JP2004250347A - 網膜虚血に基づく疾患の治療および/又は予防剤 - Google Patents
網膜虚血に基づく疾患の治療および/又は予防剤 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】網膜虚血に起因する疾患の治療又は予防剤の提供。
【解決手段】(±)−2−メトキシエチル 3−フェニル−2−(E)プロペニル 1,4−ジヒドロ−2,6−ジメチル−4−(3−ニトロフェニル)−3,5−ピリジンジカルボキシレート(シルニジピン)は、ラットの一過性網膜虚血による網膜障害モデルにおいて、網膜虚血再灌流障害をほぼ完全に抑制した。このことから、シルニジピンは、網膜虚血に起因する疾患(例えば、緑内障、糖尿病性網膜症、高血圧性網膜症、黄斑変性症又は網膜血管閉塞症等)の治療又は予防に用いることができる。
【選択図】 なし
【解決手段】(±)−2−メトキシエチル 3−フェニル−2−(E)プロペニル 1,4−ジヒドロ−2,6−ジメチル−4−(3−ニトロフェニル)−3,5−ピリジンジカルボキシレート(シルニジピン)は、ラットの一過性網膜虚血による網膜障害モデルにおいて、網膜虚血再灌流障害をほぼ完全に抑制した。このことから、シルニジピンは、網膜虚血に起因する疾患(例えば、緑内障、糖尿病性網膜症、高血圧性網膜症、黄斑変性症又は網膜血管閉塞症等)の治療又は予防に用いることができる。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、網膜虚血に起因する疾患、例えば、緑内障、糖尿病性網膜症、高血圧性網膜症、黄斑変性症又は網膜血管閉塞症等の治療又は予防剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
網膜は系統発生学的には間脳に属しており、外部から直接観察することができる唯一の中枢神経系という特徴を有している。脳・脊髄が複数の機能に関与するのに対して網膜は視覚という単一の機能にのみ関与すること、視覚の情報伝達に関与する細胞の種類が視細胞、双極細胞、神経節細胞、アマクリン細胞、水平細胞の5種類に限られていることなど、ニューロンネットワークの研究に非常に適した組織であることから、網膜を対象として多くの神経生理学的研究が行われてきた。さらに、網膜は眼科疾患において非常に重要な位置を占めている。
過去の眼科疾患はトラコーマをはじめとする外眼部の感染症が主体であったのに対して、近年になって視覚機能に関連のある疾患の割合が非常に多くなってきた。視覚機能の低下を引き起こす疾患は、屈折異常(近視、遠視、乱視等)や調節異常(老視等)のような機能疾患と白内障や緑内障等の器質性疾患に大別されるが、これらの疾患の中でも緑内障をはじめとする網膜疾患が世界的に失明の最大の原因となっている。特に緑内障は網膜ニューロン死に起因する視野の縮小を伴う疾患の代表的なものであり、眼房水の流出障害によって眼圧が上昇し、その結果として生じる器質的障害が主要な原因であると考えられてきた。
【0003】
最近はこの様な器質的障害に加えて、網膜の虚血に基づき神経細胞終末から放出されるグルタミン酸による神経細胞毒性が、緑内障における網膜障害の重要な原因の一つとして認識されるようになってきた。これは、眼圧を正常域に下げても網膜障害による視野の縮小の進行を完全に抑制することは困難であること、低眼圧緑内障のように眼圧が正常域あるいはそれ以下でも緑内障の症状が発現すること等、眼圧上昇に伴う器質的障害説では説明できない臨床知見が報告されてきたことによる。
【0004】
また、高血圧症患者では、高血圧に伴う動脈硬化により、網膜の血管の狭細化が起こることが知られ、このような血管狭細化に伴う網膜虚血が網膜症の原因の一つと考えられている。糖尿病患者においても、毛細血管の閉塞等に起因して網膜症を発症する。さらに、加齢による動脈硬化や、炎症等に続発する黄斑変性等の網膜症が発生することも知られている。
【0005】
従来これらの疾患の薬物治療には、基礎疾患に対する治療薬のほか、例えば緑内障においては、プロスタグランジン系薬剤、α又はβ遮断剤、炭酸脱水酵素阻害剤、副交感神経刺激剤等、主として房水の産生を抑制したり流出を促進したりする薬剤の点眼や内服が行われている。
本発明の治療又は予防剤における有効成分である、
構造式
【0006】
【化2】
【0007】
