JP2004249347A - 溶接構造用クラッド材およびそのクラッド材を用いた溶接構造部材 - Google Patents

溶接構造用クラッド材およびそのクラッド材を用いた溶接構造部材 Download PDF

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剛 長谷川
Arihiro Saito
有弘 齋藤
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Abstract

【課題】非磁性であり、軽量で、しかも溶接性に優れた溶接構造用材料を提供する。また、その材料によって形成された溶接構造部材を提供する。
【解決手段】本発明による溶接構造用材料は、純AlあるいはAl合金によって形成された基材層2と、前記基材層に拡散接合された溶接層3とを備えたクラッド材である。前記溶接層3はCrを6〜30mass%含有するNi−Cr合金によって形成される。前記溶接層3は前記基材層2の表面の一部に形成されていてもよい。また、溶接層3は、基材層2の両表面に被覆形成されることが好ましい。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、ハードディスクドライブ装置の磁気ヘッド用サスペンションやデジタルカメラの筐体など、溶接によって形成される構造部材の素材として好適なクラッド材に関する。
【0002】
【従来の技術】
ハードディスクドライブ装置の磁気ヘッド用サスペンションは、サスペンションをハードディスクの径方向に駆動させる駆動装置に連結される基部と、磁気ヘッドをその先端部に搭載し、ハードディスクの回転停止時に前記磁気ヘッドがハードディスクに接触し、ハードディスクが高速回転時にその表面から浮上するように磁気ヘッドをハードディスク側に付勢する浮上部とで構成され、前記浮上部の後端部と前記基部の先端部とはレーザ溶接によって接合されている。前記基部は、駆動装置に連結され、また浮上部を片持ち状で支持するため、浮上部に比較して高剛性が得られるように板厚が厚く形成される。一方、前記浮上部は非常に薄い、高弾性のバネ板で形成される。前記基部および浮上部は、材質的には耐食性、耐候性に優れ、ハードディスクに磁気的な影響を及ぼさない非磁性のオーステナイト系ステンレス鋼によって形成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
近年、ハードディスクドライブ装置の大容量化、小型化に従って、小電力で磁気ヘッドを高速に駆動することができるように、前記サスペンションについても軽量化が強く望まれている。
前記浮上部はハードディスク上に配置されるため、その厚さを薄く形成する必要があり、しかも弾性も高いことが必要である。このため、上記のとおり、現在のところ、ステンレス鋼薄板が用いられている。一方、前記基部は厚さが大きく、低強度材を用いても必要な強さ、剛性を確保し易いため、軽量化の効果が大きく、また非磁性材であるアルミニウム合金によって代替することが検討されている。
しかし、前記基部をアルミニウム合金によって形成した場合、ステンレス鋼薄板で形成された浮上部との溶接が難しく、十分な接合強度が得られない、という問題がある。
【0004】
同様の問題は、精密電子部品を格納する非磁性の溶接構造部材、例えばデジタルカメラの金属製筐体についても言えることである。現在のところ、デジタルカメラの金属製筐体の各部はステンレス鋼薄板によって加工されたものが溶接によって接合され組み立てられている。
【0005】
なお、アルミニウム合金を基材とするクラッド材としては、特開平11−156995号公報(特許文献1)に記載されているように、純アルミニウム板に純Niの薄層を介在させて純Cu板をクラッドしたものがある。前記純Ni層はAl板とCu板との接合性を改善するために設けられたものであるが、このような純Ni層がクラッド材の内部に存在すると、磁性を帯びるため、非磁性を必要とする用途には適用することができない。また、溶接の相手材がステンレス鋼のようなFeを多く含むFe基合金の場合、このようなクラッド材を用いて溶接すると、溶融部にCuが入り込んで溶接部(ナゲット)の表面にクラックが生じ易くなり、引いては溶接接合性に劣るという問題がある。
