JP2004252037A - ブレ補正装置の光学式位置検出装置 - Google Patents

ブレ補正装置の光学式位置検出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】光学式センサの固体差や使用される温度の影響を受けることなく、高SN比、及び、高分解能で正確にブレ補正光学系の位置を検出することができるブレ補正装置の光学式位置検出装置を、製品個々で調整等の手間をかけずに、安価に提供する。
【解決手段】所定の校正位置に補正レンズ31を押し当てて、補正レンズ31の位置が判っている状態で、補正レンズ31の位置と補正レンズ位置信号Vlensとの関係を理想的な関係に近づけるように、MCU1の指示により発光部駆動回路70及び受光信号処理回路71を用いて調整を行う。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カメラ等の撮像装置、双眼鏡等に使用され、ブレを補正するブレ補正装置の光学式位置検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のブレ補正装置としては、ブレ補正光学系(以下、補正レンズとする)を撮影光軸に直交する面内で移動し、撮像面、フィルム面、又は、ファインダ内の像のブレを補正するものが知られている。
これらのブレ補正装置では、撮像装置、又は、双眼鏡等に生じた手振れによる角速度を検出し、又は、ビデオムービー等では、画像から像ブレ量を検出し、検出された手振れ量に応じて、撮影レンズの一部で構成される補正レンズを撮影光軸に直交し、かつ、互いに直交する2方向(以下、その内の1方向をX軸方向、他方向をY軸方向とする)に移動(以下、シフト移動とする)し、撮像面、フィルム面、又は、ファインダ内の像のブレを補正するものが知られている。
【0003】
図16は、銀塩一眼レフカメラの例について従来技術によるブレ補正装置をX軸方向、又は、Y軸方向の何れか1方向の断面を模式的に示した図である。
交換レンズ41は、カメラボディ40に着脱可能に装着され、フィルム43に像を結像する交換レンズである。
補正レンズ31は、レンズ30,32と共に撮影レンズを形成し、可動部材33に支持されているブレ補正光学系である。
可動部材33は、光軸42と直交する方向に補正レンズ31と共にシフト移動する部材であり、ばね34a,34bにより交換レンズ41側の部材に対して位置的に弾性的に支持されている。尚、可動部材33の別の形態として、例えば、特許文献1によれば、補正レンズ31の部材に取り付けられた滑り軸がカメラ本体の部材に対して直線的にスライドするように構成され、滑り軸に対しては、2つのコイルバネにより弾性的に中立位置付近に保持されるものがある。
このような構成の補正レンズをシフト移動する機構がこのシフト移動方向と直交する方向にもう一組構成され、光軸41に直交する平面上を所定の可動範囲内で任意に移動が可能となる。
【0004】
補正レンズ31をシフト移動する手段としては、以下の構成によって形成されるムービングコイル型のアクチュエータが使用される。
図16に示されるとおり、補正レンズ31が固定されている可動部材33には、コイル37が取り付けられている。一方、交換レンズ41側の部材には、2極に分極着磁されたマグネット39と鉄等の透磁率の高い素材で作られたヨーク38a,38bがコイル37を取り囲むように取り付けられ、一種の電磁的アクチュエータを構成している。
コイル37に電流を流すと電磁気的な力を発生し、補正レンズ31、及び、それを含む可動部材33は、光軸にほぼ直交する方向に移動する。尚、補正レンズ31のシフト可動範囲は、不図示の可動範囲制限手段によって、所定範囲に限られ、この範囲を越えて移動できないよう構成される。
【0005】
次に、補正レンズ31を略一定位置へ固定するいわゆるロック機構について説明する。
前述の補正レンズをシフト移動する機構の説明からも分かるとおり、補正レンズ31は、コイル37に通電し、補正レンズ31を制御していない限り、補正レンズ31及び可動部材33等の重みにより重力方向に落下する。したがって、このままでは、補正レンズ31は、その可動範囲の端に落下したままとなる。交換レンズ41は、補正レンズ31がその可動範囲のほぼ中央に位置する時に、光学性能が最も得られるように光学設計がなされている。したがって、ブレ補正が必要でない場合には、補正レンズを可動範囲の中央付近(光軸付近)に固定する必要があり、そのために、いわゆるロック機構が設けられている。
【0006】
図17は、補正レンズ31を可動範囲の中央付近に固定するロック機構を模式的に示した図である。
補正レンズ31が固定されている可動部材33には、通常円形のロック穴33aが開けられている。一方、交換レンズ41側の部材には、ロックピン45を配置し、補正レンズ31を中央付近にシフト移動したときに、ロック穴33aに挿入されるようになっている。以下、ロックピン45がロック穴33aに挿入されている状態を、電磁ロック状態と呼び、ロックピン45がロック穴33aから抜けている状態を、電磁ロック解除状態と呼ぶこととする。ロックピン45の駆動は、ロックソレノイド44により行われる。
ロックソレノイド44は、透磁率の高い鉄等を素材とする可動鉄心(プランジャ),電磁ロック用コイル47,吸着板46等を備え、双安定状態をもつラッチソレノイドからなる駆動部であり、動作させる瞬間だけ通電すれば、その後、通電を止めても、電磁ロック状態、電磁ロック解除状態の2状態のいずれかを保持する。電磁ロック状態と電磁ロック解除状態との切り換えは、例えば電磁ロック状態では、電磁ロックしたときとは、逆の方向に電磁ロック用コイル47に通電すると、電磁ロック解除状態に切り換わる。尚、図17では、簡単のため、ロックピン45をロックソレノイド44の可動鉄心として示しているが、このようにせずに、ロックピン45と可動鉄心とを別の部材として、これらを接続部材等を介して接続してもよい。
このような、補正レンズ31をほぼその可動範囲の中央に電磁的に固定する機構を電磁ロック機構と呼ぶこととする。
【0007】
従来のブレ補正装置において、補正レンズ31の位置を検出する装置として、光学式位置検出装置が知られている。
図18は、従来の補正レンズの位置検出装置を示す模式図である。
例えば、特許文献2によれば、図16、及び、図18に示すように、補正レンズ31を含む可動部材33には、補正レンズ31のシフト移動する方向に対してその反射率が変化する反射板36が検出板として取り付けられている。また、交換レンズ41の固定部材側には、反射型のフォトリフレクタ35が取り付けられている。フォトリフレクタ35の発光部35aから発せられた光は、反射板36によって反射し、フォトリフレクタ35の受光部35bに入射する。反射板36で反射して受光部35bに入射する光量は、補正レンズ31の位置に依存して変化するため、フォトリフレクタ35の受光部35bに入射する光量を知ることで、補正レンズ31の位置が検出される。
尚、フォトリフレクタ35の発光部35aは、電流を流すことにより赤外等の光を発するLEDが使用され、受光部35bは、入射光にほぼ比例した出力電流を得ることのできるフォトトランジスタが使用されるのが一般的である。このように構成される位置検出装置が、図16、及び、図18では、1軸のみ図示されているが、同様の構成の位置検出部がX軸方向、及び、Y軸方向にそれぞれ存在し、X軸方向、及び、Y軸方向の補正レンズ31の位置が検出される。
【0008】
ここで、フォトリフレクタ35の発光部35a、及び、受光部35bの回路について詳しく説明する。
まず、フォトリフレクタ35の発光部35aについて、その具体例を図19を用いて説明する。
図19は、従来のフォトリフレクタ35の発光部35aの駆動回路を示す図である。
発光部35aを構成するLED(発光ダイオード)60のアノードは、公知の技術を用いて一定の電圧VLEDを有する電源に接続される。一方、LED60のカソードは、可変抵抗R601に接続され、可変抵抗R601は、グラウンドに接続される。可変抵抗R601の抵抗値を調整することでLED60に流れる電流値IFを調整可能になっている。
【0009】
次に、図20を用いてフォトリフレクタ35の受光部35bの処理回路を説明する。
図20は、従来のフォトリフレクタ35の受光部35bの処理回路を示す図である。
受光部35bを構成するフォトトランジスタTR61のコレクタは、公知の技術による一定電圧VTRの電源に接続され、エミッタは、演算増幅器OP62、抵抗R602、コンデンサC651と基準電圧VREF2を備える回路により、フォトトランジスタTR61のエミッタから出力されるエミッタ電流(出力電流)ipが電圧に変換され、基準電圧VREF2を基準に補正レンズ位置信号Vlensとして出力される。尚、抵抗R602にパラレルに接続されるコンデンサC651は、フォトトランジスタTR61のエミッタ電流ipに含まれる高周波ノイズをカットするものである。
【0010】
図21は、従来のブレ補正装置において、補正レンズ31の位置に対する、フォトリフレクタ35の受光部35bから出力されるフォトリフレクタ出力電流ipの関係を示すグラフである。
図22は、従来のブレ補正装置において、補正レンズ31の位置に対する、フォトリフレクタ35の受光部35bの処理回路から出力される補正レンズ位置信号Vlensの関係を示すグラフである。
ここで、補正レンズ31の位置変化に対して反射板36の反射率を適切に変化させるよう構成し、更に、図19に示される可変抵抗R601を可変させ、LED60の駆動電流IFを適切に調整したとする。この場合、図21に示されるように、補正レンズ31がその可動範囲内でシフト移動したときに、図21の実線で示されるようにフォトトランジスタTR61のエミッタ電流ipは、ほぼリニアに変化するようになる。したがって、演算増幅器OP62から出力される補正レンズ位置信号Vlensは、図22の実線で示されるとおり、補正レンズ31の可動範囲において、ほぼ補正レンズ31の位置に応じて変化する信号として出力される。尚、図22に示される補正レンズ31の位置に対する補正レンズ位置信号Vlensの関係を示す直線を補正レンズ位置信号直線と呼ぶこととする。
【0011】
【特許文献1】
特開平4−301822号公報
【特許文献2】
特開平9−281538号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のブレ補正装置の光学式位置検出装置では、補正レンズ31の位置検出に用いられるフォトリフレクタ35の出力が安定しないという問題があった。この問題は、主に、以下に示す2つの要因により生じていた。
まず、第1に、フォトリフレクタ35の個々の感度ばらつきを要因とする出力のばらつきである。一般的にフォトリフレクタ35の感度ばらつきは、設計中心値に対して約1/2〜約2倍程度のばらつきが存在する。したがって、上述したような位置検出装置を用いたブレ補正装置では、装置個々でこの感度ばらつきを調整する必要があった。もし、この感度ばらつきを調整しないならば、例えば、図22の2点鎖線で示されるように、フォトリフレクタ35の受光回路の出力である補正レンズ位置信号Vlensは、補正レンズ31の可動範囲内でその有効ダイナミックレンジを外れて飽和してしまったり、飽和しないまでも補正レンズ31の位置に対する補正レンズ位置信号Vlensとの関係が変化してしまい、正確な補正レンズ位置の検出が不可能となったりすることがあった。また、この感度ばらつきを考慮して、発光部35aのLED60の光量を小さめにしたならば、有効ダイナミックレンジ内に収まりはするものの、補正レンズ31の位置変化に対する補正レンズ位置信号Vlensの変化量が小さくなり、S/N(SN比)、及び、検出分解能の良くない位置検出装置となってしまう。
【0013】
このように、従来の光学式位置検出装置では、発光部35aの光量を製品個々で調整する必要があった。具体的には、例えば、フォトリフレクタ35の発光部35aのLED60を図19の回路図を用いて駆動した場合、可変抵抗R601を調整し、補正レンズ31がその可動範囲の中央に位置する時に、補正レンズ位置信号Vlensがそのダイナミックレンジの中央の電圧Vlens_adj0になるよう調整する必要があった。これにより、製品個々の調整によるコストアップの問題が生じていた。
【0014】
第2に、フォトリフレクタ35の感度の温度依存性を要因とする出力のばらつきである。
上述の光学式位置検出装置が使用される製品の保証すべき使用温度範囲において、フォトリフレクタ35の感度が30%程度変動する素子がある。この場合、フォトリフレクタ35の発光部35aの光量を製品の出荷時に調整し、補正レンズ位置信号Vlensを可動範囲の中央でその有効ダイナミックレンジの中央値Vlens_adj0に合わせ込んだとしても、ユーザがその製品を使用する温度が調整された温度と大きくかけ離れたときには、フォトリフレクタ35の感度が変化し、受光部35bを構成するフォトトランジスタTR61のエミッタの電流ipが変化して、補正レンズ位置信号Vlensが大きく変化してしまう。
【0015】
例えば、調整時に図19の可変抵抗R601により図22の実線のように補正レンズ位置信号Vlensを調整しても、ユーザが使用する温度がこの調整された温度との相違が生じた場合、フォトリフレクタ35の受光部35bのフォトトランジスタTR61のエミッタ電流ipが、例えば、図21の1点鎖線のように変化して、結果的に、補正レンズ31の位置変化に対する補正レンズ位置信号Vlensの関係が変化し、例えば、図22の1点鎖線に示されるようになってしまう。補正レンズ31の位置は、補正レンズ位置信号Vlensの変化により認識されるため、補正レンズ31の位置が一定な位置にあっても補正レンズ31の位置が変わったと誤認識されてしまい、正確な補正レンズ位置の検出が不可能であった。
【0016】
また、図22からも明らかなように、補正レンズ31の位置に対する補正レンズ位置を示す直線(補正レンズ位置信号直線)は、温度変化により、その傾きが変化する。上述の光学式位置検出装置が使用されるブレ補正装置においては、検出された振れに応じて補正レンズ31をシフト移動させ、像面のブレを補正する。このため、補正レンズ位置信号直線の傾きが変化してしまうと、ブレ補正性能が大きく劣化してしまう。
【0017】
本発明の課題は、光学式センサの固体差や使用される温度の影響を受けることなく、高SN比、及び、高分解能で正確にブレ補正光学系の位置を検出することができるブレ補正装置の光学式位置検出装置を、製品個々で調整等の手間をかけずに、安価に提供することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。すなわち、請求項1の発明は、振れにより生じる像面でのブレを補正するブレ補正光学系(31)と、測定光を発光する発光部(35a)と、前記ブレ補正光学系の移動に応じ、前記発光部に対して相対的に移動する部材(33)に配置され、位置により異なる量の前記測定光を反射又は透過する検出板(36)と、前記検出板により反射した前記測定光、又は、前記検出板を透過した前記測定光を受光し、受光した光量に応じた受光量信号(ip)を出力する受光部(35b)と、前記受光量信号に処理を行い位置信号(Vlens)を出力する受光信号処理部(71)と、前記位置信号に基づいて前記ブレ補正光学系の位置を演算する位置演算部(1)と、を備えるブレ補正装置の光学式位置検出装置において、前記ブレ補正光学系の位置を所定位置(校正位置0,1,2,0’,1’,2’)に位置決めする位置決め手段(15,33b)と、前記位置演算部により得られる前記ブレ補正光学系の位置が正確な位置となる調整を、前記位置決め手段により前記ブレ補正光学系を前記所定位置に位置決めした状態で行う調整部(1)と、を備えること、を特徴とするブレ補正装置の光学式位置検出装置である。
