JP2004264779A - マスク、パターン寸法制御方法およびパターン寸法制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】光透過パターンの透過率を制御することによって転写パターンの寸法を制御可能なマスク、パターン寸法制御方法およびパターン寸法制御装置を提供する。
【解決手段】有機物雰囲気下にあるチャンバ2に収容されたマスク1に対し、遠紫外線ランプ5および遮光板6の作用により遠紫外線を局所的に照射して、マスク1の遮光パターン12が形成された面とは反対側の面上に、有機物を局所的に堆積させて、露光波長に対する透過率をショット内で自由に制御する。これにより、ウエハに転写される転写パターンの線幅均一性を向上させる。
【選択図】図1
【解決手段】有機物雰囲気下にあるチャンバ2に収容されたマスク1に対し、遠紫外線ランプ5および遮光板6の作用により遠紫外線を局所的に照射して、マスク1の遮光パターン12が形成された面とは反対側の面上に、有機物を局所的に堆積させて、露光波長に対する透過率をショット内で自由に制御する。これにより、ウエハに転写される転写パターンの線幅均一性を向上させる。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マスク、パターン寸法制御方法およびパターン寸法制御装置に関し、特に、半導体製造等におけるリソグラフィに使用されるマスク、当該マスクにより形成される転写パターンのパターン寸法制御方法およびパターン寸法制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
マスク(レティクル)に描かれた回路パターンを感光剤が塗布された基板上に縮小投影して焼き付けるリソグラフィ工程では、いわゆるステッパあるいはステップアンドリピートスキャンシステムといった露光装置が一般に使用される。
【0003】
パターンの微細化に対応してこれらの露光装置は、高NA化と短波長化を繰り返してきた。後者は具体的には、超高圧水銀ランプによるg線(436nm)、i線(365nm)、KrFエキシマレーザ(248nm)ときており、まもなくArFエキシマレーザ(193nm)での量産が開始されようとしている。さらに、その先の技術としてF2 エキシマレーザ(157nm)も盛んに研究開発が行われている。
【0004】
一方、微細パターンの形成に伴って要求される寸法制御精度も厳しくなっており、例えばトランジスタのゲート形成工程では、ターゲット寸法から僅かに太めにずれることでスピード収率の低下による不良が発生し、逆にターゲット寸法から僅かに細めにずれることでスタンバイ電流のリークによる不良が発生するため、その求められる寸法精度はターゲット寸法の±5〜10%程度である。
【0005】
ところで、フォトリソグラフィでの寸法ばらつきをロット間、ウエハ間、ショット間、ショット内の各要素に分解した場合、本発明者らの試算ではショット内ばらつきが全体の約4割を占めており、最も大きいと見積もっている。
【0006】
半導体素子の形成のためのリソグラフィ工程において、ショット内線幅均一性を悪化させる要素として、露光装置、マスク、基板(ウエハ)等が上げられ、さらに以下に示すように分類される。
【0007】
露光装置の要素として、照明均一性、フレア、投影レンズ収差、Focus/Leveling設定誤差ないし制御精度が挙げられる。マスクの要素として、製造寸法誤差、ブランクス平坦度が挙げられる。基板の要素として、ウエハ平坦度、デバイス段差が挙げられる。
【0008】
上記の要素は、大別すると、実効的な露光量変化による線幅変化と、DeFocusによる線幅変化に分類される。前者のうち、一つのショット内の照度むらを補正する方法として照明光学系内に補正フィルタを設置する技術がある(特許文献1参照)。
【0009】
【特許文献1】
特開2002−329653号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に記載の技術では、正確に光学系の照度むらを計測して、各マスクに共通な一つの補正フィルタを設置し、光学系の照度むらの均一化を図ろうとするものである。ここで、上記のようにショット内線幅均一性を悪化させる要素としてはマスクに起因する要素もあることから、各マスク毎に照度分布を変えて転写パターンの寸法を制御することができると非常に有用である。この場合に、特許文献1に記載の技術を適用しようとすると、各マスク毎に照明光学系に異なる光学部品を配置する必要があり、困難を伴う。
【0011】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、第1の目的は、光透過パターンの透過率を制御することによって転写パターンの寸法を制御可能なマスクを提供することにある。
本発明の第2の目的は、マスク毎に光透過パターンの透過率を制御することにより、転写パターンの寸法を制御し、被露光体への照度分布に起因する転写パターンの寸法ばらつきの低減や、マスク自体の寸法ばらつきに起因する転写パターンの寸法ばらつきを低減することができるパターン寸法制御方法およびパターン寸法制御装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の第1の目的を達成するため、本発明のマスクは、光透過パターンを有し、前記光透過パターンを通過した光により被露光体に前記光透過パターンに相似な転写パターンが転写されるマスクであって、前記光透過パターンの透過率が局所的に低下され、前記転写パターンの寸法が制御されている。
【0013】
上記の本発明のマスクによれば、光透過パターンの透過率が局所的に低下されていることから、透過率が低下された部分の光透過パターンを通過した光により被露光体に形成される転写パターンは、透過率の低下前に比べて小さいものとなる。
なお、ここでいう転写パターンとは、被露光体に光が照射されるパターン領域をいい、後に現像により転写パターンが残るものと、溶解されることにより周囲の領域がパターンとして残るものがある。
【0014】
上記の第2の目的を達成するため、本発明のパターン寸法制御方法は、被露光体に対し光透過パターンを有するマスクを介して光を照射する露光工程において前記被露光体に形成される、前記光透過パターンと相似な転写パターンの寸法を制御するパターン寸法制御方法であって、前記光透過パターンの透過率を低下させる透過率制御膜を前記マスクに局所的に形成することにより、前記転写パターンの寸法を制御する。
【0015】
上記の本発明のパターン寸法制御方法によれば、光透過パターンの透過率を低下させる透過率制御膜をマスクに局所的に形成することにより、透過率が低下された部分の光透過パターンを通過した光により被露光体に形成される転写パターンは、透過率の低下前に比べて小さいものとなる。
なお、ここでいう転写パターンとは、被露光体に光が照射されるパターン領域をいい、後に現像により転写パターンが残るものと、溶解されることにより周囲の領域がパターンとして残るものがある。
【0016】
上記の第2の目的を達成するため、本発明のパターン寸法制御装置は、被露光体に対し光透過パターンを有するマスクを介して光を照射する露光工程において前記被露光体に形成される、前記光透過パターンと相似な転写パターンの寸法を制御するパターン寸法制御装置であって、前記マスクに有機物を供給する有機物供給手段と、前記有機物にさらされた前記マスクの領域に、前記有機物に吸収される波長のエネルギービームを照射するエネルギービーム照射手段とを有する。
【0017】
上記の本発明のパターン寸法制御装置では、有機物供給手段によりマスクに有機物が供給され、当該有機物にさらされたマスクの領域に、エネルギービーム照射手段によりエネルギービームが照射されることにより、当該エネルギービームが有機物により吸収されて、有機物がマスクに堆積することとなる。
堆積する有機物の種類および膜厚により、光透過パターンの透過率の低下量が制御され、透過率が低下された部分の光透過パターンを通過した光により被露光体に形成される転写パターンは、透過率の低下前に比べて小さいものとなる。
