JP2004261608A - 運動支援装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 健康づくりのために適切と考えられる運動を、使用者の体調を考慮に入れた上で処方することのできる運動支援装置を簡易な構成で提供する。
【解決手段】 運動実施前は、脈波センサ4で検出した脈波を携帯部70から定置部80へ転送し、定置部80は、該脈波の加速度脈波から生体の状態を抽出するとともに、これから行う運動の目標値を決定して使用者へ処方する。運動中は携帯部70と定置部80を切り離し、携帯部70で脈拍数等を計測して作業メモリ3へ蓄積すると共に、上記処方に従って運動の指導を行う。運動実施後は、脈波センサ4で検出した脈波と蓄積データを携帯部70から定置部80へ転送し、定置部80側は運動実施前と同様に生体の状態を抽出し、運動前後の生体の状態から使用者の体調を評価し、該結果をもとに以後の運動の処方内容を調整する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、健康づくりのために適切と考えられる運動の処方を行う運動支援装置に関する。
近年、高齢化社会が一段と進み、成人病を中心とした中高年者の健康問題が大きく取り上げられてきており、これら疾病の原因として巷間さまざまな要因が挙げられている。それら原因の一つとして、血液循環が十分でなくなったことに起因すると見られる証拠が発見されている。血液循環が不充分になると、組織,細胞が、必要とするだけの酸素や栄養の補給を受けられなくなる。このような状態が長期間持続すると、臓器や組織に器質的な病変が準備され、これがある程度進行した時点で、突如のごとく症状が発現する。
このようなことから、器質的な病変が進行してしまわないうちに、その基盤となる血液循環の良否を判定して疾病の予防に役立てようとする試みが種々なされてきた。そのようなことから、以前は、危険因子として血圧,心電図の変化,血中コレステロール,中性脂肪濃度などに着目して血液循環の良否を判定していた。
ところが、実際には、血圧が低くとも脳卒中,心不全が発病することも少なくなく、他方、高血圧であっても高齢でなお健在の人もいる。さらに、かなりの器質的変化があっても心電図等で発見されないことも多い。このような場合でも、さらに器質的変化が進行すれば検査器械で発見することは可能であるが、それでは遅きに失することとなる。
そうした所、近年において、加速度脈波が血液循環の良否を表わすものとして有効であることが見い出されて注目を集めている。そこでまず、血液循環の目安となる加速度脈波について概説する。周知のように、血液循環の基本は、心臓から押し出された血液が動脈→組織/臓器の毛細血管→静脈へと如何にうまく移行していくかにある。
一方、酸素や栄養の補給は毛細血管で行われており、血液循環の良否は微小血管部分の血行動態に関わりがあることから、毛細血管の血液含有量の推移が血液循環の良い目安となると考えられる。というのは、末端の動脈血圧と静脈血圧との僅かな差が毛細血管における栄養補給とガス交換に微妙な差を生じさせ、そのために、長い間にはその差が拡大されて、組織や臓器に器質的な病変が生じると考えられるからである。
そのため、毛細血管の血液含有量の時間的推移を観察する方法の一つとして、指尖容積脈波の検査を行うことが主流となっている。しかしながら、指尖容積脈波それ自体は比較的起伏に乏しい波形を呈し、従って、微妙な波形の変化の解釈が困難であると考えられていた。また、血液循環に関わる変化が微小で、なおかつ、生体の環境変化に敏感に反応してしまうという問題もあるとされていた。
ところが、指尖容積脈波の波形の2回微分をとり、変化加速度波形(即ち、加速度脈波波形)へと変換することで、血液循環に関わる情報を拡大,抽出して血液循環の状態を分かりやすい形で表示することが可能となる。図25(a)は指尖容積脈波の原波形の一例であって、図25(b)は図25(a)の波形の1回微分である速度脈波の波形を示しており、図25(c)は図25(a)の波形の2回微分である加速度脈波の波形を示している。
また、図26は典型的な加速度脈波の一波形を抽出したものである。同図に示すように、加速度脈波の一波形中には3つのピークと2つのバレイ(谷)が存在する。すなわち、最初のピークaの後にバレイbが見られ、次いでピークc,バレイd,ピークeが続き、ピークeから次の波形のピークaまでは略平坦である。もっとも、ピークaを除けば、各点はピークやバレイとはならずに単なる変曲点となることもある。
ここで、上記のピークやバレイの振幅は、それぞれ以下に示すような意味を有している。まず、ピークaは心臓から送り出された血液が指尖の毛細血管床に到達した信号である。また、バレイbは心臓の拍出量に関わるものであって、拍出量が多ければ大きく下降する。
また、ピークcは静脈還流に関わり、血液循環の尺度から見た場合、細静脈が適度に収縮して過度に血液をプールしていないかどうかを示すものと言える。静脈還流が良好な場合、ピークcは基線の近傍或いは基線より上に上がることもある。一方、細静脈の血液プールが増加してくると、ピークcは上昇しなくなり、バレイbより下になることもある。
他方、バレイdは心臓の負担に関わりを持ち、心臓の負担が増加してくると大きく下降してくる。なお、ピークeは指尖容積脈波の収縮後***の位置に相当するが、具体的な意味は見つかっていない。
このような加速度脈波から捉えられる血液循環の不具合は、ジョギングなどの持久的トレーニングによって改善されることが知られている。また、一回のトレーニングだけでも一時的な改善効果が見られ、継続的なトレーニングを実施すれば、さらに安定した改善効果が認められるようになる。他方、トレーニングを中断すると再び血液循環が悪化してしまう。従って、このような血液循環の改善の程度については、加速度脈波を解析することにより知ることができると言える。
ところで、いま説明したような加速度脈波を運動に応用した技術として特開平8−10234号公報(発明の名称:運動量測定装置)が挙げられる。この文献では、トレッドミルや自転車エルゴメータなどを用いて被験者に健康増進のための運動を行わせ、実施した運動が被験者に与える影響を測定するものである。そのために、加速度脈波波形から算出される波形代表値と呼ぶ情報を運動の前後でそれぞれ測定し、これら波形代表値の差分を表示させるようにしている。また、被験者が運動中は、運動中の各時点における波形代表値と予め決めておいた波形代表値とを比較して、これら波形代表値の差が例えば被験者にとって限界負荷になるような値に到達した時点で運動を中止させるようにしている。
以上のように、健康づくりのためには血液循環を良好な状態に保つ必要があり、そのためには適度な運動を行って、良好な状態をなるべく長期間に亘って維持することが肝要である。しかしながら、上記の文献に記載されたような装置を用いることには問題がある。
すなわち、運動中に正確な脈波波形を測定することは非常に困難だということがわかっているからである。したがって、運動中に測定される加速度脈波をもとに被験者の運動をコントロールしようとしてもうまくゆかず、結局のところ、適度な運動を行わせるという目標は達成しえない。ちなみに、本発明者が上記文献に記載された構成を用いて行った実験により、脈波が正しく測定できないことが確認されている。これは、例えばトレッドミルで運動を行う際、センサーを取り付けた手の部分を固定するように構成しても同じである。
また、上記のような装置では、加速度脈波から抽出した情報を単に被験者へ提示するだけであることから、専門の医師や医師から教育を受けた看護婦が付き添っている必要があった。ところが、毎日多数の患者が運動を行う度に、その結果を医師や看護婦が評価して次に実施すべき運動を患者たちへ指導するなどというのは、医師や看護婦の負担が過大になりすぎ、医療の実態にそぐわないものと言える。
とは言っても、専門の医師や看護婦が付き添わずに、装置の使用者自らが血液循環の良否を判断することは非常に煩わしく不便である。また、医師らの立ち会いなしに運動を行っても、医師が立ち会っていれば指導したであろう運動と同程度の質の運動を確実に実施できる保証は全くなく、運動が弱すぎて効果が出なかったり、反対に、運動が強すぎて逆効果になるなど様々な問題が生じる。
他方、2〜3週間に一遍でも医師の指導を仰ぐように指導したとしても、医師の所まで足を運ぶのが億劫となって定期的な指導を行うのもままならない恐れもある。このように、従来からある装置を用いた場合、効果的な運動の指導を行えるかどうか大いに疑問があった。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、健康づくりのために適切と考えられる運動を、使用者の体調を考慮に入れた上で処方することのできる運動支援装置を簡易な構成で提供することにある。
以上の課題を解決するために、請求項1記載の発明は、使用者が実施する運動の目標値を設定する目標設定手段と、前記使用者の健康状態を示す指標をもとに前記目標値を補正する目標補正手段と、第1の通信手段とが組み込まれた機器本体と、前記目標値を前記使用者へ告知する告知手段と、前記使用者から生体の状態を測定する測定手段と、前記第1の通信手段と双方向通信が可能な第2の通信手段とが組み込まれた携帯機器とを有し、前記第1ないし第2の通信手段により前記目標値を授受し、運動終了の指示がなされると、前記第2の通信手段は、前記測定手段により検出された生体の状態を前記第1の通信手段に送出し、前記目標補正手段は、送出された生体の状態から前記指標を算出して、算出した指標をもとに前記目標値を補正することを特徴としている。
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記目標値は、運動中の脈拍数,1回の運動当たりの運動時間,運動の頻度のうちの少なくとも一つからなることを特徴としている。
また、請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明において、前記使用者から脈拍数を測定する脈拍測定手段と、運動開始の指示がなされると、前記脈拍測定手段が測定した脈拍数が前記運動中の脈拍数の目標値を含む所定範囲内にあるように前記使用者へ指導を行う指導手段とを有することを特徴としている。
また、請求項4記載の発明は、請求項1ないし3の何れかの項記載の発明において、前記目標設定手段は、前記使用者から与えられる年齢および性別に基づいて前記目標値の初期値を決定することを特徴としている。
また、請求項5記載の発明は、請求項1ないし4の何れかの項記載の発明において、前記測定手段は、前記使用者から脈波を検出する脈波検出手段を有し、該脈波から前記生体の状態を取り出すことを特徴としている。
