JP2004257291A - 燃料噴射ノズルガスケット脱落防止構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ガスケット50は、シリンダヘッド1の取付孔2と燃料噴射ノズル14のリテーナ12との間に介装される。ガスケット50は、銅製のリング体からなる。ガスケット50の内周面には内側に張り出した堰51が設けられている。この堰51よりも嵌め込み側の部位において、ガスケット内周方向の3箇所にはシリコンゴム53が塗り付けられて配置されている。これらシリコンゴム53は、ノズルチップ13にガスケット50を外嵌したときに、ノズルチップ13外周面とガスケット50内周面との間に摩擦力を付与し、ノズルチップ13からガスケット50が安易に脱落するのを防ぐ。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディーゼル機関等の内燃機関に用いられる燃料噴射ノズルのガスケットの脱落を防止する構造に関する。特には、組み立て時のガスケットの脱落防止機能を有する、あるいは、ノズルチップの調芯機能やノズルチップ内のニードルのかじり防止機能等を有する燃料噴射ノズルガスケット脱落防止構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
まず、図面を参照しつつ、内燃機関のシリンダヘッド付近の構成例について説明する。なお、この説明で述べる上下・左右とは、図4における上下・左右を指すものとする。
図4は、内燃機関のシリンダヘッド付近の構成例を示す断面図である。
図5は、図4の燃料噴射ノズルのノズルチップ付近の構造を示す拡大図である。
図4には、シリンダヘッド1と、シリンダヘッド1に組み付けられたインジェクタ10と、シリンダヘッド1の上側に取り付けられたヘッドカバー30と、シリンダヘッド1の下側に接続された燃焼室35が描かれている。
【0003】
シリンダヘッド1は鋳鉄製(一例)であって、中央部に取付孔2が形成されている。この取付孔2内にインジェクタ10が組み付けられている。インジェクタ10は、本体11及びこれに連結された燃料噴射ノズル14を備えている。燃料噴射ノズル14は、本体11に連結されたリテーナ12と、このリテーナ12の先側(図4の下側)に設けられたノズルチップ13を備えている。本体11の後側(図4の上側)には、電磁弁15が設けられている。本体11の側部(図4の右横側)からは、燃料導入管17が分岐して延び出ている。燃料導入管17、本体11、リテーナ12及びノズルチップ13の内部には、燃料供給通路19が形成されている。燃料導入管17側から供給された燃料は、本体11、リテーナ12内を通って、ノズルチップ13先端から燃焼室35内に噴出される。
【0004】
燃料噴射ノズル14のノズルチップ13は、リテーナ12よりも径が小さい。このノズルチップ13の外周には、銅製(一例)のリング体からなるガスケット20が外嵌されている。図5にわかり易く示すように、このガスケット20は、ノズルチップ13に外嵌した状態で、シリンダヘッド1の取付孔2内のテーパ座面2a(被シール面)と、燃料噴射ノズル14のリテーナ12の端面(ノズルチップ13との境界部分)12aとの間に挟まれている。ノズルガスケット20の下部寄り外周面は、取付孔2のテーパ座面2aに接触するテーパ面20aとなっている。ガスケット20の上端面は、リテーナ12の端面12aに接触する平端面20bとなっている。このように組み付けられたガスケット20は、取付孔2とリテーナ12との間で燃料噴射ノズル14の周囲をシールする。
【0005】
図4に示すように、インジェクタ10の本体11は、ノズルホルダー21でシリンダヘッド1に押さえ付けられている。このノズルホルダー21は、インジェクタ10の本体11外周面のフランジ部11aを押える押え片21a等を備えている。ノズルホルダー21は、本体11がシリンダヘッド1の取付孔2内に挿通された後に、ボルト22でシリンダヘッド1に締め付けられて固定される。
【0006】