なお、ここでいう転写パターンとは、被露光体に光が照射されるパターン領域をいい、後に現像により転写パターンが残るものと、溶解されることにより周囲の領域がパターンとして残るものがある。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明のマスク、パターン寸法制御方法およびパターン寸法制御装置の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0019】
第1実施形態
図1は、本実施形態に係るパターン寸法制御装置の一例を示す概略構成図である。
図1に示すパターン寸法制御装置は、基板11上に遮光パターン12が形成されたマスク(レティクル)1を保持するチャンバ2と、チャンバ2に接続された有機物供給口3と、排気口4と、チャンバ2の外からマスク1へ向けてエネルギービームを照射するエネルギービーム照射手段5と、エネルギービームを遮る遮光板6とを有する。
【0020】
マスク1の基板11は、露光に使用する波長の光を透過する材料、例えばガラスにより形成されている。基板11上に形成された遮光パターン12は、露光に使用する波長の光を遮る材料、例えばクロム等により形成されている。遮光パターン12を除く領域が、光透過パターン13となる。遮光パターン12あるいは光透過パターン13は、ウエハに形成する回路パターンに相当する。
【0021】
チャンバ2は、マスク1の遮光パターン12が形成されている面とは反対側の面を気密に封止して保持する。チャンバ2には、エネルギービーム照射手段5からのエネルギービームを透過する材料よりなる図示しない光学窓が設置されている。
【0022】
有機物供給口3は、エネルギービーム照射手段5から照射されたエネルギービームを吸収するガス状の有機物をチャンバ2内に供給する。エネルギービームを吸収したガス状の有機物は、遮光パターン12が形成された面とは反対側の面におけるマスク1の基板11上に局所的に堆積する。有機物が堆積した部分は、透過率が低下することから、実質的に光透過パターン13の透過率が低下することとなる。堆積した有機物により、本発明の透過率制御膜が構成される。
【0023】
エネルギービームとして、例えば200nm以下程度の遠紫外光を使用する場合には、供給する有機物の種類としては、例えば、IPA(イソプロピルアルコール)等のアルコール、メチルエチルケトン等のケトン、p−キシレン等の芳香族化合物、PGMEA(Propylene Glycol Monometyl Ether Acetate) 等のエステル類等、ほとんど全ての有機物が上記の波長以下で吸収をもつが、当然、化合物によって透過率低下の変化量は異なる。p−キシレンのようなベンゼン環を有する有機物が透過率低下の変化量が大きい。
【0024】
排気口4は、チャンバ2内のガスを排気して必要に応じて所望の減圧状態とし、また、チャンバ2内に充填された有機物を排気する。なお、大気圧中でもマスクに有機物を堆積させることが可能である。
【0025】
エネルギービーム照射手段5は、有機物に吸収される波長の光を照射し、例えば、遠紫外線ランプにより構成される。エネルギービーム照射手段5は、例えば200nm以下程度の波長をもつ遠紫外光を照射する。
【0026】
遮光板6は、エネルギービームをマスク1に対し局所的に照射させて、局所的に有機物を堆積させるため、非照射部分を覆ういわゆるマスキングブレードにより構成される。遮光板6の材質は、例えばセラミック等、露光装置のマスキングブレードに使用されているものと同じでよい。図示はしないが、遮光板6を平面方向に駆動する駆動機構が設けられており、これによりマスクの位置あるいはレーザの照射位置を移動させなくても、マスク1へのエネルギービームの照射位置を制御することができる。
【0027】
なお、本実施形態では、遮光板6で非照射部分を遮光しているが、例えば、エネルギービーム照射手段5として、ArFエキシマレーザ等の指向性の強い光源を用いれば遮光板6はなくてもよい。但し、この場合には、ステージによりマスクを平面方向に任意に移動し得るように保持するか、レーザの照射位置を制御するための光学系が必要となる。
【0028】
上記のパターン寸法制御装置では、有機物供給口3からの有機物の供給により、高濃度の有機物が存在する雰囲気となったチャンバ2内に、エネルギービーム照射手段5および遮光板6の作用によりマスク1に対し局所的にエネルギービームが照射されることにより、エネルギービームの吸収により照射領域における有機物がマスク1上に局所的に堆積する。本実施形態では、遮光パターン12が形成された面とは反対側の面における基板11上に局所的に有機物が堆積して、透過率制御膜が形成される。
【0029】
図2は、チャンバ2内における有機物濃度と光透過率の低下量との関係を示す図である。図2では、横軸にエネルギービームの照射量を示し、縦軸に光透過率の低下量を示している。グラフCV1は有機物濃度が低い場合、グラフCV2が有機物濃度が中程度の場合、グラフCV3は有機物濃度が高い場合を示している。図2に示すように、有機物の濃度およびエネルギービームの照射量が大きくなれば、それだけマスク1上に堆積する有機物の膜厚が大きくなることから、光透過率の低下量も大きくなる。また、図2に示すような関係は、使用する有機物の種類により異なる。従って、予め使用する有機物に対し各濃度毎の照射量と透過率の低下量との関係を実験で求めておき、要求される透過率の低下量に応じて、有機物の最適濃度と最適照射量を設定することにより、透過率を自由にコントロールすることが可能となる。
【0030】
次に、本実施形態に係るパターン寸法制御方法の第1の例について、図3に示すフローチャートを参照して説明する。第1の例では、被露光体であるウエハへの照度分布を均一化してパターン寸法を制御する例について説明する。
【0031】
まず、露光装置による1ショット(1回の露光により照射される領域)内のウエハへの照度むらデータを測定する(ステップST1)。なお、この照度むらデータの測定自体は、従来公知の方法による。通常、ステッパあるいはステップアンドリピートスキャンシステム等では、1ショットの領域は、マスク1の全体が相当する。この照度むらデータの測定により、例えば、図4(a)に示すような照度むらデータが得られるとする。図4(a)では、1ショット(露光フィールド)Sh内のウエハへの照度分布を等高線20により表している。
【0032】
次に、図4(a)に示す円状の1ショットSh内のうち矩形領域21を取り出し、図4(b)に示すように当該矩形領域21をメッシュ状に例えば1mm角に分割し、例えば最も低い照度の位置に合わせるために、各位置において必要な透過率の変化量(低下量)を求める(ステップST2)。これにより、例えば、図4(c)に示すように、各位置における必要な透過率の低下量が得られる。
【0033】
次に、各位置毎に必要な透過率の低下量のデータに基づいて、チャンバ2内に充填する有機物濃度を決定し、各位置毎の最適な照射量を決定する(ステップST3)。なお、本実施形態の装置構成では、各位置毎に遠紫外線の照射量、すなわちマスクへの照射時間を変える。
【0034】
チャンバ2内に充填する有機物濃度を決定し、各位置毎の最適な照射量を決定した後、各位置毎に遮光板6を動作させて必要な時間だけエネルギービームとして遠紫外線を照射することにより、各位置毎に有機物の堆積膜厚を制御して所望の量だけ透過率を低下させる(ステップST4)。
【0035】
以上の処理がなされたマスク1をステッパあるいはステップアンドリピートスキャンシステムに設置して、レジストが塗布されたウエハを露光することにより、ウエハへの照度分布が均一となり精度が向上された回路パターンが転写される。
【0036】
以上のパターン寸法制御方法の第1の例によれば、露光における1ショット内のウエハに対する照度分布を均一にすることができ、ショット内のパターンの寸法の均一性を向上することができる。従って、デバイス特性の向上や、歩留りの向上を図ることができる。
【0037】
次に、本実施形態に係るパターン寸法制御方法の第2の例について、図5に示すフローチャートを参照して説明する。第2の例では、マスクを用いてウエハに複数回露光している際に、転写パターンの線幅の経時的な変動をモニタして、当該変動を解消する例について説明する。
【0038】
