JP2004259849A - 蓄電素子の直列接続構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】円筒型電池の長さを抑えてコンパクト化を図ることができ、かつ接続抵抗を抑えることができる蓄電素子の直列接続構造を提供する。
【解決手段】蓄電素子の直列接続構造30は、正極体と負極体とをセパレータで分離させた状態に巻回して上蓄電素子33、中央蓄電素子35および下蓄電素子37を形成し、これらの蓄電素子33,35,37を複数個直列に接続させるものである。この蓄電素子の直列接続構造30は、分極性電極48の幅の2倍の幅の第1、第2の倍尺集電箔46,58を準備し、第1、第2の倍尺集電箔46,58を隣り合う蓄電素子に連続させることにより、蓄電素子同士を直列に接続し、第1、第2の倍尺集電箔46,58のうちの蓄電素子間の中間領域46c、58cにそれぞれ第1、第2の丸孔68,69を設けたものである。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、正極体と負極体とをセパレータで分離させた状態に巻回して蓄電素子を形成し、この蓄電素子を複数個直列に接続する蓄電素子の直列接続構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
バッテリやコンデンサ等の電気を蓄える蓄電素子を、複数個直列に接続した円筒型電池が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平11―26321号公報(第3頁、図1)
【0004】
以上の特許文献1について次図を参照の上、詳しく説明する。
図22は従来の蓄電素子の直列接続構造を備えた円筒型電池を示す断面図である。但し、符号は振り直した。
円筒型電池200は、蓄電素子201・・・を複数個直列に接続し、接続した複数個の蓄電素子201・・・を円筒型の金属ケース202内に収納したものである。
【0005】
蓄電素子201は、分極性電極を集電箔の面に形成して正極体および負極体を形成し、正極体と負極体とをセパレータで分離させた状態に巻回した巻回体である。
蓄電素子201は、正極体を構成する集電箔の一部を分極性電極から突出させて正極リード部203とするとともに、負極体を構成する集電箔の一部を分極性電極から突出させた負極リード部204としたものである。
すなわち、蓄電素子201は、巻回体の一端に正極リード部203を突出させた状態に備え、かつ巻回体の他端に負極リード部204を突出させた状態に備える。
【0006】
この蓄電素子201を同軸上に複数個配置し、隣接する蓄電素子201のうちの一方の正極リード部203と、他方の負極リード部204とを接続することにより、複数個の蓄電素子201・・・を直列に接続させて蓄電素子ユニット205を形成する。
この蓄電素子ユニット205を円筒型の金属ケース202内に収納することにより円筒型電池200を構成する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、円筒型電池200によれば、複数個の蓄電素子201・・・を直列に接続するために、蓄電素子201の一端に正極リード部203を突出させ、かつ他端に負極リード部204を突出させており、隣接する蓄電素子201同士の正極リード部203と負極リード部204を接続させる必要がある。
【0008】
ここで、蓄電素子201の一端から突出させた正極リード部203の長さをLaとし、蓄電素子201の他端から突出させた負極リード部204の長さをLbとすると、複数個の蓄電素子201・・・を直列に接続するためには、隣接する蓄電素子201,201を、正極リード部203の長さLaと負極リード部204の長さLbとを加えた(La+Lb)の間隔をおいて配置する必要がある。
このように、隣接する蓄電素子201,201を(La+Lb)の間隔をおいて配置するので、円筒型電池200の全長をコンパクトに収めることは難しい。
【0009】
さらに、複数個の蓄電素子201・・・を直列に接続するために、隣接する蓄電素子201,201のうちの一方の蓄電素子201の正極リード部203を、他方の蓄電素子201の負極リード部204に接続させるので、通電の際に接続部に比較的大きな接続抵抗が発生して低抵抗に接続することが難しいと考えられる。
【0010】
そこで、本発明の目的は、円筒型電池の長さを抑えてコンパクト化を図ることができ、かつ接続抵抗を抑えることができる蓄電素子の直列接続構造を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1は、活性炭、導電材料および結合剤からなる分極性電極を集電箔の少なくとも片面に設けて正極体および負極体を形成し、正極体と負極体とをセパレータで分離させた状態に巻回して蓄電素子を形成し、この蓄電素子を複数個直列に接続させる直列接続構造において、前記分極性電極の幅の少なくとも2倍の幅の倍尺集電箔を準備し、この倍尺集電箔を隣り合う蓄電素子に連続させることにより蓄電素子同士を直列に接続し、前記倍尺集電箔のうちの前記蓄電素子間の部位に開口部を設けたことを特徴とする。
【0012】
倍尺集電箔を分極性電極の幅の少なくとも2倍に設定し、この倍尺集電箔を蓄電素子に連続させて蓄電素子同士を直列に接続するように構成した。このように、隣接する蓄電素子に共通の倍尺集電箔を使用し、倍尺集電箔で蓄電素子同士を接続させることで、隣接する蓄電素子間の距離を短く抑えることができる。
【0013】
また、隣接する蓄電素子同士を倍尺集電箔で直列に接続することで、蓄電素子同士を接続するために従来必要としていた接続部を除去することができる。これにより、通電の際に発生する接続抵抗をなくして電流を良好に流すことができる。
【0014】
ここで、倍尺集電箔を分極性電極の幅の2倍に設定して蓄電素子に連続させることで、隣接する蓄電素子間を倍尺集電箔で塞いでしまい、電解液の注入の際に、電解液が蓄電素子間に進入することを妨げる虞がある。
加えて、隣接する蓄電素子間を倍尺集電箔で塞ぐことで、蓄電素子内の電解液が蓄電素子間に溜まった場合には、隣接する蓄電素子が電解液で液絡する虞がある。
【0015】
そこで、請求項1において倍尺集電箔のうちの蓄電素子間の部位に開口部を設けるようにした。
よって、電解液を注入する際に、開口部を通過させて蓄電素子間に電解液を進入させることができる。これにより、蓄電素子間に進入した電解液を蓄電素子の端部から、蓄電素子の内部にスムーズに注入することができる。
【0016】
加えて、倍尺集電箔のうちの蓄電素子間の部位に開口部を設けることで、蓄電素子間に溜まった電解液を開口部から排出することができる。
よって、蓄電素子間に滞留する電解液を減らすことができるので、電解液を表面張力で二個の粒状に分離させることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は本発明に係る蓄電素子の直列接続構造(第1実施形態)を備えた円筒型電池の断面図である。
円筒型電池10は、円筒容器11に蓄電素子ユニット12を収納し、この蓄電素子ユニット12の負極集電板13を円筒容器11の底部14に接合し、蓄電素子ユニット12の正極集電板15と蓋体16との間に導電性のU字形接続片17を配置し、蓋体16の外周16aに環状絶縁ゴム18を嵌め込み、円筒容器11の上部19を加締めることで、上部19に蓋体16および環状絶縁ゴム18を取り付け、蓄電素子ユニット12を構成する蓄電素子33,35,37の電圧を補正する電圧補正手段20を備える。
これにより、蓋体16を正極、円筒容器11の底部14を負極とする円筒型電池10を得る。
【0018】
蓄電素子ユニット12は、負極集電板13と正極集電板15との間に蓄電素子の直列接続構造30を配置したものである。
蓄電素子の直列接続構造30は、中空巻芯(中空の巻芯)31の上部31aに上蓄電素子(蓄電素子)33を巻き付け、中空巻芯31の中央部31bに中央蓄電素子(蓄電素子)35を巻き付け、中空巻芯31の下部31cに下蓄電素子(蓄電素子)37を巻き付け、上蓄電素子33、中央蓄電素子35および下蓄電素子37の三個の蓄電素子を直列に接続したものである。
【0019】
上蓄電素子33は、第1の倍尺電極体40の正極体41と、第1上セパレータ(セパレータ)42と、負極体43と、第2上セパレータ(セパレータ)44とを重ね合わせながら正極体41と負極体43とを第1、第2の上セパレータ42,44で分離させた状態に巻回したものである。
【0020】
第1の倍尺電極体40の正極体41は、第1の倍尺集電箔(倍尺集電箔)46の正極領域46aの両面に、活性炭、導電材料および結合剤からなる分極性電極48,48を設けたものである。
負極体43は、負極用の集電箔50の両面に、活性炭、導電材料および結合剤からなる分極性電極48,48を設けたものである。
【0021】
中央蓄電素子35は、第1の倍尺電極体40の負極体51と、第1中央セパレータ(セパレータ)52と、第2の倍尺電極体54の正極体55と、第2中央セパレータ(セパレータ)56とを重ね合わせながら負極体51と正極体55とを第1、第2の中央セパレータ52,56で分離させた状態に巻回したものである。
【0022】
第1の倍尺電極体40の負極体51は、第1の倍尺集電箔(倍尺集電箔)46の負極領域46bの両面に、活性炭、導電材料および結合剤からなる分極性電極48,48を設けたものである。
第2の倍尺電極体54の正極体55は、第2の倍尺集電箔(倍尺集電箔)58の正極領域58aの両面に、活性炭、導電材料および結合剤からなる分極性電極48,48を設けたものである。
【0023】
下蓄電素子37は、正極体61と、第1下セパレータ(セパレータ)62と、第2の倍尺電極体54の負極体63と、第2下セパレータ(セパレータ)64とを重ね合わせながら正極体61と負極体63とを第1、第2の下セパレータ62,64で分離させた状態に巻回したものである。