シリンダヘッド1内において、インジェクタ10を挟んで両側には、冷却水流路3、4が形成されている。シリンダヘッド1の冷却水流路4(図4中右側)の上側には、パイプ取付孔5と燃料排出孔6がそれぞれ個別に形成されている。これらの孔5、6は、前述の取付孔2から図中右側に向けて横に延びており、シリンダヘッド1右端面に開放されている。パイプ取付孔5内には、燃料パイプ25が挿入されている。この燃料パイプ25は、インジェクタ10の燃料導入管17に接続されており、最大約120Mpaの圧力で燃料を供給する。一方、燃料排出孔6は、本体11外周面の段付き溝(Oリング溝)11b間の燃料排出溝11c付近から延び出て、シリンダヘッド1外のスピル(図示されず)へと繋がっている。燃料パイプ25から供給された燃料の一部は、余剰燃料として燃料排出孔6からシリンダブロック1外に排出される。
【0007】
シリンダヘッド1の上側のヘッドカバー30は、アルミダイキャスト製(一例)であって、ボルト31で固定されている。インジェクタ10の上端(電磁弁15)やノズルホルダー21等は、ヘッドカバー30により覆われる。一方、シリンダヘッド1の下側には、燃焼室35が接続されている。この燃焼室35内には、燃料噴射ノズル14のノズルチップ13の先端が突出している。
【0008】
図4及び図5に示す組み付け状態において、ガスケット20は、前述の通りテーパ面20aが取付孔2のテーパ座面2aに接触するとともに、平端面20bがリテーナ12の端面12aに接触し、燃料噴射ノズル14の周囲をシールする。ところが、この例のガスケット20は、以下(1)〜(3)に列挙するような問題が起こり易い。
【0009】
(1)ノズルチップ13にガスケット20がきつく嵌め込まれるように、ガスケット20の内径を小さめに設計した場合、取付孔2のテーパ座面2aとガスケット20のテーパ面20aとの芯ズレ、又は、ノズルチップ13軸心の芯ズレが原因で、ノズルチップ13に曲げ変形力(こじるような力)が働く。こうなると、ノズルチップ13内のニードル(芯弁)の摺動性が悪くなり、ニードルかじり等の問題が引き起こされる可能性がある。
【0010】
(2)前記(1)とは逆に、ノズルチップ13にガスケット20がゆるく嵌め込まれるように、ガスケット20の内径を大きめに設計した場合、ノズルチップ13にガスケット20を嵌め込んでシリンダヘッド1の取付孔2内に挿入していく際、挿入中途段階で重力によりガスケット20がノズルチップ13から脱落し、ガスケット20を上下逆に組み込んでしまう等のミスが引き起こされる可能性がある。
【0011】
(3)ガスケット20の内径を大きめに設計した上で、ガスケット20の内面にグリース等を塗り、或る程度の粘着性を確保してガスケット20の脱落防止を図ることも行われている。しかしながら、この場合は、作業者によってグリース等の塗り忘れや塗り過ぎ等の個人差が生じ、ガスケット20の脱落を防止しきれない。あるいは、グリース等の代わりに接着剤を用いて、ノズルチップ13にガスケット20を固定する場合もあるが、接着剤が乾いて硬くなるものであると、前述の(1)と同様の問題が生じる。
【0012】
さらに、内燃機関のノズル組み付け構造の例として、例えば実公昭55−127873号のマイクロフィルム(特許文献1)や特開2000−170626号公報(特許文献2)を挙げることができる。
【0013】
特許文献1には、直噴式ディーゼル機関のシリンダヘッドに燃料弁を装着する構造が開示されている。この構造では、燃料弁を保持する燃料弁ケースナットの断熱パッキン取付箇所にネジを形成し、このネジにテフロン(登録商標)等からなる断熱パッキンを喰い込ませて両者を一体化している。これにより、シリンダヘッドから燃料弁を抜き出す際に、燃料弁と一緒に断熱パッキンも抜き出すことができる。そのため、燃料弁を抜き出した後に、工具等を用いて断熱パッキンを別途抜き出す必要がなく、燃料弁の交換作業等が簡単になるとされている。
【0014】
この特許文献1では、シール材としてテフロン(登録商標)等の柔らかい素材からなる断熱パッキンを用いているため、燃料弁ケースナット側にのみネジを形成しただけで断熱パッキンを喰い込ませることができる。しかしながら、金属製のガスケットに対して燃料弁側のネジを喰い込ませることは、まず不可能といってよい。あるいは、ガスケット側にもネジを形成して両者をネジ結合させるとすると、ガスケットの加工工程・コストが助長され、結合作業にも時間と手間がかかる。
【0015】
