JP2004251100A - 磁器タイル壁面の塗装工法 - Google Patents
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Abstract
【課題】磁器タイル壁面の塗装工法を提供する。
【解決手段】磁器タイル及び/又は磁器タイル目地部に、アルキルアルコキシシラン(a)、アルコキシ基を有するオルガノポリシロキサン(b)、アミノアルキル基を有するアルコキシシラン(c1)及び/又はアミノアルキル基を有するオルガノポリシロキサン(c2)及び乳化剤(d)を有効成分とするエマルションを含む撥水処理剤(A)を塗装する。さらにクリヤー塗料又は光触媒活性を含有する塗布剤を塗布する。クリヤー塗料は、マレイミド基を有する光硬化型樹脂を樹脂成分として含有する、又はオルガノシリケート化合物を含有することが望ましい。
【選択図】なし。
【解決手段】磁器タイル及び/又は磁器タイル目地部に、アルキルアルコキシシラン(a)、アルコキシ基を有するオルガノポリシロキサン(b)、アミノアルキル基を有するアルコキシシラン(c1)及び/又はアミノアルキル基を有するオルガノポリシロキサン(c2)及び乳化剤(d)を有効成分とするエマルションを含む撥水処理剤(A)を塗装する。さらにクリヤー塗料又は光触媒活性を含有する塗布剤を塗布する。クリヤー塗料は、マレイミド基を有する光硬化型樹脂を樹脂成分として含有する、又はオルガノシリケート化合物を含有することが望ましい。
【選択図】なし。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建築物の外装材などに使用されている磁器タイル壁面の劣化防止及び美観維持を目的とする塗装工法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
磁器タイルは、耐久性に優れ、またその色彩及び光沢の良さから特有の美観が得られることで、例えば建築物の外内装材として広く使用されている。このような磁器タイルを用いた仕上げ工法は、多くの利点がある反面、長期の暴露によって磁器タイルの間に設けられた目地部が劣化しやすいという問題があった。例えば、磁器タイル間の目地部に使用されているモルタルが、長期の暴露によって中性化等で防水性が低下し、その結果磁器タイルの裏面に水が入り込み、磁器タイル層が劣化したり、場合によっては磁器タイルが落下したりする等の不具合が生じることがあった。その対策として特許文献1には磁器タイルと目地部に対してアルコキシシリル基含有アクリル樹脂系の塗料を塗布した後、特定のクリヤー塗料を塗装する方法が提案されている。
【特許文献1】特開平8−290107号
しかしながらこの方法では、目地部や一部の磁器タイルが濃い色と変化してしまう”濡れ色”現象がおきたりして、外観を損ねてしまうという問題があった。また、特許文献2には、目地部にシリコン系やジルコニウム系の撥水処理剤を塗布する方法が提案されている。
【特許文献2】特開2001−347221号
しかしながらこの方法では、濡れ色現象は緩和するものの、撥水持続性が不十分となるという問題点があった。また、磁器タイル壁面は、磁器タイルと目地部という性質の全く異なる素材が組み合わさってできているので、両方の素材の質感を共に維持し、且つ付着性や撥水持続性が良好な処理剤の開発が求められていた。
【0003】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記問題点を解決すべく鋭意検討した結果、磁器タイル面及び/又は該磁器タイルの目地部に対し、アルキルアルコキシシラン、アルコキシ基を有するオルガノポリシロキサン、アミノアルキル基を有するアルコキシシラン及び/又はアミノアルキル基を有するオルガノポリシロキサン及び乳化剤を有効成分とするエマルションを含む特定の撥水処理剤を塗布することにより、磁器タイル壁面全体の美観維持及び耐久性が向上することを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、
1. 磁器タイル面及び/又は該磁器タイルの目地部に、アルキルアルコキシシラン(a)、アルコキシ基を有するオルガノポリシロキサン(b)、アミノアルキル基を有するアルコキシシラン(c1)及び/又はアミノアルキル基を有するオルガノポリシロキサン(c2)及び乳化剤(d)を有効成分とするエマルションを含む撥水処理剤(A)を塗装することを特徴とする磁器タイル壁面の塗装工法、
2. 撥水処理剤(A)を磁器タイル面及び該磁器タイルの目地部共に塗装した後、該磁器タイル面に塗布された撥水処理剤(A)を除去することを特徴とする磁器タイル壁面の塗装工法、
3. 1項または2項に記載の方法で撥水処理剤(A)を塗装した後、さらにクリヤー塗料(B)を塗装する磁器タイル壁面の塗装工法、
4.クリヤー塗料(B)が、マレイミド基を有する光硬化型樹脂を樹脂成分として含有する3項に記載の磁器タイル壁面の塗装工法、
5.クリヤー塗料(B)が、オルガノシリケート化合物を含有する3項または4項に記載の磁器タイル壁面の塗装工法、
6.1項または2項に記載の方法で撥水処理剤(A)を塗装した後、さらに光触媒活性を有する酸化チタンを含有する塗布剤(C)を塗装する磁器タイル壁面の塗装工法、
7.1項ないし6項のいずれか1項に記載の塗装工法により仕上げられた磁器タイル壁面、
に関する。
【0004】
【発明の実施の形態】
本発明方法が適用される磁器タイル壁面は、磁器タイルと目地部とからなり、新設の場合は十分な養生の後、補修の場合には洗剤または酸を含む洗浄液を使用して表面の汚れを十分に除去し、水洗、乾燥後、塗装に供されるのが好ましい。
【0005】
磁器タイルは、通常、磁器用素地土の混合物を高温で溶融焼結せしめてなり、例えば粘土質材料、長石及び珪石を主成分とするものである。
【0006】
一方、目地部は、通常、モルタル、すなわちセメント質材料と砂からなり、塗装する前の状態で含水率が10重量%以下、好ましくは8重量%以下の範囲に乾燥していることが望ましい。これにより、本発明の撥水処理剤(A)が目地部に含浸されやすいという利点がある。
【0007】
本発明方法で使用される撥水処理剤(A)は、アルキルアルコキシシラン(a)、アルコキシ基を有するオルガノポリシロキサン(b)、アミノアルキル基を有するアルコキシシラン(c1)及び/又はアミノアルキル基を有するオルガノポリシロキサン(c2)及び乳化剤(d)を有効成分とするエマルションを含有する。
【0008】
上記アルキルアルコキシシラン(a)において、該アルキル基としては、直鎖/分岐状、脂環式の脂肪族アルキル基、あるいは芳香族のアルキル基等が挙げられ、該アルキル基はフッ素、塩素、臭素及びヨウ素等のハロゲン原子で一部置換されていてもよい。本発明方法においては、炭素数が1〜20のアルキル基が好適であり、該アルキル基としては例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソ−プロピル基、n−ブチル基、イソ−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソ−ペンチル基、ネオ−ペンチル基、t−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、イソ−オクチル基、2,2,4−トリメチルペンチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ドデシル基等の直鎖及び又は分岐状のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、4−エチルシクロヘキシル基、シクロヘプチル基、ノルボルニル基及びメチルシクロヘキセニル基等のシクロアルキル基;ビニル基、アリル基、n−5−ヘキセニル基、4−ビニルシクロヘキセニル基及び3−ノルボルネニル基等のアルケニル基;フェニル基、ビフェニルイル基、ナプチル基、アントリル基、フェナントリル基等のアリール基;o−、m−、p−トリル基、キシリル基及びエチルフェニル基等のアルカリール基;ベンジル基、α−及びβ−フェニルエチル基等のアラルキル基が挙げられる。これらの中でも炭素数が1〜12の非置換型アルキル基及びフェニル基が好ましい。
【0009】
アルコキシ基としては、炭素数が1〜6のアルコキシ基が好適であり、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基等が挙げられる。該アルコキシ基はハロゲン原子によって置換されていてもよい。
【0010】
本発明におけるアルコキシ基を有するオルガノポリシロキサン(b)は、分岐状構造を有し、例えば下記一般式(I)で示されるものが挙げられる。
【0011】
