JP2004269760A - ポリスチレンの熱分解方法および熱分解システム - Google Patents

ポリスチレンの熱分解方法および熱分解システム Download PDF

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佳則 小山
Takashi Kamiyama
隆 神山
Masahiro Ogasawara
昌弘 小笠原
Yoichi Kobayashi
洋一 小林
Masaki Nagai
雅規 永井
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  • Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)
  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)

Abstract

【課題】ポリスチレンを熱分解する熱分解装置から流出する未分解ポリスチレンが下流側の配管中で熱分解して該配管内壁に炭化物や汚染物が付着することを防止する。
【構成】ポリスチレンを酸素不存在下に熱分解装置1で熱分解し、熱分解装置1の排出部7からの流出物を他の設備へ配管fで搬送する際に、排出部7に接続または該排出部7と短管bを介して接続した冷却器21により前記流出物を冷却し、前記配管fの内部温度がポリスチレンの熱分解温度に達しないようにする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はポリスチレン、特に廃ポリスチレンを酸素不存在下に熱分解装置で熱分解して燃料や化学原料として回収する熱分解方法および熱分解システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
工場や家庭などからは多量のプラスチック類が排出されるが、これら廃プラスチックは有用な資源としてリサイクルするため回収される。回収される廃プラスチックにはスチレン系のプラスチックが多い。スチレン系のプラスチックにはポリスチレン(スチレンホモポリマー)のほかにAS樹脂やABS樹脂のようなスチレン共重合体(スチレンコポリマー)があるが、これらスチレン系プラスチック(以下、本発明ではこれらをまとめて単にポリスチレンと呼ぶ。)は酸素不存在下に低分子量に熱分解して燃料や化学資源として回収することが容易なプラスチックである。
【0003】
廃ポリスチレンには家電製品や通信機器のケーシング等の射出成形品やブロー成形品などの非発泡ポリスチレンと、食品トレイ、梱包材、緩衝材などの発泡ポリスチレンがあるが、前者の非発泡ポリスチレンはそのまま又は粉砕した状態で熱分解装置により熱分解されるか、あるいは溶融押出機で溶融ポリスチレンにしてから熱分解装置により熱分解される。また後者の発泡ポリスチレンは溶剤などにより減容積してから同様に熱分解装置により熱分解される。
【0004】
熱分解装置には槽型と管型がある。槽型の熱分解装置は底部が円錐形に形成された筒状の槽本体に攪拌および残渣掻き取り用のスクレパーを設け、周囲から加熱される槽内でポリスチレンを熱分解するもので、ある程度の時間をかけて一度に大量のポリスチレンをバッチ的に熱分解するのに適している。
一方、管型の熱分解装置は熱分解部が細長い反応管であり、その中をポリスチレンが通過する間に周囲から加熱されて熱分解するもので、槽型の場合より少量のポリスチレンを連続的に熱分解するのに適している。
【0005】
上記いずれの熱分解装置においても、熱分解時の温度が高いほど熱分解効率が高くなり、また熱分解により化学原料であるスチレンモノマーを高収率で得るには減圧状態で熱分解することが望ましい。このように減圧状態でポリスチレンを熱分解し、エチルベンゼンやトルエン等の副生物の生成を抑制する技術は、例えば特許文献1に記載されている。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−199875号公報
【0007】
また、いずれの熱分解装置であってもその槽または反応管の周囲に加熱部が設けられ、その加熱部によりポリスチレンを加熱して熱分解する。そして熱分解装置の排出部から流出する分解ガスを主成分とする流出物は、排出部に接続された配管を経て他の設備、例えば水冷式または空冷式の凝縮器に供給され、そこで冷却されて凝縮した油分を回収する。なお分離した油分は蒸留装置などに供給し、蒸留してスチレンモノマーを回収することができる。また分解ガス等を配管から凝縮器を通さず直接蒸留設備に供給することもある。
