JP2004253094A - 光学ピックアップ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】光源の導光手段に対する位置を調整して、光源からの光を有効に利用することができる光学ピックアップ装置を提供する。
【解決手段】光源25が光源保持部20によって保持され、導光手段14が導光手段保持部21によって保持される。ハウジング12の変形部22が、調整ねじ部材16によって変形され、これによって光源保持部20と導光手段保持部21とが相対的に角変位される。光源保持部20の導光手段保持部21に対する位置が調整されることによって、光源25の導光手段14のコリメートレンズ35に対する位置が調整される。これによって光源25からの光の光軸L25を、コリメートレンズ35の軸線L35と一致させることができる。
【選択図】 図1
【解決手段】光源25が光源保持部20によって保持され、導光手段14が導光手段保持部21によって保持される。ハウジング12の変形部22が、調整ねじ部材16によって変形され、これによって光源保持部20と導光手段保持部21とが相対的に角変位される。光源保持部20の導光手段保持部21に対する位置が調整されることによって、光源25の導光手段14のコリメートレンズ35に対する位置が調整される。これによって光源25からの光の光軸L25を、コリメートレンズ35の軸線L35と一致させることができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録媒体に対して、情報の記録または再生を光学的に行うための光学ピックアップ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図18は、第1の従来技術の光学ピックアップ装置1を示す正面図である。図19は、ハウジング2の一部を切欠いて示す断面図である。図20は、光学ピックアップ装置1を光源4側から見て示す平面図である。図21は、図18のセクションS21を拡大して示す分解平面図である。従来技術の光学ピックアップ装置では、コリメートレンズが設けられるハウジングの一側部に、光源が設けられる。光源は、ハウジングに対してスライド変位されて、コリメートレンズに対する位置が調整される(たとえば特許文献1参照)。
【0003】
図18〜図21に示す第1の従来技術の光学ピックアップ装置1では、ハウジング2の一側部2aに、光源4が当接されて設けられる。光源4からの光は、光源4に対向するコリメートレンズ3に入射される。光源4は、一側部2aの光源4に対向する一表面に平行な平面において、第1方向Aおよび第2方向Bを含む2次元座標系を設定し、この座標系に基づいて変位される。このように光源4は、そのコリメートレンズ3に対する位置が調整された後に、一側部2aに固定される。
【0004】
図22は、第2の従来技術の光学ピックアップ装置5を示す正面図である。図23は、ハウジング6の一部を切欠いて示す断面図である。図24は、光学ピックアップ装置5を光源7側から見て示す平面図である。図25は、図21のセクションS25を拡大して示す分解平面図である。第2の従来技術の光学ピックアップ装置5では、光源7は、ハウジング6の一側部6aに当接される。光源7は、一側部6aに対して、第1方向Aおよび第2方向Bへの変位に加えて、第1および第2方向A,Bに垂直な軸線まわりに角変位される。このように光源7は、そのコリメートレンズ3に対する位置が調整された後に、一側部6aに固定される。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−40250号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前述の第1および第2の従来技術の光学ピックアップ装置1,5では、光源が2次元座標系における平面内で変位される。この構成では、ハウジングの一側部と光源との取付け面の加工精度、および光源の放射角度などのばらつきによって、光の光軸がコリメートレンズの軸線に対して傾斜する場合には、両者が一致するように調整することができない。これによって光の強度が高い部分、すなわち光軸が通る部分を有効に利用することができずに、結合効率が低下する。
【0007】
本発明の目的は、光源の導光手段に対する位置を調整して、光源からの光を有効に利用することができる光学ピックアップ装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、記録媒体に光を照射することによって、記録媒体に対して情報を記録または再生するための光学ピックアップ装置であって、
光源と、
光源からの光を記録媒体に導く導光手段と、
光源が保持される光源保持部、導光手段が保持される導光手段保持部、および光源保持部と導光手段保持部とが相対的に角変位するように変形可能な変形部を有するハウジングと、
光源保持部および導光手段保持部が相対的に角変位するようにハウジングの変形部を変形させる変形手段とを含むことを特徴とする光学ピックアップ装置である。
【0009】
本発明に従えば、光源からの光を、導光手段によって記録媒体に導いて照射することによって、記録媒体に対して、情報が記録され、または再生される。光源は、ハウジングの光源保持部によって保持される。導光手段は、ハウジングの導光手段保持部によって保持される。ハウジングは、変形部を有し、この変形部は、光源保持部および導光手段保持部が相対的に角変位するように、変形手段によって変形される。
【0010】
変形手段によって変形部を変形させると、光源保持部および導光手段が、相対的に角変位する。この角変位によって光源が、導光手段保持部、すなわち導光手段に対して角変位されるので、光の光軸を、導光手段に対して角変位させることができる。これによって前記光軸が通る光の強度の最も高い部分を有効に利用することができる。したがって結合効率を向上することができるとともに、たとえば強度分布が一様など品位のあるスポットと、最良のジッター値とを得ることができる。
【0011】
また本発明は、光源は、ハウジングの光源保持部に対して位置調整可能に保持されることを特徴とする。
【0012】
本発明に従えば、光源は、ハウジングの光源保持部に対して位置調整可能に保持される。これによって万一、光軸と導光手段の軸線とが平行であるけれども、一致しない場合であっても、光源を光源保持部に対して位置調整することによって、確実に一致させることができる。また光源の光源保持部に対する位置調整と、光源の導光手段保持部に対する位置調整とを、相互に独立して行うことができる。これによって必要に応じて、光源の位置調整を行うことができる。さらに光源保持部および導光手段保持部のいずれか一方に対して、光源の位置を調整するときに、光源の他方に対する位置がずれるなどの不具合を解消することができる。
【0013】
また本発明は、前記変形手段は、光源保持部および導光手段保持部にわたって設けられ、回動することによって変形部を変形させるねじ部材であり、
ハウジングの光源保持部には、前記ねじ部材によって弾性変形部材が保持され、
光源は、光源保持部と弾性変形部材とによって弾発的に挟持されて保持されることを特徴とする。
【0014】
本発明に従えば、前記変形手段は、光源保持部および導光手段保持部にわたって設けられ、回動することによって変形部を変形させるねじ部材である。ハウジングの光源保持部には、弾性変形部材が、ねじ部材である変形手段によって保持される。光源保持部と弾性変形部材とは、光源を弾発的に挟持して保持する。これによって光源の光源保持部に対する位置調整と、光源保持部の導光手段保持部に対する位置調整、すなわち光源の導光手段保持部に対する位置調整とを、簡単な構成で実現することができる。
【0015】
また本発明は、変形部は、光源を中心に対称に形成されることを特徴とする。
本発明に従えば、変形部は、光源を中心に対称に形成される。これによって光源の導光手段保持部に対する位置を調整する場合に、変形部が光源を中心に対称に形成されない場合に比べて、光源の導光手段保持部に対する変位量を小さくすることができる。したがってハウジングの変形に伴う光源の導光手段に対する位置調整を、容易に実現することができる。
【0016】
また本発明は、変形部は、光源を挟んで両側の2カ所に形成されることを特徴とする。
【0017】
本発明に従えば、変形部は、光源を挟んで両側の2カ所に形成される。これによって光源のハウジングに対する位置を、2つの変形部を結ぶ一直線まわりに変化させることができる。したがって簡単な構成で、光源からの光の光軸を、導光手段に対して変位させることができる。
【0018】
また本発明は、変形部は、応力が集中する小径部分が形成されることを特徴とする。
【0019】
本発明に従えば、変形部は、応力が集中する小径部分が形成される。これによって変形部を小さな力で変形させて、光源の導光手段に対する位置を調整することができる。
【0020】
また本発明は、変形部および変形手段は、前記角変位の軸線に垂直な方向に並んで配置されることを特徴とする。
【0021】
本発明に従えば、変形部および変形手段が、前記角変位の軸線に垂直な方向に並んで配置されるので、光源保持部と導光手段保持部とを相対的に角変位させるときに、変形部を除く部分の変形を可及的に小さくし、かつ小さな力で変形部を変形させることができる。
【0022】
また本発明は、ハウジングには、変形部近傍に接着剤を充填可能な凹所が形成されることを特徴とする。
【0023】
本発明に従えば、ハウジングには、変形部近傍に接着剤を充填可能な凹所が形成される。これによって変形部を変形させて、光源の導光手段に対する位置を調整した後に、変形部を接着剤によって確実に固定することができる。したがって光源の導光手段に対する位置がずれるなどの不具合を解消することができる。
【0024】
また本発明は、前記光学ピックアップ装置が搭載されることを特徴とする電子機器である。
【0025】
本発明に従えば、電子機器には、前述の光学ピックアップ装置が搭載される。これによって利便性の高い光学ピックアップ装置を備える電子機器を実現することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の一形態である光学ピックアップ装置10を示す正面図である。図2は、光学ピックアップ装置10の一部を切欠いて示す断面図である。図3は、光学ピックアップ装置10の一部をレーザユニット13側から見て示す平面図である。光学ピックアップ装置10は、たとえばコンパクトディスク(Compact Disc;略称CD)およびデジタルバーサタイルディスク(Digital Versatile Disc;略称DVD)などの記録媒体(図2参照)11に光を照射することによって、記録媒体11に対して情報を記録または再生するための装置である。光学ピックアップ装置10は、たとえばパーソナルコンピュータなどの電子機器(図示せず)に搭載される。光学ピックアップ装置10は、ハウジング12、レーザユニット13、導光手段14、アクチュエータ15、調整ねじ部材16および板ばね部材17を含んで構成される。
【0027】
ハウジング12には、レーザユニット13、導光手段14、アクチュエータ15、調整ねじ部材16および板ばね部材17が設けられる。ハウジング12は、記録媒体11に対向して設けられる。ハウジング12は、記録媒体11に対して、情報の記録および再生可能な情報記録領域を走査可能に設けられる。ハウジング12は、たとえば金属材料および合成樹脂などから成る。ハウジング12は、光源保持部20、導光手段保持部21および変形部22を有する。
【0028】
光源保持部20は、後述する光源25を保持する。導光手段保持部21は、導光手段14を保持する。変形部22は、光源保持部20と導光手段保持部21との間に配置され、光源保持部20と導光手段保持部21とが相対的に角変位するように変形可能に設けられる。光源保持部20、導光手段保持部21および変形部22は、それぞれ別体に形成されてもよいし、一体に形成されてもよい。
【0029】
レーザユニット13は、光を出射するための手段であり、光源保持部20に設けられる。レーザユニット13は、光源25、受光素子26、ステム27、キャップ28およびレーザホルダ29を有する。光源25は、光を発し、たとえば半導体レーザによって実現される。受光素子26は、記録媒体11からの光を受光し、その受光結果を電気情報に変換するための手段であり、たとえばフォトダイオードによって実現される。光源25および受光素子26は、ステム27に設けられる。
【0030】
基部であるステム27には、キャップ28が設けられる。光源25および受光素子26は、ステム27に設けられる状態で、ステム27およびキャップ28に外囲される。キャップ28外部には、後述する導光手段14のホログラム30が設けられる。レーザホルダ29には、大略的に有底筒状である。レーザホルダ29には、底部を貫通する貫通孔が形成される。レーザホルダ29にキャップ28が挿通される状態で、ホログラム30が貫通孔に挿通されて外方に臨む。またレーザホルダ29には、側部を貫通するねじ孔が形成される。
【0031】
