JP2004260081A - 紫外域用反射ミラー装置及びそれを用いた投影露光装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】照射光の照射による反射特性の経時的な劣化を抑制することが可能な紫外域用反射ミラーを提供する。
【解決手段】金属反射面13を有するとともに、金属反射面13の表面に誘電体膜15が積層されたミラー本体10を備えた紫外域用反射ミラー装置において、ミラー本体10を収容するミラー収容部3を有し、ミラー収容部3の内部を水素含有ガス雰囲気とすることにより、金属反射面の酸化反応を抑制するように構成した。
【選択図】 図1
【解決手段】金属反射面13を有するとともに、金属反射面13の表面に誘電体膜15が積層されたミラー本体10を備えた紫外域用反射ミラー装置において、ミラー本体10を収容するミラー収容部3を有し、ミラー収容部3の内部を水素含有ガス雰囲気とすることにより、金属反射面の酸化反応を抑制するように構成した。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、真空紫外域を含む紫外域の照射光を反射可能な紫外域反射ミラー及びその紫外域反射ミラーを用いた投影露光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体素子の集積度を増すために、半導体製造用投影露光装置(ステッパー)の高解像度化の要求が高まっている。このステッパーによるフォトリソグラフィーの解像度を挙げる一つの方法として、光源波長の単波長化が挙げられる。最近では、水銀ランプより短波長で、かつ高出力なエキシマレーザーを光源としたステッパーの実用化が始まっている。このステッパーの光学系は、レンズやミラーなどの各種の光学素子を組合せて構成されている。
【0003】
より高解像度化することにより、ウェハに転写されるレチクルパターンのアスペクト比も1:1に近いことが要求されてくる。ウェハ上での結像されるパターンのアスペクト比を決定しているのは、ステッパーにおいてウェハに至るまでの偏光の比率である。本来、光源から非偏光板を通った光は非偏光状態であり、この状態で露光すると転写パターンのアスペクト比は1:1に近くなる。
【0004】
しかし、実際のステッパーの光路は、5〜20m程度になるため、光路を折り曲げる必要がある。光路を折り曲げると偏光を生じ、その偏光状態は折り曲げに用いる反射ミラーの光学特性に依存する。
【0005】
光源に水銀ランプを用いている場合、反射ミラーの偏光を抑えるために、折り曲げ用の反射ミラーに誘電体多層膜が形成されている。反射ミラーに使用できる誘電体は、波長が短くなるに従い限られる。即ち、使用できる誘電体の屈折率が限定されてしまうことを意味している。
【0006】
更に、実際に反射ミラーに入射される光は広がり(NA:開口数)を持っているので、反射ミラーに要求される角度帯域は0〜70°である。しかし、KrF(248nm)、ArF(193nm)のエキシマ光用の反射ミラーの場合、誘電体多層膜で入射角度0〜70°の角度帯域を有する高反射の非偏光ミラーを製造するのは困難である。
【0007】
また、金属のみのミラーの場合、入射角度帯域は広いが、誘電体のみの構成よりも反射率が低く、なおかつ、広入射になるに従い、p,s偏光差が広がってしまう。
【0008】
そこで、広い入射角度帯域を有し、非偏光状態の高反射特性を持つ反射ミラーを製造するためには、金属+誘電体の構成の使用が必須となる。広い入射角度帯域を有する金属層と優れた偏光性能を有する誘電体層を組合せることにより、優れた反射ミラーを得ることができる(例えば、下記特許文献1参照。)。このような反射ミラーを用いれば、結像性能を向上させるとともに、光量増加によるスループットを向上させることができる。
【0009】
【特許文献1】
特開平9−265005号公報。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような反射ミラーでは、KrFエキシマレーザ、ArFエキシマレーザ、F2レーザ等の照射光が照射されると初期の段階で十分な反射率や入射角度帯域等の反射特性を有していても、この反射特性が経時的に低下し易いという問題点があった。
【0011】
そこで、照射光の照射による反射特性の経時的な劣化を抑制することが可能な紫外域反射ミラーを提供することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この発明の発明者は、照射光を照射する際の反射特性の経時的な低下の原因が、金属反射膜と誘電体膜との界面における金属反射膜の酸化によるものであることを見出した。
【0013】
即ち、紫外域反射ミラーの周囲には、微量の水蒸気が存在する。この水蒸気は誘電体膜を透過するため、誘電体膜と金属反射膜との界面にも存在している。
【0014】
この状態で高出力の照射光が照射されて金属反射膜が微少時間の高温状態を繰り返すと、水の酸化作用により金属反射膜が酸化され、その界面に酸化膜が生成される。そして、この酸化膜の膜厚に応じて反射率や入射角度帯域等の反射特性が低下するのである。
【0015】
そこで、このような酸化膜の生成を抑制するために、請求項1に記載の発明は、金属反射面を有するとともに、該金属反射面の表面に誘電体膜が積層されたミラー本体を備えた紫外域用反射ミラー装置において、前記ミラー本体を収容するミラー収容部を有し、該ミラー収容部の内部を水素含有ガス雰囲気とすることにより、前記金属反射面の酸化反応を抑制するように構成したことを特徴とする。
【0016】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の構成に加え、前記ミラー本体は、前記金属反射面を有する金属反射膜が基材に積層されるとともに、該金属反射膜の表面に前記誘電体膜が積層されてなることを特徴とする。
【0017】
更に、請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の構成に加え、前記ミラー収容部に前記水素含有ガスを供給する水素供給手段と、該ミラー収容部の内部からガスを排出するガス排出手段とを備えたことを特徴とする。
【0018】