【0019】
請求項2の発明は、請求項1に記載のブレ補正装置の光学式位置検出装置において、前記位置決め手段(15)は、前記ブレ補正光学系(31)の可動範囲を所定の範囲に制限する可動範囲制限手段と、前記可動範囲制限手段によって制限された前記可動範囲に少なくとも一箇所設けられた位置決め部(校正位置0’,1’,2’)へ前記ブレ補正光学系を駆動して当て付ける位置決め駆動部(15)と、を備えること特徴とするブレ補正装置の光学式位置検出装置である。
【0020】
請求項3の発明は、請求項1に記載のブレ補正装置の光学式位置検出装置において、前記位置決め手段(15,33b)は、前記ブレ補正光学系(31)の可動範囲の略中央付近の限定範囲に、前記ブレ補正光学系が位置するように保持する中央保持手段(33b)と、前記中央保持手段によって保持された前記限定範囲に少なくとも一箇所設けられた位置決め部(校正位置0,1,2)へ前記ブレ補正光学系を駆動して当て付ける位置決め駆動部(15)と、を備えることを特徴とするブレ補正装置の光学式位置検出装置である。
【0021】
請求項4の発明は、請求項2又は請求項3に記載のブレ補正装置の光学式位置検出装置において、前記可動範囲及び/又は前記限定範囲は、略多角形形状であり、前記位置決め部(校正位置0,1,2,0’,1’,2’)は、前記略多角形形状の隅部であること、を特徴とするブレ補正装置の光学式位置検出装置である。
【0022】
請求項5の発明は、請求項2から請求項4までのいずれか1項に記載のブレ補正装置の光学式位置検出装置において、前記位置決め駆動部(15)は、駆動前の前記ブレ補正光学系(31)の位置から最も近い位置にある前記位置決め部(校正位置0,1,2,0’,1’,2’)に、前記ブレ補正光学系を駆動して当て付けること、を特徴とするブレ補正装置の光学式位置検出装置である。
【0023】
請求項6の発明は、請求項2から請求項5までのいずれか1項に記載のブレ補正装置の光学式位置検出装置において、前記位置決め部(校正位置0,1,2,0’,1’,2’)の少なくとも1つは、装置が通常使用される姿勢における略重力方向に配置されている(校正位置0,0’)こと、を特徴とするブレ補正装置の光学式位置検出装置である。
【0024】
請求項7の発明は、請求項2から請求項6までのいずれか1項に記載のブレ補正装置の光学式位置検出装置において、前記位置決め部(校正位置0,1,2,0’,1’,2’)は、装置が通常使用される姿勢における略重力方向(校正位置0,0’)と略水平方向(校正位置1,2,1’,2’)とに配置されていること、を特徴とするブレ補正装置の光学式位置検出装置である。
【0025】
請求項8の発明は、請求項6又は請求項7に記載のブレ補正装置の光学式位置検出装置において、前記位置決め駆動部(15)は、前記ブレ補正光学系(31)を前記重力方向へ駆動し、前記位置演算部(1)による演算結果から、前記ブレ補正光学系が所定量以上移動しないことが判明した場合には、そのまま前記ブレ補正光学系を前記位置決め部(校正位置0,0’)に当て付けること、を特徴とするブレ補正装置の光学式位置検出装置である。
【0026】
請求項9の発明は、請求項6又は請求項7に記載のブレ補正装置の光学式位置検出装置において、前記位置決め駆動部(15)は、前記ブレ補正光学系(31)を前記重力方向へ駆動し、前記位置演算部(1)による演算結果から、前記ブレ補正光学系が所定量以上移動した場合には、前記ブレ補正光学系を前記略水平方向に駆動し、前記ブレ補正光学系を前記位置決め部(校正位置1,2,1’,2’)に当て付けること、を特徴とするブレ補正装置の光学式位置検出装置である。
【0027】
請求項10の発明は、請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載のブレ補正装置の光学式位置検出装置において、前記調整部(1)は、前記発光部(35a)の発光量を変更することにより、前記調整を行うこと、を特徴とするブレ補正装置の光学式位置検出装置である。
【0028】
請求項11の発明は、請求項10に記載のブレ補正装置の光学式位置検出装置において、前記調整部(1)は、前記ブレ補正光学系(31)が前記所定位置(校正位置0,1,2,0’,1’,2’)にあるときの前記受光量信号(ip)又は前記位置信号(Vlens)が、狙い値となるように前記発光部(35a)の発光量を調整するものであって、前記狙い値は、前記ブレ補正光学系の位置と、前記受光量信号又は前記位置信号と、の関係が、調整狙いである理想的関係である場合に得られる前記受光量信号又は前記位置信号であること、を特徴とするブレ補正装置の光学式位置検出装置である。
【0029】
請求項12の発明は、振れにより生じる像面でのブレを補正するブレ補正光学系(31)と、測定光を発光する発光部(35a)と、前記ブレ補正光学系の移動に応じ、前記発光部に対して相対的に移動する部材(33)に配置され、位置により異なる量の前記測定光を反射又は透過する検出板(36)と、前記検出板により反射した前記測定光、又は、前記検出板を透過した前記測定光を受光し、受光した光量に応じた受光量信号(ip)を出力する受光部(35b)と、前記受光量信号に処理を行い位置信号(Vlens)を出力する受光信号処理部(71)と、前記位置信号に基づいて前記ブレ補正光学系の位置を演算する位置演算部(1)と、を備えるブレ補正装置の光学式位置検出装置において、前記検出板による前記測定光の反射又は透過が無い場合の仮想的な前記受光量信号又は前記位置信号(Vlens00)と、前記ブレ補正光学系の位置(LR00)とにより定義される仮想原点に依存して求まり、かつ、調整狙いである理想的関係から求まる値に、前記受光量信号又は前記位置信号が略一致するように前記発光部の発光量の調整を行う調整部(1)を備えること、を特徴とするブレ補正装置の光学式位置検出装置である。
【0030】
請求項13の発明は、請求項12に記載のブレ補正装置の光学式位置検出装置において、前記仮想原点では、前記発光部(35a)が2以上の異なる発光量の発光をしたときの前記受光量信号(ip)又は前記位置信号(Vlens)と前記ブレ補正光学系の位置(LR)との関係を示す直線が交わること、を特徴とするブレ補正装置の光学式位置検出装置である。
【0031】
請求項14の発明は、請求項13に記載のブレ補正装置の光学式位置検出装置において、前記発光部(35a)が第1発光量で発光したときの前記ブレ補正光学系(31)の動きに応じた前記受光量信号(ip)又は前記位置信号(Vlens)の変化を示す第1直線と、前記発光部が前記第1発光量とは異なる第2発光量で発光したときの前記ブレ補正光学系の動きに応じた前記受光量信号又は前記位置信号の変化を示す第2直線とが前記仮想原点で交わること、を特徴とするブレ補正装置の光学式位置検出装置である。
【0032】
請求項15の発明は、請求項12から請求項14までのいずれか1項に記載のブレ補正装置の光学式位置検出装置において、前記ブレ補正光学系(31)の位置を所定位置(校正位置0,1,2,0’,1’,2’)に位置決めする位置決め手段(15,33b)を備え、前記理想的関係は、前記仮想原点と、前記ブレ補正光学系の位置を前記所定位置としたときの前記受光量信号又は前記位置信号と、に依存して求まること、を特徴とするブレ補正装置の光学式位置検出装置である。
【0033】
請求項16の発明は、請求項11から請求項15までのいずれか1項に記載のブレ補正装置の光学式位置検出装置において、前記理想的関係は、前記ブレ補正光学系(31)の可動範囲内で、前記受光量信号(ip)又は前記位置信号(Vlens)が有効ダイナミックレンジ内にあって、かつ、前記受光量信号又は前記位置信号のS/N比が高くなる関係であること、を特徴とするブレ補正装置の光学式位置検出装置である。
【0034】
請求項17の発明は、請求項11から請求項16までのいずれか1項に記載のブレ補正装置の光学式位置検出装置において、書き換え可能な不揮発性記憶手段(17)を有し、前記理想的関係に関する情報の少なくとも1つは、前記不揮発性記憶手段から読込むこと、を特徴とするブレ補正装置の光学式位置検出装置である。
【0035】
請求項18の発明は、請求項1から請求項17までのいずれか1項に記載のブレ補正装置の光学式位置検出装置において、前記位置演算部(1)は、前記ブレ補正光学系を前記所定位置(校正位置0,1,2,0’,1’,2’)に位置決めしたときの位置(LR)と、前記受光量信号(ip)又は前記位置信号(Vlens)とから求まる、前記ブレ補正光学系の位置と前記受光量信号又は前記位置信号との関係により、前記ブレ補正光学系の位置を演算すること、を特徴とするブレ補正装置の光学式位置検出装置である。
【0036】
請求項19の発明は、請求項18に記載のブレ補正装置の光学式位置検出装置において、前記ブレ補正光学系(31)の位置(LR)と前記受光量信号(ip)又は前記位置信号(Vlens)との関係は、前記ブレ補正光学系を前記所定位置(校正位置0,1,2,0’,1’,2’)に位置決めしたときの位置と、前記受光量信号又は前記位置信号とに加えて、前記検出板(36)による前記測定光の反射光又は透過光の変化直線の延長上にあって、前記検出板による前記測定光の反射又は透過が無い場合の仮想的な前記受光量信号又は前記位置信号と、前記ブレ補正光学系の位置とにより定義される仮想原点により、求まる関係であること、を特徴とするブレ補正装置の光学式位置検出装置である。
【0037】
請求項20の発明は、請求項18又は請求項19に記載のブレ補正装置の光学式位置検出装置において、書き換え可能な不揮発性記憶手段(17)を有し、前記所定位置(校正位置0,1,2,0’,1’,2’)及び/又は前記仮想原点の位置と前記仮想原点における前記受光量信号(ip)又は前記位置信号(Vlens)は、前記不揮発性記憶手段から読込むこと、を特徴とするブレ補正装置の光学式位置検出装置である。
【0038】
請求項21の発明は、請求項1から請求項20までのいずれか1項に記載のブレ補正装置の光学式位置検出装置において、前記受光部(35a)は、受光した光量に略比例した電流(ip)を前記受光量信号として出力し、前記受光信号処理部(71)は、前記受光量信号から任意の可変電流(ip1)を減算し、前記可変電流を減算した前記受光量信号を電圧に変換して出力(Vlens)すること、を特徴とするブレ補正装置の光学式位置検出装置である。
【0039】
請求項22の発明は、請求項1から請求項20までのいずれか1項に記載のブレ補正装置の光学式位置検出装置において、前記受光部(35a)は、受光した光量に略比例した電流(ip)を前記受光量信号として出力し、前記受光信号処理部(図13)は、前記受光量信号を電圧変換し、電圧変換された前記受光量信号から任意の可変電圧を減算して出力すること、を特徴とするブレ補正装置の光学式位置検出装置である。
【0040】
請求項23の発明は、請求項21又は請求項22に記載のブレ補正装置の光学式位置検出装置において、前記可変電流(ip1)又は前記可変電圧は、前記調整部(1)による前記調整を行う前後で異なる値であること、を特徴とするブレ補正装置の光学式位置検出装置である。
【0041】
請求項24の発明は、振れにより生じる像面でのブレを補正するブレ補正光学系(31)と、測定光を発光する発光部(35a)と、前記ブレ補正光学系の移動に応じて移動する部材(33)に配置され、前記ブレ補正光学系の移動に応じた量の前記測定光を反射又は透過する検出板(36)と、前記検出板により反射した前記測定光、又は、前記被測定板を透過した前記測定光を受光し、受光した光量に略比例した電流(ip)を受光量信号として出力する受光部(35b)と、前記受光量信号から任意の可変電流(ip1)を減算し、前記可変電流を減算した前記受光量信号を電圧に変換して出力する受光信号処理部(71)と、前記受光信号処理部の出力に基づいて前記ブレ補正光学系の位置を演算する位置演算部(1)と、を備えることを特徴とするブレ補正装置の光学式位置検出装置である。
【0042】
請求項25の発明は、振れにより生じる像面でのブレを補正するブレ補正光学系(31)と、測定光を発光する発光部(35a)と、前記ブレ補正光学系の移動に応じて移動する部材(33)に配置され、前記ブレ補正光学系の移動に応じた量の前記測定光を反射又は透過する検出板(36)と、前記検出板により反射した前記測定光、又は、前記被測定板を透過した前記測定光を受光し、受光した光量に略比例した電流(ip)を受光量信号として出力する受光部(35b)と、前記受光量信号を電圧変換し、電圧変換された前記受光量信号から可変可能な電圧を減算して出力する受光信号処理部(図13)と、前記受光信号処理部の出力に基づいて前記ブレ補正光学系の位置を演算する位置演算部(1)と、を備えることを特徴とするブレ補正装置の光学式位置検出装置である。
【0043】
請求項26の発明は、請求項24又は請求項25に記載のブレ補正装置の光学式位置検出装置において、前記発光部(35a)の発光量を調整する発光量調整部(1)を備えること、を特徴とするブレ補正装置の光学式位置検出装置である。
【0044】
【発明の実施の形態】
以下、図面等を参照しながら、本発明の実施の形態について、更に詳しく説明する。
本実施形態におけるブレ補正装置の光学式位置検出装置は、銀塩一眼レフカメラの交換レンズに使用される装置である。
尚、ブレ補正光学系としての補正レンズを光軸に直交する2方向に移動する手段、補正レンズの位置を検出する手段等は、従来技術において説明したものと同一であり、それ以外の従来技術と相違する部分のみを説明する。具体的には、補正レンズの位置を検出する手段は、図16,図18に示した手段を用いるものとし、補正レンズを移動する手段は、図18に示した手段を用いる。また、前述した従来技術と同様の機能を果たす部分には、同一の符号を付して説明する。
【0045】
図1は、本実施形態における電磁ロック機構を模式的に示した図である。
本発明の従来技術との差は、まず、ロック穴33bの形状にある。従来技術を示した図17では、ロック穴33aは、丸形であったが、本実施形態では、図1に示すように、四角形とした。このロック穴33aは、補正レンズ31の可動範囲の略中央付近にあって、四角形で限定される限定範囲に補正レンズ31を保持する中央保持手段となる。
本実施形態では、銀塩一眼レフカメラの交換レンズにブレ補正装置を使用しているので、カメラが使用される可能性の高い姿勢において、補正レンズ31と共に可動部材33が重力方向に移動したときに、ロックピン45の近くにロック穴33bの隅部が移動する位置に、ロック穴33bの隅部を配置している。
【0046】
具体的に説明すると、銀塩カメラ,電子スチルカメラいずれの場合であっても、撮影時におけるカメラの姿勢は、横位置(正位置)と縦位置が大部分であり、縦位置は、更に、右側が上になる場合と、左側が上になる場合とに分けることができる。すなわち、カメラが使用される可能性の高い姿勢としては、横位置姿勢,右側が上になる姿勢,左側が上になる姿勢の3姿勢を想定すればよい。