レーザホルダ29のねじ孔には、内ねじが形成され、ねじ部材が螺着される。キャップ28は、ねじ部材によってレーザホルダ29の内周部に当接されて、レーザホルダ29に保持される。キャップ28は、たとえば操作者がねじ部材を操作することによって、内周部に沿って変位可能であり、これによって光源25とコリメートレンズ35とにわたる光路において、光の光軸L25がコリメートレンズ35に対して変位される。以下、光軸L25と表記する場合、光源25と光源25に対向するレンズ、本実施の形態ではコリメートレンズ35とにわたる光路における光の光軸を意味する。キャップ28とレーザホルダ29とは、光源25のコリメートレンズ35に対する位置を調整した後に、接着剤49によって相互に固定される。
【0032】
ステム27のキャップ28と反対側の一側部には、1または複数の端子31が突出して設けられる。各端子31は、基板パターン樹脂32に形成される導通ランドに半田付けされることによって、基板パターン樹脂32に電気的に接続される(以下、「基板パターン樹脂32」を、「FPC32」と表記する場合がある)。FPC32には、光学ピックアップ装置10の動作を制御する動作回路が形成される。
【0033】
レーザユニット13からの光は、導光手段14に入射される。導光手段14は、光源25からの光を記録媒体11に導く。具体的には導光手段14は、レーザユニット13から出射される光を記録媒体11に導くとともに、記録媒体11から反射される光をレーザユニット13に導く。導光手段14は、ホログラム30、コリメートレンズ35、立上げミラー36および対物レンズ37を有する。
【0034】
ホログラム30は、光源25に対向して設けられる。コリメートレンズ35および立上げミラー36は、導光手段保持部21に保持される。コリメートレンズ35は、ホログラム30に対向して設けられる。立上げミラー36は、コリメートレンズ35および対物レンズ37に対向して設けられる。対物レンズ37は、後述するアクチュエータ15に保持され、記録媒体11および立上げミラー36に対向して設けられる。
【0035】
アクチュエータ15は、ハウジング12、具体的には導光手段保持部21に対して、フォーカシング方向に変位可能に、かつトラッキング方向に変位可能に支持される。フォーカシング方向は、記録媒体11の軸線方向に平行な方向である。トラッキング方向は、記録媒体11の情報記録領域を走査する方向、すなわち半径方向に平行な方向である。アクチュエータ15がハウジング12に対してフォーカシング方向およびトラッキング方向に変位することによって、対物レンズ37が記録媒体11に対して変位される。これによってレーザユニット13からの光が、記録媒体11の所望の位置に照射される。
【0036】
レーザユニット13から出射される光は、コリメートレンズ35によって平行光にされ、立上げミラー36によって対物レンズ37に導かれる。対物レンズ37を透過した光は、集光されて記録媒体11に照射される。対物レンズ37は、記録媒体11に照射するにあたって、アクチュエータ15によって、記録媒体11の情報記録面で焦点を結ぶように、変位駆動されている。記録媒体11からの光は、対物レンズ37、立上げミラー36およびコリメートレンズ35によって、レーザユニット13に導かれる。レーザユニット13に導かれた光は、ホログラム30によって回折されて受光素子26に導かれる。受光素子26は、ホログラム30からの光を受光して、その受光結果を電気情報に変換する。受光素子26による電気情報に基づいて、FPC32が光学ピックアップ装置10の動作を制御する。
【0037】
変形手段である調整ねじ部材16は、光源保持部20および導光手段保持部21が相対的に角変位するように、ハウジング12の変形部22を変形させる。調整ねじ部材16は、光源保持部20および導光手段保持部21にわたって設けられる。調整ねじ部材16は、具体的には、外ねじが形成され、回動することによって変形部22を変形させるねじ部材である。弾性変形部材である板ばね部材17は、調整ねじ部材16によって光源保持部20に保持される。板ばね部材17は、レーザユニット13に関して光源保持部20と反対側に配置される。板ばね部材17は、光源保持部20と協働して、レーザユニット13を弾発的に挟持する。
【0038】
図4は、図1のセクションS4を拡大して示す分解平面図である。図5は、図1の切断面線S5−S5から見た断面図である。図6は、図4の切断面線S6−S6から見た断面図である。導光手段保持部21は、レーザユニット13とコリメートレンズ35との間に配置される一側部21aを有する。導光手段保持部21の一側部21aには、開口部40が形成される。開口部40は、一側部21aから第1幅方向D一方側に向けて没入するとともに、ハウジング12を厚み方向Cに貫通する。
【0039】
第1幅方向Dは、導光手段14の各種のレンズのうち、光源25に対向するレンズの軸線に平行な方向であり、本実施の形態では、コリメートレンズ35の軸線L35に平行な方向である。開口部40は、レーザホルダ29を挿通可能な程度に形成される。また開口部40には、レーザユニット13とコリメートレンズ35と導かれる光が遮られないように、第1幅方向Dに貫通する透孔が形成される。
【0040】
導光手段保持部21の一側部21aには、複数の変形部22、すなわち第1変形部22aおよび第2変形部22bが形成される。第1および第2変形部22a,22bは、光源25を挟んで両側の2カ所に形成されるとともに、光源25を中心に対称に形成される。第1および第2変形部22a,22bは、光源25を第2幅方向E両側から挟む位置に配置される。第2幅方向Eは、ハウジング12の厚み方向Cと第1幅方向Dとに垂直な方向である。また第1および第2変形部22a,22bは、第1幅方向Dに平行な軸線をそれぞれ有する。第1および第2変形部22a,22bの軸線は、厚み方向Cに垂直な平面に含まれる。以下、第1変形部22aおよび第2変形部22bのうち少なくともいずれか1つを指すとき、単に「変形部22」と表記する場合がある。
【0041】
導光手段保持部21の一側部21aには、調整ねじ孔41が形成される。調整ねじ孔41は、第2幅方向Eに関して変形部22よりも開口部40から離れた位置に配置される。調整ねじ孔41は、一側部21aから第1幅方向D一方側に没入し、内ねじが形成される。調整ねじ孔41は、第1および第2変形部22a,22bの軸線を含む平面に関して、厚み方向C一方側に形成される。本実施の形態では、調整ねじ孔41は、第1および第2変形部22a,22bの軸線を含む平面よりも記録媒体11に形成される。調整ねじ孔41には、調整ねじ部材16が螺着される。
【0042】
光源保持部20は、第1光源保持部20aおよび第2光源保持部20bを有する。第1および第2光源保持部20a,20bは、光源25を挟む位置に配置される。第1光源保持部20aは、導光手段保持部21の一側部21aに臨む状態で、第1変形部22aによって導光手段保持部21に連結される。第1光源保持部20aには、係止ねじ孔42が形成される。係止ねじ孔42は、第1幅方向D一方側に向けて没入し、内ねじが形成される。この係止ねじ孔42には、板ばね部材17を保持するための係止ねじ部材43が螺着される。
【0043】
第2光源保持部20bは、導光手段保持部21の一側部21aに臨む状態で、第2変形部22bによって導光手段保持部21に連結される。第2光源保持部20bには、逃げ孔44が形成される。逃げ孔44は、軸線方向および周方向に沿った周縁部を有する円形状であり、第2光源保持部20bを貫通する。逃げ孔44は、調整ねじ孔41に対向し、調整ねじ部材16の外径よりも大きな内径を有する。この逃げ孔44には、調整ねじ部材16が挿通される。
【0044】
第1および第2光源保持部20a,20bは、レーザユニット13を挿通可能な程度に、相互に間隔をあけて配置される。第1および第2光源保持部20a,20bは、レーザユニット13は、光源保持部20に関して導光手段保持部21と反対側から、第1および第2光源保持部20a,20b間に挿通されるとともに、一側部21aの開口部40に挿通される。以下、第1光源保持部20aおよび第2光源保持部20bのうち少なくともいずれか1つを指すとき、単に「光源保持部20」と表記する場合がある。
【0045】
板ばね部材17は、第1光源保持部20aと第2光源保持部20bとにわって延びて配置される板状である。板ばね部材17の略中央部には、板ばね部材17を貫通する透孔が形成される。この透孔には、レーザユニット13の端子31が挿通される。板ばね部材17の第1光源保持部20aに対向する部分には、透孔が形成され、この透孔に、係止ねじ部材43が挿通される。また板ばね部材17の第2光源保持部20bに対向する部分には、透孔が形成され、この透孔に、調整ねじ部材16が挿通される。
【0046】
板ばね部材17は、調整ねじ部材16および係止ねじ部材43によって第1および第2光源保持部20a,20bに保持される。図1〜図6の例では、板ばね部材17は、調整ねじ部材16および係止ねじ部材43に加えて、ねじ部材48a,48bによって光源保持部20に保持される。板ばね部材17は、光源保持部20と協働して、レーザユニット13を弾発的に挟持する。レーザユニット13は、板ばね部材17と光源保持部20とによって挟持される状態で、第1および第2光源保持部20a,20bに当接される。レーザユニット13は、第1および第2光源保持部20a,20bに当接される状態で、コリメートレンズ35の軸線L35に略垂直な一仮想平面に沿って変位される。前記用語「略垂直」は、垂直を含む。
【0047】
本実施の形態では、前記一仮想平面において、相互に直交するX軸およびY軸を有する2次元座標系を設定し、この2次元座標系に基づいて、レーザユニット13の光源保持部20に対する位置が調整される。前記X軸は、第2幅方向Eに略平行であり、前記Y軸は、ハウジング12の厚み方向Cに平行である。前記用語「略平行」は、平行を含む。レーザユニット13が光源保持部20に対して変位されることによって、コリメートレンズ35の軸線L35が光源25を通るように、光源25のコリメートレンズ35に対する位置を調整することができる。
【0048】
前記調整ねじ部材16は、光源保持部20と導光手段保持部21とにわたって設けられる状態で、第1および第2変形部22a,22bの軸線を含む平面に関して、ハウジング21の厚み方向C一方側に配置される。換言すると調整ねじ部材16は、第1および第2変形部22a,22bの軸線を含む平面よりも記録媒体11寄りに配置される。このように構成される調整ねじ部材16を回動させることによって、第1および第2光源保持部20a,20bを導光手段保持部21に対して角変位させる。
【0049】
また変形部22には、応力が集中する小径部分45が形成される。光源保持部20と導光手段保持部21とが調整ねじ部材16によって相対的に角変形されるときに、第1変形部22aには、応力が集中する小径部分45aが形成され、第2変形部22bには、応力が集中する小径部分45bが形成される。図1〜図5の例では、第1および第2変形部22a,22bは、それらの軸線方向中間部に小径部分45a,45bがそれぞれ形成され、第2幅方向Eに垂直な断面形状が略I字状である。
【0050】
具体的には、第1および第2変形部22a,22bの軸線方向中間部には、第2幅方向E両端部間にわたって、厚み方向C両側から軸線に向けてV字状に没入する溝が形成される。これによって第1および第2変形部22a,22bに、小径部分45a,45bが形成される。第1および第2変形部22a,22bは、軸線方向に垂直な断面形状が長方形状であってもよいし、円形状であってもよい。さらに第1および第2変形部22a,22bの小径部分は、周方向全周にわたって形成されてもよいし、周方向の一部に形成されてもよい。
【0051】
またハウジング12には、変形部22近傍に接着剤が充填可能な複数の凹所が形成される。第1光源保持部20aには、第1変形部22a近傍に、2つの凹所が形成される。第1光源保持部20aの各凹所は、厚み方向Cに関して第1変形部22aを挟む位置に配置される。第1光源保持部20aの各凹所のうち、一方の凹所46aは、厚み方向C一方側に開放し、他方の凹所(図示せず)は、厚み方向C他方側に開放する。
【0052】
第2光源保持部20bには、第2変形部22a近傍に、2つの凹所が形成される。第2光源保持部20bの各凹所は、厚み方向Cに関して第2変形部22bを挟む位置に配置される。第2光源保持部20bの各凹所のうち、一方の凹所46bは、厚み方向C一方側に開放し、他方の凹所46cは、厚み方向C他方側に開放する。
【0053】
導光手段保持部21の一側部21aには、第1変形部22a近傍に、2つの凹所が形成される。第1変形部22a近傍の各凹所は、厚み方向Cに関して第1変形部22aを挟む位置に配置される。第1変形部22a近傍の各凹所のうち、一方の凹所46dは、厚み方向C一方側に開放し、他方の凹所(図示せず)は、厚み方向C他方側に開放する。
【0054】
また導光手段保持部21の一側部21aには、第2変形部22b近傍に、2つの凹所が形成される。第2変形部22b近傍の各凹所は、厚み方向Cに関して第2変形部22bを挟む位置に配置される。第2変形部22b近傍の各凹所のうち、一方の凹所46eは、厚み方向C一方側に開放し、他方の凹所46fは、厚み方向C他方側に開放する。以下、ハウジング12に形成される複数の凹所のうち、少なくともいずれか1つを指すとき、凹所46と表記する場合がある。
【0055】