【0024】
下蓄電素子37の正極体61は、正極用の集電箔66の両面に、活性炭、導電材料および結合剤からなる分極性電極48,48を設けたものである。
第2の倍尺電極体54の負極体63は、第2の倍尺集電箔(倍尺集電箔)58の負極領域58bの両面に、活性炭、導電材料および結合剤からなる分極性電極48,48を設けたものである。
【0025】
この蓄電素子の直列接続構造30は、上蓄電素子33の正極体41を構成する集電箔(すなわち、正極領域46a)、および中央蓄電素子35の負極体51を構成する集電箔(すなわち、負極領域46b)とを一枚の第1の倍尺集電箔46で共用することで、上蓄電素子33と中央蓄電素子35とを直列に接続したものである。
加えて、蓄電素子の直列接続構造30は、中央蓄電素子35の正極体55を構成する集電箔(すなわち、正極領域58a)と、下蓄電素子37の負極体63を構成する集電箔(すなわち、負極領域58b)とを一枚の第2の倍尺集電箔58とすることで、中央電素子35と下蓄電素子37とを直列に接続したものである。
【0026】
加えて、蓄電素子の直列接続構造30は、上蓄電素子33の正極体41を構成する正極領域46aの上端46gを第1、第2の上セパレータ42,44の上方に突出させ、突出させた上端46gを正極集電板15に接合させたものである。
かつ、蓄電素子の直列接続構造30は、下蓄電素子37の負極体63を構成する負極領域58bの下端58gを第1、第2の下セパレータ62,64の下方に突出させ、突出させた下端58gを負極集電板13に接合させたものである。
【0027】
図2は本発明に係る蓄電素子の直列接続構造(第1実施形態)の要部拡大図である。
第1の倍尺集電箔46は、上蓄電素子33の正極体41を構成する正極領域46aを幅L1、中央蓄電素子35の負極体51を構成する負極領域46bを幅L1、正極領域46aと負極領域46bとの間の中間領域46cを幅L2、正極領域46aの上端46gを幅L3とすることで、全幅を(L1+L1+L2+L3)に設定したものである。
この第1の倍尺集電箔46は、上蓄電素子33と中央蓄電素子35との間の部位、すなわち中間領域46cに開口部として第1丸孔68・・・を形成したものである。
【0028】
すなわち、第1の倍尺集電箔46は、分極性電極48の幅の少なくとも2倍の幅(具体的には、2×L1+L2+L3)を確保し、隣り合う上蓄電素子33および中央蓄電素子35に連続させて共通させることにより、これらの蓄電素子33,35同士を直列に接続するものである。
【0029】
正極領域46aおよび負極領域46bのそれぞれの両面に分極性電極48,48を設けて上蓄電素子33の正極体41と中央蓄電素子35の負極体51とを構成することにより第1の倍尺電極体40を得る。
この第1の倍尺電極体40は、中間領域46cには分極性電極48を設けていない。
さらに、中間領域46cは、正極領域46aから負極領域46bに向けて中空巻芯31(図1参照)側に傾くように斜めに折り曲げた部位である。
【0030】
第2の倍尺集電箔58は、中央蓄電素子35の正極体55を構成する正極領域58aを幅L1、下蓄電素子37の負極体63を構成する負極領域58bを幅L1、正極領域58aと負極領域58bとの間の中間領域58cを幅L2、負極領域58bの下端58gを幅L3(図1参照)とすることで、全幅を(L1+L1+L2+L3)に設定したものである。
【0031】
この第2の倍尺集電箔58は、中央蓄電素子35と下蓄電素子37との間の部位、すなわち中間領域58cに開口部として第2丸孔69・・・を形成したものである。
この第2丸孔69は、第1の倍尺集電箔46の中間領域46cに形成した第1丸孔68と同じ形状の孔である。
【0032】
すなわち、第2の倍尺集電箔58は、分極性電極48の幅の少なくとも2倍の幅(具体的には、2×L1+L2+L3)を確保し、隣り合う中央蓄電素子35および下蓄電素子37に連続させて共通させることにより、これらの蓄電素子35,37同士を直列に接続するものである。
【0033】
正極領域58aおよび負極領域58bのそれぞれの両面に分極性電極48,48を設けて中央蓄電素子35の正極体55と下蓄電素子37の負極体63とを構成することにより第2の倍尺電極体54を得る。
この第2の倍尺電極体54は、第1の倍尺電極体40と同様に、中間領域58cには分極性電極48を設けていない。
さらに、中間領域58cは、正極領域58aから負極領域58bに向けて中空巻芯(図1参照)31側に傾くように斜めに折り曲げた部位である。
【0034】
以上説明したように、第1、第2の倍尺集電箔46,58を分極性電極48の幅の少なくとも2倍(具体的には、2×L1+L2+L3)に設定し、第1、第2の倍尺集電箔46,58を蓄電素子33,35,37のうちの隣接する蓄電素子に連続させて隣接する蓄電素子同士を直列に接続するように構成した。
よって、蓄電素子33,35,37のうちの隣接する蓄電素子間の距離を短く抑えることができるので、円筒型電池10の長さを抑えてコンパクト化にすることができる。
【0035】
さらに、蓄電素子33,35,37のうちの隣接する蓄電素子同士を第1、第2の倍尺集電箔46,58で直列に接続することで、蓄電素子同士を接続するために必要とされていた接続部を除去することができる。
これにより、通電の際に発生する接続抵抗をなくして電流を良好に流すことができる。
【0036】
なお、第1、第2の倍尺集電箔46,58のそれぞれの中間領域46c,58cを斜めに傾けて折り曲げた理由については、図5で詳しく説明し、中間領域46c,58cにそれぞれ開口部として第1、第2の丸孔68・・・,69・・・を設けた理由については図7〜図8で詳しく説明する。
【0037】
図1に戻って、電圧補正手段20は、第1の倍尺集電箔46の中間領域46cうちの中空巻芯31寄りの部位46dに第1リード線(リード線)21を接続するとともに、第1リード線21を制御部22に接続させ、また第2の倍尺集電箔58の中間領域58cうちの中空巻芯31寄りの部位58dに第2リード線(リード線)24を接続するとともに、第2リード線24を制御部22に接続させ、さらに制御部22に第3リード線26を介して正極となる蓋体16を接続させ、加えて制御部22に第4リード線28を介して負極となる円筒容器11の底部14を接続させたものである。
【0038】
第1リード線21は、第1の倍尺集電箔46の中間領域46cのうちの中空巻芯31寄りの部位46dに一端21aを接続し、中空巻芯31の第1貫通孔71を通して中空巻芯31の中空部32まで導き、中空部32を通して負極集電板13の開口部13aまで導き、開口部13aおよび円筒容器11の底部14に形成した貫通孔72を通して円筒型電池10の外部まで延ばし、他端21bを制御部22に接続したものである。
【0039】
第2リード線24は、第2の倍尺集電箔58の中間領域58cうちの中空巻芯31寄りの部位58dに一端24aを接続し、中空巻芯31の第2貫通孔73を通して中空巻芯31の中空部32まで導き、中空部32を通して負極集電板13の開口部13aまで導き、開口部13aおよび円筒容器11の底部14に形成した貫通孔72を通して円筒型電池10の外部まで延ばし、他端24bを制御部22に接続したものである。
【0040】
このように、第1、第2のリード線21,24を中空巻芯31の中空部32を利用して配線することで、第1、第2のリード線21,24を通すための空間を新たに確保する必要がない。
これにより、第1、第2のリード線21,24の配線を手間をかけないで簡単におこなうことができる。
【0041】
加えて、第1、第2のリード線21,24を中空巻芯31の中空部32を利用して上蓄電素子33、中央蓄電素子35および下蓄電素子37の内部に配線することで、それぞれの蓄電素子33,35,37を収納する円筒容器11の周壁11aに、第1、第2のリード線21,24を通すための貫通孔を開ける必要がない。
【0042】
この電圧補正手段20によれば、第1〜第4のリード線21,24,26,28を介して上蓄電素子33、中央蓄電素子35および下蓄電素子37に個別に電流を供給することや放電することにより、各々の蓄電池33,35,37の電圧を個別に補正することができる。
【0043】
図3は本発明に係る蓄電素子の直列接続構造(第1実施形態)の製造方法を説明する斜視図である。
蓄電素子の直列接続構造の製造装置80は、第1電極シート送出しロール82からリボン状の第1電極シート83を送り出し、送り出した第1電極シート83を第1電極シート切断ロール84のカッタ85で切断することにより第1の倍尺電極体40と、図1に示す下蓄電素子37用の正極体61とに分割する。
なお、分割の際に、第1の倍尺電極体40と正極体61との間に不要な部位74が発生するが、この部位74は除去手段(図示しない)で除去するものとする。
【0044】
また、蓄電素子の直列接続構造の製造装置80は、第1セパレータ送出しロール87からリボン状の第1セパレータ88を送り出し、送り出した第1セパレータ88を第1セパレータ切断ロール89のカッタ90,90で切断することにより、図1に示す上蓄電素子33用の第1上セパレータ42と、図1に示す中央蓄電素子35用の第1中央セパレータ52と、図1に示す下蓄電素子37用の第1下セパレータ62とに分割する。
なお、分割の際に、各セパレータ42,52,62間に不要な部位75,76が発生するが、この部位75,76は除去手段(図示しない)で除去するものとする。
【0045】
さらに、蓄電素子の直列接続構造の製造装置80は、第2電極シート送出しロール92からリボン状の第2電極シート93を送り出し、送り出した第2電極シート93を第2電極シート切断ロール94のカッタ95で切断することにより、上蓄電素子33用の負極体43と、第2の倍尺電極体54とに分割する。