また、請求項4に記載の構成は、請求項1乃至3の何れか一つに記載の構成に加え、前記ミラー収容部内の水素分圧が、該収容部内の水蒸気分圧の1000倍以上であることを特徴とする。
【0019】
更に、請求項5に記載の構成は、請求項1乃至4の何れか一つに記載の構成に加え、前記水素含有ガスが、不活性ガスと水素との混合ガスからなり、該水素濃度が1vol%以下であることを特徴とする。
【0020】
また、請求項6に記載の発明は、請求項3乃至5の何れか一つに記載の構成に加え、前記ミラー収容部内の水蒸気分圧を検出する水蒸気検出手段を備え、前記水蒸気検出手段で検出された水蒸気分圧に対し、前記水素分圧が1000倍以上となるように前記水素供給手段の水素供給量を制御する制御手段を設けたことを特徴とする。
【0021】
更に、請求項7に記載の発明は、真空紫外線を露光光としてマスクを照明する照明光学系と、前記マスクのパターン像を被露光基板上に形成する投影光学系とを有する投影露光装置であって、請求項1乃至6の何れか一つに記載の紫外域用反射ミラー装置が前記照明光学系及び/又は前記投影光学系に配置されていることを特徴とする投影露光装置である。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について説明する。
【0023】
[発明実施の形態1]
図1乃至図3は、実施の形態1を示す。
【0024】
図1はこの実施の形態1の紫外域用反射ミラー装置を示す。この紫外域用反射ミラー装置1は、KrFエキシマレーザ、ArFエキシマレーザ、F2レーザ等の短波長の照射光L、特に、波長140〜300nmの照射光を反射するための装置である。
【0025】
この紫外域用反射ミラー装置1では、ミラー本体10が、密閉容器からなるミラー収容部3内に収容された状態で設けられている。ミラー収容部3には、ミラー本体10に照射される照射光及びミラー本体10で反射された反射光が、それぞれ透過可能な透過窓4a、4bが設けられている。
【0026】
また、このミラー収容部3には、水素含有ガスを供給するための水素供給手段6と、内部からガスを排出するためのガス排出手段としての排出路7とが接続されており、内部には水蒸気分圧を検出するための水蒸気検出手段(図示せず)が設けられている。
【0027】
ミラー収容部3に供給する水素含有ガスは、水素分子を含むガスであればよく、ここでは、水素供給手段6が、水素流路6aからの水素と、不活性ガス路6bからの窒素等の不活性ガスとを、供給量の制御手段としてのマスフローコントローラ6cを介して内部に供給するように構成されている。
【0028】
ミラー本体10は、図2に示すような、基材11に金属反射膜13が積層され、金属反射膜13の入射面側に誘電体膜15が積層されて構成されている。
【0029】
基材11は、予め形成された板材であり、前記のような短波長の照射光が透過可能な材料からなる。この基材11の材料としては、フッ化カルシウム、フッ化バリウム等のフッ化物結晶、合成石英ガラス、低熱膨張セラミック、精巧に研磨された一般光学ガラスなどの材料を適宜使用することができる。
【0030】
金属反射膜13は、基材11の照射面側に積層されて表面が金属反射面となる薄膜であり、一般に真空蒸着などにより形成される。この金属反射膜13の材料としては、アルミニウム、金、銀、銅、白金、チタン、シリコン、クロムなどの金属材料の1種又は2種以上を照射光の波長に合わせて使用することができる。
【0031】
誘電体膜15は、通常、紫外域ミラーで使用可能な誘電体材料からなる。この誘電体材料としては、例えば、フッ化ネオジム(NdF3)、フッ化ランタン(LaF3)、フッ化ガドリニウム(GdF3)、フッ化ディスプロシウム(DyF3)、酸化アルミニウム(Al2O3)、フッ化鉛(PbF2)、フッ化ハフニウム(HfO2)、フッ化マグネシウム(MgF2)、フッ化アルミニウム(AlF3)、フッ化ナトリウム(NaF)、フッ化リチウム(LiF)、フッ化カルシウム(CaF)、フッ化バリウム(BaF2)、フッ化ストロンチウム(SrF2)、フッ化イットリウム(YF3)、クリオライト(Na3AlF6)、チオライト(Na5Al3F14)、酸化ケイ素(SiO2)、これらの混合物、及びこれらの化合物からなる群から選ばれる1種又は2種以上の成分からなるものが挙げられる。この実施の形態では、フッ化マグネシウム単層からなるものを用いている。
【0032】
次に、このような構成の紫外域用反射ミラー装置1を用いた投影露光装置30について説明する。
【0033】
図3は、この投影露光装置の基本構造を示し、ウェハー上にレチクルのパターンのイメージを投影するための、ステッパと呼ばれるような投影露光装置に特に応用される。
【0034】
この投影露光装置30は少なくとも、表面に感光剤を塗布した被露光基板Wを置くことのできるウェハーステージ31,露光光としての真空紫外光を照射し、被露光基板W上にレチクルRのパターンを転写するための照明光学系32,照明光学系32に露光光を供給するための光源33,被露光基板W上にレチクルRのパターンのイメージを投影するための投影光学系34とを含む。投影光学系34はレチクルRが配された最初の表面P1(物体面)と、被露光基板Wの表面に一致させた二番目の表面P2(像面)との間に配置されている。
【0035】
ウェハーステージ31はステージ制御系35により位置が制御される。照明光学系32は、レチクルRと被露光基板Wとの間の相対位置を調節するための、アライメント光学系36を含んでいる。レチクルRはウェハーステージ31の表面に対して平行に動くことのできるレチクルステージ37に配置されている。レチクル交換系38は、レチクルステージ37にセットされたレチクルRを交換し運搬する。レチクル交換系38はウェハーステージ31の表面に対してレチクルステージ37を平行に動かすためのステージドライバーを含んでいる。投影光学系34は、スキャンタイプの露光装置に応用されるアライメント光学系を持っている。更に、光源33、ステージ制御系35、アライメント光学系36、レチクル交換系38は主制御部39によって制御されている。
【0036】
この投影露光装置30では、前記のような紫外域用反射ミラー装置1が、詳細な図示は省略されているが、照明光学系32及び/又は投影光学系34に使用されている。即ち、照明光学系32及び/又は投影光学系34において、光路を折り曲げるために紫外域用反射ミラー装置1が配置されている。
【0037】