【化1】
【0012】
(式中Rは、場合によりハロゲン置換されていてもよい、同じか又は異なる炭素数が1〜20のアルキル基を表し、R1は、同じか又は異なる炭素数が1〜6のアルキル基を表し、xは0≦x≦3、好ましくは0.6≦x≦1.8の数値を表し、yは0≦y≦3、好ましくは0.01≦y≦2.0の数値を表し、zは、0≦z≦3の数値を表す。ただしx、y及びzの合計は、3.5以下である。)。
【0013】
炭素数が1〜20のアルキル基、及び炭素数が1〜6のアルコキシ基としては、上記アルキルアルコキシシラン(a)の説明で列記したものと同様のものが使用できる。
【0014】
上記オルガノポリシロキサン(b)は、例えば、メチルトリクロロシラン及び場合により炭素数が1〜8のアルキルトリクロロシラン又はフェニルトリクロロシランとエタノールとを水中で反応させることによって得ることができる。
【0015】
アミノアルキル基を有するアルコキシシラン(c1)は、下記一般式(II)で示されるものが挙げられる。
R2 aR3 bSi(OR4)4−a−b (II)
(式中R2は、ハロゲン置換されてもよい、同じか異なる炭素数が1〜20のアルキル基、好ましくはメチル基であり、R3は、ハロゲン置換されてもよい同じか又は異なる炭素数1〜30のアミノアルキル基を表し、R4は、同じか又は異なる炭素数が1〜6のアルキル基または水素原子を表し、aは0≦a≦2である数値、bは、1≦b≦3である数値、ただしa及びbの合計は3以下である)。
【0016】
R2はRと同様のものが使用できる。R3基として好ましいアミノアルキル基としては、H2NCH2−、H2N(CH2)2−、H2N(CH2)3−、H2N(CH2)2NH(CH2)2−、H2N(CH2)2NH(CH2)3−、H3CNH(CH2)3−、C2H5NH(CH2)3−、H3CNH(CH2)2−、C2H5NH(CH2)2−、H2N(CH2)4−、H2N(CH2)5−、H(NHCH2CH2)3−、C4H9NH(CH2)2NH(CH2)2−、シクロヘキシル−NH(CH2)3−、シクロヘキシル−NH(CH2)2−、(CH3)2N(CH2)3−、(CH3)2N(CH2)2−、(C2H5)2N(CH2)3−、及び(C2H5)2N(CH2)3−基等が挙げられる。
【0017】
アミノアルキル基を有するオルガノポリシロキサン(c2)は、分岐状構造を有し、下記一般式(III)で表されるものが好適に使用できる。
【0018】
【化2】
【0019】
(式中R5は、Rと同様のものを表し、R6は、R3と同様のものを表し、R7は、R1と同様のものを表し、かつcは0≦c≦1の数値を表し、dは0≦d≦3の数値を表し、eは0≦e≦3の数値を表し、ただし、c、d及びeの合計は3以下である。)。
【0020】
特にR5はメチル基、R6はアミノプロピル基又は(アミノエチル)アミノプロピル基、R7はメチル又はエチル基が好適である。
【0021】
上記アミノアルキル基を有するオルガノポリシロキサン(c2)は、上記アミノアルキル基を有するアルコキシシラン(c1)と、アルコキシ基及び/又はヒドロキシル基を有しかつ塩基性窒素を含まないオルガノポリシロキサンとを平衡させるか又は縮合させることによって製造することができる。
【0022】
乳化剤(d)としては、アニオン性乳化剤、カチオン性乳化剤、ノニオン性乳化剤、両性乳化剤等従来公知のものが制限なく使用できるが、特にノニオン性乳化剤が好ましく、例えばアルキルポリグリコールエーテル、アルキルアリールポリグリコールエーテル、アルキルアミンとエチレンオキシド又はプロピレンオキシドとの付加生成物、アルキルポリグリコシド、ポリビニルアルコールが好ましい。
【0023】
本発明方法に使用される撥水処理剤(A)に含有されるエマルションは、上記アルキルアルコキシシラン(a)、オルガノポリシロキサン(b)、アミノアルキル基を有するアルコキシシラン(c1)及びアミノアルキル基を有するオルガノポリシロキサン(c2)を水、及び乳化剤(d)にて乳化してなるものである。
【0024】
乳化方法としては定法により乳化する。例えば、先ず水の一部分のみを乳化剤(d)と混合し、次に成分(b)、(c1)及び/又は(c2)を加え、次に成分(a)を入れて乳化し、次いで残りの水を入れて希釈する。また成分(a)、(b)及び成分(c1)及び/又は(c2)を混合し、これを乳化剤(d)及び水の混合物に加えてもよい。乳化は好ましくは圧力乳化機、コロイドミル高速ステーターローター撹拌機中で行う。
【0025】
上記撥水処理剤(A)は有効成分として、さらにケイ素樹脂、フッ素含有ポリマー、ポリオレフィンワックス、シリコンワックス、ポリウレタン、アクリル、ポリエステル、エポキシ等の有機ポリマーおよびその分散体、顔料、光触媒活性を有する酸化チタン、分散剤、表面張力調整剤、充填剤、増粘剤、緩衝物質、殺カビ剤、殺菌剤、殺藻剤、殺菌薬、香料、防腐剤、及び消泡剤も含有することができる。
【0026】
上記撥水処理剤(A)は、通常、水性媒体によって有効成分の濃度を1〜20%、さらには3〜15%の範囲に調整して塗装することが好適である。該水性媒体とは、水、あるいは水に溶解可能な有機溶剤を包含する。
【0027】
塗布量は、有効成分の塗布量が、1〜20g/m2、好ましくは3〜15g/m2の範囲となるように塗布することが望ましい。水性媒体による希釈後の撥水処理剤(A)の塗布量としては、0.05〜0.2Kg/m2/回、好ましくは0.07〜0.15Kg/m2/回の範囲が適当である。有効成分の塗布量を上記範囲の如く確保するために、希釈後の撥水処理剤(A)を上記塗布量/回の範囲で、複数回塗り重ねても良い。
【0028】
その塗装手段は特には限定されないが、例えばスプレー塗り、ローラー塗り、刷毛塗り、流し塗り等の手段で行うことができる。
【0029】
塗装方法としては、磁器タイル面及び該磁器タイルの目地部を共に塗装する方法、磁器タイル目地部にのみ塗装する方法が挙げられる。本発明方法に適用される撥水処理剤(A)によれば、磁器タイル面及び該目地部共に濡れ色となることもなく、撥水性を付与することができるが、防水性を特に要求される目地部のみに塗装してもよい。例えば、上記塗装手段により目地部のみを選択して塗装してもよいが、磁器タイル面及び該磁器タイルの目地部共に上記手段にて塗装し、該磁器タイルの目地部に該処理剤(A)を含侵させた後、磁器タイル面に塗布された処理剤(A)を除去する方法等が挙げられる。磁器タイル面に塗布された処理剤(A)を除去する方法としては、該表面を拭く、散水処理等の手段が挙げられる。このように撥水処理剤(A)の目地部に対する含浸度が磁器タイル自体の含浸度より大きいことを利用して、上記のごとく磁器タイル目地部にのみ撥水処理剤(A)を塗布することができる。
【0030】
本発明方法においては、上記撥水処理剤(A)にて磁器タイル面及び/又は該磁器タイル目地部を処理した後、さらに従来公知のシリコン系、ジルコニウム系の撥水処理剤を上記塗装方法により重ねて塗装してもよい。
【0031】
次工程として上記した従来の撥水処理剤もしくは後述のクリヤー塗料(B)もしくは光触媒活性を有する酸化チタンを含有する塗布剤(C)を、撥水処理剤(A)の塗面上に塗り重ねる場合において、該撥水処理剤(A)塗装後の乾燥は、例えば、20℃の乾燥温度では約2時間から10日間の範囲であることが好適である。
【0032】
本発明方法は、上記方法で撥水処理剤(A)を塗装した後、さらにクリヤー塗料(B)を塗装する塗装工法を提供する。
【0033】
かかるクリヤー塗料(B)としては、従来公知のクリヤー塗料を使用することができる。
【0034】
ビヒクル成分となる樹脂成分としては、従来公知の架橋、もしくは非架橋タイプの樹脂が挙げられ、例えばアクリル樹脂、アクリルシリコン樹脂、ポリエステル樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられる。また、これらを適宜組み合わせて変性してなる樹脂、または混合してなる樹脂も包含される。
【0035】
クリヤー塗料(B)としては、例えば上記に例示の樹脂成分を水性媒体または有機溶剤(例えば、芳香族系、エステル系、ケトン系、アルコール系、エーテル系、脂肪族炭化水素系などこれらを単独でまたは2種以上組み合わせた有機溶剤等)に溶解、または分散したものを使用することができる。
【0036】
本発明方法においては、上記樹脂成分として、マレイミド基を有する光硬化型樹脂を使用することが望ましい。マレイミド基は光の照射により2量化することのできる官能基であり、これを含む樹脂は光硬化をすることができる。光源としては太陽光等の自然光であってもよく、屋外における塗膜形成過程において硬化が進行するので、貯蔵安定性と硬化性が両立することが可能である。
【0037】