そこで、ユーザが横位置で構えた場合に対応して、図1における上方向に、ロック穴33bの四角形の隅部が位置するように配置し、縦位置に構えた場合に対応して、図1における右横と左横方向にロック穴33bの四角形の隅部が位置するように配置する。言い換えると、カメラが通常使用される姿勢(横位置)における重力方向と、水平方向に、隅部が位置するように配置している。
これにより、補正レンズ31が電磁ロックされた状態で、ユーザが通常に構えた場合、つまり、斜めに構えた場合や真上、又は、真下等の何れも希なケースを除けば、重力により補正レンズ31及び可動部材33が移動して、ロックピン45がロック穴33bの四角形の隅部のいずれかに位置し、補正レンズ31の位置が定まる。
尚、ここでは、重力方向及び水平方向として説明しているが、これは、厳密に決める必要はなく、大まかに重力方向及び水平方向であればよい。
【0047】
一方、図17に示した従来技術では、ロック穴33aは、丸形であり、隅部を有さない形状である。したがって、補正レンズ31が電磁ロックされた状態で、補正レンズ31は、ほぼ重力方向に落ち(移動し)、概略の位置は定まるが、位置的に自由度を持ち、正確な位置が定まらない。
尚、補正レンズ31を電磁ロックしようとする場合に、ロックピン45がロック穴33bに無理なく挿入されるよう、ロック穴33bの大きさは、ロックピン45の外形より大きめになっている。
【0048】
本実施形態では、従来技術と異なり、補正レンズ31が電磁ロックされているか否かを検出する手段として、フォトインタラプタ48を設けている。フォトインタラプタ48は、その発光部と受光部がロックピン47を挟むように配置されている。電磁ロック状態では、フォトインタラプタ48の発光部から投光された光がロックピン47により遮光され、フォトインタラプタ48の受光部に入射しないようになり、また、電磁ロック解除状態では、フォトインタラプタ48の発光部からの光が受光部に入射するように構成されている。よって、フォトインタラプタ48の出力である電磁ロック状態信号により、補正レンズ31が電磁ロック状態であるか電磁ロック解除状態であるかが認識可能である。
【0049】
本実施形態におけるブレ補正装置の上述した部分以外については、従来と同様の形態であり、ロック用コイル47に所定の方向の通電を行うことによりロックピン45がロック穴33bに挿入され、補正レンズ31を電磁ロックする。また、電磁ロックを行うときとは、逆の方向の通電をロック用コイル47に行うことにより、電磁ロックピン45をロック穴33bから抜き、補正レンズ31を電磁ロック解除する。
【0050】
(補正レンズの可動範囲)
図2は、図1に示される電磁ロック機構、特にロック穴33bを四角形状とした時の電磁ロック状態と、電磁ロック解除状態での補正レンズ31の可動範囲について説明する図である。図2(a)は、補正レンズ31の可動範囲を示しており、黒丸が補正レンズ31の位置を示し、X軸とY軸との交点を可動範囲の中心として示している。図2(b)は、図2(a)に示す校正位置0,2での可動部材33のロック穴33bとロックピン45との位置関係を示している。
【0051】
図2(a)の可動範囲を示す図と、図2(b)に示すロック穴33bとロックピン45との位置関係を示す図とは、一見すると似ているが、図2(b)では、ロックピン45が固定されていて、補正レンズ31及び可動部材33が移動するので、ロック穴33bの四角形状が移動するようになっている。これに対して、図2(a)では、ロック穴33bの四角形状により決まる補正レンズ31及び可動部材33の可動範囲を固定して(四角形状を固定して)示し、黒丸は、ロックピン45ではなく、補正レンズ31及び可動部材33の位置を表している。したがって、例えば、校正位置0において、図2(a)では、黒丸が四角形状の下方向(図中の下方向)にあるが、図2(b)では、ロックピン45が四角形状の上方向(図中の上方向)となっている。尚、後に説明する図8,9,10では、図2(a)と同様にして、補正レンズ31の可動範囲を示している。
【0052】
前述したように、ロック穴33bの大きさは、ロックピン45の外形より大きめになっている。したがって、補正レンズ31は、電磁ロック状態では、ロックピン45とロック穴33bの隙間分、つまり、ガタ分だけ移動可能であり、ロック穴33bの穴形状によって、補正レンズ31の可動範囲は、四角形となる。
【0053】
電磁ロック状態でユーザがカメラを横位置で構えた場合、補正レンズ31は、可動部材33と共に重力方向に落ち込み、図2(a)の黒丸(図2(b)では、実線)で示した校正位置0(校正位置の定義、詳細に関しては、後述する)に位置する。また、縦位置に構えた場合、同様に補正レンズ31は、校正位置1、又は、校正位置2(図2(b)では、破線で示す)に位置することとなる。
【0054】
一方、電磁ロック解除状態では、公知の技術を用いた可動範囲制限手段により、補正レンズ31の可動範囲を、ほぼ正八角形に制限する。本実施形態では、ユーザがカメラを横位置、又は、縦位置に構えた場合に補正レンズ31がこの八角形の8つの隅部の何れかの位置に止まるようにするため、図2(a)に示されるように、横位置及び縦位置それぞれにおける重力方向に上記隅部が配置されるように、可動範囲を設定し、校正位置0’、校正位置1’、及び、校正位置2’を配置する。
尚、電磁ロック解除状態における補正レンズ31の可動範囲は、八角形に限らず、例えば、四角形である場合には、八角形の場合と同様に、ユーザが横位置、縦位置それぞれに構えた場合に重力方向となる位置に角の部分が配置されるようにする(この時の補正レンズ31の可動範囲を図2(a)に点線で示す)。
【0055】
(電気ハードウエア)
次に、本実施形態における電気ハードウエアについて説明する。
図3は、本実施形態におけるブレ補正装置の光学式位置検出装置の電気回路ブロック図である。
尚、ブレ補正装置の光学式位置検出装置としては、X軸方向及びY軸方向それぞれに対して補正レンズ31の位置検出を行う回路が必要であるが、同様の回路、同様の動作であるため、1方向分の回路図を示し、その動作を説明する。また、各回路,素子等を動作させる電源、その他電気的な回路等が必要であるが、本発明の主意に関連しないため省略する。
本実施形態における光学式位置検出装置は、電気回路として、MCU1,補正レンズ駆動回路15,電磁ロック駆動回路16,EEPROM17,フォトインタラプタ48,発光部駆動回路70,受光信号処理回路71等を備えている。
【0056】
MCU1は、ワンチップマイクロコンピュータであり、交換レンズ41内に設けられている。MCU1は、後述の受光信号処理回路71のアナログ出力をディジタル値に変換するA/D変換器1a、受光信号処理回路71からの信号に基づき補正レンズ31の位置を演算する位置演算部、後述する調整を制御する調整部、及び、後述する時間等を計測するためのタイマ等の機能をその内部に有している。
MCU1には、補正レンズ駆動回路15,電磁ロック駆動回路16,EEPROM17,フォトインタラプタ48,発光部駆動回路70,受光信号処理回路71等が接続されており、各種信号の演算及び伝達を行っている。
【0057】
補正レンズ駆動回路15は、MCU1からの駆動回路操作信号S3により操作され、X軸とY軸の補正レンズ駆動用コイル37(X軸用の補正レンズ駆動用コイルを37a、Y軸用補正レンズ駆動用コイルを37bとする)を駆動する回路であり、ブレ補正を行うときの駆動部として機能すると共に、調整を行うときの位置決め駆動部としても機能する。
【0058】
電磁ロック駆動回路16は、MCU1からの駆動回路操作信号S4により操作され、電磁ロック用コイル33の通電を行い、ロックピン45の駆動を行う回路である。
【0059】
EEPROM17は、各種調整値等を必要な時に書き込み、及び、読み込みが可能な、書き換え可能な不揮発性記憶手段である。
【0060】
フォトインタラプタ48は、図1により説明した補正レンズ31が電磁ロックされているか否かを検出するフォトインタラプタであり、電磁ロック状態信号をMCU1に伝える。尚、フォトインタラプタ48の電源、及び、処理回路等は、公知の技術により実現し、MCU1は、フォトインタラプタ48から出力される電磁ロック状態信号により、補正レンズ31の電磁ロック状態が認識できる。
【0061】
発光部駆動回路70は、フォトリフレクタ35の発光部35a(LED11)の発光を行うと共に、発光量の調整を行うことができる回路である。
LED11は、フォトリフレクタ35の発光部35aであって、本実施形態では、LED(発光ダイオード)を使用しているので、回路の説明においては、LED11として説明する。
LED11は、トランジスタTR113,抵抗R101,演算増幅器OP111を有する公知の定電流回路により駆動される。つまり、演算増幅器OP111の+入力電圧に比例した電流IFがLED11に流れる。
D/A変換器13は、MCU1からのD/A操作信号S1によって設定されたディジタル値をアナログ値に変換し、光量調整信号Vlens_IFとして出力するD/A変換器である。演算増幅器OP111の+入力には、D/A変換器13の出力Vlens_IFが接続され、MCU1は、D/A操作信号S1によりD/A変換器13を操作し、その出力である光量調整信号Vlens_IFの電圧をほぼ任意に可変することができる。
【0062】
LED11に流れる電流値IFは、D/A変換器13の出力Vlens_IFの電圧をVIF、抵抗R101の抵抗値をR1とすると、以下に示す式(1)により与えられる。
IF≒VIF/R1 …式(1)
図4は、LED11に流れる電流値IFとD/A変換器13の出力Vlens_IFの電圧VIFとの関係の一例を示す図である。
一般的にLEDに流れる電流とLEDから出力される光量は、ほぼ比例する関係にあることが知られていて、本実施形態におけるLED11も同様に駆動電流IFにほぼ比例した光量の測定光がLED11から投光される。したがって、MCU1は、D/A操作信号S1により、LED11に流れる電流を任意に操作して、LED11の光量を任意に操作することが可能である。
【0063】
受光信号処理回路71は、フォトリフレクタ35の受光部35b(フォトトランジスタTR12)が出力する出力電流ipに処理を行い位置信号を出力する受光信号処理部である。
フォトトランジスタTR12は、フォトリフレクタ35の受光部35bであるが、本実施形態では、フォトトランジスタを使用しているので、回路の説明においては、フォトトランジスタTR12として説明する。
フォトトランジスタTR12のコレクタは、公知の技術による一定電圧VTRの電源に接続されている。フォトトランジスタTR12のエミッタは、演算増幅器OP112,抵抗R102,抵抗R103,コンデンサC151と基準電圧VREF1とを有する受光信号処理回路71により、フォトトランジスタTR12のエミッタからの出力電流ip(受光量信号)からオフセット調整信号Vlens_offsetの電圧、及び、抵抗R103の抵抗値に依存する電流ip1(可変電流)が差し引かれた電流ip2が、電圧に変換され、基準電圧VREF1を基準に補正レンズ位置信号Vlensとして出力される。
また、MCU1は、D/A操作信号S2によりD/A変換器14を操作し、オフセット調整信号Vlens_offsetとしてほぼ任意な電圧を出力させることができる。
【0064】
抵抗R102,R103の抵抗値をそれぞれR2、R3とし、D/A変換器14の出力であるオフセット調整信号Vlens_offsetの電圧をVoffset、補正レンズ位置信号Vlensの電圧をVlensとすると、以下に示す式(2)〜式(4)の関係が成り立つ。
Vlens=VREF1−ip2×R2 …式(2)
ip1=(VREF1−Voffset)/R3 …式(3)
ip=ip1+ip2 …式(4)
したがって、式(2)〜式(4)の関係から、以下の式(5)の関係が成り立つ。
Vlens=VREF1+(VREF1−Voffset)×R2/R3−ip×R2 …式(5)
【0065】
このように、補正レンズ位置信号Vlensの電圧は、オフセット調整信号Vlens_offsetの電圧に比例して、その出力電圧を減算、つまり、電圧シフトさせることができる。したがって、オフセット調整信号Vlens_offsetは、MCU1がD/A操作信号S2によりD/A変換器14を操作して変更することが可能であるから、MCU1により、補正レンズ位置信号Vlensの電圧を任意の電圧を減算、つまり、電圧シフトすることが可能である。
尚、抵抗R102にパラレルに接続されるコンデンサC151は、フォトトランジスタTR12のエミッタ電流ipに含まれる、又は、受光信号処理回路71から発生する高周波ノイズをカットするものであり、ノイズ成分が十分低ければ省略してもよい。
【0066】
(発光部駆動回路70及び受光信号処理回路71の基本的な動作)
次に、発光部駆動回路70及び受光信号処理回路71の基本的な動作について説明する。
まず、従来技術との相違、効果をより明確にするために、従来技術による動作として、図20に示す受光信号処理回路を有する場合を例に挙げて説明する。
図5は、従来技術及び本実施形態における補正レンズ位置と補正レンズ位置信号の関係を示すグラフである。
従来技術の受光信号処理回路において、補正レンズ位置信号Vlensは、基準電圧VREF2を基準として出力され、発光部35aのLED60を非発光とした場合、受光部35bのフォトトランジスタTR61のエミッタ電流ipがゼロとなり、補正レンズ31の位置に対する補正レンズ位置信号Vlensの関係(補正レンズ位置信号直線)は、図5の2重線に示されるようになる。
従来技術では、補正レンズ31が、その可動範囲の中央(この位置を補正レンズ位置=0とする)に位置している状態で、フォトトランジスタ35の発光部35aの光量を変更し、補正レンズ位置信号Vlensの有効ダイナミックレンズ内におさまるよう光量調整を行う。具体的には、図19で示される抵抗R601の抵抗値を変更し、LED60の駆動電流IFを変更する。これにより、補正レンズ位置信号Vlensは、その有効ダイナミックレンジのほぼ中央に設けられた合わせ込み電圧Vlens_adj0に調整される。
しかし、従来技術では、補正レンズ可動範囲において、補正レンズ位置信号Vlensは、ほんの少ししか電圧変化せず、有効ダイナミックレンジのほんの一部しか使用されていない。
【0067】
これに対して、本実施形態による受光信号処理回路71によれば、式(2)〜式(5)に示すように、オフセット調整信号Vlens_offsetの電圧を変更することで補正レンズ位置信号Vlensの電圧をシフトさせることができる。
これを、図5を用いて更に詳しく説明する。
オフセット調整信号Vlens_offsetの電圧を受光信号処理回路71の基準となる基準電圧VREF1と同一とした場合、電流ip1は、ゼロとなり、図20に示される従来技術による受光信号処理回路と動作が同一となる。したがって、この場合、補正レンズ位置信号Vlensは、本回路の基準電圧VREF1を基準として出力され、発光部35aのLED11を非発光とした場合、フォトトランジスタTR12のエミッタ電流ipがゼロとなり、補正レンズ31の位置に対する補正レンズ位置信号Vlensの関係は、図5の2重線に示されるようになる(図5では、従来技術と比較するため、本発明による図3に示される受光信号処理回路71の基準電圧VREF1と従来技術における図20の受光信号処理回路の基準電圧VREF2が同一としている)。
