JP2004257275A - タービンの翼の振動モード判別方法および振動モード判別装置 - Google Patents

タービンの翼の振動モード判別方法および振動モード判別装置 Download PDF

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Ken Fujita
藤田  憲
Tomoaki Kitagawa
朋亮 北川
Naoyuki Seki
直之 関
Koji Oyama
宏治 大山
Yasutomo Kaneko
康智 金子
Kazuishi Mori
一石 森
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Abstract

【課題】タービンの翼の振動モードを判別する簡便な装置を提供する。
【解決手段】動翼の変位の大きさの等高線図を生成する生成部(13)と、等高線図から等高線の特徴を抽出する抽出部(15)と、既知の振動モードの等高線の特徴を記憶するデータベース(16)と、等高線図間の特徴の一致度を求める評価部(17)と、特徴の一致度に基づき振動モードを判別する判別部(18)とで、振動モード判別装置(1)を構成する。等高線を線分に区分して、方向によって線分を分類し、各方向の線分の総数を等高線の特徴とする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はタービンの翼の振動モードの判別に関する。
【0002】
【従来の技術】
発電施設、エンジン等に用いられるタービンの回転軸に取り付けられた動翼は、回転数が動翼の固有振動数に一致すると振動する。動翼の振動には、各部位が同時に略同一方向に変位する曲げ振動、異なる部位が同時に逆方向に変位するねじり振動等の種々のモードがある。振動モードによっては、動翼に亀裂等の損傷が生じることもあり、タービンはそのようなモードの振動が生じない条件下で運転する必要がある。タービンを始動する際も、定常運転の回転数に達するまでにいくつかのモードでの振動が動翼に生じることになるため、損傷を招くおそれのあるモードでの振動が発生する期間をできるだけ短くする必要がある。したがって、タービンは、どのようなモードの振動が生じ得るかを考慮して設計しなければならず、また、振動モードを考慮して運転を制御しなければならない。
【0003】
タービン動翼の振動モードの解析は動翼の変位を視覚化して行うのが一般的であり、変位の大きさの等高線図を作成する方法が多用されている。また、例えば特開平5−187972号公報に記されているように、動翼にレーザ光を照射して、その反射光と分岐させた照射光の干渉によって生じるホログラム像を得る方法もある。変位の大きさの等高線図やホログラム像のパターンを既知のモードの振動でのパターンと比較することにより、振動モードを判別することができる。
【0004】
ホログラム像を得る方法は、像を直接得ることができて、処理に要する時間が短いという長所を有する反面、光学系の構成が複雑かつ大規模になる。また、実在するタービンに対してのみ適用可能である。一方、等高線図を作成する方法は、変位の大きさを図に表すための計算処理が必要であるが、動翼の各部位の変位を測定するだけでよく、測定に必要な光学構成が簡素である。しかも、コンピュータを用いるシミュレーションで変位を推測することも可能であり、実際に作製していないタービンに対しても適用することができる。
【0005】
【特許文献1】特開平5−187972号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
等高線図やホログラム像のパターンを比較することにより振動モードを判別する方法は、それらのパターンが振動モードに依存し、振動モードが異なればパターンも異なるという現象を利用している。また、パターンの比較は人の視覚によって行っている。ところが、異なる振動モードであっても、等高線図やホログラム像のパターンが類似することがあり、熟練者でなければ、振動モードが同一であるか否かの判断を誤り易い。また、たとえ熟練者であっても、判断に長時間を要したり、判断を誤ったりすることがある。