で示される、(±)−2−メトキシエチル 3−フェニル−2−(E)プロペニル 1,4−ジヒドロ−2,6−ジメチル−4−(3−ニトロフェニル)−3,5−ピリジンジカルボキシレート(以下、「シルニジピン」という。)は、高血圧症の治療薬として知られ(特許文献1)、また、動脈硬化性疾患治療剤(特許文献2)、心不全治療剤(特許文献3)、糖尿病治療剤(特許文献4)として有用であることが報告されているが、眼科領域、特に網膜虚血に起因する疾患の治療に対し有効であることは知られていない。
【0008】
【特許文献1】
特公平3−14307号公報
【特許文献2】
特開平6−40918号公報
【特許文献3】
特開2000−309535号公報
【特許文献4】
特開2000−351731号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、網膜の虚血により神経細胞終末から放出されるグルタミン酸による神経細胞毒性が、緑内障における網膜障害の重要な原因の一つとして認識されるようになり、眼圧を下げる薬剤以外に、網膜に直接作用する薬物の開発が望まれていた。
したがって、本発明が解決しようとする課題は、緑内障のほか、糖尿病性網膜症、高血圧性網膜症、黄斑変性症、又は網膜血管閉塞症等の網膜虚血に起因する疾患において、網膜に直接作用する治療又は予防剤を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意研究を行った結果、シルニジピンが、ラットの一過性網膜虚血による網膜障害モデルにおいて、降圧効果とは独立して、顆粒細胞の細胞死、内網状層厚の減少、内顆粒層厚の減少を抑制することを初めて見出し、網膜虚血に起因する各種疾患(例えば、緑内障、糖尿病性網膜症、高血圧性網膜症、黄斑変性症、又は網膜血管閉塞症等)の治療又は予防に有効であることを確認して本発明を完成した。
【0011】
すなわち、本発明は、以下のとおりのものである。
(1)シルニジピン、その光学異性体、又は水和物を有効成分として含有する、網膜虚血に起因する疾患の治療又は予防剤。
(2)網膜虚血に起因する疾患が、緑内障、糖尿病性網膜症、高血圧性網膜症、黄斑変性症、網膜血管閉塞症のいずれかである、(1)の治療又は予防剤。
(3)網膜虚血に起因する疾患が、高血圧症を合併した疾患である、(1)又は(2)の治療又は予防剤。
【0012】
本発明の治療又は予防剤の有効成分であるシルニジピンは、例えば前出の特公平3−14307号公報に記載の方法により製造することができる。シルニジピンには光学異性体が存在するが、本発明における有効成分としては、ラセミ体でもよく、あるいは光学異性体のいずれを用いてもよい。光学活性体は、例えば特公平6−43397号公報記載の方法で製造することができる。
【0013】
シルニジピンの投与量・投与方法は、通常成人1人あたり1日量として有効成分0.0001〜1000mg、好ましくは0.001〜100mg、特に好ましくは0.01〜50mgを1回又は数回に分けて経口投与するか、成人1人あたり1日量として、0.0000001〜100mg、好ましくは0.000001〜50mg、特に好ましくは0.0001〜20mgを1日1回から数回に分けて非経口投与(好ましくは点眼)し、又は1日1時間から24時間の範囲で静脈内に持続投与することができる。その投与量は、患者の体重、病態、治療成績、投与方法、処置時間及び当業者が認める他の因子によって変化するので、上記投与量より少ない量で十分な場合もあるし、また範囲を超えて必要な場合もある。
【0014】
本発明のシルニジピンの投与経路は特に限定されず、経口投与、非経口投与のいずれでもよく、経口投与剤としては、散剤、顆粒剤、錠剤、丸剤、カプセル剤(ハードカプセルおよびソフトカプセル剤を含む)、チュアブル剤などの固形剤、乳濁剤、溶液剤、シロップ剤、エリキシル剤等の液剤が、また、非経口投与剤としては、皮下、筋肉、または静脈内投与のための注射剤、スプレー剤、点眼剤、眼軟膏剤、貼付剤、外用液剤、軟膏剤、直腸内投与のための坐剤および膣内投与のためのペッサリー等が挙げられる。
【0015】
本発明のシルニジピンの製剤化に際し、有効成分に加えて、医薬上許容し得るベヒクル、担体、賦形剤、希釈剤、結合剤、防腐剤、安定剤、香味剤等を、一般的に認められた製薬実施に要求される単位用量の形態で混和することができる。
これらの組成物または製剤中の有効成分の量は、指示された範囲の適当な用量が得られるように適宜決められる。
各製剤は、いずれも、自体公知の方法により製造される。
【0016】