なお、分割の際に、負極体43と第2の倍尺電極体54との間に不要な部位77が発生するが、この部位77は除去手段(図示しない)で除去するものとする。
【0046】
加えて、蓄電素子の直列接続構造の製造装置80は、第2セパレータ送出しロール96からリボン状の第2セパレータ97を送り出し、送り出した第2セパレータ97を第2セパレータ切断ロール98のカッタ99,99で切断することにより、図1に示す上蓄電素子33用の第2上セパレータ44と、図1に示す中央蓄電素子35用の第2中央セパレータ56と、図1に示す下蓄電素子37用の第2下セパレータ64とに分割する。
なお、分割の際に、各セパレータ44,56,64間に不要な部位78,79が発生するが、この部位78,79は除去手段(図示しない)で除去するものとする。
【0047】
第1電極シート切断ロール84のカッタ85で切断した第1の倍尺電極体40の正極体41と、第1セパレータ切断ロール89のカッタ90で切断した第1上セパレータ42と、第2電極シート切断ロール94のカッタ95で切断した負極体43と、第2セパレータ切断ロール98のカッタ99で切断した第2上セパレータ44とを重ね合わせながら中空巻芯31に巻き付けることにより上蓄電素子33(図1も参照)を形成する。
【0048】
第1電極シート切断ロール84のカッタ85で切断した第1の倍尺電極体40の負極体51と、第1セパレータ切断ロール89のカッタ90で切断した第1中央セパレータ52と、第2電極シート切断ロール94のカッタ95で切断した第2の倍尺電極体54の正極体55と、第2セパレータ切断ロール98のカッタ99で切断した第2中央セパレータ56とを重ね合わせながら中空巻芯31に巻き付けることにより中央蓄電素子35(図1も参照)を形成する。
【0049】
第1電極シート切断ロール84のカッタ85で切断した正極体61と、第1セパレータ切断ロール89のカッタ90で切断した第1下セパレータ62と、第2電極シート切断ロール94のカッタ95で切断した第2の倍尺電極体54の負極体63と、第2セパレータ切断ロール98のカッタ99で切断した第2下セパレータ64とを重ね合わせながら中空巻芯31に巻き付けることにより下蓄電素子37(図1も参照)を形成する。
【0050】
図4は本発明に係る蓄電素子の直列接続構造(第1実施形態)を構成する電極体やセパレータの巻回前の状態を示す平面図である。
第1電極シート83を構成する第1の倍尺電極体40の正極体41と、第1セパレータ88を構成する第1上セパレータ42と、第2電極シート93を構成する負極体43と、第2セパレータ97を構成する第2上セパレータ44とを重ね合わせる。
【0051】
また、第1の倍尺電極体40の負極体51と、第1セパレータ88を構成する第1中央セパレータ52と、第2電極シート93を構成する第2の倍尺電極体54の正極体55と、第2セパレータ97を構成する第2中央セパレータ56とを重ね合わせる。
【0052】
さらに、第1電極シート83を構成する正極体61と、第1セパレータ88を構成する第1下セパレータ62と、第2の倍尺電極体54の負極体63と、第2セパレータ97を構成する第2下セパレータ64とを重ね合わせる。
【0053】
ここで、これらの第1、第2の電極シート83,93や、第1、第2のセパレータ88,97を積層した状態で矢印のように巻回する際に、第1電極シート83の正極体61を一巻き分61a(網目状の領域)除去し、第1セパレータ88の第1下セパレータ62を一巻き分62a(網目状の領域)除去し、第2電極シート93の第2の倍尺電極体54を一巻き分54a(網目状の領域)除去し、第2セパレータ97の第2中央セパレータ56を一巻き分56a(網目状の領域)除去するとともに第2下セパレータ64を一巻き分64a(網目状の領域)除去する。
【0054】
また、第1の倍尺電極体40を構成する第1の倍尺集電箔46(図2参照)の中間領域46cの先端46eに第1リード線21の一端21aを接続する。
さらに、第2の倍尺電極体54の先端を一巻き分54a除去した後、第2の倍尺電極体54を構成する第2の倍尺電極泊58の中間領域58cの先端58eに第2リード線24の一端24aを接続する。
【0055】
加えて、第1の倍尺集電箔46の中間領域46cに第1丸孔68・・・(図1、図2も参照)を所定間隔をおいて複数個形成するとともに、第2の倍尺集電箔58の中間領域58cに第2丸孔69・・・(図1、図2も参照)を所定間隔をおいて複数個形成する。
【0056】
この状態で、第1、第2の電極シート83,93や、第1、第2のセパレータ88,97を積層して矢印の方向に巻回することにより、図1に示す蓄電素子の直列接続構造30を得る。
次に、図4、図5に基づいて、第1、第2の電極シート83,93や、第1、第2のセパレータ88,97を積層して巻回する例を詳しく説明する。
【0057】
図5(a),(b)は本発明に係る蓄電素子の直列接続構造(第1実施形態)の製造方法を説明する断面図である。
(a)において、第1、第2の電極シート83,93(図4参照)や、第1、第2のセパレータ88,97(図4参照)を積層した状態で矢印のように一巻き目の巻回をおこなう。
これにより、中空巻芯31の上部31aに、第2セパレータ97の第2上セパレータ44、第2電極シート93の負極体43、第1セパレータ88の第1上セパレータ42および第1の倍尺電極体40の正極体41を重ね合わせた状態で巻回する。
【0058】
ここで、図4で説明したように、第2の倍尺電極体54や第2中央セパレータ56をそれぞれ一巻き分54a,56a除去したので、中空巻芯31の中央部31bには、第1中央セパレータ52および第1の倍尺電極体40の負極体51を重ね合わせた状態で巻回する。
これにより、第1の倍尺集電箔46の中間領域46cを、正極領域46a(すなわち、正極体41)から負極領域46b(負極体51)に向けて中空巻芯31側に傾かせ、巻かれた電極体の極性を、中空巻芯31に対して揃えることができる。
【0059】
また、図4で説明したように、第1電極シート83の正極体61、第1セパレータ88の第1下セパレータ62、第2電極シート93の第2の倍尺電極体54、第2セパレータ97の第2下セパレータ64を、それぞれ一巻き分61a,62a,54a,64a除去したので、中空巻芯31の下部31cにはなにも巻回されない。
【0060】
(b)において、第1、第2の電極シート83,93(図4参照)や、第1、第2のセパレータ88,97(図4参照)を積層した状態で矢印のように二巻き目の巻回をおこなう。
中空巻芯31の上部31aに、第2セパレータ97の第2上セパレータ44、第2電極シート93の負極体43、第1セパレータ88の第1上セパレータ42および第1の倍尺電極体40の正極体41を継続させて巻回する。
【0061】
また、中空巻芯31の中央部31bには、第2セパレータ97の第2中央セパレータ56、第2の倍尺電極体54の正極体55、第1セパレータ88の第1中央セパレータ52および第1の倍尺電極体40の負極体51を継続させて巻回する。
これにより、第1の倍尺集電箔46の中間領域46cを、正極領域46a(正極体41)から負極領域46b(負極体51)に向けて中空巻芯31側に傾かせ、巻かれた電極体の極性を、中空巻芯31に対して揃えることができる。
【0062】
さらに、中空巻芯31の下部31cには、第2セパレータ97の第2下セパレータ64、第2の倍尺電極体54の負極体63、第1セパレータ88の第1下セパレータ62および第1電極シート83の正極体61を巻回する。
これにより、第2の倍尺集電箔58の中間領域58cを、正極領域58a(正極体55)から負極領域58b(負極体63)に向けて中空巻芯31側に傾かせ、巻かれた電極体の極性を、中空巻芯31に対して揃えることができる。
【0063】
以下、第1、第2の電極シート83,93(図4参照)や、第1、第2のセパレータ88,97(図4参照)を積層した状態で矢印のように巻回を継続的することにより、図1に示す蓄電素子の直列接続構造30を得ることができる。
【0064】
このように、第1の倍尺集電箔46の中間領域46cおよび第2の倍尺集電箔58の中間領域58cを、傾斜させることにより上蓄電素子33、中央蓄電素子35および下蓄電素子37を構成するそれぞれの正・負極電極の巻き順を、中空巻芯31に対して揃えることができる。
【0065】
具体的には、図1の円筒型電池10に示すように、第1の倍尺集電箔46の中間領域46cおよび第2の倍尺集電箔58の中間領域58cを、斜めに傾かせることにより、上蓄電素子33、中央蓄電素子35および下蓄電素子37を、中空巻芯31への巻始めが負極、巻終わりが負極(図1参照)となるように巻回する。
ここで、中空巻芯31への巻始めを負極とすると、巻終わりは正極となるが、最外側に巻回した正極を除去することで、巻終わりが負極(図1参照)とすることができる。
【0066】
このように巻回することで、上蓄電素子33、中央蓄電素子35および下蓄電素子37のそれぞれの全ての電極を負極または正極に揃えることができる。
よって、上蓄電素子33、中央蓄電素子35および下蓄電素子37の電気化学的安定性が損ない難いという効果を得ることができる。
【0067】
ここで、中空巻芯31への巻始めと、巻終わりとを、それぞれ負極(図1参照)とした理由は以下の通りである。
すなわち、上蓄電素子33、中央蓄電素子35および下蓄電素子37の巻始めや、巻終わりが正極になると、セパレータの炭化などが発生し易いことが一般的に知られている。
【0068】
そこで、第1実施形態では、セパレータの炭化などを効率よく抑えるために、上蓄電素子33、中央蓄電素子35および下蓄電素子37の巻始めや巻終わりがそれぞれ負極になるように、中空巻芯31に各蓄電素子33,35,37を巻回した。
【0069】
なお、図3〜図5においては、第1電極シート83に第1セパレータ88を重ね合わせ、さらに第1セパレータ88に第2電極シート93を重ね合わせ、加えて第2電極シート93に第2セパレータ97を順次重ね合わせた例を説明したが、これらの部材83,88,93,97の重ね合わせ方は任意に選択することができる。