調整ねじ部材16によって、光源保持部20の導光手段保持部21に対する位置を調整した後に、凹所46に接着剤47(図1参照)が充填される。凹所46に加えて、変形部22自体にも接着剤47が塗布される。これによって光源保持部20、導光手段保持部21および変形部22が相互に固定される。したがって光源保持部20が導光手段保持部21に対して変位することが防がれ、調整後の光源保持部20の導光手段保持部21に対する位置が確実に保持される。
【0056】
調整ねじ部材16が、調整ねじ孔41に対して第1幅方向Dに変位するように回動されると、光源保持部20は、角変位軸線L20まわりに角変位する。角変位軸線L20は、第2幅方向Eに平行であり、かつ光源25と変形部22の小径部分45とを通る軸線である。調整ねじ部材16が、調整ねじ孔41に対して、第1幅方向D一方側に向けて変位するように螺進されると、光源保持部20は、角変位軸線L20まわりの第1角変位方向F1に角変位する。第1角変位方向F1は、変形部22の厚み方向C一端部が、導光手段保持部21の一側部21aに近接する方向である。
【0057】
調整ねじ部材16が、調整ねじ孔41に対して、第1幅方向D他方側に向け変位するように螺退されると、光源保持部20は、角変位軸線L20まわりの第1角変位方向F1と反対側の第2角変位方向F2に角変位する。光源保持部20を導光手段保持部21に対して角変位させるとき、第1および第2変形部22a,22bは、小径部分を有するので、この小径部分で屈曲し、容易に変形される。
【0058】
本実施の形態では、光源保持部20および板ばね部材17のいずれか一方に、調整ねじ部材16を当接する当接部50(図7および図8参照)が設けられる。調整ねじ部材16が、調整ねじ孔41に対して螺退されると、第1幅方向D他方側で前記当接部50に当接する。また光源保持部20は、調整ねじ部材16によって位置調整を行うにあたって、導光手段保持部21に対して第2角変位方向F2にわずかに角変位された状態で、変形部22によって導光手段保持部21に連結される。
【0059】
図7は、光軸L25と、コリメートレンズ35の軸線L35との関係の一例を説明するための図である。図8は、光軸L25と、コリメートレンズ35の軸線L35との関係の他の例を説明するための図である。図9は、光軸L25と、コリメートレンズ35の軸線L35との関係のさらに他の例を説明するための図である。図7〜図9において、図解を容易にするために、ハウジング12およびレーザユニット13などの各構成を部分的に省略している。また図7〜図9において、記録媒体11、コリメートレンズ35および対物レンズ37は、図解を容易にするために、便宜上、一直線上に並ぶように示している。
【0060】
光源25のコリメートレンズ35に対する位置を調整するにあたって、レーザユニット13を、光源保持部20に対して2次元座標系のX軸およびY軸に沿って変位させる。これによって光源25が2次元座標系において原点に配置される。換言するとコリメートレンズ35の軸線L35が光源25を通るように、光源25の光源保持部20に対する位置が調整される。さらにキャップ28をレーザホルダ29の内周部に沿って変位させることによって、光源25が、2次元座標系においてX軸およびY軸に垂直なZ軸まわりに角変位される。これによって光軸L25が、コリメートレンズ35の軸線L35を含み、かつ第2幅方向Eに垂直な平面に含まれるように変位される。
【0061】
光源25のコリメートレンズ35に対する位置を、2次元座標系が設定される一仮想平面内において調整した場合であっても、たとえば図7に示すように、光軸L25が、コリメートレンズ35の軸線L35に対して、0よりも大きい角度を成して傾いている場合がある。この場合、光軸L25は、光源25を中心として、コリメートレンズ35の軸線L35に対して、あおられた状態にある。具体的には光軸L25は、光源25を中心として、コリメートレンズ35の軸線L35に対して、第1角変位方向F1および第2角変位方向F2に角変位された状態で配置される。
【0062】
光軸L25が、コリメートレンズ35の軸線L35に対して、第1角変位方向F1に角変位して傾いた状態では、調整ねじ部材16を螺退するように回動させる。調整ねじ部材16が螺退されると、当接部50に当接する。光源保持部20は、調整ねじ部材16と当接部50との当接によって、調整ねじ部材16が螺退されるのに伴って、導光手段保持部21に対して第2角変位方向F2に角変位される。このとき第1変形部22aは、第1光源保持部20a寄りの軸線方向一端部が第2角変位方向F2に変位するように、軸線方向中間部で変形する。さらにこのとき第2変形部22bは、第2光源保持部20b寄りの軸線方向一端部が第2角変位方向F2に変位するように、軸線方向中間部で変形する。
【0063】
光源保持部20が導光手段保持部21に対して角変位されると、光軸L25が、第2角変位方向F2に角変位されて、コリメートレンズ35の軸線L35に対する傾きが調整される。これによって光軸L25は、図8に示すように、コリメートレンズ35の軸線L35と対物レンズ37の軸線とに一致するように配置される。
【0064】
光軸L25が、コリメートレンズ35の軸線L35に対して、第2角変位方向F2に角変位して傾いた状態では、調整ねじ部材16を螺進するように回動させる。調整ねじ部材16が螺進されると、光源保持部20は、調整ねじ部材16が螺進されるのに伴って、導光手段保持部21に対して第1角変位方向F1に角変位される。このとき第1変形部22aは、第1光源保持部20a寄りの軸線方向一端部が第1角変位方向F1に変位するように、軸線方向中間部で変形する。さらにこのとき第2変形部22bは、第2光源保持部20b寄りの軸線方向一端部が第1角変位方向F1に変位するように、軸線方向中間部で変形する。
【0065】
前記変形部22は、第2幅方向Eに延びて配置される溝によって小径部分45が形成される。これによって光源保持部20を、導光手段保持部21に対して、角変位軸線L20まわりに角変位させるときに、変形部22が小径部分45で容易に変形させることができる。したがって光源25のコリメートレンズ35に対する位置を容易に調整することができる。
【0066】
光源保持部20が導光手段保持部21に対して角変位されると、光軸L25が、第1角変位方向F1に角変位されて、コリメートレンズ35の軸線L35に対する傾きが調整される。これによって光軸L25は、図9に示すように、コリメートレンズ35の軸線L35と対物レンズ37の軸線とに一致するように配置される。
【0067】
このように光軸L25がコリメートレンズ35の軸線L35に対して傾いている場合であっても、光源保持部20と導光手段保持部21とを、相対的に角変位させることによって、光軸L25とコリメートレンズ35の軸線L35とが一致させることができる。これによってハウジング12とレーザユニット13との取付け面の精度、および光源25からの光の放射角度のばらつきなどの誤差要因があっても、精度の高い位置調整を実現することができる。
【0068】
また光の強度が最も高い部分が、コリメートレンズ35に対してずれることなく、コリメートレンズ35の軸線が通る位置に配置されるので、光源25からの光を有効に利用して、対物レンズ37で集光することができる。したがって結合効率を向上することができる。また光軸L25が、コリメートレンズ35に対してずれた位置に配置されることが防がれるので、品位のあるスポットおよび最良のジッター値を得ることができる。
【0069】
本実施の形態によれば、光源25からの光を、導光手段14によって記録媒体11に導いて照射することによって、記録媒体11に対して、情報が記録され、または再生される。光源25は、ハウジング12の光源保持部20によって保持される。導光手段14は、ハウジング12の導光手段保持部21によって保持される。ハウジング12は、変形部22を有し、この変形部22は、光源保持部20および導光手段保持部21が相対的に角変位するように、調整ねじ部材16によって変形される。
【0070】
調整ねじ部材16によって変形部22を変形させると、光源保持部20および導光手段21が、相対的に角変位する。この角変位によって光源25が、導光手段保持部21、すなわち導光手段14に対して角変位するので、光源25からの光の光軸L25を、導光手段14に対して角変位させることができる。これによって光軸L25が通る光の強度の最も高い部分を、有効に利用することができる。したがって結合効率を向上することができるとともに、たとえば強度分布が一様など品位のあるスポットと、最良のジッター値とを得ることができる。
【0071】
また本実施の形態によれば、光源25は、ハウジング12の光源保持部20に対して位置調整可能に保持される。これによって万一、光軸L25と導光手段14のコリメートレンズ35の軸線L35とが平行であるけれども、一致しない場合であっても、光源25を光源保持部20に対して位置調整することによって、確実に一致させることができる。また光源25の光源保持部20に対する位置調整と、光源25の導光手段保持部21に対する位置調整とを、相互に独立して行うことができる。これによって必要に応じて、光源25の位置調整を行うことができる。さらに光源保持部20および導光手段保持部21のいずれか一方に対して、光源25の位置を調整するときに、光源25の他方に対する位置がずれるなどの不具合を解消することができる。
【0072】
また本実施の形態によれば、前記調整ねじ部材16は、光源保持部20および導光手段保持部21にわたって設けられ、回動することによって変形部22を変形させるねじ部材である。ハウジング12の光源保持部20には、板ばね部材17が、ねじ部材である調整ねじ部材16によって保持される。光源保持部20と板ばね部材17とは、光源25を弾発的に挟持して保持する。これによって光源25の光源保持部20に対する位置調整と、光源保持部20の導光手段保持部21に対する位置調整、すなわち光源25の導光手段保持部21に対する位置調整とを、簡単な構成で実現することができる。
【0073】
また本実施の形態によれば、変形部22は、光源25を中心に対称に形成される。これによって光源25の導光手段保持部21に対する位置を調整する場合に、変形部22が光源25を中心に対称に形成されない場合に比べて、光源25の導光手段保持部21に対する変位量を小さくすることができる。したがってハウジング12の変形に伴う光源25の導光手段14に対する位置調整を、容易に実現することができる。
【0074】
また本実施の形態によれば、変形部22は、光源25を挟んで両側の2カ所に形成される。これによって光源25の導光手段14に対する位置を、2つの変形部22を結ぶ一仮想直線まわりに変化させることができる。したがって簡単な構成で、光の光軸L25を、導光手段14に対して変位させることができる。
【0075】
また本実施の形態によれば、変形部22は、応力が集中する小径部分45が形成される。これによって変形部22を小さな力で変形させて、光源25の導光手段14に対する位置を調整することができる。
【0076】
また本実施の形態によれば、ハウジング12には、変形部22近傍に接着剤47を充填可能な凹所46が形成される。これによって変形部22を変形させて、光源25の導光手段14に対する位置を調整した後に、変形部22を接着剤47によって確実に固定することができる。したがって光源25の導光手段14に対する位置がずれるなどの不具合を解消することができる。
【0077】
また本実施の形態によれば、電子機器には、前述の光学ピックアップ装置10が搭載されるので、利便性の高い光学ピックアップ装置10を備える電子機器を実現することができる。
【0078】
図10は、本発明の他の実施の形態である光学ピックアップ装置10Aを示す正面図である。図11は、光学ピックアップ装置10Aの一部を切欠いて示す断面図である。図12は、光学ピックアップ装置10Aの一部を光源25A側から見て示す平面図である。図13は、図10のセクションS13を拡大して示す分解平面図である。本実施の形態の光学ピックアップ装置10Aにおいて、前述の光学ピックアップ装置10と同様の構成には、同一の参照符号を付し、効果などの同様の説明は省略する。本実施の形態の光学ピックアップ装置10Aは、レーザユニット13の代わりに、光源25Aが単体で用いられるディスクリート形の光学ピックアップ装置である。また本実施の形態の光学ピックアップ装置10Aにおいて、第1幅方向Dは、導光手段14Aの各種のレンズのうち、光源25Aに対向するレンズの軸線、すなわちグレーティングレンズ55の軸線L55に平行な方向である。
【0079】
光源25Aは、前述の実施の形態におけるレーザホルダ29を介することなく、光源保持部20に直接設けられる。また受光素子26は、前述の実施の形態では、光源25Aとともに一体に設けられる構成であったけれども、本実施の形態では、導光手段保持部21に保持される。導光手段14Aは、ホログラム30の代わりに、グレーティングレンズ55、ビームスプリッタ56およびスポット調整レンズ57を有する。
【0080】
グレーティングレンズ55は、光源25Aに対向して設けられる。グレーティングレンズ55は、回折格子を有し、入射される光を複数本の光に分ける。ビームスプリッタ56は、グレーティングレンズ55に対向するとともに、コリメートレンズ35とスポット調整レンズ57との間に配置される。ビームスプリッタ56は、任意の方位の直線偏光の光が入射したとき、その直線偏光をP方位成分とS方位線分と分離して、P方位成分は透過させるとともに、S方位成分を90度反射させる。スポット調整レンズ57は、光を集光するためのレンズであって、ビームスプリッタ56と受光素子26との間に配置される。