経口投与用の製剤において、有効成分の他に、例えばラクトース(乳糖)、マンニトール、グルコース、コーンスターチ、ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース、デンプン、ポリビニルピロリドン、マクロゴール、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等の賦形剤ないし希釈剤と混合される。また、ステアリン酸マグネシウム、タルク等の潤滑剤、クロスカルメロースナトリウム、繊維素グリコール酸カルシウム等の崩壊剤、ラクトース等の安定化剤等を添加してもよい。
錠剤又は丸剤は、必要により、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース等のコーティング剤でフィルムコーティングしてもよい。
また、錠剤には、例えば日本特許第3110794号公報に記載されているような固体分散錠も含まれる。
経口投与用の液体製剤において、有効成分は、不活性な希釈剤(例えば、精製水、エタノール等)に溶解ないし懸濁される。また、界面活性剤(ポリソルベート80(商品名)、ステアリン酸ポリオキシル40、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等)、可溶化剤、溶解補助剤、懸濁化剤のような補助剤、甘味剤、風味剤、芳香剤、防腐剤等を添加してもよい。
経口投与のためのスプレー剤は、不活性な希釈剤以外に亜硫酸ナトリウムのような安定剤と等張性を与えるような緩衝剤、例えば塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウムあるいはクエン酸のような安定剤と等張化剤を含有してもよい。スプレー剤の製造方法は、例えば米国特許第2,868,691号明細書および同第3,095,355号明細書に詳しく記載されている。
【0017】
非経口投与のための点眼剤の剤形としては、懸濁型、乳濁型、用時溶解型のものが含まれる。
これらの点眼剤は自体公知の方法によって製造される。例えば、点眼液の場合には、等張化剤(塩化ナトリウム、濃グリセリン等)、緩衝化剤(リン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム等)、界面活性化剤(ポリソルベート80(商品名)、ステアリン酸ポリオキシル40、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等)、安定化剤(クエン酸ナトリウム、エデト酸ナトリウム等)、防腐剤(塩化ベンザルコニウム、パラベン等)等を、必要に応じて適宜選択して調製される。これらは最終工程において滅菌するか無菌操作法によって調製される。
眼軟膏剤には、精製ラノリン、ワセリン、プラスチベース、流動パラフィン、ポリエチレングリコール等のような公知の軟膏基剤が用いられる。
非経口投与のための注射剤としては、無菌の水性及び/又は非水性の溶液剤、懸濁剤、乳濁剤がある。水性の溶液剤、懸濁剤には、例えば注射用蒸留水又は生理食塩水が用いられる。非水溶性の溶解剤、懸濁剤には、例えばオリーブ油、ゴマ油、綿実油、コーン油等の植物油、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、エタノールのようなアルコール類、ポリソルベート80(登録商標)等が用いられる。また、無菌の水性と非水性の溶解剤、懸濁剤および乳濁剤を混合して使用してもよい。
これらの製剤は、さらに防腐剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤、安定化剤(例えば、ラクトース)、溶解補助剤(例えば、グルタミン酸、アスパラギン酸)のような補助剤を含んでいてもよい。これらはバクテリア保留フィルターを通すろ過、殺菌剤の配合または照射によって無菌化される。これらはまた、例えば凍結乾燥品のような無菌の固体組成物を製造し、使用前に、無菌化した又は無菌の注射用蒸留水又は他の溶媒に溶解して使用することもできる。
【0018】
