオフセット距離Lを決定する。
【0067】
この所定値は、システムのノイズレベルや、想定される遮蔽物6の状態、例えば、指や白い手袋をつけた指での散乱光レベルあるいはペン等の指示具の散乱反レベルを考慮して決定すればよい。
【0068】
以上説明したように、実施形態1によれば、散乱光レベルと再帰反射光レベルとの比が座標入力領域全域に渡って所定値以下になるように、センサ部21と発光部51間をオフセット距離Lを持たして両者を配置することで、遮蔽物6からの散乱光の影響を受けずに精度の良い座標入力を実現することができる。
【0069】
<<実施形態2>>
実施形態1では、センサ部21の下面に発光部51が配置されている構成を説明したが、センサ部21の上面に発光部51が配置されている構成でも、実施形態1と同様の効果を得ることができる。
【0070】
また、実施形態1では、センサ部21と発光部51は同一方向に対して並列に配置されている構成を説明したが、これに限定されない。つまり、装置の仕様や構成上、このような配置を実現できない場合でも、センサ部21に入射する光の光軸と発光部51が照明する光の光軸が座標入力領域1に対して垂直方向にオフセット距離Lを有するように、センサ部21と発光部51を配置できれば、実施形態1と同様の効果を得ることができる。
【0071】
その一例について、図11を用いて説明する。
【0072】
図11は本発明の実施形態2のセンサ部と発光部の配置例を示す図である。
【0073】
図11では、発光部51からの照明光によって再帰反射シート7から得られる反射光が、ミラー151によって曲げられてからセンサ部21に入射するような構成を示している。そして、この構成では、センサ部21に入射する光の光軸と発光部51が照明する光の光軸が、座標入力領域1に対して垂直方向にオフセット距離Lを有するように、ミラー151とセンサ部21と発光部51とを配置している。
【0074】
<<実施形態3>>
再帰性反射シート7は、センサ部21の検出範囲と発光部51の照明範囲との両方に含まれるように設置される。ところが、図12の16−1に示されるように、センサ部21及び発光部51と再帰性反射シート7間の距離を十分に確保できないような場合には、センサ部21の検出範囲と発光部51の照明範囲が重ならない場合がある。
【0075】
このようなときには、例えば、図12の16−2に示すように、座標入力領域1に対し発光部51を垂直方向にチルト角Tを持たせることで、センサ部21の検出範囲と発光部51の照明範囲とを重ねることができる。
【0076】
もちろん、発光部51にチルト角Tを持たせるのではなく、センサ部21あるいは両者にチルト角Tを持たせても良い。また、このチルト角Tは、上述のように、散乱光レベルと再帰反射光レベルに基づいて決定すれば良い。
【0077】
また、センサ部21の検出範囲と発光部51の照明範囲との重なりが大きすぎて、遮蔽物6による散乱光の影響が大きい場合には、重なりを減らす方向にチルト角Tを持たせることも有効である。
【0078】
以上説明した実施形態1〜3に係る実施態様を列挙すると、次の通りである。すなわち、座標入力装置は、次のようになる。
【0079】
<実施態様1> 座標入力領域上の指示位置を算出する座標入力装置であって、
前記座標入力領域の角部に設けられた受光手段と、
前記座標入力領域の周辺部に設けられ、入射光を再帰的に反射する反射手段と、
前記座標入力領域に光を照明する発光手段と、
前記受光手段が受光する前記反射手段からの反射光に基づいて、該反射光の遮蔽位置の角度情報を算出する角度算出手段と、
前記角度算出手段で算出された角度情報に基づいて、前記遮蔽位置の座標を算出する座標算出手段とを備え、
前記発光手段の光軸と前記受光手段の光軸は、前記座標入力領域に対して垂直方向に所定距離離れていることを特徴とする座標入力装置。
【0080】
<実施態様2> 前記所定距離は、遮蔽物による散乱光レベルと前記反射手段からの再帰反射光レベルの比が所定値以下となる距離に設定されていることを特徴とする実施態様1に記載の座標入力装置。
【0081】
<実施態様3> 前記受光手段及び前記発光手段の少なくとも一方は、前記座標入力領域に対して垂直方向にチルト角を有していることを特徴とする実施態様1に記載の座標入力装置。
【0082】
<実施態様4> 前記反射手段への前記発光手段による入射光が、前記受光手段となす複数の角度から決定される入射角度で入射するように構成されていることを特徴とする実施態様1に記載の座標入力装置。
【0083】
<<実施形態4>>
従来技術の図23で示したような再帰反射シート7を利用する座標入力装置においては、再帰反射シート7からの反射光量の確保は、S/N比を向上するために必要である。
【0084】
この再帰性反射シート7は、発光部5A〜5Dからの照明光による光線の入射角度に対して、センサ部2A及び2Bで検出する反射光量が変化する。
【0085】
この反射光量の変化の一例を示すと、図13のようになる。
【0086】