【0008】
管型の熱分解装置の場合には、前記のように反応管の入口部から導入したポリスチレンがその内部を通過する間に熱分解され、出口部から分解ガスを主成分とする流出物が流出する。そして反応管の出口部に流出物を排出する配管をそのまま接続する場合と、反応管の出口部に反応管より断面積の大きい熱分解滞留槽を連結し、その熱分解滞留槽の上部に設けた出口部に配管を接続する場合がある。そして前者の場合は出口部がそのまま熱分解装置の排出部となり、後者の場合は熱分解滞留槽の出口部が熱分解装置の排出部となる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
前記のように熱分解装置でポリスチレンを熱分解する場合、熱分解を高温状態で行うと熱分解効率が高くなり、また熱分解を減圧状態で行うと副生物の生成が抑制されてスチレンモノマーを高収率で回収することができる。しかしポリスチレンを高温状態で熱分解すると、熱分解装置の排出部から配管に流出する流出物の温度が上昇し、それに比例して下流側に位置する前記配管の内部温度も上昇する。
【0010】
熱分解装置の内部ではポリスチレンを熱分解するために必要な最低温度、すなわち熱分解温度よりある提訴高めの余裕を持った温度で熱分解を行うが、そのような高温で熱分解することにより、その流出物で加熱される前記配管の内部温度も熱分解温度以上になることが多い。前記配管の内部温度がポリスチレンの熱分解温度以上になっていると、流出物に含まれる未分解ポリスチレンがそこで熱分解され、一部は前記配管の内壁に炭化物として付着する。また流出物に含まれる分解残渣等の不純物が前記配管の内壁に汚染物として付着する。さらに熱分解装置を減圧状態で行うと流出物の速度も大きくなり、それに伴って未分解ポリスチレンや不純物の流出割合が多くなり、前記配管の内壁への炭化物や汚染物の付着量も増加する。
【0011】
熱分解装置は内部に付着する炭化物(もしくはコーキング)や分解残渣等を除去して外部に排出できるようになっているが、前記配管は内径が小さく長さも大きいため、その内壁に付着した炭化物や汚染物を排出する機構を特別に設けることはない。そのため前記配管の内壁に付着する炭化物や汚染物の層が次第に成長して流通容量が減少する。また場合によっては閉塞事故を発生することもある。そこで本発明はこのような配管内壁における炭化物や汚染物の付着問題を解決することを課題とし、そのための新しい熱分解方法および熱分解システムの提供を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決する本発明の熱分解方法は、ポリスチレンを酸素不存在下に熱分解装置で熱分解し、熱分解装置の排出部からの流出物を他の設備へ配管で搬送する際に、排出部に接続または該排出部に短管を介して接続した冷却器により前記流出物を冷却し、配管の内部温度がポリスチレンの熱分解温度に達しないようにすることを特徴とする(請求項1)。
【0013】
上記熱分解方法において、熱分解装置におけるポリスチレンの熱分解時の温度を600℃〜800℃、圧力を2kPa〜10kPaとすることができる(請求項2)。
【0014】
また課題を解決する本発明の熱分解システムは、ポリスチレンを酸素不存在下に熱分解する熱分解装置と、熱分解装置の排出部に接続または該排出部と短管を介して接続した冷却器と、熱分解装置の排出部からの流出物を他の設備へ移送するために前記冷却器の出口側に接続された配管を備え、前記冷却器は配管の内部温度がポリスチレンの熱分解温度に達しないように排出部からの流出物を冷却するように構成されていることを特徴とする(請求項3)。
【0015】
上記熱分解システムにおいて、前記冷却器は下側に入口部と上側に出口部を有し、入口部から流入した前記流出物が内部のガス通路を上昇して出口部から排出する間に冷却するように構成することが出来る(請求項4)。
【0016】
さらに、上記いずれかの熱分解システムにおいて、前記冷却器に設けたガス通路の断面積を前記配管の断面積より大きくすることができる(請求項5)。