マレイミド基の導入方法としては、例えばマレイミド基を有する重合性不飽和モノマーとその他のモノマーを共重合する方法が挙げられる。本発明においてクリヤー塗料(B)がマレイミド基を含有することにより、クリヤー塗膜が汚れ難いという利点がある。
【0038】
また、クリヤー塗膜の表面を降雨水等により経時で親水化させ、クリヤー塗膜に耐汚染性を付与させるために、上記クリヤー塗料(B)が、オルガノシリケート化合物を包含することが望ましい。そのような目的で使用しうるオルガノシリケート化合物としては、例えば、下記一般式(IV)で表される化合物を挙げることができる。
【0039】
【化3】
【0040】
式中、R8は同じか又は異なり、水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基である。例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソ−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソ−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソ−ヘキシル基、n−オクチル基等の直鎖又は分岐状のアルキル基や、フェニル基などのアリール基が好適である。
【0041】
しかして、上記式(IV)のオルガノシリケート化合物の具体例としては、例えば、テトラヒドロキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラフェノキシシラン、ジメトキシジエトキシシランなどが挙げられる。これらはそれぞれ単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
【0042】
また、上記オルガノシリケート化合物同士の分岐状もしくは直鎖状の縮合物も使用することもでき、その縮合度は通常2〜100の範囲内が適当である。
【0043】
また、クリヤー塗料が水系である場合には、オルガノシリケート化合物として、上記のオルガノシリケート化合物及び/又はその縮合物中のアルコキシ基又は水酸基にポリアルキレングリコール系化合物を一部反応させた変性オルガノシリケート化合物が水に対する溶解性が良好であり、好適に使用できる。
【0044】
変性剤としてのポリアルキレングリコール系化合物としては、一般式(V)
R9O−(R1 0O)n−H (V)
式中、R9は水素原子、アルキル基又はアリール基であり、R10は炭素数2〜4のアルキレン基であり、nは2〜60である、で表わされるものが挙げられる。具体的には、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどのポリアルキレングリコール;メトキシポリエチレングリコール、エトキシポリエチレングリコール、エトキシポリプロピレングリコール、エトキシポリブチレングリコールなどのアルコキシポリアルキレングリコール;ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテルなどのポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル等が挙げられ、特にポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルが好適である。
【0045】
上記オルガノシリケート化合物の含有量は、クリヤー塗料(B)の樹脂固形分100重量部あたり一般に0.1〜50重量部、好ましくは1〜20重量部の範囲内が好適である。
【0046】
上記クリヤー塗料(B)は、樹脂固形分が通常20〜60重量%、特に30〜50重量%の範囲が適当であり、また、塗布量は約0.05〜0.12Kg/m2/回、好ましくは0.08〜0.l0Kg/m2/回の範囲が好ましい。クリヤー塗料の乾燥塗膜厚は10〜100μm、好ましくは20〜70μmの範囲が好適である。この乾燥塗膜厚を得るために上記塗布量の範囲で複数回塗り重ねても良い。この塗装手段は特に限定はされないが、例えばスプレー塗り、ローラー塗り、刷毛塗り、流し塗りなどの手段で行うことができる。塗布量がこの範囲を下回ると塗膜の保護能力が低下し、この範囲を超えると目地部が濡れ色となることがある。
【0047】
上記クリヤー塗料(B)を使用した本発明に従う塗装工法によれば、目地部内部に撥水処理剤(A)が含浸され、目地部内部は撥水性となり防水性が向上し、かつ磁器タイル壁面の表面は、クリヤー塗膜により保護され、さらに低汚染性を発現させることもできる。
【0048】
本発明は、撥水処理剤(A)を塗装した後、さらに光触媒活性を有する酸化チタンを含有する塗布剤(C)を塗装する塗装工法を提供する。
【0049】
上記光触媒活性を有する酸化チタンは、バンド・ギャップを有する半導体粒子であり、そのバンド・ギャップ以上のエネルギ−を持つ光(例えば太陽光や人工照明光の紫外線等)が照射されると光励起により生成した電子と正孔が半導体粒子表面に移動し、その強い酸化能力によってこれに接する汚染物質などを分解する機能を発揮するものである。該酸化チタンには正方晶系に属するルチル型、アナタ−ゼ型と、斜方晶系に属するブルッカイト型の3種類の結晶型があるが、光触媒活性を有する酸化チタンとしては通常、アナタ−ゼ型の酸化チタンである。
【0050】
上記塗布剤(C)における光触媒活性を有する酸化チタン以外の成分としては、シリコン樹脂等の無機系樹脂等のビヒクル成分や各種添加剤、希釈剤等が挙げられる。また、塗布剤(C)としては、上記光触媒活性を有する酸化チタンを変性させることにより得られるコロイド状水分散物を主成分とする塗布剤も包含される。
【0051】
塗布剤(C)の塗布量は、該塗布剤(C)の固形分が、0.1〜10g/m2、好ましくは0.3〜5g/m2の範囲となるように塗布することが望ましい。
【0052】
この塗装手段は特に限定はされないが、例えばスプレー塗り、ローラー塗り、刷毛塗り、流し塗りなどの手段で行うことができる。磁器タイル面及び該磁器タイル目地部共に塗装してもよいし、磁器タイル面及び該磁器タイルの目地部共に上記手段にて塗装し、該磁器タイルの目地部に該塗布剤(C)を含侵させた後、磁器タイル面に塗布された塗布剤(C)を例えば上記で説明した方法で除去する方法にて塗装してもよい。
【0053】
上記塗布剤(C)を使用した本発明に従う塗装工法によれば、目地部内部に撥水処理剤(A)が含浸され、目地部内部は撥水性となり防水性が向上し、目地部表面には光触媒層を形成することが出来、内部は防水性を維持しながら表面は、低汚染性、汚染物質分解性等の光触媒活性を発現することが可能である。
【0054】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。尚、文中「部」及び「%」は、それぞれ「重量部」及び「重量%」を意味する。
【0055】
撥水処理剤(A)の製造
製造例1〜5
下記表1に示す各成分を下記に示す配合組成で混合し、高速ステーターローター攪拌装置で乳化した後、有効成分濃度が10%になるようにさらに水で希釈して撥水処理剤(A1)〜(A5)を得た。
【0056】
【表1】
【0057】
(注1)アルキルアルコキシシラン(a1):イソオクチルトリエトキシシラン
(注2)アルキルアルコキシシラン(a2):n−ヘキシルトリメトキシシラン
(注3)アルコキシ基を有するオルガノポリシロキサン(b1):平均分子量760g/モルを有する実験式(CH3)0.7(イソオクチル)0.3Si(OCH3)1.3O0.85で示される化合物
(注4)アルコキシ基を有するオルガノポリシロキサン(b2):平均分子量650g/モルを有する実験式CH3Si(OC2H5)0.8O1.1で示される化合物
(注5)アミノアルキル基を有するアルコキシシラン(c1):N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン
(注6)アミノアルキル基を有するオルガノポリシロキサン(c2):KOHの存在下でアルコキシ基を有するオルガノポリシロキサン(b1)およびアミノアルキル基を有するアルコキシシラン(c1)から製造される、アミン価約3.0、粘度約500mm2/s(25℃)及びN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン中に初めに存在するメトキシ基を基準にして5モル%未満の残余メトキシ基を有する縮合生成物
(注7)乳化剤(d1):イソトリデシルアルコール−(16)−ポリグリコールエーテル。
【0058】
クリヤー塗料(B)の製造
製造例6
