JP2004270079A - 立体構造状二重編地 - Google Patents

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紘一 松本
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Abstract

【課題】変形による糸同士のズレに伴う摩擦音が発生しない立体構造状二重編地を提供することを目的とするものである。
【解決手段】表地及び裏地を連結糸により連結した立体構造状編地において、表地1は、編目列10を両側の編目列との間で交互に結節させることで、ハニカム状の透孔を有する網目状に編成し、裏地2は、経編列20を挿入糸21により所定間隔ずつ空けて連架する。そして、表地1及び裏地2を所定間隔を空けて連結糸により連結する。糸同士の接触部分には、ゴム系粘着剤又はアクリル系粘着剤を付着させて摩擦音防止加工が施されている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、畳、カーペットの上面に敷くラグ、寝具に用いられるベッドマット、ベッドパッド及び枕、室内家具に用いられるソファー掛け、クッション及び椅子の座部、靴やサンダル等のインソール、自動車等の車両のカーシートに使用される立体構造状二重編地に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、屋内において、畳、カーペット等の上面に敷くラグ、ベッドパッドや枕等の寝具、ソファーの上面に敷くソファー掛けでは、人がその上を歩いたり、座ったりする際にその衝撃を和らげるためにクッション性を持たせることがなされており、寝具では、通気性を良くすることで、内部に湿気が溜まらないようにされている。
【0003】
例えば、特許文献1には、合成繊維からなる立体メッシュシートを所定形状に裁断し、座布団の表地及び裏地を2枚重ね合わせて裏地の下面に滑り止め処理が施されている点が記載されている。また、特許文献2には、立体編物層の上面に高機能クッション材層、パイル地層及び合成繊維シートを積層したクッション積層体が記載されている。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−354525号公報
【特許文献2】
特開2002−209679号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来より立体構造状二重編地は、ベッドマット、枕、テーブルクロス、ソファー、椅子、フロアマット、クッション、インソール、ヘルメット用クッション材等に幅広く使用されているが、その上に寝たり、座ったり、歩いたりすると、編地が変形して糸同士がずれて「キュッキュッ」といった不快な摩擦音が発生する。特に、枕のように耳の近くに編地が使用されている場合には、頭が動くたびにこうした摩擦音が発生して就寝の邪魔となってしまう。その他の生活用品でも使用時に編地が変形するたびに摩擦音が発生し、せっかくのリラックスした気分が害されてしまいかねない。また、靴やサンダル等のインソールにおいても歩くたびにこうした摩擦音が発生すると、不快な気分となってしまう。
【0006】
そこで、本発明は、こうした変形による糸同士のズレに伴う摩擦音が発生しない立体構造状二重編地を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る二重編地は、編成糸により経編編成された表地及び裏地を連結糸により所定間隔だけ空けて連結した立体構造状二重編地であって、表地側部分及び裏地側部分の少なくとも一方の部分における糸同士の接触部分の糸表面に摩擦音防止加工が施されていることを特徴とする。
【0008】
本発明に係る別の二重編地は、編成糸により経編編成された表地及び裏地を連結糸により所定間隔だけ空けて連結した立体構造状二重編地であって、表地又は裏地のいずれか一方に柔軟性のあるシート体が接着固定されており、該シート体が接着されていない側の部分における糸同士の接触部分の糸表面に摩擦音防止加工が施されていることを特徴とする。
【0009】