マスクを用いてウエハに露光する半導体製造工程において、1ショット内のウエハの転写パターンの線幅分布を定期的にモニタし(ステップST11)、線幅の劣化が許容できないレベルに達する手前で以下の処理を行う。なお、この線幅の測定自体は、従来公知の方法による。このモニタする線幅分布は、図4(b)に示すようにメッシュ状に分割した各位置に含まれる転写パターンの元の線幅からの誤差分布である。
【0039】
本例では、モニタされた1ショット内の転写パターンの線幅分布のデータに基づいて透過率を変化させる。これは、微小範囲内においては、図6に示すように、相対線幅(元の線幅からの誤差)と露光量(ウエハ面上での照度)は一次近似可能だからである。図6では、横軸に相対露光量を示し、縦軸に相対線幅を示している。例えば、ポジ型レジストを使用する場合には、遮光パターン12の形状に相当するパターンがウエハに転写パターンとして残る。従って、転写パターンの相対線幅が劣化(小さくなる)した場合には、実質的な相対露光量が大きいといえる。従って、透過率を低下させて相対露光量を小さくすれば、相対線幅の劣化が低減される。
【0040】
このように、線幅の誤差分布に基づいて、各位置毎の線幅誤差を露光量(露光照度)に変換した後(ステップST12)、例えば最も低い露光照度の位置に合わせるために、各位置において必要な透過率の変化量(低下量)を求める(ステップST13)。これにより、先と同様に、図4(c)に示すような、各位置における必要な透過率の低下量のデータが得られる。
【0041】
次に、各位置毎に必要な透過率の低下量のデータに基づいて、チャンバ2内に充填する有機物濃度を決定し、各位置毎の最適な照射量を決定する(ステップST14)。なお、本実施形態の装置構成では、各位置毎に遠紫外線の照射量、すなわちマスクへの照射時間を変える。
【0042】
チャンバ2内に充填する有機物濃度を決定し、各位置毎の最適な照射量を決定した後、各位置毎に遮光板6を動作させて必要な時間だけエネルギービームとして遠紫外線を照射することにより、各位置毎に有機物の堆積膜厚を制御して所望の量だけ透過率を低下させる(ステップST15)。
【0043】
以上の処理がなされたマスク1をステッパあるいはステップアンドリピートスキャンシステムに設置して、レジストが塗布されたウエハを露光することにより、ウエハに形成される転写パターンの線幅の誤差が低減されて精度が向上された回路パターンが転写される。
【0044】
以上のパターン寸法制御方法の第2の例によれば、露光における1ショット内におけるウエハのパターン誤差を低減することができ、ショット内におけるパターンの寸法の均一性を向上することができる。従って、デバイス特性の向上や、歩留りの向上を図ることができる。また、本例では、半導体製造のリソグラフィ工程において、転写パターンの寸法規格外が発生することによるリワークを低減することができ、生産性を向上することができる。
【0045】
次に、本実施形態に係るパターン寸法制御方法の第3の例について、図7に示すフローチャートを参照して説明する。第3の例では、マスク製造時においてマスク自体に発生した設計パターンからの寸法ばらつきを解消する例について説明する。
【0046】
マスク製造後に、マスクの線幅の誤差分布を測定し(ステップST21)、上記の誤差を解消すべく以下の処理を行う。なお、この線幅の測定自体は、従来公知の方法による。このモニタする誤差分布は、図4(b)に示すようにメッシュ状に分割したマスクの各位置に含まれる遮光パターンの設計パターンからの誤差分布である。
【0047】
本例では、マスクの製造における誤差分布のデータに基づいて透過率を変化させる。この原理については、図6を示して説明した第2の例と同様である。例えば、ポジ型レジストを使用する場合には、遮光パターン12の形状に相当するパターンがウエハに転写パターンとして残る。従って、遮光パターン12の線幅が小さい場合には、転写パターンの特に端部への露光量としては、実質的な相対露光量が大きくなるといえる。従って、透過率を低下させて相対露光量を小さくすれば、得られる転写パターンの線幅の縮小が低減される。
【0048】
従って、マスク自体のパターンの線幅の誤差分布に基づいて、各位置毎の線幅誤差を露光量(露光照度)に変換した後(ステップST22)、各位置において必要な透過率の変化量(低下量)を求める(ステップST23)。これにより、先と同様に、図4(c)に示すような、各位置における必要な透過率の低下量のデータが得られる。
【0049】
次に、各位置毎に必要な透過率の低下量のデータに基づいて、チャンバ2内に充填する有機物濃度を決定し、各位置毎の最適な照射量を決定する(ステップST24)。なお、本実施形態の装置構成では、各位置毎に遠紫外線の照射量、すなわちマスクへの照射時間を変える。
【0050】
チャンバ2内に充填する有機物濃度を決定し、各位置毎の最適な照射量を決定した後、各位置毎に遮光板6を動作させて必要な時間だけエネルギービームとして遠紫外線を照射することにより、各位置毎に有機物の堆積膜厚を制御して所望の量だけ透過率を低下させる(ステップST25)。
【0051】
以上の処理がなされたマスク1をステッパあるいはステップアンドリピートスキャンシステムに設置して、レジストが塗布されたウエハを露光することにより、ウエハに形成される転写パターンの線幅の誤差が低減されて精度が向上された回路パターンが転写される。
【0052】
以上のパターン寸法制御方法の第3の例によれば、マスクの製造誤差に起因するウエハへの転写パターンの誤差を透過率のコントロールによって低減することができ、ショット内寸法の均一性を向上することができる。従って、デバイス特性の向上や、歩留りの向上を図ることができる。また、第3の例によれば、マスク製造における遮光パターンの寸法の規格外れにより不良となっていたマスクの一部を救済することが可能となる。反対に、マスク製造時の寸法規格の緩和を図ることができ、総合的な生産性を向上させることができる。
【0053】
第2実施形態
図8は、本実施形態に係るパターン寸法制御装置の一例を示す概略構成図である。なお、第1実施形態のパターン寸法制御装置と同一の構成要素には、同一の符号を付しておりその説明は省略する。
【0054】
本実施形態では、有機物を供給する手段として、局所的にマスクの一部分にのみ有機物を供給する有機物供給ノズル8が設けられている。このため、第1実施形態における遮光板6は設けられておらず、チャンバ2はマスク1の全体を収容する構成となっている。
【0055】
また、マスク1の遮光パターン12の形成面側を保持する保持テーブル7が設けられており、保持テーブル7は、図示しない駆動機構によりチャンバ2内を平面方向に移動可能に構成されている。
【0056】
上記のパターン寸法制御装置では、ガス供給ノズル8からの有機物の供給により、局所的にマスク1の一部分における有機物濃度が高くなり、この部分にエネルギービーム照射手段5によりエネルギービームが照射されることにより、エネルギービームの吸収により照射領域における有機物がマスク1上に局所的に堆積する。本実施形態では、遮光パターン12が形成された面とは反対側の面における基板11上に局所的に有機物が堆積して、透過率制御膜が形成される。
【0057】
そして、マスク1を保持する保持テーブル7の移動により、マスク1の各位置にそれぞれ有機物を異なる膜厚で堆積させることができる。各位置毎の膜厚の調整は、例えば、エネルギービームの照射時間を各位置で変えることにより行う。なお、各位置において有機物供給ノズル8から供給される有機物濃度を変えることによっても堆積させる有機物の膜厚を調整してもよい。
【0058】
本実施形態に係るパターン寸法制御装置によっても、第1実施形態と同様に、第1〜第3の例のパターン寸法制御方法を実現することができる。また、局所的に有機物を供給することから有機物の使用量を少なくすることができる。
【0059】
第3実施形態
図9は、本実施形態に係るパターン寸法制御装置の一例を示す概略構成図である。なお、第1実施形態のパターン寸法制御装置と同一の構成要素には、同一の符号を付しておりその説明は省略する。
【0060】