【0017】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態を図面により説明する。図1は本発明の熱分解システムのプロセスフロー図である。本実施形態では熱分解装置1として管型の熱分解装置1を使用している。この熱分解装置1はステンレス等の耐熱性および伝熱性のよい金属管で作られた直径50mm〜200mm程度、長さ5m〜数十m程度から選択される細長い反応管2と、反応管2の周囲を覆うようにして設けた加熱部3と、反応管2の出口部5に連通する熱分解滞留槽6を備えている。なお熱分解滞留槽6の断面積は反応管2の3〜5倍程度とされ、図示の例は縦型であるが場合によっては横型でもよい。
【0018】
前記熱分解滞留槽6は縦型の槽からなり、その側部に前記反応管2の出口部5が連通し、上部に設けた出口部が排出部7を構成し、その排出部7に短管bが接続される。また熱分解滞留槽6の底部に設けた残渣排出部8には開閉弁9を有する配管cが接続され、その配管cの先端が回収容器10に開口する。なお配管cには高温の分解残渣が排出するが、その排出物が内部で凝固しないように、配管cの周囲を断熱材で覆って保温することが望ましい。場合によっては、ヒータ加熱制御することも望ましい。一方、熱分解滞留槽6の内部には攪拌装置11が設けられ、その回転軸が槽頂部を貫通して外部の可逆モータ等の正逆回転可能な駆動部12に連結される。
【0019】
加熱部3は加熱ガス通路3aを有し、その周囲はセラミックファイバーやキャスタブル等の断熱材により断熱されている。そして加熱ガス発生装置13からダクトD1を経て供給される加熱ガスは、加熱ガス通路3aを流通する間に反応管2を周囲から加熱し、反応管2と熱交換した排ガスはダクトD2から排出するようになっている。なお加熱ガス発生装置13は液体燃料または気体燃料を燃焼するバーナ14を備え、燃焼により発生する高温の燃焼ガスを加熱ガスとして加熱部3に供給する。
【0020】
反応器2の入口部4は配管aを介してプラスチックの供給装置15に接続される。供給装置15は一般にプラスチックの射出成型に用いられる押出装置を利用することができるが、この供給装置15はホッパ16(ホッパは内部に攪拌装置またはブリッジブレーカを設けたものでも良い)と、ホッパ16の下部に連結した溶融部17と、溶融部17に連結された押出部18を備えている。
【0021】
非発泡ポリスチレンは粉砕機等により細かいポリスチレン片に粉砕され、発泡ポリスチレンは溶剤等により減容積処理されてからポリスチレン片に粉砕され、いずれの場合も空気搬送装置やコンベアによりホッパ16に供給される。ホッパ16のポリスチレン片は溶融部17に導入され、そこで電気ヒータで200℃〜250℃程度に加熱されて溶融し、溶融ポリスチレンが押出部18の先端から配管aに押出される。なお押出部18は細長い筒体の中に配置したスクリュ19とそれを回転駆動する駆動部20により構成される。
【0022】
前記短管bは数cm〜数十cm程度の径を有し、熱分解装置1の排出部7から垂直もしくはそれに近い傾斜角をもって立ち上がり、冷却器21に接続される。なお短管bはスペースの関係上、冷却器21を直接排出部7に接続出来ない場合に有用であるが、接続可能な場合は短管bを省略することもできる。
【0023】
冷却器21は前記流出部7からの流出物をポリスチレンの熱分解温度以下、好ましくは熱分解温度より余裕を持った低い温度に冷却するもので、縦型のガス通路22と、ガス通路22の底部に設けた入口部23と、ガス通路22の頂部に設けた出口部24と、ガス通路22の周囲に設けた冷却用のジャケット25を備えている。なお後述する理由から、ガス通路22の断面積を配管fの断面積より大きくすることが望ましい。
【0024】
排出部7からの流出物は冷却器21の入口部23より流入し、ガス通路22を上昇して出口部24から排出する間にポリスチレンの熱分解温度以下に冷却される。ガス通路22の寸法は冷却すべき流出物の流量等により決定されるが、例えば前記ガス通路22は長さを2〜5M程度、断面積を反応管2の3〜5倍程度の範囲から選択できる。なお本実施形態では管径300mm、長さ2mの金属管を縦方向に配置してガス通路22を構成し、その周囲を冷却用のジャケット25で囲むことにより冷却器21を構成している。
【0025】
前記ジャケット25には冷却水を供給する配管dと熱交換により暖められた冷却水を排出する配管eが接続され、配管dに電動駆動式、油圧や空気圧駆動式等の調整弁26が設けられる。調整弁26は温度制御器27からの制御信号により駆動し、温度制御器27は冷却器21の出口部24付近の温度を測定する温度測定器28からの温度測定値が予め設定された設定値、例えば250℃〜300℃程度になるように、流量調整弁26に制御信号を出力する。