さらに、上記二重編地において、摩擦音防止加工は、ゴム系粘着剤又はアクリル系粘着剤を糸表面に付着して加工することを特徴とする。さらに、アクリル系粘着剤は、アクリル酸アクリルエステル共重合体を主成分とすることを特徴とする。さらに、摩擦音防止加工に用いられる粘着剤には、防カビ剤、防虫剤、抗菌剤、抗白癬菌剤、芳香剤、不燃剤、難燃剤、光触媒物質、遠赤外線発生物質及びマイナスイオン発生物質のうち少なくとも1つを含むことを特徴とする。さらに、編成糸及び連結糸の少なくとも一方は、モノフィラメントを含むことを特徴とする。さらに、表地及び裏地の少なくとも一方は、網目が形成された網地であることを特徴とする。さらに、3〜36ゲージの2列針床を有するとともに2〜100コース/インチの打ち込み密度で編成可能な編機を用いて、通常製造される立体構造状編地よりも粗いゲージ数及び低い打ち込み密度で製造されていることを特徴とする。
【0010】
さらに、編成組織の少なくとも一部が2目編により編成されていることを特徴とする。さらに、編成組織内の空間に合成樹脂又は発泡体樹脂が封入されていることを特徴とする。
【0011】
上記のような構成を有することで、立体構造状二重編地で最も摩擦音が発生しやすい糸同士の接触部分に摩擦音の発生しない摩擦音防止加工が施されるので、二重編地が変形しても摩擦音の発生を防止することができる。糸同士の接触部分としては、編成糸同士の場合、編成糸及び連結糸の場合及び連結糸同士の場合が挙げられる。なお、表地側部分及び裏地側部分とは、表地及び裏地の中間を通る二重編地の中心線からみて表地寄りの部分及び裏地寄りの部分を意味する。
【0012】
同様に、表地又は裏地のいずれか一方に柔軟性のあるシート体が接着固定されている場合には、少なくともシート体が接着されていない側の部分の糸同士の接触部分に摩擦音の発生しない摩擦音防止加工を施しておけば、二重編地が変形しても摩擦音の発生を防止することができる。
【0013】
さらに、摩擦音防止加工としてゴム系粘着剤又はアクリル系粘着剤を接触部分に付着するようにすれば、簡単に加工処理を施すことができ、確実に摩擦音を防止することができる。そして、糸同士の接触部分のすべりが抑えられて立体構造の組織が安定するように作用する。加工処理としては、例えば、ディッピング処理、コーティング処理、スプレーイング処理、インジェクション処理等を用いることが可能である。また、アクリル系粘着剤としては、アクリル酸アクリルエステル共重合体を主成分とする粘着剤を付与して形成することが好ましいが、これ以外にも用途に応じて他のゴム系粘着剤又はアクリル系粘着剤から適宜選択して使用すればよい。
【0014】
さらに、粘着剤に、防カビ剤、防虫剤、抗菌剤、抗白癬菌剤、芳香剤、不燃剤、難燃剤、光触媒物質、遠赤外線発生物質及びマイナスイオン発生物質のうち少なくとも1つが含まれることで、摩擦音防止以外に新たな機能を二重編地に付加することができる。これ以外にも導電材、磁石又は鉱石等を粉末にして添加してもよい。
【0015】
さらに、編成糸及び連結糸の少なくとも一方にモノフィラメントが含まれている場合には、特に摩擦音が出やすいため本発明の摩擦音防止加工を施すことでその効果は格段に優れたものとなる。すなわち、モノフィラメントを用いると立体構造の組織の強度を高めることができるが、摩擦音が大きくなる欠点があった。しかし、本発明による摩擦音防止加工を施すことでその欠点を解消できるため、モノフィラメントを使用する際の制約がなくなり、組織設計の自由度が大きくなる。
【0016】
また、表地及び裏地の少なくとも一方を網目が形成された網地である場合に、摩擦音が外部に漏れやすいことから、本発明の摩擦音防止加工が一層その効果を発揮する。そして、網目に形成により組織が変形しやすくなるが、上述のように糸同士の接触部分のすべりが抑えられるため組織の安定化を図ることができる。
【0017】
また、3〜36ゲージの2列針床を有するとともに2〜100コース/インチの打ち込み密度で編成可能な編機を用いて、通常製造される立体構造状編地よりも粗いゲージ数及び低い打ち込み密度で製造されることで、使用する糸の量を少なくすることができ、編成速度が向上するので、生産効率を高めることができる。そして、製造された立体構造状二重編地は編組織として緩んだ状態に製造されることになり、摩擦音等が発生しやすく組織が崩れやすくなるが、摩擦音防止加工を施すことにより上述したように摩擦音が防止されて組織の安定化も図れることから、通常製造される立体構造状編地と同等の機能を維持することが可能となる。そして、編成組織の少なくとも一部を2目編により編成する場合編目が粗くなり、組織が崩れやすく摩擦音が発生しやすくなるが、摩擦音防止加工を施すことで、摩擦音の防止及び組織の安定化が図れる。