本実施形態では、マスク1の遮光パターン12が形成された側に光量センサ9が取り付けられている。光量センサ9は、有機物の堆積により所望の透過率の低下量が得られているかを判断するために、マスク1を通過したエネルギービームの光量を測定する。すなわち、光量が小さくなれば、それだけ透過率が低下していることとなる。
【0061】
第1ないし第2実施形態では、予め使用する有機物に対し各濃度毎の照射量と透過率の低下量との関係を実験で求めておき、要求される透過率の低下量に応じて、有機物の最適濃度と最適照射量を設定することにより、透過率を自由にコントロールする例について図2を参照して説明した。
【0062】
本実施形態では、予め図2のような有機物の濃度毎の照射量と透過率の低下量との関係を求めておかなくても、エネルギービームを照射しながら、マスク1を通過するエネルギービームの照射量をリアルタイムにモニタすることにより、透過率が所望の量だけ低下するまでエネルギービームを照射することができ、所望の透過率の低下量が得られる。
【0063】
従って、本実施形態に係るパターン寸法制御装置によっても、第1実施形態と同様に、第1〜第3の例のパターン寸法制御方法を実現することができる。なお、第2実施形態においても、本実施形態のように、光量センサ9を設ける構成としてもよい。
【0064】
第4実施形態
図10は、本実施形態に係るマスクの構成の一例を示す断面図である。第1〜第3実施形態においては、マスクの基板11上に直接有機物を堆積させる例について説明した。本実施形態では、図10に示すように、パターン12,13が形成された面とは反対側の面を囲むペルクル等からなるカバー部材14を設け、このカバー部材14上に有機物を堆積させるものである。
【0065】
本実施形態に係るマスクを第1〜第3実施形態に使用することによって、例えば、カバー部材14を貼り直すことにより、ガラス等の基板11およびカバー部材14により定まる元の透過率の状態に復元することが容易となる。
【0066】
【実施例】
上述した本実施形態に係るマスク、パターン寸法制御方法およびパターン寸法制御装置の効果について検証した。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0067】
露光装置(ニコン製のNA0.55のKrFエキシマステッパ)は装置立ち上げ時に、0.5%の照度むらをもっていた。さらに、経時的に照度が変動したことにより、ウエハの転写パターンの仕上がり寸法が変化してしまった。この転写パターンは、250μm世代LSIのゲートパターンである。
【0068】
このときのショットSh内の寸法測定箇所M1〜M4を図11(a)に示し、各寸法測定箇所のパターンの相対線幅誤差を図11(b)に示す。なお、縦軸の相対線幅誤差は、ショットShのセンターCにおけるパターン寸法からの相対誤差を示したものである。
【0069】
そこで、定期的にモニタしている露光装置の照度むらデータに基づいて、ショット内線幅の均一化を実施した。実施前の照度むらは1.5%にまで悪化していた。なお、この照度むらは、照度の最も大きい部分と、照度の最も低い部分との差を示す。
【0070】
第1実施形態と同様にして、ショット内をメッシュ状に1mm角に分割し、角位置における照度の立ち上げ時との差から、各位置に必要な透過率の低下量を求めた。ここで使用したマスクは、図10に示すようにカバー部材14を装着したものを使用している。また、パターン寸法制御装置としては、図8に示す装置を用い、エネルギービーム照射手段5として、ArFエキシマレーザを用いた。
【0071】
そして、チャンバ2内に100ppm程度のMEK(Methyl−ethyl−ketone)を充填させ、これに5Wの照度パワー、1mmのビームスポットを有するArFエキシマレーザ光を、1mmステップで保持テーブル7を逐次移動させながら、最大照射位置で1300J/cm2 にて照射した。これらの実施により、装置立ち上げ時と同じ、0.5%まで照度むらを低減することができ、本実施形態の効果が確認された。
【0072】
本発明は、上記の実施形態の説明に限定されない。
例えば、チャンバ2内に充填する有機物の種類には特に限定はなく、また、有機物の堆積により透過率をコントロールして転写パターンの寸法を制御する限りにおいて、転写パターンの線幅を劣化させる種々の原因に対応可能である。
その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能である。
【0073】
【発明の効果】
本発明のマスクによれば、光透過パターンの透過率を制御することによって転写パターンの寸法を制御することができる。
【0074】
本発明のパターン寸法制御方法およびパターン寸法制御装置によれば、マスク毎に光透過パターンの透過率を制御することにより転写パターンの寸法を制御し、被露光体への照度分布に起因する転写パターンの寸法ばらつきの低減や、マスク自体の寸法ばらつきに起因する転写パターンの寸法ばらつきを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係るパターン寸法制御装置の一例を示す概略構成図である。
【図2】有機物濃度と光透過率の低下量との関係を示す図である。
【図3】パターン寸法制御方法の第1の例を示すフロー図である。
【図4】ショット内の照度むらの測定から各位置における透過率変化量を求めるまでを説明するための図である。
【図5】パターン寸法制御方法の第2の例を示すフロー図である。
【図6】相対線幅と相対露光量との一次関係を示す図である。
【図7】パターン寸法制御方法の第3の例を示すフロー図である。
【図8】第2実施形態に係るパターン寸法制御装置の一例を示す概略構成図である。
【図9】第3実施形態に係るパターン寸法制御装置の一例を示す概略構成図である。
【図10】第4実施形態に係るマスクの構成の一例を示す断面図である。
【図11】実施例を説明するための図である。
【符号の説明】
1…マスク、2…チャンバ、3…有機物供給口、4…排気口、5…エネルギービーム照射手段、6…遮光板、7…保持テーブル、8…有機物供給ノズル、9…光量センサ、11…基板、12…遮光パターン、13…光透過パターン、14…カバー部材、Sh…1ショット領域、20…等高線、21…矩形領域、M1,M2,M3,M4…寸法測定箇所。
【発明の属する技術分野】
本発明は、マスク、パターン寸法制御方法およびパターン寸法制御装置に関し、特に、半導体製造等におけるリソグラフィに使用されるマスク、当該マスクにより形成される転写パターンのパターン寸法制御方法およびパターン寸法制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
マスク(レティクル)に描かれた回路パターンを感光剤が塗布された基板上に縮小投影して焼き付けるリソグラフィ工程では、いわゆるステッパあるいはステップアンドリピートスキャンシステムといった露光装置が一般に使用される。
【0003】
パターンの微細化に対応してこれらの露光装置は、高NA化と短波長化を繰り返してきた。後者は具体的には、超高圧水銀ランプによるg線(436nm)、i線(365nm)、KrFエキシマレーザ(248nm)ときており、まもなくArFエキシマレーザ(193nm)での量産が開始されようとしている。さらに、その先の技術としてF2 エキシマレーザ(157nm)も盛んに研究開発が行われている。
【0004】
一方、微細パターンの形成に伴って要求される寸法制御精度も厳しくなっており、例えばトランジスタのゲート形成工程では、ターゲット寸法から僅かに太めにずれることでスピード収率の低下による不良が発生し、逆にターゲット寸法から僅かに細めにずれることでスタンバイ電流のリークによる不良が発生するため、その求められる寸法精度はターゲット寸法の±5〜10%程度である。
【0005】
ところで、フォトリソグラフィでの寸法ばらつきをロット間、ウエハ間、ショット間、ショット内の各要素に分解した場合、本発明者らの試算ではショット内ばらつきが全体の約4割を占めており、最も大きいと見積もっている。
【0006】
半導体素子の形成のためのリソグラフィ工程において、ショット内線幅均一性を悪化させる要素として、露光装置、マスク、基板(ウエハ)等が上げられ、さらに以下に示すように分類される。
【0007】