【0007】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたもので、タービンの翼の振動モードを判別する簡便な方法および装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明では、タービンの翼の振動モードを判別する振動モード判別方法は、既知のモードの振動での翼の変位の大きさの等高線図から等高線の所定の特徴を抽出して、抽出した特徴をモードごとに記憶しておき、未知のモードの振動での翼の変位の大きさの等高線図を作成して等高線の特徴を抽出し、抽出した特徴と記憶している特徴とを比較することにより、未知のモードが既知のどのモードであるかを判別するものとする。
【0009】
この方法では、変位の大きさの等高線図に基づいて振動モードを判別するが、従来のように等高線図を直接比較するのではなく、等高線の特徴を抽出して、特徴を比較する。したがって、人の視覚による必要がなく、例えばパーソナルコンピュータで自動的に振動モードを判別することも可能である。
【0010】
前記目的を達成するために、本発明ではまた、タービンの翼の振動モードを判別する振動モード判別装置は、未知のモードの振動での翼の複数の部位の変位の大きさを与えられて、翼の変位の大きさの等高線図を生成する生成手段と、生成手段が生成した等高線図から等高線の所定の特徴を抽出する抽出手段と、抽出手段が抽出する特徴と同種の特徴であって既知のモードの振動での翼の変位の大きさの等高線図から抽出した等高線の特徴を、モードごとに記憶している記憶手段と、抽出手段が抽出した特徴と記憶手段が記憶している各特徴との一致度を求める評価手段と、評価手段が求めた一致度に基づいて、未知のモードが既知のどのモードであるかを判別する判別手段を備える構成とする。
【0011】
この振動モード判別装置は、上記の振動モード判別方法を利用したものである。等高線図の生成、等高線の特徴の抽出、特徴の一致度の算出、および一致度に基づくモードの判別は、全て装置自体が行うことが可能であり、したがって、翼の変位の大きさを与えるだけで自動的に振動モードを判別し得る装置となる。
【0012】
抽出手段が、等高線を所定の長さの線分に区分するとともに、等高線図に複数の方向を定めて、線分を線分の方向に応じて分類し、方向ごとの線分の総数を等高線の特徴とするようにするとよい。方向ごとの線分の総数は、各方向についての等高線の長さを表す。これを等高線の特徴とすることで、等高線のパターンを詳しく表すことができて、振動モードを正確に判別することが可能になる。線分を横方向、縦方向、および斜めの2方向の計4方向に分類するだけでも、類似した等高線図を与える異なる振動モードを区別することができる。
【0013】
ここで、抽出手段が等高線図を複数の領域に分割して、領域ごとに特徴を抽出するようにするとよい。振動の変位は翼の部位によって異なり、部位間の変位の差異は振動モードによって大きく変動するから、領域ごとに特徴を抽出することで、判別の正確さが一層向上する。
【0014】
また、抽出手段が、線分を垂直方向に位置する他の線分までの距離に応じて分類し、距離ごとの線分の総数を等高線の特徴とするようにしてもよい。等高線の密度も特徴に含まれることになって、振動モードを一層正確に判別することができる。
【0015】
生成手段が少なくとも変位のない点を連ねた等高線図を生成するようにするとよい。変位のない点、すなわち振動における節は、振動モードを良好に反映するから、その等高線だけでも振動モードを正確に判別することができる。
【0016】
記憶手段が、使用者からの指示に応じて、抽出手段が抽出した等高線の特徴を記憶するようにしてもよい。同一の振動モードであっても、等高線の特徴が完全に一致するとは限らず、1つの振動モードについて特徴を1つのみ記憶しておくのでは、同一の振動モードでありながらあまり一致度が高くならないという事態も生じ得る。既知の振動モードと同一と判別した振動モードの等高線の特徴を記憶に追加することで、未知の振動モードがその振動モードである場合に、高い一致度が得られて、判別が容易になる。また、未知の振動モードが既知の振動モードのいずれにも該当しないときに、その等高線の特徴を既知の振動モードのものとして新たに記憶することで、判別可能な振動モードの数が増していく。
【0017】