【0018】
また、編成組織内の空間に合成樹脂又は合成樹脂製発泡体を封入すれば、摩擦音の防音効果が高まるとともに、床に敷いた場合に断熱効果や遮音効果を得ることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて詳しく説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明を実施するにあたって好ましい具体例であるから、技術的に種々の限定がなされているが、本発明は、以下の説明において特に本発明を限定する旨明記されていない限り、これらの形態に限定されるものではない。
【0020】
図1は、本発明に係る立体構造状二重編地に関する実施形態の概略斜視図である。図2は、図1の実施形態の表地及び裏地を分解して示した平面図である。
【0021】
図1において、表地1は、ハニカム状の透孔が配列された網目状に編成されており、その編組織は、各編目列10の両側の隣り合う編目列同士を交互に結節する組織となっている。そして、編目列同士の結節されていない部分が拡がってハニカム状の透孔が形成される。裏地2は、経方向に直線状に編成された経編列20が所定間隔を空けて平行に配列されて、隣り合う経編列20の間には挿入糸21が緯方向に連架されている。挿入糸21は、2つの経編列20に交互に所定長さずつ編み込まれており、その結果ジグザグ状に編成され、外観上は多数の挿入糸21が所定間隔毎に平行に配列されているようにみえる。表地1及び裏地2は、後述するように連結糸により所定間隔を空けた状態で連結されている。なお、図1では表地1及び裏地2を所定間隔空けて連結する連結糸3は、理解を容易にするため省略されている。なお、本発明に用いられる編組織としては、図1に示したもの以外に用途に応じて様々な編組織を採用することができる。
【0022】
図2(a)には、表地1の概略平面図が示されている。編目列10は、鎖編により編成された2列の鎖編列から形成されており、各編目列10同士の結節部では、互いの糸を交差させて編み込むことで結節させている。こうした編組織による網目の形成は従来と同様のものであり、ハニカム状の網目以外にも四角形状又は菱形状のものやこれらの組合せの網目を形成することが可能である。この例では、2列の鎖編列で編成しているが、2列以外の鎖編列で編成してもよい。
【0023】
図2(b)には、裏地2の概略平面図が示されている。経編列20は、鎖編により編成された1列の鎖編列で、各経編列20の間には、挿入糸21(一点鎖線で図示)が所定長さずつジグザグ状に編み込まれている。裏地2はこうした編組織であるので、経方向及び緯方向に引張り力が加わった場合編目の伸縮が小さく、寸法安定性を備えた編組織となっている。さらに、挿入糸21が鎖編の列に編み込まれているため、挿入糸自体がずれて編組織が崩れてしまうこともない。
【0024】
このように、裏地2が寸法安定性及び形状安定性に優れているので、編地全体に加わる引張り力は表地1に影響を与えることが小さくなり、その分表地1の編組織の自由度が大きくなり、柔軟性のある細い糸を用いて肌触りのよい地組織としたり、シースルーに優れた柄物を採用したりすることが可能となる。すなわち、裏地2により強度又は伸縮性等の物理的特性を、表地1によりデザイン的特性をそれぞれ役割分担して設計することができるようになるのである。
【0025】
なお、裏地2にも表地1のような網目状の組織を採用することもできる。この場合には伸縮性のある編地となるが、このような編地でも摩擦音防止加工を施すことで上述したような摩擦音を抑えたり組織の安定化を図ることができる。
【0026】
図3は、連結糸3が表地1及び裏地2に編み込まれた状態を示している。この場合、連結糸3は、表地1及び裏地2の編組織に鎖編で編み込んだり、挿入して編み込まれる。連結糸3を挿入すると、鎖編の場合に比べ糸の消費量が少なくて済み、軽量化を図ることができる。
【0027】