また、請求項6記載の発明は、請求項5記載の発明において、前記指標は、隣接する脈波の時間間隔の変動に対してスペクトル分析を行った結果得られるスペクトル成分の振幅値であることを特徴としている。
また、請求項7記載の発明は、請求項5記載の発明において、前記指標は、隣接する脈波の時間間隔の変動に対してスペクトル分析を行った結果得られる低周波のスペクトル成分の振幅値と高周波のスペクトル成分の振幅値の比であることを特徴としている。
また、請求項8記載の発明は、請求項5記載の発明において、前記指標は、隣接する脈波の時間間隔の変動量が所定時間を越える個数であることを特徴としている。
また、請求項9記載の発明は、請求項5記載の発明において、前記脈波に対する加速度脈波を算出する加速度脈波算出手段を有し、前記指標は、前記加速度脈波に現れる複数のピークと複数のバレイの中から選択された2つのピーク或いはバレイの振幅比であることを特徴としている。
また、請求項10記載の発明は、請求項9記載の発明において、前記指標は、前記加速度脈波に現れる第2のバレイの振幅値を第1のピークの振幅値で除した振幅比であることを特徴としている。
また、請求項11記載の発明は、請求項9又は10記載の発明において、前記使用者が実施した運動に対する運動量を算出する運動量算出手段を有し、前記目標補正手段は、前記運動量と前記振幅比をもとに、前記運動による前記使用者の状態変化を評価し、該評価の結果をもとに前記運動の目標値を補正することを特徴としている。
また、請求項12記載の発明は、請求項1ないし11の何れかの項記載の発明において、前記測定手段は前記生体の状態を測定するセンサーを有し、該センサーを前記携帯機器へ取り付ける第1の接合部材と前記第2の通信手段を前記携帯機器へ取り付ける第2の接合部材とを、前記携帯機器に設けられたコネクタ部へ着脱自在に取り付けたことを特徴としている。
また、請求項13記載の発明は、請求項1ないし12の何れかの項記載の発明において、所定期間にわたる運動を実施する度に再評価される前記使用者の運動能力に基づいて、前記運動目標値の初期値を新たに設定する手段を有することを特徴としている。
請求項1,2,4〜6,8記載の発明によれば、運動の目標値を設定して使用者へ告知するとともに、使用者から得た生体の状態をもとに随時目標値を補正するようにしたので、その時々の使用者の体調や運動能力の改善具合に応じた運動の処方が可能となるとともに、専門の医師や医師から教育を受けた看護婦が付き添うことなく、体調の改善,健康維持を無理なく実践できるという効果が得られる。また、第1ないし第2の通信手段によって2つの機器の間で必要な情報を通信するようにしたので、高速な演算や多量のメモリーを要する処理などを、携帯機器の外部に設けた機器で実行でき、携帯機器の構成を簡易なものにできるという効果が得られる。
また、請求項3記載の発明によれば、運動開始の指示がなされると、測定された脈拍数が目標値を含む所定範囲内にあるように指導を行うので、過度に強い運動をしたり効果的でない運動を漫然と行うことなく、効率的な運動を無理なく行って健康状態の改善,維持を図ることができるという効果が得られる。また、請求項7記載の発明によれば、隣接する脈波の時間間隔の変動のスペクトル分析から得られる低周波及び高周波のスペクトル成分の振幅比を生体の状態としたので、運動の処方を行う上で、個人差によるばらつきを排除できるという効果が得られる。
また、請求項9又は10記載の発明によれば、加速度脈波に現れる複数のピークと複数のバレイの中から選択された2つのピーク或いはバレイの振幅比を生体の状態としたので、血液循環の状態を端的に表わす指標によって運動の処方を行うことができるという効果が得られる。また、請求項11記載の発明によれば、実施した運動の運動量と加速度脈波から得られる振幅比とから運動を評価して新たな運動の目標値を補正するようにしたので、上記の振幅比から推定される使用者の状態が、実施した運動の運動量に依存するという特性をも考慮した精密な運動処方を行うことができるという効果が得られる。
また、請求項12記載の発明によれば、センサー及び第2の通信手段のそれぞれを携帯機器へ取り付けるための接合部材を、携帯機器に設けたコネクタ部へ着脱自在に取り付け可能としたので、コネクタ部分をコンパクトに作製できるとともに、必要に応じてセンサーや第2の通信手段を携帯機器へ繋いで使用すれば良いという効果がある。
また、請求項13記載の発明によれば、所定期間にわたる運動を実施する度に再評価される運動能力をもとにして運動目標値の初期値を新たに設定するので、医師等の運動処方の専門家の指導の下に、使用者の運動能力の向上に見合った最適な運動処方を実現できるという効果が得られる。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態について説明する。
まず初めに、健康づくりのためにはどのような運動が好ましいものであるかを説明する。健康づくりの観点からすると、実施すべき運動の運動強度は強ければ強いほど良いというものではなく、また、運動時間についても長ければ良いというものでもない。過度の運動はかえって健康を害することとなる。
このようなことから、健康づくりに適した運動のための研究がなされ、近時、最大酸素摂取量と呼ばれる指標が健康状態の目安となるとともに運動強度の設定に重要な役割を果たすことがわかってきている。最大酸素摂取量は1分間に摂取可能な酸素の最大量で定義され、各個人が有する運動能力を評価するための絶対指標となりうる。なお、実用上は、最大酸素摂取量の値を体重1キログラム当たりに換算した値が一般的に用いられる。
そして、健康維持の観点からは最大酸素摂取量を所定の維持目標値以上に保つことが推奨されている。このような目標値として、例えば図2に示すように性別及び年齢を基準に定めたものが用いられる(出典:運動所要量の適用方法とその効果測定に関する研究及び健康づくりのために適した運動時間,運動強度,運動頻度に関する研究、平成元年,2年,3年度厚生科学研究補助金 NO.00209065,NO.00264886,NO.00464607)及び健康体力づくり事業財団委託研究)。
ところで、この維持目標値を安全に獲得し維持するためには、運動中に呼吸によって酸素を取り込みながらエネルギーを発生させる有酸素運動が適当とされている。有酸素運動を維持するためには、運動強度を最大酸素摂取量の70%以下に抑えることが必要である。さらに、どの程度の運動強度が適切であるかは見解が種々あるが、本発明者は運動強度を各個人の最大酸素摂取量の50%に設定するのが望ましいと考えている。
このように、運動強度を最大酸素摂取量の50%に設定する利点として以下のような点が挙げられる。第1に、この程度であればきつい運動とは言えず、運動中も精神的に余裕がある。第2に、もっと強い運動に比べて脂質代謝の活性化に適している。第3に、心臓の酸素不足が起こりにくいことから安全度が高く、血圧が危険なほど上がる恐れがない。第4に、脚の筋肉や関節を痛めることが殆どなく、疲労物質である乳酸の生成も少ないことから、長時間運動を継続することができる。
また、運動強度を最大酸素摂取量の50%とした場合に、目標となる運動量,すなわち健康づくりのための望ましい運動所要量,は図3のようになる。この図の場合では、安静時の心拍数(≒脈拍数)がおおよそ70拍/分の平均的な人間を対象に、1週間当たりに実施すべき運動時間の合計と目標となる心拍数とが示されている。例えば、心拍数を110拍/分に保った運動を1週間に140分だけ実施すれば、最大酸素摂取量の値は60歳代の目標値(図2を参照のこと)である37[ml/kg/分](男性)或いは31[ml/kg/分](女性)に到達することを意味している。加えて、図3からわかることは、運動強度を最大酸素摂取量の50%に固定するとした場合、最大酸素摂取量の到達水準が1週間当たりの運動時間と正比例することである。
一方、個々の運動の運動時間に着目した場合、身体が有酸素運動として反応するための時間を考慮して少なくとも10分間以上は継続して運動する必要がある。また、1日の合計の運動時間としては20分以上、週当たりで言えばその頻度(運動の回数)は3回以上(より望ましくは毎日)が良い。
以上をまとめると、年齢,性別に応じた適度な運動強度で、なおかつ、週当たりに必要とされる運動時間だけ運動を行うようにするのが望ましく、その結果として最大酸素摂取量を望ましい目標値にまで引き上げて行くのが良い。
このような基準の下になされたトレーニングによる運動強度の推移を図4に示す(出典は上述した健康づくりに関する文献である)。同図(a)は %Vo2max/wtの推移を示しており、横軸がトレーニング期間,縦軸が %Vo2max/wtの値である。ここで、Vo2maxとは最大酸素摂取量のことであり、%Vo2maxは最大酸素摂取量に対する各運動時点での酸素摂取量の割合を意味している。さらに、%Vo2max/wtは%Vo2maxの値を体重(kg)当たりに換算した値である。また、同図(b)は体重当たりの最大酸素摂取量 Vo2max/wt及びトレーニング強度のトレーニングによる時間推移を示しており、横軸がトレーニング期間,縦軸が絶対的な運動強度である。ここで、縦軸の単位は mets〔metabolic equivalents〕であり、エネルギー代謝の絶対的評価の単位として用いられる。なお、被験者は男性であり、最大酸素摂取量の50%に相当する運動強度を一週間当たり180分間実施させている。
同図(a)に示すように、トレーニング開始時点である0週目では50%の運動強度に設定されている。そして、この運動強度に相当する運動強度でトレーニングを積み重ねてゆくと、徐々にその人の運動能力が向上してゆくため、同図(b)に示すように Vo2max/wtの値が向上してゆく。したがって、トレーニングしている人間にとっては運動が軽いものになるから、運動中の脈拍数などが下がってゆく。すなわち、同図(a)中の0〜10週に示されるごとく相対的運動強度が低下してゆき、10週目ではその値が40%程度になる。
そこで、運動能力の向上に合わせた適切なトレーニングを実施するために、10週目の段階で、向上した運動能力に対応した新たな最大酸素摂取量の50%を運動の目標値に再設定する。すなわち、同図(b)に示すように、トレーニング強度がより高い運動強度に設定し直される。そしてこれ以後は、上記と同様にして、トレーニングを10週間実施する毎に、向上した運動能力(最大酸素摂取量)に応じて運動の目標値を再設定し、新たな目標値でトレーニングをしてゆく。したがって、%Vo2max/wt は同図(a)に示すように10週毎にジグザグに変動する一方、Vo2max/wt はトレーニングが進むにつれて増加してゆく。しかしながら、運動能力には所詮限界があることから、図中の40週目になると、%Vo2max/wtとVo2max/wtの何れもが、30週目から変化が見られなくなる。そこで、これ以後は30週目に設定した運動強度でトレーニングを継続させてゆくことになる。
