JP2004255518A - 研削砥石 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ダイヤモンドまたはcBNからなる超砥粒をビトリファイドボンドにより固着して形成された砥材層を有する研削砥石において、セグメント1の表面には、格子状に砥材層壁2が形成され、この砥材層壁2に囲まれた領域がチップポケット3として機能する。
このハニカム状のセグメント1は、ほう珪酸ガラスフリットにバインダーとダイヤモンド砥粒を混合し、押出成形した後、900℃で焼成して形成することができる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、サファイヤやSiCなどの研磨やラップ加工に用いられる研削砥石に関する。
【0002】
【従来の技術】
サファイヤやSiCなどの研磨やラップ加工には、研磨面の全面が砥材層であるセグメント状ダイヤモンド砥石が通常用いられている。しかし、このダイヤモンド砥石で研磨等を行うと、被削材に接触する砥粒数が多く、1個の切刃の被削材への食込みが小さくなる。そのため、加工荷重を大きくしても、振動が発生しやすく、目詰まりを生じやすい。
この問題点を改善するために、特許文献1には、ビトリファイドボンドにおいて、砥粒の集中度を200未満として砥粒数を少なくするとともに、ビトリファイドボンドに気孔を形成して切味を向上させた砥石が開示されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平6−155307号公報(段落番号0003〜0033)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の方法によると、気孔の大きさや形状が不揃いであり、これをコントロールすることは困難である。そのため、気孔が密集した所では目詰まりを生じてしまう。また、ボンド量を減らして気孔形成剤の量を増やすと、砥粒保持力が低下し、加工時の負荷に耐えきれずに切味が低下する。また、ボンド量が異常に多い箇所ではボンド摩擦が発生し、研削性能が低下する。
従って、従来の研削砥石では、目詰まりを効果的に防止して、切味を向上させることが困難である。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、目詰まりを生じることなく、安定した切味を維持することが可能な研削砥石を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するために、本発明は、ダイヤモンドまたはcBNからなる超砥粒をビトリファイドボンドにより固着して形成された砥材層を有する研削砥石において、前記砥材層の形状をハニカム状として、超砥粒を含有する砥材層壁を格子状に形成し、前記砥材層壁に囲まれた領域をチップポケットとしたことを特徴とする研削砥石である。
超砥粒を含有する砥材層壁を格子状に形成し、前記砥材層壁に囲まれた領域をチップポケットとしたことにより、目詰まりを生じることなく、安定した切味を維持することができる。
【0006】
本発明の研削砥石においては、砥材層壁の厚さを50μm以上300μm以下とし、チップポケットの幅を前記砥材層壁の厚さの1倍以上10倍以下としたことを特徴とする。
砥材層壁の厚さが50μm未満であると、砥材層の強度が弱くなるため、研削時における摩耗が大きくなる。一方、砥材層壁の厚さが300μmを超えると、被削材への切刃の食込みが小さくなる。そのため、砥材層壁の厚さは50μm以上300μm以下とすることが好ましい。
【0007】
また、チップポケットの幅が砥材層壁の厚さの1倍未満であると、切粉の排出効率が低下する。一方、チップポケットの幅が砥材層壁の厚さの10倍を超えると、加工の際に砥材層壁が間欠的に被削材に接触するため、振動が発生しやすい。そのため、チップポケットの幅は砥材層壁の厚さの1倍以上10倍以下とすることが好ましい。
【0008】
本発明の研削砥石においては、砥材層壁中に気孔を設け、気孔の含有量を、砥材層壁のボンドに対して5体積%以上50体積%以下としたことを特徴とする。
気孔の含有量が5体積%未満であると、被削材とボンドとの接触面積が大きくなり、切味向上の効果が得られにくい。一方、気孔の含有量が50体積%を超えると、砥材層壁の強度が弱くなり、研削の際の摩耗が大きくなる。そのため、気孔の含有量を、砥材層壁のボンドに対して5体積%以上50体積%以下とすることが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に係る研削砥石について説明する。
図1に、本発明の実施の形態に係る研削砥石のセグメントの形状を示す。また、図2に、セグメント表面に設けられた砥材層壁2を拡大したものを示す。
ダイヤモンドまたはcBNからなる超砥粒をビトリファイドボンドにより固着して形成された砥材層を有する研削砥石において、セグメント1の表面には、格子状に砥材層壁2が形成され、この砥材層壁2に囲まれた領域がチップポケット3として機能する。
このハニカム状のセグメント1は、ほう珪酸ガラスフリットにバインダーとダイヤモンド砥粒を混合し、押出成形した後、900℃で焼成して形成することができる。
【0010】
ここでは実施例として、砥材層壁2の厚さを150μm、チップポケット3の幅を1000μmとし、気孔の含有量を砥材層壁のボンドに対して5体積%として、ハニカム状のセグメント1を形成し、このセグメント1を外径298mmの台金に24個接着してラップホイールを作製した。砥材層壁2の厚さとは、図2における寸法aのことであり、チップポケット3の幅とは、図2における寸法bのことである。