【0026】
冷却器21の出口部24には配管fが接続される。本実施形態ではこの配管fの先端が他の設備としての凝縮器29に連通しており、冷却器21で冷却された熱交換装置1からの流出物がこの配管fを通って凝縮器29に供給される。凝縮器29は内部に冷却管を配置した冷却室を有し、底部に凝縮した油分を排出する配管gが接続され、上部に真空ポンプ等の減圧装置31を設けた配管hが接続される。
【0027】
冷却器21から配管fへの流出物には未分解ポリスチレンや不純物が残存する場合があるので、それらが凝縮器21の冷却管に直接当たって付着し、その冷却能力を低下させないように、配管fを水平方向から凝縮器21の側部上方に接続し、それによって流出物を緩やかな流れとして凝縮器21内に導入することが望ましい。
【0028】
凝縮器20の底部に接続した配管gの先端は密閉型の沈殿槽30に連通している。沈殿槽30の下部はテーパ状に縮小し、その底部に沈殿物を排出する配管iが接続され、配管iには開閉弁32が設けられる。また沈殿槽30の側部にポンプ33を設けた配管jが接続され、その配管jの先端は第1蒸留装置34の中段に連通する。この沈殿槽30は後述するように、凝縮器29から流出する未分解ポリスチレンや不純物を油分との比重差で沈殿して分離するものであり、そのため凝縮器29からの流入物により下方の沈殿物が攪拌されて浮き上がらない程度の内容積を有することが望ましい。なお前記凝縮器29と沈殿槽30の両者を一体的に組み合わせて構成することもできる。
【0029】
第1蒸留装置34は多段の棚またはラッシリングを充填した一般的な蒸留塔を使用することができ、塔上部にベンゼンやトルエン等の低沸点成分を流出する配管kが接続され、塔底部にスチレンを含む高沸点成分を排出する配管lが接続される。そして配管lにはポンプ35が設けられ、その先端は第2蒸留装置36の中段に連通する。第2蒸留装置36は前記第1蒸留装置34と同様な構造の蒸留塔を使用できる。第2蒸留装置36の上部にはスチレンを流出する配管nが接続され、塔底部にはスチレンダイマーやトリマーを含む重質成分を流出する配管oが接続され、その配管oに移送用のポンプ37が設けられる。
【0030】
なお前記熱分解装置1の加熱部3からダクトD2で排出される排ガスは、第1蒸留装置34および第2蒸留装置36の加熱源として利用することができる。さらに第1蒸留装置34の配管kから回収した低沸点成分や第2蒸留装置36の配管oから回収した高沸点成分は、前記加熱ガス発生装置13のバ−ナ14に供給して燃料として利用することができる。
【0031】
次に、本発明の熱分解システムによりポリスチレンを熱分解する方法について説明する。最初に熱分解の準備を行う。減圧装置31を運転し、減圧状態にする。さらに加熱ガス発生装置13を運転して加熱部3に加熱ガスを供給し、反応管2を熱分解に適した温度まで昇温する。
【0032】
熱分解に適した温度は、前記したポリスチレンの熱分解に必要な最低温度、すなわちポリスチレンの熱分解温度より余裕のある高めの温度、例えば600℃〜800℃、好ましくは700℃から800℃程度の温度範囲とする。なお前記加熱ガス発生装置13から供給される加熱ガスの温度は、高いほど望ましい。
【0033】
一方、反応管2の内部は前記のように副生物抑制の観点から減圧状態で運転することが望ましいが、減圧装置31の吸引力調整により所望の減圧条件、例えば2kPa〜10kPa程度の減圧条件に維持することにより、副生物の生成を常圧で熱分解する場合の1/10以下にすることができる。そしてこれら操作と共に、供給装置15を運転して溶融ポリエチレンを反応管2に供給可能な状態とし、冷却器21に冷却水を流して流出物を冷却可能な状態とすることにより熱分解の準備が整う。
【0034】
熱分解の準備が整ったら配管aに設けた開閉弁(図示せず)を開け、供給装置15で生成した溶融ポリスチレンを反応管2の入口部4に供給する。溶融ポリスチレンは反応管2の内部を移動する間に周囲から加熱されて熱分解し、低分子の分解ガスが生成する。そして分解ガスを主成分とし、それに若干の未分解ポリスチレンと不純物を含んだ流出物が反応管2の出口部5から熱分解滞留槽6に流入する。熱分解滞留槽6の周囲前記加熱部3で覆われ、その内部は反応管2とほぼ同じ温度状態になっているので、流入した未分解ポリスチレンの殆どはそこで加熱され、且つ、攪拌装置11のスクリュにより攪拌されつつ、熱分解して低分子の分解ガスに変換する。