露光装置の要素として、照明均一性、フレア、投影レンズ収差、Focus/Leveling設定誤差ないし制御精度が挙げられる。マスクの要素として、製造寸法誤差、ブランクス平坦度が挙げられる。基板の要素として、ウエハ平坦度、デバイス段差が挙げられる。
【0008】
上記の要素は、大別すると、実効的な露光量変化による線幅変化と、DeFocusによる線幅変化に分類される。前者のうち、一つのショット内の照度むらを補正する方法として照明光学系内に補正フィルタを設置する技術がある(特許文献1参照)。
【0009】
【特許文献1】
特開2002−329653号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に記載の技術では、正確に光学系の照度むらを計測して、各マスクに共通な一つの補正フィルタを設置し、光学系の照度むらの均一化を図ろうとするものである。ここで、上記のようにショット内線幅均一性を悪化させる要素としてはマスクに起因する要素もあることから、各マスク毎に照度分布を変えて転写パターンの寸法を制御することができると非常に有用である。この場合に、特許文献1に記載の技術を適用しようとすると、各マスク毎に照明光学系に異なる光学部品を配置する必要があり、困難を伴う。
【0011】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、第1の目的は、光透過パターンの透過率を制御することによって転写パターンの寸法を制御可能なマスクを提供することにある。
本発明の第2の目的は、マスク毎に光透過パターンの透過率を制御することにより、転写パターンの寸法を制御し、被露光体への照度分布に起因する転写パターンの寸法ばらつきの低減や、マスク自体の寸法ばらつきに起因する転写パターンの寸法ばらつきを低減することができるパターン寸法制御方法およびパターン寸法制御装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の第1の目的を達成するため、本発明のマスクは、光透過パターンを有し、前記光透過パターンを通過した光により被露光体に前記光透過パターンに相似な転写パターンが転写されるマスクであって、前記光透過パターンの透過率が局所的に低下され、前記転写パターンの寸法が制御されている。
【0013】
上記の本発明のマスクによれば、光透過パターンの透過率が局所的に低下されていることから、透過率が低下された部分の光透過パターンを通過した光により被露光体に形成される転写パターンは、透過率の低下前に比べて小さいものとなる。
なお、ここでいう転写パターンとは、被露光体に光が照射されるパターン領域をいい、後に現像により転写パターンが残るものと、溶解されることにより周囲の領域がパターンとして残るものがある。
【0014】
上記の第2の目的を達成するため、本発明のパターン寸法制御方法は、被露光体に対し光透過パターンを有するマスクを介して光を照射する露光工程において前記被露光体に形成される、前記光透過パターンと相似な転写パターンの寸法を制御するパターン寸法制御方法であって、前記光透過パターンの透過率を低下させる透過率制御膜を前記マスクに局所的に形成することにより、前記転写パターンの寸法を制御する。
【0015】
上記の本発明のパターン寸法制御方法によれば、光透過パターンの透過率を低下させる透過率制御膜をマスクに局所的に形成することにより、透過率が低下された部分の光透過パターンを通過した光により被露光体に形成される転写パターンは、透過率の低下前に比べて小さいものとなる。
なお、ここでいう転写パターンとは、被露光体に光が照射されるパターン領域をいい、後に現像により転写パターンが残るものと、溶解されることにより周囲の領域がパターンとして残るものがある。
【0016】
上記の第2の目的を達成するため、本発明のパターン寸法制御装置は、被露光体に対し光透過パターンを有するマスクを介して光を照射する露光工程において前記被露光体に形成される、前記光透過パターンと相似な転写パターンの寸法を制御するパターン寸法制御装置であって、前記マスクに有機物を供給する有機物供給手段と、前記有機物にさらされた前記マスクの領域に、前記有機物に吸収される波長のエネルギービームを照射するエネルギービーム照射手段とを有する。
【0017】
上記の本発明のパターン寸法制御装置では、有機物供給手段によりマスクに有機物が供給され、当該有機物にさらされたマスクの領域に、エネルギービーム照射手段によりエネルギービームが照射されることにより、当該エネルギービームが有機物により吸収されて、有機物がマスクに堆積することとなる。
堆積する有機物の種類および膜厚により、光透過パターンの透過率の低下量が制御され、透過率が低下された部分の光透過パターンを通過した光により被露光体に形成される転写パターンは、透過率の低下前に比べて小さいものとなる。
なお、ここでいう転写パターンとは、被露光体に光が照射されるパターン領域をいい、後に現像により転写パターンが残るものと、溶解されることにより周囲の領域がパターンとして残るものがある。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明のマスク、パターン寸法制御方法およびパターン寸法制御装置の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0019】
第1実施形態
図1は、本実施形態に係るパターン寸法制御装置の一例を示す概略構成図である。
図1に示すパターン寸法制御装置は、基板11上に遮光パターン12が形成されたマスク(レティクル)1を保持するチャンバ2と、チャンバ2に接続された有機物供給口3と、排気口4と、チャンバ2の外からマスク1へ向けてエネルギービームを照射するエネルギービーム照射手段5と、エネルギービームを遮る遮光板6とを有する。
【0020】
マスク1の基板11は、露光に使用する波長の光を透過する材料、例えばガラスにより形成されている。基板11上に形成された遮光パターン12は、露光に使用する波長の光を遮る材料、例えばクロム等により形成されている。遮光パターン12を除く領域が、光透過パターン13となる。遮光パターン12あるいは光透過パターン13は、ウエハに形成する回路パターンに相当する。
【0021】
チャンバ2は、マスク1の遮光パターン12が形成されている面とは反対側の面を気密に封止して保持する。チャンバ2には、エネルギービーム照射手段5からのエネルギービームを透過する材料よりなる図示しない光学窓が設置されている。
【0022】
有機物供給口3は、エネルギービーム照射手段5から照射されたエネルギービームを吸収するガス状の有機物をチャンバ2内に供給する。エネルギービームを吸収したガス状の有機物は、遮光パターン12が形成された面とは反対側の面におけるマスク1の基板11上に局所的に堆積する。有機物が堆積した部分は、透過率が低下することから、実質的に光透過パターン13の透過率が低下することとなる。堆積した有機物により、本発明の透過率制御膜が構成される。
【0023】
エネルギービームとして、例えば200nm以下程度の遠紫外光を使用する場合には、供給する有機物の種類としては、例えば、IPA(イソプロピルアルコール)等のアルコール、メチルエチルケトン等のケトン、p−キシレン等の芳香族化合物、PGMEA(Propylene Glycol Monometyl Ether Acetate) 等のエステル類等、ほとんど全ての有機物が上記の波長以下で吸収をもつが、当然、化合物によって透過率低下の変化量は異なる。p−キシレンのようなベンゼン環を有する有機物が透過率低下の変化量が大きい。
【0024】
排気口4は、チャンバ2内のガスを排気して必要に応じて所望の減圧状態とし、また、チャンバ2内に充填された有機物を排気する。なお、大気圧中でもマスクに有機物を堆積させることが可能である。
【0025】
エネルギービーム照射手段5は、有機物に吸収される波長の光を照射し、例えば、遠紫外線ランプにより構成される。エネルギービーム照射手段5は、例えば200nm以下程度の波長をもつ遠紫外光を照射する。
【0026】