以上のように、本発明では、長期的に見た場合に、
(1)運動の目標値の処方
(2)所定期間にわたるトレーニング
(3)トレーニングによる運動能力の評価
(4)評価結果に基づく新たな目標値の設定
の一連のサイクルから成り立つ。これらのうち、(3)〜(4)については各トレーニングの間(例えば10週間ごと)に、医者と患者の間,或いは,トレーニングを行う選手とコーチとの間で話し合いが持たれ、医師なりコーチなりが患者或いは選手の運動能力を再評価するとともに、目標値の再設定を行うようにする。
ところで、上述したような運動所要量はあくまで平均的な人間を基準とした標準値であって、実際には、各個人にとっての運動所要量は年齢,性別のほか健康の程度,生理的状態等によっても異なってくる。このようなことを踏まえ、本発明では、加速度脈波などから得られる生体の状態を用いて人体の健康状態の程度を評価し、この評価結果を勘案した運動目標値を調整することで、個体差や体調をも考慮した運動の処方を可能にし、以て健康づくりのために適切な運動の指導を行ってゆくものである。
すなわち、図4の例で言うと、原則として10週間は医師やコーチの指導を受けずにトレーニングすることになるから、その期間中は指示された一定の運動目標値に従うことになる。しかしながら、いま述べた理由から、患者や選手の体調等を考慮して、運動時間,運動強度,頻度の各目標値を微妙に調整するのである。そのために、短期的に見た場合、本発明に係る装置により、
(1)処方に従ったトレーニング
(2)トレーニングによる健康状態の評価
(3)評価結果に基づいた目標値の微調整
(4)微調整後の目標値の処方(告知)
という一連のサイクルが例えば上記10週間のうちに行われる。
例えば、運動時間を例にとると、図5に示すように体調の良否等に応じて運動時間の目標値が変化することになる。これは運動時間以外の要素である運動強度や頻度についても同様である。さらに、この微調整は毎週或いは毎日行うのは勿論のこと、1日のうちに何回かトレーニングを実施する場合にも行うのであって、例えば15分なり20分なりのトレーニング毎に、次の運動の目標値を微調整してゆくのである。
〈第1実施形態〉
まず初めに、本実施形態で用いる加速度脈波波形の特徴について述べることとする。図6(a)には色々なタイプの加速度脈波波形を示してある。血液循環が良好な場合、ピークaに対してバレイbは大きく下降し、ピークcは基線の近傍まで上昇し、バレイdの下降が少ない波形(同図(1)又は(2))が見られる。一方、血液循環が不十分になってくると、心臓の負担が増加してバレイbとバレイdが同じ程度(同図(3))となる。さらに、本格的に血液循環が悪くなってくると、バレイdがバレイbより下となる波形(同図(4))、ピークcがバレイbと同位置となる波形(同図(5))、ピークcがバレイbより下になる波形(同図(6))などに変容する。
測定した加速度脈波が、図6(a)の(1)〜(6)の何れのパターンに属するかの判断基準としては、図6(b)に示すように、ピークaの振幅とこれ以外のピーク或いはバレイの振幅との比を用いることが考えられる。
まず、バレイdとピークaの振幅比d/aを基準とする場合、この値が10%以内であればパターン(1),10〜35%であればパターン(2),35〜60%であればパターン(3),60〜100%であればパターン(4)乃至(6)に区分される。
一方、ピークcとピークaの振幅比c/aを基準とする場合、この値が−10%以内であればパターン(1),10〜15%であればパターン(2),−15%以内であればパターン(3),0〜20%であればパターン(4),20〜40%であればパターン(5),40%以上であればパターン(6)に区分される。もっとも、パターン(2)〜(4)は互いに範囲が重複するため、パターン(4)〜(6)のみの区別に使用するか、振幅比d/aの値と組み合わせて用いることになる。なお、振幅比が負となることがあるが、これは、ピークcやバレイdが基線の上側に位置していることを意味する。
ここで、ある一人の使用者に着目した場合、当該使用者の加速度脈波の波形がパターン(1)に近いほど健康状態は良好であると言え、逆に、パターン(6)に近いほど健康状態は悪いという傾向が見られる。このように、加速度脈波の波形を見ることによって使用者の健康状態を推知することができ、例えば、虚血性心疾患(心筋梗塞や狭心症)或いは脳血管障害(脳卒中やくも膜下出血)の発生の予知にも有用であると考えられる。
一方、使用者の年齢と加速度脈波との関連を調べてみると、加齢に従って加速度脈波の波形がパターン(1)からパターン(6)へと移行してゆく傾向が見られる。そこで、使用者から測定した加速度脈波の波形が、その人の年齢から推定される加速度脈波の波形に比べて極端にパターン(6)側へ偏っているようであれば、やはり上記のような疾病の前兆を示すものであると推断することができる。
次に、本実施形態による運動支援装置の構成を説明する。図1は、同装置の構成を示すブロック図であって、大きく分けて2つのブロックから構成されている。第1のブロックである携帯部70は腕時計などの携帯機器に組み込まれ、運動の実施前及び実施後において次に述べる定置部80と協同して加速度脈波の測定を行うとともに、運動を実施中は脈拍数を測定し、使用者に対して適宜運動の指導を行う。
これに対し、第2のブロックである定置部80は所謂パーソナルコンピュータであって、脈波の解析,運動の処方といった携帯部70で処理するには負担が大きい複雑な処理を扱う。そして、図1或いは図7に示すように、携帯部70と定置部80の間は着脱自在の通信ケーブルCBによって接続されている。
また、これら携帯部70,定置部80の役割をより詳しく言うと、運動実施前には携帯部70と定置部80とを接続した状態で加速度脈波の測定を行うとともに、使用者に対してこれから実施する運動に関する処方を定置部80側で行う。次に、運動中は定置部80を切り離し、携帯部70だけで脈拍数を測定し、処方された運動を忠実に遂行するように適宜指導を行う。そして運動実施後は、再び、携帯部70と定置部80とを接続して加速度脈波を測定するとともに、運動中に携帯部70で測定したデータを定置部80側へ転送し、これらデータをもとに定置部80が使用者の健康状態を評価し、この評価結果に基づいた運動処方の調整を必要に応じて行う。
次に、携帯部70を構成する各回路について説明を行う。図1において、プロセッサ1は携帯部70内部の各回路を制御する中枢部であって、その機能については後述する動作の項にて説明する。
ROM(リードオンリーメモリ)2にはプロセッサ1が実行する制御プログラムや各種の制御データ等が格納されている。
作業メモリ3は、次に述べる脈波センサ4から取り込んだ計測データ,当該計測データの取り込み時刻,取り込んだ脈波から算出される脈拍数,運動開始時点からの総運動量等が格納される。
脈波センサ4は、使用者の手の指などに装着された光学式のセンサである。この脈波センサ4の構造例として、発光ダイオードと、フォトトランジスタ等を用いた光センサとから構成したものが考えられる。そして、発光ダイオードから放射された光が、指尖部等の血管を介して反射され、光センサにて受光されて光電変換された結果、脈波検出信号が得られる。なお、信号対雑音(SN)比を考慮した場合、発光ダイオードには青色光の発光ダイオードを用いると良い。
センサインターフェイス5は、脈波センサ4の出力を所定時間間隔で取り込み、得られるアナログ信号をデジタル信号へ変換して出力する。
操作部6は、使用者が携帯部70に対して加速度脈波の測定指示,脈拍数測定指示等を行うためのもので、例えば腕時計に設けられたボタンスイッチ等で構成されている。
表示装置7は例えば腕時計に設けられた液晶表示装置であって、計測した脈拍数や運動開始時点からの総運動量のほか、これから実施する運動のための処方内容なども表示される。そのために、表示制御回路8はプロセッサ1から表示情報を受け取り、これを表示装置7に適したフォーマットへ変換して表示装置7上に表示を行う。
外部インターフェイス9は、携帯部70の外部に設置された定置部80とのデータ交換を行うための回路であって、例えば携帯部70と定置部80との間をシリアル伝送で実現する場合は、シリアルデータとパラレルデータとを相互に変換する変換回路から構成される。
時計回路10は、通常の計時機能を有するものであり、その出力は測定したデータの計測時刻として用いられる。さらに時計回路10は、プロセッサ1が予め設定した時刻に達した時点或いはプロセッサ1が予め設定した時間が経過した時点で、当該プロセッサ1へ割り込み信号を送出する機能を有している。
次に、定置部80を構成する各回路を説明する。CPU(中央処理装置)11は定置部80内部の各回路を制御する中枢部であって、その機能に関しては後述する動作の項にて説明する。ちなみに、このCPU11は、後述するように様々な解析処理を短時間に実行する必要があるため、携帯部70に設けられたプロセッサ1に比べて高性能なものが採用されている。
ROM12にはCPU11が実行する制御プログラムや各種の制御データ等が格納されるほか、図2ないし図3に示されているような、望ましい運動を実現するための規準となる目標値が格納されている。
RAM(ランダムアクセスメモリ)13は、CPU11のための作業領域を提供するほか、携帯部70からアップロードされた各種データ等が所定期間にわたって蓄積される。したがって、RAM13は携帯部70に設けた作業メモリ3に比較すると大容量の記憶素子から構成される。
キーボード16は、定置部80に対して使用者がコマンドを投入するための入力機器である。
ディスプレイ装置17はグラフィック表示が可能な出力機器であって、携帯部70及び定置部80で計測した様々な測定データのほか、種々のメッセージを表示する。そして、表示制御回路8と同様、ディスプレイ制御回路18はディスプレイ装置17のためのコントローラである。
外部インターフェイス19は、携帯部70とのデータ交換を行う回路であって、外部インターフェイス9と同様の回路構成となっている。
ところで、携帯部70と定置部80との接続の態様は、先に触れた図7のようなものであり、定置部80を構成するパソコンには通信ケーブルCBを接続するためのコネクタ(図示略)が設けられている。なお、図7では携帯部70として図8に示す腕時計の場合を図示してあるが、後に説明する図9乃至図11に示した態様であっても同様である。
携帯部70を携帯機器に組み込むにあたっては幾つかの態様が考えられる。以下にその一例を示すが、これら以外の様々な携帯機器と組み合わせることも当然可能である。