【0035】
熱分解滞留槽6には流入した分解残渣や不純物の殆どが滞留するので、長時間運転を続けるとそれら分解残渣や不純物が熱分解滞留槽6の下部に次第に堆積してくる。そこで定期的に開閉弁9を開け、配管cから堆積した分解残渣や不純物を回収容器10に排出する。なお排出の際には攪拌装置11を逆回転してそのスクリュにより分解残渣や不純物を強制的に配管9に押出すことにより、排出時間を節約することができる。
【0036】
熱分解滞留槽10に滞留中に分解しなかった未分解ポリスチレンおよび不純物の一部は、前記のように分解ガスに同伴して排出部7から短管bに流出する。短管b内の流出物の温度は熱分解温度以上になっているが、管長が極めて短いので炭化物生成による影響は殆どない。そして短管bの流出物は直ちに冷却着21に流入し、そこで熱分解温度以下に冷却されてから配管fに流出する。
【0037】
本実施形態では冷却器21を縦型の槽状に形成し、排出部7からの流出物が下側の入口部23から流入しガス通路22を上昇して出口部24から排出する間に冷却されるように構成されているので、排出部7からの流出物に含まれている未分解ポリスチレンや不純物等の細かい固形物が配管f側へ流出することをより効果的に抑制できる。
【0038】
さらに、前記のように冷却器21におけるガス通路22の断面積を反応管2より大きくすることによって、ガス通路22を流通する流出物の流速を低下させ、排出部7からの流出物に含まれている未分解ポリスチレンや不純物等の細かい固形物が配管f側へ流出することをより効果的に抑制すると共に、流出物の冷却効果を増大することができる。
【0039】
上記冷却器21による流出物への冷却作用により、配管f側への流出物の温度はポリスチレンの熱分解以下になるので、熱分解装置1から距離のある凝縮器29までの長い配管fの内壁に炭化物や汚染物が付着することを防止できる。そして凝縮器29に流入した流出物をそこで冷却し、高沸点成分を油分として配管gをから沈殿槽30に回収し、低沸点成分を減圧装置29で吸引して配管hから排出する。
【0040】
流出物に僅かに残存する未分解ポリスチレンや不純物は凝縮器29で高沸点成分と共に沈殿槽30に流入し、比重差によりその底部に沈殿する。そして沈殿物がある程度蓄積したら開閉弁32を開けて配管iから外部に回収する。
【0041】
沈殿槽30に流入した高沸点成分はポンプ33により配管jから第1蒸留装置34に供給され、そこで蒸留分離されたベンゼンやトルエン等の低沸点成分が配管kから外部から流出し、スチレンを含む高沸点成分はポンプ35により配管lから第2蒸留装置36に供給される。そして第蒸留装置26で蒸留分離されたスチレンは配管nから回収され、スチレンダイマーやトリマーを含む高沸点成分はポンプ37により配管oから回収される。
【0042】
以上の実施形態では、熱分解装置1として管型の熱分解装置を使用したが、本発明の熱分解方法または熱分解システムは槽型の熱分解装置を使用することもできる。その場合には槽型の上部に設けられるガス排出部が前記排出部7に相当するので、そのガス排出部に冷却器21を直接接続するか、または短管bを介して接続する。また槽型の熱分解装置を使用する場合には、供給装置15を設けず、熱分解装置に直接ポリスチレン片を投入することもできる。
【0043】
【発明の効果】
以上のように本発明の熱分解方法は、ポリスチレンを酸素不存在下に熱分解装置で熱分解し、熱分解装置の排出部からの流出物を他の設備へ配管で搬送する際に、排出部に接続または該排出部に短管を介して接続した冷却器により前記流出物を冷却し、配管の内部温度がポリスチレンの熱分解温度に達しないようにすることを特徴とする。
【0044】
このように熱分解装置からの流出物を冷却器でポリスチレンの熱分解温度以下に冷却することにより、流出物を他の設備へ搬送する配管の内壁に炭化物や汚染物が付着することを防止できる。そのため配管寿命を大幅に延長でき、結果として配管交換等のメンテナンスに要する手間や時間を節約できる。
【0045】
上記熱分解方法において、熱分解装置におけるポリスチレンの熱分解時の温度を600℃〜800℃、圧力を2kPa〜10kPaとすることができる。このように熱分解を高温状態で行うと熱分解効率は向上するが、そのままでは前記他の設備へ搬送する配管の内部温度も上昇して内壁への炭化物や汚染物の付着量が増加する。しかし本発明のように流出物を冷却することにより、高効率で熱分解しながらこの付着問題を同時に解決できる。