遮光板6は、エネルギービームをマスク1に対し局所的に照射させて、局所的に有機物を堆積させるため、非照射部分を覆ういわゆるマスキングブレードにより構成される。遮光板6の材質は、例えばセラミック等、露光装置のマスキングブレードに使用されているものと同じでよい。図示はしないが、遮光板6を平面方向に駆動する駆動機構が設けられており、これによりマスクの位置あるいはレーザの照射位置を移動させなくても、マスク1へのエネルギービームの照射位置を制御することができる。
【0027】
なお、本実施形態では、遮光板6で非照射部分を遮光しているが、例えば、エネルギービーム照射手段5として、ArFエキシマレーザ等の指向性の強い光源を用いれば遮光板6はなくてもよい。但し、この場合には、ステージによりマスクを平面方向に任意に移動し得るように保持するか、レーザの照射位置を制御するための光学系が必要となる。
【0028】
上記のパターン寸法制御装置では、有機物供給口3からの有機物の供給により、高濃度の有機物が存在する雰囲気となったチャンバ2内に、エネルギービーム照射手段5および遮光板6の作用によりマスク1に対し局所的にエネルギービームが照射されることにより、エネルギービームの吸収により照射領域における有機物がマスク1上に局所的に堆積する。本実施形態では、遮光パターン12が形成された面とは反対側の面における基板11上に局所的に有機物が堆積して、透過率制御膜が形成される。
【0029】
図2は、チャンバ2内における有機物濃度と光透過率の低下量との関係を示す図である。図2では、横軸にエネルギービームの照射量を示し、縦軸に光透過率の低下量を示している。グラフCV1は有機物濃度が低い場合、グラフCV2が有機物濃度が中程度の場合、グラフCV3は有機物濃度が高い場合を示している。図2に示すように、有機物の濃度およびエネルギービームの照射量が大きくなれば、それだけマスク1上に堆積する有機物の膜厚が大きくなることから、光透過率の低下量も大きくなる。また、図2に示すような関係は、使用する有機物の種類により異なる。従って、予め使用する有機物に対し各濃度毎の照射量と透過率の低下量との関係を実験で求めておき、要求される透過率の低下量に応じて、有機物の最適濃度と最適照射量を設定することにより、透過率を自由にコントロールすることが可能となる。
【0030】
次に、本実施形態に係るパターン寸法制御方法の第1の例について、図3に示すフローチャートを参照して説明する。第1の例では、被露光体であるウエハへの照度分布を均一化してパターン寸法を制御する例について説明する。
【0031】
まず、露光装置による1ショット(1回の露光により照射される領域)内のウエハへの照度むらデータを測定する(ステップST1)。なお、この照度むらデータの測定自体は、従来公知の方法による。通常、ステッパあるいはステップアンドリピートスキャンシステム等では、1ショットの領域は、マスク1の全体が相当する。この照度むらデータの測定により、例えば、図4(a)に示すような照度むらデータが得られるとする。図4(a)では、1ショット(露光フィールド)Sh内のウエハへの照度分布を等高線20により表している。
【0032】
次に、図4(a)に示す円状の1ショットSh内のうち矩形領域21を取り出し、図4(b)に示すように当該矩形領域21をメッシュ状に例えば1mm角に分割し、例えば最も低い照度の位置に合わせるために、各位置において必要な透過率の変化量(低下量)を求める(ステップST2)。これにより、例えば、図4(c)に示すように、各位置における必要な透過率の低下量が得られる。
【0033】
次に、各位置毎に必要な透過率の低下量のデータに基づいて、チャンバ2内に充填する有機物濃度を決定し、各位置毎の最適な照射量を決定する(ステップST3)。なお、本実施形態の装置構成では、各位置毎に遠紫外線の照射量、すなわちマスクへの照射時間を変える。
【0034】
チャンバ2内に充填する有機物濃度を決定し、各位置毎の最適な照射量を決定した後、各位置毎に遮光板6を動作させて必要な時間だけエネルギービームとして遠紫外線を照射することにより、各位置毎に有機物の堆積膜厚を制御して所望の量だけ透過率を低下させる(ステップST4)。
【0035】
以上の処理がなされたマスク1をステッパあるいはステップアンドリピートスキャンシステムに設置して、レジストが塗布されたウエハを露光することにより、ウエハへの照度分布が均一となり精度が向上された回路パターンが転写される。
【0036】
以上のパターン寸法制御方法の第1の例によれば、露光における1ショット内のウエハに対する照度分布を均一にすることができ、ショット内のパターンの寸法の均一性を向上することができる。従って、デバイス特性の向上や、歩留りの向上を図ることができる。
【0037】
次に、本実施形態に係るパターン寸法制御方法の第2の例について、図5に示すフローチャートを参照して説明する。第2の例では、マスクを用いてウエハに複数回露光している際に、転写パターンの線幅の経時的な変動をモニタして、当該変動を解消する例について説明する。
【0038】
マスクを用いてウエハに露光する半導体製造工程において、1ショット内のウエハの転写パターンの線幅分布を定期的にモニタし(ステップST11)、線幅の劣化が許容できないレベルに達する手前で以下の処理を行う。なお、この線幅の測定自体は、従来公知の方法による。このモニタする線幅分布は、図4(b)に示すようにメッシュ状に分割した各位置に含まれる転写パターンの元の線幅からの誤差分布である。
【0039】
本例では、モニタされた1ショット内の転写パターンの線幅分布のデータに基づいて透過率を変化させる。これは、微小範囲内においては、図6に示すように、相対線幅(元の線幅からの誤差)と露光量(ウエハ面上での照度)は一次近似可能だからである。図6では、横軸に相対露光量を示し、縦軸に相対線幅を示している。例えば、ポジ型レジストを使用する場合には、遮光パターン12の形状に相当するパターンがウエハに転写パターンとして残る。従って、転写パターンの相対線幅が劣化(小さくなる)した場合には、実質的な相対露光量が大きいといえる。従って、透過率を低下させて相対露光量を小さくすれば、相対線幅の劣化が低減される。
【0040】
このように、線幅の誤差分布に基づいて、各位置毎の線幅誤差を露光量(露光照度)に変換した後(ステップST12)、例えば最も低い露光照度の位置に合わせるために、各位置において必要な透過率の変化量(低下量)を求める(ステップST13)。これにより、先と同様に、図4(c)に示すような、各位置における必要な透過率の低下量のデータが得られる。
【0041】
次に、各位置毎に必要な透過率の低下量のデータに基づいて、チャンバ2内に充填する有機物濃度を決定し、各位置毎の最適な照射量を決定する(ステップST14)。なお、本実施形態の装置構成では、各位置毎に遠紫外線の照射量、すなわちマスクへの照射時間を変える。
【0042】
チャンバ2内に充填する有機物濃度を決定し、各位置毎の最適な照射量を決定した後、各位置毎に遮光板6を動作させて必要な時間だけエネルギービームとして遠紫外線を照射することにより、各位置毎に有機物の堆積膜厚を制御して所望の量だけ透過率を低下させる(ステップST15)。
【0043】
以上の処理がなされたマスク1をステッパあるいはステップアンドリピートスキャンシステムに設置して、レジストが塗布されたウエハを露光することにより、ウエハに形成される転写パターンの線幅の誤差が低減されて精度が向上された回路パターンが転写される。
【0044】
以上のパターン寸法制御方法の第2の例によれば、露光における1ショット内におけるウエハのパターン誤差を低減することができ、ショット内におけるパターンの寸法の均一性を向上することができる。従って、デバイス特性の向上や、歩留りの向上を図ることができる。また、本例では、半導体製造のリソグラフィ工程において、転写パターンの寸法規格外が発生することによるリワークを低減することができ、生産性を向上することができる。
【0045】
次に、本実施形態に係るパターン寸法制御方法の第3の例について、図7に示すフローチャートを参照して説明する。第3の例では、マスク製造時においてマスク自体に発生した設計パターンからの寸法ばらつきを解消する例について説明する。
【0046】
マスク製造後に、マスクの線幅の誤差分布を測定し(ステップST21)、上記の誤差を解消すべく以下の処理を行う。なお、この線幅の測定自体は、従来公知の方法による。このモニタする誤差分布は、図4(b)に示すようにメッシュ状に分割したマスクの各位置に含まれる遮光パターンの設計パターンからの誤差分布である。