まず、第1の態様として、図8に示すような腕時計と組み合わせた形態が挙げられる。この図に示すように、本態様における携帯部70は、腕時計構造を有する装置本体100,この装置本体100に接続されたケーブル101,このケーブル101の先端側に設けられたセンサユニット102から構成されている。また、装置本体100には腕時計の12時方向から使用者の腕に巻き付いて、腕時計の6時方向で固定されるリストバンド103が取り付けられている。そして、装置本体100は、このリストバンド103によって使用者の腕から着脱自在となっている。
センサユニット102は、センサ固定用バンド104によって遮光されており、使用者の人指し指の根元〜第2指関節の間に装着されている。センサユニット102をこのように指の根元に装着すると、ケーブル101が短くて済む上、運動中においてもケーブル101が使用者の邪魔にならない。また、掌から指先までの体温の分布を計測してみると、周囲の温度が低い場合に、指先の温度は著しく低下するのに対して指の根元の温度は比較的低下しないことが知られている。したがって、指の根元にセンサユニット102を装着すれば、寒い日に屋外で運動した場合であっても、脈拍数等を正確に計測することができる。
一方、腕時計の6時の方向の表面側には、コネクタ部105a及びコネクタ部105bが設けられている。コネクタ部105aには上述したセンサユニット102がケーブル101を介して接続されており、一方、コネクタ部105bは通信ケーブルCBを介して定置部80に接続されている。また、これらコネクタ部105a,105bには、ケーブル101,通信ケーブルCBの端部に設けられたコネクタピース106a,106bがそれぞれ着脱自在に取り付けられており、コネクタピース106a,106bをコネクタ部105a,105bから取り外すことにより、携帯部70を通常の腕時計やストップウオッチとして用いることができる。
さらに、コネクタ部105a,105bを保護する目的から、ケーブル101,ケーブルCBをそれぞれコネクタ部105a,105bから外した状態においては、所定のコネクタカバーを装着するようになっている。このコネクタカバーは、コネクタピース106a,106bと同様に構成された部品から電極部などを除いたものが用いられる。
そして、このように構成されたコネクタ構造によれば、コネクタ部105a,105bが使用者から見て手前側に配置されることとなり、使用者にとっては操作が簡便になる。その上、コネクタ部105a,105bが装置本体100から腕時計の3時の方向に張り出さないために、運動中に使用者が手首を自由に動かすことができ、仮に運動中に転んだ場合であっても使用者の手の甲がコネクタ部105a,105bにぶつかることはない。
他方、樹脂製の時計ケース107の表面には、日付や時刻のほか脈拍数や運動量をデジタル表示するための液晶表示部108が設けられている。また、時計ケース107の外周部と表面部には、ボタンスイッチが幾つか設けられている。これらのうち、腕時計の6時方向にあるボタンスイッチ114は、使用者が運動を開始/終了する場合に押下するものであって、実際のところ、このボタンスイッチは脈拍数の測定の開始/停止を指示するためにある。また、液晶表示部108の12時方向に位置するボタンスイッチ117は、携帯部70から定置部80に対して加速度脈波の測定を指示するためのボタンスイッチである。
また、本装置の電源として用意されているのは、時計ケース107に内蔵されたボタン形の電池(図示省略)であり、ケーブル101はこの電池からセンサユニット102に電力を供給し、センサユニット102の検出結果を装置本体100側へ送出する役割を果たしている。
なお、図1と図8との対応であるが、図1のプロセッサ1,ROM2,作業メモリ3,センサインターフェイス5,表示制御回路8,外部インターフェイス9,時計回路10が、すべて時計ケース107の内部に組み込まれている。また、図8のセンサユニット102が図1の脈波センサ4に、図8の各種ボタンスイッチが図1の操作部6に、図8の液晶表示部108が図1の表示装置7にそれぞれ相当する。
また、この態様においては、脈波を使用者の手の指の根元で測定することとした。しかし、脈波の測定部位はこれに限られるものではなく、例えば、橈骨動脈部あるいはその周辺部において脈波の測定を行うようにしても良い。
さらに、この態様を一部変形したものとして、図9に示すように、センサユニット102とセンサ固定用バンド104とを指尖部へ取り付けるようにして、指尖容積脈波を測定するようにした態様が考えられる。
次に、第2の態様として、図10のようなネックレス等のアクセサリーと組み合わせる形態が考えられる。この図において、図8又は図9に示したものと同一の部品については同じ符号を付してあり、その説明を省略する。
この図において、31はセンサパッドであって、たとえばスポンジ状の緩衝材である。センサパッド31の中には図1の脈波センサ4が取り付けられており、ネックレスを首にかけることで、このセンサが首の後ろ側の皮膚に接触して脈波を測定することができる。
さらに、ブローチ様の形状をしたケース32には、図1のプロセッサ1,ROM2,作業メモリ3,センサインターフェイス5,表示制御回路8,外部インターフェイス9,時計回路10が組み込まれており、その裏面には通信ケーブルCBを接続するためのコネクタ(図示省略)が設けられるとともに、図8のケーブル101に相当する導線が鎖33の中に埋め込まれている。
次に、第3の態様として、図11のように眼鏡と組み合わせることも考えられる。この図において、図8乃至図10に示したものと同一の部品については同じ符号を付してあり、その説明を省略する。
図11に示すように、ここでは装置本体が眼鏡の蔓41に取り付けられており、その本体はさらにケース42aとケース42bに分かれ、蔓41内部に埋め込まれたリード線を介して互いに接続されている。なお、このリード線は蔓41に沿って這わせるようにしても良い。
ケース42aにおいて、レンズ43側の側面にはその全面に液晶パネル44が取り付けられている。さらに、該側面の一端には鏡45が所定の角度で固定されている。加えて、ケース42aには光源(図示略)を含む液晶パネル44の駆動回路が組み込まれ、この光源から発射された光は、液晶パネル44を介して鏡45で反射されて眼鏡のレンズ43に投射される。したがって、この態様においては、レンズ43が図1の表示装置7の役割を担っていると言える。
また、ケース42bには、図1のプロセッサ1,ROM2,作業メモリ3,センサインターフェイス5,表示制御回路8,外部インターフェイス9,時計回路10が組み込まれるとともに、その底面部には通信ケーブルCBを接続するコネクタ(図示省略)が設けられている。さらに、脈波センサ4はパッド46,46に内蔵されており、これらパッドで耳朶を挟むことにより耳へ固定するようになっている。したがって、本態様では耳朶における脈波が測定されることになる。
なお、図示を省略したが、図10ないし図11の態様についても、図8に示すような各種のボタンスイッチが設けられており、年齢,性別の入力などの用に供される。
次に、上記構成による運動支援装置の動作を説明するが、ここでは図7に示すように、センサを指の根元に取り付けるタイプの腕時計について説明を行うこととする。
まず初めに、使用者は健康づくりのための運動を開始するにあたって、これから行う運動の効果を見るために、運動開始前における加速度脈波の測定及び付随する脈波解析処理を実施する。
そこで使用者は携帯部70と定置部80を通信ケーブルCBで接続し、脈波の測定に支障が出ないような安静状態にあることを確認したのち、ボタンスイッチ117を押下して測定開始を指示する。これにより、加速度脈波の測定に加えて、以下説明するような処理が携帯部70側でなされる。
まず、脈波センサ4の検出した脈波波形がセンサインターフェイス5へ送出されてデジタル信号へ変換されており、プロセッサ1は、センサインターフェイス5から脈波波形を所定時間だけ読み取って順次作業メモリ3へ格納してゆく。
次いで、使用者の安静時の脈拍数が計測される。すなわち、プロセッサ1は作業メモリ3に取り込んだ脈波波形を拍単位に分割して拍数をカウントし、このカウント値を1分当たりに換算し、得られた値を安静時の脈拍数として作業メモリ3へ格納する。
他方、後述するように運動の処方には使用者の年齢と性別が必要となる。そこでプロセッサ1は、使用者の年齢及び性別が未だ設定されていない場合は、これらの値の入力を促すメッセージを表示装置7に表示させる。これに応じて、使用者は腕時計に設けられたボタンスイッチを操作し、操作部6から年齢と性別を順次入力し、プロセッサ1は入力された値を逐次作業メモリ3へ格納する。
次いで、プロセッサ1は、外部インターフェイス9を介して、安静時の脈拍数,年齢,性別,測定した脈波波形のデータを作業メモリ3から読み出して定置部80側へ送出する。するとCPU11は、外部インターフェイス19を経由して送られてきたこれらデータを順にRAM13へ格納してゆく。
続いて、CPU11はRAM13に格納された脈波波形の中から一拍分を読み取り、この波形に対して時間微分を2回とり、図26に示すごとき加速度脈波波形を求める。次いで、CPU11は加速度脈波の波形の変曲点を求めてピークa,バレイb,ピークc,バレイdを決定し、各変曲点における振幅値を求める。なお、これらの変曲点は、加速度脈波の時間微分をとるなどの一般的な手法によって求めることができる。また、算出された加速度脈波の波形や、該加速度脈波を求める過程で得られる速度脈波の波形のデータをディスプレイ制御回路18へ送出して、ディスプレイ装置17上にこれらの波形をグラフィック表示するようにしても良い。
次いで、CPU11は、バレイb,ピークc,バレイdの各振幅値をピークaの振幅値で正規化した値、つまり振幅比b/a,c/a,d/a、を算出してRAM13へ格納する。ここで、これらの振幅比のうち血液循環の状態を表わす指標としては振幅比d/aが最も有用である。そこで、以後、本実施形態では原則として振幅比d/aだけを用いて説明する。ちなみに、後述するように、より厳密には振幅比d/aと振幅比c/aとを用いることがいっそう望ましいのではあるが、以下では最も簡便な方法として振幅比d/aだけを用いた場合を取り上げることとする。
次に、CPU11は、上記のようにして求めた振幅比d/aと図6(b)に示したテーブルに基づいて、加速度脈波波形がパターン(1)〜(6)の何れに属するかを判定し、そのパターンの種類を加速度脈波波形のパターンとしてRAM13へ格納する。また、CPU11は、プロセッサ1と協同して、当該パターンの種類を表示装置7に表示させる。しかるに、パターンの種類だけを告知されても、使用者にとってはわかりづらい面がある。そこで、例えばパターン(3)と決定された場合に、「健康状態が不十分になり始めています。」などという補助的なメッセージも携帯部70側へ送出し、プロセッサ1がこのメッセージを表示装置7上へ表示させる。