図3(a)は、緯方向から見た概略断面図であり、図3(b)は、経方向から見た概略断面図である。図3(a)からわかるように、連結糸3は、経方向の一方に湾曲して表地1及び裏地2に連結しており、また、図3(b)に示すように、裏地2の経編列20から表地1の編目列10の鎖編列に連結される場合に、互いに隣接する連結糸3は、互いにクロスするように傾斜して編み込まれている。このように連結糸を編み込むことで、例えば表地1に手を置いた場合表地1が左右いずれかにずれて裏地2に圧着されることはなく、そのまま沈み込むように表地1が裏地2に圧着するようになる。
【0028】
以上のような地組織及び連結糸を編成する場合には、2目編で編成することもできる。2目編は、一本の編成糸を2本の編針に引っ掛けて編み込んでいく手法で、例えば連結糸を2目編で編成すると連結糸の編み込む密度を粗くすることができ、編地自体を軽くすることが可能となる。また、連結糸の外部への飛び出しが防止されて二重編地の表面を円滑化できる。この場合にも後述する摩擦音防止加工を施すことにより、摩擦音を抑えたり組織の安定化を図ることができる。
【0029】
地組織の編成糸及び連結糸は、合成繊維からなるモノフィラメント糸、マルチフィラメント糸及び紡績糸を用いることができる。連結糸には、編成後に熱セットを行うことから、形態保持性及び弾力性を有するモノフィラメント糸を用いるのが好ましい。また、連結糸としては、3デシテックス〜30000デシテックスのモノフィラメント糸を用いることができる。そして、地組織の間の間隔は、0.5mm〜100mmの範囲に設定することができる。紡績糸やマルチフィラメント糸を表地又は裏地の編成糸として用いた場合、これらの糸は摩擦音がほとんど生じないため摩擦音防止加工が必要ない場合もある。この場合には、こうした糸を用いた側以外の部分の糸表面に後述する摩擦音防止加工を施せばよい。
【0030】
以上説明した立体構造状編地は、ダブルラッシェル編機を用いて製造することができる。ダブルラッシェル編機としては、3〜36ゲージの2列針床を有するとともに2〜100コース/インチの打ち込み密度で編成可能なものを用いるとよい。本発明に係る立体構造状二重編地を製造する場合には、通常製造される立体構造状編地よりも粗いゲージ数及び低い打ち込み密度で製造してもよい。例えば、150デシテックスの連結糸を用いて製造する場合通常の打ち込み密度は30コース/インチ程度に設定するが、20コース/インチ程度の低い打ち込み密度で編成してもよい。また、通常のゲージ数よりも少ない粗いゲージ数に設定してもかまわない。こうして編成された編地は、通常の編地よりも組織が緩んだ状態となっているが、後述する摩擦音防止加工を施すことにより摩擦音を抑える効果が得られ且つ通常の編地と同等の機能を維持することができる。
【0031】
また、本発明に係る立体構造状二重編地は単独で用いることもできるが、別のシート体、例えば、織布、不織布、メッシュ、フィルム、防水シート又は発熱シート等を用途に合わせて立体構造状編地に貼り合せることで、様々な用途に対応することができる。例えば、図4に示すように、表地1を下面にして、上面の裏地2に固綿からなる不織布4を全面に接着剤により貼り付けて補強し、不織布の上面にムートン等の起毛布のようなシート体5を接着固定すれば、ラグやソファ掛けに好適のものとなる。すなわち、表地1と裏地2との間に所定間隔の空間が形成されてさらに表地1には網目が形成されているため、通気性に優れた構造となっており、湿気が滞留することを防止できる。また、使用時に編地自体が変形することで編地内部の空気を入れ換える一種のポンプ作用も果たすことから、さらに通気性が高められる。
【0032】
次に、本発明に係る立体構造状二重編地の摩擦音防止加工について説明する。加工処理には、摩擦音防止効果を有するゴム系粘着剤又はアクリル系粘着剤を用いるとよい。アクリル系粘着剤としては、アクリル酸アクリルエステル共重合体を主成分とする粘着剤を用いるとよい。アクリル酸アクリルエステル共重合体は、水に溶けるため有機溶剤を使用する必要がなく、付着後に人体等への影響はない。また、後述するような様々な添加剤を添加して均一に付着させることができる。
【0033】
粘着剤を糸同士の接触部分に付着させる方法としては、ディッピング処理、コーティング処理、スプレーイング処理、インジェクション処理がある。
【0034】