このような投影露光装置30は、光源33からの照射光により被露光基板Wを露光するように使用される。そして、使用時には、光路に配置された紫外域用反射ミラー装置1において、照射光は誘電体膜15及び金属反射膜13で反射される。
【0038】
この紫外域用反射ミラー装置1の使用時には、ミラー本体10を収容するミラー収容部3の内部に水素供給手段6から水素含有ガスを供給することにより、ミラー収容部3の内部を水素含有ガス雰囲気にしておく必要がある。照射光により金属反射膜13の表面に酸化膜14が生成される速度を抑制するためである。
【0039】
この酸化膜14を抑制する効果は、次のように考えられる。
【0040】
まず、従来のように水素供給手段6が設けられていない場合、ミラー本体10の周囲の雰囲気中には、ミラー収容部3のリーク等に起因して微量の水蒸気、酸素などの気体が存在している。
【0041】
これらの気体は酸化作用を有する物質であり、前述のように誘電体膜15を透過して金属反射膜13と誘電体膜15との界面に存在している状態で、照射光が照射されると、金属反射膜13の表面の酸化反応が起こる。
【0042】
金属反射膜13の水蒸気による酸化反応は、次式(1)のように表される。
【0043】
【化1】
mM+nH2O → MmOn+nH2 ・・・(1)
(式(1)中、Mは金属反射膜13を構成する金属を示し、m、nは価数を示す。)
また、金属反射膜13の酸素による酸化反応は、次式(2)のように表される。
【0044】
【化2】
mM+(n/2)O2 → MmOn ・・・(2)
(式(2)中、Mは金属反射膜13を構成する金属を示し、m、nは価数を示す。)
酸化反応により金属反射膜の表面に酸化膜14が生成されると、この酸化膜14の膜厚に応じて光学特性が低下する。
【0045】
この酸化膜14の生成速度に対する雰囲気中の各気体の分圧の影響を調べたところ、酸化膜14の生成速度は雰囲気中の水蒸気分圧に強く依存していた。即ち、水蒸気が存在する系の場合、水蒸気が他の物質に優先して反応していた。
【0046】
そのため、この酸化反応を抑制するには、金属反射膜13と誘電体膜15との界面に存在する水蒸気量を減らす必要がある。この水蒸気は周囲の雰囲気から誘電体膜15を透過して侵入するものであるため、ミラー本体10の周囲の水蒸気をできるだけ除去するのが好ましい。しかし、周囲から完全に水蒸気を無くすことは、実際上不可能である。
【0047】
そこで、この発明では、上記(1)式に示される水蒸気による金属反射膜13の酸化反応において、系内の水素の存在量を増加することにより、平衡状態をより還元側に移行させ、これにより酸化反応を抑制して、酸化膜14の生成速度を低下させるのである。
【0048】
まず、酸化膜14の生成速度はd=(kt)1/3(三乗則)或いはd=(kt)1/2(二乗則)という式で表される。ここでは、dが生成される酸化膜14の厚さであり、tは時間、kは酸化反応速度定数を示している。
【0049】
この酸化膜14の生成速度を示す式において、酸化反応速度定数kは、酸化反応における生成自由エネルギーΔGfに対して一次の相関を有し、k∝Z・ΔGのように表されることが知られている。ここでは、Zはイオンの輸率等の諸条件に基づく係数である。
【0050】
そこで、上記のような金属反射膜13の水蒸気による酸化反応における生成自由エネルギーΔGfを求める。式(1)の酸化反応は可逆的であり、M及びMmOn が固体であるため、ΔGfは次式(3)のように表せる。
【0051】
【数1】
ΔGf=−n・R・T・ln(PH2/PH2O)
((3)中、(PH2/PH2O)は水素と水蒸気との分圧比である。)
従って、一定温度の場合、酸化膜14の生成速度は、水素と水蒸気との分圧比に依存している。そして、金属反射面13の酸化膜14の生成速度は、この水素と水蒸気との分圧比を調整することにより調整することができ、水蒸気分圧に対して水素分圧を増加することにより、酸化膜14の生成速度を抑制することができるのである。
【0052】
故に、この発明では、ミラー本体10を収容するミラー収容部3の内部に、水素供給手段6から水素含有ガスを供給することにより、ミラー収容部3の内部の水蒸気分圧に対する水素分圧の割合を増加して、ミラー本体10の周囲を水素含有雰囲気としている。
【0053】
この水蒸気分圧に対する水素分圧の割合は、1000倍以上とするのが好ましく、水素供給手段6から供給される水素を、水蒸気検出手段により検出された水蒸気分圧に対して水素分圧が1000倍以上になるようにマスフローコントローラ6cにより調整する。このようにすれば、投影露光装置30において、紫外光1.0×1011pulses照射しても、反射率の低下割合を50%以上に維持することが可能となり、耐久性の優れた投影露光装置30が得られる。
【0054】
また、このマスフローコントローラ6cにより、不活性ガス中の水素濃度が1vol%以下になるように調整するのが好ましい。このようにすれば、引火の危険を低減することができ、安全性を向上することができる。
【0055】
そして、以上のような紫外域反射ミラー装置1によれば、投影露光装置30などに使用した場合、ミラー本体10が収容されたミラー収容部3の内部を水素含有雰囲気とされているので、紫外域用反射ミラー装置1が、照射時に金属反射膜13の表面に酸化膜14が生成される速度を抑制することができ、ミラー本体の反射特性を維持しやすく、そのため投影露光装置30の結像性能を維持しやすく、同時に光量低下によるスループットの低下を防止しやすい。
【0056】
なお、上記実施の形態では、ミラー収容部3にミラー本体10が収容された紫外域用反射ミラー装置1について説明したが、ミラー収容部3がミラー本体10だけを収容するものである必要はなく、例えば投影露光装置の一部又は全部を収容していてもよく、ミラー本体10を収容して水素分圧を調整可能な密閉空間であれば適宜使用可能である。
【0057】
また、上記では、誘電体膜15を一層設けた例について説明したが、誘電体膜15の層数は特に限定されるものではなく、2層以上であってもよく、光学特性の向上の効果が飽和される15層程度までの範囲で、適宜設定可能である。
【0058】
その際、複数積層させる場合には、2種類の誘電体を用い、低屈折率誘電体からなる誘電体膜と高屈折率誘電体からなる誘電体膜とを交互に積層することも可能である。