図13中、横軸が再帰性反射シート7に対する入射光の角度であり、縦軸が反射光量をあらわしている。角度(0°〜75°)は垂直方向がゼロであり、角度が大きくなるほど、斜めからの入射になる。図13からわかるように、反射光量は角度45°を過ぎたあたりから急激に低下していることがわかる。
【0087】
この状態を従来技術の図23の座標入力装置で説明すると、図14に示すように、センサ部21及び21Bから見て角度45°を過ぎた当たり(領域A及び領域B)から急速に、再帰性反射シート7からの反射光量が得られなくなることになる。
【0088】
このような光量低下に対して、例えば、特開2000−293311号の「光走査型タッチパネル」では、低入射角度用の再帰性反射シートと高入射角度用の再帰性反射シートを座標入力領域周辺に張り分けることによって、光量低下を防止している。また、その応用として、再帰性反射シートへの照明光の入射角度が実質的に0度になるように入射面を傾斜させて配置する構成が示されている。
【0089】
また、特開2000−293311号の構成は、座標入力領域の右辺にセンサを設けて、再帰性反射シートからの反射光を検出しているために、入射角度が大きくなる領域において、片側センサに対してのみ再帰性反射シートから反射光を戻す構成となっている。
【0090】
ここで、座標入力領域に対するセンサの配置とそのセンサの検出精度の関係について、図15及び図16を用いて説明する。
【0091】
図15及び図16は座標入力領域に対するセンサの配置とそのセンサの検出精度の関係を示す図である。
【0092】
図15は座標入力領域の長手方向にある上辺(下辺も同様)にセンサを設置した場合のセンサの検出精度の分布A〜Iを示している。また、図16は座標入力領域の短手方向にある左辺(右辺も同様)にセンサを設置した場合の検出精度の分布A〜Lを示している。
【0093】
両図において、例えば、センサの画素数を100画素とすれば、各分布の数値を画素で割った値が、センサの1画素がとり得る検出範囲を示すことになる。
【0094】
図15では、最大値を有する分布A(1600〜1800)が左右の下端にあるので、1画素当たりで最大18ミリの検出範囲を取りうることになる。
【0095】
同様に、図16では、最大値を有する分布A(2200〜2400)が右辺の上下端にあるので、1画素当たりで最大24ミリの検出範囲を取りうることになる。
【0096】
つまり、座標入力領域の上辺にセンサを配置した方が、1画素当たりでの最大検出範囲が小さいので精度的に有利になることがわかる。
【0097】
しかしながら、座標入力領域の長手方向の上辺の両端にセンサを配置して、特開2000−293311号のように、片側センサに対してのみ再帰性シートからの反射光の反射角度を決定してしまうと、もう一方のセンサに入射する再帰性シートからの反射光量が確保できないという問題があった。
【0098】
また、複数のセンサでそれぞれ検出する反射光量が極端に不均一になる場合には、座標入力領域を照明する発光部の光量を増大させることで、低光量部分の検出を実現しようとすると、逆に、高光量部分の検出がセンサ出力において蝕和することがあり、精度の良い座標検出を実現することができない。
【0099】
そこで、実施形態4では、以上のような課題を考慮して、再帰性シートを構成する場合について説明する。
【0100】
図17は本発明の実施形態4の座標入力装置の概略構成を示す図である。
【0101】
尚、図17の座標入力装置は、実施形態1の図1の座標入力装置の再帰性反射シート7の変形例となっている。但し、センサ部21A及び21Bとそれぞれに対応する発光部51との配置関係は、実施形態1〜3で説明した配置関係に限定されず、センサ部21及び21Bとそれぞれに対応する発光部51とが、座標入力領域1に対する平行面と同一面上に配置される構成であっても良い。逆に、実施形態1〜3の再帰性シート7の構成を実施形態4以降で説明する各実施形態の再帰性シート7の構成を適用しても良い。
【0102】
以下、実施形態4の再帰性反射シート7の構成について説明する。
【0103】
図13で示したように、再帰性反射シート7への入射光の角度が45度を超えるあたりから、再帰性反射シート7から得られる反射光量が減少するので、再帰性反射シート7への入射光の角度が45度を超える領域で遮蔽物6が存在する場合にはその変化が充分に取れないことになる。
【0104】
反射光量は、光量分布(照明強度および距離)、再帰性反射シート7を構成する反射部材の反射率(入射角度、反射部材の幅)、センサ部21内の結像系照度(cosine4乗則)によって決まる。
【0105】
反射光量が不足する場合に、その不足を解決する方法としては、発光部51の照明強度を上げることが考えられるが、反射分布が均一で無い場合には、上述したように、高光量部分の光をセンサ部21が受光したときには、センサ部21内のラインCCD2でその部分が蝕和することがあり、照明強度を上げるには限界がある。裏返せば、反射部材の反射分布をなるべく均一にすることで低光量部分への反射光量の増大も望むことができる。