例えば、ディッピング処理の場合には、図5に示すように、上記の粘着剤を液状の状態で含む溶液100を浸漬槽101に貯留しておき、編成された編地102を搬送ローラ103により搬送して溶液100中を移動させて編地102全体に溶液を満遍なく付着させ、乾燥機104により乾燥させれば、糸同士の接触部分に上記粘着剤を十分付着させて摩擦音防止加工ができる。
【0035】
また、図4に示すように、編地の裏地に別のシート体が貼り付けられているような場合にはコーティング処理により加工処理することが好ましい。コーティング処理を行う場合には、例えば、図6に示すように、塗布ローラ200の表面に供給装置201から液状の粘着剤を層状となるように供給して、編地202の表地をガイドローラ203により塗布ローラ200の表面と密着するように搬送することで、表地のみに液状の粘着剤を塗布することができる。塗布した後乾燥機204で表地を乾燥させれば、糸同士の接触部分に上記粘着剤を付着させて摩擦音防止加工ができる。
【0036】
紡績糸やマルチフィラメント糸を表地又は裏地の編成糸として用いているため、その地組織側部分については摩擦音防止加工が必要ない場合には、その地組織側以外の部分について図6に示す方法により摩擦音防止加工を行えばよい。そうすることで、紡績糸やマルチフィラメント糸が粘着剤により覆われることがなくその風合いを保持しつつ加工処理を行うことができる。
【0037】
また、粘着剤には、用途に応じて、防カビ剤、防虫剤、抗菌剤、抗白癬菌剤、芳香剤、不燃剤、難燃剤、光触媒物質、遠赤外線発生物質又はマイナスイオン発生物質等を予め添加しておけば、粘着剤を二重編地に付着させることで、摩擦音防止以外に新たな機能を二重編地に付加することができる。これ以外にも導電材、磁石又は鉱石等を粉末にして添加してもよい。
【0038】
特に、光触媒として二酸化チタンを添加する場合、殺菌効果や消臭効果を立体構造状二重編地に付加することができる。二酸化チタンは、人体に接触すると影響が出やすいが、立体構造状編地の場合には、例えば、図4のような裏地に付着させておけば、人体に触れない位置にあるため人体への影響を抑えることができる。また、網目を形成しおけば、光が編地の内部にまで照射されるため、光触媒としても機能を十分に発揮することができる。したがって、光触媒を付着した立体構造状編地をサンダル等のインソールやカーテン等に用いると、殺菌効果や消臭効果を付与することが可能となる。また、寝具等に用いても日光に干す際に光触媒の効果が発揮されるようになり、日干しの効果を高めることができる。さらに、二酸化チタンは、編地に付着した有機物を分解する機能も有するため、編地を清浄化することもできる。
【0039】
以上のように摩擦音防止加工が施された立体構造状二重編地の編組織内の空間に合成樹脂製発泡体を封入することもできる。すなわち、エマルジョン樹脂組成物に整泡剤を加え、高速撹拌しながら空気又は窒素等の気体を混入して得られた混合物を、立体構造状二重編地が載置された型枠の中に注入して編地の内部に混合物を行き渡らせた後加熱して水分を除去すれば編組織内の空間に発泡体を封入することができる。こうして編組織内に発泡体を封入することで、断熱効果や遮音効果を編地に持たせることができる。なお、発泡体の封入方法としては、上述した方法に限らず公知の別の方法を用いても封入することができる。
【0040】
また、合成樹脂発泡体の代わりにペースト状の合成樹脂をナイフコータにより編組織内の空間に圧入して硬化させることで封入させることもできる。この場合も断熱効果や遮音効果を編地に持たせることができる。
【0041】
ダブルラッシェル編機により、100〜600デシテックスのポリエステル繊維からなるマルチフィラメント糸を表地及び裏地を編成する糸として用い、20〜1000デシテックスのポリエステル繊維からなるモノフィラメント糸を連結糸として用いて、6〜24ゲージで2〜60コース/インチの打ち込み密度で図1に示す立体構造状二重編地を編成した。この状態で、編地に押圧力を繰り返し加えて変形させたところ、「キュッキュッ」という不快音が発生した。
【0042】
次に、摩擦音防止加工に用いる材料として、アクリル酸アクリルエステル共重合体を主成分とするアクリル系粘着剤により図5に示すようにディッピング処理を行った。その結果、編地の表地及び裏地と連結糸の接触部分に粘着剤が十分付着された立体構造状二重編地を得ることができた。そして、加工処理された編地を押圧して変形させたところ上述のような不快音が発生することはなく、また、組織の崩れも生じることはなかった。