【0059】
更に、上記では、水素供給手段6からミラー収容部3への水素含有ガスの供給は、照射光の照射前に行ったが、ミラー収容部3へ連続的に行うことも可能である。その場合、排出路7からの排気を連続的に行うのが好ましい。
【0060】
[発明の実施の形態2]
次に、発明の実施の形態2について説明する。
【0061】
図4にこの実施の形態の紫外域用反射ミラー装置1を示す。ここでは、ミラー収容部3に接続された水素含有ガスを供給するための水素供給手段6の構成が異なる他は、前記実施の形態1と同様である。
【0062】
この水素供給手段6では、マスフローコントローラ6cの下流側に活性炭フィルタ8が設けられている。
【0063】
このように活性炭フィルタ8を設けると、マスフローコントローラ6cで調整されてミラー収容部3に供給される水素含有ガス中の水分を除去することができる。同時に、ミラー収容部3の内部に供給される水素含有ガスの水素と不活性ガスとの攪拌を行うことができる。そのため、このような装置によれば、金属反射膜13の酸化反応を安定して抑制することができる。
【0064】
【実施例】
以下、この発明の実施例について説明する。
【0065】
実施例
図1に示すような紫外域反射ミラー装置1を用い、エネルギー密度1.0mJ/cm2/pulseのArFエキシマレーザを1.0×1011pulse照射した。
【0066】
照射開始前のミラー収容部3の内部の圧力は1.013×105Paであり、また、水蒸気濃度は、水素供給手段6から導入した導入窒素に対して20ppmであった。また、水素濃度は導入窒素に対して1vol%であった。
【0067】
比較例
水素供給手段6から、水素を供給することなく、実施例と同様にして、紫外域用反射ミラー装置1にArFエキシマレーザを照射した。
【0068】
照射開始前のミラー収容部3の内部の圧力は1.013×105Paであり、水蒸気濃度は水素供給手段6から導入した導入窒素に対して20ppmであり、水素濃度は10ppmであった。
【0069】
測 定
実施例及び比較例の紫外域用反射ミラー装置1の照射前と照射後の反射率を測定した。実施例の結果を図5に、また、比較例の結果を図6に示す。図において、実線a、cは照射前を示し、破線b、dは照射後を示す。
【0070】
図5と図6の比較から明らかなように、実施例に比べて比較例の紫外域反射ミラー装置1の反射率は低下しており、光学特性が初期値に対して劣化していることが分かる。一方、実施例では、光学特性の劣化は僅かであった。
【0071】
この実施例と比較例では、生成自由エネルギΔGfのln(PH2/PH2O)の項が異なる。この実施例と比較例のln(PH2/PH2O)の比を算出すると次の通りである。
【0072】
【数2】
これは、酸化反応速度定数が1/9になることを意味する。
【0073】
そのため、酸化膜14の生成速度は前記の二乗則を用いた式に適合させれば、(1/9)1/2=1/3となる。
【0074】
従って、水素濃度を1vol%となるように供給した実施例の紫外域用反射ミラー装置1は、水素を供給しない比較例に比べ、金属反射膜13の酸化膜14の生成速度は1/3に抑制されている。これは図5と図6の比較からも確認できた。
【0075】
【発明の効果】
以上詳述の通り、請求項1乃至3の何れか一つに記載の発明によれば、ミラー本体が収容されたミラー収容部の内部を水素含有ガス雰囲気とし、これにより金属反射面の酸化反応を抑えるように構成したので、照射光の照射により金属反射面に酸化膜が生成される速度を抑制することができ、ミラー本体の反射特性を維持しやすい紫外域用反射ミラー装置を提供することができる。
【0076】
また、請求項4に記載の発明によれば、ミラー収容部内の水素分圧が、収容部内の水蒸気分圧の1000倍以上であるので、水素による酸化反応の抑制効果を顕著に得られ、紫外光を1.0×1011pulses照射した際の反射特性を照射初期の50%以上に維持することが可能となる。
【0077】
更に、請求項5に記載の発明によれば、水素含有ガスが、不活性ガスと水素との混合ガスからなり、水素濃度が1vol%以下であるので、引火し難く、安全性を向上することができる。
【0078】
更に、請求項6に記載の発明によれば、ミラー収容部内の水蒸気分圧を検出する水蒸気検出手段を備え、水蒸気検出手段で検出された水蒸気分圧に対し、所定の水素分圧となるように水素供給手段の水素供給量を制御する制御手段を設けたので、水素による酸化反応の顕著な抑制効果をより確実に得られるとともに、より安全性を向上することができる。
【0079】
また、請求項7に記載の発明によれば、請求項1乃至6の何れか一つに記載の紫外域用反射ミラー装置を備えた投影露光装置としているので、紫外域用反射ミラーの反射特性の低下を抑制して、結像性能を維持し易いとともに、光量低下によるスループットの低下を防止し易い。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1の紫外域用反射ミラー装置を示す概略図である。
【図2】図1の紫外域用反射ミラー装置のミラー本体を示す断面図である。
【図3】図1の紫外域用反射ミラー装置を用いた投影露光装置の基本構成を示す構成図である。
【図4】この発明の実施の形態2の紫外域用反射ミラー装置を示す概略図である。
【図5】実施例の結果を示し、照射光の照射前後の反射率を示すグラフである。
【図6】比較例の結果を示し、照射光の照射前後の反射率を示すグラフである。
【符号の説明】
1 紫外域用反射ミラー装置
3 ミラー収容部
6 水素供給手段
6a 水素供給路
6b 不活性ガス供給路
6c マスフローコントローラ
7 排出路
10 ミラー本体
11 基材
13 金属反射膜
14 酸化膜
15 誘電体膜
30 投影露光装置
【発明の属する技術分野】
この発明は、真空紫外域を含む紫外域の照射光を反射可能な紫外域反射ミラー及びその紫外域反射ミラーを用いた投影露光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体素子の集積度を増すために、半導体製造用投影露光装置(ステッパー)の高解像度化の要求が高まっている。このステッパーによるフォトリソグラフィーの解像度を挙げる一つの方法として、光源波長の単波長化が挙げられる。最近では、水銀ランプより短波長で、かつ高出力なエキシマレーザーを光源としたステッパーの実用化が始まっている。このステッパーの光学系は、レンズやミラーなどの各種の光学素子を組合せて構成されている。