一方、特許文献2には、内燃機関のエンジンヘッドに噴射ノズルを組み付ける構造が開示されている。この構造で用いられるシール部材は、銅等からなり、外壁面がほぼ円錐台形をなす円環形状をしている。エンジンヘッドのノズル取付孔内には、シール部材外壁の円錐台面に当接する被円錐台面が形成されている。このシール部材を用いて組み付け作業を行う際には、ノズルホルダに収容された噴射ノズルのノズル部にシール部材を挿入した後、これらをエンジンヘッドのノズル取付孔内に挿入し、ノズルホルダを押し込む。すると、ノズルホルダに押されたシール部材の円錐台面がノズル取付孔の被円錐台面上を滑り、シール部材端部が内側に変形して***し、ノズル部外壁と環状接触する。
【0016】
この特許文献2では、噴射ノズルのノズル部にシール部材を挿入してからエンジンヘッドに組み付け、その後にシール部材の変形を利用してノズル部に接触させている。そのため、エンジンヘッドに組み付ける前の段階では、シール部材とノズル部との間には所定のクリアランスが確保された状態となる。したがって、この特許文献2の場合も、図4、図5を用いて前述した問題点(2)と同様の問題が生じる。
【0017】
【特許文献1】
実公昭55−127873号のマイクロフィルム(図1〜図4)
【特許文献2】
特開2000−170626号公報(図1〜図6)
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前述の課題に基づいてなされたものであって、組み立て時のガスケットの脱落防止機能を有する、あるいは、ノズルチップの調芯機能やノズルチップ内のニードルのかじり防止機能等を有する燃料噴射ノズルガスケット脱落防止構造を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決するため、本発明の燃料噴射ノズルガスケット脱落防止構造は、燃料を噴射するノズルの周囲をシールするガスケットが、組み立て時にノズルから脱落するのを防止する構造において、 前記ノズルの先端部に設けられたノズルチップを有し、 前記ガスケットが、前記ノズルチップの外周に嵌合される金属製のリング体であり、 前記ノズルチップの外周面と、その嵌合されるガスケットの内周面との間に、両面の間に摩擦力を付与する弾性材が配置されていることを特徴とする。
【0020】
本発明によれば、ノズルチップとガスケット間の弾性材により、これら両者間に摩擦力が付与されるので、燃料噴射ノズルのノズルチップにガスケットを嵌合した後の、ガスケットの安易な脱落を防止することができる。したがって、組み付け作業時にガスケットが抜け落ちて上下逆に組み込まれたりするエラー(作業ミス)を回避できる。さらに、ノズルチップにガスケットを嵌合する際には、単に両者を嵌め合わせる簡単な作業で済み、グリース等を塗布していた場合のように、作業者の習性・個人差に左右されることもない。
【0021】
本発明の燃料噴射ノズルガスケット脱落防止構造においては、前記ガスケットの内周面にOリング溝が形成されており、 前記弾性材が前記Oリング溝に嵌め込まれたOリングであるものとすることができる。
この場合、既製のOリングを用いてOリング溝に嵌め込む作業で済むので、溝内に粘性状の弾性材を注入する場合等に比べて組み立て作業が容易であり、工数を低減できる。
【0022】
本発明の燃料噴射ノズルガスケット脱落防止構造においては、前記Oリングの内周面の複数箇所が削がれてなる窪みが形成されており、 これら窪みの間の箇所が前記Oリング内周方向に離れて複数箇所に残存しているものとすることができる。
この場合、Oリングの内周面の複数箇所が削がれてなる窪みが形成されており、これら窪みの間の残存箇所でノズルチップ外周面に摩擦力を付与する。これにより、Oリング内周部がノズルチップ外周に押されて変形した場合にも、残存箇所の両側の窪みに逃げることができるので、Oリングの抜け出しが防止し易くなる。
さらに、ガスケットの全周にわたってOリングが存在する場合に比べて、組み付け時のノズルチップに対する芯出しを精度よく行うことができる利点もある。
【0023】
本発明の燃料噴射ノズルガスケット脱落防止構造においては、前記ガスケットの内周面の前記ノズルチップ嵌め込み側の部位が掘り込まれてなる溜り部を有し、 該溜り部に前記弾性材が配置されていることができる。