【0081】
光源25Aからの光は、グレーティングレンズ55によって回折されて、ビームスプリッタ56に導かれる。グレーティングレンズ55からの光は、ビームスプリッタ56によって反射されて、コリメートレンズ35に導かれる。コリメートレンズ35を透過した光は、対物レンズ37によって集光され、記録媒体11に照射される。
【0082】
記録媒体11から反射された光は、対物レンズ37およびコリメートレンズ35を透過して、ビームスプリッタ56に導かれる。ビームスプリッタ56では、反射されずにそのまま透過して、スポット調整レンズ57に導かれる。光は、スポット調整レンズ57によって集光されて、受光素子26に導かれる。受光素子26は、受光結果に基づいて、情報信号およびサーボ信号を検出する。受光素子26による検出結果に基づいて、情報の記録または再生が行われる。
【0083】
光源25Aは、板ばね部材17Aと光源保持部20とに挟持される状態で、保持される。板ばね部材17Aは、係止ねじ部材43によって第1光源保持部20aに保持される部分60と、調整ねじ部材16によって第2光源保持部20bに保持される部分61とを有し、各部分60,61が別体に構成される。光源25Aは、光源保持部20に対して、前記2次元座標系におけるX軸およびY軸方向への変位可能に、かつX軸およびY軸に垂直なZ軸まわりに角変位可能に保持される。これによってグレーティングレンズ56の軸線が光源25Aを通るとともに、光軸L25が、第2幅方向Eに垂直かつグレーティングレンズ56の軸線を含む平面に含まれるように、光源25Aの位置が調整される。
【0084】
このように構成される光学ピックアップ装置10Aにおいて、前述のように、調整ねじ部材16によって光源保持部20と導光手段保持部21とを相対的に角変位させることによって、光源25のグレーティングレンズ55に対する位置を調整することができる。これによって光軸L25がグレーティングレンズ55の軸線に対して傾いている場合であっても、光軸L25とグレーティングレンズ55の軸線とを一致させることができる。
【0085】
光源25のグレーティングレンズ55に対する位置調整の後に、光源25Aと光源保持部20とが接着剤59によって相互に固定される。さらに変形後の変形部22および変形部22近傍に接着剤47が塗布されて、光源保持部20、導光手段保持部21および変形部22が相互に固定される。
【0086】
図14は、変形部22の他の例である変形部65を示す断面図である。図15は、図14に示す変形部65を拡大して示す平面図である。図16は、変形部22のさらに他の例である変形部67を示す断面図である。図17は、図16に示す変形部67を拡大して示す平面図である。図14および図16において、第1および第2変形部のうち第2変形部だけを示している。前述の各実施の形態の光学ピックアップ装置10,10Aにおける変形部22は、V字状の溝によって実現されていたけれども、図14および図15に示す変形部65であってもよい。
【0087】
図14および図15に示す変形部65には、その軸線方向中間部に、第2幅方向E両端部間にわたって、厚み方向C両側から軸線に向けてU字状に没入する溝が形成される。これによって変形部65に小径部分66が形成される。換言すると第1変形部65aに、小径部分66aが形成されるとともに、第2変形部65bに、小径部分66bが形成される。
【0088】
また前述の各実施の形態の光学ピックアップ装置10,10Aにおける変形部22は、図16および図17に示す変形部67であってもよい。図16および図17に示す変形部67には、その軸線方向中間部に、第2幅方向E両端部間にわたって、厚み方向C両側から軸線に向けてコの字状に没入する溝が形成される。これによって変形部67に小径部分68が形成される。換言すると第1変形部66aに、小径部分68aが形成されるとともに、第2変形部66bに、小径部分68bが形成される。
【0089】
また前述の各実施の形態の光学ピックアップ装置10,10Aにおいて、変形部22および調整ねじ部材16は、角変位軸線L20に垂直な方向に並んで配置されていてもよい。変形部22、具体的には第1変形部22aと、調整ねじ部材16とは、角変位軸線L20に垂直な方向に並んで配置される。詳細には、第1変形部22aおよび調整ねじ部材16は、図4の仮想線70に示すように、厚み方向Cに並んで配置される。また調整ねじ部材16は、第1変形部22aを中心にした円、具体的には角変位軸線L20に垂直な一仮想平面に含まれる円の接線方向、すなわち第1幅方向Dに配置される。変形部22の軸線は、第1変形部22aと調整ねじ部材16とを結ぶ方向に対して垂直な方向、すなわち第1幅方向Dに配置されている。
【0090】
変形部22および調整ねじ部材16を、角変位軸線L20に垂直な方向に並べて配置することによって、変形部22に厚み方向Cの回転モーメントを作用させることができる。これによって調整ねじ部材16を螺進および螺退させるときに、第2幅方向Eの成分を有する回転モーメントが、発生することを防止して、厚み方向Cの回転モーメントを発生させることができる。したがって変形部22を除く部分、たとえば調整ねじ部材16、光源保持部20および導光手段保持部21などの変形を可及的に小さくすることができるとともに、調整ねじ部材16によるハウジング12への荷重を小さくしたうえで、変形部22の小径部分45だけを容易に変形させることができる。
【0091】
前述の各実施の形態は、本発明の例示に過ぎず、発明の範囲内において構成を変更してもよい。たとえば変形部は、前述の各実施の形態では2つであったけれども、光源を中心に対称に設けられる構成であれば、3つ以上であってもよい。また変形部は、調整ねじ部材によって変形されるとき、塑性変形する材料から成っていてもよいし、弾性変形する材料から成っていてもよい。また変形部22近傍の凹所46は、光源保持部20および導光手段保持部21において、厚み方向両端部のうち少なくともいずれか一方に形成される構成であってもよいし、厚み方向Cに貫通して形成される構成であってもよい。
【0092】
【発明の効果】
本発明によれば、光源からの光を、導光手段によって記録媒体に導いて照射することによって、記録媒体に対して、情報が記録され、または再生される。光源は、ハウジングの光源保持部によって保持される。導光手段は、ハウジングの導光手段保持部によって保持される。ハウジングは、変形部を有し、この変形部は、光源保持部および導光手段保持部が相対的に角変位するように、変形手段によって変形される。
【0093】
変形手段によって変形部を変形させると、光源保持部および導光手段が、相対的に角変位する。この角変位によって光源が、導光手段保持部、すなわち導光手段に対して角変位されるので、光の光軸を、導光手段に対して角変位させることができる。これによって前記光軸が通る光の強度の最も高い部分を有効に利用することができる。したがって結合効率を向上することができるとともに、たとえば強度分布が一様など品位のあるスポットと、最良のジッター値とを得ることができる。
【0094】
また本発明によれば、光源は、ハウジングの光源保持部に対して位置調整可能に保持される。これによって万一、光軸と導光手段の軸線とが平行であるけれども、一致しない場合であっても、光源を光源保持部に対して位置調整することによって、確実に一致させることができる。また光源の光源保持部に対する位置調整と、光源の導光手段保持部に対する位置調整とを、相互に独立して行うことができる。これによって必要に応じて、光源の位置調整を行うことができる。さらに光源保持部および導光手段保持部のいずれか一方に対して、光源の位置を調整するときに、光源の他方に対する位置がずれるなどの不具合を解消することができる。
【0095】
また本発明によれば、前記変形手段は、光源保持部および導光手段保持部にわたって設けられ、回動することによって変形部を変形させるねじ部材である。ハウジングの光源保持部には、弾性変形部材が、ねじ部材である変形手段によって保持される。光源保持部と弾性変形部材とは、光源を弾発的に挟持して保持する。これによって光源の光源保持部に対する位置調整と、光源保持部の導光手段保持部に対する位置調整、すなわち光源の導光手段保持部に対する位置調整とを、簡単な構成で実現することができる。
【0096】
また本発明によれば、変形部は、光源を中心に対称に形成される。これによって光源の導光手段保持部に対する位置を調整する場合に、変形部が光源を中心に対称に形成されない場合に比べて、光源の導光手段保持部に対する変位量を小さくすることができる。したがってハウジングの変形に伴う光源の導光手段に対する位置調整を、容易に実現することができる。
【0097】
また本発明によれば、変形部は、光源を挟んで両側の2カ所に形成される。これによって光源の導光手段に対する位置を、2つの変形部を結ぶ一直線まわりに変化させることができる。したがって簡単な構成で、光源からの光の光軸を、導光手段に対して変位させることができる。
【0098】
また本発明によれば、変形部は、応力が集中する小径部分が形成される。これによって変形部を小さな力で変形させて、光源の導光手段に対する位置を調整することができる。
【0099】
また本発明によれば、変形部および変形手段が、前記角変位の軸線に垂直な方向に並んで配置されるので、光源保持部と導光手段保持部とを角変位させるときに、変形部を除く部分の変形を可及的に小さくし、かつ小さな力で変形部を変形させることができる。
【0100】
また本発明によれば、ハウジングには、変形部近傍に接着剤を充填可能な凹所が形成される。これによって変形部を変形させて、光源の導光手段に対する位置を調整した後に、変形部を接着剤によって確実に固定することができる。したがって調整後の光源の導光手段に対する位置がずれるなどの不具合を解消することができる。
【0101】
また本発明によれば、電子機器には、前述の光学ピックアップ装置が搭載されるので、利便性の高い光学ピックアップ装置を備える電子機器を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態である光学ピックアップ装置10を示す正面図である。
【図2】光学ピックアップ装置10の一部を切欠いて示す断面図である。
【図3】光学ピックアップ装置10の一部をレーザユニット13側から見て示す平面図である。
【図4】図1のセクションS4を拡大して示す分解平面図である。
【図5】図1の切断面線S5−S5から見た断面図である。
【図6】図4の切断面線S6−S6から見た断面図である。
【図7】光軸L25と、コリメートレンズ35の軸線L35との関係の一例を説明するための図である。
【図8】光軸L25と、コリメートレンズ35の軸線L35との関係の他の例を説明するための図である。
【図9】光軸L25と、コリメートレンズ35の軸線L35との関係のさらに他の例を説明するための図である。
【図10】本発明の他の実施の形態である光学ピックアップ装置10Aを示す正面図である。
【図11】光学ピックアップ装置10Aの一部を切欠いて示す断面図である。
【図12】光学ピックアップ装置10Aの一部を光源25A側から見て示す平面図である。
【図13】図10のセクションS13を拡大して示す分解平面図である。
【図14】変形部22の他の例である変形部65を示す断面図である。
【図15】図14に示す変形部65を拡大して示す平面図である。
【図16】変形部22のさらに他の例である変形部67を示す断面図である。
【図17】図16に示す変形部67を拡大して示す平面図である。
【図18】第1の従来技術の光学ピックアップ装置1を示す正面図である。
【図19】ハウジング2の一部を切欠いて示す断面図である。
【図20】光学ピックアップ装置1を光源4側から見て示す平面図である。
【図21】図18のセクションS21を拡大して示す分解平面図である。
【図22】第2の従来技術の光学ピックアップ装置5を示す正面図である。
【図23】ハウジング6の一部を切欠いて示す断面図である。
【図24】光学ピックアップ装置5を光源7側から示す平面図である。
【図25】図21のセクションS25を拡大して示す分解平面図である。
【符号の説明】
10,10A 光学ピックアップ装置
11 記録媒体
12 ハウジング
14 導光手段
16 調整ねじ部材
20 光源保持部
21 導光手段保持部
22,65,67 変形部
25 光源
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録媒体に対して、情報の記録または再生を光学的に行うための光学ピックアップ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図18は、第1の従来技術の光学ピックアップ装置1を示す正面図である。図19は、ハウジング2の一部を切欠いて示す断面図である。図20は、光学ピックアップ装置1を光源4側から見て示す平面図である。図21は、図18のセクションS21を拡大して示す分解平面図である。従来技術の光学ピックアップ装置では、コリメートレンズが設けられるハウジングの一側部に、光源が設けられる。光源は、ハウジングに対してスライド変位されて、コリメートレンズに対する位置が調整される(たとえば特許文献1参照)。
【0003】