【特許文献1】
特開平11−156995号公報(特許請求の範囲)
【0006】
本発明はかかる問題に鑑みなされたもので、非磁性でありながら、軽量であり、しかも溶接接合性に優れた、溶接構造部材の素材として好適な材料を提供する。また、かかる材料を用いた溶接構造部材を提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明による溶接構造用クラッド材は、純AlあるいはAl合金によって形成された基材層と、前記基材層に拡散接合された溶接層とを備え、前記溶接層はCrを6〜30mass%含有するNi−Cr合金によって形成される。
このクラッド材によると、基材層がAl合金によって形成されているので、軽量性に優れる。また、基材層の上にはCrを6〜30mass%含有するNi−Cr合金によって形成された溶接層が拡散接合されるので、基材層との接合性に優れると共にステンレス鋼等の他の金属材との溶接接合性に優れる。このため、溶接構造部材の素材として好適に用いられる。しかも、前記Ni−Cr合金はステンレス鋼に対して同等以下の優れた非磁性を有するので、使用環境において周りの磁気特性に影響を与えることがない。
【0008】
前記溶接層は前記基材層の表面の一部に形成されていてもよい。基材層の一部に溶接層を形成することで、他材との溶接性を確保すると共に、より軽量化に寄与することができる。
【0009】
また、溶接層は、基材層の全面あるいは一部に形成する場合、基材層の両表面に被覆形成することが好ましい。これによって、基材層と溶接層との材質(熱膨張率)の違いに基づく熱変形を防止することができ、形状安定性を向上させることができる。もっとも、基材層の一部に溶接層を形成する場合、溶接に必要な微小領域だけに溶接層を形成すれば、熱膨張率の違いに基づく熱変形はほとんど無視することができるので、溶接層は基材層の一方の表面(片表面)にのみ被覆形成されるだけで十分である。
【0010】
また、前記溶接層はその厚さが10μm 以上であり、全体厚さに対して厚さ比が1/4以下にするのがよい。溶接層の厚さが10μm 未満では溶接接合性が劣るようになり、また厚さ比がクラッド材の全体厚さに対して1/4超では軽量化効果が低下するからである。
【0011】
本発明による溶接構造部材は、前記溶接構造用クラッド材によって形成されたクラッド部材同士、あるいは前記クラッド部材と他の金属部材とが溶接されたものである。
この溶接構造部材は、前記溶接構造用クラッド材を素材とするので、部材同士の溶接性に優れ、また容易に部材の軽量化を図ることができる。このため、生産性を損なうことなく、軽量化された溶接構造部材、例えばハードディスクドライブ装置の磁気ヘッドを支持するサスペンションを容易に製作することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
まず、本発明の実施形態にかかる溶接構造用クラッド材の基本構造を図1を参照して説明する。このクラッド材1は、純AlおよびAlを主成分とするAl合金で形成された基材層2の両表面にNi−Cr合金からなる溶接層3,3がそれぞれ拡散接合されている。
【0013】
前記基材層2を形成する純Alとしては、具体的にはJISA1060、1080等の合金系統1000系のものを利用することができる。また、Al合金としては、非磁性、軽量化の観点からAlを90mass%以上含有するAl合金が好適であり、例えばJISA2017,2024等のAl−Cu合金(合金系統2000系)、JISA3003,3004等のAl−Mn合金(合金系統3000系)、JISA4042等のAl−Si合金(合金系統4000系)、JISA5005,5052等のAl−Mg合金(合金系統5000系)、JISA6061,6063等のAl−Mg−Si合金(合金系統6000系)、JISA7075,7N01等のAl−Zn−Mg合金(合金系統7000系)を用いることができる。