ノズルチップにガスケットを挿入する際には、摩擦力の働きでノズルチップ外周面に弾性材が引き摺られ、ガスケット端部から弾性材がはみ出す可能性がある。本発明のこの態様では、ノズルチップに引き摺られた弾性材を溜り部の掘り込み段部で受け止めることができるので、この種の弾性材のはみ出しを防止できる。
【0024】
本発明の燃料噴射ノズルガスケット脱落防止構造においては、前記ガスケットの内周面の該ガスケット軸方向の途中箇所に、内側に張り出した堰が設けられており、 該堰よりも前記ノズルチップ嵌め込み側の部位に前記弾性材が配置されていることができる。
この場合も前述と同様に、ノズルチップにガスケットを挿入する際の弾性材のはみ出しを防止できる。さらに、堰を挟んで弾性材の逆側(ノズルチップ嵌め込み側とは逆側)の内周面は、ノズルチップ外周面との間に適当な隙間が確保されるので、座面がテーパ状のガスケットを採用したときには、ガスケットの縮径に伴うノズルチップの変形不具合を防止できる。
【0025】
本発明の燃料噴射ノズルガスケット脱落防止構造においては、前記弾性材が前記ガスケットの内周方向に離れて複数箇所に配置されていることができる。
この場合、ガスケットの全周にわたって弾性材を配置する場合に比べて、組み付け時のノズルチップに対する芯出しを精度よく行うことができる。
【0026】
本発明の燃料噴射ノズルガスケット脱落防止構造においては、前記ガスケットの内周面の該ガスケット軸方向の途中箇所に、内側に張り出した堰が設けられており、 該堰よりも前記ノズルチップ嵌め込み側の部位に前記Oリング溝が形成されており、 該Oリング溝に前記Oリングが嵌め込まれていることができる。
この場合も前述と同様に、ノズルチップにガスケットを挿入する際のOリングのはみ出しを防止できる。
【0027】
本発明の燃料噴射ノズルガスケット脱落防止構造においては、前記弾性材がシリコンゴムであることが好ましい。
シリコンゴムは、金属面に塗布し易いという利点があるとともに、適切な弾性力も確保し易く、ガスケットの脱落防止機能を確実に実現することができる。
なお、シリコンゴム以外に、例えば樹脂や接着剤等を用いることもできる。
【0028】
本発明の燃料噴射ノズルガスケット脱落防止構造においては、前記ガスケットの外側シール面がテーパ面となっており、 該シール面に当接する被シール側がテーパ座面となっていることができる。
シール面をテーパ面にすると、組み付け時には被シール側のテーパ座面上をガスケットの外側テーパ面が滑りつつ、ガスケットが縮径してシール面同士が密に面接触するため、シール性能が向上する。なお、被シール側にガスケットが強く押し当てられると、ガスケット内径の縮径量が多くなる分、ガスケット内径とノズルチップ外周面間の隙間を比較的大きくせざるを得なくなるが、本発明のこの態様によれば、ノズルチップとガスケット間の弾性材により充分な脱落防止を図ることができる。
【0029】
本発明の燃料噴射ノズルガスケットは、燃料噴射ノズルのノズルチップの外周に嵌合される、金属製のリング体からなるガスケットにおいて、 前記ガスケットの内周に、該ガスケットの内周と前記ノズルチップの外周面との間に摩擦力を付与する弾性材が配置されており、 該弾性材の、前記ガスケット軸方向の両側又は前記ガスケット軸方向の前記ノズルチップ嵌め込み側の反対側に、内側に張り出した堰が設けられていることを特徴とする。
本発明に係るガスケットを弾性材付きガスケット単品とすることで、補給部品管理が容易となる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の燃料噴射ノズルガスケット脱落防止構造に係るガスケットの一実施の形態を示す図である。(A)はシリンダヘッドと燃料噴射ノズルとの間にガスケットが介装された状態を示す側面断面図であり、(B)はガスケットの平面図である。
図1のガスケット50は、図4に示す内燃機関のシリンダヘッド1の取付孔2と、燃料噴射ノズル14のリテーナ12との間に介装される。図1(A)では、燃料噴射ノズル14のリテーナ12を一点鎖線で示し、シリンダヘッド1の取付孔2を二点鎖線で示す。
【0031】
