JP2004249592A - 繊維複合材料の製造方法及び繊維複合材料を備えた中空構造物 - Google Patents
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Abstract
【課題】RTM法により繊維複合材料を製造する方法において、プリフォームの繊維の縮れを抑制し、強度の高い繊維複合材料を製造する。また、樹脂注入時におけるプリフォームの型くずれを防止する。
【解決手段】プリフォーム10のフランジ部1b,1cの表面に張力を与えるように、両側に爪状突起11aを有する押さえ板11でフランジ部1b,1cの表面を押さえつける。フランジ部1b,1cに張力を与えたまま、樹脂注入口18から樹脂を導入し、爪状突起11aで押さえつけられた下側フランジ部1cの両側部分から樹脂を注入する。
【選択図】 図7
【解決手段】プリフォーム10のフランジ部1b,1cの表面に張力を与えるように、両側に爪状突起11aを有する押さえ板11でフランジ部1b,1cの表面を押さえつける。フランジ部1b,1cに張力を与えたまま、樹脂注入口18から樹脂を導入し、爪状突起11aで押さえつけられた下側フランジ部1cの両側部分から樹脂を注入する。
【選択図】 図7
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、繊維複合材料の製造方法及び繊維複合材料を備えた中空構造物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、樹脂の内部に繊維強化材が設けられてなる繊維複合材料は、様々な分野で利用されている。この種の繊維複合材料を製造する方法として、所定の形状に成形された繊維物(プリフォーム)に樹脂を含浸させる方法、すなわちRTM(Resin Transfer Molding)成形法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
プリフォームの製造にも様々な方法があり、例えば、繊維織物の一部を切り出し、これらを重ねていく方法(ハンドレイアップ法)や、織機などを使用して所定の形状に織り上げていく方法(ブレーディング法)などが知られている。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−337244号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、一般に樹脂は粘度が高いため、プリフォームに樹脂を注入する際に、繊維の一部が樹脂によって押し流されやすかった。そのため、樹脂注入時にプリフォームの型くずれが起こりやすく、その結果、繊維複合材料の品質の低下を招くおそれがあった。
【0006】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、樹脂注入時におけるプリフォームの型くずれを防止し、形状の整った繊維複合材料を製造することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る第1の製造方法は、成形された繊維体に樹脂を含浸させることによって繊維複合材料を製造する方法であって、少なくとも1つ以上の突起が形成された押さえ面を有する治具を、前記突起で前記繊維体を押さえつけるようにして前記繊維体の表面に押しつける工程と、前記治具で前記繊維体の表面を押さえつけたまま、前記繊維体に樹脂を含浸させる工程と、前記治具で前記繊維体の表面を押さえつけたまま、前記樹脂を硬化させる工程と、を備えた方法である。
【0008】
上記第1の製造方法によれば、樹脂の含浸時に繊維体は治具によって固定され、特に、治具の突起によって強い押圧力でしっかりと固定されるので、注入された樹脂によって繊維体の繊維が押し流されることは防止される。そのため、繊維体の型くずれは起こりにくい。したがって、形状の整った品質の高い繊維複合材料を得ることができる。
【0009】
第2の製造方法は、成形された繊維体に樹脂を含浸させることによって繊維複合材料を製造する方法であって、両側に突起が形成された押さえ面を有する治具を、前記突起で前記繊維体の表面の両側部分を押さえつけるようにして前記繊維体の表面に押しつける工程と、前記繊維体の表面の張力を保つように前記治具で前記繊維体の表面を押さえつけたまま、前記繊維体に樹脂を含浸させる工程と、前記繊維体の表面の張力を保つように前記治具で前記繊維体の表面を押さえつけたまま、前記樹脂を硬化させる工程と、を備えた方法である。
【0010】
上記第2の製造方法においても、樹脂の含浸時に繊維体は治具によって固定され、特に、治具の突起によって強い押圧力でしっかりと固定されるので、注入された樹脂によって繊維体の繊維が押し流されることは防止される。そのため、繊維体の型くずれは起こりにくく、形状の整った品質の高い繊維複合材料を得ることができる。
【0011】
ところで、プリフォームの繊維に縮れが存在していると、その後に樹脂を含浸させて硬化させたときに、複合材料の内部で繊維が縮れた状態のまま残ることになる。しかし、複合材料内の繊維が縮れた状態にあると、繊維本来の引張強度を発揮することができなくなる。
【0012】
しかし、上記第2の製造方法によれば、治具の突起によって繊維体の表面の両側部分が押さえつけられることにより、繊維体がわずかに裏面側に撓み、表面に張力が発生する。そのため、繊維体の繊維の縮みは抑制される。繊維体に対する樹脂の含浸及び樹脂の硬化は、治具によって繊維体を押さえつけたまま行われる。そのため、繊維体が引っ張られた状態で樹脂の含浸及び硬化が行われることになる。したがって、樹脂内部の繊維は縮みのない状態又は縮みの少ない状態に維持されるので、強度の高い繊維複合材料を得ることができる。
【0013】
第3の製造方法は、張力を加えながら繊維を第1及び第2のマンドレルにそれぞれ巻き付ける工程と、前記繊維が巻き付けられた両マンドレルを平行に重ね合わせる工程と、重なり合った前記両マンドレルにおける重ね合わせ部分と交差する側面に、該側面上の繊維の少なくとも一部を覆う繊維体を配置する工程と、前記各マンドレルに巻き付けられた繊維を、前記両マンドレルの重ね合わせ部分において互いに押しつけ合うと共に、両側に突起が形成された押さえ面を有する治具を、前記突起で前記繊維体の表面の両側部分を押さえつけるようにして前記繊維体の表面側から前記マンドレル側に押しつける工程と、前記治具で前記繊維体及び前記各繊維を押しつけながら、前記各繊維における前記重ね合わせ部分及び押しつけ部分を含まない一部分を除去する工程と、前記治具で前記繊維体及び前記各繊維を押しつけながら、前記繊維体及び前記各繊維に樹脂を含浸させる工程と、前記治具で前記繊維体及び前記各繊維を押しつけながら、前記樹脂を硬化させる工程と、を備えた繊維複合材料の製造方法である。
【0014】