要は、正極体と負極体とをセパレータで分離させた状態に巻回できるように各部材83,88,93,97が重ね合わせられていればよい。
【0070】
図6は本発明に係る蓄電素子の直列接続構造(第1実施形態)を製造する方法の比較例を説明する斜視図である。
この図において、比較例の製造方法を製造装置(蓄電素子の直列接続構造の製造装置)100で実施する例を説明する。
蓄電素子の直列接続構造の製造装置100は、第1の倍尺電極体送出しロール101からリボン状の第1の倍尺電極体40を第1ロール102を介して中空巻芯31に送り出すとともに、負極体送出しロール104からリボン状の正極体61を第1ロール102を介して中空巻芯31に送り出す。
【0071】
また、蓄電素子の直列接続構造の製造装置100は、第1上セパレータ送出しロール106からリボン状の第1上セパレータ42を第2ロール107を介して中空巻芯31に送り出し、第1中央セパレータ送出しロール108からリボン状の第1中央セパレータ52を第2ロール107を介して中空巻芯31に送り出し、第1下セパレータ送出しロール109からリボン状の第1下セパレータ62を第2ロール107を介して中空巻芯31に送り出す。
【0072】
さらに、蓄電素子の直列接続構造の製造装置100は、負極体送出しロール110からリボン状の負極体43を第3ロール111を介して中空巻芯31に送り出すとともに、第2の倍尺電極体送出しロール112からリボン状の第2の倍尺電極体54を第3ロール111を介して中空巻芯31に送り出す。
【0073】
加えて、蓄電素子の直列接続構造の製造装置100は、第2上セパレータ送出しロール114からリボン状の第2上セパレータ44を第4ロール115を介して中空巻芯31に送り出し、第2中央セパレータ送出しロール116からリボン状の第2中央セパレータ56を第4ロール115を介して中空巻芯31に送り出し、第2下セパレータ送出しロール117からリボン状の第2下セパレータ64を第4ロール115を介して中空巻芯31に送り出す。
【0074】
中空巻芯31の上部31a(図1参照)に、第1の倍尺電極体40の正極体41と、第1上セパレータ42と、上蓄電素子33用の負極体43と、第2上セパレータ44とを重ね合わせながら巻き付けることにより上蓄電素子33を形成する。
【0075】
中空巻芯31の中央部31b(図1参照)に、第1の倍尺電極体40の負極体51と、第1中央セパレータ52と、第2の倍尺電極体54の正極体55と、第2中央セパレータ56とを重ね合わせながら巻き付けることにより中央蓄電素子35を形成する。
【0076】
中空巻芯31の下部31c(図1参照)に、下蓄電素子37用の正極体61と、第1下セパレータ62と、第2の倍尺電極体54の負極体63と、第2下セパレータ64とを重ね合わせながら巻き付けることにより下蓄電素子37を形成する。
【0077】
以下、図3に示す蓄電素子の直列接続構造の製造装置80を用いた製造方法を実施例とし、図6に示す蓄電素子の直列接続構造の製造装置100を用いた製造方法を比較例として比較する。
図6に示す比較例によれば、送出しロールとして、第1の倍尺電極体送出しロール101、正極体送出しロール104、第1上セパレータ送出しロール106、第1中央セパレータ送出しロール108、第1下セパレータ送出しロール109、負極体送出しロール110、第2の倍尺電極体送出しロール112、第2上セパレータ送出しロール114、第2中央セパレータ送出しロール116および第2下セパレータ送出しロール117の10個を必要とする。
【0078】
ここで、各々の送出しロールから正・負極体、第1、第2の倍尺電極体やセパレータを送り出す際に、正・負極体、第1、第2の倍尺電極体やセパレータの端面をそれぞれ個別に制御するとともに、正・負極体、第1、第2の倍尺電極体やセパレータの平面度をそれぞれ個別に確保する必要がある。
【0079】
よって、10個の送出しロールにそれぞれ、端面を制御する手段や平面度を確保する手段を個別に備える必要があり、各々の送出しロールが高価になる。このため、送出しロールの個数が増えると設備費が嵩むことが考えられる。
加えて、送出しロールの個数が増えると、ロール交換に手間がかかり、そのことが生産性を上げる妨げになっていた。
【0080】
これに対して、図3に示す実施例によれば、送出しロールを、第1電極シート送出しロール82、第1セパレータ送出しロール87、第2電極シート送出しロール92、第2セパレータ送出しロール96の4個に減らすことができる。
【0081】
このように送出しロールを4個に減らすことで、設備費を抑えることができる。加えて、送出しロールの個数を減少させることにより、ロール交換にかける手間を減らして生産性を上げることができる。
【0082】
次に、蓄電素子の直列接続構造30の作用を図7〜図8に基づいて説明する。
図7(a),(b)は本発明に係る第1実施形態の第1作用説明図であり、蓄電素子の直列接続構造30内に電解液を供給する例を示し、(b)は(a)のb部拡大図である。
(a)において、円筒容器11の上部19を開口させた状態で、この開口から円筒容器11に蓄電素子ユニット12を収納する。円筒容器11に蓄電素子ユニット12を収納した後、上部19の開口から電解液を矢印▲1▼の如く供給する。
【0083】
供給した電解液は、正極集電板15と円筒容器11との間の隙間を経て蓄電素子の直列接続構造30と円筒容器11との間の隙間120に矢印▲2▼の如く進入する。
隙間120に進入した電解液は、上蓄電素子33と中央蓄電素子35との間の隙間121・・・や、中央蓄電素子35と下蓄電素子37との間の隙間121・・・に矢印▲3▼の如く進入する。
【0084】
(b)において、第1の倍尺集電箔46の中間領域46cに第1丸孔68・・・を形成した。
よって、電解液は、丸孔68・・・を通過して矢印▲4▼の如く上蓄電素子33の下端(端部)側から上蓄電素子33の内部(すなわち、電極体やセパレータ間)にスムーズに流入するとともに、中央蓄電素子35の上端(端部)側から中央蓄電素子35の内部(すなわち、電極体やセパレータ間)にスムーズに流入する。
【0085】
さらに、図2に示すように、第2の倍尺集電箔58の中間領域58cには、第1の倍尺集電箔46の中間領域46cと同様に、第2丸孔69・・・を形成した。
よって、電解液は、丸孔69・・・を通過して中間蓄電素子35の下端側から中間蓄電素子33の内部(すなわち、電極体やセパレータ間)にスムーズに流入するとともに、下蓄電素子37の上端から下蓄電素子37の内部(すなわち、電極体やセパレータ間)にスムーズに流入する。
【0086】
これにより、上・下の蓄電素子33,37間に中間蓄電素子35を配置した場合でも、中間蓄電素子35の上下端側から電解液をスムーズに注入させることができる。
よって、上蓄電素子33、中間蓄電素子35および下蓄電素子37の内部に均等に電解液を注入することが可能になる。
【0087】
図8(a),(b)は本発明に係る第1実施形態の第2作用説明図であり、蓄電素子の直列接続構造30における電解液による液絡について説明する。なお、(a)は比較例を示し、(b)は実施例を示す。
(a)は、蓄電素子の直列接続構造118を構成する第1の倍尺集電箔119の中間領域119aに第1丸孔68・・・((b)参照)を形成していない。
【0088】
このため、上蓄電素子33や中央蓄電素子35の内部に注入した電解液122が中間領域119aの間の空間123に溜まった場合、この電解液122は、表面張力で連続的な粒状になる。
このため、上蓄電素子33の負極体43と中央蓄電素子35の正極体55とに接触してしまい液絡することが考えられる。
【0089】
(b)は、第1の倍尺集電箔46の中間領域46cに第1丸孔68・・・を形成した。このため、上蓄電素子33や中央蓄電素子35の内部に注入した電解液122が、第1の倍尺集電箔46,46(すなわち、中間領域46c,46c)の間の空間124に溜まるような場合でも、電解液122を第1丸孔68・・・から排出することができる。
【0090】
よって、上蓄電素子33、中央蓄電素子35および中間領域46cの間の空間124に滞留する電解液122を減らすことができる。
これにより、電解液122が表面張力で上下に分かれて二個の粒状に形成され、上蓄電素子33の負極体43と中央蓄電素子35の正極体55とが電解液122で液絡することを防ぐことができる。
ここで、中間領域46cに形成した第1丸孔68のサイズは、空間124に滞留した電解液122が連続した状態にならないように設定する。
【0091】
なお、図1、図2に示すように、第2の倍尺集電箔58の中間領域58cに第2丸孔69・・・を形成した。このように、中間領域58cに第2丸孔69・・・を形成することで、中間領域46cに第1丸孔68・・・を形成した場合と同様の効果を得ることができる。
【0092】
次に、第1の倍尺集電箔46の第1〜第3変形例を図9および図10に基づいて説明する。なお、第1〜第3変形例において、図1〜図8で既に説明した部材と同一部材については同一符号を付して説明を省略する。
図9は本発明に係る第1の倍尺集電箔の第1変形例を示す要部拡大図である。
倍尺集電箔としての第1の倍尺集電箔125は、中間領域126に丸孔127・・・(開口部)を千鳥状に配置した点で、第1の倍尺集電箔46(図4参照)と異なるだけでその他の構成は第1の倍尺集電箔46と同じである。
【0093】
中間領域126に丸孔127・・・を千鳥状に配置することで、中間領域126に効率よく丸孔127・・・を配置することができ、中間領域126の開口率を高めることができる。
よって、図7で説明した電解液の注入をより一層効率よくおこなうことができる。
加えて、図8で説明した電解液による液絡をより一層効果的に防ぐことができる。
【0094】