記憶手段が記憶している特徴を抽出した元の等高線図をモードごとに記憶している画像記憶手段と、生成手段が生成した等高線図と、画像記憶手段が記憶している等高線図のうちの所定のものとを表示する表示手段を備えるようにしてもよい。画像記憶手段が記憶している画像の中から表示手段が表示する所定の画像は、例えば、評価手段が求めた一致度の高かったものとすることができる。このようにすると、装置による判別が適切であったことを人が確認することも可能になる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。本実施形態の振動モード判別装置1およびこれを含む振動モード判別システム2の構成を図1に模式的に示す。振動モード判別システム2は、振動モード判別装置1に加えて、変位計測装置11、および変位データベース12より成る。
【0019】
変位計測装置11は、タービンの動翼が振動するときの、動翼の表面の多数の点の変位を計測し、1回の計測で1つの動翼について得た変位の大きさを1つのデータセットとして出力する。変位計測装置11は、実在のタービンの動翼の変位を実測するものであってもよいし、シミュレーションにより仮想のタービンの動翼の変位を推測するのもであってもよい。
【0020】
変位計測装置11の出力先は、変位データベース12と振動モード判別装置1である。振動モード判別システム2のオペレータは変位計測装置11の出力先を切り替えることができる。オペレータは、モードが既知の振動での変位については出力先を変位データベース12とし、モードが未知の振動での変位については出力先を振動モード判別装置1とする。なお、変位計測装置11はデータセットを記憶しておく記憶部を有しており、オペレータは振動モード未知の変位のデータセットを変位計測装置11に記憶させておくことができる。
【0021】
変位データベース12は、変位計測装置11から与えられる変位の大きさを、データセットごとに記憶し、保存する。変位データベース12が記憶する各データセットには、計測を行ったときの諸条件、例えば、動翼が取り付けられている回転軸の回転数、動翼の形状、大きさ、材質等の情報が付加される。
【0022】
振動モード判別装置1は、等高線図生成部13、等高線図データベース14、特徴抽出部15、特徴データベース16、一致度評価部17、振動モード判別部18、および表示部19より成る。等高線図生成部13は、変位データベース12から各データセットを読み出して、データセットごとに変位の大きさの等高線図を生成する。等高線図生成部13は、また、変位計測装置11からデータセットを直接与えられて、変位の大きさの等高線図を生成する。
【0023】
変位計測装置11が変位を計測する点(動翼の部位)は離間しているが、等高線図生成部13は、変位計測装置11が計測しなかった点については、その周囲の計測された点の変位の大きさを用いる内挿処理によって変位の大きさを求める。これにより連続した等高線が得られ、等高線図は、等高線上に位置するオンのビットと、等高線上に位置しないオフのビットから成るビットマップとして表される。
【0024】
等高線図生成部13が生成する等高線図には、変位の大きさが0の点(変位のない点)を連ねた等高線が含まれる。変位の大きさが0の点は振動の節であり、これらを連ねた線は、振動モードを良好に反映する。したがって、この等高線を生成するだけでも、振動モードを正確に判別することが可能である。変位の大きさが0の等高線に加えて、変位の大きさが0以外の一定値の点を連ねた等高線、あるいは、最大の変位に対して所定割合の変位の点、例えば最大変位の50%の変位の点を連ねた等高線を等高線図に含めるようにすれば、一層正確に振動モードを判別することができる。なお、変位の大きさの異なる等高線は、同一の等高線図に含めてもよいし、別の等高線図としてもよい。
【0025】
等高線図生成部13の出力先は、等高線図データベース14と特徴抽出部15である。変位データベース12の各データセットから生成した等高線図、すなわち振動モードが既知の等高線図は等高線図データベース14に出力され、変位計測装置11から直接与えられたデータセットから生成した等高線図、すなわち振動モードが未知の等高線図は特徴抽出部15に出力される。
【0026】