【0014】
前記溶接層3は、Crを6〜30mass%を含むNi−Cr合金によって形成される。このNi−Cr合金は、オーステナイト系ステンレス鋼の透磁率程度以下の非磁性であり、しかもステンレス鋼をはじめとして各種鉄鋼材、Ni合金材、Cu合金材、さらにはチタン合金材との溶接接合性に優れる。また、前記基材層2を形成するAl材に対して拡散接合性にも優れる。Crが6mass%未満では、Ni量が過多になるため、非磁性特性が劣化し、透磁率がステンレス鋼よりも高くなるため好ましくない。一方、30mass%を超えると、圧延時に圧延板の側端部にひび割れが生じるようになり、加工性が著しく劣化するようになる。このため、Cr量の下限を6mass%、好ましくは15mass%とし、その上限を30mass%、とする。Ni−Cr合金のCrの残部は典型的にはNiおよび不可避的不純物で形成されるが、前記加工性、非磁性を損なわない範囲で、これらの特性の向上あるいは強度の向上等を目的として、適宜の元素を添加することができる。
【0015】
前記溶接層3は、十分な溶接接合強度を得るには、その厚さを10μm 以上に形成することが好ましい。上限は特に規定する必要がないが、あまり厚くすると軽量化が損なわれるので、100μm 以下で十分である。より好ましくは30〜70μm 程度である。また、軽量化の点から、クラッド材1の全体の厚さに対する溶接層3の厚さ(本実施形態では両溶接層3,3の合計厚さ)の比を1/4以下にすることが好ましい。
【0016】
上記実施形態では、基材層2の両表面に溶接層3,3が被覆形成されているので、基材層2を形成するAl材の熱膨張率と溶接層3を形成するNi−Cr合金の熱膨張率とが異なっても、熱変形を防止することができる。もっとも、溶接層3が基材層2に比して十分薄い場合など、クラッド材1に生じる熱変形が無視できるような場合、基材層2の一方の表面にのみ溶接層3を形成するようにしてもよい。
【0017】
また、前記溶接層3は、基材層2の全面に被覆形成する必要はなく、溶接位置を考慮して、例えば図2に示すクラッド材1Aのように、基材層2の一部(図例では端部)に溶接層3,3を拡散接合するようにしてもよい。溶接層3の配置は、図例に限らず、例えば中央部に形成するようにしてもよい。
【0018】
次に前記3層構造の溶接構造用クラッド材の製造方法について説明する。
前記基材層2の素材の基材シートの両表面に溶接層3の素材のNi−Cr合金シートを重ね合わせ、この重ね合わせた重合体を一対のロールに通して圧下率50〜80%程度で圧下する。これによってシート同士を冷間圧接し、基材シートの両面にNi−Crシートが冷間圧接された圧接シートを得る。
【0019】
前記圧接シートは、さらに典型的には400〜480℃程度の温度で、2〜5分間程度保持する拡散焼鈍が施される。焼鈍は、還元性ガス雰囲気、不活性ガス雰囲気、非酸化ガス雰囲気で行うことが好ましい。この拡散焼鈍により、基材層2と、これに隣接する溶接層3,3が強固に拡散接合したクラッド材1が得られる。
【0020】
前記クラッド材1は、必要に応じてさらに仕上圧延が施されて、その板厚が調整されてもよい。仕上圧延後の各層の層厚は、圧延の圧下率をRとしたとき、ほぼ元の層厚の(1−R)倍に減厚される。
【0021】
基材層2の一方の表面にのみ溶接層3が拡散接合したAl合金クラッドを製造する場合、基材シートの一方の表面にのみNi−Cr合金シートを重ね合わせて、圧接し、拡散焼鈍を施せばよい。また、図2に示すような、基材層2の表面の一部に溶接層3を被覆形成する場合、基材シートの所望の部位にNi−Cr合金シートを重ね合わせて圧接し、拡散焼鈍を施せばよい。
【0022】
次に、前記溶接構造用クラッド材1を素材として用いた溶接構造物の一実施形態として、ハードディスクドライブ装置の磁気ヘッドを支持するサスペンションについて図3を参照しながら説明する。
このサスペンション11は、前記クラッド材1を用いて加工された基部12と、磁気ヘッド14がその先端部に取り付けられた浮上部13とで構成されている。
【0023】