図9においては、第1の倍尺集電箔125についてのみ説明したが、図示しない第2の倍尺集電箔にも第1の倍尺集電箔125と同様に開口部としての丸孔を千鳥状に配置するものとする。
【0095】
なお、第1実施形態においては、中間領域46c(図4参照)や中間領域126に、開口部として丸孔68・・・,127・・・を形成した例について説明したが、開口部の形状は、これに限らないで、長孔などのその他の形状を採用することも可能である。
【0096】
図10(a)は本発明に係る第1の倍尺集電箔の2変形例を示す要部拡大図、図10(b)は本発明に係る第1の倍尺集電箔の3変形例を示す要部拡大図である。
(a)に示すように、蓄電素子の直列接続構造130を構成する第1の倍尺集電箔(倍尺集電箔)131は、中間領域132に丸孔68・・・(図2参照)を設けずに、中間領域132の両面に、テフロン(登録商標)(ポリテトラフルオロエチレンの米国du Pont社製)などの撥水性物質133を設けた点で、図8(b)に示す第1の倍尺集電箔46と異なるだけで、その他の構成は第1の倍尺集電箔46と同じである。
【0097】
このように、中間領域132の両面に撥水性物質133を設けることで、上蓄電素子33や中央蓄電素子35の内部に注入した電解液122が、第1の倍尺集電箔131,131(すなわち、中間領域132,132)の間の空間128に溜まるような場合でも、電解液122を撥水性物質133ではじくことができる。
【0098】
よって、上蓄電素子33と中央蓄電素子35との間に滞留する電解液122の連続性を断つことができるので、上蓄電素子33の負極体43と中央蓄電素子35の正極体55が電解液122で液絡することを防ぐことができる。
これにより、図8(b)に示す第1の倍尺集電箔46の中間領域46cに第1丸孔68・・・を形成した場合と同様の効果を得ることができる。
【0099】
ここで、中間領域132に設けた撥水性物質133のサイズは、上蓄電素子33と中央蓄電素子35との間に滞留した電解液122が連続した状態にならないように設定する。
【0100】
また、中間領域132に撥水性物質133を設ける方法は、一例として、第1の倍尺集電箔46の正極領域や負極領域に分極性電極48(図4も参照)を設ける前に塗布・接合する方法や、第1の倍尺集電箔46の正極領域や負極領域に分極性電極48を設けるときに、同時に塗布・接合する方法が可能である。
【0101】
第2変形例においては、撥水性物質133としてポリテトラフルオロエチレンを使用した例について説明したが、その他の撥水性物質133を使用することも可能である。
また、第2変形例においては、第1の倍尺集電箔131の中間領域132と同様に、図示しない第2の倍尺集電箔の中間領域に、ポリテトラフルオロエチレンなどの撥水性物質133を設けることにより同様の効果を得ることができる。
【0102】
(b)に示すように、蓄電素子の直列接続構造135を構成する第1の倍尺集電箔(倍尺集電箔)136は、中間領域137に丸孔68・・・(図2参照)を設けずに、中間領域137間の空間129を絶縁物質138で埋めた点で、図8(b)に示す第1の倍尺集電箔46と異なるだけで、その他の構成は第1の倍尺集電箔46と同じである。
【0103】
このように、中間領域137間の空間129を絶縁物質138で埋めることで、上蓄電素子33や中央蓄電素子35の内部に注入した電解液122が、第1の倍尺集電箔136,136(すなわち、中間領域137,137)の間の空間129に溜まるような場合でも、電解液の連続性を絶縁物質138で断つことができる。
【0104】
よって、上蓄電素子33の負極体43と中央蓄電素子35の正極体55が電解液で液絡することを防ぐことができる。
これにより、図8(b)において、第1の倍尺集電箔46の中間領域46cに第1丸孔68・・・を形成した場合と同様の効果を得ることができる。
【0105】
ここで、第1の倍尺集電箔136の中間領域137と同様に、図示しない第2の倍尺集電箔の中間領域間を絶縁物質138で埋めることにより同様の効果を得ることができる。
【0106】
なお、第3変形例のように、中間領域137間を絶縁物質138で埋めた場合には、絶縁物質138が電解液の進入を阻止することが考えられる。
よって、第3変形例は二個の蓄電素子を直列につなぐ場合に適用することが好ましい。二個の蓄電素子を直列につないだ場合には、それぞれの蓄電素子に外側の端部から電解液を注入することが可能であるからである。
【0107】
次に、図1に示す上蓄電素子33、中央蓄電素子35および下蓄電素子37のそれぞれの電圧を補正する例を図11〜図13に基づいて説明する。
図11(a)〜(c)は比較例1〜2および実施例のテスト蓄電素子を説明した図である。
(a)に示す比較例1の第1テスト蓄電素子140は、下側の電極141(すなわち、集電箔141aおよび分極性電極141b)と、上側の電極142(すなわち、集電箔142aおよび分極性電極142b)との間にセパレータ143を介在させ、上側の電極142のみを切り離したものである。
【0108】
すなわち、第1テスト蓄電素子140は、第1、第2の蓄電素子144,145に下側の電極141およびセパレータ143を連続させて、第1、第2の蓄電素子同士144,145を直列に接続したものである。
【0109】
(b)に示す比較例2の第2テスト蓄電素子147は、下側の電極141と、上側の電極142との間にセパレータ143を介在させ、上側の電極142に加えてセパレータ143も切り離したものである。
すなわち、第2テスト蓄電素子147は、第1、第2の蓄電素子144,145に下側の電極141を連続させて、第1、第2の蓄電素子同士144,145を直列に接続したものである。
【0110】
(c)に示す実施例の第3テスト蓄電素子148は、下側の電極141と、上側の電極142との間にセパレータ143を介在させ、上側の電極142、セパレータ143に加えて、下側の電極141の分極性電極141bも切り離したものである。
【0111】
すなわち、第3テスト蓄電素子148は、第1、第2の蓄電素子144,145に下側の電極141の集電箔141aを連続させて、第1、第2の蓄電素子同士144,145を直列に接続したものである。
この第3テスト蓄電素子148は、図1に示す蓄電素子の直列接続構造30と同様の形態に組み立てたものである。
【0112】
なお、上述した第1〜3のテスト蓄電素子140,147,148は、上・下の電極142,141やパレータ143を予め電解液に漬けた状態で減圧脱泡をおこない、その後、上・下の電極142,141やセパレータ143から余分な電解液を拭い取り、電解液を拭い取った上・下の電極142,141やセパレータ143を組み立てたものである。
【0113】
このようにして準備した第1〜3のテスト蓄電素子140,147,148を使用して充放電試験を実施した。
充放電試験は、第1〜3のテスト蓄電素子140,147,148の端子1、端子4に充放電試験器をつないで、例えば25mAのように所定の充放電電流を流し、端子1、端子2の電圧V12を測定するとともに、端子3、端子4の電圧V34を測定し、測定した電圧V34および電圧V12から次式により蓄電素子間電圧差Vを求めた。
V=V34−V12
このように求めた第1〜3のテスト蓄電素子140,147,148の蓄電素子間電圧差Vを次図に示す。
【0114】
図12は第1〜第3のテスト蓄電素子の蓄電素子間電圧差Vと充放電サイクルとの関係を示すグラスである。
横軸に充放電サイクル(回)、縦軸に蓄電素子間電圧差(V)を示し、二点鎖線で示すグラフG1は比較例1(第1テスト蓄電素子140)を示し、破線で示すグラフG2は比較例2(第2テスト蓄電素子147)を示す、実線で示すグラフG3は実施例(第3テスト蓄電素子148)を示す。
【0115】
比較例1は、グラフG1に示すように、充放電サイクル開始の時点で蓄電素子間電圧差(V)が比較的高く、充放電サイクルの回数が増えるとともに蓄電素子間電圧差(V)も急激に上昇する。
このため、図11に示す蓄電素子144と蓄電素子145との間の電圧差が大きくなり、比較例1の形態を蓄電素子の直列接続構造30(図1参照)に採用することは好ましくない。
【0116】
比較例2は、グラフG2に示すように、充放電サイクル開始の時点で蓄電素子間電圧差(V)は比較例1より低いが、充放電サイクルの回数が増えるとともに蓄電素子間電圧差(V)が急激に上昇する。
このため、図11に示す蓄電素子144と蓄電素子145との間の電圧差が大きくなり、比較例2の形態を蓄電素子の直列接続構造30(図1参照)に採用することは好ましくない。
【0117】
実施例は、グラフG3に示すように、充放電サイクル開始の時点で蓄電素子間電圧差(V)が略0であり、さらに充放電サイクルの回数が増えても蓄電素子間電圧差(V)を略0に抑えることができる。
このため、図11に示す蓄電素子144と蓄電素子145との間の電圧差を小さく抑えることができ、実施例の形態を蓄電素子の直列接続構造30(図1参照)に採用することが好ましい。
なお、充放電サイクルの回数が増えることにより蓄電素子間電圧差(V)が上昇するのは液絡が要因であると思われる。
【0118】
以上説明したように、グラフG1〜G3から、蓄電素子間電圧差(V)を小さく抑える形態は、図11(c)に示す第3テスト蓄電素子148のように、上側の電極142、セパレータ143および下側の電極141の分極性電極141bを切り離した状態、すなわち下側の電極141の集電箔141aのみを残したものが好ましいことが判る。
【0119】
よって、蓄電素子の直列接続構造30は、図1、図2に示すように第1の倍尺集電箔46の正極領域46aおよび負極領域46bのそれぞれの両面に分極性電極48を設け、中間領域46cの両面には分極性電極48を設けないことにした。
同様に、第2の倍尺集電箔58の正極領域58aおよび負極領域58bのそれぞれの両面に分極性電極48を設け、中間領域58cの両面には分極性電極48を設けないことにした。