この実施例で用いた砥粒の粒度は#270であり、集中度は25であり、ボンドはビトリファイドボンドである。
【0011】
このラップホイールの研削性能を調査するために、以下の連続ラップ加工試験を行った。
試験条件は以下の通りである。
荷重 100g/cm2
取代 0.6mm
ホイール寸法 298D×74W
ホイール回転数 20min−1
キャリア回転数 4min−1
被削材 サファイヤ
【0012】
実施例と比較するために、図3に示す扇状のセグメント11を、粒度#270、集中度25の砥粒を用い、ボンドをメタルボンドとして形成し、このセグメント11を、外径298mmの台金に24個接着してラップホイールを作製して比較例とした。
試験結果を図4に示す。
【0013】
図4は、連続ラップ加工試験において、削除時間によって削除量が変化する様子を示したものである。
実施例のラップホイールでは、低荷重での加工が可能であるとともに、50分の連続加工において安定して高い削除量を得ることができた。これに対し、比較例のラップホイールでは、加工時間の経過とともに削除量が減少し、加工開始から10分で継続加工ができなくなった。また、実施例のラップホイールでは、被削材の面粗さをRa0.3に維持することができた。
この試験結果から、本発明の研削砥石によって、目詰まりを生じることなく、安定した切味を維持して加工を行うことができることが確認された。
【0014】
図5に、砥材層壁の厚さを変化させて研削砥石を作製し、研削砥石の強度と削れレートを調査した結果を示す。
図5からわかるように、砥材層壁の厚さが50μmを下回ると、研削砥石の強度が低下する。また、砥材層壁の厚さが300μmを超えると、削れレートが急速に低下する。この結果から、砥材層壁の厚さを50μm以上300μm以下とするのが好適であることが確認された。
【0015】
図6に、チップポケットの幅を変化させて研削砥石を作製し、研削砥石の削れレートを調査した結果を示す。
図6からわかるように、チップポケットの幅が砥材層壁の厚さの1倍を下回ると、削れレートが急速に低下する。その一方、チップポケットの幅が砥材層壁の厚さの10倍を超えると、削れレートが急速に低下する。この結果から、チップポケットの幅を砥材層壁の厚さの1倍以上10倍以下とするのが好適であることが確認された。
【0016】
図7に、砥材層壁内の気孔の含有量を変化させて研削砥石を作製し、研削砥石の削れレートを調査した結果を示す。
図7からわかるように、気孔の含有量が、砥材層壁のボンドに対して5体積%を下回ると、削れレートが急速に低下する。その一方、気孔の含有量が、砥材層壁のボンドに対して50体積%を超えると、削れレートが急速に低下する。この結果から、気孔の含有量を、砥材層壁のボンドに対して5体積%以上50体積%以下とするのが好適であることが確認された。
【0017】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によると以下の効果を奏することができる。
(1)砥材層の形状をハニカム状として、超砥粒を含有する砥材層壁を格子状に形成し、砥材層壁に囲まれた領域をチップポケットとすることにより、目詰まりを生じることなく、安定した切味を維持することができる。
【0018】
(2)砥材層壁の厚さを50μm以上300μm以下とすることにより、砥材層の強度を保ちつつ、被削材への切刃の食込みを大きくすることができる。また、チップポケットの幅を砥材層壁の厚さの1倍以上10倍以下としたことにより、切粉の排出効率を高めることができるとともに、加工の際に砥材層壁が間欠的に被削材に接触することによる振動の発生を防止することができる。
【0019】
(3)砥材層壁中に気孔を設け、気孔の含有量を、砥材層壁のボンドに対して5体積%以上50体積%以下としたことにより、研削の際の摩耗を抑制しつつ、切味を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る研削砥石のセグメントの形状を示す図である。
【図2】セグメント表面に設けられた砥材層壁を示す図である。
【図3】比較例のセグメントの形状を示す図である。
【図4】研削試験の結果を示す図である。
【図5】砥材層壁の厚さを変化させて研削砥石を作製し、研削砥石の強度と削れレートを調査した結果を示す図である。
【図6】チップポケットの幅を変化させて研削砥石を作製し、研削砥石の削れレートを調査した結果を示す図である。
【図7】砥材層壁内の気孔の含有量を変化させて研削砥石を作製し、研削砥石の削れレートを調査した結果を示す図である。
【符号の説明】
1 セグメント
2 砥材層壁
3 チップポケット
11 セグメント
Claims (3)
- ダイヤモンドまたはcBNからなる超砥粒をビトリファイドボンドにより固着して形成された砥材層を有する研削砥石において、前記砥材層の形状をハニカム状として、超砥粒を含有する砥材層壁を格子状に形成し、前記砥材層壁に囲まれた領域をチップポケットとしたことを特徴とする研削砥石。
- 前記砥材層壁の厚さを50μm以上300μm以下とし、前記チップポケットの幅を前記砥材層壁の厚さの1倍以上10倍以下としたことを特徴とする請求項1記載の研削砥石。
- 前記砥材層壁中に気孔を設け、前記気孔の含有量を、前記砥材層壁のボンドに対して5体積%以上50体積%以下としたことを特徴とする請求項1または2記載の研削砥石。
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2003
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