【0003】
より高解像度化することにより、ウェハに転写されるレチクルパターンのアスペクト比も1:1に近いことが要求されてくる。ウェハ上での結像されるパターンのアスペクト比を決定しているのは、ステッパーにおいてウェハに至るまでの偏光の比率である。本来、光源から非偏光板を通った光は非偏光状態であり、この状態で露光すると転写パターンのアスペクト比は1:1に近くなる。
【0004】
しかし、実際のステッパーの光路は、5〜20m程度になるため、光路を折り曲げる必要がある。光路を折り曲げると偏光を生じ、その偏光状態は折り曲げに用いる反射ミラーの光学特性に依存する。
【0005】
光源に水銀ランプを用いている場合、反射ミラーの偏光を抑えるために、折り曲げ用の反射ミラーに誘電体多層膜が形成されている。反射ミラーに使用できる誘電体は、波長が短くなるに従い限られる。即ち、使用できる誘電体の屈折率が限定されてしまうことを意味している。
【0006】
更に、実際に反射ミラーに入射される光は広がり(NA:開口数)を持っているので、反射ミラーに要求される角度帯域は0〜70°である。しかし、KrF(248nm)、ArF(193nm)のエキシマ光用の反射ミラーの場合、誘電体多層膜で入射角度0〜70°の角度帯域を有する高反射の非偏光ミラーを製造するのは困難である。
【0007】
また、金属のみのミラーの場合、入射角度帯域は広いが、誘電体のみの構成よりも反射率が低く、なおかつ、広入射になるに従い、p,s偏光差が広がってしまう。
【0008】
そこで、広い入射角度帯域を有し、非偏光状態の高反射特性を持つ反射ミラーを製造するためには、金属+誘電体の構成の使用が必須となる。広い入射角度帯域を有する金属層と優れた偏光性能を有する誘電体層を組合せることにより、優れた反射ミラーを得ることができる(例えば、下記特許文献1参照。)。このような反射ミラーを用いれば、結像性能を向上させるとともに、光量増加によるスループットを向上させることができる。
【0009】
【特許文献1】
特開平9−265005号公報。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような反射ミラーでは、KrFエキシマレーザ、ArFエキシマレーザ、F2レーザ等の照射光が照射されると初期の段階で十分な反射率や入射角度帯域等の反射特性を有していても、この反射特性が経時的に低下し易いという問題点があった。
【0011】
そこで、照射光の照射による反射特性の経時的な劣化を抑制することが可能な紫外域反射ミラーを提供することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この発明の発明者は、照射光を照射する際の反射特性の経時的な低下の原因が、金属反射膜と誘電体膜との界面における金属反射膜の酸化によるものであることを見出した。
【0013】
即ち、紫外域反射ミラーの周囲には、微量の水蒸気が存在する。この水蒸気は誘電体膜を透過するため、誘電体膜と金属反射膜との界面にも存在している。
【0014】
この状態で高出力の照射光が照射されて金属反射膜が微少時間の高温状態を繰り返すと、水の酸化作用により金属反射膜が酸化され、その界面に酸化膜が生成される。そして、この酸化膜の膜厚に応じて反射率や入射角度帯域等の反射特性が低下するのである。
【0015】
そこで、このような酸化膜の生成を抑制するために、請求項1に記載の発明は、金属反射面を有するとともに、該金属反射面の表面に誘電体膜が積層されたミラー本体を備えた紫外域用反射ミラー装置において、前記ミラー本体を収容するミラー収容部を有し、該ミラー収容部の内部を水素含有ガス雰囲気とすることにより、前記金属反射面の酸化反応を抑制するように構成したことを特徴とする。
【0016】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の構成に加え、前記ミラー本体は、前記金属反射面を有する金属反射膜が基材に積層されるとともに、該金属反射膜の表面に前記誘電体膜が積層されてなることを特徴とする。
【0017】
更に、請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の構成に加え、前記ミラー収容部に前記水素含有ガスを供給する水素供給手段と、該ミラー収容部の内部からガスを排出するガス排出手段とを備えたことを特徴とする。
【0018】
また、請求項4に記載の構成は、請求項1乃至3の何れか一つに記載の構成に加え、前記ミラー収容部内の水素分圧が、該収容部内の水蒸気分圧の1000倍以上であることを特徴とする。
【0019】
更に、請求項5に記載の構成は、請求項1乃至4の何れか一つに記載の構成に加え、前記水素含有ガスが、不活性ガスと水素との混合ガスからなり、該水素濃度が1vol%以下であることを特徴とする。
【0020】
また、請求項6に記載の発明は、請求項3乃至5の何れか一つに記載の構成に加え、前記ミラー収容部内の水蒸気分圧を検出する水蒸気検出手段を備え、前記水蒸気検出手段で検出された水蒸気分圧に対し、前記水素分圧が1000倍以上となるように前記水素供給手段の水素供給量を制御する制御手段を設けたことを特徴とする。
【0021】
更に、請求項7に記載の発明は、真空紫外線を露光光としてマスクを照明する照明光学系と、前記マスクのパターン像を被露光基板上に形成する投影光学系とを有する投影露光装置であって、請求項1乃至6の何れか一つに記載の紫外域用反射ミラー装置が前記照明光学系及び/又は前記投影光学系に配置されていることを特徴とする投影露光装置である。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について説明する。
【0023】
[発明実施の形態1]
図1乃至図3は、実施の形態1を示す。
【0024】
図1はこの実施の形態1の紫外域用反射ミラー装置を示す。この紫外域用反射ミラー装置1は、KrFエキシマレーザ、ArFエキシマレーザ、F2レーザ等の短波長の照射光L、特に、波長140〜300nmの照射光を反射するための装置である。
【0025】