シルニジピンは、網膜虚血に基づく疾患(例えば、緑内障、糖尿病性網膜症、高血圧性網膜症、黄斑変性症、または網膜血管閉塞症等)の治療に悪影響を及ぼさない範囲で他の薬剤と併用して投与することができる。併用薬剤としては、高血圧症、糖尿病等、網膜症の基礎疾患となった疾病があればその治療薬、緑内障の治療薬、抗菌剤、抗炎症剤、ビタミン剤等が挙げられる。併用薬剤は、シルニジピンと同一製剤中に混合して配合してもよいし、別途製剤化して、組み合わせ剤としてもよい。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を実施例によってさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0020】
【実施例】
実施例1
ラットの一過性網膜虚血による網膜障害モデルに対するシルニジピンの効果について、Eur. J. Pharmacol. 418, 89−93 (2001) 記載の方法を一部改変して作成した。ラット(SD系雄性ラット; 7 〜9週齢(日本SLC社製(200 〜 300 g)))の体重を測定した後、ペントバルビタールナトリウム(Pentbarbital Na)(50 mg/kg)を腹腔内投与することにより、麻酔し、ラットを固定台に固定し保温を施して体温を37°Cに保った。ラットの眼の位置から、174 cmの高さになるように生理食塩水をいれたボトルをつり上げ、128 mmHgの圧力をかけられるようにした。ボトルには先端に注射針(27G)を装着した延長チューブを接続した。アトロピン点眼液(日本点眼薬社製)により眼を散瞳させた後、ピンセットで瞼を開きながら注射針を鼻側から前眼房内に刺入し、128 mmHgの眼圧をかけることにより、60分間の網膜虚血の負荷を行った(左眼を処置眼とし、右眼を非処置眼とした)。被験化合物を、網膜虚血15分前に静脈内に投与した。虚血終了の1週間後に動物を麻酔致死した後、眼球を摘出した。眼球を3%グルタールアルデヒド含有Davidson液(エタノール(99.5%):ホルムアルデヒド原液(37%):酢酸:純水:5%グルタールアルデヒド溶液=75:50:25:26:24の容積比で混和した液)により固定した後、視神経乳頭部を通る横断面でパラフィン切片を作成し、ヘマトキシリン・エオジン(H.E.)染色を行った。全例に対して光学顕微鏡的検査を行うことにより、網膜500 μmあたりの視神経細胞層(GCL: ganglion cell layer)に存在する視神経細胞数を計測した。また、全例に対して撮影した標本の顕微鏡写真を用いて、内網状層(IPL: inner plexiform layer)の層厚、内顆粒層(INL: inner nuclear layer)の層厚、外顆粒層(ONL: outer nuclear layer)の層厚を測定した。全ての虚血処置眼の測定値は、同一個体の非虚血処置眼の値に対する百分率比で表した。被験薬物としては、シルニジピン、および、汎用の高血圧治療剤であり、シルニジピンと同じ持続型のCa拮抗剤に属するアムロジピンを用いた。群構成および動物数は、1群当たりの動物数を5匹として、シルニジピン投与群1群、アムロジピン投与群1群、コントロール1群を設定し、計15匹を作成した。投与方法として、シルニジピンおよびアムロジピンを、ポリエチレングリコール400とエタノールの1:1混合液に溶解し、さらに、生理食塩水で0.1%に希釈し、100 μg/mL/kgになるように、静脈内投与を行った。コントロール群には溶媒の0.1%希釈液を1 mL/kgになるように静脈内投与を行った。
結果を図1に示す。
【0021】
図1から明らかなように、シルニジピンは、一過性網膜虚血による網膜障害モデルに100μg/kg投与することにより、網膜虚血再灌流障害はほぼ完全に抑制した。この用量のシルニジピンは、平均動脈圧および心拍数に影響を与えなかった。これらの結果から、シルニジピンが、降圧作用とは独立して、ラットの一過性網膜虚血による網膜障害モデルにおいて、視神経細胞層に存在する視神経細胞数の減少(すなわち、網膜神経細胞の細胞死)、内網状層の層厚の減少、内顆粒層の層厚の減少をいずれも抑制することが明らかとなった。このことは、シルニジピンが、網膜虚血に起因する疾患(例えば、緑内障、糖尿病性網膜症、高血圧性網膜症、黄斑変性症、又は網膜血管閉塞症等)の治療又は予防に有効であることを示している。
これに対し、アムロジピンは、視神経細胞層に存在する視神経細胞数、内網状層の層厚、内顆粒層の層厚のいずれにおいても、コントロールに対して有意の差異がみられなかった。
【0022】
【発明の効果】