【0068】
この状態で、オフセット調整信号Vlens_offsetを変更した場合を考える。フォトトランジスタTR12のエミッタ電流ip=0であるから、式(5)より、この時の補正レンズ位置信号Vlensの電圧をVlens00とすると、この電圧は、以下の式(6)で与えられる。
Vlens00=VREF1+(VREF1−Voffset)×R2/R3…式(6)
オフセット調整信号Vlens_offsetの電圧を基準電圧VREF1より低い電圧としたならば、図5の2点鎖線で示されるように補正レンズ位置信号Vlensは、従来技術による図5の2重線で示される出力電圧VREF2(=VREF1)より高い電圧が出力される(実際には、図5の例では、補正レンズ位置信号Vlensの出力の有効ダイナミックレンジを越えて飽和してしまうため、あくまでも仮想的な電圧である)。
【0069】
次に、補正レンズ31がその可動範囲の中央、つまり、補正レンズ位置=0に位置している状態で、フォトトランジスタ35の発光部35aの光量を変更し、補正レンズ位置信号Vlensの有効ダイナミックレンズ内におさまるように光量調整を行う。具体的には、MCU1がD/A変換器13をD/A操作信号S1により操作し、D/A変換器の光量調整信号Vlens_IFを変更して、LED11の駆動電流IFを変更する。
このようにして、補正レンズ位置信号Vlensは、その有効ダイナミックレンジのほぼ中央に設けられた合わせ込み電圧Vlens_adj0に調整される。この光量調整後の補正レンズ位置に対する補正レンズ位置信号Vlensの関係を図5の実線で示す。
【0070】
上述のように、本実施形態によれば、オフセット調整信号Vlens_offsetを適宜調整し、その状態で補正レンズ位置が所定の位置に位置する状態で、補正レンズ位置信号Vlensが所定の電圧になるよう発光部の光量を調整することにより、補正レンズ31の可能範囲内で、補正レンズ位置信号Vlensのダイナミックレンジを十分有効に使用することが可能となる。したがって、従来技術における補正レンズ位置信号VlensのS/Nの問題が解決できる。尚、オフセット調整信号Vlensの電圧は、フォトリフレクタ35の発光部35bの光量を調整した場合に、補正レンズ位置信号直線が、補正レンズ31の可動範囲においてその有効ダイナミックレンジ内におさまり、かつ、極力、その傾きが急峻となり、補正レンズ位置の変化に対して補正レンズ位置信号Vlensの大きな変化が得られるように設定する。
【0071】
以上、説明したように、従来技術の問題であったフォトリフレクタ35の個々の感度ばらつき、及び、温度変化による感度変化は、受光信号処理回路71とMCU1による操作信号S1により調整される。また、詳細な具体例については、後述するが、MCU1がD/A操作信号S1によりD/A変換器13を操作し、MCU1により自動的に光量調整が可能となるので、製品個々で調整する必要がなくなる。
【0072】
(光学式位置検出装置の校正動作)
以上説明したように、本実施形態によれば、フォトリフレクタ35の感度ばらつき、感度温度依存性による補正レンズ位置信号Vlensの電圧を調整することが可能である。
しかし、フォトリフレクタ35の発光部35aの光量を調整し、正しい補正レンズ位置信号Vlensを得るためには、補正レンズ31の位置が正確に判かっている状態で調整を行う必要がある。しかし、前述したように、補正レンズ31がどこに存在するのか正確に知ることができない。例えば、補正レンズ31が電磁ロック解除状態である場合、補正レンズ31は、その可動範囲内のどこにあるのかが特定できない。よって、補正レンズ31が電磁ロック状態されていたとしてもその可動範囲は、狭められるもののロック穴33aとロックピン45とのガタ内のどこにいるのかが特定できない。この状態で前述のようにフォトリフレクタ35の発光部35aの光量を調整し、補正レンズ位置信号Vlensを所定電圧に調整できたとしても検出される補正レンズ31の位置は、この狙いとする位置(上記の例では、可動中心位置)に対する実際の補正レンズ31の位置分だけ誤差を生じてしまう。
【0073】
そこで、本発明では、補正レンズ31を特定の位置に位置決めし、その特定位置において、フォトリフレクタ35の光量を調整する等、正確な補正レンズ位置を検出するために、各種調整動作を組合わせて、光学式位置検出装置の校正動作を行う。
具体的には、校正動作1:仮光量調整,校正動作2:補正レンズの位置決め,校正動作3:オフセット調整と光量調整,校正動作4:光量調整誤差補正動作を行い、光学式位置検出装置の校正動作とする。
尚、これら一連の校正動作は、ユーザがカメラの電源を入れた直後又はブレ補正を行うモードにした直後に行われるので、撮影直前の温度条件等を加味した調整となる。
【0074】
(光学式位置検出装置の校正動作の概要)
各校正動作を詳細に説明する前に、これらの動作の概要について説明する。
校正動作1:光量仮調整では、補正レンズ31がどこの位置に存在するかが特定できない状態で、フォトリフレクタ35の発光部35aの光量を仮調整し、補正レンズ31がどの位置に位置していても、また、その後、補正レンズ31をその可動範囲のどこに駆動しても補正レンズ位置信号Vlensが飽和しないようにする。
校正動作2:補正レンズの位置決めでは、現在の補正レンズ31の位置に最も近い校正位置に補正レンズ31を駆動して、位置決めする。
校正動作3:オフセット調整と光量調整では、駆動された校正位置に応じてフォトリフレクタ35の発光部35aの光量を調整し、光量調整後に残る光量調整誤差の影響を排除するため、補正レンズ位置信号Vlens電圧等を基に補正レンズ位置を校正し、補正レンズ31の位置を正確に検出可能な状態にする。
校正動作4:誤差補正では、補正レンズ位置の検出誤差を補正し、更に正確な補正レンズ31の位置検出を可能にする。
以下、これら各校正動作について、詳細に説明する。
【0075】
(校正動作1:光量仮調整)
光量仮調整では、補正レンズ31が可動中心に位置するものと仮定して、補正レンズ31がどこの位置にあったとしても、また、この光量仮調整後、補正レンズ31をどの位置に駆動しても補正レンズ位置信号Vlensがその有効ダイナミックレンジ内におさまり、飽和しないように光量を低めに調整する。
図6は、本実施形態における光量仮調整のタイミングチャートである。
図7は、本実施形態における補正レンズ位置と補正レンズ位置信号との関係を示すグラフである。
【0076】
まず、現時点で、発光部35aの駆動回路の光量調整信号Vlens_IF、及び、受光部35bの処理回路のオフセット調整信号Vlens_offsetは、以下に示す式(7)、式(8)で示される電圧となっているものとする。
Vlens_IF=VIF0 …式(7)
Vlens_offset=Voffset0 …式(8)
ここで、例えば、VIF0=0、Voffset0=0である。MCU1は、少なくとも光量仮調整動作の前に、D/A操作信号S1、及び、D/A操作信号S2により、D/A変換器13、及び、D/A変換器14を操作し、光量調整信号Vlens_IF、及び、オフセット調整信号Vlens_offsetを式(7)、及び、式(8)の電圧に設定する。本状態では、図6に示されるとおり、補正レンズ位置信号Vlensは、飽和した状態にある。
【0077】
次に、MCU1は、D/A操作信号S2により、D/A変換器14を操作し、オフセット調整信号Vlens_offsetを以下に示す式(9)のように、受光部35bの処理回路の基準電圧VREF1にする(図6のタイミングt1に相当する)。
Vlens_offset=VREF1 …式(9)
これにより、図6、及び、図7に示されるとおり、補正レンズ位置信号Vlensは、その有効ダイナミックレンジ内の電圧でほぼ受光部35b処理回路の基準電圧VREF1となる。
【0078】
次に、少なくともタイミングt1においてオフセット調整信号Vlens_offsetを変更してから、補正レンズ位置信号Vlensが安定するまでの時間TIF_adj0経過後のタイミングt2において、光量調整信号Vlens_IFを変更することで、発光部34aの光量を調整し、補正レンズ位置信号Vlensがその有効ダイナミックレンジ範囲内のほぼ中央に設けられた所定の合わせ込み電圧Vlens_adj0になるように合わせ込む。
具体的には、MCU1は、D/A操作信号S1によりD/A変換器13を操作し、所定間隔TIF_adj1毎に補正レンズ位置信号Vlensが合わせ込み電圧Vlens_adj0に対して高いか低いかにより、光量調整信号Vlens_IFを徐々に変更して行く(図6のタイミングt2〜タイミングt5に相当する)。
【0079】
分かり易く説明するため、今、D/A変換器13として分解能8ビット型のD/A変換器を用いるものとして説明を続ける。
具体的には、第n番目の光量調整信号Vlens_IFの電圧をVIFn(n=1,2,3‥‥,8)とすると、以下に示す式(10)で示される電圧に変更し、徐々に補正レンズ位置信号Vlensを合わせ込み電圧Vlens_adj0に合わせ込む。
VIFn=VIFn−1±VREF_DA/(2) …式(10)
ここで、VIFn−1は、1回前の光量調整信号Vlens_IFの電圧であり、n=1の場合、VIFn−1は、VIF0である。また、VREF_DAは、D/A変換器13の基準電圧であり、式(10)の±符号は、補正レンズ位置信号Vlensが、合わせ込み電圧Vlens_adj0より高い場合に+とし、それ以外の場合に−とする。この動作を、n=8となるまで繰り返す。
【0080】
上記調整の動作を、図6に沿って説明する。
MCU1は、タイミングt1においてD/A操作信号S2によりD/A変換器14を操作し、オフセット調整信号Vlens_offsetを基準電圧VREF1としてから、少なくとも補正レンズ位置信号Vlensの出力電圧が安定するまでの時間TIF_adj0経過したタイミングt2において、補正レンズ位置信号Vlensを、MCU1の内部に内蔵するA/D変換器1aにより検出し、合わせ込み電圧Vlens_adj0に対して高いか否かを判定する。図6に示される例では、補正レンズ位置信号Vlensは、合わせ込み電圧Vlens_adj0より高いため、光量調整信号Vlens_IFを式(10)の±符号を+として算出し、D/A操作信号S1によりD/A変換器13を操作し、算出された電圧VIF1を光量調整信号Vlens_IFから出力する。
【0081】
次に、MCU1は、タイミングt2において、光量調整信号Vlens_IFを変更してから、少なくとも補正レンズ位置信号Vlensの出力電圧が安定するまでの時間TIF_adj1経過したタイミングt3において、補正レンズ位置信号Vlensを、MCU1の内部に内蔵するA/D変換器1aにより検出し、合わせ込み電圧Vlens_adj0に対して高いか否かを判定する。図6に示される例では、補正レンズ位置信号Vlensは、合わせ込み電圧Vlens_adj0より高いため、光量調整信号Vlens_IFを式(10)の±符号を+として算出し、D/A操作信号S1によりD/A変換器13を操作し、算出された電圧VIF2を光量調整信号Vlens_IFから出力する。
【0082】
更に、MCU1は、タイミングt3において光量調整信号Vlens_IFを変更してから、少なくとも補正レンズ位置信号Vlensの出力電圧が安定するまでの時間TIF_adj1経過したタイミングt4において、補正レンズ位置信号Vlensを、MCU1の内部に内蔵するA/D変換器1aにより検出し、合わせ込み電圧Vlens_adj0に対して高いか否かを判定する。図6に示される例では、補正レンズ位置信号Vlensは、合わせ込み電圧Vlens_adj0より高くないため、光量調整信号Vlens_IFを式(10)の±符号を−として算出し、D/A操作信号S1によりD/A変換器13を操作し、算出された電圧VIF3を光量調整信号Vlens_IFから出力する。
【0083】
以上の動作をn=8(図6では、n=8となるタイミングがt5に相当する)となるまで繰り返すことで、補正レンズ位置信号Vlensは、徐々に合わせ込み電圧Vlens_adj0に合わせ込まれて行く。
【0084】
このようにして合わせ込まれた補正レンズ位置信号Vlensと補正レンズ31の位置との関係を、図7を参照して説明する。
前述の光量仮調整動作を補正レンズ31がその可動中心位置(図7中の点aに相当)に位置しているときに行った場合には、実線のように、また、補正レンズ31がその可動範囲の右端(図7の点bに相当)に位置しているときに行った場合には、一点鎖線のように、更に、補正レンズ31がその可動範囲の左端(図7の点cに相当)に位置しているときに行った場合には、二点鎖線のようになる。何れの場合であっても、補正レンズ31の可動範囲内で補正レンズ位置信号Vlensは、その有効ダイナミックレンジ内におさまる。
【0085】
以上説明した光量仮調整の動作によって、光量が仮調整された後の補正レンズ31の位置(これをLRとする)は、補正レンズ31の可動範囲の中央を0とした場合、以下に示す式(11)により算出される。
LR=Kγ×(Vlens−Vlens_adj0) …式(11)
ここで、Kγは、補正レンズ位置信号直線の傾きの逆数に相当するもので、以下に示す式(12)によって算出する。
Kγ=(0−LR00)/(Vlens_adj0−VREF1) …式(12)
【0086】
ここで、式(12)におけるLR00、及び、Vlens00について説明する。図7における点Aに相当する点(仮想原点)は、図7の補正レンズ位置信号直線の延長線上に位置する点であって、仮想的に受光部35bのフォトトランジスタTR12のエミッタ電流ipがゼロとなる補正レンズ位置であり、その時の補正レンズ位置信号Vlens電圧である。また、発光部35aの光量を変化させても補正レンズ位置信号直線は、常にこの点Aと交わるようになる点である。この点を以降、補正レンズ位置の仮想原点と呼ぶこととする。したがって、式(12)のLR00,及び、Vlens00は、この仮想原点の補正レンズ位置、及び、補正レンズ位置信号Vlens電圧を示し、式(12)は、図7の実線で示される補正レンズ位置算出直線の傾きの逆数を、仮想原点(点A)と点aの座標を基に算出したものである。
このLR00,及び、Vlens00は、反射板36の貼り合わせ位置の誤差により変化し、また、受光信号処理回路71の素子の特性、例えば、演算増幅器OP112のオフセット電圧、オフセット電流、又は、基準電圧VREF1のばらつき等でカメラ毎に変化するため、調整値として、予めEEPROM17に書き込んでおくものとする。したがって、MCU1は、この調整値であるLR00、及び、Vlens00をEEPROM17から読み込んで使用する。
【0087】
尚、光量仮調整動作時の補正レンズ31がどの位置に位置しているかが不明である。したがって、式(11),式(12)で算出さえる補正レンズ位置LRは、あくまでも補正レンズ31が、0、つまり、その可動範囲中央に位置する状態で光量仮調整した場合には、正確に算出されるが、図7からも明らかなように、補正レンズ31が可動中心からずれた位置で光量仮調整が行われると、ずれた分だけ算出される誤差が大きくなる。
後述する補正レンズ31の最寄りの校正位置への駆動動作によって、式(11),式(12)を用いて補正レンズ位置LRを算出するが、この時、正確な補正レンズ位置を必要としないため、問題はない。
【0088】
(校正動作2:補正レンズの位置決め)