次に、CPU11は使用者がこれから実施する運動の処方を行うが、初めは使用者の健康状態が不明なことから、ROM12に格納されている標準的な目標値を用いる。すなわち、使用者が入力した年齢,性別から当該使用者が例えば51歳の男性であるとすれば、1週間の合計運動時間として150分,目標心拍数として115が読み出される。なお、最大酸素摂取量といった使用者個人の運動能力が把握できているのであれば、最初の目標値の設定自体は医師などの専門家が行い、設定した値を使用者に指示してやるようにしても良いのは勿論である。
次いで、CPU11は1週間の合計運動時間の目標値から運動の頻度ならびに1回の運動当たりの運動時間を決定するが、ここでは例えば週に5日間,1日に2度の運動を行うように決定する。したがって、運動時間は1回当たり15分,1日当たり30分となり、上述した条件を満足する。さらに、CPU11は、運動中に測定される脈拍数が、いま決定した目標心拍数から逸脱しても問題ないと考えられる範囲を決定して、脈拍数の上限値及び下限値を算出する。次いで、CPU11は、1回当たりの運動時間,目標心拍数とその上下限値,運動の頻度(週に5日間,1日に2度)の情報をRAM13へ格納したのち、これらの値を携帯部70側へ送出する。これにより、プロセッサ1は送られたデータを順次作業メモリ3へ格納する。
そして、以上の処理が全て完了すると、CPU11は、運動を実施するにあたっての事前設定がすべて終了した旨を携帯部70側へ通知し、プロセッサ1はこの旨のメッセージを表示装置7上に表示させる。これに加えて、プロセッサ1は、実施すべき運動の内容(すなわち、1週間に5日間,1日2回の運動を目標心拍数115で1回当たり15分間づつ実施するようにという旨の内容)を表示装置7に表示させる。
すると、これを契機に使用者は通信ケーブルCBを携帯部70から取り外し、コネクタ部105a,105bにコネクタカバー106a,106bを取り付けておく。これにより、使用者は定置部80の設置場所から他の場所へ自由に移動できるようになる。
その後、使用者は指示された運動を実施する。すなわち、使用者は携帯部70のボタンスイッチ114を押下して装置に対して運動の開始を通知する。このボタン押下は操作部6によってプロセッサ1へ伝達される。するとプロセッサ1は、時計回路10から時刻を読み取り、運動開始時刻として作業メモリ3へ格納するとともに、定置部80から指示された1回当たりの目標運動時間だけ経過した時点で割り込みが発生するように時計回路10へ設定を行う。
次に、使用者は運動を開始し、一方で、プロセッサ1は所定時間(例えば1分間隔)間隔で割り込みを起こすように時計回路10に設定を行い、使用者が運動を実施している間は、1分毎に脈拍数と運動量の計測を行って、使用者に対して運動の指導を行う。以下、これらの処理について詳述する。
まずプロセッサ1は、運動中の総運動量を算出するために作業メモリ3上に設けた記憶域を「0」に初期化する。次に、割り込みが入る度に、プロセッサ1は脈波をセンサインターフェイス5から所定時間だけ作業メモリ3上に取り込み、上記と同様の手順で脈拍数を算出する。
次に、プロセッサ1は運動量の算出を行うが、ここでは運動量をカロリーで表示することとする。カロリーは近似的に「脈拍数と運動時間の積」で算出されるので、プロセッサ1は、上記の手順に従って求めた脈拍数と直前の脈拍数測定時から今回の脈拍数測定時までの経過時間とを乗ずることによって運動量を求めることができる。なお、運動量の算出にあたっては、直前の脈拍数と今回の脈拍数は異なるのが普通であるから、前回測定時の脈拍数と今回測定した脈拍数の平均をとるなどしても良い。
次いで、プロセッサ1は、作業メモリ3上に格納されている総運動量の格納場所の内容を読み出し、いま求めた運動量を加えて運動開始時から現時点までの総運動量として上記の格納場所へ書き戻す。さらにプロセッサ1は、以上のようにして求めた脈拍数と現時点までの総運動量とを、時計回路10から読み取った測定時刻と一緒に作業メモリ3へ格納するとともに、これらの値を表示装置7に表示させる。
ところで、運動量は「運動強度と運動時間の積」でも求められるから、これを上述したカロリーの代わりに使用しても良い。つまり、計測された脈拍数と運動強度は、次に示す周知のカルボーネの式を満足するから、作業メモリ3に格納されている安静時の脈拍数及び年齢と運動中に計測した脈拍数とから運動強度が算出でき、これから運動量が求められる。
計測される脈拍数=(安静時の脈拍数)+{(220−年齢)−安静時の脈拍数}*運動強度 … (1)
次に、プロセッサ1は、計測した脈拍数が上述した目標心拍数の上下限値で決まる範囲を逸脱していないかどうかを調べる。そして、実測した脈拍数が上限値を上回っているのであればもう少し運動を軽くするように表示装置7上に指示し、他方、実測した脈拍数が下限値を下回っているのであればもう少し運動の強さを増すように指示を出す。
以上のように、脈拍数等を表示装置7へ表示することで、実施する運動を使用者自身が加減できるようにするとともに、適正な脈拍数で運動がなされているかが調べられ、過度に強い運動をしたり効果的でない運動を漫然と行うことなく適度な運動の強さとなるような監視がなされる。
そして、予定していた運動時間が経過して時計回路10から割り込みが入ると、プロセッサ1は運動を終えるように使用者へ指示を出す。これにより、使用者はすぐに運動を止めるか或いは区切りの良いところで運動を止め、ボタンスイッチ114を再度押下して運動が終了した旨を携帯部10へ通知する。これにより、プロセッサ1は時計回路10から現時点の時刻を読み取って、運動終了時刻として作業メモリ3へ格納するとともに、上述した脈拍数等測定と運動の指導を終了させる。
次に、運動後における加速度脈波の測定を実施するため、使用者は携帯部70と定置部80の間を通信ケーブルCBで接続してから、ボタンスイッチ117を押下する。するとプロセッサ1は、作業メモリ3上に記憶された各測定時点における脈拍数と運動開始時点からの総運動量およびこれらの測定時刻,運動開始時刻,運動終了時刻を順に定置部80へ送出し、これに同期して、CPU11は送られてきたデータを逐一RAM13へ書き込んでゆく。
次に、CPU11は、運動中に計測された脈拍数を逐一検査して目標心拍数とその上下限値から逸脱した程度を調べる。また、運動開始時刻と運動終了時刻とから正味の運動時間を求めて、この値が目標運動時間から逸脱した程度を調べる。そして、これらの逸脱の程度が著しい場合は、この旨を使用者へ通知して指示通りの運動が行われていないことを知らせるとともに、計測された脈拍数が既定の範囲を逸脱した回数,運動時間の実測値,運動時間の目標値をそれぞれ携帯部70側へ転送して表示装置7上に表示させる。
次いでCPU11は、運動開始前と同様の手順に従って運動後における加速度脈波を計測する。そして、この結果から振幅比d/aを算出してRAM13へ格納するとともに、運動後に測定した振幅比d/aのパターンの種類を決定してRAM13へ格納し、パターンの種類を表示装置7上に表示させる。
さらにCPU11は、運動前のパターンと運動後のパターンとを比較し、その結果、パターンが(1)側へ変化しており状態に改善が見られるか、或いはパターンが変化しておらず状態が維持されているのであれば、「健康状態が改善されてきています。」或いは「健康状態が維持されています。」などと言うメッセージを携帯部70側へ送出して、これらメッセージを表示装置7上に表示させる。なお、実際にはパターンの種類を比較するのではなく、振幅比d/aの値を直接比較するようにしても良いのはもちろんである。
一方、パターンが(6)側へ変化しており状態が悪化している場合は、その日の体調に対していま行った運動が過度のものであったものと言える。そこで、CPU11は、先に設定された目標心拍数,1週間当たりの運動の頻度,1回当たりの運動時間の各要素のうち、少なくとも1つ以上の要素について運動が軽くなるような調整を行う。
一番簡便な方法としては、図3に示す目標値のテーブル上で年齢階級を高年齢の方向へ1段階だけシフトさせることが考えられる。上述したように、例えば初期の目標値が50代のものであれば、今度は60代のものへ目標値を変更する。また、目標値を徐々に下げていった結果、最高年代である60代のものになってしまった場合は、医師等に相談するように指導するか、あるいは、これ以後は1週間の合計目標時間を10分ずつ減らすとともに、目標心拍数を5ずつ下げてゆくようにすれば良い。
なお、目標値を上げる場合には上記とは正反対であり、1週間の合計目標時間を10分ずつ増やすとともに、目標心拍数を5ずつ上げてゆくようにすれば良い。ちなみに、心拍数(脈拍数)と運動強度は(1)式で定義される関係にあることから、目標心拍数を下げることは運動強度を軽くすることに相当する。また、これらの調整方法はあくまで一例であって、上記の3つの要素を適宜組み合わせることで、目標値を如何ようにも調整することができる。
以上の処理が終了すると、新たな運動の目標値をもとに、運動実施前にあっては運動の処方,運動中にあっては運動の指導,運動実施後にあっては健康状態・運動内容の評価と目標値の再調整の処理が繰り返しなされてゆく。そして、以上のようなトレーニングを例えば10週間実施した段階で、医師などの専門家が使用者自身の運動能力を再評価し、この評価結果をもとに新たな運動目標値の初期値を装置へ設定することになる。
このようにして、適正な運動処方と運動指導によって、無理せず安全に、使用者の健康状態を良好な状態へ移行させてゆくことができる。
なお、本装置では、キーボード16から表示コマンドを投入することで、CPU11がRAM13に格納されている各種データをディスプレイ装置17に表示させる。これらデータとしては、運動前の振幅比d/a,運動後の振幅比d/a,各測定時点における脈拍数及び運動開始時点からの総運動量,正味の運動時間,脈拍数の時間推移のグラフ表示,運動実施前および運動実施後にそれぞれ測定した脈波波形などがある。
また、使用者の実施した運動を評価する手法としては、以下に述べるようなものも考えられる。
図12は、使用者が実施した運動開始時からの総運動量と、運動の前後における振幅比d/aの変化率との関係の一例を示したものである。この図に示すように、運動量が少ない場合には、振幅比d/aの変化率は小さく、概ね+5%未満の値が得られる(図12の”I”の領域)。次に、これよりも運動量を多くしてゆくと、振幅比d/aの変化率は徐々に上昇して+5%を越えるようになり、その後は、ある時点から該変化率が下降を始め、振幅比d/aの変化率が再び+5%程度となる(図12の”II”の領域)。次いで、運動量をもっと増やすと、振幅比d/aの変化率はさらに下降して+5%を下回り、−10%程度まで下降する(図12の”III”の領域)。さらに運動量を増やしてゆくと、振幅比d/aの変化率はさらに下降して、−10%を下回るようになる(図12の”IV”の領域)。