攪拌機、温度計、滴下ロート、窒素導入管を付設した2Lフラスコに、酢酸ブチル900g、メチルメタクリレート220g、n−ブチルメタクリレート44g、nブチルアクリレート87g、ヒドロキシエチルメタクリレート58g、下記式で表されるマレイミド基含有メタクリレート87g、メタクリル酸5gを仕込み、十分窒素置換をおこなった後、75℃まで昇温した。フラスコの内温が75℃に到達した時点で、アゾビスイソブチロニトリル5gを酢酸ブチル100gに溶解した開始剤溶液を滴下し、重合を開始した。その後、メチルメタクリレート220g、n−ブチルメタクリレート44g、n−ブチルアクリレート87g、ヒドロキシエチルメタクリレート58g、下記式で表されるマレイミド基含有メタクリレート87g、メタクリル酸5gにアゾイソブチロニトリル5gを溶解させたモノマー混合物を該フラスコに3時間かけて滴下した。その後、温度を85℃に昇温して2時間熟成し、更に90℃で2時間熟成させた。
【0059】
その後、フラスコの内容物を多量のメタノールに沈殿させ、999g(重合率99.7%)、水酸基価50mgKOH/g、酸価6.5mgKOH/gの重合体を得た。該重合体を固形分40%になるようにキシレン/酢酸ブチル=50/50(重量比)に溶解すると、無色透明な溶液が得られた。得られた重合体溶液100部に硬化剤として「コロネートHX」(商品名、日本ポリウレタン(株)製、イソシアネート硬化剤)を水酸基価/NCO価=1.0になるように7.3部、硬化促進剤として、ジブチル錫ジラウレートの0.1wt%キシレン溶液を2.9部加え、マレイミド基を有する光硬化型樹脂を樹脂成分として含有するクリヤ塗料(B1)を調製した。
【0060】
【化4】
【0061】
製造例7
「アレスレタンクリヤ−」(商品名、関西ペイント社製、アクリル樹脂/イソシアネ−ト硬化型有機溶剤系塗料)の樹脂固形分100部に対して、「エチルシリケート40」(商品名、コルコ−ト社製、テトラエチルシリケ−ト縮合物)の固形分が20部となるように配合し、オルガノシリケート含有クリヤ(B2)を調整した。
【0062】
試験基板の調整
スレート板に10cm角磁器タイルを縦横2個ずつエポキシ接着剤を使用して貼り付け、その際に各磁器タイル間の目地幅を2mmとした。この目地に目地モルタル(ダントーメジフィット、ダントー株式会社製)をタイル表面より2mm低くなるように埋め込み、14日間養生して磁器タイルパネル試験基板とした。
【0063】
実施例1
上記試験基板の表面全体に上記撥水処理剤(A1)を刷毛にて、塗布量が100g/m2/回となるように塗装し、常温で7日間乾燥させて試験体を得た。
実施例2〜5
実施例1において、撥水処理剤(A1)の変わりに撥水処理剤(A2)〜(A5)を夫々使用する以外は実施例1と同様にして各試験体を得た。
実施例6
試験基板の表面全体に上記製造例で得た撥水処理剤(A1)を刷毛にて、塗布量が100g/m2/回となるように塗装し、目地モルタル面に塗装した撥水処理剤を染み込ませた後に磁器タイル表面の撥水処理剤(A1)のみをウエスで拭き取って、常温で7日間乾燥させて試験体を得た。
実施例7
試験基板の表面全体に上記製造例で得た撥水処理剤(A1)を刷毛にて、塗布量が100g/m2/回となるように塗装し、目地モルタル面に塗装した撥水処理剤を十分染み込ませた後に試験基板表面に散水し、磁器タイル表面の撥水処理剤のみを洗い流した後、常温で7日間乾燥させて実施例7の試験体を得た。
実施例8
実施例1と同様に撥水処理剤(A1)を塗装した後、常温で1日乾燥させ、さらに、クリヤー掛け工程として、「アクアプリズム」(商品名、関西ペイント社製、水性シリコン系クリヤー塗料、固形分45%)を刷毛にて塗布量100g/m2/回となるように1回塗装し、常温で7日間乾燥させて試験体を得た。
実施例9
実施例6と同様に撥水処理剤(A1)を塗装して磁器タイル表面の撥水処理剤のみを除去した後、常温で1日乾燥させ、さらに、クリヤー掛け工程として、「アクアプリズム」(商品名、関西ペイント社製、水性シリコン系クリヤー塗料、固形分45%)を刷毛にて塗布量100g/m2/回となるように1回塗装し、常温で7日間乾燥させて実施例9の試験体を得た。
【0064】
実施例10
実施例7と同様に撥水処理剤(A1)を塗装して磁器タイル表面の撥水処理剤のみを除去した後、常温で1日乾燥させ、さらに、クリヤー掛け工程として、「アクアプリズム」(商品名、関西ペイント社製、水性シリコン系クリヤー塗料、固形分45%)を刷毛にて塗布量100g/m2/回となるように1回塗装し、常温で7日間乾燥させて実施例10の試験体を得た。
実施例11
実施例6と同様に撥水処理剤(A1)を塗装して磁器タイル表面の撥水処理剤のみを除去した後、常温で1日乾燥させ、さらに、クリヤー掛け工程としてマレイミド基を有する光硬化型樹脂を樹脂成分として含有するクリヤー塗料(B1)を刷毛にて塗布量100g/m2/回となるように1回塗装し、常温で7日間乾燥させて実施例11の試験体を得た。
実施例12
実施例6と同様に撥水処理剤(A1)を塗装して磁器タイル表面の撥水処理剤のみを除去した後、常温で1日乾燥させ、さらに、クリヤー掛け工程としてオルガノシリケート含有クリヤー塗料(B2)を刷毛にて塗布量100g/m2/回となるように1回塗装し、常温で7日間乾燥させて実施例12の試験体を得た。
実施例13
実施例6と同様に撥水処理剤(A1)を塗装して磁器タイル表面の撥水処理剤のみを除去した後、常温で1日乾燥させ、さらに、「TKC−304」(商品名、テイカ株式会社製、アナターゼ型光触媒酸化チタンの水性ディスパージョン、固形分濃度9%)を刷毛にて塗布量が30g/m2/回となるように1回塗装し、常温で7日間乾燥させて実施例12の試験体を得た。
【0065】
比較例1
試験基板の表面全体に「セラシリコンタイルコーティング材」(商品名、関西ペイント株式会社製、アクリルシリコン樹脂系クリヤー塗料)を100g/m2塗装し、常温で1日間乾燥させた後、該セラシリコンタイルコーティング材を60g/m2塗装し、常温で7日間乾燥させて比較例1の試験体を得た。
比較例2
試験基板の表面全体に、ヘキシルトリメトキシシランをトルエンで10%に希釈したものを塗布量が100g/m2/回となるように塗装し、常温で7日間乾燥させて比較例2の試験体を得た。
比較例3
試験基板の表面全体に、オルガチックスZB−320(松本製薬工業社製、有効成分(C4H9O)3Zr(OCOC17H35))をトルエンで10%に希釈したものを塗布量が100g/m2/回となるように塗装し、常温で7日間乾燥させて比較例2の試験体を得た。
【0066】
得られた各試験体について下記の試験方法に基づいて試験を行った。試験結果を下記表2に示す。
【0067】
【表2】
【0068】
(*1)初期外観の濡れ色
各試験体の目地モルタル部分の色を塗装していない目地モルタルと比較して、下記の基準で判定した。
◎:試験体と塗装していない目地モルタル部分とで見分けがつかない
○:試験体と塗装していない目地モルタル部分とでほとんど見分けがつかない
△:試験体の色が塗装していない目地モルタル部分よりやや濃い
×:試験体の色が塗装していない目地モルタル部分よりはっきり濃い
(*2)水接触角
各試験体目地部表面に水滴を滴下し、角度測定器で各試験体表面と水滴の境界の角度(水接触角)を測定した。値が大きいほど表面が撥水性であることを示している。
(*3)サンシャインウェザーメーター試験後の水接触角
各試験体をJIS B7753 に規定される試験機(サンシャインウェザーメーター)に1000時間暴露した後の水接触角を測定した。暴露前後で水接触角の変化が少ないほど良好であることを示す。
(*4)付着性
上記の促進試験終了後、各試験体の磁器タイル面および目地モルタル面にカッターナイフで素地に達するまでクロスカットを入れた後、粘着テープを貼り付けてはがし、下記の基準で判定した。
◎:全く剥離しない
○:クロスカットにそって若干の剥離がある
△:はっきりした剥離がある
×:全面剥離
(*5)耐汚染性
各試験体を1年間の屋外曝露試験を行った後、試験体の目視評価をし、下記の基準で判定した。
◎:ほとんど汚れが目立たない
○:わずかに汚れが分かる
△:汚れが目立つ
×:汚れが著しい
【0069】
【発明の効果】
本発明の塗装工法によれば、磁器タイルと目地部という性質の異なる素材が組み合わされた素材である磁器タイル壁面の保護方法として、特定の撥水処理剤を塗装することにより、磁器タイル面の質感を損なうことなく、磁器タイル目地部の防水性を向上させることができる。また、磁器タイル自体にも撥水性を付与することができる。目地部には該撥水処理剤が内部奥深くに含浸されているので、クリヤー塗料や光触媒を含有する塗布剤の塗装により目地部が濡れ色となることもなく、内部は防水性、表層は低汚染性、光触媒活性等の機能を付与させることも可能であり、磁器タイル壁面の美観を長期にわたって維持することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、建築物の外装材などに使用されている磁器タイル壁面の劣化防止及び美観維持を目的とする塗装工法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