等高線図データベース14は、等高線図生成部13が変位データベース12のデータセットから生成した等高線図を記憶し、保存する。等高線図データベース14が記憶する各等高線図には、変位データベース12のどのデータセットに対応するかを示す情報が付加され、振動モードを示す情報も付加される。この振動モードは、振動モード判別装置1の初期状態では、振動モード判別装置1自体が判別したものではなく、例えば熟練者によって判別されたものである。ただし、振動モード判別装置1が振動モードを判別した等高線図を、判別結果の振動モードを付加して、等高線図データベース14に加えていくことも可能である。
【0027】
特徴抽出部15は、等高線図データベース14から振動モード既知の各等高線図を読み出して、各等高線図が含む等高線の特徴を抽出する。特徴抽出部15はまた、等高線図生成部13から直接与えられた振動モード未知の等高線図が含む等高線の特徴を抽出する。特徴抽出部15が抽出する等高線の特徴については後述する。
【0028】
特徴抽出部部15の出力先は、特徴データベース16と一致度評価部17である。等高線図データベース14の振動モード既知の等高線図から抽出した特徴は特徴データベース16に出力され、等高線図生成部13から直接与えられた振動モード未知の等高線図から抽出した特徴は一致度評価部17に出力される。
【0029】
特徴データベース16は、特徴抽出部15が等高線図データベース14の等高線図から抽出した特徴を等高線図ごとに記憶し、保存する。特徴データベース14が記憶する各特徴には、等高線図データベース12のどの等高線図に対応するかを示す情報が付加され、等高線図に付加されている振動モードを示す情報も付加される。
【0030】
一致度評価部17は、特徴抽出部15から直接与えられた振動モード未知の等高線図が含む等高線の特徴を、特徴データベース16が記憶している振動モード既知の等高線図が含む等高線の特徴と比較して、それらの一致度を求める。具体的には、等高線の特徴を要素とするマハラノビス距離を一致度とする。一致度は、特徴データベース16が記憶している全ての等高線図の特徴に対して求める。
一致度評価部17は、求めた一致度と、特徴データベース16の特徴に付加されている振動モードを示す情報とを振動モード判別部18に出力する。
【0031】
振動モード判別部18は、特徴データベース16が記憶している全ての等高線図の特徴のうち最も高い一致度を与えたものの振動モードを、特徴抽出部15が等高線図生成部13から直接与えられた等高線図から抽出した特徴の振動モードとする。これにより、未知の振動モードが既知の振動モードのいずれに該当するかが判別される。ただし、振動モード判別部18は、一致度に基準値を設定しておき、最も高い一致度がその基準値に達しないときには、未知の振動モードは既知のどの振動モードとも相違すると判断する。これにより、誤った判別が防止される。
【0032】
表示部19は、振動モード判別部18による判別結果を表示する。オペレータは、この表示を見て、振動モードがどのように判別がされたかを知ることができる。
【0033】
振動モード判別部18によって判別がなされたとき、オペレータは、変位計測装置11に指示を与えて、記憶しているデータセットを変位データベース12に出力させるとともに、等高線図生成部13に指示を与えて、変位データベース12が新たに記憶したデータセットの等高線図を生成させることができる。この等高線図は等高線図データベース14に記憶され、また、特徴抽出部15によって等高線図データベース14から読み出されて特徴を抽出される。抽出された特徴は特徴データベース16に記憶される。これにより、振動モードが未知であった等高線図も、振動モードが既知のものとして利用することが可能になる。なお、オペレータは、等高線図データベース14が新たに記憶した等高線図に、振動モード判別部18が判別した振動モードを示す情報を付加しておく。
【0034】
一致度が基準値に達せず、振動モード判別部18が未知の振動モードを既知のどの振動モードにも該当しないと判断したときも、オペレータは同様にして、変位データベース12、等高線図データベース14、および特徴データベース16に、その振動モード未知の変位、等高線図、および特徴を記憶させることができる。この場合、等高線図および特徴に付加する振動モードは、熟練者が判別しておく。これにより、既知の振動モードを増加させることができる。
【0035】