そこでCPU11は、各測定時点における運動開始時点からの総運動量と振幅比d/aの変化率との関係をもとに運動の評価を行う。そのために、CPU11は運動後の振幅比d/aと運動前の振幅比d/aとの差分を求め、この差分を運動前の振幅比d/aで除して振幅比d/aの変化率を算出する。そして、得られた振幅比d/aの変化率と運動中に計測された運動量とを図12のグラフにプロットした場合に、このプロットが領域I〜IVの何れの領域に位置するかに応じて評価を下す。
すなわち、図12の”I”の領域に存在すれば、実施した運動が弱すぎたものと評価し、図12の”II”の領域に存在すれば運動が適度であったと評価し、図12の”III”の領域に存在すれば運動がやや強かったものと評価し、図12の”IV”の領域に存在すれば運動が強すぎたと評価する。そしてCPU11は、この評価結果に基づいて、次に実施すべき運動の目標値を調整して以後の処方を行うようにする。
例えば、評価結果が領域Iとされた場合には、目標値を図3の年齢階級上で1段階だけ低年齢側にシフトするようにする。同様に、評価結果が領域III,又は,IVとされた場合は、目標値を図3の年齢階級上で1段階だけ高年齢側にシフトとする,又は,2段階だけ高年齢側にシフトすることが考えられる。
さらにCPU11は、領域I,II,III,IVの各々の場合について、それぞれ「運動が軽すぎます」,「丁度良い運動です」,「運動がやや強い状態です」,「運動が強すぎます」などというメッセージを携帯部70側へ転送して、これらメッセージを表示装置7上へ表示させて評価結果を使用者へ告知する。
なお、前述したように、上記では振幅比d/aだけを用いた場合について説明したが、振幅比d/aと振幅比c/aとを参照した評価方法を用いることによって、いっそう高い精度で運動の評価を行うことが可能となる。つまり、例えば、振幅比d/aの値が20%であれば、図6(b)から、加速度脈波の波形がパターン(2)に属するものと決定することができる。一方、振幅比d/aの値が80%であれば、パターン(4)〜(6)の何れかに属することまでは特定できるので、これらのパターンのうちの何れのパターンであるかを絞り込むために、さらに振幅比c/aの値を参照する。いま、振幅比c/aの値が例えば30%であれば、図6(b)から、加速度脈波の波形がパターン(5)に属するものと決定することができる。
〈第2実施形態〉
近年、心拍変動から得られるパワースペクトルなどの情報が心臓病,中枢神経疾患,末梢神経疾患,糖尿病,高血圧,脳血管障害,突然死などの様々な疾病の診断,治療に用いられ始めてきている。このようなことから、本実施形態では、心拍変動のゆらぎに対応する脈波のゆらぎの解析からLF,HF,RR50の各指標を得て、加速度脈波から得られる指標の代わりにこれら指標を使用者の身体の状態を表わす指標として用いることとする。そこでまず、これら指標の意味について説明する。
心電図において、ある心拍のR波と次の心拍のR波との時間間隔はRR間隔と呼ばれており、人体における自律神経機能の指標となる数値である。図13は、心電図における心拍と、これら心拍の波形から得られるRR間隔を図示したものである。同図からも見て取れるように、心電図の測定結果の解析からRR間隔が時間の推移とともに変動することが知られている。
一方、橈骨動脈部などで測定される血圧の変動は、収縮期血圧および拡張期血圧の一拍毎の変動として定義され、心電図におけるRR間隔の変動と対応している。図14は、心電図と血圧との関係を示したものである。この図からわかるように、一拍毎の収縮期および拡張期の血圧は、各RR間隔における動脈圧の最大値および該最大値の直前に見られる極小値として測定される。
これら心拍変動或いは血圧変動のスペクトル分析を行うことで、これらの変動が複数の周波数の波から構成されていることがわかる。これらの波は以下に示す3種類の変動成分に区分される。
・呼吸に一致した変動であるHF(High Frequency)成分
・10秒前後の周期で変動するLF(Low Frequency)成分
・測定限界よりも低い周波数で変動するトレンド(Trend)
これら成分を得るには、まず、測定した脈波の各々について、隣接する脈波と脈波の間のRR間隔を求めて、得られたRR間隔の離散値を適当な方法(たとえば3次のスプライン補間)により補間する(図13を参照)。そして、補間後の曲線にFFT(高速フーリエ変換)処理を施してスペクトル分析を行うことで、上記の変動成分を周波数軸上のピークとして取り出すことが可能となる。図15(a)は、測定した脈波のRR間隔の変動波形、および、該変動波形を上記3つの周波数成分に分解した場合の各変動成分の波形を示している。また図15(b)は、同図(a)に示したRR間隔の変動波形に対するスペクトル分析の結果である。
この図からわかるように、0.07Hz付近,0.25Hz付近の2つの周波数においてピークが見られる。前者がLF成分であり後者がHF成分である。なお、トレンドの成分は測定限界以下であるため図からは読み取れない。LF成分は交感神経の活動に関係しており、本成分の振幅が大きいほど緊張の傾向にある。一方、HF成分は副交感神経の活動に関係しており、本成分の振幅が大きいほどリラックスの傾向にある。
LF成分およびHF成分の振幅値には個人差があるので、このことを考慮した場合、LF成分とHF成分の振幅比である「LF/HF」が人体の状態の推定に有用である。そして、上述したLF成分とHF成分の特質から、「LF/HF」の値が大きいほど緊張の傾向にあり、「LF/HF」の値が小さいほどリラックスの傾向にあることが導かれる。
一方、RR50とは、所定時間(例えば1分間)の脈波の測定において、連続する2心拍のRR間隔の絶対値が50ミリ秒以上変動した個数で定義される。RR50の値が大きいほど人体の状態は鎮静状態にあり、RR50の値が小さいほど興奮状態にあることが知られている。
ところで、使用者の身体の状態とこれらの指標との間には相関関係が存在している。
強化トレーニングを実施させて、副交感神経の機能を低下させ交感神経優位の状態とすることによって、上述したような疾病を抱える患者の身体の状態に類似した状況を作り出すことができる。そして、強化トレーニングを中止した後の身体の回復期に上記の指標の変化を観察してみると、例えば、HF成分は日が経つにつれて増加する傾向を示し、他方、「LF/HF」の値は日増しに減少する傾向が見られる。
つまり、身体の状態が回復してゆくにつれて、HF成分或いは「LF/HF」の値は、緊張した状態を示す値からリラックスした状態を示す値へと増加或いは減少してゆく。したがって、HF成分や「LF/HF」のみならずLF成分やRR50も含め、これら各指標の値の増減を観察することで人体の状態の良否を判定できるという推定が成り立ち、これら指標を上述した振幅比d/aの代わりに用いることができるものと考えられる。
次に、本実施形態による運動支援装置について説明する。本実施形態では第1実施形態における振幅比d/aの代わりに上記4つの指標のうちの1つを用いる形態であって、その装置構成は第1実施形態と同じものである。そこで、以下、本実施形態に特有の動作を中心に装置の動作を説明することとする。
なお、第1実施形態では、加速度脈波波形を6つのパターンに分類することとしたが、本実施形態では、これら指標の値に応じて幾つかのグレードに分けるようにする。もっとも、このようにグレード分けをすることなしに、これら指標の値そのものを用いても良いのはもちろんである。
運動実施前において、使用者はまず携帯部70と定置部80を接続し、安静状態を確認してからボタンスイッチ117を押下する。これにより、プロセッサ1は所定時間分の脈波を取り込んで該脈波波形から安静時の脈拍数を算出し、年齢と性別が未だ入力されていなければこれらの値を使用者に入力させ、所定時間分の脈波波形,安静時の脈拍数,年齢,性別をそれぞれ作業メモリ3へ格納する。次いで、プロセッサ1とCPU11が協同してこれらデータを作業メモリ3からRAM13へ転送する。
次にCPU11は、送られた脈波の波形をもとに上記の4つの指標を算出する処理に入る。以下、この処理を詳述する。
CPU11は脈波の波形から極大点を抽出するために、RAM13上に格納されている脈波波形に対して時間微分をとり、時間微分値がゼロの時刻を求めて波形が極点をとる時刻をすべて求める。次いで、各時刻の極点が極大・極小のいずれであるのかを、該極点の近傍の波形の傾斜(すなわち時間微分値)から決定する。たとえば、ある極点に対して、該極点よりも以前の所定時間分につき波形の傾斜の移動平均を算出する。この移動平均が正であれば該極点は極大であり、負であれば極小であることがわかる。
次に、CPU11は抽出した極大点の各々について該極大点の直前に存在する極小点を求める。そして、極大点および極小点における脈波の振幅をRAM13から読み出して両者の振幅差を求め、この差が所定値以上であれば該極大点の時刻を脈波のピークとする。そして、取り込んだ全ての脈波波形に対してこのピークの検出処理を行ったのち、隣接する2つのピークの時刻をもとに両者の時間間隔(心拍におけるRR間隔に相当する)を計算する。
ここで、上記で得られたRR間隔の値は時間軸上で離散的であるため、隣接するRR間隔の間を適当な補間方法により補間して、図15(a)に示すごとき曲線を得る。次いで、補間後の曲線に対してFFT処理を施して、図15(b)に示すようなスペクトルを得る。そして、脈波の波形に対して実施したのと同様の極大判別処理を適用して、このスペクトルにおける極大値と該極大値に対応する周波数を求めて、低い周波数領域で得られた極大値をLF成分,高い周波数で得られた極大値をHF成分とし、各成分の振幅を求めて両者の振幅比「LF/HF」を算出する。さらに、CPU11は、上記で得られたRR間隔をもとにして隣接するRR間隔の時間差を順次求め、その各々につき該時間差が50ミリ秒を越えるかどうかを調べる。そして、これに該当する個数を数えてRR50とする。
次にCPU11は、上記で求めた指標の値が何れのグレードに属するかを決定して、これを指標の値と一緒にRAM13へ格納し、さらに、グレードの種類と指標の値をディスプレイ装置17上に表示する。次いで、CPU11はこれから実施する運動の処方のための準備を第1実施形態と同様に行う。すなわち、1回当たりの運動時間,目標心拍数とその上下限値,運動の頻度を決定し、これらをRAM13へ格納したのち、プロセッサ1と協同してこれらの値を作業メモリ3へ転送する。