次に、補正レンズ31の位置決め動作を行うが、この動作を説明する前に、補正レンズ31を位置決めする所定の位置決め部について説明する。以下、この位置決め部のことをこの位置において校正を行うことから校正位置と呼ぶこととする。
校正位置については、既に示した図2に表されている。図2における補正レンズ位置31の座標は、本実施形態のカメラをユーザが横位置に構えた場合に垂直上方向となる方向をY軸+、ユーザの右手で操作する側に配置されているレリーズ釦(不図示)を上に向けて縦位置に構えた場合に上となる方向をX軸+として定義した。
【0089】
校正位置は、以下のような考え方から決める。本実施形態のカメラをユーザが使用する場合を想定し、ユーザが通常に構えた場合、補正レンズ31が最も存在する確率の高い位置を校正位置とする。
まず、補正レンズ31が電磁ロック状態にある場合には、ユーザがカメラを横位置で構えた場合を想定し、補正レンズ31は、重力方向に落下しているとして、電磁ロック状態での可動範囲の一角の重力方向とし、この位置を校正位置0とする。また、ユーザが縦位置に構えた場合も想定するが、この場合には、レリーズ釦側を上に構えるか下に構えるか2通り考えられるため、それぞれの重力のかかる方向に対して図2に示されるとおり、校正位置1、及び、校正位置2を定義する。尚、ユーザが天地逆さまにカメラを構えることは、可能性が低いとして、ここでは、校正位置を設けないものとするが、必要であればその場合に重力方向となる補正レンズ31の可動範囲の最後の一角を校正位置として追加してもよい。
【0090】
一方、電磁ロック解除状状態では、補正レンズ31の可動範囲がほぼ正八角形に制限された場合、ユーザがカメラを横位置、又は、縦位置に構えた場合に補正レンズ31がこの八角形の各角の位置に位置するよう、図2に示されるように可動範囲を配置し、校正位置0’、校正位置1’、及び、校正位置2’を配置する。また、補正レンズ31が電磁ロック解除状態である場合の補正レンズ31の可能範囲が、四角形である場合には、八角形の場合と同様に、ユーザが横位置、縦位置それぞれに構えた場合に重力方向となる位置に角の部分が配置されるようにする(この場合の補正レンズ31の可動範囲を図2に点線で示す)。
【0091】
さて、校正動作1(光量仮調整)を終えた段階では、補正レンズ31がどこの位置にあるかが不明である。そこで、以下に説明する校正動作2(補正レンズの位置決め動作)を行い、補正レンズ31を前述のように定義した6つの校正位置の内、最寄りの校正位置に駆動して位置決めし、補正レンズ31の位置を確定する。
【0092】
一般的に、ユーザがカメラを構える場合、横位置に構える場合が最も多い。したがって、本実施形態においても、最初の動作は、ユーザがカメラを横位置に構えているものと仮定した動作を行う。このように仮定する場合、最寄りの校正位置は、校正位置0、又は、校正位置0’であり、その方向に補正レンズ31を駆動する。具体的には、横位置に構えた場合に重力方向となる方向(=Y軸−方向)に補正レンズ31を駆動して、補正レンズ31がその可動範囲の端部に即座に停止するかを確認する。
ユーザが横位置に構えていれば補正レンズ31は、重力によって落下する方向、つまり、Y軸−方向にあり、補正レンズ31は、校正位置0、又は、校正位置0’付近に位置しているはずである。よって、ほぼ即座に停止すれば、そのときの最寄りの校正位置は、校正位置0、又は、校正位置0’であり、この位置への押し付け動作が完了したとする。
【0093】
もし、補正レンズ31が停止しなければ、具体的には、所定量以上移動した場合には、ユーザは、本カメラを縦位置に構えているものと仮定をし直す。この場合、最寄りの校正位置は、校正位置1、校正位置1’、又は、校正位置2、校正位置2’であり、その方向に補正レンズを駆動する。具体的には、その前のY軸に駆動した時の補正レンズ31のX軸方向に移動した方向により、重力のかかっている方向を認識し、重力のかかっている方向にX軸を駆動して、可動範囲の端に押し付ける。
【0094】
この動作を、図8及び図9を参照して更に詳しく説明する。
図8は、本実施形態における補正レンズ31の位置決め動作を示す模式図である。図8では、補正レンズ31が電磁ロック状態にあるとき、ユーザがカメラを縦位置に構えた場合の一例を示しており、電磁ロック状態での補正レンズ31の可動範囲を太実線で示し、補正レンズ31の位置を黒丸で示している。
まず、最初に最寄りの校正位置が校正位置0であると仮定し、補正レンズ31をY軸−方向に駆動する(図8(a)に相当する)が、補正レンズ31がY軸方向に大きく移動した(図8の(b)に相当する)ため、最寄りの校正位置は、校正位置0ではない(横位置に構えていない)と判断する。
次に、X軸方向に駆動する方向を変える。駆動する向きは、図8(a)の状態から図8(b)の状態までの間にY軸方向に駆動したときのX軸方向へ移動した向きから判断する。この例の場合、X軸+方向に補正レンズ31が移動したので、その移動した向きとは逆向き、つまり、X軸−方向が重力方向である。したがって、この場合、その方向にある校正位置1が最寄りの校正位置であるとして、X軸−方向に補正レンズ31を駆動(図8の(c)に相当する)し、補正レンズ31が校正位置1に押し付けられる(図8の(d)に相当する)。
【0095】
図9は、本実施形態における補正レンズを最寄りの校正位置へ駆動する動作を示すタイミングチャートである。図9では、カメラを横位置で構えた場合の動作の1例を破線で示し、縦位置に構えた場合の例を実線で示している。
MCU1は、タイミングt11において、駆動回路操作信号S3により補正レンズ駆動回路15を操作し、Y軸の補正レンズ駆動用コイル37bを駆動する。この時、X軸の補正レンズ駆動用コイル37aは、非通電とする。
具体的には、前述の光量仮調整動作により検出可能となったY軸の補正レンズ位置LRをモニタしつつ、Y軸の補正レンズ駆動用コイル37bを通電し、補正レンズ31がY軸−方向へ移動するように、公知の技術により制御を行う。
【0096】
次に、MCU1は、タイミングt11においてY軸の補正レンズ31の制御を開始してから少なくともその制御が安定するまでの所定時間TLRadj1を経過したタイミングt12から、補正レンズ31がその可動範囲の端にぶつかって停止したか否か、及び、補正レンズ31が所定量以上移動したか否かを判定する。
具体的には、MCU1は、式(11)、及び、式(12)に示される数式により算出された補正レンズ31のY軸の位置LR(Y)を、以下に示す式(13)により微分演算し、補正レンズ31のY軸の補正レンズ速度VR(Y)を算出する。又は、補正レンズ31のY軸の位置LR(Y)の所定時間の変化量としてY軸の補正レンズ速度VR(Y)を算出してもよい。
VR(Y)=dLR(Y)/dt …式(13)
【0097】
MCU1で行われる前述の補正レンズ31がその可動範囲の端にぶつかって停止したか否かの判定は、このようにして算出されたY軸の補正レンズ速度VR(Y)が、又は、補正レンズ速度VR(Y)の絶対値が所定値VRadjth0以下であるか否かにより判定する。補正レンズ31が可動範囲の端にぶつかって停止すれば、補正レンズ速度VR(Y)は、ほぼゼロとなるはずであり、このことから判定することができる。
【0098】
また、MCU1で行われる補正レンズ31が所定量以上移動したか否かの判定は、前述のタイミングt11において補正レンズ31をY軸−方向に駆動を開始する直前のY軸の補正レンズ位置LR(Y)を保持し、この位置をLR1(Y)とし、このLR1(Y)を基準に現在のY軸の補正レンズ位置LR(Y)が所定値LRadjth0以上離れた位置にあるかにより行う。
【0099】
ユーザがカメラを横位置に構えた場合、補正レンズ31は、重力により校正位置0、又は、校正位置0’近辺に落ちた状態にあり、図9の例(点線で示す例)では、前述のMCU1の動作により、タイミングt13において補正レンズ31の可動範囲の端に押し付けられてぶつかり、ほぼ停止する。したがって、Y軸の補正レンズ速度VR(Y)がほぼゼロ近辺となる。よって、Y軸の補正レンズ速度VR(Y)の絶対値が所定値VRadjth0以下となり、補正レンズ31が可動範囲の端にぶつかって停止したと判断される。このようにして、補正レンズ31の校正位置0、又は、校正位置0’への駆動が完了し、本補正レンズの最寄りの校正位置への駆動動作を終了する。
また、MCU1は、フォトインタラプタ48からの電磁ロック状態信号により、補正レンズ31が電磁ロックされているか否かを認識し、押し付けている校正位置が、校正位置0であるのか校正位置0’であるのかを認識する。
【0100】
次に、ユーザが本カメラを縦位置に構えた場合には、補正レンズ31は、本動作前には、重力により校正位置1,校正位置1’、又は、校正位置2,校正位置2’の近辺にある。前述のMCU1の動作によって補正レンズ31をY軸−方向に駆動をすると、横位置に構えた場合とは異なり、すぐには、可動範囲の端にぶつからない。したがって、前述したMCU1による補正レンズ31が所定量以上移動したか否かの判定により、Y軸の補正レンズ位置LR(Y)が所定量LRadjth0以上移動したと判定される。
【0101】
尚、所定値LRadjth0は、ユーザが本カメラを横位置に構えた場合であって、補正レンズをY軸−方向に駆動したときに、校正位置0、又は、校正位置0近辺に位置する補正レンズ31がY軸方向に移動量する量よりは、大きく設定する。
また、所定値LRadjth0は、縦位置に構えた場合であって、補正レンズをY軸−に駆動したときに、校正位置1,校正位置1、又は、校正位置2,校正位置2’近辺に位置する補正レンズ31がY軸方向に移動量する量よりは、小さく設定する。
【0102】
図9の実線で示される例では、タイミングt14において、補正レンズ31が、本動作前のY軸の位置LR1(Y)に対して所定量LRadjth0以上移動し、タイミングt14においてMCU1にそれが認識される。この場合、補正レンズ31の最寄りの校正位置は、校正位置0,校正位置0’ではない。つまり、ユーザが横位置に構えていないとして、次に、タイミングt15からは、Y軸の補正レンズの駆動を停止して、X軸の駆動を開始する。具体的には、以下のとおりである。
MCU1は、タイミングt15において、駆動回路操作信号S3により補正レンズ駆動回路15を操作し、Y軸の補正レンズ駆動用コイル37bを駆動する。つまり、前述の光量仮調整動作により検出可能となったX軸の補正レンズ位置LRをモニタしつつ、X軸の補正レンズ駆動用コイル37aを通電し、補正レンズ31を公知の技術によりX軸の後述する方向へ移動するように制御する。また、このとき、X軸の補正レンズ駆動用コイル37aは、非通電とする。
【0103】
補正レンズ31のX軸の駆動方向は、以下のような方法によって決定する。補正レンズ31が校正位置1、又は、校正位置1’近辺にあり、つまり、その方向が重力方向ならば、タイミングt11からタイミングt15の間に補正レンズ31は、その可動範囲の形状からX軸方向の+方向に移動するはずである。また、これとは逆に、補正レンズ31が校正位置2、又は、校正位置2’近辺にあり、つまり、その方向が重力方向ならば、タイミングt11からタイミングt15の間に補正レンズ31は、その可動範囲の形状からX軸方向の−方向に移動するはずである。したがって、MCU1は、タイミングt11においてY軸の駆動を開始する直前のX軸の補正レンズ位置LR(X)を保持しておき、これをLR1(X)とすると、この位置を基準として、タイミングt15においてY軸の駆動を停止する直前のX軸の補正レンズ位置LR(X)(これをLR2(X)とする)から、補正レンズ31がX軸のどちらの方向に移動したかにより補正レンズ31の駆動方向を決定する。
具体的には、MCU1は、LR1(X)を基準にLR2(X)がX軸の+方向に移動したならば、最寄りの校正位置は、校正位置1、又は、校正位置1’であるとして、その校正位置の方向、つまり、X軸の−方向に補正レンズ31を駆動する。逆に、LR1(X)を基準にLR2(X)がX軸の−方向に移動したならば、最寄りの校正位置は、校正位置2、又は、校正位置2’であるとして、その校正位置の方向、つまり、X軸の+方向に補正レンズ31を駆動する。
【0104】
次に、MCU1は、タイミングt15において、X軸の補正レンズ31の制御を開始してから少なくともその制御が安定するまでの所定時間TLRadj1を経過したタイミングt16からは、補正レンズ31がその可動範囲の端にぶつかって停止したか否かを、前述のタイミングt12からの動作と同様の方法により判定する。
つまり、MCU1は、算出された補正レンズ31のX軸の位置LR(X)を式(13)に示されるように微分演算し、又は、補正レンズ31のX軸の位置LR(X)の所定時間の変化量としてX軸の補正レンズ速度VR(X)を算出し、X軸の補正レンズ速度VR(X)が、又は、補正レンズ速度VR(X)の絶対値が所定値VRadjth0以下であるか否かにより、補正レンズ31がその可動範囲の端にぶつかって停止したか否かを判定する。
補正レンズ31が可動範囲の端にぶつかって停止すれば、補正レンズ速度VR(X)は、ほぼゼロとなるはずであり、本判定は、このことから判定を行う。
【0105】
図9において、実線で示される例では、タイミングt17において補正レンズ31の可動範囲の端に押し付けられてぶつかり、ほぼ停止し、したがって、X軸の補正レンズ速度VR(X)がほぼゼロ近辺となる。これにより、Y軸の補正レンズ速度VR(Y)の絶対値が所定値VRadjth0以下となり、補正レンズ31が可動範囲の端にぶつかって停止したと判断される。これにより、補正レンズ31の校正位置1,校正位置1’、又は、校正位置2,校正位置2’への駆動が完了し、本補正レンズの最寄りの校正位置への駆動動作を終了する。
【0106】
また、MCU1は、補正レンズ31をX軸方向で押し付けている向きから、校正位置が校正位置1,校正位置1’であるのか、校正位置2,校正位置2’であるかを認識する。更に、MCU1は、フォトインタラプタ48からの電磁ロック状態信号により、補正レンズ31が電磁ロックされているか否かを認識し、押し付けている校正位置が、校正位置1か校正位置1’か、又は、校正位置2か校正位置2’かを認識する。したがって、押し付けている校正位置が6つの内の何れであるのかを確定することができる。
【0107】
尚、上記例では、ユーザが横位置、又は、縦位置でカメラを構えた場合を想定したが、希な例として、ユーザがカメラを天地逆、又は、上向き、下向きに構えた場合等、補正レンズ31が6つ設定した校正位置のどこの位置近辺にも位置しない場合が有り得る。しかし、この場合にも、前述の方法によれば、補正レンズ31は、必ず、6つある校正位置の内、どれか1つの位置に押しつけ駆動され、位置決めされる。
【0108】
以上のように、補正レンズ31を最寄りの校正位置へ駆動する動作により、補正レンズ31は、何れかの校正位置へ押しつけ駆動が完了する。本動作により、補正レンズ31がこの所定の位置である校正位置へ正確に位置決めがなされる。加えて、この校正位置は、補正レンズ31の可動範囲の角に配置したことにより、補正レンズ31の位置決め精度は、より高精度なものとなっている。
【0109】