等高線図生成部13と特徴抽出部15が、振動モード未知の等高線図とその等高線図から抽出した特徴をそれぞれ記憶しておき、振動モード判別部18が、振動モードを判別したときに、変位計測装置11、等高線図生成部13、および特徴抽出部15に指示を与えて、各々の記憶内容を変位データベース12、等高線図データベース14、特徴データベース16に出力させるようにしてもよい。その際、振動モード判別部18は、判別した振動モードを等高線図データベース14および特徴データベース16に与えて、それらが記憶する等高線図および特徴に付加させるようにする。このようにすると、既知のものとして利用可能な振動モードを自動的に増加させることができる。
【0036】
表示部19が、等高線図生成部13が生成した振動モード未知の等高線図と、等高線図データベース14が記憶している等高線図のうち、一致度評価部17が求めた一致度の高かったものとを、その一致度の値と共に、表示するようにしてもよい。このようにすると、振動モード判別部18の判別結果が適切であったことをオペレータが確認することができる。また、未知の振動モードが既知のどの振動モードにも該当しないときに、熟練者がその表示を見て振動モードを判別することができるようになる。なお、表示部19は、LCD、CRTのように一時的に表示を行うものであってもよいし、プリンタのように半永久的に表示を行うものであってもよい。
【0037】
特徴抽出部15が等高線図から抽出する等高線の特徴について説明する。等高線図の一例を図2に示し、その左上隅の1/16の領域を拡大して図3に示す。
図3において、横方向および縦方向に並ぶ多数の正方形の各々がビットマップを構成するビットであり、黒く塗りつぶしたビットがオン(等高線上に位置する)、空白のビットがオフ(等高線上に位置しない)である。
【0038】
特徴抽出部15は、等高線を所定の長さの線分に区分するとともに、等高線図に4つの方向を定めて、線分を方向によって4種類に分類し、方向ごとの線分の総数を等高線の特徴とする。線分を分類する4方向を図4に示す。
【0039】
特徴抽出部15は、具体的には、等高線図の各ビットが、オンであるかオフであるかを判定し、隣接する2つのオンビットの組を全て検出する。その際、ビットの配列方向である横方向D1と縦方向D3に加えて、斜めの2方向D2、D4についても、最も近い2つのビットを隣接するとして扱う。そして、2つのビットを結ぶ方向によって、オンビットの組を4種類に分類し、各種類に属するオンビットの組の総数を算出する。
【0040】
横方向D1の線分の長さと縦方向D3の線分の長さは等しく、1ビット分であり、斜め方向D2、D4の線分の長さは、横方向D1、縦方向D3の線分の長さの√2(平方根2)倍である。図3の4つの矢印は、各方向の1つの線分を示している。図3の例における方向D1〜D4の線分の総数を図5に示す。このように本実施形態では、加重方向指数ヒストグラムを等高線の特徴とする。
【0041】
なお、方向ごとの線分の数の検出を一層能率よく行うために、等高線の連なりの方向に応じて一意的な値を出力するフィルターを用いて、等高線図を走査するようにしてもよい。例えば、1、2、4、8・・・等のように、どの組み合わせの和も異なる値となる重みを付けた3ビット×3ビットの大きさのフィルターを用いる。この方法では、等高線の長さや密度にかかわらず、常に一定の時間で方向ごとの線分の数が求められる。
【0042】
等高線図生成部13は、上記のように、等高線を線分に区分して、個々の方向の線分の総数を等高線の特徴とするが、等高線図全体にわってまとめて線分の総数を算出するのではなく、1つの等高線図を複数の領域に分割し、領域ごとに線分の総数を算出する。これにより、等高線をより詳細に表す特徴が得られ、振動モードの判別の正確性が高まる。本実施形態では、図2に点線で示すように、1つの等高線図を横方向と縦方向の双方について4等分して、計16の領域について、4方向の線分の総数を求めるようにしている。したがって、一致度評価部17は、64(4方向×16領域)次元の特徴量のマハラノビス距離を求めることになる。
【0043】
本実施形態では、等高線を構成する線分を4方向に分類するようにしているが、より多くの方向に分類するようにしてもよい。線分を分類する方向は、等高線図生成部13がどのような形態の等高線図を生成するかに応じて定めればよい。