磁器タイルは、耐久性に優れ、またその色彩及び光沢の良さから特有の美観が得られることで、例えば建築物の外内装材として広く使用されている。このような磁器タイルを用いた仕上げ工法は、多くの利点がある反面、長期の暴露によって磁器タイルの間に設けられた目地部が劣化しやすいという問題があった。例えば、磁器タイル間の目地部に使用されているモルタルが、長期の暴露によって中性化等で防水性が低下し、その結果磁器タイルの裏面に水が入り込み、磁器タイル層が劣化したり、場合によっては磁器タイルが落下したりする等の不具合が生じることがあった。その対策として特許文献1には磁器タイルと目地部に対してアルコキシシリル基含有アクリル樹脂系の塗料を塗布した後、特定のクリヤー塗料を塗装する方法が提案されている。
【特許文献1】特開平8−290107号
しかしながらこの方法では、目地部や一部の磁器タイルが濃い色と変化してしまう”濡れ色”現象がおきたりして、外観を損ねてしまうという問題があった。また、特許文献2には、目地部にシリコン系やジルコニウム系の撥水処理剤を塗布する方法が提案されている。
【特許文献2】特開2001−347221号
しかしながらこの方法では、濡れ色現象は緩和するものの、撥水持続性が不十分となるという問題点があった。また、磁器タイル壁面は、磁器タイルと目地部という性質の全く異なる素材が組み合わさってできているので、両方の素材の質感を共に維持し、且つ付着性や撥水持続性が良好な処理剤の開発が求められていた。
【0003】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記問題点を解決すべく鋭意検討した結果、磁器タイル面及び/又は該磁器タイルの目地部に対し、アルキルアルコキシシラン、アルコキシ基を有するオルガノポリシロキサン、アミノアルキル基を有するアルコキシシラン及び/又はアミノアルキル基を有するオルガノポリシロキサン及び乳化剤を有効成分とするエマルションを含む特定の撥水処理剤を塗布することにより、磁器タイル壁面全体の美観維持及び耐久性が向上することを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、
1. 磁器タイル面及び/又は該磁器タイルの目地部に、アルキルアルコキシシラン(a)、アルコキシ基を有するオルガノポリシロキサン(b)、アミノアルキル基を有するアルコキシシラン(c1)及び/又はアミノアルキル基を有するオルガノポリシロキサン(c2)及び乳化剤(d)を有効成分とするエマルションを含む撥水処理剤(A)を塗装することを特徴とする磁器タイル壁面の塗装工法、
2. 撥水処理剤(A)を磁器タイル面及び該磁器タイルの目地部共に塗装した後、該磁器タイル面に塗布された撥水処理剤(A)を除去することを特徴とする磁器タイル壁面の塗装工法、
3. 1項または2項に記載の方法で撥水処理剤(A)を塗装した後、さらにクリヤー塗料(B)を塗装する磁器タイル壁面の塗装工法、
4.クリヤー塗料(B)が、マレイミド基を有する光硬化型樹脂を樹脂成分として含有する3項に記載の磁器タイル壁面の塗装工法、
5.クリヤー塗料(B)が、オルガノシリケート化合物を含有する3項または4項に記載の磁器タイル壁面の塗装工法、
6.1項または2項に記載の方法で撥水処理剤(A)を塗装した後、さらに光触媒活性を有する酸化チタンを含有する塗布剤(C)を塗装する磁器タイル壁面の塗装工法、
7.1項ないし6項のいずれか1項に記載の塗装工法により仕上げられた磁器タイル壁面、
に関する。
【0004】
【発明の実施の形態】
本発明方法が適用される磁器タイル壁面は、磁器タイルと目地部とからなり、新設の場合は十分な養生の後、補修の場合には洗剤または酸を含む洗浄液を使用して表面の汚れを十分に除去し、水洗、乾燥後、塗装に供されるのが好ましい。
【0005】
磁器タイルは、通常、磁器用素地土の混合物を高温で溶融焼結せしめてなり、例えば粘土質材料、長石及び珪石を主成分とするものである。
【0006】
一方、目地部は、通常、モルタル、すなわちセメント質材料と砂からなり、塗装する前の状態で含水率が10重量%以下、好ましくは8重量%以下の範囲に乾燥していることが望ましい。これにより、本発明の撥水処理剤(A)が目地部に含浸されやすいという利点がある。
【0007】
本発明方法で使用される撥水処理剤(A)は、アルキルアルコキシシラン(a)、アルコキシ基を有するオルガノポリシロキサン(b)、アミノアルキル基を有するアルコキシシラン(c1)及び/又はアミノアルキル基を有するオルガノポリシロキサン(c2)及び乳化剤(d)を有効成分とするエマルションを含有する。
【0008】
上記アルキルアルコキシシラン(a)において、該アルキル基としては、直鎖/分岐状、脂環式の脂肪族アルキル基、あるいは芳香族のアルキル基等が挙げられ、該アルキル基はフッ素、塩素、臭素及びヨウ素等のハロゲン原子で一部置換されていてもよい。本発明方法においては、炭素数が1〜20のアルキル基が好適であり、該アルキル基としては例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソ−プロピル基、n−ブチル基、イソ−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソ−ペンチル基、ネオ−ペンチル基、t−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、イソ−オクチル基、2,2,4−トリメチルペンチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ドデシル基等の直鎖及び又は分岐状のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、4−エチルシクロヘキシル基、シクロヘプチル基、ノルボルニル基及びメチルシクロヘキセニル基等のシクロアルキル基;ビニル基、アリル基、n−5−ヘキセニル基、4−ビニルシクロヘキセニル基及び3−ノルボルネニル基等のアルケニル基;フェニル基、ビフェニルイル基、ナプチル基、アントリル基、フェナントリル基等のアリール基;o−、m−、p−トリル基、キシリル基及びエチルフェニル基等のアルカリール基;ベンジル基、α−及びβ−フェニルエチル基等のアラルキル基が挙げられる。これらの中でも炭素数が1〜12の非置換型アルキル基及びフェニル基が好ましい。
【0009】
アルコキシ基としては、炭素数が1〜6のアルコキシ基が好適であり、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基等が挙げられる。該アルコキシ基はハロゲン原子によって置換されていてもよい。
【0010】
本発明におけるアルコキシ基を有するオルガノポリシロキサン(b)は、分岐状構造を有し、例えば下記一般式(I)で示されるものが挙げられる。
【0011】
【化1】
【0012】
(式中Rは、場合によりハロゲン置換されていてもよい、同じか又は異なる炭素数が1〜20のアルキル基を表し、R1は、同じか又は異なる炭素数が1〜6のアルキル基を表し、xは0≦x≦3、好ましくは0.6≦x≦1.8の数値を表し、yは0≦y≦3、好ましくは0.01≦y≦2.0の数値を表し、zは、0≦z≦3の数値を表す。ただしx、y及びzの合計は、3.5以下である。)。
【0013】
炭素数が1〜20のアルキル基、及び炭素数が1〜6のアルコキシ基としては、上記アルキルアルコキシシラン(a)の説明で列記したものと同様のものが使用できる。
【0014】
上記オルガノポリシロキサン(b)は、例えば、メチルトリクロロシラン及び場合により炭素数が1〜8のアルキルトリクロロシラン又はフェニルトリクロロシランとエタノールとを水中で反応させることによって得ることができる。
【0015】
アミノアルキル基を有するアルコキシシラン(c1)は、下記一般式(II)で示されるものが挙げられる。
R2 aR3 bSi(OR4)4−a−b (II)
(式中R2は、ハロゲン置換されてもよい、同じか異なる炭素数が1〜20のアルキル基、好ましくはメチル基であり、R3は、ハロゲン置換されてもよい同じか又は異なる炭素数1〜30のアミノアルキル基を表し、R4は、同じか又は異なる炭素数が1〜6のアルキル基または水素原子を表し、aは0≦a≦2である数値、bは、1≦b≦3である数値、ただしa及びbの合計は3以下である)。