前記基部12は、前記基材層2の両表面に溶接層3,3が拡散接合されたクラッド材1を加工したものであり、その後端部には駆動装置に連結するための取付穴部16が形成されている。前記駆動装置は、サスペンション11をハードディスクの表面に沿って径方向に駆動させるためのものである。
【0024】
前記浮上部13は、磁気ヘッド14が取り付けられた第1アーム部13Aと、その前端部が前記第1アーム部13Aの後端部にレーザー溶接によって接合され、一体化された第2アーム部13Bとで構成されている。前記第1、第2アーム部13A,13Bは高弾性のステンレス鋼薄板によって形成されている。前記第2アーム部13Bの後端部は前記基部12の前端部の溶接層とレーザー溶接によって接合され、一体化されている。図中、Wはレーザー溶接によって溶接された溶接部である。
【0025】
このサスペンション11によると、剛性が必要とされ、比較的厚く形成される基部12が、本発明にかかる溶接構造用クラッド材1を用いて形成されているので、サスペンション全体として軽量化を図ることができる。また、基部12には特定量のCrを含むNi−Cr合金で形成されて溶接層3を備えるので、高弾性ステンレス鋼あるいは高弾性チタン合金で形成された第2アーム部13Bと容易に溶接することができ、溶接構造物であるハードディスクドライブ装置の磁気ヘッド用サスペンションを容易に製作することができる。また、第2アーム部が高弾性ステンレス鋼で形成される場合、前記Ni−Cr合金はCuを含まないので、溶接の際にCuが溶融部に入り込んで、溶接部を脆化させるおそれもない。
【0026】
以下、本発明を実施例に基づいてより具体的に説明するが、本発明の範囲は上記実施形態や以下の実施例により限定的に解釈されるものではない。
【0027】
【実施例】
幅30mm、長さ100mm、厚さ1.0mmのAl合金(JISA5052)シートおよび同幅、同長、厚さ0.2mmの表1に示す種々のCr含有量(mass%、残部Niおよび不可避的不純物)のNi−Cr合金シートおよび純Niシートを準備し、接合表面をワイヤブラシで擦って活性化した後、Al合金シートの両面にNi−Cr合金シートあるいは純Niシートを重ね合わせ、一対のロールに通して圧下率50%にて冷間圧接した。この圧接シートに450℃で3分間程度保持する拡散焼鈍を水素ガス雰囲気中で行った。その後、さらに圧下率30%で冷間圧延を施して厚さを調節し、前記Al合金からなる基材層の両表面に前記Ni−Cr合金あるいは純Niからなる溶接層が拡散接合されたクラッド材を製作した。クラッド材の基材層の厚さは平均0.25mmであり、溶接層はそれぞれ平均0.05mmであった。このクラッド材の基材層と溶接層との拡散接合性を調べたところ、強固に接合していることが確認された。
【0028】
前記クラッド材から溶接試験片(幅10mm、長さ120mm)をプレスにて採取した。一方、この試験片と同サイズで厚さ0.07mmのステンレス鋼薄板片(材質SUS304)を溶接相手材として準備した。これらの板材を用いて、レーザー溶接を行い、下記の要領で溶接部の引っ張り強さ、引き剥がし強さを調べた。
【0029】
クラッド材試験片21とステンレス鋼薄板片22とを、図4および図5に示すように、端部が10mm重なるように重ね合わせ、重ね合わせ部の中央部に幅方向4mm間隔にてステンレス鋼薄板片側から下記の条件にてレーザーを照射し、両者を点溶接した。図中、Wは溶接部である。また、従来例として、ステンレス鋼薄板片(材質SUS304)同士を同様にレーザー溶接した。このようにして得られた溶接試験部材は、図5(B)に示すように、各板の他端を反対方向に引っ張り、溶接部W,Wが外れる際の引っ張り力を測定した。
レーザー溶接条件
電圧:470V、パルス幅:4ms、繰り返し数:1pps
なお、この条件はSUS304ステンレス鋼薄板片同士をレーザー溶接する際の最適条件である。
【0030】