図1に示すガスケット50は、銅製(一例)のリング体からなる。このガスケット50は、図1(A)の上側がノズルチップ13の嵌め込まれる側(以下嵌め込み側という)であり、図1(A)の下側がノズルチップ13先端の突き出る側(以下反嵌め込み側という)である。ガスケット50の反嵌め込み側の外周面は、端部に向けてすぼまるようにテーパの付いたテーパ面50aとなっている。このテーパ面50aのテーパ角は一例で45°である。ガスケット50の嵌め込み側端面は、平端面50bとなっている。
【0032】
図1(A)に示すガスケット50の介装状態において、テーパ面50aはシリンダヘッド1の取付孔2のテーパ座面2aに当接し、平端面50bは燃料噴射ノズル14のリテーナ12の端面12aに当接する。これらテーパ面50aと平端面50bとがシール面となる。ガスケット50外面側のシール面がテーパ面50aとなっているため、ガスケット50の組み付け時に縮径作用が起こり、ガスケット50のシール性能を向上することができる。
【0033】
ガスケット50の内周面において、ガスケット軸方向(図1(A)の上下方向)の途中箇所には、内側に張り出した堰51が設けられている。この堰51は、ガスケット50の内周方向にわたって環状に形成されている。そして、堰51よりも嵌め込み側の部位において、ガスケット内周方向の3箇所には、図1(A)に示すようにシリコンゴム(弾性材)53が塗り付けられて配置されている。3箇所のシリコンゴム53は、互いにほぼ等間隔あけて塗り付けられている。
【0034】
これら3箇所のシリコンゴム53は、燃料噴射ノズル14のノズルチップ13にガスケット50を外嵌したときに、ノズルチップ13外周面とガスケット50内周面との間に摩擦力を付与する。この摩擦力の作用により、ノズルチップ13からガスケット50が安易に脱落するのを防止できる。特に、シリコンゴム53は、銅等の金属面に塗布し易いという利点があるとともに、適切な弾性力を有するので摩擦力も確保し易く、ガスケット50のノズルチップ13からの脱落防止機能を確実に実現することができる。
【0035】
ガスケット50の内周方向に互い離れてシリコンゴム53を配置することで、組み付け時においてノズルチップ13に対するガスケット50の芯出しを精度よく行うことができる。さらに、堰51よりも反嵌め込み側においては、ノズルチップ13外周面との間に適当な隙間(堰51の突出長さ分の隙間)が確保されるので、ガスケット50のテーパ面50aがテーパ座面2a上を滑って縮径される際に或る程度微動することが可能であり、これによってもノズルチップ13の調芯機能が確保される。
なお、図1では3箇所に配置した例が示されているが、2箇所あるいは4箇所以上に配置することも可能である。
【0036】
ノズルチップ13にガスケット50を挿入する際には、単に両者を嵌め合わせる簡単な作業で済む。なお、シリコンゴム53による摩擦力の働きで、ノズルチップ13外周面にシリコンゴム53が引き摺られ、ガスケット50の反嵌め込み側端部からはみ出す可能性があるが、引き摺られたシリコンゴム53は堰51の上端面で受け止めることができるので、このようなはみ出し不具合は防止される。
【0037】
このような脱落防止機能を有するガスケット50は、組み付け作業時にノズルチップ13からガスケット50が抜け落ちて、シリンダヘッド1内で上下逆に組み込んだりするエラー(作業ミス)を回避できる。
【0038】
以下、ガスケットの他の例について説明する。
図2(A)は、本発明の他の実施の形態に係るガスケットがシリンダヘッドと燃料噴射ノズルとの間に介装された状態を示す側面断面図であり、図2(B)はガスケットのOリング溝に嵌め込まれるOリングの平面図であり、図2(C)はガスケットの他の実施の形態を示す側面断面図である。
【0039】
図2(A)に示すガスケット50´は、前述した図1のガスケット50と比較して、シリコンゴム53の代わりにOリング溝52及びそれに嵌め込まれたOリング55を備える点で大きく異なる。すなわち、図2(A)に示すように、このガスケット50´では、堰51の嵌め込み側段部(図中上側の段部)近くの内周面が掘り込まれてなるOリング溝52を有している。このOリング溝52に嵌め込まれるOリング55は、図2(B)に示すように、内周面の複数箇所(この例では3箇所)が削がれてなる窪み面57が形成されており、これら窪み面57の間の残留面59が、Oリング55内周方向に離れて3箇所に残存している。
【0040】