【0016】
R2はRと同様のものが使用できる。R3基として好ましいアミノアルキル基としては、H2NCH2−、H2N(CH2)2−、H2N(CH2)3−、H2N(CH2)2NH(CH2)2−、H2N(CH2)2NH(CH2)3−、H3CNH(CH2)3−、C2H5NH(CH2)3−、H3CNH(CH2)2−、C2H5NH(CH2)2−、H2N(CH2)4−、H2N(CH2)5−、H(NHCH2CH2)3−、C4H9NH(CH2)2NH(CH2)2−、シクロヘキシル−NH(CH2)3−、シクロヘキシル−NH(CH2)2−、(CH3)2N(CH2)3−、(CH3)2N(CH2)2−、(C2H5)2N(CH2)3−、及び(C2H5)2N(CH2)3−基等が挙げられる。
【0017】
アミノアルキル基を有するオルガノポリシロキサン(c2)は、分岐状構造を有し、下記一般式(III)で表されるものが好適に使用できる。
【0018】
【化2】
【0019】
(式中R5は、Rと同様のものを表し、R6は、R3と同様のものを表し、R7は、R1と同様のものを表し、かつcは0≦c≦1の数値を表し、dは0≦d≦3の数値を表し、eは0≦e≦3の数値を表し、ただし、c、d及びeの合計は3以下である。)。
【0020】
特にR5はメチル基、R6はアミノプロピル基又は(アミノエチル)アミノプロピル基、R7はメチル又はエチル基が好適である。
【0021】
上記アミノアルキル基を有するオルガノポリシロキサン(c2)は、上記アミノアルキル基を有するアルコキシシラン(c1)と、アルコキシ基及び/又はヒドロキシル基を有しかつ塩基性窒素を含まないオルガノポリシロキサンとを平衡させるか又は縮合させることによって製造することができる。
【0022】
乳化剤(d)としては、アニオン性乳化剤、カチオン性乳化剤、ノニオン性乳化剤、両性乳化剤等従来公知のものが制限なく使用できるが、特にノニオン性乳化剤が好ましく、例えばアルキルポリグリコールエーテル、アルキルアリールポリグリコールエーテル、アルキルアミンとエチレンオキシド又はプロピレンオキシドとの付加生成物、アルキルポリグリコシド、ポリビニルアルコールが好ましい。
【0023】
本発明方法に使用される撥水処理剤(A)に含有されるエマルションは、上記アルキルアルコキシシラン(a)、オルガノポリシロキサン(b)、アミノアルキル基を有するアルコキシシラン(c1)及びアミノアルキル基を有するオルガノポリシロキサン(c2)を水、及び乳化剤(d)にて乳化してなるものである。
【0024】
乳化方法としては定法により乳化する。例えば、先ず水の一部分のみを乳化剤(d)と混合し、次に成分(b)、(c1)及び/又は(c2)を加え、次に成分(a)を入れて乳化し、次いで残りの水を入れて希釈する。また成分(a)、(b)及び成分(c1)及び/又は(c2)を混合し、これを乳化剤(d)及び水の混合物に加えてもよい。乳化は好ましくは圧力乳化機、コロイドミル高速ステーターローター撹拌機中で行う。
【0025】
上記撥水処理剤(A)は有効成分として、さらにケイ素樹脂、フッ素含有ポリマー、ポリオレフィンワックス、シリコンワックス、ポリウレタン、アクリル、ポリエステル、エポキシ等の有機ポリマーおよびその分散体、顔料、光触媒活性を有する酸化チタン、分散剤、表面張力調整剤、充填剤、増粘剤、緩衝物質、殺カビ剤、殺菌剤、殺藻剤、殺菌薬、香料、防腐剤、及び消泡剤も含有することができる。
【0026】
上記撥水処理剤(A)は、通常、水性媒体によって有効成分の濃度を1〜20%、さらには3〜15%の範囲に調整して塗装することが好適である。該水性媒体とは、水、あるいは水に溶解可能な有機溶剤を包含する。
【0027】
塗布量は、有効成分の塗布量が、1〜20g/m2、好ましくは3〜15g/m2の範囲となるように塗布することが望ましい。水性媒体による希釈後の撥水処理剤(A)の塗布量としては、0.05〜0.2Kg/m2/回、好ましくは0.07〜0.15Kg/m2/回の範囲が適当である。有効成分の塗布量を上記範囲の如く確保するために、希釈後の撥水処理剤(A)を上記塗布量/回の範囲で、複数回塗り重ねても良い。
【0028】
その塗装手段は特には限定されないが、例えばスプレー塗り、ローラー塗り、刷毛塗り、流し塗り等の手段で行うことができる。
【0029】
塗装方法としては、磁器タイル面及び該磁器タイルの目地部を共に塗装する方法、磁器タイル目地部にのみ塗装する方法が挙げられる。本発明方法に適用される撥水処理剤(A)によれば、磁器タイル面及び該目地部共に濡れ色となることもなく、撥水性を付与することができるが、防水性を特に要求される目地部のみに塗装してもよい。例えば、上記塗装手段により目地部のみを選択して塗装してもよいが、磁器タイル面及び該磁器タイルの目地部共に上記手段にて塗装し、該磁器タイルの目地部に該処理剤(A)を含侵させた後、磁器タイル面に塗布された処理剤(A)を除去する方法等が挙げられる。磁器タイル面に塗布された処理剤(A)を除去する方法としては、該表面を拭く、散水処理等の手段が挙げられる。このように撥水処理剤(A)の目地部に対する含浸度が磁器タイル自体の含浸度より大きいことを利用して、上記のごとく磁器タイル目地部にのみ撥水処理剤(A)を塗布することができる。
【0030】
本発明方法においては、上記撥水処理剤(A)にて磁器タイル面及び/又は該磁器タイル目地部を処理した後、さらに従来公知のシリコン系、ジルコニウム系の撥水処理剤を上記塗装方法により重ねて塗装してもよい。
【0031】
次工程として上記した従来の撥水処理剤もしくは後述のクリヤー塗料(B)もしくは光触媒活性を有する酸化チタンを含有する塗布剤(C)を、撥水処理剤(A)の塗面上に塗り重ねる場合において、該撥水処理剤(A)塗装後の乾燥は、例えば、20℃の乾燥温度では約2時間から10日間の範囲であることが好適である。
【0032】
本発明方法は、上記方法で撥水処理剤(A)を塗装した後、さらにクリヤー塗料(B)を塗装する塗装工法を提供する。
【0033】
かかるクリヤー塗料(B)としては、従来公知のクリヤー塗料を使用することができる。
【0034】
ビヒクル成分となる樹脂成分としては、従来公知の架橋、もしくは非架橋タイプの樹脂が挙げられ、例えばアクリル樹脂、アクリルシリコン樹脂、ポリエステル樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられる。また、これらを適宜組み合わせて変性してなる樹脂、または混合してなる樹脂も包含される。
【0035】
クリヤー塗料(B)としては、例えば上記に例示の樹脂成分を水性媒体または有機溶剤(例えば、芳香族系、エステル系、ケトン系、アルコール系、エーテル系、脂肪族炭化水素系などこれらを単独でまたは2種以上組み合わせた有機溶剤等)に溶解、または分散したものを使用することができる。
【0036】
本発明方法においては、上記樹脂成分として、マレイミド基を有する光硬化型樹脂を使用することが望ましい。マレイミド基は光の照射により2量化することのできる官能基であり、これを含む樹脂は光硬化をすることができる。光源としては太陽光等の自然光であってもよく、屋外における塗膜形成過程において硬化が進行するので、貯蔵安定性と硬化性が両立することが可能である。
【0037】
マレイミド基の導入方法としては、例えばマレイミド基を有する重合性不飽和モノマーとその他のモノマーを共重合する方法が挙げられる。本発明においてクリヤー塗料(B)がマレイミド基を含有することにより、クリヤー塗膜が汚れ難いという利点がある。
【0038】
また、クリヤー塗膜の表面を降雨水等により経時で親水化させ、クリヤー塗膜に耐汚染性を付与させるために、上記クリヤー塗料(B)が、オルガノシリケート化合物を包含することが望ましい。そのような目的で使用しうるオルガノシリケート化合物としては、例えば、下記一般式(IV)で表される化合物を挙げることができる。
【0039】
【化3】
【0040】
式中、R8は同じか又は異なり、水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基である。例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソ−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソ−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソ−ヘキシル基、n−オクチル基等の直鎖又は分岐状のアルキル基や、フェニル基などのアリール基が好適である。
【0041】