以上の処理がすべて終了すると、CPU11は事前の設定が終了したの旨を処方内容とともに携帯部70側へ転送し、これらを表示装置7上に表示させる。これにより、使用者は携帯部70と定置部80を分離したのち、ボタンスイッチ114を押下して運動の開始を装置へ通知する。そして、これ以後の動作は第1実施形態に準じる。すなわち、プロセッサ1は、運動実施中は脈拍数と運動開始時点からの総運動量を算出してこれらを測定時刻とともに作業メモリ3へ書き込むとともに、表示装置7上に表示させる。さらにプロセッサ1は、計測した脈拍数,目標脈拍数およびその上下限値に基づいて運動の指導を行う。
その後、目標運動時間が経過すると、プロセッサ1は運動の終了を使用者へ指示し、のちに使用者がボタンスイッチ114を押した時点で脈拍数等の測定,運動の指導を終了させる。次いで使用者は携帯部70と定置部80を接続して、ボタンスイッチ117を押下する。これにより、CPU11は運動開始前と同様の手順で上記指標を算出し、当該指標に対応するグレードを求めて、グレードの値と指標そのものの値とをRAM13へ格納する。さらにCPU11は、プロセッサ1と協同して、携帯部70側で計測されたデータを作業メモリ3からRAM13へアップロードする。さらにCPU11は、運度中に計測された脈拍数と正味の運動時間がそれぞれ目標値から著しく逸脱していないかを調べて、そうであれば使用者へ告知を行う。
次に、CPU11は運動前後における指標の値を比較して、使用者の健康状態が改善,現状維持,悪化の何れであるかを使用者へ告知する。ここで、状態が改善されたか悪化したかの判断基準については、LF或いは「LF/HF」の場合は、運動したことによって値が減少していれば改善されたものと言え、増加していれば悪化したものと言える。一方、HF或いはRR50の場合は、減少していれば悪化しているものと言え、増加していれば改善されたものと言える。
健康状態が悪化していると判断した場合、CPU11は運動の処方内容を、より軽い運動となるように調整する。そして以後は、上記と同様にして、運動の処方,指導,診断のサイクルを繰り返して実施してゆく。
なお、以上の説明では、4つの指標の何れか1つを用いることとしたが、これら指標の幾つかを総合的に勘案するようにしても良い。
〈コネクタ部の他の実施形態〉
上記の各実施形態では、装置本体100のコネクタ部105a,105bにケーブル101,ケーブルCBを独立に着脱できるようにしていたが、これらケーブルを装着する形態はこれに限られるものではない。以下では、これらケーブルを腕時計のコネクタ部に接続するための他の形態について説明する。ちなみに、以下に説明するコネクタ部の構造は、本出願人らによって出願された特願平7−166551号公報(発明の名称;腕装着型脈波計測機器および脈波情報処理装置)に記載されたコネクタ部等に改良を加えたものである。
図16は、図8〜図9に示した腕時計を上面から見た拡大図であり、これらの図に示されたものと同じ部品については同一の符号を付してありその説明を省略する。この図ではケーブル類を取り外した状態を示してあり、図中の符号200がコネクタ部である。一方、図17にはコネクタ部200の部分を拡大した斜視図を示してある。図示したように、コネクタ部200の上面部211には、図1における脈波センサ4及び通信ケーブルCBを携帯部70と電気的に接続するための端子221,222が設けられている。
次に、図18はコネクタ部200に装着されるコネクタピース230の斜視図である。コネクタピース230にはケーブル101が接続されるとともに、その下面部231には、ケーブル101を接続した場合に静電気の影響を防止する回路(図示略)を作動させるための可動ピン247〜248と、上記の端子221,222と電気的に接続される電極部251,252が形成されている。また、これに加えて、コネクタピース230の上面部232には、後述するコネクタピース300との間で電気的な接続を持つための端子261と、四隅には孔266が形成されている。
コネクタピース230をコネクタ部200に装着するには、コネクタピース230をコネクタ部200に向けて押し付けた後に、矢印Qの方向にコネクタピース230をスライドさせれば良く、これにより、各電極部251,252に対して各端子221,222が電気的に接続される。一方、コネクタピース230をコネクタ部200から外すには、コネクタピース230を矢印Rの方向にスライドさせた後に、コネクタピース230を持ち上げれば良い。
次に、図19はコネクタカバー260の構成を示す図である。コネクタカバー260は、コネクタ部200からコネクタピース230を外し、通常の腕時計として用いる際にコネクタ部へ装着するものである。このコネクタカバー260の下面部261には、コネクタ部200の各端子221,222が配置された位置に対応して、孔271,272が形成されている。
一方、コネクタ部200にコネクタピース230だけを装着させた場合、コネクタピース230に設けられた各端子261を保護するために、図20に示すコネクタカバー280を装着する。コネクタピース280の下面部281の四隅にはピン286が設けられており、これらのピンは上述したコネクタピース230の孔266に圧着するようにしており、運動中などであってもコネクタカバー280がコネクタピース230から外れないようになっている。また、コネクタカバー280の下面部281には孔291が設けられており、これらの孔はコネクタピース230の端子261と嵌合する。
次に、図21にはコネクタピース300の斜視図を示してある。コネクタピース300は、コネクタピース230の上に積み重ねるようにして使用されるものであり、図示したようにケーブルCBが接続されている。また、コネクタピース300の下面部301には電極部311が設けられ、これらの電極部はコネクタピース230に設けられた端子261と電気的に接続される。なお、上述した各実施形態の説明からわかるように、コネクタピース300は携帯部70と定置部80とを接続する必要のある場合にだけコネクタピース230に装着される。
〈携帯部70と定置部80との間の他の接続形態〉
携帯部70と定置部80の間を接続するには、上記各実施形態で説明した態様以外にも種々のものが考えられる。以下にその一例を示す。
図22は、携帯部70と定置部80との接続の様子を示した図であり、図1〜図21に示した部品と同一のものには同じ符号を付してある。図22では、コネクタ部200からケーブル101を外してあり、さらに、バンド103をコネクタ部200側の端部から外した状態を示してある。
図中、定置部80は上述したパーソナルコンピュータの代わりに筐体400に収納されている。この筐体400にはコネクタピース401が形成されており、その構造は図18に示すコネクタピース230と略同様である。これらコネクタピースの違いは、コネクタピース401ではケーブル101の接続が不要となることに起因するものであって、図18に示す電極部251,端子261,孔266がコネクタピース401には設けられていない点だけが異なる。したがって、コネクタピース401の詳細な構造についてはその説明を省略する。
また、コネクタ部200とコネクタピース401の着脱方法は、上述したコネクタ部200及びコネクタピース230に関するものと同じであって、上記ではコネクタピース230を把持してコネクタ部200へ装着する形であったのが、ここでは、腕時計を把持してコネクタ部200をコネクタピース401へ装着させることになる。
〈変形例〉
なお、上記各実施形態では脈波から生体の状態を抽出することとしたが、脈波および生体の状態は何れも上述したものに限られるものではない。
また、上述したように、心拍数(脈拍数)と運動強度とは(1)式で記述される関係にあることから、運動の処方を実施するにあたっては心拍数の代わりに運動強度を用いるようにしても良い。
また、運動の処方を行うにあたっては、必ずしも目標脈拍数,1回当たりの運動時間,運動の頻度の全てを用いる必要はなく、これらのうち1つ又は2つを組み合わせて用いるようにしても良い。また、上記各実施形態では、図3に示す運動の目標値の標準値を年齢と性別から決定するようにしたが、これら以外に安静時の脈拍数などをも考慮して決めるようにしても良い。
また、上記各実施形態では、使用者に対する様々な告知をメッセージ表示するようにしたが、音で告知するようにしても良い。例えば、本装置を腕時計と組み合わせるのであれば、腕時計に組み込まれている既存のアラーム機能を流用することができる。
また、それ以外の携帯機器の場合であっても、スピーカなどを用いた音源を設ければ、アラーム音のみならず音声メッセージなどによる告知も実現することができる。
こうした音による告知を行えば、視覚障害を持つ人であっても本装置を何らの支障もなく使用することができる。また、使用者が運動の最中においては、いちいち表示されたメッセージを見る必要がなくなるため、健常者にしてみても煩わしくなくて好ましいと言える。
また、運動の評価結果や使用者への指示内容に応じて、鳴らす音楽の種類を変えたり音のピッチを変えるなどして、使用者に違いがわかるような工夫をすることも考えられる。さらに、メッセージと音とを併用して告知するようにしても良い。
また、聴力障害者のためには、メッセージや音の代わりに触覚へ訴えるようにしても良い。例えば、腕時計の裏面に振動板を取り付けてこの振動板を振動させるか、あるいは、腕時計全体を振動させる構造として、振動によって使用者へ告知することが考えられる。さらに、振動の強弱や振動時間に変化を持たせることによって、メッセージや音声と同様に様々な態様での告知が可能となる。
また、上記各実施形態では、携帯部70と定置部80との間を通信ケーブルCBで接続することとしたが、これ以外にも、赤外線,近赤外線等を用いた光通信によるもの,電波を使用した無線通信によるものなどでも良い。この場合、定置部80のディスプレイ装置17に表示させている内容は全て携帯部70の表示装置7上に表示させるようにする。このように、携帯部70と定置部80の間をワイヤレス化することで、ケーブルを接続するといった使用者の手間が大幅に軽減される。
また、パソコン側にも脈波センサを設け、携帯部70から定置部80へ脈波波形のデータを転送することなく、パソコン側で加速度脈波を直接に計測するようにしても良い。
また、上記第1実施形態では、加速度脈波を用いることとしたが、これは加速度脈波が最も良く知られており、理解しやすいからに過ぎない。従って、本発明は、脈波の原波形,1次微分の波形,加速度脈波よりも高次の微分波形,の何れにも適用することができるのは勿論である。
ここでは、その一例として、脈波の原波形を用いた場合について若干の説明を行うこととする。図23は、典型的な脈波の原波形を示したものである。この図において、図23(a)はいわゆる平脈と呼ばれているものであり、3つの峰を持つことを特徴とした三峰波である。ここで、同図におけるP1〜P5は脈波の変曲点(ピーク)である。一方、図23(b)はいわゆる滑脈と言われている脈波であり、2つの峰を持つことを特徴とした二峰波である。他方、図23(c)は弦脈と呼ばれている脈波である。