図18〜図21に示す第1の従来技術の光学ピックアップ装置1では、ハウジング2の一側部2aに、光源4が当接されて設けられる。光源4からの光は、光源4に対向するコリメートレンズ3に入射される。光源4は、一側部2aの光源4に対向する一表面に平行な平面において、第1方向Aおよび第2方向Bを含む2次元座標系を設定し、この座標系に基づいて変位される。このように光源4は、そのコリメートレンズ3に対する位置が調整された後に、一側部2aに固定される。
【0004】
図22は、第2の従来技術の光学ピックアップ装置5を示す正面図である。図23は、ハウジング6の一部を切欠いて示す断面図である。図24は、光学ピックアップ装置5を光源7側から見て示す平面図である。図25は、図21のセクションS25を拡大して示す分解平面図である。第2の従来技術の光学ピックアップ装置5では、光源7は、ハウジング6の一側部6aに当接される。光源7は、一側部6aに対して、第1方向Aおよび第2方向Bへの変位に加えて、第1および第2方向A,Bに垂直な軸線まわりに角変位される。このように光源7は、そのコリメートレンズ3に対する位置が調整された後に、一側部6aに固定される。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−40250号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前述の第1および第2の従来技術の光学ピックアップ装置1,5では、光源が2次元座標系における平面内で変位される。この構成では、ハウジングの一側部と光源との取付け面の加工精度、および光源の放射角度などのばらつきによって、光の光軸がコリメートレンズの軸線に対して傾斜する場合には、両者が一致するように調整することができない。これによって光の強度が高い部分、すなわち光軸が通る部分を有効に利用することができずに、結合効率が低下する。
【0007】
本発明の目的は、光源の導光手段に対する位置を調整して、光源からの光を有効に利用することができる光学ピックアップ装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、記録媒体に光を照射することによって、記録媒体に対して情報を記録または再生するための光学ピックアップ装置であって、
光源と、
光源からの光を記録媒体に導く導光手段と、
光源が保持される光源保持部、導光手段が保持される導光手段保持部、および光源保持部と導光手段保持部とが相対的に角変位するように変形可能な変形部を有するハウジングと、
光源保持部および導光手段保持部が相対的に角変位するようにハウジングの変形部を変形させる変形手段とを含むことを特徴とする光学ピックアップ装置である。
【0009】
本発明に従えば、光源からの光を、導光手段によって記録媒体に導いて照射することによって、記録媒体に対して、情報が記録され、または再生される。光源は、ハウジングの光源保持部によって保持される。導光手段は、ハウジングの導光手段保持部によって保持される。ハウジングは、変形部を有し、この変形部は、光源保持部および導光手段保持部が相対的に角変位するように、変形手段によって変形される。
【0010】
変形手段によって変形部を変形させると、光源保持部および導光手段が、相対的に角変位する。この角変位によって光源が、導光手段保持部、すなわち導光手段に対して角変位されるので、光の光軸を、導光手段に対して角変位させることができる。これによって前記光軸が通る光の強度の最も高い部分を有効に利用することができる。したがって結合効率を向上することができるとともに、たとえば強度分布が一様など品位のあるスポットと、最良のジッター値とを得ることができる。
【0011】
また本発明は、光源は、ハウジングの光源保持部に対して位置調整可能に保持されることを特徴とする。
【0012】
本発明に従えば、光源は、ハウジングの光源保持部に対して位置調整可能に保持される。これによって万一、光軸と導光手段の軸線とが平行であるけれども、一致しない場合であっても、光源を光源保持部に対して位置調整することによって、確実に一致させることができる。また光源の光源保持部に対する位置調整と、光源の導光手段保持部に対する位置調整とを、相互に独立して行うことができる。これによって必要に応じて、光源の位置調整を行うことができる。さらに光源保持部および導光手段保持部のいずれか一方に対して、光源の位置を調整するときに、光源の他方に対する位置がずれるなどの不具合を解消することができる。
【0013】
また本発明は、前記変形手段は、光源保持部および導光手段保持部にわたって設けられ、回動することによって変形部を変形させるねじ部材であり、
ハウジングの光源保持部には、前記ねじ部材によって弾性変形部材が保持され、
光源は、光源保持部と弾性変形部材とによって弾発的に挟持されて保持されることを特徴とする。
【0014】
本発明に従えば、前記変形手段は、光源保持部および導光手段保持部にわたって設けられ、回動することによって変形部を変形させるねじ部材である。ハウジングの光源保持部には、弾性変形部材が、ねじ部材である変形手段によって保持される。光源保持部と弾性変形部材とは、光源を弾発的に挟持して保持する。これによって光源の光源保持部に対する位置調整と、光源保持部の導光手段保持部に対する位置調整、すなわち光源の導光手段保持部に対する位置調整とを、簡単な構成で実現することができる。
【0015】
また本発明は、変形部は、光源を中心に対称に形成されることを特徴とする。
本発明に従えば、変形部は、光源を中心に対称に形成される。これによって光源の導光手段保持部に対する位置を調整する場合に、変形部が光源を中心に対称に形成されない場合に比べて、光源の導光手段保持部に対する変位量を小さくすることができる。したがってハウジングの変形に伴う光源の導光手段に対する位置調整を、容易に実現することができる。
【0016】
また本発明は、変形部は、光源を挟んで両側の2カ所に形成されることを特徴とする。
【0017】
本発明に従えば、変形部は、光源を挟んで両側の2カ所に形成される。これによって光源のハウジングに対する位置を、2つの変形部を結ぶ一直線まわりに変化させることができる。したがって簡単な構成で、光源からの光の光軸を、導光手段に対して変位させることができる。
【0018】
また本発明は、変形部は、応力が集中する小径部分が形成されることを特徴とする。
【0019】
本発明に従えば、変形部は、応力が集中する小径部分が形成される。これによって変形部を小さな力で変形させて、光源の導光手段に対する位置を調整することができる。
【0020】
また本発明は、変形部および変形手段は、前記角変位の軸線に垂直な方向に並んで配置されることを特徴とする。
【0021】
本発明に従えば、変形部および変形手段が、前記角変位の軸線に垂直な方向に並んで配置されるので、光源保持部と導光手段保持部とを相対的に角変位させるときに、変形部を除く部分の変形を可及的に小さくし、かつ小さな力で変形部を変形させることができる。
【0022】
また本発明は、ハウジングには、変形部近傍に接着剤を充填可能な凹所が形成されることを特徴とする。
【0023】
本発明に従えば、ハウジングには、変形部近傍に接着剤を充填可能な凹所が形成される。これによって変形部を変形させて、光源の導光手段に対する位置を調整した後に、変形部を接着剤によって確実に固定することができる。したがって光源の導光手段に対する位置がずれるなどの不具合を解消することができる。
【0024】
また本発明は、前記光学ピックアップ装置が搭載されることを特徴とする電子機器である。
【0025】
本発明に従えば、電子機器には、前述の光学ピックアップ装置が搭載される。これによって利便性の高い光学ピックアップ装置を備える電子機器を実現することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の一形態である光学ピックアップ装置10を示す正面図である。図2は、光学ピックアップ装置10の一部を切欠いて示す断面図である。図3は、光学ピックアップ装置10の一部をレーザユニット13側から見て示す平面図である。光学ピックアップ装置10は、たとえばコンパクトディスク(Compact Disc;略称CD)およびデジタルバーサタイルディスク(Digital Versatile Disc;略称DVD)などの記録媒体(図2参照)11に光を照射することによって、記録媒体11に対して情報を記録または再生するための装置である。光学ピックアップ装置10は、たとえばパーソナルコンピュータなどの電子機器(図示せず)に搭載される。光学ピックアップ装置10は、ハウジング12、レーザユニット13、導光手段14、アクチュエータ15、調整ねじ部材16および板ばね部材17を含んで構成される。
【0027】
ハウジング12には、レーザユニット13、導光手段14、アクチュエータ15、調整ねじ部材16および板ばね部材17が設けられる。ハウジング12は、記録媒体11に対向して設けられる。ハウジング12は、記録媒体11に対して、情報の記録および再生可能な情報記録領域を走査可能に設けられる。ハウジング12は、たとえば金属材料および合成樹脂などから成る。ハウジング12は、光源保持部20、導光手段保持部21および変形部22を有する。
【0028】
光源保持部20は、後述する光源25を保持する。導光手段保持部21は、導光手段14を保持する。変形部22は、光源保持部20と導光手段保持部21との間に配置され、光源保持部20と導光手段保持部21とが相対的に角変位するように変形可能に設けられる。光源保持部20、導光手段保持部21および変形部22は、それぞれ別体に形成されてもよいし、一体に形成されてもよい。
【0029】
レーザユニット13は、光を出射するための手段であり、光源保持部20に設けられる。レーザユニット13は、光源25、受光素子26、ステム27、キャップ28およびレーザホルダ29を有する。光源25は、光を発し、たとえば半導体レーザによって実現される。受光素子26は、記録媒体11からの光を受光し、その受光結果を電気情報に変換するための手段であり、たとえばフォトダイオードによって実現される。光源25および受光素子26は、ステム27に設けられる。
【0030】
基部であるステム27には、キャップ28が設けられる。光源25および受光素子26は、ステム27に設けられる状態で、ステム27およびキャップ28に外囲される。キャップ28外部には、後述する導光手段14のホログラム30が設けられる。レーザホルダ29には、大略的に有底筒状である。レーザホルダ29には、底部を貫通する貫通孔が形成される。レーザホルダ29にキャップ28が挿通される状態で、ホログラム30が貫通孔に挿通されて外方に臨む。またレーザホルダ29には、側部を貫通するねじ孔が形成される。
【0031】
レーザホルダ29のねじ孔には、内ねじが形成され、ねじ部材が螺着される。キャップ28は、ねじ部材によってレーザホルダ29の内周部に当接されて、レーザホルダ29に保持される。キャップ28は、たとえば操作者がねじ部材を操作することによって、内周部に沿って変位可能であり、これによって光源25とコリメートレンズ35とにわたる光路において、光の光軸L25がコリメートレンズ35に対して変位される。以下、光軸L25と表記する場合、光源25と光源25に対向するレンズ、本実施の形態ではコリメートレンズ35とにわたる光路における光の光軸を意味する。キャップ28とレーザホルダ29とは、光源25のコリメートレンズ35に対する位置を調整した後に、接着剤49によって相互に固定される。
【0032】
ステム27のキャップ28と反対側の一側部には、1または複数の端子31が突出して設けられる。各端子31は、基板パターン樹脂32に形成される導通ランドに半田付けされることによって、基板パターン樹脂32に電気的に接続される(以下、「基板パターン樹脂32」を、「FPC32」と表記する場合がある)。FPC32には、光学ピックアップ装置10の動作を制御する動作回路が形成される。
【0033】
レーザユニット13からの光は、導光手段14に入射される。導光手段14は、光源25からの光を記録媒体11に導く。具体的には導光手段14は、レーザユニット13から出射される光を記録媒体11に導くとともに、記録媒体11から反射される光をレーザユニット13に導く。導光手段14は、ホログラム30、コリメートレンズ35、立上げミラー36および対物レンズ37を有する。
【0034】
ホログラム30は、光源25に対向して設けられる。コリメートレンズ35および立上げミラー36は、導光手段保持部21に保持される。コリメートレンズ35は、ホログラム30に対向して設けられる。立上げミラー36は、コリメートレンズ35および対物レンズ37に対向して設けられる。対物レンズ37は、後述するアクチュエータ15に保持され、記録媒体11および立上げミラー36に対向して設けられる。
【0035】
アクチュエータ15は、ハウジング12、具体的には導光手段保持部21に対して、フォーカシング方向に変位可能に、かつトラッキング方向に変位可能に支持される。フォーカシング方向は、記録媒体11の軸線方向に平行な方向である。トラッキング方向は、記録媒体11の情報記録領域を走査する方向、すなわち半径方向に平行な方向である。アクチュエータ15がハウジング12に対してフォーカシング方向およびトラッキング方向に変位することによって、対物レンズ37が記録媒体11に対して変位される。これによってレーザユニット13からの光が、記録媒体11の所望の位置に照射される。