【0106】
反射光量を均一化するには、そのパラメータとして、再帰性反射シート7とセンサ部21及び発光部51間の距離と角度が考えられるが、距離は、座標入力領域1の外形で決定されるため、変更しがたい。また、センサ部21を複数設けることも考えられるが、コストアップや構造の制限などによって困難な場合がある。
【0107】
そこで、実施形態4では、図17に示すように、再帰性反射シート7を構成する反射部材の一部の設置角度を変更している。特に、実施形態4では、センサ部21A及び21Bに対して適当な反射光量が得られる角度で反射部材を取り付けている。
【0108】
反射部材の角度は、センサ部21A及び21Bの各センサ部からの角度とその角度における距離の項から決定される。
【0109】
ここで、図13は先に説明したように角度に対する反射光量の変化であり、図18はセンサ部からの角度で、距離による変化率を表したものであり、距離の2乗の逆数で与えられている。
【0110】
この両図から、双方を乗じた結果が図19になる。
【0111】
この図19からわかるように、最大角度の点と最小角度の点では、6倍程度の光量の差になっている。
【0112】
これを均一化するために、センサ部21A及び21Bに対する反射部材の設置角度を変更すれば良いことことになる。但し、センサ部21A及び21Bの両センサが検出可能な座標入力領域1上の共通検出領域では、センサ部21A及び21Bに対して反射部材を共用することになるので、不用意に片側センサ部に対して反射部材の設置角度を決定するともう一方のセンサ部で検出する反射光量を低下させてしまうことになる。そこで、同図から、両センサに対して好ましい角度を決定することになる。
【0113】
図20において、14−1は反射部材の設置角度が座標入力領域1に対して平行である場合のセンサ部21Bが検出する反射光量分布であり、14−3はセンサ部2Aに対するものである。ここで、図20では、角度として、センサ部21A及び21Bの各センサが存在する方を0度、それに対する他方のセンサが存在する方が高角度になるように作図してある。
【0114】
以上の点を考慮して反射部材を構成した例が上述の図17である。
【0115】
図17では、反射部材のセンサ部21A及び21Bそれぞれからの角度が45度以上の領域(図14の領域A及び領域B)に対して、反射部材の設置角度を変更している。
【0116】
特に、図17では、水平方向(座標入力領域1の長手方向)に対し、I領域:5°、II領域:10°、III:15°となるように反射部材を設定している。
【0117】
このときのセンサ部21A及び21Bの両センサ部の光量分布として、センサ21Bに対するものが14−2、センサ21Aに対するものが14−4である。
【0118】
ここで、センサ部21Bの光量分布14−1に対して、領域I,II,IIIでの光量分布14−2では、反射部材への光の入射角度が低角度になったために光量を増加させることができていることがわかる。一方、センサ部21Bの光量分布14−4では、逆に、反射部材への光の入射角度が大きくなっているために、光量の低下が起こっている。
【0119】
しかしながら、図14のB領域でのセンサ部21Aが検出する光量は、その距離が近いために、センサ部21Bが検出する光量よりも大きく保たれている。
【0120】
このように、入射角度が小さい反射部材からの反射光量が下がり、入射角度が大きい反射部材からの光量をあげることができ、その差も約二倍程度に押さえられる。
【0121】
センサ部21A及びセンサ部21Bの各センサ部が検出する光量をどの程度にするか、つまり、両センサ部に対する反射部材の設置角度をどの程度にするかは、両センサ部に対する角度からシステム毎に最適値を選択すればよい。
【0122】
以上説明したように、実施形態4によれば、反射部材への光の入射光の入射角度を、センサ部21A及び21Bに対する角度から決定することで、反射光量の不均一を是正するとともに、低光量部分の光量を増大し、SN比の改善とともにセンサ配置の自由度をも確保できるので、より高精度な座標入力を実現することができる。
【0123】
尚、実施形態1では、座標入力領域1の周辺に配置する反射部材の内、その周辺の一部の反射部材の設置角度を部分的に変更した構成を説明したが、より広範囲に、極端には座標入力領域1の周辺の全域にわたって反射部材の設置角度を設けて、更なる反射光量の均一化を図ってもよい。また、実施形態4のように、段階的に反射部材の設置角度を変化させるのではなく、連続的に変化させるようにしても良い。
【0124】
<<実施形態5>>
実施形態4では、座標入力領域1の周辺に配置する反射部材の配置角度を部分的に変化させることで反射部材への入射光の入射角度を制御し、これにより、センサ部21A及び21Bが検出する反射部材からの反射光量を改善する構成について説明したが、これに限定されない。例えば、光学的に反射部材への入射光の入射角度を変化させる光学部材を反射部材の前に設置することで、実施形態5と同様の効果を得るようにしても良い。