しかして、上記式(IV)のオルガノシリケート化合物の具体例としては、例えば、テトラヒドロキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラフェノキシシラン、ジメトキシジエトキシシランなどが挙げられる。これらはそれぞれ単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
【0042】
また、上記オルガノシリケート化合物同士の分岐状もしくは直鎖状の縮合物も使用することもでき、その縮合度は通常2〜100の範囲内が適当である。
【0043】
また、クリヤー塗料が水系である場合には、オルガノシリケート化合物として、上記のオルガノシリケート化合物及び/又はその縮合物中のアルコキシ基又は水酸基にポリアルキレングリコール系化合物を一部反応させた変性オルガノシリケート化合物が水に対する溶解性が良好であり、好適に使用できる。
【0044】
変性剤としてのポリアルキレングリコール系化合物としては、一般式(V)
R9O−(R1 0O)n−H (V)
式中、R9は水素原子、アルキル基又はアリール基であり、R10は炭素数2〜4のアルキレン基であり、nは2〜60である、で表わされるものが挙げられる。具体的には、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどのポリアルキレングリコール;メトキシポリエチレングリコール、エトキシポリエチレングリコール、エトキシポリプロピレングリコール、エトキシポリブチレングリコールなどのアルコキシポリアルキレングリコール;ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテルなどのポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル等が挙げられ、特にポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルが好適である。
【0045】
上記オルガノシリケート化合物の含有量は、クリヤー塗料(B)の樹脂固形分100重量部あたり一般に0.1〜50重量部、好ましくは1〜20重量部の範囲内が好適である。
【0046】
上記クリヤー塗料(B)は、樹脂固形分が通常20〜60重量%、特に30〜50重量%の範囲が適当であり、また、塗布量は約0.05〜0.12Kg/m2/回、好ましくは0.08〜0.l0Kg/m2/回の範囲が好ましい。クリヤー塗料の乾燥塗膜厚は10〜100μm、好ましくは20〜70μmの範囲が好適である。この乾燥塗膜厚を得るために上記塗布量の範囲で複数回塗り重ねても良い。この塗装手段は特に限定はされないが、例えばスプレー塗り、ローラー塗り、刷毛塗り、流し塗りなどの手段で行うことができる。塗布量がこの範囲を下回ると塗膜の保護能力が低下し、この範囲を超えると目地部が濡れ色となることがある。
【0047】
上記クリヤー塗料(B)を使用した本発明に従う塗装工法によれば、目地部内部に撥水処理剤(A)が含浸され、目地部内部は撥水性となり防水性が向上し、かつ磁器タイル壁面の表面は、クリヤー塗膜により保護され、さらに低汚染性を発現させることもできる。
【0048】
本発明は、撥水処理剤(A)を塗装した後、さらに光触媒活性を有する酸化チタンを含有する塗布剤(C)を塗装する塗装工法を提供する。
【0049】
上記光触媒活性を有する酸化チタンは、バンド・ギャップを有する半導体粒子であり、そのバンド・ギャップ以上のエネルギ−を持つ光(例えば太陽光や人工照明光の紫外線等)が照射されると光励起により生成した電子と正孔が半導体粒子表面に移動し、その強い酸化能力によってこれに接する汚染物質などを分解する機能を発揮するものである。該酸化チタンには正方晶系に属するルチル型、アナタ−ゼ型と、斜方晶系に属するブルッカイト型の3種類の結晶型があるが、光触媒活性を有する酸化チタンとしては通常、アナタ−ゼ型の酸化チタンである。
【0050】
上記塗布剤(C)における光触媒活性を有する酸化チタン以外の成分としては、シリコン樹脂等の無機系樹脂等のビヒクル成分や各種添加剤、希釈剤等が挙げられる。また、塗布剤(C)としては、上記光触媒活性を有する酸化チタンを変性させることにより得られるコロイド状水分散物を主成分とする塗布剤も包含される。
【0051】
塗布剤(C)の塗布量は、該塗布剤(C)の固形分が、0.1〜10g/m2、好ましくは0.3〜5g/m2の範囲となるように塗布することが望ましい。
【0052】
この塗装手段は特に限定はされないが、例えばスプレー塗り、ローラー塗り、刷毛塗り、流し塗りなどの手段で行うことができる。磁器タイル面及び該磁器タイル目地部共に塗装してもよいし、磁器タイル面及び該磁器タイルの目地部共に上記手段にて塗装し、該磁器タイルの目地部に該塗布剤(C)を含侵させた後、磁器タイル面に塗布された塗布剤(C)を例えば上記で説明した方法で除去する方法にて塗装してもよい。
【0053】
上記塗布剤(C)を使用した本発明に従う塗装工法によれば、目地部内部に撥水処理剤(A)が含浸され、目地部内部は撥水性となり防水性が向上し、目地部表面には光触媒層を形成することが出来、内部は防水性を維持しながら表面は、低汚染性、汚染物質分解性等の光触媒活性を発現することが可能である。
【0054】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。尚、文中「部」及び「%」は、それぞれ「重量部」及び「重量%」を意味する。
【0055】
撥水処理剤(A)の製造
製造例1〜5
下記表1に示す各成分を下記に示す配合組成で混合し、高速ステーターローター攪拌装置で乳化した後、有効成分濃度が10%になるようにさらに水で希釈して撥水処理剤(A1)〜(A5)を得た。
【0056】
【表1】
【0057】
(注1)アルキルアルコキシシラン(a1):イソオクチルトリエトキシシラン
(注2)アルキルアルコキシシラン(a2):n−ヘキシルトリメトキシシラン
(注3)アルコキシ基を有するオルガノポリシロキサン(b1):平均分子量760g/モルを有する実験式(CH3)0.7(イソオクチル)0.3Si(OCH3)1.3O0.85で示される化合物
(注4)アルコキシ基を有するオルガノポリシロキサン(b2):平均分子量650g/モルを有する実験式CH3Si(OC2H5)0.8O1.1で示される化合物
(注5)アミノアルキル基を有するアルコキシシラン(c1):N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン
(注6)アミノアルキル基を有するオルガノポリシロキサン(c2):KOHの存在下でアルコキシ基を有するオルガノポリシロキサン(b1)およびアミノアルキル基を有するアルコキシシラン(c1)から製造される、アミン価約3.0、粘度約500mm2/s(25℃)及びN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン中に初めに存在するメトキシ基を基準にして5モル%未満の残余メトキシ基を有する縮合生成物
(注7)乳化剤(d1):イソトリデシルアルコール−(16)−ポリグリコールエーテル。
【0058】
クリヤー塗料(B)の製造
製造例6
攪拌機、温度計、滴下ロート、窒素導入管を付設した2Lフラスコに、酢酸ブチル900g、メチルメタクリレート220g、n−ブチルメタクリレート44g、nブチルアクリレート87g、ヒドロキシエチルメタクリレート58g、下記式で表されるマレイミド基含有メタクリレート87g、メタクリル酸5gを仕込み、十分窒素置換をおこなった後、75℃まで昇温した。フラスコの内温が75℃に到達した時点で、アゾビスイソブチロニトリル5gを酢酸ブチル100gに溶解した開始剤溶液を滴下し、重合を開始した。その後、メチルメタクリレート220g、n−ブチルメタクリレート44g、n−ブチルアクリレート87g、ヒドロキシエチルメタクリレート58g、下記式で表されるマレイミド基含有メタクリレート87g、メタクリル酸5gにアゾイソブチロニトリル5gを溶解させたモノマー混合物を該フラスコに3時間かけて滴下した。その後、温度を85℃に昇温して2時間熟成し、更に90℃で2時間熟成させた。
【0059】
その後、フラスコの内容物を多量のメタノールに沈殿させ、999g(重合率99.7%)、水酸基価50mgKOH/g、酸価6.5mgKOH/gの重合体を得た。該重合体を固形分40%になるようにキシレン/酢酸ブチル=50/50(重量比)に溶解すると、無色透明な溶液が得られた。得られた重合体溶液100部に硬化剤として「コロネートHX」(商品名、日本ポリウレタン(株)製、イソシアネート硬化剤)を水酸基価/NCO価=1.0になるように7.3部、硬化促進剤として、ジブチル錫ジラウレートの0.1wt%キシレン溶液を2.9部加え、マレイミド基を有する光硬化型樹脂を樹脂成分として含有するクリヤ塗料(B1)を調製した。