この紫外域用反射ミラー装置1では、ミラー本体10が、密閉容器からなるミラー収容部3内に収容された状態で設けられている。ミラー収容部3には、ミラー本体10に照射される照射光及びミラー本体10で反射された反射光が、それぞれ透過可能な透過窓4a、4bが設けられている。
【0026】
また、このミラー収容部3には、水素含有ガスを供給するための水素供給手段6と、内部からガスを排出するためのガス排出手段としての排出路7とが接続されており、内部には水蒸気分圧を検出するための水蒸気検出手段(図示せず)が設けられている。
【0027】
ミラー収容部3に供給する水素含有ガスは、水素分子を含むガスであればよく、ここでは、水素供給手段6が、水素流路6aからの水素と、不活性ガス路6bからの窒素等の不活性ガスとを、供給量の制御手段としてのマスフローコントローラ6cを介して内部に供給するように構成されている。
【0028】
ミラー本体10は、図2に示すような、基材11に金属反射膜13が積層され、金属反射膜13の入射面側に誘電体膜15が積層されて構成されている。
【0029】
基材11は、予め形成された板材であり、前記のような短波長の照射光が透過可能な材料からなる。この基材11の材料としては、フッ化カルシウム、フッ化バリウム等のフッ化物結晶、合成石英ガラス、低熱膨張セラミック、精巧に研磨された一般光学ガラスなどの材料を適宜使用することができる。
【0030】
金属反射膜13は、基材11の照射面側に積層されて表面が金属反射面となる薄膜であり、一般に真空蒸着などにより形成される。この金属反射膜13の材料としては、アルミニウム、金、銀、銅、白金、チタン、シリコン、クロムなどの金属材料の1種又は2種以上を照射光の波長に合わせて使用することができる。
【0031】
誘電体膜15は、通常、紫外域ミラーで使用可能な誘電体材料からなる。この誘電体材料としては、例えば、フッ化ネオジム(NdF3)、フッ化ランタン(LaF3)、フッ化ガドリニウム(GdF3)、フッ化ディスプロシウム(DyF3)、酸化アルミニウム(Al2O3)、フッ化鉛(PbF2)、フッ化ハフニウム(HfO2)、フッ化マグネシウム(MgF2)、フッ化アルミニウム(AlF3)、フッ化ナトリウム(NaF)、フッ化リチウム(LiF)、フッ化カルシウム(CaF)、フッ化バリウム(BaF2)、フッ化ストロンチウム(SrF2)、フッ化イットリウム(YF3)、クリオライト(Na3AlF6)、チオライト(Na5Al3F14)、酸化ケイ素(SiO2)、これらの混合物、及びこれらの化合物からなる群から選ばれる1種又は2種以上の成分からなるものが挙げられる。この実施の形態では、フッ化マグネシウム単層からなるものを用いている。
【0032】
次に、このような構成の紫外域用反射ミラー装置1を用いた投影露光装置30について説明する。
【0033】
図3は、この投影露光装置の基本構造を示し、ウェハー上にレチクルのパターンのイメージを投影するための、ステッパと呼ばれるような投影露光装置に特に応用される。
【0034】
この投影露光装置30は少なくとも、表面に感光剤を塗布した被露光基板Wを置くことのできるウェハーステージ31,露光光としての真空紫外光を照射し、被露光基板W上にレチクルRのパターンを転写するための照明光学系32,照明光学系32に露光光を供給するための光源33,被露光基板W上にレチクルRのパターンのイメージを投影するための投影光学系34とを含む。投影光学系34はレチクルRが配された最初の表面P1(物体面)と、被露光基板Wの表面に一致させた二番目の表面P2(像面)との間に配置されている。
【0035】
ウェハーステージ31はステージ制御系35により位置が制御される。照明光学系32は、レチクルRと被露光基板Wとの間の相対位置を調節するための、アライメント光学系36を含んでいる。レチクルRはウェハーステージ31の表面に対して平行に動くことのできるレチクルステージ37に配置されている。レチクル交換系38は、レチクルステージ37にセットされたレチクルRを交換し運搬する。レチクル交換系38はウェハーステージ31の表面に対してレチクルステージ37を平行に動かすためのステージドライバーを含んでいる。投影光学系34は、スキャンタイプの露光装置に応用されるアライメント光学系を持っている。更に、光源33、ステージ制御系35、アライメント光学系36、レチクル交換系38は主制御部39によって制御されている。
【0036】
この投影露光装置30では、前記のような紫外域用反射ミラー装置1が、詳細な図示は省略されているが、照明光学系32及び/又は投影光学系34に使用されている。即ち、照明光学系32及び/又は投影光学系34において、光路を折り曲げるために紫外域用反射ミラー装置1が配置されている。
【0037】
このような投影露光装置30は、光源33からの照射光により被露光基板Wを露光するように使用される。そして、使用時には、光路に配置された紫外域用反射ミラー装置1において、照射光は誘電体膜15及び金属反射膜13で反射される。
【0038】
この紫外域用反射ミラー装置1の使用時には、ミラー本体10を収容するミラー収容部3の内部に水素供給手段6から水素含有ガスを供給することにより、ミラー収容部3の内部を水素含有ガス雰囲気にしておく必要がある。照射光により金属反射膜13の表面に酸化膜14が生成される速度を抑制するためである。
【0039】
この酸化膜14を抑制する効果は、次のように考えられる。
【0040】
まず、従来のように水素供給手段6が設けられていない場合、ミラー本体10の周囲の雰囲気中には、ミラー収容部3のリーク等に起因して微量の水蒸気、酸素などの気体が存在している。
【0041】
これらの気体は酸化作用を有する物質であり、前述のように誘電体膜15を透過して金属反射膜13と誘電体膜15との界面に存在している状態で、照射光が照射されると、金属反射膜13の表面の酸化反応が起こる。
【0042】
金属反射膜13の水蒸気による酸化反応は、次式(1)のように表される。
【0043】
【化1】
mM+nH2O → MmOn+nH2 ・・・(1)
(式(1)中、Mは金属反射膜13を構成する金属を示し、m、nは価数を示す。)
また、金属反射膜13の酸素による酸化反応は、次式(2)のように表される。
【0044】
【化2】
mM+(n/2)O2 → MmOn ・・・(2)
(式(2)中、Mは金属反射膜13を構成する金属を示し、m、nは価数を示す。)