【0036】
レーザユニット13から出射される光は、コリメートレンズ35によって平行光にされ、立上げミラー36によって対物レンズ37に導かれる。対物レンズ37を透過した光は、集光されて記録媒体11に照射される。対物レンズ37は、記録媒体11に照射するにあたって、アクチュエータ15によって、記録媒体11の情報記録面で焦点を結ぶように、変位駆動されている。記録媒体11からの光は、対物レンズ37、立上げミラー36およびコリメートレンズ35によって、レーザユニット13に導かれる。レーザユニット13に導かれた光は、ホログラム30によって回折されて受光素子26に導かれる。受光素子26は、ホログラム30からの光を受光して、その受光結果を電気情報に変換する。受光素子26による電気情報に基づいて、FPC32が光学ピックアップ装置10の動作を制御する。
【0037】
変形手段である調整ねじ部材16は、光源保持部20および導光手段保持部21が相対的に角変位するように、ハウジング12の変形部22を変形させる。調整ねじ部材16は、光源保持部20および導光手段保持部21にわたって設けられる。調整ねじ部材16は、具体的には、外ねじが形成され、回動することによって変形部22を変形させるねじ部材である。弾性変形部材である板ばね部材17は、調整ねじ部材16によって光源保持部20に保持される。板ばね部材17は、レーザユニット13に関して光源保持部20と反対側に配置される。板ばね部材17は、光源保持部20と協働して、レーザユニット13を弾発的に挟持する。
【0038】
図4は、図1のセクションS4を拡大して示す分解平面図である。図5は、図1の切断面線S5−S5から見た断面図である。図6は、図4の切断面線S6−S6から見た断面図である。導光手段保持部21は、レーザユニット13とコリメートレンズ35との間に配置される一側部21aを有する。導光手段保持部21の一側部21aには、開口部40が形成される。開口部40は、一側部21aから第1幅方向D一方側に向けて没入するとともに、ハウジング12を厚み方向Cに貫通する。
【0039】
第1幅方向Dは、導光手段14の各種のレンズのうち、光源25に対向するレンズの軸線に平行な方向であり、本実施の形態では、コリメートレンズ35の軸線L35に平行な方向である。開口部40は、レーザホルダ29を挿通可能な程度に形成される。また開口部40には、レーザユニット13とコリメートレンズ35と導かれる光が遮られないように、第1幅方向Dに貫通する透孔が形成される。
【0040】
導光手段保持部21の一側部21aには、複数の変形部22、すなわち第1変形部22aおよび第2変形部22bが形成される。第1および第2変形部22a,22bは、光源25を挟んで両側の2カ所に形成されるとともに、光源25を中心に対称に形成される。第1および第2変形部22a,22bは、光源25を第2幅方向E両側から挟む位置に配置される。第2幅方向Eは、ハウジング12の厚み方向Cと第1幅方向Dとに垂直な方向である。また第1および第2変形部22a,22bは、第1幅方向Dに平行な軸線をそれぞれ有する。第1および第2変形部22a,22bの軸線は、厚み方向Cに垂直な平面に含まれる。以下、第1変形部22aおよび第2変形部22bのうち少なくともいずれか1つを指すとき、単に「変形部22」と表記する場合がある。
【0041】
導光手段保持部21の一側部21aには、調整ねじ孔41が形成される。調整ねじ孔41は、第2幅方向Eに関して変形部22よりも開口部40から離れた位置に配置される。調整ねじ孔41は、一側部21aから第1幅方向D一方側に没入し、内ねじが形成される。調整ねじ孔41は、第1および第2変形部22a,22bの軸線を含む平面に関して、厚み方向C一方側に形成される。本実施の形態では、調整ねじ孔41は、第1および第2変形部22a,22bの軸線を含む平面よりも記録媒体11に形成される。調整ねじ孔41には、調整ねじ部材16が螺着される。
【0042】
光源保持部20は、第1光源保持部20aおよび第2光源保持部20bを有する。第1および第2光源保持部20a,20bは、光源25を挟む位置に配置される。第1光源保持部20aは、導光手段保持部21の一側部21aに臨む状態で、第1変形部22aによって導光手段保持部21に連結される。第1光源保持部20aには、係止ねじ孔42が形成される。係止ねじ孔42は、第1幅方向D一方側に向けて没入し、内ねじが形成される。この係止ねじ孔42には、板ばね部材17を保持するための係止ねじ部材43が螺着される。
【0043】
第2光源保持部20bは、導光手段保持部21の一側部21aに臨む状態で、第2変形部22bによって導光手段保持部21に連結される。第2光源保持部20bには、逃げ孔44が形成される。逃げ孔44は、軸線方向および周方向に沿った周縁部を有する円形状であり、第2光源保持部20bを貫通する。逃げ孔44は、調整ねじ孔41に対向し、調整ねじ部材16の外径よりも大きな内径を有する。この逃げ孔44には、調整ねじ部材16が挿通される。
【0044】
第1および第2光源保持部20a,20bは、レーザユニット13を挿通可能な程度に、相互に間隔をあけて配置される。第1および第2光源保持部20a,20bは、レーザユニット13は、光源保持部20に関して導光手段保持部21と反対側から、第1および第2光源保持部20a,20b間に挿通されるとともに、一側部21aの開口部40に挿通される。以下、第1光源保持部20aおよび第2光源保持部20bのうち少なくともいずれか1つを指すとき、単に「光源保持部20」と表記する場合がある。
【0045】
板ばね部材17は、第1光源保持部20aと第2光源保持部20bとにわって延びて配置される板状である。板ばね部材17の略中央部には、板ばね部材17を貫通する透孔が形成される。この透孔には、レーザユニット13の端子31が挿通される。板ばね部材17の第1光源保持部20aに対向する部分には、透孔が形成され、この透孔に、係止ねじ部材43が挿通される。また板ばね部材17の第2光源保持部20bに対向する部分には、透孔が形成され、この透孔に、調整ねじ部材16が挿通される。
【0046】
板ばね部材17は、調整ねじ部材16および係止ねじ部材43によって第1および第2光源保持部20a,20bに保持される。図1〜図6の例では、板ばね部材17は、調整ねじ部材16および係止ねじ部材43に加えて、ねじ部材48a,48bによって光源保持部20に保持される。板ばね部材17は、光源保持部20と協働して、レーザユニット13を弾発的に挟持する。レーザユニット13は、板ばね部材17と光源保持部20とによって挟持される状態で、第1および第2光源保持部20a,20bに当接される。レーザユニット13は、第1および第2光源保持部20a,20bに当接される状態で、コリメートレンズ35の軸線L35に略垂直な一仮想平面に沿って変位される。前記用語「略垂直」は、垂直を含む。
【0047】
本実施の形態では、前記一仮想平面において、相互に直交するX軸およびY軸を有する2次元座標系を設定し、この2次元座標系に基づいて、レーザユニット13の光源保持部20に対する位置が調整される。前記X軸は、第2幅方向Eに略平行であり、前記Y軸は、ハウジング12の厚み方向Cに平行である。前記用語「略平行」は、平行を含む。レーザユニット13が光源保持部20に対して変位されることによって、コリメートレンズ35の軸線L35が光源25を通るように、光源25のコリメートレンズ35に対する位置を調整することができる。
【0048】
前記調整ねじ部材16は、光源保持部20と導光手段保持部21とにわたって設けられる状態で、第1および第2変形部22a,22bの軸線を含む平面に関して、ハウジング21の厚み方向C一方側に配置される。換言すると調整ねじ部材16は、第1および第2変形部22a,22bの軸線を含む平面よりも記録媒体11寄りに配置される。このように構成される調整ねじ部材16を回動させることによって、第1および第2光源保持部20a,20bを導光手段保持部21に対して角変位させる。
【0049】
また変形部22には、応力が集中する小径部分45が形成される。光源保持部20と導光手段保持部21とが調整ねじ部材16によって相対的に角変形されるときに、第1変形部22aには、応力が集中する小径部分45aが形成され、第2変形部22bには、応力が集中する小径部分45bが形成される。図1〜図5の例では、第1および第2変形部22a,22bは、それらの軸線方向中間部に小径部分45a,45bがそれぞれ形成され、第2幅方向Eに垂直な断面形状が略I字状である。
【0050】
具体的には、第1および第2変形部22a,22bの軸線方向中間部には、第2幅方向E両端部間にわたって、厚み方向C両側から軸線に向けてV字状に没入する溝が形成される。これによって第1および第2変形部22a,22bに、小径部分45a,45bが形成される。第1および第2変形部22a,22bは、軸線方向に垂直な断面形状が長方形状であってもよいし、円形状であってもよい。さらに第1および第2変形部22a,22bの小径部分は、周方向全周にわたって形成されてもよいし、周方向の一部に形成されてもよい。
【0051】
またハウジング12には、変形部22近傍に接着剤が充填可能な複数の凹所が形成される。第1光源保持部20aには、第1変形部22a近傍に、2つの凹所が形成される。第1光源保持部20aの各凹所は、厚み方向Cに関して第1変形部22aを挟む位置に配置される。第1光源保持部20aの各凹所のうち、一方の凹所46aは、厚み方向C一方側に開放し、他方の凹所(図示せず)は、厚み方向C他方側に開放する。
【0052】
第2光源保持部20bには、第2変形部22a近傍に、2つの凹所が形成される。第2光源保持部20bの各凹所は、厚み方向Cに関して第2変形部22bを挟む位置に配置される。第2光源保持部20bの各凹所のうち、一方の凹所46bは、厚み方向C一方側に開放し、他方の凹所46cは、厚み方向C他方側に開放する。
【0053】
導光手段保持部21の一側部21aには、第1変形部22a近傍に、2つの凹所が形成される。第1変形部22a近傍の各凹所は、厚み方向Cに関して第1変形部22aを挟む位置に配置される。第1変形部22a近傍の各凹所のうち、一方の凹所46dは、厚み方向C一方側に開放し、他方の凹所(図示せず)は、厚み方向C他方側に開放する。
【0054】
また導光手段保持部21の一側部21aには、第2変形部22b近傍に、2つの凹所が形成される。第2変形部22b近傍の各凹所は、厚み方向Cに関して第2変形部22bを挟む位置に配置される。第2変形部22b近傍の各凹所のうち、一方の凹所46eは、厚み方向C一方側に開放し、他方の凹所46fは、厚み方向C他方側に開放する。以下、ハウジング12に形成される複数の凹所のうち、少なくともいずれか1つを指すとき、凹所46と表記する場合がある。
【0055】
調整ねじ部材16によって、光源保持部20の導光手段保持部21に対する位置を調整した後に、凹所46に接着剤47(図1参照)が充填される。凹所46に加えて、変形部22自体にも接着剤47が塗布される。これによって光源保持部20、導光手段保持部21および変形部22が相互に固定される。したがって光源保持部20が導光手段保持部21に対して変位することが防がれ、調整後の光源保持部20の導光手段保持部21に対する位置が確実に保持される。
【0056】
調整ねじ部材16が、調整ねじ孔41に対して第1幅方向Dに変位するように回動されると、光源保持部20は、角変位軸線L20まわりに角変位する。角変位軸線L20は、第2幅方向Eに平行であり、かつ光源25と変形部22の小径部分45とを通る軸線である。調整ねじ部材16が、調整ねじ孔41に対して、第1幅方向D一方側に向けて変位するように螺進されると、光源保持部20は、角変位軸線L20まわりの第1角変位方向F1に角変位する。第1角変位方向F1は、変形部22の厚み方向C一端部が、導光手段保持部21の一側部21aに近接する方向である。
【0057】
調整ねじ部材16が、調整ねじ孔41に対して、第1幅方向D他方側に向け変位するように螺退されると、光源保持部20は、角変位軸線L20まわりの第1角変位方向F1と反対側の第2角変位方向F2に角変位する。光源保持部20を導光手段保持部21に対して角変位させるとき、第1および第2変形部22a,22bは、小径部分を有するので、この小径部分で屈曲し、容易に変形される。
【0058】
本実施の形態では、光源保持部20および板ばね部材17のいずれか一方に、調整ねじ部材16を当接する当接部50(図7および図8参照)が設けられる。調整ねじ部材16が、調整ねじ孔41に対して螺退されると、第1幅方向D他方側で前記当接部50に当接する。また光源保持部20は、調整ねじ部材16によって位置調整を行うにあたって、導光手段保持部21に対して第2角変位方向F2にわずかに角変位された状態で、変形部22によって導光手段保持部21に連結される。
【0059】
図7は、光軸L25と、コリメートレンズ35の軸線L35との関係の一例を説明するための図である。図8は、光軸L25と、コリメートレンズ35の軸線L35との関係の他の例を説明するための図である。図9は、光軸L25と、コリメートレンズ35の軸線L35との関係のさらに他の例を説明するための図である。図7〜図9において、図解を容易にするために、ハウジング12およびレーザユニット13などの各構成を部分的に省略している。また図7〜図9において、記録媒体11、コリメートレンズ35および対物レンズ37は、図解を容易にするために、便宜上、一直線上に並ぶように示している。