【0046】
さらに、熱分解を上記のような減圧状態で行うと、スチレンモノマー回収に際して副生物の生成を抑制できるが、そのままでは前記他の設備へ搬送する配管へ流出する未分解ポリスチレンや不純物の量も増加する。しかし本発明のように流出物を冷却することにより、副生物の生成を抑制しながら前記配管の内壁への炭化物や汚染物の付着量を著しく抑制できる。
【0047】
また本発明の熱分解システムは、ポリスチレンを酸素不存在下に熱分解する熱分解装置と、熱分解装置の排出部に接続または該排出部に短管を介して接続した冷却器と、熱分解装置の排出部からの流出物を他の設備へ移送するために前記冷却器の出口側に接続された配管を備え、前記冷却器は配管の内部温度がポリスチレンの熱分解温度に達しないように排出部からの流出物を冷却するように構成されていることを特徴とする。本熱分解システムによれば、前記熱分解方法を好適に実施できる。
【0048】
上記熱分解システムにおいて、前記冷却器は下側に入口部と上側に出口部を有し、入口部から流入した前記流出物が内部のガス通路を上昇して出口部から排出する間に冷却されるように構成することができる。このように構成すると、冷却器の出口側に接続された配管への分解ポリスチレンや不純物の流出をより効果的に抑制できる。
【0049】
さらに上記いずれかの熱分解システムにおいて、前記冷却器に設けたガス通路の断面積を他の設備へ流出物を移送する配管の断面積より大きくすることができる。このようにすると、ガス通路における流出物の流速を低減できるので、冷却器の出口側に接続された配管への分解ポリスチレンや不純物の流出をより効果的に抑制できる。また流出物の冷却効果も増大できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱分解システムのプロセスフロー図。
【符号の説明】
1 熱分解装置
2 反応管
3 加熱部
3a 加熱ガス通路
4 入口部
5 出口部
6 熱分解滞留槽
7 排出部
8 残渣排出部
9 開閉弁
10 回収容器
11 攪拌装置
12 駆動部
13 加熱ガス発生装置
14 バーナ
15 供給装置
16 ホッパ
17 溶融部
18 押出部
19 スクリュ
20 駆動部
21 冷却器
22 ガス通路
23 入口部
24 出口部
25 ジャケット
26 調整弁
27 温度制御器
28 温度測定器
29 凝縮器
30 沈殿槽
31 減圧装置
32 開閉弁
33 ポンプ
34 第1蒸留装置
35 ポンプ
36 第2蒸留装置
37 ポンプ
a 配管
b 短管
c〜o 配管
D1,D2 ダクト

Claims (5)

  1. ポリスチレンを酸素不存在下に熱分解装置1で熱分解し、熱分解装置1の排出部7からの流出物を他の設備へ配管fで搬送する際に、排出部7に接続または該排出部7と短管bを介して接続した冷却器21により前記流出物を冷却し、前記配管fの内部温度がポリスチレンの熱分解温度に達しないようにすることを特徴とするポリスチレンの熱分解方法。
  2. 請求項1において、熱分解装置1におけるポリスチレンの熱分解時の温度が600℃〜800℃であり、圧力が2kPa〜10kPaであることを特徴とするポリスチレンの熱分解方法。
  3. ポリスチレンを酸素不存在下に熱分解する熱分解装置1と、熱分解装置1の排出部7に接続または該排出部7に短管bを介して接続した冷却器21と、熱分解装置1の排出部7からの流出物を他の設備へ移送するために前記冷却器21の出口側に接続された配管fとを備え、前記冷却器21は前記配管fの内部温度がポリスチレンの熱分解温度に達しないように前記排出部7からの流出物を冷却するように構成されていることを特徴とするポリスチレンの熱分解システム。
  4. 請求項3において、前記冷却器21は下側に入口部23と上側に出口部24を有し、入口部23から流入した前記流出物が内部のガス通路22を上昇して出口部24から排出する間に冷却するように構成されていることを特徴とするポリスチレンの熱分解システム。
  5. 請求項3または4において、前記冷却器21に設けたガス通路22の断面積が前記配管fの断面積より大きいことを特徴とするポリスチレンの熱分解システム。
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