上記第3の製造方法においても、前記第2の製造方法と同様に繊維体の型くずれが防止されるので、形状の整った繊維複合材料を得ることができる。
【0015】
さらに、上記第3の製造方法によれば、治具の突起によって繊維体の両側部分が押さえつけられることにより、繊維体の表面に張力が発生すると共に、マンドレルに巻き付けられた繊維の張力が保たれる。また、治具によって繊維体を押さえつけたまま繊維の一部分を除去するので、繊維体及び繊維の張力を保った状態のまま、繊維の形状を所定形状に加工することができる。したがって、複雑な形状のプリフォームをプリテンションがかかった状態で得ることができる。さらに、治具によって繊維体を押さえつけたまま樹脂の含浸及び硬化が行われるので、樹脂の内部の繊維は縮みのない状態又は少ない状態に維持され、強度の高い繊維複合材料が得られる。
【0016】
第4の製造方法は、断面I型の長尺の繊維複合材料を製造する方法であって、断面が矩形状又は略矩形状の第1及び第2マンドレルのそれぞれに、張力を加えながら繊維を巻き付ける工程と、前記繊維が巻き付けられた両マンドレルの側面同士を平行に重ね合わせる工程と、重なり合った前記両マンドレルにおける重ね合わせ面と交差する両側面に、該各側面上の繊維の少なくとも一部を覆う平板状の繊維体をそれぞれ配置する工程と、両側に突起が形成された押さえ面を有する治具を、前記突起で前記繊維体の表面の両側部分を押さえつけるようにして前記繊維体の表面側から前記マンドレル側に押しつける工程と、前記治具で前記各繊維体及び前記各繊維を押しつけながら、前記各繊維における押しつけられていない一部分をそれぞれ除去する工程と、前記治具で前記各繊維体及び前記各繊維を押しつけながら、前記各繊維体及び前記各繊維に樹脂を含浸させる工程と、前記治具で前記各繊維体及び前記各繊維を押しつけながら、前記樹脂を硬化させる工程と、を備えた方法である。
【0017】
上記第4の製造方法によれば、前記第3の製造方法と同様にして、強度が高く形状の整った断面I型の長尺の繊維複合材料を得ることができる。
【0018】
第5の製造方法は、前記第1〜第4のいずれかの製造方法において、樹脂を含浸させる工程が、前記繊維体における前記治具の突起によって押さえつけられた部分の近傍から樹脂を注入する工程からなっている方法である。
【0019】
第6の製造方法は、前記第2〜第4のいずれかの製造方法において、樹脂を含浸させる工程が、前記繊維体の両側から樹脂を注入する工程からなっている方法である。なお、ここでいう両側とは、繊維体の表面又は裏面の両側部分、あるいは繊維体の両側面を意味する。
【0020】
上記第5及び第6の各製造方法によれば、繊維体のうちで最もしっかりと固定された部分から樹脂が注入されることになるので、繊維体の型くずれをより効果的に防止することができる。
【0021】
本発明に係る中空構造物は、外板と該外板を補強する補強部材とからなる中空構造物であって、前記補強部材が前記第1〜第6のいずれかの製造方法により製造された繊維複合材料で形成されているものである。
【0022】
このことにより、強度の高い中空構造物を得ることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0024】
本発明に係る複合材料は、いわゆるRTM(Resin Transfer Molding)法によって製造されるものである。すなわち、本発明に係る複合材料は、所定の形状に形成された繊維体からなるプリフォームに樹脂を含侵させて構成されるものである。まず、一実施形態として、断面I型の補強部材の製造方法について説明する。
【0025】
始めに、図1に示すように、略矩形状の断面を有する第1及び第2のマンドレル2A,2Bに、繊維強化材としての繊維1を巻き付ける。この際、繊維1の縮れがないように、繊維1には十分な張力を与える。すなわち、張力を加えながら繊維1をマンドレル2A,2Bに巻き付ける。ここでは、比較的容易に張力をかけることのできる方法として、繊維1を連続的に巻き付けていくいわゆるフィラメントワインディング法を用いることとした。ただし、張力をかけながら巻き付けることができる限り、繊維1の巻き付け方法は特に限定されるものではない。例えば、織機等を用いることにより、複数の繊維1を所定のパターンでマンドレル2A,2Bに巻き付けるようにしてもよい(ブレーディング法)。なお、本実施形態では、繊維1は炭素繊維からなっている。
【0026】
次に、図2に示すように、2本のマンドレル2A,2Bを平行に並べ、互いの側面同士を重ね合わせる。この際、各マンドレル2A,2Bの繊維1の張力を保つよう、両マンドレル2A,2Bを互いに押しつけることが好ましい。なお、本実施形態では、各マンドレル2A,2Bの重ね合わされた面(以下、接触面という)における角部には、アール(丸み)2cが形成されている(ただし、図5及び図7においては、アールの図示は省略している)。これは、マンドレル2A,2Bの角部で繊維1を傷めることを防止すると共に、フランジ部(マンドレル2A,2Bに巻いた繊維1の水平部分及び平板状の繊維織物3)1b,1cとウェブ部(同垂直部分)1aにおける応力集中を避けるためである(図7参照)。ただし、マンドレル2A,2Bのアール2cは、繊維1の強度等に応じて適宜設定すればよく、必ずしも必要なものではない。
【0027】
次に、マンドレル2A,2Bの軸方向に延びる平板状の繊維織物3を2枚用意し、これら繊維織物3をマンドレル2A,2Bの上側及び下側の側面に配置する。この繊維織物3は、炭素繊維からなっている。なお、本実施形態では、マンドレル2A,2Bの角部にアール2cが形成されている分だけ、両マンドレル2A,2Bの重ね合わせ部分(厳密には、接触面の両側部分)に窪み5が形成される。そこで、繊維織物3をマンドレル2A,2Bの繊維1に重ねる前に、窪み5にフィラー4を予め挿入しておく。ただし、図示は省略するが、マンドレル2A,2Bの形状によっては、両マンドレル2A,2Bの重ね合わせ部分に窪みが生じない場合もある。そのような場合には、フィラー4の挿入は不要である。一方、マンドレル2A,2Bの角部にアール2cが形成されていなくても、両マンドレル2A,2Bの重ね合わせ部分に窪みが形成される場合もあり得る。そのような場合には、窪みにフィラーを挿入することが好ましい。なお、フィラー4の材料は特に限定されないが、ここではフィラー4は炭素繊維で形成されている。
【0028】
次に、マンドレル2A,2Bに巻き付けられた繊維1の張力を保つように、上面側の繊維織物3の上方から押さえ板11を押し当てると共に、下面側の繊維織物3の下方から押さえ板11を押し当てる。つまり、繊維1が巻かれた両マンドレル2A,2Bと繊維織物3とを押さえ板11で上下方向から押さえつけることにより、繊維1及び繊維織物3を押さえ板11とマンドレル2A,2Bとで挟み込む。
【0029】