【0043】
以上説明した本発明に係る立体構造状二重編地は、これを単独で、あるいは織物地やフィルム等のシート体若しくは他の編地と組合わせて、帯地、バンド、包帯、テープ、サポータ、プロテクタ、帽子、衣料用スペーサ、肩パッド、アウトウェアその他の衣料品や衣料関連用品として、あるいはハンドバッグやショルダーバッグ、リュックサック、コンパクトディスクその他の電気的,磁気的記録媒体の各種ケースとして好適に使用できる。また、スリッパ、靴、インソール、サンダル等の履物類、さらにはカーペット、玄関マット、クッションマット、摩擦防止マット、ヘルメット用クッション、衝突防止ネット等のクッション材等の各種クッション材や芯材あるいはカバー材として、あるいはベッド用マット、枕、シーツ、寝装用カバー、毛布、ソファー、椅子張り等の寝具用や家具用の芯材や表装材、テーブルクロス、オートバイや自転車のサドルカバー、車両用シート地、カバーやソフトクッションその他の通気性内装材、あるいは他の敷物類、防音、通気、目隠し用のカーテンやパーティション、防護マット、網戸、遮光ネットとしても好適に使用できる。さらに、電磁波及び静電気防止ネットや通電ネットとしても使用できる。また、滑り止め材や洗濯ネット等として、また、気体、液体用の各種フィルターやスペーサ等の工業用資材として、あるいは宅地、グラウンド、造成地や法面等の集排水用ネットや保護ネット若しくは植生用ネットとして、またドレーン材としても使用できる。この他建築用保護ネット、コンクリート補強ネット、農業用ネット、スポーツ用ネット等の各種ネットやクッション材にも使用でき、さらに野菜、草花、芝、花卉等の養育や栽培用マットやポット、及びそれらに植生基材は有機質分を付着させるための芯材としても使用できる。また、スキー、スノーボード用、アイススケート等の滑走面の保護を兼ねる着雪又は着氷ネットとして使用することもできる。
【0044】
【発明の効果】
以上に説明したとおり、本発明に係る立体構造状二重編地は、立体構造状二重編地で最も摩擦音が発生しやすい糸同士の接触部分に摩擦音の発生しない摩擦音防止加工が施されるので、二重編地が変形しても摩擦音の発生を防止することができる。
【0045】
同様に、表地又は裏地のいずれか一方に柔軟性のあるシート体が接着固定されている場合には、少なくともシート体が接着されていない側の部分の糸同士の接触部分に摩擦音の発生しない摩擦音防止加工を施しておけば、二重編地が変形しても摩擦音の発生を防止することができる。
【0046】
さらに、摩擦音防止加工としてゴム系粘着剤又はアクリル系粘着剤を接触部分に付着するようにすれば、簡単に加工処理を施すことができ、確実に摩擦音を防止することができる。そして、糸同士の接触部分のすべりが抑えられて立体構造の組織が安定するように作用する。
【0047】
さらに、粘着剤に、防カビ剤、防虫剤、抗菌剤、抗白癬菌剤、芳香剤、不燃剤、難燃剤、光触媒物質、遠赤外線発生物質及びマイナスイオン発生物質のうち少なくとも1つが含まれることで、摩擦音防止以外に新たな機能を二重編地に付加することができる。
【0048】
さらに、編成糸及び連結糸の少なくとも一方にモノフィラメントが含まれている場合には、特に摩擦音が出やすいため本発明の摩擦音防止加工を施すことでその効果は格段に優れたものとなる。すなわち、モノフィラメントを用いると立体構造の組織の強度を高めることができるが、摩擦音が大きくなる欠点があった。しかし、本発明による摩擦音防止加工を施すことでその欠点を解消できるため、モノフィラメントを使用する際の制約がなくなり、組織設計の自由度が大きくなる。
【0049】
また、表地及び裏地の少なくとも一方を網目が形成された網地である場合に、摩擦音が外部に漏れやすいことから、本発明の摩擦音防止加工が一層その効果を発揮する。そして、網目に形成により組織が変形しやすくなるが、上述のように糸同士の接触部分のすべりが抑えられるため組織の安定化を図ることができる。
【0050】