また、前記クラッド材の溶接試験片、ステンレス鋼薄板片を用いて、レーザー溶接を行い、下記の要領で溶接部の引き剥がし強さを調べた。クラッド材溶接試験片21とステンレス鋼薄板片22とを、図6に示すように、全面が重なるように重ね合わせ、長さ方向の中央部に幅方向4mm間隔にてステンレス鋼薄板片22側から上記と同条件にてレーザーを照射し、2個の溶接部Wを介して両者を点溶接した。このようにして得られた溶接試験部材を用いて、同図に示すように、各板の端部をそれぞれ反対方向に直角に折り曲げ、その折り曲げ部を反対方向に引っ張り、溶接部Wが引き剥がされる際の引っ張り力(「引き剥がし力」と呼ぶ。)を測定した。
【0031】
また、前記クラッド材、ステンレス鋼薄板から幅10mm、長さ80mmの試験片を採取し、磁気天秤を用いて磁気特性(比透磁率μ、非磁性ではμ=1)を測定した。これらの測定結果を併せて表1に示す。引っ張り力は、実用上、10N以上あればよいので、10N未満を不可(×)、10N以上,20N未満を可(△)、20N以上,35N未満を良(○)、35N以上を優(◎)と評価した。また、引き剥がし力については、実用上、5N以上あればよいので、5N未満を不可(×)、5N以上,10N未満を可(△)、10N以上,15N未満を良(○)、15N以上を優(◎)と評価した。表1では、引っ張り力、引き剥がし力について、悪い方の評価をベースとして示した。
【0032】
【表1】
Figure 2004249347
【0033】
表1より、溶接層をCr6〜30%含有するNi−Cr合金で形成した発明例の試料No. 3〜10は、良好な溶接接合性が得られている。特にCrが15〜30%の試料No. 8〜10は、ステンレス鋼薄板同士を溶接した試料No. 11に比較してCr量15%のNo. 8がやや劣るものの、総じて優れた溶接接合性が得られている。また、磁気特性については、発明例にかかる試料No. 3〜10は、ステンレス鋼薄板より低い比透磁率を示し、優れた非磁性が得られた。
【0034】
【発明の効果】
本発明による溶接構造用クラッド材によれば、純AlあるいはAl合金からなる基材層に、Crが6〜30%含有するNi−Cr合金で形成された溶接層が拡散接合されているので、優れた非磁性を保持したまま、軽量化を達成しつつ、ステンレス鋼などの鉄鋼材やチタン合金材などに対して優れた溶接接合性を備え、各種溶接構造物の軽量化素材として好適に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態にかかる3層構造のクラッド材の部分断面模式図である。
【図2】本発明の他の実施形態にかかるクラッド材の要部断面模式図である。
【図3】本発明の溶接構造部材の実施形態にかかるハードディスクドライブ装置の磁気ヘッド用サスペンションの断面模式図を示す。
【図4】実施例にかかるクラッド材溶接試験片とステンレス鋼薄板片とをレーザー溶接した溶接試験部材の斜視図を示す。
【図5】引っ張り試験要領を示す溶接試験部材の平面図(A)および側面図(B)である。
【図6】引き剥がし試験要領を示す溶接試験部材の側面図である。
【符号の説明】
1 クラッド材
2 基材層
3 溶接層

Claims (5)

  1. 純AlあるいはAl合金によって形成された基材層と、前記基材層に拡散接合された溶接層とを備え、前記溶接層はCrを6〜30mass%含有するNi−Cr合金によって形成された、溶接構造用クラッド材。
  2. 前記溶接層は前記基材層の一部に形成された請求項1に記載した溶接構造用クラッド材。
  3. 前記溶接層は前記基材層の両面に形成された請求項1または2に記載した溶接構造用クラッド材。
  4. 前記溶接層はその厚さが10μm 以上であり、全体厚さに対する溶接層の厚さの比が1/4以下である請求項1から3のいずれか1項に記載した溶接構造用クラッド材。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載した溶接構造用クラッド材によって形成されたクラッド部材同士、あるいは前記クラッド部材と他の金属部材とが溶接された溶接構造部材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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