本発明による、シルニジピン、その光学異性体、又は水和物を有効成分として含有する網膜虚血に起因する疾患の治療剤は、緑内障、糖尿病性網膜症、高血圧性網膜症、黄斑変性症、又は網膜血管閉塞症等の網膜虚血に起因する疾患に適用すれば、網膜に直接作用して、有効な治療成績を得ることができる。また、網膜虚血に起因する疾患の危険要因である高血圧症や糖尿病等に罹患した患者に予防的に投与することが可能である。シルニジピンは、血圧降下作用を有し高血圧治療剤として既知の薬剤であるが、本発明の治療剤における網膜に対する直接的な作用は、血圧降下作用とは相関していない。
【図面の簡単な説明】
【図1】ラットの一過性網膜虚血による網膜障害モデルに対するシルニジピンの効果を示す。
図中、GCLは網膜500μmあたりの視神経細胞層に存在する視神経細胞数、IPLは内網状層の層厚、INLは内顆粒層の層厚、ONLは外顆粒層の層厚を示す。
【発明の属する技術分野】
本発明は、網膜虚血に起因する疾患、例えば、緑内障、糖尿病性網膜症、高血圧性網膜症、黄斑変性症又は網膜血管閉塞症等の治療又は予防剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
網膜は系統発生学的には間脳に属しており、外部から直接観察することができる唯一の中枢神経系という特徴を有している。脳・脊髄が複数の機能に関与するのに対して網膜は視覚という単一の機能にのみ関与すること、視覚の情報伝達に関与する細胞の種類が視細胞、双極細胞、神経節細胞、アマクリン細胞、水平細胞の5種類に限られていることなど、ニューロンネットワークの研究に非常に適した組織であることから、網膜を対象として多くの神経生理学的研究が行われてきた。さらに、網膜は眼科疾患において非常に重要な位置を占めている。
過去の眼科疾患はトラコーマをはじめとする外眼部の感染症が主体であったのに対して、近年になって視覚機能に関連のある疾患の割合が非常に多くなってきた。視覚機能の低下を引き起こす疾患は、屈折異常(近視、遠視、乱視等)や調節異常(老視等)のような機能疾患と白内障や緑内障等の器質性疾患に大別されるが、これらの疾患の中でも緑内障をはじめとする網膜疾患が世界的に失明の最大の原因となっている。特に緑内障は網膜ニューロン死に起因する視野の縮小を伴う疾患の代表的なものであり、眼房水の流出障害によって眼圧が上昇し、その結果として生じる器質的障害が主要な原因であると考えられてきた。
【0003】
最近はこの様な器質的障害に加えて、網膜の虚血に基づき神経細胞終末から放出されるグルタミン酸による神経細胞毒性が、緑内障における網膜障害の重要な原因の一つとして認識されるようになってきた。これは、眼圧を正常域に下げても網膜障害による視野の縮小の進行を完全に抑制することは困難であること、低眼圧緑内障のように眼圧が正常域あるいはそれ以下でも緑内障の症状が発現すること等、眼圧上昇に伴う器質的障害説では説明できない臨床知見が報告されてきたことによる。
【0004】
また、高血圧症患者では、高血圧に伴う動脈硬化により、網膜の血管の狭細化が起こることが知られ、このような血管狭細化に伴う網膜虚血が網膜症の原因の一つと考えられている。糖尿病患者においても、毛細血管の閉塞等に起因して網膜症を発症する。さらに、加齢による動脈硬化や、炎症等に続発する黄斑変性等の網膜症が発生することも知られている。
【0005】
従来これらの疾患の薬物治療には、基礎疾患に対する治療薬のほか、例えば緑内障においては、プロスタグランジン系薬剤、α又はβ遮断剤、炭酸脱水酵素阻害剤、副交感神経刺激剤等、主として房水の産生を抑制したり流出を促進したりする薬剤の点眼や内服が行われている。
本発明の治療又は予防剤における有効成分である、
構造式
【0006】
【化2】
【0007】
で示される、(±)−2−メトキシエチル 3−フェニル−2−(E)プロペニル 1,4−ジヒドロ−2,6−ジメチル−4−(3−ニトロフェニル)−3,5−ピリジンジカルボキシレート(以下、「シルニジピン」という。)は、高血圧症の治療薬として知られ(特許文献1)、また、動脈硬化性疾患治療剤(特許文献2)、心不全治療剤(特許文献3)、糖尿病治療剤(特許文献4)として有用であることが報告されているが、眼科領域、特に網膜虚血に起因する疾患の治療に対し有効であることは知られていない。
【0008】
【特許文献1】
特公平3−14307号公報
【特許文献2】
特開平6−40918号公報
【特許文献3】
特開2000−309535号公報
【特許文献4】