酸化反応により金属反射膜の表面に酸化膜14が生成されると、この酸化膜14の膜厚に応じて光学特性が低下する。
【0045】
この酸化膜14の生成速度に対する雰囲気中の各気体の分圧の影響を調べたところ、酸化膜14の生成速度は雰囲気中の水蒸気分圧に強く依存していた。即ち、水蒸気が存在する系の場合、水蒸気が他の物質に優先して反応していた。
【0046】
そのため、この酸化反応を抑制するには、金属反射膜13と誘電体膜15との界面に存在する水蒸気量を減らす必要がある。この水蒸気は周囲の雰囲気から誘電体膜15を透過して侵入するものであるため、ミラー本体10の周囲の水蒸気をできるだけ除去するのが好ましい。しかし、周囲から完全に水蒸気を無くすことは、実際上不可能である。
【0047】
そこで、この発明では、上記(1)式に示される水蒸気による金属反射膜13の酸化反応において、系内の水素の存在量を増加することにより、平衡状態をより還元側に移行させ、これにより酸化反応を抑制して、酸化膜14の生成速度を低下させるのである。
【0048】
まず、酸化膜14の生成速度はd=(kt)1/3(三乗則)或いはd=(kt)1/2(二乗則)という式で表される。ここでは、dが生成される酸化膜14の厚さであり、tは時間、kは酸化反応速度定数を示している。
【0049】
この酸化膜14の生成速度を示す式において、酸化反応速度定数kは、酸化反応における生成自由エネルギーΔGfに対して一次の相関を有し、k∝Z・ΔGのように表されることが知られている。ここでは、Zはイオンの輸率等の諸条件に基づく係数である。
【0050】
そこで、上記のような金属反射膜13の水蒸気による酸化反応における生成自由エネルギーΔGfを求める。式(1)の酸化反応は可逆的であり、M及びMmOn が固体であるため、ΔGfは次式(3)のように表せる。
【0051】
【数1】
ΔGf=−n・R・T・ln(PH2/PH2O)
((3)中、(PH2/PH2O)は水素と水蒸気との分圧比である。)
従って、一定温度の場合、酸化膜14の生成速度は、水素と水蒸気との分圧比に依存している。そして、金属反射面13の酸化膜14の生成速度は、この水素と水蒸気との分圧比を調整することにより調整することができ、水蒸気分圧に対して水素分圧を増加することにより、酸化膜14の生成速度を抑制することができるのである。
【0052】
故に、この発明では、ミラー本体10を収容するミラー収容部3の内部に、水素供給手段6から水素含有ガスを供給することにより、ミラー収容部3の内部の水蒸気分圧に対する水素分圧の割合を増加して、ミラー本体10の周囲を水素含有雰囲気としている。
【0053】
この水蒸気分圧に対する水素分圧の割合は、1000倍以上とするのが好ましく、水素供給手段6から供給される水素を、水蒸気検出手段により検出された水蒸気分圧に対して水素分圧が1000倍以上になるようにマスフローコントローラ6cにより調整する。このようにすれば、投影露光装置30において、紫外光1.0×1011pulses照射しても、反射率の低下割合を50%以上に維持することが可能となり、耐久性の優れた投影露光装置30が得られる。
【0054】
また、このマスフローコントローラ6cにより、不活性ガス中の水素濃度が1vol%以下になるように調整するのが好ましい。このようにすれば、引火の危険を低減することができ、安全性を向上することができる。
【0055】
そして、以上のような紫外域反射ミラー装置1によれば、投影露光装置30などに使用した場合、ミラー本体10が収容されたミラー収容部3の内部を水素含有雰囲気とされているので、紫外域用反射ミラー装置1が、照射時に金属反射膜13の表面に酸化膜14が生成される速度を抑制することができ、ミラー本体の反射特性を維持しやすく、そのため投影露光装置30の結像性能を維持しやすく、同時に光量低下によるスループットの低下を防止しやすい。
【0056】
なお、上記実施の形態では、ミラー収容部3にミラー本体10が収容された紫外域用反射ミラー装置1について説明したが、ミラー収容部3がミラー本体10だけを収容するものである必要はなく、例えば投影露光装置の一部又は全部を収容していてもよく、ミラー本体10を収容して水素分圧を調整可能な密閉空間であれば適宜使用可能である。
【0057】
また、上記では、誘電体膜15を一層設けた例について説明したが、誘電体膜15の層数は特に限定されるものではなく、2層以上であってもよく、光学特性の向上の効果が飽和される15層程度までの範囲で、適宜設定可能である。
【0058】
その際、複数積層させる場合には、2種類の誘電体を用い、低屈折率誘電体からなる誘電体膜と高屈折率誘電体からなる誘電体膜とを交互に積層することも可能である。
【0059】
更に、上記では、水素供給手段6からミラー収容部3への水素含有ガスの供給は、照射光の照射前に行ったが、ミラー収容部3へ連続的に行うことも可能である。その場合、排出路7からの排気を連続的に行うのが好ましい。
【0060】
[発明の実施の形態2]
次に、発明の実施の形態2について説明する。
【0061】
図4にこの実施の形態の紫外域用反射ミラー装置1を示す。ここでは、ミラー収容部3に接続された水素含有ガスを供給するための水素供給手段6の構成が異なる他は、前記実施の形態1と同様である。
【0062】
この水素供給手段6では、マスフローコントローラ6cの下流側に活性炭フィルタ8が設けられている。
【0063】
このように活性炭フィルタ8を設けると、マスフローコントローラ6cで調整されてミラー収容部3に供給される水素含有ガス中の水分を除去することができる。同時に、ミラー収容部3の内部に供給される水素含有ガスの水素と不活性ガスとの攪拌を行うことができる。そのため、このような装置によれば、金属反射膜13の酸化反応を安定して抑制することができる。
【0064】
【実施例】
以下、この発明の実施例について説明する。
【0065】
実施例
図1に示すような紫外域反射ミラー装置1を用い、エネルギー密度1.0mJ/cm2/pulseのArFエキシマレーザを1.0×1011pulse照射した。
【0066】
照射開始前のミラー収容部3の内部の圧力は1.013×105Paであり、また、水蒸気濃度は、水素供給手段6から導入した導入窒素に対して20ppmであった。また、水素濃度は導入窒素に対して1vol%であった。