【0120】
これにより、蓄電素子の直列接続構造30を構成する上蓄電素子33、中央蓄電素子35および下蓄電素子37のそれぞれの電圧を略均等に確保することが可能になる。
【0121】
図13は本発明に係る第1実施形態の第3作用説明図であり、電圧補正手段20で上蓄電素子33、中央蓄電素子35および下蓄電素子37の電圧を均等に補正する例を示す。
電圧補正手段20によれば、第1の倍尺集電箔46の中間領域46cうちの中空巻芯31寄りの部位46dを第1リード線21を介して制御部22に接続させ、第2の倍尺集電箔58の中間領域58cうちの中空巻芯31寄りの部位58dを第2リード線24を介して制御部22に接続させ、制御部22に第3リード線26を介して正極となる蓋体16を接続させ、加えて制御部22に第4リード線28を介して負極となる円筒容器11の底部14を接続させている。
【0122】
これにより、上蓄電素子33、中央蓄電素子35および下蓄電素子37のそれぞれの電圧V1,V2,V3を制御部22で測定することができる。
ここで、上蓄電素子33、中央蓄電素子35および下蓄電素子37の電圧V1,V2,V3を測定した結果、それぞれの電圧V1,V2,V3が均等になっていない場合が考えられる。
【0123】
この場合には第1〜第4のリード線21,24,26,28を介して上蓄電素子33、中央蓄電素子35および下蓄電素子37に個別に電流を供給することや放電することで、各々の蓄電池33,35,37の電圧を個別に補正することができる。
【0124】
例えば、中央蓄電素子35の電圧V2が上・下の蓄電素子33,37の電圧V1,V3と比べて高い場合には、第1、第2のリード線21,24から電流を放電するように制御部22で制御することにより、中央蓄電素子35の電圧V2を下げて上・下の蓄電素子33,37の電圧V1,V3と均等にすることができる。
【0125】
一方、中央蓄電素子35の電圧V2が上・下の蓄電素子33,37の電圧V1,V3と比べて低い場合には、第1、第2のリード線21,24から電流を供給するように制御部22で制御することにより、中央蓄電素子35の電圧V2を上げて上・下の蓄電素子33,37の電圧V1,V3と均等にすることができる。
【0126】
次に、第2〜第8実施形態を図14〜図21に基づいて説明する。なお、第2〜第8実施形態において、第1実施形態と同一部材のものは同一符号を付して説明を省略する。
第2実施形態
図14は本発明に係る蓄電素子の直列接続構造(第2実施形態)を備えた円筒型電池の断面図である。
第2実施形態の円筒型電池150は、電圧補正手段151が第1実施形態の電圧補正手段20(図1参照)と異なるだけで、その他の構成は第1実施形態と同様である。
【0127】
すなわち、第2実施形態の電圧補正手段151は、第1の倍尺集電箔46の中間領域46cうちの外側の部位46fに第1リード線(リード線)152を接続するとともに、第1リード線152を制御部22に接続させ、また第2の倍尺集電箔58の中間領域58cうちの外側の部位58fに第2リード線(リード線)153を接続するとともに、第2リード線153を制御部22に接続させ、さらに制御部22に第3リード線26を介して正極となる蓋体16を接続させ、加えて制御部22に第4リード線28を介して負極となる円筒容器11の底部14を接続させたものである。
【0128】
第1リード線152は、円筒容器11と蓄電素子の直列接続構造30との間の隙間120を通して円筒容器11の底部14まで導き、底部14の貫通孔155を通して円筒型電池10の外部まで延ばし、制御部22に接続したものである。
第2リード線152は、第1リード線153と同様に、円筒容器11と蓄電素子の直列接続構造30との間の隙間120を通して円筒容器11の底部14まで導き、底部14の貫通孔155を通して円筒型電池10の外部まで延ばし、制御部22に接続したものである。
【0129】
このように、第1、第2のリード線152,153を、円筒容器11と蓄電素子の直列接続構造30との間の隙間120を利用して配線することで、第1、第2のリード線152,153を通すための空間を新たに確保する必要がない。
よって、第1、第2のリード線152,153の配線を手間をかけないで簡単におこなうことができる。
【0130】
加えて、第1、第2のリード線152,153を、円筒容器11と蓄電素子の直列接続構造30との間の隙間120を利用して配線することで、それぞれの蓄電素子33,35,37を収納する円筒容器11の周壁11aに、第1、第2のリード線21,24を通すための貫通孔を開ける必要がない。
【0131】
この電圧補正手段151によれば、電圧補正手段20と同様に、第1〜第4のリード線21,24,26,28を介して上蓄電素子33、中央蓄電素子35および下蓄電素子37に個別に電流を供給することや放電することで、各々の蓄電池33,35,37の電圧を個別に補正することができる。
さらに、第2実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0132】
第3実施形態
図15は本発明に係る蓄電素子の直列接続構造(第3実施形態)を備えた円筒型電池の断面図である。
第3実施形態の円筒型電池160は、蓄電素子の直列接続構造161が第1実施形態の蓄電素子の直列接続構造30(図1参照)と異なるだけで、その他の構成は第1実施形態と同様である。
【0133】
蓄電素子の直列接続構造161は、中空巻芯31の上部31aに上蓄電素子(蓄電素子)162を巻き付け、中空巻芯31の中央部31bに中央蓄電素子(蓄電素子)163を巻き付け、中空巻芯31の下部31cに下蓄電素子(蓄電素子)164を巻き付け、上蓄電素子162、中央蓄電素子163および下蓄電素子164の三個の蓄電素子を直列に接続したものである。
【0134】
この蓄電素子の直列接続構造161は、上蓄電素子162の正極体41を構成する集電箔および中央蓄電素子163の負極体51を構成する集電箔とを一枚の第1の倍尺集電箔46で共用することで、上蓄電素子162と中央蓄電素子163とを直列に接続し、かつ中央蓄電素子163の正極体55を構成する集電箔と、下蓄電素子164の負極体63を構成する集電箔とを一枚の第2の倍尺集電箔58とすることで、中央電素子163と下蓄電素子164とを直列に接続したものである。
【0135】
第1の倍尺集電箔46の中間領域46cは、正極領域46aから負極領域46bに向けて中空巻芯31と平行に延ばした部位である。
第2の倍尺集電箔58の中間領域58cは、正極領域58aから負極領域58bに向けて中空巻芯31と平行に延ばした部位である。
【0136】
すなわち、第3実施形態の蓄電素子の直列接続構造161は、中間領域46c,58cをそれぞれ中空巻芯31と平行に延ばした点で第1実施形態の蓄電素子の直列接続構造30と異なるだけで、その他の構成は第1実施形態と同様である。
【0137】
次に、蓄電素子の直列接続構造161の製造方法を次図に基づいて説明する。
図16は本発明に係る蓄電素子の直列接続構造(第3実施形態)を構成する電極体やセパレータの巻回前の状態を示す平面図である。
第1電極シート83を構成する第1の倍尺電極体40の正極体41と、第1セパレータ88を構成する第1上セパレータ42と、第2電極シート93を構成する負極体43と、第2セパレータ97を構成する第2上セパレータ44とを重ね合わせる。
【0138】
また、第1の倍尺電極体40の負極体51と、第1セパレータ88を構成する第1中央セパレータ52と、第2電極シート93を構成する第2の倍尺電極体54の正極体55と、第2セパレータ97を構成する第2中央セパレータ56とを重ね合わせる。
【0139】
さらに、第1電極シート83を構成する正極体61と、第1セパレータ88を構成する第1下セパレータ62と、第2の倍尺電極体54の負極体63と、第2セパレータ97を構成する第2下セパレータ64とを重ね合わせる。
【0140】
また、第1の倍尺電極体40を構成する第1の倍尺集電箔46の中間領域46cの先端46eに第1リード線21の一端21aを接続する。
さらに、第2の倍尺電極体54を構成する第2の倍尺電極泊58の中間領域58cの先端58eに第2リード線24の一端24aを接続する。
【0141】
この状態で、第1、第2の電極シート83,93や、第1、第2のセパレータ88,97を積層して矢印の方向に巻回することにより、図15に示す蓄電素子の直列接続構造161を得る。
【0142】
第3実施形態の蓄電素子の直列接続構造161によれば、中間領域46c,58cをそれぞれ中空巻芯31と平行に延ばすように構成したので、第1実施形態の図4で説明したように、第1電極シート83の正極体61を一巻き分61a(網目状の領域)除去し、第1セパレータ88の第1下セパレータ62を一巻き分62a(網目状の領域)除去し、第2電極シート93の第2の倍尺電極体54を一巻き分54a(網目状の領域)除去し、第2セパレータ97の第2中央セパレータ56を一巻き分56a(網目状の領域)除去するとともに第2下セパレータ64を一巻き分64a(網目状の領域)除去する必要がない。
よって、蓄電素子の直列接続構造161の巻回作業を手間をかけないで簡単におこなうことができる。
さらに、第3実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0143】
第4実施形態
図17は本発明に係る蓄電素子の直列接続構造(第4実施形態)の要部を示す断面図である。
第4実施形態の蓄電素子の直列接続構造170は、中空巻芯171が第1実施形態の中空巻芯31(図1参照)と異なるだけで、その他の構成は第1実施形態と同様である。
なお、第1倍尺集電箔(倍尺集電箔)246は、第1実施形態の第1倍尺集電箔46に相当する部材であり、第2倍尺集電箔(倍尺集電箔)258は、第1実施形態の第2倍尺集電箔58に相当する部材である。