以上の動作では、補正レンズ31を駆動するので、補正レンズ31が若干移動し、カメラのファインダ像が移動する場合が生じるが、この量は、微量である。つまり、ユーザが横位置にて構えた場合、補正レンズ31は、校正位置0,又は、校正位置0’近辺の可動範囲の端に落ちた状態にあり、補正レンズ31の最寄りの位置への駆動動作により補正レンズ31が移動する量は、微量である。また、ユーザが縦位置に構えた場合、補正レンズ31が所定以上移動したかの移動量の判定値LRadjth0を必要最小限に抑えれば、ユーザがファインダで違和感を与えない程度に抑えることができる。ユーザがカメラを天地逆、又は、上向き、下向きに構えた場合には、ファインダで認識できる程、補正レンズ31が移動するが、これは、希なケースである。
【0110】
(校正動作3:オフセット調整と光量調整)
次に、補正レンズ31が校正位置に位置決めされた状態で行われるフォトリフレクタ35の発光部35aの光量調整動作について述べる。
ここでは、補正レンズ31を押し付け、位置決めしている校正位置に応じて算出される光量値にフォトリフレクタ35の発光部35aを調整する。
先に説明したように、受光信号処理回路71を用いれば、オフセット調整信号Vlens_offsetの電圧を適切に設定し、その状態で補正レンズ31が既知の位置、具体例として補正レンズ31がその可動中心位置に位置する場合にフォトリフレクタ35の発光部35aの光量を調整したならば、補正レンズ位置信号Vlensは、その有効ダイナミックレンジを十分有効に使用されるようになる。
しかし、本実施形態では、補正レンズ31を可動中心位置に位置決めすることができない。
そこで、本実施形態では、可動中心位置に位置決めする代わりに、6つ設定した校正位置に位置決めして、校正を行う。
【0111】
図10は、補正レンズ31の位置決めされた校正位置と理想的な光量調整直線との関係を示す図である。
補正レンズ31が移動可能な範囲(電磁ロック解除状態での補正レンズ31の可動範囲)で移動した場合に、補正レンズ位置信号Vlensがその有効ダイナミックレンジを十分有効に使用するようにオフセット調整信号Vlens_offset電圧を決定する。具体的には、図10に示されるとおり、補正レンズ位置LRがその移動可能な範囲、つまり、可動範囲において補正レンズ位置信号Vlensが少なくともその有効ダイナミックレンジ内におさまり、かつ、その傾きが極力大きくなるような理想的関係となる光量調整理想直線を設定する。
【0112】
図10の例では、補正レンズ31の可動中心(補正レンズ位置LR=0の位置)において補正レンズ位置信号Vlensがその有効ダイナミックレンジ中央に設けられた所定の合わせ込み電圧Vlens_adj0を通り、補正レンズ31の可動範囲において、有効ダイナミックレンジのほぼ全領域を使用するように光量調整理想直線を決定した。図10には、この決定された光量調整理想直線が実線で示されている。
【0113】
この光量調整理想直線になるように、オフセット調整信号Vlens_offsetを決定する。反射板36の貼り合わせ誤差等がなく、補正レンズ位置検出の機構が理想的(設計称呼値)に出来上がっていれば、図10の黒丸で示される仮想原点(この点の補正レンズ位置座標をLR00,補正レンズ位置信号電圧をVlens00’とする)のLR00は、一意的に決まり、図10からも明らかなように、実線で示される光量調整理想直線の延長線上の点としてVlens00’が決定される。
【0114】
Vlens00’が決定されれば、前述したように、式(5)におけるフォトトランジスタTR12のエミッタ電流ipがゼロの時に補正レンズ位置信号Vlensの電圧がVlens00’となるようにオフセット調整信号Vlens_offsetの電圧が求まり、これをオフセット調整電圧Voffset0とすると、Voffset0は、以下の式(14)で示される。
Voffset0=VREF1−(Vlens00’−VREF1)×R3/R2 …式(14)
【0115】
ただし、実際には、反射板36の貼り合わせ位置誤差等を含むので、補正レンズ31の位置を検出する機構の設計値から仮想原点のLR00、及び、Vlens00’が変化するため、このオフセット調整電圧Voffset0は、調整値とする。また、オフセット調整電圧Voffset0を調整値としても実際には、オフセット調整信号Vlens_offsetを出力するD/A変換器14の出力電圧の誤差、及び、受光部35bの処理回路を構成する抵抗等の素子の誤差から、Vlens00’は、やはり製品個々でばらつきを生じるため、オフセット調整電圧Voffset0を、補正レンズ位置信号Vlensが有効ダイナミックレンジに有効におさまるように決定し、その後、仮想原点の座標(LR00,Vlens00’)を測定し、調整値として製品個々で固有の値として持つこととする。
【0116】
ここで、仮想原点の決定方法(測定方法)について説明する。
仮想原点は、その定義に示されるとおり、発光部53aの光量を変更しても、常に補正レンズ位置信号Vlensが一定となる座標として求めることができる。したがって、仮想原点を求めるには、発光部53aを少なくとも2つ以上の異なる光量値で発光させ、そのときの補正レンズ位置LRに対する補正レンズ位置信号Vlensとの関係を示す直線の交わる点として算出すればよい。
具体的には、最初に、発光部53を第1発光量で発光させて、その状態で少なくとも2箇所の補正レンズ位置LRに対する補正レンズ位置信号Vlensを得て、第1発光量における補正レンズの動きに応じた補正レンズ位置信号Vlensの変化を示す第1直線を求める。
次に、発光部53の発光量を第1発光量とは異なる第2発光量で発光させて、第1直線を求めたときと同様にして、第2発光量における補正レンズの動きに応じた補正レンズ位置信号Vlensの変化を示す第2直線を求める。
第1直線及び第2直線を求めることができれば、これら2直線の交点の座標=仮想原点の座標として求めることができる。
こうして求まる仮想原点の座標値を調整値としてEEPROM17に書き込んでおくものとする。
【0117】
以上のようにして正確に求まった仮想原点座標(LR00,Vlens00’)と補正レンズ31の可動中心にて所定の合わせ込み電圧Vlens_adj0を通る光量調整理想直線は、以下に示す式(15)で示され、また、この光量調整理想直線に理想的に発光部53aの光量が合わせ込まれたときの補正レンズ位置LRは、以下に示す式(16)によって算出される。
Vlens=Kγ0×LR+Vlens_adj0 …式(15)
LR=1/Kγ0×(Vlens−Vlens_adj0) …式(16)
尚、Kγ0は、光量調整理想直線の傾きを示し、式(17)で与えられる。
Kγ0=(Vlens_adj0−Vlens00’)/(0−LR00) …式(17)
【0118】
本実施形態では、各校正位置において、フォトトランジスタ35の発光部35aの光量を調整し、光量調整理想直線に補正レンズ位置信号Vlensを合わせ込む。したがって、今、校正位置k(k=0,1,2,0’,1’,2’)とし、校正位置kの補正レンズ位置座標をLRadjkとすると、校正位置kの合わせ込み電圧Vlens_adj0kは、式(15)を基に、以下に示す式(18)で算出される。
Vlens_adj0k=Kγ×LRadjk+Vlens_adj0 …式(18)
ここで、校正位置kの座標LRadj0kは、補正レンズ31の位置を検出する機構、及び、補正レンズ32の可動範囲を制限する機構、又は、電磁ロック機構のロック穴33a、及び、ロックピン45等の機械的寸法等のばらつきにより変化し、製品個々により異なるため、個々の製品で調整により決定し、EEPROM17に書き込んでおくものとする。
【0119】
以上の説明により、補正レンズ31を押しつけ、位置決めされている校正位置の座標に依存して、仮想原点座標から算出される光量調整理想直線から補正レンズ位置信号Vlensの合わせ込み電圧を式(18)により算出し、フォトトランジスタ35の発光部35aの光量を調整して、補正レンズ位置信号Vlensをその算出された各校正位置の合わせ込み電圧に調整すれば、式(17)により正確な補正レンズ位置LRが算出されることが明らかとなった。
【0120】
次に、具体的な光量調整の動作を以下に述べる。
図11は、光量調整動作の具体例を示すタイミングチャートである。
まず、調整前の初期状態は、前述のように補正レンズ31は、6つある校正位置の何れかの校正位置に押し付けられ位置決めされた状態にあり、X軸方向、又は、Y軸方向に補正レンズ31が駆動され続けている状態にある。これから述べる光量調製動作は、この状態のまま、つまり、補正レンズ31を駆動したままの状態で行われる。尚、D/A変換器13は、分解能8ビット型のD/A変換器を用いるものとして説明する。
【0121】
MCU1は、タイミングt21において、前述の方法で決められたオフセット調整電圧Voffset0をEEPROM17から読み出し、D/A操作信号S2によりD/A変換器14を操作し、オフセット調整信号Vlens_offsetから出力する。
次に、MCU1は、タイミングt22において、D/A操作信号S1によりD/A変換器13を操作し、以下に示す式(19)による電圧VIF11を光量調整信号Vlens_IFから出力する。
VIF11=VREF_DA/2 …式(19)
ここで、VREF_DAは、D/A変換器13の基準電圧であり、式(19)は、このD/A変換器の基準電圧の半分の電圧を出力することを意味する。
【0122】
次に、タイミングt22において光量調整信号Vlens_IFを操作してから、少なくともそれにより補正レンズ位置信号Vlensの出力電圧が安定するまでの所定時間TIF_adj1経過したタイミングt23からは、前述の方法で決められた、現在押し付けて位置決めされている校正位置k(kは、0,0’,1,1’,2,2’のいずれか)の補正レンズ位置座標LRadjkをEEPROM17から読み出し、式(18)を用いて校正位置kの合わせ込み電圧Vlens_adj0kを算出し、その合わせ込み電圧Vlens_adj0kに対して、MCU1に内部に内蔵するA/D変換器1aにより検出された補正レンズ位置信号Vlensの電圧が、高いか否かを判定し、式(10)により、n=12以降の光量調整信号電圧VIFn(n=12,13,14、‥‥18)を算出し、D/A操作信号S1によりD/A変換器13を操作し、算出された光量調整信号電圧VIFnを光量調整信号Vlens_IFから出力する。
尚、光量調整信号電圧VIFnにおいて、n=12の時のVIFn−1は、式(19)で示されるVIF11である。
【0123】
また、式(10)の±符号は、補正レンズ位置信号Vlensが、合わせ込み電圧Vlens_adj0kより高い場合に+とし、それ以外の場合に−とする。このタイミングt23の動作を、n=12〜18まで、所定時間TIF_adj1間隔で繰り返す。
図11に示される例では、タイミングt23において補正レンズ位置信号Vlensは、合わせ込み電圧Vlens_adj0kより高いため、光量調整信号Vlens_IFを式(10)の±符号を+として算出し、D/A操作信号S1によりD/A変換器13を操作し、算出された電圧VIF12を光量調整信号Vlens_IFから出力する。
【0124】
次に、タイミングt23で光量調整信号Vlens_IFを変更してから、少なくとも補正レンズ位置信号Vlensが安定するまでの所定時間TIF_adj1経過したタイミングt24では、補正レンズ位置信号Vlensは、合わせ込み電圧Vlens_adj0より高くないため、光量調整信号Vlens_IFを式(10)の±符号を−として算出し、D/A操作信号S1によりD/A変換器13を操作し、算出された電圧VIF13を光量調整信号Vlens_IFから出力している。
【0125】
以上の動作をn=18(図11では、n=18となるタイミングがt25に相当する)となるまで所定時間TIF_adj1間隔で繰り返すことにより、補正レンズ位置信号Vlensは、徐々に合わせ込み電圧Vlens_adj0kに合わせ込まれて行く。
このようにして合わせ込まれた補正レンズ位置信号Vlensの電圧は、図10に示される光量調整理想直線上又はごく近くにあり、したがって、式(16)を用いて、ほぼ正確な補正レンズ位置LRを算出可能となる。
【0126】
(校正動作4:光量調整誤差補正動作)
以上説明した校正動作1〜3を行うことにより、ほぼ正確な補正レンズ位置LRを算出可能となる。
しかし、実際には、D/A変換器13の量子化分解能は、有限であり、また、フォトリフレクタ35の発光部35aとその駆動回路、及び、受光部35bと受光信号処理回路71を構成する素子等の特性ばらつき等がある。よって、補正レンズ位置信号Vlens電圧は、この光量調整理想直線から若干の誤差を生じてしまう。
この誤差が本発明を適用する製品において、許容できない場合には、以下に説明する方法でこの光量調整誤差による補正レンズ位置LRの誤差を補正する。
【0127】
ここで行う光量調整誤差補正動作は、光量調整理想直線と実際に光量調整動作により調整された補正レンズ位置信号Vlensの電圧との差による補正レンズ位置の検出誤差を補正し、正確な補正レンズ31の位置検出を行えるようにする。
光量調整誤差補正動作は、図11を用いて説明した光量調整動作の最後に光量調整信号Vlens_IFの電圧を変更したタイミング(図11のタイミングt25に相当する)から、その変更による補正レンズ位置信号Vlensの変化が少なくとも安定するまでの所定時間TIFadj1経過後の、図11のおけるタイミングt26で行う動作であり、本状態では、補正レンズ31の校正位置への押しつけ駆動による位置決めが継続している状態で行われる。
【0128】
図12は、光量調整理想直線と、実際に光量調整動作により調整された補正レンズ位置信号Vlensの関係を示す図である。
前述のとおり、フォトリフレクタ35の発光部35aの光量値に関係なく、補正レンズ位置LRと、補正レンズ位置信号Vlensとの関係を示す直線は、必ず仮想原点を通る。よって、光量調整により光量調整誤差を生じて、光量調整理想直線(図12の一点鎖線で示す)からずれた実際の直線(図12の実線で示す直線)も仮想原点を通る直線となる。
【0129】
ここで、図11におけるタイミングt26の補正レンズ位置信号Vlensの電圧、つまり、前述した光量調整動作により調整された実際の補正レンズ位置信号Vlensの電圧をVlens_adjkとして、図12に点Mとして示す。
この点M、つまり、補正レンズ31の位置が、押し付けている校正位置の位置座標LRadjkで、補正レンズ位置信号Vlens電圧がVlens_adjkの点と、仮想原点座標を結んだ直線から正確な補正レンズ位置LRが算出される。
【0130】
具体的には、MCU1は、以下に示す式(20)により補正レンズ位置LRを算出する。
LR=1/Kγ×(Vlens−Vlens_adjk)+LRadjk …式(20)
尚、式(20)で用いられるKγは、図12の実線の傾きに相当するものであり、以下に示す式(21)により得られる。
Kγ=(Vlens_adjk−Vlens00’)/(LRadjk−LR00) …式(21)
【0131】
尚、先にも述べたが、式(20),式(21)で用いられる校正位置k(k=0,0’,1,1’,2,2’)の座標LRadjk、及び、仮想原点座標(LR00,Vlens00’)は、調整値であり、MCU1は、公知の技術により予め記憶されている値をEEPROM17から読み出して使用する。
最後に、このように正確な補正レンズ位置が算出されると、現在行われている補正レンズ31の校正位置への押しつけ駆動は、必要なくなる。図11の例では、MCU1は、タイミングt27において、駆動回路操作信号S3により補正レンズ駆動回路15を操作し、補正レンズ駆動用コイル37a(X軸用)、又は、補正レンズ駆動用コイル37b(Y軸用)への通電を非通電にし、補正レンズ31の押しつけ駆動を終了する。