【0060】
光源25のコリメートレンズ35に対する位置を調整するにあたって、レーザユニット13を、光源保持部20に対して2次元座標系のX軸およびY軸に沿って変位させる。これによって光源25が2次元座標系において原点に配置される。換言するとコリメートレンズ35の軸線L35が光源25を通るように、光源25の光源保持部20に対する位置が調整される。さらにキャップ28をレーザホルダ29の内周部に沿って変位させることによって、光源25が、2次元座標系においてX軸およびY軸に垂直なZ軸まわりに角変位される。これによって光軸L25が、コリメートレンズ35の軸線L35を含み、かつ第2幅方向Eに垂直な平面に含まれるように変位される。
【0061】
光源25のコリメートレンズ35に対する位置を、2次元座標系が設定される一仮想平面内において調整した場合であっても、たとえば図7に示すように、光軸L25が、コリメートレンズ35の軸線L35に対して、0よりも大きい角度を成して傾いている場合がある。この場合、光軸L25は、光源25を中心として、コリメートレンズ35の軸線L35に対して、あおられた状態にある。具体的には光軸L25は、光源25を中心として、コリメートレンズ35の軸線L35に対して、第1角変位方向F1および第2角変位方向F2に角変位された状態で配置される。
【0062】
光軸L25が、コリメートレンズ35の軸線L35に対して、第1角変位方向F1に角変位して傾いた状態では、調整ねじ部材16を螺退するように回動させる。調整ねじ部材16が螺退されると、当接部50に当接する。光源保持部20は、調整ねじ部材16と当接部50との当接によって、調整ねじ部材16が螺退されるのに伴って、導光手段保持部21に対して第2角変位方向F2に角変位される。このとき第1変形部22aは、第1光源保持部20a寄りの軸線方向一端部が第2角変位方向F2に変位するように、軸線方向中間部で変形する。さらにこのとき第2変形部22bは、第2光源保持部20b寄りの軸線方向一端部が第2角変位方向F2に変位するように、軸線方向中間部で変形する。
【0063】
光源保持部20が導光手段保持部21に対して角変位されると、光軸L25が、第2角変位方向F2に角変位されて、コリメートレンズ35の軸線L35に対する傾きが調整される。これによって光軸L25は、図8に示すように、コリメートレンズ35の軸線L35と対物レンズ37の軸線とに一致するように配置される。
【0064】
光軸L25が、コリメートレンズ35の軸線L35に対して、第2角変位方向F2に角変位して傾いた状態では、調整ねじ部材16を螺進するように回動させる。調整ねじ部材16が螺進されると、光源保持部20は、調整ねじ部材16が螺進されるのに伴って、導光手段保持部21に対して第1角変位方向F1に角変位される。このとき第1変形部22aは、第1光源保持部20a寄りの軸線方向一端部が第1角変位方向F1に変位するように、軸線方向中間部で変形する。さらにこのとき第2変形部22bは、第2光源保持部20b寄りの軸線方向一端部が第1角変位方向F1に変位するように、軸線方向中間部で変形する。
【0065】
前記変形部22は、第2幅方向Eに延びて配置される溝によって小径部分45が形成される。これによって光源保持部20を、導光手段保持部21に対して、角変位軸線L20まわりに角変位させるときに、変形部22が小径部分45で容易に変形させることができる。したがって光源25のコリメートレンズ35に対する位置を容易に調整することができる。
【0066】
光源保持部20が導光手段保持部21に対して角変位されると、光軸L25が、第1角変位方向F1に角変位されて、コリメートレンズ35の軸線L35に対する傾きが調整される。これによって光軸L25は、図9に示すように、コリメートレンズ35の軸線L35と対物レンズ37の軸線とに一致するように配置される。
【0067】
このように光軸L25がコリメートレンズ35の軸線L35に対して傾いている場合であっても、光源保持部20と導光手段保持部21とを、相対的に角変位させることによって、光軸L25とコリメートレンズ35の軸線L35とが一致させることができる。これによってハウジング12とレーザユニット13との取付け面の精度、および光源25からの光の放射角度のばらつきなどの誤差要因があっても、精度の高い位置調整を実現することができる。
【0068】
また光の強度が最も高い部分が、コリメートレンズ35に対してずれることなく、コリメートレンズ35の軸線が通る位置に配置されるので、光源25からの光を有効に利用して、対物レンズ37で集光することができる。したがって結合効率を向上することができる。また光軸L25が、コリメートレンズ35に対してずれた位置に配置されることが防がれるので、品位のあるスポットおよび最良のジッター値を得ることができる。
【0069】
本実施の形態によれば、光源25からの光を、導光手段14によって記録媒体11に導いて照射することによって、記録媒体11に対して、情報が記録され、または再生される。光源25は、ハウジング12の光源保持部20によって保持される。導光手段14は、ハウジング12の導光手段保持部21によって保持される。ハウジング12は、変形部22を有し、この変形部22は、光源保持部20および導光手段保持部21が相対的に角変位するように、調整ねじ部材16によって変形される。
【0070】
調整ねじ部材16によって変形部22を変形させると、光源保持部20および導光手段21が、相対的に角変位する。この角変位によって光源25が、導光手段保持部21、すなわち導光手段14に対して角変位するので、光源25からの光の光軸L25を、導光手段14に対して角変位させることができる。これによって光軸L25が通る光の強度の最も高い部分を、有効に利用することができる。したがって結合効率を向上することができるとともに、たとえば強度分布が一様など品位のあるスポットと、最良のジッター値とを得ることができる。
【0071】
また本実施の形態によれば、光源25は、ハウジング12の光源保持部20に対して位置調整可能に保持される。これによって万一、光軸L25と導光手段14のコリメートレンズ35の軸線L35とが平行であるけれども、一致しない場合であっても、光源25を光源保持部20に対して位置調整することによって、確実に一致させることができる。また光源25の光源保持部20に対する位置調整と、光源25の導光手段保持部21に対する位置調整とを、相互に独立して行うことができる。これによって必要に応じて、光源25の位置調整を行うことができる。さらに光源保持部20および導光手段保持部21のいずれか一方に対して、光源25の位置を調整するときに、光源25の他方に対する位置がずれるなどの不具合を解消することができる。
【0072】
また本実施の形態によれば、前記調整ねじ部材16は、光源保持部20および導光手段保持部21にわたって設けられ、回動することによって変形部22を変形させるねじ部材である。ハウジング12の光源保持部20には、板ばね部材17が、ねじ部材である調整ねじ部材16によって保持される。光源保持部20と板ばね部材17とは、光源25を弾発的に挟持して保持する。これによって光源25の光源保持部20に対する位置調整と、光源保持部20の導光手段保持部21に対する位置調整、すなわち光源25の導光手段保持部21に対する位置調整とを、簡単な構成で実現することができる。
【0073】
また本実施の形態によれば、変形部22は、光源25を中心に対称に形成される。これによって光源25の導光手段保持部21に対する位置を調整する場合に、変形部22が光源25を中心に対称に形成されない場合に比べて、光源25の導光手段保持部21に対する変位量を小さくすることができる。したがってハウジング12の変形に伴う光源25の導光手段14に対する位置調整を、容易に実現することができる。
【0074】
また本実施の形態によれば、変形部22は、光源25を挟んで両側の2カ所に形成される。これによって光源25の導光手段14に対する位置を、2つの変形部22を結ぶ一仮想直線まわりに変化させることができる。したがって簡単な構成で、光の光軸L25を、導光手段14に対して変位させることができる。
【0075】
また本実施の形態によれば、変形部22は、応力が集中する小径部分45が形成される。これによって変形部22を小さな力で変形させて、光源25の導光手段14に対する位置を調整することができる。
【0076】
また本実施の形態によれば、ハウジング12には、変形部22近傍に接着剤47を充填可能な凹所46が形成される。これによって変形部22を変形させて、光源25の導光手段14に対する位置を調整した後に、変形部22を接着剤47によって確実に固定することができる。したがって光源25の導光手段14に対する位置がずれるなどの不具合を解消することができる。
【0077】
また本実施の形態によれば、電子機器には、前述の光学ピックアップ装置10が搭載されるので、利便性の高い光学ピックアップ装置10を備える電子機器を実現することができる。
【0078】
図10は、本発明の他の実施の形態である光学ピックアップ装置10Aを示す正面図である。図11は、光学ピックアップ装置10Aの一部を切欠いて示す断面図である。図12は、光学ピックアップ装置10Aの一部を光源25A側から見て示す平面図である。図13は、図10のセクションS13を拡大して示す分解平面図である。本実施の形態の光学ピックアップ装置10Aにおいて、前述の光学ピックアップ装置10と同様の構成には、同一の参照符号を付し、効果などの同様の説明は省略する。本実施の形態の光学ピックアップ装置10Aは、レーザユニット13の代わりに、光源25Aが単体で用いられるディスクリート形の光学ピックアップ装置である。また本実施の形態の光学ピックアップ装置10Aにおいて、第1幅方向Dは、導光手段14Aの各種のレンズのうち、光源25Aに対向するレンズの軸線、すなわちグレーティングレンズ55の軸線L55に平行な方向である。
【0079】
光源25Aは、前述の実施の形態におけるレーザホルダ29を介することなく、光源保持部20に直接設けられる。また受光素子26は、前述の実施の形態では、光源25Aとともに一体に設けられる構成であったけれども、本実施の形態では、導光手段保持部21に保持される。導光手段14Aは、ホログラム30の代わりに、グレーティングレンズ55、ビームスプリッタ56およびスポット調整レンズ57を有する。
【0080】
グレーティングレンズ55は、光源25Aに対向して設けられる。グレーティングレンズ55は、回折格子を有し、入射される光を複数本の光に分ける。ビームスプリッタ56は、グレーティングレンズ55に対向するとともに、コリメートレンズ35とスポット調整レンズ57との間に配置される。ビームスプリッタ56は、任意の方位の直線偏光の光が入射したとき、その直線偏光をP方位成分とS方位線分と分離して、P方位成分は透過させるとともに、S方位成分を90度反射させる。スポット調整レンズ57は、光を集光するためのレンズであって、ビームスプリッタ56と受光素子26との間に配置される。
【0081】
光源25Aからの光は、グレーティングレンズ55によって回折されて、ビームスプリッタ56に導かれる。グレーティングレンズ55からの光は、ビームスプリッタ56によって反射されて、コリメートレンズ35に導かれる。コリメートレンズ35を透過した光は、対物レンズ37によって集光され、記録媒体11に照射される。
【0082】
記録媒体11から反射された光は、対物レンズ37およびコリメートレンズ35を透過して、ビームスプリッタ56に導かれる。ビームスプリッタ56では、反射されずにそのまま透過して、スポット調整レンズ57に導かれる。光は、スポット調整レンズ57によって集光されて、受光素子26に導かれる。受光素子26は、受光結果に基づいて、情報信号およびサーボ信号を検出する。受光素子26による検出結果に基づいて、情報の記録または再生が行われる。
【0083】
光源25Aは、板ばね部材17Aと光源保持部20とに挟持される状態で、保持される。板ばね部材17Aは、係止ねじ部材43によって第1光源保持部20aに保持される部分60と、調整ねじ部材16によって第2光源保持部20bに保持される部分61とを有し、各部分60,61が別体に構成される。光源25Aは、光源保持部20に対して、前記2次元座標系におけるX軸およびY軸方向への変位可能に、かつX軸およびY軸に垂直なZ軸まわりに角変位可能に保持される。これによってグレーティングレンズ56の軸線が光源25Aを通るとともに、光軸L25が、第2幅方向Eに垂直かつグレーティングレンズ56の軸線を含む平面に含まれるように、光源25Aの位置が調整される。
【0084】
このように構成される光学ピックアップ装置10Aにおいて、前述のように、調整ねじ部材16によって光源保持部20と導光手段保持部21とを相対的に角変位させることによって、光源25のグレーティングレンズ55に対する位置を調整することができる。これによって光軸L25がグレーティングレンズ55の軸線に対して傾いている場合であっても、光軸L25とグレーティングレンズ55の軸線とを一致させることができる。
【0085】
光源25のグレーティングレンズ55に対する位置調整の後に、光源25Aと光源保持部20とが接着剤59によって相互に固定される。さらに変形後の変形部22および変形部22近傍に接着剤47が塗布されて、光源保持部20、導光手段保持部21および変形部22が相互に固定される。