【0144】
第1倍尺集電箔246は、幅L1の負極領域246a、幅L1の正極領域246b、および幅L2の中間領域246cからなる。負極領域246aおよび正極領域246bは、それぞれ幅がL1であり、中間領域246cは、幅がL2である。
よって、第1倍尺集電箔246は、分極性電極48の幅の少なくとも2倍(具体的には、2×L1+L2)に設定されている。
【0145】
第2倍尺集電箔258は、幅L1の負極領域258a、幅L1の正極領域258b、および幅L2の中間領域258cからなる。負極領域258aおよび正極領域258bは、それぞれ幅がL1であり、中間領域258cは、幅がL2である。
よって、第2倍尺集電箔258は、分極性電極48の幅の少なくとも2倍(具体的には、2×L1+L2)に設定されている。
【0146】
中空巻芯171は、上端171aから下端171bまで貫通した中空部172を形成し、上部173を外径D1、中央部174を外径D2、下部175を外径D3とし、それぞれの外径D1、D2、D3の関係をD1>D2>D3としたものである。
また、上部173および中央部174で形成する第1段差176は(D1−D2)/2、中央部174および下部175で形成する第2段差177は(D2−D3)/2である。
【0147】
第1段差176は、第1中央セパレート(セパレータ)256、第2の倍尺集電箔258の負極領域258aおよび負極領域258aの両面に設けた分極性電極48,48を積層した厚さtと同じに設定したものである。
また、第2段差177は、第1下セパレート(セパレータ)264、負極用の集電箔278、および負極用の集電箔278の両面に分極性電極48,48を積層した厚さtと同じに設定したものである。
【0148】
このように、中空巻芯171の上部173と中央部174とに第1段差176を設け、中央部174と下部175とに第2段差177を設けることで、第1の倍尺集電箔246の中間領域246cおよび第2の倍尺集電箔258の中間領域258cを斜めに折り曲げることなく、上蓄電素子(蓄電素子)233、中央蓄電素子(蓄電素子)235および下蓄電素子(蓄電素子)237を構成するそれぞれの正・負極電極の巻き順を揃えることができる。
上蓄電素子233、中央蓄電素子235および下蓄電素子237は、それぞれ第1実施形態の上蓄電素子33、中央蓄電素子35および下蓄電素子37に相当する部材である。
なお、279は正極用の集電箔であり、正極用の集電箔279の両面に分極性電極48,48を設けて正極体としたものである。また、242は第1上セパレータ(セパレータ)である。
【0149】
第1の倍尺集電箔246の中間領域246cおよび第2の倍尺集電箔258の中間領域258cを斜めに折り曲げる必要がないので、中間領域246c,258cにねじれが発生する虞がない。
中間領域246c,258cにねじれが生じないので、第1、第2の倍尺集電箔246,258を精度よく巻回することができる。
よって、上蓄電素子233の端面233a,233b、中央蓄電素子235の端面235a,235b、および下蓄電素子237の端面237a,237b、をより一層精度よく揃えることができ、例えば電極間の導通などを確実に防止できる。
【0150】
また、第1実施形態と同様に、上蓄電素子233、中央蓄電素子235および下蓄電素子237を構成するそれぞれの正・負極電極の巻き順を揃えることができるので、上蓄電素子233、中央蓄電素子235および下蓄電素子237の電気化学的安定性を損ない難いという効果を得ることができる。
【0151】
なお、第4実施形態では、中空巻芯171の上部173の外径D1、中央部174の外径D2、下部175の外径D3に段差を設けて、上蓄電素子233、中央蓄電素子235および下蓄電素子237の正・負極電極の巻き順を揃える例について説明したが、中空巻芯171に段差を設ける代わりに、セパレータの巻数を調整することで段差を形成して、上蓄電素子233、中央蓄電素子235および下蓄電素子237の正・負極電極の巻き順を揃えることも可能である。
【0152】
次に、第5〜第8実施形態について説明する。
図1に示す円筒型電池10は、上蓄電素子33、中央蓄電素子35、下蓄電素子37の外周にそれぞれセパレータ42,52,62を備えるとともに、内周にもセパレータ44,56,64を備える(図4も参照)。
このため、円筒容器11や中空巻芯31を導電性部材で形成しても、一般的なセパレータで各蓄電素子33,35,37が円筒容器11や中空巻芯31に導通することを防ぐことができる。
【0153】
ところで、円筒型電池10に使用する上蓄電素子33、中央蓄電素子35や下蓄電素子37は、各々の内部抵抗を小さく抑えるために、セパレータ42,52,62,44,56,64に導電特性の高いセパレータを使用する傾向にある。
このため、上蓄電素子33、中央蓄電素子35や下蓄電素子37が円筒容器11や中空巻芯31を介して導通することも考えられる。
以下、この対策として第5〜第8実施形態を例に詳しく説明する。
なお、円筒容器11をアルミ合金で形成したものとし、中空巻芯31をアルミ合金で成形したものとして説明する。
【0154】
第5実施形態
図18は本発明に係る蓄電素子の直列接続構造(第5実施形態)を備えた円筒型電池の断面図である。
第5実施形態の円筒型電池190は、上蓄電素子33と円筒容器11との間に第1上セパレータ42を複数枚巻回するとともに、上蓄電素子33と中空巻芯31との間に第2上セパレータ44を複数枚巻回し、また中央蓄電素子35と円筒容器11との間に第2中央セパレータ56を複数枚巻回するとともに、中央蓄電素子35と中空巻芯31との間に第1中央セパレータ52を複数枚巻回し、さらに下蓄電素子37と円筒容器11との間に第1下セパレータ62を複数枚巻回するとともに、下蓄電素子37と中空巻芯31との間に第2下セパレータ64を複数枚巻回する点で、第1実施形態の円筒型電池10と異なるだけで、その他の構成は第1実施形態と同様である。
【0155】
このようにセパレータを複数枚巻回することにより、上蓄電素子33、中央蓄電素子35や下蓄電素子37が円筒容器11や中空巻芯31に導通する影響を低減させることができる。
よって、上蓄電素子33、中央蓄電素子35および下蓄電素子37が円筒容器11や中空巻芯31に導通して放電することを防ぐことができる。
したがって、上蓄電素子33、中央蓄電素子35や下蓄電素子37の各々の電位を均一に保つことができ、円筒型電池190の蓄電エネルギの低下を防ぐことができる。
【0156】
第6実施形態
図19は本発明に係る蓄電素子の直列接続構造(第6実施形態)を備えた円筒型電池の断面図である。
第6実施形態の円筒型電池200は、円筒容器11の内周11bに導電性の低い部材201を設けるとともに、中空巻芯31の外周31dに導電性の低い部材202を設ける点で、第1実施形態の円筒型電池10と異なるだけで、その他の構成は第1実施形態と同様である。
導電性の低い部材201,202としては、例えば紙が該当する。
【0157】
これにより、第5実施形態と同様に、上蓄電素子33、中央蓄電素子35や下蓄電素子37が円筒容器11や中空巻芯31に導通する影響を低減させることができる。
よって、上蓄電素子33、中央蓄電素子35および下蓄電素子37が円筒容器11や中空巻芯31に導通して放電することを防ぐことができる。
したがって、上蓄電素子33、中央蓄電素子35や下蓄電素子37の各々の電位を均一に保つことができ、円筒型電池200の蓄電エネルギの低下を防ぐことができる。
【0158】
第6実施形態(円筒型電池200)の変形例1
変形例1の円筒型電池200は、円筒容器11の内周11bを非導電性状態にするとともに、中空巻芯31の外周31dを非導電性状態にすることにより、第6実施形態と同様の効果を得るものである。
【0159】
円筒容器11の内周11bや中空巻芯31の外周31dを非導電性状態にする手段としては、一例としてアルマイトや絶縁塗装などを表面処理する方法や、非導電部材を接着剤で貼り付ける方法がある。
絶縁塗装としては、一例としてポリカーボネートなどが該当し、非導電部材としては、一例としてカプトンテープ(ポリアミドフィルムの米国du Pont社の登録商標)などが該当する。
【0160】
第6実施形態(円筒型電池200)の変形例2
変形例2の円筒型電池200は、円筒容器11とそれぞれの蓄電素子33,35,37との間に絶縁性部材を配置するとともに、中空巻芯31とそれぞれの蓄電素子33,35,37との間に絶縁性部材を配置することにより、第6実施形態と同様の効果を得るものである。
円筒容器11とそれぞれの蓄電素子33,35,37との間に配置する絶縁性部材としては、一例としてPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)が該当する。
【0161】
第7実施形態
図20は本発明に係る蓄電素子の直列接続構造(第7実施形態)を備えた円筒型電池の断面図である。
第7実施形態の円筒型電池210は、円筒容器11の周壁11aを絶縁部材で形成するとともに、中空巻芯31を絶縁部材で形成する点で、第1実施形態の円筒型電池10と異なるだけで、その他の構成は第1実施形態と同様である。
周壁11aおよび中空巻芯31を形成する絶縁部材としては、一例としてPP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)や、PPS(ポリフェニレンスルフィド)が該当する。
なお、円筒容器11の底部11cは導電性部材で形成する。
【0162】
これにより、第5実施形態と同様に、上蓄電素子33、中央蓄電素子35や下蓄電素子37が円筒容器11や中空巻芯31を介して導通することを防止できる。
よって、上蓄電素子33、中央蓄電素子35および下蓄電素子37が円筒容器11や中空巻芯31に導通して放電することを防ぐことができる。