【0132】
本実施形態によれば、校正動作1の仮光量調整により、補正レンズ31が何れの位置にあっても位置を検出することができるように調整した。そして、校正動作2の補正レンズの位置決めを行うことにより、補正レンズ31の位置を確定した後、校正動作3のオフセット調整と光量調整を行うので、補正レンズ31の位置をほぼ正確に検出することができる。
また、校正動作4の光量調整誤差補正動作を行うので、より高精度に位置検出を行うことができる。
これら一連の校正動作を、ユーザがカメラの電源を入れた直後又はブレ補正を行うモードにした直後に行うことにより、撮影直前の温度条件等を加味した調整が行われ、フォトリフレクタ35の個体差や温度依存性によらず、安定して高精度な位置検出を行うことができる。
更に、これらの校正動作は、MCU1の指示により発光部駆動回路70及び受光信号処理回路71を用いて行われるので、製品の製造時に製品個々で調整等の手間をかけることなく、位置検出を正確に行うことができる。
更にまた、補正レンズ31の可動範囲を多角形形状としたので、位置決めの精度が高くなり、より正確な校正動作を行うことができる。
【0133】
(変形形態)
以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の均等の範囲内である。
(1)本発明は、理想的には、実施形態において説明したように、校正動作1の仮光量調整、校正動作2の補正レンズの位置決め駆動動作、校正動作3のオフセット調整と光量調整、及び、校正動作4の光量調整誤差補正動作を行い、かつ、補正レンズの可動範囲を多角形化すること等の全てを実施されることが精度の観点では、望ましい。これら全てを実施したブレ補正装置の光学式位置検出装置では、本発明が解決しようとする課題の全てを解決し、より、精度の高いブレ補正光学系の位置検出を実現することができる。
しかし、前述の各動作(各発明)単体でも、それぞれが課題に対して効果を有しており、これら本発明の一部のみを実施してもよい。以下に、その例(1−1〜1−10)を挙げて説明する。
【0134】
(1−1)補正レンズ31の電磁ロック解除状態での可動範囲、又は、電磁ロック状態での可動範囲を多角形とせず、従来通りの略丸型としてもよい。この場合、前述の補正レンズの最寄りの校正位置への駆動動作により、可動範囲が多角形のものに比べれば精度は落ちるが、ある程度の精度をもって補正レンズ31の位置決めは可能であり、その後に行われる、校正動作3のオフセット調整と光量調整、及び、校正動作4の光量調整誤差補正動作により従来に比べ、補正レンズ位置の検出精度は、大きく向上する。
【0135】
(1−2)校正動作3のオフセット調整と光量調整、及び、校正動作4の光量調整誤差補正動作等で用いたフォトリフレクタ35の受光部35bの出力電流がゼロとなる仮想的な受光部処理回路の出力、つまり、補正レンズ位置信号Vlensの電圧とその時の補正レンズ位置を示す仮想原点の座標は、EEPROM17に書き込んだ調整値としたが、補正レンズ位置検出メカ、及び、発光部35a、受光部35bやその回路等が理想的ならば一意的に求まり、その場合には、仮想原点の座標を固定値としてもよい。
また、これらのばらつきが許容できる範囲である場合にも、仮想原点の座標を固定値としてもよい。
【0136】
(1−3)フォトリフレクタ35の感度ばらつきは、従来技術により、例えば、図19に示されるような回路でばらつきを調整し、第2の課題であったフォトリフレクタ35の温度依存性に関して本発明を適用することができる。その場合、例えば、校正動作1の仮光量調整,校正動作3のオフセット調整と光量調整は、必ずしも行う必要はない。
具体的には、製品の使用される温度範囲において、個々の製品で補正レンズ位置信号Vlensが変化しても出力の飽和等が生じないように発光部35aの光量を若干小さめに調整しておき、校正動作2の補正レンズの位置決め動作により、補正レンズ31は、正確に位置決めされ、次に、校正動作4の光量調整誤差補正動作を行わせることによって、周囲温度が調整時の温度と異なったためにフォトリフレクタ35の感度が変化し、補正レンズ位置信号Vlensが変化、補正レンズ位置直線が変化したとしても、光量調整誤差補正動作により、この変化を排除して正確な補正レンズ位置が検出可能となる。
【0137】
(1−4)仮に、フォトリフレクタ35の感度のばらつき、又は、温度変動等の影響を、従来技術により調整したり、又は、特性のよいフォトリフレクタを使用することにより、これらばらつきに関する問題を解決したとしても、本発明によるフォトリフレクタ35の受光部35b、及び、受光信号処理回路71とこれに関連した動作は、補正レンズ位置信号VlensのS/Nの拡大、及び、検出分解能の向上に大きく寄与するので、これらと重複して実施してもよい。
図5、及び、その説明に示されるとおり、従来技術により得られる補正レンズ位置信号の傾きに比べ、より大きい傾きを得ることができ、補正レンズ位置信号のS/N、検出分解能が向上し、したがって、補正レンズ位置の検出精度を向上することができる。
【0138】
(1−5)校正動作4の光量調整誤差補正動作は、必ずしも必要ではない。前述した校正動作2の補正レンズの位置決め動作により、補正レンズ31が正確に位置決めされ、その後行われる校正動作3のにより、補正レンズ位置信号Vlensが、合わせ込み電圧Vlens_adj0kに許容可能な誤差範囲内になるように発光部35bの光量調整がなされたならば、補正レンズ位置直線は、光量調整理想直線に許容範囲の誤差量で常に一致し、補正レンズ位置LRは、常にこの光量調整理想直線から求めることができる。すなわち、補正レンズ31の位置決めと、その位置でのオフセット調整と光量調整動作のみで補正レンズ位置を正確に算出することが可能である。よって、校正動作4の光量調整誤差補正動作を省略しても、光学式位置検出装置の校正が可能となる。
【0139】
(1−6)第1実施形態に記載された回路、数式等は、これに限定されるものではなく、様々な変更が可能である。
例えば、図3に示されるフォトリフレクタ35の受光部35bの受光信号処理回路71は、図13に示す形態としてもよい。
図13は、受光部35bの受光信号処理回路71の変形形態1−6を示す回路図である。図13に示した回路は、図3における受光部35bの受光信号処理回路71と同様の動作をさせることができる。
具体的には、フォトリフレクタ35の受光部35bを構成するフォトトランジスタTR12のコレクタは、公知の技術による一定電圧VTRの電源に接続され、エミッタは、抵抗R302を介してGNDに接続され、抵抗R302によりエミッタ電流ipが電圧に変化される、電圧に変換された出力は、図3におけるD/A変換器14からのオフセット調整信号Vlens_offsetを基準に演算増幅器OP312、抵抗R303、R304により非反転増幅され、補正レンズ位置信号VlensとしてMCU1に出力される。
ここで、抵抗R302、R303、R304の抵抗値をそれぞれR2、R3、R4とし、D/A変換器14の出力であるオフセット調整信号Vlens_offsetの電圧をVoffset(可変電圧)、補正レンズ位置信号Vlensの電圧をVlensとすると、以下に示す式(22)の関係が成り立つ。
Vlens=R2×(1+R4/R3)×ip−R4/R3×Voffset…式(22)
式(22)からも分かるように、フォトトランジスタTR12のエミッタ電流ipが非反転増幅されて出力されるか反転増幅されて出力されるか、及び、エミッタ電流ip、及び、オフセット調整信号Vlens_offsetの電圧に対する出力利得に相違があるだけで図3におけるフォトリフレクタ35の受光部35bの処理回路の動作を示す式(5)と実質的に何ら変わらない動作をさせることができる。従って、適当に抵抗R302、R303、R305に抵抗値を選択すれば、第1実施形態において説明した、仮光量調整動作,補正レンズの位置決め動作,オフセット調整と光量調整動作,光量調整誤差補正動作を、ほぼ同様に実現することができ、正確な補正レンズ31の位置検出が可能となる。
【0140】
(1−7)図14は、受光部35bの受光信号処理回路71の変形形態1−7を示す回路図である。図14に示す回路は、図3に示されるフォトリフレクタ35の受光部35bの受光信号処理回路71の抵抗R103を可変抵抗とし、D/A変換器14を用いない形式とした回路である。本回路は、図3における受光信号処理回路71の動作を示す式(5)のVoffset=0とした動作を行う。本回路の場合は、第1実施形態のMCU1で行われるオフセット調整信号Vlens_offsetのD/A変換器14で行われていたものを可変抵抗R203の抵抗値を調整することで行う。この場合、第1実施形態における校正動作1の仮光量調整時、及び、校正動作3のオフセット調整と光量調整時で異なるオフセット調整信号Vlens_offset電圧を選択することができない。従って、製品個々の調整後は、補正レンズ位置信号Vlensを電圧シフトすることができない。そこで、校正動作1の仮光量調整、及び、校正動作3のオフセット調整と光量調整の双方で両立するように、つまり、校正動作1の仮光量調整時に補正レンズ31が可動範囲で移動した場合に補正レンズ位置信号Vlensが飽和しないように、また、校正動作3のオフセット調整と光量調整時に、補正レンズ位置信号Vlensが補正レンズ31の可動範囲において極力大きな電圧変化を得られるように抵抗R203を変更するものとする。
【0141】
(1−8)図15は、受光部35bの受光信号処理回路71の変形形態1−8を示す回路図である。図15に示す回路は、第1実施形態における受光信号処理回路71を変形した図14の回路構成のまま、可変抵抗R403の抵抗値をMCU1により変更可能な可変抵抗R503とした回路である。
図15の可変抵抗R503は、その外部から抵抗値を変更可能なように構成された素子である。本回路は、図14と同様に、式(5)のVoffset=0とした動作となり、前述のMCU1で行われるオフセット調整信号Vlens_offsetのD/A変換器14で行われていたものをMCU1の抵抗値操作信号S5により行い、補正レンズ位置信号Vlensの電圧を任意にシフトさせることができる。従って、校正動作1の仮光量調整、及び、校正動作3のオフセット調整と光量調整時にオフセット調整信号Vlens_offsetを操作してそれぞれ最適な補正レンズ位置直線を得ていたものを、MCU1の抵抗値操作信号S5により可変抵抗R503の抵抗値を変更することで行うことができる。
【0142】
(1−9)フォトリフレクタ35の発光部35aの素子としては、LEDに限定されず、例えば、レーザーダイオードを用いても構わない。受光部35bは、フォトトランジスタの替わりにフォトダイオードを用いても構わない。フォトダイオードは、入射した光量にほぼ比例した光電流を出力し、一方、前述の説明で用いたフォトトランジスタは、フォトダイオードとトランジスタで構成され、フォトダイオードの出力電流がトランジスタで電流増幅される。従って、入射した光量に対して得られる電流値の大きさに相違があるだけで根本的な相違はない。よって、図3におけるフォトトランジスタTR12をフォトダイオードに変更し、その他、抵抗値等の値を変更することで前述のような動作を行うことが可能である。
【0143】
(1−10)図1に示される補正レンズ31の電磁ロック状態を認識する手段としてのフォトインタラプタ48は、この替わりにスイッチ等を用いても構わない。例えば、図1に示される電磁ロックの機構、具体的には、ロックピン45の動きに連動してこのスイッチのオン、オフの状態を変化させるよう構成し、このスイッチの状態をMCU1により認識するようにしてもよい。
【0144】
(2)ロック穴33bを多角形とする場合に、四角形とした例を示したが、これに限らず、例えば、ひし形、3角形等でもよいし、校正位置として機能すれば、多角形に限らずに、曲線で構成されていてもよい。
【0145】
(3)校正位置として、3方向×2=6箇所の校正位置を設けた例を示したが、これに限らず、装置が使用される形態によっては、3箇所でもよいし、1つでも、2つでもよい。
【0146】
(4)本実施形態におけるブレ補正装置の光学式位置検出装置は、銀塩一眼レフカメラの交換レンズに使用される装置である例を示したが、これに限らず、例えば、レンズ一体型のカメラであってもよいし、ディジタルスチルカメラやビデオカメラ又は双眼鏡等に使用してもよい。
【0147】
【発明の効果】
以上詳しく説明したように、本発明によれば、位置決め手段によりブレ補正光学系を所定位置に位置決めした状態で、演算部により得られるブレ補正光学系の位置が正確な位置となる調整を行う調整部を備えるので、フォトリフレクタの個々の感度ばらつきに起因する問題を製品個々で調整等の手間をかけずに解決することができる。特に、調整は、ブレ補正光学系の位置と受光量信号又は位置信号との関係が理想的関係となるように行われるので、よりS/N、及び、検出分解能の良い補正レンズの位置検出をすることができ、フォトリフレクタの感度の温度依存性の問題を解決し、使用される温度が変化したとしても、正確な補正レンズ位置の検出をすることができる。
また、これらの調整は、発光量の調整と、受光量信号又は受光量信号に応じた信号を全体として増減する(オフセットする)ことにより行うので、簡単な回路によって行うことができ、装置を安価にすることができる。
更に、ブレ補正光学系の可動範囲を多角形形状として、この多角形形状の隅部に位置決めして調整を行うので、調整の精度を高くすることができる。
更にまた、この多角形形状の隅部を、装置が通常使用される姿勢における略重力方向に配置し、位置決めを行う動作は、最初に重力方向に移動させ、最も近い隅部に位置決めするので、調整を行うときに不自然な動作が生じず、素早く自然に調整を終えることができる。
従って、本発明による光学式位置検出装置を使用したブレ補正装置は、より高いブレ補正性能を実現し、しかも、安価に市場に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態における電磁ロック機構を模式的に示した図である。
【図2】図1に示される電磁ロック機構、特にロック穴33bを四角形状とした時の電磁ロック状態と、電磁ロック解除状態での補正レンズ31の可動範囲について説明する図である。
【図3】本実施形態におけるブレ補正装置の光学式位置検出装置の電気回路ブロック図である。
【図4】LED11に流れる電流値IFとD/A変換器13の出力Vlens_IFの電圧VIFとの関係の一例を示す図である。
【図5】従来技術及び本実施形態における補正レンズ位置と補正レンズ位置信号の関係を示すグラフである。
【図6】本実施形態における光量仮調整のタイミングチャートである。
【図7】本実施形態における補正レンズ位置と補正レンズ位置信号との関係を示すグラフである。
【図8】本実施形態における補正レンズ31の位置決め動作を示す模式図である。
【図9】本実施形態における補正レンズを最寄りの校正位置へ駆動する動作を示すタイミングチャートである。
【図10】補正レンズ31の位置決めされた校正位置と理想的な光量調整直線との関係を示す図である。
【図11】光量調整動作の具体例を示すタイミングチャートである。