特開2000−351731号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、網膜の虚血により神経細胞終末から放出されるグルタミン酸による神経細胞毒性が、緑内障における網膜障害の重要な原因の一つとして認識されるようになり、眼圧を下げる薬剤以外に、網膜に直接作用する薬物の開発が望まれていた。
したがって、本発明が解決しようとする課題は、緑内障のほか、糖尿病性網膜症、高血圧性網膜症、黄斑変性症、又は網膜血管閉塞症等の網膜虚血に起因する疾患において、網膜に直接作用する治療又は予防剤を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意研究を行った結果、シルニジピンが、ラットの一過性網膜虚血による網膜障害モデルにおいて、降圧効果とは独立して、顆粒細胞の細胞死、内網状層厚の減少、内顆粒層厚の減少を抑制することを初めて見出し、網膜虚血に起因する各種疾患(例えば、緑内障、糖尿病性網膜症、高血圧性網膜症、黄斑変性症、又は網膜血管閉塞症等)の治療又は予防に有効であることを確認して本発明を完成した。
【0011】
すなわち、本発明は、以下のとおりのものである。
(1)シルニジピン、その光学異性体、又は水和物を有効成分として含有する、網膜虚血に起因する疾患の治療又は予防剤。
(2)網膜虚血に起因する疾患が、緑内障、糖尿病性網膜症、高血圧性網膜症、黄斑変性症、網膜血管閉塞症のいずれかである、(1)の治療又は予防剤。
(3)網膜虚血に起因する疾患が、高血圧症を合併した疾患である、(1)又は(2)の治療又は予防剤。
【0012】
本発明の治療又は予防剤の有効成分であるシルニジピンは、例えば前出の特公平3−14307号公報に記載の方法により製造することができる。シルニジピンには光学異性体が存在するが、本発明における有効成分としては、ラセミ体でもよく、あるいは光学異性体のいずれを用いてもよい。光学活性体は、例えば特公平6−43397号公報記載の方法で製造することができる。
【0013】
シルニジピンの投与量・投与方法は、通常成人1人あたり1日量として有効成分0.0001〜1000mg、好ましくは0.001〜100mg、特に好ましくは0.01〜50mgを1回又は数回に分けて経口投与するか、成人1人あたり1日量として、0.0000001〜100mg、好ましくは0.000001〜50mg、特に好ましくは0.0001〜20mgを1日1回から数回に分けて非経口投与(好ましくは点眼)し、又は1日1時間から24時間の範囲で静脈内に持続投与することができる。その投与量は、患者の体重、病態、治療成績、投与方法、処置時間及び当業者が認める他の因子によって変化するので、上記投与量より少ない量で十分な場合もあるし、また範囲を超えて必要な場合もある。
【0014】
本発明のシルニジピンの投与経路は特に限定されず、経口投与、非経口投与のいずれでもよく、経口投与剤としては、散剤、顆粒剤、錠剤、丸剤、カプセル剤(ハードカプセルおよびソフトカプセル剤を含む)、チュアブル剤などの固形剤、乳濁剤、溶液剤、シロップ剤、エリキシル剤等の液剤が、また、非経口投与剤としては、皮下、筋肉、または静脈内投与のための注射剤、スプレー剤、点眼剤、眼軟膏剤、貼付剤、外用液剤、軟膏剤、直腸内投与のための坐剤および膣内投与のためのペッサリー等が挙げられる。
【0015】
本発明のシルニジピンの製剤化に際し、有効成分に加えて、医薬上許容し得るベヒクル、担体、賦形剤、希釈剤、結合剤、防腐剤、安定剤、香味剤等を、一般的に認められた製薬実施に要求される単位用量の形態で混和することができる。
これらの組成物または製剤中の有効成分の量は、指示された範囲の適当な用量が得られるように適宜決められる。
各製剤は、いずれも、自体公知の方法により製造される。
【0016】
経口投与用の製剤において、有効成分の他に、例えばラクトース(乳糖)、マンニトール、グルコース、コーンスターチ、ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース、デンプン、ポリビニルピロリドン、マクロゴール、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等の賦形剤ないし希釈剤と混合される。また、ステアリン酸マグネシウム、タルク等の潤滑剤、クロスカルメロースナトリウム、繊維素グリコール酸カルシウム等の崩壊剤、ラクトース等の安定化剤等を添加してもよい。
錠剤又は丸剤は、必要により、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース等のコーティング剤でフィルムコーティングしてもよい。