したがって、上蓄電素子33、中央蓄電素子35や下蓄電素子37の各々の電位を均一に保つことができ、円筒型電池210の蓄電エネルギの低下を防ぐことができる。
【0163】
第8実施形態
図21は本発明に係る蓄電素子の直列接続構造(第8実施形態)を備えた円筒型電池の断面図である。
第8実施形態の円筒型電池220は、円筒容器11の周壁11aを分割(例えば、3分割)するとともに、中空巻芯31を分割(例えば、3分割)する点で、第1実施形態の円筒型電池10と異なるだけで、その他の構成は第1実施形態と同様である。
【0164】
具体的には、円筒容器11の周壁11aを、上蓄電素子33と中央蓄電素子35との間で分割するとともに、中央蓄電素子35と下蓄電素子37との間で分割する。
そして、分割した周壁11aのうち、上蓄電素子33と中央蓄電素子35との間に相当する上部位221、および中央蓄電素子35と下蓄電素子37との間に相当する下部位222にそれぞれ非導電性部材を設ける。
【0165】
さらに、中空巻芯31を、上蓄電素子33と中央蓄電素子35との間で分割するとともに、中央蓄電素子35と下蓄電素子37との間で分割する。
分割した中空巻芯31のうち、上蓄電素子33と中央蓄電素子35との間に相当する上部位223、および中央蓄電素子35と下蓄電素子37との間に相当する下部位224にそれぞれ非導電性部材を設ける。
非導電性部材としては、一例としてPP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)や、PPS(ポリフェニレンスルフィド)が該当する。
【0166】
これにより、第5実施形態と同様に、上蓄電素子33、中央蓄電素子35や下蓄電素子37が円筒容器や中空巻芯31を介して導通することを防止できる。
よって、上蓄電素子33、中央蓄電素子35および下蓄電素子37が円筒容器11や中空巻芯31に導通して放電することを防ぐことができる。
したがって、上蓄電素子33、中央蓄電素子35や下蓄電素子37の各々の電位を均一に保つことができ、円筒型電池220の蓄電エネルギの低下を防ぐことができる。
【0167】
なお、前記実施形態では、本発明に係る蓄電素子の直列接続構造30,130,135として3個の蓄電素子33,35,37を直列に接続させた例について説明した。
また、蓄電素子の直列接続構造161として3個の蓄電素子162,163,164を直列に接続させた例について説明した。
さらに、蓄電素子の直列接続構造170として3個の蓄電素子233,235,237を直列に接続させた例について説明した。
しかし、本発明に係る蓄電素子の直列接続構造は、上記例に限らないで、2個以上の蓄電素子を直列に接続させる場合にも適用することができる。
【0168】
また、前記実施形態では、活性炭、導電材料および結合剤からなる分極性電極48を集電箔の両面に設けて正極体および負極体を形成した例について説明したが、これに限らないで、分極性電極48を集電箔の片面に設けて正極体および負極体を形成することも可能である。
【0169】
さらに、前記実施形態の図4において、第1電極シート83の正極体61を一巻き分61a(網目状の領域)除去し、第1セパレータ88の第1下セパレータ62を一巻き分62a(網目状の領域)除去し、第2電極シート93の第2の倍尺電極体54を一巻き分54a(網目状の領域)除去し、第2セパレータ97の第2中央セパレータ56を一巻き分56a(網目状の領域)除去するとともに第2下セパレータ64を一巻き分64a(網目状の領域)除去した例について説明したが、第1電極シート83、第1セパレータ88、第2セパレータ97および第2セパレータ97から除去する部位は、第1電極シート83、第1セパレータ88、第2セパレータ97および第2セパレータ97の巻回方法に応じて任意に選択することができる。
【0170】
また、図1の円筒型電池10においては、上蓄電素子33、中央蓄電素子35および下蓄電素子37を、中空巻芯31への「巻始め」と、「巻終わり」がそれぞれ負極となるように巻回した例について説明したが、蓄電素子33,35,37の巻始めや巻終わりの極はこれに限定するものではない。
【0171】
【発明の効果】
本発明は上記構成により次の効果を発揮する。
請求項1は、倍尺集電箔を分極性電極の幅の少なくとも2倍に設定し、この倍尺集電箔を蓄電素子に連続させて蓄電素子同士を直列に接続するように構成した。このように、隣接する蓄電素子に共通の倍尺集電箔を使用し、倍尺集電箔で蓄電素子同士を接続させることで、隣接する蓄電素子間の距離を短く抑えることができ、円筒型電池の長さを抑えてコンパクト化を図ることができる。
【0172】
また、隣接する蓄電素子同士を倍尺集電箔で直列に接続することで、蓄電素子同士を接続するために従来必要としていた接続部を除去することができる。これにより、通電の際に発生する接続抵抗をなくして電流を良好に流すことができる。
【0173】
さらに、倍尺集電箔のうちの蓄電素子間の部位に開口部を設けるようにした。
よって、電解液を注入する際に、開口部を通過させて蓄電素子間に電解液を進入させることができる。これにより、蓄電素子間に進入した電解液を蓄電素子の端部から、蓄電素子の内部にスムーズに注入することができるので、それぞれの蓄電素子の内部に電解液を均等に注入することができる。
【0174】
加えて、倍尺集電箔のうちの蓄電素子間の部位に開口部を設けることで、蓄電素子間に溜まった電解液を開口部から逃がすことができる。
よって、蓄電素子間に滞留する電解液を減らすことができるので、電解液を表面張力で二個の粒状に分離させることができる。これにより、隣接する蓄電素子が電解液で液絡することを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る蓄電素子の直列接続構造(第1実施形態)を備えた円筒型電池の断面図
【図2】本発明に係る蓄電素子の直列接続構造(第1実施形態)の要部拡大図
【図3】本発明に係る蓄電素子の直列接続構造(第1実施形態)の製造方法を説明する斜視図
【図4】本発明に係る蓄電素子の直列接続構造(第1実施形態)を構成する電極体やセパレータの巻回前の状態を示す平面図
【図5】本発明に係る蓄電素子の直列接続構造(第1実施形態)の製造方法を説明する断面図
【図6】本発明に係る蓄電素子の直列接続構造(第1実施形態)を製造する方法の比較例を説明する斜視図
【図7】本発明に係る第1実施形態の第1作用説明図
【図8】本発明に係る第1実施形態の第2作用説明図
【図9】本発明に係る第1の倍尺集電箔の第1変形例を示す要部拡大図
【図10】(a)は本発明に係る第1の倍尺集電箔の2変形例を示す要部拡大図、(b)は第1の倍尺集電箔の3変形例を示す要部拡大図
【図11】比較例1〜2および実施例のテスト蓄電素子を説明した図
【図12】第1〜第3のテスト蓄電素子の蓄電素子間電圧差Vと充放電サイクルとの関係を示すグラス
【図13】本発明に係る第1実施形態の第3作用説明図
【図14】本発明に係る蓄電素子の直列接続構造(第2実施形態)を備えた円筒型電池の断面図
【図15】本発明に係る蓄電素子の直列接続構造(第3実施形態)を備えた円筒型電池の断面図
【図16】本発明に係る蓄電素子の直列接続構造(第3実施形態)を構成する電極体やセパレータの巻回前の状態を示す平面図
【図17】本発明に係る蓄電素子の直列接続構造(第4実施形態)の要部を示す断面図
【図18】本発明に係る蓄電素子の直列接続構造(第5実施形態)を備えた円筒型電池の断面図
【図19】本発明に係る蓄電素子の直列接続構造(第6実施形態)を備えた円筒型電池の断面図
【図20】本発明に係る蓄電素子の直列接続構造(第7実施形態)を備えた円筒型電池の断面図
【図21】本発明に係る蓄電素子の直列接続構造(第8実施形態)を備えた円筒型電池の断面図
【図22】従来の蓄電素子の直列接続構造を備えた円筒型電池を示す断面図
【符号の説明】
10,150,160,190,200,210,220…円筒型電池、20,151…電圧補正手段、21…第1リード線(リード線)、24…第2リード線(リード線)、30,130,135,161,170…蓄電素子の直列接続構造、31…中空巻芯(中空の巻芯)、32…中空部、33,162,233…上蓄電素子(蓄電素子)、35,163,235…中央蓄電素子(蓄電素子)、37,164,237…下蓄電素子(蓄電素子)、41…第1の倍尺電極体の正極体(正極体)、42,242…第1上セパレータ(セパレータ)、43…負極体、44…第2上セパレータ(セパレータ)、46,125,131,136,246…第1の倍尺集電箔(倍尺集電箔)、48…分極性電極、50…負極用の集電箔(集電箔)、51…第1の倍尺電極体の負極体(負極体)、52,256…第1中央セパレータ(セパレータ)、55…第2の倍尺電極体の正極体(正極体)、56…第2中央セパレータ(セパレータ)、58,258…第2の倍尺集電箔(倍尺集電箔)、62,264…第1下セパレータ(セパレータ)、63…第2の倍尺電極体の負極体(負極体)、64…第2下セパレータ(セパレータ)、66…正極用の集電箔(集電箔)、68…第1丸孔(開口部)、69…第2丸孔(開口部)、122…電解液、127…丸孔(開口部)。

Claims (1)

  1. 活性炭、導電材料および結合剤からなる分極性電極を集電箔の少なくとも片面に設けて正極体および負極体を形成し、正極体と負極体とをセパレータで分離させた状態に巻回して蓄電素子を形成し、この蓄電素子を複数個直列に接続させる直列接続構造において、
    前記分極性電極の幅の少なくとも2倍の幅の倍尺集電箔を準備し、この倍尺集電箔を隣り合う蓄電素子に連続させることにより蓄電素子同士を直列に接続し、前記倍尺集電箔のうちの前記蓄電素子間の部位に開口部を設けたことを特徴とする蓄電素子の直列接続構造。
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