【0125】
その一例について図21を用いて説明する。
【0126】
図21は本発明の実施形態5の反射部材の構成を示す図である。
【0127】
図21では、再帰性反射シート7の前面に、光学部材15を配置している。この光学部材15は、例えば、アクリルやポリカーボネイト等の樹脂で構成され、その表面にセンサ部からの角度に応じた入射面を構成してある。
【0128】
図21中、光学部材15の中央部分では、センサ部21A及び21Bに対して均等な角度で入射面が構成されているが、センサ部21A及び21Bの最大角度部分では、各センサ部に対して入射角度が大きくなるように構成されている。
【0129】
このように構成することで、各センサ部の方向からの入射光をその屈折率と構成角度により、センサ部の角度に対応した角度で再帰性反射シート7へ発光部51からの光を入射させることが可能である。
【0130】
図中、光学部材15の入射面は中央と左右角部にしか図示していないが、センサ部とのなす角度によって光学部材15の全域に施したり、あるいは低光量部分のみ構成しても良い。
【0131】
別の一例について図22を用いて説明する。
【0132】
図22は本発明の実施形態5の反射部材の別の構成を示す図である。
【0133】
図22は、光学部材としてフレネルレンズ16を用い、反射部材への入射光の入射角度を変化させる構成を示している。フレネルレンズ16は、例えば、その中心部分が反射面の中心となるように構成している。
【0134】
このように構成することで、再帰性反射シート7への入射光は、フレネルレンズ16の焦点に向かって屈折させられることになり、図中矢印で示したように、再帰性反射シート7に対する入射角度を変更することが可能になる、入射角度はフレネルレンズの焦点距離を選ぶことによって、選択可能である。
【0135】
このように、再帰性反射シート7の全域に渡って連続的に入射角度を変化させることで、より滑らかな反射光量分布を得ることが可能になる。
【0136】
以上説明した実施形態4、5に係る実施態様を列挙すると、次の通りである。すなわち、座標入力装置は、次のようになる。
【0137】
<実施態様5> 座標入力領域上の指示位置を算出する座標入力装置であって、
前記座標入力領域の角部に設けられた受光手段と、
前記座標入力領域の周辺部に設けられ、入射光を再帰的に反射する反射手段と、
前記座標入力領域に光を照明する発光手段と、
前記受光手段が受光する前記反射手段からの反射光に基づいて、該反射光の遮蔽位置の角度情報を算出する角度算出手段と、
前記角度算出手段で算出された角度情報に基づいて、前記遮蔽位置の座標を算出する座標算出手段とを備え、
前記反射手段への前記発光手段による入射光が、前記受光手段となす複数の角度から決定された入射角度で入射するように構成されていることを特徴とする座標入力装置。
【0138】
<実施態様6> 前記反射手段への前記発光手段による入射光の入射角度は、段階的あるいは連続的に変化するように構成されていることを特徴とする実施態様5に記載の座標入力装置。
【0139】
<実施態様7> 前記反射手段の一部または複数部分は、前記受光手段となす複数の角度から決定された傾斜角度で設置されていることを特徴とする実施態様5に記載の座標入力装置。
【0140】
<実施態様8> 前記反射手段への前記発光手段による入射光の入射角度を光学的に変化させる光学部材を更に備えることを特徴とする実施態様5に記載の座標入力装置。
【0141】
<実施態様9> 前記発光手段の光軸と前記受光手段の光軸は、前記座標入力領域に対して垂直方向に所定距離離れていることを特徴とする実施態様5に記載の座標入力装置。
【0142】
以上、実施形態例を詳述したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記憶媒体等としての実施態様をとることが可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
【0143】
尚、本発明は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラム(実施形態では図に示すフローチャートに対応したプログラム)を、システムあるいは装置に直接あるいは遠隔から供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータが該供給されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される場合を含む。
【0144】
従って、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、該コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明は、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。
【0145】