本実施形態では、押さえ板11の押さえ面には、幅方向(図2の左右方向)の両側に爪状の突起11aが設けられている。一方、押さえ板11の裏面(押さえ面と反対の面)の両側には、段差部が形成されている。爪状突起11aは、押さえ板11の長手方向(図2の表裏方向)に延びており、長手方向の全体にわたって繊維織物3の両側部を押しつけるように構成されている。これにより、押さえ板11は、押さえ面の全体で繊維1及び繊維織物3を押さえつけると共に、爪状突起11aによって、局所的に繊維織物3の両側部をより大きな押圧力で押しつける。その結果、図3に示すように、繊維織物3は外側に湾曲するような力を受ける。したがって、繊維織物3の外側の表面には、張力が与えられる。
【0030】
その後、繊維1及び繊維織物3の張力を保つように押さえ板11で繊維1及び繊維織物3を押さえつけながら、繊維1及び繊維織物3の断面がI型形状になるように繊維1の一部分を切断する。ここでは、繊維1における押さえつけていない部分、すなわち、図2における両マンドレル2A,2Bの外側部分の繊維1を除去する。その結果、図4に示すように、繊維1とフィラー4と繊維織物3とからなる断面I型のプリフォーム10が得られる。
【0031】
次に、図5に示すように、プリフォーム10の繊維の張力を保ちつつ、プリフォーム10、マンドレル2A,2B及び押さえ板11の周りに成形治具25を組み立てる。具体的には、押さえ板11の裏面の段差部に金具12を配置し、金具12とマンドレル2A,2Bとをボルト等の締結具(図示せず)で連結する。この連結により、金具12がマンドレル2A,2B側に押しつけられるので、押さえ板11の押しつけ力が維持され、プリフォーム10の繊維1及び繊維織物3の張力が保たれる。その後、ブロック体からなるヒータ13,14A,14B,15でその全体を囲み、密閉する。なお、下面側のヒータ14Bには樹脂注入口18が形成され、上面側のヒータ14Aには樹脂排出口17が形成されている。本実施形態では、樹脂注入口18及び樹脂排出口17は、それぞれ2個ずつ設けられている。ただし、樹脂注入口18及び樹脂排出口17の個数は何ら限定されるものではない。
【0032】
次に、成形治具25を製造装置に組み込む。図6は、複合材料の製造装置の一例を示す構成図である。この製造装置30は、樹脂20を貯留するタンク31と、タンク31内の樹脂20を搬送するポンプ32と、樹脂トラップ35と、真空ポンプ36とを備えている。
【0033】
ポンプ32の吐出側は、樹脂を導く樹脂注入通路38に接続されている。この樹脂注入通路38は途中で分岐しており、分岐後の各通路は成形治具25の樹脂注入口18にそれぞれ接続されている。分岐後の各通路には、注入バルブ33が設けられている。
【0034】
成形治具25の樹脂排出口17には樹脂排出通路39が接続され、樹脂排出通路39の下流側は樹脂トラップ35に接続されている。また、樹脂排出通路39には、排出バルブ34が設けられている。真空ポンプ36は樹脂トラップ35の下流側に設けられ、真空ポンプ36と樹脂トラップ35とは管路を介して接続されている。
【0035】
なお、成形治具25には、温度制御盤40が設けられている。温度制御盤40は、ヒータ13,14A,14B,15への供給電流を調節することにより、成形治具25内の温度を制御する。
【0036】
プリフォーム10に樹脂を含浸させる際には、注入バルブ33及び排出バルブ34が開放され、成形治具25の樹脂注入口18から樹脂が注入される。図7に示すように、樹脂注入口18から注入された樹脂は、下側の押さえ板11とヒータ14Bとの間の隙間を流通し、押さえ板11の両側を回り込むようにしてプリフォーム10の下側フランジ部1cに流入する。すなわち、樹脂は下側フランジ部1cの両側から注入される。
【0037】
図8に示すように、プリフォーム10の下側フランジ部1cの両端部は、押さえ板11の爪状突起11aとマンドレル2A,2Bとに挟まれ、他の部分よりも強い押圧力で固定されている。そのため、プリフォーム10の繊維が樹脂20によって押し流されることは防止される。したがって、樹脂注入時におけるプリフォーム10の型くずれが防止される。特に、本実施形態では、プリフォーム10における爪状突起11aの近傍部分から樹脂が注入されるので、樹脂の注入部分は最もしっかりと固定されている。したがって、プリフォーム10の型くずれをより効果的に防止することができる。
【0038】
下側フランジ部1cから流入した樹脂は、ウェブ部1a、上側フランジ部1bの順にプリフォーム10内を流れた後、上側の押さえ板11とヒータ14Aとの隙間を流通し、樹脂排出口17から排出される。
【0039】
プリフォーム10の全体が樹脂20に含侵された後は、注入バルブ33及び排出バルブ34を閉鎖し、注入ポンプ32及び真空ポンプ36の運転を停止する。そして、ヒータ13,14A,14B,15による加熱を開始し、樹脂を硬化させる。樹脂の硬化が終了すると、成形治具25を分解する。その結果、断面I型の長尺物からなる補強部材が得られる。
【0040】
以上のように、本実施形態によれば、張力をかけながらマンドレル2A,2Bに巻き付けた繊維1を、その張力を保ったまま所定形状(断面I型)に加工し、さらに、張力を保ったまま樹脂に含浸させ、硬化させることができる。そのため、樹脂内の繊維の縮れを防止又は抑制することができ、繊維本来の強度を発揮させることができる。したがって、強度の高い繊維複合材料を製造することができる。
【0041】
両マンドレル2A,2Bの側面に補強材として繊維織物3を被せ、両マンドレル2A,2Bに巻き付けた繊維1と上記繊維織物3とを共に樹脂に含浸させることとしたので、より高い強度の繊維複合材料を得ることができる。
【0042】
また、爪状突起11aを有する押さえ板11で繊維織物3の両側部分を押さえつけることとしたので、マンドレル2A,2Bに巻き付けた繊維1だけでなく、繊維織物3にも張力を与えることができる。したがって、繊維複合材料の強度をさらに高めることができる。
【0043】
また、爪状突起11aを有する押さえ板11で繊維織物3の両側部分を押さえつけることとしたので、樹脂注入時にプリフォーム10の繊維が樹脂によって押し流されることを防止することができ、プリフォーム10の型くずれを防止することができる。特に、爪状突起11aによって押さえつけられている部分の近傍から樹脂を注入することとしたので、プリフォーム10の型くずれを効果的に防止することができる。
【0044】
また、両マンドレル2A,2Bの重ね合わせ部分の窪み5にフィラー4を挿入することとしたので、より高い強度の繊維複合材料を得ることができる。
【0045】
フィラメントワインディング法を用いて繊維1をマンドレル2A,2Bに巻き付けることとしたので、繊維1に対して容易かつ確実に張力を与えることができる。
【0046】
このように、従来は、I型断面の長尺物のような複雑な形状を有するプリフォームに対してプリテンションをかけることは困難であったが、本製造方法によれば、そのような複雑な形状を有するプリフォームに対してもプリテンションをかけることが可能となる。