ただし、等高線図は横方向と縦方向に連続するビットから成るビットマップとするのが最も容易であり、また、そのビットマップでは直ちに4方向が定まるから、本実施形態のようにするのが簡便である。しかも、線分を4方向に分類するだけで正確に振動モードを判別することができる。
【0044】
また、ここでは1つの等高線図を16の領域に分割するようにしているが、領域の数は任意に定めてよい。ただし、一致度の算出に要する時間は領域の数が増すほど増大するから、あまりに領域の数を多くするのは、処理効率の点で好ましくない。9(横3×縦3)領域から25(横5×縦5)領域までが好適である。
【0045】
方向ごとの線分の総数を等高線の特徴とするだけでなく、線分間の最短距離によって線分を分類し、距離ごとの線分の総数を等高線の特徴とすることもできる。具体的には、各線分からその線分に垂直な方向(例えば、図4の方向D2の線分については方向D4)に位置する最も近い線分までの距離を、各線分から他の線分までの最短距離とする。最短距離による線分の分類も領域ごとに行うが、異なる領域に属する線分も最短距離を求める際の対象とする。図3の例における距離ごとの線分の総数を図6に示す。ここでは、ビットマップのビットを単位として距離を表しており、線分の分類を5ビットごと行っている。
【0046】
このようにすると、等高線の間隔(密度)も特徴とすることになり、一層正確に振動モードを判別することができる。最短距離による線分の分類を、領域ごとに行うことに代えて、等高線図全体について行うようにしてもよい。
【0047】
なお、本実施形態ではタービンの動翼の振動モードを判別する例を掲げたが、本発明はタービンの静翼の振動モードの判別にも適用可能である。
【0048】
【発明の効果】
タービンの翼の振動モードを判別する振動モード判別方法において、本発明のように、既知のモードの振動での翼の変位の大きさの等高線図から等高線の所定の特徴を抽出して、抽出した特徴をモードごとに記憶しておき、未知のモードの振動での翼の変位の大きさの等高線図を作成して等高線の特徴を抽出し、抽出した特徴と記憶している特徴とを比較することにより、未知のモードが既知のどのモードであるかを判別するようにすると、人の視覚によって判別を行う必要がなくなって、判別の正確性が高まる。また、自動的に振動モードを判別することも可能になる。
【0049】
タービンの翼の振動モードを判別する振動モード判別装置において、本発明のように、未知のモードの振動での翼の複数の部位の変位の大きさを与えられて、翼の変位の大きさの等高線図を生成する生成手段と、生成手段が生成した等高線図から等高線の所定の特徴を抽出する抽出手段と、抽出手段が抽出する特徴と同種の特徴であって既知のモードの振動での翼の変位の大きさの等高線図から抽出した等高線の特徴を、モードごとに記憶している記憶手段と、抽出手段が抽出した特徴と記憶手段が記憶している各特徴との一致度を求める評価手段と、評価手段が求めた一致度に基づいて、未知のモードが既知のどのモードであるかを判別する判別手段を備えるようにすると、翼の変位の大きさを与えるだけで自動的に振動モードを判別し得る装置となり、能率が大きく向上する。また、人の主観や経験が影響しないから、常に安定した判別結果が得られる。
【0050】
抽出手段が、等高線を所定の長さの線分に区分するとともに、等高線図に複数の方向を定めて、線分を線分の方向に応じて分類し、方向ごとの線分の総数を等高線の特徴とするようにすると、等高線のパターンを詳しく表すことができて、振動モードを正確に判別することが可能になる。
【0051】
ここで、抽出手段が等高線図を複数の領域に分割して、領域ごとに特徴を抽出するようにすると、振動モードの違いによる等高線のパターンの差異が顕著になって、判別の正確さが一層向上する。
【0052】
また、抽出手段が、線分を垂直方向に位置する他の線分までの距離に応じて分類し、距離ごとの線分の総数を等高線の特徴とするようすると、等高線の密度も表すことができて、振動モードを一層正確に判別することができる。
【0053】
生成手段が少なくとも変位のない点を連ねた等高線図を生成するようにすると、振動モードの差異が等高線図の差異として良好に現れて、振動モードを正確に判別することができる。