Oリング55の残留面59は、燃料噴射ノズル14のノズルチップ13にガスケット50´を外嵌したときに、ノズルチップ13外周面に接して摩擦力を付与する。そして、Oリング55内周部がノズルチップ13外周に押されて変形した場合にも、残留面59の両側の窪み面57に逃げることができるので、Oリング55の抜け出しが防止し易くなる。このようなOリング55を備えるガスケット50´は、既製のOリングを若干加工してOリング溝52に嵌め込めばよいので、例えば溝内に粘性状の弾性材を注入する場合等に比べて組み立て作業が容易であり、工数を低減できる利点がある。
【0041】
図2(C)に示すガスケット50″は、堰51のガスケット軸方向(図中上下方向)のほぼ中央部にOリング溝52´が掘り込まれており、このOリング溝52´に前述と同様のOリング55が嵌め込まれている。この例のガスケット50″においては、Oリング溝52´に嵌め込まれたOリング55を挟んで、嵌め込み側の堰51aと反嵌め込み側の堰51bとが両側に存在することとなる。
【0042】
図3(A)、(B)は、本発明の他の実施の形態に係るガスケットがシリンダヘッドと燃料噴射ノズルとの間に介装された状態を示す側面断面図である。
図3(A)に示すガスケット60は、図1に示すガスケット50と同様に銅製(一例)のリング体からなり、テーパ面60aと平端面60b(シール面)を備えている。このガスケット60は、内周面の嵌め込み側の部位が掘り込まれてなる溜り部61を有しており、この溜り部61にシリコンゴム63が塗布されて配置されている。
【0043】
溜り部61は、ガスケット60の内周方向にわたって環状に形成してもよいし、内周方向の複数箇所に分散して形成してもよい。溜り部が複数箇所に分散して形成されている場合、各溜り部は周方向に等間隔おきに形成されているのが好ましい。
【0044】
このようなガスケット60の溜り部61は、図1のガスケット50における堰51の嵌め込み側とほぼ同様の役割を果たし、ノズルチップ13にガスケット50を挿入する際のシリコンゴム63のはみ出し不具合を防止することができる。
なお、図1のガスケット50や図3(A)のガスケット60は、高圧の燃料噴射ノズル用のガスケットとして適している。
【0045】
図3(B)に示すガスケット70も、前述のガスケット50、60と同様に銅製(一例)のリング体からなり、テーパ面70a及び平端面70b(シール面)を備えている。このガスケット70は、内周面が円筒面71であって、この円筒面71にシリコンゴム73が塗布されている。シリコンゴム73は、円筒面71の全域にわたって塗布してもよいし、内周方向に分散して複数箇所に塗布してもよい。
【0046】
このガスケット70は、前述のガスケット50、60と比較して、堰51や溜り部61を形成しなくて済むので、加工工程やコストが低減できる。但し、ノズルチップ13にガスケット50を挿入する際のシリコンゴム73のはみ出し不具合を防止するため、シリコンゴム73の塗布量を慎重に管理する必要がある。
【0047】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、組み立て時のガスケットの脱落防止機能を有する、あるいは、ノズルチップの調芯機能やノズルチップ内のニードルのかじり防止機能等を有する燃料噴射ノズルガスケット脱落防止構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の燃料噴射ノズルガスケット脱落防止構造に係るガスケットの一実施の形態を示す図である。(A)はシリンダヘッドと燃料噴射ノズルとの間にガスケットが介装された状態を示す側面断面図であり、(B)はガスケットの平面図である。
【図2】図2(A)は、本発明の他の実施の形態に係るガスケットがシリンダヘッドと燃料噴射ノズルとの間に介装された状態を示す側面断面図であり、図2(B)はガスケットのOリング溝に嵌め込まれるOリングの平面図であり、図2(C)はガスケットの他の実施の形態を示す側面断面図である。
【図3】本発明の他の実施の形態に係るガスケットがシリンダヘッドと燃料噴射ノズルとの間に介装された状態を示す側面断面図である。
【図4】内燃機関のシリンダヘッド付近の構成例を示す断面図である。
【図5】図4の燃料噴射ノズルのノズルチップ付近の構造を示す拡大図である。