【0047】
なお、上記実施形態では、押さえ板11の爪状突起11aは、外側に向かって広がった形状に形成されていたが、押さえ板11の突起の形状は特に限定されるものではない。また、押さえ板11の突起は、両側の突起11aだけに限らず、両側の突起11aに加えて他の部分にも突起を設けるようにしてもよい。例えば、押さえ板11の押さえ面の外周部全体にわたって突起を設けるようにしてもよい。つまり、押さえ板11を蓋状に形成してもよい。また、両側の突起に加えて、押さえ面の中央部分等に突起を設けることも可能である。
【0048】
また、特にプリテンションをかける必要のない場合には、押さえ板11の爪状突起11aは1つだけであってもよい(ただし、2つ以上あってもよいことは勿論である)。1つの爪状突起11aであっても、プリフォームの型くずれを防止することができる。なお、この場合でも、樹脂の注入は爪状突起11aの近傍から行うことが好ましい。
【0049】
本発明に係る治具は、押さえ板11のような平板状の治具に限らず、他の形状の治具であってもよい。
【0050】
上記実施形態では、マンドレル2A,2Bは断面形状が略矩形状のものであったが、マンドレル2A,2Bの形状は何ら限定されるものではない。
【0051】
繊維織物3の形状は平板状に限定されず、マンドレル2A,2Bの側面形状に応じた種々の形状を採用することができる。また、本発明に係る繊維体は、織物に限られない。
【0052】
上記実施形態では、2枚の押さえ板11を用いてマンドレル2A,2Bを挟み込むように押さえつけていたが、両マンドレル2A,2B同士を押さえつけることにより、1枚の押さえ板11のみでマンドレル2A,2Bの繊維1の張力を維持することも可能である。すなわち、両マンドレル2A,2Bを重ね合わせ部分において互いに押しつけ合うと共に、この重ね合わせ部分から各マンドレル2A,2Bの周方向に離隔した部分を押さえ板11で押しつけるようにしてもよい。このことにより、断面J型の補強部材や断面T型の補強部材等を製造することができる。
【0053】
また、上記実施形態では、2つのマンドレル2A,2Bを用いていたが、1つのマンドレルを用いて繊維複合材料を製造することも可能である。例えば、1つのマンドレルを用いて断面C型の補強部材を製造することも可能である。また、3つ以上のマンドレルを用いて、前記実施形態と同様に繊維複合材料を製造することも可能である。
【0054】
繊維1、繊維織物3及びフィラー4の材料は、炭素繊維に限らず、他の材料を用いてもよい。互いに異なる材料を用いることも可能である。
【0055】
前記補強部材は、中空構造物の補強をはじめとして、種々の用途に利用することができる。例えば、図9に示すように、桁52と外板53とからなる航空機の翼51において、桁52を前記補強部材で形成するようにしてもよい。また、風車のブレード等、他の翼構造物に上記補強部材を利用してもよい。
【0056】
さらに、他の中空構造物(例えば、航空機や車両の胴体など)や建築物等に対して、前記補強部材を利用してもよい。また、本発明に係る繊維複合材料は、補強部材としての用途だけでなく、他の用途に利用することも勿論可能である。その形状も桁構造に限定されるものでもない。本発明に係る繊維複合材料の形状、寸法、用途等は、何ら限定されるものではない。
【0057】
【発明の効果】
本発明によれば、樹脂を含浸させる際に、治具の突起によって繊維体をしっかりと固定することができるので、繊維体の繊維が樹脂に押し流されることを防止することができ、繊維体の型くずれを防止することができる。したがって、形状の整った繊維複合材料を得ることができる。
【0058】
また、本発明によれば、繊維体に張力を与えながら樹脂の含浸及び硬化を行うことができるので、樹脂内部の繊維の縮みを抑制することができる。したがって、繊維本来の強度を発揮させることができ、繊維複合材料の強度を高めることができる。
【0059】
前記繊維体における前記治具の突起によって押さえつけられた部分の近傍から、あるいは、前記繊維体の両側から樹脂を注入することとすれば、繊維体の型くずれを効果的に防止することができる。
【0060】
また、本発明によれば、強度の高い中空構造物を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】繊維が巻き付けられたマンドレルの平面図である。
【図2】繊維が巻き付けられたマンドレルと繊維織物と押さえ板との分解図である。
【図3】繊維織物に張力が与えられた状態を示す概念図である。
【図4】繊維が巻き付けられたマンドレルと繊維織物と押さえ板との組立図である。
【図5】成形治具の分解斜視図である。
【図6】繊維複合材料の製造装置の構成図である。
【図7】成形治具の内部断面図である。
【図8】成形治具の内部の部分拡大断面図である。
【図9】翼の断面図である。
【符号の説明】
1 繊維
2A 第1マンドレル
2B 第2マンドレル
2c アール
3 繊維織物(繊維体)
4 フィラー
5 重ね合わせ部分の窪み
10 プリフォーム
11 押さえ板(治具)
11a 爪状突起(突起)
12 金具
13 ヒータ
14A,14B ヒータ
15 ヒータ
17 樹脂排出口
18 樹脂注入口
20 樹脂
25 成形治具
30 製造装置
51 翼(中空構造物)
52 桁
53 外板
【発明の属する技術分野】
本発明は、繊維複合材料の製造方法及び繊維複合材料を備えた中空構造物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、樹脂の内部に繊維強化材が設けられてなる繊維複合材料は、様々な分野で利用されている。この種の繊維複合材料を製造する方法として、所定の形状に成形された繊維物(プリフォーム)に樹脂を含浸させる方法、すなわちRTM(Resin Transfer Molding)成形法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
プリフォームの製造にも様々な方法があり、例えば、繊維織物の一部を切り出し、これらを重ねていく方法(ハンドレイアップ法)や、織機などを使用して所定の形状に織り上げていく方法(ブレーディング法)などが知られている。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−337244号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、一般に樹脂は粘度が高いため、プリフォームに樹脂を注入する際に、繊維の一部が樹脂によって押し流されやすかった。そのため、樹脂注入時にプリフォームの型くずれが起こりやすく、その結果、繊維複合材料の品質の低下を招くおそれがあった。