【0047】
本例では、マスクの製造における誤差分布のデータに基づいて透過率を変化させる。この原理については、図6を示して説明した第2の例と同様である。例えば、ポジ型レジストを使用する場合には、遮光パターン12の形状に相当するパターンがウエハに転写パターンとして残る。従って、遮光パターン12の線幅が小さい場合には、転写パターンの特に端部への露光量としては、実質的な相対露光量が大きくなるといえる。従って、透過率を低下させて相対露光量を小さくすれば、得られる転写パターンの線幅の縮小が低減される。
【0048】
従って、マスク自体のパターンの線幅の誤差分布に基づいて、各位置毎の線幅誤差を露光量(露光照度)に変換した後(ステップST22)、各位置において必要な透過率の変化量(低下量)を求める(ステップST23)。これにより、先と同様に、図4(c)に示すような、各位置における必要な透過率の低下量のデータが得られる。
【0049】
次に、各位置毎に必要な透過率の低下量のデータに基づいて、チャンバ2内に充填する有機物濃度を決定し、各位置毎の最適な照射量を決定する(ステップST24)。なお、本実施形態の装置構成では、各位置毎に遠紫外線の照射量、すなわちマスクへの照射時間を変える。
【0050】
チャンバ2内に充填する有機物濃度を決定し、各位置毎の最適な照射量を決定した後、各位置毎に遮光板6を動作させて必要な時間だけエネルギービームとして遠紫外線を照射することにより、各位置毎に有機物の堆積膜厚を制御して所望の量だけ透過率を低下させる(ステップST25)。
【0051】
以上の処理がなされたマスク1をステッパあるいはステップアンドリピートスキャンシステムに設置して、レジストが塗布されたウエハを露光することにより、ウエハに形成される転写パターンの線幅の誤差が低減されて精度が向上された回路パターンが転写される。
【0052】
以上のパターン寸法制御方法の第3の例によれば、マスクの製造誤差に起因するウエハへの転写パターンの誤差を透過率のコントロールによって低減することができ、ショット内寸法の均一性を向上することができる。従って、デバイス特性の向上や、歩留りの向上を図ることができる。また、第3の例によれば、マスク製造における遮光パターンの寸法の規格外れにより不良となっていたマスクの一部を救済することが可能となる。反対に、マスク製造時の寸法規格の緩和を図ることができ、総合的な生産性を向上させることができる。
【0053】
第2実施形態
図8は、本実施形態に係るパターン寸法制御装置の一例を示す概略構成図である。なお、第1実施形態のパターン寸法制御装置と同一の構成要素には、同一の符号を付しておりその説明は省略する。
【0054】
本実施形態では、有機物を供給する手段として、局所的にマスクの一部分にのみ有機物を供給する有機物供給ノズル8が設けられている。このため、第1実施形態における遮光板6は設けられておらず、チャンバ2はマスク1の全体を収容する構成となっている。
【0055】
また、マスク1の遮光パターン12の形成面側を保持する保持テーブル7が設けられており、保持テーブル7は、図示しない駆動機構によりチャンバ2内を平面方向に移動可能に構成されている。
【0056】
上記のパターン寸法制御装置では、ガス供給ノズル8からの有機物の供給により、局所的にマスク1の一部分における有機物濃度が高くなり、この部分にエネルギービーム照射手段5によりエネルギービームが照射されることにより、エネルギービームの吸収により照射領域における有機物がマスク1上に局所的に堆積する。本実施形態では、遮光パターン12が形成された面とは反対側の面における基板11上に局所的に有機物が堆積して、透過率制御膜が形成される。
【0057】
そして、マスク1を保持する保持テーブル7の移動により、マスク1の各位置にそれぞれ有機物を異なる膜厚で堆積させることができる。各位置毎の膜厚の調整は、例えば、エネルギービームの照射時間を各位置で変えることにより行う。なお、各位置において有機物供給ノズル8から供給される有機物濃度を変えることによっても堆積させる有機物の膜厚を調整してもよい。
【0058】
本実施形態に係るパターン寸法制御装置によっても、第1実施形態と同様に、第1〜第3の例のパターン寸法制御方法を実現することができる。また、局所的に有機物を供給することから有機物の使用量を少なくすることができる。
【0059】
第3実施形態
図9は、本実施形態に係るパターン寸法制御装置の一例を示す概略構成図である。なお、第1実施形態のパターン寸法制御装置と同一の構成要素には、同一の符号を付しておりその説明は省略する。
【0060】
本実施形態では、マスク1の遮光パターン12が形成された側に光量センサ9が取り付けられている。光量センサ9は、有機物の堆積により所望の透過率の低下量が得られているかを判断するために、マスク1を通過したエネルギービームの光量を測定する。すなわち、光量が小さくなれば、それだけ透過率が低下していることとなる。
【0061】
第1ないし第2実施形態では、予め使用する有機物に対し各濃度毎の照射量と透過率の低下量との関係を実験で求めておき、要求される透過率の低下量に応じて、有機物の最適濃度と最適照射量を設定することにより、透過率を自由にコントロールする例について図2を参照して説明した。
【0062】
本実施形態では、予め図2のような有機物の濃度毎の照射量と透過率の低下量との関係を求めておかなくても、エネルギービームを照射しながら、マスク1を通過するエネルギービームの照射量をリアルタイムにモニタすることにより、透過率が所望の量だけ低下するまでエネルギービームを照射することができ、所望の透過率の低下量が得られる。
【0063】
従って、本実施形態に係るパターン寸法制御装置によっても、第1実施形態と同様に、第1〜第3の例のパターン寸法制御方法を実現することができる。なお、第2実施形態においても、本実施形態のように、光量センサ9を設ける構成としてもよい。
【0064】
第4実施形態
図10は、本実施形態に係るマスクの構成の一例を示す断面図である。第1〜第3実施形態においては、マスクの基板11上に直接有機物を堆積させる例について説明した。本実施形態では、図10に示すように、パターン12,13が形成された面とは反対側の面を囲むペルクル等からなるカバー部材14を設け、このカバー部材14上に有機物を堆積させるものである。
【0065】
本実施形態に係るマスクを第1〜第3実施形態に使用することによって、例えば、カバー部材14を貼り直すことにより、ガラス等の基板11およびカバー部材14により定まる元の透過率の状態に復元することが容易となる。
【0066】
【実施例】
上述した本実施形態に係るマスク、パターン寸法制御方法およびパターン寸法制御装置の効果について検証した。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0067】
露光装置(ニコン製のNA0.55のKrFエキシマステッパ)は装置立ち上げ時に、0.5%の照度むらをもっていた。さらに、経時的に照度が変動したことにより、ウエハの転写パターンの仕上がり寸法が変化してしまった。この転写パターンは、250μm世代LSIのゲートパターンである。
【0068】
このときのショットSh内の寸法測定箇所M1〜M4を図11(a)に示し、各寸法測定箇所のパターンの相対線幅誤差を図11(b)に示す。なお、縦軸の相対線幅誤差は、ショットShのセンターCにおけるパターン寸法からの相対誤差を示したものである。
【0069】
そこで、定期的にモニタしている露光装置の照度むらデータに基づいて、ショット内線幅の均一化を実施した。実施前の照度むらは1.5%にまで悪化していた。なお、この照度むらは、照度の最も大きい部分と、照度の最も低い部分との差を示す。
【0070】
第1実施形態と同様にして、ショット内をメッシュ状に1mm角に分割し、角位置における照度の立ち上げ時との差から、各位置に必要な透過率の低下量を求めた。ここで使用したマスクは、図10に示すようにカバー部材14を装着したものを使用している。また、パターン寸法制御装置としては、図8に示す装置を用い、エネルギービーム照射手段5として、ArFエキシマレーザを用いた。