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等の形態であっても良い。
【0146】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD(DVD−ROM,DVD−R)などがある。
【0147】
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続し、該ホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、もしくは圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバも、本発明に含まれるものである。
【0148】
また、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布し、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせ、その鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
【0149】
また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現される他、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが、実際の処理の一部または全部を行ない、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現され得る。
【0150】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行ない、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現される。
【0151】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、高精度の座標入力を実現する座標入力装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1の座標入力装置の概略構成を示す図である。
【図2】本発明の実施形態1のセンサ部と発光部の詳細構成を示す図である。
【図3】本発明の実施形態1の演算制御部の構成を示す図である。
【図4】本発明の実施形態のセンサ部の検出データを示す図である。
【図5】本発明の実施形態1のセンサ部の配置に関する説明図である。
【図6】本発明の実施形態1の発光部の詳細構成を示す図である。
【図7】本発明の実施形態1の発光部の照明範囲に関する説明図である。
【図8】本発明の実施形態1の遮蔽物に対する散乱光に関する説明図である。
【図9】本発明の実施形態1の再帰性反射シートの角度特性を示す図である。
【図10】本発明の実施形態1のセンサ部に対して同一角度で距離の異なる2点に遮蔽物がある場合の検出信号の例を示す図である。
【図11】本発明の実施形態2のセンサ部と発光部の配置例を示す図である。
【図12】本発明の実施形態3のセンサ部と発光部の配置例を示す図である。
【図13】角度に対する反射強度を示す図である。
【図14】反射光量の低光量部分に関する説明図である。
【図15】センサ配置による検出精度分布を示す図である。
【図16】センサ配置による検出精度分布を示す図である。
【図17】本発明の実施形態4の座標入力装置の概略構成を示す図である。
【図18】角度に対する反射光量分布を示す図である。
【図19】角度に対する距離及び反射による反射光量分布を示す図である。
【図20】本発明の実施形態4の座標入力装置における光量分布を示す図である。
【図21】本発明の実施形態5の反射部材の構成を示す図である。
【図22】本発明の実施形態5の反射部材の別の構成を示す図である。
【図23】従来の座標入力装置の構成を示す図である。
【図24】従来の座標入力装置による座標入力に関する説明図である。
【図25】従来の座標入力装置の課題に関する説明図である。
【符号の説明】
1 座標入力領域
2 ラインCCD
3 レンズ
5 LED
7 再帰性反射シート
8 赤外フィルタ
9 絞り
21A、21B センサ部
51 発光部
Claims (1)
- 座標入力領域上の指示位置を算出する座標入力装置であって、
前記座標入力領域の角部に設けられた受光手段と、
前記座標入力領域の周辺部に設けられ、入射光を再帰的に反射する反射手段と、
前記座標入力領域に光を照明する発光手段と、
前記受光手段が受光する前記反射手段からの反射光に基づいて、該反射光の遮蔽位置の角度情報を算出する角度算出手段と、
前記角度算出手段で算出された角度情報に基づいて、前記遮蔽位置の座標を算出する座標算出手段とを備え、
前記発光手段の光軸と前記受光手段の光軸は、前記座標入力領域に対して垂直方向に所定距離離れていることを特徴とする座標入力装置。
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