【0006】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、樹脂注入時におけるプリフォームの型くずれを防止し、形状の整った繊維複合材料を製造することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る第1の製造方法は、成形された繊維体に樹脂を含浸させることによって繊維複合材料を製造する方法であって、少なくとも1つ以上の突起が形成された押さえ面を有する治具を、前記突起で前記繊維体を押さえつけるようにして前記繊維体の表面に押しつける工程と、前記治具で前記繊維体の表面を押さえつけたまま、前記繊維体に樹脂を含浸させる工程と、前記治具で前記繊維体の表面を押さえつけたまま、前記樹脂を硬化させる工程と、を備えた方法である。
【0008】
上記第1の製造方法によれば、樹脂の含浸時に繊維体は治具によって固定され、特に、治具の突起によって強い押圧力でしっかりと固定されるので、注入された樹脂によって繊維体の繊維が押し流されることは防止される。そのため、繊維体の型くずれは起こりにくい。したがって、形状の整った品質の高い繊維複合材料を得ることができる。
【0009】
第2の製造方法は、成形された繊維体に樹脂を含浸させることによって繊維複合材料を製造する方法であって、両側に突起が形成された押さえ面を有する治具を、前記突起で前記繊維体の表面の両側部分を押さえつけるようにして前記繊維体の表面に押しつける工程と、前記繊維体の表面の張力を保つように前記治具で前記繊維体の表面を押さえつけたまま、前記繊維体に樹脂を含浸させる工程と、前記繊維体の表面の張力を保つように前記治具で前記繊維体の表面を押さえつけたまま、前記樹脂を硬化させる工程と、を備えた方法である。
【0010】
上記第2の製造方法においても、樹脂の含浸時に繊維体は治具によって固定され、特に、治具の突起によって強い押圧力でしっかりと固定されるので、注入された樹脂によって繊維体の繊維が押し流されることは防止される。そのため、繊維体の型くずれは起こりにくく、形状の整った品質の高い繊維複合材料を得ることができる。
【0011】
ところで、プリフォームの繊維に縮れが存在していると、その後に樹脂を含浸させて硬化させたときに、複合材料の内部で繊維が縮れた状態のまま残ることになる。しかし、複合材料内の繊維が縮れた状態にあると、繊維本来の引張強度を発揮することができなくなる。
【0012】
しかし、上記第2の製造方法によれば、治具の突起によって繊維体の表面の両側部分が押さえつけられることにより、繊維体がわずかに裏面側に撓み、表面に張力が発生する。そのため、繊維体の繊維の縮みは抑制される。繊維体に対する樹脂の含浸及び樹脂の硬化は、治具によって繊維体を押さえつけたまま行われる。そのため、繊維体が引っ張られた状態で樹脂の含浸及び硬化が行われることになる。したがって、樹脂内部の繊維は縮みのない状態又は縮みの少ない状態に維持されるので、強度の高い繊維複合材料を得ることができる。
【0013】
第3の製造方法は、張力を加えながら繊維を第1及び第2のマンドレルにそれぞれ巻き付ける工程と、前記繊維が巻き付けられた両マンドレルを平行に重ね合わせる工程と、重なり合った前記両マンドレルにおける重ね合わせ部分と交差する側面に、該側面上の繊維の少なくとも一部を覆う繊維体を配置する工程と、前記各マンドレルに巻き付けられた繊維を、前記両マンドレルの重ね合わせ部分において互いに押しつけ合うと共に、両側に突起が形成された押さえ面を有する治具を、前記突起で前記繊維体の表面の両側部分を押さえつけるようにして前記繊維体の表面側から前記マンドレル側に押しつける工程と、前記治具で前記繊維体及び前記各繊維を押しつけながら、前記各繊維における前記重ね合わせ部分及び押しつけ部分を含まない一部分を除去する工程と、前記治具で前記繊維体及び前記各繊維を押しつけながら、前記繊維体及び前記各繊維に樹脂を含浸させる工程と、前記治具で前記繊維体及び前記各繊維を押しつけながら、前記樹脂を硬化させる工程と、を備えた繊維複合材料の製造方法である。
【0014】
上記第3の製造方法においても、前記第2の製造方法と同様に繊維体の型くずれが防止されるので、形状の整った繊維複合材料を得ることができる。
【0015】
さらに、上記第3の製造方法によれば、治具の突起によって繊維体の両側部分が押さえつけられることにより、繊維体の表面に張力が発生すると共に、マンドレルに巻き付けられた繊維の張力が保たれる。また、治具によって繊維体を押さえつけたまま繊維の一部分を除去するので、繊維体及び繊維の張力を保った状態のまま、繊維の形状を所定形状に加工することができる。したがって、複雑な形状のプリフォームをプリテンションがかかった状態で得ることができる。さらに、治具によって繊維体を押さえつけたまま樹脂の含浸及び硬化が行われるので、樹脂の内部の繊維は縮みのない状態又は少ない状態に維持され、強度の高い繊維複合材料が得られる。
【0016】
第4の製造方法は、断面I型の長尺の繊維複合材料を製造する方法であって、断面が矩形状又は略矩形状の第1及び第2マンドレルのそれぞれに、張力を加えながら繊維を巻き付ける工程と、前記繊維が巻き付けられた両マンドレルの側面同士を平行に重ね合わせる工程と、重なり合った前記両マンドレルにおける重ね合わせ面と交差する両側面に、該各側面上の繊維の少なくとも一部を覆う平板状の繊維体をそれぞれ配置する工程と、両側に突起が形成された押さえ面を有する治具を、前記突起で前記繊維体の表面の両側部分を押さえつけるようにして前記繊維体の表面側から前記マンドレル側に押しつける工程と、前記治具で前記各繊維体及び前記各繊維を押しつけながら、前記各繊維における押しつけられていない一部分をそれぞれ除去する工程と、前記治具で前記各繊維体及び前記各繊維を押しつけながら、前記各繊維体及び前記各繊維に樹脂を含浸させる工程と、前記治具で前記各繊維体及び前記各繊維を押しつけながら、前記樹脂を硬化させる工程と、を備えた方法である。
【0017】
上記第4の製造方法によれば、前記第3の製造方法と同様にして、強度が高く形状の整った断面I型の長尺の繊維複合材料を得ることができる。
【0018】
第5の製造方法は、前記第1〜第4のいずれかの製造方法において、樹脂を含浸させる工程が、前記繊維体における前記治具の突起によって押さえつけられた部分の近傍から樹脂を注入する工程からなっている方法である。
【0019】
第6の製造方法は、前記第2〜第4のいずれかの製造方法において、樹脂を含浸させる工程が、前記繊維体の両側から樹脂を注入する工程からなっている方法である。なお、ここでいう両側とは、繊維体の表面又は裏面の両側部分、あるいは繊維体の両側面を意味する。
【0020】
上記第5及び第6の各製造方法によれば、繊維体のうちで最もしっかりと固定された部分から樹脂が注入されることになるので、繊維体の型くずれをより効果的に防止することができる。
【0021】