また、3〜36ゲージの2列針床を有するとともに2〜100コース/インチの打ち込み密度で編成可能な編機を用いて、通常製造される立体構造状編地よりも粗いゲージ数及び低い打ち込み密度で製造されることで、使用する糸の量を少なくすることができ、編成速度が向上するので、生産効率を高めることができる。そして、製造された立体構造状二重編地は編組織として緩んだ状態に製造されることになり、摩擦音等が発生しやすく組織が崩れやすくなるが、摩擦音防止加工を施すことにより上述したように摩擦音が防止されて組織の安定化も図れることから、通常製造される立体構造状編地と同等の機能を維持することが可能となる。そして、編成組織の少なくとも一部を2目編により編成する場合編目が粗くなり、組織が崩れやすく摩擦音が発生しやすくなるが、摩擦音防止加工を施すことで、摩擦音の防止及び組織の安定化が図れる。
【0051】
また、編成組織内の空間に合成樹脂又は合成樹脂製発泡体を封入すれば、摩擦音の防音効果が高まるとともに、床に敷いた場合に断熱効果や遮音効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施形態の概略斜視図である。
【図2】図1の表地及び裏地の概略平面図である。
【図3】本発明に係る実施形態の経方向及び緯方向からみた断面図である。
【図4】本発明に係る別の実施形態の概略断面図である。
【図5】ディッピング処理工程を示す説明図である。
【図6】コーティング処理工程を示す説明図である。
【符号の説明】
1 表地
2 裏地
3 連結糸
4 不織布
5 シート体
10 編目列
20 経編列
21 挿入糸

Claims (10)

  1. 編成糸により経編編成された表地及び裏地を連結糸により所定間隔だけ空けて連結した立体構造状二重編地であって、表地側部分及び裏地側部分の少なくとも一方の部分における糸同士の接触部分の糸表面に摩擦音防止加工が施されていることを特徴とする立体構造状二重編地。
  2. 編成糸により経編編成された表地及び裏地を連結糸により所定間隔だけ空けて連結した立体構造状二重編地であって、表地又は裏地のいずれか一方に柔軟性のあるシート体が接着固定されており、該シート体が接着されていない側の部分における糸同士の接触部分の糸表面に摩擦音防止加工が施されていることを特徴とする立体構造状二重編地。
  3. 摩擦音防止加工は、ゴム系粘着剤又はアクリル系粘着剤を糸表面に付着することを特徴とする請求項1又は2に記載の立体構造状二重編地。
  4. アクリル系粘着剤は、アクリル酸アクリルエステル共重合体を主成分とすることを特徴とする請求項3に記載の立体構造状二重編地。
  5. 摩擦音防止加工に用いられる前記粘着剤には、防カビ剤、防虫剤、抗菌剤、抗白癬菌剤、芳香剤、不燃剤、難燃剤、光触媒物質、遠赤外線発生物質及びマイナスイオン発生物質のうち少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項3又は4に記載の立体構造状二重編地。
  6. 編成糸及び連結糸の少なくとも一方は、モノフィラメントを含むことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の立体構造状二重編地。
  7. 表地及び裏地の少なくとも一方は、網目が形成された網地であることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の立体構造状二重編地。
  8. 3〜36ゲージの2列針床を有するとともに2〜100コース/インチの打ち込み密度で編成可能な編機を用いて、通常製造される立体構造状編地よりも粗いゲージ数及び低い打ち込み密度で製造されていることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の立体構造状二重編地。
  9. 編成組織の少なくとも一部が2目編により編成されていることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の立体構造状二重編地。
  10. 編成組織内の空間に合成樹脂又は合成樹脂製発泡体が封入されていることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の立体構造状二重編地。
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