【0067】
比較例
水素供給手段6から、水素を供給することなく、実施例と同様にして、紫外域用反射ミラー装置1にArFエキシマレーザを照射した。
【0068】
照射開始前のミラー収容部3の内部の圧力は1.013×105Paであり、水蒸気濃度は水素供給手段6から導入した導入窒素に対して20ppmであり、水素濃度は10ppmであった。
【0069】
測 定
実施例及び比較例の紫外域用反射ミラー装置1の照射前と照射後の反射率を測定した。実施例の結果を図5に、また、比較例の結果を図6に示す。図において、実線a、cは照射前を示し、破線b、dは照射後を示す。
【0070】
図5と図6の比較から明らかなように、実施例に比べて比較例の紫外域反射ミラー装置1の反射率は低下しており、光学特性が初期値に対して劣化していることが分かる。一方、実施例では、光学特性の劣化は僅かであった。
【0071】
この実施例と比較例では、生成自由エネルギΔGfのln(PH2/PH2O)の項が異なる。この実施例と比較例のln(PH2/PH2O)の比を算出すると次の通りである。
【0072】
【数2】
これは、酸化反応速度定数が1/9になることを意味する。
【0073】
そのため、酸化膜14の生成速度は前記の二乗則を用いた式に適合させれば、(1/9)1/2=1/3となる。
【0074】
従って、水素濃度を1vol%となるように供給した実施例の紫外域用反射ミラー装置1は、水素を供給しない比較例に比べ、金属反射膜13の酸化膜14の生成速度は1/3に抑制されている。これは図5と図6の比較からも確認できた。
【0075】
【発明の効果】
以上詳述の通り、請求項1乃至3の何れか一つに記載の発明によれば、ミラー本体が収容されたミラー収容部の内部を水素含有ガス雰囲気とし、これにより金属反射面の酸化反応を抑えるように構成したので、照射光の照射により金属反射面に酸化膜が生成される速度を抑制することができ、ミラー本体の反射特性を維持しやすい紫外域用反射ミラー装置を提供することができる。
【0076】
また、請求項4に記載の発明によれば、ミラー収容部内の水素分圧が、収容部内の水蒸気分圧の1000倍以上であるので、水素による酸化反応の抑制効果を顕著に得られ、紫外光を1.0×1011pulses照射した際の反射特性を照射初期の50%以上に維持することが可能となる。
【0077】
更に、請求項5に記載の発明によれば、水素含有ガスが、不活性ガスと水素との混合ガスからなり、水素濃度が1vol%以下であるので、引火し難く、安全性を向上することができる。
【0078】
更に、請求項6に記載の発明によれば、ミラー収容部内の水蒸気分圧を検出する水蒸気検出手段を備え、水蒸気検出手段で検出された水蒸気分圧に対し、所定の水素分圧となるように水素供給手段の水素供給量を制御する制御手段を設けたので、水素による酸化反応の顕著な抑制効果をより確実に得られるとともに、より安全性を向上することができる。
【0079】
また、請求項7に記載の発明によれば、請求項1乃至6の何れか一つに記載の紫外域用反射ミラー装置を備えた投影露光装置としているので、紫外域用反射ミラーの反射特性の低下を抑制して、結像性能を維持し易いとともに、光量低下によるスループットの低下を防止し易い。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1の紫外域用反射ミラー装置を示す概略図である。
【図2】図1の紫外域用反射ミラー装置のミラー本体を示す断面図である。
【図3】図1の紫外域用反射ミラー装置を用いた投影露光装置の基本構成を示す構成図である。
【図4】この発明の実施の形態2の紫外域用反射ミラー装置を示す概略図である。
【図5】実施例の結果を示し、照射光の照射前後の反射率を示すグラフである。
【図6】比較例の結果を示し、照射光の照射前後の反射率を示すグラフである。
【符号の説明】
1 紫外域用反射ミラー装置
3 ミラー収容部
6 水素供給手段
6a 水素供給路
6b 不活性ガス供給路
6c マスフローコントローラ
7 排出路
10 ミラー本体
11 基材
13 金属反射膜
14 酸化膜
15 誘電体膜
30 投影露光装置
Claims (7)
- 金属反射面を有するとともに、該金属反射面の表面に誘電体膜が積層されたミラー本体を備えた紫外域用反射ミラー装置において、
前記ミラー本体を収容するミラー収容部を有し、該ミラー収容部の内部を水素含有ガス雰囲気とすることにより、前記金属反射面の酸化反応を抑制するように構成したことを特徴とする紫外域用反射ミラー装置。 - 前記ミラー本体は、前記金属反射面を有する金属反射膜が基材に積層されるとともに、該金属反射膜の表面に前記誘電体膜が積層されてなることを特徴とする請求項1に記載の紫外域用反射ミラー装置。
- 前記ミラー収容部に前記水素含有ガスを供給する水素供給手段と、該ミラー収容部の内部からガスを排出するガス排出手段とを備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の紫外域用反射ミラー装置。
- 前記ミラー収容部内の水素分圧が、該収容部内の水蒸気分圧の1000倍以上であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一つに記載の紫外域用反射ミラー装置。
- 前記水素含有ガスが、不活性ガスと水素との混合ガスからなり、該水素濃度が1vol%以下であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一つに記載の紫外域用反射ミラー装置。
- 前記ミラー収容部内の水蒸気分圧を検出する水蒸気検出手段を備え、
前記水蒸気検出手段で検出された水蒸気分圧に対し、前記水素分圧が1000倍以上となるように前記水素供給手段の水素供給量を制御する制御手段を設けたことを特徴とする請求項3乃至5の何れか一つに記載の紫外域用反射ミラー装置。 - 真空紫外線を露光光としてマスクを照明する照明光学系と、前記マスクのパターン像を被露光基板上に形成する投影光学系とを有する投影露光装置であって、
請求項1乃至6の何れか一つに記載の紫外域用反射ミラー装置が前記照明光学系及び/又は前記投影光学系に配置されていることを特徴とする投影露光装置。
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