本発明に係る中空構造物は、外板と該外板を補強する補強部材とからなる中空構造物であって、前記補強部材が前記第1〜第6のいずれかの製造方法により製造された繊維複合材料で形成されているものである。
【0022】
このことにより、強度の高い中空構造物を得ることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0024】
本発明に係る複合材料は、いわゆるRTM(Resin Transfer Molding)法によって製造されるものである。すなわち、本発明に係る複合材料は、所定の形状に形成された繊維体からなるプリフォームに樹脂を含侵させて構成されるものである。まず、一実施形態として、断面I型の補強部材の製造方法について説明する。
【0025】
始めに、図1に示すように、略矩形状の断面を有する第1及び第2のマンドレル2A,2Bに、繊維強化材としての繊維1を巻き付ける。この際、繊維1の縮れがないように、繊維1には十分な張力を与える。すなわち、張力を加えながら繊維1をマンドレル2A,2Bに巻き付ける。ここでは、比較的容易に張力をかけることのできる方法として、繊維1を連続的に巻き付けていくいわゆるフィラメントワインディング法を用いることとした。ただし、張力をかけながら巻き付けることができる限り、繊維1の巻き付け方法は特に限定されるものではない。例えば、織機等を用いることにより、複数の繊維1を所定のパターンでマンドレル2A,2Bに巻き付けるようにしてもよい(ブレーディング法)。なお、本実施形態では、繊維1は炭素繊維からなっている。
【0026】
次に、図2に示すように、2本のマンドレル2A,2Bを平行に並べ、互いの側面同士を重ね合わせる。この際、各マンドレル2A,2Bの繊維1の張力を保つよう、両マンドレル2A,2Bを互いに押しつけることが好ましい。なお、本実施形態では、各マンドレル2A,2Bの重ね合わされた面(以下、接触面という)における角部には、アール(丸み)2cが形成されている(ただし、図5及び図7においては、アールの図示は省略している)。これは、マンドレル2A,2Bの角部で繊維1を傷めることを防止すると共に、フランジ部(マンドレル2A,2Bに巻いた繊維1の水平部分及び平板状の繊維織物3)1b,1cとウェブ部(同垂直部分)1aにおける応力集中を避けるためである(図7参照)。ただし、マンドレル2A,2Bのアール2cは、繊維1の強度等に応じて適宜設定すればよく、必ずしも必要なものではない。
【0027】
次に、マンドレル2A,2Bの軸方向に延びる平板状の繊維織物3を2枚用意し、これら繊維織物3をマンドレル2A,2Bの上側及び下側の側面に配置する。この繊維織物3は、炭素繊維からなっている。なお、本実施形態では、マンドレル2A,2Bの角部にアール2cが形成されている分だけ、両マンドレル2A,2Bの重ね合わせ部分(厳密には、接触面の両側部分)に窪み5が形成される。そこで、繊維織物3をマンドレル2A,2Bの繊維1に重ねる前に、窪み5にフィラー4を予め挿入しておく。ただし、図示は省略するが、マンドレル2A,2Bの形状によっては、両マンドレル2A,2Bの重ね合わせ部分に窪みが生じない場合もある。そのような場合には、フィラー4の挿入は不要である。一方、マンドレル2A,2Bの角部にアール2cが形成されていなくても、両マンドレル2A,2Bの重ね合わせ部分に窪みが形成される場合もあり得る。そのような場合には、窪みにフィラーを挿入することが好ましい。なお、フィラー4の材料は特に限定されないが、ここではフィラー4は炭素繊維で形成されている。
【0028】
次に、マンドレル2A,2Bに巻き付けられた繊維1の張力を保つように、上面側の繊維織物3の上方から押さえ板11を押し当てると共に、下面側の繊維織物3の下方から押さえ板11を押し当てる。つまり、繊維1が巻かれた両マンドレル2A,2Bと繊維織物3とを押さえ板11で上下方向から押さえつけることにより、繊維1及び繊維織物3を押さえ板11とマンドレル2A,2Bとで挟み込む。
【0029】
本実施形態では、押さえ板11の押さえ面には、幅方向(図2の左右方向)の両側に爪状の突起11aが設けられている。一方、押さえ板11の裏面(押さえ面と反対の面)の両側には、段差部が形成されている。爪状突起11aは、押さえ板11の長手方向(図2の表裏方向)に延びており、長手方向の全体にわたって繊維織物3の両側部を押しつけるように構成されている。これにより、押さえ板11は、押さえ面の全体で繊維1及び繊維織物3を押さえつけると共に、爪状突起11aによって、局所的に繊維織物3の両側部をより大きな押圧力で押しつける。その結果、図3に示すように、繊維織物3は外側に湾曲するような力を受ける。したがって、繊維織物3の外側の表面には、張力が与えられる。
【0030】
その後、繊維1及び繊維織物3の張力を保つように押さえ板11で繊維1及び繊維織物3を押さえつけながら、繊維1及び繊維織物3の断面がI型形状になるように繊維1の一部分を切断する。ここでは、繊維1における押さえつけていない部分、すなわち、図2における両マンドレル2A,2Bの外側部分の繊維1を除去する。その結果、図4に示すように、繊維1とフィラー4と繊維織物3とからなる断面I型のプリフォーム10が得られる。
【0031】
次に、図5に示すように、プリフォーム10の繊維の張力を保ちつつ、プリフォーム10、マンドレル2A,2B及び押さえ板11の周りに成形治具25を組み立てる。具体的には、押さえ板11の裏面の段差部に金具12を配置し、金具12とマンドレル2A,2Bとをボルト等の締結具(図示せず)で連結する。この連結により、金具12がマンドレル2A,2B側に押しつけられるので、押さえ板11の押しつけ力が維持され、プリフォーム10の繊維1及び繊維織物3の張力が保たれる。その後、ブロック体からなるヒータ13,14A,14B,15でその全体を囲み、密閉する。なお、下面側のヒータ14Bには樹脂注入口18が形成され、上面側のヒータ14Aには樹脂排出口17が形成されている。本実施形態では、樹脂注入口18及び樹脂排出口17は、それぞれ2個ずつ設けられている。ただし、樹脂注入口18及び樹脂排出口17の個数は何ら限定されるものではない。
【0032】
次に、成形治具25を製造装置に組み込む。図6は、複合材料の製造装置の一例を示す構成図である。この製造装置30は、樹脂20を貯留するタンク31と、タンク31内の樹脂20を搬送するポンプ32と、樹脂トラップ35と、真空ポンプ36とを備えている。
【0033】
ポンプ32の吐出側は、樹脂を導く樹脂注入通路38に接続されている。この樹脂注入通路38は途中で分岐しており、分岐後の各通路は成形治具25の樹脂注入口18にそれぞれ接続されている。分岐後の各通路には、注入バルブ33が設けられている。
【0034】
成形治具25の樹脂排出口17には樹脂排出通路39が接続され、樹脂排出通路39の下流側は樹脂トラップ35に接続されている。また、樹脂排出通路39には、排出バルブ34が設けられている。真空ポンプ36は樹脂トラップ35の下流側に設けられ、真空ポンプ36と樹脂トラップ35とは管路を介して接続されている。