これらの各脈波と使用者が行う運動との関連を調べてみると、一般に、運動前においては、図23(a)に示す平脈が見られる。また、運動を行った場合であっても、その運動が軽すぎるような場合には、運動後においても平脈が観察される。一方、実施した運動が適度なものであれば、運動後においては図23(b)に示す滑脈が観察されるようになる。他方、実施した運動が過度なものであると、運動後においては図23(c)に示す弦脈の状態を呈することとなる。
このように、脈波の原波形を用いた場合には、運動後における脈波の波形が平脈,滑脈,弦脈の何れに分類されるかを判別することによって、使用者が行った運動を評価できることがわかる。
ここで、測定された脈波から変曲点P1〜P5を抽出して該脈波の特徴を捉えるには、例えば、本発明の発明者による特許出願(特願平5−197569号,ストレス評価装置および生理的年齢評価装置)に詳述された手法を用いることが可能である。そこで、以下にその概要を述べることとする。
この手法によれば、脈波の各拍の波形について、次のような情報を採取して脈波の特徴を抽出するものである。すなわち、図24に示すように、
1)脈波の各拍内に順次現れる変曲点P1〜P5における脈圧y〜y
2)脈波が立ち上がる脈波開始時刻tを基準とした場合において、各変曲点P1〜P5が出現するまでの経過時間T〜Tと次の拍の脈波が立ち上がるまでの経過時間T
3)変曲点P1〜P5の各々が極大であるか極小であるかの別
である。なお、図1のROM12には、平脈,滑脈,弦脈の各々に関する脈波の特徴である経過時間T〜T,脈圧y〜y,各変曲点の極大/極小の別などを、予め格納しておくようにする。
また、この場合における運動の評価手法は大略次のようなものである。
まず、CPU11は、脈波の波形から所定のカットオフ周波数よりも低域の周波数成分だけを取り出して、得られた波形のデータをRAM13へ格納する。次に、低周波数成分だけからなる脈波波形について、その時間微分を求める処理を施す。次いで、算出された時間微分値について所定期間内の移動平均を算出し、この算出結果を傾斜情報としてRAM13へ格納する。この傾斜情報は、脈圧が上昇する傾向にあれば正の値をとり、下降する傾向にあれば負の値をとる。
次に、CPU11は、上記の演算の結果を調べて、時間微分値として0が出力された場合には、これを変曲点として、この時点における波形の採取時刻及び脈圧(脈圧y〜yに相当する)を求めておく。
また、上記の傾斜情報を参照することにより、それぞれの変曲点が極大であるのか極小であるのかを決定する。すなわち、ある変曲点に対応して求めた傾斜情報が正であればこの変曲点は極大点であり、傾斜情報が負であればこの変曲点は極小点である。
さらに、CPU11は、変曲点が検出される度に、変曲点における脈圧と直前に検出された変曲点における脈圧との差分を求め、得られた差分データをストローク情報としてRAM13へ格納する。
そして、測定時間内のすべての脈波について以上の処理を行ったあとで、CPU11は、脈波を1拍毎に分離する処理を行う。まずCPU11は、各変曲点に対応した傾斜情報とストローク情報をRAM13から取り出し、取り出されたストローク情報の中から正の傾斜情報を有するものを選び出す。次いで、これらの中からストローク情報の大きなものを上位から所定個数だけ選択し、さらにその中から中央値に相当するものを選び、脈波の各拍における立ち上がり部分が決定される。これにより、この立ち上がりの開始時点を脈波開始時刻tとして求めることができる。
以上のようにして、変曲点P1〜P5と、これら変曲点に対する極大/極小の別,各変曲点における脈圧y〜yが決定される。また、上述した各変曲点における波形採取時刻と脈波開始時刻tとの差分を求めることにより、経過時間T〜Tが算出される。さらに、隣接する脈波の拍の間で、脈波開始時刻tの間の時刻の差を求めることにより、脈波の各拍に対して経過時間Tが得られる。
そして、経過時間T〜T,脈圧y〜y,変曲点P1〜P5における極大/極小の別の各々につき、測定された脈波のものとROM12に格納されている既定の脈波のものとを比較すれば、測定された脈波に最も適合する脈波のタイプが、平脈,滑脈,弦脈の中から選択でき、脈波のタイプから使用者が行った運動を評価することができる。したがって、運動実施後の脈波波形として例えば弦脈が観察された場合は、運動の目標値を下げて以後の運動の処方を行うようにする。
本発明の一実施形態による運動支援装置の構成を示すブロック図である。 最大酸素摂取量の目標値を表わす図である。 健康づくりのために必要な運動の所要量を表わす図である。 最大酸素摂取量の50%に相当する運動強度でトレーニングを実施した場合に、トレーニング時間とともに最大酸素摂取量が推移してゆく様子を表わした図である。 使用者の体調に応じて運動の目標値を微調整する様子を表わした図である。 (a)は指尖容積脈波における加速度脈波の様々な態様を表わした図であり、(b)は(a)の各パターンについて振幅比d/a及び振幅比c/aの範囲を示した図である。 同装置の携帯部70と定置部80との機械的な接続状態を表わした図である。 同装置を腕時計と組み合わせた場合の図である。 同装置を腕時計と組み合わせた場合の他の態様における図である。 同装置をネックレスと組み合わせた場合の図である。 同装置を眼鏡と組み合わせた場合の図である。 使用者が実施した運動の運動量と運動の前後において測定された振幅比d/aの変化率との関係を表わす図である。 心電図とRR間隔の関係を示す図である。 心電図と脈波との関係を示す図である。 (a)はRR間隔変動と該変動を構成する周波数成分の関係を示す図である。また、(b)はRR間隔変動のスペクトル分析を行った結果を示した図である。 図7〜図9に示す腕時計を拡大した上面図である。 腕時計のコネクタ部200の斜視図である。 腕時計に装着するコネクタピース230の斜視図である。 腕時計に装着するコネクタカバー260の斜視図である。 腕時計に装着するコネクタカバー280の斜視図である。 腕時計に装着するコネクタピース300の斜視図である。 携帯部70と定置部80を接続するための他の形態を示した図である。 典型的な脈波の原波形を示す図であって、(a)は平脈,(b)は滑脈,(c)は弦脈である。 脈波の1拍について、脈波の波形の特徴を説明するための図である。 指尖容積脈波の波形を表わす図であって、(a)は測定された原波形,(b)は速度脈波,(c)は加速度脈波である。 指尖容積脈波における加速度脈波の一波形分を取り出した図である。
符号の説明
1…プロセッサ、3…作業メモリ、4…脈波センサ、7…表示装置、8…表示制御回路、10…時計回路、11…CPU、13…RAM、17…ディスプレイ装置、18…ディスプレイ制御回路、70…携帯部、80…定置部、CB…通信ケーブル

Claims (13)

  1. 使用者が実施する運動の目標値を設定する目標設定手段と、
    前記使用者の健康状態を示す指標をもとに前記目標値を補正する目標補正手段と、
    第1の通信手段と
    が組み込まれた機器本体と、
    前記目標値を前記使用者へ告知する告知手段と、
    前記使用者から生体の状態を測定する測定手段と、
    前記第1の通信手段と双方向通信が可能な第2の通信手段と
    が組み込まれた携帯機器と
    を有し、前記第1ないし第2の通信手段により前記目標値を授受し、
    運動終了の指示がなされると、
    前記第2の通信手段は、前記測定手段により検出された生体の状態を前記第1の通信手段に送出し、
    前記目標補正手段は、送出された生体の状態から前記指標を算出して、算出した指標をもとに前記目標値を補正する
    ことを特徴とする運動支援装置。
  2. 前記目標値は、運動中の脈拍数,1回の運動当たりの運動時間,運動の頻度のうちの少なくとも一つからなる
    ことを特徴とする請求項1記載の運動支援装置。
  3. 前記使用者から脈拍数を測定する脈拍測定手段と、
    運動開始の指示がなされると、前記脈拍測定手段が測定した脈拍数が前記運動中の脈拍数の目標値を含む所定範囲内にあるように前記使用者へ指導を行う指導手段と
    を有することを特徴とする請求項2記載の運動支援装置。
  4. 前記目標設定手段は、前記使用者から与えられる年齢および性別に基づいて前記目標値の初期値を決定する
    ことを特徴とする請求項1ないし3の何れかの項記載の運動支援装置。
  5. 前記測定手段は、前記使用者から脈波を検出する脈波検出手段を有し、該脈波から前記生体の状態を取り出す
    ことを特徴とする請求項1ないし4の何れかの項記載の運動支援装置。
  6. 前記指標は、隣接する脈波の時間間隔の変動に対してスペクトル分析を行った結果得られるスペクトル成分の振幅値である
    ことを特徴とする請求項5記載の運動支援装置。
  7. 前記指標は、隣接する脈波の時間間隔の変動に対してスペクトル分析を行った結果得られる低周波のスペクトル成分の振幅値と高周波のスペクトル成分の振幅値の比である
    ことを特徴とする請求項5記載の運動支援装置。
  8. 前記指標は、隣接する脈波の時間間隔の変動量が所定時間を越える個数である
    ことを特徴とする請求項5記載の運動支援装置。
  9. 前記脈波に対する加速度脈波を算出する加速度脈波算出手段を有し、
    前記指標は、前記加速度脈波に現れる複数のピークと複数のバレイの中から選択された2つのピーク或いはバレイの振幅比である
    ことを特徴とする請求項5記載の運動支援装置。
  10. 前記指標は、前記加速度脈波に現れる第2のバレイの振幅値を第1のピークの振幅値で除した振幅比である
    ことを特徴とする請求項9記載の運動支援装置。
  11. 前記使用者が実施した運動に対する運動量を算出する運動量算出手段を有し、
    前記目標補正手段は、前記運動量と前記振幅比をもとに、前記運動による前記使用者の状態変化を評価し、該評価の結果をもとに前記運動の目標値を補正する
    ことを特徴とする請求項9又は10記載の運動支援装置。
  12. 前記測定手段は、前記生体の状態を測定するセンサーを有し、
    該センサーを前記携帯機器へ取り付ける第1の接合部材と前記第2の通信手段を前記携帯機器へ取り付ける第2の接合部材とを、前記携帯機器に設けられたコネクタ部へ着脱自在に取り付けた
    ことを特徴とする請求項1ないし11の何れかの項記載の運動支援装置。
  13. 所定期間にわたる運動を実施する度に再評価される前記使用者の運動能力に基づいて、前記運動目標値の初期値を新たに設定する手段を有する
    ことを特徴とする請求項1ないし12の何れかの項記載の運動支援装置。
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