また、錠剤には、例えば日本特許第3110794号公報に記載されているような固体分散錠も含まれる。
経口投与用の液体製剤において、有効成分は、不活性な希釈剤(例えば、精製水、エタノール等)に溶解ないし懸濁される。また、界面活性剤(ポリソルベート80(商品名)、ステアリン酸ポリオキシル40、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等)、可溶化剤、溶解補助剤、懸濁化剤のような補助剤、甘味剤、風味剤、芳香剤、防腐剤等を添加してもよい。
経口投与のためのスプレー剤は、不活性な希釈剤以外に亜硫酸ナトリウムのような安定剤と等張性を与えるような緩衝剤、例えば塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウムあるいはクエン酸のような安定剤と等張化剤を含有してもよい。スプレー剤の製造方法は、例えば米国特許第2,868,691号明細書および同第3,095,355号明細書に詳しく記載されている。
【0017】
非経口投与のための点眼剤の剤形としては、懸濁型、乳濁型、用時溶解型のものが含まれる。
これらの点眼剤は自体公知の方法によって製造される。例えば、点眼液の場合には、等張化剤(塩化ナトリウム、濃グリセリン等)、緩衝化剤(リン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム等)、界面活性化剤(ポリソルベート80(商品名)、ステアリン酸ポリオキシル40、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等)、安定化剤(クエン酸ナトリウム、エデト酸ナトリウム等)、防腐剤(塩化ベンザルコニウム、パラベン等)等を、必要に応じて適宜選択して調製される。これらは最終工程において滅菌するか無菌操作法によって調製される。
眼軟膏剤には、精製ラノリン、ワセリン、プラスチベース、流動パラフィン、ポリエチレングリコール等のような公知の軟膏基剤が用いられる。
非経口投与のための注射剤としては、無菌の水性及び/又は非水性の溶液剤、懸濁剤、乳濁剤がある。水性の溶液剤、懸濁剤には、例えば注射用蒸留水又は生理食塩水が用いられる。非水溶性の溶解剤、懸濁剤には、例えばオリーブ油、ゴマ油、綿実油、コーン油等の植物油、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、エタノールのようなアルコール類、ポリソルベート80(登録商標)等が用いられる。また、無菌の水性と非水性の溶解剤、懸濁剤および乳濁剤を混合して使用してもよい。
これらの製剤は、さらに防腐剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤、安定化剤(例えば、ラクトース)、溶解補助剤(例えば、グルタミン酸、アスパラギン酸)のような補助剤を含んでいてもよい。これらはバクテリア保留フィルターを通すろ過、殺菌剤の配合または照射によって無菌化される。これらはまた、例えば凍結乾燥品のような無菌の固体組成物を製造し、使用前に、無菌化した又は無菌の注射用蒸留水又は他の溶媒に溶解して使用することもできる。
【0018】
シルニジピンは、網膜虚血に基づく疾患(例えば、緑内障、糖尿病性網膜症、高血圧性網膜症、黄斑変性症、または網膜血管閉塞症等)の治療に悪影響を及ぼさない範囲で他の薬剤と併用して投与することができる。併用薬剤としては、高血圧症、糖尿病等、網膜症の基礎疾患となった疾病があればその治療薬、緑内障の治療薬、抗菌剤、抗炎症剤、ビタミン剤等が挙げられる。併用薬剤は、シルニジピンと同一製剤中に混合して配合してもよいし、別途製剤化して、組み合わせ剤としてもよい。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を実施例によってさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0020】
【実施例】
実施例1