【0035】
なお、成形治具25には、温度制御盤40が設けられている。温度制御盤40は、ヒータ13,14A,14B,15への供給電流を調節することにより、成形治具25内の温度を制御する。
【0036】
プリフォーム10に樹脂を含浸させる際には、注入バルブ33及び排出バルブ34が開放され、成形治具25の樹脂注入口18から樹脂が注入される。図7に示すように、樹脂注入口18から注入された樹脂は、下側の押さえ板11とヒータ14Bとの間の隙間を流通し、押さえ板11の両側を回り込むようにしてプリフォーム10の下側フランジ部1cに流入する。すなわち、樹脂は下側フランジ部1cの両側から注入される。
【0037】
図8に示すように、プリフォーム10の下側フランジ部1cの両端部は、押さえ板11の爪状突起11aとマンドレル2A,2Bとに挟まれ、他の部分よりも強い押圧力で固定されている。そのため、プリフォーム10の繊維が樹脂20によって押し流されることは防止される。したがって、樹脂注入時におけるプリフォーム10の型くずれが防止される。特に、本実施形態では、プリフォーム10における爪状突起11aの近傍部分から樹脂が注入されるので、樹脂の注入部分は最もしっかりと固定されている。したがって、プリフォーム10の型くずれをより効果的に防止することができる。
【0038】
下側フランジ部1cから流入した樹脂は、ウェブ部1a、上側フランジ部1bの順にプリフォーム10内を流れた後、上側の押さえ板11とヒータ14Aとの隙間を流通し、樹脂排出口17から排出される。
【0039】
プリフォーム10の全体が樹脂20に含侵された後は、注入バルブ33及び排出バルブ34を閉鎖し、注入ポンプ32及び真空ポンプ36の運転を停止する。そして、ヒータ13,14A,14B,15による加熱を開始し、樹脂を硬化させる。樹脂の硬化が終了すると、成形治具25を分解する。その結果、断面I型の長尺物からなる補強部材が得られる。
【0040】
以上のように、本実施形態によれば、張力をかけながらマンドレル2A,2Bに巻き付けた繊維1を、その張力を保ったまま所定形状(断面I型)に加工し、さらに、張力を保ったまま樹脂に含浸させ、硬化させることができる。そのため、樹脂内の繊維の縮れを防止又は抑制することができ、繊維本来の強度を発揮させることができる。したがって、強度の高い繊維複合材料を製造することができる。
【0041】
両マンドレル2A,2Bの側面に補強材として繊維織物3を被せ、両マンドレル2A,2Bに巻き付けた繊維1と上記繊維織物3とを共に樹脂に含浸させることとしたので、より高い強度の繊維複合材料を得ることができる。
【0042】
また、爪状突起11aを有する押さえ板11で繊維織物3の両側部分を押さえつけることとしたので、マンドレル2A,2Bに巻き付けた繊維1だけでなく、繊維織物3にも張力を与えることができる。したがって、繊維複合材料の強度をさらに高めることができる。
【0043】
また、爪状突起11aを有する押さえ板11で繊維織物3の両側部分を押さえつけることとしたので、樹脂注入時にプリフォーム10の繊維が樹脂によって押し流されることを防止することができ、プリフォーム10の型くずれを防止することができる。特に、爪状突起11aによって押さえつけられている部分の近傍から樹脂を注入することとしたので、プリフォーム10の型くずれを効果的に防止することができる。
【0044】
また、両マンドレル2A,2Bの重ね合わせ部分の窪み5にフィラー4を挿入することとしたので、より高い強度の繊維複合材料を得ることができる。
【0045】
フィラメントワインディング法を用いて繊維1をマンドレル2A,2Bに巻き付けることとしたので、繊維1に対して容易かつ確実に張力を与えることができる。
【0046】
このように、従来は、I型断面の長尺物のような複雑な形状を有するプリフォームに対してプリテンションをかけることは困難であったが、本製造方法によれば、そのような複雑な形状を有するプリフォームに対してもプリテンションをかけることが可能となる。
【0047】
なお、上記実施形態では、押さえ板11の爪状突起11aは、外側に向かって広がった形状に形成されていたが、押さえ板11の突起の形状は特に限定されるものではない。また、押さえ板11の突起は、両側の突起11aだけに限らず、両側の突起11aに加えて他の部分にも突起を設けるようにしてもよい。例えば、押さえ板11の押さえ面の外周部全体にわたって突起を設けるようにしてもよい。つまり、押さえ板11を蓋状に形成してもよい。また、両側の突起に加えて、押さえ面の中央部分等に突起を設けることも可能である。
【0048】
また、特にプリテンションをかける必要のない場合には、押さえ板11の爪状突起11aは1つだけであってもよい(ただし、2つ以上あってもよいことは勿論である)。1つの爪状突起11aであっても、プリフォームの型くずれを防止することができる。なお、この場合でも、樹脂の注入は爪状突起11aの近傍から行うことが好ましい。
【0049】
本発明に係る治具は、押さえ板11のような平板状の治具に限らず、他の形状の治具であってもよい。
【0050】
上記実施形態では、マンドレル2A,2Bは断面形状が略矩形状のものであったが、マンドレル2A,2Bの形状は何ら限定されるものではない。
【0051】
繊維織物3の形状は平板状に限定されず、マンドレル2A,2Bの側面形状に応じた種々の形状を採用することができる。また、本発明に係る繊維体は、織物に限られない。
【0052】
上記実施形態では、2枚の押さえ板11を用いてマンドレル2A,2Bを挟み込むように押さえつけていたが、両マンドレル2A,2B同士を押さえつけることにより、1枚の押さえ板11のみでマンドレル2A,2Bの繊維1の張力を維持することも可能である。すなわち、両マンドレル2A,2Bを重ね合わせ部分において互いに押しつけ合うと共に、この重ね合わせ部分から各マンドレル2A,2Bの周方向に離隔した部分を押さえ板11で押しつけるようにしてもよい。このことにより、断面J型の補強部材や断面T型の補強部材等を製造することができる。
【0053】
また、上記実施形態では、2つのマンドレル2A,2Bを用いていたが、1つのマンドレルを用いて繊維複合材料を製造することも可能である。例えば、1つのマンドレルを用いて断面C型の補強部材を製造することも可能である。また、3つ以上のマンドレルを用いて、前記実施形態と同様に繊維複合材料を製造することも可能である。
【0054】
繊維1、繊維織物3及びフィラー4の材料は、炭素繊維に限らず、他の材料を用いてもよい。互いに異なる材料を用いることも可能である。
【0055】
前記補強部材は、中空構造物の補強をはじめとして、種々の用途に利用することができる。例えば、図9に示すように、桁52と外板53とからなる航空機の翼51において、桁52を前記補強部材で形成するようにしてもよい。また、風車のブレード等、他の翼構造物に上記補強部材を利用してもよい。