【図12】光量調整理想直線と、実際に光量調整動作により調整された補正レンズ位置信号Vlensの関係を示す図である。
【図13】受光部35bの受光信号処理回路71の変形形態1−6を示す回路図である。
【図14】受光部35bの受光信号処理回路71の変形形態1−7を示す回路図である。
【図15】受光部35bの受光信号処理回路71の変形形態1−8を示す回路図である。
【図16】銀塩一眼レフカメラの例について従来技術によるブレ補正装置をX軸方向、又は、Y軸方向の何れか1方向の断面を模式的に示した図である。
【図17】補正レンズ31を可動範囲の中央付近に固定するロック機構を模式的に示した図である。
【図18】従来の補正レンズの位置検出装置を示す模式図である。
【図19】従来のフォトリフレクタ35の発光部35aの駆動回路を示す図である。
【図20】従来のフォトリフレクタ35の受光部35bの処理回路を示す図である。
【図21】従来のブレ補正装置において、補正レンズ31の位置に対する、フォトリフレクタ35の受光部35bから出力されるフォトリフレクタ出力電流ipの関係を示すグラフである。
【図22】従来のブレ補正装置において、補正レンズ31の位置に対する、フォトリフレクタ35の受光部35bの処理回路から出力される補正レンズ位置信号Vlensの関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 MCU(ワンチップマイクロコンピュータ)
1a A/D変換器
11 LED
12 フォトトランジスタ
13,14 D/A変換器
15 補正レンズ駆動回路
16 電磁ロック駆動回路
17 EEPROM
30,32撮影レンズ
31 振れ補正光学系(補正レンズ)
33 可動部材
33a,33b ロック穴
34a,34b バネ
35 フォトリフレクタ
35a フォトリフレクタの発光部
35b フォトリフレクタの受光部
36 反射板
37,37a,37b コイル
38a,38b ヨーク
39 マグネット
40 カメラボディ
41 交換レンズ
41a 固定部材
42 光軸
43 フィルム面
45 ロックピン
46 吸着板
47 電磁ロック用コイル
48 フォトインタラプタ
60 LED
61 フォトトランジスタ
62 演算増幅器
70 発光部駆動回路
71 発光信号処理回路
101,102,103 抵抗
111,112 演算増幅器
113 トランジスタ
115 コンデンサ
302,303,304 抵抗
312 演算増幅器
402 抵抗
403 可変抵抗
412 演算増幅器
451 コンデンサ
502 抵抗
503 可変抵抗
512 演算増幅器
551 コンデンサ
601,602 抵抗
651 コンデンサ

Claims (26)

  1. 振れにより生じる像面でのブレを補正するブレ補正光学系と、
    測定光を発光する発光部と、
    前記ブレ補正光学系の移動に応じ、前記発光部に対して相対的に移動する部材に配置され、位置により異なる量の前記測定光を反射又は透過する検出板と、
    前記検出板により反射した前記測定光、又は、前記検出板を透過した前記測定光を受光し、受光した光量に応じた受光量信号を出力する受光部と、
    前記受光量信号に処理を行い位置信号を出力する受光信号処理部と、
    前記位置信号に基づいて前記ブレ補正光学系の位置を演算する位置演算部と、
    を備えるブレ補正装置の光学式位置検出装置において、
    前記ブレ補正光学系の位置を所定位置に位置決めする位置決め手段と、
    前記位置演算部により得られる前記ブレ補正光学系の位置が正確な位置となる調整を、前記位置決め手段により前記ブレ補正光学系を前記所定位置に位置決めした状態で行う調整部と、
    を備えることを特徴とするブレ補正装置の光学式位置検出装置。
  2. 請求項1に記載のブレ補正装置の光学式位置検出装置において、
    前記位置決め手段は、前記ブレ補正光学系の可動範囲を所定の範囲に制限する可動範囲制限手段と、前記可動範囲制限手段によって制限された前記可動範囲に少なくとも一箇所設けられた位置決め部へ前記ブレ補正光学系を駆動して当て付ける位置決め駆動部と、
    を備えること特徴とするブレ補正装置の光学式位置検出装置。
  3. 請求項1に記載のブレ補正装置の光学式位置検出装置において、
    前記位置決め手段は、前記ブレ補正光学系の可動範囲の略中央付近の限定範囲に、前記ブレ補正光学系が位置するように保持する中央保持手段と、
    前記中央保持手段によって保持された前記限定範囲に少なくとも一箇所設けられた位置決め部へ前記ブレ補正光学系を駆動して当て付ける位置決め駆動部と、
    を備えることを特徴とするブレ補正装置の光学式位置検出装置。
  4. 請求項2又は請求項3に記載のブレ補正装置の光学式位置検出装置において、
    前記可動範囲及び/又は前記限定範囲は、略多角形形状であり、
    前記位置決め部は、前記略多角形形状の隅部であること、
    を特徴とするブレ補正装置の光学式位置検出装置。
  5. 請求項2から請求項4までのいずれか1項に記載のブレ補正装置の光学式位置検出装置において、
    前記位置決め駆動部は、駆動前の前記ブレ補正光学系の位置から最も近い位置にある前記位置決め部に、前記ブレ補正光学系を駆動して当て付けること、
    を特徴とするブレ補正装置の光学式位置検出装置。
  6. 請求項2から請求項5までのいずれか1項に記載のブレ補正装置の光学式位置検出装置において、
    前記位置決め部の少なくとも1つは、装置が通常使用される姿勢における略重力方向に配置されていること、
    を特徴とするブレ補正装置の光学式位置検出装置。
  7. 請求項2から請求項6までのいずれか1項に記載のブレ補正装置の光学式位置検出装置において、
    前記位置決め部は、装置が通常使用される姿勢における略重力方向と略水平方向とに配置されていること、
    を特徴とするブレ補正装置の光学式位置検出装置。
  8. 請求項6又は請求項7に記載のブレ補正装置の光学式位置検出装置において、
    前記位置決め駆動部は、前記ブレ補正光学系を前記重力方向へ駆動し、前記位置演算部による演算結果から、前記ブレ補正光学系が所定量以上移動しないことが判明した場合には、そのまま前記ブレ補正光学系を前記位置決め部に当て付けること、
    を特徴とするブレ補正装置の光学式位置検出装置。
  9. 請求項6又は請求項7に記載のブレ補正装置の光学式位置検出装置において、
    前記位置決め駆動部は、前記ブレ補正光学系を前記重力方向へ駆動し、前記位置演算部による演算結果から、前記ブレ補正光学系が所定量以上移動した場合には、前記ブレ補正光学系を前記略水平方向に駆動し、前記ブレ補正光学系を前記位置決め部に当て付けること、
    を特徴とするブレ補正装置の光学式位置検出装置。
  10. 請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載のブレ補正装置の光学式位置検出装置において、
    前記調整部は、前記発光部の発光量を変更することにより、前記調整を行うこと、
    を特徴とするブレ補正装置の光学式位置検出装置。
  11. 請求項10に記載のブレ補正装置の光学式位置検出装置において、
    前記調整部は、前記ブレ補正光学系が前記所定位置にあるときの前記受光量信号又は前記位置信号が、狙い値となるように前記発光部の発光量を調整するものであって、
    前記狙い値は、前記ブレ補正光学系の位置と、前記受光量信号又は前記位置信号と、の関係が、調整狙いである理想的関係である場合に得られる前記受光量信号又は前記位置信号であること、
    を特徴とするブレ補正装置の光学式位置検出装置。
  12. 振れにより生じる像面でのブレを補正するブレ補正光学系と、
    測定光を発光する発光部と、
    前記ブレ補正光学系の移動に応じ、前記発光部に対して相対的に移動する部材に配置され、位置により異なる量の前記測定光を反射又は透過する検出板と、
    前記検出板により反射した前記測定光、又は、前記検出板を透過した前記測定光を受光し、受光した光量に応じた受光量信号を出力する受光部と、
    前記受光量信号に処理を行い位置信号を出力する受光信号処理部と、
    前記位置信号に基づいて前記ブレ補正光学系の位置を演算する位置演算部と、
    を備えるブレ補正装置の光学式位置検出装置において、
    前記検出板による前記測定光の反射又は透過が無い場合の仮想的な前記受光量信号又は前記位置信号と、前記ブレ補正光学系の位置とにより定義される仮想原点に依存して求まり、かつ、調整狙いである理想的関係から求まる値に、前記受光量信号又は前記位置信号が略一致するように前記発光部の発光量の調整を行う調整部を備えること、
    を特徴とするブレ補正装置の光学式位置検出装置。
  13. 請求項12に記載のブレ補正装置の光学式位置検出装置において、
    前記仮想原点では、前記発光部が2以上の異なる発光量の発光をしたときの前記受光量信号又は前記位置信号と前記ブレ補正光学系の位置との関係を示す直線が交わること、
    を特徴とするブレ補正装置の光学式位置検出装置。
  14. 請求項13に記載のブレ補正装置の光学式位置検出装置において、
    前記発光部が第1発光量で発光したときの前記ブレ補正光学系の動きに応じた前記受光量信号又は前記位置信号の変化を示す第1直線と、
    前記発光部が前記第1発光量とは異なる第2発光量で発光したときの前記ブレ補正光学系の動きに応じた前記受光量信号又は前記位置信号の変化を示す第2直線とが前記仮想原点で交わること、
    を特徴とするブレ補正装置の光学式位置検出装置。
  15. 請求項12から請求項14までのいずれか1項に記載のブレ補正装置の光学式位置検出装置において、
    前記ブレ補正光学系の位置を所定位置に位置決めする位置決め手段を備え、
    前記理想的関係は、前記仮想原点と、前記ブレ補正光学系の位置を前記所定位置としたときの前記受光量信号又は前記位置信号と、に依存して求まること、
    を特徴とするブレ補正装置の光学式位置検出装置。
  16. 請求項11から請求項15までのいずれか1項に記載のブレ補正装置の光学式位置検出装置において、
    前記理想的関係は、前記ブレ補正光学系の可動範囲内で、前記受光量信号又は前記位置信号が有効ダイナミックレンジ内にあって、かつ、前記受光量信号又は前記位置信号のS/N比が高くなる関係であること、
    を特徴とするブレ補正装置の光学式位置検出装置。
  17. 請求項11から請求項16までのいずれか1項に記載のブレ補正装置の光学式位置検出装置において、
    書き換え可能な不揮発性記憶手段を有し、
    前記理想的関係に関する情報の少なくとも1つは、前記不揮発性記憶手段から読込むこと、
    を特徴とするブレ補正装置の光学式位置検出装置。
  18. 請求項1から請求項17までのいずれか1項に記載のブレ補正装置の光学式位置検出装置において、
    前記位置演算部は、前記ブレ補正光学系を前記所定位置に位置決めしたときの位置と、前記受光量信号又は前記位置信号とから求まる、前記ブレ補正光学系の位置と前記受光量信号又は前記位置信号との関係により、前記ブレ補正光学系の位置を演算すること、
    を特徴とするブレ補正装置の光学式位置検出装置。
  19. 請求項18に記載のブレ補正装置の光学式位置検出装置において、
    前記ブレ補正光学系の位置と前記受光量信号又は前記位置信号との関係は、前記ブレ補正光学系を前記所定位置に位置決めしたときの位置と、前記受光量信号又は前記位置信号とに加えて、
    前記検出板による前記測定光の反射光又は透過光の変化直線の延長上にあって、前記検出板による前記測定光の反射又は透過が無い場合の仮想的な前記受光量信号又は前記位置信号と、前記ブレ補正光学系の位置とにより定義される仮想原点により、求まる関係であること、
    を特徴とするブレ補正装置の光学式位置検出装置。
  20. 請求項18又は請求項19に記載のブレ補正装置の光学式位置検出装置において、
    書き換え可能な不揮発性記憶手段を有し、
    前記所定位置及び/又は前記仮想原点の位置と前記仮想原点における前記受光量信号又は前記位置信号は、前記不揮発性記憶手段から読込むこと、
    を特徴とするブレ補正装置の光学式位置検出装置。
  21. 請求項1から請求項20までのいずれか1項に記載のブレ補正装置の光学式位置検出装置において、
    前記受光部は、受光した光量に略比例した電流を前記受光量信号として出力し、
    前記受光信号処理部は、前記受光量信号から任意の可変電流を減算し、前記可変電流を減算した前記受光量信号を電圧に変換して出力すること、
    を特徴とするブレ補正装置の光学式位置検出装置。
  22. 請求項1から請求項20までのいずれか1項に記載のブレ補正装置の光学式位置検出装置において、
    前記受光部は、受光した光量に略比例した電流を前記受光量信号として出力し、
    前記受光信号処理部は、前記受光量信号を電圧変換し、電圧変換された前記受光量信号から任意の可変電圧を減算して出力すること、
    を特徴とするブレ補正装置の光学式位置検出装置。
  23. 請求項21又は請求項22に記載のブレ補正装置の光学式位置検出装置において、
    前記可変電流又は前記可変電圧は、前記調整部による前記調整を行う前後で異なる値であること、
    を特徴とするブレ補正装置の光学式位置検出装置。
  24. 振れにより生じる像面でのブレを補正するブレ補正光学系と、
    測定光を発光する発光部と、
    前記ブレ補正光学系の移動に応じて移動する部材に配置され、前記ブレ補正光学系の移動に応じた量の前記測定光を反射又は透過する検出板と、
    前記検出板により反射した前記測定光、又は、前記被測定板を透過した前記測定光を受光し、受光した光量に略比例した電流を受光量信号として出力する受光部と、
    前記受光量信号から任意の可変電流を減算し、前記可変電流を減算した前記受光量信号を電圧に変換して出力する受光信号処理部と、
    前記受光信号処理部の出力に基づいて前記ブレ補正光学系の位置を演算する位置演算部と、
    を備えることを特徴とするブレ補正装置の光学式位置検出装置。
  25. 振れにより生じる像面でのブレを補正するブレ補正光学系と、
    測定光を発光する発光部と、
    前記ブレ補正光学系の移動に応じて移動する部材に配置され、前記ブレ補正光学系の移動に応じた量の前記測定光を反射又は透過する検出板と、
    前記検出板により反射した前記測定光、又は、前記被測定板を透過した前記測定光を受光し、受光した光量に略比例した電流を受光量信号として出力する受光部と、
    前記受光量信号を電圧変換し、電圧変換された前記受光量信号から可変可能な電圧を減算して出力する受光信号処理部と、
    前記受光信号処理部の出力に基づいて前記ブレ補正光学系の位置を演算する位置演算部と、
    を備えることを特徴とするブレ補正装置の光学式位置検出装置。
  26. 請求項24又は請求項25に記載のブレ補正装置の光学式位置検出装置において、
    前記発光部の発光量を調整する発光量調整部を備えること、
    を特徴とするブレ補正装置の光学式位置検出装置。
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