【符号の説明】
1 シリンダヘッド
2 取付孔 2a テーパ座面
12 リテーナ 12a 端面
13 ノズルチップ 14 燃料噴射ノズル
50、50´、50″ ガスケット
50a テーパ面 50b 平端面
51、51a、51b 堰 52、52´ Oリング溝
53 シリコンゴム(弾性材) 55 Oリング
57 窪み面 59 残留面
60 ガスケット
61 溜り部 63 シリコンゴム(弾性材)
70 ガスケット
71 円筒面 73 シリコンゴム
Claims (10)
- 燃料を噴射するノズルの周囲をシールするガスケットが、組み立て時にノズルから脱落するのを防止する構造において、
前記ノズルの先端部に設けられたノズルチップを有し、
前記ガスケットが、前記ノズルチップの外周に嵌合される金属製のリング体であり、
前記ノズルチップの外周面と、その嵌合されるガスケットの内周面との間に、両面の間に摩擦力を付与する弾性材が配置されていることを特徴とする燃料噴射ノズルガスケット脱落防止構造。 - 前記ガスケットの内周面にOリング溝が形成されており、
前記弾性材が前記Oリング溝に嵌め込まれたOリングであることを特徴とする請求項1記載の燃料噴射ノズルガスケット脱落防止構造。 - 前記Oリングの内周面の複数箇所が削がれてなる窪みが形成されており、
これら窪みの間の箇所が前記Oリング内周方向に離れて複数箇所に残存していることを特徴とする請求項2記載の燃料噴射ノズルガスケット脱落防止構造。 - 前記ガスケットの内周面の前記ノズルチップ嵌め込み側の部位が掘り込まれてなる溜り部を有し、
該溜り部に前記弾性材が配置されていることを特徴とする請求項1記載の燃料噴射ノズルガスケット脱落防止構造。 - 前記ガスケットの内周面の該ガスケット軸方向の途中箇所に、内側に張り出した堰が設けられており、
該堰よりも前記ノズルチップ嵌め込み側の部位に前記弾性材が配置されていることを特徴とする請求項1記載の燃料噴射ノズルガスケット脱落防止構造。 - 前記弾性材が前記ガスケットの内周方向に離れて複数箇所に配置されていることを特徴とする請求項4又は5記載の燃料噴射ノズルガスケット脱落防止構造。
- 前記ガスケットの内周面の該ガスケット軸方向の途中箇所に、内側に張り出した堰が設けられており、
該堰よりも前記ノズルチップ嵌め込み側の部位に前記Oリング溝が形成されており、
該Oリング溝に前記Oリングが嵌め込まれていることを特徴とする請求項2又は3記載の燃料噴射ノズルガスケット脱落防止構造。 - 前記弾性材がシリコンゴムであることを特徴とする請求項1〜7いずれか1項記載の燃料噴射ノズルガスケット脱落防止構造。
- 前記ガスケットの外側シール面がテーパ面となっており、該シール面に当接する被シール側がテーパ座面となっていることを特徴とする請求項1〜8いずれか1項記載の燃料噴射ノズルガスケット脱落防止構造。
- 燃料噴射ノズルのノズルチップの外周に嵌合される、金属製のリング体からなるガスケットにおいて、
前記ガスケットの内周に、該ガスケットの内周と前記ノズルチップの外周面との間に摩擦力を付与する弾性材が配置されており、
該弾性材の、前記ガスケット軸方向の両側又は前記ガスケット軸方向の前記ノズルチップ嵌め込み側の反対側に、内側に張り出した堰が設けられていることを特徴とする燃料噴射ノズルガスケット。
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WO2007058103A1 (ja) * | 2005-11-16 | 2007-05-24 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | 燃料噴射弁 |
EP2142789A2 (en) * | 2007-05-03 | 2010-01-13 | Cummins Inc. | Fuel injector assembly with injector seal retention |
-
2003
- 2003-02-25 JP JP2003047659A patent/JP2004257291A/ja active Pending
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