【0054】
記憶手段が、使用者からの指示に応じて、抽出手段が抽出した等高線の特徴を記憶するようにすると、判別可能な振動モードの数を次第に増大させることができ、判別の正確さも向上させることができる。
【0055】
記憶手段が記憶している特徴を抽出した元の等高線図をモードごとに記憶している画像記憶手段と、生成手段が生成した等高線図と、画像記憶手段が記憶している等高線図のうちの所定のものとを表示する表示手段を備えるようにすると、装置による判別が適切であったことを人が確認することも可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の振動モード判別装置およびこれを含む振動モード判別システムの構成を模式的に示す図。
【図2】上記振動モード判別装置の等高線図生成部が生成する等高線図の一例を示す図。
【図3】図2の等高線図の一部分の拡大図。
【図4】上記振動モード判別装置の特徴抽出部が等高線を構成する線分を分類する方向を示す図。
【図5】上記振動モード判別装置の特徴抽出部が図3の等高線を構成する線分を方向によって分類したときの、方向ごとの線分の総数を示す図。
【図6】上記振動モード判別装置の特徴抽出部が図3の等高線を構成する線分を他の線分までの最短距離によって分類したときの、距離ごとの線分の総数を示す図。
【符号の説明】
1 振動モード判別装置
2 振動モード判別システム
11 変位計測部
12 変位データベース
13 等高線図生成部
14 等高線図データベース
15 特徴抽出部
16 特徴データベース
17 一致度評価部
18 振動モード判別部
19 表示部

Claims (8)

  1. タービンの翼の振動モードを判別する振動モード判別方法において、
    既知のモードの振動での翼の変位の大きさの等高線図から等高線の所定の特徴を抽出して、抽出した特徴をモードごとに記憶しておき、
    未知のモードの振動での翼の変位の大きさの等高線図を作成して等高線の特徴を抽出し、抽出した特徴と記憶している特徴とを比較することにより、未知のモードが既知のどのモードであるかを判別することを特徴とする振動モード判別方法。
  2. タービンの翼の振動モードを判別する振動モード判別装置において、
    未知のモードの振動での翼の複数の部位の変位の大きさを与えられて、翼の変位の大きさの等高線図を生成する生成手段と、
    生成手段が生成した等高線図から等高線の所定の特徴を抽出する抽出手段と、抽出手段が抽出する特徴と同種の特徴であって既知のモードの振動での翼の変位の大きさの等高線図から抽出した等高線の特徴を、モードごとに記憶している記憶手段と、
    抽出手段が抽出した特徴と記憶手段が記憶している各特徴との一致度を求める評価手段と、
    評価手段が求めた一致度に基づいて、未知のモードが既知のどのモードであるかを判別する判別手段を備えることを特徴とする振動モード判別装置。
  3. 抽出手段が、等高線を所定の長さの線分に区分するとともに、等高線図に複数の方向を定めて、線分を線分の方向に応じて分類し、方向ごとの線分の総数を等高線の特徴とすることを特徴とする請求項2に記載の振動モード判別装置。
  4. 抽出手段が等高線図を複数の領域に分割して、領域ごとに特徴を抽出することを特徴とする請求項3に記載の振動モード判別装置。
  5. 抽出手段が、線分を垂直方向に位置する他の線分までの距離に応じて分類し、距離ごとの線分の総数を等高線の特徴とすることを特徴とする請求項3に記載の振動モード判別装置。
  6. 生成手段が少なくとも変位のない点を連ねた等高線図を生成することを特徴とする請求項2に記載の振動モード判別装置。
  7. 記憶手段が、使用者からの指示に応じて、抽出手段が抽出した等高線の特徴を記憶することを特徴とする請求項2に記載の振動モード判別装置。
  8. 記憶手段が記憶している特徴を抽出した元の等高線図をモードごとに記憶している画像記憶手段と、
    生成手段が生成した等高線図と、画像記憶手段が記憶している等高線図のうちの所定のものとを表示する表示手段を備えることを特徴とする請求項2に記載の振動モード判別装置。
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