【0071】
そして、チャンバ2内に100ppm程度のMEK(Methyl−ethyl−ketone)を充填させ、これに5Wの照度パワー、1mmのビームスポットを有するArFエキシマレーザ光を、1mmステップで保持テーブル7を逐次移動させながら、最大照射位置で1300J/cm2 にて照射した。これらの実施により、装置立ち上げ時と同じ、0.5%まで照度むらを低減することができ、本実施形態の効果が確認された。
【0072】
本発明は、上記の実施形態の説明に限定されない。
例えば、チャンバ2内に充填する有機物の種類には特に限定はなく、また、有機物の堆積により透過率をコントロールして転写パターンの寸法を制御する限りにおいて、転写パターンの線幅を劣化させる種々の原因に対応可能である。
その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能である。
【0073】
【発明の効果】
本発明のマスクによれば、光透過パターンの透過率を制御することによって転写パターンの寸法を制御することができる。
【0074】
本発明のパターン寸法制御方法およびパターン寸法制御装置によれば、マスク毎に光透過パターンの透過率を制御することにより転写パターンの寸法を制御し、被露光体への照度分布に起因する転写パターンの寸法ばらつきの低減や、マスク自体の寸法ばらつきに起因する転写パターンの寸法ばらつきを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係るパターン寸法制御装置の一例を示す概略構成図である。
【図2】有機物濃度と光透過率の低下量との関係を示す図である。
【図3】パターン寸法制御方法の第1の例を示すフロー図である。
【図4】ショット内の照度むらの測定から各位置における透過率変化量を求めるまでを説明するための図である。
【図5】パターン寸法制御方法の第2の例を示すフロー図である。
【図6】相対線幅と相対露光量との一次関係を示す図である。
【図7】パターン寸法制御方法の第3の例を示すフロー図である。
【図8】第2実施形態に係るパターン寸法制御装置の一例を示す概略構成図である。
【図9】第3実施形態に係るパターン寸法制御装置の一例を示す概略構成図である。
【図10】第4実施形態に係るマスクの構成の一例を示す断面図である。
【図11】実施例を説明するための図である。
【符号の説明】
1…マスク、2…チャンバ、3…有機物供給口、4…排気口、5…エネルギービーム照射手段、6…遮光板、7…保持テーブル、8…有機物供給ノズル、9…光量センサ、11…基板、12…遮光パターン、13…光透過パターン、14…カバー部材、Sh…1ショット領域、20…等高線、21…矩形領域、M1,M2,M3,M4…寸法測定箇所。
Claims (10)
- 光透過パターンを有し、前記光透過パターンを通過した光により被露光体に前記光透過パターンに相似な転写パターンが転写されるマスクであって、
前記光透過パターンの透過率が局所的に低下され、前記転写パターンの寸法が制御されている
マスク。 - 前記光を透過させる基板と、
前記基板の一方の面に形成された遮光パターンとを有し、
前記光透過パターンは、前記遮光パターンを除く領域により規定され、
前記基板の他方の面に、前記光透過パターンの透過率を低下させる透過率制御膜が局所的に形成されている
請求項1記載のマスク。 - 前記光を透過させる基板と、
前記基板の一方の面に形成された遮光パターンと、
前記基板の他方の面側を取り囲むカバー部材とを有し、
前記光透過パターンは、前記遮光パターンを除く領域により規定され、
前記カバー部材に、前記光透過パターンの透過率を低下させる透過率制御膜が局所的に形成されている
請求項1記載のマスク。 - 被露光体に対し光透過パターンを有するマスクを介して光を照射する露光工程において前記被露光体に形成される、前記光透過パターンと相似な転写パターンの寸法を制御するパターン寸法制御方法であって、
前記光透過パターンの透過率を低下させる透過率制御膜を前記マスクに局所的に形成することにより、前記転写パターンの寸法を制御する
パターン寸法制御方法。 - 前記マスクは、前記光を透過させる基板と、前記基板の一方の面に形成された遮光パターンとを有し、前記光透過パターンは、前記遮光パターンを除く領域により規定されており、
前記透過率制御膜を形成する工程において、前記基板の他方の面を有機物雰囲気下にさらした状態において、エネルギービームを照射することにより前記基板の他方の面に局所的に有機物を堆積させる
請求項4記載のパターン寸法制御方法。 - 前記マスクは、前記光を透過させる基板と、前記基板の一方の面に形成された遮光パターンと、前記基板の他方の面側を取り囲むカバー部材とを有し、前記光透過パターンは、前記遮光パターンを除く領域により規定されており、
前記透過率制御膜を形成する工程において、前記カバー部材を有機物雰囲気下にさらした状態において、エネルギービームを照射することにより前記カバー部材に局所的に有機物を堆積させる
請求項4記載のパターン寸法制御方法。 - 前記透過率制御膜を形成する工程の前に、前記被露光体への前記光の照度分布を測定する工程をさらに有し、
前記透過率制御膜を形成する工程において、前記照度分布に基づいて、前記被露光体への前記光の照度分布を均一化するように、局所的に前記透過率制御膜を形成する
請求項4記載のパターン寸法制御方法。 - 前記透過率制御膜を形成する工程の前に、前記マスクを用いて前記被露光体に前記転写パターンを転写する工程と、前記転写パターンに基づいて設計パターンからの寸法の誤差分布を算出する工程とをさらに有し、
前記透過率制御膜を形成する工程において、前記誤差分布に基づいて、前記設計パターンからの前記誤差を低減するように、局所的に前記透過率制御膜を形成する
請求項4記載のパターン寸法制御方法。 - 前記透過率制御膜を形成する工程の前に、前記マスクの前記光透過パターンの寸法を測定する工程と、前記光透過パターンの寸法に基づいて設計パターンからの寸法の誤差分布を算出する工程とをさらに有し、
前記透過率制御膜を形成する工程において、前記誤差分布に基づいて、前記設計パターンからの前記誤差を低減するように、局所的に前記透過率制御膜を形成する
請求項4記載のパターン寸法制御方法。 - 被露光体に対し光透過パターンを有するマスクを介して光を照射する露光工程において前記被露光体に形成される、前記光透過パターンと相似な転写パターンの寸法を制御するパターン寸法制御装置であって、
前記マスクに有機物を供給する有機物供給手段と、
前記有機物にさらされた前記マスクの領域に、前記有機物に吸収される波長のエネルギービームを照射するエネルギービーム照射手段と
を有するパターン寸法制御装置。
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JP2003057520A JP2004264779A (ja) | 2003-03-04 | 2003-03-04 | マスク、パターン寸法制御方法およびパターン寸法制御装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008192845A (ja) * | 2007-02-05 | 2008-08-21 | Toshiba Corp | Euvマスクの製造方法及びそのマスクを用いた半導体装置の製造方法 |
US7904851B2 (en) | 2006-07-25 | 2011-03-08 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Photomask manufacturing method and semiconductor device manufacturing method |
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2003
- 2003-03-04 JP JP2003057520A patent/JP2004264779A/ja active Pending
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