ラットの一過性網膜虚血による網膜障害モデルに対するシルニジピンの効果について、Eur. J. Pharmacol. 418, 89−93 (2001) 記載の方法を一部改変して作成した。ラット(SD系雄性ラット; 7 〜9週齢(日本SLC社製(200 〜 300 g)))の体重を測定した後、ペントバルビタールナトリウム(Pentbarbital Na)(50 mg/kg)を腹腔内投与することにより、麻酔し、ラットを固定台に固定し保温を施して体温を37°Cに保った。ラットの眼の位置から、174 cmの高さになるように生理食塩水をいれたボトルをつり上げ、128 mmHgの圧力をかけられるようにした。ボトルには先端に注射針(27G)を装着した延長チューブを接続した。アトロピン点眼液(日本点眼薬社製)により眼を散瞳させた後、ピンセットで瞼を開きながら注射針を鼻側から前眼房内に刺入し、128 mmHgの眼圧をかけることにより、60分間の網膜虚血の負荷を行った(左眼を処置眼とし、右眼を非処置眼とした)。被験化合物を、網膜虚血15分前に静脈内に投与した。虚血終了の1週間後に動物を麻酔致死した後、眼球を摘出した。眼球を3%グルタールアルデヒド含有Davidson液(エタノール(99.5%):ホルムアルデヒド原液(37%):酢酸:純水:5%グルタールアルデヒド溶液=75:50:25:26:24の容積比で混和した液)により固定した後、視神経乳頭部を通る横断面でパラフィン切片を作成し、ヘマトキシリン・エオジン(H.E.)染色を行った。全例に対して光学顕微鏡的検査を行うことにより、網膜500 μmあたりの視神経細胞層(GCL: ganglion cell layer)に存在する視神経細胞数を計測した。また、全例に対して撮影した標本の顕微鏡写真を用いて、内網状層(IPL: inner plexiform layer)の層厚、内顆粒層(INL: inner nuclear layer)の層厚、外顆粒層(ONL: outer nuclear layer)の層厚を測定した。全ての虚血処置眼の測定値は、同一個体の非虚血処置眼の値に対する百分率比で表した。被験薬物としては、シルニジピン、および、汎用の高血圧治療剤であり、シルニジピンと同じ持続型のCa拮抗剤に属するアムロジピンを用いた。群構成および動物数は、1群当たりの動物数を5匹として、シルニジピン投与群1群、アムロジピン投与群1群、コントロール1群を設定し、計15匹を作成した。投与方法として、シルニジピンおよびアムロジピンを、ポリエチレングリコール400とエタノールの1:1混合液に溶解し、さらに、生理食塩水で0.1%に希釈し、100 μg/mL/kgになるように、静脈内投与を行った。コントロール群には溶媒の0.1%希釈液を1 mL/kgになるように静脈内投与を行った。
結果を図1に示す。
【0021】
図1から明らかなように、シルニジピンは、一過性網膜虚血による網膜障害モデルに100μg/kg投与することにより、網膜虚血再灌流障害はほぼ完全に抑制した。この用量のシルニジピンは、平均動脈圧および心拍数に影響を与えなかった。これらの結果から、シルニジピンが、降圧作用とは独立して、ラットの一過性網膜虚血による網膜障害モデルにおいて、視神経細胞層に存在する視神経細胞数の減少(すなわち、網膜神経細胞の細胞死)、内網状層の層厚の減少、内顆粒層の層厚の減少をいずれも抑制することが明らかとなった。このことは、シルニジピンが、網膜虚血に起因する疾患(例えば、緑内障、糖尿病性網膜症、高血圧性網膜症、黄斑変性症、又は網膜血管閉塞症等)の治療又は予防に有効であることを示している。
これに対し、アムロジピンは、視神経細胞層に存在する視神経細胞数、内網状層の層厚、内顆粒層の層厚のいずれにおいても、コントロールに対して有意の差異がみられなかった。
【0022】
【発明の効果】
本発明による、シルニジピン、その光学異性体、又は水和物を有効成分として含有する網膜虚血に起因する疾患の治療剤は、緑内障、糖尿病性網膜症、高血圧性網膜症、黄斑変性症、又は網膜血管閉塞症等の網膜虚血に起因する疾患に適用すれば、網膜に直接作用して、有効な治療成績を得ることができる。また、網膜虚血に起因する疾患の危険要因である高血圧症や糖尿病等に罹患した患者に予防的に投与することが可能である。シルニジピンは、血圧降下作用を有し高血圧治療剤として既知の薬剤であるが、本発明の治療剤における網膜に対する直接的な作用は、血圧降下作用とは相関していない。
【図面の簡単な説明】
【図1】ラットの一過性網膜虚血による網膜障害モデルに対するシルニジピンの効果を示す。
図中、GCLは網膜500μmあたりの視神経細胞層に存在する視神経細胞数、IPLは内網状層の層厚、INLは内顆粒層の層厚、ONLは外顆粒層の層厚を示す。
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