【0056】
さらに、他の中空構造物(例えば、航空機や車両の胴体など)や建築物等に対して、前記補強部材を利用してもよい。また、本発明に係る繊維複合材料は、補強部材としての用途だけでなく、他の用途に利用することも勿論可能である。その形状も桁構造に限定されるものでもない。本発明に係る繊維複合材料の形状、寸法、用途等は、何ら限定されるものではない。
【0057】
【発明の効果】
本発明によれば、樹脂を含浸させる際に、治具の突起によって繊維体をしっかりと固定することができるので、繊維体の繊維が樹脂に押し流されることを防止することができ、繊維体の型くずれを防止することができる。したがって、形状の整った繊維複合材料を得ることができる。
【0058】
また、本発明によれば、繊維体に張力を与えながら樹脂の含浸及び硬化を行うことができるので、樹脂内部の繊維の縮みを抑制することができる。したがって、繊維本来の強度を発揮させることができ、繊維複合材料の強度を高めることができる。
【0059】
前記繊維体における前記治具の突起によって押さえつけられた部分の近傍から、あるいは、前記繊維体の両側から樹脂を注入することとすれば、繊維体の型くずれを効果的に防止することができる。
【0060】
また、本発明によれば、強度の高い中空構造物を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】繊維が巻き付けられたマンドレルの平面図である。
【図2】繊維が巻き付けられたマンドレルと繊維織物と押さえ板との分解図である。
【図3】繊維織物に張力が与えられた状態を示す概念図である。
【図4】繊維が巻き付けられたマンドレルと繊維織物と押さえ板との組立図である。
【図5】成形治具の分解斜視図である。
【図6】繊維複合材料の製造装置の構成図である。
【図7】成形治具の内部断面図である。
【図8】成形治具の内部の部分拡大断面図である。
【図9】翼の断面図である。
【符号の説明】
1 繊維
2A 第1マンドレル
2B 第2マンドレル
2c アール
3 繊維織物(繊維体)
4 フィラー
5 重ね合わせ部分の窪み
10 プリフォーム
11 押さえ板(治具)
11a 爪状突起(突起)
12 金具
13 ヒータ
14A,14B ヒータ
15 ヒータ
17 樹脂排出口
18 樹脂注入口
20 樹脂
25 成形治具
30 製造装置
51 翼(中空構造物)
52 桁
53 外板
Claims (7)
- 成形された繊維体に樹脂を含浸させることによって繊維複合材料を製造する方法であって、
少なくとも1つ以上の突起が形成された押さえ面を有する治具を、前記突起で前記繊維体を押さえつけるようにして前記繊維体の表面に押しつける工程と、
前記治具で前記繊維体の表面を押さえつけたまま、前記繊維体に樹脂を含浸させる工程と、
前記治具で前記繊維体の表面を押さえつけたまま、前記樹脂を硬化させる工程と、
を備えたことを特徴とする繊維複合材料の製造方法。 - 成形された繊維体に樹脂を含浸させることによって繊維複合材料を製造する方法であって、
両側に突起が形成された押さえ面を有する治具を、前記突起で前記繊維体の表面の両側部分を押さえつけるようにして前記繊維体の表面に押しつける工程と、
前記繊維体の表面の張力を保つように前記治具で前記繊維体の表面を押さえつけたまま、前記繊維体に樹脂を含浸させる工程と、
前記繊維体の表面の張力を保つように前記治具で前記繊維体の表面を押さえつけたまま、前記樹脂を硬化させる工程と、
を備えたことを特徴とする繊維複合材料の製造方法。 - 張力を加えながら繊維を第1及び第2のマンドレルにそれぞれ巻き付ける工程と、
前記繊維が巻き付けられた両マンドレルを平行に重ね合わせる工程と、
重なり合った前記両マンドレルにおける重ね合わせ部分と交差する側面に、該側面上の繊維の少なくとも一部を覆う繊維体を配置する工程と、
前記各マンドレルに巻き付けられた繊維を、前記両マンドレルの重ね合わせ部分において互いに押しつけ合うと共に、両側に突起が形成された押さえ面を有する治具を、前記突起で前記繊維体の表面の両側部分を押さえつけるようにして前記繊維体の表面側から前記マンドレル側に押しつける工程と、
前記治具で前記繊維体及び前記各繊維を押しつけながら、前記各繊維における前記重ね合わせ部分及び押しつけ部分を含まない一部分を除去する工程と、
前記治具で前記繊維体及び前記各繊維を押しつけながら、前記繊維体及び前記各繊維に樹脂を含浸させる工程と、
前記治具で前記繊維体及び前記各繊維を押しつけながら、前記樹脂を硬化させる工程と、
を備えたことを特徴とする繊維複合材料の製造方法。 - 断面I型の長尺の繊維複合材料を製造する方法であって、
断面が矩形状又は略矩形状の第1及び第2マンドレルのそれぞれに、張力を加えながら繊維を巻き付ける工程と、
前記繊維が巻き付けられた両マンドレルの側面同士を平行に重ね合わせる工程と、
重なり合った前記両マンドレルにおける重ね合わせ面と交差する両側面に、該各側面上の繊維の少なくとも一部を覆う平板状の繊維体をそれぞれ配置する工程と、
両側に突起が形成された押さえ面を有する治具を、前記突起で前記繊維体の表面の両側部分を押さえつけるようにして前記繊維体の表面側から前記マンドレル側に押しつける工程と、
前記治具で前記各繊維体及び前記各繊維を押しつけながら、前記各繊維における押しつけられていない一部分をそれぞれ除去する工程と、
前記治具で前記各繊維体及び前記各繊維を押しつけながら、前記各繊維体及び前記各繊維に樹脂を含浸させる工程と、
前記治具で前記各繊維体及び前記各繊維を押しつけながら、前記樹脂を硬化させる工程と、
を備えたことを特徴とする繊維複合材料の製造方法。 - 樹脂を含浸させる工程は、前記繊維体における前記治具の突起によって押さえつけられた部分の近傍から樹脂を注入する工程からなっていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の繊維複合材料の製造方法。
- 樹脂を含浸させる工程は、前記繊維体の両側から樹脂を注入する工程からなっていることを特徴とする請求項2〜4のいずれか一つに記載の繊維複合材料の製造方法。
- 外板と該外板を補強する補強部材とからなる中空構造物であって、前記補強部材が請求項1〜6のいずれか一つに記載の製造方法により製造された繊維複合材料で形成されていることを特徴とする中空構造物。
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2003
- 2003-02-20 JP JP2003042527A patent/JP2004249592A/ja active Pending
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