【0060】
【化4】
【0061】
製造例7
「アレスレタンクリヤ−」(商品名、関西ペイント社製、アクリル樹脂/イソシアネ−ト硬化型有機溶剤系塗料)の樹脂固形分100部に対して、「エチルシリケート40」(商品名、コルコ−ト社製、テトラエチルシリケ−ト縮合物)の固形分が20部となるように配合し、オルガノシリケート含有クリヤ(B2)を調整した。
【0062】
試験基板の調整
スレート板に10cm角磁器タイルを縦横2個ずつエポキシ接着剤を使用して貼り付け、その際に各磁器タイル間の目地幅を2mmとした。この目地に目地モルタル(ダントーメジフィット、ダントー株式会社製)をタイル表面より2mm低くなるように埋め込み、14日間養生して磁器タイルパネル試験基板とした。
【0063】
実施例1
上記試験基板の表面全体に上記撥水処理剤(A1)を刷毛にて、塗布量が100g/m2/回となるように塗装し、常温で7日間乾燥させて試験体を得た。
実施例2〜5
実施例1において、撥水処理剤(A1)の変わりに撥水処理剤(A2)〜(A5)を夫々使用する以外は実施例1と同様にして各試験体を得た。
実施例6
試験基板の表面全体に上記製造例で得た撥水処理剤(A1)を刷毛にて、塗布量が100g/m2/回となるように塗装し、目地モルタル面に塗装した撥水処理剤を染み込ませた後に磁器タイル表面の撥水処理剤(A1)のみをウエスで拭き取って、常温で7日間乾燥させて試験体を得た。
実施例7
試験基板の表面全体に上記製造例で得た撥水処理剤(A1)を刷毛にて、塗布量が100g/m2/回となるように塗装し、目地モルタル面に塗装した撥水処理剤を十分染み込ませた後に試験基板表面に散水し、磁器タイル表面の撥水処理剤のみを洗い流した後、常温で7日間乾燥させて実施例7の試験体を得た。
実施例8
実施例1と同様に撥水処理剤(A1)を塗装した後、常温で1日乾燥させ、さらに、クリヤー掛け工程として、「アクアプリズム」(商品名、関西ペイント社製、水性シリコン系クリヤー塗料、固形分45%)を刷毛にて塗布量100g/m2/回となるように1回塗装し、常温で7日間乾燥させて試験体を得た。
実施例9
実施例6と同様に撥水処理剤(A1)を塗装して磁器タイル表面の撥水処理剤のみを除去した後、常温で1日乾燥させ、さらに、クリヤー掛け工程として、「アクアプリズム」(商品名、関西ペイント社製、水性シリコン系クリヤー塗料、固形分45%)を刷毛にて塗布量100g/m2/回となるように1回塗装し、常温で7日間乾燥させて実施例9の試験体を得た。
【0064】
実施例10
実施例7と同様に撥水処理剤(A1)を塗装して磁器タイル表面の撥水処理剤のみを除去した後、常温で1日乾燥させ、さらに、クリヤー掛け工程として、「アクアプリズム」(商品名、関西ペイント社製、水性シリコン系クリヤー塗料、固形分45%)を刷毛にて塗布量100g/m2/回となるように1回塗装し、常温で7日間乾燥させて実施例10の試験体を得た。
実施例11
実施例6と同様に撥水処理剤(A1)を塗装して磁器タイル表面の撥水処理剤のみを除去した後、常温で1日乾燥させ、さらに、クリヤー掛け工程としてマレイミド基を有する光硬化型樹脂を樹脂成分として含有するクリヤー塗料(B1)を刷毛にて塗布量100g/m2/回となるように1回塗装し、常温で7日間乾燥させて実施例11の試験体を得た。
実施例12
実施例6と同様に撥水処理剤(A1)を塗装して磁器タイル表面の撥水処理剤のみを除去した後、常温で1日乾燥させ、さらに、クリヤー掛け工程としてオルガノシリケート含有クリヤー塗料(B2)を刷毛にて塗布量100g/m2/回となるように1回塗装し、常温で7日間乾燥させて実施例12の試験体を得た。
実施例13
実施例6と同様に撥水処理剤(A1)を塗装して磁器タイル表面の撥水処理剤のみを除去した後、常温で1日乾燥させ、さらに、「TKC−304」(商品名、テイカ株式会社製、アナターゼ型光触媒酸化チタンの水性ディスパージョン、固形分濃度9%)を刷毛にて塗布量が30g/m2/回となるように1回塗装し、常温で7日間乾燥させて実施例12の試験体を得た。
【0065】
比較例1
試験基板の表面全体に「セラシリコンタイルコーティング材」(商品名、関西ペイント株式会社製、アクリルシリコン樹脂系クリヤー塗料)を100g/m2塗装し、常温で1日間乾燥させた後、該セラシリコンタイルコーティング材を60g/m2塗装し、常温で7日間乾燥させて比較例1の試験体を得た。
比較例2
試験基板の表面全体に、ヘキシルトリメトキシシランをトルエンで10%に希釈したものを塗布量が100g/m2/回となるように塗装し、常温で7日間乾燥させて比較例2の試験体を得た。
比較例3
試験基板の表面全体に、オルガチックスZB−320(松本製薬工業社製、有効成分(C4H9O)3Zr(OCOC17H35))をトルエンで10%に希釈したものを塗布量が100g/m2/回となるように塗装し、常温で7日間乾燥させて比較例2の試験体を得た。
【0066】
得られた各試験体について下記の試験方法に基づいて試験を行った。試験結果を下記表2に示す。
【0067】
【表2】
【0068】
(*1)初期外観の濡れ色
各試験体の目地モルタル部分の色を塗装していない目地モルタルと比較して、下記の基準で判定した。
◎:試験体と塗装していない目地モルタル部分とで見分けがつかない
○:試験体と塗装していない目地モルタル部分とでほとんど見分けがつかない
△:試験体の色が塗装していない目地モルタル部分よりやや濃い
×:試験体の色が塗装していない目地モルタル部分よりはっきり濃い
(*2)水接触角
各試験体目地部表面に水滴を滴下し、角度測定器で各試験体表面と水滴の境界の角度(水接触角)を測定した。値が大きいほど表面が撥水性であることを示している。
(*3)サンシャインウェザーメーター試験後の水接触角
各試験体をJIS B7753 に規定される試験機(サンシャインウェザーメーター)に1000時間暴露した後の水接触角を測定した。暴露前後で水接触角の変化が少ないほど良好であることを示す。
(*4)付着性
上記の促進試験終了後、各試験体の磁器タイル面および目地モルタル面にカッターナイフで素地に達するまでクロスカットを入れた後、粘着テープを貼り付けてはがし、下記の基準で判定した。
◎:全く剥離しない
○:クロスカットにそって若干の剥離がある
△:はっきりした剥離がある
×:全面剥離
(*5)耐汚染性
各試験体を1年間の屋外曝露試験を行った後、試験体の目視評価をし、下記の基準で判定した。
◎:ほとんど汚れが目立たない
○:わずかに汚れが分かる
△:汚れが目立つ
×:汚れが著しい
【0069】
【発明の効果】
本発明の塗装工法によれば、磁器タイルと目地部という性質の異なる素材が組み合わされた素材である磁器タイル壁面の保護方法として、特定の撥水処理剤を塗装することにより、磁器タイル面の質感を損なうことなく、磁器タイル目地部の防水性を向上させることができる。また、磁器タイル自体にも撥水性を付与することができる。目地部には該撥水処理剤が内部奥深くに含浸されているので、クリヤー塗料や光触媒を含有する塗布剤の塗装により目地部が濡れ色となることもなく、内部は防水性、表層は低汚染性、光触媒活性等の機能を付与させることも可能であり、磁器タイル壁面の美観を長期にわたって維持することができる。
Claims (7)
- 磁器タイル面及び/又は該磁器タイルの目地部に、アルキルアルコキシシラン(a)、アルコキシ基を有するオルガノポリシロキサン(b)、アミノアルキル基を有するアルコキシシラン(c1)及び/又はアミノアルキル基を有するオルガノポリシロキサン(c2)及び乳化剤(d)を有効成分とするエマルションを含む撥水処理剤(A)を塗装することを特徴とする磁器タイル壁面の塗装工法。
- 撥水処理剤(A)を磁器タイル面及び該磁器タイルの目地部共に塗装した後、該磁器タイル面に塗布された撥水処理剤(A)を除去することを特徴とする磁器タイル壁面の塗装工法。
- 請求項1または2に記載の方法で撥水処理剤(A)を塗装した後、さらにクリヤー塗料(B)を塗装する磁器タイル壁面の塗装工法。
- クリヤー塗料(B)が、マレイミド基を有する光硬化型樹脂を樹脂成分として含有する請求項3に記載の磁器タイル壁面の塗装工法。
- クリヤー塗料(B)が、オルガノシリケート化合物を含有する請求項3または4に記載の磁器タイル壁面の塗装工法。
- 請求項1または2に記載の方法で撥水処理剤(A)を塗装した後、さらに光触媒活性を有する酸化チタンを含有する塗布剤(C)を塗装する磁器タイル壁面の塗装工法。
- 請求項1ないし6のいずれか1項に記載の塗装工法により仕上げられた磁器タイル壁面。
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