【0086】
図14は、変形部22の他の例である変形部65を示す断面図である。図15は、図14に示す変形部65を拡大して示す平面図である。図16は、変形部22のさらに他の例である変形部67を示す断面図である。図17は、図16に示す変形部67を拡大して示す平面図である。図14および図16において、第1および第2変形部のうち第2変形部だけを示している。前述の各実施の形態の光学ピックアップ装置10,10Aにおける変形部22は、V字状の溝によって実現されていたけれども、図14および図15に示す変形部65であってもよい。
【0087】
図14および図15に示す変形部65には、その軸線方向中間部に、第2幅方向E両端部間にわたって、厚み方向C両側から軸線に向けてU字状に没入する溝が形成される。これによって変形部65に小径部分66が形成される。換言すると第1変形部65aに、小径部分66aが形成されるとともに、第2変形部65bに、小径部分66bが形成される。
【0088】
また前述の各実施の形態の光学ピックアップ装置10,10Aにおける変形部22は、図16および図17に示す変形部67であってもよい。図16および図17に示す変形部67には、その軸線方向中間部に、第2幅方向E両端部間にわたって、厚み方向C両側から軸線に向けてコの字状に没入する溝が形成される。これによって変形部67に小径部分68が形成される。換言すると第1変形部66aに、小径部分68aが形成されるとともに、第2変形部66bに、小径部分68bが形成される。
【0089】
また前述の各実施の形態の光学ピックアップ装置10,10Aにおいて、変形部22および調整ねじ部材16は、角変位軸線L20に垂直な方向に並んで配置されていてもよい。変形部22、具体的には第1変形部22aと、調整ねじ部材16とは、角変位軸線L20に垂直な方向に並んで配置される。詳細には、第1変形部22aおよび調整ねじ部材16は、図4の仮想線70に示すように、厚み方向Cに並んで配置される。また調整ねじ部材16は、第1変形部22aを中心にした円、具体的には角変位軸線L20に垂直な一仮想平面に含まれる円の接線方向、すなわち第1幅方向Dに配置される。変形部22の軸線は、第1変形部22aと調整ねじ部材16とを結ぶ方向に対して垂直な方向、すなわち第1幅方向Dに配置されている。
【0090】
変形部22および調整ねじ部材16を、角変位軸線L20に垂直な方向に並べて配置することによって、変形部22に厚み方向Cの回転モーメントを作用させることができる。これによって調整ねじ部材16を螺進および螺退させるときに、第2幅方向Eの成分を有する回転モーメントが、発生することを防止して、厚み方向Cの回転モーメントを発生させることができる。したがって変形部22を除く部分、たとえば調整ねじ部材16、光源保持部20および導光手段保持部21などの変形を可及的に小さくすることができるとともに、調整ねじ部材16によるハウジング12への荷重を小さくしたうえで、変形部22の小径部分45だけを容易に変形させることができる。
【0091】
前述の各実施の形態は、本発明の例示に過ぎず、発明の範囲内において構成を変更してもよい。たとえば変形部は、前述の各実施の形態では2つであったけれども、光源を中心に対称に設けられる構成であれば、3つ以上であってもよい。また変形部は、調整ねじ部材によって変形されるとき、塑性変形する材料から成っていてもよいし、弾性変形する材料から成っていてもよい。また変形部22近傍の凹所46は、光源保持部20および導光手段保持部21において、厚み方向両端部のうち少なくともいずれか一方に形成される構成であってもよいし、厚み方向Cに貫通して形成される構成であってもよい。
【0092】
【発明の効果】
本発明によれば、光源からの光を、導光手段によって記録媒体に導いて照射することによって、記録媒体に対して、情報が記録され、または再生される。光源は、ハウジングの光源保持部によって保持される。導光手段は、ハウジングの導光手段保持部によって保持される。ハウジングは、変形部を有し、この変形部は、光源保持部および導光手段保持部が相対的に角変位するように、変形手段によって変形される。
【0093】
変形手段によって変形部を変形させると、光源保持部および導光手段が、相対的に角変位する。この角変位によって光源が、導光手段保持部、すなわち導光手段に対して角変位されるので、光の光軸を、導光手段に対して角変位させることができる。これによって前記光軸が通る光の強度の最も高い部分を有効に利用することができる。したがって結合効率を向上することができるとともに、たとえば強度分布が一様など品位のあるスポットと、最良のジッター値とを得ることができる。
【0094】
また本発明によれば、光源は、ハウジングの光源保持部に対して位置調整可能に保持される。これによって万一、光軸と導光手段の軸線とが平行であるけれども、一致しない場合であっても、光源を光源保持部に対して位置調整することによって、確実に一致させることができる。また光源の光源保持部に対する位置調整と、光源の導光手段保持部に対する位置調整とを、相互に独立して行うことができる。これによって必要に応じて、光源の位置調整を行うことができる。さらに光源保持部および導光手段保持部のいずれか一方に対して、光源の位置を調整するときに、光源の他方に対する位置がずれるなどの不具合を解消することができる。
【0095】
また本発明によれば、前記変形手段は、光源保持部および導光手段保持部にわたって設けられ、回動することによって変形部を変形させるねじ部材である。ハウジングの光源保持部には、弾性変形部材が、ねじ部材である変形手段によって保持される。光源保持部と弾性変形部材とは、光源を弾発的に挟持して保持する。これによって光源の光源保持部に対する位置調整と、光源保持部の導光手段保持部に対する位置調整、すなわち光源の導光手段保持部に対する位置調整とを、簡単な構成で実現することができる。
【0096】
また本発明によれば、変形部は、光源を中心に対称に形成される。これによって光源の導光手段保持部に対する位置を調整する場合に、変形部が光源を中心に対称に形成されない場合に比べて、光源の導光手段保持部に対する変位量を小さくすることができる。したがってハウジングの変形に伴う光源の導光手段に対する位置調整を、容易に実現することができる。
【0097】
また本発明によれば、変形部は、光源を挟んで両側の2カ所に形成される。これによって光源の導光手段に対する位置を、2つの変形部を結ぶ一直線まわりに変化させることができる。したがって簡単な構成で、光源からの光の光軸を、導光手段に対して変位させることができる。
【0098】
また本発明によれば、変形部は、応力が集中する小径部分が形成される。これによって変形部を小さな力で変形させて、光源の導光手段に対する位置を調整することができる。
【0099】
また本発明によれば、変形部および変形手段が、前記角変位の軸線に垂直な方向に並んで配置されるので、光源保持部と導光手段保持部とを角変位させるときに、変形部を除く部分の変形を可及的に小さくし、かつ小さな力で変形部を変形させることができる。
【0100】
また本発明によれば、ハウジングには、変形部近傍に接着剤を充填可能な凹所が形成される。これによって変形部を変形させて、光源の導光手段に対する位置を調整した後に、変形部を接着剤によって確実に固定することができる。したがって調整後の光源の導光手段に対する位置がずれるなどの不具合を解消することができる。
【0101】
また本発明によれば、電子機器には、前述の光学ピックアップ装置が搭載されるので、利便性の高い光学ピックアップ装置を備える電子機器を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態である光学ピックアップ装置10を示す正面図である。
【図2】光学ピックアップ装置10の一部を切欠いて示す断面図である。
【図3】光学ピックアップ装置10の一部をレーザユニット13側から見て示す平面図である。
【図4】図1のセクションS4を拡大して示す分解平面図である。
【図5】図1の切断面線S5−S5から見た断面図である。
【図6】図4の切断面線S6−S6から見た断面図である。
【図7】光軸L25と、コリメートレンズ35の軸線L35との関係の一例を説明するための図である。
【図8】光軸L25と、コリメートレンズ35の軸線L35との関係の他の例を説明するための図である。
【図9】光軸L25と、コリメートレンズ35の軸線L35との関係のさらに他の例を説明するための図である。
【図10】本発明の他の実施の形態である光学ピックアップ装置10Aを示す正面図である。
【図11】光学ピックアップ装置10Aの一部を切欠いて示す断面図である。
【図12】光学ピックアップ装置10Aの一部を光源25A側から見て示す平面図である。
【図13】図10のセクションS13を拡大して示す分解平面図である。
【図14】変形部22の他の例である変形部65を示す断面図である。
【図15】図14に示す変形部65を拡大して示す平面図である。
【図16】変形部22のさらに他の例である変形部67を示す断面図である。
【図17】図16に示す変形部67を拡大して示す平面図である。
【図18】第1の従来技術の光学ピックアップ装置1を示す正面図である。
【図19】ハウジング2の一部を切欠いて示す断面図である。
【図20】光学ピックアップ装置1を光源4側から見て示す平面図である。
【図21】図18のセクションS21を拡大して示す分解平面図である。
【図22】第2の従来技術の光学ピックアップ装置5を示す正面図である。
【図23】ハウジング6の一部を切欠いて示す断面図である。
【図24】光学ピックアップ装置5を光源7側から示す平面図である。
【図25】図21のセクションS25を拡大して示す分解平面図である。
【符号の説明】
10,10A 光学ピックアップ装置
11 記録媒体
12 ハウジング
14 導光手段
16 調整ねじ部材
20 光源保持部
21 導光手段保持部
22,65,67 変形部
25 光源
Claims (9)
- 記録媒体に光を照射することによって、記録媒体に対して情報を記録または再生するための光学ピックアップ装置であって、
光源と、
光源からの光を記録媒体に導く導光手段と、
光源が保持される光源保持部、導光手段が保持される導光手段保持部、および光源保持部と導光手段保持部とが相対的に角変位するように変形可能な変形部を有するハウジングと、
光源保持部および導光手段保持部が相対的に角変位するようにハウジングの変形部を変形させる変形手段とを含むことを特徴とする光学ピックアップ装置。 - 光源は、ハウジングの光源保持部に対して位置調整可能に保持されることを特徴とする請求項1記載の光学ピックアップ装置。
- 前記変形手段は、光源保持部および導光手段保持部にわたって設けられ、回動することによって変形部を変形させるねじ部材であり、
ハウジングの光源保持部には、前記ねじ部材によって弾性変形部材が保持され、
光源は、光源保持部と弾性変形部材とによって弾発的に挟持されて保持されることを特徴とする請求項1または2記載の光学ピックアップ装置。 - 変形部は、光源を中心に対称に形成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光学ピックアップ装置。
- 変形部は、光源を挟んで両側の2カ所に形成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光学ピックアップ装置。
- 変形部は、応力が集中する小径部分が形成されることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の光学ピックアップ装置。
- 変形部および変形手段は、前記角変位の軸線に垂直な方向に並んで配置されることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の光学ピックアップ装置。
- ハウジングには、変形部近傍に接着剤を充填可能な凹所が形成されることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の光学ピックアップ装置。
- 請求項1〜8のいずれかに記載の光学ピックアップ装置が搭載されることを特徴とする電子機器。
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JP2007273063A (ja) * | 2006-03-31 | 2007-10-18 | Sharp Corp | 光ピックアップ装置、及び、光ディスク装置 |
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-
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- 2003-02-21 JP JP2003044821A patent/JP2004253094A/ja active Pending
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JP4563334B2 (ja) * | 2006-03-31 | 2010-10-13 | シャープ株式会社 | 光ピックアップ装置、及び、光ディスク装置 |
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